JP2007530046A - 新規モジュラーII型制限エンドヌクレアーゼCspCI、および新規特異性を有するエンドヌクレアーゼを製造するためのモジュラーエンドヌクレアーゼの用途 - Google Patents

新規モジュラーII型制限エンドヌクレアーゼCspCI、および新規特異性を有するエンドヌクレアーゼを製造するためのモジュラーエンドヌクレアーゼの用途 Download PDF

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Abstract

新規制限エンドヌクレアーゼおよびその製造方法がシトロバクター(Citrobacter)種2144(NEB#1398)または組換え株大腸菌(Escherichia coli)NEB#1554(これは二本鎖DNA分子内のnt配列5’−CAANNNNNGTGG−3’(配列番号14)において切断する)から入手可能である。該新規制限エンドヌクレアーゼは、特異性部分が、制限−修飾モジュールから独立したモジュールである、モジュラータンパク質である。

Description

制限エンドヌクレアーゼは、ある単細胞微生物(主に細菌および古細菌)に天然に存在する、ウイルスおよび他の寄生性DNA要素による感染からそれらの生物を防御するように機能する酵素である。制限エンドヌクレアーゼは、二本鎖DNA分子(dsDNA)内の特異的ヌクレオチド配列(「認識配列」)に結合し、これらの配列内またはこれらの配列の近傍で該DNAを切断し、該DNAを分裂させ、その破壊を誘発する。制限エンドヌクレアーゼは、通常、修飾メチルトランスフェラーゼと称される1以上の付随酵素と共に見出される。メチルトランスフェラーゼは、それが付随している制限エンドヌクレアーゼと同じ、dsDNA内の配列に結合するが、該DNAを切断する代わりに、該配列内の塩基の1つへのメチル基の付加によりそれを改変する。この修飾(「メチル化」)は、制限エンドヌクレアーゼがその部位を生産的に認識するのを妨げ、ついで切断に対して該部位を抵抗性にする。メチルトランスフェラーゼは、それが付随する制限エンドヌクレアーゼに対する細胞性アンタゴニストとして機能して、その細胞自身のDNAをその制限エンドヌクレアーゼによる破壊から防ぐ。制限エンドヌクレアーゼおよびそれに付随する修飾メチルトランスフェラーゼは、一緒になって、制限−修飾(R−M)系を形成する。これは、いくつかの点で多細胞生物の免疫系が成し遂げることを微生物に成し遂げさせる、酵素の協力関係である。
大きな多様なクラスの制限エンドヌクレアーゼが制限エンドヌクレアーゼの「II型」クラスとして分類されている。これらの酵素はDNAを一定の位置で切断する。該酵素は、精製されると、遺伝子のクローニングおよび分析のためにDNA分子を正確な断片に切断するために使用されうる。II型制限エンドヌクレアーゼの生化学的正確さは、化学的方法により達成されうるものを遥かに凌ぎ、これらの酵素を、分子生物学実験室における不可欠な試薬にする。遺伝子の切断のための分子的手段としてのこの能力において、II型制限エンドヌクレアーゼは過去25年間においてライフサイエンスおよび医学に対して著しい影響を及ぼしており、学術的領域においても商業的領域においても変革をもたらしている。それらの有用性は新規制限エンドヌクレアーゼの絶えざる探索に拍車をかけており、多数の制限エンドヌクレアーゼが既に見出されている。現在のところ、250種を超えるII型エンドヌクレアーゼが公知であり、それぞれは、異なるDNA切断特性を有する(Roberts,R.J.ら,Nucl.Acids.Res.33:D230−D232(2005))(Rebase,http://rebase.neb.com/rebase)。これらの酵素の製造および精製は、通常は大腸菌(Escherichia coli)のような非天然宿主細胞の環境中での、それらをコードする遺伝子のクローニングおよび過剰発現によっても改善されている。
種々の制限酵素は類似した生物学的役割を果たしており、dsDNAの切断を引き起こす生化学的特徴を共有しているらしいため、それらはアミノ酸配列において互いに酷似していると考えられうるであろう。しかし、これは真実でないことが経験から示されている。驚くべきことに、互いに対する有意なアミノ酸類似性を有するどころか、ほとんどの酵素は特有のものであり、それらのアミノ酸配列は他の制限酵素にもいずれの他の公知種類のタンパク質にも類似していない。II型制限エンドヌクレアーゼは、大部分は、進化中に互いに独立して、何百回も生じたらしく、今日の酵素は、共通の祖先に由来する異なるファミリーではなく、異質な集団に相当する。制限エンドヌクレアーゼは体制および作用において生化学的に多様である。すなわち、ホモ二量体として作用するものもあれば、単量体として作用するものもあり、ヘテロ二量体として作用するものもある。対称配列に結合するものもあれば、非対称配列に結合するものもある。連続的配列に結合するものもあれば、不連続的配列に結合するものもある。特有の配列に結合するものもあれば、複数の配列に結合するものもある。単一のメチルトランスフェラーゼに付随するものもあれば、2つのメチルトランスフェラーゼに付随するものもあり、さらには、メチルトランスフェラーゼには全く付随しないものもある。2つのメチルトランスフェラーゼが存在する場合には、それらは分離したタンパク質であることもあり、また、それらは融合していることもある。制限遺伝子および修飾遺伝子の順序および配向は様々であり、考えられうるあらゆる体制が生じうる。いくつかの種類のメチルトランスフェラーゼが存在し、アデニンをメチル化するものもあれば、N−4位または5位でシトシンをメチル化するものもある。どの修飾が特定の制限エンドヌクレアーゼを遮断するのか、どの種類のメチルトランスフェラーゼが任意の特定の場合にその制限エンドヌクレアーゼに付随するのか、あるいはそれらの遺伝子の順序または配向はどのようなものであるのかを演繹的に予測する方法は通常は存在しない。
II型制限エンドヌクレアーゼのクローニングの観点からは、実験目的の場合には、R−M系に存在する著しい可変性は、それぞれが特有のものであることを意味する。各酵素はアミノ酸配列および触媒挙動において特有であり、それぞれは、特有の微生物的環境に適合化された特有の酵素的関連性で存在し、それぞれは実験者に対して特有の課題を課す。制限エンドヌクレアーゼが直接的にクローニングされ過剰発現されうることもあるが、たいていは、それは不可能であり、1つの酵素に対してうまく働くことが別の酵素に対しては全く働かないことがある。1つのものでの成功は別のものでの成功を保証しないのである。
新規エンドヌクレアーゼは革新的な遺伝子工学のための機会を提供する。
本発明の1つの実施形態において、シトロバクター(Citrobacter)種2144(NEB#1398)(ATCC特許受託番号PTA−5846)から入手可能な実質的に純粋なIIG型制限エンドヌクレアーゼおよび単離されたDNAを得た。該シトロバクター(Citrobacter)種からの該酵素の組換えDNAおよび大腸菌(Escherichia coli)NEB#1554(ATCC特許受託番号PTA−5887)からのそのクローン化産物を提供する。
前記制限エンドヌクレアーゼのもう1つの特徴は、それが二本鎖デオキシリボ核酸分子内の以下の塩基配列:
Figure 2007530046
を認識し、矢印で示されている選択的位置において該認識配列の両側で該DNAを切断することである。
前記の制限エンドヌクレアーゼをコードするDNAは、エンドヌクレアーゼおよびメチルトランスフェラーゼ触媒機能を発現する第1DNAセグメントと、該制限エンドヌクレアーゼの配列特異性機能をコードする第2DNAセグメントとを含むことが可能であり、この場合、第1DNAセグメントおよび第2DNAセグメントは1以上のDNA分子内に含有されている。
前記DNAはベクター内に挿入されうる。該ベクターは、CspCI制限エンドヌクレアーゼの制限および修飾ドメインをコードする第1DNAセグメントと該制限エンドヌクレアーゼの特異性ドメインをコードする第2セグメントとの少なくとも1つを含みうる。
本発明の1つの実施形態においては、CspCI制限エンドヌクレアーゼの制限および修飾ドメインをコードする第1DNAセグメントならびに該制限エンドヌクレアーゼの特異性ドメインをコードする第2セグメントにより形質転換された宿主細胞を提供する。第1DNAセグメントおよび第2DNAセグメントは1以上のDNAベクター内に含有されうる。
本発明の1つの実施形態においては、シトロバクター(Citrobacter)種2144(NEB#1398)のサンプルまたは前記宿主細胞を、制限エンドヌクレアーゼの産生に好ましい条件下で培養し、それより該エンドヌクレアーゼを精製する工程を含む、制限エンドヌクレアーゼを入手するための方法を提供する。
本発明の1つの実施形態において、改変された特異性を有するII型制限エンドヌクレアーゼの製造方法は、(a)酵素のセットから制限エンドヌクレアーゼを選択し(ここで、該セット内の各酵素は、特異性サブユニットおよび触媒サブユニットを有するモジュラー構造により特徴づけられ、該特異性サブユニットは更に、二成分認識配列の半分の部位に結合するN末端ドメイン、および該二成分認識配列の残りの半分の部位に結合するC末端ドメインを含む)、(b)該特異性サブユニットを修飾し、(c)改変された特異性を有する制限エンドヌクレアーゼを得ることを含む。
制限エンドヌクレアーゼがCspCIである場合には、半分の部位はCAAであり、残りの半分の部位はGTGGである。
この方法においては、該特異性サブユニットを修飾する工程は更に、(a)該N末端ドメインを該C末端ドメインの第2のコピーで置換し、または該C末端ドメインを該N末端ドメインの第2のコピーで置換し、(b)該N末端ドメイン、または該C末端ドメイン、または該N末端ドメインと該C末端ドメインとの両方を、第2の制限エンドヌクレアーゼまたはメチラーゼからのDNA結合ドメインで置換し、あるいは(c)該N末端ドメイン、該C末端ドメインまたは両方のドメインを突然変異させて結合特異性を改変することを含む。これらの任意の修飾において、あるいはこれらの修飾の非存在下、追加的な修飾を加えることが可能である。すなわち、特異性サブユニットのN末端ドメインとC末端ドメインとの間のスペーサーアミノ酸配列の長さを変化させることが可能である。前記のいずれにおいても、特異性サブユニットおよび触媒サブユニットは別々の異なる遺伝子によりコードされうる。
本発明の1つの実施形態においては、第2の制限エンドヌクレアーゼまたはメチラーゼからのDNA結合ドメインは、もう1つのIIG型制限エンドヌクレアーゼであるI型制限エンドヌクレアーゼから、あるいはγ型mAメチルトランスフェラーゼから誘導されうる。また、N末端切断ドメインは他のDNA結合タンパク質上に連結されうると予想される。
発明の詳細な説明
ほとんどの制限酵素においては、認識配列への結合をもたらす該タンパク質の部分(「特異性」:S)とその切断をもたらす該タンパク質の部分とが相互連結されている。これらの機能のいずれか一方の改変は他方の機能をしばしば損ない、該酵素を不活性にすることが、経験から示されている。特異性の機能と触媒の機能とが概ね分離された新規クラスの酵素を同定した。IIG型クラスの制限エンドヌクレアーゼのこれらのメンバーは、制限と修飾との一対の活性が単一ポリペプチド鎖において組合されている一方で別のポリペプチド鎖に特異性が存在する大きな酵素である。このクラスの制限エンドヌクレアーゼの具体例としては、CspCI、BcgIおよびBaeIが挙げられる。理論により限定されるものではないが、CspCIは1つのR−Mサブユニットと1つのSサブユニットとの二量体として作用し、一方、BcgIは2つのR−Mサブユニットと1つのSサブユニットとの三量体として作用すると考えられる。
このクラスの酵素の、分離された機能体制は、タンパク質工学のための特異な機会を提供する。なぜなら、実施例Vに詳しく記載されているとおり、選択される新規特異性を得るために、該機能モジュールを、独立して操作することが可能だからである。
エンドヌクレアーゼのこの新規クラスは、R−M遺伝子とは異なる特異性サブユニットをコードするDNAにより特徴づけられる。これらの遺伝子は天然においては並んで存在し、シスで発現される。また、これらの遺伝子は、異なるレプリコンに分離され、活性の低下を伴うことなくトランスで発現されうる。これらの遺伝子が、異なるアンプリコン内に別々に位置することは、S遺伝子およびR−M遺伝子が個別に改変されることを可能にし、該遺伝子を同一DNA分子内に再結合させることなく、それらの2つのレプリコンを同一細胞内に導入することにより、該エンドヌクレアーゼまたはその変異体がインビボで容易に再構築されることを可能にする。再構築は個別に、または一緒に行われることが可能であり、これは、一方の改変遺伝子のライブラリーを、もう一方を含有する細胞内に形質転換することにより行われうる。両方の遺伝子は、混合物中で一緒に、択一的(alternatively)に同時形質転換されうる。
あるいは、R−M遺伝子およびS遺伝子は、それらが個別に異なる宿主細胞内で発現されることが可能となるよう、分離されうる。いずれのタンパク質も単独では毒性活性を示さないため、いずれか一方のサブユニットを産生する細胞は生存可能であると理解されるであろう。それらのサブユニットを別々に発現させることは、それらが個別に精製されることを可能にし、それらの2つのサブユニットの調製物を互いに単に混合することにより、該酵素またはその変異体がインビトロで容易に再構築されることを可能にする。精製されたタンパク質の代わりに細胞の抽出物を使用して、ハイスループットスクリーニングおよび/またはマルチプレックス化が達成されうる。
このクラスのエンドヌクレアーゼにDNA−メチルトランスフェラーゼモチーフが存在することは、該エンドヌクレアーゼが、エンドヌクレアーゼ活性のほかに固有のメチル化活性を有することを示唆している。例えば、CspCIはS−アデノシル−L−メチオニン(AdoMet)に依存的である。これらの活性の触媒部位を突然変異させることにより、これらのエンドヌクレアーゼの変異体が単離されうる。これらの突然変異体においては、DNA切断活性、DNAメチル化活性またはそれらの両方が欠損していることが可能である。
典型的には、IIG型クラスにおけるエンドヌクレアーゼの特異性サブユニットは、DNA分子内のどの標的配列がRMサブユニットによる切断を受けるのかを決定する。R−Mサブユニットは、DNA切断のための特有のN末端ドメイン、およびDNAメチル化のための特有のC末端ドメインを有する。Sサブユニットは、二成分認識配列の半分に結合する特有のN末端ドメイン、および残りの半分に結合する特有のC末端ドメインを有する。
認識部位から遠い配列においてDNAを特徴的に切断する他のモジュラー酵素が存在する。しかし、これらの酵素は単量体(CjeIおよびAloI)またはホモ二量体(HaeIV)であり、どちらのタイプも、R−M−Sの組成を有する単一タンパク質である。
モジュラー構造を有することが認められている任意の未知の制限エンドヌクレアーゼに関して、該クラスのエンドヌクレアーゼの認識配列を、公知配列の標的DNAにおける切断部位の位置をマッピングすることにより決定する。これらの領域のDNA配列を、類似性および共通の特徴に関して比較する。候補認識配列を、種々のDNAのエンドヌクレアーゼ切断により生じた、観察された制限断片と比較する。エンドヌクレアーゼ消化により生じたDNA断片のおおよそのサイズを、http://taq.neb.com/〜vincze/REBpredictor/index.php.においてアクセスされうるプログラムREBPredictorに入力する。実施例IIIには、CspCIに関する潜在的認識部位を予想するためにREBPredictorをどのようにして使用したかが記載されている。
前記のタイプのモジュラーエンドヌクレアーゼは、宿主細胞において組換えの産物として又は天然株を培養することにより得ることが可能である。宿主細胞を、100mg/ml アンピリシンで補足された適当な培地内で培養し、37℃で好気的にインキュベートする。後期対数増殖期の細胞を遠心分離により集め、直ちに破壊するか又は−70℃で凍結保存する。
細胞溶解された細胞から該エンドヌクレアーゼを単離するためには、通常のタンパク質精製技術を用いることが可能である。細胞ペーストをバッファー溶液に懸濁させ、音波処理、高圧分散または酵素消化により破裂させて、該バッファー溶液によるエンドヌクレアーゼの抽出を可能にさせる。ついで無傷細胞および細胞残渣を遠心分離により除去して、該エンドヌクレアーゼを含有する無細胞抽出物を得る。ついでイオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、分子ふるいクロマトグラフィーまたはこれらの方法の組合せにより、該エンドヌクレアーゼを該無細胞抽出物から精製する。
対称DNA配列およびハイブリッドDNA配列を認識する新規酵素を得るために、I型制限酵素における特異性ドメインの改変が達成されている(Bickleら,Journal of Cell Biochemistry 18cl36(1994);Bickleら,EMBO Journal 15:4775−4783(1996))。実施例VIには、モジュラーII型制限酵素における特異性ドメインが、該酵素の特異性を改変するためにどのようにして操作されうるかが記載されている。
本発明の実施形態は、以下の実施例により更に詳しく例示される。これらの実施例は、本発明の実施例の理解を助けるために記載されており、本発明を限定するものとは解釈されない。
前記および後記において引用されている参考文献ならびに米国仮特許出願第60/555,795号を参照により本明細書に組み入れることとする。
実施例
実施例I:CspCIの単離
(i)シトロバクター(Citrobacter)種2144(NEB#1398)または(ii)形質転換宿主大腸菌(E.coli)NEB#1554を培養し、該細胞からエンドヌクレアーゼCspCIを回収することにより、CspCIを得た。シトロバクター(Citrobacter)種2144(NEB#1398)のサンプルは、ブダペスト条約の条項および条件に基づきAmerican Type Culture Collection(ATCC)に2004年3月4日に寄託されており、特許受託番号PTA−5846が付与されている。CspCIを発現する組換え株のサンプルである大腸菌(E.coli)(NEB#1554)も、ブダペスト条約の条項および条件に基づきAmerican Type Culture Collection(ATCC)に2004年3月24日に寄託されており、特許受託番号PTA−5887が付与されている。
シトロバクター(Citrobacter)種2144(NEB#1398)または大腸菌(E.coli)(NEB#1554)を好気的に37℃でインキュベートした。後期対数増殖期の細胞を遠心分離により集め、直ちに破壊するか又は−70℃で凍結保存する。
CspCIエンドヌクレアーゼを通常のタンパク質精製技術によりシトロバクター(Citrobacter)種2144(NEB#1398)または大腸菌(E.coli)(NEB#1554)から単離した。細胞ペーストをバッファー溶液に懸濁させ、音波処理、高圧分散または酵素消化により破裂させて、該バッファー溶液によるエンドヌクレアーゼの抽出を可能にさせる。ついで無傷細胞および細胞残渣を遠心分離により除去して、CspCIを含有する無細胞抽出物を得る。ついでイオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、分子ふるいクロマトグラフィーまたはこれらの方法の組合せによりCspCIを該無細胞抽出物から精製して、該エンドヌクレアーゼを得た。
実施例II:天然または組換えCspCIエンドヌクレアーゼの製造
277グラムの大腸菌(E.coli)NEB#1554 CspCI細胞ペレットまたはシトロバクター(Citrobacter)種2144(NEB#1398)(New England Biolabs,Inc.,Beverly,MA)を、300mM NaClを含有する1リットルのバッファーA(20mM Tris−HCl(pH 7.4),1.0mM DTT,0.1mM EDTA,5% グリセロール)に懸濁させ、ガウリン(Gaulin)ホモジナイザーに〜12,000psigで通過させた。ライセートを〜13,000×Gで40分間遠心分離し、上清を集めた。
上清溶液を、バッファーA+300mM NaCl中で平衡化された400ml DEAE ファーストフロー(Fast−Flow)カラム(GE Healthcare,かつてはAmersham Biosciences,Piscataway NJ)にアプライし、CspCIエンドヌクレアーゼ活性を含有する溶出液をバッファーAで1:1希釈した。
希釈された酵素を、バッファーB(20mM Tris−HCl(pH 7.4),150mM NaCl,1.0mM DTT,0.1mM EDTA,5% グリセロール)中で平衡化された375ml ヘパリン・ハイパーD(Heparin Hyper−D)カラム(Biosepra,Marlborough MA)にアプライした。バッファーBの洗浄液2.5Lをアプライし、ついでバッファーB中の0.15Mから1Mまでの勾配の2LのNaClをアプライし、画分を集めた。20μM(Adomet)で補足された50マイクロリットルのNEBuffer2バッファー中の1マイクログラムのファージラムダDNA(NEB)と共に37℃で15分間インキュベートすることにより、画分をCspCIエンドヌクレアーゼ活性に関してアッセイした。0.3Mから0.35MのNaClでCspPI活性が溶出した。
CspCI活性を含有するヘパリン・ハイパーD(Heparin Hyper−D)カラム画分をプールし、バッファーB中で平衡化された200ml セラミック(Ceramic)htpカラム(Biosepra,Marlborough MA)上に直接的にローディングした。バッファーBの洗浄液1Lをアプライし、ついでバッファーB中の0Mから0.6Mまでの勾配のKHPO(pH7.5)1Lをアプライし、画分を集めた。20μMのAdoMetで補足された50マイクロリットルのNEBuffer2バッファー中の1マイクログラムのファージラムダDNAと共に37℃で15分間インキュベートすることにより、画分をCspCIエンドヌクレアーゼ活性に関してアッセイした。0.4Mから0.5MまでのKHPOでCspCI活性が溶出した。
CspCI活性を含有するセラミック(Ceramic)HTPカラム画分をプールし、バッファーC(20mM Tris−HCl(pH7.4),100mM NaCl,1.0mM DTT,0.1mM EDTA,5% グリセロール)中に透析した。
このプールを、バッファーC中で平衡化された50ml ソース(Source)Qカラム(GE Healthcare;かつてはAmersham Biosciences,Piscataway NJ)中に流し、バッファーC中で平衡化されたヘパリン(Heparin)TSK上に直接的に流した。バッファーCの洗浄液250mLをアプライし、ついでバッファーC中の0.1Mから0.8Mまでの勾配のNaClの400mlをアプライし、画分を集めた。20μMのAdoMetで補足された50マイクロリットルのNEBuffer2バッファー中の1マイクログラムのファージラムダDNA(New England Biolabs,Inc.,Beverly,MA)と共に37℃で15分間インキュベートすることにより、画分をCspCIエンドヌクレアーゼ活性に関してアッセイした。0.3Mから0.35MまでのNaClでCspCI活性が溶出した。
該プールを保存バッファー(Storage Buffer)(10mM Tris−HCl(pH7.4),100mM NaCl,1.0mM DTT,0.1mM EDTA,50% グリセロール)中に透析した。この方法により100万単位のCspCIを得た。このようにして得られたCspCIエンドヌクレアーゼは実質的に純粋であり、混入ヌクレアーゼを含有しない。この調製物のサンプルのSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動は、それが約70kDaおよび35kDaの2つの主要タンパク質を2:1のおおよその質量比で含むことを示した。
活性測定
CspCI活性:1〜10マイクロリットルのサンプルを、20μMのAdoMetで補足された1マイクログラムのファージラムダファージDNAを含有する1×NEBuffer2(New England Biolabs,Inc.,Beverly,MA)よりなる50マイクロリットルの基質溶液に加えた。該反応液を37℃で60分間インキュベートした。20マイクロリットルの停止溶液(50% グリセロール,50mM EDTA(pH8.0)および0.02% ブロモフェノールブルー)を加えることにより、該反応を停止させた。該反応混合物を1% アガロースゲルにアプライし、電気泳動させた。得られたバンドをDNAサイズ標準物との比較により同定した。
単位の定義:1単位のCspCIは、20μMのAdoMetで補足された1×NEBuffer2(New England Biolabs,Inc.,Beverly,MA)50マイクロリットルの反応容量中の1マイクログラムのファージラムダDNAを37℃で1時間以内に完全に切断するのに要するCspCIの量と定義される。
CspCIの特性
AdoMet:20mM AdMetでのCspCI反応の補足は該酵素の活性を著しく増強した。AdoMetを使用しなかった反応においては、該酵素は、AdoMetで補足された反応においてそれが示した切断活性の5%未満の活性しか示さず、このことは、AdoMetがこの酵素に必要な補因子であることを示している。
種々の反応バッファーにおける活性:CspCIは、NEBuffer2+AdoMetにおいて、他の標準的なNEBuffer(New England Biolabs,Inc,Beverly,MA)と比較して、最も活性であることが判明した。
以下のNEBuffer中、37℃で1時間の消化は、NEBuffer2(New England Biolabs,Inc,Beverly,MA)+20mM AdoMetに対する以下のおおよその切断活性比率(%)を示した。
NEBuffer1+20mM AdoMet:10%
NEBuffer2+20mM AdoMet:100%
NEBuffer3+20mM AdoMet:10%
NEBuffer4+20mM AdoMet:75%
NEBuffer2−(AdoMet無し):<5%
16時間の反応における活性:16時間の消化において1マイクログラムのファージラムダDNAを切断するためには0.5単位のCspCIが要求され、一方、1時間の消化において1マイクログラムのファージラムダDNAを切断するためには1単位が要求される。
温度:1×NEBuffer2+20μM AdoMet中の1時間のインキュベーションにより37℃でCspCIの単位力価を測定した。37℃で反応を行う前の70℃で20分間のCspCIのインキュベーションは該酵素を不活性化しない。70℃で20分間の熱処理の後、CspCIはほぼ完全な活性を保有する。
両側性切断:CspCIはその認識配列の両側でDNAを切断する。その結果、CspCI切断は、規則的な制限断片を与えることに加えて、各認識部位からの断片である35±1bpの小さな内部「小断片」を与える。これらの小断片はゲル電気泳動により可視化され(図2)、認識配列と、各側における切断部位までのフランキングDNAとを含む。小断片を生成する2つの切断事象は別々に進行するらしい。すなわち、切断は、両側で同時に生じるのではなく、まず、認識配列の一方の側で生じ、ついで、もう一方の側で生じる。その結果、DNAの部分消化サンプルをゲル電気泳動により調べると、該DNA断片は、小断片がその末端から切断されているかどうかに応じて二重線または三重線として現れる(図3)。
実施例III:CspCI切断部位の測定
認識配列に対するCspCI誘導性切断の位置を、2つの方法、すなわち、プライマー合成およびランオフ(run−off)自動化配列決定により決定した。
A:プライマー合成法
プライマー伸長産物を切断し、ついでそれを、同じプライマーおよび鋳型から得られた標準ジデオキシ配列決定反応物のセットと共に電気泳動に付すことにより、認識配列に対するCspCI切断の位置を決定した。3009位における認識配列位置の近傍のプライマーと共に鋳型としてM13mp18 DNAを使用した。このプライマー/鋳型の組合せに関する読取り可能な配列は3069位から始まり、CspCI部位まで続く。
配列決定反応
切断部位の決定のための修飾を伴うSequenaseバージョン2.0 DNA配列決定キット(GE Healthcare,かつてはAmersham Life Science)を使用して、配列決定反応を行った。2.5マイクロリットルのdH2O、3マイクロリットルの5×配列決定バッファー(200mM Tris pH 7.5,250mM NaCl,100mM MgCl)、8マイクロリットルのM13mp18一本鎖DNA(1.6マイクログラム)および1.5マイクロリットルのプライマー(濃度3.2mM)を一緒にすることにより、鋳型およびプライマーを0.5ml エッペンドルフチューブ内で集合させた。該プライマー−鋳型溶液を65℃で2分間インキュベートし、ついで実験台上の65℃の水のビーカー内で20分かけて37℃に冷却させて該プライマーをアニールさせた。標識混合物(1:20希釈物)およびT7 Sequenaseポリメラーゼを該製造業者の指示に従い希釈した。該アニール化プライマーおよび鋳型チューブを氷上に配置した。このチューブに、1.5マイクロリットルの100mM DTT、3マイクロリットルの希釈dGTP標識混合物、1マイクロリットルの[α−33P]dATP(2000Ci/mM,10mCi/ml)および3マイクロリットルの希釈T7 Sequenaseポリメラーゼ(GE Healthcare,かつてはAmersham,Piscataway,NJ)を加えた。該反応を混合し、室温で4分間インキュベートした。
ついで3.5マイクロリットルのこの反応物を、A、C、GおよびT配列決定終結反応のための2.5マイクロリットルの終結混合物を含有する4本のチューブのそれぞれに移した。残りの反応物に、10マイクロリットルの反応伸長混合物(Sequence Extending Mix)(GE Healthcare,かつてはAmersham Biosciences,Piscataway,NJ)を加えた。これは、後続の切断のためのCspCI認識部位を経て伸長するDNAの標識鎖を与えるよう終結を伴うことなくCspCI部位を経てそれを十分に越えてプライマーが伸長するのを可能にするdNTP(ddNTP非含有)の混合物である。該反応物を37℃で5分間インキュベートした。該A、C、GおよびT反応物に4マイクロリットルの終結溶液を加え、該サンプルを氷上で保存した。ついでDNAポリメラーゼ(Sequenase)(GE Healthcare,かつてはAmersham Biosciences,Piscataway,NJ)を不活性化するために該伸長反応物を70℃で20分間インキュベートし、ついで氷上で冷却した。
ついで10マイクロリットルの該伸長反応物をゾーン0.5ml エッペンドルフチューブ内に配置し、7マイクロリットルを第2のチューブ内に配置した。第1のチューブに1マイクロリットル(約0.5単位)のCspCIエンドヌクレアーゼを加えた。該反応を混合し、ついで2マイクロリットルを第2のチューブに移した。これらの酵素消化反応物を混合し、ついで37℃で1時間インキュベートし、ついで該反応物を半分に分割した。一方の半分に、4マイクロリットルの終結溶液を加え、混合した(「マイナス」ポリメラーゼ反応)。もう一方の半分に、80mM dNTPを含有する0.4マイクロリットルのクレノウDNAポリメラーゼ(NEB#210)(New England Biolabs,Inc.,Beverly,MA)を加え(「プラス」反応)、該反応物を室温で15分間インキュベートし、ついで4マイクロリットルの終結溶液を加えた。
同じプライマーおよび鋳型の組合せから得られた配列決定反応物のセットの隣で、伸長反応のCspCI消化物と共に、該配列決定反応産物を6% ビス−アクリルアミド配列決定ゲル(Stratagene Corporation,La Jolla,CA)上で電気泳動させた。
結果
伸長反応産物の消化(「マイナス」反応)は、CspCI認識配列の12塩基5’側のC残基(5’−AGAGAGATAACCCACAAGAATTG−3’(配列番号10))と共に泳動するバンドを与え、このことは、この鎖上の認識配列の5’側の第12塩基と第11塩基との間での切断を示している。この鎖上のCspCI認識部位の12塩基3’側のA残基(CCACAAGAATTGAGTTAAGCCCA(配列番号11))と共に泳動する第2のバンドが生成し、このことは認識部位の3’側の第12塩基と第13塩基との間での切断を示している。該認識部位から1塩基離れた位置にもかすかなバンドが存在し、このことは、該分子の僅かな一部が認識配列の3’側の第13塩基と第14塩基との間で切断されたことを示している。クレノウDNAポリメラーゼでの該切断伸長反応産物の処理(「プラス」反応)は、前記の第1のバンドより2塩基短いバンドを与え、これは認識配列の14塩基5’側のA残基(5’−TCGAGAGATAACCCACAAGAATTG−3’(配列番号12))と共に泳動し、このことは該DNAの反対鎖上の認識配列の3’側の第13塩基と第14塩基との間の切断(5’−CAANNNNNGTGG(N13)(配列番号13))を示している。「プラス」レーンにおいて、該部位の12塩基3’側の、元のバンドに対応する幾つかの追加的なバンド、ならびに認識配列により近い反対DNA鎖上の切断から生じた1塩基および2塩基短いバンドも観察された(図4)。
これらの結果は、後記の第2の方法により得られた結果と合わせると、CspCIがDNAをその認識配列の両側で切断し、配列5’−CAANNNNNGTGG−3’(配列番号14)の5’側のN11/N13またはN10/N12において及び該配列のN13/N11またはN12/N10においてそのように切断して、2−塩基3’−伸長を有するDNA断片、および認識部位を含有する34、35または36塩基の切断断片を与えうることを示している。
B:ランオフ配列決定法
第2のアプローチにおいては、フォワードプライマーおよびリバースプライマーを使用するCspCI部分切断鋳型DNAの自動配列決定を用いて、切断部位を経て伸長するシークエンシングトレースを得た。CspCI認識配列を含有するオリゴヌクレオチドをpUC19のnt2617のAatII部位内に両方の配向で挿入することにより構築された2つのプラスミド(pUC1CspC−1およびpUC1CspC−4)を鋳型として使用した(後記の実施例III第2節に記載されている)。
pUC1CspC−1およびpUC1CspC−4のCspCI切断
認識部位の両側の切断部位を決定するために、pUC1CspC−1およびpUC1CspC−4の部分消化物に対して配列決定反応を行った。
該消化は以下のとおりに行った。
a.
25マイクログラムのpUC1CspC−1およびpUC1CspC−4、
100マイクロリットルのNEBuffer2、
1マイクロリットルの32mM AdoMet、
1000マイクロリットルまでのdH2O
を一緒にする。
b.該混合物を、1本の反応チューブ内に200マイクロリットル、後続の8本のチューブに100マイクロリットル分配する。
c.第1チューブに160単位のCspCIエンドヌクレアーゼを加え、混合し、100マイクロリットルを取り出し、それを第2チューブに加え、混合し、100マイクロリットルを取り出し、それを第3チューブに加えるなどを、第9チューブに達するまで繰返す。
d.全9個の反応物を37℃で60分間インキュベートし、ついで氷上に配置する。
e.各反応のサンプルをアガロースゲル上で分析し、完全切断および部分切断プラスミドを選択する。
f.Zymo DNAクリーン・アンド・コンセントレーター(Clean and Concentrator)−5遠心カラムを製造業者の推奨(Zymo Research,Orange,CA)に従い使用して、配列決定のために該切断プラスミドを精製する。
配列決定反応
CspCIで切断されたpUC1CspC−1および−4プラスミド鋳型、ならびに一方の側でCspCI部位から約250nt離れた位置で合成を開始するプライマー(フォワードプライマー)と、もう一方の側のCspCI部位から160nt離れた位置で合成を開始するプライマー(リバースプライマー)とのペアを使用して、ABI377 DNAシークエンサーで該反応を行った。これらの2つのプライマーの配列は以下のとおりである。
5’−CAGTTCGATGTAACCCACTCG−3’(配列番号15)
フォワードプライマー;これはpUC19のnt2346−2366に対応し、該ベクターのマイナス鎖に対処するものである。
5’−CCCGCTGACGCGCCCTGACGGGC−3’(配列番号16)
リバースプライマー;これはpUC19のnt96−118の相補体に対応し、該ベクターのプラス鎖に対処するものである。
配列決定反応が鋳型鎖の5’末端に遭遇した場合には、それは、しばしば、最終的な非鋳型化Aを合成鎖に付加する。鋳型DNAが、不完全に切断されたDNAサンプルの場合のように無傷鎖と末端切断鎖との混合物を含む場合には、切断の位置は、正常ピーク上に重ね合わされた異常なAピークにより、および後続ピークの高さにおける全体的な減少により、シークエンシングトレースにおいて現れる。例えば、異常な位置に通常存在する塩基がA−G以外のものである場合には、混合シグナル(この実施例ではG+A)が見られる。しかし、また、この位置に通常存在する塩基がAである場合には、恐らく通常より高い単一のAピークが見られ、これは明白な同定を混乱させる。
結果
認識配列の5’側の切断の位置に関しては明白な結果が得られたが、3’側の切断に関してはデータはより乏しいものであった。しかし、全体としては、それらは、2−塩基3’−突出部を有する断片を与えるエンドヌクレアーゼ切断と一致した。代表的な反応からのシークエンストレースを図5に示す。
フォワードプライマーとの部分切断pUC1CspC−4の反応は、認識配列の前にはG13nt上に重ね合わされる強力な異常Aを、そしてその後には予想より強力なAピーク11ntを示した。
5’...AAGTGccacctgacgtgcaacctaggtggcacgtctaagaaac...(配列番号17)。
(注釈.下線部:CspCI認識部位;ボールド:異常Aが重ね合わされる正常塩基;大文字:正常な高さのピーク;小文字:減少した高さのピーク)。
これらの結果は、相補鎖の切断(|で示されている)が生じることを示唆している:
5’−GTTT|CTTAGACGTGCCACCTAGGTTGCACGTCAGGTGGC|ACTT...(配列番号18)。
リバースプライマーとの部分切断pUC1CspC−4の反応は認識配列の前にT12nt上の強力なA異常を示し、該配列の後の2つのG11および12nt下の2つの異常Aの示唆を示した:
5’...TGGTTtcttagacgtgccacctaggttgcacgtcaggtggcact...(配列番号19)。
G−11異常を一時的に無視すると、これらの結果は、相補鎖の切断が生じることを示唆している:
5’...TGC|CACCTGACGTGCAACCTAGGTGGCACGTCTAAGAA|ACCA...(配列番号20)。
これらの結果を合わせると、pUC1CspC−4内の部位におけるCspCI切断は以下のとおりであるらしい:
5’...AGTGC|CACCTGACGTGCAACCTAGGTGGCACGTCTAAGAA|ACC...(配列番号21)。
3’...TCA|CGGTGGACTGCACGTTGGATCCACCGTGCAGATTC|TTTGG...(配列番号22)。
すなわち、11/13 CAA N GTGG 12/10(配列番号14)。
部分切断pUC1CspC−1をフォワードプライマーで調べた場合、同じG−13およびA−11 A異常が見られ、それをリバースプライマーで調べた場合、同じT12 A異常が見られた。したがって、pUC1CspC−1内の部位における切断は以下のとおりであるらしい:
5’...AGTGC|CACCTGACGTGCCACCCGGGTTGCACGTCTAAGAA|ACC...(配列番号23)。
3’...TCA|CGGTGGACTGCACGGTGGGCCCAACGTGCAGATTC|TTTGG...(配列番号24)。
すなわち、10/12 CAA N GTGG 13/11(配列番号14)。
切断距離におけるこの数的逆転は、DNA切断の位置が認識配列の配向に無関係であり、フランキング配列の性質に左右されることを示している。認識部位の左側(反時計回り)の配列は両方のプラスミドにおいて同じであり、右側(時計回り)の配列でも同様である。後者は幾らかA:Tに富んでおり、左側のG:Cに富むDNAより物理的に伸長していると考えられるであろう。したがって、該エンドヌクレアーゼは、それをその結合部位から評価すると、該DNAが伸長している場合にはいずれかの側の12/10を切断し、該DNAがコンパクトな場合には13/11を切断する。
前記において一時的に無視したG−11異常に戻ると、pUC1CspC−4/リバースプライマー反応におけるその存在は、それが存在しなければコンパクトな状態となる左側のDNAが、おそらく、消化中のスーパーコイル解除を伴うねじれ緩和により、より伸長して、この位置における10/12切断が生じうることを示唆している。これは、ある程度は、CspCIが、
10/12 CAA N GTGG 12/10 (配列番号14)を、および伸長により、
11/13 CAA N GTGG 13/11 (配列番号14)を切断しうることを証明している。
実施例IV:CspCI制限−修飾遺伝子のクローニング
1.ゲノムDNAの調製
以下の工程により、2.5gのシトロバクター(Citrobacter)種2144からゲノムDNAを調製した。
a.リゾチーム(最終2mg/ml)、スクロース(最終1%)および50mM Tris−HCl(pH8.0)の添加による細胞壁の消化。
b.24mlの細胞溶解混合物(50mM Tris−HCl pH 8.0,62.5mM EDTA,1% Triton)の添加による細胞溶解。
c.DNAのフェノール−CHCl抽出(等容量で2回)によるタンパク質の除去。
d.4リットルのTEバッファー中での透析、4回のバッファー交換。
e.RNAを除去するためのRNアーゼA処理。
f.0.4M NaClおよび0.55容量の100% イソプロパノール中でのゲノムDNA沈殿、巻取り、乾燥およびTEバッファーへの再懸濁。
2.プラスミドベクターpUC2CspCの調製
2つのCspCI認識部位(1つはnt2617におけるユニークAatII部位、もう1つはnt1563におけるDraI部位)を挿入することにより、大腸菌(E.coli)クローニングベクターpUC19からプラスミドクローニングベクターpUC2CspCを構築した。
a.相補的オリゴヌクレオチドの2つのペアを合成した。各ペアのアニーリングはCspCI認識部位を与え、また、連結産物がもはやAatII部位もDraI部位も含有しないAatIIまたはDraI DNA断片に連結されうる二本鎖末端を与える。
アニールした二本鎖形態のオリゴヌクレオチド配列を以下に示す。
Figure 2007530046
b.AatII部位リンカーの場合、1マイクログラムのpUC19を、小さな容量中、AatIIで消化した。
c.アニールしたオリゴヌクレオチドリンカーをT4 DNAリガーゼおよびリガーゼバッファーと共に該反応に加え、該反応を室温で2時間インキュベートした。
d.反応産物を大腸菌(E.coli)内に形質転換し、アンピシリンの存在下で増殖させた。
e.Ap形質転換体を単離し、それらのプラスミドを、FastPlasmid(登録商標)Mini Kit(Eppendorf,Hamburg,Germany)を使用して調製し、制限酵素AatIIおよびCspCIで消化することにより分析した。
f.pUC1CspC−1およびpUC1CspC−4の2つのプラスミド(それぞれは、AatII部位を欠くが、2つの可能な反対の配向のいずれかで1つのCspCI認識部位を含有する)を同定した。DraI部位におけるリンカーの挿入のために、Qiagen Plasmid Midi Kit(Qiagen,Valencia,CA)を該製造業者の推奨に従い使用して、これらのうちの1つpUC1CspC−4を大規模精製した。
g.DraI部位リンカーの場合には、部分消化産物のみが望まれる。したがって、消化、連結およびDraI部位リンカー成分をすべて、同時に加えた。
h.2、5、10、20、40および100分間のインキュベーション時間の後、該反応のサンプルを取り出し、氷上に配置した。
i.反応サンプルを大腸菌(E.coli)内に形質転換し、前記dおよびeと同様にしてプラスミドを調製し分析し、制限酵素DraIおよびCspCIで消化した。
j.2つのCspCI部位を含有する1つのプラスミドpUC2CspCを同定し、Qiagen Plasmid Mega Kitを製造業者(Qiagen,Valencia,CA)の推奨に従い使用して大規模調製した。
CspCI制限−修飾系の遺伝子をクローニングするためのプラスミド選択ベクターとしてプラスミドpUC2CspCを使用した。プラスミドpUC1CspC−1および−4をCspCI切断反応の分析のための基質として使用した(前記実施例II第b節)。
3.ゲノムDNA消化およびライブラリー構築
完全消化および部分消化を達成するために、〜10マイクログラム量のシトロバクター(Citrobacter)種2144ゲノムDNAを個々に消化するために、制限酵素ApoI、BamHI、BglIIおよびSau3AIを使用した。該制限酵素の65℃で15分間の熱不活性化の後、ApoI消化物を、EcoRIで切断されたCIP脱リン酸化pUC2CspCベクターに連結し、BamHI、BglIIおよびSau3AI消化物を、BamHIで消化されたCIP脱リン酸化pCspI×2に連結した。ついで、CaCl法によりコンピテントにされたendA大腸菌(E.coli)宿主ER2683(New England Biolabs,Inc.,Beverly,MA)を形質転換するために、T4 DNAリガーゼで一晩行った連結の産物を使用した。数千個のアンピシリン耐性(Ap)形質転換体を各連結から得た。各連結からのこれらのコロニーをプールし、500mlのLB+Ap中で一晩増殖させ、CsCl勾配精製によりそれらからプラスミドDNAを調製して一次プラスミドライブラリーを作製した。
4.メチラーゼ選択によるCspCI遺伝子のクローニング
該一次プラスミドライブラリーのそれぞれの1マイクログラムを、〜8単位のCspCIでの37℃で1時間の消化により攻撃した。該消化物をER2683内に再び形質転換し、生存体に関してプレーティングした。BglIIIライブラリーからは約500個の、BamHIライブラリー、Sau3AIライブラリーおよびApoIライブラリーからはそれぞれ5、29および20個のAp生存体が得られた。BamHI、Sau3AIおよびApoI生存体からのプラスミドを、Compass Mini Plasmid Kit法を用いて個々に調製し、CspCI消化に付した。ApoIライブラリーからの20個中3個のクローンがCspCIに対して抵抗性であることが判明したが、BamHIライブラリーおよびSau3AIライブラリーからのすべてのクローンは感受性であることが判明した。BglIIライブラリーからの生存体をプールし、それを使用して二次プラスミドライブラリーを調製した。これを再びCspCIで攻撃し、プレーティングした。該生存体のなかで、いくつかの追加的なCspCI抵抗性クローンが見出された。
5.cspCI−R−Mエンドヌクレアーゼ−メチルトランスフェラーゼ遺伝子およびcspCI−S特異性遺伝子の同定
CspCI抵抗性プラスミドクローン中の挿入DNAのnt配列をジデオキシ自動配列決定により決定した。GPS−1系(New England Biolabs,Inc.,Beverly,MA)を使用するクローンApoI#3内へのトランスポゾン挿入は、配列決定のための初期基質を与え、ついでクローンApoI#3および#12ならびにBglII#2および#17上でプライマー歩行を用いて該配列を最終決定した。合計で4616bpを決定し(図6)、このなかで、1899bp(nt1604−3502)および960bp(nt3489−4448)の2つの完全なオープンリーディングフレーム(ORF)が見出された(図7)。それらの2つのORFは同一配向を有し、14bp重複している(図8)。該ORFの分析は、大きいほうのORF(cspCI−R−Mと称される)が、組合された制限および修飾酵素(R−M−CspCI)をコードしており、小さいほうのORF(cspCI−Sと称される)がDNA配列特異性タンパク質S−CspCIをコードしていることを示した(図9)。R−M−CspCIは632aaの長さ及び70,712ダルトンの分子量(あるいは、N末端fMetを伴わない場合には、631aaおよび70,580ダルトン)を有すると推定される。S−CspCIは319aaの長さ及び35,267ダルトンの分子量(あるいは、fMetを伴わない場合には、318aaおよび35,136ダルトン)を有すると推定される。CspCI制限エンドヌクレアーゼ活性のためには両方のタンパク質が必要である。
R−M−CspCIは、DNAメチル化触媒部分に結合したDNA切断触媒部分を含むらしい。R−M−CspCIのN末端半分であるアミノ酸2−300は、多少なりとも、エンドヌクレアーゼドメインを形成し、主として、CspCIのDNA鎖切断活性をもたらすと考えられる。この部分は、多数のDNAエンドヌクレアーゼの触媒部位に見出されるモチーフであるaa配列モチーフ...PE−X15−ECK...(aa57−76)を含み、したがってCspCIのエンドヌクレアーゼ触媒部位である可能性がある。該タンパク質のC末端半分であるR−M−CspCIのアミノ酸301−632は、メチルトランスフェラーゼドメインを形成し、主として、DNA修飾をもたらすと考えられる。この部分は、...VLTP...(aa325−328)、...VLDICAGTGGF...(配列番号26)(aa347−357)および...NPPY...(aa435−438)を含む、DNA−アデニンメチルトランスフェラーゼのγクラスに特徴的ないくつかのaa配列モチーフを含む。これに基づき、CspCIは、その認識配列内でアデニン残基をメチル化することにより修飾を達成すると推定される。対称性の考慮は、修飾塩基が上側の鎖(左側の副配列)における第2のAであり、下側の鎖(右側の副配列)における唯一のAであることを示唆している。したがって、以下のとおりである。
Figure 2007530046
R−M−CspCIは、BcgI制限酵素の融合R−MサブユニットおよびGenbank内のいくつかの類似した推定R−Mサブユニットに対して相当な相同性を示す。
また、S−CspCIは融合タンパク質であるらしい。この場合、それらの2つの部分は配列および機能において類似しており、その認識配列の2つの特異的成分への結合能をCspCIに付与すると考えられる。S−CspCIはI型R−M系の特異性サブユニットに類似しており、実際、それに対する弱い相同性を示す。S−CspCIのN末端半分であるアミノ酸2−168は、多少なりとも、1つの標的認識ドメイン(TRD)を形成すると考えられ、これは、認識配列の左側成分5’−CAA−3’への結合をもたらすものであろう。アミノ酸169−319は、もう一方のTRDを形成すると考えられ、もう一方の5’−CCAC−3’成分に結合すると考えられる。これらの2つのTRDは互いに相当な相同性を示し、したがってS−CspCIは、いくつかの内部反復配列を含有する。これらのなかには、近位反復INDLF(aa4−8)およびLQDLF(aa172−176)ならびに遠位反復PDAYQGVRS(aa144−152)およびPDWDFMEKY(aa300−308)が含まれる。他の特異性タンパク質においても同様の反復が見出され、これらは恐らく、SサブユニットとR−Mサブユニットとの結合を媒介するのであろう。S−CspCIはBcgIの特異性サブユニットおよびGenbank内のいくつかの類似した推定特異性サブユニットに対して相当な相同性を示す。
6.クローン化CspCIエンドヌクレアーゼの特徴づけ
前記実施例1に従い精製したCspCI制限エンドヌクレアーゼをSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動に付したところ、それは約70kDaおよび35kDaの2つのタンパク質を含むことが判明した。同じサンプルの高圧液体クロマトグラフィーは、それらの70kDaおよび35kDaタンパク質が1:0.47の質量比(これは1:1.06のモル比を示唆する)で存在することを示した。このことは、CspCIが、1つの大きなサブユニット(R−M−CspCI)と1つの小さなサブユニット(S−CspCI)とを含むヘテロ二量体として精製され、恐らくそのようなものとして活性であることを示すものである、と本発明者らは理解している。
単離されたその大きなサブユニットのN末端配列分析は、それが、考えられうるアミノ酸配列ANERKTEELV(配列番号27)から始まることを示した。CspCI−R−M ORFの初期コドンはほぼ同じ配列:MANERKTESLV(配列番号28)を特定している。この結果は、その大きなサブユニットがCspCI−R−M ORFによりコードされること、その翻訳がnt1604の推定ATGから始まること、および開始fMetが該成熟タンパク質中には存在しないらしいことを裏付けるものである。単離されたその小さいサブユニットのN末端分析は、それが、考えられうるアミノ酸配列PKINDLFHLE(配列番号29)から始まることを示した。CspCIS ORFの初期コドンはほぼ同じ配列:MPKINDLFHLE(配列番号30)を特定している。この結果は、その小さなサブユニットがCspCI−S ORFによりコードされること、その翻訳がnt3489の推定ATGから始まること、およびその開始fMetが該成熟タンパク質中にも存在しないらしいことを裏付けるものである。
7.CspCIの切断部位の確定
エンドヌクレアーゼCspCIはPhiX174 DNAを2回切断して、約3300bpおよび2050bpの断片を与えることが判明した。PhiX174 DNAをCspCIおよび既知位置で切断する追加的な制限エンドヌクレアーゼ(例えば、PstI、SspI、NciIおよびStuI)で同時に消化することにより、該切断部位の位置はnt1575およびnt4875のおおよその位置にマッピングされた(図1)。CspCIはpBR322 DNAもpUC19 DNAも切断しなかった。ファージラムダDNA(18kb、11kb、8.3kb、5.1kb、4.3kbおよび1.8kb)のCspCI消化によるDNA断片のおおよそのサイズを、http://taq.neb.com/〜vincze/REBpredictor/index.phpにおいてアクセスされうるプログラムREBPredictorに入力した。
REBPredictorは、観察された断片サイズを、任意の与えられた認識パターンでin silicoで該DNAを切断することにより生じた断片サイズと比較することにより潜在的認識配列を予測するためにGingerasら,Nucl.Acids Res.5:4105(1978)のアルゴリズムを用いる。計算された1つの予測潜在的パターンは5’−CCACNNNNNTTG−3’[配列番号31](または相補鎖上の5’−CAANNNNNGTGG−3’[配列番号14]であり、これは、得られたマッピングデータと一致した位置(すなわち、1563位および4866位)でPhiX174 DNAにおいて見出される。この配列はpBR322 DNAにおいてもpUC19 DNAにおいても見出されない。PhiX174、T7およびファージラムダDNA内の5’−CAANNNNNGTGG−3’(配列番号14)部位における切断から予想される断片のサイズは、CspCIでのこれらのDNAの実際の切断からの観察された断片サイズと一致した。これらの結果から、CspCIは配列5’−CAANNNNNGTGG−3’(配列番号14)を認識すると結論づけられる。
CspCI認識配列における切断の位置を、適当なDNA基質のCspCI切断から得られた末端塩基配列のジデオキシ配列決定分析により、および同じプライマー−鋳型ペアから得られた配列ラダーと標識DNAのCspCI切断産物の長さとを比較することにより決定した(Sangerら,PNAS 74:5463−5467(1977);Brownら,J.Mol.Biol.140:143−148(1980))。前記方法により、CspCIは、BcgI、BsaXI、CjeIおよびHaeIVなどのいくつかの他のエンドヌクレアーゼと同様に、その認識配列の両側を切断することが判明した。本発明者らの観察は、以下のように、切断の位置が、一方の側の1つの塩基対によって様々となりうることを示唆しており:5’−Nll/Nl3−CAANNNNNGTGG−Nl3/Nll−3’(配列番号32)または5’−N10/N12−CAANNNNNGTGG−N12/N10−3’(配列番号33)または5’−N10/N12−CAANNNNNGTGG−N13/N11−3’(配列番号34)または5’−Nll/N13−CAANNNNNGTGG−N12/N10−3’(配列番号35)。理論により限定されるものではないが、該酵素は認識配列から或る距離の位置で切断し、この範囲内のDNAのコンパクトさの度合が、これが11/13塩基対における切断を引き起こすのか10/12塩基対における切断を引き起こすのかを決定する、と本発明者らは考えている。
実施例V:大腸菌(E.coli)内でのCspCIエンドヌクレアーゼの発現
プラスミド[pUCl9−CspCI−R−M−S ApoI #3]をER2683内に導入し、Apプレート上で37℃で一晩プレーティングした。いくつかの個々のクローンを50mlのLB+Ap内に接種し、37℃で一晩増殖させた。すべてのクローンは、湿潤大腸菌(E.coli)細胞1g当たり>10u/gでCspCIエンドヌクレアーゼ活性を発現した。pUC19−CspCI−R−M−S ApoIは、宿主細胞を形質転換するための単一のプラスミド上に該エンドヌクレアーゼの全3個のドメイン(切断部分、メチラーゼ部分および特異性部分)を含有するが、該切断部分、メチラーゼ部分および特異性部分を別々のプラスミド上または複数のプラスミド上(この場合、それらのドメインの3個中2個が単一のプラスミド上に存在し第3のドメインが第2のプラスミド上に存在する)に配置することは当業者の技量の範囲内である。
株NEB#1554、ER2683[pUC19−CspCI−R−M−S ApoI#3]は、ブダペスト条約の条項および条件に基づきAmerican Type Culture Collection(ATCC)に2004年3月4日に寄託されており、特許受託番号PTA−5887が付与されている。
実施例VI:CspCIの変異体の操作
CspCIは、そのモジュラー体制に起因する種々の操作機会を与える。
CspCIの特異性サブユニットは、自律配列選択ドメインのペアを含む二重体制を有する。該ドメインは直鎖状アミノ酸配列内の直接反復配列として見出されるが、それらは、二本鎖DNAの逆平行体制に符合するよう、フォールドタンパク質においては逆配向をとる。S−CspCIの一方のドメインはdsDNA内の5’−CAAに選択的であり、もう一方は5’−CCACに選択的であり、それらの2つのドメインは該サブユニットにおいて約15オングストローム離れていて、全体として、それはdsDNA内の5’−CAANNNNNGTGG(配列番号14)を認識する。理論により限定されるものではないが、この配列への実際の結合はS−CspCIとR−M−CspCIのメチルトランスフェラーゼドメインとの間の協同(一方は配列特異的であり、もう一方は非特異的である)を伴うと提示される。S−CspCI内に導入された改変は、それらがI型R−M系において行うことが示されているのと同じ様態で、それが認識する配列を変化させうる。
配列選択ドメイン間の分離および認識配列内の非特異的間隔の長さの改変は、「スペーサー」領域内に変化を導入することにより達成されうる。そのような変化の具体例には、挿入、例えば、長さの増加のための小さな重複(例えば、CAA N GTGG[配列番号36]への変化)または長さの減少のための欠失(例えば、CAA N GTGG[配列番号37]への変化)が含まれる。
CspCIの特異性を改変するためには、以下に例示する種々のアプローチを用いる。
(a)該エンドヌクレアーゼの認識配列は、2つの特異性ドメインのうちの1つを縦列重複させることにより改変されうる。このようにして、該特異性ドメインは、非対称な認識部位を認識するものから、対称な認識部位を認識するもの(例えば、CAA N TTG[配列番号38]またはCCAC N GTGG[配列番号39])へ変換されうる。これは、単一ポリペプチド鎖内でそれらのドメインを物理的に結合させることなく達成され、この場合、該縦列反復配列の二量体化は自発的に生じうる。
(b)アミノ酸の変化をいずれかのドメイン内に導入して、そのドメインにより選択される配列を改変して、特異性の改変を達成し、ヌクレオチド識別の減少(例えば、CAA N GTGR[配列番号40])または喪失(例えば、CAA N GTG[配列番号41])をもたらすことが可能である。配列選択ドメインに隣接した領域内のS−サブユニットにおけるアミノ酸変化は、その認識配列の両側での切断を損なうと予想される。いずれかの配向のS−サブユニットへのR−Mサブユニットの結合能は、その結合を単一の配向へ限定するよう修飾されうる。したがって、CspCIまたは変異体は、その認識配列の一方の側のみにおいて片側で切断するエンドヌクレアーゼへと変換されうる。
(c)S−CspCIの配列選択ドメインと他のIIG型酵素のものとの間の交換は、ハイブリッド特異性を有するキメラSサブユニットを与えると予想される。S−CspCIのN末端(認識配列CAA N GTGG)(配列番号14)と例えばS−BcgIのC末端(認識配列CGA N TGC)(配列番号42)とを含むタンパク質は、R−M−CspCIと組合されると、CAA N TGC(配列番号43)を認識するエンドヌクレアーゼとなりうる。例えば、N末端ドメインおよびC末端ドメインは、2つのC末端ドメインまたは2つのN末端ドメインの組合せを与えるよう互換性があると予想される。このようにして、S−CspCIおよびS−BcgIのC末端ドメインは一緒になって、GCA N GTGG(配列番号44)を認識するであろう。HaeIV、AloIおよびCjeIのような幾つかのIIG型酵素においては、特異性ドメインが該組合せR−M−Sタンパク質のC末端において融合される。これらもS−CspCI内に交換されうる。
配列特異性モジュールは天然に豊富に存在し、個々のタンパク質として及び複合タンパク質内のドメインとして見出される。エンドヌクレアーゼ触媒部位へのこれらの特異性モジュールのカップリングは、新たな特異性を有するエンドヌクレアーゼを与えるであろう。
S−CspCIのN末端ドメインおよびC末端ドメインを置換するために使用されうるクラスIIG制限酵素からの特異性ドメインの具体例は以下のとおりである。
BcgI(New England Biolabs,Inc.,Beverly,MA)CGANNNNNNTGC(配列番号45)。
BaeI(New England Biolabs,Inc.,Beverly,MA)ACNNNNGTAYC(配列番号46)。
BplI(Fermentas GmbH,Vilnius,Lithuania)GAGNNNNNCTC(配列番号47)
カミロバクター・ジェジュニ(Camylobacter jejuni)(Vitor,J.M.B.,Morgan,R.D.Gene 157:109−110(1995))からのCjeI,CCANNNNNNGT(配列番号48)。
AloI(Fermentas GmbH,Vilnius,Lithuania)GAACNNNNNNTCC(配列番号49)。
HaeIV(Piekarowicz,A.ら,J.MoI.Biol.293:1055−1065(1999))GAYNNNNNRTC(配列番号50)。
BsaXI(New England Biolabs,Inc.,Beverly,MA)ACNNNNNCTCC(配列番号51)。
前記に加えて、I型特異性タンパク質は、S−CspCIとのドメイン交換のための豊富で潜在的な特異性ドメイン源である。S−CspIの配列選択ドメインは、I型R−M系の特異性サブユニットのものに対していくらかの相同性を有する。何百もの一般には特徴づけられていないI型S−サブユニットがGenbank内に見出されうる。これらのタンパク質は、DNA−アデニンメチルトランスフェラーゼの、R−M−CspCIと同じガンマクラスに属するI型修飾サブユニットと天然で相互作用し、ドメイン交換のための特異性ドメインとして使用されうる。
独立型のガンマクラスのDNA−アデニンメチルトランスフェラーゼのC末端断片は配列選択ドメインとして作用して、そうでなければ無差別となるであろう触媒部位へ、メチル化されるべき特定のnt配列を伝達すると考えられる。これらのメチルトランスフェラーゼは、いくらか孤立性であり、II型およびIIS型R−M系からのものとは別物であり、天然に豊富に存在する。100種以上が特徴づけされており、より多くの未だ特徴づけられていない例がGenbank内に見出されうる。一般に、これらの酵素は連続的なnt配列を認識する。ほとんどは4〜6ntの長さの対称配列を認識し、他のものは7ntまでの非対称配列を認識する。これらの独立型のメチルトランスフェラーゼも、S−CspCIとのドメイン交換のための豊富で潜在的な特異性ドメイン源に相当する。相当な長さの認識配列を有するCspCIエンドヌクレアーゼ変異体はこれらの酵素から構築されうるであろう。
I型S−タンパク質は天然でI型修飾(M)サブユニットと相互作用して、2M:1Sの組成の三量体を形成する。これらの三量体は、Sサブユニットにより選択される配列に特異的に結合し、ついでそれらのメチル化を触媒する。I型M−サブユニットはR−M−CspCIのC末端メチルトランスフェラーゼドメインに相同であるが、それらは、エンドヌクレアーゼドメインを形成するこのタンパク質のN末端部分を欠く。CspCIは、R−M−CspCIからのエンドヌクレアーゼドメインをI型M−サブユニットに移すことにより(「ドメイングラフト」)、I型修飾酵素にエンドヌクレアーゼ活性を付与するために使用されうる。これは、I型メチルトランスフェラーゼがDNAを切断しそれを修飾することをもたらすであろう。
R−M−CspCIのエンドヌクレアーゼドメインをI型メチルトランスフェラーゼの前に移植(グラフト)するこの実験的アプローチは、元々は修飾されるだけであった配列において切断するために他の単独型メチルトランスフェラーゼに適用されうる。例えば、ガンマクラスDNAアデニンメチルトランスフェラーゼであるR−M−CspCIのN末端切断ドメインは、他のガンマクラスDNAアデニンメチルトランスフェラーゼに移されうる。
図1は、ファージラムダ、T7、PhiX174、pBR322およびpUC19 DNAのCspCI切断を示すアガロースゲルである。レーンは以下のとおりである。レーン1、10、15:ラムダ−HindIII、PhiX174−HaeIIIサイズ標準物;レーン2:ラムダDNA+CspCI;レーン3:T7 DNA+CspCI;レーン4:PhiX174 DNA;レーン5:PhiX174 DNA+CspCI;レーン6:PhiX174 DNA+CspCI+PstI;レーン7:PhiX174 DNA+CspCI+SspI;レーン8:PhiX174 DNA+CspCI+NciI;レーン9:PhiX174 DNA+CspCI+StuI;レーン11:pBR322 DNA;レーン12:pBR322 DNA+CspCI;レーン13:pUC19 DNA;レーン14:pUC19 DNA+CspCI。 図2は、CspCIで切断されたpUC2CspC DNAの高濃度アガロースゲルであり、35±1bpの内部「小断片」(矢印)が示されている。 図3は、部分消化二重線断片を示す高分解能アガロースゲルである。DNA:BglIで切断され漸増量のCspCIで再消化されたpUC2CspC。一過性CspCI−BglI断片二重線が矢印で示されている。 図4aおよび4bは、プライマー合成によるCspCI切断部位の決定を示す。同じM13mp18鋳型およびプライマーの組合せを使用して、2つの実験を行った。(−)は、CspCIで切断されたDNAのみである;(+)は、CspCIで切断されたDNAのクレノウ処理である。 図5は、ランオフ(run−off)自動化配列決定によるCspCI切断部位の決定を示す。図5a:pUC1CspC−4鋳型;フォワードプライマー(配列番号1)。図5b:pUC1CspC−4鋳型;リバースプライマー(配列番号2)。図5c:pUC1CspC−1鋳型:フォワードプライマー(配列番号3)。図5d:pUC1CspC−1鋳型:リバースプライマー(配列番号4)。鋳型切断を示すA−異常(A−anomalies)がトレースの下の三角形(△)で示されている。 図6は、シトロバクター(Citrobacter)種2144(NEB#1398,New England Biolabs,Inc.,Beverly,MA)からクローニングされたDNAの完全なヌクレオチド配列(配列番号5)を示す。 図6は、シトロバクター(Citrobacter)種2144(NEB#1398,New England Biolabs,Inc.,Beverly,MA)からクローニングされたDNAの完全なヌクレオチド配列(配列番号5)を示す。 図7aはCspCI−R−M遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号6)を示す。 図7bはCspCI−S遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号7)を示す。 図8aはCspCI制限−修飾系の遺伝子体制を示す。 図8bは、pUC19のEcoRI部位内に挿入されたCspCI遺伝子を含有するプラスミドクローンpUC19−CspCI−R−M−S ApoI #3の遺伝子体制を示す。 図9aはR−M−CspCIエンドヌクレアーゼ−メチルトランスフェラーゼサブユニットの推定アミノ酸配列(配列番号8)を示す。 図9bはCspCI特異性サブユニットの推定アミノ酸配列(配列番号9)を示す。
対称DNA配列およびハイブリッドDNA配列を認識する新規酵素を得るために、I型制限酵素における特異性ドメインの改変が達成されている(MacWilliamsら,Journal of Cell Biochemistry 18cl36(1994);MacWilliamsら,EMBO Journal 15:4775−4783(1996))。実施例VIには、モジュラーII型制限酵素における特異性ドメインが、該酵素の特異性を改変するためにどのようにして操作されうるかが記載されている。

Claims (14)

  1. シトロバクター(Citrobacter)種2144(NEB#1398)(ATCC特許受託番号PTA−5846)または大腸菌(Escherichia coli)NEB#1554(ATCC特許受託番号PTA−5887)から入手可能な実質的に純粋なIIG型制限エンドヌクレアーゼ。
  2. 大腸菌(Escherichia coli)NEB#1554(ATCC特許受託番号PTA−5887)またはシトロバクター(Citrobacter)種2144(NEB#1398)(ATCC特許受託番号PTA−5846)から入手可能な単離されたDNA。
  3. DNAが、エンドヌクレアーゼおよびメチルトランスフェラーゼ触媒機能を発現する第1DNAセグメントと、制限エンドヌクレアーゼの配列特異性機能をコードする第2DNAセグメントとを含み、第1DNAセグメントおよび第2DNAセグメントが1以上のDNA分子を含む、請求項1記載の制限エンドヌクレアーゼをコードする単離されたDNA。
  4. 配列番号32、配列番号33、配列番号34および配列番号35よりなる群から選ばれる少なくとも1つの配列を認識し、該認識配列の両側で該DNAを切断しうる、請求項1記載の実質的に純粋な制限エンドヌクレアーゼ。
  5. CspCI制限エンドヌクレアーゼの制限および修飾ドメインをコードする第1DNAセグメントと該制限エンドヌクレアーゼの特異性ドメインをコードする第2セグメントとの少なくとも1つを含んでなる組換えDNAベクター。
  6. CspCI制限エンドヌクレアーゼの制限および修飾ドメインをコードする第1DNAセグメントならびに該制限エンドヌクレアーゼの特異性ドメインをコードする第2セグメントで形質転換されており、第1DNAセグメントおよび第2DNAセグメントが1以上のDNAベクター内に含有されている、宿主細胞。
  7. シトロバクター(Citrobacter)種2144(NEB#1398)のサンプルまたは請求項6記載の宿主細胞を、請求項1記載のエンドヌクレアーゼの産生に好ましい条件下で培養し、それより該エンドヌクレアーゼを精製することを含んでなる、請求項1記載のエンドヌクレアーゼを入手するための方法。
  8. (a)酵素のセットから制限エンドヌクレアーゼを選択し(ここで、該セット内の各酵素は、特異性サブユニットおよび触媒サブユニットを有するモジュラー構造により特徴づけられ、該特異性サブユニットは更に、二成分認識配列の半分の部位に結合するN末端ドメイン、および該二成分認識配列の残りの半分の部位に結合するC末端ドメインを含む)、
    (b)該特異性サブユニットを修飾し、
    (c)改変された特異性を有するII型制限制限エンドヌクレアーゼを得ることを含んでなる、改変された特異性を有するII型制限エンドヌクレアーゼの製造方法。
  9. 工程(b)における特異性サブユニットの修飾が更に、該N末端ドメインを第2のC末端ドメインで置換し、または該C末端ドメインを第2のN末端ドメインで置換することを含む、請求項8記載の製造方法。
  10. 該特異性サブユニットの修飾が更に、該N末端ドメイン、または該C末端ドメイン、または該N末端ドメインと該C末端ドメインとの両方を、第2の制限エンドヌクレアーゼまたはメチルトランスフェラーゼからの結合ドメインで置換することを含む、請求項8記載の製造方法。
  11. 該特異性サブユニットの修飾が更に、該N末端ドメイン、該C末端ドメインまたは両方のドメインを突然変異させて結合特異性を改変することを含む、請求項8記載の製造方法。
  12. 該特異性サブユニットの修飾が更に、特異性モジュールのN末端ドメインとC末端ドメインとの間のスペーサーアミノ酸配列の長さを変化させることを含む、請求項8、9、10または11記載の製造方法。
  13. 第2の制限エンドヌクレアーゼまたはメチルトランスフェラーゼが、I型制限エンドヌクレアーゼ、IIG型制限エンドヌクレアーゼおよびγ型mAメチルトランスフェラーゼよりなる群から選ばれる、請求項10記載の製造方法。
  14. 該特異性サブユニットおよび該触媒サブユニットが、異なる遺伝子によりコードされる、請求項8記載の製造方法。
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