JP2007529954A - タイムスロットを共通制御チャネルに割り当てる方法およびシステム - Google Patents

Abstract

無線通信システムにおいて複数の基地局のそれぞれへの通信チャネルのためにタイムスロットを各基地局に割り当てる方法およびシステムが開示されている。無線通信システムにおいて、システムのサービスエリアは複数のセルに分割され、各セルは基地局によってサービスを受ける。システムは、通信チャネルで伝送するために利用可能なタイムスロットのリストと共に、構成される必要のある基地局のリストを受信する。通信チャネルのタイムスロットは、リストの中の各基地局で測定された干渉に基づいてリストの中の各基地局に割り当てられる。

Description

本発明は、無線通信システムに関する。より詳細には、本発明は、タイムスロットを無線通信システムの共通制御チャネル（common control channel）に割り当てる方法およびシステムに関する。

通常、携帯電話のシステムは共通制御チャネルを使用し、１つのセルまたは一組のセルの中の無線送受信ユニット（ＷＴＲＵ）に制御情報を伝える。時分割複信（ＴＤＤ）システムには、２種類の共通制御物理チャネル（ＣＣＰＣＨ：Common Control Physical Channel）がある。すなわち、ブロードキャストチャネル（ＢＣＨ）をサポートするプライマリ共通制御物理チャネル（ＰＣＣＰＣＨ：Primary Common Control Physical Channel）、およびフォワードアクセスチャネル（ＦＡＣＨ）とページングチャネル（ＰＣＨ）とをサポートするセカンダリ共通制御物理チャネル（ＳＣＣＰＣＨ：Secondary Common Control Physical Channel）がある。ＰＣＣＰＣＨおよびＳＣＣＰＣＨは、通常、異なるタイムスロットによってサポートされる。ＰＣＣＰＣＨまたはＳＣＣＰＣＨでの伝送のために使用されるタイムスロットは、セルごとに異なることもあり、異ならないこともある。

同じサブシステムに属する２つのセルが同じタイムスロットを使用してＣＣＰＣＨで伝送する場合、一方のセルにおけるＷＴＲＵのＣＣＰＣＨの受信が、一定限度、他方のセルによるＣＣＰＣＨの伝送によって生成される干渉によって損なわれる可能性がある。「サブシステム」という用語は、相対的に近傍にあるためにお互いに干渉する可能性があるＴＤＤの一組のセルを指す。この同一チャネル干渉（co-channel interference ）のレベルがあまりにも高い場合、深刻な性能劣化がセルによってサービスを受けるＷＴＲＵについて生じる可能性がある。質の劣ったＰＣＣＰＣＨでの受信に起因する影響の例としては、無線アクセスネットワーク（ＲＡＮ：radio access network）へのユーザアクセスにおける遅延、サービスホール、およびハンドオフや電力制御などの主要な無線リソース管理機能の劣化が含まれる。同様に、ＳＣＣＰＣＨでの劣った性能によって、ＳＣＣＰＣＨがユーザデータを伝送するために使用される場合に、呼（call）のセットアップ時間における容認できない遅延やスループットの減少がもたらされる。

このような劣化を避けるために、システムのオペレータは、近傍セルに各近傍セルのＣＣＰＣＨについて同じタイムスロットを使用させることを避けることを決定することができる。セルＡとセルＢとが２つの近傍セルである場合、セルＡのＣＣＰＣＨについて使用されるタイムスロットは、通常、セルＢのＣＣＰＣＨについて使用されないか、または場合により、該タイムスロット上での伝送電力の制限など一定の制限で専用チャネル（ＤＣＨ：dedicated channel）での伝送について使用される。

ＣＣＰＣＨについて同じタイムスロットを使用する２つのセルの間の最低限の距離間隔を保証するために、固定再利用パターン（ＦＲＰ：fixed reuse pattern）を適用することが可能である。ＦＲＰにおいては、タイムスロットは基地局の位置による通常パターンに従って割り当てられる。基地局が地理的に規則的なグリッドに従って配置される限り、ＦＲＰ技術は比較的容易に用いることが可能であり、伝播条件は配置された領域にわたって相対的に同質である。このことは、全てのシナリオにおいて該当しないけれども、従来のマクロセルによる配置においては該当すると考えることができる。

残念ながら、上述の条件を満足しない多くの状況が存在する。例えば、マイクロセルによる配置や屋内の配置においては、サイト取得問題と共に特定の地理的特徴の不規則さによって、規則的なグリッドによる基地局の配置が妨げられる可能性が高い。これらの同じ環境においては、伝播条件は必ずしも同質ではない。通りレベル（street level）のマイクロセルによる環境の場合、同じ通り（street）にある２つのセル間の伝播条件は、お互いに直交している通りにある２つのセル間の伝播条件とは根本的に異なる。さらに、サイト取得問題や非一様な伝播条件にもかかわらず、完全に幾何学的なグリッドを使用してマイクロセルやピコセルを配置することは、これらの環境においてはトラフィックがまったく一様でないため、キャパシティの観点から望ましくない可能性がある。

これらの状況においては、ＦＲＰ技術は単純に使用することができず、オペレータは適切なタイムスロットをＣＣＰＣＨに割り当てるために試行錯誤に依存しなければならない。この試行錯誤のプロセスが商用サービスを立ち上げる前に行われる場合、このプロセスは完全なフィールド測定を必要とする。あるいは、この試行錯誤のプロセスが活動中のネットワークで行われる場合、適切な設定が見つかるまでユーザによって品質の悪さが知覚されることになる。

他の代替的な方法において、オペレータは試行錯誤のプロセスの前に無線周波数のパスロス予測ツールを使用することができるが、これも完全なフィールド測定および較正を必要とする。結果的に、このプロセスは、コストがかかり、かつ効率的ではない。

通信チャネルのためにタイムスロットを各基地局に割り当てる方法およびシステムが開示されている。無線通信システムにおいて、システムのサービスエリア（coverage area）は複数のセルに分割され、各セルは基地局によってサービスを受ける。システムは、リストの中の各基地局で測定された干渉に基づいて、ＣＣＰＣＨなどの通信チャネルについてのタイムスロットをリストの中の各基地局に割り当てる。

本発明は、全体を通して類似の番号は類似の要素を表す図面を参照して説明される。

以後、「ＷＴＲＵ」という用語は、ユーザ機器、移動局、固定式または移動式の加入者装置、ページャー、または無線環境において動作可能な他の種類の機器に限定されるわけではないが、これらを含む。

以後、言及される場合、「基地局」という用語は、ノードＢ、サイトコントローラ、アクセスポイント、または無線環境における他の種類のインターフェース機器に限定されるわけではないが、これらを含む。また、「ＣＣＰＣＨタイムスロット」という用語は、ＣＣＰＣＨ（ＰＣＣＰＣＨまたはＳＣＣＰＣＨ）で伝送するために用いられるタイムスロットを指すために用いられる。

本発明は、無線通信システムにおける各基地局を適切なＣＣＰＣＨタイムスロットに自動的に、かつアダプティブにマッピングするシステムおよび方法である。本発明の方法を無線リソース管理（ＲＲＭ）機能の拡張機能として無線ネットワークコントローラ（ＲＮＣ）において実装することが可能であり、またはスタンドアロンのソフトウェアプランニングツールにおいて実装することが可能である。無線リソースをＰＣＣＰＣＨタイムスロットまたはＳＣＣＰＣＨタイムスロットに割り当てるために、本発明を実装することも可能である。説明を簡単にするために、ＰＣＣＰＣＨを主に参照して本発明を説明する。しかしながら、ＳＣＣＰＣＨタイムスロットなどの他のＣＣＰＣＨタイムスロットの自己構成（self-configuration）のために本発明を使用できることを理解すべきである。本発明は、他の通信チャネルの他の種類のタイムスロットにも広く適用可能である。

図１は、本発明に係る無線通信システム１００を示す。システム１００は、複数の基地局１０４ａ乃至１０４ｃ、および無線ネットワークコントローラ（ＲＮＣ）１０６を備える。システム１００のサービスエリアは、複数のセル１０８ａ乃至１０８ｃに分割されており、各セル１０８ａ乃至１０８ｃは、それぞれ別個の基地局１０４ａ乃至１０４ｃによってサービスを受ける。基地局１０４ａ乃至１０４ｃは、ＷＴＲＵ１０２などのＷＴＲＵを基地局１０４ａ乃至１０４ｃと通信させるために必要なシステムパラメータを、ＰＣＣＰＣＨを介して伝送する。ＣＣＰＣＨに割り当てることが可能な、許可されたタイムスロットのリストがＲＮＣ１０６に提供される。

ＣＣＰＣＨにタイムスロットを割り当てる際、ＲＮＣ１０６は基地局１０４ａ乃至１０４ｃのリストへアクセスする。ＲＮＣ１０６は、順次プロセスおよび反復プロセスにおいて、基地局１０４ａ乃至１０４ｃのリストの中の基地局１０４ａ乃至１０４ｃのＣＣＰＣＨタイムスロット−セル割り当てを実行する。このスロット−セル割り当ては干渉の測定に基づくものであり、各基地局１０４ａ乃至１０４ｃで認められる干渉レベルは最小化される。

図２は、本発明に係る無線通信システムにおいてタイムスロットを割り当てるためのプロセス２００のフロー図である。以後使用される例はＣＣＰＣＨを指す。しかしながら、これは単なる例であり、限定ではない。他の種類のチャネルが本発明を実装できることを当業者は理解するだろう。初期状態において、サブシステム内の基地局は配置され、稼動するために準備される。セルのいずれもがＰＣＣＰＣＨタイムスロットに割り当てられていない。この状態で、サブシステム内のすべての基地局が識別され、構成される必要のある基地局のリストが、ＣＣＰＣＨで伝送するために利用可能なタイムスロットのリストと、プロセス２００が実行する反復プロセスの最大回数とともにインプットとして提供される（ステップ２０２）。

システムの初期ロールアウトの場合には、基地局のリストはシステムにおけるすべてのセルから構成される。他のシナリオにおいては、基地局のリストは既存の無線ネットワークに配置されていた新しい基地局を含み、またはＣＣＰＣＨタイムスロットのセルへの割り当ての最適化が必要なシステムのセルのサブセットを含む。基地局のリストは、タイムスロットのセルへの自動割り当てが起こる前にインプットとして無線システムのオペレータによって提供されることが好ましい。

以後詳細に説明するように、プロセス２００は、各基地局で測定された干渉に基づいて、ＣＣＰＣＨについてのタイムスロットをリストの中の各基地局に割り当てる。ＣＣＰＣＨタイムスロットの基地局への好ましいマッピングは、各基地局によって認められる、ＣＣＰＣＨタイムスロットの最も低い干渉を引き起こすマッピングである。

プロセス２００を完全な自己構成または部分的な自己構成を実行するために使用することが可能である。完全な自己構成は、システムのすべての基地局で実行されるプロセスであり、ステップ２０２でインプットとして受信された基地局のリストがシステムのすべての基地局を含むことを暗示する。部分的な自己構成は、新しいセルが、無線ネットワークが拡張するとき既存システムにさらに配置される場合に実行されるプロセスであり、ステップ２０２で受信した基地局のリストがシステムの基地局のサブセットを含むだけであることを暗示する。プロセス２００は、ＰＣＣＰＣＨでより良い性能を得るために部分的な自己構成または完全な自己構成を実行するために使用することができる。

プロセス２００は、反復プロセスである。各反復プロセスの最初で、プロセス２００は、２つの終了条件が満たされるかどうかを決定する（ステップ２０４およびステップ２０６）。第１の終了条件は、現在の反復プロセスでのタイムスロットのセルへの割り当てが前回の反復プロセスでの割り当てから変わっていないことである（ステップ２０４）。この条件は、現在の反復プロセスが、プロセス２００が実行している最初の反復プロセスでない場合にのみ満たすことができる。この第１の終了条件が満たされる場合、プロセス２００は終了する。そうでない場合、プロセス２００は、第２の終了条件が満たされるかどうか（すなわち、反復プロセスの最大回数が実行されたかどうか）をさらに決定する（ステップ２０６）。反復プロセスの最大回数は、ステップ２０２においてインプットとして受信される。反復プロセスの最大回数が実行されていた場合、プロセス２００は終了する。そうでなければ、プロセス２００は、ステップ２０８に進む。

基地局のリストの中の最初の基地局が選択され（ステップ２０８）、その最初の基地局が始動され、利用可能なＣＣＰＣＨタイムスロットのリストに含まれる各ＣＣＰＣＨタイムスロットで認める干渉を測定し、報告する（ステップ２１０）。注目すべきは、基地局は、基地局のリストの特定の順番に順位付けされる必要がないということである。しかしながら、基地局は自らの地理座標、配置された日付、または他の基準に従って順位付けされることが可能である。

最初の基地局が、測定された干渉が最も低いＣＰＣＣＨタイムスロットを割り当てられ、基地局は選択されたタイムスロットでＣＣＰＣＨの伝送を始める（ステップ２１２）。複数のＣＣＰＣＨタイムスロットが同じ干渉値を有する場合に、許可されたＣＣＰＣＨタイムスロットのリストにおける最初のタイムスロットが選択される。

その後、そのリストに残る他の基地局が存在するかどうかが決定される（ステップ２１４）。そのリストに残る他の基地局が存在しない場合、プロセス２００はステップ２０４に戻る。残りの基地局が存在する場合、プロセス２００は、基地局のリストの中の次の基地局を選択し（ステップ２１６）、ステップ２１０に進む。

プロセス２００は、同じやり方でリストの中の残りのすべての基地局についてステップ２１０乃至ステップ２１６を実装し続け、各基地局に適切なＰＣＣＰＣＨタイムスロットを割り当てる。

無線通信システムに自らのＰＣＣＰＣＨタイムスロットの基地局への割り当てを自己構成させることを可能にすることによって、本発明は、システムが配置され、または増加した場合、大規模なフィールド測定運動および複雑な干渉予測ツールの使用を含むＰＣＣＰＣＨについての無線リソースを予め計画し、および割り当てる負担からオペレータを解放する。

本発明の特徴および要素を特定の組み合わせの好ましい実施形態で説明したが、各特徴または要素を好ましい実施形態の他の特徴および要素とは別に単独で使用することが可能であり、または本発明の他の特徴および要素とともに、あるいは本発明の他の特徴および要素とは別に様々な組み合わせで使用することが可能である。

本発明に係る無線通信システムの図である。 本発明に係る通信チャネルについてのタイムスロットのセルへの自動割り当てのプロセスのフロー図である。

Claims (16)

1. システムのサービスエリアが複数のセルに分割され、各セルが基地局によってサービスを受ける無線通信システムにおいて、共通制御物理チャネル（ＣＣＰＣＨ）の各基地局にタイムスロットを動的に割り当てる方法であって、
   （ａ）前記ＣＣＰＣＨで伝送するために利用可能なタイムスロットのリストとともに構成される必要のある基地局のリストをインプットとして受信することと、
   （ｂ）前記リストの各基地局で測定された干渉に基づいて、前記リストの各基地局に前記ＣＣＰＣＨのタイムスロットを自動的に割り当てることと
   を備えることを特徴とする方法。
2. 前記ステップ（ｂ）は、
   （ｃ）前記基地局のリストから基地局を選択することと、
   （ｄ）前記選択された基地局に、前記選択された基地局で利用可能な各タイムスロットで認められた干渉を測定させ、報告させることと、
   （ｅ）最も低い干渉を有するタイムスロットを前記選択された基地局に割り当てることと、
   （ｆ）前記基地局のリストの残りの基地局についてステップ（ｃ）乃至ステップ（ｅ）を繰り返すことと
   を備えることを特徴とする請求項１に記載の方法。
3. 前記ＣＣＰＣＨは、プライマリＣＣＰＣＨであることを特徴とする請求項１に記載の方法。
4. 前記ＣＣＰＣＨは、セカンダリＣＣＰＣＨであることを特徴とする請求項１に記載の方法。
5. 前記基地局のリストの中の前記基地局は、前記基地局の地理座標に従って順位付けされることを特徴とする請求項１に記載の方法。
6. 前記基地局のリストの中の前記基地局は、前記基地局の配置の日付に従って順位付けされることを特徴とする請求項１に記載の方法。
7. システムのサービスエリアが複数のセルによって分割され、各セルが基地局によってサービスを受ける無線通信システムにおける共通制御物理チャネル（ＣＣＰＣＨ）の基地局にタイムスロットを割り当てる無線ネットワークコントローラ（ＲＮＣ）であって、
   ＣＣＰＣＨで伝送するために利用可能なタイムスロットのリストとともに構成される必要のある基地局のリストをインプットとして受信する手段と、
   前記リストの各基地局で測定された干渉に基づいて、前記リストの各基地局にＣＣＰＣＨのタイムスロットを割り当てる手段と
   を備えたことを特徴とする無線ネットワークコントローラ。
8. 前記割り当てる手段は、
   前記基地局のリストから基地局を選択する手段と、
   各基地局の許可されたタイムスロットの中からタイムスロットを選択する手段と、
   基地局に、各基地局について許可された各タイムスロットで認められた干渉を測定し、報告することを要求する手段と、
   最も低い干渉を有するタイムスロットを各基地局に割り当てる手段と
   を備えたことを特徴とする請求項７に記載の無線ネットワークコントローラ。
9. 前記ＣＣＰＣＨは、プライマリＣＣＰＣＨであることを特徴とする請求項７に記載の無線ネットワークコントローラ。
10. 前記ＣＣＰＣＨは、セカンダリＣＣＰＣＨであることを特徴とする請求項７に記載の無線ネットワークコントローラ。
11. 前記基地局のリストの中の前記基地局は、前記基地局の地理座標に従って順位付けされることを特徴とする請求項７に記載の無線ネットワークコントローラ。
12. 前記基地局のリストの中の前記基地局は、前記基地局の配置の日付に従って順位付けされることを特徴とする請求項７に記載の無線ネットワークコントローラ。
13. 各セルが基地局によってサービスを受ける複数のセルを有する無線通信システムにおいて、タイムスロットを通信チャネルの各基地局に動的に割り当てる方法であって、
    （ａ）構成される必要のある基地局のリストを受信することと、
    （ｂ）前記通信チャネルを伝送するために利用可能なタイムスロットのリストを受信することと、
    （ｃ）前記リストの前記基地局のそれぞれで測定された干渉に基づいて、前記リストの前記基地局のそれぞれに前記通信チャネルのタイムスロットを自動的に割り当てることと
    を備えることを特徴とする方法。
14. 前記ステップ（ｃ）は、
    （ｄ）前記基地局のリストから基地局を選択することと、
    （ｅ）前記選択された基地局に、前記選択された基地局で利用可能な各タイムスロットにおいて認められた干渉を測定させ、報告させることと、
    （ｆ）最も低い干渉を有するタイムスロットを、前記選択された基地局に割り当てることと、
    （ｇ）前記基地局のリストの残りの基地局について、ステップ（ｄ）乃至ステップ（ｆ）を繰り返すことと
    を備えることを特徴とする請求項１３に記載の方法。
15. 前記基地局のリストの中の前記基地局は、前記基地局の地理座標に従って順位付けされることを特徴とする請求項１３に記載の方法。
16. 前記基地局のリストの中の前記基地局は、前記基地局の配置の日付に従って順位付けされることを特徴とする請求項１３に記載の方法。

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