JP2007526262A - エスシタロプラムオキサレートを含む結晶質調合物 - Google Patents
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Abstract
さらに本発明は、前記エスシタロプラムオキサレートの結晶粒子を含む単位剤形ならびに前記エスシタロプラムオキサレートの結晶粒子の製造方法を開示する。
最後に本発明は、シタロプラムまたはエスシタロプラムの溶液中におけるヒドロキシル含有不純物の量を減少させる方法を提供する。
Description
0.42未満、好ましくは0.40未満である、メジアン粒度と95%分位点(quantile)における粒度との比率を有するエスシタロプラムオキサレートの結晶粒子。
a)1種またはそれ以上のヒドロキシル含有不純物と一緒にエスシタロプラムを含む溶液を、ヒドロキシル基のスカベンジャーで処理する、
b)前記のヒドロキシル含有不純物とヒドロキシル基のスカベンジャーとの反応の結果生じる生成物から、エスシタロプラムを分離する、
c)エスシタロプラムがまだそのシュウ酸塩の形態にない場合には、場合によりエスシタロプラムをそのシュウ酸塩に変える、
d)エスシタロプラムがまだ結晶化工程に適した溶剤系中にない場合には、場合によりエスシタロプラムをそのような溶剤系へ移す、
および
e)調節された冷却プロファイルを維持しながら、前記の適当な溶剤系におけるエスシタロプラムオキサレートの溶液を第1の温度から第2の温度まで漸進的に冷却し、そして、前記の冷却、それに続く前記の第2の温度での保持時間の間にエスシタロプラムオキサレートの結晶を添加することにより、前記エスシタロプラムオキサレート溶液のシーディング(seeding)を行う。
a)1種またはそれ以上の前記不純物と一緒にシタロプラムまたはエスシタロプラムを含む溶液を、ヒドロキシル基スカベンジャーで処理すること、および
b)前記シタロプラムまたはエスシタロプラムを、前記ヒドロキシル含有不純物と前記ヒドロキシル基スカベンジャーとの反応の結果生じる生成物から分離すること。
0.6%のZ-4-(4-ジメチルアミノ-1-(4-フルオロフェニル)-ブト-1-エニル)-3-ヒドロキシメチル-ベンゾニトリルを含むR-およびS-シタロプラムの混合物(55.5 g)を乾燥トルエン(145.0 g)に溶解する。無水コハク酸(0.5 g)を該溶液に添加し、混合物を45℃で撹拌する(120分)。水(230 ml)およびアンモニア水(25重量%)(3 ml)を添加する(pH = 10.5〜11.0)。相を分離し、トルエン相を水(3×120 ml)で洗浄する。トルエン相を蒸発させると、収量は53.0 g(95%)である。生成物は、0.06%のZ-4-(4-ジメチルアミノ-1-(4-フルオロフェニル)-ブト-1-エニル)-3-ヒドロキシメチル-ベンゾニトリルを含む。
数多くの粗製エスシタロプラムオキサレートのバッチを、以下に記載の方法に従って、生産規模において再結晶化させた。
a)特許文献5に記載されるようにジオール前駆体のR体の酸性での閉環、それに続く、実施例1に記載される工程の生産規模仕様によるヒドロキシル含有不純物のスカベンジング、それに続く、特許文献5に記載されるようなラセミ体シタロプラムおよびエスシタロプラムの分離により製造されたエスシタロプラム。これらのバッチはZ-4-(4-ジメチルアミノ-1-(4-フルオロフェニル)-ブト-1-エニル)-3-ヒドロキシメチル-ベンゾニトリルを含まない。これらのバッチをR-ジオールバッチと呼ぶ。
b)特許文献3に記載されるようなアルカリ条件下における、活性化エステルを経たジオール前駆体のS体の閉環により製造されたエスシタロプラム。これらのバッチはZ-4-(4-ジメチルアミノ-1-(4-フルオロフェニル)-ブト-1-エニル)-3-ヒドロキシメチル-ベンゾニトリルを含まない。これらのバッチをS-ジオールバッチと呼ぶ。
100 kg〜300 kgの粗製エスシタロプラムオキサレートを第1反応装置R1に加える。1 kgの粗製エスシタロプラムオキサレートあたり4.1〜4.3 LのエタノールをR1に加える。溶液を混合し、沸点(〜80℃)まで加熱する。全てのものが溶解したら、溶液をろ過を通して第2反応装置R2に移す。
アルカリ条件下で、不安定なエステルを経る閉環により製造されるエスシタロプラムのエタノール溶液、およびシュウ酸の混合による、粗製エスシタロプラムオキサレートのそれぞれの沈殿によって得られ、約35 kgのエスシタロプラムオキサレートを含む湿ったろ過ケーキを、322 Lのエタノールに懸濁した。該物質を加熱還流により溶解させ、150 Lのエタノールを蒸留により除去した。冷却を行い、混合物を還流から15℃まで、温度区間80〜40℃においては0.2〜0.5℃/分の冷却速度で冷却した。冷却の間に、75、65および60℃において、混合物をエスシタロプラムオキサレートでシーディングした(それぞれ10 gで)。結晶化混合物を15℃で10時間維持し、結晶質エスシタロプラムオキサレートを単離した。精製したエスシタロプラムオキサレート(27.7 kg、79%)を、結晶化混合物のろ過、エタノールでの洗浄およびろ過ケーキの乾燥により得た。得られたエスシタロプラムオキサレートに対する粒度分布を表3に示す。
エスシタロプラムオキサレートの大きい結晶粒子の直接圧縮により製造される錠剤
錠剤成分:
錠剤コア(Tablet core)
エスシタロプラムオキサレート 2554 g (10.2重量%)
タルク 1400 g ( 5.6重量%)
ProSolv SMCC90 19896 g (79.6重量%)
Ac-Di-Sol 900 g ( 3.6重量%)
ステアリン酸マグネシウム 250 g ( 1.0重量%)
フィルムコーティング
Opadry OY-S-28849、白色 625 g (コア重量の2.5重量%)
実施例1から得られるエスシタロプラムオキサレートの結晶粒子、およびタルクを710μmのスクリーンを通してふるいにかけ、100リットルのBohle社製 PTM 200ミキサー中において6 rpmで15分間混合した。ProSolv SMCC90およびAc-Di-Solを添加し、混合を15分間継続した。ステアリン酸マグネシウムを710μmのスクリーンを通してふるいにかけ、添加し、そして混合を3分間継続した。
Claims (46)
- メジアン粒度と95%分位点(quantile)における粒度との比率が0.42未満であることを特徴とする、エスシタロプラムオキサレートの結晶粒子。
- メジアン粒度と95%分位点における粒度との比率が0.40未満であることを特徴とする、請求項1記載のエスシタロプラムオキサレートの結晶粒子。
- メジアン粒度が少なくとも20μmであることを特徴とする、請求項1または2のいずれか1つに記載のエスシタロプラムオキサレートの結晶粒子。
- 結晶のメジアン粒度が少なくとも40μm、好ましくは50〜200μmの範囲内であることを特徴とする、請求項3記載の結晶粒子。
- エスシタロプラムオキサレートの結晶粒子の粒度分布が単峰性または多峰性であり、そして最も低い粒度におけるピークが、少なくとも20μm、特に少なくとも40μm、および好ましくは50〜200μmの範囲内の粒度に位置することを特徴とする、請求項3または4のいずれか1つに記載の結晶粒子。
- メジアン粒度が少なくとも20μmであり、E-またはZ-4-(4-ジメチルアミノ-1-(4-フルオロフェニル)-ブト-1-エニル)-3-ヒドロキシメチル-ベンゾニトリルの含量が少なくとも0.01%(w/w)であることを特徴とする、エスシタロプラムオキサレートの結晶粒子。
- 結晶のメジアン粒度が少なくとも40μm、好ましくは50〜200μmの範囲内であることを特徴とする、請求項6記載の結晶粒子。
- メジアン粒度と95%分位点における粒度との比率が0.42未満、好ましくは0.40未満であることを特徴とする、請求項6または7のいずれか1つに記載のエスシタロプラムオキサレートの結晶粒子。
- メジアン粒度が少なくとも20μmであり、結晶化の前の、エスシタロプラムオキサレートを結晶化させる溶液におけるE-またはZ-4-(4-ジメチルアミノ-1-(4-フルオロフェニル)-ブト-1-エニル)-3-ヒドロキシメチル-ベンゾニトリルの含量が、結晶化バッチの全重量に対して少なくとも0.01%(w/w)であることを特徴とする、エスシタロプラムオキサレートの結晶粒子。
- 結晶のメジアン粒度が少なくとも40μm、好ましくは50〜200μmの範囲内であることを特徴とする、請求項9記載の結晶粒子。
- メジアン粒度と95%分位点における粒度との比率が0.42未満、好ましくは0.40未満であることを特徴とする、請求項9または10のいずれか1つに記載のエスシタロプラムオキサレートの結晶粒子。
- 請求項1〜11のいずれか1つに記載のエスシタロプラムオキサレートの結晶粒子を含む固体の単位剤形(unit dosage form)。
・ - 請求項1〜11のいずれか1つに記載のエスシタロプラムオキサレートの結晶粒子から製造される固体の単位剤形。
- エスシタロプラムオキサレートおよび薬学的に許容される賦形剤の混合物の直接圧縮、乾式造粒(圧縮)、湿式造粒または溶融造粒により製造される錠剤であることを特徴とする、請求項12または13のいずれか1つに記載の固体の単位剤形。
- 錠剤がコーティングされることを特徴とする、請求項14記載の固体の単位剤形。
- エスシタロプラムオキサレートおよび薬学的に許容される賦形剤の混合物を、硬ゼラチンカプセルに充填することにより製造されることを特徴とする、請求項12または13のいずれか1つに記載の固体の単位剤形。
- 結合剤を含まないことを特徴とする、請求項12〜16のいずれか1つに記載の固体の単位剤形。
- エスシタロプラム塩基として計算して1〜60重量%の活性成分、エスシタロプラム塩基として計算して特に1〜30重量%の活性成分、エスシタロプラム塩基として計算してさらに特には4〜20重量%の活性成分、そしてエスシタロプラム塩基として計算して最も特には6〜10重量%の活性成分を含むことを特徴とする、請求項12〜17のいずれか1つに記載の固体の単位剤形。
- ラクトース、糖類、好ましくはソルビトール、マンニトール、デキストロースおよび/またはスクロース、リン酸カルシウム、好ましくは二塩基性、三塩基性、水和物および/または無水物、でんぷん、化工でんぷん(modified starches)、微結晶性セルロース、硫酸カルシウムおよび/または炭酸カルシウムから選択される増量剤を含むことを特徴とする、請求項12〜18のいずれか1つに記載の固体の単位剤形。
- 増量剤が、ProSolv SMCC90またはAvicel PH 200のような微結晶性セルロースであることを特徴とする、請求項19記載の固体の単位剤形。
- ステアリン酸金属塩(マグネシウム、カルシウム、ナトリウム)、ステアリン酸、ワックス、硬化植物油、タルクおよびコロイダルシリカから選択される潤滑剤を含むことを特徴とする、請求項12〜20のいずれか1つに記載の固体の単位剤形。
- 潤滑剤がタルク、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸カルシウムからなる群から選択される1種またはそれ以上であることを特徴とする、請求項21記載の固体の単位剤形。
- 潤滑剤がタルクおよびステアリン酸マグネシウムの組み合わせであることを特徴とする、請求項22記載の固体の単位剤形。
- 固体単位剤形の重量を基に計算されるステアリン酸マグネシウムの重量パーセントが、好ましくは0.4%〜2%の範囲、好ましくは0.7%〜1.4%の範囲であることを特徴とする、請求項23記載の固体の単位剤形。
- 実質的にラクトースを含んでいないことを特徴とする、請求項12〜24のいずれか1つに記載の固体の単位剤形。
- 以下の段階:
a)1種またはそれ以上のヒドロキシル含有不純物と一緒にエスシタロプラムを含む溶液を、ヒドロキシル基のスカベンジャーで処理すること、
b)前記のヒドロキシル含有不純物と前記ヒドロキシル基スカベンジャーとの反応の結果生じる生成物から、エスシタロプラムを分離すること、
c)エスシタロプラムがまだそのシュウ酸塩の形態にない場合には、場合によりエスシタロプラムをそのシュウ酸塩に変えること、
d)エスシタロプラムがまだ結晶化工程に適した溶剤系中にない場合には、場合によりエスシタロプラムをそのような溶剤系へ移すこと、および、
e)調節された冷却プロファイルを維持しながら、前記の適当な溶剤系におけるエスシタロプラムオキサレートの溶液を第1の温度から第2の温度まで漸進的に冷却し、そして、前記の冷却の間にエスシタロプラムオキサレートの結晶を添加することにより、前記エスシタロプラムオキサレート溶液のシーディング(seeding)を行うこと、
を含む、請求項1〜11のいずれか1つに記載のエスシタロプラムオキサレートの結晶粒子を製造する方法。 - 調節された冷却プロファイルを維持しながら、適当な溶剤系におけるエスシタロプラムオキサレート溶液を、第1の温度から第2の温度まで漸進的に冷却し、そして、前記の冷却の間にエスシタロプラムオキサレートの結晶を添加することにより、前記のエスシタロプラム溶液のシーディングを行うことを含み、そこで前記のエスシタロプラム溶液が、結晶化バッチの全重量に対して少なくとも1 ppm、特に少なくとも10 ppm、およびさらに特には少なくとも0.01重量%のE-またはZ-4-(4-ジメチルアミノ-1-(4-フルオロフェニル)-ブト-1-エニル)-3-ヒドロキシメチル-ベンゾニトリルを含む、請求項1〜11のいずれか1つに記載のエスシタロプラムオキサレートの結晶粒子の製造方法。
- 前記溶剤系が1種またはそれ以上のアルコールおよび場合により水を含むことを特徴とする、請求項26または27のいずれか1つに記載の方法。
- 前記溶剤系がエタノールであることを特徴とする、請求項28記載の方法。
- 溶質:溶剤重量比が、0.05:1〜0.6:1、好ましくは0.1:1〜0.5:1、そしてさらに好ましくは0.2:1〜0.4:1の範囲にあることを特徴とする、請求項26〜29のいずれか1つに記載の方法。
- 前記の第1の温度が、50℃と溶剤系の還流温度との間、好ましくは60℃と還流温度との間、そしてさらに好ましくは70℃と還流温度との間の範囲にあることを特徴とする、請求項26〜30のいずれか1つに記載の方法。
- 前記の第2の温度が0〜20℃、好ましくは0〜15℃、そしてさらに好ましくは7〜15℃の範囲にあることを特徴とする、請求項26〜31のいずれか1つに記載の方法。
- 前記の調節された冷却プロファイルが、冷却速度が固定された範囲内に維持される初期の冷却期間を含むことを特徴とする、請求項26〜32のいずれか1つに記載の方法。
- 前記の初期冷却期間が、温度が60℃以下、好ましくは50℃以下、そしてさらに好ましくは40℃以下になるまでの期間を含むことを特徴とする、請求項33記載の方法。
- 前記冷却速度が0〜0.9℃/分の範囲、好ましくは0〜0.6℃/分の範囲、そしてさらに好ましくは0.2〜0.4℃/分の範囲内に維持されることを特徴とする、請求項33または34のいずれか1つに記載の方法。
- 初期の冷却の間に前記のシーディングが2回またはそれ以上行われることを特徴とする、請求項26〜35のいずれか1つに記載の方法。
- 前記保持時間後に、慣用の固体/液体分離技術により、好ましくはろ過により結晶粒子を母液から単離することを特徴とする、請求項26〜36のいずれか1つに記載の方法。
- エスシタロプラムが酸性条件下でのR-4-[4-(ジメチルアミノ)-1-(4’-フルオロフェニル)-1-ヒドロキシブチル]-3-(ヒドロキシメチル)-ベンゾニトリルの閉環を含む工程により製造されることを特徴とする、請求項26〜37のいずれか1つに記載の方法。
- 以下の段階:
c)1種またはそれ以上の前記不純物と一緒にシタロプラム、エスシタロプラムまたは、R-およびS-シタロプラムの非ラセミ混合物を含む溶液を、ヒドロキシル基スカベンジャーで処理すること、および
d)前記シタロプラムまたはエスシタロプラム、またはR-およびS-シタロプラムの非ラセミ混合物を、前記ヒドロキシル含有不純物と前記ヒドロキシル基スカベンジャーとの反応の結果生じる生成物から分離すること、
を含む、シタロプラムまたはエスシタロプラム、またはR-およびS-シタロプラムの非ラセミ混合物におけるヒドロキシル含有不純物の量を減少させる方法。 - 請求項39記載のエスシタロプラムにおけるヒドロキシル含有不純物の量を減少させる方法。
- 請求項39記載のシタロプラムにおけるヒドロキシル含有不純物の量を減少させる方法。
- R-およびS-シタロプラムの非ラセミ混合物におけるヒドロキシル含有不純物の量を減少させる方法。
- ヒドロキシル基スカベンジャーが環状無水物からなる群から選択される、請求項26および39〜42のいずれか1つに記載の方法。
- ヒドロキシル基スカベンジャーが環状C4-8-無水物、好ましくは無水コハク酸である、請求項43記載の方法。
- ヒドロキシル含有不純物と前記ヒドロキシル基スカベンジャーとの反応の結果生ずる生成物からのシタロプラムまたはエスシタロプラムの分離が、前記ヒドロキシル含有不純物と前記ヒドロキシル基スカベンジャーとの反応の結果生ずる生成物を、前記シタロプラムまたはエスシタロプラムの有機溶剤溶液から水溶液、特にアルカリ水溶液中に抽出することにより行われる、請求項39〜44のいずれか1つに記載の方法。
- エスシタロプラムおよび/またはシタロプラムが酸性条件下でのR-4-[4-(ジメチルアミノ)-1-(4’-フルオロフェニル)-1-ヒドロキシブチル]-3-(ヒドロキシメチル)-ベンゾニトリルの閉環を含む工程により製造されることを特徴とする、請求項39〜45のいずれか1つに記載の方法。
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