JP2007525978A - 細菌の同定で用いられる組成物 - Google Patents

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ランガラジャン サンパス
トーマス エー. ホール
デビッド ジェー. エッカー
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クリスチャン マッシャー
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アイシス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド
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    • C12Q1/689Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes for detection or identification of organisms for bacteria

Abstract

本発明は、細菌核酸のセグメントの増幅、続いての、分子量分析による細菌の迅速な同定のための、オリゴヌクレオチドプライマーおよび組成物、およびそれを含有するキットを提供する。

Description

発明の分野
本発明は、一般に、細菌の遺伝子的同定の分野に関し、核酸組成物、および分子量分析と組み合わせた場合にこの目的に有用なキットを提供する。
関連出願の相互参照
本出願は、参照により本明細書にその各々のその全体を組み入れる、2004年2月18日に出願された米国特許仮出願第60/545,425号、2004年4月5日に出願された米国特許仮出願第60/559,754号、2004年12月3日に出願された米国特許仮出願第60/632,862号、2004年12月22日に出願された米国特許仮出願第60/639,068号、および2005年1月28日に出願された米国特許仮出願第60/648,188号に対する優先権の恩典を主張する。
政府の支援の陳述
本発明は、DARPA/SPO契約BAA00-09下で米国政府の援助の下でなされた。米国政府は本発明においてある種の権利を有することができる。
発明の背景
天然感染の発生またはバイオテロ攻撃の原因を突き止める際における問題は、ヒト病気を引き起こしかねない絶対的に種々の生物である。ヒトに対して感染性の1400を超える生物があり;これらの多くは、天然疫病において突然出現し、またはバイオテロリストによる悪意のある攻撃で用いられる能力を有する(Taylor et al. Philos.Trans.R.Soc.London B.Biol.Sci.,2001,356,983-989(非特許文献1))。この数は、植物または動物に感染する、多数の株変種、生物工学により作成されたバージョン、または病原体を含まない。
生物兵器の検出用に開発されている新しい技術の多くは、ある種の病原性生物を選択的に検出するように設計された高度に特異的なプライマーおよびプローブの使用に基づくポリメラーゼ鎖反応(PCR)工程を取り込む。このアプローチは、天然痘および壊疽のような、最も明白なバイオテロリスト生物に対して適切であるが、経験は、何百もの可能な病原性生物のいずれがテロリストの攻撃で使用されるかを予測するのが非常に困難であることを示している。同様に、公衆衛生において壊滅的な結果を引き起こした天然に出現するヒト病気は、細菌、ウイルス、真菌または原生動物の予期せぬファミリーから来るものであった。植物および動物もまた感染症剤のその天然の負担を有し、農業に対しては同等に重要な生物安全性およびセキュリティの関心がある。
公衆衛生の保護、生物防御、および農業の安全性およびセキュリティにおける主な難問は、これらの規律は感染剤を迅速に同定し、特徴付けることができるのを必要とし、他方、この要求を満足する機能の幅を持つ現存の技術はない。細菌の同定のための現在用いられる方法は、細菌を培養して他の生物からの同定を行い、十分な量の核酸を得、続いて、核酸を配列決定することに従い、その双方のプロセスは時間より労力が非常にかかる。
質量分析法は、高い質量精度を含む、分析されるべき分子についての詳細な情報を提供する。それは容易に自動化できるプロセスでもある。特異的なプローブを備えたDNAチップは、特異的に予測される生物の存在または非存在を判断できるに過ぎない。数十万の良性細菌の種があるので、いくつかが生物を処理するための順序が非常に似ており、10,000プローブを備えたアレイでさえ、特定の生物を同定するのに必要な幅を欠く。
特異的であってかつ迅速であり、培養または核酸配列決定が必要でない生物剤の同定方法に対する必要性がある。その各々を共通して所有し、参照により本明細書に組み入れる、米国特許出願第09/798,007号(特許文献1)、米国特許出願第09/891,793号(特許文献2)、米国特許出願第10/405,756号(特許文献3)、米国特許出願第10/418,514号(特許文献4)、米国特許出願第10/660,997号(特許文献5)、米国特許出願第10/660,122号(特許文献6)、米国特許出願第10/660,996号(特許文献7)、米国特許出願第10/728,486号(特許文献8)、米国特許出願第10/754,415号(特許文献9)および米国特許出願第10/829,826号(特許文献10)には、例えば、翻訳、複製、組換えおよび修復、転写、ヌクレオチド代謝、アミノ酸代謝、脂質代謝、エネルギー発生、摂取、分泌等に関与する必須かつ保存された遺伝子のセグメントの増幅によって得られる「生物剤同定アンプリコン」の分子量および塩基組成の分析によって偏ることなく生物剤(生きたまたは死滅したいずれかの生物、細胞、またはウイルス、あるいはそのような生物、細胞またはウイルスに由来する核酸)の同定方法が開示される。これらのタンパク質の例は、限定されるものではないが、リボソームRNA、リボソームタンパク質、DNAおよびRNAポリメラーゼ、延長因子、tRNAシンテターゼ、タンパク質鎖開始因子、熱ショックタンパク質groEL、ホスホグリセリン酸キナーゼ、NADHデヒドロゲナーゼ、DNAリガーゼ、DNAジャイレースおよびDNAトポイソメラーゼ、代謝構造等を含む。
生物剤同定アンプリコンを得るためには、プライマーを選択して、可変配列領域を一括する保存された配列領域にハイブリダイズさせて、増幅でき、分子量分析の方法に使用できる核酸のセグメントを得る。可変配列領域は、生物剤の同定で用いられる分子量の変動を提供する。PCR、あるいは特異的に選択されたプライマーでの他の増幅方法による増幅に際して、生物剤同定アンプリコンを表す増幅産物が得られる。例えば、質量分析法によって得られた増幅産物の分子量は、生物剤の可能な同一性の先立っての知識の必要性なしで、生物剤をユニークに同定する手段を提供する。増幅産物の分子量または(増幅産物の分子量から計算することのできる)対応する塩基組成を、分子量または塩基組成のデータベースと比較し、マッチは生物剤の同一性を示す。さらに、該方法は(例えば、マルチウェルプレート様式にて)迅速な平行分析に適用することができ、その結果を、迅速なスループットに使用でき、生物剤同定用の増幅された標的配列の核酸配列決定を必要としない三角測量で使用することができる。
以前は未知のバイオ剤(例えば、新しく進化したおよび、従って、観察されていない細菌またはウイルス)の以前は未知の塩基組成の決定の結果は、塩基組成データベースに入れるべき新しい生物剤指標情報を提供することによって下流用途を有する。従って、引き続いての生物剤同定分析のプロセスは大いに改良される。というのは、生物剤同定アンプリコンのためのより多くの塩基組成データは利用可能となるからである。
本発明は、オリゴヌクレオチドプライマー、および該オリゴヌクレオチドプライマーを含有する組成物およびキットを提供し、これは細菌生物剤同定アンプリコンを規定し、増幅に際して、その分子量が、例えば、種分類学的レベルにおいて、およびそれ未満において細菌を同定する手段を提供する対応する増幅産物を生じる。
米国特許出願第09/798,007号 米国特許出願第09/891,793号 米国特許出願第10/405,756号 米国特許出願第10/418,514号 米国特許出願第10/660,997号 米国特許出願第10/660,122号 米国特許出願第10/660,996号 米国特許出願第10/728,486号 米国特許出願第10/754,415号 米国特許出願第10/829,826号 Taylor et al. Philos.Trans.R.Soc.London B.Biol.Sci.,2001,356,983-989
発明の概要
本発明は、プライマー、およびプライマーの対を含む組成物、および細菌の同定で用いるそれを含有するキットを提供する。プライマーは、例えば、16Sおよび23S rRNA、DNA依存性RNAポリメラーゼサブユニット(rpoBおよびrpoC)、バリル-tRNAシンテターゼ(valS)、延長因子EF-Tu(TufB)、リボソームタンパク質L2(rplB)、タンパク質鎖開始因子(infB)、および胞子タンパク質(sspE)のような生命に必須の遺伝子をコードするDNAのアンプリコンを同定する細菌生物剤を生じるように設計される。本発明は、さらに、ドリルダウンプライマー、プライマーの対を含む組成物、およびそれを含有するキットを提供し、それらは、細菌の亜種特徴付けを提供するように設計される。
また、本発明は、配列番号:97に対して70%〜100%配列同一性を含む長さが21〜35核酸塩基のオリゴヌクレオチドプライマー、またはそれを含む組成物;配列番号:451に対して70%〜100%配列同一性を含む長さが20〜35核酸塩基のオリゴヌクレオチドプライマー、またはそれを含む組成物;双方のプライマーを含む組成物;配列番号:97の70%〜100%の間の配列同一性を含む長さが21〜35核酸塩基の第一のオリゴヌクレオチドプライマー、および配列番号:451の70%〜100%の間の配列同一性を含む長さが20〜35核酸塩基の第二のオリゴヌクレオチドプライマーを含む組成物を提供する。
また、本発明は、配列番号:127に対して70%〜100%配列同一性を含む長さが19〜35核酸塩基のオリゴヌクレオチドプライマー、またはそれを含む組成物;配列番号:482に対して70%〜100%配列同一性を含む長さが14〜35核酸塩基のオリゴヌクレオチドプライマー、またはそれを含む組成物;双方のプライマーを含む組成物;配列番号:127の70%〜100%の間の配列同一性を含む長さが19〜35核酸塩基の第一のオリゴヌクレオチドプライマー、および配列番号:482の70%〜100%の間の配列同一性を含む長さが14〜35核酸塩基の第二のオリゴヌクレオチドプライマーを含む組成物を提供する。
また、本発明は、配列番号:174に対して70%〜100%配列同一性を含む長さが19〜35核酸塩基のオリゴヌクレオチドプライマー、またはそれを含む組成物;配列番号:530に対して70%〜100%配列同一性を含む長さが21〜35核酸塩基のオリゴヌクレオチドプライマー、またはそれを含む組成物;双方のプライマーを含む組成物;配列番号:174の70%〜100%の間の配列同一性を含む長さが19〜35核酸塩基の第一のオリゴヌクレオチドプライマー、および配列番号:530の70%〜100%の間の配列同一性を含む長さが21〜35核酸塩基の第二のオリゴヌクレオチドプライマーを含む組成物を提供する。
また、本発明は、配列番号:310に対して70%〜100%配列同一性を含む長さが21〜35核酸塩基のオリゴヌクレオチドプライマー、またはそれを含む組成物;配列番号:668に対して70%〜100%配列同一性を含む長さが19〜35核酸塩基のオリゴヌクレオチドプライマー、またはそれを含む組成物;双方のプライマーを含む組成物;配列番号:310の70%〜100%の間の配列同一性を含む長さが21〜35核酸塩基の第一のオリゴヌクレオチドプライマー、および配列番号:668の70%〜100%の間の配列同一性を含む長さが19〜35核酸塩基の第二のオリゴヌクレオチドプライマーを含む組成物を提供する。
また、本発明は、配列番号:313に対して70%〜100%配列同一性を含む長さが21〜35核酸塩基のオリゴヌクレオチドプライマー、またはそれを含む組成物;配列番号:670に対して70%〜100%配列同一性を含む長さが21〜35核酸塩基のオリゴヌクレオチドプライマー、またはそれを含む組成物;双方のプライマーを含む組成物;配列番号:313の70%〜100%の間の配列同一性を含む長さが21〜35核酸塩基の第一のオリゴヌクレオチドプライマー、および配列番号:670の70%〜100%の間の配列同一性を含む長さが21〜35核酸塩基の第二のオリゴヌクレオチドプライマーを含む組成物を提供する。
また、本発明は、配列番号:277に対して70%〜100%配列同一性を含む長さが17〜35核酸塩基のオリゴヌクレオチドプライマー、またはそれを含む組成物;配列番号:632に対して70%〜100%配列同一性を含む長さが21〜35核酸塩基のオリゴヌクレオチドプライマー、またはそれを含む組成物;双方のプライマーを含む組成物;配列番号:277の70%〜100%の間の配列同一性を含む長さが17〜35核酸塩基の第一のオリゴヌクレオチドプライマー、および配列番号:632の70%〜100%の間の配列同一性を含む長さが21〜35核酸塩基の第二のオリゴヌクレオチドプライマーを含む組成物を提供する。
また、本発明は、配列番号:285に対して70%〜100%配列同一性を含む長さが21〜35核酸塩基のオリゴヌクレオチドプライマー、またはそれを含む組成物;配列番号:640に対して70%〜100%配列同一性を含む長さが19〜35核酸塩基のオリゴヌクレオチドプライマー、またはそれを含む組成物;双方のプライマーを含む組成物;配列番号:285の70%〜100%の間の配列同一性を含む長さが21〜35核酸塩基の第一のオリゴヌクレオチドプライマー、および配列番号:640の70%〜100%の間の配列同一性を含む長さが19〜35核酸塩基の第二のオリゴヌクレオチドプライマーを含む組成物を提供する。
また、本発明は、配列番号:301に対して70%〜100%配列同一性を含む長さが21〜35核酸塩基のオリゴヌクレオチドプライマー、またはそれを含む組成物;配列番号:656に対して70%〜100%配列同一性を含む長さが21〜35核酸塩基のオリゴヌクレオチドプライマー、またはそれを含む組成物;双方のプライマーを含む組成物;配列番号:301の70%〜100%の間の配列同一性を含む長さが21〜35核酸塩基の第一のオリゴヌクレオチドプライマー、および配列番号:656の70%〜100%の間の配列同一性を含む長さが21〜35核酸塩基の第二のオリゴヌクレオチドプライマーを含む組成物を提供する。
また、本発明は、配列番号:308に対して70%〜100%配列同一性を含む長さが18〜35核酸塩基のオリゴヌクレオチドプライマー、またはそれを含む組成物;配列番号:663に対して70%〜100%配列同一性を含む長さが18〜35核酸塩基のオリゴヌクレオチドプライマー、またはそれを含む組成物;双方のプライマーを含む組成物;配列番号:308の70%〜100%の間の配列同一性を含む長さが18〜35核酸塩基の第一のオリゴヌクレオチドプライマー、および配列番号:663の70%〜100%の間の配列同一性を含む長さが18〜35核酸塩基の第二のオリゴヌクレオチドプライマーを含む組成物を提供する。
また、本発明は、第一および第二のオリゴヌクレオチドプライマーのいずれかまたは双方が少なくとも1つの修飾された核酸塩基、5’末端における非鋳型T残基、少なくとも1つの非鋳型タグ、または少なくとも1つの分子量修飾タグ、またはそのいずれかの組合せを含む、本明細書において記載したもののような組成物を提供する。
また、本発明は、本明細書において記載された組成物のいずれかを含むキットを提供する。該キットは少なくとも1つのキャリブレーションポリヌクレオチド、または磁気ビーズに連結された少なくとも1つのイオン交換樹脂、または双方を含むことができる。
また、本発明は、未知の細菌の同定方法を提供する。細菌からの核酸は、本明細書において記載された組成物のいずれかを用いて増幅して、増幅産物を得る。増幅産物の分子量を測定する。任意で、増幅産物の塩基組成を分子量から決定する。塩基組成または分子量を、公知の細菌生物剤同定アンプリコンの複数の塩基組成または分子量と比較し、塩基組成または分子量と複数の塩基組成または分子量のメンバーとの間のマッチは未知の細菌を同定する。分子量は質量分析法によって測定することができる。加えて、生物剤の特定のクレード、属、種または亜種の存在または非存在は、本明細書において記載された方法によって測定することができる。
また、本発明は、試料中の未知の細菌の量を測定する方法を提供する。試料を本明細書において記載された組成物のいずれかおよび既知の量のキャリブレーション配列を含むキャリブレーションポリヌクレオチドと接触させる。同時に、試料中の細菌からの核酸を本明細書において記載された組成物のいずれかで増幅し、試料中のキャリブレーションポリヌクレオチドからの核酸を本明細書において記載された組成物のいずれかで増幅して、細菌生物剤同定アンプリコンを含む第一の増幅産物、およびキャリブレーションアンプリコンを含む第二の増幅産物が得られる。細菌生物剤同定アンプリコンおよびキャリブレーションアンプリコンについての分子量および豊富さを測定する。細菌生物剤同定アンプリコンは分子量に基づいてキャリブレーションアンプリコンから区別され、細菌生物剤同定アンプリコンの豊富さおよびキャリブレーションアンプリコン豊富さの比較は試料中の細菌の量を示す。また、該方法は、細菌生物剤同定アンプリコンの塩基組成を決定することを含むことができる。
態様の説明
本発明は、限定されるものではないが、16Sおよび23S rRNA、RNAポリメラーゼサブユニット、t-RNAシンテターゼ、延長因子、リボソームタンパク質、タンパク質鎖開始因子、細胞分裂タンパク質、シャペロニンgroEL、シャペロニンdnaK、ホスホグリセリン酸キナーゼ、NADHデヒドロゲナーゼ、DNAリガーゼ、代謝酵素およびDNAトポイソメラーゼを含む生命に必要な、例えば、タンパク質またはRNAをコードする遺伝子の核酸の保存された領域にハイブリダイズされるオリゴヌクレオチドプライマーを提供する。これらのプライマーは、例えば、増幅条件下で細菌核酸と接触させた場合に、種レベルにて細菌の一般的同定用の、例えば、細菌生物剤同定アンプリコンを生じさせる機能を提供する。
図2を参照し、以下のようにプライマーを設計する。生物の各群については、候補標的配列が同定され(200)それからヌクレオチドアライメントが作り出され(210)分析される(220)。プライマーは、候補プライマー対(240)の選択を可能とする適当なプライミング領域(230)を選択することによって設計される。プライマー対は電子PCR(ePCR)(300)によってインシリコ分析に供され、そこでは、生物剤同定アンプリコンは、例えば、GenBankまたは他の配列コレクション(310)のような配列データベースから得られ、インシリコにて特異性につきチェックされる(320)。また、好都合な確率スコアを持つアンプリコンの塩基組成を塩基組成データベース(325)に貯蔵するように、未知の生物剤を同定する特定のアンプリコンの能力を予測する確率モデルによって、GenBank配列(310)から得られた生物剤同定アンプリコンを分析することもできる。または、プライマーおよびGenBank配列から得られた生物剤同定アンプリコンの塩基組成を塩基組成データベース(330)に直接エンターすることができる。候補プライマー対(240)は、生物のコレクション(410)からの核酸のPCR分析(400)のような方法によってインビトロ増幅により確認される。得られる増幅産物は、任意で、増幅産物(420)を得るのに用いられるプライマーの感度、特異性および再現性を確認するために分析される。
プライマーの合成は周知であり、当技術分野においてはルーチン的である。プライマーは固相合成の周知の技術を介して慣用的かつルーチン的に作成することができる。そのような合成のための機器は、例えば、Applied Biosystems(Foster City,CA)を含むいくつかの販売業者によって販売される。当技術分野において公知のそのような合成のためのいずれかの他の手段が、加えて、または使用することができる。
プライマーは、例えば、以下のように、細菌生物剤の同定のための方法で用いられる組成物として使用することができる。いくつかの態様において、プライマー対組成物は未知の細菌生物剤の核酸と接触させる。核酸は、例えば、PCRのような核酸増幅技術によって増幅して、生物剤同定アンプリコンを表す増幅産物が得られる。二本鎖増幅産物の1つのストランドまたは各ストランドの分子量は、例えば、質量分析法のような分子量測定技術によって測定され、そこでは、二本鎖増幅産物の2つのストランドがイオン化プロセスの間に分離される。いくつかの態様において、質量分析法は電子スプレイフーリエ変換イオンサイクロトン共鳴質量分析法(ESI-FTICR-MS)または電子スプレイ飛行時間質量分析法(ESI-TOF-MS)である。可能な塩基組成のリストは各ストランドについて得られた分子量値につき生じさせることができ、リストからの正しい塩基組成の選択は、1つのストランドの塩基組成を他のストランドの相補的塩基組成にマッチさせることによって容易とされる。このように決定された分子量または塩基組成を公知の細菌生物剤についての類似の生物剤同定アンプリコンの分子量または塩基組成のデータベースと比較する。未知の細菌生物剤からの増幅産物の分子量または塩基組成と公知の細菌生物剤についての類似の生物剤同定アンプリコンの分子量または塩基組成との間のマッチは、未知の生物剤の同一性を示す。
いくつかの態様において、用いるプライマー対は表1のプライマー対の1つである。いくつかの態様において、該方法は異なるプライマー対を用いて反復して、同定プロセスにおける可能な曖昧性を解決し、あるいは同定帰属についての信頼レベルを改良する。
いくつかの態様において、生物剤同定アンプリコンは単一のプライマー(いずれかの所与のプライマー対の順方向または逆方向プライマーいずれか)のみを用いて作製することができ、但し、例えば、低ストリンジェンシー単一プライマーPCR(LSSP-PCR)のような適当な増幅方法が選択されるものとする。生物剤同定アンプリコンを生じさせるためのこの増幅方法の適合が、過度な実験なしで当業者によって達成することができる。
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドプライマーは、公知の細菌の全て、または少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%のリボソームRNA(rRNA)のようなRNAをコードする核酸の保存された領域にハイブリダイズし、かつ細菌生物剤同定アンプリコンを生じる「広い範囲のサーベイプライマー」である。本明細書において用いるように、「広い範囲のサーベイプライマー」という用語は、細菌の公知の種の全て、または少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%のrRNAをコードする核酸に結合するプライマーをいう。いくつかの態様において、プライマーがハイブリダイズするrRNAは16Sおよび23S rRNAである。いくつかの態様において、広い範囲のサーベイプライマー対が、その各々が、順次、配列番号:6:369、26:388、29:391、37:362、48:404、および58:414に対応するプライマー対番号3、10、11、14、16および17に対して70%〜100%配列同一性を有する長さが13〜35核酸塩基の範囲のオリゴヌクレオチドを含む。
いくつかの場合において、広い範囲のサーベイプライマー対によって規定される細菌生物剤同定アンプリコンの分子量または塩基組成は、種レベルで細菌生物剤を曖昧なく同定する十分な解決を提供しない。これらの場合は、少なくとも1つのさらなる広い範囲のサーベイプライマー対から、あるいは少なくとも1つのさらなる「分類幅」プライマー対(下記参照)から生じた一つまたは複数の細菌生物剤同定アンプリコンのさらなる分析から益する。生物剤の同定のための1より多い生物剤同定アンプリコンの使用は、本明細書において「三角測量」(下記参照)という。
他の態様において、オリゴヌクレオチドプライマーは、例えば、バチルス(Bacillus)/クロストリジウム(Clostridia)群のメンバーまたはα-、β-、γ-、およびε-プロテオ細菌のメンバーのような細菌の広い分類の遺伝子をコードする核酸にハイブリダイズする「分類幅」プライマーである。いくつかの態様において、細菌の分類は、一つより多い属が表される細菌属のいずれかのグループ分けを含む。例えば、β-プロテオ細菌群は以下の属のメンバー:エイケネラ(Eikenella)、ナイセリア(Neisseria)、アクロモバクター(Achromobacter)、ボルデテラ(Bordetella)、ブルクホルデリア(Burkholderia)、およびラルトソニア(Raltsonia)を含む。これらの属の種メンバーは、β-プロテオ細菌のtufB遺伝子からの細菌生物剤同定アンプリコンを生じるプライマー対293(配列番号:344:700)で生じた細菌生物剤同定アンプリコンを用いて同定することができる。分類幅プライマーがハイブリダイズできる遺伝子の例は、限定されるものではないが:rpoBおよびrpoCのようなRNAポリメラーゼサブユニット、バリル-tRNAシンテターゼ(valS)およびアスパルチル-tRNAシンテターゼ(aspS)のようなtRNAシンテターゼ、延長因子EF-Tu(tufB)のような延長因子、リボソームタンパク質L2(rplB)のようなリボソームタンパク質、タンパク質鎖開始因子infBのようなタンパク質鎖開始因子、groLおよびdnaKのようなシャペロニン、およびペプチダーゼftsH(hflB)のような細胞分裂タンパク質を含む。いくつかの態様において、分類幅プライマー対は、その各々が、順次、配列番号:160:515、261:624、231:591、235:587、349:711、240:596、246:602、256:620、344:700に対応するプライマー対番号34、52、66、67、71、72、289、290および293に対して70%〜100%配列同一性を有する長さが13〜35核酸塩基の範囲のオリゴヌクレオチドを含む。
他の態様において、オリゴヌクレオチドプライマーは、クレード群レベルで細菌の同定を可能とするように設計され、これは、そのメンバーの全ての最も最近の共通の先祖、およびその最も最近の共通の先祖の子孫の全てを含む生物の群をいう単一系分類群である。セレウス菌(Bacillus cereus)クレードは細菌クレード群の例である。いくつかの態様において、クレード群プライマー対は、その各々が、配列番号:322:686に対応するプライマー対番号58に対して70%〜100%配列同一性を有する長さが13〜35核酸塩基の範囲のオリゴヌクレオチドを含む。
他の態様において、オリゴヌクレオチドプライマーは、種または「亜種特徴」の同定を可能とする「ドリルダウン」プライマーである。亜種特徴は、本明細書において、同一細菌種の2つのメンバーを区別する手段を提供する遺伝子的特徴と定義される。例えば、大腸菌(Escherichia coli) O157:H7および大腸菌 K12は、種大腸菌の2つの周知のメンバーである。しかしながら、大腸菌 O157:H7は、亜種特徴の例であるその志賀(Shiga)トキシン遺伝子のため高度に毒性である。また、亜種特徴の例は、限定されるものではないが:一塩基遺伝子多形態(SNP)のような遺伝子における変動、可変数タンデムリピート(VNTR)を含むこともできる。亜種特徴を示す遺伝子の例は、限定されるものではないが、ハウスキーピング遺伝子、トキシン遺伝子、病原性マーカー、抗生物質耐性遺伝子および病原因子を含む。ドリルダウンプライマーは、増幅条件下で細菌核酸と接触させた場合に株タイピングのようなドリルダウン分析用の細菌性物剤同定アンプリコンを生じさせる機能を提供する。そのような亜種特徴の同定は、しばしば、細菌感染の適切な臨床的処置を決定するために臨界的である。ドリルダウンプライマーの対の例は、限定されるものではないが、炭疽菌(Bacillus anthracis)の株の同定のためのプライマー対のトリオを含む。プライマー対24(配列番号:97:451)はビルレンスプラスミドpX02のcapC遺伝子を標的とし、プライマー対30(配列番号:127:482)はビルレンスプラスミドpX02のcyA遺伝子を標的とし、およびプライマー対37(配列番号:174:530)はビルレンスプラスミドpX02のlef遺伝子を標的とする。ドリルダウンプライマーのさらなる例は、限定されるものではないが、群A ストレプトコッカス(Streptococcus)の株型を決定するのに用いられる6つのプライマー対を含む。プライマー対80(配列番号:310:668)はgki遺伝子を標的とし、プライマー対81(配列番号:313:670)はgtr遺伝子を標的とし、プライマー対86(配列番号:227:632)はmurI遺伝子を標的とし、プライマー対90(配列番号:285:640)はmutS遺伝子を標的とし、プライマー対96(配列番号:301:656)はxpt遺伝子を標的とし、およびプライマー対98(配列番号:308:663)はyqiL遺伝子を標的とする。
いくつかの態様において、増幅で用いるプライマーはゲノムDNA、細菌プラスミドのDNA、またはDNAウイルスのDNAにハイブリダイズし、それを増幅する。
いくつかの態様において、増幅で用いるプライマーはリボソームRNAまたはメッセンジャーRNA(mRNA)に直接ハイブリダイズし、細菌RNAまたはrRNAの直接的増幅からDNAを得るための逆転写プライマーとして作用する。逆転写酵素を用いるRNAを増幅する方法は当業者に周知であり、過度な実験なしでルーチン的に確立することができる。
増幅プライマーの設計の分野における当業者であれば、所与のプライマーが、効果的に、増幅反応における相補的核酸ストランドの合成起点となるために100%相補性でもってハイブリダイズする必要がないのを認識するであろう。さらに、プライマーは、介入または隣接セグメントがハイブリダイゼーション事象に関与しないように一つまたは複数のセグメントにわたってハイブリダイズできる(例えば、ループ構造またはヘアピン構造)。本発明のプライマーは、表1に列挙したプライマーのいずれかに対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または少なくとも99%配列同一性を含むことができる。従って、本発明のいくつかの態様において、配列同一性の、70%〜100%、またはいずれかのそれに対する範囲の変化の程度が、本明細書において開示された特異的プライマー配列に対して可能である。配列同一性の決定は以下の例に記載される。もう1つの20核酸塩基プライマーとそうでなければ同一であるが、2つの非同一残基を有する長さが20核酸塩基のプライマーは20のうち18の同一残基を有する(18/20=0.9または90%配列同一性)。もう1つの例において、長さが20核酸塩基のプライマーの15核酸塩基セグメントと同一の全ての残基を有する長さが15核酸塩基のプライマーは、20核酸塩基プライマーに対して15/20=0.75または75%配列同一性を有するであろう。
パーセント相同性、配列同一性または相補性は、例えば、SmithおよびWatermanのアルゴリズム(Adv.Appl.Math.,1981,2,482-489)を用いる、デフォルト設定を用いるGapプログラム(Wisconsin Sequence Analysis Package,Version 8 for Unix,Genetics Computer Group,University Research Park,Madison WI)によって決定することができる。いくつかの態様において、細菌核酸の保存されたプライミング領域に対するプライマーの相同性、配列同一性、または相補性は少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%であり、あるいは100%である。
いくつかの態様において、本明細書において記載されたプライマーは、本明細書において特に開示されたプライマー配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも98%、または少なくとも99%、または100%(またはそれに対していずれかの範囲)配列同一性を含む。従って、例えば、プライマーは配列番号:26に対して70%〜100%の間、75%〜100%の間、80%〜100%の間、および95%〜100%の間の配列同一性を有することができる。同様に、プライマーは、そのヌクレオチド配列が本明細書において開示されたいずれかの他のプライマーに対して同様な配列同一性を有することができる。
当業者であれば、パーセント配列同一性またはパーセント配列相同性を計算することができ、過度な実験なしで、対応する生物剤同定アンプリコンの増幅産物の作製のための核酸の相補ストランドの合成の起点となるその役割においてプライマーの機能に対するプライマー配列同一性の変動の効果を測定することができる。
本発明のいくつかの態様において、オリゴヌクレオチドプライマーは長さが13〜35の間の核酸塩基(13〜35の連結されたヌクレオチド残基)である。これらの態様は長さが13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34または35核酸塩基、あるいはそれに対していずれかの範囲のオリゴヌクレオチドプライマーを含む。
いくつかの態様において、いずれかの所与のプライマーは、プライマーの5’末端への非鋳型T残基の付加を含む修飾を含む(すなわち、付加されたT残基は増幅すべき核酸に必ずしもハイブリダイズしない)。非鋳型T残基の付加は、Taqポリメラーゼの非特異的酵素活性(Magnuson et al. Biotechniques,1996,21,700-709)、分子量分析から生起する曖昧な結果に導き得る発生の結果として非鋳型A残基の付加を最小化する効果を有する。
本発明のいくつかの態様において、プライマーは一つまたは複数のユニバーサル塩基を含有することができる。種間で保存された領域における(3番目の位置におけるコドンゆらぎによる)いずれかの変動はDNAトリプレットの第三の位置で起こる可能性が高いので、オリゴヌクレオチドプライマーは、この位置に対応するヌクレオチドが、「ユニバーサル核酸塩基」と本明細書においていう1より多いヌクレオチドに結合できる塩基であるように設計することができる。例えば、この「ゆらぎ」対合の下では、イノシン(I)はU、CまたはAに結合し;グアニン(G)はUまたはCに結合し、ウリジン(U)はUまたはCに結合する。ユニバーサル核酸塩基の他の例は、5-ニトロインドールまたは3-ニトロピロールのようなニトロインドール(Loakes et al., Nucleosides and Nucleotides,1995,14,1001-1003)、縮重ヌクレオチドdPまたはdK(Hill et al.)、5-ニトロインダゾールを含有する非環状ヌクレオシドアナログ(Van Aerschot et al., Nucleosides and Nucleotides,1995,14,1053-1056)またはプリンアナログ1-(2-デオキシ-β-D-リボフラノシル)-イミダゾール-4-カルボキサミド(Sala et al., Nucl.Acids Res.,1996,24,3302-3306)を含む。
いくつかの態様において、「ゆらぎ」塩基による幾分弱い結合を補償するためには、オリゴヌクレオチドプライマーは、各トリプレットの第一および第二の位置が未修飾ヌクレオチドよりも大きな親和性でもって結合するヌクレオチドアナログによって占められるように設計される。これらのアナログの例は、限定されるものではないが、チミンに結合する2,6-ジアミノプリン、アデニンおよび5-プロピニルシトシンに結合する5-プロピニルウラシル、およびGに結合する、G-クランプを含むフェノキサジンを含む。プロピニル化ピリミジンは、その各々が同一出願人による、参照により本明細書にその全体が組み入れられる、米国特許第5,645,985号、米国特許第5,830,653号および米国特許第5,484,908号に記載される。プロピニル化プライマーは、やはり同一出願人により、参照により本明細書にその全体が組み入れられる米国特許出願第10/294,203号に記載されている。フェノキサジンは、その各々が参照により本明細書にその全体が組み入れられる米国特許第5,502,177号、米国特許第5,763,588号および第6,005,096号に記載されている。G-クランプは、その各々が参照により本明細書にその全体が組み入れられる米国特許第6,007,992号および米国特許第6,028,183号に記載されている。
いくつかの態様において、非鋳型プライマータグを用いて、プライマー鋳型デュプレックスの融解温度(Tm)を上昇させ、増幅効率を改良する。非鋳型タグは、該鋳型に相補的でないプライマー上の少なくとも3つの連続AまたはTヌクレオチド残基である。いずれかの所与の非鋳型タグにおいては、AはCまたはGによって置き換えることができ、TはCまたはGによって置き換えることもできる。ワトソン-クリックハイブリダイゼーションは鋳型に対する非鋳型タグについて起こることが予測されないが、A-T対に対するG-C対における過剰の水素結合はプライマー鋳型デュプレックスの増大した安定性を与え、プライマーが先のサイクルで合成されたストランドにハイブリダイズする場合に、増幅の引き続いてのサイクルに対して増幅効率を改良する。
他の態様において、プロピニル化タグは、非鋳型タグのそれと同様に用いることができ、ここに、2つまたはそれ以上の5-プロピニルシチジンまたは5-プロピニルウリジン残基はプライマー上の残基にマッチする鋳型を置き換える。他の態様において、プライマーは、例えば、ホスホロチオエート結合のような修飾されたヌクレオチド間結合を含有する。
いくつかの態様において、プライマーは質量修飾タグを含有する。特異的分子量の核酸の可能な塩基組成の合計数の低下は、増幅産物の塩基組成の決定において曖昧性の執拗な源を回避する手段を提供する。所与のプライマーのある種の核酸塩基への質量修飾タグの付加の結果、その分子量からの所与の生物剤同定アンプリコン(後記参照)の塩基組成のデノボ測定の単純化をもたらすであろう。
本発明のいくつかの態様において、質量修飾核酸塩基は以下の、例えば、7-デアザ-2’-デオキシアデノシン-5-三リン酸、5-ヨード-2’-デオキシウリジン-5’-三リン酸、5-ブロモ-2’-デオキシウリジン-5’-三リン酸、5-ブロモ-2’-デオキシシチジン-5’-三リン酸、5-ヨード-2’-デオキシシチジン-5’-三リン酸、5-ヒドロキシ-2’-デオキシウリジン-5’-三リン酸、4-チオチミジン-5’-三リン酸、5-アザ-2’-デオキシウリジン-5’-三リン酸、5-フルオロ-2’-デオキシウリジン-5’-三リン酸、O6-メチル-2’-デオキシグアノシン-5’-三リン酸、N2-メチル-2’-デオキシグアノシン-5’-三リン酸、8-オキソ-2’-デオキシグアノシン-5’-三リン酸またはチオチミジン-5’-三リン酸の一つまたは複数を含む。いくつかの態様において質量修飾核酸塩基は15Nまたは13C、あるいは15Nおよび13C双方を含む。
本発明のいくつかの態様において、少なくとも1つの細菌核酸セグメントが生物剤を同定するプロセスで増幅される。従って、本明細書において開示されるプライマーによって増幅でき、各個々の生物剤を識別するための十分な変動性を提供し、その分子量が分子量測定に使用できる核酸セグメントは、本明細書において、「生物剤同定アンプリコン」と記載される。本明細書において用いる「アンプリコン」という用語は、増幅反応において増幅されるポリヌクレオチドのセグメントをいう。本発明のいくつかの態様において、生物剤同定アンプリコンは約45〜約200の核酸塩基(すなわち、約45〜約200の連結したヌクレオシド)、約60〜約150の核酸塩基、約75〜約125の核酸塩基を含む。当業者であれば、本発明は、長さが45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199および200核酸塩基、あるいはそれに対していずれかの範囲の化合物に具体化される。それは、プライマーがハイブリダイズする生物剤核酸セグメントの部分(ハイブリダイゼーション部位)、および生物剤同定アンプリコンを含むプライマーハイブリダイゼーション部位の間の可変領域の組合せである。遺伝子データは本発明の方法による生物剤の同定のための基礎となるベースを提供するので、各個々の生物剤を区別するのに十分な変動性を理想的に提供し、その分子量が分子量測定に使用できる核酸のセグメントを選択するのが賢明である。
いくつかの態様において、本明細書において記載されたプライマーによって作製される分子量測定に使用できる生物剤同定アンプリコンは、分子量測定の特定のモードに適合する長さの予測可能な断片を得るために、分子量測定の特定のモードに適合する、あるいは予測可能な断片化パターンを提供する手段に適合する長さ、サイズまたは質量いずれかのものである。増幅産物の予測可能な断片化パターンを提供するそのような手段は、限定されるものではないが、例えば、制限酵素または切断プライマーでの切断を含む。制限酵素および切断プライマーを用いる方法は当業者に周知である。
いくつかの態様において、細菌生物剤同定アンプリコンに対応する増幅産物は、分子生物学分野における当業者にとってルーチン的方法であるポリメラーゼ鎖反応(PCR)を用いて得られる。やはり当業者に周知のリガーゼ鎖反応(LCR)、低ストリンジェンシー単一プライマーPCR、および複数ストランド置き換え増幅(MDA)のような他の増幅方法を用いることができる。
本発明の関連では、「生物剤」は生きたまたは死滅したいずれかの生物、細胞、またはウイルス、あるいはそのような生物、細胞またはウイルスに由来する核酸である。生物剤の例は、限定されるものではないが、(限定されるものではないが、ヒト臨床試料、細菌細胞および他の病原体を含む)細胞、ウイルス、真菌、原生生物、寄生虫、および(限定されるものではないが、病原性島、抗生物質耐性遺伝子、病原因子、トキシン遺伝子および他の生物調節化合物を含む)病原性マーカーを含む。試料は生きていてもまたは死滅していてもよく、あるいは栄養状態(例えば、栄養細菌または胞子)にあってもよく、カプセル化または生物工学作成されていてもよい。本発明の関連では、「病原体」は病気または障害を引き起こす生物剤である。
本発明の関係では、「未知の生物剤」という用語は(i)(例えば、周知の細菌種黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)のような)その存在が知られているが、分析すべき試料中に存在することが知られていない生物剤、または(ii)その存在が知られていない生物剤(例えば、SARSコロナウイルスは2003年4月に先立っては知られていなかった)いずれかを意味することができる。例えば、同一出願人による米国特許出願第10/829,826号(参照により本明細書にその全体が組み入れられる)に開示されたコロナウイルスの同定方法が2003年4月に先立って使用して、臨床試料中のSARSコロナウイルスを同定すべきであったならば、「未知の」生物剤の双方の意味が適用できる。というのは、SARSコロナウイルスは2003年4月に先立っての科学にとって未知であったからであり、かつそれはいずれの生物剤(この場合、コロナウイルス)が試料中に存在したかは知られてなかったからである。他方、米国特許出願第10/829,826号の方法が2003年4月に引き続いて用いて、臨床試料中のSARSコロナウイルスを同定すべきであったならば、「未知の」生物剤の最初の意味(i)のみが適用されるであろう。というのは、SARSコロナウイルスは2003年4月に引き続いて科学に知られるようになったからであり、かつそれはいずれの剤が試料に存在するかは知られていなかったからである。
生物剤の同定のための1を超える生物剤同定アンプリコンの使用は、本明細書においては、「三角測量同定」という。三角測量同定は、多数コア遺伝子内で選択される複数の生物剤同定アンプリコンを分析することによって追及される。このプロセスは、偽陰性および偽陽性シグナルを低下させ、およびハイブリッドの起源、またはそうでなければ作成された生物剤の再構築を可能とするのに用いられる。例えば、炭疽菌(B.anthracis)ゲノムからの予測されたシグニチャーの非存在下での炭疽菌に典型的な三部トキシン遺伝子の同定(Bowen et al., J.Appl.Microbiol.,1999,87,270-278)は遺伝子工学事象を示唆するであろう。
いくつかの態様において、三角測量同定プロセスは、複数プライマーが同一増幅反応混合物で使用される多重PCR、またはプライマーの異なるユニークな対がそうでなければ同一の反応混合物を含有する複数ウェルで用いられるマルチウェルプレート様式のPCRのような、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)を用い、実質的に平行様式での生物剤同定アンプリコンの特徴付けによって追求することができる。そのような多重およびマルチウェルPCRは、核酸の迅速スループット増幅の当業者に周知である。
いくつかの態様において、特定の生物剤同定アンプリコンの分子量は質量分析法によって測定される。質量分析法は、広い範囲の電荷に対する質量の比率(m/z)を横切って多くの分子ピークを分離する(および単離する)能力によって特徴付けられる高バンド幅では少しもない、いくつかの利点を有する。従って、質量分析法は、本来的には、放射性または蛍光標識の必要性がない平行検出スキームである。というのは、各増幅産物がその分子量によって同定されるからである。質量分析法における当技術分野の現在の状態は、フェントモル未満の量の物質を容易に分析して、試料の分子含有量についての情報を供することができるようなものである。物質の分子量の正確な評価は、試料の分子量が数百、または10万原子質量単位(amu)またはダルトンを超えているかにかかわらず迅速に得ることができる。
いくつかの態様において、種々のイオン化技術の1つを用いて無傷分子イオンが増幅産物から生成して、試料をガス相に変換する。これらのイオン化方法は、限定されるものではないが、電子スプレーイオン化(ES)、マトリックス援助レーザー脱着イオン化(MALDI)および速原子衝撃(FAB)を含む。イオン化に際しては、異なる電荷を持つイオンの形成のため、いくつかのピークが1つの試料から観察される。単一マススペクトルから得られた分子量の複数の読みを平均して、生物剤同定アンプリコンの分子量の見積もりを与える。電子スプレーイオン化質量分析法(ESI-MS)は、10kDaよりも大きな分子量を有するタンパク質および核酸のような非常に高い分子量のポリマーで特に有用である。というのは、それは、有意な量の断片化を引き起こすことなく試料の多荷電分子の分布を生じるからである。
本発明の方法で用いるマスディテクターは、限定されるものではないが、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析法(FT-ICR-MS)、時間飛行(TOF)、イオントラップ、四極、磁気セクター、Q-TOF、およびトリプル四極を含む。
いくつかの態様において、分子量データの塩基組成への変換はある種の分析で有用である。本明細書において用いるように、「塩基組成」は各核酸塩基(A、T、CおよびG)の正確な数である。例えば、それからA25 G27 C22 T18の塩基組成が可能な塩基組成のリストから割り当てられる、28480.75124の分子量(センスストランド)を有する23S rRNAの核酸からの増幅産物を生じるプライマー対での髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)の核酸の増幅は、4つの核酸塩基の各々の標準の既知の分子量を用いて分子量から計算される。
いくつかの態様において、実験的に決定された分子量への塩基組成の帰属は「塩基組成確率雲」を用いて達成される。塩基組成は、配列のように、種内で単離体の間でわずかに変化する。この多様性は、各種についての組成拘束の周りで「塩基組成確率雲」を形成することによって管理することが可能である。これは、配列分析と同様な方法での生物の同定を可能とする。「疑似4次元プロット」(図1)を用いて、塩基組成確率雲の概念を可視化することができる。最適なプライマーの設計は、生物剤同定アンプリコンの最適な選択を必要とし、個々の生物剤の塩基組成シグニチャーの間の分離を最大化する。雲が重なるエリアは、塩基組成確率雲の重複によって影響されない生物剤同定アンプリコンを用いて三角測量同定プロセスによって克服される問題である誤分類をもたらし得る領域を示す。
いくつかの態様において、塩基組成確率雲は、塩基組成の潜在的誤分類を回避するための可能なプライマー対をスクリーニングするための手段を提供する。他の態様において、塩基組成確率雲は、その帰属された塩基組成が従前には観察されておらず、および/またはその核酸配列における進化遷移のため生物剤同定アンプリコンの塩基組成データベースにおいて索引が付される生物剤の同一性を予測する手段を提供する。従って、プローブベースの技術とは対照的に、塩基組成の質量分析法決定は、測定を行うために、組成または配列の予めの知識を必要としない。
本発明は、所与の生物剤を同定するのに十分なレベルにおいてDNA配列決定および系統発生分析と同様な生物剤分類情報を提供する。さらに、(例えば、配列情報が入手できない場合に)所与の生物剤についての従前には知られていない塩基組成の決定プロセスは、塩基組成データベースをそれで作成するさらなる生物剤索引情報を提供することによって下流用途を有する。従って、将来の生物剤同定のプロセスは大いに改善される。というのは、より多くのBCS索引が塩基組成データベースで利用可能となるからである。
1つの態様において、未知の生物剤を含む試料を、生物剤からの核酸の増幅のための手段を提供するプライマーの対、および既知量の、キャリブレーション配列を含むポリヌクレオチドと接触させる。生物剤の、およびキャリブレーション配列の核酸を増幅し、増幅の速度は、生物剤の、およびキャリブレーション配列の核酸につき同様であると合理的には推定される。次いで、増幅反応は2つの増幅産物:生物剤同定アンプリコンおよびキャリブレーションアンプリコンを生じる。生物剤同定アンプリコンおよびキャリブレーションアンプリコンは、実質的に同一の速度で増幅されつつ、分子量によって識別可能なはずである。種々の分子量の実行は、キャリブレーション配列として(生物剤の特異的種からの)代表的な生物剤同定アンプリコンを選択し、例えば、2つのプライミング部位の間で可変領域内にて2〜8の核酸塩基の欠失または挿入を行うことによって達成することができる。次いで、生物剤同定アンプリコンおよびキャリブレーションアンプリコンを含有する増幅された試料を、例えば、質量分析法による分子量分析に供する。生物剤の、およびキャリブレーション配列の核酸の得られた分子量分析は、生物剤の、およびキャリブレーション配列の核酸についての分子量データおよび存在量データを提供する。生物剤の核酸につき得られた分子量データは、未知の生物剤の同定を可能とし、存在量データは、試料と接触させたキャリブレーションポリヌクレオチドの量の知識に基づいて、生物剤の量の計算を可能とする。
いくつかの態様において、特定の生物剤の同一性および量は図7に示されたプロセスを用いて決定される。例えば、未知の生物剤の核酸を含有する試料にプライマー(500)および既知量のキャリブレーションポリヌクレオチド(505)を加える。試料中の全核酸を増幅反応(510)に供して、増幅産物を得る。増幅産物の分子量が測定され(515)、それから分子量および存在量データが得られる。生物剤同定アンプリコン(520)の分子量はその同定(525)のための手段を提供し、キャリブレーションポリヌクレオチド(530)から得られたキャリブレーションアンプリコンの分子量はその同定(535)のための手段を提供する。生物剤同定アンプリコンの存在量データを記録し(540)、キャリブレーションデータについての存在量データを記録し(545)、その双方は、試料中の未知の生物剤の量を決定する計算(550)で用いる。
いくつかの態様において、試料にスパイクされたキャリブレーションポリヌクレオチドの量が変化する標準曲線の構築は、試料中の生物剤の量の測定のためのさらなる解決および改良された信頼性を提供する。分子量の分析的決定のための標準曲線の使用は当業者に周知であり、過度な実験なしで行うことができる。
いくつかの態様において、多重増幅が行われ、そこでは、複数の生物剤同定アンプリコンが、対応する標準キャリブレーション配列も増幅する複数プライマー対で増幅される。このおよび他の態様において、標準キャリブレーション配列は、任意で、キャリブレーションポリヌクレオチドとして機能する単一ベクター内に含まれる。多重増幅方法は当業者に周知であり、過度の実験なしで行うことができる。
いくつかの態様において、校正物質ポリヌクレオチドを内部陽性対照として用いて、増幅条件および引き続いての分析工程が測定可能なアンプリコンを生じるのに成功したことを確認する。生物剤のゲノムのコピーの非存在下においてさえ、キャリブレーションポリヌクレオチドはキャリブレーションアンプリコンを生起させる。測定可能なキャリブレーションアンプリコンを生じないことは、増幅、またはアンプリコン精製または分子量決定のような引き続いての分析の失敗を示す。そのような失敗がそれ自体で起こったという結論に達すると、それ自体が有用な事象である。
いくつかの態様において、キャリブレーション配列は、次いで、それ自体がキャリブレーションポリヌクレオチドとして機能するベクターに挿入される。いくつかの態様において、1より多いキャリブレーション配列は、キャリブレーションポリヌクレオチドとして機能するベクターに挿入される。そのようなキャリブレーションポリヌクレオチドは、本明細書においては、「組合せキャリブレーションポリヌクレオチド」といわれる。ポリヌクレオチドをベクターに挿入する方法は当業者にとってルーチン的であり、過度な実験なしで達成することができる。従って、キャリブレーション方法は本明細書において記載された態様に限定されるべきではないことが認識されるべきである。キャリブレーション方法は、適当な標準的校正物質ポリヌクレオチド配列が設計され、用いられる場合、いずれかの生物剤同定アンプリコンの量の測定に適用できる。校正物質の挿入用の適当なベクターを選択する方法もまた、当業者によって過度な実験なしで達成することができるルーチン的操作である。
また、本発明は、例えば、本明細書において記載された方法を実行するためのキットを提供する。いくつかの態様において、キットは、生物剤からの標的ポリヌクレオチドに対して増幅反応を行って、生物剤同定アンプリコンを形成するための十分な量の一つまたは複数のプライマー対を含むことができる。いくつかの態様において、キットは1〜50のプライマー対、1〜20のプライマー対、1〜10のプライマー対、または2〜5のプライマー対を含むことができる。いくつかの態様において、キットは表1に引用された一つまたは複数のプライマー対を含むことができる。
いくつかの態様において、キットは一つまたは複数の広い範囲のサーベイプライマー、分類幅プライマー、クラーデ群プライマー、またはドリルダウンプライマー、またはそのいずれかの組合せを含むことができる。キットは、特定の生物剤の同定のための特定のプライマー対を含むように設計することができる。例えば、広い範囲のサーベイプライマーキットをまず用いて、バチルス/クロストリジウム群のメンバーとして未知の生物剤を同定することができる。分類幅キットのもう1つの例を用いて、相互から炭疽菌、セレウス菌およびバチルス・スリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)を識別することができる。クラーデ群プライマーキットを用いて、例えば、セレウス菌クラーデ群のメンバーとして未知の細菌を同定することができる。ドリルダウンキットを用いて、例えば、遺伝子工学により作成された炭疽菌を同定することができる。いくつかの態様において、これらのキットのいずれかを組み合わせて、未知の細菌生物剤の同定のために、広い範囲のサーベイプライマーおよび分離幅プライマー、クラーデ群プライマーまたはドリルダウンプライマー、またはそのいずれかの組合せの組合せを含むようにすることができる。
いくつかの態様において、キットは、内部増幅校正物質として用いるための標準化されたキャリブレーションポリヌクレオチドを含有することができる。内部校正物質は、参照により本明細書にその全体が組み入れられる、同一出願人による米国特許出願第60/545,425号に記載されている。
いくつかの態様において、該キットは、前記した増幅プロセスのための、(例えば、RNAウイルスを同定すべきであれば)十分な量の逆転写酵素、DNAポリメラーゼ、(前記したもののいずれかを含む)適当なヌクレオシド三リン酸、DNAリガーゼ、および/または反応緩衝液、またはそのいずれかの組合せも含むことができる。キットは、さらに、キットの特定の態様に関連する指示書を含むことができ、そのような指示書は該方法の操作のためのプライマー対および増幅条件を記載する。キットはミクロ遠心管などのような増幅反応溶液も含むことができる。キットは、例えば、洗剤、溶媒、または磁気ビーズに連結することができるイオン交換樹脂を含む、増幅からの生物剤核酸または生物剤同定アンプリコンを単離するための試薬または他の物質を含むこともできる。キットは、キットのプライマー対を用いる生物剤の測定されたまたは計算された分子量および/または塩基組成の表を含むこともできる。
本明細書において開示された発明をより十分に理解できるためには、実施例を以下に掲げる。これらの実施例は説明目的のためだけのものであり、断じて本発明を限定するものと解釈されるべきではないことが理解されるべきである。これらの実施例を通じて、分子クローニング反応、および他の標準組み換えDNA技術は、Maniatis et al.,Molecular Cloning-A Laboratory Manual,2nd ed.,Cold Spring Harbor Press(1989)に記載された方法に従い、特に述べる場合を除いて、市販の試薬を用いて行った。
実施例
実施例1:生物剤同定アンプリコンを規定するプライマーの選択
細菌生物剤同定アンプリコンを規定するプライマーの設計のために、例えば、GenBankからの関連配列を入手し、整列化させ、PCRプライマーの対が長さが約45〜約200のヌクレオチドの産物を増幅し、それらの分子量または塩基組成によって相互から種を区別するであろう領域についてスキャンする。図2に示された典型的なプロセスを使用する。
各プライマー領域についての予測される塩基組成のデータベースは、(ePCR)のようなインシリコPCRサーチアルゴリズムを用いて生じさせる。現存するRNA構造サーチアルゴリズム(参照により本明細書にその全体が組み入れられるMacke et al.,Nuc.Acids Res.,2001,29,4724-4735)は、ハイブリダイゼーション条件、ミスマッチ、および熱力学的計算のようなPCRパラメーターを含めるように修飾されている(参照により本明細書にその全体が組み入れられるSantaLucia,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,1998,95,1460-1465)。これは選択されたプライマー対のプライマー特異性についての情報を提供する。
表1は、本明細書において記載された方法を用いて細菌を同定するように設計された(順方向プライマーの名称によって分類された)プライマーのコレクションを表す。順方向または逆方向プライマーの名称は、それに対してプライマーが参照配列にハイブリダイズする細菌ゲノムの遺伝子領域を示し、例えば、順方向プライマー名称16S EC 1077 1106は、プライマーが、(表2に示される)GenBank gi番号16127994からの座標4033120..4034661の配列抽出によって表される大腸菌(E.coli)参照配列における16SリボソームRNAをコードする遺伝子の残基1077〜1106にハイブリダイズすることを示す。さらなる例として、順方向プライマー名称BONTA X52066 450 473は、プライマーが、GenBankアクセス番号X52066によって表されるボツリヌス菌(Clostridium botulinum)ニューロトキシンA型(BoNT/A)をコードする遺伝子の残基450〜437にハイブリダイズすることを示す(表1中に現れるプライマー対名称コードは表2に規定される)。表1においては、Ua=5-プロピニルラシル;Ca=5-プロピニルシトシン;=ホスホロチオエート結合。プライマー対の番号は室内データベース索引番号である。
(表1)細菌生物剤の同定のためのプライマー対
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プライマー対名称のコードおよび参照配列を表2に示す。プライマー名称コードは、典型的には、所与のプライマー対が標的とする遺伝子を表す。プライマー対名称は、配列のセクションの抽出によって規定される、またはGenBank gi番号によって規定される参照配列に関する座標、または該抽出の対応する相補的配列、または記号「抽出なし」によって示される全GenBank gi数を含む。「抽出なし」が参照配列に対して示される場合、参照配列に対して名付けられたプライマー対の座標はGenBank giリストに関するものである。遺伝子の省略は「遺伝子名称」の欄において太文字のタイプで示される。
(表2)プライマー名称コードおよび参照配列
Figure 2007525978
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*注意:
これらの人工参照配列は示された参照gi番号からの部分的遺伝子抽出の連結(concatenation)を表す。部分的配列を用いて、連結された配列を生じさせた。なぜならば、完全な遺伝子配列はプライマーの設計に必要なかったからである。任意の残基「N」のストレッチは、部分的遺伝子抽出の分離の便宜性のために加えた(SP101 SPET11については100N(配列番号:732);CJST CJについては50N(配列番号:745);およびAB MLSTについては40N(配列番号:763))。
実施例2:DNAの単離および増幅
培養試料またはスワブからのゲノム物質は、DNeasy(登録商標)96組織キット(Qiagen, Valencia,CA)を用いて調製した。全てのPCR反応は、Packard MPII液体取扱ロボットプラットフォームおよびMJ Dyad(登録商標)サーモサイクラー(MJ research, Waltham, MA)を用いて96ウェルマイクロタイタープレート様式にて50μl反応で組み立てる。PCR反応は4ユニットのAmplitaq Gold(登録商標)、1×緩衝液II(Applied Biosystems, Foster City, CA)、1.5mM MgCl2、0.4Mベタイン、800μM dNTPミックス、および250nMの各プライマーからなるものであった。
以下のPCR条件を用いて、質量分析法分析で用いる配列を増幅した:10分間の95C、続いての、30秒間の95C、30秒間の48C、および30秒間の72Cの8サイクル、各サイクル後に0.9C上昇させた48Cアニーリング温度。次いで、PCRを、15秒間の95C、20秒間の56C、および20秒間の72Cのさらなる37サイクルで継続した。
実施例3:イオン交換樹脂-磁気ビーズを用いる質量分析法のためのPCR産物の溶液捕獲精製
磁気ビーズに連結されたイオン交換樹脂での核酸の溶液捕獲のために、BioClonアミン末端超常磁気ビーズの25μlの2.5mg/mL懸濁液を、ほぼ10pMの典型的なPCR増幅産物を含有する25〜50μlのPCR反応に加えた。前記懸濁液を渦巻かせまたはピペッティング処理することによってほぼ5分間混合し、その後、磁性セパレーターを用いた後に液体を除去した。次いで、結合したPCR増幅産物を含有するビーズを、50mM炭酸水素アンモニウム/50%MeOHまたは100mM炭酸水素アンモニウム/50%MeOHで3回、続いて、50%MeOHで3回以上洗浄した。結合したPCRアンプリコンを25mMピペリジン、25mMイミダゾール、35%MeOH、+ペプチドキャリブレーション標準で溶出させた。
実施例4:質量分析法および塩基組成分析
ESI-FTICRマススペクトロメーターは、能動的に遮蔽された7テスラ超電導磁石を使用するBruker Daltonics(Billerica,MA) Apex II 70e電子スプレーイオン化フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴マススペクトロメーターに基づく。能動遮蔽は、超電導磁石からの漏れ磁場の大部分を比較的小さな容量に拘束する。従って、CRTモニター、ロボット構成要素、および他のエレクトロニクスのような漂遊磁場によって悪影響されるであろう構成要素は、FTICRスペクトロメーターに近接して操作することができる。パルス配列制御およびデータ獲得の全ての局面は、Windows NT 4.0操作システム下で、600 MHz Pentium IIデータステーションランニングBrukerのXmassソフトウェアで行った。試料アリコット、典型的には15μl、はFTICRデータステーションによってトリガーされるCTC HTS PALオートサンプラー(LEAP Technologies, Carrboro,NC)を用い、96ウェルマイクロタイタープレートから直接抽出した。試料は、100μl/hr流速をESI源に供給する流体取扱システムを一体化させた10μl試料ループに直接注入した。オフ軸、ガラス脱溶媒キャピラリーの金属化端部からほぼ1.5cmに位置する接地された電子スプレープローブを使用する修飾されたAnalytica(Branford,CT)源において電子スプレーイオン化を介してイオンを形成した。ガラスキャピラリーの雰囲気圧力端は、データ獲得の間、ESIニードルに対して6000Vにバイアスした。乾燥N2の向流を使用して、脱溶媒プロセスを補助した。そこで質量分析される補足されたイオンセルへの注入に先立って、rf-オンリー六極、スキマーコーン、および補助的ゲート電極からなる外部イオン貯蔵器にイオンは蓄積された。イオン化デューティーサイクル>99%が、イオン検出の間に、外部イオン貯蔵器にイオンを同時に蓄積させることによって達成された。各検出事象は、2.3秒にわたってデジタル化された1Mデータポイントからなるものであった。ノイズに対するシグナル比(S/N)を改良するために、32スキャンを、74秒の合計データ獲得時間の間に共に加えた。
ESI-TOFマススペクトロメーターはBruker Daltonics MicroTOF(商標)に基づく。ESI源からのイオンは直交イオン抽出を受け、検出に先立ってレフレクトロンに集められる。TOFおよびFTICRには同一の自動化試料取扱および前記した流体が備えられる。イオンは、同一のオフ-軸スプレーヤー、およびFTICR ESI源としてのガラスキャピラリーを備えた標準Micro TOF(商標)ESI源で形成される。結果として、源条件は前記したのと同一であった。また、外部イオン蓄積を用いて、データ獲得の間のイオン化デューティーサイクルを改良した。TOFでの各検出事象は、75μsにわたってデジタル化された75,000のデータポイントからなるものであった。
試料送達スキームは、試料アリコットが、高流速にて電子スプレー源へ迅速に注入され、引き続いて、改良されたESI感度のためにかなり低い流速にて電子スプレーされるのを可能とする。試料を注入するに先立ち、緩衝液のボーラスを高流速で注入して、移動ラインおよびスプレーニードルを濯ぎ、試料の汚染/キャリーオーバーを回避した。濯ぎ工程に続き、オートサンプラーは次の試料を注入し、流速を低い流れにスイッチした。軽い平衡遅れに続き、データ獲得を開始した。スペクトルを共付加したので、オートサンプラーはシリンジの濯ぎおよび緩衝液のピックアップを継続して、インジェクターおよび試料移動ラインを濯いだ。一般に、2回のシリンジの濯ぎおよび1回のインジェクターの濯ぎが、試料キャリーオーバーを最小化するのに必要であった。ルーチン的なスクリーニングプロトコルの間に、新しい試料混合物を106秒ごとに注入した。より最近では、シリンジニードル用の速い洗浄ステーションが実行されており、これは、より短い獲得時間と組み合わせた場合、ちょうど1スペクトル/分下の速度でのマススペクトルの獲得を容易とする。
生のマススペクトルを、内部質量標準でポストキャリブレートし、モノアイソトープ分子量へデコンボリュートした。曖昧でない塩基組成は、相補的一本鎖オリゴヌクレオチドの正確な質量測定から導かれた。定量的結果は、リボソームDNA標的化プライマーについてのウェル当たり500分子、およびタンパク質コーディング遺伝子標的についてのウェルあたり100分子にて、PCRウェル毎に存在する内部PCRキャリブレーション標準とピーク高さとを比較することによって得られる。キャリブレーション方法は共通して所有され、米国特許仮出願第60/545,425号に開示されている。
実施例5:分子量修飾デオキシヌクレオチド三リン酸を用いる増幅産物の塩基組成の新規測定
4つの天然核酸塩基の分子量は比較的狭い分子量範囲を有する(A=313.058、G=329.052、C=289.046、T=304.046-表3参照)ので、塩基組成の帰属における曖昧性の執拗な源は以下のように起こり得る。異なる塩基組成を有する2つの核酸ストランドは、2つのストランドの間の塩基組成の相違がC<-->T(+15.000)と組み合わせたG<-->A(-15.994)である場合、約1 Daの差を有し得る。例えば、A27G30C21T21の塩基組成を有する1つの99-量体核酸ストランドは30779.058の理論分子量を有し、他方、A26G31C22T20の塩基組成を有するもう1つの99-量体核酸ストランドは30780.052の理論分子量を有する。分子量における1 Daの差は分子量測定の実験誤差内であり得、従って、4つの天然核酸塩基の比較的狭い分子量範囲は不確実性因子を課す。
本発明は、1つの質量-タグド核酸塩基および3つの天然核酸塩基を持つ核酸の増幅を通じて理論的1 Da不確実性因子を取り除くための手段を提供する。本明細書において用いる「核酸塩基」という用語は、「ヌクレオチド」、「デオキシヌクレオチド」、「ヌクレオチド残基」、「デオキシヌクレオチド残基」、「ヌクレオチド三リン酸(NTP)」、またはデオキシヌクレオチド三リン酸(dNTP)を含む当技術分野において用いられる他の用語と同義である。
増幅反応における、あるいはプライマーそれ自体における、有意な質量の4つの核酸塩基(dNTP)のうちの1つへの付加の結果、C<-->Tと組み合わせたG<-->A事象(表3)から生じる曖昧性から生起する得られた増幅産物の質量の有意な差(1 Daよりも有意に大)がもたらされる。従って、5-ヨード-C<-->T(-110.900)事象と組み合わせた同一G<-->A(-15.994)事象の結果、126.894の分子量の差が生じるであろう。塩基組成A27G305-ヨード-C21T21(33422.958)の分子量をA26G315-ヨード-C22T20(33549.852)と比較すれば、理論的な分子量差は+126.894である。分子量測定の実験誤差はこの分子量の差に関しては有意ではない。さらに、99-量体核酸の測定された分子量と合致する塩基組成のみがA27G305-ヨード-C21T21である。対照的に、質量タグなしの同様な増幅は18の可能な塩基組成を有する。
(表3)天然核酸塩基および分子修飾された核酸塩基5-ヨード-Cの分子量ならびにトランジションに由来する分子量の差
Figure 2007525978
実施例6:データの処理
生物剤同定アンプリコンのマススペクトルは、レーダーシグナル処理で広く用いられているように、最大尤度プロセッサーを用いて独立に分析される。GenXといわれるこのプロセッサーは、まず、入力データについての各塩基組成集合体についてマッチしたフィルターを実行することによって、各プライマーについてのマススペクトロメーターへの入力の最大尤度見積もりを行う。これは、各プライマーについての校正物質に対するGenX応答を含む。
該アルゴリズムは、天然に生じる生物および環境汚染物の複雑なバックグラウンドに関する条件についての検出の確率対偽警告の確率のプロットとなる性能予測を強調する。マッチしたフィルターは、生物剤の各々で用いられるプライマーの組を仮定すると、シグナル値の先験的予測からなる。ゲノム配列データベースを用いて、質量塩基カウントのマッチしたフィルターを規定する。データベースは公知の細菌生物剤の配列を含有し、脅威生物ならびに良性バックグラウンド生物を含む。後者を用いて、バックグラウンド生物によって生じたスペクトルシグニチャーを見積もり、差し引く。公知のバックグラウンド生物の最大尤度検出は、マッチしたフィルター、およびノイズ共分散のランニング合計見積もりを用いて行う。バックグラウンドシグナル強度を見積もり、マッチしたフィルターに沿って用いて、シグニチャーを形成し、次いで、これを差し引く。生物についてのマッチしたフィルター、およびクリーンアップされたデータについてのノイズ共分散のランニング合計見積もりを使用して、同様に、最大尤度プロセスをこの「クリーンアップ」データに適用する。
各プライマーについての生物剤同定アンプリコンの全ての塩基組成の振幅をキャリブレートし、生物当たりの最終最大尤度増幅見積もりを、多数の単一プライマー見積もりに基づいて行う。全てのシステムノイズのモデルを、この2-段階最大尤度の計算に取り入れる。プロセッサーはスペクトルに含有される各塩基組成の分子の数を報告する。適当なプライマー組に対応する増幅産物の量、ならびに増幅反応の完了に際して残るプライマーの量を報告する。
実施例7:流行病監視調査における細菌の同定用の広い範囲のサーベイおよび分類幅プライマー対の使用
この調査は、本明細書においては「監視プライマー組」と命名され、広い範囲のサーベイプライマー対、分類幅プライマー対および単一バチルスクレードプライマー対を含む16プライマー対の組を用いた。監視プライマー組を表4に示し、これは表1に元来列挙したプライマー対からなる。この監視組は、以下に同一列に示す元来選択されたプライマーに対する非鋳型アデニル化(前記参照)の防止に関する機能的改良を構成するT修飾を施したプライマーを含む(注意;プライマー名称においてはTMODと命名)。プライマー対449(非T修飾)は2回修飾されている。その前のものは、以下に同一列に示されたプライマー対70および357である。プライマー対360も2回修飾されており、その前のものはプライマー対17および118である。
(表4)監視プライマー組の細菌プライマー対
Figure 2007525978
監視組の16のプライマー対を用いて、その塩基組成が、合理的な信頼レベルで種レベルにおいていずれの所与の細菌も同定するのに、種レベルで全ての公知の細菌の中で十分に異なる生物剤同定アンプリコンを得る。表6A〜Eに示すように、共通呼吸器系細菌病原体は、監視組の16プライマー対を用いて得られた生物剤同定アンプリコンの塩基組成によって識別することができる。いくつかの場合、三角測量同定は、種帰属のための信頼レベルを改良する。例えば、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)からの核酸は16の監視プライマー対のうちの9つによって増幅することができ、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)は16の監視プライマー対のうちの10によって増幅することができる。生物剤同定アンプリコンの塩基組成は、類似の生物剤同定アンプリコンの1つのみにつき同一であり、生物剤同定アンプリコン当たり4つの塩基まで、残りの類似の生物剤同定アンプリコンの全てにおいて異なる。監視組の分解能は、70の異なる細菌種を表す呼吸器系病原体の120の単離体についての塩基組成の決定によって確認され、結果は、同一種の多数の単離体の中で、天然変異(通常、生物剤同定アンプリコン当たりただ1または2の塩基置換)は、種レベルにおいて主な病原性生物の正しい同定を妨げなかったことを示した。
炭疽菌は、近年国内テロリズムで出現した周知の生物兵器である。それは炭疽菌の同定用の生物剤同定アンプリコンを生じると考えられるので、さらなるドリルダウン分析プライマーを、炭疽菌のビルレンスプラスミドに存在する遺伝子を標的とし、従って、さらなる信頼性がこの病原性生物の陽性同定で達成できるように設計した。3つのドリルダウン分析プライマーを設計し、表1および5に列挙する。表5においては、ドリルダウン組は、以下に同一列に示す元来選択されたプライマーに対する非鋳型アデニル化(前記参照)の防止に関する機能的改良を構成するT修飾を施したプライマーを含む(注意;プライマー名称においてはTMODと命名)。
(表5)炭疽菌の同定の確認のためのドリルダウンプライマー対
Figure 2007525978
表4の16の監視プライマー、および表5の3つの炭疽菌ドリルダウンプライマーの細菌スペースの系統発生適用範囲を、共通病原性細菌を列挙する図3に示す。図3は、プライマーによって同定された全ての種を示すのに包括的であることを意味しない。病原性細菌のみが、本発明のプライマーおよび方法によって同定できる細菌種の代表的例として列挙される。図3の多角形内に含まれる細菌の群の核酸を増幅して、各多角形の上方右側隅に列挙されたプライマー対番号を用いて生物剤同定アンプリコンを得ることができる。多角形内の多角形についてのプライマー適用範囲は付加的である。説明的例として、生物剤同定アンプリコンは、監視プライマー組の残りのプライマーのいずれかではなく、例えば、プライマー対346〜349、360および361での増幅によってトラコーマ病原体(Chlamydia trachomatis)について得ることができる。他方、生物剤同定アンプリコンは、例えば、以下のプライマー対:346〜349、360、361(ベースの多角形)356、449(第二の多角形)、352(第三の多角形)、355(第四の多角形)、350、351および353(第五の多角形)のいずれかを用い、(5連続多角形内に位置する)炭疽菌に由来する核酸から得ることができる。複数プライマーでの所与の生物の複数適用範囲は、広い三角測量同定を可能とする結果として、生物の同定において増大した信頼レベルを提供する。
表6A〜Eにおいて、プライマー標的領域についての呼吸器系病原体の塩基組成を示す。セルにおける2つのエントリーはリボソームDNAオペロンにおける変異を表す。最も優勢な塩基組成は最初に示され、従たるもの(しばしば単一オペロン)は星印(*)によって示される。データなしのエントリーは、プライマーが、理論PCRによって決定して、プライマーおよび標的領域の間のミスマッチのためこの種の起点となるとは予測されないことを意味する。
(表6A)プライマー対番号:346、347および348に対応する生物剤同定アンプリコンについての共通呼吸器系病原体の塩基組成
Figure 2007525978
Figure 2007525978
(表6B)プライマー対:番号349、360および356に対応する生物剤同定アンプリコンのための共通呼吸器系病原体の塩基組成
Figure 2007525978
Figure 2007525978
(表6C)プライマー対:番号449、354および352に対応する生物剤同定アンプリコンのための共通呼吸器系病原体の塩基組成
Figure 2007525978
Figure 2007525978
(表6D)プライマー対:番号355、358および359に対応する生物剤同定アンプリコンのための共通呼吸器系病原体の塩基組成
Figure 2007525978
Figure 2007525978
(表6E)プライマー対:番号362、363、および367に対応する生物剤同定アンプリコンのための共通呼吸器系病原体の塩基組成
Figure 2007525978
Figure 2007525978
異なる時点に採取した異なる軍隊設備における軍隊新兵からの喉試料の4つの組を、本発明のプライマーを用いて分析した。第一の組は、1968年以来米国における群A ストレプトコッカスに関連する肺炎の最も酷い勃発のうちの1つの間に、2002年11月1日〜12月20日に軍隊訓練センターで収集した。この勃発の間に、51の喉スワブを健康および入院応募者から採取し、推定群A ストレプトコッカスコロニーの選択用の血液寒天上で平板培養した。この群A ストレプトコッカス関連呼吸器系病勃発の高さの間に、15の元来の患者検体の第二の組を採取した。第三の組は、先の年の間にこのおよび他の軍隊訓練施設における病気勃発からの、群A ストレプトコッカスの27の単離体を含む歴史的試料であった。試料の第四の組は、酷い2002年11月/12月勃発直ぐ後の冬に米国大陸において5つの地理的に離れた軍隊施設から収集した。
全ての4つの収集期間からの群A ストレプトコッカス選択培地から単離された純粋なコロニーを、監視プライマー組で分析した。全ての試料は、化膿連鎖球菌の4つの完全に配列決定された株に正確にマッチした塩基組成を示した。図4には、プライマー対番号14(16S rRNAを標的とするプライマー対番号348の前駆体)で得られた生物剤同定アンプリコンの塩基組成(軸A、GおよびC)の3Dダイアグラムを示す。ダイアグラムは、臨床試料の実験的に決定された塩基組成が、化膿連鎖球菌で予測された塩基組成に密接にマッチし、他の生物の予測された塩基組成から区別されることを示す。
化膿連鎖球菌の同定に加えて、他の潜在的に病原性の生物を同時に同定した。その核酸がプライマー対番号349(配列番号:49および405)によって増幅される試料のマススペクトル分析は、化膿連鎖球菌(A27 G32 C24 T18)、髄膜炎菌(A25 G27 C22 T18)、およびインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)(A28 G28 C25 T20)の生物同定アンプリコンの類似の塩基組成に対応することが見出された分子量を持つ生物剤同定アンプリコンのシグナルを呈した(図5および表6B参照)。これらの生物は、参照により本明細書にその全体が組み入れられる、同一出願人による米国特許出願第60/545,425号に記載されたように、ピーク高さを、内部PCRキャリブレーション標準のピーク高さとを比較することによって決定された4:5:20の比率で存在した。
ハウスキーピング遺伝子を標的とするある種の分類幅プライマーは、細菌種の同定のために信頼レベルを増大させる細菌の特異的分裂の適応範囲を提供するように設計されるので、それらは、特異的分裂の外側の生物につき生物剤同定アンプリコンを生じると予測される。例えば、プライマー対番号356(配列番号:232:592)は杆菌(Bacilli)綱およびクロストリジウム(Clostridia)綱のメンバーの核酸を主として増幅し、髄膜炎菌およびインフルエンザ菌のようなプロテオ細菌を増幅すると予測されない。予測されるように、プライマー対番号356で得られた増幅産物のマススペクトルの分析は髄膜炎菌およびインフルエンザ菌の存在を示さないが、化膿連鎖球菌の存在を示す(図3および6、表6B)。従って、これらのプライマーおよびプライマーのタイプは、試料からの特定の生物剤の非存在を確認することができる。
軍隊新兵からの15の喉スワブは、高い存在量にて微生物の比較的小さな組を含有することが判明した。最も普通のものはインフルエンザ菌、髄膜炎菌(Neisseria meningitides)、および化膿連鎖球菌であった。表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)、モラクセラ・カタラーリス(Moraxella cattarhalis)、偽ジフテリア菌(Corynebacterium pseudodiphtheriticum)、および黄色ブドウ球菌はより少数の試料に存在した。3つの異なる地理的位置からの健康なボランティアからの等しい数の試料を同一に分析した。結果は、健康なボランティアが、緑色群連鎖球菌(streptococci)(ストレプトコッカス・パラサングニス(S.parasangunis)、ストレプトコッカス・ ベスチバラリス(S.vestibularis)、ストレプトコッカス・ミチス(S.mitis)、ストレプトコッカス・オラリス(S.oralis)および肺炎球菌(S.pneumoniae);データは示さず)を含む、複数の共生非β-溶血連鎖球菌性(Streptococcal)種によって支配される細菌フローラを有し、軍隊新兵で見出された生物のいずれも、質量分析法によって検出可能な濃度で健康な対照に見いだされなかったことを示した。従って、呼吸器病勃発の中期における軍隊新兵は、流行病の非存在下において一般的集団によって経験される劇的に異なる微生物集団を有した。
実施例8:流行病監視における化膿連鎖球菌のemm型の決定のためのドリルダウン分析
実施例7の流行病監視調査の続きとして、化膿連鎖球菌の亜種特徴(遺伝子型分け)の決定を、多遺伝子座配列タイプ分け(MLST)の根拠に従って、株特異的シグニチャーを生じる戦略に基づいて行った。古典的なMLST分析においては、いくつかのハウスキーピング遺伝子の内部断片を増幅し、配列決定する(Enright et al. Infection and Immunity,2001,69,2416-2427)。古典的なMLST分析においては、いくつかのハウスキーピング遺伝子の内部断片を増幅し、配列決定する。本調査においては、ハウスキーピング遺伝子からの生物剤同定アンプリコンをドリルダウンプライマーを用いて生じさせ、質量分析法によって分析した。マススペクトル分析は、それから塩基組成を決定することができる分子量をもたらすので、挑戦は、化膿連鎖球菌の株のemm分類の分解を決定できるか否かを判断することであった。
アライメントは、化膿連鎖球菌の212の従前emmタイプの株の各々からの7つのMLSTハウスキーピング遺伝子(グルコースキナーゼ(gki)、グルタミントランスポータータンパク質(gtr)、グルタミン酸ラセマーゼ(murI)、DNAミスマッチ修復タンパク質(mutS)、キサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ(xpt)、およびアセチル-CoAアセチルトランスフェラーゼ(yqiL))の連結された対立遺伝子から構成されるものであった。このアライメントより、塩基組成を介する株同定を最大化するであろうプライマー対の数および位置を決定した。その結果、化膿連鎖球菌のemm型の決定のための標準ドリルダウンプライマーとして6つのプライマー対を選択した。これらの6つのプライマー対を表7に示す。このドライ-ダウン組は、以下に同一列に示す元来選択されたプライマーに対する非鋳型アデニル化(前記参照)の防止に関する機能的改良を構成する、T修飾を施したプライマーを含む(注意;プライマー名称においてはTMODと表示)。
(表7)群A ストレプトコッカス ドリルダウンプライマー対
Figure 2007525978
表7のプライマーを用いて、臨床試料に存在する核酸から生物剤同定アンプリコンを得た。生物剤同定アンプリコンを引き続いて質量分析法によって分析し、分子量に対応する塩基組成を計算した。
2002年11月/12月流行病のピークの間に採取した51の試料のうち(表8A〜Cの1〜3列)、3つの試料を除いて全部が、高い呼吸器系ビルレンスに従来関連付けられてきたemm3、群A ストレプトコッカス遺伝子型を表すことが判明した。3つの孤立値は健康な個体から得られた試料からのものであり、おそらくは、非流行病株を表す。歴史的コレクションからの整理された試料(表8A〜Cの5〜13列)は、異なる場所および日にちに起こる異なった流行病から予測されるように、塩基組成およびemm型のより大きな不均一性を示した。質量分析法分析およびemm遺伝子配列決定の結果は、流行病および歴史的試料につき合致することが判明した。
(表8A)プライマー対番号426および430で得られた6つの軍隊施設からの群A ストレプトコッカス試料の生物剤同定アンプリコンの塩基組成分析
Figure 2007525978
(表8B)プライマー対番号438および441で得られた6つの軍隊施設からの群A ストレプトコッカス試料の生物剤同定アンプリコンの塩基組成分析
Figure 2007525978
(表8C)プライマー対番号438および441で得られた6つの軍隊施設からの群A ストレプトコッカス試料の生物剤同定アンプリコンの塩基組成分析
Figure 2007525978
実施例9:細菌の種の同定のための生物剤同定アンプリコンに基づく校正物質ポリヌクレオチドの設計(細菌生物剤同定アンプリコン)
本実施例は、広い監視組(表4)および炭疽菌ドリルダウン組(表5)のプライマーに対応する細菌生物剤同定アンプリコンに基づく19の校正物質ポリヌクレオチドの設計を記載する。
キャリブレーション配列を、表4に示したT修飾プライマー対によって生じた細菌生物剤同定アンプリコンを刺激するように設計した(プライマーの名称は表示「TMOD」を有する)。キャリブレーション配列は、所与のプライマー対によって増幅されるであろう特異的細菌種からの細菌ゲノムのセクションの代表的メンバーとして選択した。キャリブレーション配列が基礎とするモデル細菌種も表9に示す。例えば、プライマー対番号361によって生じたアンプリコンに対応するように選択されたキャリブレーション配列は配列番号722である。表9においては、順方向( F)または逆方向( R)プライマーの名称は、プライマーがハイブリダイズする標準参照細菌ゲノムの遺伝子を表す抽出の座標を示し:例えば、順方向プライマーの名称16S EC 713 732 TMOD Fは、順方向プライマーが大腸菌参照配列における16SリボソームRNAをコードする遺伝子の残基713〜732にハイブリダイズすることを示す(この場合、参照配列は大腸菌 K12(GenBank gi番号16127994)のゲノム配列の残基4033120〜4034661からなる抽出である)。さらなる遺伝子座標参照情報を表10に示す。プライマー名称における表示「TMOD」は、プライマーの5’末端が、PCRポリメラーゼが、増幅産物の5’末端へ非鋳型アデノシン残基を付加するのを妨げるマッチしない鋳型T残基で修飾されていることを示し、これは、分子量データからの塩基組成の誤計算をもたらしかねない出現である(前記参照)。
表9および10に記載した19のキャリブレーション配列を、次いで、pCR(登録商標)-平滑ベクター(Invitrogen, Carlsbad,CA)にクローン化される単一キャリブレーションポリヌクレオチド配列(配列番号:741-これは本明細書においては「組合せキャリブレーションポリヌクレオチド」と命名する)へ組み合わせた。この組合せキャリブレーションポリヌクレオチドは、内部標準としての表9のプライマーと組み合わせて用いて、いずれかの細菌生物剤の量の決定で用いられるキャリブレーションアンプリコンを生じさせることができる。従って、例えば、組合せキャリブレーションポリヌクレオチドベクターを増幅反応混合物に存在させる場合、プライマー対346(16S rRNA)に基づくキャリブレーションアンプリコンがプライマー対346との増幅反応で生じるであろうし、プライマー対363(rpoC)に基づくキャリブレーションアンプリコンがプライマー対363で生じるであろう。キャリブレーションポリヌクレオチド(配列番号:783)内の19のキャリブレーション配列の各々の座標を表10に示す。
(表9)細菌生物剤同定アンプリコンおよび対応する代表的キャリブレーション配列の作製のための細菌プライマー対
Figure 2007525978
(表10)プライマー対遺伝子座標参照および組合せキャリブレーションポリヌクレオチド内のキャリブレーションポリヌクレオチド配列座標
Figure 2007525978
実施例10:微生物の混合物を含有する試料中の炭疽菌の量を測定するためのキャリブレーションポリヌクレオチドの使用
本実施例に記載されたプロセスは図7に示す。capC遺伝子は、炭疽菌のpX02プラスミドに存在するカプセル合成に関与する遺伝子である。プライマー対番号350(表9および10参照)は、細菌生物剤同定アンプリコンの作製を介して炭疽菌を同定するように設計された。既知量の実施例3に記載された組合せキャリブレーションポリヌクレオチドベクターを、炭疽菌のAmes株を含んだ微生物の混合物からの細菌生物剤核酸を含有する増幅混合物に加えた。細菌生物剤核酸および組合せキャリブレーションポリヌクレオチドベクターのプライマー対番号350での増幅に際して、細菌生物剤同定アンプリコンおよびキャリブレーションアンプリコンが得られ、質量分析法によって特徴付けた。増幅反応につき測定されたマススペクトルを図8に示す。生物剤同定アンプリコンの分子量は、それらが得られた生物剤(炭疽菌のAmes株)の同定のための手段を提供し、キャリブレーションアンプリコンの分子量は同様にそれらの同定のための手段を提供した。キャリブレーションアンプリコンシグナルと細菌生物剤同定アンプリコンシグナルの豊富さ(ピーク高さ)との間の関係は、炭疽菌のAmes株のpX02プラスミドのコピーの計算の手段を提供した。内部キャリブレーション手法に基づく分子の量を計算する方法は当業者に周知である。
前記した実験の10反復の結果の平均は、試料に存在する炭疽菌のAmes株の量がpX02プラスミドのほぼ10コピーに対応することを示す計算を可能とした。
実施例11:カンピロバクター(Campylobacter)種のドリルダウン遺伝子型分け
一連のドリルダウンプライマーを、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)の異なる株の同定を目的として、実施例1に記載したように設計した。プライマーを表示「CJST CJ」と共に表11に列挙する。プライマーが生物剤同定アンプリコンにハイブリダイズし、それを生じるハウスキーピング遺伝子はtkt(トランスケトラーゼ)、glyA(セリンヒドロキシメチルトランスフェラーゼ)、gltA(クエン酸シンターゼ)、aspA(アスパルテートアンモニアリアーゼ)、glnA(グルタミンシンターゼ)、pgm(ホスホグリセリン酸ムターゼ)、およびuncA(ATPシンターゼα鎖)を含んだ。
(表11)カンピロバクタードリルダウンプライマー対
Figure 2007525978
プライマーを用いて、その25がカンピロバクター・ジェジュニを含有し、およびその25がカンピロバクター・コリ(Campylobacter coli)を含有する、USDAによって提供された50の食品試料からの核酸を増幅した。本実験で用いたプライマーは、主として、カンピロバクター・ジェジュニクローン複合体を識別し、かつンピロバクター・コリからカンピロバクター・ジェジュニを識別するために開発されたンピロバクター・コリ型の間のより微妙な識別もまた、密接に関連するンピロバクター・コリ単離体が株の間で多形を示す遺伝子座に標的化された特異的プライマーを用いることによって可能である。塩基組成分析と配列分析との比較の結果を表12A〜Cに示す。
(表12A)-ドリルダウンMLSTプライマー対番号:1048および1047での50のカンピロバクター試料の塩基組成分析の結果
Figure 2007525978
(表12B)ドリルダウンMLSTプライマー対番号:1053および1064での50のカンピロバクター試料の塩基組成分析の結果
Figure 2007525978
(表12C)ドリルダウンMLSTプライマー対番号:1054および1049での50のカンピロバクター試料の塩基組成分析の結果
Figure 2007525978
Figure 2007525978
塩基組成分析方法は12の異なる株群の同定に成功した。カンピロバクター・ジェジュニおよびカンピロバクター・コリは、一般に、全ての遺伝子座によって区別される。10の明瞭に区別されるカンピロバクター・ジェジュニ単離体および2つの主たるカンピロバクター・コリ群は、プライマーがカンピロバクター・ジェジュニiの株タイプ分けのために設計されたにもかかわらず同定された。カンピロバクター・ジェジュニと命名された1つの単離体(RM4183)はカンピロバクター・コリとで群をなすことが判明し、また、十分なMLST配列決定によって現実にはカンピロバクター・コリであるように見える。
実施例12:伝染病学監視における広い範囲の監視および分類幅プライマーを用いるアシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)の同定
アシネトバクター種の同定における表4の広い範囲の監視および分類幅プライマー組の能力をテストするために、(US軍人、Walter Reed Army Institute of Research(WRAIR)におけるUS市民患者、医療スタッフ、イラクの市民および敵の捕虜を含む)Operation Iraqi Freedomに参加している、または参加している個人に接触した個人から183の臨床試料を得た。加えて、イラク、クウェート、ドイツ、米国およびUSNS Comfortにおける病院、病院船から34の環境試料を得た。
臨床試料から得られた核酸の増幅に際して、プライマー対346〜349、360、361、354、362および363(表4)は、全て、217試料のうちの215においてアシネトバクター・バウマニを同定した細菌生物剤アンプリコンを生じた。生物肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)が残りの2つの試料で同定された。加えて、(アシネトバクター・バウマニの参照株に対して一塩基遺伝子多形態を含有する)14の異なる株タイプを同定し、任意の数1〜14を割り当てた。株タイプ1は試料単離体の134で見出され、株3および7は、各々、単離体の46および9で見出された。
アシネトバクター・バウマニの株タイプ7の伝染病学を調べた。株7は4人の患者および(イラクおよびクウェートにおける野戦病院からの)5つの環境試料で見出された。株7で感染した指標患者は2003年の3月に外傷切除を受けた戦争前患者であり、クウェートの病院で治療された。該患者は引き続いてドイツの病院に移され、次いで、WRAIRに移された。株7で感染したクウェートからの2人の他の患者は非感染性であることが判明し、さらにモニターしなかった。4番目の患者はWRAIRにおいて2003年の9月に株7感染と診断された。4番目の患者はOperation Iraqi Freedomに関与しなかったので、4番目の患者は、指標患者からの株7の拡大の結果としてWRAIRで獲得した院内感染の対象であったと推定された。
アシネトバクター・バウマニの株タイプ3の伝染病学も調べた。株タイプ3は46人の試料で見出され、その全ては、USNS Comfort病院で治療され、引き続いて、イラクまたはクウェートに戻された患者(US軍人、イラク市民および敵の捕虜)からのものであった。単一位置における株タイプ3の出現は、その位置における感染の少なくともいくらかは院内感染の結果である証拠を提供することができる。
従って、本実施例は、細菌生物剤同定アンプリコンの分析の方法が伝染病学的監視のための手段を提供する本発明の態様を示す。
実施例13:MLST アシネトバクター・バウマニ ドリルダウンプライマーの選択および使用
生物剤同定アンプリコンの高スループット質量分析法分析の能力をMax-Planck Institute for Infectious Biology (web.mpiib-berlin.mpg.de/mlst/dbs/Mcatarrhalis/documents/primersCatarrhalis html)におけるMLSTデータベースのMLST方法のような多遺伝子座配列タイプ分け(MLST)によって提供された亜種特徴的分解能と組み合わせるために、属アシネトバクターのハウスキーピング遺伝子の分析に基づいてさらに21のプライマー対を選択した。ドリルダウンMLST類似プライマーがハイブリダイズする、細菌生物剤同定アンプリコンの作製のための遺伝子はアントラニル酸シンターゼ成分I(trpE)、アデニル酸キナーゼ(adk)、アデニングリコシラーゼ(mutY)、フマル酸ヒドラターゼ(fumC)、およびピロホスフェートホスホヒドラターゼ(ppa)を含む。これらの21のプライマー対は、表13中の配列リストを参照して示される。プライマー対番号1151〜1154はtrpEのセグメントにハイブリダイズし、それを増幅する。プライマー対番号1155〜1157はadkのセグメントにハイブリダイズし、それを増幅する。プライマー対番号1158〜1164はmutYのセグメントにハイブリダイズし、それを増幅する。プライマー対番号1165〜1170はfumCのセグメントにハイブリダイズし、それを増幅する。プライマー対番号1171はppaのセグメントにハイブリダイズし、それを増幅する。表13に掲げるプライマーの名称は、プライマーが、遺伝子TrpE、efp(延長因子p)、adk、mutT、fumC、およびppaの連結を含む参照配列にハイブリダイズする座標を示す。例えば、プライマー対1151の順方向プライマーはAB MLST-11-OIF007 62 91 Fと命名される。なぜならば、それは、位置62〜91において、Operation Iraqi Freedom (OIF)の試料007における株タイプ11のアシネトバクター MLSTプライマー参照配列にハイブリダイズするからである。
(表13)細菌属アシネトバクターのメンバーの亜種特徴(株タイプ)の同定のためのMLSTドリルダウンプライマー
Figure 2007525978
Operation Iraqi Freedomからの200を超える試料についての表13のプライマーを用いて得られた生物剤同定アンプリコンの分析の結果、50の区別される株タイプクラスターが同定された。株タイプ11(ST11)と命名されるより大きなクラスターは42の単離体を含み、その全ては、バグダットの第28戦闘支援病院で治療されたUS軍人およびイラク市民から得られた。これらの個人の幾人かもまた病院船USNS Comfortで治療された。これらの観察は、有意な伝染病学相関/連結を示す。
試料単離体の全てを抗生物質の広いパネルに対してテストし、それらの抗生物質耐性プロフィールを特徴付けた。抗生物質感受性テストからの代表的な結果の例として、ST11は、各々が、ペニシリン、拡大されたスペクトルのペニシリン、セファロスポリン、カルビペネム、タンパク質合成阻害剤、核酸合成阻害剤、抗代謝産物、および抗-細胞膜抗生物質を含んだテストした種々の抗生物質に対して種々の程度の感受性/耐性を持つ、単離体の4つの異なるクラスターからなることが判明した。従って、細菌性物剤同定アンプリコン、特に、ドリルダウン細菌生物剤同定アンプリコンの遺伝型分け能力は、戦闘犠牲者における感染の伝播の理解を増加させる、環境中での感染の源を同定する、院内感染の病院伝播を追跡するのに、および以前は達成できなかった時間スケールでの効果的な感染制御手段の開発を可能とする薬物-耐性プロフィールを迅速に特徴付ける能力を有する。
本明細書において記載されたのに加えて、本発明の種々の修飾はこれまでの記載から当業者に明らかであろう。そのような修飾も添付の特許請求の範囲の範囲内に入ることが意図とされる。本出願で引用された(限定されるものではないが、雑誌論文、米国および非米国特許出願公開、国際特許出願公開、ジーンバンクアクセス番号、インターネットウェブサイト等を含む)各文献は参照により本明細書にその全体が組み入れられる。
rpoB遺伝子を標的とするプライマー対(プライマー対番号14(配列番号:37:362))で得られた腸内細菌の生物剤同定アンプリコンの塩基組成の代表的な疑似四次元プロットである。核酸塩基A、GおよびCの各々の量はプロットの三軸に表され、他方、核酸塩基Tの量は球の直径によって表される。該球を囲う塩基組成確率雲も示す。 プライマー選択プロセスを示す代表的なダイアグラムである。 共通の病原性細菌およびプライマー対適用範囲を列挙する。各多角形の上方右側隅におけるプライマー対番号は、プライマー対がその多角形内の全ての種についての生物剤同定アンプリコンを生じさせることができることを示す。 プライマー対番号14(16S rRNAを標的とするプライマー対番号348の前駆体)で得られた生物剤同定アンプリコンの塩基組成(軸A、GおよびC)の代表的な3Dダイアグラムである。該ダイアグラムは、臨床試料(NHRC試料と表す)の実験的に決定された塩基組成が、化膿連鎖球菌で予測される塩基組成に密接にマッチし、他の生物の予測された塩基組成から区別されることを示す。 23S rRNAを標的とするプライマー対番号349での臨床試料からの核酸の増幅から得られた化膿連鎖球菌、髄膜炎菌、およびインフルエンザ菌の生物剤同定アンプリコンを表す増幅産物の代表的なマススペクトルである。各増幅産物のセンスストランドについての実験的に決定された分子量および塩基組成を示す。 rplBを標的とするプライマー対番号356での臨床試料からの核酸の増幅から得られた化膿連鎖球菌の生物剤同定アンプリコン、およびキャリブレーションアンプリコンを表す増幅産物の代表的なマススペクトルである。化膿連鎖球菌増幅産物のセンスストランドについての実験的に決定された分子量および塩基組成を示す。 試料中の生物剤の量の同定および決定のための代表的なプロセスダイヤグラムである。 炭疽菌のAmes株、既知量の組合せキャリブレーションポリヌクレオチド(配列番号:741)、および炭疽菌のビルレンスプラスミドpX02上のcapC遺伝子を標的とするプライマー対番号350を含有する増幅された核酸混合物の代表的なマススペクトルである。増幅反応で生じたキャリブレーションアンプリコンは、示された存在量データ(ピーク高さ)を用いて炭疽菌のAmes株の量を計算するように、マススペクトルで目に見える。

Claims (16)

  1. 配列番号:97に対して70%〜100%の配列同一性を含む長さが21〜35核酸塩基のオリゴヌクレオチドプライマー、配列番号:451に対して70%〜100%配列同一性を含む長さが20〜35核酸塩基のオリゴヌクレオチドプライマー、配列番号:127に対して70%〜100%の配列同一性を含む長さが19〜35核酸塩基のオリゴヌクレオチドプライマー、配列番号:482に対して70%〜100%配列同一性を含む長さが14〜35核酸塩基のオリゴヌクレオチドプライマー、配列番号:174に対して70%〜100%配列同一性を含む長さが19〜35核酸塩基のオリゴヌクレオプライマー、配列番号:530に対して70%〜100%配列同一性を含む長さが21〜35核酸塩基のオリゴヌクレオチドプライマー、配列番号:310に対して70%〜100%配列同一性を含む長さが21〜35核酸塩基のオリゴヌクレオチドプライマー、配列番号:668に対して70%〜100%配列同一性を含む長さが19〜35核酸塩基のオリゴヌクレオチドプライマー、配列番号:313に対して70%〜100%配列同一性を含む長さが21〜35核酸塩基のオリゴヌクレオチドプライマー、配列番号:670に対して70%〜100%配列同一性を含む長さが21〜35核酸塩基のオリゴヌクレオチドプライマー、配列番号:277に対して70%〜100%配列同一性を含む長さが17〜35核酸塩基のオリゴヌクレオチドプライマー、配列番号:632に対して70%〜100%配列同一性を含む長さが21〜35核酸塩基のオリゴンクレオチドプライマー、配列番号:285に対して70%〜100%配列同一性を含む長さが21〜35核酸塩基のオリゴヌクレオチドプライマー、配列番号:640に対して70%〜100%配列同一性を含む長さが19〜35核酸塩基のオリゴヌクレオチドプライマー、配列番号:301に対して70%〜100%配列同一性を含む長さが21〜35核酸塩基のオリゴヌクレオチドプライマー、配列番号:656に対して70%〜100%配列同一性を含む長さが21〜35核酸塩基のオリゴヌクレオチドプライマー、配列番号:308に対して70%〜100%配列同一性を含む長さが18〜35核酸塩基のオリゴヌクレオチドプライマー、および配列番号:663に対して70%〜100%配列同一性を含む長さが18〜35の核酸塩基のオリゴヌクレオチドプライマーからなる群より選択されるオリゴヌクレオチドプライマー。
  2. 請求項1記載のオリゴヌクレオチドプライマーの一つまたは複数を含む組成物。
  3. 請求項1記載のオリゴヌクレオチドプライマーの2つまたはそれ以上を含む組成物。
  4. オリゴヌクレオチドプライマーのいずれかまたは双方が少なくとも1つの修飾された核酸塩基を含む、請求項3記載の組成物。
  5. オリゴヌクレオチドプライマーのいずれかまたは双方が5’末端に非鋳型T残基を含む、請求項3記載の組成物。
  6. オリゴヌクレオチドプライマーのいずれかまたは双方が少なくとも1つの非鋳型タグを含む、請求項3記載の組成物。
  7. オリゴヌクレオチドプライマーのいずれかまたは双方が少なくとも1つの分子量修飾タグを含む、請求項3記載の組成物。
  8. 請求項3記載の組成物を含むキット。
  9. 少なくとも1つのキャリブレーションポリヌクレオチドをさらに含む、請求項8記載のキット。
  10. 磁気ビーズに連結された少なくとも1つのイオン交換樹脂をさらに含む、請求項8記載のキット。
  11. 請求項3の組成物を用いて未知の細菌からの核酸を増幅して増幅産物を得る工程;
    該増幅産物の分子量を測定する工程;
    任意で、該分子量からの該増幅産物の塩基組成を決定する工程;および
    該増幅産物の該分子量または塩基組成を公知の細菌生物剤同定アンプリコンの複数の分子量または塩基組成と比較する工程;
    を含み、
    該増幅産物の該分子量または塩基組成と該複数の分子量または塩基組成のメンバーの分子量または塩基組成との間のマッチが該未知の細菌を同定する、未知細菌を同定する方法。
  12. 分子量が質量分析法によって測定される、請求項11記載の方法。
  13. 請求項3の組成物を用いて試料からの核酸を増幅して増幅産物を得る工程;
    該増幅産物の分子量を測定する工程;
    任意で、該分子量からの該増幅産物の塩基組成を決定する工程;および
    該増幅産物の該分子量または塩基組成を、一つまたは複数の公知のクレード、属、種、または亜種生物剤同定アンプリコンの公知の分子量または塩基組成と比較する工程;
    を含み;
    該増幅産物の該分子量または塩基組成と一つまたは複数の公知のクレード、属、種、または亜種生物剤同定アンプリコンの分子量または塩基組成との間のマッチが、該試料における該クレード、属、種、または亜種の存在を示す、試料中の特定のクレード、属、種または亜種の細菌の存在または非存在を決定する方法。
  14. 分子量が質量分析法によって測定される、請求項13記載の方法。
  15. 試料を請求項3の組成物、および既知量のキャリブレーション配列を含むキャリブレーションポリヌクレオチドと接触させる工程;
    試料中の細菌からの核酸を請求項3の組成物を用いて同時に増幅し、請求項3の組成物を用いて該試料中の該キャリブレーションポリヌクレオチドからの核酸を増幅して、細菌生物剤同定アンプリコンを含む第一の増幅産物、およびキャリブレーションアンプリコンを含む第二の増幅産物を得る工程;
    該細菌生物剤同定アンプリコンおよび該キャリブレーションアンプリコンの分子量および豊富さを測定する工程;および
    分子量に基づいて該キャリブレーションアンプリコンからの該細菌生物剤同定アンプリコンを識別する工程;
    を含み、
    該細菌生物剤同定アンプリコンの豊富さおよびキャリブレーションアンプリコン豊富さの比較が該試料中における細菌の量を示す、試料中の未知の細菌の量を測定する方法。
  16. 細菌生物剤同定アンプリコンの塩基組成を決定する工程をさらに含む、請求項15記載の方法。
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