JP2007525176A - 組換えタンパク質発現の誘導剤 - Google Patents

組換えタンパク質発現の誘導剤 Download PDF

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Abstract

本発明は、芳香族カルボン酸化合物、アセトアミド化合物及び/またはヒドロキサム酸化合物、ならびにそれを含有する培養物を用いて、哺乳動物細胞によるポリペプチド、所望により組換えポリペプチドの生産を増加させる方法を、提供する。

Description

発明の詳細な説明
発明の属する分野
本発明の属する分野は、細胞培養における、ポリペプチドの生産、特に組換えポリペプチドの生産である。
背景
ポリペプチドは、診断、治療、農業、栄養及び研究への多様な応用において、有用である。ポリペプチドは、自然源から単離可能であるが、特定のポリペプチドを大量に自然源から単離するには、高額の費用がかかる可能性がある。また、ポリペプチドは、原料物質におけるバリエーションによって、均一な品質でない可能性がある。組換えDNA技術によって、より均一で、かつ費用効率の高い、特定のポリペプチドの大規模な生産が可能となる。
組換えポリペプチド生産の一つの目標は、最大の可能な生産性を得るように、培養条件を最適化することである。生産性をさらに増加させることは、経済的に重要である可能性がある。細胞培養において生産性を増加させる方法のいくつかには、富栄養培地の使用、生産中のモル浸透圧濃度の監視、細胞培養の特定期における温度の低減、及び/または酪酸ナトリウムの添加が、含まれる(例えば、米国特許第5,705,364を参照されたい)。
しかしながら、ポリペプチドに基づくより多くの薬物が臨床有効性を示し、かつ市販量の増量が必要とされるため、利用可能な培養施設が限定されるようになる。したがって、各細胞培養施行によって得られる組換えポリペプチドの収率を継続的に改良する、当該技術分野における必要性が、依然として存在する。
概要
本明細書において報告される実験データによって示されるように、芳香族カルボン酸、アセトアミド及び/またはヒドロキサム酸は、哺乳動物細胞株からのポリペプチド、特に組換えポリペプチドの生産を劇的に誘導することが可能な化合物である。さらに、これらの化合物は、ポリペプチドの発現をさらに増加させるために、互いに、及び/または他の誘導方法と組み合わせて、用いられることが可能である。
発明の詳細な説明
「抗体」は、ポリペプチドまたはポリペプチド複合体であって、そのそれぞれは、少なくとも一つの可変抗体免疫グロブリンドメイン及び少なくとも一つの定常抗体免疫グロブリンドメインを含む。抗体は、単鎖抗体、ダイマー抗体、または、非限定的にヘテロダイマー抗体を含む、いくつかのさらに高次のポリペプチド複合体であってもよい。「ヒト抗体」は、究極的にはヒトを起源とする核酸によってコードされる抗体である。このような抗体を、非ヒト細胞または生物体において発現させることが可能である。例えば、ヒト抗体をコードするDNAを、組織培養細胞内に導入し、そして形質転換された細胞株において発現させることが可能である。あるいは、ヒト抗体を、例えばMendezら((1997年)、Nature Genetics 16(4):146−56)において記載されたトランスジェニックマウスなどの、トランスジェニック動物において発現させることが可能である。このようなトランスジェニックマウスは、米国特許第6,235,883 B1において、完全ヒト抗体を作製するのに利用されている。ヒト抗体を、ハイブリドーマ細胞においても発現させることが可能である。「ヒト化抗体」は、例えば、米国特許第5,558,864及び第5,693,761、ならびに国際特許出願WO 92/11018において説明されるように、非ヒト由来の相補性決定領域(CDR1、CDR2及びCDR3)と、ヒト抗体における配列と一致する(及び、ヒトを起源としてもよい)他の領域とを含む、キメラ抗体である。
「定常抗体免疫グロブリンドメイン」は、ヒトまたは動物を起源とするC、C1、C2、C3もしくはC4ドメインに一致するかまたは実質的に類似した、免疫グロブリンドメインである。例えば、Hasemann及びCapra、Immunoglobulins:Structure and Function、William E.Paul編集、Fundamental Immunology、第2版、209,210−218(1989年);Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest、米国保健省(1991年)を、参照されたい。
「抗体のFc部分」は、ヒトまたは動物の免疫グロブリンドメインC2及びC3、あるいはこれらに実質的に類似した免疫グロブリンドメインを含む。考察については、Hasemann及びCapra、同上、212−213、及び、Kabatら、同上、を参照されたい。
ポリペプチドの発現を可能にする組換え核酸配列が、組換えイルスを用いたウイルス感染、トランスフェクション、形質転換または電気穿孔などの「遺伝子操作」法を用いて細胞内に導入されている場合に、細胞は、特定のポリペプチドを発現するように「遺伝子操作され」ている。例えば、Kaufmanら(1990年)、Meth.Enzymol.185:487−511;Current Protocols in Molecular Biology、Ausubelら編集(Wiley & Sons社、ニューヨーク州、1988年、及び四半期毎の更新版)を参照されたい。例えば、B型肝炎ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、アデノウイルス等などの改変されていない自然発生ウイルスを用いた感染は、本明細書において意味するような遺伝子操作にはならない。「遺伝子操作」の語とは、より高いレベルまたはより低いレベルで遺伝子を発現する宿主細胞、あるいは変異型遺伝子を発現する宿主細胞を作り出すのに用いられる、組換えDNAまたはRNA法を指す。言い換えれば、細胞に、組換えポリヌクレオチド分子をトランスフェクト、形質転換または形質導入し、それによって、細胞に所望のポリペプチド発現の改変をもたらすように、細胞が改変されている。本発明の目的上、細胞融合の結果として得られるハイブリドーマ細胞株によって生産される抗体は、「組換えポリペプチド」ではない。さらに、ウイルス感染の結果として細胞により生産されるウイルスポリペプチドもまた、ウイルス核酸が、細胞への感染前に遺伝子操作によって改変されているのでなければ、本明細書において意味するような「組換えポリペプチド」ではない。「遺伝子操作」法はまた、当該技術分野において周知の多数の他の方法のうち、非限定的に、ポリメラーゼ連鎖反応を用いた核酸の増幅、大腸菌(Escherichia coli)中にクローニングすることによる組換えDNA分子の構築、核酸の制限酵素消化、核酸の連結、及び核酸末端への塩基の転移を含む、多数の方法も包含する。例えば、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版、第1〜3巻、コールドスプリングハーバー研究所、1989年を参照されたい。目的のポリペプチドを発現するように細胞及び/または細胞株を遺伝子操作するための、方法ならびにベクターは、当業者に周知である。遺伝子操作技術としては、これに限定されないが、発現ベクター、標的相同組換え及び遺伝子活性化(例えば、米国特許第5,272,071、Chappel)、ならびに操作された転写因子によるトランス活性化(例えば、Segalら、1999年、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 96(6):2758−63を参照されたい)が挙げられる。所望により、ポリペプチドを、例えば、天然でそのポリペプチドの生産を導かないプロモーターなどの、異種調節エレメントの制御下で、発現させてもよい。例えば、プロモーターは、哺乳動物のポリペプチドの発現を導く、強力なウイルスプロモーター(例えば、CMV、SV40)であることが可能である。宿主細胞は、ポリペプチドを正常に生産しても、または生産しなくてもよい。例えば、宿主細胞は、ヒトポリペプチドを生産するように遺伝子操作されているCHO細胞であることが可能であり、このことは、ヒトポリペプチドをコードする核酸が、CHO細胞中に導入されていることを意味する。あるいは、宿主細胞は、正常には非常に低レベルにのみ存在するヒトポリペプチドのレベルを増加させて生産するように遺伝子操作されている(例えば、内因性プロモーターを強力なウイルスのプロモーターによって置換することにより)ヒト細胞であることが、可能である。
「増殖期」は、培養細胞が急速に分割し、そして数が増加する期間を、意味する。増殖期中に、細胞は、培地中で、かつ細胞増殖を最大限にするように設計された条件下で、一般には培養される。
「ハイブリッド極性化合物」は、無極性の炭素鎖によって分離された二つの極性基を有する化合物である。これには、ヘキサメチレンビスアセトアミド(HMBA)、ならびに同時係属中の出願第10/400,334、及び以下参考文献:Richonら(1998年)、Proc.Natl.Acad.Sci.95:3003−07;Marksら(1994年)、Proc.Natl.Acad.Sci.91;10251−54;及び米国特許第5,055,608及び6,087,367において論じられている他の分子が、含まれる。
芳香族カルボン酸化合物、アセトアミド化合物及びヒドロキサム酸化合物などの誘導剤を含有する培養物(culture)中で生産されるポリペプチド量が、該誘導剤を含有しない、他の点では同一の培養物中で生産されるポリペプチド量よりも多いならば、ポリペプチドの生産は、該誘導剤の添加によって、「増加」している。同様に、37℃以外の温度にてインキュベートされた培養物中で生産されるポリペプチド量が、37℃にてインキュベートされた、他の点では同一の培養物中で生産されるポリペプチド量よりも多いならば、ポリペプチドの生産は、37℃以外の温度での増殖によって「増加」している。典型的には、化合物または誘導剤に曝露された細胞を、細胞及び培地を回収しそしてポリペプチドの生産を評価する前に、少なくとも約2日間、より典型的には約5〜10日間、そしてときにはさらに長期間、培養維持するであろう。
「多量体化ドメイン」は、その下で、共有または非共有相互作用を介して他のポリペプチド分子と結合する性向を与える、ポリペプチド分子内のドメインである。
「自然発生ポリペプチド」は、天然に生じるポリペプチド、すなわち、遺伝子操作されていない細胞によって生産されることが可能なポリペプチドである。このようなポリペプチドは、これを生産するように遺伝子操作された細胞によっても、生産されてよい。
「ポリペプチド」は、ペプチド結合によって連結した少なくとも6アミノ酸の連鎖を意味する。所望により、ポリペプチドは、ペプチド結合によって連結した、少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250または300アミノ酸を含むことが可能である。
「生産用培地」は、生産期において細胞を培養するのに用いられるよう設計された細胞培養培地を、意味する。
「生産期」は、細胞が最大量の組換えポリペプチドを生産している期間を、意味する。生産期は、増殖期におけるよりも細胞分割が少ないことによって、かつ、ポリペプチドの生産を最大限にするよう設計された培地及び培養条件を用いることによって、特徴付けられる。
「組換え融合ポリペプチド」は、少なくとも二つのポリペプチドのすべてまたは一部の融合であって、遺伝子操作法を用いて作製される。
「組換えポリペプチド」は、遺伝子操作過程の結果として得られるポリペプチドである。本発明の目的上、細胞融合の結果として得られたハイブリドーマ細胞株によって生産される抗体は、「組換えポリペプチド」ではない。さらに、自然発生ウイルスによるウイルス感染の結果として細胞によって生産されるウイルスタンパク質も、ウイルス核酸が、細胞への感染前に遺伝子操作によって改変されているのでなければ、本明細書において意味する「組換えポリペプチド」でない。
「実質的に類似した」ポリペプチドは、アミノ酸配列において、互いに、少なくとも80%、所望により少なくとも90%同一であり、そして改変されていないポリペプチドの生物学的活性を維持または望ましいように改変する。保存的アミノ酸置換は、生物学的活性に影響を及ぼす可能性はあまりなく、非限定的に、以下:Ala←Ser、Val←Ile、Asp←Glu、Thr←Ser、Ala←Gly、Ala←Thr、Ser←Asn、Ala←Val、Ser←Gly、Tyr←Phe、Ala←Pro、Lys←Arg、Asp←Asn、Leu←Ile、Leu←Val、Ala←Glu、Asp←Gly、及びこれらの反対の変更を、含む。例えば、Neurathら、The Proteins、アカデミックプレス社、ニューヨーク州(1979年)を参照されたい。加えて、アミノ酸の以下6群のメンバー内でのアミノ酸の変換は、本発明の目的上、保存的置換であると考えられるであろう。該群とは、1)メチオニン、アラニン、バリン、ロイシン及びイソロイシン;2)システイン、セリン、トレオニン、アスパラギン及びグルタミン;3)アスパラギン酸及びグルタミン酸;4)ヒスチジン、リジン及びアルギニン;5)グリシン及びプロリン;ならびに、6)トリプトファン、チロシン及びフェニルアラニンである。二つのアミノ酸配列の同一性(identity)を、目視による点検及び数学的計算によって決定することが可能であり、より好ましくは、Genetics Computer Group(GCG;マディソン、ウィスコンシン州)のウィスコンシンパッケージ・バージョン10.0プログラム「GAP」(Devereuxら(1984年)、Nucl.Acids Res.12:387)などのコンピュータープログラムまたは他の匹敵するプログラムなどのコンピュータープログラムを用いて配列情報を比較することによって、比較を行う。「GAP」プログラムの好ましいデフォルトパラメーターは、(1)Shewartz及びDayhoff編集、Atlas of Polypeptide Sequence and Structure、National Biomedical Research Foundation、353〜358頁(1979年)によって記載されたような、Gribskov及びBurgess(1986年)、Nucl.Acids Res.14:6745のアミノ酸重量の比較マトリックス、または他の匹敵する比較マトリックス;(2)各ギャップにつき30ペナルティ、及びアミノ酸配列の各ギャップにおける各シンボルにつき追加の1ペナルティ;(3)エンドギャップにペナルティなし;ならびに、(4)長いギャップに最大ペナルティなし:を含む。配列比較分野の当業者によって用いられる他のプログラムを、用いてもよい。
「移行期」は、「増殖期」と「生産期」との間の細胞培養期間を意味する。移行期において、培地及び環境条件は、増殖を最大にするよう設計されたものから、ポリペプチド生産を最大にするよう設計されたものへと、典型的には移行する。
「可変抗体免疫グロブリンドメイン」は、ヒトまたは動物を起源とするVもしくはVドメインと同一または実質的に類似した、免疫グロブリンドメインである。
本発明は、特定のポリペプチドを生産するように遺伝子操作されていてもよい哺乳動物細胞を培養するための改良された方法を、対象とする。具体的には、本発明は、特定のポリペプチドの生産を最大にする培養方法を対象とする。これはまた、培養哺乳動物細胞からこのようなポリペプチドを生産し、そして得る方法も、対象とする。ポリペプチドは、診断、治療、農業、栄養及び研究への非常に多様な応用において、有用である。
本明細書において報告される実験データによって示されるように、別々に、または様々な組み合わせで用いられた、芳香族カルボン酸化合物、アセトアミド化合物及びヒドロキサム酸化合物は、CHO細胞株からの組換えポリペプチド生産を劇的に誘導することが可能であることが、発見された。これらの化合物は、96ウェルでの蛍光タンパク質に基づくアッセイにおいて、誘導剤としてまず同定された。アデノウイルスのトリパータイトリーダを含む、EASE/CMVプロモーターの制御下でDsRedを発現するコンストラクトを、発現の指標として用いて、種々の化合物をアッセイした。次いで、DsRed発現を、特により低温にて誘導するようにみえたこれらの化合物を、他の組換えポリペプチドの誘導についてのアッセイにて、さらに検討した。これらの実験は、化学物質のサブセットを、組換えタンパク質発現の強力な誘導剤として同定することへと導いた。概して、化合物は三つの大まかな分類:芳香族カルボン酸化合物、アセトアミド化合物及びヒドロキサム酸化合物に分けられた。追加実験により、1より多くのこれらの分類の化合物の組み合わせが、ポリペプチド発現の誘導、特に組換えタンパク質の生産をさらに増加させることが可能であることが、示された。このように、これらの化合物を誘導剤として用いることで、実質的に、製造費用を低下させ、かつ/または工場生産力の必要性を減少させることが可能である。
本発明の実施に際して有用な芳香族カルボン酸は、化学式X−Y−Zの化合物であって、ここでXは、芳香族基、例えば5、6または7員炭素環、であり、Yは、1〜20またはそれより多くの炭素、好ましくは2〜10炭素、より好ましくは2〜5炭素のアルキル基を有する連結部分であり、そしてZはカルボン酸基である。芳香族基は、置換されることも、または置換されないことも可能であり;置換されたフェニル基を用いるならば、置換は、メタ及びオルソ置換基でも許容可能であるが、好ましくはパラ配位である。芳香族基は、特に有利と思われる;この基が直鎖または分鎖アルキルによって置換されるならば、このような化合物はあまり同じようには作用せず、そして色素基または三酸塩基は陰性であることが、見いだされている。例えば、ピメリン酸、メチルコハク酸及びクエン酸二水素ナトリウムは、誘導剤としては効力がなかった。組換えポリペプチド生産の誘導剤としての有用性が本明細書に記載されている、これらの芳香族カルボン酸の図解例は、以下のとおりである:
芳香族カルボン酸分類:
ヒドロ桂皮酸(HCA)
Figure 2007525176
3−(4−メチルフェニル)プロピオン酸
Figure 2007525176
4−フェニル酪酸
Figure 2007525176
4−(4−アミノフェニル)酪酸
Figure 2007525176
5−フェニル吉草酸(5−PVA)
Figure 2007525176
ポリペプチド生産を増加させるのに用いられることが可能な他の化合物は:3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸;3−(2−メチルフェニル)プロピオン酸;4−(4−メトキシフェニル)酪酸;4−(4−アミノフェニル)酪酸;3−(2−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸;6−フェニルヘキサン酸;3,4−ジフルオロヒドロ桂皮酸;及び、2−メチルインドール−3−酢酸である。さらに、用いられることが可能な他の化合物は:3−(3−メトキシフェニル)プロピオン酸;6−ベンジルオキシカルボニルアミノヘキサン酸;3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]プロピオン酸;3−(4−アミノフェニル)プロピオン酸;3−(4−フルオロフェニル)プロピオン酸;2−チエニル酢酸、及び3−(3,4−ジメトキシフェニル)プロピオン酸である。
加えて、本発明は、アセトアミドをポリペプチド生産の誘導剤として用いることを、包含する。同時係属中の特許出願第10/400,334は、ハイブリッド極性化合物を誘導剤として用いることについて記載しており、そのいくつかはアセトアミド類である。しかしながら、本明細書に記載されるように、ハイブリッド極性化合物でないアセトアミド(すなわち、ただ一つの極性基−アセトアミド基を含有する)もまた、組換えポリペプチド生産を誘導することが可能である。このような非ハイブリッド極性アセトアミドは、アルキル鎖が約32〜約20炭素長のアルキルアセトアミドであることが可能である。単独でまたは他の化合物と組み合わせて誘導剤として用いられることが可能なアセトアミドの例は、以下を含む。
アセトアミド分類:
ヘキサメチレンビスアセトアミド(HMBA)(ハイブリッド極性化合物)
Figure 2007525176
N−ブチルアセトアミド
Figure 2007525176
さらに、組換えポリペプチド生産の誘導剤として用いられることが可能な別分類の化合物は、ヒドロキサム酸である。本発明は、ハイブリッド極性化合物でないヒドロキサム酸を誘導剤として用いることを、包含する。本明細書において有用であることが示されている化合物の例は、以下のとおりである:
ヘキサノヒドロキサム酸(HHA)
Figure 2007525176
3−フェニルプロピオノヒドロキサム酸
Figure 2007525176
ベンゾヒドロキサム酸
Figure 2007525176
オクタン−1,8−ジヒドロキサム酸
Figure 2007525176
具体的には、上記に例示された任意の芳香族カルボン酸化合物、アセトアミド化合物及びヒドロキサム酸化合物を生産期の細胞培養に加えることによって、組換えポリペプチドの生産を増強することが可能であることが、多数の異なる化合物のスクリーニングを介して、見いだされている。さらに、1より多くの上記分類から選択されたこのような化合物を、組換えポリペプチドの生産を増強するために、組み合わせて加えることが可能である。
さらに、例えば、約29℃〜約36℃、約29℃〜約35℃、及び/または約30℃〜約33℃の温度での細胞培養などの、生産を増加させる他の方法もまた、1またはそれより多くのこれらの化学誘導剤と組み合わせて用いられることが可能である。所望により、本発明の方法を用いる細胞培養を、増殖期とは区別される生産期に行うことが可能である。増殖期は、例えば、温度の移行、及び/または、例えば1またはそれより多くの誘導剤を添加するなどの培地の変化によって、生産期と区別されることが可能である。
一つの側面において、本発明は、ポリペプチドを生産するように遺伝子操作されている哺乳動物細胞を培養中増殖させること;及び、1またはそれより多くの芳香族カルボン酸化合物、アセトアミド化合物及びヒドロキサム酸化合物を培養物に加えることを含む方法を、提供する。遺伝子操作された細胞は、ポリペプチドをコードする組換えベクターで形質転換されている細胞であってもよい。加えて、ポリペプチドを、例えばCMVプロモーターまたはSV40プロモーターなどの異種プロモーターの制御下で、発現させてもよい。典型的には、細胞は、ポリペプチドを天然で発現しないか、またはポリペプチドを天然で非常に低レベルに発現する(遺伝子操作されていない場合)。別の側面において、本発明は、ポリペプチドを生産するように遺伝子操作された細胞、生産用培地、ならびに芳香族カルボン酸化合物、アセトアミド化合物及び/またはヒドロキサム酸化合物を含有する培養物(culture)を、提供する。
加えて、本発明の方法及び組成物を、任意の他の公知の、または未だ発見されていない、組換えポリペプチド生産の誘導方法と組み合わせて、用いることが可能である。このような技術は、ほんの数例を挙げると、低温への移行、アルカン酸の添加(Etcheverryらによる米国特許第5,705,364に記載され、該出願は、参照によって本明細書に援用される)、ハイブリッド双極性化合物、キサンチン、DMF及びDMSO、ならびに、未だ記載されておらず、かつ/または発見されていない誘導技術(例えば、2003年3月27日に出願された、同時係属中の特許出願第10/400,334を参照されたく、該出願は、参照によって本明細書に援用される)を含む。本明細書では、ポリペプチド生産を「誘導すること」または「誘導」とは、細胞によって作られた所望のポリペプチドの総量を最大にするように設計された一連の条件下で細胞を培養することを、指す。「誘導剤」は、培養培地に加えられる場合に、少なくともいくつかの細胞株において所望のポリペプチドの生産を増加させることが可能な剤である。
芳香族カルボン酸化合物、アセトアミド化合物及び/またはヒドロキサム酸化合物の添加を、互いに、及び/または他のタンパク質誘導技術と組み合わせることで、ポリペプチド誘導に対する相乗効果を得ることが可能であり、これによって、これらの化合物の添加を減らし、及び/または他の誘導剤の添加を減らし、及び/または温度の移行を少なくすることが可能となる。他の誘導方法を、化合物の添加とほぼ同時に、及び/または添加前、及び/または添加後に行うことが可能である。例えば、培養温度を第0日に移行させ、次いでこれらの化合物のうちの一つ、及び所望により他の化学誘導剤を、その後に、例えば1〜数時間または1〜数日後に加えることが可能である。このようなプロトコールは、完全誘導する前に、播かれた培養物をさらにいくらか増殖させることを可能とする。さらに、芳香族カルボン酸化合物、アセトアミド化合物及び/またはヒドロキサム酸化合物の複数回の添加を、他の誘導剤の添加または培地条件の変化の有無にかかわらず、約12、24、48及び/または72時間あるいはそれより長期に分けて、生産期において培養物中に加えることが可能である。例えば、誘導剤を、第0日に、及び第4日に再び、加えることが可能である。あるいは、誘導剤を、温度移行後1、2、3または4日に、初めて加えることが可能である。
一つの側面において、本発明は、低温への移行(誘導剤化合物(単数または複数)添加時、添加前及び/または添加後に、培地の温度を、最適増殖温度(通常はおよそ37℃)から、より低温(通常は約29℃〜約36℃、及び所望により約30℃〜約34℃)に移行)を行うことを伴う。
細胞株間で、種々の誘導剤の有効性に個体差がある。例えば、酪酸ナトリウムは広く用いられている誘導剤であるにもかかわらず、いくつかの細胞株においては、ポリペプチド生産に対する効果を持たないか、負の効果を持つ。異なる誘導剤または異なる濃度の同じ誘導剤が、異なる細胞株に対して適切である可能性がある。さらに、異なる温度が、異なる細胞株に対して適切である可能性がある。このばらつきにもかかわらず、芳香族カルボン酸、アセトアミド及びヒドロキサム酸などの誘導剤は、多様な細胞株において有用である可能性がある。
特定の化合物に対する最適濃度は、その活性及びそれが用いられる細胞株によって変動するであろうし、そして本明細書において提供される所定の方法及びガイダンスを用いて、当業者によって決定されることが可能である。例えば、ヒドロ桂皮酸(HCA)、3−(4−メチルフェニル)プロピオン酸、4−フェニル酪酸、4−(4−アミノフェニル)酪酸及び5−フェニル吉草酸などの化合物は、約0.01mM〜約20mM、好ましくは約0.1mM〜約5mM、そしてより好ましくは約0.2〜2mMの濃度で、加えられることが可能である。ヘキサノヒドロキサム酸(HHA)及び3−フェニルプロピノヒドロキサム酸などの化合物は、それよりも若干低い濃度で用いられるべきであり、したがって、約0.01μM〜約1mM、好ましくは約0.1μM〜約50μM、そしてより好ましくは約1〜20μMの濃度で、加えられることが可能である。
発現に特に好ましいポリペプチドは、バイオロジックとしても知られる、ポリペプチドに基づく薬物である。好ましくは、該ポリペプチドは、細胞外産物として分泌される。生産されているポリペプチドは、自然発生ポリペプチドと同一もしくは実質的に類似した、ポリペプチドの一部または全部を含むことが可能であり、かつ/あるいは、これは、組換え融合ポリペプチドであっても、または組換え融合ポリペプチドなくてもよい。所望により、該ポリペプチドは、ヒトポリペプチド、その断片、または少なくとも15アミノ酸長である実質的に類似したポリペプチドであってもよい。これは、非抗体ポリペプチド及び/または抗体を含んでもよい。これは、細胞内で生産されてもよく、またはこれを回収可能な培養培地中に分泌されてもよい。これは、可溶性ポリペプチドであっても、または可溶性ポリペプチドでなくてもよい。
生産されているポリペプチドは、自然発生ポリペプチドと同一もしくは実質的に類似した、ポリペプチドの一部または全部を含むことが可能であり、かつ/あるいは、これは、組換え融合ポリペプチドであっても、または組換え融合ポリペプチドなくてもよい。これは、非抗体ポリペプチド及び/または抗体を含んでもよい。これは、細胞内で生産されてもよく、またはこれを回収可能な培養培地中に分泌されてもよい。
本発明は、任意のほとんどのポリペプチドの生産を誘導するのに用いられることが可能であり、そして、その発現が例えばウイルスのプロモーターなどの強力なプロモーターの制御下にあるポリペプチド、及び/またはアデノウイルスの三部(tripartite)リーダーエレメントを有するメッセージ上にコードされるポリペプチドに対して、特に有利である。タンパク質を生産するのに用いることが可能な、有用な発現ベクターの例は、国際出願WO 01/27299、及びMcMahanら(1991年)、EMBO J.10:2821に開示されており、後者は、あるウイルスプロモーターであるCMVプロモーターを用いるpDC409ベクターについて記載されている。タンパク質は、少なくとも約10アミノ酸、所望により約25、75または100アミノ酸のポリペプチドであると、一般に理解されている。
概して、本発明の方法は、組換えポリペプチドの生産を誘導するのに有用である。本発明の方法を用いて生産可能ないくつかのポリペプチドには、以下のポリペプチドのうちの一つの全部もしくは一部と同一または実質的に類似したアミノ酸配列を含むポリペプチドが含まれる:flt3リガンド(国際出願WO 94/28391に記載され、該出願は、参照によって本明細書に援用される)、CD40リガンド(米国特許第6,087,329に記載され、該出願は、参照によって本明細書に援用される)、エリスロポエチン、トロンボポエチン、カルシトニン、レプチン、IL−2、アンジオポエチン−2(Maisonpierreら(1997年)、Science 277(5322):55−60に記載され、参照によって本明細書に援用される)、Fasリガンド、NF−κBの受容体活性化因子に対するリガンド(RANKL、国際出願WO 01/36637に記載され、該出願は、参照によって本明細書に援用される)、腫瘍壊死因子(TNF)関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL、国際出願WO 97/01633に記載され、該出願は、参照によって本明細書に援用される)、胸腺間質由来リンフォポエチン、顆粒球コロニー刺激因子、顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF、豪州特許第588819に記載され、該出願は、参照によって本明細書に援用される)、肥満細胞増殖因子、幹細胞増殖因子(米国特許第6,204,353に記載され、該出願は、参照によって本明細書に援用される)、上皮増殖因子、ケラチノサイト増殖因子、巨核球増殖発達因子、RANTES、成長ホルモン、インスリン、インスリノトロピン、インスリン様成長因子、副甲状腺ホルモン、インターフェロン(αインターフェロン、γインターフェロン及びコンセンサスインターフェロンを含む)(米国特許第4,695,623及び第4,897471に記載されたものなどであり、その双方は、参照によって本明細書に援用される)、神経成長因子、脳由来神経栄養因子、シナプトタグミン様タンパク質(SLP 1〜5)、ニューロトロフィン−3、グルカゴン、インターロイキン1〜18、コロニー刺激因子、リンフォトキシン−β、腫瘍壊死因子(TNF)、白血球抑制因子、オンコスタチン−M、ならびに、細胞表面分子であるELK及びHekに対する種々のリガンド(eph関連キナーゼまたはLERKSに対するリガンドなど)。本発明の方法にしたがって生産可能なポリペプチドについての記載は、例えば、Human Cytokines:Handbook for Basic and Clinical Research、第II巻(Aggarwal及びGutterman編集、Blackwell Sciences社、ケンブリッジ、マサチューセッツ州、1998年);Growth Factors:A Practical Approach(MacKay及びLeigh編集、オックスフォード大学プレス・Inc.、ニューヨーク州、1993年);及び、The Cytokine Handbook(A.W.Thompson編集、アカデミックプレス社、サンディエゴ、カリフォルニア州、1991年)に見つけられ、そのすべては、参照によって本明細書に援用される。
本発明の方法を用いて生産されることが可能な他のポリペプチドとしては、任意の上記ポリペプチドに対する受容体、このような受容体もしくは任意の上記ポリペプチドのアンタゴニスト、及び/またはこのような受容体またはアンタゴニストに実質的に類似したポリペプチドの、アミノ酸配列の全部あるいは一部を含むポリペプチドが、挙げられる。これらの受容体及びアンタゴニストには:両方の型の腫瘍壊死因子受容体(米国特許第5,395,760及び米国特許第5,610,279に記載されている、p55及びp75と称されるTNFRであって、該出願の双方は、参照によって本明細書に援用される)、インターロイキン−1(IL−1)受容体(I型及びII型;欧州特許第0 460 846、米国特許第4,968,607及び米国特許第5,767,064に記載され、そのすべては、参照によって本明細書に援用される)、IL−1受容体アンタゴニスト(米国特許第6,337,072に記載されたもので、参照によって本明細書に援用される)、IL−1アンタゴニストまたは阻害剤(米国特許第5,981,713、第6,096,728及び第5,075,222に記載されたもので、そのすべては、参照によって本明細書に援用される)、IL−2受容体、IL−4受容体(欧州特許第0 367 566及び米国特許第5,856,296に記載され、その双方は、参照によって本明細書に援用される)、IL−15受容体、IL−17受容体、IL−18受容体、顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子受容体、顆粒球コロニー刺激因子受容体、オンコスタチン−M及び白血球抑制因子に対する受容体、NF−κBの受容体活性化因子(WO 01/36637及び米国特許第6,271,349に記載されている、RANKLであって、該出願の双方は、参照によって本明細書に援用される)、オステオプロテジェリン(例えば、米国特許第6,015,938に記載され、参照によって本明細書に援用される)、TRAILに対する受容体(TRAIL受容体1、2、3及び4を含む)、ならびに、Fasまたはアポトーシス誘導受容体(AIR)などのデスドメインを含む受容体が、含まれる。
本発明の過程を用いて生産されることが可能な他のポリペプチドとしては、分化抗原(CDポリペプチドと称される)もしくはそのリガンド、またはこれらのいずれかに実質的に類似したポリペプチドの、アミノ酸配列の全部あるいは一部を含むポリペプチドが、挙げられる。このような抗原は、Leukocyte Typing VI(Proceedings of the VIth International Workshop and Conference、Kishimoto、Kikutaniら編集、神戸市、日本、1996年。該文献は、参照によって本明細書に援用される)において開示されている。同様なCDポリペプチドは、それに続くワークショップにおいて開示されている。このような抗原の例としては、CD22、CD27、CD30、CD39、CD40及びそれに対するリガンド(CD27リガンド、CD30リガンド等)が挙げられる。該CD抗原のいくつかは、TNF受容体ファミリーメンバーであって、これには、41BB及びOX40もまた含まれる。該リガンドは、しばしば、41BBリガンド及びOX40リガンドのような、TNFファミリーメンバーである。したがって、TNF及びTNFRファミリーメンバーもまた、本発明を用いて精製されることが可能である。
酵素的に活性なポリペプチドまたはそのリガンドもまた、本発明の方法にしたがって生産されることが可能である。その例としては、以下のポリペプチドもしくはそのリガンド、またはこれらのうちの一つに実質的に類似したポリペプチドの全部あるいは一部を含むポリペプチドが、挙げられる:メタロプロテイナーゼ−ディスインテグリンファミリーメンバー、種々のキナーゼ、グルコセレブロシダーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ、組織プラスミノーゲン活性化因子、第VIII因子、第IX因子、アポリポタンパク質E、アポリポタンパク質A〜I、グロビン、IL−2アンタゴニスト、α−1抗トリプシン、TNF−α変換酵素、任意の上記酵素に対するリガンド、ならびに多数の他の酵素及びそのリガンド。
本発明の方法はまた、抗体またはその一部分、及びキメラ抗体、すなわち1またはそれより多くのマウス可変抗体免疫グロブリンドメイン、その断片、または実質的に類似したタンパク質と連結したヒト定常抗体免疫グロブリンドメインを有する抗体を、生産するのに用いられることが、可能である。本発明の方法はまた、抗体と細胞毒性物質または発光物質を含む複合体を生産するのに用いられることも可能である。このような物質としては、メイタンシン誘導体(DM1など);エンテロトキシン(ブドウ球菌のエンテロトキシンなど);ヨウ素同位体(ヨウ素−125など);テクニウム同位体(Tc−99mなど);シアニン蛍光色素(Cy5.5.18など);及び、リボソーム不活化ポリペプチド(ブーガニン、ゲロニンまたはサポニン−S6など):が挙げられる。本発明はまた、特定の標的タンパク質と結合し、そしてその活性を修飾するように、in vitroにて選択されたキメラタンパク質を生産するのに用いられることも可能であって、このようなキメラタンパク質は、国際出願WO 01/83525及びWO 00/24782に記載されたものなどであり、該出願の双方は、参照によって本明細書に援用される。本発明の方法によって生産されることが可能な、抗体、in vitroにて選択されたキメラタンパク質、あるいは、抗体/細胞毒素または抗体/発光原子団複合体の例としては、これに限定されないが、上記タンパク質及び/または以下の抗原を含むポリペプチドの、任意の一つまたは組み合わせを認識するものが、挙げられる:CD2、CD3、CD4、CD8、CD11a、CD14、CD18、CD20、CD22、CD23、CD25、CD33、CD40、CD44、CD52、CD80(B7.1)、CD86(B7.2)、CD147、IL−1α、IL−1β、IL−2、IL−3、IL−7、IL−4、IL−5、IL−8、IL−10、IL−2受容体、IL−4受容体、IL−6受容体、IL−13受容体、IL−18受容体サブユニット、PDGF−β及びそのアナログ(米国特許第5,272,064及び第5,149,792に記載されたものなど)、VEGF、TGF、TGF−β2、TGF−β1、EGF受容体(米国特許第6,235,883 B1に記載されたものを含み、該出願は、参照によって本明細書に援用される)、VEGF受容体、肝細胞増殖因子、オステオプロテジェリンリガンド、インターフェロンγ、Bリンパ球刺激因子(BlyS、またはBAFF、THANK、TALL−1及びzTNF4としても知られる;Do及びChen−Kiang(2002年)、Cytokine Growth Factor Rev.13(1):19−25を参照されたい)、C5補体、IgE、腫瘍抗原CA125、腫瘍抗原MUC1、PEM抗原、LCG(肺癌に関連して発現する遺伝子産物)、HER−2、腫瘍関連糖タンパク質TAG−72、SK−1抗原、結腸癌及び/または膵臓癌患者の血清中に高レベルで存在する腫瘍関連エピトープ、癌関連エピトープまたはポリペプチド(胸部、結腸、偏平上皮細胞、前立腺、膵臓、肺及び/または腎臓癌細胞に、かつ/あるいは、メラノーマ、グリオーマまたは神経芽腫細胞に、発現する)、腫瘍の壊死中心(necrotic core)、インテグリンα4β7、インテグリンVLA−4、B2インテグリン、TRAIL受容体1、2、3及び4、RANK、RANKリガンド、TNF−α、接着分子VAP−1、上皮細胞接着分子(EpCAM)、細胞内接着分子−3(ICAM−3)、ロイコインテグリンアドヘシン、血小板糖タンパク質gp IIb/IIIa、心臓ミオシン重鎖、副甲状腺ホルモン、rNAPc2(第VIIa因子−組織因子の阻害剤)、MHC I、癌胎児抗原(CEA)、α−フェトプロテイン(AFP)、腫瘍壊死因子(TNF)、CTLA−4(細胞毒性Tリンパ球関連抗原)、Fc−γ−1受容体、HLA−DR 10β、HLA−DR抗原、L−セレクチン、Respiratory Syncitialウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)、ならびに黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)。
本発明はまた、腫瘍抗原gp72を標的とする抗体;ガングリオシドGD3に対する抗体;ガングリオシドGD2に対する抗体;またはこれらに実質的に類似した抗体:に対する抗イディオタイプを含む、抗イディオタイプ抗体もしくは実質的に類似したポリペプチドの、全部または一部を生産するのに、用いられてもよい。
本発明の方法はまた、任意の上記ポリペプチドを含む組換え融合ポリペプチドを生産するのに用いられることも可能である。例えば、上記ポリペプチドのうちの一つに加えて、ロイシンジッパー、コイルドコイル、抗体のFc部分、または実質的に類似したタンパク質などの多量体化ドメインを含む、組換え融合ポリペプチドを、本発明の方法を用いて生産することが可能である。例えば、WO94/10308;Lovejoyら(1993年)、Science 259:1288−1293;Harburyら(1993年)、Science 262:1401−05;Harburyら(1994年)、Nature 371:80−83;Hakanssonら(1999年)、Structure 7:255−64を参照されたく、そのすべては、参照によって本明細書に援用される。このような組換え融合ポリペプチドには、TNFRまたはRANKの一部分が、抗体のFc部分と融合しているポリペプチド(TNFR:FcまたはRANK:Fc)が、具体的には含まれる。TNFR:Fcは、TNFRの細胞外ドメインと融合した抗体のFc部分を含み、該細胞外ドメインは、米国特許第5,395,760(参照によって本明細書に援用される)の図2Aのアミノ酸1〜163、1〜185または1〜235に実質的に類似したアミノ酸配列を含む。RANK:Fcは、国際出願WO 01/36637において記載され、該出願は、参照によって本明細書に援用される。
好ましくは、該ポリペプチドを、例えば、天然にはそのポリペプチドの生産を導かないプロモーターなどの、異種調節エレメントの制御下で、発現する。例えば、プロモーターは、哺乳動物のポリペプチドの発現を導く、強力なウイルスプロモーター(例えば、CMV、SV40)であることが可能である。宿主細胞は、ポリペプチドを通常に生産しても、または生産しなくてもよい。例えば、宿主細胞は、ヒトポリペプチドを生産するように遺伝子操作されているCHO細胞であることが可能であり、このことは、ヒトポリペプチドをコードする核酸が、CHO細胞中に導入されていることを意味する。あるいは、宿主細胞は、通常には非常に低レベルにのみ存在するヒトポリペプチドのレベルを増加させて生産するように遺伝子操作されている(例えば、内因性プロモーターを強力なウイルスのプロモーターによって置換することにより)ヒト細胞であることが、可能である。組換えポリペプチドを生産させるために、組換えポリペプチドをコードする発現ベクターを、例えば、トランスフェクションまたはウイルス感染によって、実質的に均一な培養宿主細胞に移行させることが可能である。発現ベクターは、遺伝子操作法を用いて構築可能であり、適切な調節配列に機能可能なように連結されている目的のポリペプチドをコードする核酸を含むことが可能である。
調節配列は、典型的には、哺乳動物、微生物、ウイルス及び/または昆虫の遺伝子に由来する。調節配列の例としては、転写プロモーター、オペレーター及びエンハンサー、リボソーム結合部位(例えば、Kozak(1991年)、J.Biol.Chem.266:19867−19870を参照されたい)、転写及び翻訳の開始及び終結を制御するための適切な配列、ポリアデニル化シグナル(例えば、McLauchlanら(1988年)、Nucleic Acids Res.16:5323−33)、ならびに、マトリックス及び足場付着(scaffold attachment)部位(Phi−Vanら(1988年)、Mol.Cell.Biol.10:2302−07;Stiefら(1989年)、Nature 341:342−35;Boniferら(1990年)、EMBO J.9:2843−38を参照されたい)が挙げられる。調節配列がポリペプチドをコードする配列と機能的に関連する場合に、ヌクレオチド配列は、機能可能に連結されている。したがって、プロモーターのヌクレオチド配列が、ポリペプチドをコードする配列の転写を制御するならば、プロモーターのヌクレオチド配列は、該コード配列と機能可能なように連結されている。一般的に、選択マーカーをコードする遺伝子が、組換え細胞の同定を容易にするために、発現ベクター中に組み込まれる。
哺乳動物宿主細胞の発現ベクターの転写及び翻訳制御配列を、ウイルスゲノムから切り出すことが可能である。一般的に用いられるプロモーター配列及びエンハンサー配列は、ポリオーマウイルス、アデノウイルス2、シミアンウイルス40(SV40)及びヒトサイトメガロウイルス(CMV)に由来する。例えば、前初期遺伝子1のヒトCMVプロモーター/エンハンサーを、用いてもよい。例えば、Pattersonら(1994年)、Applied Microbiol.Biotechnol.40:691−98を参照されたい。SV40ウイルスゲノム由来のDNA配列、例えば、SV40の起点、初期及び後期プロモーター、エンハンサー、スプライスならびにポリアデニル化部位を、哺乳動物宿主細胞において構造遺伝子配列を発現させるための他の遺伝要素を提供するために用いることが可能である。ウイルスの初期及び後期プロモーターは、双方がウイルスゲノムから断片として容易に入手されるため、特に有用であり、ウイルスの複製起点を含有することが可能である(Fiersら(1978年)、Nature 273:113;Kaufman(1990年)、Meth.in Enzymol.185:487−511)。SV40ウイルスの複製起点部位に位置する、HindIII部位からBglI部位にかけて広がるおよそ250bp配列が含まれるならば、より小さな、またはより大きなSV40断片を用いることも可能である。
加えて、適切な天然または異種シグナルペプチド(リーダー配列)をコードする配列を、組換えポリペプチドの細胞外分泌を促進するために、発現ベクターに組み込むことが可能である。シグナルペプチドは、細胞から分泌されるときに、組換えポリペプチドから切断されるであろう。シグナルぺプチドまたはリーダーの選択は、組換えポリペプチドが生産されることになる宿主細胞の種類に依存する。哺乳動物宿主細胞において機能的であるシグナルペプチドの例としては、米国特許第4,965,195に記載されるインターロイキン−7(IL−7)のシグナル配列、Cosmanら(1984年)、Nature 312:768に記載されるインターロイキン−2受容体のシグナル配列;欧州特許第367,566に記載されるインターロイキン−4受容体のシグナルペプチド、米国特許第4,968,607に記載されるI型インターロイキン−1受容体のシグナルペプチド;及び、欧州特許第0 460 846に記載されるII型インターロイキン−1受容体のシグナルペプチドが挙げられる。
DNAを哺乳動物細胞に導入するための確立された方法について、記載されている。Kaufman,R.J.,Large Scale Mammalian Cell Culture,1990年、15〜69頁。陽イオン性脂質試薬であるLIPOFECTAMINE(商標)、LIPOFECTAMINE(商標)−2000またはLIPOFECTAMINE(商標)−PLUS(インビトロジェン社から購入可能)などの、市販の試薬を用いた追加のプロトコールを、細胞にトランスフェクトするのに用いることが可能である。FELGNERら(1987年)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:7413−7417。加えて、電気穿孔または核酸でコーティングされた微粒子銃を、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版、第1〜3巻、コールドスプリングハーバー研究所プレス(1989年)、及び、Fitzpatrick−McElligott(1992年)、Biotechnology(ニューヨーク州)10(9):1036−40におけるものなどの手順を用いて哺乳動物細胞にトランスフェクトするのに、用いることが可能である。安定な形質転換体の選択を、例えば細胞毒性薬物耐性などの、当該技術分野において公知の方法を用いて、行うことが可能である。概して、安定な形質転換体は、宿主細胞中に、染色体に取り込まれた導入ポリヌクレオチドを有する。Kaufmanら((1990年)、Meth.in Enzymology 185:487−511)は、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)耐性などのいくつかの選択スキームについて記載している。DHFR選択に適切な宿主株は、DHFRを欠損するCHO DX−B11株であることが可能である。Urlaub及びChasin(1980年)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4216−4220。DHFRのcDNAを発現しているプラスミドを、DX−B11株に導入することが可能であり、そして、プラスミドを含有する細胞のみが、適切な選択培地において増殖可能である。発現ベクター内に取り込まれることが可能な選択マーカーの他の例としては、G418及びハイグロマイシンBなどの、抗生物質に対する耐性を授与するcDNAが挙げられる。ベクターを保有する細胞を、これらの化合物に対する耐性に基づいて選択することが可能である。
哺乳動物発現ベクター由来の異種遺伝子の発現を改良することが示されているさらなる制御配列としては、CHO細胞由来の発現増大配列エレメント(EASE)(Morrisら、Animal Cell Technology、529〜534頁(1997年);米国特許第6,312,951 B1、第6,027,915及び第6,309,841 B1)などのエレメント、ならびにトリパータイトリーダー(TPL)及びアデノウイルス2由来のVA遺伝子のRNA(Gingerasら(1982年)、J.Biol.Chem.257:13475−13491)が挙げられる。ウイルスを起源とする内部リボソーム侵入部位(IRES)配列は、ジシストロン性(dicistronic)mRNAが効率的に翻訳されることを可能にする(Oh及びSarnow(1993年)、Current Opinion in Genetics and Development 3:295−300;Rameshら(1996年)、Nucleic Acids Research 24:2697−2700)。選択マーカー(例えば、DHFR)遺伝子が後に続く、ジシストロン性mRNAの一部としての、異種cDNAの発現は、宿主細胞のトランスフェクション効率及び異種cDNAの発現を改良することが示されている(Kaufmanら(1990年)、Methods in Enzymol.185:487−511)。ジシストロン性mRNAを使用する典型的な発現ベクターは、Mosserら、Biotechniques 22:150−161(1997年)によって記載されているpTR−DC/GFP、及び、Morrisら、Animal Cell Technology、529〜534頁に記載されているp2A5Iである。
有用な高発現ベクターであるpCAVNOTについては、Mosleyら((1989年)、Cell 59:335−348)によって記載されている。哺乳動物宿主細胞において用いるための他の発現ベクターを、Okayama及びBerg((1983年)、Mol.Cell.Biol.3:280)によって開示されているように、構築することが可能である。C127マウス乳房上皮細胞において哺乳動物cDNAを安定で高レベルに発現させるための有用な系は、Cosmanら((1986年)、Mol.Immunol.23:935)によって記載されるように、実質的には構築されることが可能である。Cosmanら((1984年)、Nature 312:768)によって記載された、有用な高発現ベクターであるPMLSV N1/N4は、ATCC 39890として寄託されている。さらなる有用な哺乳動物発現ベクターが、欧州特許第−A−0 367 566及びWO 01/277299 A1に記載されている。該ベクターは、レトロウイルス由来であることが可能である。天然のシグナル配列の代わりに、以下の配列のうちの一つなどの、異種シグナル配列を付加することが、可能である:米国特許第4,965,195に記載されたIL−7のシグナル配列;Cosmanら(Nature 312:768(1984年))に記載されたIL−2受容体のシグナル配列;欧州特許第0 367 566に記載されたIL−4のシグナルペプチド;米国特許第4,968,607に記載されたI型IL−1受容体のシグナルぺプチド;及び、欧州特許第0 460 846に記載されたII型IL−1受容体のシグナル配列。
ポリペプチドは、真核細胞において組換えによって生産されることが可能であり、そして好ましくは、細胞培養にて増殖するように適応された宿主細胞によって分泌される。所望により、本発明において用いるための宿主細胞は、好ましくは哺乳動物細胞である。該細胞はまた、目的の遺伝子を発現するように遺伝子操作されることが可能であり、細胞培養にて増殖するように適応された哺乳動物の生産細胞であることが可能であり、及び/または、同種の細胞株であることが可能である。業界で一般的に用いられるこのような細胞の例は、VERO、BHK、HeLa、CV1(Cosを含む)、MDCK、293、3T3、骨髄腫細胞株(例えば、NSO、NS1)、PC12、WI38細胞、及びチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞であって、これらは、いくつかの複合組換えポリペプチド、例えばサイトカイン、凝固因子及び抗体の生産に、広く用いられている(Braselら(1996年)、Blood 88:2004−2012;Kaufmanら(1988年)、J.Biol Chem 263:6352−6362;McKinnonら(1991年)、J Mol Endocrinol 6:231−239;Woodら(1990年)、J.Immunol.145:3011−3016)。ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)欠損変異細胞株(Urlaubら(1980年)、Proc Natl Acad Sci USA 77:4216−4220、参照によって本明細書に援用される)である、DXB11及びDG−44は、効率的なDHFR選択及び増幅遺伝子発現系が、これらの細胞において高レベルの組換えポリペプチドの発現を可能にするため、望ましいCHO宿主細胞株である(Kaufman R.J.(1990年)、Meth Enzymol 185:537−566、参照によって本明細書に援用される)。加えて、これらの細胞は、接着培養または懸濁培養として操作しやすく、そして比較的良好な遺伝子安定性を示しやすい。CHO細胞、及び該細胞において発現する組換えポリペプチドは、詳細に特徴付けられ、そして、臨床用市販製造における使用を、規制当局によって認められている。本発明の方法を、抗体を生産するハイブリドーマ細胞株を用いて、実行することも可能である。ハイブリドーマ株の作製方法は、当該技術分野において周知である。例えば、Berzofskyら、Paul編集、Fundamental Immunology、第2版、315〜356頁のうちの347〜350頁、Raven Press Ltd.、ニューヨーク州(1989年)を参照されたい。上記株由来の細胞株もまた、本発明を実行するのに適している。
本発明において、哺乳動物宿主細胞は、抗体または組換えポリペプチドであることが可能である、目的のポリペプチドの生産を促進する条件下で、培養される。基本の細胞培養培地処方物は、当該技術分野において周知である。これらの基本の細胞培養培地処方物に、当業者は、アミノ酸、塩類、糖類、ビタミン、ホルモン、成長因子、バッファー、抗生物質、脂質、微量元素等などの成分を、培養する宿主細胞の要求性に応じて、加えるであろう。培養培地は、血清及び/またはタンパク質を含有しても、または含有しなくてもよい。血清非含有及び/または合成(defined)培養培地を含む、種々の組織培養培地が、細胞培養用に市販されている。組織培養培地は、本発明の目的上、in vitro細胞培養において、動物細胞及び好ましくは哺乳動物細胞の増殖に適した培地として、定義される。典型的には、組織培養培地は、バッファー、塩類、エネルギー源、アミノ酸、ビタミン及び微量必須元素を含有する。適切な培養真核細胞の増殖を補助することが可能な任意の培地を、用いることが可能であり;本発明は、培養真核細胞、特に哺乳動物細胞に幅広く応用可能であり、そして培地の選択は、本発明には重大ではない。本発明における使用に適した組織培養培地は、例えばATCC(マナサス、バージニア州)から市販されている。例えば、以下の培地の任意の一つまたは組み合わせを、用いることが可能である:アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションまたはJRH Biosciences社、ならびに他の業者から入手可能なものの中でも特に、RPMI−1640培地、RPMI−1641培地、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)、最小必須培地イーグル、F−12K培地、ハムF12培地、イスコフ改変ダルベッコ培地、マッコイ5A培地、ライボビッツL−15培地、及び、EX−CELL(商標)300シリーズ(JRH Biosciences社、レネクサ、カンザス州、米国から入手可能)などの血清非含有培地。血清非含有及び/またはペプトン非含有の合成培地を用いる場合、培地は、通常、アミノ酸及び微量元素が非常に豊富である。例えば、Matherらによる米国特許第5,122,469、及びKeenらによる第5,633,162を参照されたい。
本発明の方法及び組成物において、細胞は、血清非含有、タンパク質非含有、成長因子非含有及び/またはペプトン非含有培地にて、増殖可能である。培地に適用される「血清非含有」の語は、胎児ウシ血清などの血清を含有しない、任意の哺乳動物細胞培養培地を含む。培地に適用される「インスリン非含有」の語は、外因性インスリンを添加されていない任意の培地を含む。外因性とは、この文脈においては、細胞の培養自体によって生産されるもの以外のことを意味する。培地に適用される「IGF−1非含有」の語は、外因性インスリン様成長因子−1(IGF−1)またはアナログ(例えば、LongR3、[Ala31]、またはGroPep Ltd.、セバートン、南オーストラリアから入手可能な[Leu24][Ala31]IgF−1アナログなど)を添加されていない任意の培地を含む。培地に適用される「成長因子非含有」の語は、外因性成長因子(例えば、インスリン、IGF−1)を添加されていない任意の培地を含む。培地に適用される「タンパク質非含有」の語は、例えばトランスフェリンならびにタンパク質成長因子であるIGF−1及びインスリンなどの、外因性に添加されたタンパク質を含有しない培地を含む。タンパク質非含有培地は、ペプトンを有しても、または有しなくてもよい。培地に適用される「ペプトン非含有」の語は、例えば動物及び/または植物のタンパク質加水分解物などの、外因性タンパク質の加水分解物が添加されていない任意の培地を含む。培地からペプトンを除くことは、ロット間のばらつきを減じ、そしてろ過などの処理を強化するという利点がある。化学合成培地は、すべての成分が合成され、そして純粋な原料、好ましくは非動物原料から得られる培地である。
当業者はまた、特定の培養宿主細胞における細胞増殖、細胞生存性及び/または組換えポリペプチド生産を最大限にするように開発されている、多くの個別化された(individualized)た培地処方物の一つを用いることを、選択してもよい。本発明にしたがった方法を、市販の細胞培養培地と、または特定の細胞株で用いるために個々に処方されている細胞培養培地と組み合わせて、用いてもよい。例えば、ポリペプチドの生産増加を補助することが可能な富栄養培地は、例えば1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8もしくはさらに1:15までの比率で、またはそれよりも高比率で配合された、例えばDMEMとハムF12培地などの、2またはそれより多くの市販の培地を混合したものを含んでもよい。あるいは、または加えて、培地は、アミノ酸またはペプトンなどの栄養素を添加することによって、富栄養であることが可能であり、かつ/あるいは、培地(または、以下に記すものを除くその成分のほとんど)を、その通常の推奨される濃度よりも高濃度で、例えば2X、3X、4X、5X、6X、7X、8Xまたはさらにそれよりも高濃度で、用いることが可能である。本明細書では、「1X」は標準濃度を意味し、例えば、「2X」は標準濃度の2倍を意味する。いずれのこれらの実施態様においても、塩類などの浸透圧に実質的に影響を及ぼすことが可能な培地成分を、培地の浸透圧が許容範囲外に外れるような濃度に増加させることはできない。したがって、培地は、例えば、1Xのみで存在することが可能な塩類を除くすべての成分について、8Xであってもよい。富栄養培地は、血清非含有及び/またはタンパク質非含有であってもよい。さらに、培地は、例えばビタミン、アミノ酸及び代謝前駆体などの、枯渇してくる可能性のある培地成分を補給するために、培養が維持されている間、定期的に補充されてもよい。当該技術分野において公知のように、異なる培地及び温度は、異なる細胞株にいくらか異なる影響を有し、そして同じ培地及び温度が、すべての細胞株に適するわけではない。
哺乳動物細胞の適切な培養条件は、当該技術分野において公知である。例えば、Animal cell culture:A Practical Approach,D.Rickwood編集、オックスフォード大学プレス、ニューヨーク州(1992年)を参照されたい。哺乳動物細胞は、懸濁液中で、または固体基質に接着させた状態で、培養されてもよい。さらに、哺乳動物細胞は、例えば、流動床バイオリアクター、ホローファイバーバイオリアクター、ローラーボトル、振盪フラスコまたは撹拌槽バイオリアクターなどにおいて、マイクロキャリアの有無にかかわらず、培養されてもよく、そして、回分、半回分、連続、半連続または灌流の方法で操作されてもよい。
本発明の方法を、単一期と複数期双方の培養過程において組換えポリペプチド生産を改良するのに用いることが可能である。単一期の過程では、細胞を培養環境中に接種し、そして開示された方法を、単一の生産期において用いる。複数段階の工程では、細胞を、2またはそれより多くの異なった期に培養する。例えば、細胞を、まず増殖期に、細胞増殖及び生存性を最大限にする環境条件下で培養させてもよく、次いで、ポリペプチド生産を最大限にする条件下の生産期に移行させてもよい。増殖期及び生産期は、1またはそれより多くの移行期によって先行されるか、または分けられてもよい。複数期の過程において、本発明にしたがった方法は、少なくとも生産期において用いられる。増殖期は、生産期よりも高温にて起こってもよい。例えば、増殖期は、約35℃〜約38℃の第一温度にて起こってもよく、そして生産期は、約29℃〜約36℃、所望により約30℃〜約33℃の第二温度にて起こってもよい。例えば芳香族カルボン酸、アセトアミド及び/またはヒドロキサム酸などの、ポリペプチド生産の化学誘導剤(ならびに、所望により他の誘導剤)を、温度移行と同時、移行前及び/または移行後に、添加してもよい。誘導剤を温度移行後に添加する場合、温度移行後1時間〜5日、所望により1〜2日に、添加することが可能である。
本発明の方法を用いて誘導後に、次いで、その結果として得られた発現ポリペプチドを回収することが可能である。加えて、該ポリペプチドを、このような培養物または成分から(例えば、培養培地または細胞抽出物または体液から)、公知の過程を用いて精製または部分精製することが可能である。「部分精製される」とは、ある分画手順または手順を実施したが、しかし所望のポリペプチドよりも多くのポリペプチド種(少なくとも10%)が存在することを、意味する。「精製される」とは、ポリペプチドが本質的に均一であること、すなわち混入しているポリペプチドの存在が1%未満であることを、意味する。分画手順は、これに限定されないが、1またはそれより多くのろ過、遠心分離、沈澱、相分離、アフィニティ精製、ゲルろ過、イオン交換クロマトグラフィ、疎水性相互作用クロマトグラフィ(HIC;フェニルエーテル、ブチルエーテルまたはプロピルエーテルなどの樹脂を用いる)、HPLC、または上記のある組み合わせの、1またはそれより多くの工程を含むことが可能である。
例えば、ポリペプチドの精製は、ポリペプチドと結合するであろう剤を含有するアフィニティカラム;コンカナバリンA−アガロース、ヘパリン−TOYOPEARL(登録商標)(東洋曹達工業株式会社、日本)またはチバクローム・ブルー3GA SEPHAROSE(商標登録)(ファルマシア・ファイン・ケミカルズ・Inc.、ニューヨーク州)などのアフィニティ樹脂での、1またはそれより多くのカラム工程;溶出を含む1またはそれより多くの工程;及び/または、イムノアフィニティクロマトグラフィを含む。ポリペプチドを、精製を容易にする形態で発現させることが可能である。例えば、これを、マルトース結合ポリペプチド(MBP)、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)またはチオレドキシン(TRX)との融合ポリペプチドなどの、融合ポリペプチドとして、発現させてもよい。このような融合ポリペプチドを発現させ、そして精製するためのキットが、ニューイングランド・バイオラボ社(ビバリー、マサチューセッツ州)、ファルマシア社(Piscataway、ニュージャージー州)及びインビトロジェン社から、それぞれ市販されている。ポリペプチドを、エピトープで標識し、続いてそのエピトープに対する特異的な抗体を用いることによって精製することが可能である。一つのこのようなエピトープ(FLAG(登録商標))が、コダック社(ニューヘイブン、コネチカット州)から市販されている。発現させたポリペプチドをアフィニティ精製するために、組換えポリペプチドに対するモノクローナル抗体などの、ポリペプチド結合タンパク質を含むアフィニティカラムを利用することもまた可能である。他の種類のアフィニティ精製工程は、プロテインAまたはプロテインGカラムであることが可能であり、その親和剤は、Fcドメインを含有するタンパク質と結合する。ポリペプチドを、例えば、高塩濃度の溶出バッファーに入れ、次いでより低塩濃度の使用バッファー中に透析するか、あるいは利用するアフィニティマトリックスに依存してpHまたは他の成分を変えることによるなどの、慣用の技術を用いて、アフィニティカラムから除去することが可能であり、あるいは、アフィニティ部分の自然発生基質を用いて、競合的に除去することが可能である。
所望の最終純度は、ポリペプチドの使用目的によって決まる。例えば、ポリペプチドをin vivoで投与する場合には、比較的高純度が望ましい。このような場合、ポリペプチドは、他のポリペプチドに相当するポリペプチドバンドが、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)による解析において検出されないほど、精製される。関連分野の当業者は、該ポリペプチドに相当する複数のバンドが、差次的なグリコシル化、差次的な翻訳後のプロセシング等によって、SDS−PAGEにより可視化されることが可能なことを、認識するであろう。所望により、本発明のポリペプチドは、SDS−PAGEによる解析において単一のポリペプチドバンドによって示されるように、実質的に均一に精製されていてもよい。該ポリペプチドバンドは、銀染色、クマシーブルー染色、または(該ポリペプチドが放射性標識されているならば)オートラジオグラフィによって可視化されることが可能である。
本発明はまた、該ポリペプチドをさらに処方することも、所望により包含する。「処方すること」の語は、該ポリペプチドが、バッファー交換され、無菌化され、バルク包装され、かつ/または最終的な使用者のために包装されることが可能なことを、意味する。本発明の目的上、「無菌バルク形態」の語は、処方物に、微生物混入がないかまたは本質的になく(食品及び/または薬物の目的では、ある程度は許容可能である)、そして処方物が決められた組成及び濃度であることを、意味する。「無菌の単位用量形態」の語は、顧客及び/もしくは患者への投与または消費に応じた形態を、意味する。このような組成物は、生理学的に許容可能な希釈剤、キャリアーまたは賦形剤などの他の成分と組み合わせて、有効量のポリペプチドを含むことが可能である。「生理学的に許容可能な」の語は、活性成分の生物学的活性の有効性を妨げない非毒性物質を、意味する。
投与に適した処方物は、抗酸化剤、バッファー、静菌剤、及びレシピエントの血液と等張の処方物を与える溶質を含有してもよい、水溶性及び非水溶性無菌注射用溶液;ならびに、懸濁化剤または増粘剤を含んでもよい、水溶性及び非水溶性の無菌懸濁液を、含む。該ポリペプチドを、医薬的に有用な組成物を調製するのに用いられる公知の方法にしたがって、処方することが可能である。これらを、唯一の活性物質として、または所与の適応に適した他の公知の活性物質とともに、医薬的に許容可能な希釈剤(例えば、生理食塩液、トリス−HCl、酢酸及びリン酸緩衝溶液)、保存剤(例えば、チメロサール、ベンジルアルコール、パラベン)、乳化剤、可溶化剤、アジュバント及び/またはキャリアーと組み合わせて混合することが可能である。医薬組成物に適した処方物は、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第16版、1980年、Mack Publishing Company、イーストン、ペンシルバニア州に記載されたものを含む。加えて、このような組成物は、ポリエチレングリコール(PEG)、金属イオンと錯体を形成するか、あるいは、ポリ酢酸、ポリグリコール酸、ヒドロゲル、デキストラン等などの高分子化合物に取り込まれるか、あるいは、リポソーム、マイクロエマルジョン、ミセル、単層もしくは多重層ベシクル、赤血球ゴーストまたはスフェロブラストに取り込まれることが、可能である。リポソーム処方物に適した脂質としては、非限定的に、モノグリセリド、ジグリセリド、スルファチド、リゾレシチン、リン脂質、サポニン、胆汁酸等が挙げられる。このようなリポソーム処方物の調製は、例えば、米国特許第4,235,871、第4,501,728、第4,837,028及び第4,737,323に開示されているように、当該技術分野における技能水準内にある。このような組成物は、物理的状態、溶解性、安定性、in vivo放出速度、及びin vivoクリアランス速度に影響を与えるであろうし、したがって、キャリアーの特性が選択された投与経路によって決められるように、目的とする出願に応じて選択される。使用に適した徐放の形態としては、これに限定されないが、徐々に溶解する生体適合性ポリマー中に封入され(米国特許第6,036,978に記載されているアルギン酸微粒子など)、このようなポリマー(局所に適用されるヒドロゲルを含む)と混合され、かつ/または生体適合性の半透性移植片中に入れられた、ポリペプチドが挙げられる。
本発明について記載したことから、以下の実施例を、例証として、そして非限定的に、提供する。
(実施例1)
0.5mMヒドロ桂皮酸を用いた結果
米国特許第6,027,915に記載されるようなEASE/CMVプロモーター系の制御下に、蛍光レポーター遺伝子DsRed(BD Biosciences Clontech社、パロアルト、カリフォルニア州)をコードする遺伝子を配置する発現ベクターを、CHO細胞にトランスフェクトした。細胞プールを、発現ベクターの存在について−GHT培地中で選択し、次いで、96ウェル形式にて血清非含有培地中に蒔いた。ヒドロ桂皮酸を、0.5mMにて試験ウェルに加え、温度を37℃から31℃に減じ、そして低下させた温度にて培養を6日間続けた。DsRed蛍光を、Wallac Victor2マルチラベル・マイクロプレートリーダー(パーキンエルマー・ライフサイエンスイズ社、ボストン、マサチューセッツ州)においてアッセイした。合計3実験において、1生細胞あたりのDsRed発現が、対照と比較して平均60%増加した。
次いで、この化合物の誘導能を、異なる組換えタンパク質において、異なる形式にて試験した。この場合、細胞は、II型IL1受容体の可溶型(米国特許第6,521,740を参照されたく、該出願は、参照により本明細書に援用される)を発現するCHO細胞株であった。細胞を、振盪フラスコにおいて血清非含有培地中で増殖させ、ヒドロ桂皮酸を0.5mMの濃度となるように加え、そしてインキュベーションを31℃にて9〜10日間続けた。合計5実験において、IL1RII発現の平均増加は、対照と比較して22%であった。
試験した別の細胞株は、TNF受容体の可溶型であるTNFR:Fc(米国特許第5,605,690、該出願は、参照により本明細書に援用される)を発現するCHO細胞であった。細胞を、血清含有培地中で37℃にて増殖させた後、細胞を、血清非含有培地と0.5mMヒドロ桂皮酸を含有する振盪フラスコに移し替え、そしてこれらの誘導条件下で、低下させた温度にて、さらに7日間インキュベートした。インキュベーション期間終了時に、ヒドロ桂皮酸含有培地中で増殖させた細胞は、対照細胞と比較して、20%のTNFR:Fc発現増加を示した。
加えて、IL4受容体に対する抗体をコードする発現ベクターをトランスフェクトしたCHO細胞プールについて、試験した(米国特許第5,717,072を参照されたく、該出願は、参照により本明細書に援用される)。増幅させていないプールを、96ウェルプレートにおける血清非含有培地に蒔き、そして誘導剤とともに37℃にて4日間インキュベートした。合計3つの異なる実験において、ヒドロ桂皮酸に曝露されたプールは、対照と比較して、平均5%の抗体発現増加を示した。
(実施例2)
0.5mM 3−(4−メチルフェニル)プロピオン酸を用いた結果
CHO細胞プールに、先の実施例1にて上述の蛍光レポーター遺伝子DsRedをコードする遺伝子を配置する発現ベクターをトランスフェクトし、0.5mM 3−(4−メチルフェニル)プロピオン酸による誘導についても、96ウェル形式にて試験した。プールを、31℃にて6日間インキュベートした。少なくとも3つの異なる実験において、3−(4−メチルフェニル)プロピオン酸とともにインキュベートされたプールでは、1生細胞あたりのDsRed発現が、対照と比較して平均70%増加した。
次いで、この化合物の誘導能を、II型IL1受容体の可溶型を発現するCHO細胞株を用いて、振盪フラスコの形式にて確認した。細胞を、振盪フラスコにおいて血清非含有培地中で増殖させ、3−(4−メチルフェニル)プロピオン酸を0.5mMの濃度となるように加え、そしてインキュベーションを31℃にて9〜10日間続けた。合計2実験において、対照と比較したIL1RII発現の平均増加は、15%であった。
(実施例3)
0.5mM 4−フェニル酪酸を用いた結果
CHO細胞プールに、先の実施例1にて上述の蛍光レポーター遺伝子DsRedをコードする遺伝子を配置する発現ベクターをトランスフェクトし、0.5mM 4−フェニル酪酸による誘導についても、96ウェル形式にて試験した。プールを、31℃にて6日間インキュベートした。3つの異なる実験において、4−フェニル酪酸とともにインキュベートされたプールでは、1生細胞あたりのDsRed発現が、対照と比較して平均60%増加した。
次いで、この化合物の誘導能を、II型IL1受容体の可溶型を発現するCHO細胞株を用いて、振盪フラスコの形式にて確認した。細胞を、振盪フラスコにおいて血清非含有培地中で増殖させ、4−フェニル酪酸を0.5mMの濃度となるように加え、そしてインキュベーションを31℃にて9〜10日間続けた。4−フェニル酪酸の存在下で増殖させた細胞株では、IL1RII発現が対照と比較して21%増加した。
(実施例4)
0.5mM 4−(4−アミノフェニル)酪酸を用いた結果
CHO細胞プールに、先の実施例1にて上述の蛍光レポーター遺伝子DsRedをコードする遺伝子を配置する発現ベクターをトランスフェクトし、0.5mM 4−(4−アミノフェニル)酪酸による誘導についても、96ウェル形式にて試験した。プールを、31℃にて6日間インキュベートした。3つの異なる実験において、4−(4−アミノフェニル)酪酸とともにインキュベートされたプールでは、1生細胞あたりのDsRed発現が、対照と比較して平均70%増加した。
次いで、この化合物の誘導能を、II型IL1受容体の可溶型を発現するCHO細胞株を用いて、振盪フラスコの形式にて確認した。細胞を、振盪フラスコにおいて血清非含有培地中で増殖させ、4−(4−アミノフェニル)酪酸を0.5mMの濃度となるように加え、そしてインキュベーションを31℃にて9〜10日間続けた。3実験において、4−(4−アミノフェニル)酪酸の存在下で増殖させた細胞株では、IL1RII発現が対照と比較して平均22%増加した。
(実施例5)
0.5mM 5−フェニル吉草酸を用いた結果
CHO細胞プールに、先の実施例1にて上述の蛍光レポーター遺伝子DsRedをコードする遺伝子を配置する発現ベクターをトランスフェクトし、0.5mM 5−フェニル吉草酸による誘導についても、96ウェル形式にて試験した。プールを、31℃にて6日間インキュベートした。3つの異なる実験において、5−フェニル吉草酸とともにインキュベートされたプールでは、1生細胞あたりのDsRed発現が、対照と比較して平均40%増加した。
次いで、この化合物の誘導能を、II型IL1受容体の可溶型を発現するCHO細胞株を用いて、振盪フラスコの形式にて確認した。細胞を、振盪フラスコにおいて血清非含有培地中で増殖させ、5−フェニル吉草酸を0.5mMの濃度となるように加え、そしてインキュベーションを31℃にて9〜10日間続けた。5−フェニル吉草酸の存在下で増殖させた細胞株では、IL1RII発現が対照と比較して44%増加した。
試験した別の細胞株は、先の実施例1にて上述のTNFR:Fc(エタナーセプト)を発現するCHO細胞であった。細胞を、血清含有培地中で37℃にて増殖させた後、細胞を、血清非含有培地と0.5mM 5−フェニル吉草酸を含有する振盪フラスコに移し替え、そしてこれらの誘導条件下で、低下させた温度にて、さらに7日間インキュベートした。インキュベーション期間終了時に、5−フェニル吉草酸含有培地中で増殖させた細胞は、対照細胞と比較して、33%のTNFR:Fc発現増加を示した。
加えて、IL4受容体に対する抗体をコードする発現ベクターをトランスフェクトしたCHO細胞プールについて、試験した。増幅させていないプールを、96ウェルプレートに蒔き、そして誘導剤とともに37℃にて4日間インキュベートした。合計2つの異なる実験において、5−フェニル吉草酸に曝露されたプールは、対照と比較して、平均40%の抗体発現増加を示した。この増加のほとんどは、第3日には増加がなかったことから、培養最終日に起こった。
(実施例6)
1.0mM N−ブチルアセトアミド
CHO細胞プールに、先の実施例1にて上述の蛍光レポーター遺伝子DsRedをコードする遺伝子を配置する発現ベクターをトランスフェクトし、1.0mM N−ブチルアセトアミドによる誘導についても、96ウェル形式にて試験した。プールを、31℃にて6日間インキュベートした。2つの異なる実験において、N−ブチルアセトアミドとともにインキュベートされたプールでは、1生細胞あたりのDsRed発現が、対照と比較して平均77%増加した。
(実施例7)
10/20μMヘキサノヒドロキサム酸(HHA)
CHO細胞プールに、先の実施例1にて上述の蛍光レポーター遺伝子DsRedをコードする遺伝子を配置する発現ベクターをトランスフェクトし、10μMヘキサノヒドロキサム酸(HHA)による誘導についても、96ウェル形式にて試験した。プールを、31℃にて6日間インキュベートした。HHAとともにインキュベートされたプールでは、DsRed発現が、対照と比較して48%増加した。
次いで、この化合物の誘導能を、II型IL1受容体の可溶型を発現するCHO細胞株を用いて、振盪フラスコの形式にて確認した。細胞を、振盪フラスコにおいて血清非含有培地中で増殖させ、HHAを10μMの濃度となるように加え、そしてインキュベーションを31℃にて9日間続けた。10μM HHAの存在下で増殖させた細胞株では、IL1RII発現が対照と比較して19%増加した。
試験した別の細胞株は、先の実施例1にて上述のTNFR:Fc(エタナーセプト)を発現するCHO細胞であった。細胞を、血清含有培地中で37℃にて増殖させた後、細胞を、血清非含有培地と、10μMまたは20μMにて加えられたHHAを含有する振盪フラスコに移し替え、そしてこれらの誘導条件下で、低下させた温度にて、さらに7日間インキュベートした。インキュベーション期間終了時に、10μM HHA含有培地中で増殖させた細胞は、対照細胞と比較して19%のTNFR:Fc発現増加を示し、20μM中で増殖させた細胞は、対照細胞と比較して11%のTNFR:Fc発現増加を示した。
加えて、IL4受容体に対する抗体をコードする発現ベクターをトランスフェクトしたCHO細胞プールについて、試験した。血清非含有培地中の増幅させていないプールを、96ウェルプレートに蒔き、そして誘導剤とともに37℃にて4日間インキュベートした。2つの異なる実験において、HHAに曝露されたプールでは、対照と比較して、抗体発現が有意に増加しなかった。
(実施例8)
10μM HHA+1mM HMBA
これらの実験では、2つの異なる誘導剤の組み合わせを用いた。以下の結果から分かるように、異なる種類の誘導剤を組み合わせることで、誘導に関して相加的増加を超えた増加をもたらすことが可能である。
CHO細胞プールに、先の実施例1にて上述の蛍光レポーター遺伝子DsRedをコードする遺伝子を配置する発現ベクターをトランスフェクトし、10μM HHAと1mM HMBAによる誘導についても、96ウェル形式にて試験した。プールを、31℃にて6日間インキュベートした。HMBAのみとともにインキュベートされたプールは、対照と比較して20%のDsRed発現増加を示したが、HHAとHMBAとの組み合わせとともにインキュベートされたプールは、98%の増加を示した。実施例7にも記載したように、HHA単独では、48%の増加がもたらされたのみであった。このように、これらの2つの化合物は、組み合わせて用いられた場合に、少なくとも相加的な効果を有する。
細胞を種々の濃度のHHAとHMBAでインキュベートした、同様な実験から得たデータを、図1に示す。このグラフから分かるように、約5μM〜約100μMのHHA濃度と約0.5mM〜約10mMのHMBA濃度は、個々に用いられた場合、蛍光マーカーであるDsRedの発現を増加させることが可能であった。しかしながら、これらの化合物を組み合わせた場合、発現は、著しく増加した。
試験した別の細胞株は、先の実施例1にて上述のTNFR:Fc(エタナーセプト)を発現するCHO細胞であった。細胞を、血清含有培地中で37℃にて増殖させた後、細胞を、血清非含有培地を含有する振盪フラスコに移し替えた。10μMのHHAを加え、そして1mMのHMBAを加えて、そして細胞を、これらの誘導条件下で、低下させた温度にて、さらに7日間インキュベートした。インキュベーション期間終了時に、1.0mM HMBA含有培地中で増殖させた細胞は、対照細胞と比較して14%のTNFR:Fc発現増加を示し、一方、10μM HHA+1.0mM HMBAの組み合わせにおいて増殖させた細胞は、対照細胞と比較して26%のTNFR:Fc発現増加を示した。
加えて、IL4受容体に対する抗体をコードする発現ベクターをトランスフェクトしたCHO細胞プールについて、試験した。増幅させていないプールを、96ウェルプレートにおける血清非含有培地中に蒔き、そして10μM HHA+1.0mM HMBAとともに37℃にて4日間インキュベートした。2つの異なる実験において、10μM HHA+1.0mM HMBAの組み合わせに曝露されたプールは、対照と比較して、32%の抗体発現増加を示した。しかしながら、いずれかの化合物を個々に用いた場合、抗体発現に有意な増加はなかった。この結果は、これらの化合物が相乗的に作用して、組換えタンパク質の発現を増加させることが可能であることを、示唆している。
(実施例9)
10μM 3−フェニルプロピオノヒドロキサム酸+1mM HMBA
IL4受容体に対する抗体をコードする発現ベクターをトランスフェクトしたCHO細胞プールについて、別の化合物の組み合わせ(この場合、10μM 3−フェニルプロピオノヒドロキサム酸+1mM HMBA)を用いて、試験した。増幅させていないプールを、96ウェルプレートにおける血清非含有培地中に蒔き、そしてこの組み合わせとともに37℃にて4日間インキュベートした。3−フェニルプロピオノヒドロキサム酸+1mM HMBAの組み合わせに曝露されたプールは、対照と比較して、40%の抗体発現増加を示した。しかしながら、いずれかの化合物を個々に用いた場合、抗体発現に有意な増加はなかった。特に、実施例8の結果と併せて解釈した場合、この結果は、アセトアミド化合物とヒドロキサム酸化合物との組み合わせが、相乗的に作用して、組換えタンパク質の発現を増加させることが可能であることを、示唆している。
特定の実施態様についての上述の記載は、他者が、本明細書において示された包括的な概念から逸脱することなく、種々の出願のためにこのような実施態様を容易に修正及び/または適用可能なように、本発明の一般的な本質を示している。いかなるこのような応用または修正も、開示された実施態様と同等の意味及び範囲の内に包含されることが、意図される。本明細書で用いられる語法及び専門用語は、説明を目的とし、かつ限定を目的としない。
図1は、化合物の組み合わせがレポーター遺伝子の誘導に及ぼす影響を示すグラフである。EASE/CMVプロモーターの制御下で蛍光マーカータンパク質であるDsRedを発現する細胞プールを、示された量の化合物存在下で、96ウェルプレートにおいて35℃にて6日間培養した。蛍光量を、化合物濃度の関数としてプロットした。誘導に用いた化合物は、ヘキサノヒドロキサム酸(HHA)(ひし形)、ヘキサメチレンビスアセトアミド(HMBA)(正方形)及びHHA+HMBA両方(三角)であった。

Claims (36)

  1. 芳香族カルボン酸化合物を含有する培養培地中で、哺乳動物細胞を培養すること、ここで、哺乳動物細胞は目的のポリペプチドを分泌し、そして、芳香族カルボン酸化合物の存在は、目的のポリペプチドの生産を増加させる;及び、
    目的のポリペプチドを、哺乳動物細胞から分離すること;
    を含む方法。
  2. 非ハイブリッド極性アセトアミド化合物を含有する培養培地中で、哺乳動物細胞を培養すること、ここで、哺乳動物細胞は目的のポリペプチドを分泌し、そして、アセトアミド化合物の存在は、目的のポリペプチドの生産を増加させる;及び、
    目的のポリペプチドを、哺乳動物細胞から分離すること;
    を含む方法。
  3. ヒドロキサム酸化合物を含有する培養培地中で、哺乳動物細胞を培養すること、ここで、哺乳動物細胞は目的のポリペプチドを分泌し、そして、ヒドロキサム酸化合物の存在は、目的のポリペプチドの生産を増加させる;及び、
    目的のポリペプチドを、哺乳動物細胞から分離すること;
    を含む方法。
  4. 培養培地の温度を37℃未満の温度に下げることをさらに含む、請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
  5. 温度を約29℃〜約34℃に下げる、請求項4に記載の方法。
  6. 哺乳動物細胞が、CMVプロモーターの制御下で目的のポリペプチドを発現する、請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
  7. 芳香族カルボン酸化合物が、ヒドロ桂皮酸、3−(4−メチルフェニル)プロピオン酸、4−フェニル酪酸、4−(4−アミノフェニル)酪酸、3−(4−アミノフェニル)プロピオン酸;3−(4−フルオロフェニル)プロピオン酸;2−チエニル酢酸、及び5−フェニル吉草酸からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
  8. アセトアミド化合物が、N−ブチルアセトアミドである、請求項2に記載の方法。
  9. ヒドロキサム酸化合物が、ヘキサノヒドロキサム酸(HHA)及び/または3−フェニルプロピオノヒドロキサム酸である、請求項3に記載の方法。
  10. ポリペプチドが、組換え組換え融合ポリペプチドである、請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
  11. ポリペプチドが、ヒトまたはヒト化抗体である、請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
  12. 芳香族カルボン酸化合物、アセトアミド化合物またはヒドロキサム酸化合物の培養物中濃度が、約0.001mM〜約3mMである、請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
  13. アセトアミド化合物を培養物に加えることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  14. アセトアミド化合物が、ヘキサメチレンビスアセトアミド(HMBA)及び/またはN−ブチルアセトアミドである、請求項13に記載の方法。
  15. ヒドロキサム酸化合物を培養物に加えることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  16. ヒドロキサム酸化合物が、ヘキサノヒドロキサム酸(HHA)、ベンゾヒドロキサム酸、オクタン−1,8−ジヒドロキサム酸及び/または3−フェニルプロピオノヒドロキサム酸である、請求項15に記載の方法。
  17. ヒドロキサム酸化合物を培養物に加えることをさらに含む、請求項2に記載の方法。
  18. ヒドロキサム酸化合物が、ヘキサノヒドロキサム酸(HHA)及び/または3−フェニルプロピオノヒドロキサム酸である、請求項17に記載の方法。
  19. アセトアミド化合物を培養物に加えることをさらに含む、請求項3に記載の方法。
  20. アセトアミド化合物が、ヘキサメチレンビスアセトアミド(HMBA)及び/またはN−ブチルアセトアミドである、請求項19に記載の方法。
  21. 哺乳動物細胞がCHO細胞である、請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
  22. CHO細胞が、芳香族カルボン酸化合物、非ハイブリッド極性アセトアミド化合物またはヒドロキサム酸化合物に少なくとも約5日間曝露される、請求項21に記載の方法。
  23. 培養培地が血清非含有である、請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
  24. ポリペプチドを精製することをさらに含む、請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
  25. 哺乳動物細胞が、約29℃〜約36℃の第二温度での生産期へ移行される前に、約35℃〜約38℃の第一温度での増殖期において培養され;かつ、
    芳香族カルボン酸化合物、非ハイブリッド極性アセトアミド化合物またはヒドロキサム酸化合物が、生産期へ移行後に加えられる;
    請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
  26. 組換えポリペプチドを生産するための方法であって、
    組換えポリペプチドを生産するように遺伝子操作されているCHO細胞を培養すること;及び、
    芳香族カルボン酸、非ハイブリッド極性アセトアミド及びヒドロキサム酸からなる群より選択される少なくとも一つの化合物を培養培地に加えること、ここで、化合物の添加は、組換えポリペプチドの生産を増加させる;
    を含む、上記方法。
  27. CHO細胞が、組換えポリペプチドをコードする組換えベクターで形質転換されている細胞の後代(progeny)であり、かつ組換えベクターがCMVプロモーターを含む、請求項26に記載の方法。
  28. 化合物が、約0.001mM〜約3mMの濃度にて培養培地に加えられる、請求項26に記載の方法。
  29. 組換えポリペプチドを培地から回収することをさらに含む、請求項26に記載の方法。
  30. 組換えポリペプチドを処方することをさらに含む、請求項29に記載の方法。
  31. 化合物を複数加えることをさらに含む、請求項29に記載の方法。
  32. CHO細胞が、約29℃〜約35℃の温度にて培養される、請求項26に記載の方法。
  33. CHO細胞が、約29℃〜約35℃の第二温度へ移行される前に、約36℃〜約38℃の第一温度にて培養され、かつ、化合物が、第一温度から第二温度への移行後に加えられる、請求項32に記載の方法。
  34. ポリペプチドを生産するように遺伝子操作されたCHO細胞、生産用培地、ならびに、芳香族カルボン酸、非ハイブリッド極性アセトアミド及びヒドロキサム酸からなる群より選択される少なくとも一つの化合物を含む、培養物。
  35. 化合物の濃度が、約0.01mM〜約3mMである、請求項34に記載の培養物。
  36. 生産用培地が血清非含有である、請求項34に記載の培養物。
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