JP2007524672A - 整調可能電気特性およびエレクトロルミネセント特性を有する有機物質 - Google Patents

整調可能電気特性およびエレクトロルミネセント特性を有する有機物質 Download PDF

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Abstract

単結合によって2つの外側の基に結合された一つまたは複数のホスフィンオキシド部分を有する、電子デバイスおよび電界発光素子における使用のための、新規のクラスの物質。2つ以上のホスフィンオキシド部分を有する態様では、2つ以上のホスフィンオキシド部分はさらに架橋基によって結合される。適切な架橋基および外側の基を選択することによって、本発明の新規なクラスの物質は、この物質の電子的特徴およびエレクトロルミネセント特徴を設計者が「整調」することを可能にさせる。ホスフィンオキシド部分は、架橋基と外側の基との間の電子共役(electron conjugation)を制限し、架橋基および外側の基をお互いから隔て、架橋基および外側の基の光物理的特性が分子中で維持されることを可能にする。従って、この最低エネルギー成分(架橋基または特定の外側の基)は、分子全体についての三重項状態、最高被占分子軌道および最低非占有分子エネルギーを明らかにする。

Description

発明の分野
関連出願の相互参照
本出願は、2004年1月23日出願で、かつ「Thin Films Based on Organic Phosphine Oxide Compounds for Electronic Applications」と題された米国仮出願第60/538,773号に対する優先権を主張し、この参照により各々の内容全体を組み入れている。
連邦政府によって支援される研究または開発に関する声明
本発明は、米国エネルギー省(U.S. Department of Energy)によって授与された政府支援下協定(Government support under Contract)DE-AC05-76RL01830、および米国国立科学財団(National Science Foundation)によって授与された助成金DMR-9874765で行なわれた。米国政府は本発明に特定の権利を有する。
発明の背景
電荷輸送特性およびエレクトロルミネセント特性を有する物質は、ヒトの活動の事実上全範囲をカバーする適用に首尾よく展開されている。例えば、電荷輸送物質は、電気を発生するための光起電性素子、光を発するための電界発光素子および電子的論理素子を制御するための薄膜トランジスタにおいて使用される。種々の適用で広範な製品を含むようになってきているが、このようなデバイスの全てに残っている共通の基本的な特徴は少ない。例えば、実質的に全ての電子デバイスが、物質を横切って電圧が印加された場合予測可能な様式で挙動する物質か、または予め決定された外部刺激に曝された場合予測可能な電圧を生じる物質を利用する。同様に、実質的に全ての電界発光素子が、印加された電圧のような外部刺激に対して曝された場合予測可能な発光応答を生じる物質を利用する。
これらの物質が首尾よく展開されている広範な種々の用途によって、この物質に固有の同等に広範な特性の必要性が生じている。結果として、これらの適用において用いられる非常に多くの物質が、その化学的、電気的および物理的特性に関して徹底的に評価されている。従って、新規な電気的およびエレクトロルミネセントのシステムおよびサブシステムを開発するという要求、そして既存の電気的およびエレクトロルミネセントのシステムおよびサブシステムを改良するという要求にはしばしば、開発者にとって以前には利用不能であった特性または特性の組み合わせを提供する、完全に新規な物質の開発が必要である。
種々の理由のために、有機物質はこのような新規な物質を開発しようとする設計者にかなりの興味をもたれている。電気的適用およびエレクトロルミネセント適用において有用であり得る固有の化学的または物理的な特性を提供することに加えて、有機物質はしばしばそれ自体が製造プロセスに役立ち、容易に大規模に適合され精度の棄損がほとんどないかまたは全くなく、それらは無限に種々の形態に操作され得、そしてしばしば安価でかつ豊富な前駆体を用いて製造され得る。これらの理由の全てについて、電気的適用およびエレクトロルミネセント適用における使用のための有機物質の新規なかつ有用な形態の開発は、世界中の政府、学問的研究者および産業上の研究者から研究の興味を惹き続けている。
このような研究の1例は、高出力変換効率が得られる固体状態の白色光についての要望の結果である。この目標は、高い量子効率および低い作業電圧を同時に提供するように設計された有機発光素子(OLED)の検討につながっている。この問題に対する一つのアプローチは、Shen,Z.;Burrows,P.E.;Bulovic,V.;Forrest,S.R.;およびThompson,M.E.のScience 1997,276,2009に公開された「Three-color,tunable,organic light-emitting devices」;ならびにDeshpande,R.S.;Bulovic,V.;およびForrest,S.R.によりAppl.Phys.Lett.1999,75,888に公開された「White-light-emitting organic electroluminescent devices based on interlayer sequential energy transfer」という文献に記載されている。これらの文献では、それぞれ赤、青および緑の発光体である種々のタイプのOLED物質の重層によって白色光を生じようとする物質および技術が記載されている。同じ目的を追求するが種々の有機物質を用いる別のアプローチでは、薄膜蛍光媒体による青い光の蛍光下方変換によって白色光を生じようとしている。このアプローチは、Duggal,A.R.;Shiang,J.J.;Heller,C.M.;およびFoust,D.F.の「Organic light-emitting devices for illumination quality white light」Appl.Phys.Lett.2002,80,3470という文献に記載される。別の構成の有機物質を用いるさらに別のアプローチは、不活性マトリックスにドープされた青、赤および緑の有機金属リンを有する白色発光層の開発を探究している。このアプローチは、D’Andrade,B.W.;Holmes R.J.;およびForrest,S.R.による「Efficient organic electrophosphorescent white light emitting device with a triple doped emissive layer」Adv.Mater.2004,16,624という文献に記載される。これら、および全ての他の文献、特許、刊行物および本明細書に引用される他の書面の研究は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
これらのアプローチは、全ての場合において興味深くかつ有用な結果を生じているが、注入された1電子あたりに生成される光子(量子効率)に基づく最も有効な物質は、有機ホストマトリックスにドープされた有機金属リン光体(代表的にはIrおよびPtに基づく)である。しかし、これらのシステムの出力効率は、生成された光子エネルギーに対するそれらの高い操作電圧によって阻害される。スピンコーティングされるかまたはプリントされたポリマー性発光体に基づく競合システムは一般に、低分子有機金属リン光体よりも低い量子効率を有するが、より低い電圧で動作し、従って出力効率に拠れば競合的である。ポリマーおよび低分子デバイスの利点を極端に高い出力効率パッケージへ組み合わせるには、新規な物質の開発が必要である。
上記の先行技術の白色光デバイスは全て、青色光の生成の効率によって限定される。効率的な長寿命青色OLEDがないことも、R-G-Bディスプレイの全体的効率を限定する。有機金属リン光体ドープされたOLEDは緑色のデバイスについて高い量子効率を示す(約90%内部)が、作動電圧はポリマーベースのOLEDに比較して全ての色について依然として高く(高輝度で約10V)、高い演色評価数を有する良好な白色光に重要で、安定な、飽和した青色光はまだ最適化されていない。青色リン光OLEDは現在、効率的な電荷輸送層であって、それにリン光発光体をドープするための層がないことで限定されている。これを達成するため、それらの物質の三重項励起状態はドーパントのものよりも高くなるように操作されなければならない。現在利用可能な物質は、非効率的な電荷輸送に起因して最適効率では現在作動せず、これは高い作動電圧につながる。従って、青色OLEDにとっての挑戦である、高い量子効率を維持し、かつ低い作動電圧を実現する新規なホスト物質が必要である。
通常、有機金属リン光体が導電性ホストマトリックスにドープされて、ホストからリン光体の三重項状態へのエネルギー輸送から発光が生じる。この技術に基づく効率的な青色OLEDの発生は特に困難かつやりがいがある。なぜなら、ホスト物質は、電荷輸送特性を犠牲にすることなく効率的なエネルギー輸送を達成するために、450nm以下の三重項レベルの発光を示すはずだからである。現在のホスト物質、例えば、芳香族ジカルバゾールは、これらの要件を満たすように操作することはできない。なぜなら、物質のバンドギャップおよび三重項エネルギーが増大されている場合、最高被占分子軌道(HOMO)および最低非占有分子軌道(LUMO)が、所望されないエネルギーおよびリン光体ドーパントとホストとの間の電子輸送経路を増強するようにシフトし、それによってデバイス有効性を低くさせ、そして作動電圧を増大させるからである。より深い青色の電子リン光OLEDはRen,X.;Li,J.;Holmes,R.J.;Durovich,P.I;Forrest,S.R.;Thompson,M.E.Chem.Mater.2004,16,4743に考察されるように、隣接するドーパント分子の間のホッピングを介して生じる電荷輸送を伴う、絶縁の広いバンドギャップのホスト材料へ有機金属リン光体をドープすることによってのみ、実証されている。これによって、高い電圧がもたらされ、従って効率の低いデバイスにつながる。従って、化学的、電気的および物理的特性の新規な組み合わせを有する新規な物質についての一般的な必要性、および低電圧で青色光を効率的に発するOLED物質を含むがこれに限定されない、新規な広いバンドギャップ電荷輸送物質についてのさらに特異的な必要性が依然として存在する。
発明の簡単な要約
従って、電気的デバイスおよび電界発光素子における使用のための新規なクラスの物質を提供することが本発明の全般的な目的である。これらの物質は一般に、一つまたは複数のホスフィンオキシド部分を有する有機物質として記載される。一般的に、2つ以上のホスフィンオキシド部分が利用されること、そしてこれらのホスフィンオキシド部分が架橋基によって連結されることが好ましい。各々のホスフィンオキシド部分はさらに、少なくとも2つの外側の基に対して単結合によって結合される。この外側の基は、お互いに連結または結合していてもよく、従って単独の基または環と推定されるが、本開示の目的のために、それらはやはり2つの外側の基と呼ばれる。なぜなら、それらは、2つの単結合を介してホスフィンオキシドに結合されるからである。外側の基は、この用語が本明細書において用いられるとおり、単独のホスフィンオキシド部分に結合される。架橋基は、この用語が本明細書において用いられるとおり、2つ以上のホスフィンオキシド部分に結合される。分子全体;一つまたは複数のホスフィンオキシド部分、架橋基、および2つの外側の基(共にに結合していようと、結合していまいと)は、本明細書において以降では、「ホスフィンオキシド」と呼ばれる。本発明の一般的構造の例は、図1および2に示す。単一のホスフィンオキシド部分が図1に示されており、そして二重結合および三重結合したホスフィンオキシド部分の例が図2に示される。図2に示されるとおり、本発明のホスフィンオキシド構造は一般に、図2において下つき文字「n」で示されるようなオリゴマーおよびポリマー構造で用いられ得る。従って、当業者によって認識されるように、この定義は、ジホスフィンオキシド、トリホスフィンオキシドおよび他のポリホスフィンオキシドを含む。さらに、架橋基自体がホスフィンオキシドを含んでもよい。
本発明のホスフィンオキシドはさらに、回路の一部として精製され、構成される。本明細書において用いる場合、「回路の一部として配列される」という表現は、ホスフィンオキシドが、電流、電圧、光源または温度勾配を含むがそれらに限定されない外部刺激に曝されるように構成されるということを意味する。この物質が、外部刺激に曝される場合、予測可能な応答が誘発される。従って、本発明は、新規なクラスの物質であり、この物質は部分的には、それらの電気的特性およびエレクトロルミネセント特性によって規定され、従って、それらの特性は本発明の基本的な局面である。本発明の好ましい態様としては、OLED、光検出器、太陽電池、薄膜トランジスタ、バイポーラトランジスタとして本発明の物質を利用する回路が挙げられ、ここでは、この回路はインフォメーションディスプレイを形成するようにアレイに組み込まれる。例えばOLEDでは、新規な物質は、電子輸送層、正孔ブロッキング層、励起ブロッキング層、発光もしくは発光ドーパントにエネルギーを輸送するホスト層、またはこの4つの任意の組み合わせで潜在的に機能し得る。バイポーラトランジスタまたは薄膜トランジスタのいずれかのトランジスタでは、この物質は、従来の電界効果トランジスタにおけるドープされたシリコンと同様の方式で電荷輸送活性半導体層として機能する。太陽電池では、この物質は、電荷輸送層または励起子ブロッキング層として機能する。
上記のように、物質が精製されるということが本発明の重要な局面である。実質的に精製される唯一のホスフィンオキシドは、電気的特性およびエレクトロルミネセント特性を示し、これが本発明の物質を規定する。限定を意味するのではないが、精製プロセスのいくつかの段階は一般に、物質が合成されるときに行なわれる。本発明の前駆体として代表的に用いられるホスフィンを生成する種々の技術が公知である。形成される場合、またはある適用に利用される場合、典型的には、これらの方法によって形成されたホスフィン基の1つまたは両方が最終的に酸化され、これによってホスフィンオキシド、部分的に酸化されたホスフィンオキシド、およびホスフィン(すなわち、酸化されたホスフィン部分がない)種の混合物が生成される。これらの混合物を精製するためには、3つの種を効率的に分離する任意の技術、例えば、クロマトグラフィー分離または各々の種の連続的昇華(successive sublimation)が理論的には許容可能である。しかし、実際には、連続的昇華が好ましい。「連続的昇華」は単に、代表的にはホスフィンオキシド種が、架橋基および外側の基は同じであり得てさえ、ホスフィンモノオキシドおよびホスフィン種とはかなり異なる昇華温度を有するという事実を利用して、減圧下である時間種々の種の1つを昇華させるという意味である。昇華した種はまた異なる物理的外観を有し、これによってさらにこのプロセスが簡単になる。従って、連続的昇華が好ましい理由は、かなり直接的である。必要な程度の精製を行なうことが有効であり、これは一般に、さらなる溶媒を必要とすることも他の物質がこのプロセスに導入されることも必要とせず、一般には生じる廃棄物は最小量である。しかし、各々のホスフィンオキシド、部分的に酸化されたホスフィンオキシドおよびホスフィン種を昇華することは、許容可能な純度のホスフィンオキシド物質を生成するために有効な方法であるが、実質的に同じ結果;実質的に精製されたホスフィンオキシドを生じる任意の方法は、本発明によって包含されると理解されるべきである。さらに、本発明のジホスフィンオキシド種を生成する連続的昇華は、標準よりもさらにかなり注意深く、かつ緩徐に行なわなければならないことが理解されるべきである。昇華プロセスにおける急速加熱および/または劣った減圧では、その物質が標準的な化学的な特徴付け技術、例えば、薄層クロマトグラフィー、高圧液体クロマトグラフィー、NMR、および元素分析を用いて精製されると思われる場合でさえ、本発明に必要な純度が得られない。従って、本明細書において用いる場合、ホスフィンオキシドは、非酸化的ホスフィン構造の昇華温度を超えるがホスフィンオキシドの昇華温度未満の温度まで、混合物が少なくとも10-6Torrという減圧下で少なくとも24時間の間、加熱される場合、ホスフィンオキシドが、NMRによって検出可能なホスフィン部分で完全に酸化されないホスフィン構造をもはや生じないとき、「実質的に精製され」ているということが理解されるべきである。当業者によって理解されるとおり、本発明の「実質的に純粋な」ホスフィンオキシドを生じるプロセスは代表的には、多くの他の所望されない不純物を除き、そして他の化学的技術が、このような不純物を除き得、そして除くために用いられるべきである。しかし、「実質的に純粋な」を規定する目的のためには、これらの他の不純物は、本発明の範囲を限定するとみなされるべきではない。さらに、必要な純度を得るためには連続的昇華が代表的には必要であるが、これは全く用いられなくてもよいし、またはこれは他の標準的な化学分離手順、例えば、カラムクロマトグラフィーと組み合わせて用いられてもよい。本発明者らは、連続的昇華後のカラムクロマトグラフィーが有効であり、そして必要な純度の物質を生じるために有効な分離レジメンであることを確認した。
当業者によって理解されるとおり、特定のポリマー分子および大型のオリゴマー分子は、減圧昇華できないが、スピンコーティングまたはプリンティングのような溶液に基づくコーティング技術によって加えられた場合、薄膜回路素子としてさらに有用である。このような物質の精製要件は一般に、最終のホスフィンオキシドのアセンブリの前に前駆体モノマーまたはオリゴマーで精製が行なわれることを除けば、上記されるものと同様である。
本発明の原則的な利点の1つは、適切な架橋基および外側の基を選択することによって、本発明の新規なクラスの物質は、設計者がこの物質の電気的およびエレクトロルミネセントの特徴を「整調」することを可能にするということである。一般には、芳香族、複素環式芳香族、脂環式および脂肪族の化合物が、架橋基のために、そして外側の基のために用いられ得る。架橋基はまた、有機分子に対して各々が結合された、一つまたは複数のホスフィンオキシド部分を含んでもよい。各々の特定の選択によって、特定の物質の電気的および発光性の特性が決定される。従って、この物質は、特定の光物理的特性(例えば、三重項励起エネルギー)を有する物質が、その特性を要する特定の適用における使用のために合成され得るという意味で「整調可能」とみなされ得る。これは、ホスフィンオキシド部分が、架橋基と外側の基との間、および外側の基自体の間の電子結合を制限するという事実の結果である。架橋基および外側の基がお互いから隔てられるという事実によって、この架橋基および外側の基の光物理的特性がこの分子中で維持されることが可能になる。最低のエネルギー成分(架橋基または外側の基)は、分子全体についての三重項状態および最高被占分子軌道エネルギーを規定する。従って、ある物質についての特定の要件は、適切な架橋基および外側の基を選択することによって、2つの間の電気的相互作用を考慮する必要なく、満たされ得る。従って、本発明は、このクラス全体の物質である。なぜならホスフィンオキシド部分のこの隔離特性の発見によって、広範な物質を広範な種々の特定の適用に対して整調することが可能になっているからである。例えば、ナフタレンまたはビフェニルのような物質であって、その広いバンドギャップおよび高い三重項エネルギーが所望されるが、その物理的特性は実際的なデバイス適用に適切でない物質は、本発明の物質に組み合わされて組み込まれてもよく、これによってその所望の光物理的特性(広いバンドギャップおよび高い三重項エネルギー)が保存されるが、一方でそれらは、薄膜形成を含むがこれに限定されない実際的なデバイスへの適用を物理的に可能にする。
限定は意味しないが、有機金属リン光体ドープ型電界発光素子における電荷輸送ホスト物質としての本発明の物質の使用によって、ホスフィンオキシド物質が特定の適用のために「整調」され得る方法の、優れた例が提供される。例えば、青色リン光OLEDのための電荷輸送ホストとして適切な物質は、架橋基としてオクタフルオロビフェニル、そして全ての外側の基としてフェニルを選択して、4,4’-ビス(ジフェニルホスフィンオキシド)オクタフルオロビフェニル(図3におけるPO5として示される)を得ることによって達成される。従って、架橋基は、ホスフィンオキシド部分に結合された最低エネルギー基であり、PO5の三重項状態エネルギーはほとんどオクタフルオロビフェニルと同一である(Et=2.92eV)。従って、分子全体の融点は、オクタフルオロビフェニルよりもかなり高いが、オクタフルオロビフェニルの三重項エネルギーは保存される。
緑色リン光OLEDの電荷輸送ホストとして適切な物質は、例えば、架橋基としてビフェニル、そして全ての外側の基としてフェニルを選択して、4,4’-ビス(ジフェニルホスフィンオキシド)ビフェニル(図3におけるPO1として示される)を得ることによって達成され得る。緑色リン光OLEDの別の例は、架橋基としてビフェニル、そして外側の基としてフェニルおよび1-ナフチルを選択して、4,4’-ビス(1-ナフチルフェニルホスフィンオキシド)ビフェニル(図3におけるPO8として示される)を得る場合に操作される。PO1については、架橋基は、ホスフィンオキシド部分に対して結合した最低エネルギー群であり、PO1の三重項状態のエネルギーはほとんどビフェニルと同一である(Et=2.8eV)。PO8については、外側の基1-ナフチルは、ホスフィンオキシド部分に結合された最低エネルギーの基であり、そしてPO8の三重項状態のエネルギーはほとんどナフタレンと同一である(Et=2.6eV)。青色OLEDと同様に、この方式で物質を整調することによって、ナフタレンと同様の光物理的特性を示すが、かなり高い融点(ナフタレン80℃、PO8 313℃)を有する物質が得られる。適切な外側の基としては、限定はしないが、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはアルキル基、そしてこれらの基のR置換誘導体が挙げられ、この置換された誘導体とはアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、アミノ、ヒドロキシル、アルコキシ、シアノ、ハロゲン化アルキル、アリールまたはヘテロアリールである。好ましい外側の基は、図4に示されており、ここではxは反復単位を示し、そして1〜6の間の整数であってもよい。これらの外側の基は、図1および2に示されるホスフィンオキシド構造を形成するために、単独で用いられてもまたは組み合わせて用いられてもよい。
従って、適切な架橋基としては、限定はしないが、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはアルキル基が挙げられる。好ましい架橋基としては限定はしないが、二官能性または多官能性の基(すなわち、2つ以上の位置で置換される)が挙げられ、そしてベンゼン、ナフタレン、ピレン、スチルベン、ジフェニルエチレン、ピリジン、キノリン、チオフェン、フェニレンビニレン、チエニレンビニレン、ビフェニル、ジフェニルメタン、ビチオフェン、ビピリジンおよび上記で規定したようなRでの置換バージョンから選択される。特定の例が図5に示されており、ここではxは反復単位を示し、そして1〜6の整数であってもよい。
発明の詳細な説明
以下の実験は、本発明の1つの好ましい態様が、電子デバイスの活性成分として首尾よく利用される方法を実証した。詳細には、4,4’-ビス(ジフェニルホスフィンオキシド)ビフェニル(本明細書において以降ではPO1)の光ルミネセンスおよびエレクトロルミネセント特性によって、本発明のホスフィンオキシド部分が、電子結合を制限し、広い光学ギャップ、電子輸送物質を提供する方法が実証された。この新規な物質のこれらの特性によって、正孔輸送であり、さらに小さい光学ギャップを示す、さらに広く研究されたジアミンアナログよりも優れた能力が提供される。
PO1は、4,4’-ビス(ジフェニルホスフィン)ビフェニル(P1)の酸化によって得られた。この合成は以下のとおり行なった。全ての化合物は、Aldrich Chemical Co.から得て、他に示さない限り認められたとおり用いた。THFは、Na金属/ベンゾフェノンから蒸留した。全てのガラス製品は使用前に徹底的に乾燥した。スターラー・バーおよびアルゴン充填温度計を装備した250mLの3つ首丸底フラスコを提供することによって4,4’-ビス(ジフェニルホスフィン)ビフェニル(P1)[CAS#4129-44-6]を形成した。このフラスコに3.21g[0.01モル]の4,4’-ジブロモビフェニルおよび90mLの新しく蒸留したTHFを充填した。一旦、全ての4,4’-ジブロモビフェニルを溶解すれば、この混合物を-66℃に冷却した。n-ブチルチリウム[0.02モル]をシリンジを用いて滴加した。一旦添加を完了すれば、撹拌をさらに1時間-66度で継続し、その後、反応混合物を温めさせて、0℃で3時間の間安定させた。この反応フラスコを、シリンジによる3.58mlのクロロジフェニルホスフィン[0.02モル]の添加の前に、再度-66℃まで冷却した。添加を終了したとき、反応混合物の色は、淡黄色になった。この混合物を、-66℃で3時間撹拌させて、その後に一晩で室温まで徐々に温めた。次いで、この反応物を2mLの脱気したメタノールでクエンチして、全ての揮発性物質を減圧下で除去した。得られた粗白色固体を、脱気したCH2Cl2に溶解して、Celiteの短いカラムを通して直ちに濾過した(窒素雰囲気下)。CH2Cl2を除去して、白色固体を脱気したエタノールに温浸させて、重力濾過して、4.70gの粗P1を得た。シリカカラムを溶媒としてCH2Cl2とともに用いて、その一酸化物(Rf-0.03)からP1(Rf-0.99)を分離した。減圧下での揮発性溶媒の除去によって、4.16gの化学的に純粋なP1(80%)が生じた。
得られた物質を以下のとおり特徴付けた。Bruker AMX400分光計を以下の周波数で用いてNMRスペクトルを得た。400.1MHz(1H)、161.9MHz(31P)100.6MHz(13C)。1Hおよび13Cスペクトルで観察されたシグナルを、内部のTMSおよびCDCl3に対して参照して、31Pシグナルは、85%H3PO4に対して外部的に参照させた。KBrペレットとして調製されたサンプルのIRスペクトルは、Nicolette:Magna IR 860分光計を用いて得た。N2ガス下で20℃/分の加熱速度で、Netzsch 同時サーマル・アナライザー(STA400)を用いて示差走査熱量測定(DSC)によって、化学的に純粋な物質の融点を確認した。インジウム金属を温度標準として用いた。Desert Analytics Laboratories,Tucson,Arizona USAによって元素分析を行なった。実測値、および文献の値との比較は以下のとおりであった。
Figure 2007524672
次いで、3.0gのP1[0.0057モル]、30mLのCH2Cl2、および10mLの30%過酸化水素を用いて100mLの丸底フラスコを充填させることによって、P1から4,4’-ビス(ジフェニルホスフィンオキシド)ビフェニル(PO1)[CAS#4129-45-7]を合成した。この反応混合物を一晩撹拌させた後、有機層を分離して水で、次いでブラインで洗浄した。合わせた抽出物を乾燥するまでエバポレートして白色固体を得た。未反応のP1(Rf-0.85)および一酸化物(Rf-0.38)をカラムクロマトグラフィー(SiO2:酢酸エチル/ヘキサン/メタノール-2:3:0.3)によって除去して、3.10gの化学的に純粋なPO1(97%)を得た。次いで、P1について用いた同じ分析手順を行なって、以下の結果を得た。
Figure 2007524672
過酸化水素でのP1の処理は長期間にわたってさえ、PO1の完全な変換は生じなかった。TLCはジホスフィンおよび一酸化ホスフィンの両方の存在を示した。特に、カラムクロマトグラフィー後、これらの不純物は、もはや31P NMRおよびTLCによっては検出可能でなかったが、両方の不純物とも、高真空、勾配温度昇華によるさらなる精製後、より低い温度画分(150〜170℃、24時間にわたって10-6Torrの底面圧)から分離されそして同定された。これらの不純物の除去を確認するための光物理的研究およびデバイス研究の前に3回の昇華を行なった。
PO1の吸収および発光スペクトルは、図6に示す。最大吸収は、それぞれ図6aおよび6eに示されたとおり、溶液(CH2Cl2、logε=4.57)および蒸着膜の両方で272nmであり、これは、相当するジアミン4,4’-ビス(ジフェニルアミン)ビフェニル(DDB)から有意に青にシフトされている(83nm)。DDBは、395nmで発光することが報告されているが、溶液中のPO1の励起は、効率的な深部UV放射(λmax=325nm、φf1=0.74、τ=0.58ns)を生じ、これはわずかに赤にシフトし(332nm)、そして図6fに示されるような蒸着膜において広げられている。
図6cに示されるように、PO1を2MeTHFにおいて77Kに冷却することによって、発光振動性(emission vibrational)微細構造が増強され、蛍光が最大318nmシフトして、図6dに示されるようにさらなるピークが451、483および511nmにあらわれる。放射寿命は、時間分解蛍光定量法を用いて測定され、リン光と一致して青色発光について1.5±0.1秒であった。図4fにおける矢印によって示されるとおり、室温で固体状態フィルムからの弱い青色発光も450nmおよび478nmで観察された。これは、Kang,Y.;Song,D.;Schmider,Wang,S.Organometallics 2002,21,2413によって報告された固体状態での室温青色リン光を生じる、トリス[p-(N-7-アザインドリル)フェニル]ホスフィンにおける弱いスピン軌道結合の以前の報告と同様である。
活性な放出層としてPO1を用いるインジウムスズ酸化物コーティングガラス上の蒸着によって成長させた単純な二層OLEDのELスペクトルを図6gに示す。OLEDを調製するための手順は以下のとおりである。市販のインジウムスズ酸化物基板上で、銅フタロシアニン(CuPc)の200Å厚の層、PO1の400Åの薄層、そして10ÅのLiF層とそれに続く1000ÅのA1の層からなるカソードの順序で構成される蒸着によって、単純な二層の電界発光素子を成長させた。カソードは、ステンシルマスクを通じて蒸着させて、1mmの直径の環状のデバイスを得た。基板の近くに置かれた水晶発振器を用いて、フィルムの厚みを測定して、これを偏光解析法を用いてエクスサイチュで較正した。平均25μmの直径のAuワイアから作成された電圧接触を用いて空気中でデバイスを試験した。Agilent Technologies 4155B半導体パラメーターアナライザーを用いて電圧の特徴を測定し、EG&G 光学マルチチャネルアナライザーを用いて0.25焦点距離スペクトログラフ上でELスペクトルを記録した。測定した電流密度対電圧のグラフを図7に示す。
Shimadzu UV-2501PC Ultraviolet-Visible(UV-Vis)二重ビーム分光計を用いて吸収スペクトルを記録した。270nmの励起波長でJobin-Yvon SPEX Fluorolog 2(450-W Xeランプ)を用いて、室温発光スペクトルを記録した。全ての溶液の光物理学的研究は、自己吸収を防ぐために、希薄なサンプル(光学密度約0.1〜0.2)で行なった。1.0N H2SO4(QR-0.546)中の硫酸キニーネに対して、量子収率をDemas,N.J.;Crosby、G.A.in the J.Phys.Chem.,1971,75,991によって記載された方法に従って決定した。
サンプルに向けられたモード・ロックされたNd:Vanadateレーザー(76MHz)の第二調波(280nm)によってポンピングされた周波数二倍のピコ秒色素レーザーの出力を用いて、CH2Cl2の一重項寿命を決定したが、ここでは発光は直角に集めて、パルスカウントモードで作動しているマイクロチャネルプレートPMTを装備した1/8メートルの差分散ダブルモノクロメーターに集束させた。この装置の時間分解能は、標準的な散乱物質を用いて50psec FWHMであることが測定された。低温(77K)発光スペクトルおよび三重項寿命は、928 PMT検出器を装備しており検出器の応答について較正された、PT1 QuantaMasterモデルC-60SE分光蛍光光度計において2-メチルテトラヒドロフランで得た。
アノードに対して負に偏向されたカソードで、UV(338nm)および青色(452および495nm)スペクトル領域でのELを、低電圧で測定した(10mA/cm2 4.2Vでの注入電流)。EL量子効率の正確な定量は、350nm未満の低い検出器効率、ならびにガラスおよびCuPcの層における吸収に起因して実用的でなかったが、これは0.1%未満で見積もられる。この低い効率は、放射励起のクエンチングをもたらす長寿命三重項状態に対する強力な項間交差と一致している。しかし、Adachi,C.;Kwong,R.C.;Djurovich,P.;Baldo,M.A.;Thompson,M.E.;Forrest,S.R.Appl.Phys.Lett.2001,79,2082に示されるように、短寿命のリン光ドーパントに対して効率的に輸送して高いデバイス効率を得ることが、同様の長寿命状態では以前に示されている。カソードがアノードに対して正に偏向された場合、発光は観察されておらず、このことは、PO1が電子を輸送して正孔をブロックすることを示唆している。環状ボルタンメトリーによる電気化学分析(DMF対フェロセン/フェロセニウム結合)が予備成形されて、この結論が支持された。なぜなら、PO1は、Santhanam,D.S.V.およびBard,A.J.J.Am.Chem.Soc.1968,90,1118によって報告された、トリフェニルホスフィンオキシドのようにP=O部分で電子を可逆的に受容することが示されたからである。最初の還元電位は-2.33V(可逆性)であり、そしてこれは、電子輸送アルミニウムトリス(8-ヒドロキシキノラト)(Alq3)(-2.33V、不可逆性)および正孔ブロッキング物質バソキュプロイン(BCP) (-2.53V、不可逆性)の測定された還元電位と同じ範囲である。対照的に、トリアリルアミンは優先的に、高い還元電位の正孔輸送である。
PO1とDDBとの間の特性の相違は、P=OまたはN部分によって隔てられた架橋アリール(ビフェニル)基および外側アリール(フェニル)基ドメインという観点では、両方の物質の幾何的構造および電子構造を検査することによって理解され得る。PO1およびDDBについて算出された構造は図8aに示される。N中心は、架橋および外側アリール環との窒素電子孤立電子対の相互作用を可能にする三方晶平面である。対照的に、歪曲された四面体形状およびリン部位で利用可能な孤立電子対がないことによって、2つのアリールドメインの間の電子非局在化が妨げられる。分子軌道分析によって、P=O基は、最高被占分子軌道および最低非占有分子軌道(HOMOおよびLUMO)をビフェニル架橋に対して付与することによって形状を制限することが明確に示されるが、N基は逆に、非局在化した電子構造に寄与する(図8bおよび8cを参照のこと)。これらの結果は、Metivier,R.;Amengual,R.;Leray,I.;Michelet,V.;Genet,J.-P.,Org.Lett.2004,6,739によって報告されたP=O中心を通じたフェニルアセチレニルアームの間の電子相互作用がないことと一致している。
これらの変化は、表1における、計算されたHOMO/LUMOエネルギー、ならびに実験的光学ギャップと比較したその相違にも反映される。
(表1)算出された(B3LYP/6〜31G)HOMO/LUMOエネルギー(eV)および実験的な光学ギャップ(eV)
Figure 2007524672
最低のエネルギー吸収最大から決定した。
DDBに比較したPO1の吸収および発光エネルギーにおける大きな青方偏移は、占有されたマニホールドの有意な深化(約1.7eV HOMOエネルギー)および仮想上のマニホールドのわずかな低下(約0.6eV LUMOエネルギー)に対して定性的に寄与し得、これが1evを超える光学ギャップの拡大を生じる。
従って、これらの結果によって、OLEDにおける活性層として用いられる本発明の例が得られ、そしてPO1のP=O部分が架橋基と外側アリール基との間の結合を制限して、これによってこの物質の光学エネルギーギャップを拡大することが示される。Ren,X.;Li,J.Holmes,R.J.;Durovich,P.I.;Forrest,S.R.;Thompson,M.E.Chem.Mater.2004,16,4743に示されるように、他の化学部分が、結合を破壊するために、そしてバンドギャップを増大するために用いられ得るが、P=O中心の電気化学的特性および予備的なOLED特徴によって、容易な電子輸送のさらなる特性が示唆される。高い励起エネルギーおよび電子輸送の組み合わせによって、トリアリールジホスフィンオキシド化合物のさらなる発達は、有機電子デバイスにおける適用のための整調可能なバンドギャップを有する新規なセットの有機電子輸送物質を、詳細には、より効率的な、より短い放射性寿命の青色電子リン光ドーパントのためのホスト物質としてもたらし得ることが示唆される。
結び
本発明の好ましい態様を示しかつ記載してきたが、多くの変化および改変が、そのより広い局面において本発明から逸脱することなくなされ得るということが当業者には理解される。従って、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の精神および範囲内におさまる全ての変化および改変をカバーするものとする。
本発明のモノホスフィンオキシド態様の一般的な構造の模式図である。 本発明のジホスフェンオキシドおよびトリホスフェンオキシドの態様の一般的構造の模式図である。 本発明に従う青色および緑色の有機金属リン光体ドープしたOLEDにおいて導電性宿主として用いられるように整調された構造の例を示す。 本発明において利用される好ましい外側の基の構造を示す。 本発明において利用される好ましい架橋基の構造を示す。 種々の異なる構成の本発明の好ましい態様(4,4’-ビス(ジフェニルホスフィンオキシド)ビフェニル)についての波長の関数として、正規化された吸収、リン光および発光強度を示す一連のグラフである。(a)は、CH2Cl2における吸収スペクトルである;(b)はCH2Cl2における発光スペクトルである;(c)は、2-MeTHFにおける77Kでの発光スペクトルである;(d)は、2-MeTHFにおける77Kでのリン光スペクトルである;(e)は、4,4’-ビス(ジフェニルホスフィンオキシド)ビフェニルフィルムの石英上での吸収スペクトルである;(f)は4,4’-ビス(ジフェニルホスフィンオキシド)ビフェニルフィルムの石英上での発光スペクトルである;そして(g)は、構造-ITO/200Å CuPc/400 Å 4,4’-ビス(ジフェニルホスフィンオキシド)ビフェニル/10Å LiF/1000Å A1を有するデバイスのELスペクトルである。 以下:ITO/200Å CuPc/400 Å PO1/10Å LiF/1000Å A1からなる本発明の好ましい態様からの電流密度対電圧のグラフである。 (a)PO1およびDDBの計算された構造、ならびにその軌道振幅プロット、(b)LUMOおよび(c)HOMOの比較である。 1態様の模式図であって、本発明のこの物質は、OLEDとして構成され、これはアノード層、カソード層および有機層を示している。

Claims (19)

  1. ホスフィン部分の各々が少なくとも2つの外側の基に単結合によってさらに結合している、回路の一部として配列された一つまたは複数のホスフィンオキシド部分を含む物質。
  2. ホスフィンオキシド部分の各々が2つの外側の基に単結合によってさらに結合している、回路の一部として配列された、架橋基によって結合された2つ以上のホスフィンオキシド部分をさらに含む、請求項1記載の物質。
  3. 架橋基が、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびアルキル基、ホスフィンオキシド部分に2つ以上の位置で結合した二官能性基または多官能性基からなる群より選択され、ならびにベンゼン、ナフタレン、ピレン、スチルベン、ジフェニルエチレン、ピリジン、キノリン、チオフェン、フェニレンビニレン、チエニレンビニレン、ビフェニル、ジフェニルメタン、ビチオフェン、ビピリジンおよび置換基がアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、アミノ、ヒドロキシル、アルコキシ、シアノ、ハロゲン化アルキル、アリールまたはヘテロアリール基およびそれらの組み合わせである置換された誘導体から選択される、請求項2記載の物質。
  4. 外側の基がアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびアルキル基、ならびにアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびアルキル基のR置換誘導体からなる群より選択され、ここでRがアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、アミノ、ヒドロキシル、アルコキシ、シアノ、ハロゲン化アルキル、アリールまたはヘテロアリール基である、請求項1記載の物質。
  5. 外側の基が同一である、請求項1および2記載の物質。
  6. アノード層、カソード層、およびアノード層とカソード層との間に挿入された少なくとも1つの有機層とを有する有機発光素子であって、該有機層の少なくとも1つが、
    a.架橋基によって結合された2つ以上のホスフィンオキシド部分を有する物質であって、該ホスフィン部分の各々が単結合によって2つの外側の基に対してさらに結合された物質
    を含む、有機発光素子。
  7. 物質が電荷輸送物質である、請求項6記載の有機発光素子。
  8. 電荷輸送物質が外部刺激に応答して発光する、請求項7記載の有機発光素子。
  9. 電荷輸送物質が少なくとも1つのドーパントをさらに含む、請求項7記載の有機発光素子。
  10. 電荷輸送物質が、少なくとも1つのドーパントと連動して作用して、外部刺激に応答して光を発光する、請求項9記載の有機発光素子。
  11. 光が実質的にドーパントから放射される、請求項9記載の有機発光素子。
  12. 物質が電荷ブロッキング物質として機能する、請求項7記載の有機発光素子。
  13. 物質が、励起ブロッキング物質として機能する、請求項7記載の有機発光素子。
  14. 物質が有機層の1つにおけるドーパントであり、外部刺激に対するリン光応答または蛍光応答を放射する、請求項7記載の有機発光素子。
  15. 回路が光検出器である、請求項1および2記載の物質。
  16. 回路が太陽電池である、請求項1および2記載の物質。
  17. 回路が薄膜トランジスタである、請求項1および2記載の物質。
  18. 回路がバイポーラ・トランジスタである、請求項1および2記載の物質。
  19. 回路が情報ディスプレイを形成するために整列して組み込まれる、請求項1および2記載の物質。
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