JP2007522817A - タンパク質の生産方法 - Google Patents
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Abstract
抗体のようなタンパク質の細胞分泌速度を改変するための方法ならびに該方法により生産される改変された細胞を開示する。該方法及び改変された細胞は、治療、診断又は研究目的で高いレベルのタンパク質を生産するのに有用である。
Description
発明の分野
本発明はタンパク質の細胞分泌速度の改変方法に関する。
本発明はタンパク質の細胞分泌速度の改変方法に関する。
発明の背景
抗体のようなタンパク質の大規模生産は、典型的には培養された生産細胞系からのタンパク質の分泌に頼っている。培養細胞により生産される分泌タンパク質は、回りの細胞培養培地から容易に回収され且つ精製され得る。
抗体のようなタンパク質の大規模生産は、典型的には培養された生産細胞系からのタンパク質の分泌に頼っている。培養細胞により生産される分泌タンパク質は、回りの細胞培養培地から容易に回収され且つ精製され得る。
タンパク質の細胞発現速度は、分泌タンパク質の生産及びバイオリアクター又は他の系からの精製に影響する重要なパラメーターである。一般に、細胞発現速度が比較的高い場合に、より高い精製タンパク質収率を達成することができる。逆に、細胞発現速度が低すぎると、タンパク質精製は不可能であり得る。
低発現性細胞の問題を攻略するための1つの方法は、低発現性細胞の集団から高発現性のサブクローニングされた細胞を単離することであった。典型的には、これは、時間がかかり、且つ労働−集中的な数回の制限連続希釈(limiting serial dilution)、スクリーニング及び高発現性細胞系の選択を必要とする。あるいはまた、問題のタンパク質を生産する全く新規な細胞系を、新規な細胞系が高発現性の系であることを望んで形成する。
高発現性細胞系を形成するための前記の方法のそれぞれは、制限を有する。例えば低発現性細胞の集団からのサブクローニングによる高発現性細胞系の同定は、集団中で高発現性細胞が比較的希少であることならびに高発現性細胞の同定に必要な非常に多量な時間及び労働により制限される。
さらに、問題の抗体又はタンパク質を生産する新規な細胞系の形成は、新規な細胞系が高発現性でない可能性及び抗体生産性細胞を再形成し、高発現性の系を同定するのに必要であろう努力の実質的な量により制限される。いくつかの場合には、高発現性細胞系を得るための努力にかかわらず、低発現性細胞系しか得ることができない。
かくして、タンパク質の細胞分泌速度を変える有効な方法に対する要求がある。
図面の簡単な記述
図1は、Sp2/0親骨髄腫細胞系に対して向上した高発現性細胞におけるSLPI遺伝子転写産物レベルを示す。
図1は、Sp2/0親骨髄腫細胞系に対して向上した高発現性細胞におけるSLPI遺伝子転写産物レベルを示す。
図2は、Sp2/0親骨髄腫細胞系に対して向上した高発現性細胞におけるCD53遺伝子転写産物レベルを示す。
図3は、Sp2/0親骨髄腫細胞系に対して増加した高発現性細胞におけるトランスフェリン−1生産を示す。
図4は、C463a親骨髄腫細胞系に対して向上した高発現性細胞系におけるSLPI遺伝子転写産物レベルを示す。
図5は、C463a由来サブクローンにおける抗体生産が増加する場合に、SLPI遺伝子転写産物レベルが向上する傾向を示す。
図6は、C463a親骨髄腫細胞系に対して向上した高発現性細胞系におけるトランスフェリン−1遺伝子転写産物レベルを示す。
図7は、C463a由来サブクローンにおける抗体生産が増加する場合に、トランスフェリン−1遺伝子転写産物レベルが向上する傾向を示す。
発明の概略
本発明の1つの側面は、細胞中の分泌白血球プロテアーゼ阻害剤(secretory
leukocyte protease inhibitor)(SLPI)、CD53又はトランスフェリン−1(Transferrin−1)より成る群から選ばれる少なくとも1つの分子の活性を調節し、そして細胞を培養する段階を含んでなる、タンパク質の細胞分泌速度の改変方法である。
本発明の1つの側面は、細胞中の分泌白血球プロテアーゼ阻害剤(secretory
leukocyte protease inhibitor)(SLPI)、CD53又はトランスフェリン−1(Transferrin−1)より成る群から選ばれる少なくとも1つの分子の活性を調節し、そして細胞を培養する段階を含んでなる、タンパク質の細胞分泌速度の改変方法である。
本発明の他の側面は、細胞中の分泌白血球プロテアーゼ阻害剤(SLPI)、CD53又はトランスフェリン−1より成る群から選ばれる少なくとも1つの分子の活性を調節し;そして細胞を培養する段階により形成される、改変された細胞分泌速度を有する骨髄腫細胞である。
発明の詳細な記述
本明細書中で引用される特許及び特許出願を含むがそれらに限られないすべての公開文献は、引用することにより、その記載事項が完全に示されるように本明細書の内容となる。
本明細書中で引用される特許及び特許出願を含むがそれらに限られないすべての公開文献は、引用することにより、その記載事項が完全に示されるように本明細書の内容となる。
本明細書で用いられる「抗体」という用語は広い意味を有し、ポリクローナル抗体、ネズミ、ヒト、ヒト化(humanized)及びキメラモノクローナル抗体を含むモノクローナル抗体ならびに抗体フラグメントもしくは変異体を含む免疫グロブリン又は抗体分子を含む。抗体は、構成的に発現され、プラズマ細胞により分泌される分泌タンパク質である。ハイブリドーマ形成のような標準的な方法により、あるいは骨髄腫細胞又は他の細胞型、例えばチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、植物細胞及び昆虫細胞のような不朽化B細胞中への抗体重及び/又は軽鎖遺伝子のトランスフェクションにより不朽化されたプラズマ細胞を用いて抗体を生産することもできる。
抗体フラグメント又は変異体にはミメティボディー(mimetibodies)、Fabフラグメント、F(ab’)2フラグメント、Fcフラグメント、重鎖フラグメント、軽鎖フラグメント及び少なくとも1個の抗体ペプチド鎖の一部を含有する分子が含まれる。そのような部分は、抗体可変、ヒンジ又は不変領域ペプチド鎖に相当することができる。
本明細書で用いられる「ミメティボディー」という用語は、一般式(I):
(V1(n)−Pep(n)−Flex(n)−V2(n)−pHinge(n)−CH2(n)−CH3(n))(m)
を有するタンパク質を意味し、ここでV1は免疫グロブリン可変領域のN−末端の少なくとも一部であり、Pepはエピトープに結合する少なくとも1個の生物活性ペプチドであり、Flexはミメティボディーが二者択一的な(alternative)配向及び結合性を有することを可能にすることにより構造的な柔軟性を与えるポリペプチドであり、V2は免疫グロブリン可変領域のC−末端の少なくとも一部であり、pHingeは免疫
グロブリンヒンジ領域の少なくとも一部であり、CH2は免疫グロブリンCH2不変領域の少なくとも一部であり、CH3は免疫グロブリンCH3不変領域の少なくとも一部であり、ここでn及びmは1〜10の整数であることができる。ミメティボディーは、構築物中に存在する重鎖不変ドメインアミノ酸配列に依存して、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、IgM、IgD及びIgEのような種々の型の免疫グロブリン分子の性質及び機能を模することができる。
(V1(n)−Pep(n)−Flex(n)−V2(n)−pHinge(n)−CH2(n)−CH3(n))(m)
を有するタンパク質を意味し、ここでV1は免疫グロブリン可変領域のN−末端の少なくとも一部であり、Pepはエピトープに結合する少なくとも1個の生物活性ペプチドであり、Flexはミメティボディーが二者択一的な(alternative)配向及び結合性を有することを可能にすることにより構造的な柔軟性を与えるポリペプチドであり、V2は免疫グロブリン可変領域のC−末端の少なくとも一部であり、pHingeは免疫
グロブリンヒンジ領域の少なくとも一部であり、CH2は免疫グロブリンCH2不変領域の少なくとも一部であり、CH3は免疫グロブリンCH3不変領域の少なくとも一部であり、ここでn及びmは1〜10の整数であることができる。ミメティボディーは、構築物中に存在する重鎖不変ドメインアミノ酸配列に依存して、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、IgM、IgD及びIgEのような種々の型の免疫グロブリン分子の性質及び機能を模することができる。
本明細書で用いられる「モノクローナル抗体」(mAb)という用語は、実質的に均一な抗体の集団から得られる抗体(又は抗体フラグメント)を意味する。モノクローナル抗体は高度に特異的であり、典型的には1個の抗原決定基に対して指向されている(directed)。「モノクローナル」という修飾語は、抗体の実質的に均一な性質を示し、特定の方法による抗体の生産を必要としない。例えばネズミmAbsを、Kohler et al.著,Nature 256:1975年,495のハイブリドーマ法により作ることができる。受容抗体(典型的にはヒトのような他の哺乳類種)に由来する軽及び重鎖不変領域と一緒に供与抗体(典型的にはネズミ)に由来する軽鎖及び重鎖可変領域を含有するキメラmAbsを、米国特許第4,816,567号明細書に開示されている方法により調製することができる。ヒト以下の供与免疫グロブリン(典型的にはネズミ)に由来するCDRs及び1つもしくはそれより多いヒト免疫グロブリンに由来する分子の残りの免疫グロブリン−由来部分を有し、場合により結合親和性を保存するための改変されたフレームワーク支持残基を有することができるヒト化mAbsを、Queen et al.著,Proc.Natl Acad Sci(USA),86:1989年,10029−10032及びHodgson et al.著,Bio/Technology,9:1991年,421に開示されている方法により得ることができる。
ヒト以下の配列のない完全なヒトmAbsを、例えばLonberg et al.著,Nature 368:1994年,856−859;Fishwild et al.著,Nature Biotechnology 14:1996年,845−851及びMendez et al.著,Nature Genetics 15:1997年,146−156で言及されている方法により、ヒト免疫グロブリン形質転換マウスから調製することができる。例えばKnappik et al.著,J.Mol.Biol.296:2000年,57−86及びKrebs et al.著,J.Immunol.Meth.254:2001年,67−84で言及されている方法により、ヒトmAbsをファージディスプレーライブラリから調製し、最適化することもできる。
本明細書で用いられる「細胞発現レベル」という用語は、細胞がその寿命に及んで発現することができる与えられるタンパク質の量を意味する。そのような量を時間の変化当たりの培地中に存在するタンパク質の量における変化(すなわち「容量生産性」)として記述することができるか、あるいは細胞数に標準化することができる(すなわち「比生産性」)。「容量生産性」は、単位「mg/ml/日」を用いて表すことができ、「比生産性」は、単位「pg/細胞/日」を用いて表すことができる。
本発明は、細胞によるタンパク質の細胞発現の量を改変するのに有用な方法を提供する。本発明の方法の代表的な用途は、治療、診断又は研究目的に有用なタンパク質、例えば抗体に関する発現量の増強である。
高処理量cDNAマイクロアレー分析(microarray analyses)は、種々の高発現性抗体生産細胞系において通常調節される遺伝子の同定のための方法を与える。そのような分析は、高い分泌速度を有する種々のSP2/0及びC463a由来ネズミ骨髄腫細胞系において、すべての既知のネズミ遺伝子の0.1%未満が通常調節されることを明らかにした。分泌白血球プロテアーゼ阻害剤(SLPI)(Genbank
受託番号 NM011414)、CD53(Genbank 受託番号 NM007651)及びトランスフェリン−1(Genbank 受託番号 J03299)タンパク質をコードする遺伝子は、この通常調節される遺伝子の選択セット(select set)に属する。cDNAマイクロアレー分析において、これらの遺伝子は、調べられたSP2/0及びC463a由来の高発現性細胞系において上方調節されることが見出された。これらの遺伝子はすべて、調べられた高発現性細胞系において、親ネズミ骨髄腫細胞系に対して少なくとも1.5倍上方−調節された。
受託番号 NM011414)、CD53(Genbank 受託番号 NM007651)及びトランスフェリン−1(Genbank 受託番号 J03299)タンパク質をコードする遺伝子は、この通常調節される遺伝子の選択セット(select set)に属する。cDNAマイクロアレー分析において、これらの遺伝子は、調べられたSP2/0及びC463a由来の高発現性細胞系において上方調節されることが見出された。これらの遺伝子はすべて、調べられた高発現性細胞系において、親ネズミ骨髄腫細胞系に対して少なくとも1.5倍上方−調節された。
SLPIタンパク質は、サイクリン Dを誘導し、TGF−ベータを下方調節し、且つリシルオキシダーゼをコードする遺伝子の抑制によりRasシグナル伝達経路を介するシグナリングを誘導することにより、細胞増殖を増強する。CD53タンパク質は、タンパク質のテトラスパニン群の細胞表面発現メンバーであり、生存反応を開始させ且つアポトーシスに入る細胞の数を減少させることができると思われる。細胞活性化、イオンチャンネル形成及び小分子の輸送のようなCD53に関する他の機能も示唆された。トランスフェリン−1は主要な鉄輸送タンパク質であり、それは細胞増殖を支持するのに必要な鉄を与える。特定の理論に縛られることは望まないが、出願人らは、SLPI、CD53及びトランスフェリン−1遺伝子の1つもしくはそれより多くの上方調節が、生存できる細胞数を増加させることにより抗体発現を増加させると信じる。
本発明の方法において、細胞中のSLPI、CD53又はトランスフェリン−1より成る群から選ばれる少なくとも1つの分子の活性を調節し、そして細胞を培養することにより、タンパク質の細胞発現速度を改変する。本発明の方法は、抗体のようなタンパク質の細胞発現速度の向上又は低下を与える。
本発明の1つの態様において、SLPI、CD53又はトランスフェリン−1をコードする核酸を用いて細胞をトランスフェクションすることにより、タンパク質の細胞発現速度を向上させる。例えばリポフェクション又はエレクトロポレーションのような標準的な方法あるいは当該技術分野における熟練者に既知のウイルス形質転換により、トランスフェクションを行なうことができる。そのような方法は、安定に又は一過的にトランスフェクションされた細胞を与えることができる。
SLPI、CD53又はトランスフェリン−1親分子と類似の活性を生ずるSLPI、CD53又はトランスフェリン−1タンパク質あるいは核酸配列の変異体も本発明の方法において有用であろう。例えば親分子又は関連するタンパク質の群に少なくとも80%の同一性を有する変異体分子は、類似の活性を有することが予測される。2つのタンパク質配列の間のパーセント同一性は、BLASTPアルゴリズムを用い、フィルタリングを止め、すべての他のデフォールト設定を変えずに決定することができる。ポリペプチドの種々のイソ型、ポリペプチドの優性のネガティブバージョン(dominant negative versions)又はポリペプチドの共有結合的に修飾された形態は、親分子の変異体のいくつかの例である。
本発明の他の態様において、SLPI、CD53又はトランスフェリン−1分子の発現又は活性を減少させることにより、タンパク質の細胞分泌速度を低下させることができる。干渉性RNA(iRNA)分子を細胞に投与することにより、これらの分子の発現又は活性を減少させることができる。iRNA分子は、例えば短い干渉性RNAs(siRNAs)又はアンチセンス分子であることができる。iRNA分子の投与のためのトランスフェクション法のような方法は当該技術分野における熟練者に周知である。
本発明の方法において、代表的な細胞は、抗体を発現できるプラズマ細胞、すなわち分化したB−細胞である。典型的には、プラズマ細胞は、エプスタイン−バールウイルスを
用いるウイルス感染のような標準的な方法あるいは放射線学的又は化学的突然変異誘発のような他の方法により、不朽化される。不朽化プラズマ細胞はガン性であることもでき、動物の腹膜腔内に鉱油又は他の化合物を注入することにより得ることができる。
用いるウイルス感染のような標準的な方法あるいは放射線学的又は化学的突然変異誘発のような他の方法により、不朽化される。不朽化プラズマ細胞はガン性であることもでき、動物の腹膜腔内に鉱油又は他の化合物を注入することにより得ることができる。
本発明の1つの態様において、プラズマ細胞は当該技術分野において「骨髄腫細胞」として既知のものである。当該技術分野において、「骨髄腫細胞」という用語は、複数の骨髄腫を有する生物から得られるかもしくは誘導されるガン性プラズマ細胞ならびにそのようなガン性プラズマ細胞と他の細胞(例えば抗体生産性BALB/cマウス脾臓細胞又は抗体をコードする核酸を用いて安定にトランスフェクションされた真核細胞)の融合から形成されるハイブリドーマ細胞の両方を指す。骨髄腫細胞系の例にはSP2/0(American Type Culture Collection(ATCC),Manasas,VA,CRL−1581)、NSO(European Collection
of Cell Cultures(ECACC),Salisbury,Wiltshire,UK,ECACC No.85110503)及びAg653(ATCC CRL−1580)細胞系が含まれ、それらはマウスから得られた。ヒトから得られる骨髄腫細胞系の例はU266細胞系(ATTC CRL−TIB−196)である。C463a骨髄腫細胞系は、化学的に規定される培地中で生育できるSP2/0由来細胞系の例である。当該技術分野における熟練者は、他の骨髄腫細胞系を認識するであろう。
of Cell Cultures(ECACC),Salisbury,Wiltshire,UK,ECACC No.85110503)及びAg653(ATCC CRL−1580)細胞系が含まれ、それらはマウスから得られた。ヒトから得られる骨髄腫細胞系の例はU266細胞系(ATTC CRL−TIB−196)である。C463a骨髄腫細胞系は、化学的に規定される培地中で生育できるSP2/0由来細胞系の例である。当該技術分野における熟練者は、他の骨髄腫細胞系を認識するであろう。
骨髄腫細胞を用い、抗体のようなタンパク質を生産できるサブクローン又はハイブリドーマを作ることができる。制限連続希釈(limiting serial dilution)又は当該技術分野において周知の他の方法により、サブクローニングを行なうことができる。ハイブリドーマは、例えばKohler et al.著,Nature 256:1975年,495の方法により、又は当該技術分野において既知の他の方法により得ることができる。抗体をコードする核酸配列を含んでなるサブクローン又はハイブリドーマにより、抗体を生産することができる。そのような核酸配列は染色体DNA中に組み込まれているか、あるいは抗体生産性サブクローン又はハイブリドーマ中に染色体外的に存在することができる。
本発明の1つの態様において、骨髄腫細胞は、DNA配列のような核酸を用いて安定にトランスフェクションされる。当該技術分野における通常の熟練者に周知のトランスフェクション、スクリーニング及び選択の方法により、安定にトランスフェクションされた骨髄腫細胞を形成することができる。細胞を安定にトランスフェクションするために用いられるDNA配列を、骨髄腫細胞のDNA中に無作為に組み込むことができるか、あるいは部位−特異的な方法で組み込むことができる。そのようなDNA配列はSLPI、CD53又はトランスフェリン−1分子あるいはSLPI、CD53又はトランスフェリン−1活性を低下させることができるiRNAをコードすることができる。
本発明の方法において、細胞は培養される。細胞を懸濁液中で、又は付着培養物(adherent cultures)として培養することができる。例えばバイオリアクター、細胞バッグ(cell bags)、培養板(culture plates)、フラスコ及び当該技術分野における通常の熟練者に周知の他の容器を含む多様な容器中で細胞を培養することができる。IMDM(Invitrogen,カタログ番号 12440−53)あるいは化学的に規定される培地調製物を含む他のいずれかの適した培地中で細胞を培養することができる。細胞培養に適した周囲条件、例えば温度及び大気組成も当該技術分野における熟練者に周知である。細胞の培養のための方法も当該技術分野における熟練者に周知である。
本発明は、本発明の方法により作られる細胞分泌速度が変化した骨髄腫細胞も提供する。
ここで、以下の制限ではない特定の実施例に言及して本発明を記述する。
高発現性SP2/0由来細胞系におけるSLPI遺伝子転写産物レベル
cDNAマイクロアレー分析は、SLPI遺伝子転写産物レベルが親SP2/0骨髄腫細胞系に対してSP2/0由来高発現性細胞において向上することを示した。この発見を確証するために、高発現性細胞系及び親SP2/0骨髄腫細胞におけるSLPI遺伝子転写産物レベルを、定量的PCR(Q−PCR)を介して評価した。調べられた高発現性細胞系は、ネズミSP2/0骨髄腫細胞系に由来する抗体発現性C128D、C62、C379B、C466D及びC524細胞系を含んだ。細胞は血清を含有する培地中で、標準的な条件下で培養された。
cDNAマイクロアレー分析は、SLPI遺伝子転写産物レベルが親SP2/0骨髄腫細胞系に対してSP2/0由来高発現性細胞において向上することを示した。この発見を確証するために、高発現性細胞系及び親SP2/0骨髄腫細胞におけるSLPI遺伝子転写産物レベルを、定量的PCR(Q−PCR)を介して評価した。調べられた高発現性細胞系は、ネズミSP2/0骨髄腫細胞系に由来する抗体発現性C128D、C62、C379B、C466D及びC524細胞系を含んだ。細胞は血清を含有する培地中で、標準的な条件下で培養された。
図1中の結果は、SLPI遺伝子転写産物レベルが親SP2/0骨髄腫細胞に対してSP2/0由来高発現性細胞系においてより高いことを示す。
高発現性SP2/0由来細胞系におけるCD53遺伝子転写産物レベル
cDNAマイクロアレー分析は、CD53遺伝子転写産物レベルが親SP2/0骨髄腫細胞系に対してSP2/0由来高発現性細胞において向上することを示した。この発見を確証するために、高発現性細胞系及び親SP2/0骨髄腫細胞におけるCD53遺伝子転写産物レベルを、Q−PCRを介して評価した。調べられた高発現性細胞系は、抗体生産の増加する順に、それぞれ7日間の培養中に12mg/L、60mg/L及び110mg/Lの抗体を発現する175a、175−88及び175Gを含んだ。これらの細胞系はネズミSP2/0骨髄腫細胞系に由来した。
cDNAマイクロアレー分析は、CD53遺伝子転写産物レベルが親SP2/0骨髄腫細胞系に対してSP2/0由来高発現性細胞において向上することを示した。この発見を確証するために、高発現性細胞系及び親SP2/0骨髄腫細胞におけるCD53遺伝子転写産物レベルを、Q−PCRを介して評価した。調べられた高発現性細胞系は、抗体生産の増加する順に、それぞれ7日間の培養中に12mg/L、60mg/L及び110mg/Lの抗体を発現する175a、175−88及び175Gを含んだ。これらの細胞系はネズミSP2/0骨髄腫細胞系に由来した。
図2中の結果は、CD53遺伝子転写産物レベルが親SP2/0骨髄腫細胞に対してSP2/0由来高発現性細胞系においてより高いことを示す。さらにこれらの結果は、図2のSP2/0由来細胞系において抗体生産が増加する場合に、CD53遺伝子転写産物レベルが増加する傾向を示す。
高発現性SP2/0由来細胞系における抗体分泌の増加
高発現性SP2/0由来細胞系において、SP2/0親骨髄腫細胞系に対して増加した抗体生産が起こる(図3)。図1及び3の比較は、SLPI遺伝子転写産物レベルにおける倍増加がC128D、C62、C379B、C466D及びC524細胞系の場合に観察される抗体分泌の速度と関連すると思われることを示す。
高発現性SP2/0由来細胞系において、SP2/0親骨髄腫細胞系に対して増加した抗体生産が起こる(図3)。図1及び3の比較は、SLPI遺伝子転写産物レベルにおける倍増加がC128D、C62、C379B、C466D及びC524細胞系の場合に観察される抗体分泌の速度と関連すると思われることを示す。
容量生産性決定のために、細胞を新しい培地中に播種し、振盪フラスコ中で7日間培養した。7日に、標準的なアッセイ法により培地中の抗体濃度を決定した。図3中の結果は抗体生産に関する容量生産性を示し、それは一部には7日の培養期間に及ぶ抗体分泌速度の尺度である。
高発現性C463a由来細胞系におけるSLPI遺伝子転写産物レベル
cDNAマイクロアレー分析は、SLPI遺伝子転写産物レベルが親C463a骨髄腫細胞系に対してC463a由来高発現性細胞において向上することを示した。この発見を確証するために、高発現性細胞系及び親C463a骨髄腫細胞におけるSLPI遺伝子転写産物レベルを、Q−PCRを介して評価した。調べられた高発現性細胞系は、ネズミC463a骨髄腫細胞系に由来する抗体発現性C743b、C744b、C524、C52
6、C893a及びC893c細胞系を含んだ。C463a骨髄腫細胞系は、化学的に規定される培地中で生育できるSP2/0由来細胞系である。細胞は血清を含まない化学的に規定される培地中で、標準的な条件下で培養された。
cDNAマイクロアレー分析は、SLPI遺伝子転写産物レベルが親C463a骨髄腫細胞系に対してC463a由来高発現性細胞において向上することを示した。この発見を確証するために、高発現性細胞系及び親C463a骨髄腫細胞におけるSLPI遺伝子転写産物レベルを、Q−PCRを介して評価した。調べられた高発現性細胞系は、ネズミC463a骨髄腫細胞系に由来する抗体発現性C743b、C744b、C524、C52
6、C893a及びC893c細胞系を含んだ。C463a骨髄腫細胞系は、化学的に規定される培地中で生育できるSP2/0由来細胞系である。細胞は血清を含まない化学的に規定される培地中で、標準的な条件下で培養された。
図4中の結果は、SLPI遺伝子転写産物レベルが親C463a骨髄腫細胞に対して大部分のC463a由来高発現性細胞系においてより高いことを示す。
C463a由来細胞系におけるサブクローン抗体生産が増加する場合にSLPI遺伝子転写産物レベルが向上する傾向
図5中の結果は、それぞれのC463a由来細胞系において抗体生産が増加する場合に、SLPI遺伝子転写産物レベルが向上する傾向を示す。高発現性細胞系及び親C463a骨髄腫細胞(宿主)におけるSLPI遺伝子転写産物レベルをQ−PCRを介して評価した。調べられた高発現性細胞系は、抗体生産の増加する順に、第1抗体(抗体1)発現性「初期」細胞系、「最終的」第1抗体生産性細胞系及び「最終的」第2抗体(抗体2)生産性細胞系を含んだ。これらの細胞系のすべては、ネズミC463a骨髄腫細胞系に由来した。細胞は血清を含まない化学的に規定される培地中で、標準的条件下で培養された。
図5中の結果は、それぞれのC463a由来細胞系において抗体生産が増加する場合に、SLPI遺伝子転写産物レベルが向上する傾向を示す。高発現性細胞系及び親C463a骨髄腫細胞(宿主)におけるSLPI遺伝子転写産物レベルをQ−PCRを介して評価した。調べられた高発現性細胞系は、抗体生産の増加する順に、第1抗体(抗体1)発現性「初期」細胞系、「最終的」第1抗体生産性細胞系及び「最終的」第2抗体(抗体2)生産性細胞系を含んだ。これらの細胞系のすべては、ネズミC463a骨髄腫細胞系に由来した。細胞は血清を含まない化学的に規定される培地中で、標準的条件下で培養された。
高発現性C463a由来細胞系におけるトランスフェリン−1遺伝子転写産物レベル
cDNAマイクロアレー分析は、トランスフェリン−1遺伝子転写産物レベルが親C463a骨髄腫細胞系に対してC463a由来高発現性細胞において向上することを示した。この発見を確証するために、高発現性細胞系及び親C463a骨髄腫細胞におけるトランスフェリン−1遺伝子転写産物レベルを、Q−PCRを介して評価した。調べられた高発現性細胞系は、ネズミC463a骨髄腫細胞系に由来する抗体発現性C743b、C744b、C524、C526、C893a及びC893c細胞系を含んだ。細胞は血清を含まない化学的に規定される培地中で、標準的な条件下で培養された。
cDNAマイクロアレー分析は、トランスフェリン−1遺伝子転写産物レベルが親C463a骨髄腫細胞系に対してC463a由来高発現性細胞において向上することを示した。この発見を確証するために、高発現性細胞系及び親C463a骨髄腫細胞におけるトランスフェリン−1遺伝子転写産物レベルを、Q−PCRを介して評価した。調べられた高発現性細胞系は、ネズミC463a骨髄腫細胞系に由来する抗体発現性C743b、C744b、C524、C526、C893a及びC893c細胞系を含んだ。細胞は血清を含まない化学的に規定される培地中で、標準的な条件下で培養された。
図4中の結果は、トランスフェリン−1遺伝子転写産物レベルが親C463a骨髄腫細胞に対してC463a由来高発現性細胞系においてより高いことを示す。
C463a由来細胞系におけるサブクローン抗体生産が増加する場合に、トランスフェリン−1遺伝子転写産物レベルが向上する傾向
図7中の結果は、それぞれのC463a由来細胞系において抗体生産が増加する場合に、トランスフェリン−1遺伝子転写産物レベルが向上する傾向を示す。高発現性細胞系及び親C463a骨髄腫細胞(「宿主」と標識された棒)におけるトランスフェリン−1遺伝子転写産物レベルを、定量的PCR(Q−PCR)を介して評価した。調べられた高発現性細胞系は、抗体生産の増加する順に、抗体1及び第3抗体(抗体3)発現性「初期」細胞系ならびに「最終的」抗体1及び抗体3生産性細胞系を含んだ。これらの細胞系のすべては、ネズミC463a骨髄腫細胞系(「宿主」と標識された棒)に由来した。細胞は血清を含まない化学的に規定される培地中で、標準的条件下で培養された。
図7中の結果は、それぞれのC463a由来細胞系において抗体生産が増加する場合に、トランスフェリン−1遺伝子転写産物レベルが向上する傾向を示す。高発現性細胞系及び親C463a骨髄腫細胞(「宿主」と標識された棒)におけるトランスフェリン−1遺伝子転写産物レベルを、定量的PCR(Q−PCR)を介して評価した。調べられた高発現性細胞系は、抗体生産の増加する順に、抗体1及び第3抗体(抗体3)発現性「初期」細胞系ならびに「最終的」抗体1及び抗体3生産性細胞系を含んだ。これらの細胞系のすべては、ネズミC463a骨髄腫細胞系(「宿主」と標識された棒)に由来した。細胞は血清を含まない化学的に規定される培地中で、標準的条件下で培養された。
抗体発現レベルへのSLPI、CD53及びトランスフェリン−1特異的干渉性RNAsの影響
SLPI、CD53及びトランスフェリン−1遺伝子転写産物を標的とする干渉性RNA分子は、抗体発現レベルを改変するであろう。Ambionのインターネットに基づくsiRNA Target Finder Tool(www.ambion.com/
techlib/misc/siRNA finder.html)を用いて干渉性RNA分子を設計することができ、且つ商業的に合成することができる。あるいはまた、siRNA転写産物を発現する永久クローンを、pSilencerTM siRNA構築キット(Ambion Inc.,Woodward,TX)を用いて単離することができる。干渉性RNAsをコードする核酸分子を用いる細胞のトランスフェクション又は干渉性RNAの直接の投与により、干渉性RNAsを投与することができる。いずれの方法にも標準的なトランスフェクション法を用いることができる。
SLPI、CD53及びトランスフェリン−1遺伝子転写産物を標的とする干渉性RNA分子は、抗体発現レベルを改変するであろう。Ambionのインターネットに基づくsiRNA Target Finder Tool(www.ambion.com/
techlib/misc/siRNA finder.html)を用いて干渉性RNA分子を設計することができ、且つ商業的に合成することができる。あるいはまた、siRNA転写産物を発現する永久クローンを、pSilencerTM siRNA構築キット(Ambion Inc.,Woodward,TX)を用いて単離することができる。干渉性RNAsをコードする核酸分子を用いる細胞のトランスフェクション又は干渉性RNAの直接の投与により、干渉性RNAsを投与することができる。いずれの方法にも標準的なトランスフェクション法を用いることができる。
SLPI、CD53又はトランスフェリン−1遺伝子転写産物及び発現レベルの増加による抗体分泌速度の向上
細胞中のSLPI、CD53又はトランスフェリン−1の活性を向上させるための過剰−発現又は他の方法は、細胞によるmAbsのようなタンパク質の分泌速度を向上させるであろう。SLPI、CD53又はトランスフェリン−1をコードする発現ベクター構築物を用いてmAb発現細胞系のようなタンパク質発現細胞系をトランスフェクションし、これらのタンパク質の過剰−発現を生ぜしめることができる。個別に又は組み合わせて、これらの発現ベクター構築物を用いて細胞をトランスフェクションすることができる。トランスフェクションの後、標準的な方法を用いて適したタンパク質及び抗体発現レベルを決定することができる。次いでトランスフェクションされた細胞におけるタンパク質分泌速度を、トランスフェクションされない標準細胞の分泌速度と比較することができる。タンパク質分泌速度は、SLPI、CD53又はトランスフェリン−1より成る群からの1つもしくはそれより多い分子を過剰−発現する細胞においてより高いことが予測される。
細胞中のSLPI、CD53又はトランスフェリン−1の活性を向上させるための過剰−発現又は他の方法は、細胞によるmAbsのようなタンパク質の分泌速度を向上させるであろう。SLPI、CD53又はトランスフェリン−1をコードする発現ベクター構築物を用いてmAb発現細胞系のようなタンパク質発現細胞系をトランスフェクションし、これらのタンパク質の過剰−発現を生ぜしめることができる。個別に又は組み合わせて、これらの発現ベクター構築物を用いて細胞をトランスフェクションすることができる。トランスフェクションの後、標準的な方法を用いて適したタンパク質及び抗体発現レベルを決定することができる。次いでトランスフェクションされた細胞におけるタンパク質分泌速度を、トランスフェクションされない標準細胞の分泌速度と比較することができる。タンパク質分泌速度は、SLPI、CD53又はトランスフェリン−1より成る群からの1つもしくはそれより多い分子を過剰−発現する細胞においてより高いことが予測される。
今や本発明を十分に記述したが、添付の請求項の精神又は範囲から逸脱することなくそれに多くの変更及び修正を成し得ることは、当該技術分野における通常の熟練者に明らかであろう。
Claims (12)
- a)細胞中の分泌白血球プロテアーゼ阻害剤(SLPI)、CD53又はトランスフェリン−1より成る群から選ばれる少なくとも1つの分子の活性を調節し;そして
b)細胞を培養する
段階を含んでなるタンパク質の発現レベルの改変方法。 - タンパク質発現レベルを向上させる請求項1の方法。
- SLPI、CD53又はトランスフェリン−1をコードする核酸を用いる細胞のトランスフェクションにより分子を調節する請求項2の方法。
- 核酸がマウスSLPI、マウスCD53又はマウストランスフェリン−1のアミノ酸配列を有する分子をコードする請求項3の方法。
- 核酸がマウスSLPI、マウスCD53又はマウストランスフェリン−1のヌクレオチド配列を有する請求項4の方法。
- 細胞が骨髄腫細胞である請求項1の方法。
- 骨髄腫細胞がSp2/0、NS0、Ag653又はC463aである請求項6の方法。
- 骨髄腫細胞がSp2/0、NS0、Ag653又はC463aに由来するサブクローン又はハイブリドーマである請求項6の方法。
- タンパク質が抗体である請求項1の方法。
- 細胞分泌速度を低下させる請求項1の方法。
- 干渉性RNA又は干渉性RNAをコードする核酸を細胞に投与することにより分子を調節する請求項10の方法。
- a)細胞中の分泌白血球プロテアーゼ阻害剤(SLPI)、CD53又はトランスフェリン−1より成る群から選ばれる少なくとも1つの分子の活性を調節し;そして
b)細胞を培養する
段階により創製される改変されたタンパク質発現レベルを有する骨髄腫細胞。
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