開示された方法及び装置の上述した局面、他の局面、特徴、及び利点は、以下の詳細記載及び添付図面を検討すると明らかになるであろう。添付図面において、同一の参照符号は、同一又は機能的に等価な要素を識別する。
開示した方法及び装置の一つの実施例は、無線通信システムと通信する移動局内のSV位置推算暦を更新する。この移動局は、理論的に位置決めに利用可能なGPS SVの数を決定する。移動局は、利用可能なSVのための衛星位置推算暦を既に受信しているかを判定する。移動局はまた、衛星位置推算暦が、予め定めた期間、有効であるかを判定する。移動局は、有効な位置推算暦データが存在しないSVのために、選択的に位置推算暦を要求する規格準拠位置推算暦要求を生成することができる。移動局はまた、位置推算暦データが、予め定めた期間、有効にはならないであろうSVのために、位置推算暦を選択的に要求することができる。これは、移動局が、既に受信した位置推算暦データを繰り返しダウンロードすることを阻止する。また、移動局が、おそらく位置決めのために利用可能にはならないであろうSV用の位置推算暦データをダウンロードすることを阻止する。
図1は、無線通信システム100の機能ブロック図である。無線通信システム100は、位置決め機能を持つ無線電話システムでありうる。例えば、無線通信システム100は、Telecommunications Industry Association (TIA)/Electronics Industries Alliance (EIA)-95-B、MOBILE STATION-BASE STATION COMPATIBILITY STANDARD FOR DUAL MODE SPREAD SPECTRUM SYSTEMS、すなわちTIA/EIA/IS-2000-5、 UPPER LAYER (LAYER 3) SIGNALING STANDARD FOR cdma2000 SPREAD SPECTRUM SYSTEMSを含むTIA/EIA/IS-2000に従った符号分割多元接続(CDMA)無線システムでありうる。更に、無線通信システム100の位置決め機能は、例えば、TIA/EIA IS-801、POSITION DETERMINATION SERVICE STANDARDS FOR DUAL MODE SPREAD SPECTRUM SYSTEMSに従って動作することができる。この無線通信システム100は、無線CDMA電話システムとして記載されているが、もちろん、CDMAシステムである必要も、電話システムである必要もない。代替システムは、例えば、無線位置決めシステム、Bluetooth(登録商標)通信システム、電気電子技術者協会(IEEE)802.11準拠無線ネットワーク、無線ディスパッチシステム、無線システム等、又は通信のためのその他の手段を含むことができる。
無線通信システム100は、移動局140と通信する基地トランシーバシステム(BTS)110と通信する移動交換センタ(MSC)120を含んでいる。MSC120はまた、位置決めエンティティ(PDE)130とも通信する。このシステム100には、一つのみのMSC120、BTS110、移動局140、及びPDE130が示されているが、システム100は、これら各要素を複数備えていても良く、例えば、BTS110又は移動局140の数は、どのような割合又は数の関係に従って提供される必要はない。
移動局140は、端末、遠隔局、ユーザ機器(UE)、アクセス端末、無線電話、携帯電話、ハンドセット、移動デバイス、移動ユニット、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、コンピュータ等、又は通信のためのその他の手段でありうる。移動局140は、移動式である必要はなく、固定式でもありうる。しかしながら、位置決め機能のための必要性は、めったに位置が変わらない固定端末の場合、大いに減少する。
移動局140は、RF無線トランシーバでありうるトランシーバ142を含む。トランシーバ142は、移動局140が、基地局110から順方向リンク信号を受信することを可能にする。またトランシーバ142は一般に、移動局が、基地局110へ逆方向リンク信号を送信することを可能にする。またトランシーバ142は、位置決めシステムから信号を受信するように設定することもできる。例えば、トランシーバ142は、GPS衛星ビークル(SV)からの信号を受信するように設定することができる。
トランシーバ142は一般に、移動局140によって受信された順方向リンク信号をベースバンド信号に変換する。ベースバンド信号は、位置決め情報のようなデータでありうる。
プロセッサ152は、トランシーバ142に接続され、受信データを処理し、トランシーバ142に関連付けられた機能を実行することもできる。プロセッサ152は、メモリ154に接続されている。プロセッサ152は、メモリ154内にデータを格納し、このデータにアクセスすることができる。プロセッサ152は、メモリ154に格納されたプロセッサ読み取り可能命令に従って動作することができる。
また移動局140は、時間標準に対する時間を追跡することができるクロック144を含んでいる。このクロック144は例えば、GSP時間、CDMAシステム時間、又は万国標準時(UTC)を追跡するために使用することができる。クロック144は、例えば、順方向リンクパイロット信号のような順方向リンク信号の到着時間を決定する場合に使用することができる。
移動局140はまた、GPS SV座標の位置を一般に記述するデータセットである暦146を含んでいる。移動局140は、この暦情報を用いて、各GPS SVの位置を概算する。移動局140は、暦146に格納されたこの情報を、クロック144からのGPS時間の知識とともに用いて、GPS SVの有用性を予測することができる。GPS SVのそれぞれは、この暦データを定期的に送信する。移動局140は、このGPS SV送信を受信し、復号することによって、暦データを直接受信することができる。しかしながら、前述したように、GPS SVからのデータレートは、無線通信システム100を通じて達成可能なデータレートに対して低いかもしれない。従って、移動局140は、代わりに、無線通信システム100内のPDE130から、暦146のためのデータを受信することができる。例えば、移動局140は、PDE130から暦データをダウンロードし、暦146に格納することができる。あるいは、暦146は、メモリ154内に実装することができ、移動局は、メモリ154の予め定めた部分に暦データを格納することができる。
暦146は、各SVの位置を大まかに予測するデータを含んでいる。位置推算暦データは、特定のSVの位置の正確な決定のために暦データを補強するために用いられる。移動局140は、トランシーバ142及びプロセッサ152に接続され、位置推算暦データを格納する位置推算暦モジュール148を含む。暦データと同様に、移動局140は、GPS SVから位置推算暦データを直接受信し、それを位置推算暦モジュール148に格納することができる。位置推算暦モジュール148は、メモリ154の一部として実装することができる。
あるいは、移動局140は、基地局110を経由してPDE130から位置推算暦データを受信することができる。後に更に詳細に記載されるように、移動局140は、利用可能であると判定されたSVのために、位置推算暦データを選択的に要求することができる。位置推算暦データを選択的に要求する移動局の能力は、送信される位置推算暦データの量を最小にする。更に、移動局140における位置推算暦モジュール148と暦146とを組み合わせることによって、移動局140は、移動局140が、基地局110の受信地域の外にある場合、あるいはPDE130と通信していない場合における位置を独立して計算することが可能となる
移動局140は、位置推算暦更新モジュール150も含んでいる。SVによって送信された位置推算暦データは、「位置推算暦の時間」フィールドtoeを含む。位置推算暦の時間は、位置推算暦妥当性の中点を示すタイムスタンプである。一般に、位置推算暦データは、極端な場合、最大6時間有効であるが、位置推算暦データは、4時間有効である。従って、一般に、位置推算暦データは、位置推算暦の時間の前2時間と、位置推算暦の時間の後2時間とからなる期間の間有効である。
位置推算暦更新モジュール150は、定期的に、位置推算暦データの有効性を確認する。例えば、位置推算暦更新モジュール150は、例えば10分毎のように、予め定めた時間間隔で、位置推算暦データの有効性を確認する。あるいは、位置推算暦更新モジュール150は、例えば発信する電話呼び、又は到来する電話呼びのような予め定めた出来事において、位置推算暦データの有効性を確認することができる。他の実施例では、位置推算暦更新モジュール150が、固定、ランダム、又は擬似ランダムの確認、及び更新間隔を生成するアルゴリズムに従って、位置推算暦データの有効性を確認することができる。
確認処理の間、位置推算暦更新モジュール150は、暦146内のデータにアクセスし、どのSVが予め定めたエレベーションマスク上にありそうであるかを判定する。エレベーションマスクは、例えば、利用できそうもないSVを遮断するために使用することができる。利用不可能なSVは、予測された地平線の下にあるか、又は予測された地平線の非常に近くにあるSVを含むことができる。従って、ゼロ度エレベーションマスクは、位置推算暦更新モジュール150によって、どのSVが予測された地平線上にあるのかを判定するために使用することができる。
位置推算暦更新モジュール150はまた、例えばメモリ154に格納されている予め定めた独立時間を使用することもできる。この独立時間は、移動局140が、PDE130からの支援とは独立した位置を正確に判定することができる持続時間を示す。例えば、独立時間は、30分又は60分かもしれない。
位置推算暦更新モジュール150はまた、現在の時間に独立時間を加えたものに等しい将来の時間において、どのSVがエレベーションマスクよりも上にあるかをも判定する。従って、位置推算暦更新モジュールは、どのSVが現在エレベーションマスクよりも上にあり、どのSVが独立時間後にエレベーションマスクよりも上にあるのかを決定することによって、SVのうちのどれが利用可能であるかを判定する。
位置推算暦更新モジュール150は、位置推算暦モジュール148にアクセスし、位置推算暦データが、識別された利用可能なSVのうちの何れかのために、位置推算暦データが利用可能であるかを判定する。有効な位置推算暦データが、識別されたSVのうちの何れかのために利用不可能であれば、位置推算暦更新モジュール150は、位置推算暦データを求める要求を生成する。これは、PDE130へ送信される。有効な位置推算暦データが、SVのために利用可能であるが、独立時間の有効期限前に無効になるのであれば、位置推算暦更新モジュール150は、そのSVのための位置推算暦データを求める要求を生成する。このデータに関連付けられた位置推算暦の時間から120分より長く経過したのであれば、位置推算暦更新モジュール150は、この位置推算暦データはSVについて無効であると判定することができる。
位置推算暦更新モジュール150によって実行されるアルゴリズムの実施例は、以下の擬似符号において要約される。
移動局140は、基地局110と通信している。基地局110は、例えば、BTS、アクセスポイント、中央ディスパッチ等、又は通信するためのその他の集中化された手段でありうる。基地局110と移動局140との間の通信リンクは、一般に無線リンクである。基地局110は、PDE130から要求された位置推算暦データ及び暦データを、一つ又は複数の順方向リンクチャネルによって移動局140へ送信する。移動局140は、暦データ及び位置推算暦データを求める要求を、一つ又は複数の逆方向リンクチャネルで基地局110に送信する。基地局110は、この要求をPDE130に通信する。例えば、基地局110は、TIA/EIA−95−B又はTIA/EIA/IS−2000のような無線通信規格に準拠した無線電話基地局でありうる。
基地局110は、無線通信システム100と、例えば図示していない公衆交換電話網(PSTN)のような外部通信システムとの間のインタフェースとして動作する移動切換センタ(MSC)120と通信している。あるいは、又はそれに加えて、MSC120は、無線通信システム100と、例えばインターネットのようなデータネットワークとの間のインタフェースを提供することができる。
MSC120はまた、PDE130とも通信している。PDE130とMSC120との間のリンクは、無線リンク又は有線リンクでありうる。更には、PDE130は、MSC120と接続して示されているが、PDE130は、基地局110に接続され、PDE130とMSC120との間の通信リンクは、基地局110を介してなされる。その他の構成もまた可能である。PDE130は、暦132、位置推算暦134、位置記録更新モジュール136、及び位置決めモジュール138を含む。
PDE130は、基地局140によって提供された情報の一部に基づいて、移動局140の位置を決定するために使用することができる。例えば、移動局140は、例えばGPS衛星のような複数の位置決めソースに対する擬似範囲を決定することができる。更に、この擬似範囲情報をPDE130に送信することができる。PDEは、その後、位置決めモジュール138において、移動局140の位置を決定することができる。
PDE130はまた、位置決めソースとも通信する。例えば、PDE130は、GPS SVから暦データ及び位置推算暦データを受信するためにGPS受信機(図示せず)を含むことができる。そしてPDE130は、暦132及び位置推算暦134にSVデータを格納することができる。PDE130は、SVとほとんど連続的に通信することができるので、PDE130内の暦132及び位置推算暦134は、おそらく最も新しいデータを含む。更に、PDE130は、一般に、SVによって使用されるレートよりも大きなデータレートで、暦132及び位置推算暦134のデータを移動局140へ通信することができる。従って、移動局140が、PDE130から暦及び位置推算暦のデータを取得することは、SVからこのデータを探索し、取得し、ダウンロードするよりも迅速であるかもしれない。もちろん、暦132は、SVデータに限定される必要は無く、擬似ライトとも称されるその他の位置決め信号ソースのための位置決め情報を含むかもしれない。擬似ライトは、例えば、差分GPS位置決めソース、又はその他の位置決めビーコン又はソースを含むことができる。
位置記録更新モジュール136は、選択的なデータを受信するか、又は移動局140からの要求を記録するように構成することができる。位置記録更新モジュール136は、この要求に基づいて、移動局140によって要求されたSV位置推算暦データを決定することができる。位置記録更新モジュール136は、その後、位置推算暦134にアクセスし、移動局140によって要求された位置推算暦データの少なくとも一部を検索することができる。位置記録更新モジュールはその後、この要求されたデータを持つメッセージを生成し、このメッセージを移動局140に送信することができる。一つの実施例では、位置記録更新モジュール136は、全ての位置推算暦134データを検索し、移動局140がデータを要求していないSVのための位置推算暦データを取り除くためにこのデータを切り捨てる。
移動局140内で実行される位置推算暦更新方法200の実施例が図2に示されている。この方法200は、例えば、図1の無線通信システム100における移動局140によって実行される。この方法200は、移動局がまず暦データを要求するブロック202で始まる。移動局は、暦データ要求メッセージをPDEに送信することができる。移動局は、暦データを定期的に要求するか、又は、イベント発生時に暦データを要求する。例えば、移動局は、電源投入時、又は、移動局が位置決めモードに入るように指示される毎に、暦データを要求するかもしれない。
移動局は次に、この暦データを受信することを待つブロック204に進む。移動局は、PDEから暦データを受信するか、又は、移動局に、暦データを求める要求を繰り返させるその他の表示を受信するかもしれない。
暦データが一旦受信されると、移動局は、自分自身が位置決めモードにあるかを判定する判定ブロック210に進む。位置決めモードは、比較的高速な位置決定を可能にするために、移動局が定期的に位置推算暦を更新する一つ又は複数の動作モードでありうる。例えば、この位置決めモードは、移動局が定期的に位置決めを実行する追跡モードを含むかもしれない。例えば、追跡モードでは、移動局は、10分毎に決定することができる。位置決めモードはまた、暦及び位置推算暦ダウンロードに関連付けられた遅延なく正確な位置決めを可能にするために、移動局が位置推算暦データを更新するステイウォームモードを含むこともできる。
移動局が位置決めモードにないのであれば、移動局は電源が切られるか、又は位置決め機能が停止されうる。この場合、移動局は、ブロック260に進み、この方法が完了する。
移動局が位置決めモードにあるのであれば、移動局はブロック222に進み、SVの位置を決定する。移動局は、SVのおおまかな位置を予測するために、例えば暦データを使用することができる。SV位置を決定した後、移動局はブロック224に進み、移動局は、この位置に少なくとも部分的に基づいて、SVのうちのどれが理論的に利用可能であるかを判定する。SVの利用可能性の移動局の判定は、本当に理論的である。なぜなら、移動局は、その正確な位置、又は移動局の周囲の地形のタイプを知らないかもしれないので、SVのうちのどれが水平線よりも下にあるかを知らないからである。更に、移動局は、SVのうちの一つ又は複数からの信号が閉ざされているか、又は利用可能ではないかを判定できないかもしれない。
移動局は、エレベーションマスクと組み合わせた移動局位置のおおまかな推定に基づいて、SVの利用可能性を判定する。この移動局位置の大まかな推定は、例えば、前の位置決めに基づいて導出されるか、あるいは、基地局の位置、又は移動局が通信しているリピータに基づきうる。エレベーションマスクは、マスクのパラメータ内に無いSVを除外するために使用される。例えば、地平線よりも上にあると予測されるか、又はその他のエレベーションにあるSVのみが、移動局によって、利用可能であると判定される。
利用可能なSVを判定した後、移動局は判定ブロック230に進み、移動局は、利用可能なSVのための格納された位置推算暦データが有効であるかを判定する。移動局は、この位置推算暦データが現在有効であるかを判定し、更に位置推算暦が将来において予め定めた時間、独立時間有効になるかを判定するために、この位置推算暦データに関連付けられた「位置推算暦の時間」を比較する。独立時間は、例えば、20、30、45、又は60分、あるいはその他の時間追加があるかもしれない。一般に、独立時間は、120分未満である。位置推算暦が利用可能な全てのSVに対して有効であれば、移動局はブロック260に進み、この方法は終了する。
しかしながら、位置推算暦が現在有効ではなく、独立時間前に満了になるのであれば、移動局はブロック240に進み、データが有効ではない、または有効でなくなるSVのための位置推算暦を要求する。例えば、移動局は、望まれる位置推算暦データを選択的に要求する規格準拠要求を生成する。移動局は、その後、この要求をPDEに送信する。
移動局は、その後、判定ブロック250に進み、有効な位置推算暦データが受信されたかが判定される。移動局は、PDEからメッセージが受信された場合、検証を実行する。又は、要求を送った後、予め定めたタイムアウト期間、この検証を実行する。
移動局は、PDEから位置推算暦データを要求するが、受信しないかもしれない。これは、例えば、PDEが、要求されたSVのサブセットのためにSV位置推算暦データを送る場合に起こるかもしれない。あるいは、PDEが拒否メッセージを移動局に送るのであれば、移動局は、要求された位置推算暦データを受信しないかもしれない。例えば、SVが水平線よりも下にあり、PDEが現在の位置推算暦を欠くか、またはSVが不健全であるならば、PDEは、移動局への位置推算暦データを拒否するかもしれない。
もしも要求された全てのSVに対する有効な位置推算暦が、移動局によって受信されるのであれば、移動局は、ブロック260に進み、この方法200は終了する。あるいは、移動局が、一つ又は複数の要求されたSVのための有効な位置推算暦データを受信しなかったのであれば、移動局はブロック252に進む。
ブロック252では、移動局は、予め定めた待機期間待ち、その後、有効な位置推算暦が受信されないSVのための位置推算暦データを再要求する予め定めた待機期間は、おおよそ一秒、数秒、又は分のうちの僅かかもしれない。
移動局は、その後、ブロック240に戻り、前にうまく受信されなかった位置推算暦データを再要求する。PDEが、SVのうちの一つが完全ではないと報告すると、移動局がその他のSV位置推算暦データを要求する場合にのみ、移動局は、この完全ではないSVに関連付けられた位置推算暦データを再要求する。この選択的な位置推算暦要求メッセージは、一つよりも多いSVのための位置推算暦データを求める要求が、一つのSVのための位置推算暦データを求める要求と比べて、何ら追加の帯域幅を使わないようになっている。もちろん、基地局が、複数のSV位置推算暦を送信するために必要な帯域幅は、一般に、単一のSVのための位置推算暦データを送信するために必要な帯域幅よりも大きい。
方法200のその他の実施例が想起される。例えば、移動局が暦データを一旦首尾よく受信すると、移動局は、位置決めモードにあるかを知るために定期的に確認し、利用可能なSVのための位置推算暦データを更新する。例えば、移動局は、10分毎に、利用可能なSVを判定し、位置推算暦データを更新する。
別の実施例では、ブロック222において、移動局が先ず、現在の時間で始まる等間隔の予め定めた回数にわたって全ての衛星位置を決定する。この予め定めた回数は、将来における少なくとも独立時間である時間までに、移動局に対して、SV位置を決定することを要求するために十分であるかもしれない。そして、次の位置推算暦更新間隔では、移動局は、将来における独立時間の時間にわたってSV位置の決定を行う必要がある。
図3は、選択的な位置推算暦要求メッセージ内のフィールドの一部を示すテーブルである。移動局は、現在の規格に準拠した選択的な位置推算暦要求メッセージを生成するように構成することができる。例えば、この選択的な位置推算暦要求メッセージは、TIA/EIA/IS−801に準拠しているかもしれない。
TIA/EIA/IS−801規格は、移動局によって送られることができる位置決めデータメッセージ(PDDM:Position Determination Data Message)300を定義する。PDDM300は、位置決めメッセージタイプフィールド、PD_MSG_TYPE 310を含む。これは、位置決めデータメッセージのタイプを識別する。このフィールドの長さは8ビットである。このフィールドのデフォルト値は0X00である。ここで「0X」は、16進法の数を示す。しかしながら、規格は、製造者特有のPDDM定義を与える。例えば、0XC0の値は、製造者所有物メッセージを表しているかもしれない。
REQ_TYPE 320フィールドは、移動局によって要求されるデータタイプを識別する。REQ_TYPE値が“1001”であるときは、GPS位置推算暦が要求されていることを示している。しかしながら、REQ_TYPEが、上で識別された、予め定められた製造者所有物PD_MSG_TYPE値と連携して用いられるとき、メッセージは、この要求が、選択的なSV位置推算暦要求メッセージであることを示しうる。このメッセージは、PDDM300のREQ_PAR_RECORD 340フィールド内で要求されたSV特有の位置推算暦を示しうる。
REQ_PAR_RECORD 340フィールドは、40ビットの長さを持つ。この40ビットの値は、要求されたSV位置推算暦を記述する。REQ_PAR_RECORD 340フィールドは、AB_PAR_REQ 342、SV_MASK 344、及び予備346の各フィールドを含むサブフィールドを含む。AB_PAR_REQ 342は、ほんの1ビット長であり、移動局が、アルファ/ベータパラメータを要求しているかを示す。アルファ/ベータパラメータが要求されるならば、移動局は、このフィールドを“1”に設定し、そうでない場合には、移動局は、このフィールドを“0”に設定する。
<アルファ/ベータパラメータの定義>
SV_MASK 344サブフィールドは、32ビット長である。
このサブフィールドの値は、位置推算暦が要求されるGPS衛星のサブセットを示す。最下位ビットであるビット0は、SV 1を示し、最上位ビットであるビット31は、SV 32を示す。一つの実施例では、ビット値1は、SVが要求されているデータを示す。
REQ_PAR_RECORD 340フィールドはまた、予備346である7ビットをも含む。この予備ビットは、将来の定義及び拡張を考慮している。移動局は、予備346のビットを“0000000”に設定する。予備ビットは、例えば、位置推算暦データが利用可能なGPS SV以外のソースがあるのであれば、SV_MASK 344サブフィールドに追加される。
選択的な位置推算暦要求メッセージを受信するPDEは、余計な提供GPS位置推算暦メッセージを持って応答する。しかしながら、この応答メッセージでは、PDEが、PDDM300メッセージのSV_MASK 344サブフィールド内で要求されていないSVのためのデータを切り捨てるかもしれない。
従って、移動局内において、位置推算暦データを選択的に更新するための方法及び装置が説明された。方法は、移動局が、位置推算暦データを選択的に要求し、受信することを可能にする。位置推算暦データの選択的な要求及び送信は、移動局と基地局との間の通信帯域幅の最適化を考慮している。なぜなら、繰り返される位置推算暦データは、利用可能ではないSVのためのデータと同様に、通信メッセージから除外されるからである。
従って、移動局は、利用可能なSVのための位置推算暦データをダウンロードし、このシステムを用いて、通信リンクと独立した位置を決定する。選択的な位置推算暦要求は、現在存在する規格に準拠するように構成することが可能である。これによって、この方法及び装置が、既存のシステムに実現されることを可能にする。
本方法及び装置は、無線電話システム、特に位置決めのためにGPS衛星を利用するCDMA電話システムに関連して説明されたが、本方法及び装置は、その他のタイプのシステムでも実現することができる。SVはGPS SVに限定されず、衛星である必要も無く、ソース位置が変化するいかなるタイプの位置決め信号ソースでもありうる。例えば、衛星は、グローバル・オービティング・ナビゲーション・サテライト・システム(GLONASS)衛星ビークルかもしれない。
電気接続、結合、及び接続が、種々のデバイス又は素子に関して説明された。
接続及び結合は、直接的又は間接的であるかもしれない。第一のデバイスと第二のデバイスとの間の接続は、直接的な接続であるかもしれないか、又は全く間接的な接続かもしれない。間接的な接続は、第一のデバイスから第二のデバイスへの信号を処理する挿入された素子を含んでいるかもしれない。
信号又は処理フローが、種々の処理、方法、又はフローチャートに関連して説明された。一つのステップ又はブロックから次へのフローは、直接的であるか、又は間接的でありうる。間接的な接続は、次のブロックの前に、一つのブロックからの信号を処理する挿入されたブロックを含みうる。更に、図示したブロック又はステップの構成は、必ずしも順番で示しているわけではない。ブロック、処理、ステップ、または方法は、幾つかの例では、この処理又は方法の結果に影響を与えることなく再要求されうる。
当技術分野における熟練者であれば、これら情報および信号が、種々異なった技術や技法を用いて表されることを理解するであろう。例えば、上述した記載の全体で引用されているデータ、指示、命令、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場または磁性粒子、光学場または光学微粒子、あるいはこれら何れかの組み合わせによって表現されうる。
これら熟練者であれば、更に、ここで開示された実施例に関連して記載された様々な説明的論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップが、電子工学ハードウェア、コンピュータソフトウェア、あるいはこれらの組み合わせとして実現されることを理解するであろう。ハードウェアとソフトウェアとの相互互換性を明確に説明するために、様々に例示された部品、ブロック、モジュール、回路、およびステップが、それらの機能に関して一般的に記述された。それら機能がハードウェアとして又はソフトウェアとして実現されているかは、特定のアプリケーション及びシステム全体に課せられている設計制約に依存する。熟練した技術者であれば、各特定のアプリケーションに応じて変更した方法で上述した機能を実施しうる。しかしながら、この適用判断は、開示した方法及び装置の範囲から逸脱したものと解釈されるべきではない。
ここで開示された実施例に関連して記述された様々の説明的論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、アプリケーションに固有の集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)あるいはその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートあるいはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア部品、又は上述された機能を実現するために設計された上記何れかの組み合わせを用いて実現又は実行されうる。汎用プロセッサとしてマイクロプロセッサを用いることが可能であるが、代わりに、あらゆるプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、あるいは状態機器を用いることも可能である。プロセッサは、たとえばDSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアに接続された1つ以上のマイクロプロセッサ、またはこのような任意の構成である計算デバイスの組み合わせとして実現することも可能である。
ここで開示された実施例に関連して記述された方法やアルゴリズムのステップは、ハードウェアや、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールや、これらの組み合わせによって直接的に具現化される。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM、あるいは当該技術分野で知られているその他の型式の記憶媒体に収納されうる。好適な記憶媒体は、プロセッサがそこから情報を読み取り、またそこに情報を書き込むことができるようにプロセッサに結合される。または、記憶媒体はプロセッサに不可欠でありうる。このプロセッサと記憶媒体は、ASIC内に存在することができる。
上記で開示された実施例における上述の記載は、当該技術分野におけるいかなる熟練者であっても、本発明の活用または利用を可能とするように提供される。これらの実施例への様々な変形例もまた、当該技術分野における熟練者に対しては明らかであって、ここで定義された一般的な原理は、本発明の主旨または範囲を逸脱せずに他の実施例にも適用されうる。このように、本発明は、ここで示された実施例に制限されるものではなく、ここで記載された原理と新規の特徴に一致した最も広い範囲に相当するものを意図している。