JP2007521452A - 燃料電池に供給するための水素貯蔵装置、およびこれを包含する自動車 - Google Patents

Abstract

本発明は、少なくとも１つの金属遮蔽壁（３、４）を内蔵する発泡体（２）から作製される軽量の絶縁殻を含む液体水素タンク、および燃料電池（１１）の水素入口に接続され、遮蔽壁（３、４）と熱交換関係にある少なくとも１つの部分（１４、１３）を有するガス状水素排出回路（８）を含み、後者は、同様に、燃料電池（１１）により電流を供給される電気冷却機（１５）の低温部（１６）と熱交換関係にあるように位置する、特に自動車両のための燃料電池（１１）に供給するための、水素貯蔵装置に関する。本発明は、燃料電池の電力により電力を供給される自動車に適用できる。

Description

本発明は、特に燃料電池に供給するための、より特には自動車用途のための、水素貯蔵装置に関する。

車両搭載用途では、車内電力の推進または発生に用いられるか、またはそれに関与する内燃機関および／または燃料電池に供給するために用いられる水素は、ガスの形態または液体の形態で貯蔵される。

ガスの形態における貯蔵は、非常に高い圧力を必要とし、燃料タンクの重量の増加と、タンクの定められた形状を必要とする。

液体の形態における貯蔵は、低圧下、大気圧付近での貯蔵を可能にするが、タンク内の液体を２０Ｋ付近の温度に保つための完璧な断熱を必要とする。これまでは、真空ジャケットを有する、一様に精巧にされ、定められた形状を有するタンクが用いられてきており、これは、製造コストをかなり上昇させる。

本発明の目的は、効率がさほど高くない断熱材が備わっており、従って、より利用しやすく、組み立てるのに経済的であるが、液体低温流体からの利益を享受するために、大気圧付近の圧力での適切な低温の維持を保証する軽量タンクを用いることができる、低コストの貯蔵装置を提供することである。

この目的を達するために、本発明によれば、装置は、少なくとも１つの第１の金属遮蔽壁（metal screen）を内蔵する気泡材料から成る絶縁ジャケットを有する液体水素タンク；液体水素を抽出するためのパイプライン；燃料電池の水素入口に接続され、上記第１の遮蔽壁と熱交換関係にある少なくとも１つの部分を有する、ガス状水素を排出するための回路；および燃料電池に接続され、少なくとも上記第１の遮蔽壁と熱交換関係にある少なくとも１つの低温部分を有する電気冷却機を備える。

本発明の他の特徴によれば、
タンクは、ガス状水素を排出するための回路の一部分と熱交換関係にある、少なくとも１つの第２の熱遮蔽壁も有し、
熱遮蔽壁の少なくとも１つは、対応する熱遮蔽壁と熱交換関係にある、ガス状の水素を排出するための回路部分の少なくとも１つの部分を構成するトラフに変形された領域を有利には有する、少なくとも２つの金属板のサンドイッチ状組立体から成る。

本発明は、また、上記のタイプの水素貯蔵透視を有する車に関し、燃料電池は、有利には、上記車の推進に関与する。

本発明の他の特徴および利点は、添付した図面に関してなされる、例として挙げられ決して制限されない態様の以下の記載から明らかになるであろう。図中、
図１は、本発明による装置のタンクについての横断面における線図であり、および
図２は、本発明による熱遮蔽壁の態様の透視図および一部分。

図１に図式的に示された装置は、少なくとも１つの、有利には少なくとも２つの、つまり、外側の熱遮蔽壁３および内側の熱遮蔽壁４が内蔵されている、参照番号２により一般的に示される、固有の安定性を有する殻の形をした多層構造の熱可塑性発泡体から形成される集合体からその壁が成る、参照番号１により一般的に示されるいずれもの形のタンクを備える。発泡体の材料は、有利には、独立気泡ポリウレタン発泡体である。遮蔽壁の材料は、有利には、銅またはアルミニウムに基づく伝導性金属合金である。

内部遮蔽壁４を、圧力に抵抗する囲いとして働くように配置するとよい。この場合において、絶縁体２の内部絶縁層は、タンク１の内部空洞５中の液体水素に直接接しており、これは、６のような内部金属囲いを取り付けることを省くことを可能にする。タンク１には、慣習的に、バルブを備える、液体水素を排出するためのパイプライン７が、発泡体の厚みを貫通して備わっている。

本発明の１つの特徴によれば、タンク１は、タンクの上部に浮かぶ内部末端９、端子１２に電力を提供する燃料電池１１の水素導入口に接続されている外部末端１０を有する、液体水素の上部に存在するガス状水素を排出するための回路８をさらに含む。回路８は、有利には、空洞５の圧力が、設定した最大値、一般的に約３．５ｂａｒに達した際に、大気にガス状水素を排出するための圧力逃しバルブを含む。

回路８は、内部の遮蔽壁４に沿って走り、これと熱交換関係にある内部部分１３、並びに外側の遮蔽壁３に沿って走り、これと熱交換関係にある下流部１４を含む。

本発明の他の特徴によれば、電池１１の出力端子１２において得られる電力を供給される、例えば、スターリング（Stirling）またはブライトン（Brighton）パルスチューブタイプの冷却機１５をタンク１に繋ぎ（有利には、後者上に搭載され）、その低温末端１６は、少なくとも外側の遮蔽壁３と熱交換関係の状態になるように、貯蔵容器１の発泡体ジャケットに入り込んでいる。熱遮蔽壁３および４は、回路８により排出されるガス状水素により持続的に冷却され、さらに、タンク１において蒸発し、燃料電池１１に送り込まれるガス状水素により「提供」される電力を使用する冷却機１５により、少なくとも一時的に冷却されるということが、上記から理解されるであろう。

従って、本発明による装置は、（例えば、既知の技術により多くの多層構造を慎重に適用していく代わりに、単に発泡体を吹き付けることによって）低製造コストでもって、（圧力に供されないので）自由な形態を有するタンク１を容易に形成することができ、従って、車において利用できる空間に最も適切に組み込むことができ、並びに真空を作り出し、および真空を維持することを確認するための、長くて高価な従来の操作を回避することができる。さらに、真空が存在しないために、局部的な衝撃を受けた場合にもタンクの熱的性能が著しく低下せず、このようにして、車の高められた安全性が保証される。

熱遮蔽壁３および４を、典型的に、薄いアルミニウム板および／または銅板を組み合わせることにより作製する。本発明の１つの特徴によれば、図２に示されるように、熱遮蔽壁、この場合遮蔽壁３は、３つの金属板３１、３２および３３の組立体から成り、外板３１および／または３３の少なくとも１つを、ガス状水素を排出するための回路８の部分１４を少なくとも部分的に構成する通路１４Ａ、１４Ｂを、内板３２と共に、または内板３２が長手方向の凹所３６を有する場合には外板３３と共に形成しているトラフ３４、３５の形態の長手方向のひずみを有するように、エンボス加工する。この配置は、別個のチューブと熱遮蔽壁との間の接合問題を回避し、循環ガスと遮蔽壁との間の熱交換関係を大いに促進し、および後者を強化する。

本発明を、特定の態様に関して記載したが、本発明はこれにより制限されず、特許請求の範囲の内容の範囲内で、当業者には明らかであろう改変および変形を受けやすい。

本発明による装置のタンクについての横断面における線図。 本発明による熱遮蔽壁の態様の透視図。

Claims (9)

1. 少なくとも１つの金属遮蔽壁（３）を内蔵する、気泡材料から作製される絶縁ジャケット（２）を有する液体水素タンク（１）、
   液体水素を抽出するためのパイプライン（７）、
   燃料電池（１１）の水素入口に接続され、および前記第１の遮蔽壁と熱交換関係にある少なくとも１つの部分（１４）を有する、ガス状の水素を排出するための回路（８）、
   前記燃料電池（１１）に接続され、および少なくとも前記第１の遮蔽壁（３）と熱交換関係にある少なくとも１つの低温部（１６）を有する電気冷却機（１５）
   を備える水素貯蔵装置。
2. 前記タンクが、前記排出回路（８）の一部分（１３）と熱交換関係にある、少なくとも１つの第２の熱遮蔽壁（４）を有することを特徴とする請求項１に記載の装置。
3. 前記第２の熱遮蔽壁（４）が、前記第１の熱遮蔽壁（３）の内側に位置することを特徴とする請求項２に記載の装置。
4. 前記第２の熱遮蔽壁（４）が、固有の安定性を有する囲いであることを特徴とする請求項３に記載の装置。
5. 前記絶縁ジャケット（２）が、ポリウレタン発泡体の少なくとも２つの層から成ることを特徴とする請求項１〜４のいずれか一項に記載の装置。
6. 前記第１のおよび第２の熱遮蔽壁（３；４）のうちの少なくとも一方が、少なくとも２つの金属板（３１、３２）の組立体から成ることを特徴とする請求項２〜５のいずれか一項に記載の装置。
7. 前記遮蔽壁（３；４）と熱交換関係にある前記回路（８）の部分（１４；１３）の少なくとも１つの部分（１４Ａ；１４Ｂ）が、前記板（３１；３２）のトラフ（３４；３５）に変形された領域から構成されることを特徴とする請求項６に記載の装置。
8. 請求項１〜７のいずれか一項に記載の水素貯蔵装置を備える車。
9. 前記燃料電池が、前記車両の推進に関与することを特徴とする請求項８に記載の車。

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