JP2007516238A - 可変性外観組織マーキング - Google Patents

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Abstract

本発明は、可変性外観特性を持つ入れ墨を含むがこれに限定されない永久的組織マーキングを作製する粒子を提供する。また、本発明は、これらの可変性外観組織マーキングを作製、埋め込み、変更および除去するための方法を提供する。

Description

発明の分野
本発明は、入れ墨を含むがこれに限定されない、永続的可変性外観組織マーキングに関する。また、本発明はこれらの組織マーキングの作成、埋め込み、変更および除去のための方法を提供する。
優先権の主張
本出願は、35 USC §119 (e)に基づき、2004年11月12日に出願され、その全内容が参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願第60/519,459号に対する優先権を主張する。
発明の背景
入れ墨は、歴史全体を通じてほぼすべての文明において用いられてきた。入れ墨は5000年前の人体のミイラに見出されており、装飾を施された小立像からは少なくとも15000年前にそれらが使用されていたことが示唆されている。入れ墨は、アイデンティティー、美しさ、芸術および精神の表現、医学および奇術を含む多くの目的のために使用されている。
米国では、入れ墨に関する統計学は行われていないが、過去数十年の間に明らかに入れ墨人気が高まっている。入れ墨の大部分は、明らかに、顕著な割合のティーンエージャーを含めて、40歳未満の人によって得られている。毎年、推定200万人が入れ墨をする。
今日、米国では、入れ墨の使用は、よく見られる芸術的入れ墨ばかりでなく、永久メークアップ(例えば、永久的な眉、アイライナー、リップライナーおよびリップカラー);矯正的または再建的着色(例えば、瘢痕組織の再着色、または乳房切除患者における乳輪再建術);医学分野でのマーキング(例えば、将来的なモニタリングのための消化管外科手術部位のマーキング、または放射線照射治療のための照射位置のマーキング);および動物の識別マーキング(例えば、純系ペットの血統の「タグ」)も含む。
入れ墨操作は、液体の担体に懸濁した色素の小粒子を含むインクを導入するための、針または同等の器具を用いて皮膚またはその他の組織を刺す段階からなる。治癒の過程で、色素の一部の粒子は皮膚表面から流出し、その他はリンパ系に輸送される。入れ墨として見えるのは、(線維芽球およびマクロファージのような)食作用性皮膚細胞によって貪食されるまたは細胞外マトリックスに留まる真皮に位置する色素の残留粒子である。
入れ墨は、典型的には、マイクロメーターまたはマイクロメーター未満の大きさの不活性かつ不溶性の粒子からなり、これらは皮膚の真皮層に保持される。永久的入れ墨を作成するためには、例えば、生組織によって溶解または消化されない色素を埋め込まなければならない。または、分散性の色素を米国特許第6,013,122号に開示されるような適切なサイズの粒子内にカプセル化してもよい。これらの粒子は、特定の型のエネルギーを適用することによって不可視化され得るように設計することができる。
初期の色素は、多分、グラファイトおよびその他の炭素含有物質から構成された。最新の色素は、無機金属塩および明るい色の有機金属複合体を含む。
典型的には、入れ墨は通常の照明条件下で可視性である。しかし、米国特許第6,013,122号に開示されるように、入れ墨には、通常は実質的に不可視性であるが紫外線(UV)に曝露されると光を発する蛍光またはリン光色素が含まれ得る。蛍光およびリン光は励起源よりも長い波長(低い周波数)で電磁波を放出するので、蛍光またはリン光性物質はUV電磁波の周波数を可視性の色にダウンコンバートする。
真皮に残留する粒子は、典型的には、皮膚の光学的特性に影響を及ぼすことによって入れ墨を形成する。皮膚の色(明るさ、色相および彩度)は、光の分散および吸収の組み合わせによって生じる。皮膚から戻ってくる可視光の大半は、皮膚のコラーゲン線維から散乱した多重散乱光子からなる(R.R. Anderson et al., 「Optics of Human Skin」、J. Invest. Dermatol. l981; 77: 13-19)。皮膚表面からの反射率は、典型的には4〜7%ほどの絶対反射率を含むが、入射角および視野角によって変化する。皮膚反射率のこの小さなコンポーネントが、皮膚表面構造である「グレア」、「油性」などの見え方をほぼ決定する(R.R. Anderson,「Polarized Light Examination and Photography of the Skin」、Arch. Dermatol. 1991; 127: 1000- 1005)。対照的に、皮膚から反射する可視光の大半は真皮から多重散乱して、このコンポーネントはランバート、即ち、ほぼ完全分散である。ランバート反射体は、いくつかのコンターキュー(contour cues)を与える入射角の余弦に比例する絶対反射率を示す。
公知の入れ墨は可視光の一定の波長帯を吸収することによって皮膚光学に影響を及ぼし、それによって、これらの波長での皮膚の反射率を低下させて皮膚の色を変化させる。
発明の概要
本発明は、周波数のアップコンバート、条件依存性の外観および/または逆反射特性を持つ可変性外観組織マーキングを提供する。本発明に基づく組織マーキングは、永久的または予め除去可能であるように設計される入れ墨であることができる。また、本発明に基づく組織マーキングは、自然に、または予め定められた方法のいずれかで、時間を通して分解することができる。
一部の態様において、本発明の可変性外観マーキングは一定の条件下でのみ可視化するか、またはそうでなければ外観を変化させることができる。これらのマーキングのための材料は、マーキングが皮膚と溶け合って、一定の刺激に反応した場合にのみ可視化するまたは外観を変化させるように選択することができる。例えば、周波数をアップコンバートする組織マーキングは、刺激となる放射が中断すると可視光の放出を停止し得る。
様々な種類の可変性外観組織マーキングに関連して実質的な恩典がある。例えば、周波数をダウンコンバートする蛍光またはリン光マーキングとは対照的に周波数をアップコンバートする組織マーキングは、視認または「判読」されるためには、例えば、近赤外線レーザーまたは近赤外線発光ダイオード(LED)など、特定の波長を発する明るい光学的ソースが必要である。周波数アップコンバート組織マーキングは、一つの短い波長の光子の放出を励起するために、2つまたはそれよりも多い光子の赤外線を利用する。従って、周波数をアップコンバートした放出の強度は、典型的には赤外線励起の強度の二乗またはそれよりも高い力の比例する。この動態は、徹底して、大半の環境ソースのような赤外線の低強度ソースがアップコンバートされた強力な放出を励起しない。
一方、蛍光およびリン光放出は一光子励起プロセスによって刺激される。蛍光およびリン光放出強度は、一般に、励起の強度に比例する。蛍光およびリン光マーキングは、単純に、紫外線を用いた蛍光またはリン光放出の励起によって視認または判読され得る。従って、蛍光アップコンバートマーキングは、望ましくは、選択的な識別または方法のために使用され得る。
例えば、メタクロマジー特性を示す条件依存性の外観組織マーキングは、異なる色素の凝集に対応して可逆性に暗色化したり変色したりすることができる。
本発明は、組織(典型的には皮膚のような生組織)において(入れ墨のような)可変性外観マーキングを提供する。これらのマーキングは、予め変化するように、望ましければ要求に応じて除去されるように選択および/または設計される。これらのマーキングは、可変性外観材料からなるまたは可変性外観材料を含む非分散性粒子を用いて作成される。マーキングは、可変性外観特性を持つ粒子を含むことができる。可変性外観組織マーキングのための粒子は、組織マーキングを変化および/または除去するために、(特定の電磁波のような)特定のエネルギーへの曝露によって粒子の外観を変化させる(電磁および/または構造特性のような)一つまたは複数の特別な性状を持つように設計され得る。
一般に、本発明は、一定の条件への曝露によって外観を変化させる可変性外観組織マーキングを作成するための方法、粒子およびインクを特徴とする。本発明に基づく可変性外観マーキングは、周波数のアップコンバート、条件依存性の外観および/または逆反射特性を持つマーキングである。しかし、例えば、Klitzmanらに対する米国特許第6,013,122号、および米国特許出願第09/197,105号に記載されるような周波数をダウンコンバートする蛍光およびリン光の入れ墨のインクおよび粒子、ならびに例えば、Carrollに対する米国特許第6,470,891 B2号に記載されるような光互換性の入れ墨のインクおよび粒子は、本発明の可変性外観組織マーキングではないと考えられる。
周波数アップコンバート組織マーキングは、励起周波数よりも高い周波数で電磁波を放出する。条件依存性外観組織マーキングは、それらの酸化状態の変化またはメタクロマジーを介して外観を変化させるマーキングである。逆反射性組織マーキングは、入射腔の一部を光線に沿って、照射源に向けて直接逆方向に反射する。
本発明に基づく一定の組織マーキングは、需要に応じて、それぞれ、可変性外観材料を含む粒子、および粒子が変化して特定のエネルギー(例えば、近赤外線(近IR)、赤外線(IR)、近紫外線(近UV)、または高輝度可視光のような電磁波)に曝露された際に光の放出または分解を引き起こすることができるように設計された粒子を得ることによって、除去することができる。
一部の態様において、粒子はそれぞれ、非分散性の生物学的に不活性な亜粒子(sub-particle)を含み、亜粒子は可変性外観材料を含む。本発明は、それらの形成、適用、変更および除去のための方法も特徴とする。
いくつかの態様において、可変性外観粒子は周波数アップコンバートまたは条件依存性の外観材料を用いた材料から作成することができる。いくつかの態様において、可変性外観粒子は、物理的形状、サイズ、および粒子が逆反射を示すために十分な屈折率を持つ材料から作成することができる。
逆反射特性を示す可変性外観組織マーキングにおける使用のための粒子は、例えば、球形、コーナーキューブ、立方晶または立方晶断片形であることができる。球形粒子について、可変性外観材料は、好ましくは約1.6よりも大きい、より好ましくは約1.6〜約2.4の屈折率を持つ。この材料は非分散性であってよい。球形粒子は、その球体が埋め込まれる組織におけるおおよその光の波長よりも大きい任意の移植可能なサイズであり得て、好ましくは、この波長よりも小さいまたは等しいないし約10倍である。
球形粒子は、例えば、特定の材料を融解して、融解した材料をディスクにセットし、そのディスクを素早く回転させる(つまり、遠心分散)によって作成することができる。球体は、例えば、遠心分離または濾過によって分別され得る。
本発明は、可変性外観組織マーキングにおける使用のための粒子を作成する方法を含む。方法は、コアのエアロゾル化小滴または粒子、およびコーティング材料を衝突させる段階;ならびにコアに可変性外観材料が含まれるコーティング材料を硬化させる段階を含むことができる。または、方法は、コーティング材料におけるコア材料の乳濁液を真空、気体または液体中に噴霧化する段階;およびコア材料に可変性外観材料が含まれるコーティング材料を硬化させる段階を含むことができる。もう一つの態様において、方法は、固い外殻を形成するために可変性外観材料を含む固形コア粒子に気体またはプラズマ相のコーティング材料を沈着させる段階を含む。その他の方法は、コア材料およびコーティング材料を含む混合物を同一または異なる乳濁相として調製することによって重合または分離を介してコアの周囲にコーティングのマイクロカプセルを形成する段階;およびコアが可変性外観材料を含むマイクロカプセルを分離する段階を含む。方法は、約1.6よりも大きい、例えば約1.6〜約2.4の屈折率を持つ材料を提供する段階;および可変性外観組織マーキングが逆反射性であるように、直径がマーキングされる組織内での光のおおよその波長よりも大きい、例えば、波長の約1倍〜約10倍の材料を含む球体を作成する段階をさらに含むこともできる。
いくつかの態様において、球体は遠心分散によって、例えば、材料を融解する段階;融解した材料をディスクにセットする段階;およびディスクを回転させる段階によって形成される。この方法は、形成された球体を、例えば遠心分離または濾過によって分別する段階を含むことができる。
一部のその他の態様において、粒子はそれぞれ、(i)コーティング、好ましくは非分散性、不溶性および/または実質的に生物学的に不活性なコーティング、(ii)コーティングに内包されたコアであって、可変性外観材料、好ましくは一定の条件下においてコーティングを通して検出可能であり、粒子からの放出によって組織に分散可能である可変性外観材料を含むコア、および任意で(iii)特定のエネルギーを吸収して、コーティングおよび/またはコアに分布する吸収コンポーネントを含む。特定のエネルギーの吸収は、例えば、粒子を破壊して可変性外観材料を放出し、それが組織内に分散し、それによって検出可能な可変性外観組織マーキングを変更もしくは除去、または双方が可能である。
例えば、分散性材料は組織内に放出されると溶解または代謝されることができて、または該材料は不溶性で、組織内に放出された際に生物学的プロセスによってマーキングから物理的に移動するようなサイズおよび配置を持つことができる。このような分散性の可変性外観材料は、例えばメチレンブルーまたはフェノチアジニウム(phenothiazinium)色素のような可溶性の発色団または色素であり得る。フェノチアジニウム色素は、色素の濃度および凝集に依存するメタクロマジーと呼ばれる変色特性を示す。その他の化合物も、コア内で凝集するとカラーシフトを示し得る。可逆性または不可逆性であり得る酸化-還元反応も外観の変化を引き起こすことができる。例えば、メチレンブルーは容易に可逆性の酸化-還元を起こして、この過程で青から透明な材料へと変化する。
もう一つの態様において、コーティング、可変性外観材料、もしくは自由選択の吸収コンポーネント、またはそれらの任意の組み合わせが特定の電磁波を吸収する。コーティングは、金属酸化物、シリカ、ガラス、フッ素樹脂、有機ポリマー、ワックス、またはそれらの組み合わせから作成される、またはそれらを含むことができる。コーティングは実質的に見かけ上、透明であることができて、例えば、約750nm〜約2000nmの波長の近IR放射を吸収することができる。吸収コンポーネントは、着色したフィルターガラス、グラファイト、カーボン、金属酸化物、アクリル酸塩ポリマーもしくはウレタンポリマーである、またはそれらを含むことができる。コーティングは、それ自体が近IR、IR、近UV、または高輝度可視光線を吸収する、または吸収する吸収コンポーネントを含むことができる。
もう一つの態様において、コーティングは、組織マーキングが所与の時間後に検出可能でないように、分散性の可変性外観材料が例えば数週間または数カ月の期間を通して粒子から浸出できるための十分な大きさの孔を含むことができる。一つの態様において、粒子の埋め込み後ゆっくりと薄くなるこのような組織マーキングは特定のエネルギーへの曝露後直ちに除去することもできる。粒子は、一つのコーティングに内包された多数のコアを含むこともできる。本発明は、それらの形成および使用のための方法も特徴とする。
一つに態様において、粒子は(i)コーティング、好ましくは非分散性および/または実質的に生物学的に不活性なコーティング、(ii)コーティングに内包されたコアであって、可変性外観材料を含むコア、および任意で(iii)特定のエネルギーを吸収する、コーティングもしくはコア、または双方に分布する吸収コンポーネントを含む。可変性外観材料は、粒子の特定のエネルギーへの曝露によってその可変性外観特性が変化し、それによってマーキングを変更または除去するように選択することができる。本発明は、粒子の形成および使用のための方法も特徴とする。この態様において、可変性外観材料は分散性である必要はなく、粒子は必ずしも破壊されるとは限らない。
例えば、粒子は、特定のエネルギーに曝露されて可変性外観特性を消失することによって変化することができる。粒子は、粒子の特定のエネルギーへの曝露によって亜粒子から放出され、それによってマーキングの可変性外観特性を変化させる中和剤を持つ亜粒子をさらに含むことができる。この物質は、例えば、化学的漂白(酸化)物質であることができる。可変性外観材料はpH感受性であることができ、この物質は酸、塩基、またはコア内のpH推移に影響を及ぼすことができて材料を変化させて組織マーキングを除去する緩衝剤である。
可変性外観物質は熱不安定性であることもできて、粒子の特定のエネルギーへの曝露によって材料が加熱および変化して組織マーキングの可変性外観特性が消失する。この方法において、吸収コンポーネントは、着色したフィルターガラス、グラファイト、カーボン、金属酸化物、アクリル酸塩ポリマーもしくはウレタンポリマーであることができる。
特定のエネルギーは、マーキングを完全に除去または変更するには不十分な波長、強度、もしくは期間、またはそれらの組み合わせで適用して、それによって、マーキングを部分的に除去および/または変更することができる。特定のエネルギーは破壊または変化をもたらすために適用することができる。本発明の一つの特徴は、特定のエネルギーの単回適用が破壊または変化をもたらすために十分であることが意図される点である。但し、複数回のエネルギー適用を用いてもよい。
一つの局面において、本発明は、可変性外観材料を含み、粒子を変化させるために十分な時間にわたってマーキングを特定のエネルギーに曝露し、それによって可変性外観組織マーキングを変更および/または除去できるように、前もって設計された特殊な特性を持つ粒子を組織に埋め込むことによって作成された可変性外観マーキングを変化および/または除去する方法を特徴とする。この方法において、粒子は、例えば、可変性外観材料を破壊および放出することによって、または材料の可変性外観特性を排除することによって、実質的に検出不能となり、それによって組織マーキングが除去されるように変更される。
コーティングは、(破壊されるように設計されたコーティングに関しては15から25または35%、破壊されるように設計されていないコーティングに関しては40または50から80または90%など)体積の約10〜約95%を提供することができる。
本発明に基づく粒子は、50ナノメーターから100ミクロンの全体のサイズを持つことができる。コーティングは、金属酸化物、シリカ、ガラス、フッ素樹脂、有機ポリマー、ワックス、またはそれらの任意の組み合わせである、またはそれらを含むことができる。破壊可能粒子の一部の態様において、吸収コンポーネントはコーティングの孔を塞ぐプラグを形成し、このプラグはコーティングに孔をあけるための特定のエネルギーへの曝露によって消滅する。または、コーティングは一つまたは複数の吸収コンポーネントを含むことができて、この吸収コンポーネントは特定のエネルギーに曝露されるとコーティングの破壊開口を引き起こす。可変性外観粒子は滅菌することができる。本明細書で用いられるように、「粒子」は組織マーキングを形成するために埋め込むことができるサイズである。従って、粒子は50nm未満から、ないし100μmまたはそれ以上である。一方、「ナノ粒子」は、具体的には、ナノメーター(10−9)のサイズの範囲、例えば、15nmまたは500nmの粒子である。粒子またはナノ粒子は複合構築物であり得て、必ずしも純粋な物質とは限らない。球形またはその他の任意の形状であってよい。
可変性の外観の粒子(好ましくは、非破壊性の外層コーティングを持つ粒子)は、例えば、粒子が特定のエネルギーに曝露されると亜粒子から放出され、それによってマーキングの可変性外観特性が中和される中和剤を含む(独自のコーティングを持つことができる)亜粒子をコア内にさらに含むことができる。可変性外観材料は光退色性であることができて、粒子の特定のエネルギーへの曝露によってマーキングは実質的に検出不能となる。可変性外観物質は熱不安定性であることもできて、粒子の特定のエネルギーへの曝露によって組織マーキングの可変性外観特性が加熱して変化する。このマーキングにおいて、吸収コンポーネントは、着色したフィルターガラス(例えば、Schott, Inc.,またはDow Coming, Inc.などによって製造される)、グラファイト、カーボン、金属酸化物、アクリル酸塩ポリマー、ウレタンポリマー、シリコン、ゲルマニウム、金属、有機金属結晶、半導体材料などであることができる。
いくつかの態様において、可変性外観粒子は光退色性材料を含み、粒子の電磁エネルギーへの曝露によって粒子は実質的に検出不能となる。光退色性材料は、光を吸収する能力が不可逆性に障害され得る材料であり得る。いくつかの態様において、可変性外観材料は多光子光退色性材料、例えば、ヘンゾフェノン、ケトンまたはラジカル発生剤のような二光子光退色性材料である。いくつかの態様において、材料は約300nmよりも低い電磁波への曝露によって光退色する。
本発明は、可変性外観材料の粒子、およびアルコール、水もしくはグリセリン、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る液体の担体を含む組織マーキングインクも特徴とする。
さらなる態様は、粒子が必ずしもコーティングまたはカプセル化を含むとは限らない可能性があり、粒子は予め特定のエネルギーを強力に吸収するように設計されて、可変性外観材料を粒子から分散可能とするか、または検出不能とする。
本発明の可変性の外観の粒子は、皮膚、虹彩、強膜、象牙質、筋、腱、指の爪、足の爪、指の爪の下の組織、足の爪の下の組織、口の中の組織、および体内通路を裏打ちする組織を含む様々な組織をマーキングするために用いることができる。
本明細書で用いられるように、(可変性外観材料のような)「分散性」物質は、(1)例えば、細胞または組織内で体液によって溶解する(および可溶性である);(2)生組織および/または生細胞によって一つまたは複数の新しい化学的産物に代謝される(消化を含む);および/または(3)材料から構成されて、正常な身体プロセスによって組織から(細胞からまたは細胞外マトリックスから)物理的に移動するようなサイズ(平均で約50nm以下であるが、いくつかの場合には、常に非常に小さく、例えば約5nm未満である)および配置である。
本明細書で用いられるように、(コーティング材料または個々の粒子のような)「非分散性」物質は、組織内では崩壊、溶解または代謝されない。「非分散性」粒子は、平均で十分に大きく(一般に約50nmよりも大きいが、材料によっては5nmほどの小ささ、またはさらに小さい)、組織に多数埋め込まれると、個々の粒子のいくつかの数が組織マーキング部位から(リンパ輸送のような)生物学的プロセスを介して移動し得る場合であっても、検出可能なマーキングを形成するために十分な数が保持される。
(粒子のコーティング材料のような)「不活性」または「生物学的に不活性」な物質は、一般に、生組織内に埋め込まれた際に通常の治癒期間の後に顕著な生化学反応、アレルギー反応または免疫応答を引き起こさない。
「可変性外観材料」は、本明細書において、周波数アップコンバート特性、条件依存性外観特性、または逆反射特性を持つ物質(固体、液体または気体)として広く定義される。条件依存性の可変性外観特性には、メタクロマジーおよび酸化状態に基づく変色能力が含まれる。これらの特性の一つまたは複数は、異なる照明、励起または条件下において組織マーキングに可変性の外観を付与する。異なる照明には、例えば、実質的な分散光源ではなく実質的な平行光源を持つ照明が含まれる。例えば、周波数アップコンバート材料は、通常は実質的に不可視性である可能性があるが、赤外線に曝露すると可視光線を放出することができる。条件依存性材料は、例えばメタクロマジー性の材料であり得る。逆反射材料は、例えば、屈折率が十分であり、組織マーキング内でガラスの球体のような粒子が入射光を逆反射する任意のガラスであり得る。
本明細書において、「色」は、物質の電磁吸収および/または発光スペクトル(つまり、紫外域、近紫外域、可視域、近赤外域、赤外域およびその他の範囲)によって求められ検出可能な(つまり、一定の照明条件下において可視性であるもしくは可視性とすることができる、または例えば赤外線カメラの可視スペクトルの範囲外の電磁波の検出装置を用いて検出することができる)特性として広く定義される。黒および白はこの定義下において色である。
本明細書で用いられるように、(可変性外観材料のような)物質は、通常の照明条件、例えば拡散太陽光または標準的人工照明下において肉眼で(皮膚またはその他の組織のような)物質周辺の正常な色とは別に(組織マーキング部位内のように)実質的に色が検出できない場合、「不可視」である。物質は、通常の照明条件下において肉眼に対して不可視であり、(蛍光、UVまたは近赤外線のような)任意のその他の照明条件下において肉眼または装置により同じく不可視である場合、「検出不能」である。
本明細書で用いられるように、「永久的組織マーキング」または「組織マーキング」は、本発明の粒子を、永久的または長期間持続性の意図を持って組織内、典型的には生組織内に導入することによって作成される任意のマークである。マーキングは任意の色であり得て、例えば、肉眼または検出装置によって検出可能でなければならない。永久的マーキングは、一般に、特定のエネルギーに曝露されるまで、可視性またはそれ以外の方法で検出可能な状態を維持する。但し、一部の態様において、永久的マーキングは、予め、所定の時間、例えば、1カ月または数カ月後に消失し、かつ/または所定の期間前に特定のエネルギーに曝露することによって除去することができるように設計されるマークであり得る。
本明細書で用いられるように、「pH感受性」、「熱不安定性」および「光退色性」という用語は、外観を変化させる能力が、それぞれ、一定のpH、温度および電磁波の曝露によって影響されるマーキングを指す。本明細書で用いられるように、これらの用語はpH変更性、熱変色性および光互換性と同義ではない。
例えば、赤から青へと外観を変化させることができるが、一定のpHに曝露されるとメタクロマジーを介して赤から青に変色することができないメタクロミックな組織マーキングは、本発明の「pH感受性」組織マーキングと考えられる。このような組織マーキングの一定pHへの曝露はそのメタクロミック能力を破壊する。好ましくは、組織マーキングを除去することが望ましい場合、組織マーキングの外観を変化させる能力を破壊する条件がさらに組織マーキングを不可視、またはより好ましくは検出不能とする。例えば、上記のpH感受性メタクロミックな組織マーキングが一定のpHへの曝露によって永久的に青または赤であることができて、もはやメタクロミックな条件に反応しない場合、pHの変化が組織マーキングを不可視または検出不能とすることが好ましい。
光退色性、pH感受性および熱不安定性は、専ら可変性組織マーキングの除去および/または組織マーキングの可変性の外観特性の破壊という点に関連し、単に一定の外観から実質的に検出不可能への変化に関連するものではない。本発明に基づく光退色性、pH感受性および熱不安定性の組織マーキングは、米国特許出願第09/197,105号に開示される中和可能、pH感受性および熱不安定性マーキングとは異なるが、これはこの出願書類がメタクロミックな組織マーキング、周波数アップコンバート組織マーキング、逆反射性組織マーキング、または酸化状態に基づいて外観を変化させる組織マーキングの除去を開示または示唆するものではないためである。
本明細書で用いられるように、「入れ墨」は、通常は組織が皮膚である組織マーキングの種類である。「標準的な入れ墨」およびそれらを作成するために用いられる色素は、予め外観の変化および/または除去のために設計されてはいない。
本明細書で用いられるように、組織マーキングを作成するための「非侵襲性」の操作は、皮膚の表面に突き刺す器具は使用せずに粒子を組織内に埋め込む。非侵襲性の入れ墨施術を行うために粒子に適用することができる力には、衝撃力、(イオン泳動または電気穿孔を介するような)電気的力、磁力、電磁力、超音波的力、化学的力、および化学的グラジエント力、またはこれらの力の任意の組み合わせが含まれる。
本明細書で用いられるように、組織マーキングの「除去」は、マーキングの外観を成している物質の物理的除去、またはマーキングを実質的に検出不能とするいくつかの可変性外観特性の破壊もしくは消失促進のいずれかを意味する。従って、粒子のコンポーネント(可変性外観材料、コーティング材料など)のすべて、いくつかは、組織マーキングが「除去」されると組織から物理的に移動され得て、またはいずれも移動され得ない。
変化および/または除去のために「予め設計」される組織マーキング粒子は、粒子の材料および/または構造が、組織マーキングの変化および/または除去を促進するように、選択および/または操作されて、ならびに意図されることを意味する。所定の除去方法が使用されるべきであること、この除去方法またはもう一つの除去方法が最良の方法であること、または粒子設計の時点で除去方法が明確に概述されることを決して意味するものではない。所与のマーキングの除去のために、多くの除去方法が受け入れ可能であり得る。提案された任意の方法に対する調整が、除去効率にプラス、マイナスに影響する可能性もあれば、または全く影響しない可能性もある。
癌に対する放射線療法において治療する身体領域に印を付けるためには、慣例的な黒色の永久的皮膚用入れ墨が用いられる。これらの組織マーキングは、時に、癌があったことの醜いリマインダーである。本発明において記載される逆反射特性を持つ組織マーキングは、放射線療法の期間中はアラインメントとして用いることができるが、通常の照明条件下では不可視の状態を維持する。
組織マーキングは多くの理由のために用いられる。これらの理由には、ボディーアート、通過儀礼、精神的はけ口、感情表現、および儀礼的識別が含まれる。後者は、ある特定の縄張りグループで個人を識別する集団入れ墨に特に関連する。組織マーキングは、親または社会に対する反抗の徴候として用いられている(例えば、刑務所入れ墨)。時には、組織マーキングは、重要な他者の名前を入れ墨するように、愛するものの記憶として、または愛着を示すために施される。
しかし、多くの場合、人々は単純に他者と異なるまたはファッショナブルな入れ墨と考えるものを持ちたいのである。本発明の可変性外観組織マーキングは、この目的を達成するために用いることができる。
さらに、可変性外観組織マーキングは、例えば、通常は不可視またはコード化された皮膚上の識別および/または情報マーキングとして(例えば、軍または医療機関職員による「判読」のため)、医学的治療中または治療後の医師による参照のための皮膚上または体内における識別マーキングとして、皮膚における美容上または芸術的マーキングとして(入れ墨、永久的メークアップ、および日焼け)、ペットの識別マーキングとして、診断用マーキングなど(疾患の存在を示すため、または一定の周波数の電磁波のような一定の条件に曝露するため)として用いることができる。
別途定義される場合を除いて、本明細書で用いられるすべての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野の業者によって一般的に理解されるものと同一の意味を持つ。本明細書に述べられるものと同等または相当する方法および材料は本発明の実践または試験において用いることができるが、本明細書では適切な方法および材料について記載する。本明細書において言及されるすべての刊行物、特許出願、特許、およびその他の参照は、参照によりそれらの全体が組み入れられる。矛盾する場合は、定義を含めて本明細書が管理する。さらに、材料、方法および実施例は専ら例示的であって、限定的であることを意図するものではない。
本発明の組織マーキングは、例えば、本明細書に定義される可変性の外観およびこれを除去する能力などの、公知の組織マーキングを上回る複数の利点を提供する。
本発明のその他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明白である。
詳細な説明
本発明の可変性外観組織マーキングは、特定の条件に曝露されると、その外観、従って、組織マーキングの外観を変化させることができる物質から作成される。可変性外観組織マーキングの一つのタイプは周波数アップコンバート特性を持つ組織マーキングであり、これによって、マーキングは、例えば近IR光に曝露されると可視光線を放出することができる。可変性外観マーキングのもう一つのタイプは、曝露される環境条件に応じて色を変えることができるマーキングである。さらにもう一つのタイプの可変性外観組織マーキングは、入射光を逆反射することができるマーキングである。
本発明の粒子は、好ましくは、記載する光学的およびその他の特性に加えて複数の条件を満たす。第一に、粒子は、好ましくは、本明細書に記載するように、通常の生理学的条件下において組織内で非分散性である。第二に、任意の時期(埋め込みもしくは除去の期間中、またはマーキングが存在する間)に組織と接触する粒子の任意のコンポーネントは、好ましくは、実質的に生物学的に不活性、非反応性であり、または安全に代謝される。
理論的には、組織マーキング粒子としての使用のための上記の基準の双方を満たす一群の純粋な材料を選択することは可能である。いくつかの可変性外観材料はこれらの基準のいずれも満たさない可能性があるので、粒子を設計するためのより効率的な方法は、それらを二つまたはそれよりも多い材料の混成物として調製することである。複数の材料特性の組み合わせは、二つの基準をより容易に満たすことができる。例えば、可変性外観材料は基準2を満たし得て、コーティングは基準1および2を満たし得る。
粒子
本発明の粒子は、好ましくは実質的に生物学的にに不活性である。これらの粒子は、一つまたは複数の可変性外観材料を含む少なくとも一つのコアを内包するコーティング材料を持ち得る。粒子は、典型的には約50nm〜約100ミクロンの直径を持つが、組織マーキングを提供するために粒子が組織に埋め込み可能であるならば、より小さくてもより大きくてもよい。それらは、これらのマーキングが可変性外観特性を維持する限り、図に示すように球形、またはその他の任意の形状であることができる。
図1は、可変性外観材料30を含むコアをカプセル化するコーティング20を含む基本粒子10を示す。図2の粒子50に示すように、コアは別個の可変性外観ナノ粒子32を含むことができる。
一部のケースでは、図3に示すように、粒子60を形成するために、コーティング20の内部に可変性外観材料30および実質的に透明なコーティング75(これはコーティング20において用いられるものと同一の材料であってもよく、または同一の材料でなくてもよい)を含む多くの混成亜粒子70をカプセル化するために有用であり得る。亜粒子70は、粒子60の内部に適合する限り、任意のサイズであることができる。
もう一つの態様において、図4に模式的に例示するように、中和可能な可変性外観材料34および混成亜粒子90(中和剤100およびコーティング95を含む)は粒子80を形成するためにコーティング20にカプセル化される。
図5は図1の粒子における自由選択の配置を示し、単一粒子110のコーティング20の内部に、可変性外観材料30を含む2つまたはそれよりも多いコアが存在することができる。図2〜4の粒子に関する類似のマルチコア型も構築することができる。
一般に、コーティング20および/または75もしくは95は、非分散性であり(従って、一般に組織内に残留する)、かつ、生理学的条件下において生物学的に不活性である実質的に透明な任意の材料(つまり、カプセル化される可変性外観材料を、例えば、視認されるなどの検出可能とする材料)から作成される。コーティングは、約0.05r(体積に基づいて、コア収容率 約86%、コーティング 14%)から約0.6r(体積に基づいて、コア収容率 約6.4%、コーティング 93.6%)までの範囲の厚さを持つことができて、ここでrは粒子の半径である。コーティングは、粒子の総体積の約10〜約95%であることができる。
粒子に可変性外観特性を与えて、必ずしもすべての場合ではないが通常は体内で不活性かつ非反応性である任意の物質または物質の組み合わせは、可変性外観材料30、32または34として選択され得る。この物質は、以下の詳細に記載される2つの一般的方法の内の一つ、またはもう一つの適切な方法に従って除去(または変更)することができる。
図1〜5に示される粒子の計画される除去方法に依存して、追加の吸収コンポーネント40をコーティング20、75または95に組み入れてもよく、または組み入れなくてもよく、さらに/または可変性外観材料30、可変性外観材料のナノ粒子32、または中和剤100と混合してもよく、または混合しなくてもよい。
本明細書において模式的に示されて一般的に説明される粒子は、意図される除去方法に従って2つの態様において構築されることができる(但し、粒子80は単一の除去方法に特異的である)。第一の態様において、粒子は、例えばコーティングの破壊によって浸透性となった場合に粒子が除去される分散性の可変性外観材料を含むように構築することができる。 第二の態様において、粒子は、粒子の破壊を伴わずに不可視となる可変性外観材料を含むことができる。
より具体的には、第一に態様に従って、粒子10、50、60および110は、分散性の可変性外観材料30または32を含むことができる。これらの粒子を用いて作成された組織マーキングは、望ましければ、組織マーキングが粒子を破壊する特定の電磁波に曝露される方法を用いて除去することができる。例えば、粒子は、コーティング20および/もしくは75、可変性外観材料30もしくは32、または追加の吸収コンポーネント40が特定の放射線を吸収する場合、加熱の結果として破裂することができる。この態様において、可変性外観材料が組織マーキング部位から分散すると、組織マーキングは消失する。このことは、照射後の数分から数週間の経過を通して起こることができる。
分散性の可変性外観材料30および32を含む粒子10、50および110は、可変性外観材料が浸出して時間を通して分散するように、多孔性のコーティングを用いて構築することもできる。望ましければ、これらの粒子は、上記のような特定の電磁波を用いて除去または不可視となるように、予め設計することもできる。
第二の態様に従って、粒子10、50、60、80および110はカプセル化された特定の可変性外観材料30、32または34を含むことができ、その可変性外観特性は特定のタイプの電磁波への曝露によって、マーキングが検出不能となるように変化させることができる。例えば、このような一つのタイプの電磁波は特定の波長で操作されるレーザーからのパルスの型である。粒子10、50、60または110において、この放射線は、通常は可変性外観材料による放射線の吸収を介して、可変性外観材料30または32の中和、酸化、還元、熱的変化、またはその他の方法での破壊を引き起こすはずである。この態様において、通常は、追加の吸収コンポーネント40はコーティング材料には存在しない。
粒子80において、この放射線は、通常は、コーティング95、中和剤100、または追加の吸収コンポーネント40による放射線の吸収を介した亜粒子90の破壊を通して、中和剤100の中和可能可変性外観材料30との接触を引き起こすはずである。または、中和剤100は、例えば光熱的または熱的に引き金となるフリーラジカル発生剤などの活性化退色物質であってもよい。外部から適用されるエネルギーによる中和剤100の活性化は、組織マーキングの外観を変化させるまたは除去する化学反応を引き起こすことができる。
これらの粒子10、50、60、80および110を用いた組織マーキングの可変性外観特性は、望ましければ、組織マーキングを上記の特定の電磁波に曝露する方法を用いて排除することができる。この態様において、粒子は必ずしも破壊される必要はなく、また可変性外観材料は必ずしも体液中に放出される必要はないが、粒子は検出不能となる。このように、組織マーキングは照射中または照射後に、通常は数ミリ秒〜数分以内に除去されるが、粒子のいかなるコンポーネントも必ずしも組織から物理的に移動される必要はない。
可変性外観組織マーキングがカプセル化された材料からなる必要はない。図6に示す通り、これらのマーキングは可変性外観材料50から作成されるカプセル化されない粒子からなることができる。この材料は、好ましくは組織内において実質的に生物学的に不活性かつ非分散性である。非カプセル化型は、以下に詳細に記載される逆反射特性を持つ組織マーキングにおいて特に好ましい。このような可変性外観マーキングは慣例的なレーザー処理によって除去され得て、それらは予め容易に破壊できるように設計することも可能である。
本明細書に記載される複数の粒子のデザインに関する一部の局面は、互換的または省略され得て、有用な粒子が得られる。粒子のこれらのタイプおよびその他のタイプは本発明の範囲内であり、組織マーキングを提供することができる範囲のサイズであれば有用である。
コーティング材料
コーティング20のための材料は、好ましくは非分散性および実質的に生物学的に不活性であり、実質的に見かけ上透明であるべきである。これらの基準を満たして、本発明において有用な可変性外観材料をカプセル化することができる物質には、実質的に体温よりも高い融点を持つワックス、例えば、天然ワックス、合成ワックス、および混合物、具体的にはポリワックス(商標)およびカルナウバワックス;プラスチックおよび有機ポリマー、例えば、パリレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリビニルアセテート、尿素ホルムアルデヒド、メラミンホルムアルデヒド、エチレンアクリレート、シアノアクリレート、ポリメチル-メタクリル酸、ブタジエン-スチレン、および具体的にはEpoxy Technology, Billerica, MA製造のEpo-Tek(商標)301および301-2のような生物適合性材料;金属酸化物、例えばTiO2、シリカ(SiO2)、Schott, Inc., Germany製造のBIOGLASS(登録商標)、KG-3およびBG-7、ならびにその他のガラス(SiO2および以下の任意の一つまたは複数:Na2O、CuO、B203、MgO、Al203P205、およびその他);MgF2のような無機フッ素含有化合物;ならびにTEFLON(登録商標)のようなフルオロカーボンが含まれる。
いくつかの態様において、コーティング20は材料から構成されるか、または、例えば、紫外線、可視線、(800〜1800nmの近赤外線の一部など)赤外線、マイクロ波または電波などの一部のスペクトル域において強力な吸収作用を示す特殊吸収コンポーネント40を含む。このような材料の選択によって、粒子は該材料の吸収極大近くの(レーザーからのような)照射によって選択的に加熱および破壊されて、それによって分散性の可変性の外観材料を放出することができる。除去処置中の周辺組織による電磁波吸収を避けるために、除去方法の項により詳細に記載する通り、条件依存性外観粒子の場合は特に、約800nm〜1800nmのスペクトル域が最も望ましい。
全体のコーティング20は、例えば、コーティングを粉砕する示差的加熱、またはコーティングを破裂させる中心コアの間接的加熱および急速膨張によって、特定の電磁波の吸収を通して破壊を可能とする吸収材料から作成されることができる。
本態様のその他の有用な変異型には、吸収材料を持つ少量のコーティング20を作成する段階、または特殊吸収コンポーネント40を付加する段階が含まれる。続いて、照射によってコーティングの吸収部分に選択的に影響を及ぼして、粒子の破壊およびその内容物の体液への露出を引き起こす。吸収コンポーネント40は、コーティングを破壊する「卵歯」のように、または消失してコーティングから可変性外観材料を流出させる「プラグ」のように作用することができる。
赤外吸収コーティング20または特殊吸収コンポーネント40を構築するための有用な材料の例は一定の近赤外波長を吸収するSchottガラスフィルターであり、これは粒子において用いられるコーティングの厚さで可視光において透明またはほぼ透明である。例えば、KG-3ガラスフィルター(Schott, Inc.)は、1000〜1400nmの赤外光を吸収するように設計されており、極大吸収は1200nmである。BG-7ガラスフィルター(Schott, Inc.)は、800nmにおいて極大吸収を示すように設計されている。その他の有用な赤外または近赤外吸収材料の例には、グラファイトおよびその他の型のカーボン;金属、金属酸化物および金属塩;ならびにアクリル酸塩およびウレタンのようなポリマーが含まれる。
電磁スペクトルの非赤外域を吸収する吸収コンポーネント40のための有用な材料には(酸化鉄のような)フェライトが含まれて、これは光、近赤外線、マイクロ波または電波の短い高強度パルスを強力に吸収する。これらの材料を用いると、適切な波長、強度およびパルス期間のマイクロ波または電波を照射された際に粒子は加熱して破壊される。
可視光下において色を持つ電磁吸収材料は、その色が望ましい場合はコーティング材料として用いることもできて、そうでない場合は、例えば材料を特定のタイプの放射線に曝露することによって排除することもできる。吸収コンポーネント40として(また、いくつかのケースではコーティング20としても)用いられる場合、これらの材料は粒子内で少量/薄いために、効率的に不可視であり得る。
いくつかの例において、多孔性の粒子10に対してコーティング20を提供することが望ましい場合がある。例えば、多孔性のコーティングは、例えば数週間または数カ月といった特定の長さの時間にわたって持続する組織マーキングを提供するために、可変性外観材料を粒子からゆっくりと浸出することを可能とする。このような多孔性粒子から作成される組織マーキングは、可変性外観材料が粒子から浸出し終わるまで時間を通して減弱する。マーキングが不可視となるために必要な時間の長さは、コーティング20における孔のサイズおよび数を調節することによって制御することができる。孔は、カプセル化操作中にコーティングに導入することができる。
逆反射粒子にもコーティングを提供することができる。このようなコーティングは有色または透明であってよい。コーティングは光の波長よりも大幅に薄いこと、例えば約100nm未満の厚さであることが好ましい。この場合、コーティングの屈折率はほとんど無関係であり、組織マーキングの逆反射特性は粒子を構築するために用いられる材料の形状、サイズおよび屈折率によって制御される。
周波数アップコンバート材料
周波数アップコンバート材料は、本発明の組織マーキングにおいて使用された際に、励起状態の放射の波長よりも短い波長にて検出可能な程度に放射する材料である。そもそも、単一周波数アップコンバート化合物の励起放射は、例えば、近IRなど狭い波長帯である。一つのこのような周波数アップコンバート材料はフッ化イットリウムナトリウムである。
周波数アップコンバート材料は、短波長(高周波数)の紫外線から長波長(短周波数)の赤外線まで、非常に幅広い光学的スペクトルを通して用いることができる。本発明の可変性外観組織マーキングにおいて好ましく用いられる材料は、約350nm〜1300nmの波長域において放射する材料である。これらの波長は真皮から容易に「脱出する」ことができる。Phosphor Handbook (S. Shionoya and W. M. Yen, editors) CRC Press, 2000. pp 643-650には、多くのアップコンバート材料について考察されている。
好ましくは、周波数アップコンバート材料は、体内での使用に関してFDAにより承認されたもののように生物学的に不活性および/または無毒である(理想的には、それらは非発癌性、非アレルゲン性、および非免疫原性である)。但し、コーティングが体液に対して不浸透性であり、除去および変化の際にも無傷状態を維持する態様においては、必ずしも無毒であることが公知である必要はない。
周波数アップコンバート材料は、様々な励起波長によって励起される際に様々な外観および放出が得られるように、カプセル化の前または後に様々な目的のために配合物として混合してもよい。通常の照明条件下において不可視であるマーキングは、異なるアップコンバート励起波長および/または放出波長を持つ材料を用いてコード化することができる。例えば、異なる周波数アップコンバート材料を別々にまたは一緒に組織内に埋め込むことができて、また所望の多波長放出を得るために別々にカプセル化してもよい。粒子を形成するために、2つまたはそれよりも多い周波数アップコンバート材料の組み合わせを混合して、続いてカプセル化することができる。
任意で、図3に模式的に例示するように、亜粒子70を形成するために特定の周波数アップコンバート材料30を単独でカプセル化して、その後、異なる材料を含む亜粒子を一緒に(またはカプセル化されていない周波数アップコンバート材料と共に)混合することができる。続いて、異なる周波数アップコンバート材料の混合に起因して測定または認知される放出を持つ粒子を形成するために、混合物をコーティング20にカプセル化することができる。さらに、周波数アップコンバート材料を条件依存性外観材料と混合することもできる。
粒子は本質的に周波数アップコンバート材料から構成されるように構築され得て、そうでない場合は粒子はこのような材料を検出可能な周波数アップコンバート効果を示すために十分な量で含む。これらの粒子が周波数アップコンバート材料をカプセル化する必要はないが、単純にそれらの一部または全体からなる可能性はある。
周波数アップコンバート粒子はタンパク質または病原体を検出するための生化学的プローブとして用いられることがあり、抗体のような担体分子と結合している場合はこの目的および同様の目的のために市販されている(例えば、TAL Materials Inc.は金属アップコンバートリンナノ粒子混合物を生産している)。市販の周波数アップコンバート粒子は、記載するようにカプセル化されない限り、生物学的に毒性である可能性がある。ニオブ酸イットリウムエルビウム、YNb04:Er3+(例えば、J Silver, PJ Marsh, R Withrall 「Efficient Upconversion Luminescence from YNb04:Er3+」, Proc. First International Conf. on Science and Technology of Emissive Displays and Lighting, p.147- 150, 1999)、フッ化イットリウムエルビウム、およびその他のような効果的な周波数アップコンバート材料が記載されている。周波数アップコンバートプロセスは、同時二光子、連続二光子、および光子雪崩励起を含む。アップコンバートしている発光効率の高い大半の材料は、ガラスまたは様々な遷移金属を持つ結晶から構成される。いろいろな赤外および可視励起周波数、ならびにUVスペクトル、可視スペクトルおよび近赤外スペクトルについて記載されており、その中のいくつかはレーザーにおいて周波数転換のために用いられている。しかし、これらの周波数アップコンバートの材料またはプロセスに、組織マーキングとして配置、使用または報告されているものはない。組織マーキングとして用いられる場合、放出は可視光、または不可視放出においては好ましくは近赤外スペクトルのいずれかであり得る。
例えば、本発明者らは、エルビウム(10%)フッ化イットリウム(40%)のナノ結晶はウサギにおいて周波数アップコンバート組織マーキングを作成するために使用できることを確認している。周波数アップコンバート材料は980nmにおいて励起されて、緑色光を放出する。
条件依存性外観材料
条件依存性外観材料は、2つまたはそれよりも多い外観の間/中で変化することのできる組織マーキングのための粒子において用いられる。具体的には、これらの材料は酸化および/もしくは還元されることによって、ならびに/またはメタクロマジーを介して外観を変化させる。
酸化または還元(電子交換)によって外観を変化させる物質は、例えば、メチレンブルーのように可逆的に酸化または還元される色素である。さらに、遷移金属酸化物、水酸化物、それらの塩および複合体の水溶液のような物質も使用できる。遷移金属は、例えば、銅、鉄、コバルト、マグネシウム、クロムなどであり得る。
さらに、pH指示薬として用いられる色素は水素イオンとの反応において還元またはヒドロキシルイオンとの反応において酸化されて、外観を変化させることができる。可視光域において外観を変化させる指示薬は、例えば、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、エチルバイオレット、マラカイトグリーン、メチルグリーン、クレゾールレッド、チモールブルー、ブロモフェノールブルー、コンゴレッド、メチルオレンジ、レゾルシン、アリザリンレッドS、メチルレッド、ブロモクレゾールパープル、クロロフェノールレッド、ブルモチモールブルー、フェノールレッド、ニュートラルレッド、フェノールフタレイン、チモフタレインおよびアリザリンイエローRである。(細胞内pHの指示薬として用いられる)蛍光指示薬は、例えば、フルオレシン、カルボキシフルオレシンおよび誘導体、ピラニン、LysoSensorプローブ、Oregon Green(登録商標)カルボン酸、ならびに9-アミノ-6-クロロ-2-メトキシアクリジンである(ワールドワイドウェブのprobes.com/handbook/print/2101.htmlを参照されたい)。
メタクロミック物質は、例えば、フェノチアジン系色素またはシアニン色素である。さらに、溶液中で鎖にイオン化した基を持つタンパク質、核酸または多糖類のような高分子電解質と結合するイオン性色素は、本発明に従ってメタクロマジー性の可変性外観材料であることができる。いくつかの態様において、色素に結合される高分子電解質は、例えば、色素と共に粒子内にカプセル化される色素を持つ粒子に含まれる。
例えば、トルイジンブルーは使用可能なイオン性色素の例である。トルイジンブルーは核酸を青色(正染性の色)に着色するが、多糖類硫酸化物は紫(異染性の色)に着色する。硫酸基と結合した色素分子が連続して密接に重積すると、色素は青から紫へとカラーシフトを引き起こす。
イオン性色素のもう一つの例はブリリアントクレゾールブルーである。この色素は、ヘパリンおよびコンドロイチン4-硫酸塩のように水溶液中でグリコソミノグリカン(GAG)に結合すると青色にシフトする。
イオン性色素のさらにもう一つの例はメチルグリーンピロニンである。この色素は、RNAに結合すると赤色であるが、そのほかは緑色である。
有用なメタクロマジー性材料のさらなる例には、ヌクレオチドと結合した際に蛍光の増強または発光スペクトルシフトを示す蛍光核酸染色液が含まれる。蛍光核酸染色液の例は臭化エチジウムである。SYTOX(登録商標)グリーン染色液(Molecular Probes, Eugene, OR)は、DNAに結合した場合にのみ蛍光増強を示す。蛍光核酸染色液のもう一つの例はアクリジンオレンジであり、これはDNAに結合した際に525nmにおいて緑色の蛍光放出極大を示す二重核酸染色液である。RNAに結合すると、放出極大は650nmにシフトする(probes.com/handbook/print/0801.htmlのワールドワイドウェブを参照されたい)。
好ましくは、周波数アップコンバート材料のように、これらの材料は体内での使用に関してFDAにより承認されたもののように生物学的に不活性および/もしくは無毒である(理想的には、それらは非発癌性、非アレルゲン性、および非免疫原性である)、または(例えば、カプセル化によって)そうされている。但し、コーティングが体液に対して不浸透性であり、除去および変化の際にも無傷状態を維持する態様においては、それらも必ずしも無毒であることが公知である必要はない。
条件依存性外観材料はカプセル化の前または後に組み合わせて混合することができるので、様々な組織マーキングのための幅広い範囲の色を得るには少数の異なる材料を選択することのみが必要であり得る。所望の色パターンの選択は、例えば、RGBコンピュータモニターと同様に三「原」色の原理に従って、または芸術家が満足な混色が達成されるまで任意の色素を混合するのと同じ方法で色を混合することによって達成され得る。
本発明の上記の態様のいくつかは、望ましい可変性外観材料を含むことができる。これらの材料は、(1)生理学的pHにおいて水溶性であるが、組織から急激に放出されると脂溶性材料としても働く、または(2)(ミトコンドリアレダクターゼによって速やかに代謝されるメチレンブルー、プロテアーゼによって消化されるタンパク質のように)酵素経路を介して消化可能または代謝可能であるべきである。いくつかのケースでは、分散性を高めるために材料を修飾することが可能であり得る。
分散性の可変性外観ナノ粒子は、約50nmおよびさらに小さいナノ粒子に縮小されているある程度不活性の、通常は非分散性の物質から作成することができる。拡散性のナノ粒子は肉眼で見える材料とは異なる光学的特性を示し得るが、粒子コアの限られたスペース内に凝縮する(つまり、ナノ粒子が可視光の波長である約500nmよりも近くに密集する)と、それらはそれらが派生する元々の非分散性の材料と同一の効果を示す。肉眼で見える材料とは対照的に、いくつかのナノ粒子は組織内にほとんど保持されず、リンパ管造影実験において示されるようにリンパ輸送を介して速やかに分散する。有用な分散性ナノ粒子は、例えば、50nm未満、好ましくは5nm未満の粒子サイズを持つグラファイト、酸化鉄、金属酸化物、金属塩、金属、有機金属化合物およびその他の材料から作成され得る。
コーティング材料と同じく、コアは可変性外観材料30を含むことができ、または特定の波長、特に約800〜1800nmの近赤外スペクトル域の放射線を強力に吸収する特殊吸収コンポーエント40を含むこともできる。可変性外観材料の吸収特性または特殊吸収コンポーネントは粒子コアを選択的に加熱し、従って、粒子を破壊して予めカプセル化された可変性外観材料の放出を可能とする。
特殊吸収コンポーネント40として用いられる近赤外線吸収材料のような吸収材料は、材料が非分散性である場合であっても、粒子または粒子崩壊後の組織の認識される色に影響を及ぼさないように、粒子内で用いられる濃度およびサイズにおいて肉眼的に透明またはほぼ透明であることができる。有用な例には、(Schott, Inc.製造のような)ガラスフィルターおよびポリメタクリル酸メチル(PMMA)のようなプラスチックの粒子、ならびに低濃度のナノ粒子性グラファイト、カーボン、または銀もしくは金のような金属が含まれる。銀および金のナノ粒子は、一定の波長における超高度光吸収を引き起こす量子作用であるプラスモン共鳴を生じるように配置され得る。これらの材料は、望ましい周波数アップコンバート材料と混合した後、カプセル化することができる。
この説明は近赤外線吸収材料に焦点を絞っているが、粒子の放射標的部分を構築するために(紫外線、可視光、マイクロ波、電波、およびその他の波長の吸収のような)その他の特性を持つ材料も使用できる。
もう一つの態様において、可変性外観材料30、32、または34は、特殊な電磁波への粒子の曝露によって、必ずしも粒子の破壊を伴うことなく、検出不能とする材料であることができる。(放射線によって放出される中和剤と反応する)中和可能な可変性外観材料、(放射線によって変化する)光退色性可変性外観材料、または(放射線吸収により生じる熱によって変化する)熱不安定性の可変性外観材料が使用できる。可変性外観材料が有害な毒性を持つ場合、組織はそれらに曝露されてはならない。このような材料を取り囲むコーティングは、粒子の放射線への曝露によって粒子が破壊されることなく波長周波数アップコンバート材料の色が変化するように、例えば、厚さを増すか、または弾性に関する格段の順応性を通じて破壊が困難であるようにすることができる。分散性材料が適切であるが、これらの可変性外観材料は、放出されることが意図されないことから、分散性である必要はない。
中和可能周波数可変性外観材料は、図4に示す粒子において用いることができる。pH感受性の可変性外観材料は、粒子内のpHが変化した際に検出不能とすることができるので、同様に使用することができる。
特定のタイプ、波長および/または強度の電磁波への曝露によって検出不能または不可視とされる光退色性可変性外観材料を使用することができる。いくつかの可変性外観材料は多くの光子の同時吸収によってのみ光退色し、従って、核酸太陽光照射の影響を受けない。
熱不安定性の可変性外観材料は、材料、または材料と接触して間接的に加熱するコンポーネントによる放射線の吸収を介した加熱により検出不能または不可視となる任意の可変性外観物質であり得る。熱不安定性の可変性外観材料混合物も、可変性外観材料を、加熱によりフリーラジカルを放出する熱的に開始される活性化物質と混合することによって調製することができる。続いて、これらのフリーラジカルは、検出不能とするために可変性外観材料と化学的に反応する。活性化剤は、プラスチック工業において様々なプラスチックの熱硬化のために用いられる。
非カプセル化粒子
粒子は本質的に可変性外観材料から構成されるように構築され得て、そうでない場合、粒子はこのような材料を、組織に埋め込まれた際に検出可能な可変性外観効果を示すために十分な量で含む。好ましくは、これらの粒子を構成する材料は非分散性であり、実質的に生物学的に不活性である。
例えば、カプセル化されていない可変性外観粒子は、フッ化イットリウムナトリウムまたは同等のフッ化イットリウムナノ結晶の結晶型を含み得る。これらの結晶型は組織に注入可能な粒子状とされ、以下に記載して図6に示すように、組織マーキングを形成し得る。
非カプセル化粒子は、逆反射および周波数アップコンバートの組織マーキングにおいて特に好ましい。
逆反射特性を持つ組織マーキング
逆反射とは、照明源に向かう直接経路に沿った、またはほぼ沿った入射光の反射である。最も完全な逆反射体の一つはコーナーキューブプリズムである。例えば、コーナーキューブ逆反射体が手によって月の表面に置かれたが、この反射体によって、今日まで、反射して地球の表面に向かって正確に戻ってくる光束の移動時間を測定することにより、地球および月の距離に関する極めて正確な測定値が与えられている。
コーナーキューブ逆反射体の一般的な例は、自動車の透明なプラスチック製テールライトカバーである。このカバーは、例えば、方向指示器灯からの光は通過させるが、特に夜間にはもう一台の自動車のヘッドライトからの入射光は強力に逆反射する。それほど完全でない逆反射体は立方晶断片からなり、これはその他の方向に比べて逆方向に高い反射率を示す光散乱粒子の集団として作用する傾向がある。いくつかの逆反射性標識は、逆反射体として微少な立方晶を使用している。
より一般的には、夜間の安全標識、衣類、ハイウェイマーカーなどにおいて、ガラスまたはその他の透明な球体が逆反射体として用いられる。これは、単純であること、および実に様々な材料から作成できることから、逆反射組織マーキングとして好ましい形状である。さらに、対称であるため、球体は球体と光源の相対的な位置に関わらず逆反射体として機能することができる。
球体およびその周囲の媒質の反射率、ならびに入射光の偏光の関数である完全球体からの角散乱については、1908年に分子の光散乱に関するLord Rayleighの説を発展させたMieによって詳細に説明された。Mieの説は、光物理学において周知である。この説によると、周辺媒質に対する比相関性において高い屈折率を持つ球体粒子は一定条件下において強力な逆反射体として機能する。
球体からの逆反射には複数の機序がある。本質的には、入射光がスネルの法則に従って球体の前部表面で球体後部表面の焦点へと屈折する場合に最も強い逆反射が得られて、この場合、球体後部表面は部分的鏡として機能して入射経路に沿って光を逆行させる。この単純な逆反射の機序を図7に図示する。しかし、Mieの説に従うと、球体粒子内での多くの内部屈折および/または逆反射の方向において建設的干渉を生じる光学的な波の干渉を伴うその他の逆反射機序がある。
マーキング粒子が埋め込まれる予定の組織の屈折率を把握するためには、Mieの説を用いて強力な組織マーキング可変性外観逆反射体粒子として機能する透明な材料から作成される球体粒子の屈折率およびサイズを算出することが可能である。この説の基本的注意の一つは、幾何(古典的放射線)光学は粒子に関する光散乱の優れた近似であり、これは媒質内での光の波長の約10倍に等しいかこれよりも高いということである。波長の約1〜10倍の間で、幾何光学およびMieの粒子散乱理論によって推定される値からの散乱特性における遷移が起こる。従って、組織マーキングにおいて用いることができる逆反射性粒子の好ましいサイズは、粒子が埋め込まれる媒質中での光の波長の約1倍から約10倍である。
逆反射性可変性外観粒子は、組織に達する光スペクトル全体を通して用いることができる。この範囲は約0.32μmから約2.0μmである。可視波長(0.4〜0.7μm)において、粒子の最も望ましいサイズ範囲は約0.5μmから約5.0μmである。0.5μmよりも大幅に小さい球体は、弱い逆反射を伴う点散乱体として機能するであろう。0.5μmよりも大幅に大きい球体は優れた逆反射体であることができるが、組織マーキングのための理想のサイズよりは大きいことがある。しかし、一部の大きな球体は上記のように細胞外の位置に埋め込むことができる。
可変性外観の逆反射性マーキングを受け取るための媒質は、例えば、ヒトの皮膚であることができる。上記のような吸引装置における可視光の波長は0.4〜0.7μm(例えば、0.5μm)であり、ヒト皮膚の屈折率は約1.35〜1.40(例えば、1.35)であるので、従って真皮における可視光の波長は、例えば、約0.5/1.35=0.37μmである。
この波長の10倍までの粒子は、これらのサイズが組織をマーキングするために用いられる範囲内に十分収まることから、依然、良好な組織マーキングを作成するために十分に小さい。従って、球形粒子は、強力な逆反射性組織マーキングとして機能することができる。
逆反射性組織マーキング粒子は、必ずしも固い球体である必要はない。例えば、カプセル化された高屈折率の油または溶解可能なコア材料を使用することができる。
背面反射(back-reflected)光の強度は、粒子の屈折率、サイズおよび波長に大きく左右される。逆反射ならびに反射光の強度および角分布に対する球体粒子の屈折率の影響は、Mieの説から正確に算出することができる。例えば、表1は、直径 0.5μm〜5μm、屈折率 2.1の球体粒子に関するMieの説からの算出値を示す。照射波長は500nm(中間可視光)であり、媒質の屈折率は1.37(ヒト皮膚)である。Mieの説を用いて、μm2を単位とする光散乱断面積および背面反射係数を算出した。
Figure 2007516238
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表2は、屈折率1.5の粒子に関するMieの理論に基づく算出値を示す。その他のパラメータはすべて、表1に示す結果を算出するために用いたものと同一とする。
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表1および2の結果は、屈折率1.5の材料を含む逆反射性粒子は逆反射率2.1の材料を含む粒子の約1/1000の明るさを提供することを示している。従って、逆反射組織マーキングが明るいためには、粒子は高い屈折率を持たなければならない。
さらに、屈折率2.1のガラス球のような屈折率の高い粒子の場合、粒子のサイズおよび視野角が少し変化しただけでも色が生じる。従って、虹色の組織マーキングは、異なる材料を用いなくても異なる陰影作成することができる。
逆反射性組織マーキングの外観は粒子のサイズおよび形状に強く依存することから、逆反射率、従って、組織マーキングの色は除去することができる。粒子が、例えば、赤外線パルスによって粉砕されると、もはや色は見えないであろう。
組織での使用に関して、屈折率が1.6よりも大きい粒子は有用であり、屈折率が約1.6〜約2.4の範囲の粒子が好ましい。二酸化チタンおよび様々な高屈折率ガラスはこのような材料である。二酸化チタンは無定形または微結晶性型としてペイントおよび日焼け止め剤において広く用いられており、純粋なミクロスフェアとして作成することが可能であり、またはガラスミクロスフェアもしくはナノスフェアの基質上にコーティングすることもできる。非常に屈折率の高いガラスミクロスフェアは、ペイント、衣類材料などへの明るい逆反射添加物として市販されている。溶液に基づく化学的沈殿は、異なる製造プロセスによる二酸化チタン、ガラス、シリカ、または重合性ナノ粒子の作成に使用することができる。市販のナノ粒子は、いくつかは逆反射体として機能するた、例えば、http://solgel.com/precursors/nanoのウェブサイトにおいて総括されている。
本発明の可変性外観逆反射組織マーキングは極めて汎用性が高い。これらのマーキングは通常の照明条件下では不可視であり、さらに/または入射電磁波に曝露した際にマーキングの外観に影響を及ぼすように着色することができる。また、これらのマーキングは、例えば、紫外線、可視光および/または赤外線のような異なるタイプの電磁波を逆反射することができる。
逆反射性粒子のための材料
市販の透明な球体は、様々なガラス、プラスチックまたはその他の有機ポリマーから作成されており、屈折率は約1.4〜約2.1の範囲である。球体の屈折率が増加すると、その逆反射率も増加する。組織内に埋め込まれた際の優れた逆反射は、約2よりも高い屈折率を持つ球体において生じ得る。例えば、ヒト皮膚における注目すべき逆反射は、上記のように、屈折率が約1.6〜約2.4の範囲の球体から生じる。
プラスチックまたはその他のポリマーの球体は、大半のガラスよりも屈折率が低い。球体の屈折率が純粋なシリカ(SiO2)の屈折率に近い1.5であるとすると、この球体が真皮に埋め込まれた場合、顕著な逆反射が起こることは期待されない。このようなシリカの球体は、組織マーキングのために一般的に好ましい小さなサイズの範囲で市販されている。
しかしながら、単純に出来合いの製品を購入して、優れた組織マーキングを作成することを期待してそれを皮膚に注入することはできない。例えば、ペイント添加剤として埋め込み逆反射性球体を作成するために用いられる市販の高屈折率ガラスは40μmほどの小さいサイズで有効であるが(例えば、Flex-o-Lite超高屈折率ガラスビーズ;n=2.1)、それらは組織マーキング粒子としての使用のための理想的サイズよりも遙かに大きい。ハイウェイの標識もガラス球体の逆反射体を使用している。しかし、これらのガラス球体は大半の入れ墨粒子と比較すると非常に大きく、典型的には約0.05〜1mmである。さらに、市販の球体は必ずしも無菌、清浄、または生組織への注入に関してその他の点で適切であるとは限らない。
必要に応じて、サイズおよび屈折率が共に所望の範囲である球体を製造することができる。微粒子は、適切な大きさの微粒子を作ることができる十分な高屈折率の任意の材料から製造することができる。一般に、上記に考察するように、微粒子は屈折率がn=約1.6〜2.4でなければならない。高屈折率材料の例には、高屈折率ガラス、例えばBK7(n=約1.5);LaSFN9(n=約1.9);SF11(n=約1.8);F2(n=約1.6);BaK1(n=約1.6);チタン酸バリウム(n=約1.9);高屈折率青ガラス(n=約1.6〜1.7);TiO2-BaO(n=約1.9〜2.2);ホウケイ酸塩(n=約1.6);またはカルコゲナイドガラス(n=約2またはそれよりも高い);が含まれる。微粒子は、高屈折率立方晶またはその他の不活性、不溶性の透明な無機質、例えば、サファイア(n=約1.8);ダイアモンド(n=約2.4);キュービックジルコニウム(n=約2.2);ケイ酸ジルコニウム(n=約1.8〜2.0);ルビー(n=約1.8);および/または架橋結合したポリスチレン(n=約1.6)のような高屈折率の透明ポリマーからなることができる。例えば、硫化鉄およびポリ(エチレンオキシド)(PEO)(n=約2.5〜2.8)のナノコンポジットも使用することができる。
粒子の作成のための方法
上記に開示するように、本発明の組織マーキングを提供するために、一定の可変性外観組織材料をカプセル化することができる。本明細書に記載される方法を含めて公知のカプセル化法を用いて、要望に応じて除去することができる永久的マーキングを作成するための組織への埋め込み用の一連の不活性、非分散性可変性外観粒子を作成するために、一つまたは複数の可変性外観材料を上記の一つまたは複数の生物学的に不活性で実質的に透明なコーティング材料内にカプセル化することが可能である。
所望の粒子を産生するための最適な方法は、一般に、例えば、コア材料およびコーティングなどの用いられる具体的材料の特性に依存し、次にこの方法によって生成物の形態、サイズおよび表面の特徴が決定される。本発明のいくつかの粒子において、コア材料は固体粒子、濃縮された液体、または気体であることもできるが(いずれの場合も、緩衝剤、希釈剤、担体および結合剤のようなその他の不活性材料を含むことができる)、大半の場合において、それは親水性である。コーティング材料は、例えば、液体(溶媒和、単量体、または融解)または気体/プラズマなど、流動性の状態で適用されて、固い外殻を形成するために(蒸発、重合、冷却のような)複数のプロセスを経て硬化される。
同様の技術および装置を特徴とする4種類のマイクロカプセル化法が、本発明において有用である。本明細書において「エアロゾル衝突」と呼ばれる第一の種類では、エアロゾル化された小滴またはコア粒子(可変性外観物質を含む)およびコーティング材料を衝突させて、続いてコーティングを硬化させる。本明細書において「乳濁液噴霧」と呼ばれる第二の種類では、コーティング材料中のコア材料の乳濁液を(真空状態、気体または液体中に)噴霧化して、続いてコーティングを硬化させる。本明細書において「チャンバー沈着」と呼ばれる第三の種類では、固い外殻を形成するために、気体またはプラズマ(超高温イオン化ガス)相のコーティング材料を固いコア粒子上に沈着させる。本明細書において「インサイチューカプセル化」と呼ばれる第四の種類では、コーティングがコア小滴の周辺に重合または結実することによってコーティングが形成されるように(技術に応じて)同一または異なる乳濁液相にコア材料およびコーティング材料を含む混合物を調製して、続いてマイクロカプセルを分離する。4種類すべてが、非分散性である50nm〜100ミクロンのサイズ範囲内の粒子を産生することができる。
本明細書に記載されるコーティング材料および可変性外観材料は実施例のように公知の方法を用いることによって作成することができるが、適切な材料から作成される必要な具体的粒子サイズは容易には得られない。所望のサイズの固い可変性外観コア粒子を調製するために、Metal Powder Industries FederationのStandard Test Methods for Metal Powders and Powder Metallurgy Products、1993-1994版のStandard 5および32に記載されるように、大量の乾燥材料を粉砕して、および/またはメッシュの篩にかけるか、もしくは吸引濾過(またはその他の任意の適切な慣例的方法によって調製)することができる。可変性外観ナノ粒子は、この方法で適切な材料から調製することもできる。緩衝剤、希釈剤、担体、結合剤などとして機能する材料は、可変性外観調製物の溶解度、認識される色、粘度、易動性などを変化させるためにこの段階で加えてもよい。
所望の固形材料およびサイズの吸収コンポーネント40は可変性外観材料のために上記のように調製することができて、融解したコーティング材料と共に、または液体の可変性外観調製物(追加の吸収コンポーネント40を取り込む固形の可変性外観コア粒子を得るために乾燥して、再度粉砕し、篩にかけることができる)中に混合することができる。
亜粒子70および90は粒子と同一の方法で調製して、その後、通常は著しく大きな最終的粒子が産生される方法を用いて、その他の所望のコアエレメントと共にカプセル化することができる。
望ましければ、例えば、外殻の浸透性を抑えるために、または組織マーキングインクのための液体担体における粒子の懸濁を向上させるために、粒子に第二またはさらに高次のコーティングを付加することができる。これは、上記に規定するマイクロカプセル化の任意の種類の方法、特にチャンバー沈着およびインサイチューカプセル化によって実施することができる。
エアロゾル衝突法における有用なマイクロカプセル化法は、LangerおよびYamateに対する米国特許第3,159,874号;第3,208,951号、および第3,294,204号に記載されている。この方法では、それぞれ、加熱した硬化可能液体コーティング材料および液体コア材料を含む2つの貯留層に対して逆電圧が適用される。ほぼ等しいサイズのサブミクロン粒子を生成する高圧気流を用いて、材料を共通のチャンバー内に噴霧またはエアロゾル化する。粒子の逆電荷は吸引および衝突を引き起こし、その結果、中性のコーティングされた粒子が形成されて、次にこれをコーティング硬化温度よりも低く冷却することができる。
この方法における使用のために適切な材料は電荷を保持できなければならず、それらは互いを湿らせなければならず、さらにコア材料の表面張力はコーティング材料のそれよりも高くなければならない。適切なコーティング材料には、天然および合成のワックス、ならびにカルナウバワックスのような特に固いワックスが含まれる。コア材料は、(波長周波数アップコンバート材料を混入することができるグリセリンのような)電荷を保持する親水性の液体または固体であることができる。生成するほとんど凝集しない0.5〜1.0ミクロンの粒子は非多孔性であり、組織マーキングとしての長期使用において安定である。
乳濁液噴霧法において有用なマイクロカプセル化法は、Sparksらに対する米国特許第4,675,140号に開示されている。例えば、約20ミクロンの調製したサイズ範囲内のコア材料の固体または粘稠液体の粒子は、液体(融解または溶媒和した)カプセル化コーティング材料と混合して、全体のサイズが狭い範囲内にあるコーティングされた粒子が収集チャンバー内の装置に回収されるような速度でスピンしている回転ディスク上に適用することができる(ディスクの回転速度と最終的な粒子サイズの相関関係については、Sparksらの特許のカラム11、ライン64の式を参照されたい)。凍結乾燥したまたは粘稠液体の親水性可変性外観コアをコーティングするための適切な材料には、合成および天然のワックス(カルナウバワックスなど)、ならびに有機溶媒に溶媒和させた有機ポリマーDが含まれる。約25ミクロンの小ささのコーティングされた粒子サイズはこのプロセスによって達成することができる。
乳濁液噴霧法における有用な方法のもう一つの例は、Tsueiに対する米国特許第5,589,194号に記載されている。この方法では、乳濁液を作成するために、カプセル化されるべき親水性の固体粒子 約1容積をコーティング材料の融点を上回る温度の(カルナウバワックスなど)溶融可能なコーティング材料のほぼ2つの部分に懸濁する。この段階は(タービンスターラーのような)加熱アジテーターで実施することができ、懸濁液は乳濁液が形成されるまで撹拌する。続いて、この乳濁液を加圧反応器に投入して、乳濁液流を温度制御した(水のような)消光物質に誘導して、コーティングされたミクロスフェア内に個々の小滴を形成して硬化させる。
可変性外観材料を含む粒子を形成するためのその他の乳濁液噴霧法は、(Somervilleに対する米国特許第3,015,128号のような)溶媒和した有機ポリマーに分散させた可変性外観材料の乳濁液を冷却した液体、気体または真空中に誘導する回転遠心力スプレーノズルの使用を含む。
大半の乳濁液噴霧プロセスにおいて、顕著な割合の凝集産物が形成され得る。硬化コーティングを形成するために溶媒を蒸発させる場合、得られる粒子は、その他のプロセスまたは硬化可能な蝋状マトリックスを用いたこれらのプロセスによって産生された粒子に比べて、それほど定型および平滑ではなく、皺が寄ったり、ならびに/または潰れたりしている。それにも関わらず、これらの不均一な形状の粒子は図5に示すように多くの可変性外観コアまたはポケットを含み得て、組織マーキングにおける使用に適切である。
チャンバー沈着法におけるマイクロカプセル化法についての一般的説明は、Suzukiに対する米国特許第5,718,753号に開示されている。標準的な吸引沈着またはスパッタリング技術を用いて、0.05ミクロンおよびそれよりも大きい微少な固体粒子上に0.01〜0.1ミクロンの範囲の厚さで、材料の実質的に均一なコーティングを沈着させることができる。この目的を達成するために、(音響性周波数振動を使用するような)すべての面により均一なコーティングを与えるためにチャンバー内で粒子の撹拌を提供する段階を含めて、標準的な吸引沈着装置に対する複数の修正を行うことができる。(シリカのような)金属酸化物材料は、このような装置を用いて定型的に沈着される。コーティング材料は温度および圧力を変えることによって昇華点とされて、得られる気体はチャンバー内で沈着して固体コア粒子をコーティングする。コーティング効率および均一性を高めるために、乾燥コア粒子をイオン化して、例えばシリカのようなコーティングを固体に引き付けることができる。
同様のチャンバー沈着法は、(Versicに対する米国特許第5,288,504号および第5,393,533号のように)不活性ポリマーフィルムを用いた固体粒子のコーティングのために開発されている。単量体、通常は気体相の材料(キシリレン沈着の場合のジ-パラ-キシリレン、またはTEFLON(登録商標)沈着の場合の酸化ヘキサフルオロプロピレンのような)の熱分解により(パラ-p-キシレンのような)パリレンまたは(TEFLON(登録商標)のような)フルオロカーボンを沈着するために、吸引沈着装置が使用される。比較的冷たく小さいコア粒子の表面におけるこれらのコーティング材料の重合は、偶発的に起こる。小粒子上における吸引沈着または金属酸化物のスパッタリングの場合のように、ポリマーが徹底して表面全体に均等に沈着するようにコア粒子を振動させることができる。この操作は、所望のコーティング厚が得られるまで反復することができる。キシリレンの1ミクロンよりも薄いコーティング厚はコア表面の制御放出を示すことが報告されている;壁が厚ければ、可変性外観コアに対してより強力な保護が提供される。一旦重合すると、キシリレンおよびTEFLON(登録商標)はいずれも、FDAによって身体での使用に関して承認された極めて不活性な材料である。
同様の結果は、Hubbardに対する米国特許第5,506,053号に記載される金属酸化物コーティングを適用するためのスパッタリング装置を用いて達成することができる。この方法では、約5ミクロンおよびそれよりも大きい固いコア粒子上にコーティングをスパッターするために、スパッター陰極が使用される。チャンバー沈着法を用いてコーティングされる粒子の一つの特徴は、コーティングの大部分が顕著な孔を含むことである。孔の存在、数およびサイズは、コーティングの厚さによって、またコーティング沈着のための条件を変化させることによって制御することができる。一部の態様において、多孔性粒子が有利である。
インサイチューカプセル化法の有用なマイクロカプセル化法は、当技術分野において周知である(例えば、Kamenに対する米国特許第5,234,711号を参照されたい)。インサイチューカプセル化法の利点は、それらが標準的なガラス器具および実験装置のみを使用することである。これらのインサイチュー法において有用なコーティング材料ポリマーは、得られる粒子中の重合していない種または残留反応性重合イニシエーターを避けるように注意して使用しなければならず、これらはいずれも望ましくない毒性学的プロフィールを持つ可能性がある。多くの有機ポリマーカプセル化材料は埋め込まれた際にアレルギー反応を引き起こす可能性があるが、(Epoxy Technologyによって製造されるEpo-Tek(商標)301および301-2のような)FDAにより医用装置での使用に関して承認されている生物適合性有機ポリマーは、これらの標準的方法を用いて適用することのできる許容可能な材料である。
微量の有機性残留物を含む粒子が組織内に埋め込まれると局所的な有毒反応を誘発する可能性があることから、極めて有毒な有機溶媒を使用するプロセスは敬遠される。このリスクは、製造プロセスを至適化することによって、また、例えば濾過および/または洗浄によって形成される粒子を精製することによって抑制することができる。
一般に、水性または親水性のコア材料は、コア相のコーティング相への溶媒和を防ぐために、疎水性および/または有機性のコーティング溶液に懸濁される。分散したコア相は、コーティング材料の重合を誘発する(触媒のような)材料を含むことができる。例えば、可変性外観材料を含む水溶液を(水または塩基の存在下において重合する)チアノアクリレートモノマーを含む有機相に分散させると、水が触媒として機能して液体コアの周りにチアノアクリレートコーティングが形成される。
インサイチューカプセル化法のもう一つの例は、Osterriedに対する米国特許第5,690,857号に開示されており、ケイ酸ナトリウム水溶液に不溶性の固体物質は無機の金属塩の外層でコーティングすることができる。この卓上操作を用いて、予め有機ポリマー中にカプセル化した(親水性の)可変性外観材料、または疎水性の液体もしくは固体の可変性外観材料は、粒子を水に懸濁して、ケイ酸ナトリウム水溶液を加え、コア周囲に均一のコーティングを形成するように温度、pHおよびその他の播種条件を操作することによってSiO2でコーティングすることができる。この方法でコーティングされた粒子は、組織マーキングとしての使用のための水性溶媒において改善された懸濁を示すことができる。
その他のインサイチューカプセル化法は、それらが特定の可変性外観コアをカプセル化できる限り使用することができ、それらは多くの場合、疎水性である。これらのその他の方法の多くはThe Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology, 第3版、Vol. 16, 628-651ページに記載されており、インサイチュー重合(一般的に定義され、本明細書で用いられるより広義の用語であるインサイチューカプセル化とは対照的)、単純および複雑コアセルベーション、ポリマー-ポリマー不適合性、界面重合、およびその他を含む。
(カプセル化された可変性外観材料の放出を制御するためのように)多孔性コーティングが望ましい場合、本明細書に概略を示す標準的技術に若干の変更を加えることが可能であり、さらに/または特殊な材料を使用することができる。多孔性粒子は、重合すると隙間のある「ネット状」の構造を持つ(メラミンホルムアルデヒドのような)特定のコーティング材料を用いてインサイチューでのカプセル化によって調製することができる。エアロゾル衝突または乳濁液噴霧プロセスの場合、カプセル形成前に融解したコーティング材料に揮発性コンポーネントを加えて、後に、例えば、(Tsueiに対する米国特許第5,589,194号およびMorganに対する第5,204,029号に記載されるように)ワックスコーティングにおいて孔を残すように蒸発させることができる。多孔性コーティングは上記のようなチャンバー沈着法によって、例えば、(Ipponmatsuに対する米国特許第5,376,347号に記載されるように)金属酸化物の非常に薄いコーティングを適用することによって作成することができる。
ガラスマイクロビーズまたは結晶のような周波数アップコンバート材料からなる非カプセル化粒子は、例えば、粉砕、超音波、衝撃波処理、または微粒子銃によってガラスまたは結晶性バルクを微粉砕することによって調製され得る。その後、得られた粒子はサイズ毎に分離する。
超高屈折率ガラスまたはその他の透明な高屈折率材料は、マーキング用に設計された組織のタイプに応じた適切なサイズ範囲の球体粒子を作成するために用いることができる。これらの粒子は、例えば、当業者に公知であるように、溶融した材料の超高速回転盤からの遠心性分散によって作成することができる。粒子は、例えば、遠心分離または濾過によって、サイズおよび品質毎にソーティングすることができる。
本発明の粒子を作成するために、これらおよびその他の公知の方法を使用することができる。
体内における埋め込みを意図する粒子は、好ましくは無菌である。無菌性を確保するために、製造工程は無菌条件下にて実施されることができて、完成した粒子はγ線、またはこれらの条件が粒子に損傷を与えないならば、滅菌を達成するために十分な化合物、熱および/または圧力(オートクレーブ処理のような)に曝露することができる。
使用の方法
本発明の粒子は、調製方法に関わらず、美容、識別およびその他の目的のための組織マーキングの作成に使用することができる。粒子は、標準的な入れ墨色素と同一の方法で組織マーキングインクを作成するために、例えば、アルコール、水、および/またはグリセリンなどの液体担体に懸濁される。
インクは、(Nightingaleに対する米国特許第4,159,659号に開示されるような)電磁コイル入れ墨マシン;(Chouに対する米国特許第5,472,449号に開示されるような)回転式永久化粧用適用装置;または(Softap Inc., San Leandro, CA製造の滅菌使い切り装置のような)任意のマニュアル入れ墨器具を用いて皮膚または同様の表在組織に移植することができる。
または、インクは、例えば、Eppsteinに対する米国特許第5,445,611号に開示されるような非侵襲性の方法を用いて埋め込むことができる。この非侵襲性の技術は、比較的広い体表面積全体に均一なトーンの色素を作成するのに非常に適している。例えば、この方法を用いると、本発明の粒子を用いて除去可能な日焼けを作ることができる。
永久的マーキングを提供するためには、皮膚における組織マーキングが適切に施されなければならない。皮膚は、常に分裂している基底層より形成される最外層の表皮、および下層にある真皮から構成される。線維芽細胞、肥満細胞およびその他のような一般に複製しない皮膚細胞は、弾性のあるタンパク性マトリクス内に位置する。(入れ墨のような)組織マーキングを提供するために粒子が埋め込まれるのは、基底層の下の上部真皮である。
前記の任意の技術により埋め込み後、真皮内の粒子は、皮膚細胞によって貪食される場合(約5ミクロンよりも小さい粒子において最も可能性が高い)、または細胞外マトリクスに残留する場合(5ミクロンおよびそれよりも大きい粒子において最も可能性が高い)、永久的組織マーキングの一部を形成する。いくつかの粒子は必然的に免疫細胞によって貪食され、治癒の過程でその領域から移動するであろう。
皮膚に加えて、本発明の粒子は、比較的定常状態にあるたまに複製する細胞を含む様々な生組織に埋め込むことができる。例えば、粒子は、口および口唇の内部表面、歯肉および舌、眼瞼の内部表面、筋、腱、および(鼻、耳、肛門、尿道、および膣の通路、ならびに消化管のような)体内通路を裏打ちする組織を含むがこれらに限定されない外部皮膚に隣接する身体の内部表面に埋め込むことができる。マーキングすることができるその他の組織には、指の爪および足の爪の組織および/または下部組織、歯の象牙質、ならびに色のある虹彩および白色の強膜が含まれる。
それらの多用途性の結果として、粒子は、除去可能および修正可能な装飾的芸術的入れ墨、および非施術者が望む限り永久的である美容メークアップ(化粧用入れ墨、永久メークアップ、マイクロ色素移植、およびこれらの名称の変異型としても公知である)を含む様々な化粧用組織マーキングを作成するために使用することができる。
皮膚のマーキングに加えて、粒子はその他の組織における新しい美容上のマーキングを作成するために使用することができる。これらの新しいタイプのマーキングはリスクのない実験を可能とするために除去可能であることは、特に重要である。例えば、特殊な波長に曝露された際に装飾目的のために立体的な色、パターン、またはデザインを作成するために、例えば指の爪および/または足の爪の組織および/または下部組織に粒子を加えることができる。
粒子を用いて作成される識別マーキングは、変更、更新、および/または除去することができる。いくつかのケースでは、(通常は不可視なように)選択的に検出可能な粒子が有利である場合もある。識別の需要を満たすマーキングのいくつかの例には、例えば、皮膚の放射線療法域のマーキング、または内視鏡によるその後のモニターを可能とする腸内の結腸ポリープのマーキングなど、外部および表在性内部組織における医学的対象となる身体部位の追跡を補助するためのマーキング;個人の医療歴に関する緊急情報、軍事要員における「認識票」、および医療機関での間違いのないことを確保するための新生児における識別マーキングなどのヒトのための識別マーキング;ならびに迷子のペットの返却のための情報マーキングが含まれる。
除去方法
本発明の組織マーキングの一部のタイプは、(電磁波のような)特定のエネルギーを適用することによって、好ましくは、組織マーキングを作成するために用いられた粒子が予めそれによって除去されるように設計されたエネルギーを用いて除去することができる。一部の粒子は破壊されて、分散性の可変性外観材料が体液中に放出され、続いて代謝または組織マーキングの部位から移動するように設計される。その他の粒子は無傷の状態を維持して、粒子内の被包された材料の可変性外観特性が変化して組織マーキングが検出不能となるように設計される。
本明細書に詳細に記載される本発明の粒子を用いて作成される組織マーキングを除去するためには、マーキング部位を(マーキングを含む粒子がそれによって除去されるように予め設計された電磁波のような)特定のタイプのエネルギーに曝露する。エネルギーは、特定の強度で制御された時間にわたって(特定の波長のレーザーまたはフラッシュランプのような)外部供給源を用いて適用される。曝露は1回または複数のパルスとして与えることができる。例えば、紫外線、可視光、赤外線、マイクロ波、および電波などの一連の電磁波は、組織マーキングの除去に適切であり得る。好ましい波長は、例えば、粒子内の特殊放射線吸収材料の使用により、粒子が吸収するように予め特別に設計された波長である。
粒子は、予め、正常の状態で体内に存在する遍在性のエネルギー吸収物質によって最小限吸収される安全な型のエネルギーを放出する装置を用いて除去されるように設計される。これらの物質には、1800nmおよびそれよりも大きな波長において吸収する水;約1100nmまで吸収するが800nmを超える波長ではエネルギーの吸収が極めて小さくなるメラニン;および400〜600nmの範囲で最大吸収性を示すオキシヘモグロビンが含まれる。従って、条件依存性外観マーキングでは特に、望ましいスペクトル域は近赤外線、具体的には約800〜1800nmである。先に記載されるように、この近赤外線域において吸収する多くの有用な材料が有効である。一部のタイプのマイクロ波および電波も、極めて特異的および安全であることができる。
理論的には、電磁波以外の安全なエネルギーを発生する外部装置は、予めこのエネルギーによって除去されるように特別に設計される組織マーキングを除去するために使用することができる。例えば、強力超音波は、組織内の空洞化、または気泡の急速な膨張および崩壊を引き起こすことができる。空洞化開始のための閾値は、超音波の局所での強度および周波数、ならびに材料の音響性、機械的および熱的特性に依存する。超音波が、波の吸収および散乱を引き起こす既存の気泡と相互作用すると、より容易に空洞化が開始される。最近では、安定な微小気泡が、例えば、医療量超音波画像化のための造影物質として用いられている。前もって、超音波に誘発される粒子の空洞化および破壊を促進するように設計されてカプセルに被包された安定な気泡を含む可変性外観粒子を構築することは、理論上、可能である。しかし、電磁波はより多くのエネルギーを粒子に対して特異的に供給することができる。これは除去のための好ましいエネルギーであり、従って、本明細書においてさらに詳細に説明する。
本発明の粒子は、多数の可変性外観粒子がすべて、それらの見かけの色に関わらず、同一波長の放射線を選択的に吸収するように予め設計することができる。この特徴は一般的な放射線吸収材料を(コーティング20または特殊吸収コンポーネント40のような)その他の粒子材料と組み合わせて使用することによって達成され、これによって、一般的なエネルギータイプを用いて多様な粒子を除去することができる。例えば、本発明の組織マーキングは、すべての可変性外観粒子が、すべての組織マーキング粒子における一般的な酸化鉄、金属またはカーボン吸収コンポーネント40を標的とする1064nmのパルスを発するNd:YAGレーザーでの処理において中和または除去されるように設計することができる。
図1、2、3、および5に従って構築されるような粒子における分散性可変性外観材料は、予め、粒子を破壊してそれによって可変性外観材料を放出する電磁波を用いて除去されるように設計することができる。吸収コーティング20、可変性外観材料30もしくは32、または(粒子のデザインに依存して)コーティングまたは可変性外観コアに位置する追加吸収コンポーネント40は、粒子の破壊を引き起こす。組織内の細胞は、適用されるエネルギーの量および送達されるパルスの長さに依存して、同時に破壊されることもあれば、破壊されないこともある。いずれの場合も、照射後、生理学的プロセスを通して可変性外観材料の分散が起こり、組織からマーキングが除去される。放出された可変性外観材料の総全身用量は、一般に除去処理後には低い。
(特殊吸収コンポーネント40または吸収コーティング20のような)所与の標的材料を用いて作成された粒子10、50、60および100を破壊するために必要な単位面積当たりのエネルギー量(フルエンス)は、測定することができる。フルエンス(E)は、異なる材料において公知である光学吸収係数(μa)および熱容量(ρc)、ならびに崩壊を引き起こすための必要な温度変化(ΔT)に基づいて、次式から求めることができる:
E=ΔTρc/μa
温度変化(ΔT)は、例えば、熱励起を示すための約280℃から、水性コアの気化/急速膨張のために水が極めて急激に膨張して粒子の破壊が徹底される300℃を超える温度に設定することができる;その他のタイプのコア材料については、その他の値を選択することができる。コーティングの急速加熱および/または示差的膨張に誘発される機械的ストレスは、粒子破壊のための追加メカニズムを提供することができる。コーティング、可変性外観材料、吸収コンポーネント40または任意の組み合わせの加熱は粒子破壊の原因となることができ、従って、別々に構築された粒子の破壊に必要なΔTの値はかなり変動する可能性がある。例えば、SchottのガラスフィルターKG-3のコーティングで作成された粒子の場合、(Nd:YAGレーザーからのような)1064nmの波長におけるKG-3の公知の光学吸収係数である約20cm−1、およびその熱容量 4ジュール/cm3/℃を用いて、上記の等式より、約20ジュール/cm2のフルエンスが100℃の温度変化を達成するために十分である。
一般に、約0.1〜30ジュール/cm2の可視光および近赤外線フルエンスがが適用され、皮膚は十分な耐用性を示す。1.0〜5.0ジュール/cm2が最も適切であるが、これよりも高い組織を損傷しないレーザーフルエンスは使用することができ、これよりも低いフルエンスは粒子が破壊されるならば使用することができる。
粒子の機械的破壊または熱変化を引き起こすために用いられる好ましい電磁波パルス期間は、おおよそ、粒子の熱緩和時間(τr)よりも短いかまたは等しい(Anderson, R. R. and J. A.Parrish (1983). Science 220 : 524-527を参照されたい)。近い近似のために、τrは秒を単位としてd2に等しく、ここで「d」はミリメートルを単位とする標的の直径である。このパルス期間によって、粒子における熱的閉じ込めが起こり、周辺組織に対する二次的損傷が抑制される。例えば、(直径10ミクロンの粒子における100nmの吸収コンポーネント40のように)100nm(10−4mm)の直径の粒子は、好ましくは、約(10−42、つまり10−8秒(10ナノ秒)よりも短いまたは等しいパルス期間で処理される。一般に、エネルギーは0.1から約100、500、または1000ナノ秒までの範囲のパルスにおいて送達することができる。典型的なQスイッチレーザーはこの範囲内で作動する。この範囲内において、0.5〜100ナノ秒のパルスが好ましい。
第一の除去方法に基づく組織マーキングを除去するために有用な最新の放射線システムは、現在、標準的な入れ墨除去処理において用いられる(1064nmのQスイッチ型Nd:YAGレーザーまたは760nmアレキサンドライトレーザーのような)Qスイッチ近赤外線レーザーを含む。
以後に記載するように、破壊されずに不可視となる粒子を用いて作成された組織マーキングの除去の場合、組織は上記の態様よりもさらに少ない外傷を受ける可能性がある。組織マーキングの除去中に細胞が損傷を受ける可能性は低く、多くの細胞が任意の実質的な方法において影響を受けない、または、処置に「気付かない」可能性すらある。
(図4に従って構築されるような)中和可能な可変性外観粒子は、予め、中和剤100を含む亜粒子90を破壊して粒子80全体は破壊しない電磁波を用いて除去されるように設計される。この方法は、コーティング95、特殊吸収コンポーネント40、および/または中和剤100による吸収を通して亜粒子を破壊するために所与のタイプのエネルギーをどの程度適用すべきかを調べるために、上記のガイドラインに従って実践することができる。電磁波は、コーティング20または可変性外観材料34によって強く吸収されない波長を放出する装置を用いて照射されるべきである。反応性化合物の組織内への浸出を引き起こすことができる粒子全体の破壊を避けるために、この場合は、常に内輪の用量が照射されるべきである。中和剤が可変性外観材料と混合されると、組織マーキングは酸化反応(1)、または(2)pH推移の完了時に検出不能となるであろう。
(図1、2、3、または5に従って構築されるような)光退色性可変性外観粒子は、予め、粒子10、50、60または110の全体を破壊せずに特定の可変性外観材料30または32に影響を及ぼす電磁波を用いて除去されるように設計される。適切な用量でその放射線に曝露されると、不可逆性の化学的遷移または分解のために、可変性外観材料は検出可能および/または可視性である能力を喪失して、組織マーキングが除去される。この場合も、照射される放射線は、コーティング20によって強力に吸収されてはならない。さらに、太陽光のような一般的な電磁波の供給源は、不可逆性の化学的遷移または分解を誘発せずに、可変性外観組織マーキングの除去に至ることが望ましい。レーザーまたはIPLからの短い高強度パルスの二光子吸収は、ベンゾフェノン、ケトン、および約300nmよりも低いものを吸収するラジカル発生剤を含む別の光安定性材料の光退色を引き起こすために用いることができる。
(図1、2、3、または5に従って構築されるような)熱不安定性の可変性外観粒子は、予め、粒子10、50、60または110全体は破壊せずに可変性外観コアを加熱するように調整された電磁波を用いて除去されるように設計される。例えば、放射線は、可変性外観材料によって吸収されて、不可逆性の化学的遷移または三次構造崩壊のいずれかによって可変性外観特性が変化または消失する特定の温度またはそれよりも高い温度まで可変性外観材料を加熱することができる。
患者の中には組織マーキングの部分的除去を望む患者がいる可能性があり、これも照射によって達成される。不完全な除去は、例えば、粒子のごく一部に影響を及ぼすように低用量の放射線を照射することによって、または組織マーキングの特定の領域のみを処理することによって、達成することができる。それは、例えば、マーキングのサイズを縮小するため;より小さいマーク、シンボル、文字、または識別情報を含むマーキングの一部を除去するため;マーキングの強度を下げるため;または組織マーキングの外観を転換するために望ましい可能性がある。
既存のマーキングを置き換えるために新しい組織マーキングが所望される場合、元々のマーキングのすべてまたは一部を除去するために放射線が用いられる。続いて、組織に新しい粒子が埋め込まれる。このプロセスは、例えば、転居後のペットの電話番号のマーキングを変更するために(バーコードのような)マーク、記号、文字または識別情報を更新するため;例えば、入れ墨のサイズを縮小するために領域を削除した後、芸術的入れ墨に細部を加えるために残っている組織マーキングの外観を作り直すまたは新しくするため;または新しい組織マーキングで元々のマーキングを完全に置き換えるために使用することができる。
例えば、IR吸収ガラス粒子を含む逆反射組織マーキングは、粒子を粉砕するためのIRパルスを用いることによって除去することができる。
実施例
次の実施例は、特許請求の範囲によって規定される本発明を例示するものであるが、その範囲を限定するものではない。
実施例1
0.5〜5マイクロメーターのサイズ範囲の超高屈折率ガラス球形粒子は、極めて高速で回転しているディスクから溶融した材料を遠心性に分散することによって調製される。粒子は遠心分離によってサイズおよび品質に関してソーティングして、滅菌し、水/グリセリン媒質に高濃度で懸濁して、標準的な皮下注射針を用いて表在真皮に注入する。生物適合性、寿命、外観および逆反射特性を確認するため、ヒトに先立って、組織マーキングをラット、マウス、ブタなどのような動物に埋め込むことができる。
皮膚の治癒には約1カ月間を斟酌する。入れ墨に対する皮膚反応を、持続性の炎症の徴候、入れ墨の消失および安定性に関して観察する。入れ墨材料の位置および最小の皮膚反応を確認するために、着色した皮膚生検標本の組織学的検査を実施する。
入れ墨の逆反射の品質は、平行光源ならびに反射光の外観および角分布をモニターするためのディジタルカメラ装置を用いて観察および測定する。所与の逆反射強度を提供するために必要な物質の量は、注入する材料の濃度および/または量を変更することによって測定する。異なるサイズおよび屈折率の球体における逆反射の強度および角分布を比較する。
組織マーキングの逆反射強度を測定するために用いることができる装置の模式図を図8に示す。光束は光源1からビームスプリッター2を用いて、組織4に埋め込まれる粒子3に投射される。光源1はレーザー、または特定の波長または波長域の光を放出するその他の任意の安定な平行光源であることができる。
光束は粒子3によりCCD(電荷結合素子)カメラの方向に反射される。このカメラは、粒子3からの異なる反射角度θの光を検出するために、点線に示されるように可動性である。図8に示すように、反射はθ=0゜にて測定される。この配置では、CCDカメラに逆反射を捉えさせるためにビームスプリッター2を使用する。
CCDカメラは逆反射した光を捕捉して、コンピュータに接続したディジタル画像キャプチャーに情報を伝達する。コンピュータはディジタル画像キャプチャーからの情報を加工して、例えば、ピクセル強度(例えば、8bit画像ディジタイザーの場合、0〜256)に関して異なる角度θにおける反射強度の分布を定量することができる。
異なる反射角度におけるこの反射強度の分布は、特定の組織マーキングの逆反射強度の評価に使用することができる。強度は、例えば、極プロットを用いて比較できる。
その他の態様
本発明はその詳細な説明と共に記載されているが、前記の説明は添付される特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲を例示することを意図するものであって、限定することを意図するものではない。その他の局面、利点および修正は特許請求の範囲内である。
可変性外観粒子の模式的横断図である。 可変性外観ナノ粒子を含む粒子の模式的横断図である。 カプセル化された可変性外観材料を含む亜粒子を含む粒子の模式的横断図である。 中和可能な可変性外観材料、およびカプセル化された中和剤を含む亜粒子を含む粒子の模式的横断図である。 可変性外観粒子のもう一つの態様を示す模式的横断図である。 可変性外観材料を含む粒子の模式的横断図である。 球体における逆反射の模式図である。 組織マーキングの逆反射強度を測定するために用いられる模式図である。

Claims (75)

  1. 周波数アップコンバージョン、逆反射、メタクロマジー、または酸化状態の変化を介して任意の一つまたは複数の外観で変化する可変性外観材料を含む、可変性外観組織マーキングにおける使用のための粒子。
  2. 可変性外観材料が周波数アップコンバージョンを介して外観を変化させる、請求項1記載の粒子。
  3. 可変性外観材料がフッ化イットリウムナトリウムを含む、請求項2記載の粒子。
  4. 可変性外観材料がフッ化イットリウムエルビウムを含む、請求項2記載の粒子。
  5. 可変性外観材料が可変性外観材料の酸化状態の変化を介して外観を変化させる、請求項1記載の粒子。
  6. 可変性外観材料が可逆性に酸化または還元される色素を含む、請求項5記載の粒子。
  7. 色素がメチレンブルーを含む、請求項6記載の粒子。
  8. 可変性外観材料が遷移金属酸化物、遷移金属水酸化物、または遷移金属の塩もしくは複合体の水溶液を含む、請求項5記載の粒子。
  9. 遷移金属がCu、Fe、Co、Mn、またはCrである、請求項8記載の粒子。
  10. 可変性外観材料がメタクロマジーによって外観を変化させる、請求項1記載の粒子。
  11. 可変性外観材料がフェノチアジニウム(phenothiazinium)色素またはシアニン色素を含む、請求項10記載の粒子。
  12. 可変性外観材料が溶液中で高分子電解質と結合するイオン性色素を含む、請求項10記載の粒子。
  13. 溶液中で可変性外観材料と結合する高分子電解質をさらに含む、請求項12記載の粒子。
  14. 高分子電解質が、イオン化した基を含むタンパク質、核酸、または多糖類を含む、請求項12記載の粒子。
  15. イオン性色素がトルイジンブルー、ブリリアントクレゾールブルー、またはメチルグリーンピロニンを含む、請求項12記載の粒子。
  16. 可変性外観材料がヌクレオチドと結合した際に蛍光増強または発光スペクトルシフトを示す蛍光核酸染色液を含む、請求項10記載の粒子。
  17. 蛍光核酸染色液が臭化エチジウムまたはアクリジンオレンジを含む、請求項16記載の粒子。
  18. 約50nmから約100μmのサイズである、請求項1記載の粒子。
  19. 組織内で非分散性であるか、実質的に生物学的に不活性であるか、またはその双方である、請求項1記載の粒子。
  20. 可変性外観材料が組織内で非分散性であり、かつ/または実質的に生物学的に不活性である、請求項1記載の粒子。
  21. 可変性外観材料が不溶性であり、組織中に放出された際に生物学的プロセスによってマーキングから物理的に移動するようなサイズおよび配置を持つ、請求項1記載の粒子。
  22. 滅菌される、請求項1記載の粒子。
  23. 可変性外観材料がヒトにおける使用に関して米国食品医薬品局より承認される物質を含む、請求項1記載の粒子。
  24. 赤外線、近赤外線、または双方に曝露した際に可視性である、請求項1記載の粒子。
  25. 放射線の波長が700nmから1300nmである、請求項24記載の粒子。
  26. 近赤外線に曝露した際にのみ可視性である、請求項24記載の粒子。
  27. 近赤外線の波長が約980nmである、請求項26記載の粒子。
  28. 前記波長に曝露された際に緑色光を放出する、請求項27記載の粒子。
  29. コーティングおよびコーティングに内包されるコアを含み、コアが可変性外観材料を含み、コアがコーティングを通して検出可能である、請求項1記載の粒子。
  30. 可変性外観材料が分散性であり、組織内に放出された際に溶解する、請求項29記載の粒子。
  31. 可変性外観材料が分散性であり、組織内に放出された際に代謝される、請求項29記載の粒子。
  32. 特定のエネルギーを吸収し、かつコーティング内、コア内、または双方に位置する吸収コンポーネントをさらに含む、請求項29記載の粒子。
  33. コーティング、コア、もしくは吸収コンポーネント、またはそれらの任意の組み合わせが、予め特定のエネルギーを吸収し粒子を破壊して可変性外観材料を放出するように設計される、請求項32記載の粒子。
  34. コーティング、コア、もしくは吸収コンポーネント、またはそれらの任意の組み合わせが、予め特定のエネルギーを吸収し粒子の可変性外観特性を変更するように設計される、請求項32記載の粒子。
  35. 特定のエネルギーが電磁波である、請求項32記載の粒子。
  36. 特定のエネルギーが赤外線または近赤外線である、請求項35記載の粒子。
  37. 特定のエネルギーが紫外線または高輝度可視光である、請求項35記載の粒子。
  38. コーティングが、金属酸化物、シリカ、ガラス、フッ素樹脂、有機ポリマー、ワックス、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項29記載の粒子。
  39. コーティングが実質的に見かけ上透明であり、近赤外線を吸収する、請求項29記載の粒子。
  40. 吸収コンポーネントが着色したガラスフィルター、グラファイト、カーボン、金属酸化物、アクリル酸塩ポリマー、ウレタンポリマー、シリコン、ゲルマニウム、金属、有機金属結晶、または半導体材料からなる群より選択される、請求項32記載の粒子。
  41. コーティングが近赤外線を吸収する吸収コンポーネントを含む、請求項32記載の粒子。
  42. コーティングが近赤外線を吸収する材料を含む、請求項39記載の粒子。
  43. コーティングが可変性外観材料を粒子から浸出させるために十分なサイズの孔を含む、請求項29記載の粒子。
  44. 多くのコアが単一粒子のコーティング内に内包される、請求項29記載の粒子。
  45. コーティングが粒子の体積の約10〜95%を含む、請求項29記載の粒子。
  46. 特定のエネルギーに粒子を曝露した際に亜粒子(sub-particle)から放出されると粒子の可変性外観特性を中和することができる中和剤を含む亜粒子をさらに含む、請求項29記載の粒子。
  47. 特定のエネルギーが熱または電磁波である、請求項46記載の粒子。
  48. 可変性外観材料がpH感受性であり、中和剤が酸、塩基、または粒子の可変性外観特性を中和するpH遷移を引き起こすことができる緩衝剤である、請求項46記載の粒子。
  49. 可変性外観材料が光退色性であり、粒子の電磁エネルギーへの曝露によって粒子が実質的に検出不能となる、請求項1記載の粒子。
  50. 可変性外観材料が熱不安定性であり、粒子の熱エネルギーへの曝露によって粒子が実質的に検出不能となる、請求項1記載の粒子。
  51. 可変性外観材料が、粒子が逆反射を示すために十分な屈折率を持つ、請求項1記載の粒子。
  52. 球形、コーナーキューブ、立方晶または立方晶断片形である、請求項51記載の粒子。
  53. マーキングされるべき組織内での光のおおよその波長よりも長い直径を持つ球体を含み、可変性外観材料の屈折率が少なくとも約1.6である、請求項52記載の粒子。
  54. 屈折率が約1.6から約2.4である、請求項53記載の粒子。
  55. 球体の直径が波長の約1倍から約10倍である、請求項53記載の粒子。
  56. マーキングされるべき組織が真皮である、請求項53記載の粒子。
  57. マーキングされるべき組織が、皮膚、虹彩、強膜、象牙質、筋、腱、指の爪、足の爪、指の爪の下の組織、足の爪の下の組織、口の中の組織、または体内通路を裏打ちする組織からなる群より選択される、請求項53記載の粒子。
  58. 可変性外観材料が非分散性である、請求項51記載の粒子。
  59. 請求項1記載の粒子および液体の担体を含む、組織マーキングインク。
  60. 担体がアルコール、水、もしくはグリセリン、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項59記載のインク。
  61. 組織に可変性外観マーキングを適用する方法であって、以下の段階を含む方法:
    可変性外観材料を含む粒子を提供する段階であって、粒子が周波数アップコンバージョン、逆反射、メタクロマジー、または酸化状態の変化を介して外観を変化させる可変性外観材料を含んでいる段階;および
    粒子を組織に埋め込む段階。
  62. 皮膚、虹彩、強膜、象牙質、指の爪、足の爪、筋、腱、指の爪の下の組織、足の爪の下の組織、口の中の組織、または体内通路を裏打ちする組織に粒子を埋め込む段階を含む、請求項61記載の方法。
  63. 特定のエネルギーの適用によって変化させることができる可変性外観特性を持つ可変性外観組織マーキングを変化および/または除去する方法であって、該マーキングが可変性外観材料を含む粒子を組織に埋め込むことによって作製され、マーキングの該可変性外観特性を変化させるために十分な時間にわたって該マーキングを特定のエネルギーに曝露する段階を含む方法。
  64. マーキングを実質的に検出不能とするためにマーキングを特定のエネルギーに曝露する段階を含む、請求項63記載の方法。
  65. 粒子を破壊して可変性外観材料を放出させるためにマーキングを特定のエネルギーに曝露する段階を含む、請求項63記載の方法。
  66. マーキングを変化させるためにマーキングを特定のエネルギーに曝露する段階を含む、請求項63記載の方法。
  67. 特定のエネルギーを、マーキングの可変性外観を完全に除去または変化させるには不十分な波長、強度、もしくは期間、またはそれらの任意の組み合わせで適用して、それによって、マーキングを部分的に除去および/または変化させる段階を含む、請求項63記載の方法。
  68. 可変性外観材料加熱して変化させるためにマーキングを特定のエネルギーに曝露する段階を含む、請求項63記載の方法。
  69. 特定のエネルギーが電磁波である、請求項63記載の方法。
  70. 特定のエネルギーが近紫外線または高輝度可視光である、請求項69記載の方法。
  71. 特定のエネルギーが赤外線または近赤外線である、請求項69記載の方法。
  72. 可変性外観材料が多光子光退色性物質を含む、請求項69記載の粒子。
  73. 多光子光退色性材料が二光子光退色性材料を含む、請求項72記載の粒子。
  74. 二光子光退色性材料がベンゾフェノン、ケトン、またはラジカル発生剤を含む、請求項73記載の粒子。
  75. 特定のエネルギーが約300nmよりも低い電磁波である、請求項73記載の粒子。
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