JP2007515395A - 血管運動症状の治療方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、選択的アドレナリン作動性α2Bアンタゴニスト単独、選択的アドレナリン作動性α2Bアンタゴニストをノルエピネフリン再取り込み阻害剤(NRI)と組み合わせたもの(単一の化合物として、または2種またはそれ以上の化合物の組み合わせとして)、あるいは選択的アドレナリン作動性α2Bアンタゴニストを二元的ノルエピネフリン再取り込み阻害剤/セロトニン再取り込み阻害剤(NRI/SRI)と組み合わせたもの(単一の化合物として、または2種またはそれ以上の化合物の組み合わせとして)、ならびに血管運動症状の治療におけるそれらの使用法に関する。

Description

発明の詳細な説明
(関連出願の相互参照)
本願は、その内容を出典明示により本明細書の一部とする、(a)2003年10月14日付け出願の米国出願番号60/510897、(b)2003年10月14日付け出願の米国出願番号10/585812、および(c)2003年10月15日付け出願の国際出願PCT/US03/32759の利益を主張する、2004年10月12日付け出願の米国出願番号10/ に基づく優先権を主張するものである。
(技術分野)
本発明は、とりわけ、血管運動症状(VMS)の治療のためにノルエピネフリンのレベルを調節する化合物の使用および該化合物の組成物に関する。特に、本発明はノルエピネフリン系を調節するためのアドレナリン作動性α2Bアンタゴニスト活性を有する化合物の使用および化合物の組成物に関する。
(従来技術)
体熱感および寝汗と称される、血管運動症状(VMS)は更年期に伴う最も一般的な症状であり、天然または術誘発の更年期に続き、女性すべての60%ないし80%にて発生する。VMSは中枢神経系(CNS)の性ステロイドの減少に対する適応反応である可能性がある。今日まで、VMSの最も効果的な療法は、エストロゲンおよび/またはプロゲスチンを含む、ホルモンを基礎とする療法である。ホルモン療法はVMSの緩和に極めて効果的であるが、すべての女性に適合するものではない。VMSは性ステロイドの濃度が変動することで惹起され、それが男性および女性の両方にて破壊的かつ無効化であることが十分に認識されている。体熱感は最大30分間続き、その頻度は一週間に数回から一日に複数回の発生まで、変化する。患者は、顔から胸および背中へと、ついで体の残りの部分に急速に広がる、突然の熱い感覚としての体熱感を経験する。それは、通常、大量の発汗の惹起を伴う。時には1時間に数回起こる可能性もあり、夜に起こることも多い。夜間に生じる体熱感および発汗は睡眠不足を引き起こしうる。緊張感、疲労、神経過敏、不眠症、鬱病、記憶喪失、頭痛、不安、神経質または集中力の欠如などの精神的および情緒的な観察される症状は、体熱感および寝汗に伴う睡眠不足により引き起こされると考えられる(Kramerら、In:Murphyら、3版 Int’l Symposium on Recent Advances in Urological Cancer Diagnosis and Treatment−Proceedings、Paris、France:SCI:3−7(1992))。
体熱感は、いくつかの理由:(1)乳癌の手術をした患者の多くはタモキシフェンを服用しており、その最も一般的な副作用が体熱感である;(2)乳癌の治療を受けた女性の多くは化学療法に由来する初期更年期を経験する;(3)乳癌の病歴のある女性は、乳癌の再発を心配するため、一般にエストロゲン療法を拒絶する(Loprinziら、Lancet、2000、356(9247):2059−2063)から、乳癌の治療を受けた女性ではなおのこと厳しいものである。
男性もステロイドホルモン(アンドロゲン)の使用中止後に体熱感を経験する。このことは、加齢に伴ったアンドロゲン減少のケースにおいて(Katovichら、Proceedings of the Society for Experimental Biology & Medicine、1990、193(2):129−35)ならびに前立腺癌の治療に付随するホルモン不足の極端なケースにおいて(Berendsenら、European Journal of Pharmacology、2001、419(1):47−54)実際に起こる。これらのうち三分の一もの患者は著しい不快および不便を引き起こすのに十分な強度の持続的かつ頻出な症状を経験するであろう。
VMSの正確な作用機序は不明であるが、一般に、体温調節および血管運動活性を制御する正常な恒常性維持機構に対して障害を示すと考えられる(Kronenbergら、"Thermoregulatory Physiology of Menopausal Hot Flashes:A Review" Can. J. Physiol. Pharmacol.、1987、65:1312−1324)。
エストロゲン治療(例えば、エストロゲン置換療法)が該症状を緩和するという事実が、これら症状とエストロゲン欠乏との間の関係を確立している。例えば、更年期は広範囲に及ぶ上記の他の急性症状と関係しており、これらの症状は一般にエストロゲンに対して感受的である。
エストロゲンがノルエピネフリン(NE)および/またはセロトニン(5−HT)系の両方の活性を刺激していると可能性があると示唆されている(J. Pharmacology & Experimental Therapeutics、1986、236(3) 646−652)。エストロゲンがNEおよび5−HTレベルを制御し、視床下部の体温調節中枢にて恒常性を付与すると仮定されている。視床下部から脳幹/脊髄および副腎を介して皮膚に至る下行経路は皮膚の温度を正常に維持するのに関係している。NEおよび5−HT再吸収阻害剤の作用がCNSおよび末梢神経系(PNS)の両方にて影響を及ぼすことが知られている。VMSの病態生理学には中枢機構および末梢機構の両方が介在し、したがって、CNSとPNSの間にある相互作用により体温調節機能不全の治療における二元作用性のSRI/NRIの効能が説明されうる。実際、VMSにおける生理学的観点およびCNS/PNSの関係により、鬱病の行動的側面を治療するのに使用される用量と比べて、VMSを治療するのに提案される用量が低いことが説明されうる(Loprinziら、Lancet、2000、356:2059−2063;Stearnsら、JAMA、2003、289:2827−2834)。VMSの病態生理学におけるCNS/PNSの相互作用およびこの書類に示されるデータは、VMSを治療するのにノルエピネフリン系を標的としうる、主張を支持するのに使用された。
VMSの患者は、通常、(経口、経皮またはインプラントを介する)ホルモン療法で治療されるが、患者の何人かはエストロゲン治療に耐えることができない(Berendsen、Maturitas、2000、36(3):155−164、Finkら、Nature、1996、383(6598):306)。加えて、ホルモン置換療法は、一般に、ホルモン活性に感受的な癌(例えば、乳癌または前立腺癌)の、あるいはその危険のある男性または女性には薦められない。かくして、臨床的には、非ホルモン療法(例えば、フルオキセチン、パロキセチン[SRI]およびクロニジン)が評価されている。WO9944601はフルオキセチンを投与することで女性の体熱感を減少させる方法を開示する。ステロイド、アルファ−アドレナリン作動性アゴニスト、およびベータブロッカーを含む、体熱感の治療について、成功の程度が様々な別の選択肢も研究されてきた(Waldingerら、Maturitas、2000、36(3):165−168)。
α−アドレナリン作動性受容体が体温調節機能不全にて一の役割を果たすことが報告されている(Freedmanら、Fertility & Sterility、2000、74(1):20−3)。これらの受容体はシナプス前部および後部の両方に存在し、中枢および末梢神経系における阻害作用を媒介する。アドレナリン作動性α受容体には4種のサブタイプ、すなわち、α2A、α2B、α2Cおよびα2Dがある(Mackinnonら、TIPS、1994、15:119;French、Pharmacol. Ther. 1995、68:175)。非選択的α−アドレノセプターアンタゴニスト、ヨヒンビンが紅潮を誘発し、α−アドレナリン作動性受容体アゴニスト、クロニジンがヨヒンビンの作用を軽減すると報告されている(Katovichら、Proceedings of the Society for Experimental Biology & Medicine 1990、193(2):129−35、Freedmanら、Fertility & Sterility 2000、74(1):20−3)。体熱感を治療するのにクロニジンが使用されてきた。しかしながら、かかる治療法の使用は、本明細書に記載され、かつ関連する分野にて知られている体熱感を和らげるのに高用量を必要とするため望ましくない多くの副作用を惹起する。
体温調節の複雑な多面的性質および体温調節の恒常性の維持におけるCNSとPNSの間の相互作用を考慮すれば、血管運動症状を標的として複数の療法および解決法を開発することもできる。本発明は、これらのおよび他の重要な使用に向けられる、方法に焦点を当てるものである。
発明の開示
本発明は血管運動症状を患っている対象を治療する方法を提供する。
一の実施形態において、本発明は、その必要とする対象における血管運動症状の治療方法であって、該対象に、本質的に少なくとも一つの選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストまたはその医薬上許容される塩からなる有効量の活性成分を含む組成物を投与する工程を含む、方法に関する。
もう一つ別の実施形態において、本発明は、その必要とする対象における血管運動症状の治療方法であって、該対象に、少なくとも一つの選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストまたはその医薬上許容される塩の有効量、および少なくとも一つのノルエピネフリン再取り込み阻害剤(NRI)またはその医薬上許容される塩の有効量を投与する工程を含む、方法に関する。
さらにもう一つ別の実施形態において、本発明は、その必要とする対象における血管運動症状の治療方法であって、該対象に、少なくとも一つの選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストまたはその医薬上許容される塩の有効量、および少なくとも一つの二元的ノルエピネフリン再取り込み阻害剤/セロトニン再取り込み阻害剤(NRI/SRI)またはその医薬上許容される塩の有効量を投与する工程を含む、方法に関する。
さらにもう一つ別の実施形態において、本発明は、本質的に少なくとも一つの選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストまたはその医薬上許容される塩からなる活性成分と、少なくとも一つの医薬上許容される担体とを含む、医薬組成物に関する。
もう一つ別の実施形態において、本発明は、少なくとも一つの選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストまたはその医薬上許容される塩と、少なくとも一つのノルエピネフリン再取り込み阻害剤(NRI)またはその医薬上許容される塩と、少なくとも一つの医薬上許容される担体とを含む、医薬組成物に関する。
さらにもう一つ別の実施形態において、本発明は、少なくとも一つの選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストまたはその医薬上許容される塩と、少なくとも一つのノルエピネフリン再取り込み阻害剤/セロトニン再取り込み阻害剤(NRI/SRI)またはその医薬上許容される塩と、少なくとも一つの医薬上許容される担体とを含む、医薬組成物に関する。
(図面の簡単な記載)
本発明は、本願の一部を形成する、以下の詳細な記載および添付した図面を用いてさらに理解されうる。
図1は、モルヒネ依存性の体熱感のラット実験(MD実験)における、イミロキサン(imiloxan)である、アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストに対する用量応答を示す。イミロキサンED50=15mg/kg(sc)。*はビヒクル対照と比べてp<0.05であることを示す。実施例1にて言及する。
図2は、卵巣切除誘発の体温調節機能不全のテレメトリーラット実験において、イミロキサン、アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストを2種の用量(30および60mg/kg(sc))で投与した場合の結果を示す。実施例2にて言及する。
図3は、ラットの視索前野視床下部におけるNEおよび5−HTの細胞外レベルにおける、イミロキサン、アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストの効果を測定する微小透析実験の結果を示す。イミロキサン 10mg/kg(ip)。*はビヒクル対照と比べてp<0.05であることを示す。実施例3にて言及する。
(発明の詳細な記載)
アドレナリン作動性α2受容体は体熱感を誘発することが知られている。意外にも、本発明者らは、選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストを単独で、あるいはNRI化合物と一緒に投与した場合に、ナロキソン誘発の紅潮が用量依存的に軽減することを見出した。さらには、本発明者らは、アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストと組み合わせて投与した場合に、NRIの効能が強化されうることを見出した。本発明の記載は、血管運動不安定および/または症状の治療、軽減、阻害および/または予防の分野にて実質的な飛躍的進歩をもたらすと考えられる。
本発明はノルエピネフリンの活性の減少を回復することで血管運動症状を患っている対象を治療する方法を提供する。視床下部または脳幹におけるノルエピネフリンの活性は、(i)アドレナリン作動性α2B受容体の活性をアンタゴニストで遮断する、および/または(ii)NE輸送体の活性を遮断することにより亢進されうる。
さらに詳しくは、本発明は、血管運動症状を患っている対象を治療する方法であって、選択的アドレナリン作動性α2Bアンタゴニストを単独で、選択的アドレナリン作動性α2Bアンタゴニストをノルエピネフリン再取り込み阻害剤(NRI)と組み合わせて(単一の化合物として、または2種またはそれ以上の化合物の組み合わせとして)、あるいは選択的アドレナリン作動性α2Bアンタゴニストを二元的ノルエピネフリン再取り込み阻害剤/セロトニン再取り込み阻害剤(NRI/SRI)と組み合わせて(単一の化合物として、または2種またはそれ以上の化合物の組み合わせとして)投与することを含む方法を提供する。本発明はまた、活性成分として、選択的アドレナリン作動性α2Bアンタゴニストを単独で、選択的アドレナリン作動性α2Bアンタゴニストをノルエピネフリン再取り込み阻害剤(NRI)と組み合わせて(単一の化合物として、または2種またはそれ以上の化合物の組み合わせとして)、あるいは選択的アドレナリン作動性α2Bアンタゴニストを二元的ノルエピネフリン再取り込み阻害剤/セロトニン再取り込み阻害剤(NRI/SRI)と組み合わせて(単一の化合物として、または2種またはそれ以上の化合物の組み合わせとして)含む医薬組成物を包含する。
以下の定義は本願明細書にて使用される用語および略語を最大限理解するために提供される。
本願明細書および添付した特許請求の範囲にて使用される場合の単数形は、その内容を明記しない限り、複数形を包含するものである。かくして、例えば、「一のアンタゴニスト」への言及は複数のかかるアンタゴニストを含むものであり、「一の化合物」への言及は一またはそれ以上の化合物および当業者に公知の均等物等に言及するものである。
本明細書中の略語は、以下のように、尺度、技法、性質または化合物の単位に相当するものである。「min」は分を意味し、「h」は時間を意味し、「μL」はマイクロリットルを意味し、「mL」はミリリットルを意味し、「mM」はミリモルを意味し、「M」はモルを意味し、「mmole」はミリモルを意味し、「cm」はセンチメーターを意味し、「SEM」は平均の標準誤差を意味し、「IU」は国際単位を意味する。「Δ℃」およびΔTSTはナロキソンで紅潮を誘発する前にベースラインのTSTから15分間常態とした尾皮膚温度の変化を意味する。「ED50値」は観察される症状または作用を50%減少させる用量(50%平均最大終点)を意味する。
「尾皮膚温度」をTSTと略する。
「ノルエピネフリン輸送体」をNETと略する。
「ヒトノルエピネフリン輸送体」をhNETと略する。
「セロトニン輸送体」をSERTと略する。
「ヒトセロトニン輸送体」をhSERTと略する。
「ノルエピネフリン再取り込み阻害剤」をNRIと略する。
「選択的ノルエピネフリン再取り込み阻害剤」をSNRIと略する。
「セロトニン再取り込み阻害剤」をSRIと略する。
「選択的セロトニン再取り込み阻害剤」をSSRIと略する。
「ノルエピネフリン」をNEと略する。
「セロトニン」を5−HTと略する。
「皮下」をscと略する。
「腹腔内」をipと略する。
「経口」をpoと略する。
「高性能液体クロマトグラフィー」をHPLCと略する。
「血管運動症状」、「血管運動不安定症状」および「血管運動障害」なる語は、限定するものではないが、とりわけ、体温調整機能不全により惹起される、体熱感、不眠症、睡眠障害、気分障害、過敏症、過度の発汗、寝汗、倦怠感などを包含する。
「体熱感」なる語は専門用語であり、典型的には、対象にて一般に発汗を伴う、突然の皮膚の紅潮からなる体温の一過性障害をいう。「体熱感」なる語は、血管運動症状、血管運動不安定症状、血管運動機能不全、寝汗、血管運動障害および一過性熱感と互換的に使用されうる。
本明細書で使用する「月経閉止前」なる語は月経閉止以前をいい、本明細書で使用する「閉経前後」なる語は月経閉止の間をいい、本明細書で使用する「閉経後」なる語は月経閉止以後をいう。
「早発閉経」または「人工閉経」なる語は、40歳前に生じる可能性のある原因が不明の卵巣障害をいう。喫煙、高所での生活または栄養不良状態と関連しているかもしれない。人工閉経は卵巣摘除術、化学療法、骨盤への照射または卵巣血液供給を害するいずれかの工程に由来する可能性がある。
本明細書で使用する「卵巣摘除」なる語は、Merchenthalerら、Maturitas 1988;30(3):307−316に従って行うことができる、卵巣の摘出を意味する。
本明細書で使用する「選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニスト」なる語は、アドレナリン作動性α2A受容体またはアドレナリン作動性α2C受容体と比較してアドレナリン作動性α2B受容体と選択的に結合するアドレナリン作動性α2受容体アンタゴニストの化合物をいい、アドレナリン作動性α2B受容体でのアンタゴニスト活性に関するインビトロまたはインビボでのIC50値を、アドレナリン作動性α2Aまたはアドレナリン作動性α2C受容体でのアンタゴニスト活性に関するIC50値で除した割合で測定することができる。選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストは、その割合が約1よりも大きい、好ましくは約2よりも大きい、より好ましくは約5よりも大きい、さらに好ましくは約10よりも大きい、その上より好ましくは約50よりも大きい、およびその上さらにより好ましくは約100よりも大きい、いずれのアドレナリン作動性α2受容体アンタゴニストでもある。
本明細書で使用する「ノルエピネフリン再取り込み阻害剤」なる語は、中枢および/または末梢神経系のニューロンを介してNEの取り込みを阻害することでノルエピネフリン(NE)のレベル、および/または末梢系を変更し、EC50値またはヒト輸送体と特異的に結合したNE取り込みの%を測定した場合に、少なくとも約1:1のSERT:NET活性の選択比を有する化合物をいう。好ましくは、SERT:NETの選択比は約1000:1を超えない。好ましくは、SERT:NETの選択比は約2:1よりも大きい。より好ましくは、SERT:NETの選択比は約5:1よりも大きい。さらにより好ましくは、SERT:NETの選択比は約10:1よりも大きい。
「実質的にセロトニン再取り込み阻害剤(SRI)活性を有しない」なる語は、EC50値またはヒト輸送体と特異的に結合したNE取り込みの%を測定した場合に、約2:1より大きな、好ましくは約5:1より大きな、より好ましくは約10:1よりも大きな、SERT:NET活性の選択比を有するノルエピネフリン再取り込み阻害剤をいう。
本明細書にて使用する「ノルエピネフリン再取り込み阻害剤/セロトニン再取り込み阻害剤」および「(NRI/SRI)」なる語は、セロトニン再取り込み阻害剤として、およびノルエピネフリン再取り込み阻害剤としての二元的活性有する単一の化合物をいう。本明細書で用いる場合、二元的活性を有する化合物とは二つの作用を有する化合物である。
本明細書にて使用する「治療」なる語は防御的(例えば、予防的)、治癒的または緩和的治療を含み、本明細書で使用する「治療する」なる語もまた防御的、治癒的または緩和的治療を包含する。
本明細書にて使用する「投与する」なる語は、本発明の化合物または組成物を直接投与するか、または体内にて等価量の活性化合物または物質を形成するであろうプロドラッグ、誘導体またはアナログをいう。
本明細書で使用する「有効量」なる語は、所望の結果を得るのに必要な投与量および期間で、有効な量をいう。特に、「有効量」とは、ノルエピネフリン濃度を増加させ、血管運動症状を患っている対象におけるステロイド利用能の欠如を部分的または全体的に補う、化合物または化合物の組成物の量をいう。ホルモン濃度の変化は本発明にて必要とされる化合物の量に影響するであろう。例えば、更年期前の状態は更年期の状態よりもホルモン濃度が高いため化合物の濃度は少なくてもよい。
本発明の成分の有効量は、選択される個々の化合物、成分または組成物で、投与経路で、個体にて所望の応答を惹起するための成分(単独で、あるいは1またはそれ以上の併用薬剤との組み合わせでの成分)の能力で変化するだけでなく、緩和されるべき病態または症状の重度、個体のホルモン濃度、年齢、性別、体重、患者の状態、治療される病理学的症状の重度、個々の患者により遂行される同時薬物療法または特別な食事、および当業者ならば理解するであろう他の因子で、患者毎に変化し、その適量は最終的には顧問医が判断する。投与方法を調整し、治療応答を改良することもできる。有効量はまた、治療上効果的な作用が成分の毒性または有害な作用を上回る量でもある。
治療を開始する前の体熱感の人数と比べて体熱感の人数が減少するように、本発明の化合物を一定の用量で、一定期間投与することが好ましい。かかる治療はまた、治療を開始する前の体熱感の重度と比べて依然として経験している体熱感の全体としての重度または強度の分配を減少させるのに有益である。
「成分」、「薬物」または「薬理学的に活性な物質」または「活性物質」あるいは「医薬」なる語は、本明細書中、互換的に、生物(ヒトまたは動物)に投与されると、局所的および/または全身的作用により所望の薬理学的および/または生理学的作用を誘発する、内容の化合物または化合物類あるいは組成物をいうのに用いられる。本明細書における成分はノルエピネフリン再取り込み阻害活性またはセロトニン再取り込み阻害活性を合して含有してもよく、ノルエピネフリン再取り込み阻害活性を含有してもよい。さらには、該成分はノルエピネフリン再取り込み阻害活性とアドレナリン作動性α2受容体アンタゴニスト活性を合して含有してもよい。
「調節」なる語は、生物学的活性の機能特性または工程、例えば、受容体結合またはシグナル化活性を強化または阻害するかのいずれかの能力をいう。かかる強化または阻害は、信号変換経路の活性化などの特異的な事象の発生に付随してもよく、および/または特定の細胞型においてのみ出現するものであってもよい。調節物質は、例えば、抗体、小分子、ペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチドまたは蛋白、好ましくは小分子またはペプチドを含むことを意図とする。
「併用療法」なる語は、本明細書に開示の病態または障害、例えば、体熱感、発汗、温度調節関連の症状または障害、あるいはその他の症状を治療するのに2種またはそれ以上の治療薬または化合物を投与することをいう。かかる投与は、NRI/アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニスト活性を有する単一の化合物にて、あるいは複数の、別々の化合物、各々、NRI、NRI/SRIまたはアドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニスト活性を有する化合物(別々の化合物を単一の投与単位にて投与することを含む)にて、同時投与の形態にて、これら治療薬または化合物を共同投与することを包含する。加えて、かかる投与はまた、各々の型の治療薬を共同投与の形態にて用いることを包含する。いずれのケースにおいても、治療法は本明細書に記載の症状または障害の治療にて薬物の組み合わせの有益な効果を提供するであろう。
「対象」または「患者」なる語は、本発明の組成物および/または方法で治療可能なヒトを含む動物をいう。「対象」なる語は、特に一の性を特定しない限り、雄および雌の両方の性に言及することを意図とする。したがって、「患者」なる語は、ヒトなどの、特に哺乳動物が雌の場合、月経閉止前、閉経前後または閉経後のいずれかの血管運動障害の治療または予防より利益を受けうるいずれの哺乳動物をも含む。さらには、患者なる語は、ヒトを含む雌の動物、とりわけヒトを含み、更年期を経験した年輩の女性だけでなく、子宮摘出術を受けた女性、あるいは他の理由から、エストロゲン産生が抑制されている女性、例えばコルチコステロイドを長期間投与している女性、クッシング症候群を患っている女性または性腺発育障害のある女性を包含する。しかしながら、「患者」なる語は女性に限定されることを意図とはしない。
本明細書にて用いられる「副作用」なる語は、一の試薬または対策を用いる組織または器官系以外での一の結果であって、一の薬物により、特にその投与により益を得たいと考える組織または器官系とは異なるところで生じる有害な作用としての、結果をいう。例えば、NRIまたはNRI/SRI化合物を単独で高用量で用いる場合には、「副作用」なる語は、例えば、嘔吐、吐き気、発汗および紅潮などのかかる状態をいう(Janowskyら、Journal of Clinical Psychiatry、1984、45(10Pt2):3−9)。
本明細書で使用される「阻害剤」なる語は、哺乳動物、好ましくはヒトのノルエピネフリン再取り込み、またはセロトニン再取り込みとノルエピネフリン再取り込みの両方に対して、部分的な、完全な、競合的な、および/または阻害的な作用を示し、そうして内因的ノルエピネフリン再取り込みあるいはセロトニン再取り込みとノルエピネフリン再取り込みの両方の生物学的作用をある程度またはすべて減少させるか、または遮断する、好ましくは減少させる、いずれの化合物、例えば、抗体、小分子、ペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチドまたは蛋白、好ましくは小分子またはペプチドをも含むことを意図とする。
本明細書にて使用される「医薬上許容される塩」なる語は、無機塩および有機塩を含む、医薬上許容される非毒性の酸より調製される塩をいう。適当な非毒性塩は、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、リンゴ酸、マレイン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモン酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸等などの無機および有機酸を含む。塩酸、臭化水素酸、リン酸および硫酸が特に好ましく、塩酸塩が最も好ましい。
さらには、本発明の化合物は、溶媒和されていない形態にて、ならびに水、エタノールなどの医薬上許容される溶媒で溶媒和されている形態にて存在してもよい。一般に、溶媒和されている形態は本発明の目的として溶媒和されていない形態と均等であると考えられる。
本明細書にて使用される「プロドラッグ」なる語は、代謝作用により(例えば、加水分解により)インビボにてアドレナリン作用性α2B受容体アンタゴニスト、NRIおよびNRI/SRIに変換可能な化合物を意味する。例えば、Bundgaard(編)、Design of Prodrugs、Elsevier(1985);Widderら(編)、Methods in Enzymology、vol. 4、Academic Press(1985);Krogsgaard−Larsenら(編)、「Design and Application of Prodrugs」 Textbook of Drug Design and Development、第5章、113−191(1991);Bundgaardら、Journal of Drug Deliver Reviews、1992、8:1−38、Bundgaard、J. of Pharmaceutical Sciences、1988、77:285 以下参照;およびHiguchiおよびStella(編)Prodrugs as Novel Drug Delivery Systems、American Chemical Society(1975)に開示されるように、種々の形態のプロドラッグが当該分野にて知られている。
一の態様において、本発明は、その必要とする対象における血管運動症状の治療方法であって、該対象に、本質的に少なくとも一つの選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストまたはその医薬上許容される塩からなる有効量の活性成分を含む組成物を投与する工程を含む、方法に関する。
もう一つ別の態様において、本発明は、その必要とする対象における血管運動症状の治療方法であって、該対象に、少なくとも一つの選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストまたはその医薬上許容される塩の有効量、および少なくとも一つのノルエピネフリン再取り込み阻害剤(NRI)またはその医薬上許容される塩の有効量を投与する工程を含む、方法に関する。
特定の実施形態において、ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(NRI)は選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストと同時に投与される。特定の別の実施形態において、ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(NRI)は選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストと連続して投与される。
特定の実施形態において、選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストとノルエピネフリン再取り込み阻害剤(NRI)は単一の化合物である。特定の実施形態において、選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストとノルエピネフリン再取り込み阻害剤(NRI)は別個の化合物である。
特定の実施形態において、ノルエピネフリン再取り込み阻害剤は実質的にセロトニン再取り込み阻害剤(SRI)活性を有しない。
さらにもう一つ別の態様において、本発明は、その必要とする対象における血管運動症状の治療方法であって、該対象に、少なくとも一つの選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストまたはその医薬上許容される塩の有効量、および少なくとも一つの二元的ノルエピネフリン再取り込み阻害剤/セロトニン再取り込み阻害剤(NRI/SRI)またはその医薬上許容される塩の有効量を投与する工程を含む、方法に関する。
特定の実施形態において、ノルエピネフリン再取り込み阻害剤/セロトニン再取り込み阻害剤(NRI/SRI)は選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストと同時に投与される。特定の別の実施形態において、ノルエピネフリン再取り込み阻害剤/セロトニン再取り込み阻害剤(NRI/SRI)は選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストと連続して投与される。
特定の実施形態において、選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストおよびノルエピネフリン再取り込み阻害剤/セロトニン再取り込み阻害剤は単一の化合物である。特定の実施形態において、選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストおよびノルエピネフリン再取り込み阻害剤/セロトニン再取り込み阻害剤は別個の化合物である。
さらなる態様において、本発明は、本質的に少なくとも一つの選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストまたはその医薬上許容される塩からなる活性成分と、少なくとも一つの医薬上許容される担体とを含む、医薬組成物に関する。
もう一つ別の態様において、本発明は、少なくとも一つの選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストまたはその医薬上許容される塩と、少なくとも一つのノルエピネフリン再取り込み阻害剤(NRI)またはその医薬上許容される塩と、少なくとも一つの医薬上許容される担体とを含む、医薬組成物に関する。
さらにもう一つ別の態様において、本発明は、少なくとも一つの選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストまたはその医薬上許容される塩と、少なくとも一つのノルエピネフリン再取り込み阻害剤/セロトニン再取り込み阻害剤(NRI/SRI)またはその医薬上許容される塩と、少なくとも一つの医薬上許容される担体とを含む、医薬組成物に関する。
適当な選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストは、2−(1−エチル−2−イミダゾリル)メチル−1,4−ベンゾジオキサン(イミロキサン)、2−[(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イル)メチル]−1−エチル−1H−イミダゾール、2−[2−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]エチル]−4,4−ジメチル−1,3(2H,4H)−イソキノリンジオン(ARC239)あるいはその組み合わせまたは医薬上許容される塩を包含するが、これに限定されるものではない。
適当なノルエピネフリン再取り込み阻害剤(NRI)は、マプロチリン;レボセチン;ノルプラミン;デシプラミン;ニソセチン;アトモセチン;アモキサピン;ドキセピン;ロフェプラミン;アミトリプチリン;1−[1−(3−フルオロフェニル)−2−(4−メチル−1−ピペラジニル)エチル]シクロヘキサノール;1−[1−(3−クロロフェニル)−2−(4−メチル−1−ピペラジニル)エチル]シクロヘキサノール;1−[2−(4−メチル−1−ピペラジニル)−1−[3−(トリフルオロメチル)−フェニル]エチル]シクロヘキサノール;1−[1−(4−メトキシフェニル)−2−[4−メチル−1−ピペラジニル)エチル]シクロヘキサノール;1−[1−(3−クロロフェニル)−2−[4−(3−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]エチル]シクロヘキサノール;1−[1−(3−メトキシフェニル)−2−[4−フェニルメチル)−1−ピペラジニル]エチル]シクロヘキサノール;1−[2−(3−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]−1−[3−メトキシフェニル)エチル]シクロヘキサノール;1−[2−[4−(6−クロロ−2−ピラジニル)−1−ピペラジニル]−1−(3−メトキシフェニル)エチル]シクロヘキサノール;1−[2−[4−(フェニルメチル)]−1−ピペラジニル]−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]シクロヘキサノール;1−[1−(3−メトキシフェニル)−2−[4−[3−(トリフルオロメチル)−フェニル]−1−ピペラジニル]エチル]シクロヘキサノール;1−[1−(4−フルオロフェニル)−2−[4−(フェニルメチル)−1−ピペラジニル]エチル]シクロヘキサノール;1−[1−(3−メトキシフェニル)−2−[4−[3−(トリフルオロメチル)−フェニル]−1−ピペラジニル]エチル]シクロペンタノール;1−[1−(4−フルオロフェニル)−2−[4−(フェニルメチル)−1−ピペラジニル]エチル]シクロヘキサノール;1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチル]シクロヘキサノール;1−[1−(3−フルオロフェニル)−2−(4−メチル−1−ピペラジニル)エチル]シクロヘキサノール;1−[1−(3−クロロフェニル)−2−(ジメチルアミノ)エチル]シクロヘキサノール;1−[2−ジメチルアミノ)−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチル]シクロヘキサノール;1−[1−(3−クロロフェニル)−2−ピペラジン−1−イル−エチル]−シクロヘキサノール;あるいはその組み合わせまたは医薬上許容される塩を包含するが、これらに限定されるものではない。
好ましいNRIは、デシプラミンおよび1−[1−(3−クロロフェニル)−2−(4−メチル−1−ピペラジニル)エチル]シクロヘキサノール、特に1−[1−(3−クロロフェニル)−2−(4−メチル−1−ピペラジニル)エチル]シクロヘキサノールの純粋なR−およびS−エナンチオマーである。そのジメチルアミン誘導体は、例えば、出典明示によりその内容を本明細書の一部とする、米国特許第4535186号に記載されるように合成されうる。そのピペラジン誘導体は、例えば、出典明示によりその内容を本明細書の一部とする、米国特許第4826844号に記載されるように合成されうる。
適当な二元的ノルエピネフリン再取り込み阻害剤/セロトニン再取り込み阻害剤(NRI/SRI)化合物は、ベンラファキシン、O−デスメチル−ベンラファキシン(DVS−233またはODV)、ミルナシプラン、デュロキセチンあるいはその組み合わせまたは医薬上許容される塩である。二元的作用のNRI/SRI化合物の場合、該化合物はよりSRI活性を示すか、略等しくRNIおよびSRI活性を示すか、あるいは好ましくはよりNRI活性を示す。
本発明の範囲内において、アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニスト、NRIおよびSRIは医薬上許容される塩、溶媒和物およびプロドラッグの形態にて調製されてもよい。
本発明の化合物のいくつかは不斉中心を有していてもよく、かかる化合物は立体異性体(すなわち、エナンチオマー)の形態において存在してもよい。本発明はかかるすべての立体異性体およびラセミ混合物を包含するその混合物を含むものである。立体異性体のラセミ混合物ならびに実質的に純粋な立体異性体は本発明の範囲内にある。本明細書中で使用する「実質的に純粋な」なる語は、他の可能な立体異性体に対して、少なくとも約90モル%、より好ましくは少なくとも約95モル%、最も好ましくは少なくとも約98モル%の所望の立体異性体が存在することをいう。好ましいエナンチオマーは、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)ならびにキラル塩の形成および結晶化を含む、当業者に既知の方法によりラセミ混合物より単離されてもよく、あるいは本明細書に記載の方法により調製されてもよい。例えば、Jacquesら、Enantiomers、Racemates and Resolutions(Wiley Interscience、New York、1981);Wilen、S.H.ら、Tetrahedron、33:2725(1977);Eliel, E.L.、Stereochemistry of Carbon Compounds、(McGraw−Hill、NY、1962);Wilen, S.H.、Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions、268頁(E.L. Eliel編、University of Notre Dame Press、Notre Dame、IN 1972)を参照のこと。
本発明の組成物は、活性成分として、選択的アドレナリン作動性α2Bアンタゴニストを単独で、選択的アドレナリン作動性α2Bアンタゴニストをノルエピネフリン再取り込み阻害剤(NRI)(単一の化合物として、あるいは2種またはそれ以上の化合物の組み合わせとして)と組み合わせて、あるいは選択的アドレナリン作動性α2Bアンタゴニストを二元的ノルエピネフリン再取り込み阻害剤/セロトニン再取り込み阻害剤(NRI/SRI)(単一の化合物として、あるいは2種またはそれ以上の化合物の組み合わせとして)と組み合わせて含有する。本発明の組成物はまた、少なくとも一つの医薬上許容される担体、アジュバント、および/または賦形剤等(本明細書中、包括的に「医薬上許容される担体」という)を含んでいてもよく、それは、例えばHand Book of Pharmaceutical Excipients, second edition, American Pharmaceutical Association, 1994(出典明示により本明細書の一部とする)に記載されるように、当該分野にて周知である。
選択的アドレナリン作動性α2Bアンタゴニストの化合物は、単独療法にて、またはノルエピネフリン再取り込み阻害剤(NRI)またはノルエピネフリン再取り込み阻害剤/セロトニン再取り込み阻害剤(NRI/SRI)との併用療法にて、患者に、約0.1から約500mg/日の範囲の日用量にて、体熱感の回数および/または重度を減少させる、および/または実質的に消滅させるのに十分な時間、投与されてもよい。より好ましい範囲は約1ないし約300mg/日であり、最も好ましい日用量は約10ないし約200mg/日である。
ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(NRI)は、選択的アドレナリン作動性α2Bアンタゴニストの化合物との併用療法にて、患者に、約0.1mg/日から約500mg/日の範囲の日用量にて、体熱感の回数および/または重度を減少させる、および/または実質的に消滅させるのに十分な時間、投与されてもよい。より好ましい範囲は約1mg/日ないし約300mg/日であり、最も好ましい日用量は約1ないし約200mg/日である。
ノルエピネフリン再取り込み阻害剤/セロトニン再取り込み阻害剤の化合物(NRI/SRI)は、選択的アドレナリン作動性α2Bアンタゴニストの化合物との併用療法にて、患者に、約0.10mg/日から約200mg/日の範囲の日用量にて、体熱感の回数および/または重度を減少させる、および/または実質的に消滅させるのに十分な時間、投与されてもよい。より好ましい範囲は約1mg/日ないし約100mg/日であり、最も好ましい日用量は約10mg/日ないし約50mg/日である。
本発明の単独療法または併用療法の選択的アドレナリン作動性α2Bアンタゴニストの化合物、例えば、選択的アドレナリン作動性α2Bアンタゴニストをノルエピネフリン再取り込み阻害剤(NRI)と組み合わせて含む、あるいは選択的アドレナリン作動性α2Bアンタゴニストを二元的ノルエピネフリン再取り込み阻害剤/セロトニン再取り込み阻害剤(NRI/SRI)と組み合わせて含む医薬組成物は、本明細書に記載されているような、いずれの剤形であってもよく、本明細書に記載されるように種々の方法にて投与することもできる。好ましい実施形態において、本発明の組み合わせ製剤は、単一の剤形(すなわち、一のカプセル、錠剤または液剤などにて一緒に組み合わせた剤形)にて、一つに処方される。組み合わせ製剤が単一の剤形にて一つに処方されない場合、選択的アドレナリン作動性α2Bアンタゴニストはノルエピネフリン再取り込み阻害剤(NRI)と共に、あるいは選択的アドレナリン作動性α2Bアンタゴニストは二元的ノルエピネフリン再取り込み阻害剤/セロトニン再取り込み阻害剤(NRI/SRI)と共に、同時に、または一緒に投与されてもよく、あるいは任意の順序で投与されてもよい。同時に、または一緒に投与されない場合、すなわち、連続して投与される場合、ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(NRI)との選択的アドレナリン作動性α2Bアンタゴニストの投与は、あるいは二元的ノルエピネフリン再取り込み阻害剤/セロトニン再取り込み阻害剤(NRI/SRI)との選択的アドレナリン作動性α2Bアンタゴニストの投与は、好ましくは約1時間未満の間隔で、より好ましくは約30分未満の間隔で、さらにより好ましくは約15分未満の間隔で、その上さらに好ましくは約5分未満の間隔で行う。
本発明の医薬組成物は、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第17版、Alfonoso R. Gennaro、Mack Publishing Company、Easton、PA(1985)に開示されているような、許容される製剤操作に従って調製される。医薬上許容される担体はその処方中の他の成分と適合し、生物学的に許容されるものである。
本発明の化合物および組成物は、ニートにて、あるいは通常の医薬担体と組み合わせて、経口または非経口的に投与されてもよい。適用しうる固体担体は、矯味矯臭剤、滑沢剤、可溶化剤、沈殿防止剤、充填剤、流動促進剤、圧縮助剤、結合剤または錠剤崩壊剤あるいはカプセル化材料としても作用しうる1種またはそれ以上の物質を包含しうる。散剤においては、担体は微細化活性成分と混合される微細化固体である。錠剤においては、活性成分は必要な圧縮特性を有する担体と適当な割合で混合され、所望の形状および大きさに圧縮される。散剤および錠剤は99%までの活性成分を含有することが好ましい。適当な固体担体として、例えば、リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ショ糖、ラクトース、デキストリン、澱粉、ゼラチン、セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、低融点ワックスおよびイオン交換樹脂が挙げられる。
液体担体は、溶液、懸濁液、エマルジョン、シロップおよびエリキシルを調製するのに用いられてもよい。本発明の活性成分は、水、有機溶媒、その混合物または医薬上許容される油脂などの医薬上許容される液体担体中に溶解または懸濁させることができる。液体担体は可溶化剤、乳化剤、緩衝剤、保存剤、甘味剤、矯味矯臭剤、沈殿防止剤、増粘剤、着色剤、粘度調節剤、安定化剤または浸透圧調節剤などの他の適当な添加剤を含有しうる。経口または非経口投与用の液体担体の適当な例として、水(特に、上記した添加剤、例えばセルロース誘導体、好ましくはカルボキシメチルセルロースナトリウム溶液を含有する)、アルコール(一価アルコールおよび多価アルコール、例えばグリコールを含む)およびその誘導体、および油類(例えば、分別ココヤシ油および落花生油)が挙げられる。非経口投与の場合、担体はまた、オレイン酸エチルおよびミリスチン酸イソプロピルなどの油状エステルとすることもできる。滅菌液体担体は非経口投与用の滅菌液体形態の組成物に用いられる。
滅菌溶液または懸濁液である、液体医薬処方は、例えば、筋肉内、腹腔内または皮下注射により投与されうる。滅菌溶液はまた、静脈内に投与することもできる。経口投与用組成物は液体または固体のいずれかの形態の組成物でありうる。
医薬組成物は単位剤形、例えば、錠剤、カプセル、散剤、溶液、懸濁液、エマルジョン、顆粒または坐剤であることが好ましい。かかる形態において、組成物は、適量の活性成分を含有する単位用量に細分割されており、単位剤形は包装組成物、例えば小包散剤、バイアル、アンプル、予め充填されたシリンジまたは液体含有のサッシェでありうる。単位剤形は、例えば、カプセルまたは錠剤そのものであってもよく、あるいはパッケージ形態のかかる組成物を適当な数からなるものであってもよい。
一般に、活性成分(選択的アドレナリン作動性α2Bアンタゴニスト、NRIまたはNRI/SRIあるいはその医薬上許容される塩)は、医薬組成物の全重量に基づいて、約0.1重量%ないし約90重量%の濃度で存在し、医薬上許容される担体は、存在するとすれば、医薬組成物の全重量に基づいて、約0.1重量%ないし約90重量%の濃度で存在するであろう。好ましくは、活性成分(選択的アドレナリン作動性α2Bアンタゴニスト、NRIまたはNRI/SRIあるいはその医薬上許容される塩)は、医薬組成物の全重量に基づいて、約1重量%ないし約90重量%の濃度で存在し、医薬上許容される担体は、存在するとすれば、医薬組成物の全重量に基づいて、約1重量%ないし約90重量%の濃度で存在するであろう。より好ましくは、活性成分(選択的アドレナリン作動性α2Bアンタゴニスト、NRIまたはNRI/SRIあるいはその医薬上許容される塩)は、医薬組成物の全重量に基づいて、約5重量%ないし約90重量%の濃度で存在し、医薬上許容される担体は、存在するとすれば、医薬組成物の全重量に基づいて、約5重量%ないし約90重量%の濃度で存在するであろう。さらにより好ましくは、活性成分(選択的アドレナリン作動性α2Bアンタゴニスト、NRIまたはNRI/SRIあるいはその医薬上許容される塩)は、医薬組成物の全重量に基づいて、約10重量%ないし約90重量%の濃度で存在し、医薬上許容される担体は、存在するとすれば、医薬組成物の全重量に基づいて、約10重量%ないし約90重量%の濃度で存在するであろう。その上さらにより好ましくは、活性成分(選択的アドレナリン作動性α2Bアンタゴニスト、NRIまたはNRI/SRIあるいはその医薬上許容される塩)は、医薬組成物の全重量に基づいて、約25重量%ないし約90重量%の濃度で存在し、医薬上許容される担体は、存在するとすれば、医薬組成物の全重量に基づいて、約25重量%ないし約90重量%の濃度で存在するであろう。
投与形路は、活性成分を適当なまたは所望の作用部位に効果的に送達する、経口、経鼻、経肺、経皮、例えば、受動的またはイオン導入デリバリー、あるいは非経口、例えば、経直腸、デポー、皮下、静脈内、尿道内、筋肉内、鼻腔内、点眼剤または軟膏などの、いずれの経路であってもよい。
本発明の化合物のいくつかは不斉中心を有していてもよく、かかる化合物は立体異性体(すなわち、エナンチオマー)の形態において存在してもよい。本発明はかかるすべての立体異性体およびラセミ混合物を包含するその混合物を含むものである。立体異性体のラセミ混合物ならびに実質的に純粋な立体異性体は本発明の範囲内にある。本明細書中で使用する「実質的に純粋な」なる語は、他の可能な立体異性体に対して、少なくとも約90モル%、より好ましくは少なくとも約95モル%、最も好ましくは少なくとも約98モル%の所望の立体異性体が存在することをいう。好ましいエナンチオマーは、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)ならびにキラル塩の形成および結晶化を含む、当業者に既知の方法によりラセミ混合物より単離されてもよく、あるいは本明細書に記載の方法により調製されてもよい。例えば、Jacquesら、Enantiomers、Racemates and Resolutions(Wiley Interscience、New York、1981);Wilen、S.H.ら、Tetrahedron、33:2725(1977);Eliel, E.L.、Stereochemistry of Carbon Compounds、(McGraw−Hill、NY、1962);Wilen, S.H.、Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions、268頁(E.L. Eliel編、University of Notre Dame Press、Notre Dame、IN 1972)を参照のこと。
投与形路は、活性なノルエピネフリン再取り込み阻害剤またはセロトニン再取り込み阻害剤とノルエピネフリン再取り込み阻害剤を適当なまたは所望の作用部位に効果的に送達する、経口、経鼻、経肺、経皮、例えば、受動的またはイオン導入デリバリー、あるいは非経口、例えば、経直腸、デポー、皮下、静脈内、尿道内、筋肉内、鼻腔内、点眼剤または軟膏などの、いずれの経路であってもよい。さらには、ノルエピネフリン再取り込み阻害剤およびセロトニン再取り込み阻害剤の投与は併用または同時であってもよい。
実施例
本発明はさらには以下の実施例にて特定される。その中で、特に限定しない限り、すべての部および%は重量によるものであり、温度は摂氏である。これらの実施例は、本発明の好ましい実施形態を表すが、単なる例示に過ぎないと理解すべきである。上記およびこれらの実施例から、当業者であれば、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、本発明の必要不可欠な特徴を解明することができ、該発明が種々の使用および条件に合致するように種々変形および修飾しうる。
る。
一般的方法
試薬:イミロキサンは購入可能である(TocrisCookson Inc., Ellisville, MO)。デスプラミンは米国特許第3454554号の記載に従って調製されうる。以下の試薬は購入した:モルヒネ・アルカロイド・ペレット(Murty Pharmaceuticals, Lexington, KY)、ケタミン(Phoenix Pharmaceuticals, Belmont, CA)およびナロキソン(Research Biochemicals International, St.Louis, MO)。
用量:用量はすべてmg/kgで調製した。化合物を滅菌水または2.0%ツィーン/メチルセルロースのいずれかに溶かし、以下の投与量:イミロキサン(1、10、15および30mg/kg)、デシプラミン(0.01、1.0、10および30mg/kg)を皮下(sc)または腹腔内(ip)注射し、尾皮膚温度の変化を惹起しないが、穏やかに鎮痛作用を示すと測定された投与量(40mg/kg)のケタミン(Ketaject, Phoenix Pharmaceuticals, Belmont, CA)を後肢にて筋肉内に注射した。
動物:卵巣切除したスプレーグ−ドーリー・ラット(180−22g)を市販業者(Taconic, Germantown, NY)より入手し、個々に、25℃に維持された部屋で12時間の明/暗サイクル下にて飼育した。微小透析実験のために、雄のスプレーグ−ドーリー・ラット(275−350g)をチャールス・リバー(Wilmington, MA)より入手し、外科処置の時まで集団で飼育した。動物は標準的なラットの餌および水を自由に提供された。
モルヒネ−依存性実験:ストレス応答を最小とするのに、卵巣切除したラットに、一日に1回、8−9日間、ビヒクルを注射し、ついで試験日に化合物を投与した。投与して4日目に、背側肩甲領域に2つの遅延放出性モルヒネペレット(75mg/ペレット)を皮下移植することでモルヒネ依存を惹起した。この実験は、エストロゲン治療により改善可能な、確立されたモルヒネ依存性ナロキソン誘発の紅潮のパラダイムに基づくものである(Katovichら、Proceedings of the Society for Experimental Biology & Medicine, 1990、193(2):129−35頁)。移植して4日ないし6日後に、モルヒネ禁断をTSTの一過的上昇をもたらすオピオイド拮抗薬(ナロキソン)で誘発した。典型的な実験においては、ナロキソン注射を行う40−60分前に、試験化合物の最終用量をラットに投与した。ケタミンを用いてラットを穏やかに落ち着かせ、MacLabデータ獲得システムに連結したサーミスターを尾部のベースにテープで貼り付けた。尾皮膚温度を35分間連続してモニター観察し、ベースライン温度を確立した。その後、ナロキソンを投与し、TSTをさらに35−60分間測定した(記録時間、合計70−95分)。
テレメトリー実験:この実験は日周TSTパターンのエストロゲン制御について記載する以前に報告されているプロトコルを修飾したものである(Berendsenら、2001)。24時間にわたって、無傷のサイクルラットは活性(暗)期の間にTSTを減少させ、不活性(明)期の間、TSTは上昇を続ける。OVXラットにおいては、24時間全体にわたって、TSTは上昇し、かくして活性(暗)期の間にある通常のTSTの減少は失われ、そこで活性期の間にこのTSTの減少を回復させる化合物の能力を試験した。温度および物理活性トランスミッター(PhysioTel TA10TA-F40、Data Sciences International)を背側肩甲領域に皮下移植し、温度プローブの先端を尾のベースを超えて皮下2.5cmに設置した。7日間の回復期間の後、TSTの読みを残りの研究のために連続して記録した。10秒間のサンプリング時間で得られる数値の尾皮膚温度の読みを各動物から5分毎に集めた。試験日前に、平均基線TST値を12時間の活性(暗)期の間に記録された温度の読みを平均化することで各動物について計算した。これらの実験においては、暗サイクルに入る約1時間前に動物に投薬した。
インビボ微小透析:今までにこれらの微小透析操作を用いた仕事が報告されている(Beyerら、2002)。2−3%ハロタン(Fluothane;Zeneca, Cheshire, UK)を用いて麻酔をかけ、耳および切歯棒(ear and incisor bars)を設けた定位フレームに動物を固定した(David Kopf, Tujunga, CA)。微小透析用ガイドカニューレ(CMA/12;CMA Microdialysis, Stockholm, Sweden)を以下の座標を用いて視床下部の視索前野に対して方向付けた:ブレグマの前方−0.4mm、ミッドラインから側面方向に−1.0mm、および平坦な頭蓋骨の硬膜に向かって腹面方向に−6.9mm(PaxinosおよびWatson、1986)。ガイドカニューレを2本のステンレス製のネジ(Small Parts, Roanoke, VA)およびデンタルアクリル(Plastics One, Roanoke, VA)を用いて頭蓋骨に固定した。術後、動物を個々に約24時間アクリルケージ(45cm)に収容し、餌を食べることおよび水を飲むことは自由にさせた。
2mmの活性膜(OD 0.5mm)と14mmのステンレス製シャフト(OD 0.64mm)とから構成されている、微小透析プローブ(CMA/12;20kDカットオフ)をCMA/Microdialysisより購入した。使用説明書に従って、プローブを人工CSF(aCSF;125mM NaCl、3mM KCl、0.75mM MgSOおよび1.2mM CaCl、pH7.4)で灌流した。実験の日に、微小透析プローブをガイドカニューレを介して視床下部に挿入し、1μl/分の流速でaCSFで灌流した。プローブを挿入した後、安定期間を3時間設け、その後、20分毎に、CMA/142マイクロフラクションコレクターに設置したプラスチック管(CMA)に透析物を集めた。
まず、薬物を注入する前に6個の透析サンプルを取り、安定したベースラインを明らかにした。次に、動物にイミロキサン(10mg/kg、ip)またはビヒクルを注入し、注入後、少なくとも3時間、透析サンプルを集めた。実験の最後に、動物を殺し、プローブの配置を組織学的に検証した。
NEおよび5−HTを含有する透析物(10μl)をHPLC(C18ODS3カラム、150x3.0mm、Metachem、Torrance、CA)で分離し、Ag/AgCl参照電極に対して電圧を0.65Vに設定し、ANTEC電気化学的検出器(ANTEC、Netherlands)を用いて検出した。移動相(0.15M NaH2PO4、0.25mM EDTA、1.75mM 1−オクタンスルホン酸、2%イソプロパノールおよび4%メタノール、pH=4.8)をJasco PU1580HPLCポンプ(Jasco Ltd、Essex, U.K.)を用い、0.5ml/分の流速で供給した。神経化学データを外部標準曲線と比較し、すべてのデータをPC用のアトラス・ソフトウェア・パッケージ(Thermo Labsystems、Beverley、MA)を用いて獲得した。
統計分析:モルヒネ依存性ラットにてナロキソンにより誘発されるTSTの変化を解析するために、すべてのデータを「処理」と「時間」について2つの因子を繰り返し測定する(two factors repeated measure)ANOVAを用いて解析した。実験は処理群の間の応答において有意な差があるかどうかを試験するのに適当であった。ナロキソン投与を時間0と指定し、ついで5分間隔でデータを解析した。最初の3つの読みを平均し、ベースラインTST評点として用いた。データはすべてΔTST(各時点のTST−ベースライン)として解析した。各時点での処理群の間の多重比較(LSD p−値)を解析に用いた。ナロキソン投与した15分後のピーク応答時間での統計的差を評価し、その際のTSTの最大変化を観察することで体熱感軽減の効能を決定する。カスタマイズされたSAS−エクセル(SAS Institute、Cary、NC)アプリケーションを用いて4変数ロジスティックモデルをアプライし、ED50値を決定した。ロジスティック用量変換をΔTSTで行った。解析には最大体熱感(ナロキソン投与後15分のΔTST)を用い、最小値を0に固定した。ED50値をナロキソン誘発の紅潮を50%軽減する試験化合物の用量として報告される。Biometrics Department(Wyeth Research、Collegeville、PA)の統計学の専門家がカスタマイズされたJMPアプリケーションを開発した。
テレメトリー実験にてTSTの正常な降下を回復する化合物の能力を評価し、各動物について1時間当たりその記録時間にわたって5分毎に得られる12個の温度の読みを平均することで算定されたTST値を用いて解析した。テレメトリー実験におけるΔTSTを解析するために、2つの因子を繰り返し測定するANOVAを行った。解析に使用されるモデルはΔTST=GRP(群)+HR(時間)+GRPHR+ベースラインであった。このように、報告される最小二乗平均はまるで両方の群が同じベースライン値を有するかのように予想される平均値である。1時間当たりのGRPHRサンプルのポスト−hoc試験は各時間の群間の違いのt−試験である。慎重を期すために、p−値が<0.025でないならば、結果は有意でないと考えた。解析はすべてSAS PROC MIXEDを用いて行った(SAS、Carey、NC)。
イミロキサンの神経化学的効果を、変数を繰り返し測定(時間)で2方向解析に付して解析した。ベースラインサンプルの間のNEおよび5−HTのfmol濃度を平均し、この値を100%として示した。その後のサンプルの値をこの注入前のベースライン値のパーセント(ベースラインの%)として表した。多重比較のためにBonferroni/Dunns修正を用いてポスト−hoc解析を行った。すべての統計的算定はPC用のStatview software application(Abacus Concepts Inc.、Berkeley、CA)を用いて行った。
実施例1:選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストの、ラットでのナロキソン誘発の紅潮実験を用いる血管運動不安定性の軽減における効果
次のことを除いては、モルヒネ−依存性ラット実験の一般的方法のセクションに記載されている方法を用いた:ラットにビヒクル(2%ツィーン/0.5%メチルセルロース)を皮下注射するか、またはナロキソンを投与する1時間前に、2%ツィーン/0.5%メチルセルロースに溶かしたイミロキサン(Tocris)を1.0、10および30mg/kgにて皮下投与した。結果を図1に示す。イミロキサンは15mg/kg(sc)の推定ED50値で最大紅潮時(ナロキソン投与後15分;Δ℃TST、平均+SEM)のナロキソン誘発を、用量依存的に軽減した。
実施例2:選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストの、ラットでのナロキソン誘発の紅潮実験を用いる血管運動不安定性の軽減における効果
次のことを除いては、テレメトリーラット実験の一般的方法のセクションに記載されている方法を用いた:ラットにビヒクル(2%ツィーン/0.5%メチルセルロース)を皮下注射するか、または2%ツィーン/0.5%メチルセルロースに溶かしたイミロキサン(Tocris)を30または60mg/kgにて皮下投与した。イミロキサンの効果は、この実験において、以下の変数を評価することで測定された:作用の開始、TSTでの効果の持続時間、TSTにおける最大変化、およびイミロキサンの効果の持続している間のTSTにおける変化の平均。結果を図2に示す。
イミロキサン(アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニスト)はOVX誘発の体温調節機能不全のテレメトリー実験(テレメトリー実験)(30mg/kg(sc))にて正常なTSTを回復した。*はビヒクル対照と比較してp<0.05である。
実施例3:アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニスト活性およびNRI活性を有する化合物の効果
次のことを除いては、モルヒネ−依存性ラット実験の一般的方法のセクションに記載されている方法を用いた:ラットにビヒクル(2%ツィーン/0.5%メチルセルロース)を皮下注射するか、またはナロキソン誘発の紅潮の40分前に、2%ツィーン/0.5%メチルセルロースに溶かしたイミロキサンを15mg/kgにて、またはデスプラミンを1mg/kgにて皮下投与した(最大紅潮(ナロキソン投与後15分;Δ℃TST、平均+SEM))。イミロキサンとデスプラミンの組み合わせは効果的にその誘発された紅潮を軽減した。結果を図3に示す。
MD実験においてナロキソン誘発の紅潮に対してNRI(デスプラミン)と組み合わせたアドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニスト(イミロキサン)の付加的な効果が観察された。
実施例4::選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストの、ラット視床下部の視索前野のNEおよび5−HTのレベルにおける効果
インビボでの微小透析の一般的方法のセクションに記載されている方法を用いた:ラットにビヒクル(水)またはイミロキサン(10mg/kg)を腹腔内注射し、微小透析およびHPLC技法を介してNEおよび5−HTレベルをモニターした。イミロキサンの急性投与は注射した60分後にラット視床下部の視索前野におけるNEの濃度を有意に上昇させた。反対に、イミロキサン治療は同じラットにおける5−HTレベルに影響を及ぼさなかった。
本明細書において分子量などの物理的特性または化学式などの化学的特性について一定の範囲がある場合、その中の具体的な形態のいずれのコンビネーションおよびサブコンビネーションも包含されるものである。
本願明細書中に引用されているか、または開示されている特許、特許出願および刊行物の開示は、各々、その内容を出典明示により本明細書の一部とする。
当業者であれば、数値の変形および修飾が本発明の好ましい実施形態を作り出し得ることを、本願発明の精神を逸脱することなく、かかる変形および修飾をなし得ることを理解するであろう。したがって、添付した特許請求の範囲は、本願発明の真の精神および範囲内にあるような、かかるすべての均等なバリエーションを含むことを意図とするものである。
モルヒネ依存性の体熱感のラット実験(MD実験)における、イミロキサン(imiloxan)である、アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストに対する用量応答を示す。 卵巣切除誘発の体温調節機能不全のテレメトリーラット実験において、イミロキサン、アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストを2種の用量(30および60mg/kg(sc))で投与した場合の結果を示す。 ラットの視索前野視床下部におけるNEおよび5−HTの細胞外レベルにおける、イミロキサン、アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストの効果を測定する微小透析実験の結果を示す。

Claims (63)

  1. その必要とする対象における血管運動症状の治療方法であって、該対象に、本質的に少なくとも一つの選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストまたはその医薬上許容される塩からなる有効量の活性成分を含む組成物を投与する工程を含む、方法。
  2. 選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストが2−(1−エチル−2−イミダゾリル)メチル−1,4−ベンゾジオキサン(イミロキサン)、2−[(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イル)メチル]−1−エチル−1H−イミダゾール、2−[2−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]エチル]−4,4−ジメチル−1,3(2H,4H)−イソキノリンジオン(ARC239)あるいはその組み合わせまたは医薬上許容される塩であるところの、請求項1記載の方法。
  3. 選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストがイミロキサンまたはその医薬上許容される塩であるところの、請求項2記載の方法。
  4. その必要とする対象における血管運動症状の治療方法であって、該対象に、少なくとも一つの選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストまたはその医薬上許容される塩の有効量、および少なくとも一つのノルエピネフリン再取り込み阻害剤(NRI)またはその医薬上許容される塩の有効量を投与する工程を含む、方法。
  5. ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(NRI)を選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストと同時に投与するところの、請求項4記載の方法。
  6. ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(NRI)を選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストと連続して投与するところの、請求項4記載の方法。
  7. 選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストとノルエピネフリン再取り込み阻害剤が単一の化合物であるところの、請求項4記載の方法。
  8. ノルエピネフリン再取り込み阻害剤が実質的にセロトニン再取り込み阻害剤(SRI)活性を有しないところの、請求項4記載の方法。
  9. 選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストが2−(1−エチル−2−イミダゾリル)メチル−1,4−ベンゾジオキサン(イミロキサン)、2−[(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イル)メチル]−1−エチル−1H−イミダゾール、2−[2−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]エチル]−4,4−ジメチル−1,3(2H,4H)−イソキノリンジオン(ARC239)あるいはその組み合わせまたは医薬上許容される塩であるところの、請求項4記載の方法。
  10. 選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストがイミロキサンまたはその医薬上許容される塩であるところの、請求項9記載の方法。
  11. ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(NRI)がマプロチリン;レボセチン;ノルプラミン;デシプラミン;ニソセチン;アトモセチン;アモキサピン;ドキセピン;ロフェプラミン;アミトリプチリン;1−[1−(3−フルオロフェニル)−2−(4−メチル−1−ピペラジニル)エチル]シクロヘキサノール;1−[1−(3−クロロフェニル)−2−(4−メチル−1−ピペラジニル)エチル]シクロヘキサノール;1−[2−(4−メチル−1−ピペラジニル)−1−[3−(トリフルオロメチル)−フェニル]エチル]シクロヘキサノール;1−[1−(4−メトキシフェニル)−2−[4−メチル−1−ピペラジニル)エチル]シクロヘキサノール;1−[1−(3−クロロフェニル)−2−[4−(3−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]エチル]シクロヘキサノール;1−[1−(3−メトキシフェニル)−2−[4−フェニルメチル)−1−ピペラジニル]エチル]シクロヘキサノール;1−[2−(3−クロロフェニル)1−ピペラジニル]−1−[3−メトキシフェニル)エチル]シクロヘキサノール;1−[2−[4−(6−クロロ−2−ピラジニル)−1−ピペラジニル]−1−[3−メトキシフェニル)エチル]シクロヘキサノール;1−[2−[4−(フェニルメチル)]−1−ピペラジニル]−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]シクロヘキサノール;1−[1−(3−メトキシフェニル)−2−[4−[3−(トリフルオロメチル)−フェニル]−1−ピペラジニル]エチル]シクロヘキサノール;1−[1−(4−フルオロフェニル)−2−[4−(フェニルメチル)−1−ピペラジニル]エチル]シクロヘキサノール;1−[1−(3−メトキシフェニル)−2−[4−[3−(トリフルオロメチル)−フェニル]−1−ピペラジニル]エチル]シクロペンタノール;1−[1−(4−フルオロフェニル)−2−[4−(フェニルメチル)−1−ピペラジニル]エチル]シクロヘキサノール;1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチル]シクロヘキサノール;1−[1−(3−フルオロフェニル)−2−(4−メチル−1−ピペラジニル)エチル]シクロヘキサノール;1−[1−(3−クロロフェニル)−2−(ジメチルアミノ)エチル]シクロヘキサノール;1−[2−ジメチルアミノ)−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチル]シクロヘキサノール;1−[1−(3−クロロフェニル)−2−ピペラジン−1−イル−エチル]−シクロヘキサノール;あるいはその組み合わせまたは医薬上許容される塩であるところの、請求項4記載の方法。
  12. ノルエピネフリン再取り込み阻害剤がデシプラミンであるところの、請求項11記載の方法。
  13. ノルエピネフリン再取り込み阻害剤が1−[1−(3−クロロフェニル)−2−(4−メチル−1−ピペラジニル)エチル]シクロヘキサノールまたはその医薬上許容される塩であるところの、請求項11記載の方法。
  14. ノルエピネフリン再取り込み阻害剤が1−[1−(3−クロロフェニル)−2−(4−メチル−1−ピペラジニル)エチル]シクロヘキサノールの純粋なエナンチオマーであるところの、請求項13記載の方法。
  15. その必要とする対象における血管運動症状の治療方法であって、該対象に、少なくとも一つの選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストまたはその医薬上許容される塩の有効量、および少なくとも一つの二元的ノルエピネフリン再取り込み阻害剤/セロトニン再取り込み阻害剤(NRI/SRI)またはその医薬上許容される塩の有効量を投与する工程を含む、方法。
  16. 二元的ノルエピネフリン再取り込み阻害剤/セロトニン再取り込み阻害剤(NRI/SRI)が選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストと同時に投与されるところの、請求項15記載の方法。
  17. 二元的ノルエピネフリン再取り込み阻害剤/セロトニン再取り込み阻害剤(NRI/SRI)が選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストと連続して投与されるところの、請求項15記載の方法。
  18. 選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストおよび二元的ノルエピネフリン再取り込み阻害剤/セロトニン再取り込み阻害剤が単一の化合物であるところの、請求項15記載の方法。
  19. 選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストが2−(1−エチル−2−イミダゾリル)メチル−1,4−ベンゾジオキサン(イミロキサン)、2−[(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イル)メチル]−1−エチル−1H−イミダゾール、2−[2−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]エチル]−4,4−ジメチル−1,3(2H,4H)−イソキノリンジオン(ARC239)あるいはその組み合わせまたは医薬上許容される塩であるところの、請求項15記載の方法。
  20. 選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストがイミロキサンまたはその医薬上許容される塩であるところの、請求項19記載の方法。
  21. 二元的ノルエピネフリン再取り込み阻害剤/セロトニン再取り込み阻害剤(NRI/SRI)がベンラファキシン、O−デスメチル−ベンラファキシン(DVS−233またはODV)、ミルナシプラン、デュロキセチンあるいはその組み合わせまたは医薬上許容される塩であるところの、請求項15記載の方法。
  22. 血管運動症状が体熱感であるところの、請求項1、4または15記載の方法。
  23. 対象がヒトであるところの、請求項22記載の方法。
  24. ヒトが女性であるところの、請求項23記載の方法。
  25. 女性が月経閉止前であるところの、請求項24記載の方法。
  26. 女性が閉経前後であるところの、請求項24記載の方法。
  27. 女性が閉経後であるところの、請求項24記載の方法。
  28. ヒトが男性であるところの、請求項23記載の方法。
  29. 男性が自然に、化学的に、または術的に男性更年期であるところの、請求項28記載の方法。
  30. 本質的に少なくとも一つの選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストまたはその医薬上許容される塩からなる活性成分と、少なくとも一つの医薬上許容される担体とを含む、医薬組成物。
  31. 選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストが2−(1−エチル−2−イミダゾリル)メチル−1,4−ベンゾジオキサン(イミロキサン)、2−[(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イル)メチル]−1−エチル−1H−イミダゾール、2−[2−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]エチル]−4,4−ジメチル−1,3(2H,4H)−イソキノリンジオン(ARC239)あるいはその組み合わせまたは医薬上許容される塩であるところの、請求項30記載の医薬組成物。
  32. 選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストがイミロキサンまたはその医薬上許容される塩であるところの、請求項31記載の組成物。
  33. 少なくとも一つの選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストまたはその医薬上許容される塩と、少なくとも一つのノルエピネフリン再取り込み阻害剤(NRI)またはその医薬上許容される塩と、少なくとも一つの医薬上許容される担体とを含む、医薬組成物。
  34. 選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストが2−(1−エチル−2−イミダゾリル)メチル−1,4−ベンゾジオキサン(イミロキサン)、2−[(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イル)メチル]−1−エチル−1H−イミダゾール、2−[2−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]エチル]−4,4−ジメチル−1,3(2H,4H)−イソキノリンジオン(ARC239)あるいはその組み合わせまたは医薬上許容される塩であるところの、請求項33記載の医薬組成物。
  35. 選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストがイミロキサンまたはその医薬上許容される塩であるところの、請求項34記載の組成物。
  36. ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(NRI)がマプロチリン;レボセチン;ノルプラミン, デシプラミン;ニソセチン;アトモセチン;アモキサピン;ドキセピン;ロフェプラミン;アミトリプチリン;1−[1−(3−フルオロフェニル)−2−(4−メチル−1−ピペラジニル)エチル]シクロヘキサノール;1−[1−(3−クロロフェニル)−2−(4−メチル−1−ピペラジニル)エチル]シクロヘキサノール;1−[2−(4−メチル−1−ピペラジニル)−1−[3−(トリフルオロメチル)−フェニル]エチル]シクロヘキサノール;1−[1−(4−メトキシフェニル)−2−[4−メチル−1−ピペラジニル)エチル]シクロヘキサノール;1−[1−(3−クロロフェニル)−2−[4−(3−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]エチル]シクロヘキサノール;1−[1−(3−メトキシフェニル)−2−[4−フェニルメチル)−1−ピペラジニル]エチル]シクロヘキサノール;1−[2−(3−クロロフェニル)1−ピペラジニル]−1−[3−メトキシフェニル)エチル]シクロヘキサノール;1−[2−[4−(6−クロロ−2−ピラジニル)−1−ピペラジニル]−1−[3−メトキシフェニル)エチル]シクロヘキサノール;1−[2−[4−(フェニルメチル)]−1−ピペラジニル]−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]シクロヘキサノール;1−[1−(3−メトキシフェニル)−2−[4−[3−(トリフルオロメチル)−フェニル]−1−ピペラジニル]エチル]シクロヘキサノール;1−[1−(4−フルオロフェニル)−2−[4−(フェニルメチル)−1−ピペラジニル]エチル]シクロヘキサノール;1−[1−(3−メトキシフェニル)−2−[4−[3−(トリフルオロメチル)−フェニル]−1−ピペラジニル]エチル]シクロペンタノール;1−[1−(4−フルオロフェニル)−2−[4−(フェニルメチル)−1−ピペラジニル]エチル]シクロヘキサノール;1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチル]シクロヘキサノール;1−[1−(3−フルオロフェニル)−2−(4−メチル−1−ピペラジニル)エチル]シクロヘキサノール;1−[1−(3−クロロフェニル)−2−(ジメチルアミノ)エチル]シクロヘキサノール;1−[2−ジメチルアミノ)−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチル]シクロヘキサノール;1−[1−(3−クロロフェニル)−2−ピペラジン−1−イル−エチル]−シクロヘキサノール;あるいはその組み合わせまたは医薬上許容される塩であるところの、請求項33記載の組成物。
  37. ノルエピネフリン再取り込み阻害剤がデシプラミンであるところの、請求項36記載の組成物。
  38. ノルエピネフリン再取り込み阻害剤が1−[1−(3−クロロフェニル)−2−(4−メチル−1−ピペラジニル)エチル]シクロヘキサノールまたはその医薬上許容される塩であるところの、請求項36記載の組成物。
  39. ノルエピネフリン再取り込み阻害剤が1−[1−(3−クロロフェニル)−2−(4−メチル−1−ピペラジニル)エチル]シクロヘキサノールの純粋なエナンチオマーであるところの、請求項38記載の組成物。
  40. 少なくとも一つの選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストまたはその医薬上許容される塩と、少なくとも一つのノルエピネフリン再取り込み阻害剤/セロトニン再取り込み阻害剤(NRI/SRI)またはその医薬上許容される塩と、少なくとも一つの医薬上許容される担体とを含む、医薬組成物。
  41. 選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストが2−(1−エチル−2−イミダゾリル)メチル−1,4−ベンゾジオキサン(イミロキサン)、2−[(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イル)メチル]−1−エチル−1H−イミダゾール、2−[2−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]エチル]−4,4−ジメチル−1,3(2H,4H)−イソキノリンジオン(ARC239)あるいはその組み合わせまたは医薬上許容される塩であるところの、請求項40記載の医薬組成物。
  42. 選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストがイミロキサンまたはその医薬上許容される塩であるところの、請求項41記載の組成物。
  43. 二元的ノルエピネフリン再取り込み阻害剤/セロトニン再取り込み阻害剤(NRI/SRI)がベンラファキシン、O−デスメチル−ベンラファキシン(DVS−233またはODV)、ミルナシプラン、デュロキセチンあるいはその組み合わせまたは医薬上許容される塩であるところの、請求項41記載の組成物。
  44. その必要とする対象における血管運動症状の治療にて同時に、別個に、または連続的に使用するための併用製剤としての、少なくとも一つの選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストまたはその医薬上許容される塩と、少なくとも一つのノルエピネフリン再取り込み阻害剤(NRI)またはノルエピネフリン再取り込み阻害剤/セロトニン再取り込み阻害剤(NRI/SRI)またはその医薬上許容される塩とを含む、生成物。
  45. 選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストが2−(1−エチル−2−イミダゾリル)メチル−1,4−ベンゾジオキサン(イミロキサン)、2−[(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イル)メチル]−1−エチル−1H−イミダゾール、2−[2−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]エチル]−4,4−ジメチル−1,3(2H,4H)−イソキノリンジオン(ARC239)あるいはその組み合わせまたは医薬上許容される塩であるところの、請求項44記載の生成物。
  46. 選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストがイミロキサンまたはその医薬上許容される塩であるところの、請求項44記載の生成物。
  47. ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(NRI)がマプロチリン;レボセチン;ノルプラミン, デシプラミン;ニソセチン;アトモセチン;アモキサピン;ドキセピン;ロフェプラミン;アミトリプチリン;1−[1−(3−フルオロフェニル)−2−(4−メチル−1−ピペラジニル)エチル]シクロヘキサノール;1−[1−(3−クロロフェニル)−2−(4−メチル−1−ピペラジニル)エチル]シクロヘキサノール;1−[2−(4−メチル−1−ピペラジニル)−1−[3−(トリフルオロメチル)−フェニル]エチル]シクロヘキサノール;1−[1−(4−メトキシフェニル)−2−[4−メチル−1−ピペラジニル)エチル]シクロヘキサノール;1−[1−(3−クロロフェニル)−2−[4−(3−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]エチル]シクロヘキサノール;1−[1−(3−メトキシフェニル)−2−[4−フェニルメチル)−1−ピペラジニル]エチル]シクロヘキサノール;1−[2−(3−クロロフェニル)1−ピペラジニル]−1−[3−メトキシフェニル)エチル]シクロヘキサノール;1−[2−[4−(6−クロロ−2−ピラジニル)−1−ピペラジニル]−1−[3−メトキシフェニル)エチル]シクロヘキサノール;1−[2−[4−(フェニルメチル)]−1−ピペラジニル]−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]シクロヘキサノール;1−[1−(3−メトキシフェニル)−2−[4−[3−(トリフルオロメチル)−フェニル]−1−ピペラジニル]エチル]シクロヘキサノール;1−[1−(4−フルオロフェニル)−2−[4−(フェニルメチル)−1−ピペラジニル]エチル]シクロヘキサノール;1−[1−(3−メトキシフェニル)−2−[4−[3−(トリフルオロメチル)−フェニル]−1−ピペラジニル]エチル]シクロペンタノール;1−[1−(4−フルオロフェニル)−2−[4−(フェニルメチル)−1−ピペラジニル]エチル]シクロヘキサノール;1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチル]シクロヘキサノール;1−[1−(3−フルオロフェニル)−2−(4−メチル−1−ピペラジニル)エチル]シクロヘキサノール;1−[1−(3−クロロフェニル)−2−(ジメチルアミノ)エチル]シクロヘキサノール;1−[2−ジメチルアミノ)−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチル]シクロヘキサノール;1−[1−(3−クロロフェニル)−2−ピペラジン−1−イル−エチル]−シクロヘキサノール;あるいはその組み合わせまたは医薬上許容される塩であるところの、請求項44ないし46のいずれか一項に記載の生成物。
  48. ノルエピネフリン再取り込み阻害剤がデシプラミンであるところの、請求項44ないし46のいずれか一項に記載の生成物。
  49. ノルエピネフリン再取り込み阻害剤が1−[1−(3−クロロフェニル)−2−(4−メチル−1−ピペラジニル)エチル]シクロヘキサノールまたはその医薬上許容される塩であるところの、請求項44ないし46のいずれか一項に記載の生成物。
  50. ノルエピネフリン再取り込み阻害剤が1−[1−(3−クロロフェニル)−2−(4−メチル−1−ピペラジニル)エチル]シクロヘキサノールの純粋なエナンチオマーであるところの、請求項44ないし46のいずれか一項に記載の生成物。
  51. 二元的ノルエピネフリン再取り込み阻害剤/セロトニン再取り込み阻害剤(NRI/SRI)がベンラファキシン、O−デスメチル−ベンラファキシン(DVS−233またはODV)、ミルナシプラン、デュロキセチンあるいはその組み合わせまたは医薬上許容される塩であるところの、請求項44ないし46のいずれか一項に記載の生成物。
  52. 血管運動症状が体熱感であるところの、請求項44ないし51のいずれか一項に記載の生成物。
  53. 対象がヒトであるところの、請求項52記載の生成物。
  54. ヒトが女性であるところの、請求項53記載の生成物。
  55. 女性が月経閉止前であるところの、請求項54記載の生成物。
  56. 女性が閉経前後であるところの、請求項54記載の生成物。
  57. 女性が閉経後であるところの、請求項54記載の生成物。
  58. ヒトが男性であるところの、請求項53記載の生成物。
  59. 男性が自然に、化学的に、または術的に男性更年期であるところの、請求項58記載の生成物。
  60. 対象での血管運動症状の治療にて用いるための医薬の製造における、本質的に少なくとも一つの選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストまたはその医薬上許容される塩からなる活性成分の使用。
  61. 対象での血管運動症状の治療にて用いるための医薬の製造における、少なくとも一つの選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストまたはその医薬上許容される塩、および少なくとも一つのノルエピネフリン再取り込み阻害剤(NRI)またはノルエピネフリン再取り込み阻害剤/セロトニン再取り込み阻害剤(NRI/SRI)またはその医薬上許容される塩の使用。
  62. 対象での血管運動症状の治療にて用いるための医薬の製造における、少なくとも一つの選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストまたはその医薬上許容される塩の使用であって、その医薬が少なくとも一つのノルエピネフリン再取り込み阻害剤(NRI)または少なくとも一つのノルエピネフリン再取り込み阻害剤/セロトニン再取り込み阻害剤(NRI/SRI)またはその医薬上許容される塩をも含むところの、使用。
  63. 対象での血管運動症状の治療にて用いるための医薬の製造における、少なくとも一つのノルエピネフリン再取り込み阻害剤(NRI)または少なくとも一つのノルエピネフリン再取り込み阻害剤/セロトニン再取り込み阻害剤(NRI/SRI)またはその医薬上許容される塩の使用であって、その医薬が少なくとも一つの選択的アドレナリン作動性α2B受容体アンタゴニストまたはその医薬上許容されるをも含むところの、使用。

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