JP2007512050A - 神経機能の評価 - Google Patents

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Abstract

無効および非無効刺激のパターンを用いるヒト対象の1つの知覚神経系の評価。例えば、一部分の視覚系が同時の2つのシーケンスの刺激を提示される。各シーケンスは、無効刺激および1以上の低頻度の非無効刺激間で経時的に変更される。感覚系の隣接する部分が同時の非無効刺激を受ける確率が高くないように、各シーケンスの変形を制御する。従って、その刺激は、時間および他のいくらかの態様の双方、典型的には空間的な次元において希薄である。対象の1以上の応答が測定され、重み関数が感覚系の評価のために決定される。

Description

発明の詳細な説明
発明の分野
本発明は、一般的に、神経系の機能の評価に関する。より詳細には、本発明は、緑内障のごとき知覚神経系に影響する疾患、または多発性硬化症のごとき神経伝導に影響する疾患、または失読症または弱視における文字の収集の判読のごときいくらかの知覚次元を横切って混雑した刺激の判読に影響する疾患に対する特定の適用での空間的に希薄な刺激による神経機能を評価するための方法および装置に関する。
発明の背景
神経系機能は、いくらかの刺激に応じた誘発電位(EP)を記録することにより一般的に評価される。EPは、記録電極に十分に接近することにより応答に寄与する多数のニューロンの電気活性のいくらかの組合せを反映する電圧である。その刺激はしばしば数回提示され、刺激に対する平均応答が計算される。より最近では、刺激誘発応答(SER)を記録するための別法のモニタリング手段が、神経活動により生成された磁界または光学的シグナルにおける変化を含めて実行に移されている。可能な有用性を提供する神経系により生成されたもう一つの応答は、瞳孔応答である。同様に、他の方法で測定された電気眼球図または眼運動を用いて、SERを導き出すことができた。また、機能的磁気画像診断は、脳の応答を定量化して、SERを生成できる。神経活動を反映する赤外線またはT線の散乱、屈折または吸収の効果は、SERを生成するのに有用であり得る。これらの記録手段により提供された比較的に非侵襲性の測定は、臨床的設定に望ましい。脳活動を反映する誘発電位は、頭皮上に配置した電極から容易に記録される。神経活動と関連する磁気または赤外線シグナルは、皮膚を介して同様に記録できる。赤外線またはT線のごとき電磁放射に関連するモニタリング手段の場合において、これらの視覚シグナルを神経系に投射し、次いで、吸収、屈折もしくは散乱の影響またはこれらのパラメーターのいくらかの収集を観察することが必要であり得る。表面測定もしくは眼運動または瞳孔応答の潜在的な欠点は、しかしながら、それらは測定されるが、それらの誘発応答が、典型的には、刺激に応じて多数のニューロンの集合的な活動を表わすことである。
Journal of Biomedical Optics, Vol. 5, pp. 93-96に公開された「Activation of the visual cortex imaged by 24-channel near-infrared spectroscopy」と題するTakahashi K.,Ogata S., Atsumi Y., Yamamoto R., Shiotsuka S., Maki A., Yamashita Y., Yamamoto T., Koizumi H., Hirasawa H.およびIgawa Mの比較的遅い赤外線方法のごときモニタリング手段が有用であろう。Neuroimage, Vol. 17, pp. 1868-1875に公開された「Functional frequency-domain near-infrared spectroscopy detects fast neuronal signal in the motor cortex」と題するWOLF, M.,WOLF, U., CHOI, J. H., GUPTA, R., SAFONOVA, L. P., PAUNESCU, L. A., MICHALOS, A. & GRATTON, E. (2002)により記載されたそのタイプの迅速なシグナルを測定に向けたバイアスされた赤外線シグナルに関するモニタリング手段は、それらが神経活動の高い時間分離能を提供するので好ましい。
神経系に影響する疾患は、神経系の構成要素を差動的に障害し得る。例えば、網膜の個々の部分は、共通の眼疾患緑内障によって差動的に影響される。網膜に対するこれらの変化の結果、視野の特定の部分における視機能における減少が局在化する。もう一つの共通の神経系疾患の多発性硬化症は、脳内の有髄神経および神経経路に沿った小さな領域に損傷を惹起する。かくして、かかる場合において、経時的に同時に複数の刺激で神経機能をテストすることは有用であり、各刺激が、刺激されたドメインにおけるいくつかのオーバーラップを有してまたは無くして、複数刺激誘発応答(Multi-Stimulus Evoked Response、MSER)と呼ばれるものにおいて、神経系の異なる構成要素をテストする。神経系の異なった構成要素への同時に提示された刺激に対する応答を記録する能力は、応答がいくらかまたは全ての刺激された部分の集中した応答よりも神経系の構成要素の活動を表わすであろうという点で、誘発応答を記録する古典的方法において本来的な問題のうちのいくつかを明らかに低下させるであろう。視野をテストする場合において、MSERが、刺激が視野の複数の部分に同時に提示されることを可能にするであろう。これは、基本的には、視野のより時間効率的なマッピングを可能にするであろう。眼または頭皮に、またはそれらの近辺に配置されたわずか1つの記録用センサーを用いることができ、かくして、モニタリング手段をセットアップするために全く短時間を必要とする。かくして、神経系の複数の部分への刺激に対する応答が比較的少数のセンサーによって記録される場合に、診療室において誘発応答を記録するための問題は縮小する。もちろん、これは、多数のセンサーの使用を妨げず、比較的少数のセンサーの可能性は、MSERの恐らく有用な特徴として単に記録される。
いくつかのMSER法が提案されているが、現在まで用いられた刺激シーケンスのデザインにおける強調は、多数の場合、大部分は同時に提示される刺激シーケンス間の相関の度合いを縮小させることにより、その応答を見積もる場合に、最もしばしば計算上の負荷を低下させることであった。例えば、Wiener, N (「Nonlinear problems in random theory」, New York, Wiley, 1958)は、MSERの測定のために提示された複数の刺激の時間的な変調関数にて基本的に適用できる連続的なガウス分布の白色ノイズシーケンスの使用を提案した。Sutter, E(米国特許第4,846,567号)は、刺激シーケンスが厳密に規定された方法で2レベルのうちの1つの間に変動するm-シーケンスと呼ばれる特別な刺激シーケンスの使用を提案した。これらの2レベルのm-シーケンスは、2成分と考えれる前記シーケンスのクラスのサブセットである。これらの2成分のシーケンスは、ほぼ等しく同様の2つの刺激条件間で変化し、かくして、後記に提案した刺激と異なり、決して無効の条件を含まず、本願明細書に示した意味において希薄でもない。WienerまたはSutterの刺激のいずれも、神経系のいずれかの特定の部分からの応答を最適化するように設計されていない。MSERの測定を可能にするが、神経系からの臨床的に関連するシグナルを評価するために最適化された刺激は、潜在的により有用であろう。
神経機能の評価において特に注目されるのは、発明者らが応答調節機構と呼ぶものを用いることにより、一般的な刺激条件にダイナミックに適合する神経系のそれらの部分であり得る。これらの応答調節システムがしばしば複雑で、厳密に制御されるために、これらの神経系は、神経の効率を研究する観点から興味深い。かくして、神経の機能不全は、強力な応答調節機構を示す神経系において容易に観察し得る。同時に、刺激シーケンスの適切な設計は、応答調節系を持つ神経系が大きなおよび/またはより信頼できる応答を生成するのを可能とし得る。MSER法により視野の測定に特に関連する応答調節の一例は、タテラル・マスキング(lateral masking)と呼ばれ、これは多数の刺激が視野に同時に存在する場合に発生する。刺激が相互に接近する場合、各刺激に対する感度は、特に辺縁視で低下する。弱視または失読症のようないくつかの神経学的障害において、タテラル・マスキングは、異常な方法で作動するようであり、その結果、タテラル・マスキングの潜在的な有害作用を取り消すことを除いて、タテラル・マスキングに特に影響する疾患を特徴付けする手段として直接的にそれを研究する目的のためにタテラル・マスキングの特徴を増強し得るMSER刺激を構築することが望ましい。
発明の概要
ヒト被験者における知覚神経系の評価の改良を提供すること、または既存のシステムに別法を提供することが本発明の目的である。
従って、1つの態様において、本発明は、刺激の各シーケンスを感覚系の2以上の部分に同時に提示し、無効刺激(null stimulus)と1以上の低頻度の非無効刺激(non-null stimulus)との間で経時的に各シーケンスを変化させ、感覚系の隣接する部分が同時の非無効刺激を受ける確率が高くないように、各シーケンスの変化を制御し、刺激のシーケンスに対する対象による1以上の同時の応答を測定し、次いで、感覚系の評価のための応答から重み関数を決定することをを含む、対象の知覚神経系を評価する方法にあると広く考えられる。
無効刺激は、それ自体で提示されるならば、視覚的な感覚系を評価する場合にゼロのイメージコントラストのごとき応答を誘発しないであろうものである。時間的に変調された刺激は、神経系の各部分に提示された各刺激に対して測定された応答を特徴付ける線形および非線形の重み関数(weighting function)の係数のいくらかまたは全ての見積りを可能とするように十分に複雑であろう。好ましくは、刺激のシーケンスは統計的に独立している。その応答は、一般的に刺激の線形または非線形の関数であり、重み関数はウイナー(Wiener)またはボルテラ(Volterra)のカーネル(kernel)で有り得る。
好ましくは、非無効刺激が、約0.25〜25回/秒、より好ましくは約0.25〜6回/秒または1〜4回/秒の速度にて、各シーケンスにおいて出現する。好ましくは、同時の非無効刺激を有する感覚系における隣接する部分の確率は、ゼロである。刺激を受ける感覚系の部分は、複数のクラスに分割された領域を形成でき、そのクラスのうちの1つだけが、いつでも刺激を受けることがゼロでない確率を有する。感覚系の部分は、対象の網膜、耳、皮膚または脳内に存在し得る。その刺激は、光もしくは音周波数または圧力のごときある範囲のシグナルから選択し得る。
1つの具体例において、感覚系は視覚系であって、網膜の複数の部分は刺激が提示される。シーケンスは両眼または両眼分離(dichoptic)の刺激のいずれも含み得る。もう一つの具体例において、感覚系は聴覚もしくは触覚系であって、耳または皮膚は刺激が提示される。
もう一つの態様において、本発明は、刺激の各シーケンスを感覚系の2以上の部分に同時に提示する刺激装置、刺激のシーケンスに対する対象による1以上の同時の応答を測定するモニター、および無効刺激と1以上の低い確率の非無効刺激との間で経時的に各シーケンスを変化させるプロセッサーを含み、感覚系の隣接する部分が同時の非無効刺激を受ける確率が高くないように、各シーケンスの変化を制御し、および感覚系の評価のための応答から重み関数を決定する対象の知覚神経系を評価するための装置にあると考えられる。
感覚系は典型的には、視覚、聴覚または触覚系であり、刺激装置は対象の眼、耳または皮膚に光学パターンを提示する。好ましくは、そのモニターは、対象のヘッド上の電極電位を経由して刺激に対する応答を測定する。
本発明は、MSERを測定する場合、応答サイズおよび信頼性がその同時に提示された刺激が空間内で分離され、かくして、かかる刺激が空間的に希薄であると考えられていることを保証することにより改善できるという発見から部分的に生起される。この空間的に希薄な提示は、タテラル・マスキングの有害作用を最小限にし、それによって、複数刺激誘発応答の信頼性を増加させる。本発明は、James ACおよびMaddess Tによる先の出願(国際出願番号PCT/AU01/00343)の継続である。その出願は、MSERのための時間的に希薄な刺激の有用性をカバーした。時間的に希薄な刺激は、ベースラインの無効刺激条件に対して提示された刺激条件の時間的なシーケンスよりなり、その(複数の)非無効刺激は、比較的希に提示される。視野のMSER測定において、複数の刺激が、視野の大部分をカバーする刺激領域の近接する配列またはアンサンブル(ensemble)を形成する複数の領域に提示されることは一般的である。MSERのためのより古い2成分の刺激方法について、スペース内の隣接領域は同時に活性であり、すなわち、各領域について、その隣接するものの各々が2つの活性な刺激条件のうちの1つにおいて出現する。活性の刺激条件間の無効刺激を導入することにより、時間的に希薄な刺激は、いずれの時間工程においても、2以上の空間的に隣接した刺激が無効および非無効刺激の多数の可能な空間的配置を有することができたという可能性を認めることに注目されたし。それは、それらが非無効刺激状態にあった複数の刺激、または無効刺激条件であった複数の刺激における空間的に隣接するものを有することができたということである。
複数の刺激の非−時間的な次元における異なる位置にて提示されるべきである時間的に希薄な刺激は、複数内の一つの位置にて非無効刺激が出現する場合、非無効刺激でもある複数内の接近した隣接するものを有する低い確率を有するように配置され、その複数内で提示されたいずれの非無効刺激も暗に、できるならば、同一の時間工程において無効刺激を示す隣接する刺激を有するべきである。また、時間的に希薄なシーケンスも空間的に希薄とすることは、時間的な希薄さだけによって与えられるよりも、MSER信頼性のさらに大きな増強を提供する。
本発明は、神経系の応答調節機構に適切に影響する複数の同時に提示される刺激に対する応答の測定により神経系への損傷に対する比較的迅速な信頼できるテストを可能とし、その結果、これらの応答調節機構は、その刺激に対する応答を低下させず、その記録された応答をより信頼できるものとする効果を持つ。空間的に希薄な刺激のもう一つの目的は、刺激の特定の空間的配置を完全な空間と時間上のシグナルにおいて実質上一般的にすることにより、特定の有用性であってもよい空間の相互作用の測定をより実用的にすることである。また、空間的になる用語は、刺激シーケンスの時間進展の時間的な進行をマークする第一の時間的な次元以外の刺激次元にまで延長できる。また、例えば、時間的に希薄なシグナルは、音波振動の空間的な位置および頻度の個々の刺激次元に沿った複数の聴覚刺激に存在し得る。従って、振動数は時間的な刺激次元と見なし得るが、それは、複数の刺激シーケンスがMSERを見積もるために発展する第一の時間的な次元ではない。あるいは、複数の刺激は、例えば、2次元のスペース、例えば、対象の周囲のスペースにおける高さおよび方位、および音の振動数を含めた多次元であり得る。また、その次元は、多知覚の刺激のモダリティ、例えば、聴覚、視覚および体知覚の刺激に対応できた。すべての場合において、時間的に希薄な刺激は、それらの刺激次元内またはそれを横切るタテラル・マスキングを最小化するために第一の時間次元以外の刺激次元内で希薄であるように配置されるか、あるいは刺激次元内またはその次元を横切る特定の関係を増強するように配置されるべきである。これらのすべての目的は、空間的に希薄な刺激と称する特定のクラスの刺激の使用により達成できる。多知覚のMSERを測定する見込みは、James A.C.およびMaddess(国際出願番号PCT/AU01/00343)により先行されている。多知覚のMSER間の相互作用を測定する確率は、Maddess TおよびJames A.C.(米国特許第6,315,414号)により先行されている。かくして、本発明はそれらの特許および出願に関する改良である。
もう一つの態様において、本発明は、対象の神経系の構成要素の機能的状態を同時に評価する方法を提供し、該方法は、
(a)知覚神経系の刺激された各部分についての適切な刺激のモダリティの異なる時間的な変調シーケンスを有する刺激シーケンスを対象の知覚神経系の1以上の部分に提示し、ここに、該刺激は、刺激された各部分について異なる配列を有し;
(b)無効刺激条件と、その無効刺激条件と対照をなす刺激条件よりなる群から選択される少なくとも1つの非無効刺激条件との間の時間的に変調された刺激を変動させ、ここに、刺激シーケンスにおける無効刺激条件に遭遇する確率は、非無効刺激条件のものに遭遇する確率に比較して高く、ここに、時間的に変調された刺激は、神経系の各部分に提示された各刺激に対して測定された応答を特徴付ける線形および非線形の重み関数の見積りを可能にし;
(c)非時間的な刺激次元を横切る付近の隣接位置にて出現するもう一つの非無効刺激を有する低い確率で生じるように配置するか、または非無効刺激条件が、それらの刺激次元を横切る特定の相互作用の測定を増強するために非時間的刺激次元を横切る特定の隣接分離で生じるように配置し;
(d)該刺激に対して測定された応答から各刺激シーケンスについての線形および非線形の重み関数の係数のいくつかまたは全てを見積り、神経系の別々でかつ同時に刺激された構成要素からの個々の応答を単離することを含む。
非無効刺激条件は、1以上の感覚の刺激を含む。このタイプの好ましい具体例において、刺激は、触覚刺激、嗅覚刺激、温度的刺激、聴覚刺激または視覚刺激またはその組合せよりなる群から選択される。
聴覚刺激は、異なる圧力レベルまたは異なるトーンを含み得る。触覚刺激は、皮膚または他の組織に対して加えられた異なる圧力レベルおよび異なる頻度の刺激を含めた、いずれかの適当な体知覚刺激を含む。嗅覚刺激は、有効な無効刺激が香りを持たない空気である標準セットの区別される香りから選択され得る。視覚刺激は、実際または錯覚かにかかわらず、異なる明るさの画像、異なる輝度またはコントラストレベルもしくは変調、異なる色または色コントラスト、異なるパターン、組織構造上の密度もしくはタイプ、両眼の深さ、深さに対する照明合図(lighting cues)、発光体の変調、異なるパターンの配向または移動方向、異なるイメージサイズ、すなわち、その視覚神経系のいずれかの有効な変調を含み得る。
視覚神経系をテストするための好ましい具体例において、対象の視野の一部分は複数の領域に分割され、ここに、その複数は、その視野を横切る2次元配置を形成する。刺激領域の配列は、2×2の隣接した隣接領域の非オーバーラップのブロックのモザイクに分割されるであろう。
4つの隣接領域のこれらの各ブロック内の左上領域はクラスAと指定され、クラスBは右上領域、クラスCは左下領域と指定され、右下領域は、クラスDと指定されるであろう。モザイク化は、複数の刺激の全体を4つのクラスの隣接するものに分割し、このように意図を持って、複数の刺激の進展におけるいずれかの特定の時間工程にて、4つのクラスのうちの1つだけが、非無効刺激を示す確率、Pを有するそのクラスの領域という意味において活性であり、一方、他の3つのクラスの領域が無効刺激を示すか、非無効刺激を示すPより非常に低い確率を有するであろう。この空間的配置は、無効および非無効刺激条件を経時的に提示することにより、時間的に希薄な刺激に領域の出現を変調させることにより可能とさせることに注目されたし。より古い2成分の刺激は、無効刺激が存在しないのでこの確率を有さず、全ての刺激領域は、非無効刺激を示す隣接するものを有しなければならない。
かくして、空間的に希薄な刺激は、特定のクラスの領域が非無効刺激を示すならば、2×2ブロック内の他の3つの領域クラスのすべてが無効刺激を示すか、あるいは非無効刺激を示す非常に低い確率を有するであろうように、使用された特定の時間的な希薄なシーケンスを配置するであろう。このように、トータルの刺激は空間的に希薄とされる。
もう一つの好ましい具体例において、刺激領域の2次元配列は、チェス盤の黒色および白色の正方形のように交互配置されたクラスAおよびクラスBと表示される2つのクラスの領域に分割される。すなわち、対角線の隣接するものは同一クラス内にあるが、境界を共有する隣接するものは、別個のクラス内にある。上記配置と同様に、刺激領域の出現を変調する刺激シーケンスは、無効刺激条件、および1またはいくつかの非無効刺激条件の比較的まれな発生を含む時間的に希薄な刺激シーケンスである。これらの時間的に希薄な刺激は、1つのクラスの領域が、非無効刺激で活性化される確率を有する場合に、他方のクラスの領域が、活性化されるべきすべて無効刺激であるか、または非常に低い確率を有するように、クラスAまたはBの刺激領域のモザイクを横切って配置される。また、この配置は、刺激のシーケンスにおけるいずれの時間工程でも非無効刺激を示す直接的に隣接した隣接する領域数を低下させ、その結果、その刺激を空間的に希薄とさせる。
もう一つの好ましい具体例において、刺激領域の配列は六角形であり、それは六角形の隣接したトリプレットに分割され、ここに、各トリプレット内の同様の領域がクラスA、BおよびCに存在するように指定される。前記の配置と同様に、刺激領域の出現を変調する刺激シーケンスは、無効刺激条件、および1またはいくつかの非無効刺激条件の比較的まれな発生を含む時間的に希薄な刺激シーケンスである。これらの時間的に希薄な刺激は、1つのクラスの領域、A、BまたはCが、非無効刺激で共に活性化される比較的低い確率Pを有し、一方、他の2つのクラスの領域は、活性化されるゼロの確率またはPより非常に低い確率を有する。また、この配置は、刺激のシーケンスにおけるいずれの時間工程でも非無効刺激を示す隣接する領域数を低下させ、その結果、その刺激を空間的に希薄とさせる。好ましくは、提示工程(工程(a))は、
−それらの網膜配置により、視神経、視放線および視覚野内の合流する流れをおおよそ分離するように各眼の視野を複数の刺激領域に分割し、および/または視覚と関連する脳の領域の異なる部分を刺激し;
−各眼の視野の各領域の出現の異なる時間的な変調を有する刺激をいずれかまたは双方の眼に提示し、ここに、その刺激は、各眼の視野内の対応する各領域につき異なることを含む。
好ましくは、視野は、これらの象限に分割し、視野の中枢および末梢部分の個々の刺激を可能とする、時間的な、鼻、下方および上方の視野ならびにこれらの象限の同心円状の組織化された区画よりなる群から選択される少なくとも1つのメンバーを規定する軸に沿った視野を区分化させる。
好ましくは、前記の好ましい具体例において、刺激は、2または3の輝度レベル間、または2または3のコントラストレベル間の各刺激領域内のエレメントの輝度またはコントラストの変調を含む。
適切には、時間的に変調された刺激は、神経系の各部分に提示された各刺激に対して測定された応答を特徴付ける線形および非線形の重み関数の係数のいくらかまたはすべての見積りを可能にするように十分に複雑である。
好ましくは、刺激シーケンスは、時間的に希薄であり、かくして、異なる隣接する領域が無効刺激を示すことを可能とする非周期的または擬似乱数的な刺激シーケンスを含む。
好ましくは、線形および非線形の重み関数はウイナーまたはボルテラのカーネルである。
適切には、線形のカーネルの時間的経過内および/またはカーネルの形状および/またはそれらの振幅内で選択されたピークへの潜伏期は、神経系の構成要素の機能的状態の尺度として用いられる。
刺激シーケンス内の非無効刺激条件は、好ましくは、刺激領域当たり約0.25〜約20回/秒の間、より好ましくは刺激領域当たり約1〜約6回/秒の間の平均頻度で生じる。50ヘルツのフレームレートのビデオ刺激の例において、これは、約1/2〜約1/50の間の所与の刺激領域内の非無効刺激に遭遇する確率を与える。無効および非無効刺激は、いずれの非無効刺激が、同時に非無効刺激状態内にある近隣の隣接するものを有する低い確率を有するように、全体の刺激の非時間的な次元を横切って配置されるべきである。
もう一つの態様において、本発明は、神経系の構成要素の機能的な状態を評価する装置を提供し、その装置は、
−感覚神経系の刺激された各部分に適当な刺激のモダリティの異なる時間的な変調シーケンスを有するテスト対象刺激シーケンスの感覚神経系に提示するための刺激手段、ここに、該刺激は、刺激された感覚次元の非時間の次元を横切る空間的に希薄である刺激された各部分について異なる配列を有し;
−該テスト対象における該刺激シーケンスに対する応答をモニターするためのモニタリング手段;および
−該刺激に対して測定された応答から各刺激シーケンスについての線形および非線形の重み関数の係数を決定するためのプロセシング手段を含む。
視覚機能を排他的にテストする場合には、その刺激手段は、いずれかの眼または両眼に提示された個々の観察イメージ(viewing image)の流れを示すための手段を適切に含む。
適切には、異なる観察イメージは、異なるイメージコントラストレベルのイメージを含む。
モニタリング手段は、好ましくは、該テスト対象において該刺激シーケンスに対する応答を記録するための記録手段を含む。
好ましくは、記録手段は、視覚誘発電位を記録して、該応答の客観的な指示を提供する。
プロセシング手段は、タイミング手段、および該応答を示す記録手段からのシグナルを受けるための手段を適切に含む。
また、本発明は、本明細書中で示された特徴のいずれかの別法の組合せにあると考えられる。これらの特徴の等価物のすべてが、それらが明示的に言及されているか否かのいずれでも含まれていると考えられるべきである。
本発明の好ましい具体例は、添付図面に関して記載されるであろう。
好ましい具体例の詳細な記載
図面を参照して、種々の目的について種々の方法で本発明が実施できることが理解されるであろう。本明細書の記載は、例示としてだけに存在する。
図1は、神経系の構成要素の機能的状態の評価のための本発明の装置の非限定の具体例を形成する基本システム成分の機能的ブロック図である。黒矢印は、理想化された対象のごとき特徴、または対象の頭部の後部への電極の接続ポイントを示す。白矢印は、装置内の情報およびプロセシングの流れを示す。かくして、視覚的な刺激の場合において、グラフィックス制御ユニットは空間的に希薄な刺激を生成し、視覚表示装置上にそれらを示す。その対象は提示された刺激シーケンスを観察し、一方、アンプは、刺激により誘発された電気的な脳応答を検出し、カーネル評価ユニットによる線形および/または非線形の応答関数の記録および見積りのためにそれらを通過させる。
図2は、3つのタイプの擬似乱数的な時間的な刺激シーケンスを示す。これらのシーケンスは、図3および4により例示された刺激の全体における1つの刺激領域の変調を表わす。上部パネル(a)は、刺激が2つの条件、−1および1の間で変化する2成分のシーケンスを示す。2つの可能な非無効刺激が存在し、時間的なトレースの右への2つの小さな挿入断片において提示される−1および1状態を表す。その1および−1条件は、双方とも有効な刺激であり、それらは、偶然、小さなチェス盤パターンの正反対の反転バージョンである。中央パネル(b)は、希薄な擬似乱数的な刺激シーケンスの3成分または双極性のバージョンを示す。この場合には、刺激は、(a)中のレベル−1および1の無効刺激条件を超えるおよび未満のレベルにて、3つの条件:より頻繁な無効刺激条件、ゼロの刺激条件および2つの低頻度の非無効刺激条件を有する。再度、−1および1の条件を表す刺激が上部トレースにおけるごときであり、無効刺激が同一サイズのブランクの特色がない領域である場合、右への小さな挿入断片はかかる刺激の可能な具体化を示す。ここに、中間の灰色のこの特徴のない無効刺激は、小さなドットの斑点により表わされる。(b)において、非無効刺激、レベル−1および1の提示の平均速度は、9.4回/秒の提示である。下部パネル(c)は、4.2回/秒の提示またはパルスにて非無効刺激、条件−1および1の提示の平均速度を有するより時間的に希薄な3成分の擬似乱数的な刺激シーケンスを示す。
図3は、空間的に希薄な刺激を提供する本発明の装置の非限定の具体例に用いた視覚刺激の空間的レイアウトの模式的表示を示す。上部パネルは、領域の近接する配列がAおよびBと標識された2つのクラスの隣接する領域に解析されるケースを示す。その線は、刺激領域の境界をマークし、刺激装置上で可視ではなかった。刺激領域の配列は、極座標において四角形であり、それらにダーツボードの出現を与える。これに類似する空間のレイアウトは、眼から視覚野への大部分の入力を受けるが、眼からの入力は均一でない条線のある視覚野の活動に主として基づいた誘発応答を記録する場合に好ましい。ダーツボード配列は、その配列における刺激領域の配列の提供が、テストの間に視空間への眼の中心窩の突起部の中央にあり、次いで、各領域が、条線のある視覚野のほぼ等しい領域を刺激するように、眼からのこの非均一の入力の影響を反転する傾向にある。この具体例において、時間的に希薄な刺激は、タイプAの領域が、非無効刺激を示す比較的低い確率Pを有する場合に、タイプBの領域は、非無効刺激を示すゼロの確率を有し、すなわち、それらは、Aと標識された領域が、非無効刺激を示すいくらかの確率を有する場合に無効刺激を示すであろうように、配列される。刺激シーケンスにおける後の時点にて、BおよびAと標識された領域の役割は交換されるであろう。かくして、タイプAまたはBの領域は、同時に非無効刺激を示す比較的少数の隣接するものを有する傾向にあり、全体の刺激は、すべての時間に空間的に希薄である。この空間的配置はタイプIと呼ばれる。タイプI刺激変形において、同時に非無効刺激を提示する拡張された境界を共有する隣接するものを有する領域はない。配列内のコーナーを共有する隣接するものは、同時に非無効刺激を提示できる。下部パネルは、刺激領域の同一配列を示すが、その刺激領域は、今や4つの隣接タイプ:A、B、CおよびDに分割される。このタイプの空間的に希薄な刺激はタイプIIと呼ばれる。特にこの非限定の具体例における刺激の流れ図を図5に示す。タイプIIにおいて、領域の4つの各サブグループがその群が、非無効刺激を示す比較的低い確率Pを有する場合の時間を有するようにその時間的に希薄な刺激は配置される。その時点にて、他の3つのタイプの領域は、非無効刺激を提示するゼロの確率を有し、すなわち、それらは無効刺激を示すであろう。刺激シーケンスの引き続いての時間工程において、A〜Dと標識された領域の役割はいくらかのオーダーで交換され、その結果、全体の刺激がすべての時間で空間的に希薄である。タイプIIの刺激変形について、一次の隣接するもの、近接する境界を共有するもの、またはコーナーを共有するもののいずれも、非無効刺激を同時に提示しなく、かくして、全体を横切る全体の刺激は空間的に希薄であるであることに注目されたし。
図4は、種々の領域が視野のテストのために特定の具体例に用いた無効および非無効刺激を示す図3を示す。領域のいくつかの対は、各々、4×4パターンのチェックで満たされることに注目されたし。刺激の全体の配列のように、そのチェックは、極座標において四角形である。実際の刺激において、黒色チェックは、2カンデラ/平方メートルの輝度を有し、白色チェックは、92カンデラ/平方メートルの輝度を有した。図2に示されるように、黒色および白色チェックが交換またはコントラストが反転される場合に、2つのタイプの非無効刺激が存在することに注目されたし。無効刺激について、所与の領域は、図2b、c中および小さなドットの斑点によりマークされた領域によりこの図中でゼロレベルにより表される平均輝度での特徴のない灰色であった。1つのチェス盤タイプの提示は、図2においてa1により示され、逆コントラストのチェス盤の提示は、図2のa−1により示される。例えば、右−45および−75度の位置に集中した刺激の最も外側の環内のその対の領域は、相互について反転したコントラストであり、その結果、左−45スポーク上で見出されるその対の領域であり、左右の15度のスポークに集中した外部からの第2の環内のその対の領域である。他の対の領域の各メンバーは、チェス盤の同一極性を示し、従って、相互について反転したコントラストではない。チェックの2つの極性をすべての時間的に希薄なシーケンスにおいて等しい確率で用いて、経時的にすべての領域での平均の輝度が45カンデラ/平方メートルの平均輝度と等しいことを保証した。
図5は、図3のタイプIIの空間的に希薄な刺激全体の時間的な進展の非限定の設計のプロセスを示すフローチャートである。最初に、すべての刺激領域は無効刺激条件にセットされる。そのフローチャートは、少しして、4つのタイプの隣接するもの、タイプA、B、CまたはDのうちの1つが選択され、それらの半分が、非無効刺激を示すためにランダムに選択される。それらの選択された刺激のうち、発明者らがタイプAと呼ぶもの、それらをさらに選択して、異なる非無効刺激を示す。図7に記載された非限定の例において、図2および4に示したチェス盤パターンのポジティブおよびネガティブのコントラストに対応する2つの等しく起こり得る非無効刺激が存在した。次いで、その選択された刺激は、短時間、Tに示される。図7の非限定の例において、刺激は13.3ミリセカンド持続したが、そのフローチャートに記載のごとく、刺激の大部分の有効エネルギーだけが短く提示される必要がある。選択された領域の非無効刺激の提示後に、その領域は、無効刺激状態に戻される。比較的長い期間、T(T>T)後に、そのプロセスは、時間的なシーケンスが終了していなければ、再度隣接する選別プロセスに戻る。図7の非限定の例において、隣接する選別プロセスは、A、B、C、D、A、B、C...の順序で、図3の隣接するタイプ、タイプIIを介して循環し、従って、しかし、実際には、隣接する選別プロセスを無作為化して、各タイプが全体の刺激シーケンス内に示された回数が平衡することを提供できる。いずれの場合も、全体内の刺激領域は、同時に活性である隣接するものを有さず、従って、全体の刺激は、個々の刺激の時間的な進展に対応しない刺激全体の次元を横切って空間的に希薄とされる。
図6は、図3および4のもののような空間的なレイアウトにて適用された独立した刺激シーケンスの全体の各々に対する応答の例を与える。極の角度は、刺激レイアウトに対応し、偏心性は、実際の刺激と比較して線形化され、対数間隔とされた。かくして、各刺激領域につき1つの応答波形が存在する。刺激シーケンスは、図2c中のような領域当たり4.2パルス/秒の提示の平均速度を有し、パルス化した非無効刺激は、2つのビデオフレーム長(26ミリセカンド)であり、各領域内の極性中で交互にした。従って、刺激配列 統計的に独立した応答、線形または非線形の重み関数は、たとえ神経系からの単一の凝集応答だけがモニターされ得るとしても、各領域のために見積もることができる。この非限定の例において、視覚誘発電位の記録は、図1に示された頭骨の後頭極の頭皮上の1対の電極から差動的に測定された。その応答は、刺激に対する応答の相互相関または回帰のごとき手段により見積もることができ、前者がここに用いられた。かくして、応答は、各領域での刺激の単一の提示に対する応答の見積りである。ゼロ時間での誤差バーは、+/−1の標準誤差を示し、その破線は、+/−2標準誤差を示し、多重比較には未修正であるポイント的に約95%の信頼区間を与える。データは1名の対象からの55秒の4試行から得られた。底部左でのスケールバーは、応答についての電圧および時間目盛を与える。4分間の刺激につき計られたメジアン(領域を横切る)RMSシグナル、雑音および信号対雑音比(SNR)は、底部右に挿入して与えられている。
図7は、メジアンの出力信号対雑音比(SNR)+/−1標準誤差に対する非無効刺激の提示速度の独立した効果を示す25名の対象からのデータを示す。出力信号対雑音比は、デシベル(db)で表現される。そのメジアンの出力SNRは、各刺激領域および提示速度についてSNRを横切って計算された。刺激領域は、図3および4に図示された空間的なレイアウトを有した。この非限定の例において、刺激は、75フレーム/秒の垂直のリフレッシュ速度を有したモニターに表示された。最速の刺激、右に示した37.7パルス/秒は、コントラスト反転刺激であり、すなわち、図2aに示した時間的な進展を有する交互的な無効刺激を有さない。また、次の最も速い刺激、18.8パルス/秒も、コントラスト反転であったが、各刺激は、刺激シーケンスの2つのフレーム(26ミリセカンド)の間持続した。より遅い提示速度を有する刺激は時間的に希薄であり、図2c、d中のごとき、非無効刺激間に散在した無効刺激を有し、その非無効刺激は、2つのビデオフレームの間持続した。この場合、注意は、いずれかの刺激のうちの空間的な希薄さに与えられなかった。、コントラスト反転37.7パルス/秒からの見掛けの最適の希薄な速度4.2パルス/秒へのSNRにおける改良は、出力SNRのダブリングに対応する約3dBであり、それは、基準SNRがスペーサー4.2パルス/秒刺激による記録時間を2分の1にて得ることができることを意味する。時間的に希薄な4.2パルス/秒および9.4パルス/秒の刺激の単一の領域の時間的な進展を図2b、cに示す。
図8は、純粋に時間的に希薄な刺激に対する空間的に希薄な刺激の利点の例示である。その図は、10名の対象のメジアン出力SNRデータに適用された重回帰モデルの出力を表わす。図5中のごとく、そのSNRは刺激全体を横切るメジアンである。各対象は、6つの時間的に希薄な刺激でテストされた。2つの参照条件は図2c、dで示されるような4.2および9.4パルス/秒で提示された時間的に希薄な刺激であった。参照刺激の隣接するものの間の空間的関係は無作為化され、従って、非無効刺激を同時に示す2つの隣接するものの合理的な機会が存在した。図4は、この刺激全体の可能なフレームの例を与える。かくして、参照刺激は、単に貧弱に空間的に希薄であった。かくして、その参照刺激は、図7を導き出すために用いたものに似たものであった。4つの残りの刺激は、4.2および9.4パルス/秒の同一の平均提示速度と共に、図3のタイプIおよびタイプIIの空間的に希薄な刺激条件を用いた。双方の速度について、空間的に希薄な刺激は、それらの対応する基本刺激と比較して、メジアン出力信号対雑音比(SNR)における有意な(p<0.05)改善を与えた。また、2つの提示速度について得られたSNRの間の差は有意であった(p<0.001)。
図9は、図8に示されたメジアンのデシベル出力SNRにおける改良が、異なるレベルの空間的な希薄さについて同一のSNRを有するシグナルを生成するのに必要な時間にどの程度翻訳できるかを示す。図6、7および8によりまとめられた実験において、合計の記録時間は、1つの試験条件当たり約4分間であった。示されたポイントは、図8の4.2パルス/秒のデータから計算される。そのポイントは、4分間の参照刺激により生成したSNRと一致するために、タイプIおよび2の空間的に希薄な刺激が16%未満の時間を必要とすることを示す。これは、37.7〜4.2パルス/秒の提示速度を変化させるために、図7に示す大きさの効果ではないが、しかしながら、従来の時間的に希薄な刺激に関する本質的な改良である。
図10は、第3の空間的な次元が加えられた図3の空間的に希薄なタイプII刺激の非限定の変形の例示である。加えられた事件は、図3の各領域内に提示された視覚刺激の空間的な頻度内容である。かくして、いずれかの特定の時間にて、図3の所与の領域は、7つの空間的な各頻度が1オクターブだけ分離される7つの空間的な頻度のうちの1つにより支配されたパターンを示すことができる。この分離は、ヒトの視域内のニューロンの大きく排他的な集団が刺激されることを保証する。かくして、1オクターブだけ離れて分離された刺激だけが常に共活性(co-active)であることの保証は、刺激を空間的頻度次元に沿って希薄にする。横座標は、図3に図示された刺激の水平の経線(meridian)に沿ったスケーリングに類似している。記号a、b、cおよびdは、図3のものに直接的に対応しないが、むしろ、視野方位および空間的頻度の刺激次元に沿った潜在的に共活性の刺激のサブグループを示すことに注目されたし。
Journal of Physiology, Vol. 70,1970, pp. 727-750に公開された「The perceived spatial frequency shift: evidence for frequency-selective neurons in the human brain 」と題するBlakemore C.、Nachmias J.およびSutton Pの研究、ならびにVision Research, Vol. 39,1999, pp. 3404-3416に公開された「Apparent fineness of stationary compound gratings」と題するMaddess T.およびKulikowski J. J.の研究に基づいて;刺激が視覚系のテストのための利点を生成するであろう、得られた3つの空間的な次元を横切って空間的に希薄にできる図3に示された配置に第3空間的な次元を、加えることができると予期するであろう。その第3の次元は、空間的な頻度のバンドであろう。かくして、その非無効刺激は、いくつかのオクターブにわたり異なる空間的な頻度内容を包含することができた。それらの著者によれば、2以上のオクターブだけ空間的な頻度において非無効を分離されたままに保つことは、空間的な頻度次元に沿った応答の外側の抑制を最小限にするそれらの刺激をプロセシングする神経のチャネルプロセシング間の抑制を低下させる。図10は、横座標が図3のパターンの水平の経線に対応するかかる希薄な刺激全体を介して2次元のスライスを示す。
図11は、刺激の時間的な進展に対応しない他の刺激次元に対する空間的に希薄な刺激の原理の拡張を示す。ここで、横座標に対応する刺激次元は、テスト対象にそれらの前面で見られたスペースにおけるアジマス角である。負の角度は、対象の左に対する角度を表わし、正の角度は、対象の右に対する方向を表わす。かくして、ゼロ度は、テスト対象のまっすぐ前方の方向を示す。視覚刺激は、水平の経線に沿って、または他のいくらかの仰角にて、5つの位置にて無効および非無効刺激を提示することができる5つの領域で有り得た。また、刺激全体は、クリックのごとき5つの聴覚刺激を含む。視覚刺激に集中した実際の音源、あるいは音が5つの視覚刺激の中心から広がるように、時間的な不均衡および/または2つの耳の間の音圧差でそれらを示すことによりそれらの視覚刺激から発散するように見えるように作製された音源のいずれかが存在する。かくして、縦座標は横座標と同一の物理ユニットを有するが、聴覚刺激の源への見掛けの方向に対応する。a〜dの文字は、その刺激が、全体内の隣接するものが共同活性化される大きな機会を有しないように、この2次元の視聴覚ドメイン内で希薄に提示されるべきものである。
図12は、刺激の時間的な進展に対応しない他の刺激次元に対する空間的に希薄な刺激の原理の拡張の第2の例を示す。ここで、双方の刺激次元は音質と関連する。横座標は、図11の縦座標のそれと同様であり、水平面における対象の四方八方の位置にて発散される見掛けまたは実際の音源位置の中心への方向に対応する。この縦座標は音の高さであり、ここに、高頻度の音圧変化は、通常の方法にて高ピッチのトーンに対応した。かくして、全体の刺激は、ある範囲の音の位置および優性のピッチを有する。a〜dの文字は、その刺激が、隣接するものが共同活性化される大きな機会を有しないように、この2次元の視聴覚ドメイン内で希薄に提示されるべきものであることを示す。刺激は、それらも図7と同様の希薄な様式で表示されたならば、音源と同一の位置にて提示された視覚刺激と結合できる。ヒトのピッチ識別が非常に良好であり、優性のトーンが、聴覚系内の感覚性ニューロンの頻度および依然として活性の全く異なる集団において全く近接できることに注目されたし。
図13は、触空間の空間的な次元で示された空間的に希薄な刺激の原理を示す。その図の領域は、圧力または温度刺激により刺激されるべき皮膚の領域を表わす。領域のスケーリングは、各刺激領域が知覚エレメントのほぼ同様の集団を刺激するように、皮膚を横切る神経知覚装置の変化する密度を模倣するように設計される。これは、刺激領域サイズが条線のある視覚野内のニューロンの同様の大きさの集団を刺激するように設計された図3および4のロジックに類似している。a〜dの文字は、刺激が、隣接するものが共同活性化される大きな機会がないように、この2次元の触覚ドメインを横切って希薄に提示されるべきであることを示す。
また、図10〜13に示された刺激次元の組合せを用いた刺激全体は、可能であろう。
神経系の部分が、多数の近接する隣接するものが同時に出現する場合に比較して、それらの感度を調節する機構により制御されること、および刺激が刺激の非時間的な次元における相対的な単離において出現する場合にそれらが調節しているニューロンの応答を増加させることが見出された。タテラル・マスキングとして知られるこの効果は、テキストのページ上の込み合った文字の読みにおいて生じるような比較的長い提示時間の間に存在する視覚刺激について知られていた。この点で、本発明者らは、驚くべきことに、1秒の1/75の短い提示時間でさえ、または隣接する刺激だけが、刺激の擬似乱数的な提示による出現の確率の限定を有してさえ、刺激が比較的少数の近くの隣接するものと共に提示されるならば、応答は多数の隣接する刺激を有する場合に比較して増加することを見出した。かかる擬似乱数的な刺激は本願明細書に空間的に希薄であると定義される。比較的少数の擬似乱数的に発生する隣接する刺激を有する増強効果は、隣接領域における刺激の時間的な出現を管理する時間的な機能が、共同発生する多数の隣接するものの機会が比較的低いことを意味した場合にさえ、真実であった。空間的に希薄な刺激により増加した応答幅は、非希薄な刺激で得られるよりも確実に記録された応答を保証する。これは、各領域内の同一平均速度の提示を有する参照刺激に比較して、空間的に希薄な刺激に対して得られた信号対雑音比のかなりの増加を特徴つけることにより示されたが、隣接する刺激の条件の考慮はなされなかった。結果的に、空間的に希薄な刺激シーケンスの使用は、前記のタイプの応答調節機構に付された神経系のより確実な評価を提供する。より一般的には、神経機能の評価は、本発明により与えられた神経応答の時間の進展の正確な測定によりさらに増強されるであろう。
本発明者らは、より十分に後記される神経系の構成要素の機能的状態を同時に評価する方法および装置において実施にまでそれらの発見を縮小させた。略言すると、本方法は、神経系の構成要素の線形および非線形の刺激誘発応答を特徴付けるカーネルとして知られている線形および非線形の時間的な重み関数の係数のうちのいくつかまたはすべてを測定することを含む。本方法は、十分に複雑である時間的な構造が必要なカーネルの計算を可能にするだけではなく、大きくかつより確実な神経応答、すなわち、空間の希薄さを生成するための神経系内の応答調節機構を引き起こす特性を有する特定の刺激シーケンスを使用する。
本方法は、これらの異なる知覚のモダリティがコード化される神経系の領域から応答を単離するための触覚または聴覚刺激のごときいずれかの知覚のモダリティの刺激に適用できるが、視覚的な刺激が好ましい。これは、これらの多数のニューロンが眼に対する画像の提示により刺激できる視覚伝導路および関連のあるケースにおける多数のニューロンのためである。同様に、視覚系は、瞳サイズおよび眼球運動の活動の形態における観察可能な刺激誘発応答を生成する。
いずれか1つの特定の理論により拘束されずに、本発明の形成に導いた推論が以下に提供される。
前記のごとく、複数刺激誘発応答(MSER)は、用いた刺激が神経の応答調節機構が記録された応答の信頼性を増強するのを可能とするならば、恐らく増強されるであろう。MSERによる視野の複数の領域の評価に対する可能な関連性のうちのその効果は、タテラル・マスキングと頻繁に呼ばれる。MSERによる視野の複数の領域を評価することは、最も典型的には、周辺視野の大部分を評価することを含む。初期の試験は、周辺視野に提示された刺激が、それらがいくつかの近接する隣接するものので提示された場合に、認識するのがより難しいことを示した。例えば、「Interaction effects inparafoveal letter recogniton」と題する論文(1970, Nature Vol. 226, pp. 177-178)において、Bouma H.は、周辺視野で提示された場合には、一連の文字における中央の文字は、同一の文字が単独で表示される場合より識別するのがより難しいことを実証した。その効果は時々文字こみあい(letter-crowding)と呼ばれる。同様に、テストラインセグメントの周囲の多数の隣接するラインセグメントの提示は、Andreissen J. J.およびBouma H. の「Eccentric vision: adverse interactions between line segments」と題する論文(1976, Vision Research, Vol. 16, pp. 71-78)により報告されるように、そのテストラインの配向を認識するための対象の能力を低下させる。同じ著者は、その論文において、隣接するものが存在した場合にテストラインを認識するのに必要なイメージコントラストの量がより大きいことを報告した。隣接するものが存在した場合、より多数のコントラストが必要であったという事実は、神経の調節機構が隣接するものが存在した場合にテストラインの視界を縮小していることを示唆した。それらの著者は、種々の網膜の偏心にて、すなわち、周辺視野のある範囲の距離にて、それらの実験を繰り返し、コントラストの量が、周辺テスト位置および注視点間に描かれた約0.25の角度内にある隣接するものにつき2倍のテストラインを識別することを必要とし、注視点は、窩の視空間へのその投影であったことが判明した。それらの実験において、線分(line segment)が100ミリセカンドの間提示され、8つの隣接するものは同時に提示された。テキストのページ上の文字のように、それらの著者の線分は空間的な頻度においてブロードバンドであった。それらの結果は、「Lateral interactions in peripherally viewed texture arrays」と題する論文(1997, Journal of the Optical Society of America, Vol. A14, pp. 2057-2068)において、Wilkinson F., Wilson H. R., およびEllemberg D.によりナローバンドのGabor波束(wave-packet)刺激について最近確認され、ここに、10の近隣の波束が100ミリセカンドの期間に提示された。56までの隣接するものが固定から0〜18度の間の位置にて40ミリセカンドの間提示された場合、縮小されるべきGabor波束刺激の視界の基礎的な効果は、比較的中心の視力について実証された。
これらのこみあい(crowding)効果は、弱視および失読症のごとき視覚野に影響する障害において注目されている。双方の障害において、Giaschi D. E., Regan D., Kraft S. P.および Korthe A. C.の「Crowding and contrast in amblyopia」と題する論文(1993, Optometry and Vision Science, Vol. 70, pp. 192-197)に示される弱視の対象に関する研究、およびSpinelli D. De Luca M., Judica A.およびZoccolotti P.の「Crowding effects on word identification in developmental dyslexia」と題する論文(2002, Cortex, Vol. 38, pp. 179-200)による失読症の人に関する研究により例示されるごとく、対象は異常に強いこみあい効果を頻繁に報告し、ここに、密集したハイコントラスト文字から構成された語は、これらの障害を持つ人には読むのがより困難である。
上記のすべての研究は精神物理学的研究であり、従って、その証拠に基づいて単独で、記載されたタテラル・マスキングおよびこみあい効果はいくらかのより高い脳中心に制限されることが可能であり、しかしながら、Zenger-Landolt B. およびHeeger D. により公開され、「Response suppression in Vl agrees with psychophysics of surround masking」と題する最近の論文 (2003, The Journal of Neuroscience, Vol. 23, pp. 6884-6893)は、相当のタテラル・マスキングが初期の視覚的なプロセシングにおいて発生することを示唆する。それらの著者は、タテラル・マスキングが、視域1またはV1とも呼ばれる脳領域の条線のある視覚野における脳活動の低下により特徴付けられることを示す機能的磁気共鳴映像法を用いた。V1は、視神経、また、眼からの入力の主要なレシーバーであり、首の上の頭の後部近くの頭骨下に丁度ある脳の後頭極に接近して位置する大脳皮質の領域である。また、V1は大脳皮質の最大の視域である。これらの特性は、特に、緑内障のごとき眼または多発性硬化症のごとき視神経に影響する疾患を観察する場合に、V1をMSERを記録するための理想とする。かくして、V1は、眼の機能に最も直接的に関連する皮質野であるだけではなく、頭骨の後部のその位置は、それを、電気的または磁気誘発応答または赤外線もしくはT−線モニタリングのごとき種々のモニタリング手段にアクセス可能とする。かくして、特定の刺激配置がタテラル・マスキングの効果を最小化できたならば、増強されるべきV1から記録されるMSERを期待するであろう。タテラル・マスキングに関する結果は、少なくとも、隣接するものの数が全く大きく、かつ提示時間が少なくとも40ミリセカンドと全く長い場合に、その大きな応答は、より少数の隣接するものが、MSERの測定のために提示された刺激シーケンス間のいずれかの時間にて存在するならば記録されるであろうことを示唆する。
別法として、いくらかの刺激配置は、弱視および失読症における込み合う文字に関係する効果をより良好に特徴付け、それにより、それらの障害を特徴付けできるかもしれない。MSERの場合には、これが、隣接する刺激間の特定の相互作用の距離が良好に特徴付けられるのを可能とするいくらか空間的に希薄な刺激を必要とするおよび/または空間的に込み合った刺激である非希薄さとの比較のために必要とするであろう。かくして、より信頼できる神経の応答およびタテラル・マスキングに影響する障害を特徴付ける能力の双方は、より少数の隣接するものを有する、すなわち、空間的に希薄である刺激により潜在的に与えることができる。
MSERを推測するための従来の方法は、提示された時間的な刺激の2成分の変調を用いる傾向にある。例えば、Sutter, E(米国特許第4,846,567号)は、2成分のm-シーケンスの特定の有用性を特許請求し、Malov I(WO01/39659)は、Gold、KasamiおよびBentの2成分シーケンスの有用性を特許請求する。両発明において、特許請求は、2つの状態間のシグナルを迅速に変調するのに理想的であり、その各々が非無効刺激であるということである。基本的な考えは、刺激を迅速に変調することにより、試験期間内に刺激のより反復された提示が存在し、多数の提示が、見積もられた応答における標準誤差または雑音を減少させることにより、得られたMSERにおける信号対雑音比を増加させるであろう。本発明者らは、相当に刺激の提示速度を低下させることにより、非無効刺激の間に多数の無効刺激を導入することにより、それらの刺激に対する応答は非常に大きくなったので、それらは、所与の試験期間内に比較的より少数の刺激提示を有するという欠点を克服したことを見出した。これらのより小さな密集した刺激シーケンスは、時間的に希薄な刺激と命名された(国際出願番号:PCT/AU01/00343)。本著者ら(国際出願番号:PCT/AU01/00343)により示されたヒトの瞳の応答から決定されたMSERのための時間的に希薄な刺激の有益な効果は、Tan L., Kondo M., Sato M., Kondo N.およびMiyake Y.の「Multifocal pupillary light response fields in normal subjects and patients with visual field defects」と題する(2001 Vision Res, 41: 1073-1084)により引き続いて実証された。
ニューロンの応答を特徴付ける効率的な方法は、カーネルとして知られる線形および非線形の時間的な機能の見積りを介するものである。これらのカーネルは、応答における、試験下の系の線形の応答および非線形の相互作用も要約できる。複数の刺激を同時に提示でき、各々に対する応答は各刺激についての個々のカーネルにより特徴付けられる。例えば、米国特許第6,315,414号における本発明者らは、多発性硬化症のような疾患の診断およびモニタリングにおいて両眼の相互作用のカーネルおよびそれらの潜在的な使用を見積もる方法を記載する。また、本発明者らは、それらの時間的に希薄な刺激を用いて、2つのいずれかの刺激シーケンスが、十分に関連しない擬似乱数的なシーケンスにより管理されたことを保証することにより、ウイナーまたはボルテラのカーネルである線形および非線形の重み関数を見積ることができ(国際出願番号:PCT/AU01/00343)、かくして、視野への多数の刺激の同時提示を通じてMSERが効率的に測定されることを可能とした。
時間的に希薄な刺激の必要な構成要素は、非無効刺激が、特定の神経応答調節機構に訴え、かつ大きな応答を起こすために、比較的時間的に、すなわち、短く提示する必要があることである。PCT/AU01/00343における方法の証明は、10ミリセカンドの最大期間での刺激を用いた。また、その著者らは、非無効刺激当たり13〜27ミリセカンドの最大の期間を用いた。刺激領域当たり約2〜4回/秒の提示の平均速度の非無効刺激の提示速度は、良好な信号対雑音比を生成する。かくして、図3のもののような刺激レイアウトについて、2〜4回/秒の非無効刺激の提示の平均速度にて、近く隣接するものを有するいずれかの刺激領域の機会は、同時の非無効刺激が低いことが理解できる。かくして、タテラル・マスキングの従前の実証は、多数の隣接するものおよび/または遅い提示時間に関与するという根拠で、重要な外側のマスク作動効果が存在するならば、これらの効果は擬似乱数的な刺激の使用で実証できることは驚くべきことである。かなりの外側のマスク効果が見出されたならば、時間的に希薄な刺激を、近隣の領域における時間的なシーケンスの注意深い選択により空間的に希薄とさせることができ、それにより、より大きくかつより正確なMSERを測定できた。同様に、かなりのタテラル・マスキングが発生したならば、空間的な希薄さの性質の修飾は、タテラル・マスキングに影響することが知られた障害の特徴付けを強調できた。
空間的に希薄な刺激のもう一つの変形は、両眼分離刺激と呼ばれた2つの眼の同時の独立した刺激の場合にあるであろう。ここで、隣接するものは、通常の空間的な次元を横切っておよび眼を横切って規定されるであろう。このスキーム下、2つの眼により見た視野の各部は、1対の隣接するものと考えられ、従って、両眼の隣接するものは同時に刺激されるべきでない。別法として、人における両眼的に希薄で、非希薄な刺激の影響を弱視におけるような不完全な両眼視と比較し得る。
前記から、本発明者らは、ウイナーまたはボルテラのカーネルのごとき線形および/または非線形の重み関数の係数のいくらかまたはすべてを見積もるために同時に用いることができ、複数の刺激の非時間的な次元を横切るタテラル・マスキングの効果を利用できる刺激は、神経系の広いセクションの有効な非侵襲性の評価を提供するであろう。
前記から判断すると、本発明者らは、刺激全体の非時間的な次元を横切る空間的に希薄であるように配置もされた時間的に希薄な擬似乱数的なシーケンスよりなる刺激が以下を提供するであろうことを仮定した:
(a)刺激の空間的に希薄な性質は、さらに、刺激の非時間的な次元を横切って表示された複数の刺激における同一速度だか、近く隣接するものの影響の考慮なくして、送達された時間的に希薄な刺激と比較して、応答サイズおよび応答の信頼性をさらに増強するであろう;
(b) また、かかる空間的に依存する応答機構に向かってバイアスをかける神経活動から生起される記録された応答は、かかる空間の相互作用に影響することが知られた疾患を特徴付けるのを支援できる、
(c)非無効刺激の擬似乱数的な発生は、複数の刺激に応じたカーネルの見積りを可能とし、かくして、全く短い刺激シーケンスについてさえ、MSERを可能にするように、刺激シーケンスを十分に統計的に豊富にするであろう;
本発明が容易に理解され、実際上の効果に入れてもよいように、特定の好ましい具体例を今や以下の非限定の実施例を介して記載する。
実施例
実施例1
装置
本発明の装置の具体例を形成する基本システムの構成要素の概略図を図1に示す。主要な構成要素は、片眼または両眼に対する視覚刺激を示すディスプレイ装置、この非限定の例においては片眼のみに対して;皮質の神経の応答を評価するための手段、この例では電極;視覚的な誘発電位を記録するためのアンプ;および非無効刺激に対する応答を特徴付ける線形および非線形の重み関数の見積もられた係数を計算するための手段である。薄い矢印は目的とラベルを関連付け、一方、厚い矢印は情報の流れまたは制御の方向を示す。
各対象のテスト刺激は、75像/秒にてビデオモニター上に表示した。刺激はビデオモニター上で提示されるので、特定のフレーム速度、本ケースでは75フレーム/秒にて示されたフレームのシーケンスとして示された画像のシーケンスをいうことは共通している。複数の刺激領域のレイアウトを図3に示す。2つのタイプの非無効刺激は、図2に図示するような擬似乱数的な刺激変調関数により各領域で提示した。その2つの非無効刺激は、図4に示した4×4のチェス盤パターンのコントラストに反転したバージョンよりなった。複数の各領域の非無効刺激の提示の2つの異なる平均速度:図2に示した4.2および9.4回/秒の提示を用いた。各々の非無効刺激の期間は、本質的にフレーム期間または13.3ミリセカンド(1/75秒)であった。所与の領域が無効刺激状態であった場合、それはチェックの平均輝度にてブランクであった。テストシーケンスの合計期間は約55秒であり、6つのかかるシーケンスを各々の10名の対象に提示した。
対象は、複数の視覚刺激領域の中心に表示されたスポットを固定するように依頼された。当業者は、この実証に影響することなく、視点のモニタリングのごとき固定を維持する他の手段で置換できることを認識するであろう。誘発電位は、ビデオ刺激の提示速度と同期して得られる試料で記録した。より速いサンプリング速度を用いることができたが、当該実証では、4試料/フレームを用いた。標準的な金カップ電極を頭皮に配置して、誘発電位を記録した。刺激生成スキームおよびVEP記録装置を図1に図示する。しかしながら、本発明が誘発したニューロンの応答を記録するいずれかの特定の手段の使用に限定されないことは注目されるべきである。この点では、当業者は、誘発したニューロンの応答が、磁気的もしくは電気磁気的放射、または聴覚シグナル、瞳の応答または眼の運動における変化を記録することによるごとき、測定用電位を測定する以外の手段により記録し得ることを認識するであろう。また、電磁気または聴覚のモニタリング手段の場合には、脳により発せられた受動的シグナル、あるいは脳へのもしくは脳を介して伝達された電磁気または音響のエネルギーの散乱吸収、屈折または反射の効果を使用できた。また、いくらかの組合せにおける2以上のこれらのモニタリング手段の使用は除外されない。
実施例2
擬似乱数的な刺激シーケンス
擬似乱数的な刺激シーケンスの時間的に希薄な性質に関連した特徴は、3つのタイプの擬似乱数的な刺激シーケンスを示す図2の検査により良好に理解されるであろう。これらの刺激シーケンスは、全体の刺激を構築する複数の領域内の1つの刺激領域の時間的な活性を表わす。上部パネル(A)は、刺激が2つの条件間で変化する2成分のシーケンスを示す。かかる刺激は、均一な分布で擬似乱数的な数発生機で生成でき、所定の時間工程にていずれかの刺激条件内にある刺激の確率を1/2にセットした。そのシリーズの1および−1の数値は、図4の反転したコントラストチェス盤のごとき2つの非無効刺激状態間の擬似乱数的な交代(alternation)を示す。本発明者らは、これらの時間的に密集した2成分の刺激を用いなかったが、かかる刺激は共通の使用にあり、従って、それらは比較の目的のためにここに示す。2成分の刺激のものと比較して時間的だか、空間的に希薄でない刺激での実験結果を図8に与える。中央のパネル(B)は、時間的に希薄な擬似乱数的な刺激シーケンスの3成分の双極性のバージョンを示す。ここに、その刺激は、レベル0により示された中央の刺激レベル、および2つのより小さい頻度の非無効刺激条件にて、1および−1で示される無効刺激条件の上下のレベルにて、より頻繁な無効刺激を含めた3レベルを有する。当業者は、この実施例におけるマーカーの−1、0および1が、ある領域のチェス盤刺激におけるチェックの2つのフィールドのうちの1つの像コントラストの変調を特徴付け、チェックの他のフィールドは、各工程にて反対のコントラストを有することを認識するであろう。所与の領域が無効刺激、マーカー0を示した場合、それは像コントラストを示さず、すなわち、それは、非無効刺激において白色および黒色チェックの平均と同一輝度を有する特徴のない灰色であった。この場合、無効条件に遭遇する確率は、各領域において4.2回/秒の非無効刺激の平均提示速度を創製するようにセットされた。第3のパネル(C)は、時間的により少ない希薄な3成分の擬似乱数的な刺激シーケンスを示し、ここに、非無効状態の確率を9.4回/秒の刺激の平均提示速度を創製するようにセットした。示した特定の例は、この非限定の実証に用いた55秒の期間の8秒のセクションであることは注目されるべきである。刺激シーケンスは、刺激条件が音圧または頻度の変化に対応する聴覚刺激をまさに同様に記載した得た。同様に、そのシーケンスは、皮膚または他の組織に対して加えた刺激の圧力レベルまたは頻度における変化のごとき体知覚の刺激を記載し得る。刺激シーケンスの希薄さは刺激されたモダリティに適切であろう。かかる刺激を図10〜13に図示する。また、刺激シーケンスは図2に示した鋭い四角形の遷移を有する必要はないが、種々の方法で滑らかにされてもよく、無効刺激からの逸脱の時間的な進展は異なる非無効刺激については異なっていてもよい。
実施例3
空間的に希薄なシーケンス
図3は、2つの特定の非限定の具体例についての2つの空間的に希薄な視覚刺激の変形を示し、ここに、そのビデオモニターのフェース(face)は、線により区別された56個の部分に分割された。対象を追跡したその図において記載されたテストにおいて、56個の各領域で提示され観察された視覚刺激および誘発電位を記録した。非無効刺激は、図4に示した各領域内に表示された黒色および白色チェス盤パターンであった。各領域は、各々55秒の長さの異なる擬似乱数的なシーケンスによりやがてそのコントラストを変調した。図2の2成分のシーケンスについては、白色チェックはコントラスト1を有し、黒色チェックはコントラスト−1を有すると考えられる。かくして、時間的な変調シーケンスは、56個の各領域内のチェックが、所与の時間工程にて2成分のシーケンスの、それらのコントラストのサインを反転させるか、またはその状態、1または−1により同一コントラストを維持させた。3成分の刺激については、各領域についての無効刺激条件は、コントラスト0を有すると規定された均一の中間のレベル灰色の輝度であり;その非無効の条件のうちの1つは、コントラスト1と規定されたチェス盤中の代替的な黒色および白色のチェックを有し;他の非無効の条件は、チェックのコントラストを反転させ、白色は黒色で交換され、コントラストレベル−1と規定された。その56個の領域は、独立した刺激シーケンスによるコントラストにおいて、同時に変調した。
2つの戦略を用いて、空間的に希薄であった刺激の全体の2つの変形を提供した。これらの戦略を図3の2つのパネルに図示した。
上部パネルは空間の希薄なタイプIを示す。ここで、複数の領域を2つのクラスの領域、AおよびBのモザイクに分割する。特定のセットの時間的に希薄な刺激シーケンスを配置し、その結果、クラスA領域が非無効刺激を示す確率Pを有する場合、他の全てのクラスA領域も非無効刺激を示す同一の確率Pを有する。これらの領域は活性領域と呼ぶことができる。クラスB領域として表示された代替的な領域は、非無効刺激を示す確率0を有し、すなわち、それらは全て無効刺激を示す。これらの領域は不活性領域と呼ぶことができる。刺激シーケンスのテキストフレーム上のその領域の役割はAおよびBの反転を示し、すなわち、クラスBと指定された領域はある確率で活性になり、一方、クラスAと指定された領域は不活性となる。かくして、次のフレーム上のB領域は非無効刺激を示す確率Pを有し、一方、そのA領域のすべては無効刺激を示した。次いで、AおよびBタイプの領域の役割は、55秒の長さの擬似乱数的な刺激シーケンスの全体にわたって交互とした。このように、同時に非無効刺激を提示した拡張境界を共有した隣接するものを有する領域はなかった。
図3の下部パネルは、評価された第2のタイプの空間的に希薄な刺激を示す。これらのタイプII刺激において、複数の刺激領域を4つの領域クラス、A、B、CおよびDのモザイクに分割した。その刺激シーケンスのいずれかの特定のフレームに関して、これらのクラスのうちの1つだけの領域が活性とでき、すなわち、非無効刺激を示す確率Pを有したが、他の3つの領域クラスは、不活性であり、すなわち、無効刺激を示した。55秒の刺激で誘発した4つの異なる領域クラスを変化させ、活性となる可能性を有した。タイプIの空間的に希薄な刺激とは異なり、タイプII刺激は、活性領域と境界またはコーナーを共有するいずれの隣接するものを、非無効刺激を決して示さないことに注目されたし。
別法の具体例において、不活性のクラスの領域は非無効刺激Qを示す確率を有することができ、ここに、Qは0を超えるが、非無効刺激を示す活性クラスの領域の確率Pより非常に小さい。
記録は10名の対象から作成した。各対象は、図3に示した2つのタイプ、タイプIおよびタイプIIの空間的に希薄な刺激で、ならびに参照刺激でテストし、ここに、その擬似乱数的なシーケンスは図2のごとき時間的に希薄な3成分のシーケンスであったが、図4のごときそれらの空間の希薄さに与えられる考慮はなかった。各対象は、非無効刺激の2つの平均提示速度、4.2および9.4回/秒の提示を用いて、3つの空間変形でテストした。6回の反復を、得られた6つの刺激条件について得た。各ケースにおいて、非無効刺激に対する応答を特徴付けるのに十分なウイナーのカーネルの同一の係数を誘発電位から見積もった。例を図6に示す。4.2回/秒の提示にて参照刺激に対し、空間的に希薄な条件についての信号対雑音比における有意な改善を、図8に与える。双方の空間的に希薄な条件は、非空間的に希薄な刺激参照デザインに対し、約0.75dBの信号対雑音比(SNR)において有意な(p<0.05)増加を有した。所与の有意水準を達成するための相対的な記録時間が出力信号対雑音比とほぼ関連するとすれば、2つの空間的に希薄な条件は、同時に提示された隣接する非無効刺激の可能な効果に考慮が与えられない考慮がなく、時間的に希薄なセットの刺激約16%少ない記録時間を必要とすると予期されるであろう。
特記されない限りは、本願明細書に用いたすべての技術的および科学的な用語は、本発明が属する技術分野における当業者により一般的に理解されるのと同一の意味を有する。本願明細書に記載されたものに類似または同等であるいずれの方法および材料も本発明の実施または試験に用いることができるが、好ましい方法および材料が記載される。本発明の目的のために、次の用語を以下に定義する。
冠詞「ある(aおよびan)」を本明細書に用いて、その冠詞の1または1を超える(すなわち、少なくとも1つの)文法的な目的語をいう。例えば、「あるエレメント」は、1つのエレメントまたは1を超えるエレメントを意味する。
「約」なる用語を本明細書に用いて、参照の頻度または確率に対して30%だけ、好ましくは20%だけ、より好ましくは10%だけ変化する頻度および確率をいう。
この明細書の全体を通じて、その文脈が他の方法で要求しなければ、「含む」なる語句は、言及した工程もしくはエレメントまたは工程もしくはエレメントの群の包含を含むが、他のいずれの工程もしくはエレメントまたは工程もしくはエレメントの群の排除を意味しないと理解されるであろう。
本願明細書に引用された全ての特許、特許出願および刊行物の開示をここに出典明示してその全てを本明細書の一部とみなす。
本明細書中のいずれの引用文献の引用も、かかる引用文献が本願に対する「先行技術」として利用可能であるという認容として解釈されるべきでない。
明細書の全体を通じて、その目的は、本発明をいずれか1つの具体例または特定の特徴の収集に限定することなく、本発明の好ましい具体例について記載することであった。従って、当業者ならば、本開示に徴して、本発明の範囲を逸脱することなく例示された特定の具体例において、種々の修飾および変更をなし得ることを認識するであろう。
図1は、神経機能の評価のためのシステムの成分を示す模式図である。 図2は、図1のシステムに用いてもよい刺激シーケンスの例を与える。 図3は、記号A〜Dが、刺激アンサンブル内の隣接するものクラスを表す視覚系の評価における眼に刺激が提示される方法を示すためのパターンである。 図4は、図2のごときシーケンスを用いた時間的に希薄な刺激の例であるが、いくらかの近接する隣接するものは共活性であるので、その非無効のチェス盤刺激は空間的に希薄ではない。 図5は、刺激のシーケンスが、図2および3の図によって例示された近隣領域の系を用いて、図1における系のために創製し得る方法を示すフローチャートである。 図6は、刺激シーケンスの全体に対する応答の例を示し、例えば、図3および4に示す1領域当たり1つの応答が存在する。 図7は、その応答の信号対雑音比(SNR)に対する非無効刺激の提示の速度の効果を示すグラフである。 図8は、空間的に希薄な刺激および時間的に希薄な刺激のSNRに対する効果を比較するグラフである。 図9は、空間的に希薄な刺激が、同一レベルの正確さを達成するための応答を測定するのに必要な時間を改善できる方法を示すグラフである。 図10は、空間的に希薄な刺激が、図4に示したテストパターンの空間的な頻度内容に関連する第3の空間次元で提示され得る方法を示すパターンである。 図11は、他の刺激次元が、空間的に希薄な刺激の提示と関与し得る方法を示すパターンであり、ここに、視覚刺激と共に局在化した音源の聴覚方位の位置についての空間的次元を示す。 図12は、音の高さのごとき他の刺激次元が、空間的に希薄な刺激の提示と関与し得る方法を示すもう一つのパターンである 図13は、触覚の空間的次元に提示された空間的に希薄な刺激を示すパターンである。

Claims (13)

  1. 感覚系の2以上の部分に各シーケンスの刺激を同時に提示し、
    無効刺激と1以上の低頻度の非無効刺激との間で経時的に各シーケンスを変化させ、
    感覚系の隣接する部分が同時の非無効刺激を受ける確率が高くないように、各シーケンスの変化を制御し、
    そのシーケンスの刺激に対する対象による1以上の同時の応答を測定し、次いで
    感覚系の評価のための応答から重み関数を決定することを含むことを特徴とする対象の知覚神経系を評価する方法。
  2. 非無効刺激が、約0.25〜25回/秒の速度にて、各シーケンスに出現することを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 同時の非無効刺激を有する感覚系における隣接する部分の確率が、ゼロであることを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. 感覚系が視覚系であって、網膜の複数の部分に刺激を提示することを特徴とする請求項1記載の方法。
  5. 感覚系が視覚系であって、シーケンスが両眼または両眼分離の刺激のいずれかを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
  6. 感覚系が聴覚もしくは触覚系であって、耳または皮膚に刺激を提示することを特徴とする請求項1記載の方法。
  7. 感覚系の部分が、対象の網膜、耳、皮膚または脳内にあることを特徴とする請求項1記載の方法。
  8. 刺激が、光もしくは音周波数または圧力のごときある範囲のシグナルから選択されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  9. 刺激を受ける感覚系の部分が、クラスに分割された領域を形成し、そのクラスのうちのただ1つが、いずれの時間にも刺激を受けることにゼロの確率を有することを特徴とする請求項1記載の方法。
  10. 応答が非線形であって、重み関数がウイナー(Wiener)またはボルテラ(Volterra)のカーネル(kernel)であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  11. 感覚系の2以上の部分に刺激の各シーケンスを同時に提示する刺激装置、
    刺激のシーケンスに対する対象による1以上の同時の応答を測定するモニター、および
    無効刺激と1以上の低い確率の非無効刺激との間で経時的に各シーケンスを変化させるプロセッサーを含み、
    感覚系の隣接する部分が同時の非無効刺激を受ける確率が高くないように、各シーケンスの変化を制御し、次いで
    感覚系の評価のための応答から重み関数を決定することを特徴とする対象の知覚神経系を評価するための装置。
  12. 感覚系が、視覚、聴覚または触覚系であって、刺激装置が、対象の眼、耳または皮膚に光学パターンを示す請求項11記載の装置。
  13. モニターが、対象の頭部上の電極電位の方法による刺激に対する応答を測定する請求項11記載の装置。
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