JP2007508852A - 髄内釘 - Google Patents

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Abstract

特に脛骨に適した髄内釘（１）は、近位端（２）と、髄腔への導入に適した端部（３）と、中心軸（６）とを有する。髄内釘（１）は、２００〜５００ｍｍの範囲の全長Ｌ、および長さＧ≦Ｌの湾曲部（４）を有する。長さＧの湾曲部（４）は、３００〜１３００ｍｍの範囲の曲率半径を有し、かつＬ／Ｒ比は０．２〜０．８の範囲にある。
【選択図】 図１

Description

本発明は、特許請求の範囲第１項による特に脛骨用の髄内釘に関する。
特許文献１により、近位端部および遠位端部を有し、これら両方が中央部から曲げられている一般的な髄内釘が周知である。近位端部は、最大半径２２０ｍｍの屈曲を有しうる。
脛骨は自然のままでは各患者においてさまざまに形成されており、特にさまざな長さおよび脛骨プラトーの大きさを―互いに依存して―有するため、髄内釘もそれぞれの長さに応じてさまざまなパラメータを有する必要がある。したがって、すべての髄内釘の長さに有効な一定の曲率半径は、高いエネルギー消費とともに整復の高い損失をもたらすため挿入には最適ではない。
スイス特許第Ａ６７４６１３号明細書
この点で本発明は改善を提供する。本発明の課題は、脛骨の―その長さに対する―解剖学的比率を考慮し、特にその髄管経路に最適化されている髄内釘を提供することである。
本発明は、請求項１の特徴を有する髄内釘で上記の課題を解決する。
本発明によって達成される利点は、本発明による髄内釘のおかげで、
ａ）一定の適応における挿入力が―特に非穴あけ法において―削減されており、
ｂ）より小さな挿入力によってより小さな整復損失が生じ、
ｃ）髄内釘が挿入が行われた後に髄管における生化学的に理想の状態にあり、
ｄ）髄内釘が挿入に際して後壁に突当たると、その屈曲が有効となる（従来技術ではこの点で歪められ、または整復損失を甘受しなければならない）。
点において実質的に確認される。
特定の実施形態においては、髄内釘の遠位端部は長さ「ｌ」≦Ｌの直線部として構成されている。それによって、さまざま利点、すなわち
ａ）生体力学的な軸との一致、
ｂ）整復損失のない遠位骨折治療の可能性、および
ｃ）遠位骨断片の転位の回避
がもたらされる。
髄内釘の遠位端部の長さ「ｌ」は、適切に０．２０Ｌ〜０．５５Ｌの範囲、好ましくは、０．２５Ｌ〜０．５０Ｌの範囲にある。
特定の実施形態においては、湾曲部が髄内釘の直線部とともに、７°〜１２°、好ましくは、８°〜１０°の範囲の角度アルファを含む。遠位端および特定の曲率半径とともに―髄内釘の進入点に対して―髄管における髄内釘の最適な状態が生じる。
特定の実施形態においては、中心軸に対して直交に位置する髄内釘の断面は偏心であり、好ましくは、卵形または楕円に構成されている。それによって髄内釘は、後壁に突当たるまで髄管へ深く挿入される。
別の実施形態においては、髄内釘は中心軸に対して同軸の細長い穴（７）を有する。これは、穴あけ手術法にも使用されうるガイドワイヤを介した髄内釘の導入を可能にする。
別の実施形態においては、髄内釘の近位端部が長さＰ≦Ｌの直線部として構成されている。これは製造技術上の利点をもたらす。近位端の長さＰは、適切に１／６Ｌ〜１／３Ｌの範囲にある。
別の実施形態においては、近位端部の範囲に中心軸に対して横方向に走る少なくとも１つのロック穴が存在する。
別の実施形態においては、遠位端部の範囲に中心軸に対して横方向に走る少なくとも１つのロック穴が存在する。ロック穴によって導入されるロック要素の使用により、軸方向の位置固定、すなわち軸方向の転位に対する固定、および回転固定、すなわちねじり転位に対する固定がもたらされる。
別の実施形態においては、湾曲部の曲率半径Ｒは３５０〜１２００ｍｍの範囲、好ましくは、４００〜１１００ｍｍの範囲にある。比Ｌ／Ｒは、適切に０．３〜０．７の範囲、好ましくは、０．４〜０．６の範囲にある。
別の実施形態においては、遠位端部の範囲に中心軸に対して横方向に走るロック穴が存在する。それによって複数の利点、すなわち
ａ）複数の方向でもロックの可能性、
ｂ）骨断片の互いの角安定固定、
ｃ）曲げモーメントおよび軸方向またはねじり負荷の好ましい受入れ
が生じる。
別の実施形態においては、中心軸に対して横方向に走る両方のロック穴は相互に４５°〜９０°の角度を含む。
別の実施形態においては、遠位端部は３つのロック穴を有し、ここで中央のロック穴は両方の他のロック穴に対してさまざまな距離を有する。この配置の利点は、３つのロック穴の軸のいずれも潜在的な回転軸として使用されうることがないことである。これにより髄内釘とロック要素との間の遊びの削減がもたらされる。
以下、挿入される髄内釘による移植法を手短に説明する。すなわち、
ステップＡ：骨折タイプによって最適な整復の構成および維持し、
ステップＢ：開放器具類を用いて髄管を開放し、進入角度および髄管への方向が―使用される手術法によって―調整し、
ステップＣ：髄内釘の遠位の将来の最終位置に至るまでガイドワイヤを導入し、必要な髄内釘の長さを決定し、
ステップＤ：挿入ホルダー上にあらかじめ取付けられた髄内釘をガイドワイヤを介し開放管を通じて隋腔へ挿入し、
ステップＥ：髄内釘に軸方向の位置の調節および整復後に髄内釘をそのロックオプションによってロックする。
（図面の簡単な説明）
本発明および本発明の発展形態を以下、実施例の部分的概略図を用いてさらに詳細に述べる。
図１は、髄内釘を示す縦断面図である。
図２は、図１の線ＩＩ−ＩＩに沿って示された断面図である。
図１および２に示されている髄内釘１は、脛骨における使用に意図されている。これは近位端部２と、髄腔への導入に適した遠位端部３と、中心軸６とを有する。近位端部２には、通常の照準補助を受入れことができるネジ穴１１が備えられている。髄内釘１の全長Ｌは２５５ｍｍである。さらに、髄内釘は、長さＧ＝１２７．５ｍｍの湾曲部を有し、これは３８０ｍｍの曲率半径を有する。したがって、比Ｌ／Ｒは０．６７である。図面における髄内釘の屈曲は―髄内釘１の移植が行われた後―解剖学的な中外側面に対応し、すなわち、髄内釘１は移植が行われた後に前後方向に曲げられる。
遠位端部３は、長さ「ｌ」＝１２７．５ｍｍの直線部５として構成されている。湾曲部４は、直線部５とともに８°の角度アルファを含む。
さらに、髄内釘は中心軸６に対して同軸の貫通する細長い穴７を有する。
近位端部２は、長さＰ＝７５ｍｍの直線部８として構成されており、Ｐ＝０．３Ｌとなる。
髄内釘１の近位端部２の範囲には、中心軸６に対して横方向に走る２つのロック穴９が存在し、ここでその１つは長い穴として構成されており、圧縮を行うことができる。
遠位端部３の範囲には、中心軸６に対して横方向に走る３つのロック穴（１０、１２、１０）が存在し、これらはさまざまな半径方向で配置されており、相互に９０°の角度を含む。それによって、中央のロック穴１２は、両方の他のロック穴１０に対してさまざまな距離を有する。
髄内釘を示す縦断面図である。 図１の線ＩＩ−ＩＩに沿って示された断面図である。
符号の説明
１ 髄内釘 ２ 近位端部 ３ 遠位端部
４ 湾曲部 ５ 直線部 ６ 中心軸
７ 細長い穴 ８ 直線部 ９ ロック穴
１１ ネジ穴 １２ ロック穴

Claims (15)

  1. 特に脛骨用の髄内釘（１）であって、近位端部（２）と、髄腔への導入に適した遠位端部（３）と、中心軸（６）とを有し、
    Ａ）２００〜５００ｍｍの範囲の全長Ｌを有し、かつ
    Ｂ）長さＧ≦Ｌの湾曲部（４）を有する髄内釘（１）において、
    Ｃ）前記長さＧの湾曲部（４）が３００〜１３００ｍｍの範囲の曲率半径を有し、
    Ｄ）比Ｌ／Ｒが０．２〜０．８の範囲にあり、かつ
    Ｅ）遠位端部（３）が、長さ「ｌ」≦Ｌの直線部（５）として構成されている
    ことを特徴とする髄内釘（１）。
  2. 前記長さ「ｌ」が０．２０Ｌ〜０．５５Ｌの範囲にあることを特徴とする請求項１に記載の髄内釘（１）。
  3. 前記長さ「ｌ」が０．２５Ｌ〜０．５０Ｌの範囲にあることを特徴とする請求項２に記載の髄内釘（１）。
  4. 前記湾曲部（４）の両終点の接線が、７°〜１２°、好ましくは、８°〜１０°の範囲の角度アルファを含むことを特徴とする請求項２または３に記載の髄内釘（１）。
  5. 前記中心軸（６）に対して直交に位置する断面が偏心であり、かつ好ましくは、卵形または楕円で構成されていることを特徴とする請求項１〜４のいずれか１つに記載の髄内釘（１）。
  6. 前記中心軸（６）に対して同軸の細長い穴（７）を有することを特徴とする請求項１〜５のいずれか１つに記載の髄内釘（１）。
  7. 前記近位端（２）が、長さＰ≦Ｌの直線部（８）として構成されていることを特徴とする請求項１〜６のいずれか１つに記載の髄内釘（１）。
  8. 前記近位端部（２）の長さＰが、１／６Ｌ〜１／３Ｌの範囲にあることを特徴とする請求項７に記載の髄内釘（１）。
  9. 前記近位端部（２）の範囲に前記中心軸（６）に対して横方向に走る少なくとも１つのロック穴（９）が存在することを特徴とする請求項１〜８のいずれか１つに記載の髄内釘（１）。
  10. 前記遠位端部（３）の範囲に前記中心軸（６）に対して横方向に走るロック穴（１０）が存在することを特徴とする請求項１〜９のいずれか１つに記載の髄内釘（１）。
  11. 前記湾曲部（４）の前記曲率半径Ｒが３５０〜１２００ｍｍの範囲、好ましくは、４００〜１１００ｍｍの範囲にあることを特徴とする請求項１〜１０のいずれか１つに記載の髄内釘（１）。
  12. 前記比Ｌ／Ｒが０．３〜０．７の範囲、好ましくは、０．４〜０．６の範囲にあることを特徴とする請求項１〜１１のいずれか１つに記載の髄内釘（１）。
  13. 前記遠位端部（３）の範囲に前記中心軸（６）に対して横方向に走る２つのロック穴（１０）が存在していることを特徴とする請求項１〜１２のいずれかに記載の髄内釘（１）。
  14. 前記中心軸（６）に対して横方向に走る両方のロック穴（１０）が相互に４５°〜９０°の角度を含むことを特徴とする請求項１３に記載の髄内釘（１）。
  15. 前記遠位端（３）が３つのロック穴（１０、１２、１０）を有し、ここで前記中央のロック穴（１２）が両方他のロック穴（１０）に対してさまざまな距離を有することを特徴とする請求項１〜１４のいずれか１つに記載の髄内釘（１）。
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