JP2007507113A - ドープした熱分解窒化ホウ素を用いた中性子検出器及びその製造方法 - Google Patents

ドープした熱分解窒化ホウ素を用いた中性子検出器及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 熱中性子にだけ反応し、ガンマ線の影響を受けない、コンパクトな固体検出器の提供。
【解決手段】 対向する縁面の間に1〜1000ミクロンの厚さを有する1以上のpBN層と、 2つの対向面の1つに衝突する中性子の存在を検出する、各対向面上の1以上の金属化接点とを含み、体積抵抗率が約1014ohm−cm未満になるように、pBN層を、炭素、ケイ素、チタン、アルミニウム、ガリウム、ゲルマニウム又はこれらの組合せからなる群から選択されるドーパント元素でドープした、熱中性子検出器。
【選択図】 図1a

Description

本発明は、中性子検出器に関し、より詳細には熱分解窒化ホウ素から形成される固体半導体中性子検出器、並びに熱分解窒化ホウ素中性子検出器の製造方法に関する。
中性子は、物体を通過する際にこれをイオン化させることのない非荷電元素粒子である。したがって、中性子の存在は検出することが難しい。熱中性子は、原子炉においてウラン235などの原子を分裂させ、分裂した中性子を何らかの減速材と衝突させてその速度を減速させることによって生成する。従来技術における中性子の検出は、一般に、ガス検出器又はシンチレータを用いて行われる。ガイガーカウンターは、中性子を検出するための通常のガス検出器である。ガイガーカウンターは、He又はBFを充填することができるガス充填チューブであるが、かさばり、且つ製造コストも高いので有用性は限られている。さらに、ガイガーカウンターは繰返し較正する必要がある。
シンチレーション検出においては、中性子と検出器のシンチレーション材料との相互作用がこの材料内で起る。検出は他の何らかの検出技術によって別途又は離れたところで行われる。シンチレーション検出装置は、シンチレーションの原理に基づくものである。これは間接的な方法であって、中性子と検出器のシンチレーション材料との相互作用によって光を発生させ、次いでこの光によって光検出器を使用することができ、これにより中性子の存在の程度を明らかにすることができる。しかしながら、光検出器は、光の波長に敏感であることが必要である。さもないと、感光乳剤フィルムを使用しなければならない。光学素子はすべての光を集めることができず、且つ光の一部はシンチレーション材料によって再吸収されるので、したがって中性子の検出にシンチレーション検出器を使用することは効率的ではない。さらに、光検出器は、すべての波長に対して固有の感度限界を持っている。
最近、有望な中性子検出方法が登場した。即ち半導体(固体)検出である。この検出方法は、中性子感受性、特に熱中性子感受性の半導体を使用する。(中性子及び検出器材料の)検出及び相互作用は何れもこの中性子感受性材料の内部で起る。検討されている1つの材料は熱分解窒化ホウ素(即ち「pBN」)である。
熱分解窒化ホウ素は、例えば、参照により本明細書に組み込まれた米国特許第3182006号に記載の方法を用いて、化学蒸着によって形成されることが、当技術分野において知られている。この方法は、アンモニア蒸気及び三塩化ホウ素(BCl)などのガス状ハロゲン化ホウ素を適切な比率で加熱反応炉に導入して、グラファイトなどの適当な基板表面上に窒化ホウ素を堆積させるものである。窒化ホウ素は、複数の層に堆積させ、基板から分離するとpBNの自立構造を形成する。
熱分解窒化ホウ素(「pBN」)は異方性であり、六方晶の結晶格子を有する。CVDから作られたほとんどの窒化ホウ素は、六方晶の結晶子から構成されており、そのa軸とb軸の大部分は堆積表面に対して平行な方向に向いている。この六方晶構造及び優先配向が、pBNに対して高い異方性を付与する。対称性によりa軸とb軸は等価であるので、pBNの特性は2組、即ちab方向とc方向のみであると見なすのが好都合である。BNの単結晶においては、「a面又はb面」は層に対して垂直である。pBNにおいては、「a面又はb面」には、堆積層に垂直な方向以外に優先配向はない。c面などの結晶面はその軸に垂直であるから、pBNにおけるc面の大部分は堆積層に対して平行である。pBNの堆積物は厚さ2〜3mmに限定された実用的な目的のものであるから、堆積面上に得られる面積に比べると縁部の表面積は小さい。
pBNには、概して約20%のホウ素−10同位体が含まれている。ホウ素−10同位体は熱中性子に対する断面積が大きいので、pBNを固体熱中性子検出器に使用することができる。この検出器においては、衝突する中性子とpBN中のホウ素−10同位体との相互作用から発生するα粒子に比例して直接電気信号が形成される。通常のやり方で組立てられ、堆積層を通して、即ち主としてc軸方向に、中性子を集めるような方向に向けたpBN検出器を用いて中性子を捕獲する試みが半導体検出器の従来技術においてなされたが、よい結果は得られなかった。
米国特許出願公開第2003/0132390号において、出願人等は、驚くべきことに、ドープされていない状態のpBNの体積抵抗率が著しく異方性であり、面に平行な方向の体積抵抗率の値が垂直方向の体積抵抗率の値より低いことを見出した。したがって、a−b面(「c」方向に平行)に対して垂直な方向に電極を設けることによって、熱中性子に対する感度が著しく上昇した中性子検出器を構成することができる。図1aに示したように、pBN構造10の対向する縁面12に電気接点を設ける。図1bは従来技術文献の図であり、pBN板からpBNを横断する厚さ「t」のストリップ又はスライスが切断される。次いで、切断されたpBNの対向面、即ち面2及びこの切断で作られた面2の対向面に接点を設ける。図1cは従来技術文献の別の図であり、このpBN板からpBNを横断するストリップ又はスライスが切断される。次いで、面3及びこの切断で作られた面3の対向面に接点を設ける。第1の接点は、第2の接点から厚さ「t」だけ離れている。
米国特許第3182006号明細書 米国特許出願公開第2003/0132390号明細書 米国特許第3152006号明細書 米国特許第5693581号明細書 米国特許出願公開第2002/0182394号明細書 欧州特許出願公開第0619600号明細書
本発明において、出願人等は、垂直方向(「c」方向に平行)のpBNの体積抵抗率はpBNを用いた中性子検出器用の面と平行な方向より高いが、この値は、C、Si又はGeの1種及び適宜酸素を含めた別のドーパントをpBNにドープすることによって低下させることができることを発見した。したがって、これらの中性子検出器においては、電極は依然として「c」方向(「a−b」面に平行)に垂直な方向に設けることができ、中性子検出器の構成が簡単になる。図1に示したように、本発明のドープしたpBNにより、構造10の2つの対向面11に電気接点を設けることができるようになる。本発明の中性子検出器は、もっぱら中性子に反応しガンマ線の影響を受けない、コンパクトな固体検出器のすべての利点を保持している。
本発明は、対向する縁面の間に1〜1000ミクロンの厚さを有するpBN層と、この2つの対向面の1つに衝突する中性子の存在を検出する、各対向面上の1以上の金属化接点とを含み、体積抵抗率が約1014ohm−cm未満になるように、pBN層を、炭素、ケイ素、チタン、アルミニウム、ガリウム、ゲルマニウム又はこれらの組合せからなる群から選択されるドーパント元素でドープした、熱中性子検出器に関する。
本発明は、a)体積抵抗率が約1014ohm−cm未満になるように、炭素、ケイ素、チタン、アルミニウム、ガリウム、ゲルマニウム又はこれらの組合せからなる群から選択されるドーパント元素でドープしたpBN層の2つの対向面の間に電気接点を設け、b)この電気接点を電気アナライザーに接続することによって、中性子とpBN検出器材料との相互作用に応じて生成されるα粒子から直接電気信号を発生させるpBNの固体中性子検出器に関する。
本発明はさらに、体積抵抗率が約1014ohm−cm未満になるように、炭素、ケイ素、チタン、アルミニウム、ガリウム、ゲルマニウム又はこれらの組合せからなる群から選択されるドーパント元素でドープしたpBN層と、ドープしたpBN層の対向面に接触し電子を伝導して中性子を検出する金属化接点とを含み、この構造の対向する縁面の間が1ミクロンから1mmの範囲である厚さを有するpBN中性子検出器に関する。一実施形態においては、金属化接点は、互いに平行な、且つ25から100ミクロンの範囲の距離で離隔している層状のストリップである
本発明はまた、a)体積抵抗率が約1014ohm−cm未満になるように、炭素、ケイ素、チタン、アルミニウム、ガリウム、ゲルマニウム又はこれらの組合せからなる群から選択されるドーパント元素でドープしたpBN層を形成するステップと、c)ドープしたpBN層の2つの対向する側部に金属化接点を設けるステップと、d)中性子がc軸に対して略垂直な方向で対向する側部の1つに衝突し、中性子の存在によって発生するα粒子に応じてc面に平行な構造を通して電子を伝導させるように、検出器を中性子源の方向に向けるステップと、を含む中性子検出器の形成方法にも関する。
本発明は、pBNを用いた熱中性子検出システムに関する。本発明においては、pBNにSi又はGe及び適宜酸素を含めた他のドーパントをpBNにドープすることによって、a−b面に垂直な方向のpBNの体積抵抗率を低下させ、図1のA−A面に垂直な板の2つの対向する表面11に電気接点を設けることを可能にし、中性子検出器の構成を容易にした。
この図において、板10は、中性子がc方向に平行に移動して表面層に衝突するように、通常の中性子源(図示せず)の方向に向いている。
pBN構造のドーピング
ドープしていないpBN又は熱分解窒化ホウ素は、参照により本明細書に組み込まれた米国特許第3152006号が教示しているように、ハロゲン化ホウ素例えば三塩化ホウ素とアンモニアの気相反応によって製造することができる。
本発明においては、pBNは、炭素、ケイ素、チタン、アルミニウム、ガリウム、ゲルマニウム又はこれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1種のドーパント元素でドープされる。本発明の一実施形態においては、ドーパントは炭素である。別の実施形態においては、酸素などの追加のドーパントがpBN層に含まれる。
一実施形態においては、pBNは、参照により本明細書に組み込まれた米国特許第5693581号に開示された方法で、炭素でドープされる。この方法においては、ガス状ハロゲン化ホウ素とアンモニアの供給原料ガスが、約1600〜2200℃に加熱された炉に導入される。この炉にはグラファイトの基板が入れてあり、この基板上に熱分解窒化ホウ素(pBN)の堆積物が形成される。同時に、炭化水素ガス、例えばCHがこの炉に導入され、pBN堆積物の結晶構造内に炭素の共堆積物が形成される。炭素ドーパントの濃度が所望のレベルに保持されるように炭化水素ガスの濃度を注意深く制御する。
米国特許第5693581号で教示された方法と類似の方法を用いた、本発明の別の実施形態においては、代わりにSiHガス状供給原料を使用してケイ素でドープしたpBN構造が形成される。さらに別の実施形態においては、代わりにGeHガス状供給原料を使用してゲルマニウムでドープしたpBN構造が形成される。
さらに別の実施形態においては、O、N、空気、CO、CO又は水などのO含有化学種の任意の適切な混合物などの材料を注入することによって「第2の」ドーパントが導入される。第2のドーパントとしての炭素に関しては、エタン、プロパン、メタノール及びエタノールなどの炭素を含有するガス状供給原料を導入することができる。ドーパントの選択及びBClに対するその濃度は、加工条件及び用途によって決まる。
本発明の一実施形態においては、ドーパント濃度は約3.5原子%のレベルに保持される。Cがドーパントであるさらに別の実施形態においては、pBN複合材料中の炭素濃度は4重量%未満のレベルに保持される。第2の実施形態においては、体積抵抗率が約1014Ω−cm以下になるように、炭素ドーパント濃度は約3重量%未満のレベルに保持される。
別の実施形態においては、pBNは、参照により本明細書に組み込まれた米国特許出願公開第2002/0182394号に教示される方法によりドーパントでドープされる。この方法においては、特定の1種又は複数のドーパントが所定の距離だけ間隔を置いて配置された特定の層でPBN内に組み込まれるように、1種又は複数のドーパントガスが特定の間隔でパルスとして導入される。
図1aに示したように、ドープした熱分解窒化ホウ素(「PBN」)材料は、矩形の板10などの形状に構成することができる。pBNは、図示されたc軸方向に層状に成長した六方晶の結晶格子構造を有している。
本発明の一実施形態においては、ドープしたpBN材料の厚さは約1から1000ミクロンである。本発明の第2の実施形態においては、ドープしたpBNの厚さは約5から500ミクロンである。本発明の第3の実施形態においては、ドープしたpBNの厚さは約100ミクロン未満である。第4の実施形態においては、ドープしたpBNの厚さは約5ミクロンより大きい。
電気接点の形成
ドーピングプロセスの後、図2gに示したように、電極が結晶面a−bに実質的に平行になるように板の表面に電極を設ける。一実施例においては、良好な電気接続を保持するために、電気接続の間隔「d」は約1ミクロンから1mmの範囲に保持される。電極は、それだけに限らないが、通常のリソグラフィ、フォトマスク法、イオン注入、金スパッタリング、電気めっきなどを含めて、当技術分野で公知の方法/技術によって形成することができる。
一実施形態においては、電気接点を形成するために、pBN板10の最初の2〜3層を機械加工して取除いた後、電気接続を再充填する。
本発明のさらに別の実施形態においては、通常のリソグラフィ技術を用いたpBN中性子検出器の製作を、検出器の大規模アレイの形成について図2a〜2fに示した。この方法においては、感光性レジスト層14をpBNストリップ又は板の表面に塗布する。通常のマスク(図示せず)にパターンを機械加工し、光源をマスクの後ろに置いて、光がマスクを通過して到達したストリップ表面にイメージを形成する。こうして、レジスト層14に硬化イメージが形成される。この技術を用いて、1つのレジスト層の上に多数の硬化イメージを形成することができ、pBN材料上のレジスト層に所望の数の平行な硬化イメージを有するパターンが形成される。図2bは、レジスト層14における硬化イメージ15の一代表例を示す。
図2cに示した次のステップにおいては、レジスト層に現像主薬を適用し、硬化レジストをレジスト層14から除去してチャネル16を形成する。次いで、通常のエッチング液をチャネル16に適用してpBNストリップ12にトレンチ17を形成する。このトレンチ17は、図2dに示したようにチャネル16の直下にある。一実施形態においては、トレンチ17の幅はレジスト層14のチャネル16の幅に相当する。一方、トレンチ17の深さは、エッチング液を適用する時間の長さで決まる変数である。窒化ホウ素をエッチングする方法は当技術分野で知られている。即ち、欧州特許出願公開第0619600号に開示されている。エッチング液の例としては、リン酸、フッ化水素酸及び緩衝フッ化水素酸が挙げられる。
次いで、金属材料をレジスト層14上及びトレンチ17上に蒸着させて金属18の塗膜を形成する。トレンチ17の領域を除いて、金属塗膜18及び塗膜18の下のレジスト材料14を化学的に除去する。この結果、図2eに示したように、トレンチ17とトレンチ17上の金属塗膜18が残る。これにより、1つ又は複数のトレンチ17を有するpBNストリップ12が残る。図2fに示したように、各トレンチ17は金属塗膜18で被覆され、金属化接点のアレイを形成している。一実施形態においては、トレンチ17は、約25から100ミクロンの範囲の距離だけ互いに離隔している。別の実施形態においては、この分離は約25から約50ミクロンである。
さらに別の実施形態(図示せず)においては、電気接続は、当技術分野で公知の、複数の隆起したドット及びパッドの形状である。
図3は、図2f又は図1eのアレイの上面図を示す。金属化接点のアレイは導体に電気的に接続されている。次いでこの導体を、図4に示したように通常のマルチチャネルアナライザーに接続して、中性子とアレイ表面のpBN材料との相互作用によって生成したα粒子の数に相当する電子の流れを測定することができる。
本発明のさらに別の実施形態における電気接点は、当技術分野で公知のフォトマスク法及びイオン注入技術によって形成される。図4に図示した例においては、金属化接点の多数のアレイがイオン注入法でpBN材料に形成される。この方法では、ドーパント材料をpBN材料中に注入して、図2a〜2fについて先に説明したリソグラフィによって形成されたパターンと同等の接点パターンを形成する。一実施形態においては、ドーパントをチャネル20に集中させ、互いに平行に整列させる。チャネル20の体積抵抗率は所与のドーパント材料についてドーパントの濃度に比例するので、チャネル20の所望の体積抵抗率に対してドーパント濃度を選ぶ。
本発明のドープしたpBN中性子検出器を用いたシステム
図5は、本発明の中性子検出器及びサポートするエレクトロニクスを用いたシステムの概略を示したブロック線図である。この図では、電極4が中性子検出器10の対向する面にめっき又は堆積される。各電極4は、高電圧1の供給源に電極を接続する電気リード線2に取付けられる。アナライザー回路は、検出器からの電荷を低インピーダンス電圧信号に変換する前置増幅器5、及びこの信号を増幅しフィルターをかける線形パルス整形増幅器6によって完成する。信号の波高を弁別するために、適宜、タイミングシングルチャネルアナライザー(TSCA、図示せず)を使用することができる。
増幅器6からの出力パルスはディジタイザー7及びマルチチャネルアナライザー(MCA)8に誘導され、ここで、整形増幅器6から受信した各信号パルスの波高がディジタル化され、ディジタル化された信号の大きさに対応するチャネル番号にこれらのディジタル信号がそれぞれ蓄積される。MCA8の信号スペクトル出力は1つ又は複数の幅広いピークからなる。これらは、1つ又は複数の中性子捕獲反応のエネルギーに対応するものであり、オシロスコープディスプレイ9上又は他の何らかの同様な出力装置に表示される。
本発明の中性子検出器は、そのサイズが1から100nmの範囲であるミクロ又はナノ構造の材料を検討するのに使用するための、中性子小角散乱(SANS)装置で用いるのに十分な小さなサイズのものである。さらに、一実施形態における本発明の中性子検出器は、ガンマバックグラウンドにおいて機能する優れたガンマ阻止を実証する。本発明の検出器はまた耐放射線性を有するので、強力な直接中性子線に連続的にさらすことができる。
本発明の一実施形態においては、ホウ素10同位体と中性子との相互作用で発生したα粒子は、それが相互作用する電子にそのエネルギーの約0.2%を奪われ、一般に、約2ミクロン(0.008インチ)の相互作用距離内でのpBN材料中の減衰によってすべてのエネルギー(100%)を失う。さらに別の実施形態においては、α粒子は、約1ミクロン(0.004インチ)までの相互作用距離内で、そのエネルギーの最大約50%又はそれ以上を失う。上記のように、分解能を高めるには、一実施形態におけるpBN材料の厚さを、約1ミクロンと1mmの範囲にして最適化する。
実施例は、本発明を例証するために本明細書において提供されるが、本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1
この第1の実施例においては、グラファイト真空炉系CVD反応器にBCl、NHを通すことによって、グラファイトマンドレル上に熱分解窒化ホウ素層を堆積する。反応物ガスは、水冷の鋼製真空チャンバ内の(1600°〜1900℃の温度範囲に加熱された)加熱チャンバに導入される。グラファイトマンドレルはノズル上に置かれ、反応物ガスはこのノズルを通って加熱チャンバに流入する。水冷の同軸インゼクタが用いられる。温度は光高温計によって監視される。圧力は真空変換器によって監視される。
堆積プロセスにおいては、(供給ガス中のC/B比及びO/C比、具体的にはBClの量に対するCHの量の比を調整することによって)pBN中の炭素濃度を約3重量%以下に保持するように調整された供給量で、BClと共にCHが導入される。
ドープしたpBN複合体の体積抵抗率は、測定値が約2.1×10ohm−cmである。
実施例2
実施例2においては、別に酸素前駆体の供給流を導入して、pBN中の酸素濃度を調整する。BClの供給流は約0.5slpmに保持する。NHは約1.5slpmに保持する。炉の温度は約1800℃である。真空圧は約0.5mmHgに保持する。約15分の間隔で、供給量約0.5slpmのCOのパルスを約5秒間導入して、酸素を、pBN材料の表面に沿って均一に、十分に混ぜる。
堆積速度は、1時間当り約100〜180ミクロンである。堆積の後、pBN堆積物から剥離することによってpBN層を得ることができる。pBN層間の剥離強さは、表面層の界面の剥離強さを測定する、当技術分野で公知の双片持ちはり(DCB)試験を用いて測定する。剥離強さは、約1.5N/mm以下であることが分かった。
実施例3
約100ミクロンの間隔で、意図的に弱くした界面を有する、ドープしたpBN層を作るために、実施例2を繰返した。これらの層は、粘着テープ(3Mのスコッチテープ)を付着し、堆積層に対して垂直な方向にテープを引張って、これらの層を分離させることによって剥離させる。
次のステップで、電極(銀充填エポキシ)を各層の平坦な表面に設ける。両側に電極を取付けた後、適切なレベルの直流電界を印加して高電圧傾度を発生させる。次いで、図5に示した回路図を組み込んだ電子回路に検出器を取付けて、中性子−ホウ素相互作用によって発生したパルスを検出する。
具体的に説明された以外の本発明についての他の修正、変更及び応用を上記の教示に従って行って、頭記の特許請求の範囲内で本発明を実施することができる。本明細書で言及したすべての引用は、参照により本明細書にはっきりと組み込まれる。
六方晶格子のa、b及びc方向を示す、層状六方晶pBN構造の斜視図である。 接点を形成しこれをpBN中性子検出器に設けるための、従来技術の実施形態を示す斜視図である。 接点を形成しこれをpBN中性子検出器に設けるための、従来技術の実施形態を示す斜視図である。 本発明のpBN中性子検出器上に、リソグラフィを用いて接点のアレイを形成するステップの進行を示す図である。 本発明のpBN中性子検出器上に、リソグラフィを用いて接点のアレイを形成するステップの進行を示す図である。 本発明のpBN中性子検出器上に、リソグラフィを用いて接点のアレイを形成するステップの進行を示す図である。 本発明のpBN中性子検出器上に、リソグラフィを用いて接点のアレイを形成するステップの進行を示す図である。 本発明のpBN中性子検出器上に、リソグラフィを用いて接点のアレイを形成するステップの進行を示す図である。 本発明のpBN中性子検出器上に、リソグラフィを用いて接点のアレイを形成するステップの進行を示す図である。 pBN中性子検出器上の接点のアレイを示す斜視図である。 図2a〜2fのステップを用いてpBN中性子検出器上に形成された、完成した接点のアレイの上面図である。 イオン注入によってpBN中性子検出器構造に形成された接点のパターンを示す、pBN板の断面側面図である。 本発明のpBN中性子検出器を用いた中性子検出器システムの概略図である。

Claims (15)

  1. 熱中性子検出器であって、
    対向する縁面の間に1〜1000ミクロンの厚さを有する1以上のpBN層と、
    2つの対向面の1つに衝突する中性子の存在を検出する、各対向面上の1以上の金属化接点とを含み、
    体積抵抗率が約1014ohm−cm未満になるように、pBN層を、炭素、ケイ素、チタン、アルミニウム、ガリウム、ゲルマニウム又はこれらの組合せからなる群から選択されるドーパント元素でドープした、熱中性子検出器。
  2. pBN層を第2のドーパントとしての酸素でドープした、請求項1記載の中性子検出器。
  3. 各対向面が複数の金属化接点を有し、接点が20から100ミクロンの範囲の距離で互いに離隔している、請求項1又は請求項2記載の中性子検出器。
  4. 対向する縁面の間の厚さが約100ミクロン未満である、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の中性子検出器。
  5. 1以上の接点が、金属化ストリップ及び隆起ドットの内の1つから選択される形をしている、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の中性子検出器。
  6. pBN層を、約3重量%未満の量の炭素でドープした、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の中性子検出器。
  7. 中性子の存在を検出する中性子検出器の形成方法であって、
    少なくとも、体積抵抗率が約1014ohm−cm未満であり、対向する縁面の間の厚さが1〜1000ミクロンである層であって、熱分解窒化ホウ素(pBN)及び炭素、ケイ素、チタン、アルミニウム、ガリウム、ゲルマニウム又はこれらの組合せからなる群から選択されるドーパント元素を含む層を形成するステップと、
    ドープしたpBN層の対向する側部のそれぞれに、電気接点を形成するステップと、
    を含む方法。
  8. 対向する側部の各々の上に電気接点を形成するステップが、対向する側部の各々の上にチャネルを刻み、チャネルに金属化ストリップを再充填するステップを含む、請求項7記載の方法。
  9. 対向する側部の各々の上に電気接点を形成するステップが、対向する側部の各々の上に金属化接点を設けるステップを含む、請求項7又は請求項8記載の方法。
  10. 電気接点が、20から100ミクロンの範囲の距離で互いに分離したストリップの形をしている、請求項7乃至請求項9のいずれか1項記載の方法。
  11. 電気接点をリソグラフィによって形成する方法であって、
    ドープしたpBN材料の上に感光性レジスト層を形成するステップと、
    所望のパターンを有するマスクを通して感光性レジスト層の上に光を通過させ、光がマスクを通過して到達した感光性レジスト層の上にパターンの硬化イメージを形成するステップと、
    硬化レジストをレジスト層から除去して、レジスト材料にチャネルを形成するステップと、
    チャネルにエッチング液を適用して、対応するトレンチをチャネル下方のドープしたpBN材料に形成するステップと、
    レジスト材料上及びトレンチ上に金属材料を蒸着させるステップと、
    トレンチ領域を除いて、蒸着した金属材料及びレジスト材料を化学的に除去して、互いに平行に整列した金属化接点ストリップのアレイを形成するステップと、
    を含む、請求項7乃至請求項10のいずれか1項記載の方法。
  12. 電気接点をイオン注入によって形成する方法であって、pBN材料の表面にドーパントを注入して、pBN材料の注入面に、制御された体積抵抗率を有する金属接点ストリップを形成する、請求項7乃至請求項11のいずれか1項記載の方法。
  13. ドーパントが炭素である、請求項7乃至請求項12のいずれか1項記載の方法。
  14. 請求項1の中性子検出器を備えた、中性子源からの熱中性子の放出を測定するシステム。
  15. 中性子源からの熱中性子の放出を測定する方法であって、
    a)(i)体積抵抗率が約1014ohm−cm未満であり、対向する縁面の間の厚さが1〜1000ミクロンである層であって、熱分解窒化ホウ素(pBN)及び炭素、ケイ素、チタン、アルミニウム、ガリウム、ゲルマニウム又はこれらの組合せからなる群から選択されるドーパント元素を含む層と、(ii)c軸に対して略垂直な方向で2つの対向面の1つに衝突する中性子の存在を検出する、各対向面上の1以上の金属化接点と、を含む検出器を提供するステップと、
    b)検出器を熱中性子にさらして、検出器に電荷を放出させ、続いてこの電荷を出力装置で記録するステップと、を含む方法。
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