JP2007506445A - 骨固定要素を有する縦通材を固定する装置 - Google Patents

Abstract

装置（１、２）は、骨固定要素（４）を有する長手方向の縦通材（３）の相互固定に役立つ。これは、縦通材（３）を受入れる通路軸（７）を有する片側だけ開放した通路（６）、および通路軸（７）に対して横方向に走る、本体（５）を完全に貫通する穴（８）を有する三次元本体（５）から成り、通路（６）および穴（８）が少なくとも部分的にお互いに貫入する。穴（８）は、大きめの開口（１４）および小さめの開口（１５）とともに円錐状に構成されており、かつ内側ネジ山（９）を有し、これには骨固定要素（４）の頭部（１２）の外側ネジ山（１３）が対応する。
【選択図】 図１

Description

本発明は、特許請求の範囲第１項の前文に記載の装置に関する。

かかる装置により―脊柱外科手術において使用されるような―適切な接続棒または縦通材を骨固定要素、好ましくは、骨ネジを骨と結合し、剛性構成を得ることが可能である。
米国特許第Ａ４９２０９５９号（特許文献１）により、比較的複雑な外固定が周知である。特に、個々のクランプ要素は縦棒へ推進されなければならない。
スイス特許第Ａ６３２６５８号（特許文献２）により、固定の質がホースクランプ本体と骨との間で実現可能な予張力によって直接依存している。この場合も―クランプとしてインプラントを使用する場合―個々のクランプ要素は２つの平行の縦棒へ推進されなければならない。したがって、側面の取付けが不可能である。これはフリーハンド使用に際して、特に経皮的および最小侵襲に困難に実現可能であり、大きな不利点を示しうる。
他方では、米国特許第５２９０２８８号（特許文献３）、国際公開第９４／０１０４９Ａ１号（特許文献４）、およびフランス特許第２７７５５８７Ａ１号（特許文献５）により、開放したクランプが周知であり、これらはいずれにせよすべて、その固定のために追加の要素を必要とするという不利点を有する。クランプ固定、すなわち、骨ネジは最初に骨に固定されなければならず、クランプをその後に骨ネジで配置し、固定するために、自由に選択可能に経皮的に挿入できない。このため、縦通材もクランプが骨ネジへの配置が行われた後に初めて挿入されうる。
最後に、国際公開第９５／１３７５４号（特許文献６）により、縦棒がクランプの開放した通路へ横から挿入可能であり、そこでクランプを通じて貫通可能な固定ネジによって締付け可能である。しかし、固定ネジは、この１つの機能のみを有し、構成物全体を骨に固定しうる骨ネジとしては構成されていない。同じことは、ドイツ特許第Ａ１９５３４１３６号（特許文献７）により周知の固定にも適用される。
したがって、従来技術により周知の装置は、まったく一般的に複雑であり、その適用範囲に関してあまり柔軟ではない。
米国特許第Ａ４９２０９５９号公報 スイス特許第Ａ６３２６５８号公報 米国特許第５２９０２８８号公報 国際公開第９４／０１０４９Ａ１号公報 フランス特許第２７７５５８７Ａ１号公報 国際公開第９５／１３７５４号公報 ドイツ特許第Ａ１９５３４１３６号公報

この点で本発明は改善を提供する。本発明の課題は、きわめて簡単に組立てられ、できるだけ柔軟に適用可能であり、また最小侵襲性の操作方法を可能にする装置を提供することである。
本発明は、請求項１の特徴を有する装置で上記の課題を解決する。
本発明による装置の利点は、さまざまであり、以下のように述べることができる。すなわち、
ａ）１つの部品からのみ成り、
ｂ）最小侵襲性に適用され、大きな開口位置を必要とせず、
ｃ）固定を確実にするために装置と骨との間の予張力が不要であり、
ｄ）外固定にも内固定にも使用可能であり、
ｅ）縦通材はすでにあらかじめ装置へ挿入され、予備成形されうるとともに、使用者は、その位置を確実に知って初めて骨ネジを配置しなければならず、
ｆ）個々の装置の位置は使用者によって自由に選択可能であり、
ｇ）別の装置が必要であり、これは簡単に縦通材へ取付けられうるが、これを縦通材の全長にわたって難なく推進させ、
ｈ）縦通材は本発明による装置の配置前に挿入され、こうして外科医には、ネジ位置を簡単に決定することができる可能性が与えられ、
ｉ）縦通材を介して骨折を修復する可能性があり、
ｊ）使用者は個々の骨折部分を、縦通材および本発明による装置からなる構成物を介して角安定の頭部ロックネジによって結合および固定することができ、かつ
ｋ）本発明による装置は脊柱範囲のみならず、他の骨接合術の適用範囲でも使用されうる。

本発明による装置は、凹みに対応する縦通材の１つおよび標準の頭部ロックネジの受入れを可能にする。頭部ロックネジの締付けに際して、これは本発明による装置における縦通材を遮断する。
装置における穴は、適切に５°〜２５°、好ましくは、８°〜１５°の範囲の円錐角度を有する。
クランプの形で実現される本発明による装置は、２つの異なる実施形態である、Ａ型およびＢ型で実現される。これらは、一方が上部から（Ａ型）および他方が下部から（Ｂ型）縦通材（接続棒）へ配置可能であるという点で区別される。固定原理は、この場合に同じままである。
Ａ型においては、円錐状の穴は通路に向かって先細になり、穴の小さめの開口は本体の通路と同じ側に位置している。それによって、装置がすでに組立てられた縦棒へ横から取付けられうるという利点が生じる。
Ｂ型においては、円錐状の穴は通路に向かって広がり、穴の大きめの開口は本体の通路と同じ側に位置している。それによって、縦通材がすでに組立てられた装置へ横から導入されうるという利点が生じる。
特定の実施形態においては、装置はさらに骨固定要素を、好ましくは、骨への導入に適した先端、ネジ山軸部、およびネジの操作に適した頭部を有する骨ネジの形で有する。これは骨ネジによって骨断片の修復を可能にする。
別の実施形態においては、骨固定要素の頭部は、好ましくは、穴の内側ネジ山に対応する外側ネジ山を有する。これのより固定中のできるだけ少ない材料の摩耗が保証される。外側ネジ山のピッチは適切に０．１〜３．０ｍｍ、好ましくは、０．２５〜１．５ｍｍである。
別の実施形態においては、骨固定要素の頭部は先端に向かって円錐状に先細になる。円錐状に先細になる頭部は、適切に５°〜２５°、好ましくは、８°〜１５°の範囲の円錐角度を有する。
特定の実施形態においては、Ａ型による装置がＢ型による装置と組合される。かかる組合せには、それが―治療される骨といっしょに―剛性の枠を形成するという利点がある。
以下、本発明による装置の一般的および特殊な操作方法を手短に述べる。

一般的操作方法：
Ａ）縦通材を最初に穿刺切開によって患者の治療すべき範囲へ挿入し、かつ経皮的に所望の位置へ移動し、
Ｂ）外科医はここで縦通材のプロフィールを制御し、簡単に修正することができ、
Ｃ）縦通材のプロフィールが正常な状態にある場合は、所望の数のクランプ（本発明による装置）を適切な穿刺切開によって経皮的に挿入し、直接横から棒へ取付けることができ、
Ｄ）次に角安定の頭部ロックネジをクランプの穴へネジ込むが、また締付けず、
Ｅ）再配置が正常な状態にある場合は、角安定の頭部ロックネジを確実に締付けることができ、縦通材、クランプ、および骨ネジから形成された構成物が剛性になり、骨折を固定する。
特殊な操作方法：
１．Ｂ型の本発明による装置（クランプ）を所望の骨部分へ位置決めし、
２．頭部ロックネジをＢ型のクランプの円錐状の穴を通じて所定のネジ深さへネジ込み、クランプの予備固定を達成し、
３．縦通材を解剖学的必要に応じて成形し、
４．縦通材をすでに組立てられたＢ型のクランプの開放した通路へ挿入し、
５．次に、頭部ロックネジをＢ型もクランプに完全に締付け、縦通材のクランプにおける固定を行い、
６．骨折を適切な再配置器具で縦通材を介して修復し、
７．修復された骨断片を選択的にＡ型またはＢ型のクランプによって固定し、
８．Ａ型またはＢ型のクランプで骨固定構成物を選択的に補充する。
本発明および本発明の発展形態を以下、複数の実施例の部分的概略図を用いてさらに詳細に述べる。

（図面の簡単な説明）
図１は、縦通材、本発明による装置（クランプ）の２つの異なる型、および２本の骨ネジとともに骨固定装置を示す分解立体図である。
図２は、Ｂ型の本発明による装置（クランプ）を示す図である。
図３は、図２による装置を示す図である。
図４は、Ａ型の本発明による装置（クランプ）を示す図である。
図５は、図４による装置を示す図である。

図１に示されているのは、それぞれ１つの骨固定要素４と縦通材３を結合するために使用される装置１、２の２つの実施形態である。装置１、２の２つの実施形態は、縦通材３を受入れる通路６の構成によって実質的に区別され、ここで第１の実施形態（Ａ型）においては、通路６は、下部の、ここで骨固定要素４のねじ山軸部１１として構成された部分に向けられた本体５の表面１６に対して開放しており、かつ第２の実施形態（Ｂ型）においては、上部の、骨固定要素４の頭部１２に接する本体５の表面１７に対して開放している。本体５の下部表面１６（Ａ型）もしくは上部表面１７（Ｂ型）における通路６の開放した表面は、通路軸７に対して横方向に、縦通材３の直径よりも大きい、またはこれに等しい幅Ｂを有し、縦通材３が通路軸７に対して横方向に下部（Ａ型）から、もしくは上部（Ｂ型）から通路６へ導入されうる。
骨固定手段４は、この実施形態では骨ネジ１８として構成されており、骨、特に椎弓根へネジ込み可能な、先端１０および円錐状の頭部１２を有するネジ山軸部１１を含んで成り、ここで円錐状の頭部１２の小さめの直径を有する端がネジ山軸部１１に対して向けられている。本体５は、骨固定要素４の頭部１２を補完する円錐状の穴８によって上部表面１７から下部表面１６まで貫通され、ここで穴８の長手方向軸１９は通路軸７に対して斜めに位置している。装置１、２の両方の実施形態Ａ型およびＢ型においては、穴８の大きめの開口１４は上部表面１７へ入り、かつ小さめの開口１５は下部表面１６へ入る。特にここに示されている装置１、２のＡ型およびＢ型の実施形態では、穴８の長手方向軸１９は通路軸７に対して垂直に位置しており、ここで長手方向軸１９と通路軸７との間には距離Ｘがある。この距離Ｘは、円錐状の穴８が通路６と交わるように寸法決めされており、ここで距離Ｘは縦通材３の半径Ｒと骨固定要素４のねじ山軸部１１の半径ｒの合計よりも大きい。このようにして、骨固定要素４のネジ山１１は、通路６へ導入される縦通材３においても穴８を通じて貫通可能であり、骨固定要素４の穴８を補完する円錐状の頭部１２が穴８へ導入され、縦通材３に接し、骨固定要素４の締付けによって縦通材３の通路６における固定が達成可能であるまで骨へネジ込まれうることが達成可能である。
装置１、２の両方の型Ａ、Ｂでは、通路６は穴８から離れた凸状の側壁２０を含んで成り、これが通路６へ挿入される縦通材３を穴８の長手方向軸１９に対して平行の移動から守る。骨固定要素４の締付けに際しては、通路６へ挿入される縦通材３が円錐状の頭部１２を通じて通路軸７に対して横方向に通路６の凸状の側壁２０に対して押圧され、通路６に固定される。さらに、穴８には内側ネジ山９が備えられ、骨固定要素４の頭部１２には補完的な外側ネジ山１３が備えられており、骨固定要素４の締付けに際して骨固定要素４、本体５、および縦通材３間の安定した遮断を得ることができる。

縦通材、本発明による装置（クランプ）の２つの異なる型、および２本の骨ネジとともに骨固定装置を示す分解立体図である。 Ｂ型の本発明による装置（クランプ）を示す図である。 図２による装置を示す図である。 Ａ型の本発明による装置（クランプ）を示す図である。 図４による装置を示す図である。

符号の説明

１、２ 相互固定のための装置 ３ 縦通材 ４ 骨固定要素
５ 本体 ６ 通路 ７ 通路軸 ８ 穴 ９ 内側ネジ山
１０ 先端 １１ ネジ山軸部 １２ 頭部 １３ 外側ネジ山

Claims (11)

1. 骨固定要素（４）を有する長手方向の縦通材（３）の相互固定のための装置（１、２）であって、前記装置が、縦通材（３）を受入れる通路軸（７）を有する片側だけ開放した通路（６）、および前記通路軸（７）に対して横方向に走る、前記本体（５）を完全に貫通する穴（８）を有する三次元本体（５）から成り、前記通路（６）および前記穴（８）が少なくとも部分的にお互いに貫入する装置において、
   Ａ）前記穴（８）が、大きめの開口（１４）および小さめの開口（１５）とともに円錐状に構成されており、かつ
   Ｂ）前記穴（８）が内側ネジ山（９）を有する
   ことを特徴とする装置（１、２）。
2. 前記穴（８）が、５°〜２５°の範囲の円錐角度を有することを特徴とする請求項１に記載の装置（１、２）。
3. 前記穴（８）が、８°〜１５°の範囲の円錐角度を有することを特徴とする請求項２に記載の装置（１、２）。
4. Ａ）前記円錐状の穴（８）が前記通路（６）へ向かって先細になり、かつ
   Ｂ）前記穴（８）の小さめの開口（１５）が前記本体（５）の前記通路（６）と同じ側面上に位置している
   ことを特徴とする請求項１〜３のいずれか１つに記載の装置（１、２）。
5. Ａ）前記円錐状の穴（８）が前記通路（６）へ向かって広がり、かつ
   Ｂ）前記穴（８）の 大きめの開口（１４）が前記本体（５）の前記通路（６）と同じ側面上に位置している
   ことを特徴とする請求項１〜３のいずれか１つに記載の装置（１、２）。
6. 追加的に骨固定要素（４）を、好ましくは、骨への導入に適した先端（１０）、ネジ山軸部（１１）、およびネジの操作に適した頭部（１２）とともに、骨ネジの形で有することを特徴とする請求項１〜５のいずれか１つに記載の装置（１、２）。
7. 前記骨固定要素（４）の前記頭部（１２）が、好ましくは、前記内側ネジ山（９）に対応する外側ねじ山（１３）を有することを特徴とする請求項６に記載の装置。
8. 前記外側ネジ山（１３）のピッチが、０．１〜３．０ｍｍ、好ましくは、０．２５〜１．５ｍｍであることを特徴とする請求項７に記載の装置。
9. 前記骨固定要素（４）の前記頭部（１２）が前記先端（１０）に向かって円錐状に先細になることを特徴とする請求項６〜８のいずれか１つに記載の装置。
10. 前記円錐状に先細になる頭部（１２）が、５°〜２５°、好ましくは、８°〜１５°の範囲の円錐角度を有することを特徴とする請求項９に記載の装置。
11. 縦通材（３）および少なくとも１つの請求項４に記載の装置ならびに少なくとも１つの請求項５に記載の装置を有する骨固定装置。

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