JP2007505720A - 脊椎間挿入体 - Google Patents

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Abstract

【課題】付随的な棘間靭帯の除去なしに必要な棘間靭帯のみを除去することによって、棘突起間に設置することが可能な脊椎間挿入体を提供する。
【解決手段】 脊椎間挿入体は、脊椎の棘突起を収容する二つの対向ノッチ33a,33bを有するスペーサ30と、二つの脊椎及びスペーサ30を固定するためのバンドとを備え、スペーサ30は、バンドが通過するように側面を貫通する貫通孔35及び、貫通孔35を通過するバンドを固定するのに適するように側面が所定の曲率で内側に曲がった陥没部34を備え、バンドは、貫通孔35を通過してスペーサ30と二つの棘突起とを8字状に結ぶことによって二つの脊椎及びスペーサ30が固定される。
【選択図】図3

Description

本発明は、脊椎間挿入体(spine insert)に係り、より詳細には、隣接した脊椎上に各々存在する棘突起(spinous process)間に挿入して固定配置されて棘突起間の間隔を一定に保持し、隣接した上椎間関節(superior facet)と下椎間関節(inferior facet)との間に相対的な動きがないように結着固定する脊椎間挿入体に関する。
図1は、人体脊椎の断面図である。人体の背中方向に多数の棘突起3が位置し、その反対方向に椎体8が位置する。棘突起3と椎体8との間の空間に椎骨動脈神経1が位置し、各棘突起3間には棘間靭帯7及び黄色靭帯(ligamentum flava)6が位置する。棘上靭帯5及び皮膚20が、棘突起3の後部表面に沿っている。
人体が老化するにつれて前記脊椎にも退行性変化が起き、点線(A)で表したように棘突起3間の間隔が近づき、また黄色靭帯6が弾力を失って厚くなって点線(B)のように前方に突き出る。前記のような変化により棘突起3または黄色靭帯6が椎骨動脈神経1または椎骨動脈神経1と連結される神経突起(図示せず)を圧迫することを脊椎狭窄症という。
脊椎狭窄症の治療方法としては、薬物による治療、物理治療、手術による治療などがある。これらのうち、手術による治療は、他の治療方法によっては治療不能の時に使われる方法であって、前記椎骨動脈神経1を圧迫する骨と組織とを除去し、これによって脊椎が不安定になることに備えてネジで脊椎を固定する手術法が一般的に知られている。しかし、前記手術方法は、広範囲な骨と組織とを除去しなければならないので、全身麻酔が必要であり、長い手術時間及び手術後の長い回復期間が必要である。したがって、体力の弱い老人は手術ができない場合が多く、合併症やその他の理由で満足できるほどの手術効果が得られない場合もよくあり、手術費用も多くかかるという問題点があった。
このような問題に対する解決策の1つとして、二つの棘突起間に脊椎間挿入体を挿入する方法があるが、大韓民国公開特許(公開番号:2002-0068035号)でこれと関連した最近の技術が提示されている(図2参照)。
二つの脊椎の二つの棘突起3a,3bを収容するのに適した二つの対向ノッチが形成されたスペーサ2を前記二つの棘突起3a,3b間に挿入する。ここで、各ノッチは、各々内面壁を有する二つのフランジ11a,12a,11b,12bにより定義され、この挿入体はさらに前記棘突起に前記スペーサ2を保持するためのタイ13a,13bを有している。このタイは、ノッチの底から対向する棘突起の表面部分を取り囲む。
前記タイの末端は挿入された後、前記タイ13a,13bを適正位置に保持するために引っ張られ、これにより前記スペーサ2を前記棘突起3a,3bに保有、保持する。また、脊椎に挿入されたスペーサ2の位置を検出するために、X線に対して不透明な横断部材がその中に挿入され、この部材はX線による観察を妨害しないように十分に薄く、中央ハウジング14内に収容される。
大韓民国特許出願公開第2002−0068035号明細書
前記従来の技術は、スペーサが挿入される棘突起3aと棘突起3bとの間の棘間靭帯以外にも、その上位の棘間靭帯及びその下位の棘間靭帯を除去した後、タイ13a,13bで取り囲む。したがって、異常のない部分の靭帯まで除去しなければならないので、患者に不便さを感じさせ、手術時間が延びる。そして、スペーサ2の上向きフランジ11a,11bと棘突起13aとを取り囲み、下向きフランジ12a,12bの末端と棘突起13bとを各々取り囲むために、前記スペーサ2が水平側方向に力を受ける場合に支持力が弱くて水平方向の変位が発生することがある。
一方、人体が老衰化するか、椎間板4に異常が発生する場合には、このような脊椎狭窄症と共に、脊椎の上椎間関節と下椎間関節との間に相対的な動きが発生するか、椎間板上下の脊椎間に垂直方向または水平方向の動きが発生して、患者に大きな苦痛を与えてしまうことがある。
したがって、二つの脊椎間に挿入体を挿入するに際して、患者の負担を減らし、手術を簡単にし、前記挿入体及び前記二つの脊椎を堅固に固定結着させる脊椎間挿入体を開発する必要がある。
本発明は、前記必要性を考慮して創案されたものであって、二つの脊椎の棘突起間を一定間隔に保持し、前記二つの脊椎間に相対的な動きがないように固定させる脊椎間挿入体を提供することを目的とする。
また、本発明は、付随的な棘間靭帯の除去なしに必要な棘間靭帯のみを除去することによって、棘突起間に設置することが可能な脊椎間挿入体を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の脊椎間挿入体は、脊椎の棘突起を収容する二つの対向ノッチを有するスペーサと、二つの前記脊椎及び前記スペーサを固定するためのバンドとを備える脊椎間挿入体において、前記スペーサは、前記バンドが通過すべく前記スペーサの側面を貫通して備えられる貫通孔及び、前記貫通孔を通過するバンドを固定しやすくするために前記側面が所定の曲率で内側に曲がった陥没部を備え、前記バンドは、前記貫通孔を通過して前記スペーサと前記二つの棘突起とを8字状に結ぶことで二つの前記脊椎及び前記スペーサが固定されることを特徴とする。
また、前記目的を達成するために、本発明の脊椎間挿入体は、脊椎の二つの棘突起を収容する二つの対向ノッチを有するスペーサと、二つの前記脊椎及び前記スペーサを固定するためのバンドとを備える脊椎間挿入体において、前記二つの対向ノッチを連結し、前記棘突起から与えられる外力に対する弾性復元力を有する弾性シワ部と、前記バンドが通過するように前記二つの対向ノッチに各々形成された二つの貫通孔と、前記二つの貫通孔を通過して前記スペーサと前記二つの棘突起とを結ぶバンドと、を備えることを特徴とする。
また、前記目的を達成するために、本発明の脊椎間挿入体は、第1ノッチを備える上部胴体と、前記第1ノッチと対向する第2ノッチを備える下部胴体と、前記上部胴体の下部面に備えられる収容円筒と、前記下部胴体の上部面に備えられ、一部が前記収容円筒に挿入され、挿入前面部側に形成される第1角度と挿入背面部側に形成される第2角度とが相異なる傾斜を有する挿入部材と、を備えることを特徴とする。
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳細に説明する。本発明の利点及び特徴、そしてこれを達成する方法は添付された図面に基づいて詳細に後記されている実施形態を参照すれば明確になる。しかし、本発明は以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、この実施形態から外れて多様な形に具現でき、本明細書で説明する実施形態は本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野で当業者に発明の範囲を完全に報せるために提供されるものであり、本発明は請求項及び発明の詳細な説明により定義されるだけである。一方、明細書全体にわたって同一な参照符号は同一な構成要素を示す。
本発明による脊椎間挿入体は、所定の二つの棘突起間を一定間隔に保持するスペーサと、前記スペーサを前記二つの棘突起間で堅固に固定されるように前記スペーサと二つの棘突起とを結ぶストラップで構成されうる。
図3は、本発明による脊椎間挿入体のうち、スペーサ30の斜視図である。このように、スペーサ30は、第1ノッチ33a及び第2ノッチ33bと、第1フランジ31a,32a及び第2フランジ31b,32bと、第1陥没部34及び第2陥没部36と、貫通孔35を備えて構成されうる。
図4は、図1のスペーサ30をC方向から見た正面図である。図4から分かるようにスペーサ30は左右方向には対称形状を有するが、上下方向には対称形状でないこともある。
スペーサ30は、脊椎狭窄症が発生する二つの棘突起3a,3b間に挿入されるが、前記二つの棘突起のうち上部棘突起3aの下部を収容する第1ノッチ33aと、前記二つの棘突起のうち下部棘突起3bの上部を収容する第2ノッチ33bとを有する。そして、前記ノッチ33a,33bは、互いに反対方向に向うように、すなわち、対向すべく構成されて上部棘突起3aと下部棘突起3bとの上下方向の圧縮力を支持する。
ところが、棘突起の下部と棘突起の上部は、その形状が異なる。棘突起の下部は、棘突起の上部に比べて相対的に狭くて長い形状を有し、棘突起の上部は、棘突起の下部に比べて相対的に広くて短い形状を有する。したがって、第1ノッチ33a及び第1フランジ31a,32aは、棘突起の下部形状に合うように、前記第2ノッチ33b及び第2フランジ31b,32bは、棘突起の上部形状に合うように、各々異なる大きさを有することが望ましい。
また、第1ノッチ33aは、上部棘突起3aが左右方向に動くことを防止する第1フランジ31a,32aによって定義され、第2ノッチ33bは、下部棘突起3bが左右方向に動くことを防止する第2フランジ31b,32bによって定義される。
スペーサ30の左側には、第1陥没部34が形成され、スペーサ30の右側には、第2陥没部36が形成される。前記陥没部34,36は、貫通孔35を通過するストラップの両端を引っ張ることを容易にし、スペーサ30と棘突起とをさらに固く結ぶようにフランジ31a,31b,32a,32bの左右側の外側部分から垂直方向を基準に内側に所定の曲率で曲がっている。前記曲率は、ユーザの要求によって異なって選択されうる。
貫通孔35は、スペーサ30の左右を貫通する孔であって、ストラップの幅を収容できるほどに長いスロット形状を有する。その構造及び形状についてのさらに詳細な説明は、図5の説明で後記する。
図5は、図4のスペーサ30をD方向から見た右側面図である。このように、側面図は左右対称形状を有していないが、それはスペーサ30がE方向に棘突起間に挿入されるときに、棘突起とノッチの形状を適合(fit)させるためである。一般的な棘突起形状を考慮すると、ノッチ33a,33bの角度は、挿入前面部から挿入背面部へ行くほど狭くなるように形成しうる。
貫通孔35は、スペーサ30の左右を貫通し、図6のようなストラップ40の幅wを通過できる程度の幅bを有する。そして、貫通孔35は、ストラップ40が三つ押し込まれる、すなわち、貫通する程度の高さhを有する。但し、貫通孔35を通過したストラップ40間には所定の摩擦力を有するようにストラップの厚さt方向に圧力が加えられなければならないので、貫通孔の高さhはストラップの厚さtを3倍した大きさより所定の値αほど小さく形成される。前記αが大きければストラップ間の摩擦力が大きくなり、前記αが小さければ、摩擦力が小さくなるので、必要とする摩擦力によって前記α値を定めれば良い。α値は経験によって定めうるが、実質的にはストラップの厚さt程度の値を有しうる。
このようなスペーサ30は、チタンなど人体に無害で堅固な金属より製作されることが望ましい。
図6は、本発明による脊椎間挿入体のうち、ストラップ40を示す斜視図である。前記ストラップ40は、2つの棘突起3a,3bとスペーサ30とを8字状に結び、ストラップ材質の摩擦力を用いて前記スペーサ30を固定するバンド43と、前記バンド43の両端に各々形成されたフック41,44と、フック41,44とバンド43とを連結する連結部42,45とで構成しうる。
前記フック41,44は、第1フック41と第2フック44とに分けられる。第1フック41は、上部棘突起3aの上部近傍の棘間靭帯を貫通させる役割を行い、その形状は上部棘突起3aの上部形状によって決定される。そして、第2フック44は、下部棘突起3bの上部近傍の棘間靭帯を貫通させる役割を行い、その形状は下部棘突起3bの上部の形状によって決定される。したがって、一般的に第1フック41の大きさ及び曲率半径が第2フック44の大きさ及び曲率半径に比べて大きくなる。
前記バンド43は、相対的に大きい幅wと相対的に小さな厚さtを有するが、その末端は前記フック41,44と連結されるように幅wが狭くなる。前記バンド43は、ポリエステルなどの合成繊維や天然皮革、人工皮革などの材質のように、一定程度以上の摩擦係数を有し、人体に挿入されたときに無害な材質で製造されうる。
図7及び図8は、スペーサ30を患者の体内に挿入する過程を示す図面である。まず、図7のようにスペーサ30を挿入する部分の棘上靭帯5を持ち上げ、その部分の棘間靭帯7aを除去する。次いで、前記棘間靭帯7aが除去された二つの棘突起3a,3b間の空間にスペーサ30を挿入する。
図9は、前記図7ないし図8に示した過程を通じて、スペーサ30が二つの棘突起3a,3b間に挿入された形状を背中の後方から見た形状を示す図面である。このようにスペーサ30は、二つの棘突起3a,3b間に挿入され、前記棘突起3a,3bは前記スペーサ30の各々対向するノッチ33a,33bによって保持される。しかし、脊柱の多様な屈曲作用によって、各棘突起は、左右側方向に若干の運動量を有することができるので、ストラップ40によってスペーサ30を固定しなければならない。次いで、ストラップ設置過程は、便宜上図9の(F)部分のみを分離して示す。
前記のように、ストラップ40によってスペーサ30を固定する方法として、本発明では第1実施形態と第2実施形態とを提示する。
図10ないし図13は、本発明の第1実施形態によってストラップを設置する過程を示す図面である。まず、第1フック41をスペーサ30の貫通孔35に通させる(図10参照)。次いで、第1フック41を上側の棘間靭帯7bのうち、上部棘突起3aの上部近傍に貫通させる(図11参照)。前記第1フック41は、再びスペーサ30の貫通孔35を貫通し、第2フック44を下側の棘間靭帯7cのうち、下部棘突起3bの下部近傍に貫通させる(図12参照)。
次いで、第1フック41と第2フック44とを除去し、バンド43の両端を図13の矢印方向にしっかりと引っ張る。このように、バンド43を引っ張る場合に、前記バンド43はスペーサ30の陥没部34,36と密着してスペーサ30と棘突起3a,3bとが堅固に結合される。そして、第1フックが除去されたバンドの末端部を下部棘突起3bを取り囲んでいるバンド部分に結んで結び目46をつくり、第2フックが除去されたバンドの末端部を上下部棘突起3aを取り囲んでいるバンドの部分に結んで結び目47をつくる。
第1実施形態では、バンド両端の結び目によってスペーサと二つの脊椎が支持結着されるが、以下第2実施形態では、結び目による結着及びバンド間の摩擦による結着を同時に利用する。
図14は、本発明の第2実施形態によってスペーサ30とストラップ40とが結合された形状を示す図面である。このようにストラップ40のバンド43が8字状にスペーサ30の貫通孔35を3回貫通すれば、貫通孔35の内部面からバンド43の厚さ方向に押す圧縮力Fcが形成され、この力は、さらに隣接したバンド間にも同様に作用する。前記圧縮力Fcと前記バンド43の摩擦係数に比例して前記バンド間の摩擦力Ftが発生する。もちろん、貫通孔35の内部面とバンド43との間の摩擦力も存在するが、これはバンド間の摩擦力Ftに比べて相対的にその大きさが小さいので、摩擦力は主にバンド43間に作用するとみなすことができる。他の実施形態において、貫通孔35の内部面とバンド43間の摩擦力をバンド間の摩擦力Ftに比べて相対的に大きくすることができ、このためにバンド43と貫通孔35の構成を好適に変更することができる。
図15及び図16は、本発明の第2実施形態によってストラップを設置する過程を示すものであって、前記図10ないし図12で説明する過程以降に行われる過程である。したがって、第2実施形態でも第1実施形態と同様に図10ないし図12の過程をまず行う。
第2実施形態では、まず、第1フック41をスペーサ30の貫通孔35に貫通させる(図10参照)。次いで、第1フック41を上側の棘間靭帯7bのうち、上部棘突起3aの上部近傍に貫通させる(図11参照)。前記第1フック41は、再びスペーサ30の貫通孔35を貫通し、第2フック44を下側の棘間靭帯7cのうち、下部棘突起3bの下部近傍に貫通させる(図12参照)。
そして、第1フック41と同様に、第2フック44も再び貫通孔35を貫通するようにした後、バンド43の両端のフック41,44を除去する。そして、バンド43の両端を図14の矢印方向にしっかりと引っ張る(図15参照)。これにより前記バンド43が摩擦により締められ、前記棘突起3a,3bがノッチ内にしっかりと保持される。このように、バンド43が締められる場合に、前記バンド43はスペーサ30の陥没部34,36と密着してスペーサ30と棘突起3a,3bとがさらに堅固に結合される。
最後に、バンド43の両端を棘突起3a,3bを取り囲んでいるバンドと連結する結び目48,49を生成する(図16参照)。棘突起3a,3bとスペーサ30とをバンドによって固定させることは、主にバンド間の摩擦力によるものであり、前記結び目48,49は前記固定のための補助的な役割を行う。
図17は、本発明の一実施形態によってスペーサ−バンド複合形態の挿入体を棘突起3a,3b間に挿入した後、側方から見た図面である。ここで、スペーサ30は棘突起3a,3b間を所定間隔(ノッチ間間隔)に保持し、棘突起間に作用する圧縮力F2を支持する役割を行う。そして、バンド43はスペーサ30と上下の棘突起3a,3bを一体的に結ぶことによって、棘突起間が広げられないように所定の支持力F1を作用させる。このようにバンド43によって両棘突起3a,3bが広がらないように保持させれば、棘突起3a,3bと反対側に位置した椎体8a,8b間の間隔が狭くなることによって発生する脊椎狭窄症などの色々な問題点を解消することができる。
すなわち、外部から加えられる荷重は、椎体と椎間関節に適切な割合で分散されて椎間関節に加えられる圧力、及び椎間板に加えられる圧力を減らすことによって、椎間板を正常に保ち、脊椎間の空間を適切に保持することができる。したがって、本発明の挿入体を利用すれば、棘突起間の間隔が狭くなることにより発生する各種疾患だけでなく、椎体間の間隔が狭くなることにより発生する各種疾患も抑制することができる。
また、本発明による挿入体のうち、バンド43は上椎間関節9b及び下椎間関節9aの相対的な動きを防止する、すなわち、椎間関節を固定する役割も行う。人体脊椎のテコメカニズム(lever mechanism)を考慮すると、椎間関節9a,9bは支点の役割を、椎体は作用点の役割を、筋肉は力点の役割を行うとみられる。このうち、支点の役割を行う椎間関節9a,9bが損傷されないように固定することは、脊椎が正しく役割を行うのに重要な要素である。このような椎間関節の固定による効果としては、椎間関節の動きによって発生する苦痛の解消、手術後の後遺症の減少、動き制限による脊椎狭窄症の防止など多様な効果がある。
一方、脊椎が有するテコメカニズムの理解を助けるために、第1種テコの構成を示す図18を参照する。テコの力点部分には、バンド43が位置して二つの棘突起3a,3bを押す力F1を作用させるが、この力により脊椎の矢状断面(sagittal section)は、ロードシス(lordosis)状態になり、この際、曲げた伸筋(extensor muscle)によってテコのアーム長が長くなるので、力F1が椎間関節9a,9bを支点として椎体8a,8bに加えられる荷重Wとつり合う。ここで、伸筋は、上体の外部モーメントを相殺し、上部椎体や外部荷重により生成される前方せん断力(anterior shear force)を相殺させる後方せん断力(posterior shear force)を生成する。
椎体に加えられる荷重Wは、主に下背(lower back)の伸筋(extensor muscles(脊柱起立筋;erector spinae muscle))による筋力により決定される。ここには、筋肉により椎体に筋力が作用する人体テコの原理が適用される。この際、公式F×a=W×bによってレバーアーム(lever arm)である筋肉の長さが長くなるほど、椎体に対する作用範囲が大きくなる。
本発明による固定方式(ligamentoplasty)により二つの棘突起に圧力を加えれば、腰推(lumbar)は元のロードシス形状を回復するので、伸筋の長さが伸びる。すなわち、レバーアームの長さが伸びれば、同じ筋力によっても作用範囲が大きくなるので、椎体に作用する荷重を十分に相殺することができる。
図19ないし図21は、従来の技術と本発明の作用とを比較するための模式図である。そのうち、図19は、脊椎と椎間関節との正常な状態を示す模式図である。ここで、椎間関節9a,9bが脊椎テコの支点の役割をしており、その両側に棘突起3a,3bと椎体8a,8bとが位置することが分かる。図19では、棘突起3a,3b間の間隔及び椎体8a,8bの間隔はいずれも正常間隔を保持している。
図20は、従来の技術によるスペーサを挿入した後の脊椎の形状を示す模式図である。従来、バンドなしにスペーサを挿入する場合や、図2の技術のようにタイを利用して上棘突起3a及び下棘突起3bをスペーサと各々結ぶが、上下棘突起3a,3b及びスペーサを一体的に固定することができない場合には、棘突起3a,3b間の相対的な動きが発生するだけでなく、脊椎テコの支点の役割を行う椎間関節9a,9bに所定の力が作用すれば、椎間関節9a,9b間に相対的な動きが発生して、これが前記支点の変性に起因する各種の疾患を引き起こすことがあり、脊椎テコの正しい役割ができない恐れがある。また棘突起3a,3b間の間隔が多少広がるような変形が発生し、この場合、椎体8a,8b間の間隔は狭くなって手術以後の脊椎狭窄症などの疾患が悪化する恐れがある。
図21は、本発明によるスペーサを挿入した後の脊椎の形状を示す模式図である。本発明は、バンド43を用いて上下棘突起3a,3b及びスペーサ30を固定結着することで、椎間関節9a,9bの相対的な動きが発生しないので、手術後にも脊椎テコの作用がそのまま保たれる。そして、椎間関節9a,9bが動いたり、衝撃を受けるなどの原因によって椎間関節9a,9bに直接的に発生する各種の疾患を抑制することができる。
一方、椎体8a,8b間の間隔が狭くなる変形、すなわち、脊椎狭窄症が発生しうる状況でも、強化された筋力による支持力で椎体8a,8b間の間隔を一定間隔以上に保持することによって、これを防止することができる。この際、前記バンドによる固定で元のロードシス状態を回復することができる。但し、患者の個人差を考慮して局部的な脊柱後弯症(kyphosis)状態にならないように高さhを選択することが望ましい。
一方、以下では、図5の第1ノッチ33aの形状を上部棘突起3aの下部の形状に合うようにクラスタリングする方法に関して説明する。ヒトが個人ごとに多様な形態の人体構造を有しているということは周知の事実であり、棘突起の形状も多様な分布を有しうる。ところが、個人の棘突起形状に応じてオーダーメイドされた脊椎間挿入体を製作して手術することはほとんど不可能であるために、統計的なデータを利用して所定数のタイプを有するように第1ノッチ(図5の33a)の形状をクラスタリング(clustering)する必要がある。
第2ノッチ(図5の33b)も同様の方法でクラスタリングを行うことができるということは言うまでもないが、一般的に第2ノッチ33bは、第1ノッチ33aに比べてその形態があまり多様ではなく、水平直線とみなしても良いほど単純なので、クラスタリングを行う実益は大きくない。したがって、本明細書では、第1ノッチ33aに対してクラスタリングを行う場合について説明する。
図5を再び参照すれば、第1ノッチ33aのプロファイルは、複数の点が相異なる関数により連結された形状を有する。例えば、全体が20゜の傾き一つで形成されたものではなく、40゜、30゜、20゜など相異なる傾きを有する直線分が隣接した角度を有する直線分と3個の変曲点で相互連結して形成されたものであっても良い。もちろん、直線分でない所定の曲率を有する滑らかな曲線で複数の点を連結することもできる。
特に、支持する上部棘突起3aの下部の形状を考慮すると、第1ノッチ33aは挿入背面部から挿入前面部へ行くほどその傾きが緩やかになることが望ましい。
図22は、本発明の一実施形態による脊椎間挿入体の第1ノッチの傾きをxy平面上に表示した図面である。
図22を参照すれば、第1ノッチ33aは挿入背面部に位置した第1ノッチ33aの終端点をxy平面上の原点とすれば、40゜の傾きが形成されていて所定の点で30゜に減少し、続いて20゜に、0゜に減少していることが分かる。
第1ノッチ33aの複数の傾きは、複数の患者を対象としてスペーサ30が挿入される棘突起3a,3bの傾きを測定して統計的方法により計算された数値を考慮して提供される。本発明の一実施形態では脊椎間挿入体が主に挿入される3番目、4番目の棘突起間(以下、‘L34’)、4番目、5番目の棘突起間(以下、‘L45’)の棘突起の角度を測定した。正確には、L34の場合は、3番目の棘突起下部の傾きを測定し、L45の場合は、4番目の棘突起下部の傾きを測定した。
表1は、3番目の棘突起下部の傾きを測定した表である。脊椎狭窄症患者103名を対象として脊椎部分を軸方向に10枚ずつCT(Computer Tomography)撮影し、その中から、棘突起部分が撮影された映像を用いて傾きを算出した。
表2は、4番目の棘突起下部の傾きを測定した表である。脊椎狭窄症患者103名を対象として脊椎部分を軸方向に10枚ずつCT撮影し、特に棘突起部分が撮影された映像を利用して傾きを算出した。
表1及び表2を参照すれば、L34とL45は、分布上に差があるとうことが分かる。L45の場合には、L34の場合に比べて0゜ないし15゜の比率が高いということが分かり、0゜の比率も多いということが分かる。
表3は、3番目及び4番目の棘突起下部の傾きを測定した表である。脊椎狭窄症患者50名を対象として3番目及び4番目の棘突起下部の傾きをX線(X-ray)で撮影した。表1及び表2のようにCT撮影を通じて傾きを算出すれば、撮影された映像にブラー効果(blurring effect)が現れることがある。また、スライスされた映像を用いて傾きを算出するので、多少不正確となることがある。したがって、X線で撮影すれば、このような可能性を排除することができる。
図23は、測定された3番目の棘突起の傾きの分布を表したヒストグラムである。表3の3番目の棘突起の傾きを5゜単位で区間を分割して表した。
図23を参照すれば、3番目の棘突起の傾きは、全体的に正規分布に近い分布を示している。特に、15゜ないし25゜の範囲に26名が分布していることが分かる。
図24は、測定された4番目の棘突起の傾きの分布を示すヒストグラムである。表3の4番目の棘突起の傾きを5゜単位で区間を分割して表した。
図24を参照すれば、4番目の棘突起の傾きは、全体的に前方に偏った(skewed)分布を示していることが分かる。特に、0゜ないし15゜の範囲に39人が分布していることが分かる。
図23及び図24を参照すれば、3番目及び4番目の棘突起の傾きの特性が異なるということが分かる。スペーサ30は、L34とL45とに主に挿入され、一般的にL34,L45のどちらかに関わらず同じスペーサ30を使用する。
したがって、単純に20゜の傾きの第1ノッチ33aを使用する場合、L34の場合には、汎用される可能性があるが、L45の場合には、手術中に多くの修正が必要となる。また、L34に使用する場合に、20゜と大きく差が出る患者では上下方向に対する支持力が落ちることがある。本発明の一実施形態によるスペーサ30は統計的な方法により得られた複数の点を相異なる複数の関数で連結して適合性を高めている。
図25は、本発明の一実施形態による脊椎間挿入体の第1ノッチ33aを形成する過程を示すフローチャートである。
図25を参考にすれば、まず複数の患者を含む母集団から所定の大きさの標本集団を選んで棘突起の傾きを測定する(S10)。本発明の一実施形態においては、表3の3番目、4番目の棘突起を例として説明するので、50名が標本集団の大きさとなる。
所定の傾き単位で区間を決定し、各区間に測定された棘突起の傾きを割り当てる(S20)。本発明の一実施形態では10゜単位で区間を決定する。この区間は、本発明が属する技術分野の当業者の必要によって変形可能である。説明の便宜上、本発明の一実施形態では10゜単位を使用する。但し、望ましくは区間を徐々に短くし、実質的には曲線化することが望ましい。すなわち、最初から統計的な方法により得られた複数の点を多項式補間法、スプライン補間法などを使用して曲線で連結してもよく、直線分で連結するが、区間を最小化して実質的な曲線形態を作っても良い。
表4は、表3の3番目(L34に挿入)及び4番目(L45に挿入)の棘突起の傾きを10゜単位区間に分配した表である。特に、L345は3番目及び4番目の棘突起の傾きを平均した数値を意味するものであって、L34,L45脊椎のいずれにも本発明の一実施形態によるスペーサ30を挿入できるように平均を求めて計算した数値である。
各区間に測定された棘突起の傾きを分配した後、各区間の代表値を決定する(S30)。各区間の代表値は、区間の最小値、最大値及び平均値のうちいずれか一つとすることができる。もちろん、当業者の必要によって変形可能である。例えば、本発明の一実施形態では、最小値を使用する。したがって、各区間の代表値は、40゜、30゜、20゜、10゜、0゜、−10゜となる。但し、区間の代表値決定ステップ(S30)は、棘突起の傾き分配ステップ(S20)より先に実行しても良い。
各区間の代表値と分配された棘突起の傾きの数をxy平面上に表示する(S40)。x軸は分配された棘突起の傾きの累積数であり、y軸は第1ノッチ33aの高さである。図26は、3番目の棘突起の下部の傾きをxy平面に表示した図面である。
まず、傾きの累積数をx軸に表示し、原点から傾きの累積数(本発明の一実施形態では‘1’)まで40゜の傾きである一次関数を示す(131)。次いで、40゜の一次関数の終点から30゜〜40゜区間の傾きの累積数(本発明の一実施形態では‘9’)まで30゜の傾きである一次関数を示す(132)。次いで、30゜の一次関数の終点から20゜〜30゜区間の傾きの累積数(本発明の一実施形態では‘16’)まで20゜の傾きである一次関数を示す(133)。同じ方法で10゜〜20゜、0゜〜10゜区間をxy平面上に示す(134,135)。
前記方法を数式で表現すれば、次の数式(1)により表される。
数式(1)で統計的方法により得られた複数の点を相異なる傾きを有する直線分で連結された関数をy、割り当てられた傾きの数をxと称する。nは、n番目の区間を意味し、Nはn番目の区間までの累積数を意味する。また、θは、n番目の区間の代表値を意味し、u(Nn−1,N)はx軸上の区間(Nn−1,N)で関数値1を有する区間別定数関数(uniform function)を意味する。但し、N,θは0である。
図27は、4番目の棘突起の傾きをxy平面に表示した図面である。前記したような方法でxy平面上に示すことができる。
図28は、3番目及び4番目の棘突起の傾きを平均した値をxy平面に表示した図面である。前記したような方法でxy平面上に示すことができる。
図28を参照すれば、D1は、図26のL34の関数、D2は、図27のL45の関数、D3は、L345の関数を意味する。D3は、D1とD2との中間に位置することが分かる。L345の関数を計算する長所については後記する。
最後に、図26ないし図28から得られた関数と同じ傾きを有する第1ノッチ33aを製造する(S50)。このような方法で第1ノッチの上部から下部への断面が複数の点を相異なる関数で連結された形状の脊椎間挿入体を製造することができる。
第1ノッチ33aは、上部棘突起3aの下部を支持する。したがって、第1ノッチ33aと上部棘突起3aの下部の傾きとが同一である場合、上下方向の圧縮力に対する支持力が上昇する。本発明の一実施形態のように相異なる傾きを有する複数の平面で第1ノッチ33aを形成する場合、相異なる下部の傾きを有する上部棘突起3aに適用可能である。
のみならず、複数の脊椎狭窄症患者を対象として統計的な方法で割り当て、多くの患者が割り当てられている傾きが多くの領域を占めるように製造する。したがって、傾きを均等に分配している場合より上下方向の圧縮力に対する支持力の向上を図ることができる。また、さらに多くの患者に適した第1ノッチ33aを形成することができる。
また、L34とL45とを分けてスペーサ30を製造することができるが、L34とL45とに共用できるように製造することもできる(図28参照)。したがって、L34とL45のうち、如何なる脊椎間に挿入しても第1ノッチ33aを手術中に修正したり、上部棘突起3aの下部の一部を除去したりする必要がない。
もちろん、本発明の一実施形態では、複数の点を連結するのに、直線分を使用していたが、所定の曲率を有する曲線で連結しても良い。望ましくは、多項式補間法、スプライン補間法などを使用して脊椎間挿入体の断面を曲線化することができる。特に、スプライン補間法を使用する場合、複数の点を多項式補間法に比べて滑らかに連結することができる。また、スプライン補間法を使用する場合、区間別に2次式、3次式または4次式以上を使用して滑らかな曲線化が可能である。
また、本発明の一実施形態では、第1ノッチ33aに対してのみ適用していたが、第2ノッチ33bに対しても適用可能である。
以上、第1ノッチ33aの傾きを様々な患者のグループからクラスタリングする方法について説明した。それ以外にもフランジの形状、大きさ、スペース間隔など多様な因子を考慮した一般的なクラスタリングを行うために、脊椎映像ケース(spinal image case)を利用する脊椎映像クラスタリング方法を提示することができる。棘突起の大きさと形状に対する3次元の形状は性別と個人差によって大きく変わるが、実質的に製造される脊椎間挿入体の数は制限されなければならず、最も一般的な形状及び大きさを知らなければならない。以下に提案する方法では、ユーザが指定する数によって自動的に最も一般的な形状を獲得しようとする。
一般的にクラスタリング分析は、データ量を減少させて類似したデータをカテゴリー化するために使用可能である。このようなクラスタリング過程は、情報処理過程に広く適用されており、クラスタリングアルゴリズムの使用に関する目的のうち、1つはカテゴリー化(categorization)や分類(classification)を行ったり、アシストしたりするための自動化されたツールを提供することである。クラスタリングでは、独立変数と従属変数間の識別や既に分類されたデータセットが不要である代わりに、類似したレコードが類似して行動するという期待下で互いに類似したグループを探そうとする。
したがって、データを比較して統合するのに最も優先的に適用されなければならないのは、データの核心的な特性を失わずに、データセットの大きさを減らすことである。計算的に効率性があり、元のデータを代表できるデータセットを探し出す方法が最も重要である。データセットを探す基準としては、一般的に観察値の平均が提示される。本発明では、脊椎突起の形態分布を感知するための方法として既存のK平均法クラスタリング方式(k-means clustering)を改善したアルゴリズムを提示する。
まず、図29は、本発明の一実施形態による脊椎映像クラスタリングシステムに対する概略的なブロック図であって、ユーザインターフェース(user interface)110、クラス割当制御モジュール(class assignment control module)120、制御モジュール(control module)130、映像原本データベース(original image database)140、クラス別代表映像データベース(representative image database)150、2進化映像データベース(binarized image database)160、映像収集モジュール(image collection module)170、関心領域抽出モジュール(interest (VOI) extraction module)180及び関心領域の2進化制御モジュール(VOI binarization control module)190で構成される。
前記ユーザインターフェース110は、全体脊椎映像のうち、ユーザの関心部分を受け取るか、映像収集のために入出力を管理する。
前記クラス割当制御モジュール120は、学習モジュールにより決定された一致閾値(similarity threshold)によってケースを割り当てるか、新たなクラスを生成する役割を行う。
前記制御モジュール130は、主に新たなケースがクラスに含まれる場合、代表映像を修正(correct)する。また、収束(convergence)のために以前ラウンドの代表映像と現在ラウンドの代表映像とを比較するか、割り当てられたクラスの数が指定された数未満である場合、一致閾値を高めて再クラスタリングする。
前記映像原本データベース140は、映像収集モジュール170により収集された映像を修正なしに保存し、2進化映像(binarized image)を作るか、クラス別代表映像(representative class image)を修正するときに、映像原本(original image)を提供する。
前記クラス別代表映像データベース150は、各クラスの特徴を反映する代表映像を保存し、代表映像は、クラスに属する映像原本の平均画像である。
前記2進化映像データベース160は、ケースの映像原本の関心部分を抽出し、前記関心領域を2進法形式で変形した映像を保存する。また、クラス別代表映像の2進化映像も保存する。これは各ケースをクラスに割り当てようとするとき、ケースの2進化映像と代表映像の2進化映像とを比較するときに利用される。
前記映像収集モジュール170は、映像原本を外部から受け取り、映像原本データベース140に保存するか、関心領域抽出モジュール150にこれを提供する。
前記関心領域抽出モジュール180は、映像収集モジュール170から映像原本を受け取り、ユーザが関心領域を抽出すれば、関心領域の2進化制御モジュール190に提供する。
前記関心領域2進化制御モジュール190は、関心領域抽出モジュール170から関心領域を受け取り、所定の基準によって映像を2進化し、これを2進化映像データベース160に提供する。
本発明の脊椎映像クラスタリングシステムにより自動で映像を分類して管理する具体的な方法を図30ないし図41を参照して説明すれば次の通りである。
図30は、本発明の一実施形態によって脊椎映像をクラスタリングするための過程についてのフローチャートであって、まず、クラスタリングステップに入る前に関心領域を抽出し、前記抽出された関心領域を2進化する準備ステップを行う。そして、1番目のケースを1番目のクラス(以下、クラスAと称する)に割り当てる(S210)。
2番目のケースの2進化関心領域映像をクラスAの2進化代表映像とマッチングさせる。マッチングされれば、ケースをクラスAに含めて代表映像を修正し、マッチングされなければ、クラスBを作って割り当てる。このような過程をすべてのケースに対して反復する。すなわち、n番目ケースの2進化関心領域映像を存在するクラスAからクラスPまで比較してマッチングされるクラスに割り当て、マッチングされる2進化代表映像が存在しなければ、新たなクラスP+1を作って割り当てる。また、最後のケースに対する割り当てが終われば、クラスに含まれたケースが全体ケースの所定比率以下、例えば、2%未満のクラスを除去する。このような過程は、例外的であり、他の形状のケースを別途に抽出しようとする目的によって選択的に行われても良い(S230)。
例外的なクラスを除去した後、各クラスの代表映像が修正されたか否かを調べる。代表映像の修正があれば、再びクラスタリングステップ、クラス除去ステップを反復し、収束する場合、クラスの数を確認する。このような収束ステップはこれ以上の代表映像の修正がなくなるまで反復される(S240)。
収束ステップを経たクラスの誤差を計算し(S247)、一致閾値により決定されたクラスの数がユーザが最大に許すクラスの数より小さな場合、一致閾値を高めて再びクラスタリングステップ、クラス除去ステップ、収束ステップを反復する(S250)。
付加的に、上のステップを経て完成された代表映像のマッチングテンプレートとケースとをマッチングしてさらに一般的な代表映像を選択することができる(S260)。
以下、各ステップを図面を参照して詳細に説明する。
図31は、本発明の一実施形態による準備ステップ(S210)を詳細に説明したフローチャートである。
ここには全体脊椎映像で脊椎間挿入体が位置する部分についての関心領域(VOI;Volume Of Interest)を決定する部分と映像に対する2進化作業を含む。
図32のように256明暗値(256 gray levels)の全体脊椎映像が提供されれば(S211)、図面でのように四角形の形態にユーザが関心領域を抽出する(S212)。本実施形態で立体上の関心領域VOI地点はx、y、z軸で3次元的な直方体の形態に決定される。まず脊椎間挿入体が位置する部分に該当するスライスを選択し、スライス内で平面上の関心領域を決定する方式で進行する。関心領域VOIは、脊椎間挿入体が位置する部分に余裕分を追加したものであって、z方向のスライス数は上部と下部に対して各々複数枚を選択し、平面では一定地点に位置するボクセルであらゆる映像に対して同じ大きさに決定する。例えば、10枚のz方向スライスを選択し、平面では64×64ピクセルですべての映像を決定することができる。また、1つのケース内であらゆるスライスで同じ位置に関心領域が位置するように処理する。このように処理された各ケースを{S,S,…,S}とする。
次いで、数式(2)により2進化作業を行う(S213)。以下、すべてのケースがk個のクラスタ{P ,1≦j≦k}に分けられ、ケースがクラスタPに属するとき、代表映像ベクトル{μ (j=1,…,k)}に分類される。tは、ラウンド(round)、cは、jでの更新回数を示す。また、B(μ (x,y,z))は代表映像ベクトルの(x,y,z)位置のボクセルの明暗値を2進化する関数を意味する。
脊椎に対する2進化のための閾値として190ないし240の値のうち、いかなる値を選択しても類似した結果が得られるが、ノイズを最小化し、脊椎密度を考慮すると、230が望ましい。また、骨密度の低いヒトの場合には、200を選択することができる。閾値は、前記実施形態に限定されない。図33は、64×64の平面上の関心領域(Region Of Interest:ROI)を表し、図34は、64×64の関心領域映像を2進化した結果を表す。
次いで、1番目のケースをクラスAに割り当てることによって(S214)、準備ステップを終える。
図35は、本発明の一実施形態によるクラスタリングステップ(S210)を詳細に説明したフローチャートである。
まず、t=0である時とき、クラス割り当てのために、まず、初期一致閾値(TH=THstart)を決定する(S221)。初期一致閾値を決定する方法としては、ユーザが直接指定するか、一定の範囲内でランダムに決定することができる。例えば、70ないし100%の範囲内で選択可能であり、実施形態としは76%と初期一致閾値を選択した。但し、初期一致閾値はクラスタリング結果に大きな影響を与えるものではないので、適正範囲の値を選択すれば良い。
次いで、n番目のケースをP番目のクラスに割り当てる過程を行う(S222)。数式(3)のように処理しようとするケースの2進化された明暗値(gray level)とクラスの代表値映像の2進化された明暗値とを指定されたボクセル(voxel)の位置で比較し、一致する明暗値の比率を求める(S222)。すなわち、ケースの明暗値とクラス代表映像の明暗値とが一致する画素の累積値を百分率で換算したものである。数式(3)でAcaseは、VOIの画素数を意味し、ROIの画素数とスライス数との積で換算される。本実施形態でAcaseは、64×64×10となる。また、Con[Sμ ]はケースの2進化映像とクラスの代表映像の2進化映像をAcaseだけ反復比較して、同じ明暗値を有する比率を意味する関数である。
前記のような一致率比較方法は、明暗値と位置情報とを共に比較する方法であって、該当ボクセルの明暗値を互いに比較して全体ボリューム(volume)での比率を求めることができるといった特徴がある。
マッチングを行った後、Con[Sμ ]の値を前記決定した初期一致閾値と比較して、初期一致閾値未満の値である場合には、新たなクラスを作り、前記マッチング過程で使用したケースを割り当てる(S223)。初期一致閾値以上である場合には、代表映像を修正する(S224)。
クラス割り当て過程を詳細に説明すれば、1番目のケースSをクラス1に割り当てる。2番目のケースSの場合には、クラス1に割り当てられたクラス1の代表映像とケースの該当ボクセルでの明暗値とを比較する。ここで、一致率が初期一致閾値より小さければ、ケースSをクラス2に割り当て、初期一致閾値より大きければ、ケースSをクラス1に割り当て、クラス1の代表映像を修正する。第2のケースS以降は、数式(4)のように、既に作られたクラスP(j=1,…,k)全ての2進化代表映像との一致率と比較し、比較された一致率のうち、最も大きい一致率を示すPにケースSを割り当てる。ケースSが割り当てられたPでは代表映像修正が要求される。
代表映像を修正する過程(S224)では、2進化映像の代わりに256の明暗値を利用して画素の明暗値を修正する。現在クラスPに属するケースの数がc個であるとき、新たな代表映像は数式(5)のようである。以下、数式(5)を利用して代表映像を変更させる過程は、学習過程であって、新たに修正されたc+1μ と以前のμ との比率を学習率と定義する。
数式(5)は、既存のケースと新たに割り当てられたケースとの平均を求める方式である。前記方式で代表映像を決定する方法は、同じクラスに属したケースの単純平均値を代表値ベクトル(representative image vector)と決定する場合と異なり、新たなケースの割り当てにより流動的な代表値を作ることによって、正確なクラスタリングと代表映像とを得ることができる。
学習率は、該当クラスに割り当てられたケースの数に反比例する。1つの学習ケースを処理するとき、該当代表値には既存のc個のケースにより決定された値が事前に割り当てられているので、単一ケースによる学習率は代表映像を形成する既存のケースの数が多いほど落ちる。
学習率が減少する理由は、該当クラスで割り当てられたすべてのケースの累積計算値により代表映像を決定するためであり、各クラスの代表映像はクラスに割り当てられたすべてのケースの代表映像である。したがって、それぞれのクラスは、このような代表映像のみにより決定され、すべてのケースは自身と最も近い代表映像のクラスに属する。
代表映像が修正された後には、現在クラスタリングステップに入ったケースがすべて割り当てられるまで、すなわち、Sになるまで上の過程を反復する(S225)。
最後のケースに対する割り当てが終われば、数式(6)を用いて、含まれたクラスのケースが全体ケースの2%未満であるクラスをクラスリストから除去する(S230)。例外的なクラスを除去することによって、意味のあるクラスのみでk個のクラスを構成でき、k値と例外値とに敏感なアルゴリズムの欠点が解消される。したがって、このような過程は、例外的であり、区別される形状のケースを別途に抽出するためであると理解される。
表5は、100個のケースを利用してクラス除去過程を経た結果を示す。一行を説明すれば、一致閾値76%を基準にL34_upperを分析すれば、4個のクラスが生成され、2つ以下のケースで構成されたクラスは除去されて総4個のケースが脱落されたことを表している。
クラス除去過程を終えれば、各クラスの安定化のための収束ステップに進む(S240)。
収束ステップでは、各クラスの代表映像に対する修正の有無を調べて代表映像が収束するまで、ラウンドを反復する。ここで、ラウンドはクラスタリングステップ及びクラス除去ステップを経ることを意味する。したがって、3ラウンドを反復することは、クラスタリングステップ及びクラス除去ステップを3回反復することを意味する。
数式(7)のように以前ラウンドの各クラスの代表映像と新たに形成されたクラスの代表映像との一致率が一定%以上になるまでラウンドを反復する。ラウンド反復基準になる値は、ユーザが指定でき、例えば、100%を指定して完全一致を要求することもできる。
一定%以上にならなければ、収束がなされないものと判断し、この場合にはケースを最初から割り当て直さなければならないので、ケース番号を1に初期化し(S245)、ラウンドを反復する。収束がなされれば、誤差計算ステップ(S247)に進む。
誤差計算ステップ(S247)は、収束したクラスの誤差を計算するステップである。誤差の計算は、数式(8)のように、ケースと各ケースが属する代表映像間の距離の二乗の和で計算される。前記距離は、概念的な表現であり、実際には前記の式でエラー観察値の場合、代表映像との非一致度を100%とみなして計算する。代表映像との距離度計算後、再クラスタリング要求ステップ(S250)に進む。
再クラスタリング要求ステップ(S250)は、これ以上の代表映像の修正がなく、該当クラスの数がクラス制限数値より小さければ、数式(9)を利用して一致閾値を高めること(S255)を意味する。再クラスタリングが要求されれば、一致閾値を高め(S255)、クラスタリングステップに戻り、そうでない場合には、一致閾値及びk値決定ステップ(S260)に進む。初期に決定された一致閾値Thstartが概略的な値であるために、これにより決定されるk値も与えられたケースの割り当てに完全に適したものではないためである。したがって、このような過程を通じて制限されたクラス数の範囲内で最大の一致閾値Thを作ることができる。例えば、該当クラスの数がクラス制限数より小さな場合、一致閾値を1%ずつ高めた後、クラスタリングステップ(S220)に戻ってすべてのケースに対するクラス分配を反復する。
一致閾値及びk値の決定ステップ(S260)では、一致閾値の上昇にともない計算された誤差のうち、最も小さな誤差に該当する一致閾値及びk値を最も適したものと決定する。表6を参照すれば、一致閾値に応じて距離二乗値が計算され、クラス除去ステップで除去されたケースを除いて計算された誤差があることが分かる。ここで、一致閾値が82%である場合に、誤差が67414で最も小さいことが分かる。したがって、82%がケースの初期一致閾値に最も適したものと計算される。
一致閾値及びk値の決定ステップ以後、代表映像マッチングステップ(S270)が選択的に行われる。クラスの代表映像に適した脊椎間挿入体を用いてすべてのケースをスキャンすることでクラスの数を減らし、一般的な代表映像を作ることができる。スキャンを行う過程で、特定地点で脊椎間挿入体が棘突起に合わないと中断し、該当位置から他の地点に位置を移動して、再び比較する過程を反復する。比較し続けていて最もエラーの少ない地点、すなわちエラー空間(error space)が最小の地点を探して記憶しておく。このようなマッチング過程は、ケース271’と脊椎間挿入体の立体を形状化したテンプレート273’に対するボクセル当たりの比較を通じてなされ、例えば、ケースの立体は横×縦×スライス(64×64×10)であり、テンプレートは(48×48×4)の大きさを有し、テンプレートがケースの立体に対して1ボクセルずつ移動しつつ、全体区間を比較する。この場合、変移区間は、(x,y,z)=(17,17,5)である。
図36は、本発明の一実施形態による具体的な代表映像マッチング過程のフローチャートであり、図37は、前記代表映像マッチング過程に対する例示図である。代表映像マッチング過程は、脊椎間挿入体を作るときに、最も多くのケースに適した一般的な脊椎間挿入体を作る過程においても有効に用いられる。
のみならず、マッチング過程が試みられる目的は、2種に分けることができる。第1に、脊椎間挿入体は、幾何学的曲面で構成されるので、代表映像の3次元的形態とは異なる場合があり得る。マッチング過程は、脊椎間挿入体とケースとのこのようなエラー空間に対する定量的計測を通じて脊椎間挿入体の数を減らし、形状をさらに好適に改善する過程である。第2に、代表映像は、単一ケースとは一致閾値ほどの大きさの誤差が存在するので、脊椎間挿入体の製作時には、このような誤差を考慮して若干大きい寸法で製作するが、このような拡張寸法に対する検証過程としてマッチング過程が必要である。
一致閾値及びk値を決定した後、ケースが提供される(S271)。ケースは、比較可能な形態で提供されるが、本実施形態では、64×64×10で提供される。
次いで、前記代表映像に適した脊椎間挿入体の2次元映像を提供するステップ(S272)が行われる。まず、代表映像において、棘突起の幅、椎間棘突起間の距離、棘突起下部の傾き、棘突起の長さなどの寸法を測定し、代表映像との関係で多少の余裕分を追加して脊椎間挿入体を製作する。以下、このような脊椎間挿入体を代表パターンと称する。また、余裕分をどれだけ考慮したかによって多数の代表パターンが作られ、これらの適否はマッチング過程を通じて判断される。
提供される脊椎間挿入体の2次元映像は、マッチングテンプレート及び関心領域を抽出することができる形で提供されるが、ケースのような形で提供されるか、望ましくは、64×64×10の立体映像で提供される。
次いで、前記2次元映像に適したマッチングテンプレートを提供するステップ(S273)が行われる。前記マッチングテンプレートを提供するステップは、代表パターンの下段中心点を基準に、棘突起の存在を180°にわたってテンプレートの外側領域でもテンプレート自体の領域と同様に感知可能にするための過程である。その領域は、48×48×4の大きさを有する。図37のように、マッチングテンプレート273’はケース映像とのマッチングのために代表パターンの2次元映像に比べてさらに拡張される。
次いで、前記マッチングテンプレートから関心領域(ROI)を抽出する(S274)。図37を参照すれば、マッチングテンプレートの一部を関心領域274’として選択する。例えば、マッチングテンプレートが64×64である場合、関心領域は、48×48に決定される。これは、ケース領域64×64を関心領域48×48が変移空間(variable space)17×17に沿ってスキャンするためである。関心領域が決定されれば、比較対象であるケース映像との区分のためにケース映像と前記マッチングテンプレートの関心領域に明暗値を割り当てる(S275)。図38及び図39を参照すれば、ケース映像において、棘突起Aに0、背景Bに255を割り当てる一方、マッチングテンプレートの関心領域において、背景Cに100、マッチングテンプレートDに255を割り当てて分離して処理する。但し、明暗値の割り当ては区分可能な他の明暗でも可能なので、実施形態に限定されるものではなく、処理過程で4個の領域を区分するために使用する。
明暗値を与えた前記マッチングテンプレートの関心領域とケースとをマッチングして誤差を計算する(S276)。図40を参照してマッチングに対する結果を分析すれば、次の通りである。
領域は、大きく4個の領域に分離されている。1番領域は、テンプレートだけが存在する場合であり、明暗値は(255+255)/2で表され、処理過程では省略(skip)される。2番領域は、ケースにテンプレートが重畳される部分であり、明暗値が(0+255)/2で表される。これはケースの棘突起が脊椎間挿入体より大きくて、テンプレートの外に突き出た部分であるために、処理過程でボクセルが検出されれば、該当脊椎間挿入体は、不適なものと判断する。3番領域は、ケースの棘突起部分だけが存在する領域であって、明暗値は(0+100)/2で表される。したがって、この部分も処理過程に影響を及ぼさないので、1番領域と同様に省略(skip)すべく処理される。4番領域は、二映像の背景だけ存在する領域であって、テンプレートとケースとの間の誤差空間を意味する。明暗値は、(255+100)/2で表され、誤差空間とみなされてボクセルの数が累積処理される。4番領域の累積値は、誤差として計算されて一致閾値を計算するために使われる。表7は、これを整理した結果である。
4番領域の誤差は、棘突起と脊椎間挿入体とが合わない領域であって、誤差が大きいほど脊椎間挿入体と棘突起との間隔が大きいということを意味する。したがって、誤差を減らすことが重要であり、マッチングテンプレートを全体ケースに対して変移空間に対してスキャンしつつ、あらゆる誤差を計算して累積誤差を計算する。すなわち、1つのマッチングテンプレートは48×48×4であり、スライス4個のマッチングがなされれば、各スライスの誤差が計算され、これを累積して累積誤差を計算する。
次いで、図41を参照して説明すれば、ケース910内でマッチングテンプレート920がx、y、z方向に変移空間(17×17×5)をスキャンしつつ、各変移空間上の位置で累積誤差を求める。横、縦及び高さでマッチングテンプレートとケースとの映像が正確に合わなくても、マッチングテンプレートが位置する所を検出でき、角度の異なる場合にも検出可能にするためである。
このようなマッチング過程及び誤差計算過程を、例としてVisual C++として具現すれば次の通りである。
最初のFor文によりx_range、y_range、z_rangeについて反復し、それぞれの領域に対して1,3番領域である場合には処理を省略し、2番領域である場合にはループを抜け出るようにし、4番領域である場合にのみ誤差を累積計算する。
このような過程を通じて17×17×5個の累積誤差が計算されれば、前記累積誤差のうち、最小の累積誤差を、前記代表映像の脊椎間挿入体に対する前記ケースの代表誤差と決定する。
このようなスキャン過程及び代表誤差決定過程をそれぞれの代表映像及びケースに対しても反復しなければならず、繰り返されるスキャンの量(Iteration)は数式(10)により計算される。
x_range、y_range、z_rangeは、各々前記変移空間のx、y、z値であり、kは前記決定されたクラスの数または代表映像の数であり、caseはケースの数となる。前記公式によれば、変移空間が17×17×5である1つのケースに対する1つの代表映像に対する反復回数は、17×17×5×1×1=1,445回である。また、40個の代表映像に対する100個のケースを処理するためには、17×17×5×40×100=5,780,000回の反復を行わなければならない。
反復を通じてそれぞれのクラスの代表映像に応じた脊椎間挿入体に対する前記ケースの代表誤差が計算されれば、最小の代表誤差を有するクラスにケースを割り当てる(S277)。表8を参照すれば、ケース1はクラスBでの代表誤差が最も小さいためにクラスBに割り当てられていることが示されている。クラスに割り当てる方法は、前記の通りに代表誤差を使用してもよく、全体代表誤差に対する各代表誤差の比率を通じて代表誤差率を求めて最も小さな代表誤差率に割り当てても良い。(100−代表誤差率)%を求めて最大値に割り当てることもでき、割り当て方法はパラメータによる制限を受けるものではない。
脊椎間挿入体を製作するときには、挿入される椎間に正確に合わせて製作するものではなく、余裕分を考慮する。したがって、他のクラスの代表映像であっても、同じ脊椎間挿入体を使用することができる。また、高いk値と一致閾値のために細部的な映像の差で他のクラスに割り当てる可能性もある。したがって、さらに一般的な脊椎間挿入体の生産が必要な場合には、代表映像マッチングを行う必要があり、ユーザの選択によって細部的で多様な種類の脊椎間挿入体を生産しようとする場合には、代表映像マッチングステップを省略することができる。
表9は、各ケースとクラスの(100−代表誤差率)%を示している。もちろん、前記したように代表誤差や代表誤差率を使用しても良い。各ケースを各クラスの代表映像に応じた脊椎間挿入体とマッチングした結果を記載したものであり、概略的な一致率が分かり、ほとんど一致していないクラスを除去することができるので、1次的な評価項目として使用することができる。
表10を参照すれば、クラス別平均一致率、割り当てられたケースの数、最適決定率が示されている。平均一致率は、前記表9の(100−代表誤差率)%の平均を求めたものであり、ケース数は、各クラスに割り当てられたケースの数を示したものであり、最適決定率は、全体ケースに対するケース数の比率を%で示したものである。例えば、クラスAの場合、(19/95)×100=20%である。
以上、本発明の一実施形態によるスペーサ30は、固い材質からなって二つの棘突起間に一定間隔を保持可能にする。ところが、手術後の患者の動きによって脊椎間に相対的な動きが発生することがあるが、このときスペーサの間隔が完全に固定されていれば、動きに不便さを感じられるだけでなく、他の正常な脊椎にもよくない影響を与える恐れがある。したがって、前記動きに追従して制限された範囲内でスペーサの間隔が可変可能に弾性力を有する構造を有するスペーサを設計する必要がある。
以下、このような構造を有する本発明の他の実施形態による幾つかのスペーサを提示する。図42は、本発明の他の実施形態によるスペーサ50の形状を示す斜視図である。
スペーサ50は、前記スペーサ30と同様に、フランジ51a,51b,52a,52bと、ノッチ53a,53bと、を備えているが、スペーサ50に弾性を与えるための弾性シワ部(elastic folding portion)54をさらに備え、ノッチ53a,53bに貫通孔55a,55bが形成されているという点で多少の差がある。
弾性シワ部54は、挿入前面部方向に配置されており、弾性を与えるために一つ以上のシワ(fold)を有する形となっている。このような構造的特性によってスペーサ50自体はチタンなどの固い金属からなっていても、所定の範囲内でスペーサ50の間隔が弾性変化可能となっている。さらに詳細には、弾性シワ部54は、第1ノッチ53aと連結されて垂直方向に形成されている直線部分57aと、第2ノッチ53bと連結されて垂直方向に形成されている直線部分57bと、前記2つの直線部分を連結する曲線部分56とを備えて構成されうる。
直線部分57a,57bは、脊椎が過度に拡張されないように少なくとも棘突起間に直線部分57a,57bの高さの和ほどの間隔を保証するために備えられる。そして、曲線部分56は、拡張または屈曲時に弾性シワ部54の弾性を保持するのに使われる。
図43は、スペーサ50を実際に脊椎間に挿入した形態を示す図面である。スペーサ50の貫通孔55a,55bには、図3の実施形態と同じバンド43が挿入され、バンド43は上部棘突起3a、下部棘突起3b及びスペーサ50を結ぶ。このようにバンド43が結ばれた形状の断面は、図44のようになる。バンドは、上部棘突起3aと下部棘突起3bとを一回以上取り囲みつつ8字状に交差する。次いで、バンド43の末端部は結び目をつくって固定される。
前記貫通孔55a,55bに前記バンド43を挿入したときに、前記弾性シワ部54と前記バンド43とが接触しないように、前記弾性シワ部54と図43の左右方向に所定の間隔を有する位置に前記バンド43が備えられることが望ましい。
図43のようにスペーサ50が棘突起間に設置されれば、二つの棘突起間の間隔が多少弾性変形することがあるので、棘突起間の間隔を保持しつつも、患者の動きに好適に対応できるようになる。すなわち、正常な脊椎の動きを許容しつつ、非正常的な動きを制限することができる。そして、スペーサ50の対向ノッチと棘突起とが直接接触せず、中間にバンド43が介在するので、外部の衝撃に対する緩衝効果も期待できる。
一方、本発明のさらに他の実施形態によるスペーサ60を図45に示す。スペーサ60は、各々ノッチを備えた上部胴体61と下部胴体62とに分けられる。
上部胴体61の下部面には、収容円筒63が形成され、下部胴体62の上部面には、挿入部材64が形成されている。挿入部材64の一部は収容円筒63に挿入されており、他に別途の連結手段は設けられていない。
挿入部材64と収容円筒63との連結関係をさらに詳細に説明するために、図46を参照する。収容円筒63は単純な円筒形状を有する一方、挿入部材64は収容円筒63にその一部が挿入される形となっており、左側部分(挿入前面部側)の第1角度66aが右側部分(挿入背面部側)の第2角度66bより険しい傾斜を有する円錐状を有する。もちろん、収容円筒63と挿入部材64とを連結する特別な連結手段が設けられていないので、収容円筒63と挿入部材64との間の相対的な動きが可能になるように第1角度66a及び第2角度66bは直線形態ではない、曲線形態に形成されることがさらに望ましい。
ところが、第1角度66aが第2角度66bより険しい傾斜を有する理由は、収容円筒63が、挿入部材64に対して右側には回転し難くし、左側には相対的に回転しやすくするためである。すなわち、過度な拡張を防止し、屈曲に対してはある程度の融通性を持たせるためである。
また、図45を参照すれば、上部胴体61の一地点と下部胴体62の一地点には、各々バンド固定突起65a,65bが形成されているので、バンド43により前記固定突起65a,65bを結ぶことができる。バンド43が弾性を有する領域内では、前記第2角度66bの緩やかな傾斜によって屈曲に対して多少の融通性を持つようになる。そして、第1角度66aの急な傾斜によって拡張に対して融通性を持たせないことによって、バンド43の多少の弾性によってロードシス誘発時にノッチと棘突起との接点が自然に接触するようになる。
図47は、スペーサ60を実際に脊椎間に挿入した形状を示す図面である。バンド固定突起65a,65bは、バンド43で結ばれるが、挿入部材64の第1角度66aを有する部分が収容円筒63の内側面と当接してバンドの張力(tension)が保持される。これとは別途のバンドをスペーサ60のピボット近傍の地点で上下棘突起3a,3bに結んでも良い。
このように、スペーサ60は、各棘突起を独立的に固定するように分離された胴体を有する構造からなるために、棘突起の動きを最大限に許容でき、独立した力点が存在するので、人体テコの効果を奏することができる。
図42及び図45の実施形態においてノッチの断面形状(図44参照)は、ノッチとフランジとが直角をなす形として簡単に表示したが、もちろん前記断面形状が棘突起の断面形状に適するように曲線形態に具現することもできるということは、当業者ならば容易に分かるであろう。
また、図42及び図45の実施形態でも、図22ないし図28の説明と同様なクラスタリング方法によってノッチの形状を決定することができるということは言うまでもない。
以上、添付図を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明が属する技術分野の当業者であれば、本発明がその技術的思想や必須特徴を変更せずに他の具体的な形に実施可能であるということが理解できるであろう。したがって、前記した実施形態は全ての面で例示的なものであって、限定的なものではないと理解しなければならない。
本発明によれば、付随的な棘間靭帯を除去する必要がなく、手術を受ける患者にあたえる身体的負担を減少させ、医者の立場でも手術が簡便な長所がある。特に、手術過程で後方の両側に位置する伸筋に対する切除作業(resection)及び脱神経作業(denervation)などを要しない。
また、本発明によれば、棘突起間の間隔を所定間隔以上に保持しつつも、同時に椎体間の間隔が狭くなることを防止でき、上椎間関節及び下椎間関節の相対的な動きも抑制することができる。
そして、本発明によれば、多様な傾度を有する人々の棘突起に適応的に採用可能な脊椎間挿入体を提供することができる。
人体脊椎の断面図である。 従来の技術を説明する図面である。 本発明によるスペーサの斜視図である。 本発明によるスペーサの正面図である。 本発明によるスペーサの右側面図である。 本発明によるストラップの斜視図である。 スペーサを体内に挿入する過程を示す図面である。 スペーサを体内に挿入する過程を示す図面である。 スペーサが棘突起間に挿入された形状を全体的に示す図面である。 本発明の第1実施形態によってストラップを設置する過程を示す図面である。 本発明の第1実施形態によってストラップを設置する過程を示す図面である。 本発明の第1実施形態によってストラップを設置する過程を示す図面である。 本発明の第1実施形態によってストラップを設置する過程を示す図面である。 本発明の第2実施形態によってスペーサとストラップとが結合された形状を示す図面である。 本発明の第2実施形態によってストラップを設置する過程を示す図面である。 本発明の第2実施形態によってストラップを設置する過程を示す図面である。 本発明の一実施形態による挿入体を棘突起間に挿入した後、側方から見た図面である。 人体テコの概念を示す図面である。 脊椎と椎間関節との正常な状態を示す模式図である。 従来の技術によるスペーサを挿入した後の脊椎の形状を示す模式図である。 本発明によるスペーサを挿入した後の脊椎の形状を示す模式図である。 本発明の一実施形態による脊椎間挿入体の第1ノッチの傾きをxy平面上に示す図面である。 測定された3番目の棘突起の傾きの分布を示すヒストグラムである。 測定された4番目の棘突起の傾きの分布を示すヒストグラムである。 本発明の一実施形態による脊椎間挿入体の第1ノッチを形成する過程を示すフローチャートである。 3番目の棘突起の下部の傾きをxy平面に示す図面である。 4番目の棘突起の傾きをxy平面に示す図面である。 3番目及び4番目の棘突起の傾きを平均した値をxy平面に示す図面である。 本発明の一実施形態による脊椎映像クラスタリングシステムに対する概略的なブロック図である。 本発明の一実施形態によって脊椎映像をクラスタリングするための処理過程を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態による準備ステップ(S210)についての詳細なフローチャートである。 提供された256明暗値の脊椎映像とユーザの関心領域選択を示す断面図である。 ユーザが選択した関心領域を256明暗値で示す断面図である。 ユーザが選択した関心領域を2進化過程により2進化された断面図である。 本発明の一実施形態によるクラスタリングステップ(S220)についての詳細なフローチャートである。 本発明の一実施形態による代表映像マッチング過程(S270)についての詳細なフローチャートである。 本発明の一実施形態による代表映像マッチング過程についての例示図である。 本発明の一実施形態によってケース映像とマッチングテンプレートの関心領域に明暗値を割り当て、互いにマッチングさせた断面図である。 本発明の一実施形態によってケース映像とマッチングテンプレートの関心領域に明暗値を割り当て、互いにマッチングさせた断面図である。 本発明の一実施形態によってケース映像とマッチングテンプレートの関心領域に明暗値を割り当て、互いにマッチングさせた断面図である。 本発明の一実施形態によってケース内でのマッチングテンプレートが変移空間をスキャンすることが可能な領域を示す斜視図である。 本発明の他の実施形態によるスペーサの形状を示す斜視図である。 図42のスペーサを実際に脊椎間に挿入した形態を示す図面である。 図43のスペーサバンドの断面形状を示す図面である。 本発明のさらに他の実施形態によるスペーサの形状を示す斜視図である。 図45のスペーサの左側面図である。 図45のスペーサを実際に脊椎間に挿入した形状を示す図面である。

Claims (17)

  1. 脊椎の棘突起を収容する二つの対向ノッチを有するスペーサと、二つの前記脊椎及び前記スペーサを固定するためのバンドとを備える脊椎間挿入体において、
    前記スペーサは、前記バンドが通過すべく前記スペーサの側面を貫通して備えられる貫通孔及び、前記貫通孔を通過するバンドを固定しやすくするために前記側面が所定の曲率で内側に曲がった陥没部を備え、
    前記バンドは、前記貫通孔を通過して前記スペーサと前記二つの棘突起とを8字状に結ぶことで二つの前記脊椎及び前記スペーサが固定されることを特徴とする脊椎間挿入体。
  2. 前記固定は、前記バンドを構成するバンドの両末端部を前記8字状に結んだ前記バンドの一部分に結び目をつくることによってなることを特徴とする請求項1に記載の脊椎間挿入体。
  3. 前記バンドを結ぶことによって、二つの前記脊椎のうち上部脊椎の下椎間関節と二つの前記脊椎のうち下部脊椎の上椎間関節とが相対的な動きなしに固定されることを特徴とする請求項2に記載の脊椎間挿入体。
  4. 前記バンドを結ぶことによって、腰推がロードシス形状を回復することを特徴とする請求項3に記載の脊椎間挿入体。
  5. 前記対向ノッチのうち、少なくとも1つのノッチは複数の点が相異なる関数で連結されたプロファイルを有することを特徴とする請求項1に記載の脊椎間挿入体。
  6. 前記複数の点は、相異なる傾きを有する直線分で連結されることを特徴とする請求項5に記載の脊椎間挿入体。
  7. 前記複数の点は、所定の曲率を有する曲線で連結されることを特徴とする請求項5に記載の脊椎間挿入体。
  8. 前記第1ノッチは、挿入背面部から挿入前面部へ行くほど傾きが緩やかになることを特徴とする請求項5に記載の脊椎間挿入体。
  9. 前記複数の点は、複数人の脊椎の棘突起の傾きをn個の区間に割り当て、n番目区間の代表値をθn、挿入背面部に位置した第1ノッチの終端点をxy平面上の原点とし、前記n番目区間に割り当てられた傾きの累積数をNとするとき、前記原点及び(N,Ntanθ)であることを特徴とする請求項5に記載の脊椎間挿入体。
  10. 前記関数は、複数人の脊椎の棘突起の傾きをn個の区間に割り当て、n番目区間の代表値をθn、挿入背面部に位置した第1ノッチの終端点をxy平面上の原点とし、前記n番目区間に割り当てられた傾きの累積数をN、区間(Nn−1,N)で関数値1を有する区間別定数関数をu(Nn−1,N)、割り当てられた傾きの数をxとするとき、前記原点及び(N,Ntanθ)を直線で連結された関数yは、
    であることを特徴とする請求項5に記載の脊椎間挿入体。
  11. 脊椎の二つの棘突起を収容する二つの対向ノッチを有するスペーサと、二つの前記脊椎及び前記スペーサを固定するためのバンドとを備える脊椎間挿入体において、
    前記二つの対向ノッチを連結し、前記棘突起から与えられる外力に対する弾性復元力を有する弾性シワ部と、
    前記バンドが通過するように前記二つの対向ノッチに各々形成された二つの貫通孔と、
    前記二つの貫通孔を通過して前記スペーサと前記二つの棘突起とを結ぶバンドと、
    を備えることを特徴とする脊椎間挿入体。
  12. 前記弾性シワ部は、前記対向ノッチのうち第1ノッチと連結されて垂直方向に形成されている第1直線部分と、前記対向ノッチのうち第2ノッチと連結されて垂直方向に形成されている第2直線部分と、前記第1直線部分及び前記第2直線部分を連結する曲線部分と、を備えることを特徴とする請求項11に記載の脊椎間挿入体。
  13. 前記貫通孔は、前記貫通孔に前記バンドを通過させたとき、前記弾性シワ部と前記バンドとが接触しないように前記弾性シワ部と所定の間隔を有する位置に備えられることを特徴とする請求項11に記載の脊椎間挿入体。
  14. 前記対向ノッチのうち、少なくとも一つのノッチは、複数の点が相異なる関数で連結されたプロファイルを有することを特徴とする請求項11に記載の脊椎間挿入体。
  15. 第1ノッチを備える上部胴体と、
    前記第1ノッチと対向する第2ノッチを備える下部胴体と、
    前記上部胴体の下部面に備えられる収容円筒と、
    前記下部胴体の上部面に備えられ、一部が前記収容円筒に挿入され、挿入前面部側に形成される第1角度と挿入背面部側に形成される第2角度とが相異なる傾斜を有する挿入部材と、
    を備えることを特徴とする脊椎間挿入体。
  16. 前記上部胴体の一地点と前記下部胴体の一地点とにバンドを結ぶように各々形成されるバンド固定突起と、
    前記上部胴体に形成されたバンド固定突起と前記下部胴体に形成されたバンド固定突起とを結ぶバンドと、
    をさらに備えることを特徴とする請求項15に記載の脊椎間挿入体。
  17. 前記第1ノッチ及び前記第2ノッチのうち、少なくとも一つは、複数の点が相異なる関数で連結されたプロファイルを有することを特徴とする請求項16に記載の脊椎間挿入体。
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