JP2007503251A - 固体の接着性層および治療用ゲルを有する治療用組成物および装置 - Google Patents
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Abstract
デンタルトレイ(10)、ストリップまたはパッチの形状をした治療用組成物には、接着性組成物(20)および治療用ゲル(28)が含まれる。バリア層(18)を含めて、使用中に唾液または水分から治療用ゲル(28)を保護する治療用装置(10)を作成することができる。接着性組成物(20)は、実質的に固体であり、唾液または水で濡れた場合、口腔組織に対し増大する接着性を有する。接着性組成物(20)は、溶媒を追い出すために加熱される中間体組成物から作成される。接着性組成物(20)と分離した治療用ゲル(28)を用いることは、使用前の活性剤の効力および安定性を改善する。
Description
本発明は、ヒトの歯牙および/または歯肉を治療するために使用される治療用組成物および装置の分野に属する。より詳細には、本発明は、実質的に固体の接着性組成物、治療用ゲル、および場合により耐湿性バリア層が含まれる治療用組成物および装置に関する。
ほぼすべての人々は、白い歯またはより白い歯を望んでいる。この目標を達成するため、人々は、歯の上に表面仕上げをしてもらうか、あるいは歯を化学的に漂白してもらう。過去において、歯を漂白してもらいたい患者は、従来の院内漂白技法を受けなければならなかった。通常、このプロセスは、(1)患者の歯牙のアルギン酸塩印象を作製すること、(2)印象のストーンキャスト(stone cast)またはモデルを作製すること、(3)モデル、通常、薄いエチルビニルアセテート(EVA)材料の加熱シートからデンタルトレイを真空成形すること、および(4)歯肉被覆をなくすためにトリミングすることを含む。この方法は、柔らかくて柔軟性であり、患者の歯牙の上に極めて正確に適合するようにカスタマイズされ、したがって、装着するのが極めて快適なトレイをもたらす。しかしながら、カスタマイズされたトレイを作製するためのプロセスは、時間がかかり、カスタマイズされたトレイが患者に利用可能になるまでに何日も、または何週間もかかることが多く、得られるトレイは、高価なことがある。
カスタマイズされたトレイを作製することに伴う時間とコストのため、余り時間がかからずコストのかからない代替案が開発されている。販売キャンペーンに反して、多くの代替案は、主に、歯牙を実際に漂白する際のそれらの有効性(またはその欠如)の点で実質的な欠点を有する。また、それらは、使用の困難さ、低い快適性、および乏しい味覚に関してそれら独自の問題を有している(漂白用および他の口腔治療用組成物は、結局のところヒトの口腔内に直接入れられる)。
カスタマイズされたデンタルトレイの1つの代替案は、様々な使用者の歯列弓の形状およびサイズに近いカスタマイズされていないトレイである。カスタマイズされていないデンタルトレイは、歯科医師による専門的なカスタマイズ手順を必要とせずに使用することができるが、そのようなトレイは、カスタムフィットトレイに比べてよりかさばり、余り快適でない傾向がある。自分でカスタマイズすることができるデンタルトレイ(すなわち、いわゆる「ボイルアンドバイト(boil and bite)」トレイ)は、非カスタムトレイに比べていくぶんか快適であり、かつより良く適合するが、歯科医師によってカスタマイズされたトレイに比べて余り快適ではない。
別の代替歯牙漂白方法は、漂白されるヒトの歯牙の表面上に直接、漂白組成物を塗るものである。この手順の利点は、カスタマイズされたトレイ、または非カスタムトレイさえも入手する必要がなくなることである。しかしながら、主な欠点は、漂白組成物が、ヒトの口腔内に通常見いだされるヒトの唾液ならびに破壊的な力および動きに直接曝され続けることである。結果として、漂白組成物のかなりの部分が、漂白することが望ましい歯牙上に留まらないことになる。代わりに、組成物の一部またはすべては、ヒトの唾液中に溶出し、かつ/または隣接する口腔組織に移動する。すべての歯科用漂白組成物と同様に、ペイントオン歯科用漂白組成物は、過酸化物系漂白剤を含有するため、使用者の口および咽頭内の柔らかい口腔組織に対する刺激は、このような組成物を使用する場合の潜在的問題である。
さらに別の代替歯牙漂白方法は、使用者の歯牙表面上に、柔軟性の漂白ストリップを設置するものである。通常、漂白ストリップは、使用者の歯牙に面するストリップの側に、中程度の粘度および比較的低い粘性の濡れた歯科用漂白ゲルでコーティングされた柔軟性の可塑性ストリップを含む。漂白ストリップを取り付けるためには、まず、漂白ストリップの一部を使用者の歯牙の前面にかぶせ、続いて歯牙の咬合縁の周囲ならびに舌側面の一部に対してストリップの残りを巻き付ける。ペイントオンの漂白組成物と同様、この手順には、使用者が、使用前に使用者が漂白組成物を中に入れなければならないカスタマイズされたトレイまたは非カスタムトレイさえ入手する必要がない。ペイントオンの漂白組成物を上回る漂白ストリップの利点は、漂白ストリップには、少なくとも理論的には、歯科用漂白ゲルが使用者の口中に拡散するのを防ぐバリアが含まれることである。
しかしながら、実際には、漂白ストリップの使用者の歯牙への一般的に不十分な接着に加え、それらの一般的に脆弱な性質のため、使用者が推奨される時間、漂白ストリップを適切な位置に維持することが困難であることが多い。従来の漂白ストリップは、使用者の口、下顎または舌のわずかな運動によってさえ歯牙から滑り落ちる傾向がある。実際に、使用者は、漂白ストリップを装着中に食べない、飲まない、喫煙しない、かつ眠らないことが推奨されている。実際、会話し、かつ漂白される歯牙上に適切に置かれた漂白ストリップを維持することは困難である。
たとえ、使用者が、推奨される漂白期間中、従来の漂白ストリップをその適切な位置に維持することに成功した場合でも、漂白は、ヒトの唾液中に拡散することが多く、使用者の口内に悪い味覚と、恐らく、柔らかい口腔および咽頭組織に対する不快感を引き起こす可能性がある。漂白ゲルが使用者の口中に拡散する傾向は、使用者の歯牙上の漂白ストリップのわずかな移動によってさえ加速されることがあり、各々の移動は、使用者の歯牙に接着したままでいるが可塑性ストリップによって覆われていない漂白ゲルを、使用者の口内の唾液に曝す可能性がある。場合によっては、漂白ストリップは、使用者によって取り外され、推奨される漂白時間を完結するために新たな漂白ストリップと置き換えられなければならないほど外れたり押しつぶされたりすることがある。このことは、従来の漂白ストリップを使用するコストおよび問題を増加させる。
実際の問題として、従来の漂白ストリップの使用は、話すこと、微笑むこと、他の表情を作ること、または嚥下すること(通常、一日中、無意識のうちに起きる)などの使用者の口または舌の運動を含む最も簡単な活動をさえ著しく阻害することがある。実際、ヒトの口および舌が動く傾向が最も少ない時間は、ヒトが眠っている夜である。残念なことに、従来の漂白ストリップは、恐らく、気付かずに外れた漂白ストリップによる偶発的な窒息を防ぐため、就寝中は使用しないことが推奨されている。このことは、従来の漂白ストリップが、使用者の歯牙から容易に外れる傾向を裏付けている。
最終的に、漂白または他の口腔治療の成功にとっての主な障害は、使用者が、処方された治療措置を完了できないことである。治療装置が、使用するのが困難であり、観察可能な結果を得るために多くの反復を必要とするか、装着するのが単に不快であるか面倒である場合、使用者は、治療プロセス全体を簡単に断念し中止することがある。したがって、たとえ、特定の治療製品を用いて有意な歯科用漂白または他の治療が可能であっても、治療用機器または方法の不適切さが、望ましい結果が得られる前に使用者を失望させてしまうことは余り起こりそうにない。
上述のことがらに鑑み、使用するのが簡単かつ容易であり、使用者の口腔中への漂白組成物の拡散を軽減するように使用者の歯牙上の位置に確実に留まる改良された治療用組成物および機器が引き続き必要である。そのような改良は、使用者のコンプライアンスを改善または奨励することが期待されるであろう。
本発明は、一般的に、ヒトの歯牙および/または歯肉を治療するのに使用される改良された治療用組成物および装置に関する。本発明による治療用組成物には、濡れた(例えば、唾液または水により)場合に、歯牙に対してより接着性になる、デンタルトレイ、ストリップ、パッチまたは他の望ましい形状の形態をした実質的に固体の接着性組成物、および接着性組成物層に隣接する治療用ゲルが含まれる。治療用ゲルには、歯牙および/または歯肉を治療するための活性剤が含まれ、ビーズ、連続層、または複数の不連続領域もしくは島を含むことがある。
本発明による治療用装置には、デンタルトレイ、ストリップ、パッチ、または事前定義された形状をもたない薄膜などの耐湿性バリア層、バリア層に隣接し、濡れた(例えば、唾液または水により)場合に歯牙に対してより接着性になる実質的に固体の接着性組成物を含む接着性組成物、および接着性層またはバリア層の少なくとも一方に隣接する治療用ゲルが含まれる。治療用ゲルは、ビーズ、連続層、または複数の不連続領域もしくは島を含むことがある。バリア層が、デンタルトレイ、ストリップまたはパッチである場合、接着性層は、連続層または複数の不連続領域であってよい。バリア層が、事前定義された形状をもたない薄膜を含む場合、接着性層は、治療用装置形態を得るためのデンタルトレイ、ストリップまたはパッチのような形をしていることが有利である。バリア層が、引き続き(i)接着性層および(ii)治療用ゲルを含む既存の治療用組成物に付着または接着している限りにおいて、漂白組成物は、治療用組成物およびバリア層を含む完成治療用装置への中間体と見なすことができる。
任意選択のバリア層は、耐湿性ポリマー材料から作製される薄くて柔軟性の膜を含むことが有利である。しかしながら、任意の望ましい厚さまたは剛性を有するバリア層を提供することは、本発明の範囲内にある。好ましい実施形態において、バリア層は、ポリオレフィン、ポリエステル、EVA、ポリウレタンまたは類似の耐湿性材料の薄い層を含む。バリア層は、従来のデンタルトレイを含み、その例には、カスタマイズされたデンタルトレイと非カスタムデンタルトレイの双方が含まれるか、あるいは、実質的に平らなストリップまたはパッチを含むことがある。バリア層は、実質的に固体の接着性組成物を含む既存の接着性層(例えば、デンタルトレイ、ストリップまたはパッチの形態である層)の上に噴霧もしくは塗装される、浸漬により付着される、さもなければ付着される耐湿性バリア形成材料の層のように単純であってよい。
実質的に固体の接着性組成物は、唾液または水で濡れた場合に、歯牙に対し増大する接着性に寄与するか、あるいは増大する接着性を提供する少なくとも1種の歯牙接着剤と、場合により少なくとも1種の活性剤を含む。ヒトの歯牙上に設置される場合、接着性組成物は、歯牙に確実に接着し、それによって治療用ゲルと治療されるヒトの歯牙および/または歯肉との間の確実な接触を維持する。一実施形態によれば、濡れた接着性組成物または層は、活性剤が歯科用漂白剤である場合、漂白ゲル内の漂白剤と反応し、漂白剤を不安定化する漂白剤活性化剤を放出するように製剤化されてもよい。バリア層は、接着性組成物および治療用ゲルが、ヒトの口内に見いだされる周囲の唾液または水分によりヒトの歯牙から口腔中に拡散するのを防ぐために提供されることが有利である。
一実施形態において、接着性組成物は、液体、ゲル、または乾燥粒子もしくは粉末状組成物とは対照的に、容易には動きも流れもしない1つまたは複数の粘着性領域または集塊を含むことが有利である。治療用ゲルと組み合わせた実質的に固体で粘着性の接着性組成物は、単独で使用されるゲルに比べ、ヒトの歯牙に良好に接着し、それ自身の周囲の口腔中に容易に拡散せず、ヒトの口内の唾液または水分によって希釈されることがない。このことは、バリア層と治療されているヒトの歯牙および/または歯肉との間に接着性組成物および治療用ゲルを維持するのに役立ち、周囲の口腔中への活性剤の拡散を防ぐのに役立つ。このことは、より有効な治療および良好な患者コンプライアンスを促進し、使用にあたって使用者が治療用組成物の味を知る傾向を軽減する。
接着性組成物中の歯牙接着剤は、唾液または水で濡れた場合に、歯牙に対し増大する接着性に寄与するか、あるいは増大する接着性を提供する。一実施形態において、歯牙接着剤は、接着性組成物が乾燥状態または実質的に固体の状態にある場合には実質的に非接着性のままであるが、接着性組成物が、例えば、水または唾液で濡れた場合、歯牙に対してより接着性となることが有利である。適当な歯牙接着剤の非限定的例はポリビニルピロリドン(PVP)であるが、当技術分野において知られている他の歯牙接着剤を使用することは、本発明の範囲内にある。
接着性組成物、ならびに実質的に固体の接着性組成物を作製するのに使用される中間体組成物には、要望に応じて、望ましい特性を有する最終組成物を得るための他の成分が含まれてもよい。これらには、不活性成分と活性剤が共に含まれる。不活性成分の例には、可塑剤および湿潤剤(例えば、グリセリン、ソルビトール、およびポリエチレングリコール)、揮発性溶媒(例えば、水およびアルコール)、中和剤、粘稠剤(例えば、ヒュームドシリカ)、矯味剤、甘味剤などが含まれるが、これらに限定されるものではない。
活性剤の例には、減感剤(例えば、硝酸カリウム)、鉱物成分補填剤(例えば、フッ化ナトリウムまたは他のフッ化塩)、歯科用漂白剤(例えば、水性過酸化水素、過酸化カルバミド、過ホウ酸ナトリウム、および過炭酸ナトリウム)、漂白剤安定化剤(例えば、EDTA、クエン酸、または硫酸アルキル)、漂白剤活性化剤、抗菌剤(例えば、クロルヘキシジン)、抗プラーク剤、抗歯石剤、または他の薬物が含まれる。有用な漂白剤活性化剤の例には、塩基(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、重炭酸ナトリウムおよびアミン)、金属または金属イオン化合物(例えば、鉄、亜鉛、およびマンガン金属または化合物)、酵素(例えば、カタラーゼ)が含まれる。
一実施形態によれば、治療用ゲルは、通常は液体担体または媒体内に分散されている活性剤および粘着付与剤を含む。例示的活性剤には、1種または複数の減感剤、鉱物成分補填剤、歯科用漂白剤、抗菌剤、抗プラーク剤、抗歯石剤、または他の薬物(例えば、接着性組成物または層内に含まれていてもよい活性剤)が含まれる。
例示的粘着付与剤には、PVP、カルボキシポリメチレン(例えば、Novean,Inc.により販売されているCARBOPOL)、ポリエチレンオキシド(例えば、Union Carbide製のPOLYOX)、ポリアクリル酸ポリマーまたはコポリマー(例えば、Novean,Inc.により販売されているPEMULEN)、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸とポリアクリルアミドのコポリマー、PVP−酢酸ビニルコポリマー、カルボキシメチルセルロース、カルボキシプロピルセルロース、多糖ゴム、タンパク質などが含まれる。当技術分野で知られている任意の粘着付与剤を使用することが本発明の範囲内にあることは言うまでもない。
例示的液体担体または媒体には、水、アルコール、ポリオール(例えば、グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、およびポリプロピレングリコール)などが含まれる。
一実施形態によれば、実質的に固体の接着性組成物は、後で乾燥して実質的に固体の接着性組成物を形成する流動性液体またはゲル組成物中間体をまず作成することによって作製される。これは、加熱するか、さもなければ1種または複数の揮発性溶媒を蒸発によって追い出し、実質的に固体の組成物または層を残すことによって行うことができる。乾燥プロセスは、接着性組成物中間体をバリア層と接触するように設置する前または後に行うことができる。一実施形態において、中間体組成物を成形平面上にキャストし、乾燥して取り外し、切断、スタンプ成形するか、さもなければ望ましい形状(例えば、トレイ、ストリップまたはパッチ)に成形する実質的に固体のシートを得る。その後、治療用ゲルを、接着性組成物の内面に接着または付着し、バリア層を、接着性組成物の外面に付着または接着する。治療用ゲルは、バリア層の前もしくは後、またはバリア層の非存在下で接着性組成物に付着することができる。治療用ゲルの少なくとも一部は、バリア層に隣接して直接付着することができる。
接着性組成物中に含まれる活性剤よりもむしろ、接着性組成物から分離している治療用ゲルを提供する利点は、活性剤が熱に敏感である場合は特に、活性剤の量に関してより安定に、または一貫している治療用組成物または装置を提供することである。実質的に固体の接着性組成物が得られるように水を追い出すために接着性組成物中間体を加熱することは、その中に含まれる漂白剤または他の熱感受性活性剤を不安定化し、効力を弱めることがある。通常、本発明による治療用組成物および装置の作製中に治療用ゲルは加熱されないため、熱感受性活性剤のより大きな安定性および効力を維持することができる。
漂白組成物および装置の場合、接着性組成物と分離した漂白ゲルを提供する別の利点は、接着性組成物の少なくとも一部は、唾液または水で漂白ゲルまたは接着性層の少なくとも1つが濡れると接着性組成物から拡散または浸出し、漂白ゲルを活性化する漂白剤活性化剤を含有してもよいことである。その結果、漂白が加速される。一実施形態によれば、漂白ゲルは、初めは実質的に無水であり、かつ/または使用前に接着性活性化層外への、および漂白ゲル中への漂白剤活性化剤の拡散または浸出を最小限に抑えるために接着性組成物と初めは接触しない。
さらに別の実施形態において、デンタルトレイまたはバリアストリップを、塗装するか広げることなどにより、流動性の接着性組成物中間体でコーティングし、次いで、実質的に固体の接着性組成物を形成するように加熱するか、あるいは室温で乾燥させる。次いで、治療用ゲルを、乾燥した接着性組成物の内面に付着することができる。
本発明による治療用組成物および装置のサイズおよび形状は、ヒトの上部または下部歯列弓により容易に適合するように調整することができる。サイズおよび形状は、異なったサイズまたは形状の歯列弓を有するヒトに適合するように調整することができる。治療用組成物および装置は、治療される歯牙の前面および舌側面および/または歯肉を実質的に覆うように設計されることが有利である。前面と舌側面を共に治療することは、隣接する歯牙間の隣接空間を治療する際に役立つ。治療用組成物および装置は、多種多様のサイズが異なる歯牙および歯列弓に容易に適合するように、柔軟性かつ接着性であることが有利である。
一実施形態による治療用組成物および装置は、前側壁、後側壁、および前側壁と後側壁の間のトラフを有するデンタルトレイの形状をしている。デンタルトレイの形状を有することは、組成物または装置とヒトの歯牙との間の良好な嵌合を得るのに必要な操作の量を最小限に抑えることによって、ヒトの歯牙上への治療用組成物または装置の設置を容易にする。別の実施形態において、治療用組成物および装置は、使用前には実質的に平らなストリップまたはパッチの形状をしている。それらの初めの形状にかかわらず、本発明の治療用組成物および装置は、従来の漂白ストリップに比べ、ヒトの歯牙および/または歯肉上により確実に留まるように設計される。その結果は、より効果的な治療および良好な患者コンプライアンスである。
一実施形態によれば、治療用組成物または装置は、従来のトレイと同様に馬蹄形およびU字形トラフを有する。別の実施形態において、治療用組成物または装置は、L字形プロファイルまたは「トラフ」を有する。しかし、当然のことながら、本発明による治療用組成物および装置は、任意の縦断プロファイルまたは形状を有することができる(例えば、直線状であるか、あるいは組成物または装置の一方の端から他方の端まで、任意の望ましい角度の縦断曲率を有することができる)。トラフは、任意の望ましい断面形状を有することができる(例えば、トラフは、V字形、台形、長方形、または他の幾何学的形状であってよい)。
治療用組成物または装置が歯列弓の中の様々な形状およびサイズに適合する能力を容易にするため、治療用組成物または装置には、前側壁内、好ましくは前側壁の中央に近い縁部内のノッチ、および/または後部壁内、好ましくは後部壁の中央に近い縁部内のノッチなどの機械的特徴が含まれる。ノッチは、トレイ様治療用組成物または装置を、サイズが異なる歯列弓に、より容易に適合することを可能にする。このようにして、治療用組成物または装置を、「フリーサイズ(one−size fits all」であるように設計することができる。
本発明による治療用組成物および装置は、任意の望ましい期間装着されるように設計することができる。通常、治療用ゲル内の活性剤の濃度を高めることは、必要な治療時間を軽減する。しかしながら、本発明の治療用組成物および装置とヒトの歯牙との間の極めて快適な嵌合および確実な接着により、このような組成物および装置を長期間装着し、均等かつ完全な治療を保証することが可能である。本発明による治療用組成物および装置は、例えば、会話する、眠る、食べる、飲む、微笑む、眉をひそめる、顔をしかめる、あくびをする、咳をする、喫煙する、または事実上すべての表情をする、もしくは口をゆがめる間も装着されるように設計することができる。このことは、歯牙に確実には接着しない従来の漂白ストリップ、または大きくてかさばった漂白歯科装置などの侵害的治療装置に比べ、毎日の活動への侵害を大きく減少させる。
治療用組成物または装置は、数分という短い時間、または数時間という長い時間、装着されるように設計することができる。例えば、その限りではないが、短時間の典型的治療セッションを、約10から約30分まで続けることができる。中時間の治療セッションを約30分から約2時間続けることができる。専門的治療またはヒトが眠っている間の終夜治療を含む長時間の治療セッションを約2から約12時間続けることができる。治療セッションは、望ましい程度の治療を得るために必要な回数繰り返すことができる。歯牙漂白の場合、たった1〜3回の美白セッション後に臨床的美白効果が観察されている。典型的な治療措置には、1〜20回の治療セッションが含まれることが好ましく、2〜15回の治療セッションがより好ましく、3〜10回の治療セッションが最も好ましい。
使用の都合上、複数の治療用組成物および/または装置を一緒に包装し、キットとして販売することができる。一実施形態において、各キットにより提供される治療用組成物および/または装置の数は、処方された治療措置に相当するセッション数に等しくすることができる。キット包装内の空間を効率的に利用するため、複数の治療用組成物および/または治療装置を、包装内に一緒に積み重ね、内包するか、あるいは併置することができる。治療用組成物および/または装置は、望ましい場合、まとめるか、個々に密封することができる。それらは、内部表面上に、どちらも活性剤の早期の分解(decomposition)または分解(degradation)を引き起こす可能性がある汚染または水分から接着性組成物および治療用ゲルを保護するための取り外し可能な保護層を含むことができる。
初めは別々で、最終使用者によって一緒にされるバリア層、接着性層、および治療用ゲルを提供することは、本発明の範囲内にある。接着性組成物は、乾燥した、または実質的に固体の封入物であるか、あるいはバリア層に付着され、ヒトの歯牙および/または歯肉上への接着性層に隣接する治療用ゲルの設置および完成治療用装置の設置前に乾燥される液体またはゲルであってよい。
本発明のこれらおよび他の利点および特徴は、以下の説明および添付の特許請求の範囲からより完全に明らかになるか、あるいは本明細書で後に記載される本発明を実施しながら学ぶことができる。
本発明の上記および他の利点および特徴をさらに明らかにするため、本発明のより具体的説明を、添付の図面に図示されている本発明の具体的実施形態の参照によって提供する。当然のことながら、これらの図面は、本発明の典型的実施形態を示しているに過ぎず、その範囲を限定していると見なされるべきでない。本発明を、添付の図面の使用によりさらに具体的かつ詳細に記述し説明する。
I.緒言および定義
本発明は、一般的に、ヒトの歯牙を治療するために使用される改良された治療用組成物および装置に関する。一実施形態において、本発明の治療用組成物には、水または唾液で濡れた場合、歯牙に対してより接着性になる接着性組成物および接着性組成物に隣接する治療用ゲルが含まれる。別の実施形態において、本発明の治療用装置には、耐湿性バリア層、水または唾液で濡れた場合、歯牙に対してより接着性になる接着性組成物、および接着性組成物またはバリア層のうち少なくとも1つに隣接する治療用ゲルが含まれる。治療用組成物または装置がヒトの歯牙上に設置される場合、接着性組成物は、歯牙に確実に接着し、治療用ゲルを、治療される歯牙および/または歯肉と接触したままにする。任意選択のバリア層は、ヒトの口内に見いだされる周囲の唾液または水分によりヒトの歯牙から接着性層および治療用ゲルが拡散するのを防ぐ。
本発明は、一般的に、ヒトの歯牙を治療するために使用される改良された治療用組成物および装置に関する。一実施形態において、本発明の治療用組成物には、水または唾液で濡れた場合、歯牙に対してより接着性になる接着性組成物および接着性組成物に隣接する治療用ゲルが含まれる。別の実施形態において、本発明の治療用装置には、耐湿性バリア層、水または唾液で濡れた場合、歯牙に対してより接着性になる接着性組成物、および接着性組成物またはバリア層のうち少なくとも1つに隣接する治療用ゲルが含まれる。治療用組成物または装置がヒトの歯牙上に設置される場合、接着性組成物は、歯牙に確実に接着し、治療用ゲルを、治療される歯牙および/または歯肉と接触したままにする。任意選択のバリア層は、ヒトの口内に見いだされる周囲の唾液または水分によりヒトの歯牙から接着性層および治療用ゲルが拡散するのを防ぐ。
本発明の治療用組成物および装置は、従来の歯科用漂白ストリップに比べ、歯牙に対してより接着性である。また、このような組成物および装置は、かさばった、市販の非カスタムまたはボイルアンドバイトデンタルトレイよりも侵害的でない。いくつかの点で、それらの組成物および装置は、ヒトの歯牙に対して治療用ゲルを維持する際に、カスタムフィットデンタルトレイと同様に信頼性があるか、あるいははるかに信頼性がある。場合によっては、カスタムフィットトレイと同様に快適であるか、あるいははるかに快適である。
本明細書で使用する用語「バリア層」は、治療用装置がヒトの歯牙および/または歯肉上に設置された場合に、ヒトの口内に見いだされる周囲の水分および唾液から接着性層および治療用ゲルを保護する耐湿性材料の1つまたは複数の層を指す。また、バリア層は、保存中および使用前の水分または他の汚染物質から接着性層および治療用ゲルを保護する働きをすることができる。バリア層は、接着性層の表面にかぶせられたシート、前もって成形された接着性層または治療用組成物に塗布されるコーティング、歯科用治療トレイ、またはストリップもしくはパッチを含むが、これらに限定されない任意の望ましい形態であってよい。用語「ストリップ」および「パッチ」は、本質的に同義である。
本明細書で使用する用語「接着性層」および「接着性組成物」は、実質的に固体の、粘着性かつ非流動性であるように製剤化または加工されている組成物の1つまたは複数の領域を指す。接着性組成物または層は、治療用ゲル、および場合によりバリア層に隣接する単一の連続した領域または層を含むか、あるいはバリア層に隣接し、ランダムな、または所定の間隔によって隔てられている複数の不連続な領域または層を含むことができる。
本明細書で使用する用語「実質的に固体の」は、固体また半固体状態にある接着性組成物または層を指す。一態様において、「実質的に固体の」接着性組成物または層は、重力をかけられた場合に容易には流れも分離もせず、シリンジの出口または他の類似したサイズの開口もしくは開口部を通して容易に絞り出すことができない粘着性の集塊として特徴付けることができる。したがって、用語「実質的に固体の」は、重力をかけられた場合に流れることができ、かつ/またはシリンジの出口または他の類似したサイズの開口もしくは開口部を通して容易に絞り出すことができる流れやすい接着性液剤、粘稠な接着性液剤、さらには高粘度の接着性ゲル剤を除外する。用語「実質的に固体の」が、接着性組成物または層の文脈で使用される場合、乾燥粒子接着性組成物または散剤を除外するのは、乾燥粒子剤および散剤が、重力をかけられた場合に容易に流れ、かつ/または容易に分離する(すなわち、粒子は、総じて内部粘着力をほとんど、またはまったく有しない)からである。さらに、散剤または粒子剤は、全体として見ると、粘着性でなく、かつ固体でない。
「実質的に固体の」接着性組成物または層の1つの特徴は、それらの露出面が、例えば、唾液または水で濡れた場合に、それらがより接着性になることである。濡れた場合、接着性組成物または層の表面は、濡れたことのない実質的に固体の接着性組成物または層に比べ、歯牙により強く接着することができる粘着性材料に変わる。表面の接着性組成物は、「実質的に固体の」接着性成物または層の表面に付着する水分量に応じて、少なくとも一時的に粘稠な液体、ペーストまたはゲルになることがある。しかしながら、濡れた表面の粘度は、初期給湿の程度に応じて「実質に固体の」ままであるか、あるいは、初期の表面水分量が、時間とともに「実質的に固体の」接着性組成物または層の残りの部分に拡散するにつれて(例えば、接着性層または組成物が、耐湿性バリア層によってヒトの口内における唾液および周囲の水分から保護される漂白手順中に)硬化し、「実質的に固体の」状態に戻ることさえある。一実施形態において、漂白剤活性化剤は、唾液による給湿の前には接着性組成物または層の固体マトリクス内に固定または保持されるが、唾液または水で濡れた場合には、浸出、拡散するか、さもなければ漂白ゲルとの接触、混合または反応に供され、漂白剤を活性化して漂白を加速する。
本明細書で使用する用語「治療用ゲル」は、流動性であるように製剤化または加工された治療用組成物を指す(例えば、シリンジの開口部または当技術分野で知られている他の分注手段から絞り出すことができる)。しかしながら、本発明による治療用ゲルは、治療用ゲルが設置される接着性層から流れ出さないよう十分に高粘度であるか、あるいは粘稠であることが好ましい。一実施形態において、治療用ゲルは、ゴム状であるか、あるいは極めて粘稠である。治療用ゲルが、乾燥接着性組成物または層の隣に設置される場合、2つの異なる組成物は、平衡に達する傾向があり、治療用ゲルの液体担体の一部が接着性層中に拡散し、治療用ゲルの粘度および剛性をさらに増加させる。治療用ゲルは、接着性組成物または層に隣接する単一の連続したビーズまたは層を含むか、あるいはランダムな、または所定の間隔によって隔てられている複数の不連続な領域または層を含むことができる。場合によって、治療用ゲルの少なくとも一部は、バリア層に直接(例えば、接着性活性化組成物または層の1つまたは複数の不連続性により)接触することがある。
本明細書で使用する用語「デンタルトレイ」は、ヒトの歯列弓の少なくとも一部の上への組成物または装置の設置を容易にするように、トレイ様形状を有する任意の組成物または装置を指す。「デンタルトレイ」または「トレイ様」組成物または装置には、使用にあたってヒトの歯牙の前面とかみあうように形状が決められた前側壁、1種または複数の異なる角度によって急激に、または曲線状の移行部分によって緩やかに前側壁から横方向に延び、ヒトの歯牙の舌側面とかみあうように形状が決められた後側壁、および前記前側壁と後側壁の間のトラフが含まれる。「デンタルトレイ」は、使用にあたって、前側壁、後側壁、またはそれらの移行部分(例えば、底壁)の一部が、ヒトの歯牙の切縁または咬合縁とかみあうように形状を決めることができる。デンタルトレイは、縦断的側面において曲線状または直線状であってよい。
本明細書で使用する用語「トラフ」は、前側壁、後側壁、および前側壁の上縁および後側壁の上縁から延びる平面または仮想的曲線状ドームによって少なくとも部分的に結合している領域を指す。したがって、「トラフ」は、理論的に、前側壁および後側壁が、それらの間に空間を有し、180°未満の角度によって横方向にオフセットされていればいつでも存在する。実際、前側壁および後側壁は、好ましくは約150°未満、より好ましくは約120°未満、最も好ましくは約90°未満である角度によってオフセットされているであろう。
前側壁および後側壁が、移行部分(U字形または長方形断面を有するトラフ)によって結合している場合、前側壁および後側壁の少なくとも一部は、実質的に平行であってよく(すなわち、約0°の角度によってオフセットされている)または非常に小さい角度によってオフセットされていてもよい。V字形または台形断面を有するトラフの場合、前側壁および後側壁の少なくとも一部は、鋭角によって(すなわち、0〜90°の角度によって)オフセットされていてもよい。L字形断面を有するトラフの場合、前側壁および後側壁の少なくとも一部は、約90°近辺に集中する角度によって(例えば、約70°から約110°の範囲の角度によって)オフセットされているであろう。したがって、L字形断面を有するトラフは、V字形断面を有するトラフのサブセットまたはわずかな変形形態であってよい。
本明細書で使用する用語「縦断の」、「縦断的側面」および「縦断プロファイル」は、デンタルトレイまたは治療用装置を指すのに使用される場合、トレイまたは装置の長さ方向の側面を指す。トレイまたは装置は、「縦断的側面」において直線状であるか、あるいは、ヒトの歯列弓の曲率に近づけるか、あるいは歯列弓上へのトレイまたは装置の設置を少なくとも容易にするように馬蹄形であるか、さもなければ縦断的側面において「縦断的に曲線状」であってよい。
本明細書で使用する用語「成形治療用組成物」、「成形治療用装置」および「成形接着性組成物」は、組成物の少なくとも一部が、実質的に固体の、粘着性かつ非流動性であるように製剤化または加工されている組成物を指す。接着性層、治療用組成物、または治療用装置の「形状」は、バリア層および/または接着性層の形状および相対的剛性によって一次的に決定される。通常、治療用ゲルは、治療用組成物および装置の「形状」を決定することも「形状」に寄与することもないが、接着性層および/またはバリア層の形状に適合する。
用語「ストリップ」および「パッチ」は、互換的に使用され、この用語が当技術分野において理解されているように、実質的に平らであるか、あるいはわずかな曲率または屈曲を有するが「デンタルトレイ」を構成しない任意の治療用組成物または装置を指すものとする。バリア層の有無にかかわらず、「ストリップ」または「パッチ」には、使用にあたってヒトの歯牙および/または歯肉の前面および/または裏面とかみあうように形状が決められた内部表面または領域、および通常はヒトの歯牙および/または歯肉から離れた位置にある外部表面が含まれる。「ストリップ」または「パッチ」は、使用にあたって、内部表面の一部がヒトの歯牙の切縁または咬合縁とかみあうように形状を決めることができる。「ストリップ」または「パッチ」は、望ましいように使用者の歯牙および/または歯肉上に適合するように、長さ方向および幅方向のうち一方または双方において曲線状または直線状であってよい。
本明細書で使用する用語「分子量」は、特別の定めのない限り、ダルトンで表される数平均分子を指す。
II.治療用組成物および装置
本発明による治療用組成物は、単独か、あるいは治療用装置の一部としてのバリア層と組み合わせて存在することができる。本発明による治療用組成物には、例えば、唾液または水によって濡れた場合に歯牙に対してより粘着性になる接着性層および接着性層の内面に隣接する治療用ゲルが含まれる。接着性層の外面に隣接する耐湿性バリア層は、使用中にヒトの口内の周囲水分から接着性層および治療用ゲルを保護する。以下は、本発明によるバリア層、接着性層、および治療用ゲル、ならびにそれらから作製される治療用組成物または装置の特性の好ましい例である。
本発明による治療用組成物は、単独か、あるいは治療用装置の一部としてのバリア層と組み合わせて存在することができる。本発明による治療用組成物には、例えば、唾液または水によって濡れた場合に歯牙に対してより粘着性になる接着性層および接着性層の内面に隣接する治療用ゲルが含まれる。接着性層の外面に隣接する耐湿性バリア層は、使用中にヒトの口内の周囲水分から接着性層および治療用ゲルを保護する。以下は、本発明によるバリア層、接着性層、および治療用ゲル、ならびにそれらから作製される治療用組成物または装置の特性の好ましい例である。
A.バリア層
本発明の一実施形態によれば、バリア層は、耐湿性ポリマー材料から成形される薄い柔軟性の膜を含む。一実施形態において、バリア層は、ワックス、金属箔、パラフィン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)、エチレン−ビニルアルコールコポリマー(EVAL)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリウレタン、またはポリエステルアミドなどのポリオレフィンまたは類似の耐湿性材料の薄い柔軟性の層を含む。このような材料は、大きくて平らな柔軟性のシートの形態で提供され、これに接着性組成物または層が付着される。あるいは、このようなシートを、実質的に固体の接着性層および治療用ゲルを含む既存の接着性組成物または治療用組成物に付着または接着することができる。
本発明の一実施形態によれば、バリア層は、耐湿性ポリマー材料から成形される薄い柔軟性の膜を含む。一実施形態において、バリア層は、ワックス、金属箔、パラフィン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)、エチレン−ビニルアルコールコポリマー(EVAL)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリウレタン、またはポリエステルアミドなどのポリオレフィンまたは類似の耐湿性材料の薄い柔軟性の層を含む。このような材料は、大きくて平らな柔軟性のシートの形態で提供され、これに接着性組成物または層が付着される。あるいは、このようなシートを、実質的に固体の接着性層および治療用ゲルを含む既存の接着性組成物または治療用組成物に付着または接着することができる。
上述のことがらにもかかわらず、バリア層が接着性組成物または層および治療用ゲルに対して少なくともいくらかの耐湿性を提供する限りは、任意の望ましい材料、厚さまたは剛性を有するバリア層を提供することは、本発明の範囲内にある。バリア層は、例としてカスタマイズされたデンタルトレイと非カスタムデンタルトレイの双方が含まれる従来のデンタルトレイを含み、または初めはストリップまたはパッチであるか、あるいは他の構造を有することがある。バリア層は、既存の成形された接着性または治療用組成物(例えば、デンタルトレイの形態であるか、さもなければ望ましい形状を有する組成物)の上に噴霧もしくは塗装される、浸漬により付着されるか、さもなければ付着される耐湿性材料の層のように単純であってよい。
バリア層を作製する際に使用するのに適しているポリオレフィンの例には、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(ULDPE)、ポリプロピレン(PP)、およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(例えば、TEFLON)が含まれるが、これらに限定されるものではない。バリア層を作製する際に使用するのに適しているポリエステルの例には、ポリエチレンテレフタレート(PET)が含まれるが、これらに限定されるものではなく、その例は、MYLARであり、DuPontによって販売されている。適当なポリウレタンバリア材料の例は、Greenfield、MassachusettsにあるArgoTech製のポリウレタンフィルムである。バリア層を形成するのに使用される上記ポリマーのいずれかの特性を改良したい場合には、当技術分野において知られている可塑剤、流動添加剤、および充填剤を使用することができる。
一実施形態によれば、バリア層は、エチレン−酢酸ビニル(EVA)と、場合により他のポリマーおよび/または少量の可塑剤などの添加剤を含むバランスで、好ましくは約5%〜約35%のPP、より好ましくは約10%〜約30%のPP、特に好ましくは約15%〜約25%のPP、最も好ましくは約20%のPPを含むエチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)とポリプロピレン(PP)の混合物で形成される。
接着性層または治療用組成物にシートまたはトレイ様バリア層を接着させることなどにより、前もって形成された接着性層または治療用組成物の表面上に形成されるバリア層を利用することも本発明の範囲内にある。あるいは、後で除去される1種または複数の溶媒に溶かされたバリア材料(例えば、セルロースエーテル、酢酸セルロース、ワックス、プラスチック、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、またはシェラック)を含有するラッカー、化学重合型もしくは光重合型材料(例えば、メタクリル酸またはアクリル酸樹脂)、または熱可塑性融液(例えば、任意の熱可塑性樹脂)などのバリア層自体が、初めは流動性であり、後で硬化されてもよい。バリア層を形成するのに使用することができる有用なセルロースエーテルの例には、エチルセルロース、プロピルセルロース、イソプロピルセルロース、ブチルセルロース、t−ブチルセルロースなどが含まれるが、これらに限定されるものではない。
B.接着性組成物および層
調製中または使用中に濡れる前に、本発明による治療用組成物および装置内の接着性組成物および層は、液体、流動性のゲル、または乾燥粉末もしくは粒子とは対照的に、実質的に固体でかつ粘着性の接着性組成物を含むことが好ましい。接着性組成物または層は、単一の粘着性集塊または領域を含むか、あるいは複数の粘着性集塊または領域を含むことができる。実質的に固体でかつ粘着性の接着性組成物または層を提供することは、カスタマイズされたデンタルトレイまたはカスタマイズされていないデンタルトレイ中に接着性層なしにロードされるか、あるいは接着性層なしにプラスチックの柔軟性ストリップを用いて付着される治療用ゲルに比べ、周囲の口腔中に拡散するのではなく、治療されている歯牙および/または歯肉に対して治療用ゲルをより良く維持する。このことは、例えば、周囲の口腔組織に対する刺激および/または治療用組成物に通常伴う悪い味の少なくとも一部を軽減することにより、歯牙および/または歯肉のより良い治療および患者コンプライアンスを促進する。
調製中または使用中に濡れる前に、本発明による治療用組成物および装置内の接着性組成物および層は、液体、流動性のゲル、または乾燥粉末もしくは粒子とは対照的に、実質的に固体でかつ粘着性の接着性組成物を含むことが好ましい。接着性組成物または層は、単一の粘着性集塊または領域を含むか、あるいは複数の粘着性集塊または領域を含むことができる。実質的に固体でかつ粘着性の接着性組成物または層を提供することは、カスタマイズされたデンタルトレイまたはカスタマイズされていないデンタルトレイ中に接着性層なしにロードされるか、あるいは接着性層なしにプラスチックの柔軟性ストリップを用いて付着される治療用ゲルに比べ、周囲の口腔中に拡散するのではなく、治療されている歯牙および/または歯肉に対して治療用ゲルをより良く維持する。このことは、例えば、周囲の口腔組織に対する刺激および/または治療用組成物に通常伴う悪い味の少なくとも一部を軽減することにより、歯牙および/または歯肉のより良い治療および患者コンプライアンスを促進する。
実質的に固体の接着性組成物には、少なくとも1種の歯牙接着剤と、場合により、1種または複数の不活性成分または活性剤が含まれる。一実施形態によれば、接着性組成物の少なくとも一部には、漂白剤活性化剤が含まれてもよい。漂白剤活性化剤および任意の任意選択活性剤は、歯牙接着剤を含む実質的に固体のマトリクス内に分散することができる。あるいは、液体または溶液の形態である活性剤は、治療用ゲルを付着する前または後に、接着性組成物の露出表面に広げる、噴霧するか、さもなければ付着することができる。
一実施形態によれば、接着性組成物には、複数の層または領域が含まれてもよく、一方の層または領域は、漂白剤活性化剤を含み、他方の層または領域は、接着性組成物に接触している漂白ゲルを漂白剤活性化剤から遮蔽するために漂白剤活性化剤を省く。別の実施形態において、接着性組成物には、使用前または使用中の水または唾液による接着性組成物および/または漂白ゲルの給湿前の漂白剤活性化剤と漂白ゲル間の相互作用を防ぐ非接着性または余り接着性のない水溶性表面コーティング(例えば、キャンディーシェル(candy shell))が含まれてもよい。
一実施形態によれば、接着性組成物には、漂白剤活性化剤と漂白剤安定化剤の双方が含まれ、水または唾液による接着性組成物および/または漂白ゲルの給湿前には漂白剤安定化剤の効果が優位を占めるように製剤化される。その後、水または唾液による接着性組成物および/または漂白ゲルの給湿は、漂白剤活性化剤の効果に優位を占めさせる。過酸化物漂白剤を活性化することを含む多くの化学反応は、閾値の活性化エネルギー必要量を有する。漂白剤安定化剤は、水または唾液による接着性組成物および/または漂白ゲルの給湿前に漂白剤の活性化を妨害または阻害するのに過不足はないが、給湿が起きた後に活性化を妨害または阻害するほどではない活性化エネルギー必要量を上昇させる役割を果たすことができる。この注意深いバランスは、様々な濃度の漂白剤活性化剤および漂白剤安定化剤を有する接着性組成物を試験することによって決定および最適化することができる。あるいは、接着性組成物の内部(例えば、内部の接着性層)に漂白剤活性化剤を濃縮することができ、かつ/または保護接着性組成物(例えば、それ自体または外部接着性層内のコーティングとして)の表面で漂白剤安定化剤を濃縮することができる。
以下は、接着性組成物中に含まれていてもよい好ましい歯牙接着剤、ならびに例示的不活性成分および活性剤である。
1.歯牙接着剤
歯牙接着剤は、接着性組成物または層が、実質的に固体である場合、実質的に非接着性であるか、あるいは余り接着性ではないが、接着性組成物または層が、例えば、水または唾液で濡れた場合、歯牙に対してより接着性になる任意の知られている粘着付与剤を含むことができる。現時点で好ましい歯牙接着剤は、ポリビニルピロリドン(PVP)である。PVPポリマーは、PE、PET、ポリウレタン、およびパラフィンでできているポリマーバリア層に優れた接着性を提供し、接着性組成物が指触乾燥状態である場合には実質的に非接着性であり、実質的に固体の接着性組成物の表面が唾液または水で濡れた場合には歯牙に対して優れた接着性を有することが判明した。
歯牙接着剤は、接着性組成物または層が、実質的に固体である場合、実質的に非接着性であるか、あるいは余り接着性ではないが、接着性組成物または層が、例えば、水または唾液で濡れた場合、歯牙に対してより接着性になる任意の知られている粘着付与剤を含むことができる。現時点で好ましい歯牙接着剤は、ポリビニルピロリドン(PVP)である。PVPポリマーは、PE、PET、ポリウレタン、およびパラフィンでできているポリマーバリア層に優れた接着性を提供し、接着性組成物が指触乾燥状態である場合には実質的に非接着性であり、実質的に固体の接着性組成物の表面が唾液または水で濡れた場合には歯牙に対して優れた接着性を有することが判明した。
本発明による接着性組成物および層を製剤化する際に使用されてきたポリビニルピロリドンポリマーの非限定的例には、50,000の分子量を有するBASFにより販売されているポリビニルピロリドンポリマーのKollidon 30、60,000の分子量を有するポリビニルピロリドンポリマーのKollidon VA 60、1,300,000の分子量を有するポリビニルピロリドンポリマーのKollidon 90Fが含まれる。広く変化する分子量を有するPVPポリマーは、同じような接着性および湿潤特性を提供することが判明しているため、任意の分子量のPVPポリマー、少なくとも50,000と1,300,000の間の分子量を有するPVPポリマーは、本発明による実質的に固体の接着性組成物または層を製剤化する際に有用であろうと考えられる。
本発明の範囲内で、PVPの他に、またはPVPの代わりに使用することができる他の歯牙接着剤には、カルボキシポリメチレン(例えば、Novean,Inc.により販売されているCARBOPOL)、ポリエチレンオキシド(例えば、Union Carbide製のPOLYOX)、ポリアクリル酸ポリマーまたはコポリマー(例えば、Novean,Inc.により販売されているPEMULEN)、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸とポリアクリルアミドのコポリマー、PVP−酢酸ビニルコポリマー、カルボキシメチルセルロース、カルボキシプロピルセルロース、多糖ゴム、タンパク質などが含まれるが、これらに限定されるものではない。
ポリエチレンオキシドポリマーは、余り好ましくない歯牙接着剤を含むが、1,000,000の分子量を有するポリエチレンオキシドポリマーは、100,000の分子量を有するポリエチレンオキシドポリマーに比べ、MYLARなどのバリア層に対するより良い接着性を提供することが判明している。
1種または複数の歯牙接着剤は、実質的に固体の接着性組成物(すべての結合している水または他の溶媒を除いて)の約10重量%から約90重量%の範囲の量で含まれることが好ましく、実質的に固体の接着性組成物の約20重量%から約80重量%の範囲であることがより好ましく、実質的に固体の接着性組成物の約40重量%から約75重量%の範囲であることが最も好ましい。
2.不活性成分
接着性組成物および層には、望ましい場合、望ましい特性を有する最終組成物または層を得るため、歯牙接着剤に加え、不活性成分を含むことができる。「不活性」成分の例には、可塑剤および湿潤剤(例えば、グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、およびポリプロピレングリコール)、揮発性溶媒(例えば、水およびエタノールなどのアルコール)、安定化剤(例えば、EDTA、EDTAの塩、クエン酸およびその塩、リン酸およびその塩、フェノールホスホン酸およびその塩、グルコン酸およびその塩、アルカリ金属ピロリン酸塩、アルカリ金属ピロリン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩、スズ酸ナトリウムなどのスズの塩、および酒石酸塩)、中和剤(例えば、水酸化ナトリウムおよびトリエタノールアミン)、抗酸化剤(例えば、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、他のビタミン、クロロフィルおよびカロテン)、口腔清涼化剤(例えば、カンファーおよびウィンターグリーン)、粘稠剤(例えば、ヒュームドシリカ)、矯味剤、甘味剤などが含まれるが、これらに限定されるものではない。
接着性組成物および層には、望ましい場合、望ましい特性を有する最終組成物または層を得るため、歯牙接着剤に加え、不活性成分を含むことができる。「不活性」成分の例には、可塑剤および湿潤剤(例えば、グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、およびポリプロピレングリコール)、揮発性溶媒(例えば、水およびエタノールなどのアルコール)、安定化剤(例えば、EDTA、EDTAの塩、クエン酸およびその塩、リン酸およびその塩、フェノールホスホン酸およびその塩、グルコン酸およびその塩、アルカリ金属ピロリン酸塩、アルカリ金属ピロリン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩、スズ酸ナトリウムなどのスズの塩、および酒石酸塩)、中和剤(例えば、水酸化ナトリウムおよびトリエタノールアミン)、抗酸化剤(例えば、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、他のビタミン、クロロフィルおよびカロテン)、口腔清涼化剤(例えば、カンファーおよびウィンターグリーン)、粘稠剤(例えば、ヒュームドシリカ)、矯味剤、甘味剤などが含まれるが、これらに限定されるものではない。
本発明による接着性組成物または層を製造する場合の溶媒として水を使用し、次いで、蒸発によって追い出して実質的に固体の接着性組成物を得る場合、有意な量の水が、歯牙接着剤、任意の不活性成分(例えば、湿潤剤として添加されるポリオール、安定化剤、中和剤、および/または粘稠剤)、および任意の親水性活性剤(例えば、漂白剤、減感剤または他の活性剤)を含む接着性組成物中の親水性成分と結合または会合したままであることが想定される。残留水の量を測定したことはないが、初めは流動性の接着性組成物中間体を十分に乾燥して実質的に固体の接着性組成物または層を得た後には、初めに添加された水の約10%が残っていると考えられる。
3.活性剤
歯科および口腔技術分野において知られている多種多様な活性剤を、接着性組成物または層内に含めることができる。例には、漂白剤(例えば、過酸化水素または過酸化カルバミドもしくは過ホウ酸ナトリウムなどの過酸化水素の固体錯体もしくは類似体)、減感剤(例えば、硝酸カリウム)、鉱物成分補填剤(例えば、フッ化ナトリウムまたは他のフッ化塩)、抗菌剤(例えば、クロルヘキシジン、トロクロサン(troclosan)、およびテトラサイクリン)、抗プラーク剤、抗歯石剤、他の薬物、および漂白剤安定化剤(例えば、金属、金属塩、および塩基)が含まれる。
歯科および口腔技術分野において知られている多種多様な活性剤を、接着性組成物または層内に含めることができる。例には、漂白剤(例えば、過酸化水素または過酸化カルバミドもしくは過ホウ酸ナトリウムなどの過酸化水素の固体錯体もしくは類似体)、減感剤(例えば、硝酸カリウム)、鉱物成分補填剤(例えば、フッ化ナトリウムまたは他のフッ化塩)、抗菌剤(例えば、クロルヘキシジン、トロクロサン(troclosan)、およびテトラサイクリン)、抗プラーク剤、抗歯石剤、他の薬物、および漂白剤安定化剤(例えば、金属、金属塩、および塩基)が含まれる。
1種または複数の活性剤が含まれる実質的に固体の接着性組成物および層の例が開示されている(例えば、2003年5月27日に出願した特許文献1、2003年5月27日に出願した特許文献2、2003年8月8日に出願した特許文献3、2003年8月22日に出願した特許文献4、および2003年8月22日に出願した特許文献5を参照)。
実質的に固体の接着性組成物中に1種または複数の漂白剤が含まれている場合、それらは、実質的に固体の接着性組成物の約5重量%から約80重量%の範囲の量で含まれていることが好ましく、実質的に固体の接着性組成物の約10重量%から約60重量%の範囲であることがより好ましく、実質的に固体の接着性組成物の約20重量%から約50重量%の範囲であることが最も好ましい。
実質的に固体の接着性組成物中に減感剤として硝酸カリウムが含まれている場合、硝酸カリウムは、実質的に固体の接着性組成物の約0.01重量%から約50重量%の範囲の量で含まれていることが好ましく、実質的に固体の接着性組成物の約0.1重量%から約25重量%の範囲であることがより好ましく、実質的に固体の接着性組成物の約0.5重量%から約10重量%の範囲であることが最も好ましい。
歯科用漂白剤と組み合わせて含まれている場合、硝酸カリウムは、実質的に固体の接着性組成物の約0.01重量%から約2重量%の範囲の量で含まれていることが好ましく、実質的に固体の接着性組成物の約0.05重量%から約1重量%の範囲であることがより好ましく、実質的に固体の接着性組成物の約0.5重量%の量であることが最も好ましい。これらの量で硝酸カリウムを含めることは、歯牙美白化を亢進するように見える歯科用漂白剤との相乗効果を生み出すことが判明した。また、硝酸カリウムは、漂白剤と一緒に使用される場合、最高レベルの歯牙減感作用を提供する。
歯周病を治療するためには、グルコン酸クロルヘキシジンが好ましい薬物であり、実質的に固体の接着性組成物の約0.01から約50重量%の範囲の量で含まれることが好ましく、実質的に固体の接着性組成物の約0.05重量%から約25重量%の範囲であることがより好ましく、実質的に固体の接着性組成物の約0.1重量%から約10重量%の範囲であることが最も好ましい。同一濃度範囲で他の抗菌剤または薬物が含まれていてもよい。
接着性組成物および層は、治療用ゲルに歯科用漂白剤が含まれる場合、漂白を加速するために歯科用漂白剤を不安定化することができる漂白剤活性化剤を含むことができる。過酸化物が不安定化された場合、過酸化物は、より急速に酸素ラジカルを放出し、それが歯牙漂白を引き起こす。漂白剤活性化剤は、使用前には実質的に固体の接着性組成物中に保持される(例えば、実質的に固体のマトリクス内に固定される)が、唾液または水による歯科用漂白剤および/または接着性組成物の給湿で拡散、浸出するか、さもなければ漂白ゲルと接触、混合または反応する。一実施形態において、漂白ゲルは、使用前に漂白ゲル中への漂白剤活性化剤の拡散または浸出を防ぐため、初めは実質的に無水であり、かつ/または初めは接着性組成物に触れない。
ある種類の漂白剤活性化剤には、塩基(すなわち、水系においてpHを上げる物質)が含まれる。漂白剤を不安定化し、それによって漂白を加速することができる有用な塩基の例には、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、および重炭酸塩ならびにアミンが含まれる。非限定的例には、酸化ナトリウム、水酸化ナトリウム、酸化カリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化マグネシウム、三塩基性リン酸ナトリウム、およびエタノールアミンが含まれる。漂白剤活性化剤として使用される場合、塩基は、接着性組成物の約0.1から約20重量%の範囲の量で含まれることが好ましく、約1重量%から約10重量%の範囲であることがより好ましく、約7重量%であることが最も好ましい。
別の種類の漂白剤活性化剤には、金属および金属化合物が含まれる。金属および金属化合物の例には、遷移金属(例えば、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、マンガン、クロムなどの粉末または微粒子)または金属化合物(例えば、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、マンガン、クロムなどのハロゲン化物または硫酸塩)が含まれる。より具体的な例には、鉄およびマンガン金属、塩化マンガン、クエン酸マンガン、硫酸第一鉄、および硫酸マンガンが含まれる。
別の種類の漂白剤活性化剤には、酵素、特に、鉄などの遷移金属を含有する有機金属酵素が含まれる。一例は、Banerjee他による特許文献6においてより詳細に記載されている「カタラーゼ」である。金属、金属化合物、および有機金属酵素は、漂白剤活性化剤として使用される場合、接着性組成物の約0.01から約20重量%の範囲の量で含まれることが好ましく、約0.05重量%から約10重量%の範囲であることがより好ましく、約0.1重量%から約5重量%の範囲であることが最も好ましい。
C.治療用ゲル
本発明による治療用組成物および装置には、当技術分野で知られている任意の治療用ゲルが含まれてもよい。治療用ゲルは、ヒトの歯牙前面、歯牙裏面、または双方を覆うように配置された連続した層またはビーズを含むか、あるいは空間によって分離されたゲルの別々のビーズ、層または島を含むことができる。好ましい治療用ゲルは、使用中にヒトの歯牙に対して治療用組成物または装置を保持する際に接着性層の助けとなるように、実質的に粘稠かつ粘着性である治療用ゲルである。一実施形態において、本発明による治療用ゲルは、少なくとも1種の活性剤、および本明細書に記載の実質的に固体の接着性組成物または層を製造するのに使用される接着性組成物中間体のいずれかを含むことができる。
本発明による治療用組成物および装置には、当技術分野で知られている任意の治療用ゲルが含まれてもよい。治療用ゲルは、ヒトの歯牙前面、歯牙裏面、または双方を覆うように配置された連続した層またはビーズを含むか、あるいは空間によって分離されたゲルの別々のビーズ、層または島を含むことができる。好ましい治療用ゲルは、使用中にヒトの歯牙に対して治療用組成物または装置を保持する際に接着性層の助けとなるように、実質的に粘稠かつ粘着性である治療用ゲルである。一実施形態において、本発明による治療用ゲルは、少なくとも1種の活性剤、および本明細書に記載の実質的に固体の接着性組成物または層を製造するのに使用される接着性組成物中間体のいずれかを含むことができる。
本発明による治療用組成物および装置を製造するのに使用することができる例示的歯科治療用ゲル、およびそのようなゲルを作製する方法が開示されている(例えば、特許文献7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、および19を参照)。歯科治療用ゲル、およびそのようなゲルを作製する方法を開示する目的のため、上記の特許を参照により本明細書に組み込む。
通常、治療用ゲルには、少なくとも1種の活性剤、少なくとも1種の粘着付与剤、ならびに活性剤および粘着付与剤が分散される液体またはゲルの担体または媒体が含まれる。接着性層から分離している治療用ゲルを提供する利点は、少なくとも活性剤が熱に敏感である場合は、活性剤の量に関してより安定に、または一貫している治療用組成物または装置を提供することである。実質的に固体の接着性組成物が得られるように水を追い出すために接着性組成物中間体を加熱することは、熱に敏感である活性剤を不安定化または分解し、その効力を弱めることがある。通常、本発明による治療用組成物および装置の製造中に治療用ゲルは加熱されないため、活性剤のより大きな安定性および効力を得ることができる。
漂白組成物または装置の一実施形態によれば、漂白ゲルは、漂白ゲル中への接着性組成物または層からの漂白剤活性化剤の拡散または浸出を防止、抑制または最小限に抑えるために初めは実質的に無水である。別の実施形態において、漂白装置は、漂白ゲルが接着性組成物ではなくバリア層に直接接着し、それによって漂白ゲルの早すぎる活性化を防止または抑制するように製造される。
以下は、好ましい活性剤、粘着付与剤、および担体または媒体である。
1.活性剤
一実施形態において、活性剤は、少なくとも1種の歯科用漂白剤を含む。歯牙を漂白することが知られており、経口使用に安全であることが判明している一般的な歯科用漂白剤は、過酸化水素である。しかしながら、過酸化水素自体は、自然に遊離して存在せず、水溶液として、または錯体として存在するに過ぎない。水性過酸化水素は、無水の漂白ゲルが要求されない限りにおいて、許容できる歯科用漂白剤である。錯体形成した過酸化水素の非限定的例には、過酸化カルバミドおよび金属過ホウ酸塩が含まれる。歯牙を漂白するのに使用することができる他の漂白剤には、金属過炭酸塩、過酸化物、亜塩素酸塩、および次亜塩素酸塩、ペルオキシ酸、およびペルオキシ酸塩が含まれるが、これらに限定されるものではない。
一実施形態において、活性剤は、少なくとも1種の歯科用漂白剤を含む。歯牙を漂白することが知られており、経口使用に安全であることが判明している一般的な歯科用漂白剤は、過酸化水素である。しかしながら、過酸化水素自体は、自然に遊離して存在せず、水溶液として、または錯体として存在するに過ぎない。水性過酸化水素は、無水の漂白ゲルが要求されない限りにおいて、許容できる歯科用漂白剤である。錯体形成した過酸化水素の非限定的例には、過酸化カルバミドおよび金属過ホウ酸塩が含まれる。歯牙を漂白するのに使用することができる他の漂白剤には、金属過炭酸塩、過酸化物、亜塩素酸塩、および次亜塩素酸塩、ペルオキシ酸、およびペルオキシ酸塩が含まれるが、これらに限定されるものではない。
本発明による歯科用漂白ゲル内の漂白剤は、任意の望ましい濃度、例えば、歯科用漂白ゲルの1〜90重量%を有することができる。歯科用漂白剤の濃度は、各漂白セッションを目的とする治療時間に応じて調整することができる。通常、治療時間が短ければ短いほど、より短い時間で漂白が行われるように歯科漂白を加速するためにより多くの漂白剤が添加されることになる。
歯牙を漂白するために使用される治療用ゲルの場合、1種または複数の漂白剤は、治療用ゲルの約1重量%から約60重量%の範囲の量で含まれることが好ましく、治療用ゲルの約3重量%から約40重量%の範囲であることがより好ましく、治療用ゲルの約5重量%から約30重量%の範囲であることが最も好ましい。
歯科用漂白剤の代わりに、または歯科用漂白剤の他に、本発明による治療用ゲルには、望ましい特性を有する治療用ゲルを得たい場合に、1種または複数の他の活性剤が含まれてもよい。他の活性剤の例には、減感剤(例えば、硝酸カリウム、他のカリウム塩、クエン酸、クエン酸塩、およびフッ化ナトリウム)、抗菌剤、鉱物成分補填剤、抗プラーク剤、抗歯石剤、および当技術分野で知られている他の薬物が含まれる。
歯肉炎、歯周病、プラークもしくは他の口腔細菌感染または病気を治療するのに使用することができる例示的抗菌剤には、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化セチルピリジニウム、フェノール、ミノサイクリン、テトラサイクリン、ドキシサイクリン、ペニシリン、クリンダマイシン、シプロフロキサシン、メトロニダゾール、およびトリクロサンが含まれるが、これらに限定されるものではない。齲蝕を予防することができる例示的鉱物成分補填剤には、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化スズ、他のフッ化塩、およびリン酸カルシウムが含まれるが、これらに限定されるものではない。例示的抗歯石剤には、ピロリン酸塩、ポリピロリン酸塩、ポリビニルメチルエーテルリンゴ酸、ヘキサメタリン酸ナトリウム、アルカリ金属リン酸塩、乳酸カルシウム、およびトリクロサンが含まれるが、これらに限定されるものではない。例示的抗結石または抗プラーク剤には、硫酸8−ヒドロキシキノリン、二クエン酸(dicitrate)環状エステル、およびクエン酸亜鉛が含まれるが、これらに限定されるものではない。
硝酸カリウムが、治療用ゲル内に減感剤として含まれている場合、硝酸カリウムは、治療用ゲルの約0.01重量%から約50重量%の範囲の量で含まれていることが好ましく、治療用ゲルの約0.1重量%から約25重量%の範囲であることがより好ましく、治療用ゲルの約0.5重量%から約10重量%の範囲であることが最も好ましい。
硝酸カリウムが、歯科用漂白剤と組み合わせて含まれている場合、硝酸カリウムは、治療用ゲルの約0.01重量%から約2重量%の範囲の量で含まれていることが好ましく、治療用ゲルの約0.05重量%から約1重量%の範囲であることがより好ましく、治療用ゲルの約0.5重量%の量であることが最も好ましい。これらの量で硝酸カリウムを含めることは、歯牙美白化を亢進するように見える歯科用漂白剤との相乗効果を生み出すことが判明した。また、硝酸カリウムは、漂白剤と一緒に使用される場合、最高レベルの歯牙減感作用を提供する。
歯周病を治療する場合には、グルコン酸クロルヘキシジンが好ましい薬物であり、治療用ゲルの約0.01から約50重量%の範囲の量で含まれることが好ましく、治療用ゲルの約0.05重量%から約25重量%の範囲であることがより好ましく、治療用ゲルの約0.1重量%から約10重量%の範囲であることが最も好ましい。同一濃度範囲で他の抗菌剤または薬物が含まれていてもよい。
2.粘着付与剤
治療用ゲルにおいて使用することができる有用な粘着付与剤には、本発明による実質的に接着性の組成物または層を製造する際に使用するために本明細書に開示されている歯牙接着剤のいずれかが含まれる。「治療用ゲル」内の「粘着付与剤」と「接着性組成物」または「接着性層」内の「歯牙接着剤」との主な差は、物理的状態である。一方では、治療用ゲル内の粘着付与剤は、得られた治療用ゲルが、粘着付与剤により触ると直ちに粘り気がありかつ粘着性であるように液体またはゲルの担体または媒体とすでに混合されている。他方では、通常、接着性組成物または層は、接着性組成物または層が唾液または水によって濡れた場合に、歯牙接着剤によって歯牙に対していっそう接着性になる。接着性組成物は、唾液または水による給湿前に、初めは非接着性かつ指触乾燥状態であってよい。
治療用ゲルにおいて使用することができる有用な粘着付与剤には、本発明による実質的に接着性の組成物または層を製造する際に使用するために本明細書に開示されている歯牙接着剤のいずれかが含まれる。「治療用ゲル」内の「粘着付与剤」と「接着性組成物」または「接着性層」内の「歯牙接着剤」との主な差は、物理的状態である。一方では、治療用ゲル内の粘着付与剤は、得られた治療用ゲルが、粘着付与剤により触ると直ちに粘り気がありかつ粘着性であるように液体またはゲルの担体または媒体とすでに混合されている。他方では、通常、接着性組成物または層は、接着性組成物または層が唾液または水によって濡れた場合に、歯牙接着剤によって歯牙に対していっそう接着性になる。接着性組成物は、唾液または水による給湿前に、初めは非接着性かつ指触乾燥状態であってよい。
1つの有用な粘着付与剤は、ポリビニルピロリドン(PVP)である。本発明による歯科用漂白ゲルを製剤化する際に使用されてきたポリビニルピロリドンポリマーの非限定的例には、50,000の分子量を有するBASFにより販売されているポリビニルピロリドンポリマーのKollidon 30、60,000の分子量を有するポリビニルピロリドンポリマーのKollidon VA 60、および1,300,000の分子量を有するポリビニルピロリドンポリマーのKollidon 90Fが含まれる。
本発明の範囲内で、PVPの他に、またはPVPの代わりに使用することができる他の有用な粘着付与剤には、カルボキシポリメチレン(例えば、Novean,Inc.により販売されているCARBOPOL)、ポリエチレンオキシド(例えば、Union Carbide製のPOLYOX)、ポリアクリル酸ポリマーまたはコポリマー(例えば、Novean,Inc.により販売されているPEMULEN)、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸とポリアクリルアミドのコポリマー、PVP−酢酸ビニルコポリマー、カルボキシメチルセルロース、カルボキシプロピルセルロース、多糖ゴム、タンパク質などが含まれるが、これらに限定されるものではない。
1種または複数の粘着付与剤は、治療用ゲルの約1重量%から約50重量%の範囲の量で含まれていることが好ましく、治療用ゲルの約3重量%から約30重量%の範囲であることがより好ましく、治療用ゲルの約5重量%から約20重量%の範囲であることが最も好ましい。
3.担体および媒体
通常、歯科用漂白剤には、活性剤、粘着付与剤、および他の成分が分散される1種または複数の液体またはゲルの担体または媒体が含まれる。液体またはゲルの担体または媒体の例には、水、アルコール(例えば、エチルアルコール)、およびポリオール(例えば、グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、プロピレングリコール、およびポリプロピレングリコール)が含まれるが、これらに限定されるものではない。通常、担体または媒体は、活性剤、粘着付与剤、およびその他の成分に加えて、治療用ゲルにおける成分の平衡性を構成する。
通常、歯科用漂白剤には、活性剤、粘着付与剤、および他の成分が分散される1種または複数の液体またはゲルの担体または媒体が含まれる。液体またはゲルの担体または媒体の例には、水、アルコール(例えば、エチルアルコール)、およびポリオール(例えば、グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、プロピレングリコール、およびポリプロピレングリコール)が含まれるが、これらに限定されるものではない。通常、担体または媒体は、活性剤、粘着付与剤、およびその他の成分に加えて、治療用ゲルにおける成分の平衡性を構成する。
4.他の成分
本発明による治療用ゲルには、望ましい特性を有する治療用ゲルを得たい場合に、他の成分が含まれていてもよい。例には、安定化剤(例えば、EDTA、EDTAの塩、クエン酸およびその塩、リン酸およびその塩、フェノールホスホン酸およびその塩、グルコン酸およびその塩、アルカリ金属ピロリン酸塩、アルカリ金属ピロリン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩、スズ酸ナトリウムなどのスズ塩、および酒石酸塩)、中和剤(例えば、水酸化ナトリウムおよびトリエタノールアミン)、粘稠剤(例えば、ヒュームドシリカ)、減感剤(例えば、硝酸カリウム、他のカリウム塩、クエン酸、クエン酸塩、およびフッ化ナトリウム)、鉱物成分補填剤(例えば、フッ化ナトリウム、フッ化スズ、モノフルオロリン酸ナトリウム、および他のフッ化塩)、抗菌剤(例えば、クロルヘキシジン、トロクロサン、およびテトラサイクリン)、抗プラーク剤、抗歯石剤(例えば、ピロリン酸塩)、他の薬物、抗酸化剤(例えば、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、他のビタミン、クロロフィルおよびカロテン)、口腔清涼化剤(例えば、カンファーおよびウィンターグリーン)、矯味剤、甘味剤などが含まれる。
本発明による治療用ゲルには、望ましい特性を有する治療用ゲルを得たい場合に、他の成分が含まれていてもよい。例には、安定化剤(例えば、EDTA、EDTAの塩、クエン酸およびその塩、リン酸およびその塩、フェノールホスホン酸およびその塩、グルコン酸およびその塩、アルカリ金属ピロリン酸塩、アルカリ金属ピロリン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩、スズ酸ナトリウムなどのスズ塩、および酒石酸塩)、中和剤(例えば、水酸化ナトリウムおよびトリエタノールアミン)、粘稠剤(例えば、ヒュームドシリカ)、減感剤(例えば、硝酸カリウム、他のカリウム塩、クエン酸、クエン酸塩、およびフッ化ナトリウム)、鉱物成分補填剤(例えば、フッ化ナトリウム、フッ化スズ、モノフルオロリン酸ナトリウム、および他のフッ化塩)、抗菌剤(例えば、クロルヘキシジン、トロクロサン、およびテトラサイクリン)、抗プラーク剤、抗歯石剤(例えば、ピロリン酸塩)、他の薬物、抗酸化剤(例えば、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、他のビタミン、クロロフィルおよびカロテン)、口腔清涼化剤(例えば、カンファーおよびウィンターグリーン)、矯味剤、甘味剤などが含まれる。
D.治療用組成物および装置の特徴
一実施形態において、本発明による治療用組成物および装置は、前側壁、後側壁、および前記前側壁と後側壁の間のトラフを有するデンタルトレイの形状をしていることが好ましい。デンタルトレイの形状を有することは、組成物または装置とヒトの歯牙の間に良好な嵌合を得るために必要な操作の量を軽減することにより、ヒトの歯牙上への治療用組成物または装置の設置を容易にする。別の実施形態において、治療用組成物および装置は、パッチまたはストリップの形状をしている。治療用組成物および装置が任意の望ましい形状または構造を有することは、本発明の範囲内にある。
一実施形態において、本発明による治療用組成物および装置は、前側壁、後側壁、および前記前側壁と後側壁の間のトラフを有するデンタルトレイの形状をしていることが好ましい。デンタルトレイの形状を有することは、組成物または装置とヒトの歯牙の間に良好な嵌合を得るために必要な操作の量を軽減することにより、ヒトの歯牙上への治療用組成物または装置の設置を容易にする。別の実施形態において、治療用組成物および装置は、パッチまたはストリップの形状をしている。治療用組成物および装置が任意の望ましい形状または構造を有することは、本発明の範囲内にある。
水または唾液で濡れた場合により接着性になる実質的に固体の接着性層を有する治療用組成物および装置は、使用者の歯牙に確実には接着しない従来の漂白ストリップまたはパッチに比べ、ヒトの歯牙上により取り付けやすい。それは、本発明の治療用組成物および装置が、プラスチックシートに直接隣接した歯科用漂白ゲルを用いる従来の漂白ストリップに比べ、ヒトの歯牙上により確実に接着し、その場所に留まるように設計されるからである。その結果は、より効果的な治療およびより良い患者コンプライアンスである。ヒトが食べ、飲み、喫煙しまたは眠っている間の使用が推奨されない従来の漂白ストリップとは対照的に、本発明による治療用組成物および装置は、会話する、眠る、食べる、飲む、微笑む、眉をひそめる、顔をしかめる、あくびをする、咳をする、喫煙する、または事実上すべての表情をする、もしくは口をゆがめる間も装着されるように設計することができる。
一実施形態によれば、治療用組成物および装置は、従来のデンタルトレイとそっくりの馬蹄形の縦断プロファイルおよびU字形断面のトラフを有する。デンタルトレイの形態をした例示的治療用装置を図1および2Aに示す。図1は、一緒になって縦断的側面において通常は馬蹄形状を有し、通常はU字形の断面を有するトラフ16を規定する前側壁12および後側壁14を有する治療用装置10の斜視図である。トラフのU字形断面は、図2Aでより明確に見られる。
さらに、治療用装置10には、耐湿性材料を含むことが好ましいバリア層18、実質的に固体の接着性組成物を含むことが好ましい接着性組成物または層20、および治療用ゲル28が含まれる。図2Aで最も良く見られるように、接着性層20には、バリア層18の内面24に隣接している外面22および治療用ゲル28に隣接している内面26が含まれる。治療用ゲル28が接着性層20に対して位置している場所に応じて、治療用ゲル28が接着性層20、バリア層18、または双方に直接接触していることは本発明の範囲内にある。一実施形態において、治療用ゲル28と接着性層20の内面26の一部は共に、治療用装置10が使用中の場合、ヒトの歯牙に直接接触するように設計される。前側壁12の上縁は、治療用装置10が使用中の場合、ヒトの歯列弓の歯肉縁で終了するか、あるいは不足するように設計することができる。別法として、前側壁12の上縁は、歯肉縁を超えて延び、ヒトの歯肉まで少なくとも部分的に延びてもよい。
別法として、図2Bは、前側壁12’、後側壁14’、および接着性層20’の内面26’に隣接する治療用ゲル28を有するように、デンタルトレイの形状をした接着性組成物または層20’を含む治療用組成物19を示す。治療用組成物19は、バリア層が含まれていないという点で図1および2Aの治療用装置20とは異なる。また、接着性層20’には、唾液または周囲の水分から治療用組成物(より詳細には、接着性層20’および治療用ゲル28)を保護するため、望ましい場合(図2A参照)、耐水性バリア層または材料でコーティングされていてもよい外面22’が含まれる(図2A参照)。治療用組成物19は、単独で、あるいは使用前または使用中に接着性20’の外面22’に隣接して設置することができる耐湿性バリア層またはバリアを作製するのに使用される材料と一緒に販売することができる。
別法として、図2Cは、バリア層18、治療用ゲル28’の領域またはスポットが散りばめられた接着性組成物20’の領域またはスポットが含まれる治療用装置10’を示す。接着性組成物20’と治療用ゲル28’は共に、バリア層に隣接して置かれる。このように、接着性組成物20’および治療用ゲル28’は、使用前に初めは接しない。一実施形態によれば、このことは、使用前に接着性組成物20’内の漂白剤活性化剤と治療用ゲル28’内の漂白剤の間の接触を防止または抑制するのに役立つ。
保存中および使用前に本発明による治療用組成物または装置を汚染物質から守るため、治療用組成物または装置を密封容器または包装内に包装することができる。図3に示すように、本発明による治療用装置または治療用組成物は、硬い支持層32および剥離可能なカバー34が含まれる保護包装30内に密封することができる。治療用装置または組成物を使用したい場合には、剥離可能なカバー34を取り除き、治療用装置または組成物を、支持層32から外すか離す。保護包装30の他に、または保護包装30の代わりに、治療用装置または組成物には、別法として、治療用ゲルに隣接してトラフ内に一時的に設置される取り外し可能な保護層(図示せず)が含まれてもよい。治療用装置または組成物を使用したい場合には、治療用ゲルを露出するために取り外し可能な保護層を取り除く。
図4は、図1および2AのU字形治療用装置10または図2Bの治療用組成物19の変形例である治療用組成物または装置40を図示している。主な差は、治療用組成物または装置40が使用中の場合、ヒトの歯列弓の各側上の最後の歯牙を少なくとも部分的に取り囲むように治療用組成物または装置40の各縦断末端42が高くなっていることである。
図5は、L字形断面を有する本発明による治療用組成物または装置の代替実施形態50を図示している。より詳細には、治療用組成物または装置50には、ほぼL字形の断面を有するトラフ56を形成するように前側壁52および前側壁52から横方向に延びる後側壁54が含まれる。図5のL字形治療用組成物または装置50は、図1〜4のU字形治療用組成物または装置に比べ、ヒトの歯列弓上に最初に設置することがいくらか容易である。これは、治療用組成物または装置50の前側壁52がヒトの歯牙の前面に対して最初に設置され接着される場合のヒトの歯牙の咬合縁または切縁に対する後側壁54のほぼ平面の方向性による。一方、前側壁52と後側壁54の間のより大きな初期オフセット角度の結果として、ヒトの歯牙の舌側面に対して後側壁54を形成および接着するために、L字形治療用組成物または装置50のより多くの操作が通常必要とされる。しかしながら、本発明による治療用組成物または装置が、ヒトの歯牙上への設置直後、および接着性層の初期湿潤後はなおさらそうである歯牙表面に接着する能力は、ヒトの歯牙表面に前側壁52および後側壁54を適合させるプロセスを容易にする。
L字形断面を有する治療用組成物または装置50の場合、前側壁52から横方向に延びる後側壁54は、実際に後側壁よりむしろ底壁であるというのがより正確かもしれない。しかしながら、L字形治療用組成物または装置のこのかつての「底壁」は、使用中に舌側歯牙表面に対して折り曲げられるため、L字形トラフを有する治療用組成物または装置は、単にV字形トラフを有する治療用組成物または装置の変形例であることが容易に分かる。したがって、本開示および添付の特許請求の範囲の目的上、側壁54は、「後側壁」を構成し、「後側壁」の定義の範囲にある。
治療用組成物または装置が歯列弓の中の様々な形状およびサイズに適合する能力を促進するため、治療用組成物または装置には、前側壁または後側壁内に1個または複数のノッチなどの機械的特徴が含まれてもよい。図5に示すように、治療用組成物または装置50には、前側壁52の中央に近い外縁内のノッチ58および後側壁54の中央に近い外縁内のノッチ59が含まれる。ノッチ58および59は、サイズが異なる歯列弓に適合させようとする場合、トレイ様治療用組成物または装置をより容易に広げるか、あるいは縮めることを可能にする。このようにして、治療用組成物または装置50を、より容易に「フリーサイズ」の組成物または装置とすることができる。
図6は、治療用ゲル28のビーズが設置されるU字形トラフ66を規定する前側壁62および後側壁64が含まれる本発明による治療用組成物または装置の代替実施形態60を図示している。図1〜5の治療用組成物および装置のような馬蹄形であるか、さもなければ曲線状縦断プロファイルを有する代わりに、図6の治療用組成物または装置60は、実質的に直線状または線形の縦断プロファイルを有する。
図7は、本発明による治療用組成物または装置のさらに別の代替実施形態70を示している。治療用組成物または装置70には、V字形トラフ76および曲線状縦断プロファイルを規定する前側壁72および後側壁74が含まれる。図7のV字形治療用組成物または装置70と図5のL字形治療用組成物または装置50の間の主な差は、前側壁および後側壁がお互いから横方向にオフセットしている角度である。
ストリップまたはパッチの形態をした治療用組成物および装置の代替実施形態を図8〜11に示す。図8は、耐湿性材料を含むことが好ましいバリア層112、実質的に固体の接着性組成物を含むことが好ましい接着性層114、および治療用ゲル116を含む治療用ストリップまたはパッチ110の斜視図である。図9Aに見られるように、接着性層114には、バリア層112の内面122に隣接している外面120、および治療用ゲル116に隣接している内面124が含まれる。治療用ゲル116が接着性層114に対して位置している場所に応じて、治療用ゲル116が接着性層114、バリア層112、または双方に直接接触していることは本発明の範囲内にある。一実施形態において、治療用ゲル116と接着性層114の内面124の少なくとも一部は共に、治療用ストリップ110が使用中の場合、ヒトの歯牙に直接接触するように設計される。治療用ストリップ110の上縁126は、使用にあたってヒトの歯列弓の歯肉縁で終了するか、あるいは不足するように設計することができる。
別法として、図9Bは、外面120’および内面124’、ならびに接着性層114’の内面124’に隣接する治療用ゲル116’を有するように、ストリップまたはパッチの形状をした接着性層114’を含む治療用組成物111を示す。治療用組成物111は、バリア層が含まれていないという点で図8および9Aの治療用ストリップ110とは異なる。接着性層114’の外面120’は、唾液または周囲の水分から治療用組成物111(より詳細には、接着性層114’および治療用ゲル116’)を保護するため、望ましい場合(図9A参照)、耐水性バリア層または材料でコーティングされていてもよいことは言うまでもない。治療用組成物111は、単独で、あるいは使用前または使用中に接着性層114’の外面120’に隣接して設置することができる耐湿性バリア層またはバリア層を作製するのに使用される材料と一緒に販売することができる。
別法として、図9Cは、バリア層112、治療用ゲル116’の領域またはスポットが散りばめられた接着性組成物114’の領域またはスポットが含まれる治療用装置110’を示す。接着性組成物114’と治療用ゲル116’は共に、バリア層に隣接して位置する。このように、接着性組成物114’および治療用ゲル116’は、使用前に初めは接しない。治療用ゲル116’に歯科用漂白剤が含まれる場合、このことは、使用前に接着性組成物114’内の漂白剤活性化剤と治療用ゲル116’内の漂白剤の間の接触を防止または抑制するのに役立つ。
保存中および使用前に本発明による治療用組成物および装置を汚染物質から守るため、治療用組成物および装置を密封容器または包装内に包装することができる。図10に示すように、1個または複数の治療用ストリップ110(または治療用組成物)を、硬い支持層132および剥離可能なカバー134が含まれる保護包装130内に密封することができる。治療用ストリップ110(または治療用組成物)を使用したい場合には、剥離可能なカバー134を取り除き、治療用ストリップ110または組成物を、支持層132から外すか離す。保護包装130の他に、または保護包装130の代わりに、別法として、治療用ストリップ110または組成物には、治療用ゲルに隣接して一時的に設置される取り外し可能な保護層(図示せず)が含まれてもよい。治療用ストリップまたは組成物を使用したい場合には、治療用ゲルを露出するために取り外し可能な保護層を取り除く。
図11は、ヒトの歯牙および/または歯肉上への治療用ストリップ142の設置を容易にするため、ほぼV字形断面を有するように場合により操作されている(屈曲させる、曲げる、または折り畳むなどにより)治療用ストリップ142を示している。
上記実施例にかかわらず、当然のことながら、本発明による治療用組成物および装置は、任意のプロファイルおよび縦断形状を有することができる(例えば、平らであるか、あるいは3次元形状を有することができる;一方の端から他方の端まで直線状または曲線状の縦断プロファイルを有することができる)。トレイの前側壁および後側壁は、任意の望ましい断面形状のトラフを画定することができる(例えば、トラフは、台形、長方形、またはその他の望ましい幾何学的形状であってよい)。
本発明による治療用組成物および装置のサイズおよび形状は、ヒトの上部歯列弓または下部歯列弓により容易に適合するように調整することができる。それらは、ヒトの歯牙および/または歯肉のすべてまたはほんの一部を治療するような大きさにすることができる。治療用組成物および装置は、多種多様のサイズが異なる歯牙および歯列弓に容易に適合するように、十分に接着性かつ柔軟性であってよい。治療用組成物および装置は、治療される歯牙および/または歯肉の前面および舌側面を実質的に覆うように設計されることが有利である。前面と舌側面を共に治療することは、隣接する歯牙間の隣接空間を治療(例えば、漂白)する際に役立つ。漂白せずに放置した場合、汚れた隣接空間は、各歯牙の周囲に黒っぽい輪またはシルエットを形成することがある。
通常、バリア層および/または接着性層の厚さは、望ましい強度および柔軟性を有する治療用装置が得られるように選択することができる。ヒトの歯牙に適合するようにバリア層を柔軟性にしておくため、通常、バリア層は、約0.025mmから約1.5mmまでの厚さを有し、約0.05mmから約1mmの範囲であることが好ましい。通常、接着性層は、約0.1mmから約3mmの厚さを有する。また、接着性層の厚さは、各治療セッションの意図した期間に応じて選択することができる。通常、接着性層の厚さを増やすことは、ヒトの歯牙に対する治療用装置または組成物のより長い接着を提供するであろう。例えば、短い装着時間の場合、接着性層は、約0.1mmから約0.5mmまでの厚さを有することが好ましい。中間装着時間の場合、接着性層は、約0.5mmから約2mmまでの厚さを有することが好ましい。専門的使用および終夜漂白の場合、接着性層は、約2mmから約3mmまでの厚さを有することが好ましい。
治療用ゲルの量は、望ましい粘着力および/または効力を有する治療用組成物または装置が得られるように選択することができる。接着性層に活性剤が含まれない場合、治療用ゲルは、積極的治療の全体を提供する必要がある。このような場合、すべての条件を同じとして、治療用ゲルの厚さを増やすことができる。対照的に、接着性層にも活性剤が含まれる場合、治療用ゲルは、活性剤のすべてを提供する必要がない。このような場合、すべての条件を同じとして、治療用ゲルの厚さを減らすことができる。
さらに、治療用ゲルが粘稠かつ粘着性であればあるほど、治療用組成物または装置がヒトの歯牙に接着する全能力に対して治療用ゲルは有害でなくなる。このような場合、すべての条件を同じとして、治療用ゲルの断面厚を増やすことができる。対照的に、治療用ゲルが粘稠かつ粘着性でなければないほど、治療用ゲルがヒトの歯牙に接着する傾向は低くなる。このような場合、すべての条件を同じとして、治療用ゲルの断面厚を減らすことが有利である。
III.治療用組成物およびそのような組成物を内蔵する装置を製造する方法
本発明による治療用組成物および装置を構成する様々な成分は、任意の望ましい順序で組み立てるか、あるいはまとめることができる。一実施形態によれば、成形された接着性組成物または層は、後で成形および乾燥してデンタルトレイ、トレイ様装置、ストリップ、パッチ、または他の望ましい形状の形態をした実質的に固体の接着性組成物または層を形成する流動性の接着性組成物中間体を生成することによってまず製造される。これは、加熱するか、さもなければ1種または複数の揮発性溶媒を蒸発によって追い出し、実質的に固体の接着性層を残すことによって行うことができる。その後、治療用ゲルは、接着性層および/またはバリア層の内面に対して設置される。治療用ゲルの一部またはすべては、接着性層が1つまたは複数の不連続性を有するか、さもなければバリア層全体を覆わない限りにおいて、バリア層と直接接触してもよい。
本発明による治療用組成物および装置を構成する様々な成分は、任意の望ましい順序で組み立てるか、あるいはまとめることができる。一実施形態によれば、成形された接着性組成物または層は、後で成形および乾燥してデンタルトレイ、トレイ様装置、ストリップ、パッチ、または他の望ましい形状の形態をした実質的に固体の接着性組成物または層を形成する流動性の接着性組成物中間体を生成することによってまず製造される。これは、加熱するか、さもなければ1種または複数の揮発性溶媒を蒸発によって追い出し、実質的に固体の接着性層を残すことによって行うことができる。その後、治療用ゲルは、接着性層および/またはバリア層の内面に対して設置される。治療用ゲルの一部またはすべては、接着性層が1つまたは複数の不連続性を有するか、さもなければバリア層全体を覆わない限りにおいて、バリア層と直接接触してもよい。
また、ヒトの口内の周囲水分から接着性層および治療用ゲルを保護するため、接着性層の外面に対して任意選択のバリア層を設置することができる。バリア層は、実質的に固化するように接着性組成物を乾燥する前、あるいは後に、接着性層に対して設置することができる。一実施形態において、バリア層は、あらかじめ形成されたデンタルトレイを含むことができる。別において、バリア層は、薄く柔軟性のシート、ストリップまたはパッチを含むことができる。さらに別の実施形態において、バリア層は、蒸発によって溶媒を除去すること、化学または光重合、または熱可塑性融液を冷却することなどにより、後で重合または硬化される流動性のバリア材料または前駆体を初めから含むことができる。
代替実施形態において、接着性中間体組成物を、成形平面上にキャストして乾燥し、その後に型成形、スタンプ成形、切断するか、さもなければ望ましい形状に成形する実質的に固体のシートを作製することができる。その後、治療用ゲルは、接着性層の内面に接着または付着され、バリア層は、接着性層の外面に接着または付着されてもよい。治療用ゲルは、バリア層の前もしくは後、またはバリア層の非存在下で接着性層に付着させることができる。
別の実施形態によれば、接着性層は、大きいか、あるいは連続したポリマーシートの表面上に流動性の接着性組成物中間体を広げる(例えば、ならし(screeding)装置を用い)ことによって製造することができる。次いで、ポリマーシートおよび接着性組成物中間体を、強制空気オーブンまたは他の適切な乾燥装置中に置き、流動性の接着性組成物中間体を生成するのに使用した水または他の溶媒の実質的部分を加熱して追い出す。揮発性溶媒の除去により、実質的に固体の接着性組成物を含む接着性層が得られる。その後、個々の中間体トレイ様装置、パッチまたはストリップを、実質的に固体の接着性組成物または層でコーティングされた大きいか、あるいは連続したポリマーシートから型成形、スタンプ成形または切断し、次いで、個々の装置として分離することができる。あるいは、接着性組成物または層を含む固体のシートを、ポリマーシートから分離し、型成形、スタンプ成形、切断するか、さもなければ望ましい形状に成形することができる。いったん中間体装置また接着性層が形成されたら、治療用ゲルを、接着性層の内面に隣接して付着または設置することができる。
本発明のさらに別の実施形態において、デンタルトレイまたはトレイ様装置(例えば、カスタマイズされたトレイまたは非カスタムトレイ)、ストリップ、パッチまたは他の望ましい形状の形態をしたバリア層は、流動性の接着性組成物中間体でコーティングすることができる。次いで、実質的に固体の接着性組成物を含む接着性層を形成するため、接着性組成物中間体をバリア層と一緒に加熱するか、さもなければ乾燥させる。その後、本発明による完成治療用装置を得るため、治療用ゲルを、接着性層および/またはバリア層の内面に付着させる。これらの組立プロセスのいずれか、またはすべては、治療用装置の商業製造中または漂白キットを使用する一部として最終使用者によって行うことができる。
IV.治療用組成物およびそのような組成物を内蔵する治療用装置を使用する方法
本発明による治療用組成物および装置は、任意の望ましい時間装着されるように設計することができる。通常、1種または複数の活性剤の濃度を増やすことは、漂白を行うのに必要な時間を軽減する。しかしながら、本発明の治療用組成物または装置とヒトの歯牙の間の極めて快適な嵌合および確実な接着により、より均一な治療を保証するため、長期間このような組成物または装置を装着することが可能である。本発明による治療用組成物および装置は、会話すること、食べること、飲むこと、喫煙すること、咳をすること、微笑むこと、眉をひそめること、顔をしかめることなどの普通の日常活動を行う間、または眠っている間に装着されるように設計することができる。このことは、歯牙に確実には接着しない従来の漂白ストリップ、または大きくてかさばった歯科治療用装置などの侵害的治療用装置に比べ、日々の活動への侵害を著しく減少させる。
本発明による治療用組成物および装置は、任意の望ましい時間装着されるように設計することができる。通常、1種または複数の活性剤の濃度を増やすことは、漂白を行うのに必要な時間を軽減する。しかしながら、本発明の治療用組成物または装置とヒトの歯牙の間の極めて快適な嵌合および確実な接着により、より均一な治療を保証するため、長期間このような組成物または装置を装着することが可能である。本発明による治療用組成物および装置は、会話すること、食べること、飲むこと、喫煙すること、咳をすること、微笑むこと、眉をひそめること、顔をしかめることなどの普通の日常活動を行う間、または眠っている間に装着されるように設計することができる。このことは、歯牙に確実には接着しない従来の漂白ストリップ、または大きくてかさばった歯科治療用装置などの侵害的治療用装置に比べ、日々の活動への侵害を著しく減少させる。
本発明による歯科治療用組成物または装置は、ヒトの上部歯列弓、下部歯列弓、または両方へ同時に装着させることができる。上部および下部歯列弓上に同時に治療用組成物または装置を確実かつ快適に装着する能力は、同時に上部および下部歯列弓を漂白する際に使用することが推奨されない従来の漂白ストリップからの別の脱却である。
図12は、ヒトの上部歯列弓上に治療用組成物または装置82を設置しているヒト80を図示している。治療用組成物または装置82は、デンタルトレイ、ストリップ、パッチまたは他の望ましい形状の形態であってよい。図13は、上部歯列弓上に治療用組成物または装置82を設置した後に、ヒトの下部歯列弓上に治療用組成物または装置92を設置しているヒト80を図示している。しかし、当然のことながら、治療用組成物または装置は、任意の望ましい順序でヒトの上部歯列弓および下部歯列弓上に設置することができる。
漂白組成物または装置の接着性組成物または層が漂白剤活性化剤を含有している場合、漂白組成物または装置が唾液または水と接触することは、漂白を加速するための歯科漂白ゲル内の漂白剤と反応するか、さもなければ漂白剤を不安定化するように、漂白剤活性化剤を接着性組成物から浸出または拡散させるか、さもなければ利用可能にする。使用前の歯科漂白剤の早すぎる活性化を防止または抑制するため、漂白は、漂白ゲル中への接着性組成物からの漂白剤活性化剤の拡散または浸出を防止または抑制するために初めは実質的に無水であることが有利である。あるいは、漂白ゲルには、使用前の漂白剤の早すぎる活性化を防止するのに十分であるが、使用中に活性化を完全に防止する程ではない量で、EDTAなどの安定化剤が含まれてもよい。別の実施形態において、漂白剤は、接着性層よりもむしろバリア層に直接接触し、それによって、使用前の漂白ゲルと接着性層の間の接触を防止または抑制するように、接着性層内で不連続性を占めることができる。
治療用組成物または装置を取り外すため、使用者は、指の爪または剛性の道具を用いてバリア層および/または接着性層の隅をこじ開け、次いで残りを取り去ることができる。ヒトの歯牙に接着したままの残留した接着性組成物および/または治療用ゲルは、洗浄すること、ヒトの歯牙上に水を流すこと、および/またはブラシをかけることにより除去することができる。過剰な水分から守られている場合、本発明の治療用組成物は、歯牙に対して極めて接着性であるが、過剰の水と共に流される場合、および/または緩やかな機械的作用(例えば、ブラシをかけること)により速やかに破壊されて溶出されるように製剤化することができる。
治療用組成物または装置は、数分という短い時間、または数時間という長い時間、装着することができる。例えば、その限りではないが、短時間の典型的治療セッションを、約10分から約30分まで続けることができる。中時間の治療セッションを約30分から約2時間続けることができる。専門的治療またはヒトが眠っている間の終夜治療を含む長時間の治療セッションを約2時間から約12時間続けることができる。
本発明による治療セッションは、望ましい程度の治療を得るために必要な回数繰り返すことができる。本発明による歯科漂白組成物の場合、たった1〜3回の美白セッション後に臨床的美白効果が観察されている。典型的な治療計画には、1〜20回の治療セッションが含まれることが好ましく、2〜15回の治療セッションがより好ましく、3〜10回の治療セッションが最も好ましい。
V.薬物治療キット
使用の都合上、複数の治療用組成物または装置を一緒に包装し、キットとして販売することができる。初めはバリア層が含まれない治療用組成物の場合、別々のバリア層、またはバリア層を形成するのに使用される材料がキット内に含まれていてもよい。一実施形態において、各キットにより提供される治療用組成物または装置の数は、処方された治療計画に相当するセッション数に等しくなるであろう。ヒトの歯牙上に本発明の治療用組成物または装置を設置する容易さと、それらが歯牙に接着する確実性が相まって、特定の治療用組成物または装置が目的どおりに働かないか、あるいは機能しなくなる可能性は、従来の漂白ストリップと比べて大きく減少する。
使用の都合上、複数の治療用組成物または装置を一緒に包装し、キットとして販売することができる。初めはバリア層が含まれない治療用組成物の場合、別々のバリア層、またはバリア層を形成するのに使用される材料がキット内に含まれていてもよい。一実施形態において、各キットにより提供される治療用組成物または装置の数は、処方された治療計画に相当するセッション数に等しくなるであろう。ヒトの歯牙上に本発明の治療用組成物または装置を設置する容易さと、それらが歯牙に接着する確実性が相まって、特定の治療用組成物または装置が目的どおりに働かないか、あるいは機能しなくなる可能性は、従来の漂白ストリップと比べて大きく減少する。
キット包装内の空間を効率的に利用するため、複数の治療用組成物または装置を一緒に積み重ねるか、あるいは内包することができる。治療用組成物または装置は、望ましい場合、まとめるか、個々に密封することができる。保護包装30を図3に示し、保護包装130を図10に示す。治療用組成物または装置は、内面上に、治療用ゲルを汚染または水分から保護するための取り外し可能な保護層を含んでいてもよい。
初めは別々で、最終使用者によって一緒にされるバリア層および治療用組成物を提供することは、本発明の範囲内にある。例えば、治療用組成物は、バリア層に接着性層を実際に接着し、または接着せずに、トレイ様バリア層のトラフ中に入れられる馬蹄の形状をした予め成形された封入物を含むことができる。あるいは、流動性の接着性組成物中間体を、デンタルトレイまたはトレイ様バリア層のトラフ内に入れ、実質的に固体の接着性層の内面に対する治療用ゲルの設置前に乾燥させることができる。その後、治療用ゲルは、実質的に固体の接着性層の内面に隣接して設置される。また、治療用ゲルは、バリア層の非存在下で、成形された接着性層または組成物の内面に隣接するか、あるいは接着性層の外面に隣接してバリア層を設置する前に使用者によって設置されてもよい。
VI.好ましい実施形態の実施例
以下は、本発明に従って製剤化および製造された治療用組成物および装置のいくつかの実施例である。このような例示的製剤化および製造条件は、ヒトの歯牙および/または歯肉を治療するのに有用であることが判明した治療用組成物および装置を説明するために、限定によるのではなく、一例として示すものである。他に指示がない限り、すべてのパーセンテージは、重量による。
以下は、本発明に従って製剤化および製造された治療用組成物および装置のいくつかの実施例である。このような例示的製剤化および製造条件は、ヒトの歯牙および/または歯肉を治療するのに有用であることが判明した治療用組成物および装置を説明するために、限定によるのではなく、一例として示すものである。他に指示がない限り、すべてのパーセンテージは、重量による。
実施例1〜21は、唾液または水によって濡れた場合により接着性になる接着性歯科用漂白層の製造を対象にしている。実施例22〜26は、唾液または水によって濡れた場合により接着性になる接着性歯科用減感層の製造を対象にしている。実施例27〜29は、唾液または水によって濡れた場合により接着性になる接着性抗菌層の製造を対象にしている。したがって、実施例1〜29の接着性の漂白、減感および抗菌層は、本発明による例示的接着性組成物または層を含む。したがって、本発明による例示的接着性組成物または装置は、実施例1〜29の漂白、減感および抗菌層の内面に隣接して、本明細書に開示された、または当技術分野で知られている任意の治療用ゲルを設置することによって製造することができる。
実施例30〜37は、いかなる活性剤も含まれない接着性組成物または層の製造を対象にしている。本発明による例示的治療用組成物または装置は、実施例30〜37の接着性層の内面に隣接して、本明細書に開示された、または当技術分野で知られている任意の治療用ゲルを設置することによって製造することができる。
実施例38〜43は、本発明による治療用組成物または装置を製造する際に使用するのに適している例示的治療用ゲルを対象にしている。例えば、本発明による治療用組成物または装置は、実施例1〜37に従って形成された接着性層を含む本明細書に記載の接着性層のいずれかに隣接して実施例38〜43の治療用ゲルを設置することによって製造することができる。
実施例44〜50は、本発明による例示的治療用組成物の他の変形例について記載している。
実質的に固体の粘着性かつ非流動性の接着性漂白層を製造する際に使用するのに適している初めは流動性の中間体組成物は、以下の成分を共に混合することにより生成した。
過酸化カルバミド 16%
ポリビニルピロリドン(M.W.=1,300,000) 38%
水 46%
ポリビニルピロリドン(M.W.=1,300,000) 38%
水 46%
得られた中間体組成物を、3つのタイプの柔軟性ポリマーシート、すなわち約0.15から0.18mmの厚さを有するポリエチレンシート、約0.05から0.08mmの厚さを有するパラフィンでできているシート、および約0.38mmの厚さを有するMYLARシートの表面上に広げた。スパチュラを用いてこの組成物を広げた。コーティングされたシートは、50〜70℃の温度まで加熱した強制空気オーブン中で約1時間加熱した。コーティングされたシートをオーブンから取り出し、検査した。この中間体組成物は十分に乾燥し、ポリマーシートの表面上に固体の粘着性漂白層を形成した。乾燥した漂白層は、各々のポリマーシートによく接着した。コーティングされたシートを、一晩オーブンに再度入れて、さらに水を除去した。
コーティングされたシートを2度目にオーブンから取り出し、より小さなサイズの切片に切り離し、小片として使用するか、またはヒトの歯牙上への設置に適しているトレイ様装置に成形した。トレイ様装置は、ほぼU字形またはV字形断面を有するトラフを画定する前側壁および後側壁を含み、歯列弓の曲率にほぼ近づけるために縦断的側面で曲線状であった。
ヒトの歯牙上に設置することにより、小片およびトレイ様装置を試験した。歯牙表面上に存在する残留唾液は、漂白層の露出表面を濡らし、ほぼ直ちに歯牙に対して粘着性かつ極めて接着性にした。歯牙に対して漂白装置を押しつけて、歯列弓の天然の不規則性に適合させ、歯牙に対して強く接着させた。このことは、本実施例において生成した漂白層が優秀な接着層を含むことを実証した。
治療用ゲルを、本実施例のトレイ様装置のトラフ中に、接着性漂白層の内面に隣接して設置し、本発明に従うトレイ様治療用装置を生じる。代替的には、治療用ゲルを、小片の接着性層に隣接して設置する。ヒトの歯牙および/または歯肉の上に治療用装置を設置する前に、治療ゲルを加熱しない。このことは、治療用ゲル中の活性薬剤の効力および濃度の保存を補助する。
治療用装置は、数分から数時間までの様々な時間範囲で、ずれることなく装着される。ある場合において、顕著な治療効果が1回の治療セッション(例えば、2時間の漂白セッション)のみの後に検出される。検出可能な治療は、典型的には、1〜3回の治療セッションの後で検出される。
実質的に固体の粘着性かつ非流動性の接着性漂白層を製造する際に使用するのに適している初めは流動性の中間体組成物は、以下の成分を共に混合することにより生成した。
過酸化カルバミド 16%
PolyOx WSR 101(M.W.=1,000,000) 7%
水 77%
PolyOx WSR 101(M.W.=1,000,000) 7%
水 77%
得られた中間体組成物を、スパチュラを用いてMYLARシートの表面上に広げた。コーティングされたシートは、50〜70℃の温度まで加熱した強制空気オーブン中で約1時間加熱した。コーティングされたシートをオーブンから取り出し、検査した。この中間体組成物は十分に乾燥し、ポリマーシートの表面上に固体の粘着性漂白層を形成した。実施例1の漂白層とは異なり、実施例2の漂白層は、ポリマーシートに強力には接着しなかったが、そこから容易に分離した。コーティングされたシートを一晩オーブンに再度入れた。
コーティングされたシートを2度目にオーブンから取り出し、より小さなサイズの切片に切り離し、小片として使用し、またはヒトの歯牙上への設置に適しているトレイ様装置に成形した。トレイ様装置には、ほぼU字形またはV字形断面を有するトラフを画定する前側壁および後側壁を含み、歯列弓の曲率にほぼ近づけるために縦断的側面で曲線状であった。
ヒトの歯牙上に設置することにより、漂白装置を試験した。歯表面上に存在する残留唾液は、漂白層の露出表面を濡らし、数秒以内に歯牙に対して粘着性かつ接着性にした。実施例2の結果は、ポリエチレンオキサイドが満足な歯牙接着剤であったが、これが漂白層とポリマーシートとの間の接着を促進する際には満足度が低かったことを示す。
治療用ゲルを、本実施例のトレイ様装置のトラフ中に、接着性漂白層の内面に隣接して設置し、ヒトの歯牙および/または歯肉に非常に接着性である本発明に従うトレイ様治療用装置を生じる。代替的には、治療用ゲルを、小片の接着性層に隣接して設置する。
実質的に固体の粘着性かつ非流動性の接着性漂白層を製造する際に使用するのに適している初めは流動性の中間体組成物は、以下の成分を共に混合することにより生成した。
過酸化カルバミド 16%
Carbopol 974P 5%
NaOH水溶液(50%) 6%
水 73%
Carbopol 974P 5%
NaOH水溶液(50%) 6%
水 73%
得られた中間体組成物を、スパチュラを用いてMYLARシートの表面上に広げた。コーティングされたシートは、50〜70℃の温度まで加熱した強制空気オーブン中で約1時間加熱した。コーティングされたシートをオーブンから取り出し、検査した。中間体組成物を十分に乾燥して固体を形成したが、これは、おそらく、Carbopolがゲルを形成することを引き起こすために必要とされた大量の水に起因して、相当に収縮した。この中間体組成物の収縮は、ポリマーシートが部分的に完全に縮んでしまうことを引き起こした。ポリマーシートの収縮は所望されなかったが、歯牙接着剤としてのカルボキシポリメチレンを使用することはポリマーシートに接着した乾燥した漂白組成物を生じた。
その後、コーティングされたシートを一晩の加熱後にオーブンから取り出し、より小さなサイズの切片に切り離し、小片として使用し、またはヒトの歯牙上への設置に適しているトレイ様装置に成形した。ヒトの歯牙上に配置されたときに、漂白層が、歯牙に対して粘着性かつ接着性となり始めるのに十分なように湿らせるために、約5分間を要した。小片およびトレイ様装置がヒトの歯牙に対して適合することが可能であり、約30〜60秒間、歯牙に対して押しつけた後にその場所に留まる。
実施例3の結果は、Carbopol 974PがMYLARシートに接着することが可能であり、かつ一旦接着性漂白層が十分に湿らされると満足な歯牙接着剤であるように見えるのに対して、これは、薄い、柔軟性ポリマーシートの望ましくない変形を引き起こすことができるという収縮の問題を示す。Carbopol 974Pは、収縮または望ましくない変形を回避するために、より少ない柔軟性シートおよび/または十分な剛性のあらかじめ形成されたデンタルトレイとともに使用された場合に、より良好に機能することが予測される。
治療用ゲルを、本実施例のトレイ様装置のトラフ中に、接着性漂白層の内面に隣接して設置し、ヒトの歯牙および/または歯肉に非常に接着性である本発明に従うトレイ様治療用装置を生じる。代替的には、治療用ゲルを、小片の接着性層に隣接して設置する。
実質的に固体の粘着性かつ非流動性の接着性漂白層を製造する際に使用するのに適している初めは流動性の中間体組成物は、以下の成分を共に混合することにより生成した。
ポリエチレンオキシド(M.W.=100,000) 20%
グリセリン 2.5%
過炭酸ナトリウム 2.4%
水 75.1%
グリセリン 2.5%
過炭酸ナトリウム 2.4%
水 75.1%
得られた中間体組成物を、実施例2と同様にMYLARシートの表面上に広げた。コーティングされたシートは、50〜70℃の温度まで加熱した強制空気オーブン中で約1時間加熱した。コーティングされたシートをオーブンから取り出し、検査した。この中間体組成物は十分に乾燥して、ポリマーシートの表面上の固体の接着性漂白層を形成した。実施例4の漂白層は、MYLARシートに全く接着しなかった。これは、実施例4のより低分子量のポリエチレンオキシドが、実施例2の高分子量ポリエチレンオキサイドよりも、MYLARシートに対してなおより接着性が低かった。接着性漂白層を含むシートはまた、ガラスなどの固体表面上で中間体組成物を広げること、組成物を乾燥すること、次いで乾燥した接着性層を剥がすことによって形成することができる。
比較として、実施例1の中間体組成物をガラス表面に適用し、次いで乾燥させたとき、これは強力に接着したので、ガラス表面から容易に剥がすことができなかった。その代わりに、これは、カミソリの刃を用いて強く切断または取り外さなくてはならなかった。
しかし、実施例4の乾燥した漂白層は、湿らせたときにヒトの歯牙に接着するが、これは実施例1〜3の漂白層と同様ではない。これは、実施例4の漂白層が、バリア層に接着する問題が克服されるか、またはそれが問題とはならない範囲で、トレイ様歯科様漂白装置中の接着性層として、商業的応用を有する可能性があることを示している。
治療用ゲルを、本実施例のトレイ様装置のトラフ中に、接着性漂白層の内面に隣接して設置し、ヒトの歯牙および/または歯肉に非常に接着性である本発明に従うトレイ様治療用装置を生じる。代替的には、治療用ゲルを、小片の接着性層に隣接して設置する。
実質的に固体の粘着性かつ非流動性の接着性漂白層を製造する際に使用するのに適している初めは流動性の中間体組成物は、以下の成分を共に混合することにより生成した。
過酸化カルバミド 10%
水 25%
エタノール 25%
ポリビニルピロリドン(M.W.=1,300,000) 38%
グリセリン 73%
水 25%
エタノール 25%
ポリビニルピロリドン(M.W.=1,300,000) 38%
グリセリン 73%
得られた中間体組成物を、実施例1に記載されるように、ポリエチレン、パラフィン、およびMYLARのシートの表面上に広げた。コーティングされたシートを、50〜70℃の温度まで加熱した強制空気オーブン中で約45分間加熱した。コーティングされたシートをオーブンから取り出し、検査した。この中間体組成物は十分に乾燥して、ポリマーシートの表面上の固体の接着性漂白層を生成した。水およびエタノールの混合液を溶媒として使用することにより、実施例1〜4の中間体組成物よりも短い時間で中間体組成物を乾燥させることができた。グリセリンを含ませることは、乾燥後に、漂白層がより柔軟でかつより脆くないままであるのに役立った。この漂白層は、ポリマーシートの各々に十分に接着した。最初の乾燥後、コーティングされたシートをオーブン中に一晩再設置した。
コーティングされたシートを2度目にオーブンから取り出し、より小さなサイズの切片に切り離し、小片として使用し、またはヒトの歯牙上への設置に適しているトレイ様装置に成形した。トレイ様装置には、ほぼU字形またはV字形断面を有するトラフを画定する前側壁および後側壁を含み、歯列弓の曲率にほぼ近づけるために縦断的側面で曲線状であった。このトレイ様装置および小片は、ヒトの歯牙上に設置したときにほぼ直ぐに接着した。
治療用ゲルを、本実施例のトレイ様装置のトラフ中に、接着性漂白層の内面に隣接して設置し、ヒトの歯牙および/または歯肉に非常に接着性である本発明に従うトレイ様治療用装置を生じる。代替的には、治療用ゲルを、小片の接着性層に隣接して設置する。
実質的に固体の粘着性かつ非流動性の接着性漂白層を製造する際に使用するのに適している初めは流動性の中間体組成物は、以下の成分を共に混合することにより生成した。
過酸化カルバミド 10%
水 21%
エタノール 21%
Kollidon VA 64(M.W.=60,000) 40%
カルボキシメチルセルロース 3%
PEG 600 3%
水 21%
エタノール 21%
Kollidon VA 64(M.W.=60,000) 40%
カルボキシメチルセルロース 3%
PEG 600 3%
Kollidon VA 64は、BASFより販売されているポリビニルピロリドンポリマーである。得られた中間体組成物を、実施例1に記載されるように、ポリエチレン、パラフィン、およびMYLARのシートの表面上に広げた。コーティングされたシートを、50〜70℃の温度まで加熱した強制空気オーブン中で約45分間加熱した。コーティングされたシートをオーブンから取り出し、検査した。この中間体組成物は十分に乾燥して、ポリマーシートの表面上の固体の接着性漂白層を生成した。ポリエチレングリコールを含めることは、乾燥後に、漂白層がより柔軟でかつより脆くないままであるのに役立った。この漂白層は、ポリマーシートの各々に十分に接着した。
コーティングされたシートをより小さなサイズの切片に切り離し、小片として使用し、またはヒトの歯牙上への設置に適しているトレイ様装置に成形した。トレイ様装置には、ほぼU字形またはV字形断面を有するトラフを画定する前側壁および後側壁を含み、歯列弓の曲率にほぼ近づけるために縦断的側面で曲線状であった。このトレイ様装置および小片は、ヒトの歯牙上に設置したときにほぼ直ぐに接着した。
治療用ゲルを、本実施例のトレイ様装置のトラフ中に、接着性漂白層の内面に隣接して設置し、ヒトの歯牙および/または歯肉に非常に接着性である本発明に従うトレイ様治療用装置を生じる。代替的には、治療用ゲルを、小片の接着性層に隣接して設置する。
実質的に固体の粘着性かつ非流動性の接着性漂白層を製造する際に使用するのに適している初めは流動性の中間体組成物は、以下の成分を共に混合することにより生成した。
過酸化カルバミド 11.6%
エタノール 55.8%
Kollidon VA 90F(M.W.=1,300,000)24.4%
カルボキシメチルセルロース 2.3%
PEG 600 5.8%
エタノール 55.8%
Kollidon VA 90F(M.W.=1,300,000)24.4%
カルボキシメチルセルロース 2.3%
PEG 600 5.8%
得られた中間体組成物を、実施例1に記載されるように、ポリエチレン、パラフィン、およびMYLARのシートの表面上に広げた。コーティングされたシートを、50〜70℃の温度まで加熱した強制空気オーブン中で約30分間加熱した。コーティングされたシートをオーブンから取り出し、検査した。この中間体組成物は十分に乾燥して、ポリマーシートの表面上の固体の接着性漂白層を生成した。エタノールを唯一の溶媒として使用することは、実施例5および6の組成物よりもさらに短い時間で中間体組成物を乾燥させることを可能にした。この漂白層は、ポリマーシートの各々に十分に接着した。
コーティングされたシートを、より小さなサイズの切片に切り離し、小片として使用し、またはヒトの歯牙上への設置に適しているトレイ様装置に成形した。トレイ様装置には、ほぼU字形またはV字形断面を有するトラフを画定する前側壁および後側壁を含み、歯列弓の曲率にほぼ近づけるために縦断的側面で曲線状であった。このトレイ様装置および小片は、ヒトの歯牙上に設置したときにほぼ直ぐに接着した。
治療用ゲルを、本実施例のトレイ様装置のトラフ中に、接着性漂白層の内面に隣接して設置し、ヒトの歯牙および/または歯肉に非常に接着性である本発明に従うトレイ様治療用装置を生じる。代替的には、治療用ゲルを、小片の接着性層に隣接して設置する。
実質的に固体の粘着性かつ非流動性の接着性漂白層を製造する際に使用するのに適している初めは流動性の中間体組成物は、以下の成分を共に混合することにより生成した。
過酸化カルバミド 10%
エタノール 65%
Kollidon VA 90F(M.W.=1,300,000) 20%
PEG 600 5%
エタノール 65%
Kollidon VA 90F(M.W.=1,300,000) 20%
PEG 600 5%
得られた中間体組成物を、実施例1に記載されるように、ポリエチレン、パラフィン、およびMYLARのシートの表面上に広げた。コーティングされたシートを、50〜70℃の温度まで加熱した強制空気オーブン中で約30分間加熱した。コーティングされたシートをオーブンから取り出し、検査した。この中間体組成物は十分に乾燥して、ポリマーシートの表面上の固体の接着性漂白層を生成した。この漂白層は、ポリマーシートの各々に十分に接着した。
コーティングされたシートを、より小さなサイズの切片に切り離し、小片として使用し、またはヒトの歯牙上への設置に適しているトレイ様装置に成形した。トレイ様装置には、ほぼU字形またはV字形断面を有するトラフを画定する前側壁および後側壁を含み、歯列弓の曲率にほぼ近づけるために縦断的側面で曲線状であった。このトレイ様装置および小片は、ヒトの歯牙上に設置したときにほぼ直ぐに接着した。
治療用ゲルを、本実施例のトレイ様装置のトラフ中に、接着性漂白層の内面に隣接して設置し、ヒトの歯牙および/または歯肉に非常に接着性である本発明に従うトレイ様治療用装置を生じる。代替的には、治療用ゲルを、小片の接着性層に隣接して設置する。
実質的に固体の粘着性かつ非流動性の接着性漂白層を製造する際に使用するのに適している初めは流動性の中間体組成物は、以下の成分を共に混合することにより生成した。
過酸化カルバミド 10%
エタノール 64%
Kollidon VA 90F(M.W.=1,300,000) 25%
PEG 600 1%
エタノール 64%
Kollidon VA 90F(M.W.=1,300,000) 25%
PEG 600 1%
得られた中間体組成物を、実施例1に記載されるように、ポリエチレン、パラフィン、およびMYLARのシートの表面上に広げた。コーティングされたシートを、50〜70℃の温度まで加熱した強制空気オーブン中で約30分間加熱した。コーティングされたシートをオーブンから取り出し、検査した。この中間体組成物は十分に乾燥して、ポリマーシートの表面上の固体の接着性漂白層を生成した。この漂白層は、ポリマーシートの各々に十分に接着した。
コーティングされたシートを、より小さなサイズの切片に切り離し、小片として使用し、またはヒトの歯牙上への設置に適しているトレイ様装置に成形した。トレイ様装置には、ほぼU字形またはV字形断面を有するトラフを画定する前側壁および後側壁を含み、歯列弓の曲率にほぼ近づけるために縦断的側面で曲線状であった。このトレイ様装置および小片は、ヒトの歯牙上に設置したときにほぼ直ぐに接着した。
治療用ゲルを、本実施例のトレイ様装置のトラフ中に、接着性漂白層の内面に隣接して設置し、ヒトの歯牙および/または歯肉に非常に接着性である本発明に従うトレイ様治療用装置を生じる。代替的には、治療用ゲルを、小片の接着性層に隣接して設置する。
実質的に固体の粘着性かつ非流動性の接着性漂白層を製造する際に使用するのに適している初めは流動性の中間体組成物は、以下の成分を共に混合することにより生成した。
過酸化カルバミド 10%
エタノール 64%
Kollidon VA 90F(M.W.=1,300,000) 23%
PEG 600 1%
Aerosil 200 2%
エタノール 64%
Kollidon VA 90F(M.W.=1,300,000) 23%
PEG 600 1%
Aerosil 200 2%
得られた中間体組成物を、実施例1に記載されるように、ポリエチレン、パラフィン、およびMYLARのシートの表面上に広げた。Aerosil 200を、ポリマーシートへの中間体組成物の接着を促進する粘着剤として加えた。コーティングされたシートを、50〜70℃の温度まで加熱した強制空気オーブン中で約30分間加熱した。コーティングされたシートをオーブンから取り出し、検査した。この中間体組成物は十分に乾燥して、ポリマーシートの表面上の固体の接着性漂白層を生成した。この漂白層は、ポリマーシートの各々に十分に接着した。
コーティングされたシートを、より小さなサイズの切片に切り離し、小片として使用し、またはヒトの歯牙上への設置に適しているトレイ様装置に成形した。トレイ様装置には、ほぼU字形またはV字形断面を有するトラフを画定する前側壁および後側壁を含み、歯列弓の曲率にほぼ近づけるために縦断的側面で曲線状であった。このトレイ様装置および小片は、ヒトの歯牙上に設置したときにほぼ直ぐに接着した。
治療用ゲルを、本実施例のトレイ様装置のトラフ中に、接着性漂白層の内面に隣接して設置し、ヒトの歯牙および/または歯肉に非常に接着性である本発明に従うトレイ様治療用装置を生じる。代替的には、治療用ゲルを、小片の接着性層に隣接して設置する。
実質的に固体の粘着性かつ非流動性の接着性漂白層を製造する際に使用するのに適している初めは流動性の中間体組成物は、以下の成分を共に混合することにより生成した。
過酸化カルバミド 10%
エタノール 66.9%
Kollidon VA 90F(M.W.=1,300,000) 20%
PEG 600 0.1%
Aerosil 200 3%
エタノール 66.9%
Kollidon VA 90F(M.W.=1,300,000) 20%
PEG 600 0.1%
Aerosil 200 3%
得られた中間体組成物を、実施例1に記載されるように、ポリエチレン、パラフィン、およびMYLARのシートの表面上に広げた。コーティングされたシートを、50〜70℃の温度まで加熱した強制空気オーブン中で約30分間加熱した。コーティングされたシートをオーブンから取り出し、検査した。この中間体組成物は十分に乾燥して、ポリマーシートの表面上の固体の接着性漂白層を生成した。この漂白層は、ポリマーシートの各々に十分に接着した。
コーティングされたシートを、より小さなサイズの切片に切り離し、小片として使用し、またはヒトの歯牙上への設置に適しているトレイ様装置に成形した。トレイ様装置には、ほぼU字形またはV字形断面を有するトラフを画定する前側壁および後側壁を含み、歯列弓の曲率にほぼ近づけるために縦断的側面で曲線状であった。このトレイ様装置および小片は、ヒトの歯牙上に設置したときにほぼ直ぐに接着した。
治療用ゲルを、本実施例のトレイ様装置のトラフ中に、接着性漂白層の内面に隣接して設置し、ヒトの歯牙および/または歯肉に非常に接着性である本発明に従うトレイ様治療用装置を生じる。代替的には、治療用ゲルを、小片の接着性層に隣接して設置する。
実質的に固体の粘着性かつ非流動性の接着性漂白層を製造する際に使用するのに適している初めは流動性の中間体組成物は、以下の成分を共に混合することにより生成した。
過酸化カルバミド 10%
PolyOx(M.W.=1,000,000) 7.5%
水 75.5%
グリセリン 5%
Aerosil 200 2%
PolyOx(M.W.=1,000,000) 7.5%
水 75.5%
グリセリン 5%
Aerosil 200 2%
得られた中間体組成物を、実施例2に記載されるように、MYLARのシートの表面上に広げた。コーティングされたシートを、50〜70℃の温度まで加熱した強制空気オーブン中で約1時間加熱した。コーティングされたシートをオーブンから取り出し、検査した。この中間体組成物は十分に乾燥して、ポリマーシートの表面上の固体の接着性漂白層を生成した。実施例12の漂白層は、MYLARシートに十分には接着しなかった。これはまた、乾燥の延長後にある程度収縮した。実施例12の漂白層は、湿らせたときにヒトの歯牙に接着可能であった。
治療用ゲルを、本実施例のトレイ様装置のトラフ中に、接着性漂白層の内面に隣接して設置し、ヒトの歯牙および/または歯肉に非常に接着性である本発明に従うトレイ様治療用装置を生じる。代替的には、治療用ゲルを、小片の接着性層に隣接して設置する。
実質的に固体の粘着性かつ非流動性の接着性漂白層を製造する際に使用するのに適している初めは流動性の中間体組成物は、以下の成分を共に混合することにより生成した。
過酸化カルバミド 10%
Kollidon 90F(M.W.=1,300,000) 10%
Kollidon 30(M.W.=50,000) 20%
水 53%
グリセリン 5%
Aerosil 200 2%
Kollidon 90F(M.W.=1,300,000) 10%
Kollidon 30(M.W.=50,000) 20%
水 53%
グリセリン 5%
Aerosil 200 2%
得られた中間体組成物を、実施例1に記載されるように、ポリエチレン、パラフィン、およびMYLARのシートの表面上に広げた。コーティングされたシートを、50〜70℃の温度まで加熱した強制空気オーブン中で約1時間加熱した。コーティングされたシートをオーブンから取り出し、検査した。この中間体組成物は十分に乾燥して、ポリマーシートの表面上の固体の接着性漂白層を生成した。この漂白層は、ポリマーシートの各々に十分に接着した。
コーティングされたシートを、より小さなサイズの切片に切り離し、小片として使用し、またはヒトの歯牙上への設置に適しているトレイ様装置に成形した。トレイ様装置には、ほぼU字形またはV字形断面を有するトラフを画定する前側壁および後側壁を含み、歯列弓の曲率にほぼ近づけるために縦断的側面で曲線状であった。このトレイ様装置および小片は、ヒトの歯牙上に設置したときにほぼ直ぐに接着した。
治療用ゲルを、本実施例のトレイ様装置のトラフ中に、接着性漂白層の内面に隣接して設置し、ヒトの歯牙および/または歯肉に非常に接着性である本発明に従うトレイ様治療用装置を生じる。代替的には、治療用ゲルを、小片の接着性層に隣接して設置する。
実質的に固体の粘着性かつ非流動性の接着性漂白層を製造する際に使用するのに適している初めは流動性の中間体組成物は、以下の成分を共に混合することにより生成した。
過酸化カルバミド 10%
Kollidon 90F(M.W.=1,300,000) 27%
水 50%
グリセリン 7%
Aerosil 200 6%
Kollidon 90F(M.W.=1,300,000) 27%
水 50%
グリセリン 7%
Aerosil 200 6%
得られた中間体組成物を、実施例1に記載されるように、ポリエチレン、パラフィン、およびMYLARのシートの表面上に広げた。コーティングされたシートを、50〜70℃の温度まで加熱した強制空気オーブン中で約1時間加熱した。コーティングされたシートをオーブンから取り出し、検査した。この中間体組成物は十分に乾燥して、ポリマーシートの表面上の固体の接着性漂白層を生成した。この漂白層は、ポリマーシートの各々に十分に接着した。
コーティングされたシートを、より小さなサイズの切片に切り離し、小片として使用し、またはヒトの歯牙上への設置に適しているトレイ様装置に成形した。トレイ様装置には、ほぼU字形またはV字形断面を有するトラフを画定する前側壁および後側壁を含み、歯列弓の曲率にほぼ近づけるために縦断的側面で曲線状であった。このトレイ様装置および小片は、ヒトの歯牙上に設置したときにほぼ直ぐに接着した。
治療用ゲルを、本実施例のトレイ様装置のトラフ中に、接着性漂白層の内面に隣接して設置し、ヒトの歯牙および/または歯肉に非常に接着性である本発明に従うトレイ様治療用装置を生じる。代替的には、治療用ゲルを、小片の接着性層に隣接して設置する。
実質的に固体の粘着性かつ非流動性の接着性漂白層を製造する際に使用するのに適している初めは流動性の中間体組成物は、以下の成分を共に混合することにより生成した。
過酸化カルバミド 10%
Kollidon 90F(M.W.=1,300,000) 28%
水 50%
グリセリン 7%
Aerosil 200 5%
Kollidon 90F(M.W.=1,300,000) 28%
水 50%
グリセリン 7%
Aerosil 200 5%
得られた中間体組成物を、実施例1に記載されるように、ポリエチレン、パラフィン、およびMYLARのシートの表面上に広げた。コーティングされたシートを、50〜70℃の温度まで加熱した強制空気オーブン中で約1時間加熱した。コーティングされたシートをオーブンから取り出し、検査した。この中間体組成物は十分に乾燥して、ポリマーシートの表面上の固体の接着性漂白層を生成した。この漂白層は、ポリマーシートの各々に十分に接着した。
コーティングされたシートを、より小さなサイズの切片に切り離し、小片として使用し、またはヒトの歯牙上への設置に適しているトレイ様装置に成形した。トレイ様装置には、ほぼU字形またはV字形断面を有するトラフを画定する前側壁および後側壁を含み、歯列弓の曲率にほぼ近づけるために縦断的側面で曲線状であった。このトレイ様装置および小片は、ヒトの歯牙上に設置したときにほぼ直ぐに接着した。
治療用ゲルを、本実施例のトレイ様装置のトラフ中に、接着性漂白層の内面に隣接して設置し、ヒトの歯牙および/または歯肉に非常に接着性である本発明に従うトレイ様治療用装置を生じる。代替的には、治療用ゲルを、小片の接着性層に隣接して設置する。
実質的に固体の粘着性かつ非流動性の接着性漂白層を製造する際に使用するのに適している初めは流動性の中間体組成物は、以下の成分を共に混合することにより生成した。
過酸化カルバミド 15%
ポリビニルピロリドン(M.W.=1,300,000) 32%
水 12.8%
エタノール 20%
グリセリン 10%
Aerosil 200 5%
EDTAカルシウム 0.2%
ラウリル硫酸ナトリウム 5%
ポリビニルピロリドン(M.W.=1,300,000) 32%
水 12.8%
エタノール 20%
グリセリン 10%
Aerosil 200 5%
EDTAカルシウム 0.2%
ラウリル硫酸ナトリウム 5%
得られた中間体組成物を、実施例1に記載されるように、ポリエチレン、パラフィン、およびMYLARのシートの表面上に広げた。コーティングされたシートを、50〜70℃の温度まで加熱した強制空気オーブン中で約1時間加熱した。コーティングされたシートをオーブンから取り出し、検査した。この中間体組成物は十分に乾燥して、ポリマーシートの表面上の固体の接着性漂白層を生成した。この漂白層は、ポリマーシートの各々に十分に接着した。
コーティングされたシートを、より小さなサイズの切片に切り離し、小片として使用し、またはヒトの歯牙上への設置に適しているトレイ様装置に成形した。トレイ様装置には、ほぼU字形またはV字形断面を有するトラフを画定する前側壁および後側壁を含み、歯列弓の曲率にほぼ近づけるために縦断的側面で曲線状であった。このトレイ様装置および小片は、ヒトの歯牙上に設置したときにほぼ直ぐに接着した。
治療用ゲルを、本実施例のトレイ様装置のトラフ中に、接着性漂白層の内面に隣接して設置し、ヒトの歯牙および/または歯肉に非常に接着性である本発明に従うトレイ様治療用装置を生じる。代替的には、治療用ゲルを、小片の接着性層に隣接して設置する。
実質的に固体の粘着性かつ非流動性の接着性漂白層を製造する際に使用するのに適している初めは流動性の中間体組成物は、以下の成分を共に混合することにより生成した。
過酸化カルバミド 15%
ポリビニルピロリドン(M.W.=1,300,000) 26%
水 16.8%
エタノール 25%
グリセリン 15%
EDTAカルシウム 0.2%
ラウリルエーテル硫酸ナトリウム 2%
ポリビニルピロリドン(M.W.=1,300,000) 26%
水 16.8%
エタノール 25%
グリセリン 15%
EDTAカルシウム 0.2%
ラウリルエーテル硫酸ナトリウム 2%
得られた中間体組成物を、実施例1に記載されるように、ポリエチレン、パラフィン、およびMYLARのシートの表面上に広げた。コーティングされたシートを、50〜70℃の温度まで加熱した強制空気オーブン中で約1時間加熱した。コーティングされたシートをオーブンから取り出し、検査した。この中間体組成物は十分に乾燥して、ポリマーシートの表面上の固体の接着性漂白層を生成した。この漂白層は、ポリマーシートの各々に十分に接着した。
コーティングされたシートを、より小さなサイズの切片に切り離し、小片として使用し、またはヒトの歯牙上への設置に適しているトレイ様装置に成形した。トレイ様装置には、ほぼU字形またはV字形断面を有するトラフを画定する前側壁および後側壁を含み、歯列弓の曲率にほぼ近づけるために縦断的側面で曲線状であった。このトレイ様装置および小片は、ヒトの歯牙上に設置したときにほぼ直ぐに接着した。
治療用ゲルを、本実施例のトレイ様装置のトラフ中に、接着性漂白層の内面に隣接して設置し、ヒトの歯牙および/または歯肉に非常に接着性である本発明に従うトレイ様治療用装置を生じる。代替的には、治療用ゲルを、小片の接着性層に隣接して設置する。
実質的に固体の粘着性かつ非流動性の接着性漂白層を製造する際に使用するのに適している初めは流動性の中間体組成物は、以下の成分を共に混合することにより生成した。
過酸化カルバミド 15%
ポリビニルピロリドン(M.W.=1,300,000) 32%
水 13.8%
エタノール 20%
グリセリン 12%
Aerosil 200 5%
EDTAカルシウム 0.2%
Silwet L−7001 2%
ポリビニルピロリドン(M.W.=1,300,000) 32%
水 13.8%
エタノール 20%
グリセリン 12%
Aerosil 200 5%
EDTAカルシウム 0.2%
Silwet L−7001 2%
得られた中間体組成物を、実施例1に記載されるように、ポリエチレン、パラフィン、およびMYLARのシートの表面上に広げた。コーティングされたシートを、50〜70℃の温度まで加熱した強制空気オーブン中で約1時間加熱した。コーティングされたシートをオーブンから取り出し、検査した。この中間体組成物は十分に乾燥して、ポリマーシートの表面上の固体の接着性漂白層を生成した。この漂白層は、ポリマーシートの各々に十分に接着した。
コーティングされたシートを、より小さなサイズの切片に切り離し、小片として使用し、またはヒトの歯牙上への設置に適しているトレイ様装置に成形した。トレイ様装置には、ほぼU字形またはV字形断面を有するトラフを画定する前側壁および後側壁を含み、歯列弓の曲率にほぼ近づけるために縦断的側面で曲線状であった。このトレイ様装置および小片は、ヒトの歯牙上に設置したときにほぼ直ぐに接着した。
治療用ゲルを、本実施例のトレイ様装置のトラフ中に、接着性漂白層の内面に隣接して設置し、ヒトの歯牙および/または歯肉に非常に接着性である本発明に従うトレイ様治療用装置を生じる。代替的には、治療用ゲルを、小片の接着性層に隣接して設置する。
実質的に固体の粘着性かつ非流動性の接着性漂白層を製造する際に使用するのに適している初めは流動性の中間体組成物は、以下の成分を共に混合することにより生成した。
過酸化カルシウム 20%
過酸化カルバミド 4%
ポリビニルピロリドン(M.W.=1,300,000) 20%
水 11.8%
エタノール 20%
グリセリン 18%
Aerosil 200 5%
EDTAカルシウム 0.2%
ラウリル硫酸ナトリウム 2%
過酸化カルバミド 4%
ポリビニルピロリドン(M.W.=1,300,000) 20%
水 11.8%
エタノール 20%
グリセリン 18%
Aerosil 200 5%
EDTAカルシウム 0.2%
ラウリル硫酸ナトリウム 2%
得られた中間体組成物を、実施例1に記載されるように、ポリエチレン、パラフィン、およびMYLARのシートの表面上に広げた。コーティングされたシートを、50〜70℃の温度まで加熱した強制空気オーブン中で約1時間加熱した。コーティングされたシートをオーブンから取り出し、検査した。この中間体組成物は十分に乾燥して、ポリマーシートの表面上の固体の接着性漂白層を生成した。この漂白層は、ポリマーシートの各々に十分に接着した。
コーティングされたシートを、より小さなサイズの切片に切り離し、小片として使用し、またはヒトの歯牙上への設置に適しているトレイ様装置に成形した。トレイ様装置には、ほぼU字形またはV字形断面を有するトラフを画定する前側壁および後側壁を含み、歯列弓の曲率にほぼ近づけるために縦断的側面で曲線状であった。このトレイ様装置および小片は、ヒトの歯牙上に設置したときにほぼ直ぐに接着した。
治療用ゲルを、本実施例のトレイ様装置のトラフ中に、接着性漂白層の内面に隣接して設置し、ヒトの歯牙および/または歯肉に非常に接着性である本発明に従うトレイ様治療用装置を生じる。代替的には、治療用ゲルを、小片の接着性層に隣接して設置する。
実質的に固体の粘着性かつ非流動性の接着性漂白層を製造する際に使用するのに適している初めは流動性の中間体組成物は、以下の成分を共に混合することにより生成した。
過酸化カルバミド 10%
Kollidon 90(M.W.=1,300,000) 18.7%
水 42.3%
エタノール 13.3%
グリセリン 12%
Aerosil 200 3.3%
ラウリル硫酸ナトリウム 0.33%
Kollidon 90(M.W.=1,300,000) 18.7%
水 42.3%
エタノール 13.3%
グリセリン 12%
Aerosil 200 3.3%
ラウリル硫酸ナトリウム 0.33%
得られた中間体組成物を、実施例1に記載されるように、ポリエチレン、パラフィン、およびMYLARのシートの表面上に広げた。コーティングされたシートを、50〜70℃の温度まで加熱した強制空気オーブン中で約1時間加熱した。コーティングされたシートをオーブンから取り出し、検査した。この中間体組成物は十分に乾燥して、ポリマーシートの表面上の固体の接着性漂白層を生成した。この漂白層は、ポリマーシートの各々に十分に接着した。
コーティングされたシートを、より小さなサイズの切片に切り離し、小片として使用し、またはヒトの歯牙上への設置に適しているトレイ様装置に成形した。トレイ様装置には、ほぼU字形またはV字形断面を有するトラフを画定する前側壁および後側壁を含み、歯列弓の曲率にほぼ近づけるために縦断的側面で曲線状であった。このトレイ様装置および小片は、ヒトの歯牙上に設置したときにほぼ直ぐに接着した。
治療用ゲルを、本実施例のトレイ様装置のトラフ中に、接着性漂白層の内面に隣接して設置し、ヒトの歯牙および/または歯肉に非常に接着性である本発明に従うトレイ様治療用装置を生じる。代替的には、治療用ゲルを、小片の接着性層に隣接して設置する。
実質的に固体の粘着性かつ非流動性の接着性漂白層を製造する際に使用するのに適している初めは流動性の中間体組成物は、以下の成分を共に混合することにより生成した。
過酸化カルバミド 7.1%
Kollidon 90(M.W.=1,300,000) 25%
水 10.7%
エタノール 50.7%
グリセリン 2.9%
Aerosil 200 3.6%
Kollidon 90(M.W.=1,300,000) 25%
水 10.7%
エタノール 50.7%
グリセリン 2.9%
Aerosil 200 3.6%
得られた中間体組成物を、実施例1に記載されるように、ポリエチレン、パラフィン、およびMYLARのシートの表面上に広げた。コーティングされたシートを、50〜70℃の温度まで加熱した強制空気オーブン中で約1時間加熱した。コーティングされたシートをオーブンから取り出し、検査した。この中間体組成物は十分に乾燥して、ポリマーシートの表面上の固体の接着性漂白層を生成した。この漂白層は、ポリマーシートの各々に十分に接着した。
コーティングされたシートを、より小さなサイズの切片に切り離し、小片として使用し、またはヒトの歯牙上への設置に適しているトレイ様装置に成形した。トレイ様装置には、ほぼU字形またはV字形断面を有するトラフを画定する前側壁および後側壁を含み、歯列弓の曲率にほぼ近づけるために縦断的側面で曲線状であった。このトレイ様装置および小片は、ヒトの歯牙上に設置したときにほぼ直ぐに接着した。
治療用ゲルを、本実施例のトレイ様装置のトラフ中に、接着性漂白層の内面に隣接して設置し、ヒトの歯牙および/または歯肉に非常に接着性である本発明に従うトレイ様治療用装置を生じる。代替的には、治療用ゲルを、小片の接着性層に隣接して設置する。
実質的に固体の粘着性かつ非流動性の接着性減感層を製造する際に使用するのに適している初めは流動性の中間体組成物は、以下の成分を共に混合することにより生成した。
フッ化ナトリウム 0.25%
ポリビニルピロリドン(M.W.=1,300,000) 30%
水 69.75%
ポリビニルピロリドン(M.W.=1,300,000) 30%
水 69.75%
得られた中間体組成物は、3つのタイプの柔軟性ポリマーシート、すなわち約0.15から0.18mmの厚さを有するポリエチレンシート;約0.05から0.08mmの厚さを有するパラフィンでできているシート;および約0.38mmの厚さを有するMYLARシートの表面上に広げた。ならす装置を用いて中間体組成物を広げた。これらのコーティングされたシートは、50〜70℃の温度まで加熱した強制空気オーブン中で約1時間加熱した。コーティングされたシートをオーブンから取り出し、検査した。この中間体組成物は十分に乾燥し、ポリマーシートの表面上に固体粘着性の減感層を形成した。乾燥した減感組成物は、各々のポリマーシートに十分に接着した。
コーティングされたシートを、より小さなサイズの切片に切り離し、小片として使用するか、またはヒトの歯牙上への設置に適しているトレイ様装置に成形した。トレイ様装置には、ほぼU字形またはV字形の断面を有するトラフを画定する前側壁および後側壁を含み、歯列弓の曲率にほぼ近づけるために縦断的側面で曲線状であった。
ヒトの歯牙上に設置することにより、トレイ様装置および小片を試験した。歯牙表面上に存在する残留唾液は、減感層の露出表面を濡らし、これらをほぼ直ちに歯牙に対して粘着性かつ極めて接着性にした。歯牙に対してトレイ様装置および小片を押しつけ、これらを歯列弓の天然の不規則性に適合させ、歯牙に対して強く接着させた。このことは、本実施例において生成された減感層が優秀な接着性層を含むことを実証した。
治療用ゲルを、本実施例のトレイ様装置のトラフ中に、接着性減感層の内面に隣接して設置し、本発明に従うトレイ様治療用装置を生じる。代替的には、治療用ゲルを、小片の接着性層に隣接して設置する。代替的には、治療用ゲルを、小片の接着性層に隣接して設置する。治療用ゲルを、ヒトの歯牙および/または歯肉の上に治療用装置を設置する前には加熱せず、このことは、治療用ゲル中での活性薬剤の効力および濃度を保存するのに役立った。
トレイ様治療用装置(または小片)は、数分から数時間までの範囲の様々な時間、ずれることなく装着された。場合によっては、わずか1回の治療セッション(例えば、2時間の治療セッション)後に著しい治療効果が検出された。漂白装置の場合においては、典型的には、1〜3回の減感セッション後に著しい漂白が検出される。減感層は、さもなくば漂白装置の漂白ゲルによって引き起こされるかもしれない歯牙感度の減少を補助する。
実質的に固体の粘着性かつ非流動性の接着性減感層を製造する際に使用するのに適している初めは流動性の中間体組成物は、以下の成分を共に混合することにより生成した。
クエン酸ナトリウム 5%
ポリビニルピロリドン(M.W.=1,300,000) 20%
水 75%
ポリビニルピロリドン(M.W.=1,300,000) 20%
水 75%
実施例22に記載の方法に従い、得られた中間体組成物からトレイ様装置および小片を製造した。減感層は、ポリマーシートを含むバリア層によく接着した。ヒトの歯牙上に設置することにより、トレイ様装置および小片を試験した。歯牙表面上に存在する残留唾液は、減感層の露出表面を濡らし、ほぼ直ちに歯牙に対してこれを粘着性かつ極めて接着性にした。歯牙に対してトレイ様装置および小片を押しつけ、これらを歯列弓の天然の不規則性に適合させ、歯牙に対して強く接着させた。
治療用ゲルを、本実施例のトレイ様装置のトラフ中に、接着性漂白層の内面に隣接して設置し、ヒトの歯牙および/または歯肉に非常に接着性である本発明に従うトレイ様治療用装置を生じる。代替的には、治療用ゲルを、小片の接着性層に隣接して設置する。
実質的に固体の粘着性かつ非流動性の接着性減感層を製造する際に使用するのに適している初めは流動性の中間体組成物は、以下の成分を共に混合することにより生成した。
硝酸カリウム 3%
ポリビニルピロリドン(M.W.=1,300,000) 15%
エタノール 30%
水 52%
ポリビニルピロリドン(M.W.=1,300,000) 15%
エタノール 30%
水 52%
実施例22に記載の方法に従い、得られた中間体組成物からトレイ様装置および小片を製造した。減感層は、ポリマーシートを含むバリア層によく接着した。ヒトの歯牙上に設置することにより、トレイ様装置および小片を試験した。歯牙表面上に存在する残留唾液は、減感層の露出表面を濡らし、ほぼ直ちに歯牙に対してこれを粘着性かつ極めて接着性にした。歯牙に対してトレイ様装置および小片を押しつけ、これらを歯列弓の天然の不規則性に適合させ、歯牙に対して強く接着させた。
治療用ゲルを、本実施例のトレイ様装置のトラフ中に、接着性漂白層の内面に隣接して設置し、ヒトの歯牙および/または歯肉に非常に接着性である本発明に従うトレイ様治療用装置を生じる。代替的には、治療用ゲルを、小片の接着性層に隣接して設置する。
実質的に固体の粘着性かつ非流動性の接着性減感層を製造する際に使用するのに適している初めは流動性の中間体組成物は、以下の成分を共に混合することにより生成した。
硝酸カリウム 0.5%
フッ化ナトリウム 0.25%
ポリビニルピロリドン(M.W.=1,300,000) 32%
エタノール 30%
水 37.25%
フッ化ナトリウム 0.25%
ポリビニルピロリドン(M.W.=1,300,000) 32%
エタノール 30%
水 37.25%
実施例22に記載の方法に従い、得られた中間体組成物からトレイ様装置および小片を製造した。減感層は、ポリマーシートを含むバリア層によく接着した。ヒトの歯牙上に設置することにより、トレイ様装置および小片を試験した。歯牙表面上に存在する残留唾液は、減感層の露出表面を濡らし、ほぼ直ちに歯牙に対してこれを粘着性かつ極めて接着性にした。歯牙に対してトレイ様装置および小片を押しつけ、これらを歯列弓の天然の不規則性に適合させ、歯牙に対して強く接着させた。
治療用ゲルを、本実施例のトレイ様装置のトラフ中に、接着性漂白層の内面に隣接して設置し、ヒトの歯牙および/または歯肉に非常に接着性である本発明に従うトレイ様治療用装置を生じる。代替的には、治療用ゲルを、小片の接着性層に隣接して設置する。
実質的に固体の粘着性かつ非流動性の接着性減感層を製造する際に使用するのに適している初めは流動性の中間体組成物は、以下の成分を共に混合することにより生成した。
硝酸カリウム 0.5%
フッ化ナトリウム 0.25%
過酸化カルバミド 15%
ポリビニルピロリドン(M.W.=1,300,000) 33%
水 51.25%
フッ化ナトリウム 0.25%
過酸化カルバミド 15%
ポリビニルピロリドン(M.W.=1,300,000) 33%
水 51.25%
実施例22に記載の方法に従い、得られた中間体組成物からトレイ様装置および小片を製造した。減感層は、ポリマーシートを含むバリア層によく接着した。ヒトの歯牙上に設置することにより、トレイ様装置および小片を試験した。歯牙表面上に存在する残留唾液は、減感層の露出表面を濡らし、ほぼ直ちに歯牙に対してこれを粘着性かつ極めて接着性にした。歯牙に対してトレイ様装置および小片を押しつけ、これらを歯列弓の天然の不規則性に適合させ、歯牙に対して強く接着させた。
治療用ゲルを、本実施例のトレイ様装置のトラフ中に、接着性漂白層の内面に隣接して設置し、ヒトの歯牙および/または歯肉に非常に接着性である本発明に従うトレイ様治療用装置を生じる。代替的には、治療用ゲルを、小片の接着性層に隣接して設置する。
実質的に固体の粘着性かつ非流動性の接着性抗微生物層を製造する際に使用するのに適している初めは流動性の中間体抗微生物組成物は、以下の成分を共に混合することにより生成した。
グルコン酸クロルヘキシジン 2%
ポリビニルピロリドン(M.W.=1,300,000) 30%
エタノール 33%
水 35%
ポリビニルピロリドン(M.W.=1,300,000) 30%
エタノール 33%
水 35%
実施例1または22に記載の方法に従い、得られた中間体抗微生物組成物からトレイ様装置および小片を製造した。抗微生物層は、ポリマーシートを含むバリア層によく接着した。ヒトの歯牙上に設置することにより、トレイ様装置および小片を試験した。歯牙表面上に存在する残留唾液は、抗微生物層の露出表面を濡らし、ほぼ直ちに歯牙に対してこれを粘着性かつ極めて接着性にした。歯牙に対してトレイ様装置および小片を押しつけ、これらを歯列弓の天然の不規則性に適合させ、歯牙に対して強く接着させた。
治療用ゲルを、本実施例のトレイ様装置のトラフ中に、接着性抗微生物層の内面に隣接して設置し、ヒトの歯牙および/または歯肉に非常に接着性である本発明に従うトレイ様治療用装置を生じる。代替的には、治療用ゲルを、小片の接着性層に隣接して設置する。
実質的に固体の粘着性かつ非流動性の接着性抗微生物層を製造する際に使用するのに適している初めは流動性の中間体抗微生物組成物は、以下の成分を共に混合することにより生成した。
塩化セチルピリジニウム 2%
エタノール 28%
ポリビニルピロリドン(M.W.=1,300,000) 35%
水 35%
エタノール 28%
ポリビニルピロリドン(M.W.=1,300,000) 35%
水 35%
実施例1または22に記載の方法に従い、得られた中間体抗微生物組成物からトレイ様装置および小片を製造した。抗微生物層は、ポリマーシートを含むバリア層によく接着した。ヒトの歯牙上に設置することにより、トレイ様装置および小片を試験した。歯牙表面上に存在する残留唾液は、抗微生物層の露出表面を濡らし、ほぼ直ちに歯牙に対してこれを粘着性かつ極めて接着性にした。歯牙に対してトレイ様装置および小片を押しつけ、これらを歯列弓の天然の不規則性に適合させ、歯牙に対して強く接着させた。
治療用ゲルを、本実施例のトレイ様装置のトラフ中に、接着性抗微生物層の内面に隣接して設置し、ヒトの歯牙および/または歯肉に非常に接着性である本発明に従うトレイ様治療用装置を生じる。代替的には、治療用ゲルを、小片の接着性層に隣接して設置する。
実質的に固体の粘着性かつ非流動性の抗微生物層を製造する際に使用するのに適している初めは流動性の中間体抗微生物組成物は、以下の成分を共に混合することにより生成した。
フェノール 3%
ポリビニルピロリドン(M.W.=1,300,000) 35%
エタノール 62%
ポリビニルピロリドン(M.W.=1,300,000) 35%
エタノール 62%
実施例1または22に記載の方法に従い、得られた中間体抗微生物組成物からトレイ様装置および小片を製造した。抗微生物層は、ポリマーシートを含むバリア層によく接着した。ヒトの歯牙上に設置することにより、トレイ様装置および小片を試験した。歯牙表面上に存在する残留唾液は、抗微生物層の露出表面を濡らし、ほぼ直ちに歯牙に対してこれを粘着性かつ極めて接着性にした。歯牙に対してトレイ様装置および小片を押しつけ、これらを歯列弓の天然の不規則性に適合させ、歯牙に対して強く接着させた。
治療用ゲルを、本実施例のトレイ様装置のトラフ中に、接着性抗微生物層の内面に隣接して設置し、ヒトの歯牙および/または歯肉に非常に接着性である本発明に従うトレイ様治療用装置を生じる。代替的には、治療用ゲルを、小片の接着性層に隣接して設置する。
実質的に固体の接着性層を製造する際に使用するのに適している初めは流動性の接着性組成物中間体は、以下の成分を共に混合することにより生成した。
水 25%
エタノール 30%
グリセリン 10%
ポリビニルピロリドン(M.W.=1,300,000) 30%
Aerosil 200 5%
エタノール 30%
グリセリン 10%
ポリビニルピロリドン(M.W.=1,300,000) 30%
Aerosil 200 5%
実施例1または22に記載の方法に従い、得られた接着性組成物中間体からトレイ様組成物、小片、または中間体装置を製造した。接着性層は、ポリマーシートを含むバリア層によく接着した。治療用ゲルを、本実施例のトレイ様装置のトラフ中に、接着性層の内面に隣接して設置し、ヒトの歯牙および/または歯肉に非常に接着性である本発明に従うトレイ様治療用装置を生じる。代替的には、治療用ゲルを、小片の接着性層に隣接して設置する。
実質的に固体の接着性層を製造する際に使用するのに適している初めは流動性の接着性組成物中間体は、以下の成分を共に混合することにより生成した。
水 20%
エタノール 30%
グリセリン 15%
ポリビニルピロリドン(M.W.=1,300,000) 30%
Aerosil 200 5%
エタノール 30%
グリセリン 15%
ポリビニルピロリドン(M.W.=1,300,000) 30%
Aerosil 200 5%
実施例1または22に記載の方法に従い、得られた接着性組成物中間体からトレイ様組成物、小片、または中間体装置を製造した。接着性層は、ポリマーシートを含むバリア層によく接着した。治療用ゲルを、本実施例のトレイ様装置のトラフ中に、接着性層の内面に隣接して設置し、ヒトの歯牙および/または歯肉に非常に接着性である本発明に従うトレイ様治療用装置を生じる。代替的には、治療用ゲルを、小片の接着性層に隣接して設置する。
実質的に固体の接着性層を製造する際に使用するのに適している初めは流動性の接着性組成物中間体は、以下の成分を共に混合することにより生成した。
水 20%
エタノール 40%
グリセリン 10%
ポリビニルピロリドン(M.W.=1,300,000) 30%
エタノール 40%
グリセリン 10%
ポリビニルピロリドン(M.W.=1,300,000) 30%
実施例1または22に記載の方法に従い、得られた接着性組成物中間体からトレイ様組成物、小片、または中間体装置を製造した。接着性層は、ポリマーシートを含むバリア層によく接着した。治療用ゲルを、本実施例のトレイ様装置のトラフ中に、接着性層の内面に隣接して設置し、ヒトの歯牙および/または歯肉に非常に接着性である本発明に従うトレイ様治療用装置を生じる。代替的には、治療用ゲルを、小片の接着性層に隣接して設置する。
実質的に固体の接着性層を製造する際に使用するのに適している初めは流動性の接着性組成物中間体は、以下の成分を共に混合することにより生成した。
エタノール 60.6%
グリセリン 5.1%
ポリビニルピロリドン(M.W.=1,300,000) 30%
Aerosil 200 4.3%
グリセリン 5.1%
ポリビニルピロリドン(M.W.=1,300,000) 30%
Aerosil 200 4.3%
実施例1または22に記載の方法に従い、得られた接着性組成物中間体からトレイ様組成物、小片、または中間体装置を製造した。接着性層は、ポリマーシートを含むバリア層によく接着した。治療用ゲルを、本実施例のトレイ様装置のトラフ中に、接着性層の内面に隣接して設置し、ヒトの歯牙および/または歯肉に非常に接着性である本発明に従うトレイ様治療用装置を生じる。代替的には、治療用ゲルを、小片の接着性層に隣接して設置する。
実質的に固体の接着性層を製造する際に使用するのに適している初めは流動性の接着性組成物中間体は、以下の成分を共に混合することにより生成した。
エタノール 61.9%
グリセリン 9.5%
ポリビニルピロリドン(M.W.=1,300,000) 23.8%
Aerosil 200 4.8%
グリセリン 9.5%
ポリビニルピロリドン(M.W.=1,300,000) 23.8%
Aerosil 200 4.8%
実施例1または22に記載の方法に従い、得られた接着性組成物中間体からトレイ様組成物、小片、または中間体装置を製造した。接着性層は、ポリマーシートを含むバリア層によく接着した。治療用ゲルを、本実施例のトレイ様装置のトラフ中に、接着性層の内面に隣接して設置し、ヒトの歯牙および/または歯肉に非常に接着性である本発明に従うトレイ様治療用装置を生じる。代替的には、治療用ゲルを、小片の接着性層に隣接して設置する。
実質的に固体の接着性層を製造する際に使用するのに適している初めは流動性の接着性組成物中間体は、以下の成分を共に混合することにより生成した。
エタノール 63.6%
グリセリン 9.1%
ポリビニルピロリドン(M.W.=1,300,000) 27.3%
グリセリン 9.1%
ポリビニルピロリドン(M.W.=1,300,000) 27.3%
実施例1または22に記載の方法に従い、得られた接着性組成物中間体からトレイ様組成物、小片、または中間体装置を製造した。接着性層は、ポリマーシートを含むバリア層によく接着した。治療用ゲルを、本実施例のトレイ様装置のトラフ中に、接着性層の内面に隣接して設置し、ヒトの歯牙および/または歯肉に非常に接着性である本発明に従うトレイ様治療用装置を生じる。代替的には、治療用ゲルを、小片の接着性層に隣接して設置する。
実質的に固体の接着性層を製造する際に使用するのに適している初めは流動性の接着性組成物中間体は、以下の成分を共に混合することにより生成した。
エタノール 44%
ポリビニルピロリドン(M.W.=1,300,000) 34%
グリセリン 14%
ラウリル硫酸ナトリウム 3%
スクラロース 1%
人工ピーチ香料 4%
ポリビニルピロリドン(M.W.=1,300,000) 34%
グリセリン 14%
ラウリル硫酸ナトリウム 3%
スクラロース 1%
人工ピーチ香料 4%
実施例1または22に記載の方法に従い、得られた接着性組成物中間体からトレイ様組成物、小片、または中間体装置を製造した。接着性層は、ポリマーシートを含むバリア層によく接着した。治療用ゲルを、本実施例のトレイ様装置のトラフ中に、接着性層の内面に隣接して設置し、ヒトの歯牙および/または歯肉に非常に接着性である本発明に従うトレイ様治療用装置を生じる。代替的には、治療用ゲルを、小片の接着性層に隣接して設置する。
実質的に固体の接着性層を製造する際に使用するのに適している初めは流動性の接着性組成物中間体は、以下の成分を共に混合することにより生成した。
エタノール 31.95%
水 10%
ポリビニルピロリドン(M.W.>1,000,000) 27%
ポリビニルピロリドン(M.W.約60,000) 10%
ラウリル硫酸ナトリウム 0.5%
グリセリン 15%
スクラロース(25%溶液) 0.5%
ピーチ香料 4%
硝酸カリウム 0.8%
フッ化ナトリウム 0.25%
水 10%
ポリビニルピロリドン(M.W.>1,000,000) 27%
ポリビニルピロリドン(M.W.約60,000) 10%
ラウリル硫酸ナトリウム 0.5%
グリセリン 15%
スクラロース(25%溶液) 0.5%
ピーチ香料 4%
硝酸カリウム 0.8%
フッ化ナトリウム 0.25%
実施例1または22に記載の方法に従い、得られた接着性組成物中間体からトレイ様組成物、小片、または中間体装置を製造した。接着性層は、ポリマーシートを含むバリア層によく接着した。治療用ゲルを、本実施例のトレイ様装置のトラフ中に、接着性層の内面に隣接して設置し、ヒトの歯牙および/または歯肉に非常に接着性である本発明に従うトレイ様治療用装置を生じる。代替的には、治療用ゲルを、小片の接着性層に隣接して設置する。
本発明に従う治療用組成物および装置を製造する際に使用するのに適している治療用ゲルは、以下の成分を共に混合することにより生成した。
カルボキシメチルセルロース(ナトリウム塩) 2%
過酸化カルバミド 22.5%
グリセリン 28%
水 16.4%
サッカリンナトリウム粉末 2%
EDTAナトリウム 0.1%
Cabosil M−5(SiO2) 7%
ピーチ香料 2%
ポリエチレングリコール(M.W.=20,000) 20%
過酸化カルバミド 22.5%
グリセリン 28%
水 16.4%
サッカリンナトリウム粉末 2%
EDTAナトリウム 0.1%
Cabosil M−5(SiO2) 7%
ピーチ香料 2%
ポリエチレングリコール(M.W.=20,000) 20%
得られた治療用ゲルを、柔軟性で壁の薄いデンタルトレイ中に設置し、次いでヒトの歯牙上に設置した。治療用ゲルは粘着性かつ粘性であるので、望ましい時間の間(例えば、1時間以上)ヒトの歯牙に対して柔軟性で壁の薄いデンタルトレイを十分良好に接着および保持することが可能であった。従来的な歯科用漂白組成物で満たされたいかなるデンタルトレイとも同様に、本実施例のデンタルトレイは、ヒトの口から容易に取り除かれた。さらに、治療用ゲルは、この伝達トレイからヒトの口腔に、通常の口の動き(例えば、会話、あくび、または歯を食いしばることなど)によって容易に発せされた。
その後、治療用ゲルを使用して、実施例30〜37の1つまたは複数の接着性層に隣接して設置されることによって、本発明に従う治療用組成物または装置を生成した。ヒトの歯牙上に設置することによって、治療用装置を試験した。この治療用装置は、ヒトの歯牙に非常に強力に接着し、その結果、これは、意図的にヒトの歯牙からこれを剥がすことによってのみ取り外すことができた。治療用ゲルは、バリア層とヒトの歯牙との間に強固に保持され、その結果、これは、治療用装置からヒトの口腔に容易に溢れ出なかった。このことの1つの理由は、治療用ゲルおよびデンタルトレイのみを使用する場合に可能である場合よりも、接着性層とヒトの歯牙との間のはるかに強力なシールであった。別の理由は、接着性層とヒトの歯牙との間の強力な接着が、ヒトの歯牙と比較して、治療装置の動きの自由度を大きく減少させたことであった。
本発明に従う治療用組成物および装置を製造する際に使用するのに適している治療用ゲルは、以下の成分を共に混合することにより生成した。
水 19.2%
エデト酸二ナトリウム 0.1%
過酸化カルバミド 18.5%
キシリトールC 7%
グリセリン 25.4%
CARBOPOL 974 5.3%
NaOH(水中50%) 4.5%
カルボキシメチルセルロース 4%
Kollidon 90F 10%
ピーチ香料 3%
スクラロース(水中25%溶液) 3%
エデト酸二ナトリウム 0.1%
過酸化カルバミド 18.5%
キシリトールC 7%
グリセリン 25.4%
CARBOPOL 974 5.3%
NaOH(水中50%) 4.5%
カルボキシメチルセルロース 4%
Kollidon 90F 10%
ピーチ香料 3%
スクラロース(水中25%溶液) 3%
得られた治療用ゲルは極度に高粘度であった。この治療用ゲルを使用して、実施例30〜37の1つまたは複数の接着性層に隣接して設置されることによって、本発明に従う治療用装置を生成した。ヒトの歯牙上に設置することによって、治療用装置を試験した。この治療用装置は、ヒトの歯牙に非常に強力に接着し、その結果、これは、意図的にヒトの歯牙からこれを剥がすことによってのみ取り外すことができた。この治療用ゲルは、バリア層とヒトの歯牙との間に強固に保持されたので、その結果、これは、治療用装置からヒトの口腔に容易に溢れ出なかった。
本発明に従う治療用組成物および装置を製造する際に使用するのに適している治療用ゲルは、以下の成分を共に混合することにより生成した。
水 18%
エデト酸二ナトリウム 0.1%
過酸化カルバミド 18.5%
スクラロース(水中25%) 3%
グリセリン 41.6%
CARBOPOL 974 5.3%
NaOH(水中50%) 4.5%
Kollidon 90F 2%
カルボキシメチルセルロース 4%
ピーチ香料 3%
エデト酸二ナトリウム 0.1%
過酸化カルバミド 18.5%
スクラロース(水中25%) 3%
グリセリン 41.6%
CARBOPOL 974 5.3%
NaOH(水中50%) 4.5%
Kollidon 90F 2%
カルボキシメチルセルロース 4%
ピーチ香料 3%
得られた治療用ゲルは非常に良好な稠度を有し、かつ容易にデンタルトレイに負荷すること、次いでヒトの歯牙に対してそのデンタルトレイを保持することが可能であった。この治療用ゲルを使用して、実施例30〜37の1つまたは複数の接着性層に隣接して設置されることによって、本発明に従う治療用装置を生成した。ヒトの歯牙上に設置することによって、治療用装置を試験した。この治療用装置は、ヒトの歯牙に非常に強力に接着し、その結果、これは、意図的にヒトの歯牙からこれを剥がすことによってのみ取り外すことができた。この治療用ゲルは、バリア層とヒトの歯牙との間に強固に保持されたので、その結果、これは、治療用装置からヒトの口腔に容易に溢れ出なかった。
本発明に従う治療用組成物および装置を製造する際に使用するのに適している治療用ゲルは、以下の成分を共に混合することにより生成した。
水 18%
EDTA 0.1%
過酸化カルバミド 22%
スクラロース(水中25%) 2%
グリセリン 37.1%
CARBOPOL 974 5.3%
NaOH(水中50%) 4.5%
Kollidon 90F 2%
カルボキシメチルセルロース 5%
ピーチ香料 4%
EDTA 0.1%
過酸化カルバミド 22%
スクラロース(水中25%) 2%
グリセリン 37.1%
CARBOPOL 974 5.3%
NaOH(水中50%) 4.5%
Kollidon 90F 2%
カルボキシメチルセルロース 5%
ピーチ香料 4%
得られた治療用ゲルは非常に良好な稠度を有し、かつ容易にデンタルトレイに負荷すること、次いでヒトの歯牙に対してそのデンタルトレイを保持することが可能であった。この治療用ゲルを使用して、実施例30〜37の1つまたは複数の接着性層に隣接して設置されることによって、本発明に従う治療用装置を生成した。ヒトの歯牙上に設置することによって、治療用装置を試験した。この治療用装置は、ヒトの歯牙に非常に強力に接着し、その結果、これは、意図的にヒトの歯牙からこれを剥がすことによってのみ取り外すことができた。この治療用ゲルは、バリア層とヒトの歯牙との間に強固に保持されたので、その結果、これは、治療用装置からヒトの口腔に容易に溢れ出なかった。
本発明に従う治療用組成物および装置を製造する際に使用するのに適している治療用ゲルは、以下の成分を共に混合することにより生成した。
水 18%
EDTA 0.1%
過酸化カルバミド 22%
スクラロース(水中25%) 2%
グリセリン 40.1%
CARBOPOL 974 5.3%
NaOH(水中50%) 4.5%
Kollidon 90F 2%
カルボキシメチルセルロース 5%
ペパーミントオイル 1%
EDTA 0.1%
過酸化カルバミド 22%
スクラロース(水中25%) 2%
グリセリン 40.1%
CARBOPOL 974 5.3%
NaOH(水中50%) 4.5%
Kollidon 90F 2%
カルボキシメチルセルロース 5%
ペパーミントオイル 1%
得られた治療用ゲルは非常に良好な稠度を有し、かつ容易にデンタルトレイに負荷すること、次いでヒトの歯牙に対してそのデンタルトレイを保持することが可能であった。この治療用ゲルを使用して、実施例30〜37の1つまたは複数の接着性層に隣接して設置されることによって、本発明に従う治療用装置を生成した。ヒトの歯牙上に設置することによって、治療用装置を試験した。この治療用装置は、ヒトの歯牙に非常に強力に接着し、その結果、これは、意図的にヒトの歯牙からこれを剥がすことによってのみ取り外すことができた。この治療用ゲルは、バリア層とヒトの歯牙との間に強固に保持されたので、その結果、これは、治療用装置からヒトの口腔に容易に溢れ出なかった。
本発明に従う治療用組成物および装置を製造する際に使用するのに適している治療用ゲルは、以下の成分を共に混合することにより生成した。
水 22.5%
EDTA 0.1%
過酸化カルバミド 18.5%
スクラロース(水中25%) 0.75%
グリセリン 41.6%
CARBOPOL 974 5.3%
NaOH(水中50%) 2.25%
ポリビニルピロリドン(M.W.>1,000,000) 2%
カルボキシメチルセルロース 4%
香料(ピーチ、スイカ、またはペパーミント) 3%
EDTA 0.1%
過酸化カルバミド 18.5%
スクラロース(水中25%) 0.75%
グリセリン 41.6%
CARBOPOL 974 5.3%
NaOH(水中50%) 2.25%
ポリビニルピロリドン(M.W.>1,000,000) 2%
カルボキシメチルセルロース 4%
香料(ピーチ、スイカ、またはペパーミント) 3%
得られた治療用ゲルは非常に良好な稠度を有し、かつ容易にデンタルトレイに負荷すること、次いでヒトの歯牙に対してそのデンタルトレイを保持することが可能であった。この治療用ゲルを使用して、実施例30〜37の1つまたは複数の接着性層に隣接して設置されることによって、本発明に従う治療用装置を生成した。ヒトの歯牙上に設置することによって、治療用装置を試験した。この治療用装置は、ヒトの歯牙に非常に強力に接着し、その結果、これは、意図的にヒトの歯牙からこれを剥がすことによってのみ取り外すことができた。この治療用ゲルは、バリア層とヒトの歯牙との間に強固に保持されたので、その結果、これは、治療用装置からヒトの口腔に容易に溢れ出なかった。
本発明に従う治療用組成物および装置を生成するために、実施例38から43の治療用ゲルのいずれかを、実施例1〜29の接着性層のいずれかの内面に隣接して設置する。
所望の特性を有する治療用ゲルを生じるために、漂白剤に加えて、または漂白剤の少なくとも一部の代わりに、減感剤、ミネラル補給剤、抗微生物剤、抗プラーク剤、抗歯石剤、または他の医薬の1つまたは複数を加えることによって、実施例38から43の治療用ゲルのいずれかを修飾する。
以下の米国特許:特許文献7;特許文献20;特許文献8;特許文献9;特許文献10;特許文献11;特許文献12;特許文献13;特許文献14;特許文献15;特許文献16;特許文献17;特許文献18;および特許文献19;の1つまたは複数に開示されている1つまたは複数の歯科用漂白用ゲルまたは治療用ゲルを、接着性層に隣接して含むことによって、上記の組成物または装置のいずれかを修飾する。
エチルビニルアセテート(80%)およびポリプロピレン(20%)の混合物を含むトレイ、小片、またはパッチに隣接する実施例1〜37に従う接着性組成物または接着性層のいずれかを設置すること、およびそのトレイ、小片、またはパッチと反対側の接着性組成物または層の表面に隣接する実施例38〜43および45〜46のいずれかに従う治療用ゲルを設置することによって、歯科用治療用装置を製造する。
実施例1〜37に従う接着性組成物または接着性層のいずれかを、本開示の別の箇所で議論されるような1種または複数の漂白剤活性化剤(例えば、5%のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩基および/または1%の金属、金属化合物、もしくは有機金属酵素)の有効量を加えることによって修飾して、接着性活性化組成物または層を生じる。もともと漂白剤を含んだ上記の実施例における接着性組成物は、その漂白剤を除外することによって修飾する。漂白ゲルを含む治療用組成物は、本実施例の接着性組成物と隣接して設置される場合、実質的に無水であり、および/または漂白剤のための安定化剤を含む。接着性活性化組成物または層および漂白ゲルの組み合わせは、本発明に従う歯科用漂白組成物を含む。
漂白装置を、接着性組成物または接着性層に隣接する、実施例48の歯科用漂白組成物およびバリア層を含むように製造する。
実施例38〜43および45〜46のいずれかに従う漂白剤を含む治療用ゲルが散在する、実施例48に記載されるような接着用活性化組成物の領域またはスポットを含むように、漂白デバイスを製造する。
本発明は、その趣旨または本質的特徴から逸脱することなく、他の具体的形態で具体化することができる。記載されている実施形態は、すべての点で制限的ではなく単に例示的であると見なされるはずである。したがって、本発明の範囲は、上記の説明よりもむしろ添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の等価物の意味および範囲に入るすべての変更は、それらの範囲に包含されるはずである。
Claims (38)
- ヒトの歯牙を治療する際に使用するための治療用組成物を含む製品であって、
唾液または水によって濡れた場合、歯牙に対し増大する接着性を有する実質的に固体の接着性組成物を含む接着性層であり、前記接着性組成物が、歯牙に対する前記増大する接着性に少なくとも部分的に寄与する少なくとも1種の歯牙接着剤を含んだものである接着性層、および
前記接着性層に隣接し、少なくとも1種の活性剤、少なくとも1種の粘着付与剤、および液体またはゲル担体を含む治療用ゲルを含むことを特徴とする製品。 - 前記接着性層は、ヒトの歯牙上に治療用組成物を設置する前にはストリップまたはパッチを含むことを特徴とする請求項1に記載の製品。
- 前記接着性層は、ヒトの歯牙および/または歯肉上に治療用組成物を設置する前には実質的に平らであることを特徴とする請求項2に記載の製品。
- 前記接着性層は、ヒトの歯牙および/または歯肉上に治療用組成物を設置する前には曲線状か、あるいは湾曲していることを特徴とする請求項2に記載の製品。
- 前記接着性層は、前側壁、後側壁、および前記前側壁と後側壁の間のトラフを含むトレイ様構造を有することを含むことを特徴とする請求項1に記載の製品。
- 前記接着性層は、前記接着性層がわずかな縦断的成形でヒトの歯列弓に少なくともほとんど適合するように、使用前に初めから馬蹄形であることを特徴とする請求項5に記載の製品。
- 前記接着性層は、前記治療用組成物がヒトの歯牙上に設置される場合に前記接着性層の縦断的曲げが必要となるように、使用前に実質的に直線状の縦断プロファイルを初めから有していることを特徴とする請求項5に記載の製品。
- 前記トラフの少なくとも一部は、ほぼU字形、V字形、L字形、長方形、または台形である断面を有していることを特徴とする請求項5に記載の製品。
- 前記治療用組成物は、ヒトの上部または下部歯列弓の少なくとも一部に適合するようにサイズおよび構造が決められることを特徴とする請求項1に記載の製品。
- 前記治療用組成物は、前記治療用組成物が使用中の場合、ヒトの歯肉縁で、または歯肉縁の近くでほぼ終わるようにサイズおよび構造が決められることを特徴とする請求項1に記載の製品。
- 前記歯牙接着剤は、ポリビニルピロリドンを含むことを特徴とする請求項1に記載の製品。
- 前記歯牙接着剤は、カルボキシポリメチレン、ポリエチレンオキシド、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸のコポリマー、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸とポリアクリルアミドのコポリマー、PVP−酢酸ビニルコポリマー、カルボキシメチルセルロース、カルボキシプロピルセルロース、多糖ゴム、またはタンパク質のうち少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1に記載の製品。
- 前記歯牙接着剤は、前記接着性組成物の約20重量%から約80重量%の範囲の濃度を有することを特徴とする請求項1に記載の製品。
- 前記接着性層は、約0.1mmから約3mmの範囲の断面厚を有することを特徴とする請求項1に記載の製品。
- 前記接着性組成物は、歯科用漂白剤、漂白剤活性化剤、歯科用減感剤、鉱物成分補填剤、抗菌剤、抗プラーク剤、および抗歯石剤を含む群から選択される少なくとも1種のメンバーをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の製品。
- 前記接着性組成物は、前記接着性組成物の約0.01重量%から約20重量%の範囲の漂白剤活性化剤を含むことを特徴とする請求項15に記載の製品。
- 前記漂白剤活性化剤は、塩基、金属、金属化合物、または酵素のうち少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項16に記載の製品。
- 前記治療用ゲルは、使用前には実質的に無水である歯科用漂白剤を含むことを特徴とする請求項16に記載の製品。
- 前記活性剤は、歯科用漂白剤、歯科用減感剤、鉱物成分補填剤、抗菌剤、抗プラーク剤、および抗歯石剤を含む群から選択される少なくとも1種のメンバーを含むことを特徴とする請求項1に記載の製品。
- 前記粘着付与剤は、ポリビニルピロリドン(PP)、カルボキシポリメチレン、ポリエチレンオキシド、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸のコポリマー、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸とポリアクリルアミドのコポリマー、PVP−酢酸ビニルコポリマー、カルボキシメチルセルロース、カルボキシプロピルセルロース、多糖ゴム、またはタンパク質のうち少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1に記載の製品。
- 使用中に治療用組成物を唾液または水分から保護する前記接着性層の表面に隣接する耐湿性材料を含むバリア層をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の製品。
- 前記バリア層は、使用にあたってヒトの歯牙の形状と容易に適合するように柔軟性であることを特徴とする請求項21に記載の製品。
- 前記バリア層は、ポリオレフィン、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ワックス、金属箔、パラフィン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−ビニルアルコールコポリマー、ポリカプロラクトン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアミド、またはポリエステルアミドのうち少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項21に記載の製品。
- 前記バリア層は、約0.05mmから約1mmの範囲の断面厚を有することを特徴とする請求項21に記載の製品。
- 使用前に前記治療用組成物が密封される密封包装をさらに含むことを特徴とする請求項1から24のいずれかに記載の製品。
- ヒトの歯牙を治療する際に使用するためのキットであって、請求項1から25のいずれかに記載の複数の製品を含むことを特徴とするキット。
- 使用直前に前記接着性組成物の外部表面に隣接して置かれる、バリア層、またはバリア層を作製するのに使用される材料をさらに含むことを特徴とする請求項26に記載のキット。
- ヒトの歯牙および/または歯肉を治療するための方法であって、請求項1から25のいずれかに記載の製品を入手すること、および望ましい時間ヒトの歯牙および/または歯肉の少なくとも一部の上に前記製品を設置することを含むことを特徴とする方法。
- ヒトの歯牙および/または歯肉を治療する際に使用するための製品であって、
耐湿性材料を含むバリア層、
前記バリア層に隣接し、唾液または水によって濡れた場合、歯牙に対し増大する接着性を有する実質的に固体の接着性組成物(前記接着性組成物は、歯牙に対する前記増大する接着性に少なくとも部分的に寄与する少なくとも1種の歯牙接着剤を含む)、および
前記接着性組成物または前記バリア層の少なくとも1つに隣接し、少なくとも1種の活性剤、少なくとも1種の粘着付与剤、および液体またはゲル担体を含む治療用ゲルを含むことを特徴とする製品。 - 前記バリア層は、使用前に治療用ゲルが存在するトラフを画定する少なくとも2つの側壁を含むトレイ様構造を有することを特徴とする請求項29に記載の製品。
- 前記バリア層は、ヒトの歯牙上に製品を設置する前にストリップまたはパッチを含むことを特徴とする請求項29に記載の製品。
- 前記バリア層は、事前定義された形状をもたない薄く柔軟性の膜を含み、前記接着性組成物は、使用前に前記バリア層を望ましい形状に維持することに少なくとも部分的に寄与するように十分な剛性を有していることを特徴とする請求項29に記載の製品。
- 使用前に前記製品が密封される密封包装をさらに含むことを特徴とする請求項1から24のいずれかに記載の製品。
- ヒトの歯牙および/または歯肉を治療する際に使用するためのキットであって、請求項29から33のいずれかに記載の複数の製品を含むことを特徴とするキット。
- ヒトの歯牙および/または歯肉を治療するための方法であって、請求項29から33のいずれかに記載の製品を入手すること、および望ましい時間ヒトの歯牙および/または歯肉の少なくとも一部の上に前記製品を設置することを含むことを特徴とする方法。
- 歯牙および/または歯肉を治療する際に使用するための製品を製造する方法であって、
歯牙接着剤および溶媒を混ぜ合わせて接着性組成物中間体を生成すること、
唾液または水によって濡れた場合、歯牙に対し増大する接着性を有する実質的に固体の接着性組成物を生成するように前記接着性組成物中間体から前記溶媒の少なくとも一部を除去すること、および
前記接着性組成物に隣接して治療用ゲルを設置することを含むことを特徴とする方法。 - 前記接着性組成物に隣接するバリア層を設置または形成することをさらに含むことを特徴とする請求項36に記載の方法。
- 歯牙および/または歯肉を治療する際に使用するための製品を作製する方法であって、
歯牙接着剤および溶媒を混ぜ合わせて接着性組成物中間体を生成すること、
バリア層に隣接して接着性組成物中間体を設置すること、
唾液または水によって濡れた場合、歯牙に対し増大する接着性を有する実質的に固体の接着性組成物を生成するように前記接着性組成物中間体から前記溶媒の少なくとも一部を除去すること、および
接着性層またはバリア層のうち少なくとも1つに隣接して治療用ゲルを設置することを含むことを特徴とする方法。
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