JP2007502317A - 炭素−ヘテロ原子結合を形成する方法 - Google Patents

炭素−ヘテロ原子結合を形成する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、脱離基不飽和化合物と求核性化合物とを反応させることによって、炭素−ヘテロ原子結合を、好ましくは炭素−窒素原子結合を生成する方法に関する。特に本発明は、窒素有機誘導体のアリール化を含む方法を使用する、炭素−窒素原子結合の生成に関する。本発明の方法は、パラジウムベースの触媒、場合によって配位子の存在下で、脱離基担持不飽和化合物と、脱離基を置換することができ、それにより炭素−ヘテロ原結合子を生じるヘテロ原子を導入した求核性化合物とを反応させることによって、炭素−ヘテロ原子結合を生成することにある。本発明は、アルコールタイプの溶媒を伴って、有効量の金属水酸化物またはアンモニウム存在下で、反応が生じることを特徴とする。

Description

本発明は、脱離基担持不飽和化合物と求核性化合物とを反応させることによる、炭素−ヘテロ原子結合、好ましくは炭素−窒素結合を生成する方法に関する。
本発明は、特に窒素有機誘導体のアリール化を含む方法による炭素−窒素結合の生成に関する。
農薬および製薬の分野において使用される多くの重要な化合物、例えば炭素−窒素結合の生成による窒素求核性化合物のアリール化から得られるアリールヒドラジンまたはアリールヒドラゾンが存在する。
アリール化反応は、触媒を使用し、いくつかのタイプの均一または不均一触媒が既に記載されている。
パラジウムが、通常この反応に使用される。即ち、Buchwald等(米国特許第6235936号)は、遷移金属触媒、場合によって配位子、最も通常にはホスフィンの存在下において、窒素化合物と脱離基で活性化された炭素を含む芳香族基質と反応させることに存する、ヒドラジン、ヒドラゾン、ヒドロキルアミンおよびオキシムのアリール化、ビニル化またはアルキン化を含む方法を開示している。
触媒または基質の反応性を促進するためには、塩基を導入することが必要である場合がある。塩基のタイプは全て、引用した特許に述べられているが、実証されている塩基は、ナトリウムtert−ブトキシドまたは炭酸セシウムだけであることが明らかである。
かかる塩基を使用する欠点は、それらが高価であることである。さらに、ナトリウムtert−ブトキシドは、吸湿性なので取り扱いがあまり容易でない。
本発明の目的は、上記の欠点を克服する方法を提供することにある。
方法が、今や見出され、これは本発明の主題を構成するものであり、これは、脱離基担持不飽和化合物とヘテロ原子(前記ヘテロ原子は前記脱離基に置き換わることができ、それによって炭素−ヘテロ原子結合が生成する。)を導入する求核性化合物とを、パラジウムベースの触媒の存在下に、場合によって配位子の存在下に反応させることによる炭素−ヘテロ原子結合を生成する方法であって、反応が、アルコールタイプの溶媒を伴う、有効量の金属水酸化物または水酸化アンモニウムの存在下に行われることを特徴とする方法である。
本発明の方法の好ましい変形形態によれば、反応の間に、金属水酸化物または水酸化アンモニウムおよびアルコールの反応性磨砕によって調製されたアルコール性懸濁液の形態において、金属水酸化物または水酸化アンモニウムおよび溶媒が導入される。
水酸化ナトリウムなどの塩基の存在において、不飽和基質と求核性化合物とのカップリングを実施することが、水酸化ナトリウムがアルコールタイプの溶媒を伴えば、可能であることがわかった。
また、非プロトン有機溶媒、特に炭化水素タイプを単独使用で利用することは可能でないが、この溶媒をアルコールタイプの溶媒と混合すれば適切となることもわかった。
最後に、湿潤磨砕によって調製された金属水酸化物または水酸化アンモニウムのアルコール性懸濁液を導入することは、カップリング反応の操作を促進することを可能にし、さらにパラジウムおよび使用される金属に伴う配位子の量を減少させることを可能にすることがわかった。
かかる方法は、はるかに経済的に有利であり、すぐに工業規模に移行させることができる。
本発明の方法の最初の変形形態によれば、アリール反応は、脱離基担持芳香族化合物と、求核性、好ましくは窒素化合物とを反応させることによって実施される。
本発明の方法の他の変形形態によれば、ビニル化またはアルキン化反応は、脱離基に対してα位にある二重結合または三重結合を有する化合物と、求核性、好ましくは窒素化合物とを、それぞれ反応させることによって実施される。
本発明の以下の開示において、用語「アリール化」は、炭素環式であれまたは複素環式であれ、芳香族タイプ化合物の使用が想定されるので、広範囲の意味で使用される。
用語「芳香族」は、文献に述べられている通り、芳香族性の通常表示を意味するものであり、特にJ.March「Advanced Organic Chemistry」、第4版、John Wiley&Sons、1992、pp40以下参照、による。
用語「求核性化合物」は、非環式ならびに環式であってよく、その特徴は、少なくとも1個の酸素原子および/または少なくとも1個の窒素原子担持遊離ダブレットを含むことであることを意味するものである:前記窒素原子が官能基により導入されること、またはNHの形態において環中に含まれることが可能である。
したがって、求核性基質は、特に以下のような少なくとも1個の原子または基を含む:
Figure 2007502317
本発明の他の変形形態によれば、求核性化合物は、飽和、不飽和または芳香族環に含まれる遊離ダブレットを担持する少なくとも1個の窒素原子を含み:一般に、環は3から8個の原子を含む。
求核性化合物
本発明の方法は、多数の求核性化合物を含み、例示によって、またいかなる点でも本質的に限定することなしに、以下本明細書に例を挙げる。
本発明の方法を適用する基質の最初の種類は、第一級もしくは第二級アミン、およびイミンである。
さらに特定すれば、第一級もしくは第二級アミンは、一般式
Figure 2007502317
[前記式(Ia)において、
−RおよびRは、互いに独立に、水素原子または1から20個の炭素原子を有する炭化水素基を表し、前記炭化水素基は直鎖または分枝、飽和または不飽和、非環式脂肪族基;単環式または多環式、飽和、不飽和もしくは芳香族炭素環式または複素環式基;上記基の鎖を表し、
−基RおよびRの最大1個は、水素原子を表す。]によって表すことができる。
式(Ia)において、種々の記号は、より詳細には、以下本明細書に挙げる意味をさらに特に有することができる。
したがって、RおよびRは、互いに独立に、直鎖または分枝、飽和または不飽和、非環式脂肪族基を表すことができる。
さらに詳しくは、RおよびRは、直鎖または分枝、飽和非環式脂肪族基、好ましくはC〜C12、さらに優先的にC〜Cを表す。
本発明は、共役していても、共役していなくともよい1個または複数の二重結合などの炭化水素鎖上の不飽和の存在を排除するものではない。
場合によって、炭化水素鎖は、ヘテロ原子(例えば、酸素、イオウ、窒素またはリン)、または官能基が反応しない限り官能基(具体的には特に−CO−などの基が挙げられる。)により中断してもよい。
場合によって、炭化水素鎖は、1個または複数の置換基(例えば、ハロゲン、エステル、アミノまたはアルキルおよび/またはアリールホスフィン)を、それらが妨げにならない限り、担持することができる。
直鎖または分枝、飽和または不飽和、非環式脂肪族基は、場合によって環式置換基を担持することができる。用語「環」は、飽和、不飽和または芳香族、炭素環式または複素環式環を意味するものである。
非環式脂肪族基は、原子価結合、ヘテロ原子、またはオキシ、カルボニル、カルボキシル、スルホニル等の官能基により環に連結することができる。
環式置換基の例として、脂環式、芳香族または複素環式置換基、特に環中に6個の炭素原子を含む脂環式置換基またはベンゼン置換基が想定され、これら環式置換基は、本発明の方法に含まれる反応を妨げない限り、それ自体、場合によって任意の置換基を担持する。特にC〜Cアルキルまたはアルコキシ基が挙げられる。
環式置換基を担持する脂肪族基の中で、シクロアルキルアルキル、例えばシクロヘキシルアルキル基またはアラルキル基、好ましくはC〜C12アルキル基、特にベンジルまたはフェニルエチルがさらに特に対象となる。
一般式(Ia)において、基RおよびRはまた、互いに独立に、飽和炭素環式基または一般にC〜C、好ましくは環中に6個の炭素原子をもつ環中に1または2個の不飽和を含む炭素環式基を表すことができ、前記環は、置換されることが可能である。このタイプの基の好ましい例として、1から4個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基で場合によって置換されたシクロヘキシル基が挙げられる。
基RおよびRは、互いに独立に、一般式(F)に対応する芳香族炭化水素基特にベンゼン基を表すことができる:
Figure 2007502317
式中、
−qは、0から5の整数を表し、
−Qは、C〜C直鎖または分枝アルキル基、C〜C直鎖または分枝アルコキシ基、C〜C直鎖または分枝アルキルチオ基、−NO基、−CN基、ハロゲン原子およびCF基から選択された基を表す。
また、RおよびRは、互いに独立に、多環式芳香族炭化水素基を表すことができ、この環は、互いに、オルト縮合、またはオルトおよびペリ縮合系を形成することが可能である。さらに特に、ナフチル基が挙げられ、前記環は置換されることが可能である。
また、RおよびRは、互いに独立に、少なくとも2個の飽和および/または不飽和炭素環、またはその一方だけが芳香族であり、互いにオルト縮合またはペリ縮合系を形成する少なくとも2個の炭素環からなる多環式炭化水素基を表すことができる。一般に、この環は、C〜C、好ましくはC環である。さらに特定の例として、ボルニル基またはテトラヒドロナフタレン基が挙げられる。
およびRは、互いに独立に、窒素(水素原子で置換されていない)、イオウおよび酸素原子などの1または2個のヘテロ原子を含めて、環中に特に5から6個の原子を含む飽和、不飽和または芳香族複素環式基を表すことができ、この複素環の炭素原子は、また置換されることが可能である。
また、RおよびRは、それぞれの環中に少なくとも1個のヘテロ原子を含み、互いにオルト縮合、またはオルトおよびペリ縮合系を形成する少なくとも2個の芳香族または非芳香族複素環式からなる基、または少なくとも1つの芳香族または非芳香族炭化水素環および互いにオルト縮合、またはオルトおよびペリ縮合系を形成する少なくとも1つの芳香族または非芳香族複素環式からなる基であると定義される、多環式複素環式基を表し、前記環の炭素原子は、場合によって置換されることが可能である。
複素環式タイプの基RおよびRの例としては、とりわけ、フリル、チエニル、イソオキサゾイル、フラザニル、イソチアゾイル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラニルおよびホスフィノ基およびキノリル、ナフチリジニル、ベンゾピラニルおよびベンゾフラニル基が挙げられる。
それぞれの環上に存在する置換基の数は、環の炭素縮合および環上の不飽和が存在するか、存在しないかに依存する。環により担持することができる置換基の最大数は、当分野の技術者によって容易に求められる。
優先的に使用されるアミンは、式(Ia)に対応し、式中、RおよびRは、同一であってよくまたは異なっていてよく、C〜C15の、好ましくはC〜C10のアルキル基、C〜Cの、好ましくはCまたはCのシクロアルキル基、またはC〜C12アリールまたはアリールアルキル基を表す。
基RおよびRのさらに特定の例としては、C〜Cアルキル、フェニル、ベンジルまたはナフチル基が挙げられる。
式(Ia)に対応するアミンのさらに特定の例としては、アニリン、N−メチルアニリン、ジフェニルアミン、ベンジルアミンおよびジベンジルアミンが挙げられる。
イミンに関しては、それらは、以下の式によって表すことができる:
Figure 2007502317
[前記式において:
−RおよびRは、同一であってよくまたは異なっていてよく、式(Ia)におけるRおよびRに与えた意味を有し、
−基RおよびRの最大1個は水素原子を表す。]
優先的に使用されるイミンは、式(Ib)に対応し、式中RおよびRは、同一であってよくまたは異なっていてよく、C〜C15の、好ましくはC〜C10のアルキル基、C〜Cの、好ましくはCまたはCのシクロアルキル基、またはC〜C12アリールまたはアリールアルキル基を表す。
基RおよびRのさらに特定の例としては、C〜Cアルキル、フェニル、ベンジルまたはナフチル基が挙げられる。
本発明の方法において使用することのできる他の求核試薬は、オキシムおよびヒドロキシルアミンである。
オキシムは、以下の式によって表すことができる:
Figure 2007502317
[前記式において:
−RおよびRは、同一であってよくまたは異なっていてよく、式(Ia)におけるRおよびRに与えた意味を有し、
−基RおよびRの最大1個は水素原子を表す。]
ヒドロキシルアミンは、以下の式によって表すことができる:
−NH−OR(Id)
[前記式において:
−Rは、水素原子を除いて、式(Ia)におけるRおよびRに与えた意味を有し、
−Rは、水素原子、直鎖または分枝、飽和または不飽和非環式脂肪族基;単環式または多環式、飽和または不飽和炭素環式基;上記基の鎖を表す。]
優先的に使用されるオキシムまたはヒドロキシルアミンは、式(Ic)または(Id)に対応し、式中、R、RおよびRは、さらに特にC〜C15の、好ましくはC〜C10のアルキル基、C〜Cの、好ましくはCまたはCのシクロアルキル基、またはC〜C12アリールまたはアリールアルキル基を表す。
基R、RおよびRのさらに特定の例としては、C〜Cアルキル、フェニル、ベンジルまたはナフチル基が挙げられる。
に関しては、C〜Cアルキル基またはベンジル基が優先的である。
本発明は、さらに特にヒドラジンタイプの求核性化合物を対象とする。
それらは、以下の式で示すことができる:
Figure 2007502317
[前記式において、
−R、R10およびR11は、同一であってよくまたは異なっていてよく、式(Ia)においてRおよびRに与えられた意味を有し、
−R11は水素原子または保護基Gを表し、
−基RおよびR10の最大1個は、水素原子を表し、
−あるいは、RおよびR10は、これらを担持する炭素原子と共に、3〜20個の原子を有する、飽和、不飽和または芳香族、炭素環式または複素環式基を構成するように連結することができる。]
優先的に使用されるヒドラジンは式(Ie)に対応し、式中RおよびR10は、同一であってよくまたは異なっていてよく、C〜C15の、好ましくはC〜C10のアルキル基、C〜Cの、好ましくはCまたはCのシクロアルキル基、またはC〜C12アリールまたはアリールアルキル基を表す。
基RおよびR10のさらに特定の例としては、C〜Cアルキル、フェニル、ベンジルまたはナフチル基が挙げられる。
およびR10は、これらを担持する炭素原子と共に、3〜20個の原子を有する、飽和、不飽和または芳香族、炭素環式または複素環式基を構成するように連結することができ、この基は、単環式または2個または3個のオルト縮合環を含む多環式であり、このことは、少なくとも2個の環が2個の炭素原子を共有することを意味する。多環式化合物の場合には、それぞれの環中の原子の数は、好ましくは3から6の間で変化する。RおよびR10は、優先的にシクロヘキサンまたはフルオレノンタイプの環を形成する。
式(Ie)において、R11は、さらに特に水素原子、好ましくはC〜C12アルキル基、好ましくはC〜C12アルケニルまたはアルキニル基、好ましくはC〜C12シクロアルキル基、または好ましくはC〜C12アリールまたはアリールアルキル基を表す。
11は、好ましくは水素原子またはC〜Cアルキル基を表す。
求核性基質が、2個の水素原子が反応する能力があるNH基を含む場合には、保護基を使用してそれら水素原子の1個をブロックして、反応の選択性を改善することが可能であることに留意されたい。これらの目的のためには、通常使用される保護基が使用され、特にBOC(ブトキシカルボニル)またはFMOC(トリフルオロメチルオキシカルボニル)タイプが挙げられる。アミノ基の保護、さらにまたその脱保護を実施するためには、Theodora W. Greene等による著作、Protective Groups in Organic Synthesis(第2版)John Wiley&Sons社が挙げられる。
他のタイプの求核性基質としては、ヒドラゾンが挙げられる。ヒドラゾンは以下の式によって表すことができる:
Figure 2007502317
[前記式において、
−R12、R13およびR14は、同一であってよくまたは異なっていてよく、式(Ia)においてRおよびRに与えられた意味を有し、
−基R12およびR13の最大1個は、水素原子を表し、
−あるいは、R12およびR13は、これらを担持する炭素原子と共に、3から20個の原子を有する、単環式または多環式、飽和、不飽和または脂肪族、炭素環式または複素環式基を構成するように連結することができる。]
優先的に使用されるヒドラゾンは、式(If)に対応し、式中、R12およびR13は、同一であってよくまたは異なっていてよく、C〜C15の、好ましくはC〜C10のアルキル基、C〜Cの、好ましくはCまたはCのシクロアルキル基、またはC〜C12アリールまたはアリールアルキル基を表す。
基R12およびR13のさらに特定の例としては、C〜Cアルキル、フェニル、ベンジルまたはナフチル基が挙げられる。
12およびR13は、これらを担持する炭素原子と共に、3から20個の原子を有する、飽和、不飽和または芳香族、炭素環式または複素環式基を構成するように連結することができ、この基は、単環式または2個または3個のオルト縮合環を含む多環式である。多環式化合物の場合には、それぞれの環中の原子の数は、好ましくは3から6の間で変化する。R12およびR13は、優先的にシクロヘキサンまたはフルオレノンタイプの環を形成する。
式(If)において、R14は、さらに特に水素原子、好ましくはC〜C12アルキル基、好ましくはC〜C12アルケニルまたはアルキニル基、好ましくはC〜C12シクロアルキル基、または好ましくはC〜C12アリールまたはアリールアルキル基を表す。
14は、好ましくは水素原子またはC〜Cアルキル基を表す。
本発明の方法を実施するために完全に適する求核性基質は、少なくとも1個の−N−H基を含む複素環式誘導体である。
さらに、とりわけ求核性基質は、一般式(Ig)に対応する:
Figure 2007502317
[前記式(Ig)において、
−Aは、炭素原子の1個が少なくとも1個の−NH基により置換されている単環式または多環式、芳香族または非芳香族複素環式系の全部または一部を形成する環の残基を示し、
−R15は、同一であってよくまたは異なっていてよく、環上の置換基を表し、
−nは、環上の置換基の数を表す。]
本発明は、特に式(Ig)に対応する単環式複素環式化合物に適用され、式中、Aは、少なくともその1個がNHなどの求核性原子である、窒素、イオウおよび酸素原子などの1または3個のヘテロ原子を含むことができる特に5または6個の原子を環中に含む、飽和、不飽和または芳香族複素環式を表す。
また、Aは、それぞれの環中に少なくとも1個のヘテロ原子を含み、互いにオルト縮合、またはオルトおよびペリ縮合系を形成する少なくとも2個の芳香族または非芳香族複素環式からなり、または1つの芳香族または非芳香族炭素環および互いにオルト縮合、またはオルトおよびペリ縮合系を形成する少なくとも1つの芳香族または非芳香族複素環式からなる化合物であると定義される多環式複素環式基を表し得る。
また、上記の飽和、不飽和または芳香族複素環式および飽和、不飽和または芳香族炭素環の連結から得られる基質により出発することも可能である。用語「炭素環」は、3〜8個、好ましくは6個の炭素原子を有する脂環式または芳香族タイプの環を、好ましくは意味するものである。
複素環式の炭素原子の全て、またはいくつかだけを基R15により、場合によって置換されることができることに留意されたい。
環上に存在する置換基の数は、環中の原子の数に、および環上の不飽和が存在するか、存在しないかに依存する。
環によって担持しうる置換基の最大数は、当分野の技術者により容易に求められる。
式(Ig)において、nは、4以下の整数であり、好ましくは0または1に等しい。
置換基の例を以下に示すが、このリストは本質的に限定するものではない。
基R15は、同一であってよくまたは異なっていてよく、好ましくは以下の基の1つを表す:
・メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチルなどのC〜C好ましくはC〜C炭素原子の、直鎖または分枝アルキル基、
・ビニルまたはアリールなどのC〜Cの、好ましくはC〜Cの直鎖または分枝アルケニルまたはアルキニル基、
・メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシまたはブトキシ基、アルケニルオキシ基、好ましくはアリールオキシ基またはフェノキシ基などのC〜Cの、好ましくはC〜Cの直鎖または分枝アルコキシまたはチオエーテル、
・シクロヘキシル、フェニルまたはベンジル、
・ヒドロキシ、チオール、カルボキシル、エステル、アミド、ホルミル、アシル、アロイル、アミド、尿素、イソシアネート、チオイソシアネート、ニトリル、アジド、ニトロ、スルホン、スルホニック、ハロゲン、プソイドハロゲンまたはトリフルオロメチルなどの基または官能基。
本発明は、基R15が、さらに特にアルキルまたはアルコキシ基を表す式(Ig)に対応する化合物に最も特に適用される。
さらに特に、場合によって置換された残基Aは、以下の環の1つを表す。
−1個または複数のヘテロ原子を含む単環式複素環:
Figure 2007502317
−1個または複数のヘテロ原子を含む炭素環および複素環を含む二環:
Figure 2007502317
−1個または複数のヘテロ原子を含む少なくとも1つの炭素環および複素環を含む三環:
Figure 2007502317
複素環式化合物の例として、好ましくは式(Ig)に対応する化合物が使用され、式中、Aは、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、ピラジン、オキサジアゾール、オキサゾール、テトラゾール、インドール、ピロール、フタラジン、ピリダジンまたはオキサゾリジンなどの環を表す。
この明細書は、決して限定されない求核性化合物を表示しており、任意のタイプの求核性化合物を想定することができる。特に、求核性化合物が環を含むことを前提条件に、置換基が存在することが可能である。
置換基の例として、式(Ig)におけるR15に対して与えられた意味を参照することができる。
本発明の方法において使用される好ましい求核性試薬は、次の通りである:ジフェニルアミン、N−メチル−N−フェニルアミン、ベンゾフェノンイミン、ベンゾフェノンヒドラゾン、ベンゾフェノンオキシム。
芳香族化合物
本発明によれば、−C−N−または−C−O−結合の生成は、窒素化または酸素化求核性化合物と、脱離基に対してα位にある不飽和を含む化合物とを反応させることによって実施される。
さらに特に、不飽和を含む化合物は、式(II)によって表される脱離基Yを含む化合物である:
−Y(II)
[前記式(II)において、
−Rは、2〜20個の炭素原子を含む炭化水素基を表し、脱離基Yに対してα位に位置する、または環上に脱離基を担持する、単環式または多環式、芳香族、炭素環式および/または複素環式基中に、二重結合または三重結合を有する。]
本発明によれば、式(I)の化合物を式(II)の化合物と反応させる。この式中:
−Rは、脱離基に対してα位にある、または不飽和が脱離基を担持する不飽和環式炭化水素基中に、二重結合または三重結合を含む脂肪族炭化水素基を表し、
−Rは、単環式または多環式、芳香族炭素環式および/または複素環式基を表し、
−Yは、脱離基、好ましくはハロゲン原子、またはRが炭化水素基である式−OSO−Rのスルホンエステル基を表す。
式(II)の化合物は、引き続き「脱離基担持化合物」と呼ぶこととする。
スルホン酸エステル基の式において、Rは、任意の性質をもつ炭化水素基である。しかし、Yが脱離基であると想定すれば、Rは事実上単純であること、およびさらに特に1から4個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基、好ましくはメチルまたはエチル基を表すことが、経済的観点から有利である。しかし、例えばフェニルまたはトリル基またはトリフルオロメチル基を表すこともできる。基Yの中で、好ましい基は、トリフレート基であり、これはトリフルオロメチル基を表す基Rに対応する。
臭素原子および塩素原子は好ましい脱離基として好適に選択される。
本発明の方法によって最も特に目標とされる、式(II)の化合物は、3つのグループに分類される:
−(1)式(IIa)
Figure 2007502317
[前記式(IIa)において、
−R20、R21およびR22は、同一であってよくまたは異なっていてよく、水素原子または1〜20個の炭素原子を有する炭化水素基を表し、これらは直鎖もしくは分枝、飽和もしくは不飽和脂肪族基;単環式もしくは多環式、飽和、不飽和もしくは芳香族、炭素環式もしくは複素環式基;または上記の脂肪族および/もしくは炭素環式および/もしくは複素環式基の鎖であり、
−Yは上に定義の通り、脱離基を表す。]
によって表すことができる二重結合を担持する脂肪族タイプのもの、
−(2)式(IIb)
20−C≡C−Y(IIb):
[前記式(IIb)において、
−R20は、式(IIa)において与えられた意味を有し、
−Yは、上に定義の通り、脱離基を表す。]
によって表すことができる三重結合を担持する脂肪族タイプのもの、
−(3)式(IIc):
Figure 2007502317
[式中、
−Dは、単環式または多環式、芳香族、炭素環式および/または複素環式系の全部または一部を形成する環の残基を表し、
−R23は、同一であってよくまたは異なっていてよく、環上の置換基を表し、
−Yは、上に定義の通り、脱離基を表し、
−n”は、環上の置換基の数を表す。]
によって表すことができる、後に「ハロ芳香族化合物」と呼ばれる芳香族タイプのもの。
本発明は、式(IIa)および(IIb)に対応する不飽和化合物に適用され、式中、R20は、好ましくは1から12個の炭素原子を有する飽和された直鎖または分枝、非環式脂肪族基を優先的に表す。
本発明は、共役していても、共役していなくともよい、他の三重結合あるいは1個または複数の二重結合などの炭化水素鎖上の他の不飽和の存在を除外しない。
炭化水素鎖は、場合によってヘテロ原子により(例えば、酸素またはイオウ)、または官能基が反応しない限り官能基(特に−CO−などの基がとりわけ挙げられる。)により中断することができる。
炭化水素鎖は、置換基が反応条件下で反応しない限り1個または複数の置換基を場合によって担持することができ、特にハロゲン原子、ニトリル基またはトリフルオロメチル基が挙げられる。
直鎖または分枝、飽和または不飽和、非環式脂肪族基は、場合によって環式置換基を担持することができる。用語「環」は単環式または多環式、飽和、不飽和または芳香族、炭素環式または複素環式環を意味するものである。
非環式脂肪族基は、原子価結合、ヘテロ原子、またはオキシ、カルボニル、カルボキシ、スルホニル等などの官能基により環に連結することができる。
環式置換基の例として、脂環式芳香族または複素環式置換基、特に環中に6個の炭素原子を含む脂環式置換基またはベンゼン置換基を想定することが可能であり、本発明の方法に含まれる反応の立体障害にならない限り、これら環式置換基自体が任意の置換基を担持することが可能である。1から4の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシをあげることができる。
環式置換基担持脂肪族基の中では、7から12個の炭素原子を有するアラルキル基、特にベンジルまたはフェニルエチルが、さらに特に対象となる。
式(IIa)および(IIb)において、またR20は、環中に好ましくは5から6個の炭素原子を有する飽和または不飽和炭素環式基、好ましくはシクロヘキシル;窒素、イオウおよび酸素原子などの1または2個のヘテロ原子を含む、環中に特に5から6個の原子を含む飽和または不飽和複素環式基;単環式芳香族炭素環式基、好ましくはフェニル、または縮合または非縮合多環式基、好ましくはナフチルを表す。
21およびR22に関して、これらは、水素原子または1から12個の炭素原子を有するアルキル基、フェニル基または7から12個の炭素原子を有するアラルキル基、好ましくはベンジル基を優先的に表す。
式(IIa)および/または(IIb)において、R20、R21およびR22は、水素原子をさらに特に表し、またはR20はフェニル基を表し、R21およびR22は、水素原子を表す。
20およびR21は、また、カップリング反応において妨げにならない限り、官能基を表すことができることも留意されたい。例として、アミノ、エステル、エーテルまたはシアノなどの官能基が挙げられる。
式(IIa)および(IIb)に対応する化合物の例として、特に塩化ビニル、臭化ビニル、β−ブロモ−またはβ−クロロスチレン、ブロモアルキンまたはインドアルキンが挙げられる。
本発明は、特に式(IIc)に対応する、以下のハロ芳香族化合物に適用される:Dは好ましくは少なくとも環中に4個、好ましくは5または6個の原子を有する環式化合物の残基であり、これは場合によって置換され、少なくとも以下の環の1つを表す:
・単環式または多環式脂肪族炭素環、即ち互いにオルト縮合、またはオルトおよびペリ縮合系を形成する少なくとも2個の芳香族炭素環からなる化合物、またはその1つのみが芳香族であり、互いにオルト縮合、またはオルトおよびペリ縮合系を形成する少なくとも2個の炭素環からなる化合物、
・ヘテロ原子P、O、NおよびSのうち少なくとも1つを含む単環式芳香族複素環、または多環式芳香族複素環、即ち環中に少なくとも1個のヘテロ原子を含む、少なくとも2個の複素環からなる化合物、その化合物において2個の環の少なくとも1個は芳香族であり、互いにオルト縮合またはオルトおよびペリ縮合系を形成しており、または、少なくとも1個の炭素環および少なくとも1個の複素環からなる化合物、この環の少なくとも1個は、芳香族であり、互いにオルト縮合またはオルトおよびペリ縮合系を形成している。
さらに特に、場合によって置換された残基Dは、ベンゼンなどの芳香族炭素環の残基、ナフタレンなどの2個の芳香族炭素環を含む芳香族二環、またはその1個がテトラヒドロ−1,2,3,4−ナフタレンなどの芳香族である2個の炭素環を含む部分的芳香族二環の残基を優先的に表す。
また本発明は、Dが、式(Ig)に対応する化合物よりも求電子性である限り、複素環の残基を表すことができることを想定している。
特別の例として、フランまたはピリジンなどの芳香族複素環:ベンゾフランまたはベンゾピリジンなどの芳香族炭素環および芳香族複素環を含む芳香族二環、メチレンジオキシベンゼンなどの芳香族炭素環および複素環を含む部分的芳香族二環;1,8−ナフチルピリジンなどの2個の芳香族複素環を含む芳香族二環;またはテトラヒドロ−5,6,7,8−キノリンなどの炭素環および芳香族複素環を含む部分的芳香族二環が挙げられる。
本発明の方法において、Dが芳香族環、好ましくはベンゼンまたはナフタレン環を表す式(IIc)のハロ芳香族化合物が、優先的に使用される。
式(IIc)の芳香族化合物は、1個または複数の置換基を担持することができる。
本発明の本文において、用語「さらに」は、一般に芳香族環上の4個未満の置換基R23を意味するものである。
置換基の例には、式(Ig)におけるR15に与えられた意味を参照することができる。
また、R23は、5から6個の原子を含み、およびヘテロ原子としてイオウ、酸素または窒素を含む、飽和、不飽和または芳香族複素環を表す。特に、ピラゾイルまたはイミダゾイル基が挙げられる。
式(IIc)において、n”は、4以下、好ましくは1または2に等しい数である。
式(IIc)に対応する化合物の例として、特にp−クロロトルエン、p−ブロモアニソールまたはp−ブロモトリフルオロベンゼンが挙げられる。
使用される、式(II)好ましくは式(IIa)または(IIb)または(IIc)の脱離基担持不飽和化合物の量は、一般に化学量論の領域において、求核性化合物の量を基準にして表現される。したがって、求核性化合物のモル数に対する脱離基担持不飽和化合物のモル数の比は、最も通常0.9から1.5、好ましくは1から1.2の範囲である。
触媒
本発明によれば、式(Ia)から(Ig)に好ましく対応する求核性化合物と式(II)、好ましくは(IIa)または(IIb)または(IIc)の脱離基担持化合物とを、本発明により定義されたパラジウムベースの触媒および配位子の有効量の存在下で反応させる。
本発明の方法において使用される触媒は知られた生成物である。
パラジウムは、微細に粉砕された金属の形態において、または酸化物もしくは水酸化物などの無機誘導体の形態において導入することができる。鉱物塩(好ましくは硝酸塩、硫酸塩、オキシ硫酸塩、ハライド、オキシハライドまたは炭酸塩)、または有機誘導体(好ましくはシアニド、シュウ酸塩、アセチルアセトネート;アルコキシドおよびさらに、優先的にはメトキシドまたはエトキシド;カルボキシレート、およびさらに優先的にはアセテート)を使用することが可能である。また、錯体、特にPd金属の、および/またはアルカリ金属(好ましくはナトリウムまたはカリウムの)、またはアンモニウムの、塩素化またはシアノ化錯体を使用することが可能である。
本発明の触媒を調製するために使用することができる化合物の例には、特にパラジウム(II)ブロミド、パラジウム(II)クロリド、パラジウム(II)ヨージド、パラジウム(II)シアニド、パラジウム(II)水和硝酸塩、パラジウム(II)オキシド、パラジウム(II)水和硫酸塩、パラジウム(II)酢酸塩、パラジウム(II)プロピオネート、パラジウム(II)ブチレート、パラジウム(II)ベンゾエート、パラジウム(II)アセチルアセトネート、アンモニウムテトラクロロパラデート(II)、カリウムヘキサクロロパラデート(IV)、パラジウム(II)テトラミン硝酸塩、パラジウム(II)ジクロロビス(アセトニトリル)、パラジウム(II)ジクロロビス(ベンゾニトリル)、パラジウム(II)ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)、パラジウム(II)ジクロロジアミン、パラジウム(0)テトラキストリフェニルホスフィン、パラジウム(II)酢酸塩およびトリスベンジリデンアセトンパラジウム(0)が挙げられる。
溶液中の化合物は、支持体上に沈着させることができる。
また、金属の形態を支持体上に沈着させることもできる。
支持体は、反応条件下で、不活性であるように選択される。
支持体としては、特に、木炭、活性炭、カーボンブラック、シリカ、アルミナ、好ましくはβ−アルミナ、酸化チタン、好ましくはアナターゼ、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、または天然または合成ゼオライト、例えばβまたはYゼオライトなどの鉱物または有機支持体が使用される。
沈着は、通常の方法、例えば、支持体上への吸着、あるいはシリカ、酸化チタンまたは酸化ジルコニウムの場合にはゾル/ゲルプロセスによって実施することができる。
一般に、金属は、触媒の重量の0.5%から10%、好ましくは1%から5%の割合で沈着される。
上記の触媒の中で、好ましい触媒は、塩化パラジウム、酢酸パラジウムまたは木炭上パラジウムである。
触媒は粉体、ペレットあるいは、顆粒の形態で使用することができる。
使用される、Pd元素を導入する化合物の量は、式(II)の化合物のモル数に対する前記化合物のモル数の比によって表現され、一般に0.005から1、好ましくは0.01から0.1の範囲である。
本発明の湿式磨砕によって調製された金属水酸化物または水酸化アンモニウムの懸濁液を導入することに存する好ましい変形態様によれば、使用するパラジウムの量を減少させることが可能である。
したがって、式(II)の化合物のモル数に対する前記化合物のモル数のモル比は、有利には、0.005から0.5、好ましくは0.005から0.01の範囲である。
配位子
配位子好ましくは有機リン酸塩タイプは、本発明の方法に関与しており、この配位子は、金属元素と錯体を形成するホスフィンまたはホスファイトまたはホスホナイトから、好ましくは選ぶことができる。
一般に、この錯体は、Pd金属元素を導入する化合物と存在する配位子との間で、その場で生成される。しかし、また前記錯体は、必要に応じて調製され、反応媒体中に導入することもできる。さらなる遊離配位子が追加されてもされなくてもよい。
配位子を選ぶことは、反応の選択性に影響を有する。
配位子の第1のクラスはホスフィンである。
脂肪族、脂環式、アリール脂肪族または芳香族ホスフィン、または混合された、脂肪族および/または脂環式、および/またはアリール脂肪族、および/または芳香族ホスフィンが、優先的に使用される。
これらホスフィンは、特に一般式(IIIa)に対応するものである:
Figure 2007502317
前記式において、
−qは、0または1に等しく、
−基R、R、RおよびRは、同一であってよくまたは異なっていてよく、
・1から12個の炭素原子を有するアルキル基、
・5または6個の炭素原子を有するシクロアルキル基、
・5または6個の炭素原子を有するシクロアルキル基(これらは、1個または複数の、1から4個の炭素基を有するアルキル基または1から4個の炭素原子を有するアルコキシ基により置換されている。)、
・脂肪族部分が1から6個の炭素原子を含むフェニルアルキル基、
・フェニルまたはビフェニル基、
・1個または複数の、1から4個の炭素原子を有するアルキル基、または1から4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1個または複数のハロゲン原子またはトリフルオロメチル基により置換されたフェニルまたはビフェニル基
を表し、
−基Rは、以下を表す。
・原子価結合または1から6個の炭素原子を有する、飽和または不飽和、直鎖または分枝二価炭化水素基、
・次式の芳香族基:
Figure 2007502317
(式中、
・Zは、水素原子、1から10個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子またはトリフルオロメチル基を表し、
・Xは、酸素、イオウ原子、または(1から3個の炭素原子を有する)直鎖もしくは分枝アルキレン基であり、
・rが、1に等しい場合には、X’は原子価結合、酸素、イオウもしくはケイ素原子、または(1から3個の炭素原子を有する)直鎖または分枝アルキレン基を表し、
・rが0に等しい場合には2個の環は結合しておらず、
・(x)および(y)は、それぞれ、式(IV)によって表される基Rと、リン原子との間にできた2個の結合の位置を正確に定める。)、
・次式の芳香族基:
Figure 2007502317
(式中、
・Zは、上に与えられた意味を有し、
・Bは、ベンゼンまたはナフタレン環の残基を表し、
・Wは、原子価結合、または1から3個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝アルキレン基を表し、
・(x)および(y)は、それぞれ、式(V)によって表される基Rと、リン原子との間にできた2個の結合の位置を正確に定める。)、
・次式のフェロセン基:
Figure 2007502317
本発明の方法を実施するために適する他のホスフィンは、一般式(IIIb)に対応する:
Figure 2007502317
[式中、
・Cは、ペンタンまたはシクロヘキサン環の残基を表し、
・RおよびRは、同一であってよくまたは異なっていてよく、式(IIIa)においてRまたはRに対して与えられた意味を有し、
・sは、1から6に等しい数、好ましくは4に等しい。]
式(IIIb)において、Cは優先的には、シクロヘキサンの残基であり、RおよびRはフェニル基を表し、数sは4に等しい。
また、ホスファイトまたはホスホナイトタイプの配位子も使用することができ、特にこれらは式(IIIc)に対応する。
Figure 2007502317
[前記式において、基R、R、R、RおよびR、および記号qは、式(IIIa)に対して与えられた意味を有する。]
かかるホスフィンの例としては、限定はしないが、トリシクロヘキシルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリイソブチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリベンジルホスフィン、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−メチルビフェニル、トリフェニルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、ジエチルフェニルホスフィン、ジ−tert−ブチルフェニルホスフィン、トリ(p−トリル)ホスフィン、イソプロピルジフェニルホスフィン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、ビスジフェニルホスフィノメタン、ビスジフェニルホスフィノエタン、ビスジフェニルホスフィノプロパン、ビスジフェニルホスフィノブタン、ビスジフェニルホスフィノペンタン、ビスジフェニルホスフィノフェロセン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)、ビス−[(2−ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテル(DPEPHOS)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(XANTPHOS)、テトラキス−(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ジフェニレンビスホスホナイトが挙げられる。
触媒のモル数(金属元素に基づいて表現された)に対する配位子のモル数(リン酸原子に基づいて表現された)の比によって表現された配位子の量は、1と5の間、好ましくは2と3の間の範囲である。
塩基
塩基、その機能は離脱基を捕捉することであり、また本発明の方法に関与するものである。
本発明の方法によれば、水酸化アンモニウム、一価金属水酸化物および/または二価金属水酸化物、好ましくはアルカリおよび/またはアルカリ土類金属水酸化物が使用される。
使用されるべき塩基のさらに特定の例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、または水酸化セシウムなどのアルカリ金属水酸化物、および水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムなどのアルカリ土類金属水酸化物;亜鉛などのIIB族の金属の水酸化物が挙げられる。
塩基の中で水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムが優先的に選択される。
塩基は、固体形態、または好ましくは非常に濃厚な、例えば10〜5モル/リットル、好ましくは12モル/リットルの範囲にある水溶液の形であってよい。
使用される塩基の量は、脱離基担持芳香族化合物のモル数に対する塩基のモル数の比が、好ましくは1および1.4の範囲にあるようにする。
アルコールタイプの溶媒
本発明の方法に関与するアルコールタイプの溶媒は、以下の式で表すことができる。
−OH(VI)
[前記式(VI)において、
−Rは、1〜24個の炭素原子を有する場合によって置換された炭化水素を表し、これは、直鎖または分枝、飽和または不飽和非環式脂肪族基;単環もしくは多環式、飽和もしくは不飽和脂環式基;または環式置換基を担持する、直鎖もしくは分枝、飽和もしくは不飽和脂肪族基であってよい。]
選択される溶媒は、優先的に式(VI)に対応し、式中のRは、直鎖または分枝、飽和または不飽和非環式脂肪族基を表す。
は、好ましくは1〜12個の炭素原子を有する、飽和している直鎖または分枝、非環式脂肪族基を優先的に表す。
本発明は、共役していても、共役していなくともよい二重結合または三重結合または他の1個または複数の二重結合などの、炭化水素鎖上にある不飽和の存在を排除するものではない。
炭化水素鎖は、場合によってヘテロ原子(例えば、酸素またはイオウ)または官能基が反応しない限り官能基(とりわけ−CO−などの基を特に挙げることができる。)で中断してもよい。
炭化水素鎖は、場合によって以下の置換基の1つを担持することができる:−OR、−NR(これらの式において、基Riは、同一であるかまたは異なっていて、水素、または1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基、好ましくはメチルもしくはエチル基またはフェニル基を表す。)。
直鎖または分枝、飽和または不飽和非環式脂肪族基は、場合によって環式置換基を担持することができる。用語「環」は、飽和、不飽和、または芳香族、炭素環式または複素環式環を意味するものである。
非環式脂肪族基は、原子価結合、またはヘテロ原子または官能基(オキシ、カルボニル、カルボキシ、スルホニル等など)により環に連結することができる。
直鎖または分枝、飽和または不飽和非環式脂肪族残基は、場合によって、環式置換基を担持することができる。用語「環」は、飽和、不飽和、または芳香族、炭素環式または複素環式環を意味するものである。
非環式脂肪族残基は、原子価結合により、または原子または官能基例えば−O−により結合することができる。
環式置換基の例として、脂環式、芳香族または複素環式置換基、特に環に6個の炭素原子を含む脂環式置換基もしくはベンゼン置換基、または環に窒素(水素原子で置換されていない。)、イオウおよび酸素原子などの1または2個のヘテロ原子を含めて5または6個の原子を含む複素環式置換基を想定することが可能である。これら置換基は、カップリング反応を妨げない限り、置換基が存在することが可能である。1〜4個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基が、特に挙げられる。
一般式(VI)において、またRは、飽和されているか、または環に3〜7個の炭素原子好ましくは6個の炭素原子を一般に有し、環に1または2個の不飽和を含む炭素環式基を表す。前記環は、1〜5個のR、好ましくは1〜3個のRで置換することが可能であり、Rは上に述べた意味を有する。
基Rの好ましい例として、1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基で場合によって置換されたシクロヘキシルまたはシクロヘキセニル基が挙げられる。
使用される溶媒は、モノ−またはポリアルコール、エーテルアルコールもしくはアミノアルコールタイプ、これらの混合物であってよい。
アルコールの場合には、第一級または第三級のアルコール、および第二級アルコールが好ましく、ただしこれらは、立体障害があり、即ちα位の2個の炭素原子は置換されている。
アルコールの例として、1〜5個の炭素原子を有する低級脂肪族アルコール、例えばメタノール、エタノール、トリフルオロエタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、およびtert−ブタノール、ペンタノール、イソペンチルアルコール、sec−ペンチルアルコール、およびtert−ペンチルアルコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、およびまた少なくとも6個の炭素原子および約20個までの炭素原子を有する高級脂肪族アルコール、例えばヘキサノール、ヘプタノール、イソヘプチルアルコール、オクタノール、イソオクチルアルコール、2−エチルヘキサノール、sec−オクチルアルコール、tert−オクチルアルコール、ノナノール、イソノニルアルコール、デカノール、ドデカノール、テトラデカノール、オクタデカノール、ヘキサデカノール、オレイルアルコール、エイコシルアルコール、およびジエチレングリコールモノエチルエーテル、3〜約20個の炭素原子を有する脂環式アルコール、例えばシクロプロパノール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、シクロヘプタノール、シクロオクタノール、シクロドデカノール、トリプロピルシクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、およびメチルシクロヘプタノール、または、7〜約20個の炭素原子を有する芳香族基を担持する脂肪族アルコール、例えばベンジルアルコール、フェネチルアルコール、フェニルプロピルアルコール、フェニルオクタデシルアルコール、およびナフチルデシルアルコール、または複素環式基を担持する脂肪族アルコール、例えばフルフロール、が挙げられる。
また、ポリオール(特に、ポリオキシエチレングリコール)例えばエチレングリコール、ベンジルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、またはグリセロールを使用することが可能である。
上記のアルコールの中で、本発明の方法においては、1〜4個の炭素原子を有する第一級もしくは第三級アルコールを使用するのが好ましい。
また、アミノアルコールタイプの溶媒の例として、N,N−ジメチルエタノールアミン、およびエーテルアルコールタイプの溶媒の例として、メトキシエタノールまたは1−メトキシプロパン−2−オ−ル(Dowanol(登録商標))が挙げられる。
好ましい溶媒は、tert−ブタノール、tert−アミルアルコール、メトキシエタノールまたはエチレングリコールである。
使用されるアルコールタイプの溶媒の量は、有機溶媒中の脱離基担持化合物の濃度が、好ましくは0.5から2モル/リットル、好ましくは1モル/リットルの領域にあるように決められる。
共溶媒
本発明の変形形態によれば、他の溶媒、好ましくは非極性非プロトン性タイプと組み合わせることができる。
したがって共溶媒の存在が可能であり、特に脂肪族、脂環式または芳香族炭化水素が挙げられる。
脂肪族炭化水素の例として、特にパラフィン、例えば特にヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、または石油エーテルタイプの留分が挙げられる。特にベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、メシチレン、またはアルキルベンゼンの混合物、特にソルベッソ(Solvesso)タイプの留分などの芳香族炭化水素が挙げられる。
使用される共溶媒の量は、アルコールタイプの溶媒の体積の1〜50%、好ましくは10〜20%でありうることに留意されたい。
求核性化合物と脱離基担持不飽和化合物との反応の温度に関して、この温度は、有利には反応物が液体状態にあるように選択される。
カップリング反応は、50℃から200℃、好ましくは80℃から150℃、さらに優先的には90℃から110℃にある温度で行われる。
一般にカップリング反応は、大気圧下で実施されるが、例えば10バーに達しうるさらに高い圧力も使用することができる。
実際的観点から、反応の実施は簡単である。
反応物を使用する最初の方法は、式(II)の脱離基担持化合物、塩基、アルコールタイプの溶媒、および場合によって共溶媒を装填することにある。
好ましい他の調製方法は、湿式磨砕によってアルコール中において、金属水酸化物または水酸化アンモニウムの懸濁液を調製することである。
操作は、塩基による腐食に耐性のある任意のタイプのミル(例えば、ステンレス鋼で作製された)中で、さらに特に湿式ボールミル中で実施することができる。
操作は、最も普通には周囲温度(一般に15から25℃)で実施する。
好ましい順序は、アルコール性溶媒、好ましくはtert−アミルアルコール、またはtert−ブタノールをミル中に装填し、次いで、塩基好ましくは水酸化ナトリウムを固体形態(既に磨砕されているか、ペレットの形態において)で導入することにある。磨砕は、均一な懸濁液が得られるまで実施する。
回収された懸濁液は、カップリング反応する間に使用される。
一般に、式(II)の脱離基担持化合物、および場合によって共溶媒が、懸濁液中に導入される。
次いで、いかなる調製方法の場合でも、触媒は、予備形成されているか予備形成されていない形で添加される。これは、Pd金属元素が上記の配位子の1つを含む既に錯体の形態において、あるいはPd金属元素および配位子が媒体中に別々に、導入されることを意味する。
金属錯体は、反応の初期に、配位子およびPd金属元素導入化合物から調製することができる。
触媒錯体は、例えば、Pd元素導入化合物および配位子を、反応を実施するために使用される溶媒中において、20℃から60℃に、好ましくは20℃に加熱することによって得ることができる。
触媒を導入した後、反応媒体を選択された反応温度にする。
式(Ia)から(Ig)の1つに好ましくは対応する求核性化合物を添加する。
前記化合物は、固体または溶融形態、または上記の溶媒中の溶液の形で、1つのバッチにおいて、または部分分割して、または連続的に添加される。
反応の進行は、脱離基担持化合物が消失するのを追跡することによって確認することができる。
本発明の方法の他の実施形態は、塩基、好ましくは水酸化ナトリウムの湿式磨砕によって調製されたアルコール性溶媒中の懸濁液を装填し、脱離基担持化合物および求核性化合物を添加することにある。次いで、パラジウム触媒を添加し、反応媒体を選択された反応温度にする。余剰のアルコール性溶媒または共溶媒を添加することが可能である。
反応の終わりに、タイプR−Nu−Rの生成物が得られ、Rは、求核性化合物の残基、さらに特に求核性化合物の残基および求電子性化合物の残基を含むアリール化生成物を表し、これは以下の式(VII)に優先的に対応する。
Figure 2007502317
[前記式(VII)において、D、R、R23およびn”は、上に与えられた意味を有し、Nuは酸素または窒素を表す。]。
得られた化合物は、使用される通常の技法によって回収される。
所望の生成物は、例えば、有機溶媒例えば炭化水素、好ましくはキシレン中において抽出することができる。
一般に、有機相を濃縮し生成物を共溶媒、特にメタノール、エタノール、またはイソプロパノールを添加して生成物を沈殿させる。
沈殿させた生成物は、固体−液体分離の通常の技法、特に濾過によって分離される。
本発明の実施の例を以下本明細書において示す。これらの実施例を、例示によって示すが、本質的にこれらに限定するものではない。
実施例において、転化率(CR)は、初期に使用した基質のモル数に対する転化された基質のモル数の比に対応する。
収率(RR)は、初期に使用した基質のモル数に対する形成された生成物のモル数の比に対応する。
選択性(RT)は、転化された基質のモル数に対する形成された生成物のモル数の比に対応する。
磨砕した水酸化ナトリウム448mg(1.4当量;11.2ミリモル)、4−ブロモトルエン1.368g(1当量;8ミリモル)および2−メトキシエタノール7ml中のベンゾフェノンヒドラゾン1.57g(1当量;8ミリモル)を凝縮器、電磁撹拌機および温度感知器を装備した20ml反応器中に装填し、不活性雰囲気下に設置する。
酢酸パラジウム8.1mgおよび脱気したキシレン7ml中の2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−メチルビフェニル26.1mgを、電磁撹拌機を備えた5mlSchlenk管中に装填し、不活性雰囲気下に設置する。
20分間撹拌後、触媒(0.005当量;0.5モル%;1ml)を反応器中に移す。
105℃で3時間撹拌後、4−ブロモトルエンの転化が完了(CR=100%)し、91%のベンゾフェノンN−トリルヒドラゾン収率(RT)が、内部標準(ヘキサコサン)の存在下でガスクロマトグラフィによって求められる。
磨砕した水酸化ナトリウム448mg(1.4当量;11.2ミリモル)、4−ブロモトルエン1.368g(1当量;8ミリモル)およびエチレングリコール7ml中のベンゾフェノンヒドラゾン1.57g(1当量;8ミリモル)を凝縮器、電磁撹拌機および温度感知器を装備した20ml反応器中に装填し、不活性雰囲気下に設置する。
酢酸パラジウム8.1mgおよび脱気したキシレン7ml中の2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−メチルビフェニル26.1mgを、電磁撹拌機を備えた5mlSchlenk管中に装填し、不活性雰囲気下に設置する。
20分間撹拌後、触媒(0.005当量;0.5モル%;1ml)を反応器中に移す。
105℃で20時間撹拌後、4−ブロモトルエンの転化が完了(CR=100%)し、35%のベンゾフェノンN−トリルヒドラゾン収率RTが、内部標準(ヘキサコサン)の存在下でガスクロマトグラフィによって測定される。
磨砕した水酸化ナトリウム448mg(1.4当量;11.2ミリモル)、4−ブロモトルエン1.368g(1当量;8ミリモル)およびN,N−ジメチルエタノールアミン7ml中のベンゾフェノンヒドラゾン1.57g(1当量;8ミリモル)を凝縮器、電磁撹拌機および温度感知器を装備した20ml反応器中に装填し、不活性雰囲気下に設置する。
酢酸パラジウム8.1mgおよび脱気したキシレン7ml中の2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−メチルビフェニル26.1mgを、電磁撹拌機を備えた5mlSchlenk管中に装填し、不活性雰囲気下に設置する。
20分間撹拌後、触媒(0.005当量;0.5モル%;1ml)を反応器中に移す。
105℃で20時間撹拌後、4−ブロモトルエンの転化が完了し、27%のベンゾフェノンN−トリルヒドラゾン収率が、内部標準(ヘキサコサン)の存在下でガスクロマトグラフィによって測定される。
磨砕した水酸化ナトリウム11.2g(1.4当量;0.28モル)および脱気したt−ブタノール200ml中の4−ブロモトルエン34.2g(1当量;0.2モル)を凝縮器、機械的撹拌機および温度感知器を装備した500ml反応器中に装填し、不活性雰囲気下に設置する。
酢酸パラジウム44.9mg((0.1モル%;0.0002モル)および脱気したt−ブタノール20ml中の2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−メチルビフェニル145.6mg(0.0004モル)を、電磁撹拌機を備えた100mlSchlenk管中に装填し、不活性雰囲気下に設置する。
20分間撹拌後、このように調製された触媒を反応器中に移す。
溶液を84℃にし、固体ベンゾフェノンヒドラゾン(6.5g×6;1当量;0.2モル)を2時間の間、部分的に規則正しく添加する。
6時間撹拌後、4−ブロモトルエンの転化が完了(CR=100%)し、87%のベンゾフェノンN−トリルヒドラゾン収率RRが、内部標準(ヘキサコサン)の存在下でガスクロマトグラフィによって測定される。
磨砕した水酸化ナトリウム33.6g(1.4当量;0.84モル)および脱気したt−ブタノール240ml中の4−ブロモトルエン102.62g(1当量;0.6モル)を凝縮器、機械的撹拌機および温度感知器を装備した500ml反応器中に装填し、不活性雰囲気下に設置する。
酢酸パラジウム135mg((0.1モル%;0.0006モル)および脱気したt−ブタノール30ml中の2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−メチルビフェニル437mg(0.0012モル)を、電磁撹拌機を備えた100mlSchlenk管中に装填し、不活性雰囲気下に設置する。
20分間撹拌後、このように調製された触媒を反応器中に移す。
溶液を84℃にし、固体ベンゾフェノンヒドラゾン(29.4g×4;1当量;0.6モル)を2時間の間、部分的に規則正しく添加する。
12時間撹拌後、混合物を脱塩水100mlで加水分解し、キシレン150mlを添加する。
相を分離する。
冷却(3℃)させることにより、ベンゾフェノンN−トリルヒドラゾンが有機相から結晶化する。
濾過およびエタノールで洗浄後、87.4%の単離された収率(分析収率89%およびNMR純度98%によって確認される)でベンゾフェノンN−トリルヒドラゾンが淡黄色結晶の形態で得られる。
マイクロビーズの形態の水酸化ナトリウム11.2g(1.4当量;0.28モル;直径0.7mm)および脱気したt−ブタノール200ml中の4−ブロモトルエン34.2g(1当量;0.2モル)を凝縮器、機械的撹拌機および温度感知器を装備した500ml反応器中に装填し、不活性雰囲気下に設置する。
酢酸パラジウム44.9mg(0.1モル%;0.0002モル)および脱気したキシレン15ml中の2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−メチルビフェニル145.6mg(0.0004モル)を、電磁撹拌機を備えた100mlSchlenk管中に装填し、不活性雰囲気下に設置する。
20分間撹拌後、このように調製された触媒を引き続いて反応器中に移す。
溶液を84℃にし、固体ベンゾフェノンヒドラゾン(13.1g×3;1当量;0.2モル)を2時間の間、部分的に規則正しく添加する。
20時間撹拌後、ベンゾフェノンN−トリルヒドラゾンが、分析収率92%で得られる(内部基準:ヘキサコサン)。
脱気したt−ブタノール800ml中のベンゾフェノンヒドラゾン588.8gを凝縮器、機械的撹拌機および温度感知器を装備した2l反応器中に装填し、不活性雰囲気下に設置する。
この反応器を、凝縮器、機械的撹拌機および温度感知器を装備した6l反応器と、連続的に組み合わせ、不活性雰囲気下に設置し、反応器中にマイクロビーズの形態の水酸化ナトリウム168g(1.4当量;4.2モル;直径0.7mm)および脱気したt−ブタノール2l中の4−ブロモトルエン513g(1当量;3モル)を装填する。
酢酸パラジウム673.5mg(0.1モル%;0.003モル)および脱気したトルエン200ml中の2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−メチルビフェニル2.184g(0.006モル)を、電磁撹拌機を備えた100mlSchlenk管中に装填し、不活性雰囲気下に設置する。
20分間撹拌後、このように調製された触媒を6l反応器中に移す。
反応混合物を84℃にする。
溶液中のベンゾフェノンヒドラゾンを、約1時間30分の内に6l反応器に注ぐ。
20時間撹拌後、混合物を脱塩水2lで加水分解し、キシレン2lを添加する。
有機相を分離し、減圧下(約水銀8mm)で濃縮する。
エタノールから3℃で結晶化すると、90%の単離された収率で、ベンゾフェノンN−トリルヒドラゾンを淡黄色結晶の形態で得ることが可能である。(NMR純度97%)。
水酸化ナトリウム水溶液(11.2g;1.4当量;脱塩水20ml中0.28ミリモル)、4−ブロモトルエン(34.2g;1当量;0.2モル)および脱気したt−ブタノール200ml中のベンゾフェノンヒドラゾン(39.4g;1当量;0.2モル)を凝縮器、機械的撹拌機および温度感知器を装備した500ml反応器中に装填し、不活性雰囲気下に設置する。
酢酸パラジウム44.9mg(0.1モル%;0.0002モル)および脱気したトルエン20ml中の2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−メチルビフェニル145.6mg(0.0004モル)を、電磁撹拌機を備えた100mlSchlenk管中に装填し、不活性雰囲気下に設置する。
20分間撹拌後、このように調製された触媒を反応器中に移す。
84℃で22時間撹拌後、ベンゾフェノンN−トリルヒドラゾンが、分析収率45%で得られる(内部基準:ヘキサコサン)。
水酸化ナトリウム11.2g(1.4当量;0.28モル)、4−ブロモトルエン34.2g(1当量;0.2モル)および脱気したtert−アミルアルコール190ml中のベンゾフェノンヒドラゾン39.4g(1当量;0.2モル)を凝縮器、機械的撹拌機および温度感知器を装備した500ml反応器中に装填し、不活性雰囲気下に設置する。
酢酸パラジウム44.9mg(0.1モル%;0.0002モル)および脱気したtert−アミルアルコール20ml中の2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−メチルビフェニル145.6mg(0.0004モル)を、電磁撹拌機を備えた100mlSchlenk管中に装填し、不活性雰囲気下に設置する。
20分間撹拌後、このように調製された触媒を反応器中に移す。
103℃で1時間撹拌後、反応混合物を水100mlで加水分解し、キシレン100mlを添加する。
有機相を分離し、減圧下(約水銀8mm)で濃縮する。
エタノールから結晶化すると、収率92%で、ベンゾフェノンN−トリルヒドラゾンを淡黄色結晶の形態で得ることが可能である。(NMR純度98%)。
水酸化ナトリウム11.2g(1.4当量;0.28モル)、4−ブロモトルエン34.2g(1当量;0.2モル)および脱気したtert−アミルアルコール190ml中のベンゾフェノンヒドラゾン39.4g(1当量;0.2モル)を凝縮器、機械的撹拌機および温度感知器を装備した500ml反応器中に装填し、不活性雰囲気下に設置する。
酢酸パラジウム22.4mg(0.05モル%;0.0001モル)および脱気したtert−アミルアルコール20ml中の2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−メチルビフェニル72.8mg(0.0002モル)を、電磁撹拌機を備えた100mlSchlenk管中に装填し、不活性雰囲気下に設置する。
20分間撹拌後、このように調製された触媒を反応器中に移す。
103℃で6時間撹拌後、ベンゾフェノンN−トリルヒドラゾンが、分析収率89%で得られる(内部基準:ヘキサコサン)。
水酸化ナトリウム11.2g(1.4当量;0.28ミリモル)、4−ブロモトルエン34.2g(1当量;0.2モル)および脱気したtert−アミルアルコール190ml中のベンゾフェノンヒドラゾン39.4g(1当量;0.2モル)を凝縮器、機械的撹拌機および温度感知器を装備した500ml反応器中に装填し、不活性雰囲気下に設置する。
酢酸パラジウム4.48mg(0.001モル%;0.00002モル)および脱気したtert−アミルアルコール20ml中の2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−メチルビフェニル14.56mg(0.00004モル)を、電磁撹拌機を備えた100mlSchlenk管中に装填し、不活性雰囲気下に設置する。
20分間撹拌後、このように調製された触媒を反応器中に移す。
103℃で48時間撹拌後、ベンゾフェノンN−トリルヒドラゾンが、分析収率48%で得られる(内部基準:ヘキサコサン)。
水酸化ナトリウム11.2g(1.4当量;0.28モル)、4−ブロモ−クロロトルエン38.29g(1当量;0.2モル)および脱気したtert−アミルアルコール180ml中のベンゾフェノンヒドラゾン39.4g(1当量;0.2モル)を凝縮器、機械的撹拌機および温度感知器を装備した500ml反応器中に装填し、不活性雰囲気下に設置する。
酢酸パラジウム44.9mg(0.1モル%;0.0002モル)および脱気したキシレン20ml中の2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−メチルビフェニル145.6mg(0.0004モル)を、電磁撹拌機を備えた100mlSchlenk管中に装填し、不活性雰囲気下に設置する。
20分間撹拌後、このように調製された触媒を反応器中に移す。
103℃で1時間撹拌後、反応混合物を水100mlで加水分解し、キシレン100mlを添加する。
有機相を分離し、減圧下(約水銀8mm)で濃縮する。
エタノールから結晶化すると、収率97%で、ベンゾフェノンN−p−クロロフェニルヒドラゾンを淡黄色結晶の形態で単離することが可能である。
水酸化ナトリウム11.2g(1.4当量;0.28モル)、4−ブロモベンゼン31.40g(1当量;0.2モル)および脱気したtert−アミルアルコール180ml中のベンゾフェノンヒドラゾン39.4g(1当量;0.2モル)を凝縮器、機械的撹拌機および温度感知器を装備した500ml反応器中に装填し、不活性雰囲気下に設置する。
酢酸パラジウム44.9mg(0.1モル%;0.0002モル)および脱気したキシレン20ml中の2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−メチルビフェニル145.6mg(0.0004モル)を、電磁撹拌機を備えた100mlSchlenk管中に装填し、不活性雰囲気下に設置する。
20分間撹拌後、このように調製された触媒を反応器中に移す。
103℃で1時間撹拌後、反応混合物を水100mlで加水分解し、キシレン100mlを添加する。
有機相を分離し、減圧下(約水銀8mm)で濃縮する。
エタノールから結晶化すると、収率95%で、ベンゾフェノンN−フェニルヒドラゾンを淡黄色結晶の形態で単離することが可能である。
水酸化ナトリウム11.2g(1.4当量;0.28モル)、4−ブロモアニソール37.40g(1当量;0.2モル)および脱気したtert−アミルアルコール180ml中のベンゾフェノンヒドラゾン39.4g(1当量;0.2モル)を凝縮器、機械的撹拌機および温度感知器を装備した500ml反応器中に装填し、不活性雰囲気下に設置する。
酢酸パラジウム44.9mg(0.1モル%;0.0002モル)および脱気したキシレン20ml中の2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−メチルビフェニル145.6mg(0.0004モル)を、電磁撹拌機を備えた100mlSchlenk管中に装填し、不活性雰囲気下に設置する。
20分間撹拌後、このように調製された触媒を反応器中に移す。
103℃で1時間撹拌後、反応混合物を水100mlで加水分解し、キシレン100mlを添加する。
有機相を分離し、減圧下(約水銀8mm)で濃縮する。
エタノールから結晶化すると、収率87%で、ベンゾフェノンN−メトキシフェニルヒドラゾンを淡黄色結晶の形態で単離することが可能である。
(比較例)
予め磨砕した水酸化ナトリウム11.2g(1.4当量;0.28ミリモル)、4−ブロモトルエン34.2g(1当量;0.2モル)およびキシレン190ml中のベンゾフェノンヒドラゾン39.4g(1当量;0.2モル)を凝縮器、機械的撹拌機および温度感知器を装備した500ml反応器中に装填し、不活性雰囲気下に設置する。
酢酸パラジウム44.8mg(0.01モル%;0.0002モル)およびキシレン20ml中の2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−メチルビフェニル145.6mg(0.0004モル)を、電磁撹拌機を備えた100mlSchlenk管中に装填し、不活性雰囲気下に設置する。
20分間撹拌後、このように調製された触媒を反応器中に移す。
130℃で48時間撹拌後、生成物は、検出されない(転化率=0%)。
(比較例)
予め磨砕した水酸化ナトリウム11.2g(1.4当量;0.28ミリモル)、4−ブロモトルエン34.2g(1当量;0.2モル)およびトルエン190ml中のベンゾフェノンヒドラゾン39.4g(1当量;0.2モル)を凝縮器、機械的撹拌機および温度感知器を装備した500ml反応器中に装填し、不活性雰囲気下に設置する。
酢酸パラジウム44.8mg(0.01モル%;0.0002モル)およびトルエン20ml中の2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−メチルビフェニル145.6mg(0.0004モル)を、電磁撹拌機を備えた100mlSchlenk管中に装填し、不活性雰囲気下に設置する。
20分間撹拌後、このように調製された触媒を反応器中に移す。
110℃で24時間撹拌後、生成物は、検出されない(転化率=0%)
磨砕した水酸化カリウム628mg(1.4当量;11.2ミリモル)、4−ブロモトルエン1.368g(1当量;8ミリモル)およびt−ブタノール7ml中のベンゾフェノンヒドラゾン1.57g(1当量;8ミリモル)を凝縮器、機械的撹拌機および温度感知器を装備した20ml反応器中に装填し、不活性雰囲気下に設置する。
酢酸パラジウム8.1mgおよびt−ブタノール7ml中の2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−メチルビフェニル26.1mgを、電磁撹拌機を備えた5mlSchlenk管中に装填し、不活性雰囲気下に設置する。
20分間撹拌後、触媒(0.005当量;0.5モル%;1ml)を反応器中に移す。
90℃で8時間撹拌後、4−ブロモトルエンの転化が完了し、78%のベンゾフェノンN−トリルヒドラゾン収率が、内部標準(ヘキサコサン)の存在下でガスクロマトグラフィによって測定される。
(比較例)
カリウムtert−ブトキシド1.256g(1.4当量;11.2モル)、4−ブロモトルエン1.368g(1当量;8モル)およびtert−ブタノール7ml中のベンゾフェノンヒドラゾン1.57g(1当量;8ミリモル)を凝縮器、機械的撹拌機および温度感知器を装備した20ml反応器中に装填し、不活性雰囲気下に設置する。
酢酸パラジウム8.1mgおよびtert−ブタノール7ml中の2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−メチルビフェニル26.1mgを、電磁撹拌機を備えた5mlSchlenk管中に装填し、不活性雰囲気下に設置する。
20分間撹拌後、触媒(0.005当量;0.5モル%;1ml)を反応器中に移す。
90℃で48時間撹拌後、4−ブロモトルエンの転化率は、ゼロであった。
磨砕した水酸化ナトリウム6.6g(1.1当量;0.165モル)、5−ブロモ−2−フルオロシアノベンゼン30g(1当量;0.15モル)および脱気したtert−アミルアルコール190ml中のベンゾフェノンヒドラゾン29.4g(1当量;0.15モル)を凝縮器、機械的撹拌機および温度感知器を装備した500ml反応器中に装填し、不活性雰囲気下に設置する。
酢酸パラジウム168mg(0.001モル%;0.00075モル)および脱気したtert−アミルアルコール20ml中の4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン867mg(0.0015モル)を、電磁撹拌機を備えた100mlSchlenk管中に装填し、不活性雰囲気下に設置する。
20分間撹拌後、このように調製された触媒を反応器中に移す。
103℃で12時間撹拌後、反応混合物を水100mlで加水分解し、有機相を分離する。
tert−アミルアルコールから直接結晶化すると、定量的収率で、対応するベンゾフェノンN−4−フルオロ−3−シアノフェニルヒドラゾンを単離することが可能である。
磨砕した水酸化ナトリウム448mg(1.4当量;0.0112ミリモル)、1,3−ジクロロ−4−フルオロベンゼン1.32g(1当量;0.008モル)および脱気したtert−アミルアルコール6ml中のベンゾフェノンヒドラゾン1.57g(1当量;0.008モル)を凝縮器、機械的撹拌機および温度感知器を装備した20ml反応器中に装填し、不活性雰囲気下に設置する。
酢酸パラジウム8.95mg(0.001モル%;0.00004モル)および脱気したtert−アミルアルコール2ml中の4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン46.3mg(0.0008モル)を、電磁撹拌機を備えた100mlSchlenk管中に装填し、不活性雰囲気下に設置する。
20分間撹拌後、このように調製された触媒を反応器中に移す。
103℃で12時間撹拌後、1,3−ジクロロ−4−フルオロベンゼンの転化は、完了し、85%のベンゾフェノンN−5−クロロ−2−フルオロフェニルヒドラゾン収率(15%のベンゾフェノンN−3−クロロ−4−フルオロフェニルヒドラゾンと共に)が、内部標準(ヘキサコサン)の存在下でガスクロマトグラフィによって測定される。
磨砕した水酸化ナトリウム448mg(1.4当量;0.0112ミリモル)、4−ブロモ−2−クロロ−1−フルオロベンゼン1.67g(1当量;0.008モル)および脱気したtert−アミルアルコール6ml中のベンゾフェノンヒドラゾン1.57g(1当量;0.008モル)を凝縮器、機械的撹拌機および温度感知器を装備した20ml反応器中に装填し、不活性雰囲気下に設置する。
酢酸パラジウム8.95mg(0.001モル%;0.00004モル)および脱気したtert−アミルアルコール2ml中の4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン46.3mg(0.0008モル)を、電磁撹拌機を備えた100mlSchlenk管中に装填し、不活性雰囲気下に設置する。
20分間撹拌後、このように調製された触媒を反応器中に移す。
103℃で12時間撹拌後、4−ブロモ−2−クロロ−1フルオロベンゼンの転化が、完了する。
反応混合物を水10mlで加水分解すると有機相が分離する。
収率83%で対応するベンゾフェノンN−3−クロロ−4−フルオロフェニルヒドラゾンを単離することができる。
水酸化ナトリウム11.2gおよびtert−アミルアルコール50mlを150mlブレードミル中に装填し、アルコール中の水酸化ナトリウムの均一な懸濁液が得られるまで混合を実施する。
予め調製されたアルコール中の水酸化ナトリウムの懸濁液、4−ブロモトルエン34.2g(1当量;0.2モル)およびtert−アミルアルコール140ml中のベンゾフェノンヒドラゾン39.4g(1当量;0.2モル)を凝縮器、機械的撹拌機および温度感知器を装備した500ml反応器中に装填し、不活性雰囲気下に設置する。
酢酸パラジウム4.48mg(0.01モル%;0.00002モル)およびキシレン10ml中の2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−メチルビフェニル14.56mg(0.02モル;0.00004モル)を、電磁撹拌機を備えた100mlSchlenk管中に装填し、不活性雰囲気下に設置する。
20分間撹拌後、このように調製された触媒を反応器中に移す。
103℃で7時間撹拌後、4−ブロモトルエンの転化は完了し、91%のベンゾフェノンN−p−トリルヒドラゾン収率が、内部標準(ヘキサコサン)の存在下でガスクロマトグラフィによって測定される。

Claims (46)

  1. 脱離基担持不飽和化合物とヘテロ原子(前記ヘテロ原子は前記脱離基に置き換わることができ、それによって炭素−ヘテロ原子結合が生成する。)を導入する求核性化合物とを、パラジウムベースの触媒の存在下に、場合によって配位子の存在下に反応させることによる炭素−ヘテロ原子結合を生成する方法であって、反応が、アルコールタイプの溶媒を伴う、有効量の金属水酸化物または水酸化アンモニウムの存在下に行われることを特徴とする、前記方法。
  2. 求核性基質が、遊離ダブレットを担持する少なくとも1個の酸素原子および/または少なくとも1個の窒素原子を含むという特性を有する、非環式および環式の両方であってよい有機炭化水素化合物であること、および前記窒素原子が官能基により導入され得るか、NHの形態において環の中に含まれ得ることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 求核性基質が、以下の少なくとも1個の原子または基
    Figure 2007502317
    を含むことを特徴とする請求項1および2のいずれかに記載の方法。
  4. 求核性基質が、飽和、不飽和または芳香族環中の、遊離ダブレットを担持する少なくとも1個の窒素原子を含むこと、および前記環が3から8個の原子を一般に含むことを特徴とする請求項1から3の一項に記載の方法。
  5. 求核性基質が、第1級もしくは第2級アミン、イミン、オキシム、ヒドロキルアミン、ヒドラジン、ヒドラゾン、窒素複素環であることを特徴とする請求項1から4の一項に記載の方法。
  6. 求核性基質が、以下の式:
    Figure 2007502317
    [前記式(Ia)において、
    およびRは、互いに独立に、水素原子を表し、または1から20個の炭素原子を有する炭化水素基を表し、前記炭化水素基は直鎖または分枝、飽和または不飽和非環式脂肪族基;単環式または多環式、飽和、不飽和もしくは芳香族炭素環式または複素環式基;上記基の鎖であってよく、
    基RおよびRの最大1個は、水素原子を表す。]
    に対応することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  7. 求核性基質が、以下の式:
    Figure 2007502317
    [前記式において、
    およびRは、同一であってよくまたは異なっていてよく、式(Ia)においてRおよびRに与えた意味を有し、
    基RおよびRの最大1個は水素原子を表す。]
    に対応することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  8. 求核性基質が、以下の式:
    Figure 2007502317
    [前記式において、
    およびRは、同一であってよくまたは異なっていてよく、式(Ia)においてRおよびRに与えた意味を有し、
    基RおよびRの最大1個は水素原子を表す。]
    に対応することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  9. 求核性基質が、以下の式:
    −NH−OR(Id)
    [前記式において、
    は、水素原子を除いて、式(Ia)においてRおよびRに与えた意味を有し、
    は、水素原子を表し、直鎖または分枝、飽和または不飽和非環式脂肪族基;単環式または多環式、飽和または不飽和炭素環式基;上記基の鎖を表す]
    に対応することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  10. 求核性基質が以下の式:
    Figure 2007502317
    [前記式において、
    、R10およびR11は、同一であってよくまたは異なっていてよく、式(Ia)においてRおよびRに与えた意味を有し、
    11は水素原子または保護基Gを表し、
    基RおよびR10の最大1個は、水素原子を表し、
    あるいは、RおよびR10は、それらを担持する炭素原子と共に、3から20個の原子を有する、単環式または多環式、飽和、不飽和または芳香族炭素環式または複素環式基を構成するように連結することができる。]
    に対応することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  11. 求核性基質が以下の式:
    Figure 2007502317
    [前記式において、
    12、R13およびR14は、同一であってよくまたは異なっていてよく、式(Ia)においてRおよびRに与えられた意味を有し、
    基R12およびR13の最大1個は、水素原子を表し、
    あるいは、R12およびR13は、それらを担持する炭素原子と共に、3から20個の原子を有する、単環式または多環式、飽和、不飽和または芳香族炭素環式または複素環式基を構成するように連結することができる。]
    に対応することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  12. 求核性基質が以下の式:
    Figure 2007502317
    [前記式(Ig)において、
    Aは、炭素原子の1個が少なくとも1個の−NH基により置換されている単環式または多環式、芳香族または非芳香族複素環式系の全部または一部を形成する環の残基を示し、
    15は、同一であってよくまたは異なっていてよく、環上の置換基を表し、
    nは、環上の置換基の数を表す。]
    に対応することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  13. 求核性基質が、Aがイミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、ピラジン、オキサジアゾール、オキサゾール、テトラゾール、インドール、ピロール、フタラジン、ピリダジンまたはオキサゾリジンなどの環を表す式(Ig)に対応することを特徴とする請求項12に記載の方法。
  14. 求核性基質が、アニリン、N−メチルアニリン、ジフェニルアミン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン、N−メチル−N−フェニルアミン、ベンゾフェノンイミン、ベンゾフェノンヒドラゾン、ベンゾフェノンオキシムであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  15. 脱離基Yを含む不飽和化合物が、式(II):
    −Y(II)
    [前記式(II)において、
    は、2から20個の炭素原子を含む炭化水素基を表し、脱離基Yに対してα位に位置する、または環上に脱離基を担持する、単環式もしくは多環式、芳香族、炭素環式および/または複素環式基中の二重結合または三重結合を有する。]
    に対応することを特徴とする請求項1から14の一項に記載の方法。
  16. 脱離基を含む不飽和化合物が、式(II):
    [式中、
    は、脱離基に対してα位に位置する、または不飽和が脱離基を担持する不飽和環式炭化水素基中に、二重結合または三重結合を含む脂肪族炭化水素基を表し、
    は、単環式または多環式、芳香族炭素環式および/または複素環式基を表し、
    Yは、脱離基、好ましくはハロゲン原子、またはRが炭化水素基である式−OSO−Rのスルホンエステル基を表す。]
    に対応することを特徴とする請求項15に記載の方法。
  17. 脱離基を含む不飽和化合物が、式(II)[Yは、臭素または塩素原子または式−OSO−Rのスルホンエステルを表し、Rは、1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基、好ましくはメチルまたはエチル基、フェニルまたはトリル基あるいはトリフルオロメチル基である。]に対応することを特徴とする請求項15および16のいずれかに記載の方法。
  18. 式(II)に対応する脱離基を含む不飽和化合物が、以下の化合物:
    (1)式(IIa):
    Figure 2007502317
    [前記式(IIa)において、
    20、R21およびR22は、同一であってよくまたは異なっていてよく、水素原子または1から20個の炭素原子を有する炭化水素基を表し、これらは直鎖または分枝、飽和または不飽和脂肪族基;単環式または多環式、飽和、不飽和または芳香族、炭素環式または複素環式基;あるいは上記の脂肪族および/または炭素環式および/または複素環式基の鎖であり、
    Yは、前記定義の通りの脱離基を表す。]
    によって表すことができる二重結合を担持する脂肪族タイプのもの、
    (2)式(IIb)
    20−C≡C−Y(IIb):
    [前記式(IIb)において、
    20は、式(IIa)において与えられた意味を有し、
    Yは、上に定義の通り、の脱離基を表す。]
    によって表すことができる三重結合を担持する脂肪族タイプのもの、
    (3)式(IIc):
    Figure 2007502317
    [式中、
    Dは、単環式または多環式、芳香族、炭素環式および/または複素環式系の全部または一部を形成する環の残基を表し、
    23は、同一であってよくまたは異なっていてよく、環上の置換基を表し、
    Yは、上に定義の通り、の脱離基を表し、
    n”は、環上の置換基の数を表す。]
    によって表すことができる、後に「ハロ芳香族化合物」と呼ばれる芳香族タイプのもの
    から選択されることを特徴とする請求項15から17の一項に記載の方法。
  19. 式(II)に対応する脱離基担持化合物が、塩化ビニル、臭化ビニル、ブロモアルキン、ヨードアルキン、β−ブロモスチレン、β−クロロスチレン、p−クロロトルエン、p−ブロモアニソールまたはp−ブロモトリフルオロベンゼンから選択されることを特徴とする請求項15から18の一項に記載の方法。
  20. 触媒が、微細に粉砕された金属の形態において、無機誘導体(酸化物もしくは水酸化物など)の形態において;鉱物塩(好ましくは硝酸塩、硫酸塩、オキシ硝酸塩、ハライド、オキシハライドもしくは炭酸塩)の形態において;有機誘導体(好ましくはシアニド、オキサレート、アセチルアセトネート;アルコキシド、さらに優先的にメトキシドもしくはエトキシド;カルボキシレート、さらに優先的にアセテート)の形態において、または錯体(特にPd金属の、および/またはアルカリ金属(好ましくはナトリウムまたはカリウム)の、またはアンモニウムの塩素化またはシアノ化錯体)の形態において導入される金属元素Pdを含むことを特徴とする請求項1から34の一項に記載の方法。
  21. Pd元素が、塩化パラジウム、酢酸パラジウムまたは木炭上パラジウムにより導入されることを特徴とする請求項20に記載の方法。
  22. 配位子が、ホスフィンまたはホスファイトまたはホスホナイトであることを特徴とする請求項1から21の一項に記載の方法。
  23. ホスフィンが、以下の式:
    Figure 2007502317
    [前記式において、
    qは、0または1に等しく、
    基R、R、RおよびRは、同一であってよくまたは異なっていてよく、
    1から12個の炭素原子を有するアルキル基、
    5または6個の炭素原子を有するシクロアルキル基、
    5または6個の炭素原子を有するシクロアルキル基(これらは、1個または複数の、1から4個の炭素原子を有するアルキル基または1から4個の炭素原子を有するアルコキシ基により置換されている。)、
    脂肪族部分が1から6個の炭素原子を含むフェニルアルキル基、
    フェニルまたはビフェニル基、
    1個または複数の、1から4個の炭素原子を有するアルキル基もしくは1から4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1個または複数のハロゲン原子またはトリフルオロメチル基により置換されたフェニルまたはビフェニル基
    を表し、
    基Reは、
    原子価結合または1から6個の炭素原子を有する、飽和または不飽和、直鎖または分枝二価炭化水素基、
    次式の芳香族基:
    Figure 2007502317
    (式中、
    Zは、水素原子、1から10個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子またはトリフルオロメチル基を表し、
    Xは、酸素、イオウ原子、または(1から3個の炭素原子を有する)直鎖もしくは分枝アルキレン基であり、
    rが1に等しい場合には、X’は、原子価結合、酸素、イオウもしくはケイ素原子、または(1から3個の炭素原子を有する)直鎖または分枝アルキレン基を表し、
    rが0に等しい場合には、2個の環は結合しておらず、
    (x)および(y)は、それぞれ、式(IV)によって表される基Rとリン原子との間にできた2個の結合の位置を正確に定める。)、
    次式の芳香族基:
    Figure 2007502317
    (式中、
    Zは、上に与えられた意味を有し、
    Bは、ベンゼンまたはナフタレン環の残基を表し、
    Wは、原子価結合、または1から3個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝アルキレン基を表し、
    (x)および(y)は、それぞれ、式(V)によって表される基Rとリン原子との間にできた2個の結合の位置を正確に定める。)、
    次式のフェロセン基
    Figure 2007502317
    を表す。]
    に対応することを特徴とする請求項22に記載の方法。
  24. ホスフィンが、以下の式:
    Figure 2007502317
    [式中、
    Cは、ペンタンまたはシクロヘキサン環の残基を表し、
    およびRは、同一であってよくまたは異なっていてよく、式(IIIa)においてRまたはRに対して与えられた意味を有し、
    sは、1から6に等しい数、好ましくは4に等しい。]
    に対応することを特徴とする請求項22に記載の方法。
  25. ホスホナイトが、以下の式:
    Figure 2007502317
    [前記式において、基R、R、R、RおよびR、および記号qは、式(IIIa)に対して与えられた意味を有する。]
    に対応することを特徴とする請求項22に記載の方法。
  26. 配位子が、トリシクロヘキシルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリイソブチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリベンジルホスフィン、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−メチルビフェニル、トリフェニルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、ジエチルフェニルホスフィン、ジ−tert−ブチルフェニルホスフィン、トリ(p−トリル)ホスフィン、イソプロピルジフェニルホスフィン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、ビスジフェニルホスフィノメタン、ビスジフェニルホスフィノエタン、ビスジフェニルホスフィノプロパン、ビスジフェニルホスフィノブタン、ビスジフェニルホスフィノペンタン、ビスジフェニルホスフィノフェロセン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)、ビス−[(2−ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテル(DPEPHOS)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(XANTPHOS)、テトラキス−(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ジフェニレンビスホスホナイトから選択されることを特徴とする請求項22から25の一項に記載の方法。
  27. 塩基が、水酸化アンモニウム、または一価金属および/または二価金属(好ましくはアルカリおよび/またはアルカリ土類金属)の水酸化物であることを特徴とする請求項1から26の一項に記載の方法。
  28. 塩基が、水酸化ナトリウムであることを特徴とする請求項27に記載の方法。
  29. 塩基が、固体形態において、または溶液において導入されることを特徴とする請求項27および28のいずれかに記載の方法。
  30. 溶媒が、モノ−またはポリアルコール、エーテルアルコールもしくはアミノアルコール、またはその混合物であることを特徴とする請求項1から29の一項に記載の方法。
  31. アルコールが、以下の式:
    −OH(VI)
    [前記式(IV)において、
    は、1から24個の炭素原子を有する場合によって置換された炭化水素基を表し、前記炭化水素は、直鎖もしくは分枝、飽和もしくは不飽和非環式脂肪族基;単環式もしくは多環式、飽和もしくは不飽和脂環式基;または環式置換基を担持する、直鎖または分枝、飽和または不飽和脂肪族基であってよい。]
    に対応することを特徴とする請求項30に記載の方法。
  32. アルコールが、第一級もしくは第二級立体障害アルコールまたは第三級アルコールであることを特徴とする請求項31に記載の方法。
  33. 溶媒が、n−ブタノール、tert−ブタノール、エチレングリコール、N,N−ジメチルエタノールアミン、メトキシエタノール、1−メトキシプロパン−2−オール、しかし、好ましくはtert−ブタノールまたはtert−アミルアルコールであることを特徴とする請求項30に記載の方法。
  34. 塩基が、請求項30から33の一項に記載のアルコール中の懸濁液の形態で導入されることを特徴とする請求項27および28のいずれかに記載の方法。
  35. 金属水酸化物または水酸化アンモニウムおよびアルコールの反応性磨砕を実施することを特徴とする請求項27から34の一項に記載の方法。
  36. 水酸化ナトリウム(既に磨砕されているか、ペレットの形態において)およびtert−アミルアルコールまたはtert−ブタノールの反応性磨砕を実施することを特徴とする請求項27から35の一項に記載の方法。
  37. 式(II)の化合物のモル数に対する前記Pd化合物のモル数のモル比によって表される、Pd元素を導入する、使用される化合物の量が、0.005と1の間、好ましくは0.01と0.1の間の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  38. 式(II)の化合物のモル数に対する前記Pd化合物のモル数のモル比によって表される、Pd元素を導入する、使用される化合物の量が、0.005と0.5の間、好ましくは0.005と0.01の間の範囲にあることを特徴とする請求項35および36のいずれかに記載の方法。
  39. アルコールタイプの溶媒を非極性非プロトン溶媒と組み合わせること特徴とする請求項1に記載の方法。
  40. 非極性非プロトン溶媒が、脂肪族、脂環式または芳香族炭化水素であることを特徴とする請求項39に記載の方法。
  41. 極性プロトン溶媒が、脂肪族炭化水素、好ましくはヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、または石油エーテルタイプの石油留分;芳香族炭化水素、好ましくはベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、メシチレンまたはアルキルベンゼンの混合物からなる石油留分、特にSolvessoタイプの留分であることを特徴とする請求項39および40のいずれかに記載の方法。
  42. 使用する共触媒の量が、アルコールタイプの溶媒の1から50%、好ましくは10から20%の体積を表すことを特徴とする請求項1から40の一項に記載の方法。
  43. 求核性化合物と脱離基担持不飽和化合物とのカップリング反応が、反応物が液体状態に維持されるように選択された温度で行なわれること特徴とする請求項1から42の一項に記載の方法。
  44. 求核性化合物と脱離基担持不飽和化合物とのカップリング反応が、50℃と200℃の間、好ましくは80℃と150℃の間、さらに優先的には90℃と110℃の間で有利に適合する温度で行なわれること特徴とする請求項43に記載の方法。
  45. 脱離基担持不飽和化合物、好ましくは式(II)の化合物、塩基、アルコールタイプの溶媒、および場合によって共触媒を装填すること;Pd金属元素を導入する化合物および配位子あるいは予備形成された金属錯体を媒体に別々に添加すること;反応媒体を選択された反応温度にすること;求核性化合物、好ましくは式(Ia)から(Ig)の化合物を引き続き添加し、次いで、得られたカップリング生成物を回収することを特徴とする請求項1から44の一項に記載の方法。
  46. 得られたカップリング生成物が、ベンゾフェノンN−p−トリルヒドラゾン、ベンゾフェノンN−フェニルヒドラゾン、ベンゾフェノンN−p−メトキシフェニルヒドラゾン、ベンゾフェノンN−o−トリルヒドラゾン、ベンゾフェノンN−p−トリフルオロフェニルヒドラゾン、ベンゾフェノンN−4−フルオロ−3−クロロフェニルヒドラゾン、ベンゾフェノンN−2−フルオロ−5−クロロフェニルヒドラゾンまたはベンゾフェノンN−4−フルオロ−3−シアノフェニルヒドラゾンであることを特徴とする請求項1から45の一項に記載の方法。
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