JP2007500240A - Abt−751による持続投与レジメン - Google Patents

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Abstract

抗癌剤N−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4メトキシベンゼンスルホンアミド(ABT−751)を含有する組成物、チューブリンβ−サブユニットのコルチシン部位と結合する前記薬剤による持続経口投薬スケジュール、及び持続投薬スケジュールを使用する疾患の治療方法を開示する。

Description

本発明は1種以上の抗癌剤を含有する組成物、チューブリンβ−サブユニットのコルチシン部位と結合する薬剤による持続経口投薬スケジュール、及び持続投薬スケジュールを使用する疾患の治療方法に関する。
多くの市販の非経口投与チューブリンβ−サブユニット結合剤は併発する副作用の重篤度により断続投与を余儀なくされるため、効果が損なわれる。
従って、チューブリンβ−サブユニットと結合する薬剤による疾患治療の改善が治療分野で必要とされている。
従って、本発明の1態様はチューブリンβ−サブユニットと結合する、治療薬として許容可能な量の薬剤又は治療薬として許容可能なその塩によるヒト疾患治療用持続経口投薬スケジュールに関し、前記投薬スケジュールは少なくとも5日間継続する。
別の態様は、チューブリンβ−サブユニットと結合する、治療薬として許容可能な量の薬剤又は治療薬として許容可能なその塩によるヒト疾患治療用持続経口投薬スケジュールに関し、前記投薬スケジュールは少なくとも5日間継続し、前記期間中に貧血、脱毛症、体液鬱滞、骨髄抑制、神経障害及び好中球減少症から構成される群から選択される少なくとも1種の副作用の重篤度はチューブリンβ−サブユニットと結合する非経口投与薬で実質的に同一疾患を治療した場合に併発する同一副作用の重篤度に比較して本質的に低減する。
更に別の態様は、チューブリンβ−サブユニットのコルチシン部位と結合する、治療薬として許容可能な量の薬剤又は治療薬として許容可能なその塩によるヒト疾患治療用持続経口投薬スケジュールに関し、前記投薬スケジュールは少なくとも5日間継続する。
更に別の態様は、チューブリンβ−サブユニットのコルチシン部位と結合する、治療薬として許容可能な量の薬剤又は治療薬として許容可能なその塩によるヒト疾患治療用持続経口投薬スケジュールに関し、前記投薬スケジュールは少なくとも5日間継続し、前記期間中に貧血、脱毛症、体液鬱滞、骨髄抑制、神経障害及び好中球減少症から構成される群から選択される少なくとも1種の副作用の重篤度はチューブリンβ−サブユニットと結合する非経口投与薬で実質的に同一疾患を治療した場合に併発する同一副作用の重篤度に比較して本質的に低減する。
更に別の態様は、治療薬として許容可能な量のN−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド又は治療薬として許容可能なその塩によるヒト疾患治療用持続経口投薬スケジュールに関し、前記投薬スケジュールは少なくとも5日間継続する。
更に別の態様は、治療薬として許容可能な量のN−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド又は治療薬として許容可能なその塩によるヒト疾患治療用持続経口投薬スケジュールに関し、前記投薬スケジュールは少なくとも5日間継続し、前記期間中に貧血、脱毛症、体液鬱滞、骨髄抑制、神経障害及び好中球減少症から構成される群から選択される少なくとも1種の副作用の重篤度はチューブリンβ−サブユニットと結合する非経口投与薬で実質的に同一疾患を治療した場合に併発する同一副作用の重篤度に比較して本質的に低減する。
更に別の態様は、チューブリンβ−サブユニットと結合する、治療薬として許容可能な量の薬剤又は治療薬として許容可能なその塩を少なくとも5日間持続経口投与することを含むヒト疾患の治療方法に関する。
更に別の態様は、チューブリンβ−サブユニットと結合する、治療薬として許容可能な量の薬剤又は治療薬として許容可能なその塩を少なくとも5日間持続経口投与することを含むヒト疾患の治療方法に関し、前記投薬スケジュール中に貧血、脱毛症、体液鬱滞、骨髄抑制、神経障害及び好中球減少症から構成される群から選択される少なくとも1種の副作用の重篤度はチューブリンβ−サブユニットと結合する非経口投与薬で実質的に同一疾患を治療した場合に比較して本質的に低減する。
更に別の態様は、チューブリンβ−サブユニットのコルチシン部位と結合する、治療薬として許容可能な量の薬剤又は治療薬として許容可能なその塩を少なくとも5日間持続経口投与することを含むヒト疾患の治療方法に関する。
更に別の態様は、チューブリンβ−サブユニットのコルチシン部位と結合する、治療薬として許容可能な量の薬剤又は治療薬として許容可能なその塩を少なくとも5日間持続経口投与することを含むヒト疾患の治療方法に関し、前記投薬スケジュール中に貧血、脱毛症、体液鬱滞、骨髄抑制、神経障害及び好中球減少症から構成される群から選択される少なくとも1種の副作用の重篤度はチューブリンβ−サブユニットと結合する非経口投与薬で実質的に同一疾患を治療した場合に併発する同一副作用の重篤度に比較して本質的に低減する。
更に別の態様は、治療薬として許容可能な量のN−(2−((4−ヒドロキシフェニル)−アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド又は治療薬として許容可能なその塩を少なくとも5日間持続経口投与することを含むヒト疾患の治療方法に関する。
更に別の態様は、治療薬として許容可能な量のN−(2−((4−ヒドロキシフェニル)−アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド又は治療薬として許容可能なその塩を少なくとも5日間持続経口投与することを含むヒト疾患の治療方法に関し、前記投薬スケジュール中に貧血、脱毛症、体液鬱滞、骨髄抑制、神経障害及び好中球減少症から構成される群から選択される少なくとも1種の副作用の重篤度はチューブリンβ−サブユニットと結合する非経口投与薬で実質的に同一疾患を治療した場合に併発する同一副作用の重篤度に比較して本質的に低減する。
更に別の態様は、治療有効量のN−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドと賦形剤を含有するN−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドの即時胃腸放出用組成物に関し、前記組成物は持続的に経口摂取すると、非経口投与チューブリンβ−サブユニット結合剤で実質的に同一疾患を治療した場合に併発する同一副作用の重篤度に比較して貧血、脱毛症、体液鬱滞、骨髄抑制、神経障害及び好中球減少症から構成される群から選択される少なくとも1種の副作用の重篤度を本質的に低減する。
更に別の態様は、N−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4メトキシベンゼンスルホンアミドと、シスプラチン、ドセタキセル及び5−フルオロウラシルから構成される群から選択される少なくとも1種の抗癌剤とを含有する治療相乗作用をもつ医薬組成物に関する。
更に別の態様は、治療有効量のN−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドと、シスプラチン、ドセタキセル及び5−フルオロウラシルから構成される群から選択される少なくとも1種の付加薬剤とを投与することを含むヒト癌の治療方法に関する。
本明細書で使用する「少なくとも5日間」なる用語は薬剤を投与する期間を意味する。本発明の好ましい実施態様では、少なくとも5日間とは21日間スケジュールの最初の7日間、21日間スケジュールの最初の14日間、21日間スケジュールの最初の15日間、28日間スケジュールの最初の21日間、5日間と後続5日間の休薬期間と後続5日間の投薬期間と後続5日間の休薬期間、即ち(5日間投薬/5日間休薬)×2、及び7日間と後続7日間の休薬期間と後続7日間の投薬期間と後続7日間の休薬期間、即ち(7日間投薬/7日間休薬)×2を意味する。
本明細書で使用する「コルチシン部位結合剤」なる用語はチューブリンβ−サブユニットのコルチシン部位と結合することによりチューブリンの重合を阻害するチューブリンβ−サブユニット結合剤を意味する。
チューブリンβ−サブユニットのコルチシン部位と結合する薬剤として本発明の実施に好ましい例はN−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドであり、本明細書ではN−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドとも言う。N−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドの合成は、参照により本明細書に組込む米国特許第5,292,758号、カラム23、第61行〜カラム24、第12行に教示されている。
本明細書で使用する「癌」なる用語は骨髄悪液質、乳癌(腺管及び小葉)、子宮頸癌、結腸癌、白血病、肺(小細胞及び非小細胞)癌、リンパ腫、骨髄腫、口腔舌癌、膵臓癌、前立腺癌、直腸癌、腎臓癌、肉腫、胃癌、子宮癌、及びこれらの領域からの転移に起因する癌を意味する。
本明細書で使用する「持続」なる用語は毎日少なくとも1日1回を意味する。
本明細書で使用する「疾患」なる用語は有害な生理的イベントを意味する。本発明の実施に関して、チューブリンβ−サブユニットのコルチシン部位と結合する薬剤が有効である疾患の例は通風性関節炎と癌である。
本明細書で使用する「薬剤」なる用語は疾患の予防もしくは治療又は1種以上の有害な生理的イベントの阻害に適した化合物を意味する。
非経口投与薬の例としては、ビンカアルカロイド(ビンクリスチン、ビンブラスチン、及びビノレルビン)、タキサン(パクリタキセル及びドセタキセル)、5−フルオロウラシル、シスプラチン、ドセタキセル、ゲムシタビン、及び通風性関節炎を治療するために使用されるコルチシン自体等のコルチシン部位結合剤が挙げられる。
副作用の重篤度に関して本明細書で使用する「本質的に低減」なる用語は試験患者集団の少なくとも約50%がグレードIII又はIVレベルの副作用を生じず、好ましくは試験患者集団の約75%がグレードIII又はIVレベルの副作用を生じず、より好ましくは試験患者集団の約85%がグレードIII又はIVレベルの副作用を生じず、更に好ましくは試験患者集団の約95%がグレードIII又はIVレベルの副作用を生じず、最も好ましくは試験患者集団の100%がグレードIII又はIVレベルの副作用を生じなかったことを意味する。
本明細書で使用する「治療相乗作用」なる用語は各薬剤の相加効果を上回る治療効果をもつ2種以上の薬剤の併用を意味する。
シンチレーション近接アッセイでビオチン化ウシ脳チューブリンに対する[H]コルチシンの競合を使用してN−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド、ビンブラスチン、及びパクリタキセルの結合親和性を評価した。
Figure 2007500240
表1のデータはN−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドがチューブリンβ−サブユニットのコルチシン部位の[H]コルチシンに置換し、従って、コルチシン部位結合剤であることを示している。
表1のデータはビンブラスチンとパクリタキセルが[H]コルチシンに置換せず、従って、コルチシン部位結合剤ではないため、コルチシン結合部位以外のチューブリンβ−サブユニット部位と結合するはずであることも示している。
N−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドはコルチシン部位結合剤であり、コルチシン自体以外のコルチシン部位結合剤で治療することができる疾患の治療に有利な薬剤の実例である。
ヒト疾患の治療に有用な薬剤としてのコルチシン部位結合剤の有効性は薬剤を含有する組成物、その投与経路、薬剤投与量、及び投薬スケジュール等の可変要素に依存する。本発明は好ましい治療イベントを生じ、貧血、脱毛症、体液鬱滞、骨髄抑制、神経障害及び好中球減少症から構成される群から選択される少なくとも1種の副作用の重篤度がチューブリンβ−サブユニットと結合する非経口投与薬で実質的に同一疾患を治療した場合に併発する同一副作用に比較して十分に低減する予想外の驚くべき可変要素の組み合わせに関する。
M5076は移植可能なマウス細網細胞肉腫である。N−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドは1日1回5日間経口投与した場合にこの同系脇腹腫瘍モデルで有意抗腫瘍活性を示した。150mg/kgのその概算MTDで5日間投与した場合にN−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドは腫瘍増殖を有意に阻害し、T/C値(試験群の腫瘍重量を対照群の腫瘍重量で割った値)とILS(寿命の増加百分率)値は夫々13%と42%であった。これに対して、このモデルはパクリタキセルに耐性であった。ビンクリスチンとドキソルビシンはごく低活性であり(夫々ILS=17%と13%)、このモデルはシクロホスファミドに感受性であることが判明した。
CDF−1マウスの脇腹で増殖させたC26結腸腫瘍に対してN−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドを評価した。5日間スケジュールで投与した場合にはごく低活性であったが、長期投薬すると、MTDのBCNUで得られると同等の有意抗腫瘍応答を生じた。パクリタキセルはこの腫瘍には効果がなかった。
ApcMin(Min)マウスは遺伝性腸癌のモデルである。これらのマウスはApc腫瘍サプレッサー遺伝子に優性生殖細胞突然変異をもつため、腸管全体に多数(>50)の腫瘍が発生しやすい。
N−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド150mg/kg/日を1日1回スケジュールで28日間経口投与すると、Minマウスの腫瘍量は有意に低下した。投与したマウスの平均腫瘍数はビヒクル対照の73.3に比較して49.8であった。薬剤投与は腫瘍が定着した年齢から開始した。これらの結果によると、N−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドは自然発生腸発癌モデルで有意インビボ活性を示す。
単剤としての(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドは複数のヒト腫瘍異種移植片モデルでインビボ抗腫瘍活性を示した。数種のインビボ異種移植片モデル(脇腹及び同所)において、(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドの1日1回投薬は1日2回投薬と同等以上の効果を示した。この優れたQD効果はマウス同系モデルで確認された。従って、(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドを1日1回投与すれば最大効果を達成するために十分であると思われる。5−FU、シスプラチン、ドセタキセル、及びゲムシタビンと併用すると、(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドは夫々HT−29結腸癌、Calu−6NSCLC、MDA−MB−468乳癌、及びMiaPaCa2膵臓癌異種移植片モデルにおいて単剤単独よりも抗腫瘍活性の増加を示した。
NCI−H460はヒト非小細胞肺癌由来細胞株である。この細胞株はMDRネガティブであり、野生型p53をもち、発癌性K−ras突然変異を含む。(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドはNCI−H460異種移植片モデルで良好な効果を示した。13日目の平均腫瘍量はビヒクル対照と有意差があった(T/C=58%)。(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドは更に腫瘍増殖の遅延も生じ、ILS値32%であった。パクリタキセルとビンクリスチンはいずれもこのアッセイで活性を示さなかった。
HCT−15はヒト結腸癌由来細胞株である。この細胞株はMDRポジティブであり、突然変異体p53と発癌性K−rasを発現する。HCT−15細胞株はNCI腫瘍細胞株群に由来する細胞のうちでmdr−1/P糖蛋白質発現レベルが最も高いものの1つである。パクリタキセルとビンクリスチンはいずれもP糖蛋白質薬剤排出ポンプの基質であり、効果がなかったが、(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドは腫瘍増殖の抑制に有効であった。
Figure 2007500240
(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドは投与開始前に定着腫瘍になるまで増殖させた各種ヒト腫瘍異種移植片の増殖を抑制した。以下にまとめるように、結腸癌、乳癌及び肺癌に由来する定着腫瘍に対して活性が認められた。(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドは同所で増殖させたヒト膵臓腫瘍異種移植片に対しても活性であった。
Figure 2007500240
(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドはヌードマウスで他の各種ヒト腫瘍異種移植片に対しても抗腫瘍活性を示した。
胃癌、肺癌、乳癌、及び口腔癌に由来する腫瘍でも抗腫瘍活性が認められた。
Figure 2007500240
57人の癌患者で単回(16人)及び5日間反復投薬レジメン(41人)により(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドを評価した。単回セグメントの投与量は80〜480mg/m/日とした。5日間反復投薬レジメンでは、(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド30〜240mg/m/日を1サイクル投与した。薬物動態データによると、(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド血漿濃度は投薬後に急速に増加した。薬剤は4〜16時間の半減期で排泄された。AUCは30〜480mg/m/日の範囲で用量に比例して増加し、明白な蓄積は認められなかった。単回及び5日間反復投薬セグメントによる有害な薬剤反応は吐気嘔吐、下痢、上腹部痛、腸閉塞及び末梢神経障害徴候であった。単回セグメントでは、用量依存毒性(DLT)は480mg/m/日で5人中1人がグレード3末梢神経障害であった。5日間反復投薬レジメンでは、用量依存毒性は210mg/m/日で4人中1人がグレード3末梢神経障害であり、210mg/m/日で4人中1人と240mg/m/日で6人中1人がグレード4腸麻痺であった。
7日間QDレジメンでは、300mgQD用量で6人中2人に末梢神経障害/腸閉塞の用量依存毒性が報告されたので、250mgQD用量をMTDと判定した。250mg用量群の3人中2人で疲労感、食欲不振及び小腸閉塞の疑いの用量依存毒性が観察されたので、21日間投与したQDレジメンのMTDは200mgであると判定した。
安全性データを検討すると、3種の試験で有意骨髄抑制、腎又は肝毒性は報告されなかった。
組成に応じて本発明のチューブリンβ−サブユニット結合剤は賦形剤を加えて投与してもよいし、加えずに投与してもよい。賦形剤としてはカプセル封入剤や、吸収促進剤、酸化防止剤、結合剤、緩衝液、コーティング剤、着色剤、希釈剤、崩壊剤、乳化剤、増量剤、充填剤、香味剤、保湿剤、滑沢剤、香料、防腐剤、噴射剤、放出剤、滅菌剤、甘味料、溶解補助剤、湿潤剤及びその混合物等の添加剤が挙げられる。本発明の固体剤形の経口投与用チューブリンβ−サブユニット結合剤の賦形剤としては寒天、アルギン酸、水酸化アルミニウム、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、1,3−ブチレングリコール、ひまし油、セルロース、酢酸セルロース、カカオバター、コーンスターチ、コーン油、綿実油、エタノール、エチルセルロース、ラウリン酸エチル、オレイン酸エチル、ゼラチン、胚芽油、グルコース、グリセロール、落花生油、イソプロパノール、等張食塩水、ラクトース、水酸化マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、麦芽、オリーブ油、ピーナッツ油、リン酸カリウム塩、ジャガイモ澱粉、プロピレングリコール、リンゲル液、タルク、トラガカント、水、サフラワー油、ゴマ油、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、リン酸ナトリウム塩、大豆油、蔗糖、テトラヒドロフルフリルアルコール及びその混合物が挙げられる。本発明の液体剤形の眼内又は経口投与用チューブリンβ−サブユニット結合剤の賦形剤としては1,3−ブチレングリコール、ひまし油、コーン油、綿実油、エタノール、ソルビタンの脂肪酸エステル、胚芽油、落花生油、グリセロール、イソプロパノール、オリーブ油、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ゴマ油、水及びその混合物が挙げられる。本発明の浸透圧投与用チューブリンβ−サブユニット結合剤の賦形剤としては、クロロフルオロハイドロカーボン、エタノール、水及びその混合物が挙げられる。本発明の非経口投与用チューブリンβ−サブユニット結合剤の賦形剤としては、1,3−ブタンジオール、ひまし油、コーン油、綿実油、胚芽油、落花生油、リポソーム、オレイン酸、オリーブ油、ピーナッツ油、リンゲル液、サフラワー油、ゴマ油、大豆油、U.S.P.又は等張塩化ナトリウム溶液、水及びその混合物が挙げられる。本発明の直腸又は膣投与用チューブリンβ−サブユニット結合剤の賦形剤としてはカカオバター、ポリエチレングリコール、ロウ及びその混合物が挙げられる。
N−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4メトキシベンゼンスルホンアミドを使用する本発明の実施に好ましい賦形剤を下表に示す。
Figure 2007500240
微結晶セルロース、N−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド、ラクトース及びクロスカルメロースの混合物にポビドン水溶液を加えて顆粒化し、乾燥し、粉砕した。粉砕物をステアリン酸マグネシウムとブレンドした。
本明細書に記載する用量は適量のブレンド物をカプセルに充填することにより調製した。
投与経路に従って、本発明のチューブリンβ−サブユニット結合剤は経口、眼内、浸透圧、非経口(皮下、筋肉内、胸骨内、静脈内)、直腸、局所、経皮、又は膣投与することができる。経口投与固体剤形はカプセル、ドラジェ、顆粒剤、ピル、散剤又はタブレットとして投与することができる。眼内又は経口投与剤形はエリキシル剤、エマルション、マイクロエマルション、懸濁液又はシロップとして投与することができる。浸透圧及び局所投与剤形はクリーム、ジェル、吸入剤、ローション、軟膏、ペースト、又は散剤として投与することができる。非経口投与剤形は水性又は油性懸濁液として投与することができる。直腸及び膣剤形はクリーム、ジェル、ローション、軟膏、又はぺーストとして投与することができる。
本発明の実施にあたり、チューブリンサブユニットのコルチシン結合部位以外と結合する薬剤は非経口投与することが好ましく、チューブリンサブユニットのコルチシン結合部位と結合する薬剤は同一薬剤の非経口投与よりも経口投与するほうが好ましいと考えられる。
本発明のチューブリンβ−サブユニット結合剤の治療薬として許容可能な量とその投薬スケジュールは治療のレシピエント、治療する疾患とその重篤度、チューブリンβ−サブユニット結合剤を含有する組成物、投与時間、投与経路、チューブリンβ−サブユニット結合剤の効力、チューブリンβ−サブユニット結合剤の排泄率、及び別の薬剤の併用の有無に依存する。
難治性充実性腫瘍をもつ成人患者に1日1回持続経口投与する場合のN−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドの1日用量は約50mg、約100mg、約150mg、約200mg、約250mg、又は約300mgである。
難治性充実性腫瘍をもつ成人患者には21日間スケジュールの最初の7日間にN−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド約250mgを1日1回(QD)持続経口投与することが好ましい。
難治性充実性腫瘍をもつ成人患者には28日間スケジュールの最初の21日間にN−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド約200mgを1日1回持続経口投与することが好ましい。
乳癌、肺癌、腎臓癌、又は結腸癌をもつ成人患者には28日間投薬スケジュールの最初の21日間にN−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド約200mgを1日1回持続経口投与することが好ましい。
難治性充実性腫瘍をもつ小児患者に1日1回持続経口投与する場合のN−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドの1日用量は約100mg/mm、約130mg/mm、約165mg/mm、約200mg/mm、又は約250mg/mmとすることができる。
難治性悪性血液腫瘍をもつ成人患者に1日1回持続経口投与する場合のN−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドの1日用量は約100mg/mm、約125mg/mm、及び 約150mg/mmとすることができる。
難治性充実性腫瘍をもつ成人患者に1日2回(BID)持続経口投与する場合のN−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドの1日用量は約25mg、約50mg、約75mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約250mg、又は約300mgとすることができる。
難治性充実性腫瘍をもつ成人患者には21日間スケジュールの最初の7日間にN−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド約175mgを1日2回経口投与することが好ましい。
難治性悪性血液腫瘍をもつ成人患者に1日2回持続経口投与する場合のN−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドの1日用量は約75mg/mm、約100mg/mm、125mg/mm、150mg/mm、及び175mg/mmとすることができる。
難治性充実性腫瘍をもつ小児患者に1日2回持続経口投与する場合のN−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドの1日用量は約100mg/mm及び約130mg/mmとすることができる。
N−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドは単独又は他の治療と併用した場合にも疾患の治療に有用であると思われる。例えば、癌治療に使用する場合には、本発明の化合物は単独投与してもよいし、放射線治療、ホルモン剤、抗体、抗血管新生剤、COX−2阻害剤、又はシスプラチン、5−フルオロウラシル、タキソテール、ドセタキセル及びゲムシタビン等の他の(殺細胞又は静細胞)化学療法剤と併用投与してもよい。
ヌードマウスで増殖させたCalu−6NSCL、MDA−MB−468乳癌及びHT−29結腸癌異種移植片でN−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドと他の化学療法剤の併用効果を試験した。
1つの目的はCalu−6NSCL脇腹異種移植片モデルにおける単剤又はシスプラチンとの併用剤としてのN−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドの効果を測定することであった。
別の目的はMDA−MB468乳癌脇腹異種移植片モデルにおける単剤又はドセタキセルとの併用剤としてのN−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドの効果を測定することであった。
更に別の目的はHT−29結腸癌脇腹異種移植片モデルにおける単剤又は5−フルオロウラシルとの併用剤としてのN−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドの効果を測定することであった。
更に別の目的は2種の異なるスケジュール(1日1回及び1日2回)でCalu−6及びHT−29異種移植片モデルに投与した場合のN−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドの効果を測定することであった。
腫瘍細胞の接種後、腫瘍をマウスで3回継代した後、フラグメントを使用して単細胞懸濁液を作製した。複数の動物をドナーとして使用した。単細胞懸濁液は細断した腫瘍組織をRPMI 1640培地で均質化することにより作製した。細胞懸濁液を3回洗浄して破片や他の外来物を除去した。血球計を使用してトリパンブルー排除法により生存細胞をカウントした。細胞1x10個を含有する細胞懸濁液0.5mLをマウスに皮下注射した。
21日間1日1回持続投薬には、50mg/kg/日で副作用がほとんどなかったことからこの用量を選択した。
Calu−6脇腹異種移植片モデルにおけるN−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドの効果を測定するために、腫瘍細胞を雄ヌードマウスに0日目に皮下接種した。10日目に定着腫瘍をもつマウスをサイズによって分け、約233mmのものを集めた。
Calu−6異種移植片モデルにN−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド100及び75mg/kg/日を単剤として(5日間投薬/5日間休薬)×2サイクル投薬スケジュールで投与すると、有意抗腫瘍活性を示した。N−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド50mg/kg/日を1日1回又は1日2回スケジュールで投与すると、同様の効果を示した。シスプラチンと併用すると、N−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドはN−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドによる相加応答を上回る効果を示した。
MDA−MB−468乳癌脇腹異種移植片モデルにおけるN−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドの効果を測定するために、連続継代腫瘍フラグメントに由来する腫瘍細胞を雌ヌードマウスに0日目に皮下接種した。10日目に定着腫瘍をもつマウスをサイズによって分け、約231mmのものを集めた。
単剤としてN−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドを100及び75mg/kg/日で(5日間投薬/5日間休薬)×2投薬スケジュールと50mg/kg/日で毎日投与すると、MDA−MB468異種移植片モデルで用量依存的抗腫瘍活性を示した。ドセタキセル33.3mg/kg/日と併用すると、N−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドは試験用量のN−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドによる相加応答を上回る効果を示した。
HT−29脇腹異種移植片モデルにおけるN−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドの効果を測定するために、連続継代腫瘍フラグメントに由来する腫瘍細胞を雌ヌードマウスに0日目に皮下接種した。10日目に定着腫瘍をもつマウスをサイズによって分け、約236mmのものを集めた。
HT−29結腸癌異種移植片モデルにN−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド100及び75mg/kg/日を単剤として(5日間投薬/5日間休薬)×2サイクル投薬スケジュールで投与すると、有意抗腫瘍活性を示した。N−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド50mg/kg/日をこのモデルに1日1回又は1日2回スケジュールで投与すると、同様の効果を示し、Calu−6モデルで観察された効果が確認された。5−フルオロウラシル30mg/kg/日と併用すると、N−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドは高用量で相加応答を示した。
まとめると、N−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドの効果をCalu−6NSCL、MDA−MB−468乳癌及びHT−29結腸癌異種移植片モデルで試験した。単剤として、N−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドは全3種の異種移植片モデルで用量依存的効果を示した。1日1回及び1日2回投与した場合のN−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドの効果をCalu−6NSCL及びHT−29結腸癌異種移植片モデルで試験した処、21日間投与した場合には両者モデルで1日1回でも1日2回でも同等の効果を示した。
従って、N−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドをシスプラチン(Calu−6NSCLC)、ドセタキセル(MDA−MB−468)又は5−FU(HT−29)と併用すると、単剤単独に比較して相加効果以上の効果を示した。
N−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドの代表的長期投薬スケジュールを評価するために、患者43人に参加してもらった。試験した腫瘍型は結腸直腸(23)、肉腫(5)、中皮腫(3)、唾液腺癌(2)、子宮内膜癌(2)、不明(2)、肝臓癌(1)、黒肉腫(1)、腎臓癌(1)、肺癌(1)、卵巣癌(1)、及び顆粒膜細胞癌(1)であった。患者に1日1回又は2回21日間N−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドを投与した後、7日間休薬した。用量を50mg/日(1日2回25mgずつ)増加した。患者3人にまず各用量レベルで投与した。1回目のサイクルで用量依存毒性が観察された場合には、更に患者3人を投薬スケジュールに追加した。追加した患者が用量依存毒性を生じた場合にはその用量レベルを9人まで拡大し、更に許容性を検討した。2サイクル毎に応答評価を行った。
約200mg QD、250mg QD、300mg QD、125mg BID、150mg BID、及び175mg BIDの用量で試験した患者134人のうち、16人が貧血を報告し、そのうち11人がグレードI又はIIであり、5人がグレード(III又はIV)であり;1人がグレードI又はII脱毛症を報告し;8人がグレードI又はII好中球減少症を報告し;体液鬱滞は報告されなかった(なお、グレードIは軽度、グレードIIは中度、グレードIIIは重度、グレードIVは生命にかかわると定義される)。
以上の記載は本発明の例証に過ぎず、開示した態様に本発明を限定するものではない。当業者に自明の変形や変更も特許請求の範囲に記載する本発明の範囲と本質に含むものとする。

Claims (14)

  1. チューブリンβ−サブユニットと結合する、治療薬として許容可能な量の薬剤又は治療薬として許容可能なその塩によるヒト疾患治療用持続経口投薬スケジュールであって、前記投薬スケジュールが少なくとも5日間継続する前記持続経口投薬スケジュール。
  2. チューブリンβ−サブユニットと結合する、治療薬として許容可能な量の薬剤又は治療薬として許容可能なその塩によるヒト疾患治療用持続経口投薬スケジュールであって、前記投薬スケジュールが少なくとも5日間継続し、前記期間中に貧血、脱毛症、体液鬱滞、骨髄抑制、神経障害及び好中球減少症から構成される群から選択される少なくとも1種の副作用の重篤度がチューブリンβ−サブユニットと結合する非経口投与薬で実質的に同一疾患を治療した場合に併発する同一副作用の重篤度に比較して本質的に低減する前記持続経口投薬スケジュール。
  3. チューブリンβ−サブユニットのコルチシン部位と結合する、治療薬として許容可能な量の薬剤又は治療薬として許容可能なその塩によるヒト疾患治療用持続経口投薬スケジュールであって、前記投薬スケジュールが少なくとも5日間継続する前記持続経口投薬スケジュール。
  4. チューブリンβ−サブユニットのコルチシン部位と結合する、治療薬として許容可能な量の薬剤又は治療薬として許容可能なその塩によるヒト疾患治療用持続経口投薬スケジュールであって、前記投薬スケジュールが少なくとも5日間継続し、前記期間中に貧血、脱毛症、体液鬱滞、骨髄抑制、神経障害及び好中球減少症から構成される群から選択される少なくとも1種の副作用の重篤度がチューブリンβ−サブユニットと結合する非経口投与薬で実質的に同一疾患を治療した場合に併発する同一副作用の重篤度に比較して本質的に低減する前記持続経口投薬スケジュール。
  5. 治療薬として許容可能な量のN−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド又は治療薬として許容可能なその塩によるヒト疾患治療用持続経口投薬スケジュールであって、前記投薬スケジュールが少なくとも5日間継続する前記持続経口投薬スケジュール。
  6. 治療薬として許容可能な量のN−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド又は治療薬として許容可能なその塩を少なくとも5日間持続経口投与することを含むヒト疾患の治療方法であって、前記投薬スケジュール中に貧血、脱毛症、体液鬱滞、骨髄抑制、神経障害及び好中球減少症から構成される群から選択される少なくとも1種の副作用の重篤度がチューブリンβ−サブユニットと結合する非経口投与薬で実質的に同一疾患を治療した場合に併発する同一副作用の重篤度に比較して本質的に低減する前記方法。
  7. チューブリンβ−サブユニットと結合する、治療薬として許容可能な量の薬剤又は治療薬として許容可能なその塩を少なくとも5日間持続経口投与することを含むヒト疾患の治療方法。
  8. チューブリンβ−サブユニットと結合する、治療薬として許容可能な量の薬剤又は治療薬として許容可能なその塩を少なくとも5日間持続経口投与することを含むヒト疾患の治療方法であって、前記投薬スケジュール中に貧血、脱毛症、体液鬱滞、骨髄抑制、神経障害及び好中球減少症から構成される群から選択される少なくとも1種の副作用の重篤度がチューブリンβ−サブユニットと結合する非経口投与薬で実質的に同一疾患を治療した場合に比較して本質的に低減する前記方法。
  9. チューブリンβ−サブユニットのコルチシン部位と結合する、治療薬として許容可能な量の薬剤又は治療薬として許容可能なその塩を少なくとも5日間持続経口投与することを含むヒト疾患の治療方法。
  10. チューブリンβ−サブユニットのコルチシン部位と結合する、治療薬として許容可能な量の薬剤又は治療薬として許容可能なその塩を少なくとも5日間持続経口投与することを含むヒト疾患の治療方法であって、前記投薬スケジュール中に貧血、脱毛症、体液鬱滞、骨髄抑制、神経障害及び好中球減少症から構成される群から選択される少なくとも1種の副作用の重篤度がチューブリンβ−サブユニットと結合する非経口投与薬で実質的に同一疾患を治療した場合に併発する同一副作用の重篤度に比較して本質的に低減する前記方法。
  11. 治療薬として許容可能な量のN−(2−((4−ヒドロキシフェニル)−アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド又は治療薬として許容可能なその塩を少なくとも5日間持続経口投与することを含むヒト疾患の治療方法。
  12. 治療薬として許容可能な量のN−(2−((4−ヒドロキシフェニル)−アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド又は治療薬として許容可能なその塩を少なくとも5日間持続経口投与することを含むヒト疾患の治療方法であって、前記投薬スケジュール中に貧血、脱毛症、体液鬱滞、骨髄抑制、神経障害及び好中球減少症から構成される群から選択される少なくとも1種の副作用の重篤度がチューブリンβ−サブユニットと結合する非経口投与薬で実質的に同一疾患を治療した場合に併発する同一副作用の重篤度に比較して本質的に低減する前記方法。
  13. N−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4メトキシベンゼンスルホンアミドと、シスプラチン、ドセタキセル及び5−フルオロウラシルから構成される群から選択される少なくとも1種の抗癌剤とを含有する治療相乗作用をもつ医薬組成物。
  14. 治療有効量のN−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリド−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドと、シスプラチン、ドセタキセル及び5−フルオロウラシルから構成される群から選択される少なくとも1種の付加薬剤とを投与することを含むヒト癌の治療方法。
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