以下に、本発明における諸実施形態について説明する。ここで、本発明に係る撮像装置としてデジタルカメラに適用した例を示し、第1〜第6までの6つの形態を挙げる。
(第1の実施形態)
図3は、第1の実施形態に係るデジタルカメラの全体構成を示すブロック図である。
図3において301は、被写体の光学像を後述の固体撮像素子304の像面に結像するレンズである。図3において302は、レンズ301からの被写体の光学像における光量を制御する絞りである。図3において303は、レンズ301から固体撮像素子304の像面への光の入射を必要時間のみ照射するためのシャッタである。
図3において304は、結像された被写体の光学像を電気信号に変換する固体撮像そしであり、本実施形態では、図1、図2及び図18に示すCCDセンサで構成されているものとする。図3において305は、各種のタイミングパルスを発生させるタイミングパルス発生回路であり、その内部には、水平転送パルスドライバ(H−Driver)326及び垂直転送パルスドライバ(V−Driver)327が設けられている。ここで、タイミングパルス発生回路で生成されるパルスの種類としては、固体撮像素子304に対し、当該固体撮像素子を駆動するために必要な読み出し駆動パルスや、後述のCDS回路306に対し、固体撮像素子304の出力を相関二重サンプリングするためのサンプルホールドパルス、後述のクランプ回路308に対し、画像の黒基準となるOB(オプティカルブラック)画素を基準の電圧にクランプするためのクランプパルス、後述のAD変換回路309に対し、後述のPGA回路307から出力されるアナログ撮像信号をデジタル信号に変換するためのパルス等がある。
上述した、固体撮像素子304を駆動するために必要な読み出し駆動パルスは、水平転送パルスドライバ326及び垂直転送パルスドライバ327から出力され、後述のCPU314は、当該駆動パルスの駆動能力、位相、デューティ等の制御が可能となっている。
図3において306は、固体撮像素子304の出力に対して相関二重サンプリングを行うCDS回路である。図3において307は、CDS回路306の出力信号を増幅するためのPGA回路である。図3において308は、OB信号の電圧値を基準の電圧にクランプするクランプ回路である。図3において309は、PGA回路307から出力されるアナログ撮像信号をデジタル信号に変換するAD変換回路である。図3において310は、映像処理回路であり、デジタル信号に変換された撮像信号を輝度と色の映像信号に処理する映像信号処理回路311と、入力される固体撮像素子304の出力信号のレベルから測光量を測定する測光回路312とを含み構成されている。
図3において314は、デジタルカメラを統括的に制御するCPUである。CPU314は、例えば、測光回路312の情報に基づき、感度、露光を制御すべく、PGA回路307対してゲインを変える命令を出したり、露光制御回路316に対して露出の制御命令を出したりする。さらに、CPU314は、ROM321からカメラセット用に調整された値を読み出してデジタルカメラの各部に対して各々の条件下における設定を行う機能も有する。
図3において321は、デジタルカメラの各種設定情報や、演算等に使用する情報を記憶するROMである。図3において324は、映像信号処理回路311からの映像出力を表示する表示媒体である液晶表示装置(LCD)である。図3において325は、LCD324と同様に、映像信号処理回路311からの映像出力を表示する表示媒体であり、デジタルカメラの外部出力として使用するビデオモニタ(Video_OUT)である。
図3において316は、CPU314からの制御に基づき、絞り302及びシャッタ303を駆動して露出の制御を行う露光制御回路である。
図3において317は、デジタルカメラの電源スイッチ(電源SW)である。図3において318は、シャッタースイッチであり、通常、このシャッタースイッチ318は2段階になっており、半押し状態で検出されるスイッチをスイッチSW1、最後まで押したところで検知されるスイッチをスイッチSW2とする。スイッチSW1まで押された段階で、デジタルカメラは、ピントの追い込みと本露光時のシャッター秒時と絞り開口を決める。露光条件は、スイッチSW1が押された時点におけるファインダー駆動時の固体撮像素子304の出力信号から判断される。スイッチSW2が押されると、本露光撮影が行われるが、そのときの露光条件は、スイッチSW1が押された時点で決定された絞り値とシャッター秒時で決まる。また、絞り値は絞り303の絞り開口径とし、シャッター秒時は固体撮像素子304の電子シャッターパルスを露光開始時間とし、このシャッター秒時は、シャッタ303が閉じることで終了する。
図3において322は、デジタルカメラを動作させるための供給電源である電池である。図3において323は、電池322と同様に、デジタルカメラを動作させるための供給電源であるAC電源である。図3において320は、本撮影時において、被写体の輝度が低い場合に、明るさを補うために被写体に対して閃光を発する閃光手段であるストロボである。
次に、固体撮像素子(CCDセンサ)304の画素読み出し方式をタイミングチャートを用いて説明する。ここで、本実施形態で用いる固体撮像素子304は2間引き読み出し原色センサとし、全画素を2つのフィールドに分割して読み出す方式とする。また、読み出し方式(モード)として、全画素を読み出すフレーム読み出し方式と、画素を間引いて読み出す間引き読み出し方式とを備えているものとする。
まず、本撮影時に用いるフレーム読み出し方式(フレーム読み出しモード)について説明する。
フレーム読み出し方式は、図4に示すように、固体撮像素子304の画素領域において、1フレームを第1フィールド及び第2フィールドの2つのフィールドに分けて読み出す方式である。本実施形態では、フレーム読み出し方式は、本撮影時に使用するものとする。本実施形態の固体撮像素子304の水平ラインは、図4に示すように1000ラインとし、第1フィールド目を1、3、5、・・・、995、997、999の水平ライン、第2フィールド目を2、4、6、・・・、996、998、1000の水平ラインとする。図4において401は、遮光部であるOB画素を示し、402は、受光部である有効画素を示している。
図5−1は、固体撮像素子304におけるフレーム読み出し方式の駆動を示す模式図である。
図5−1に示すように、フレーム読み出し方式では、固体撮像素子304の下部から奇数ラインを第1フィールド(R、Gr)とし、偶数ラインを第2フィールド(Gb、B)として、2つのフィールドに分けて読み出される。
図6−1及び図6−2は、固体撮像素子304におけるフレーム読み出し方式のタイミングチャートであり、図6−1は垂直同期信号VDを基準にしたタイミングチャート、図6−2は水平同期信号HDを基準にしたタイミングチャートを示している。
ここで、垂直同期信号VDは、1枚の画像を表す信号を得るための所定の単位区間を規定している。同様に、水平同期信号HDは、1枚の画像の水平走査ラインを示す所定の単位区間を規定している。
タイミングパルス発生回路305から、垂直転送パルスV1A、V1B、V2、V3A、V3B及びV4が固体撮像素子304であるCCDセンサに供給され、パルスPBLKがCDS回路306に供給され、パルスOBCLPがクランプ回路308に供給される。
フレーム読み出し方式では、図6−1に示すように、垂直同期信号VD、水平同期信号HD、パルスPBLK及びパルスCLPOBは、High、Lowの2値をとる。また、垂直転送パルスV1A、V1B、V3A及びV3Bは、High、Middle、Lowの3値をとり、垂直転送パルスV2及びV4は、Middle、Lowの2値をとるものとする。垂直転送パルスV1A、V1B、V2、V3A、V3B及びV4におけるタイミングチャートの601は、固体撮像素子304のスミア成分を除去するために設けられた高速転送領域である。CCD_OUTは、固体撮像素子304の画素における読み出されたラインを示している。
固体撮像素子304の出力は、各フィールドが奇数のフィールド又は偶数のフィールドとなっている。パルスOBCLPは、クランプ回路308において、PGA回路307、AD変換回路308の出力を、予め設定してある光学的黒基準レベルに対して、誤差を補正するタイミングで出力されるパルスである。そして、クランプ回路308によって、所定ライン毎にクランプ動作が行われる。
パルスPBLKは、ブランキング信号のパルスであり、OB画素ライン、有効画素ライン以外の区間である。この区間で上記スミア掃き出し、又は、CDS回路306、PGA回路307及びタイミングパルス発生回路305等の設定の切り換えを行っている。
固体撮像素子304からの出力は、垂直同期信号VDに同期し、第1フィールド、第2フィールドの順に、さらに各フィールドの中で水平同期信号HDのタイミングに同期して各ライン毎に読み出される。各ラインについては、図6−2に示すように、水平同期信号HDに同期して読み出される。タイミングパルス発生回路305は、基準クロックであるMCLK(固体撮像素子304の1画素分の基準クロック)と同一周期で水平転送パルスH1,H2を発生させている。
図6−2の各パルスは、垂直同期信号VD内の各水平ラインにおける、水平同期信号HDのタイミングを示したものである。水平転送パルスH1,H2が1画素と同周期で出力され、この2つの転送パルスを用いて画素出力を順次行っている。パルスPBLKは、図6−1と同様に水平ラインにおいても設けられており、この区間ではH1,H2の水平転送パルスは停止している。
以下に、フレーム読み出し方式の読み出し手順について説明する。
第1フィールド目は、図6−1に示すように、V1A、V1BのHighレベルのパルス602,603が、第1フィールドの読み出しパルスとなっている。この読み出しパルス602,603により、固体撮像素子304における奇数ラインのフォトダイオード101で光電変換された信号電荷が垂直電荷転送路(垂直転送レジスタ)102へ転送される。
図6−2に示すように、図5−1の垂直電荷転送路102に対して垂直転送パルスV1A、V1B、V2、V3A、V3B及びV4を供給することで、固体撮像素子304の1ライン目の信号電荷が水平電荷転送路(水平転送レジスタ)103へ転送される。3ライン目以降の信号電荷も、1段階づつ水平電荷転送路103側へ転送される。
第1フィールドでは、図5−1に示すように、R、Gr画素のラインのみを転送する。水平電荷転送路103へ転送された1ライン目の画素の信号電荷は、水平転送パルスH1,H2により、1画素づつ、出力部104へ出力される。出力部104から出力された信号電荷は、アナログ電気信号として信号出力端子105からCDS回路306へ出力される。本実施形態の場合、第1フィールドの読み出しは、1ライン目〜999ライン目までの読み出しを行うことによって完了する。
続いて、第2フィールドでは、図5−1に示すように、Gb、B画素のラインの読み出しを行う。第2フィールド目は、図6−1に示すように、V3A、V3BのHighレベルのパルス604,605が、第2フィールドの読み出しパルスとなっている。ここで、第2フィールドにおける読み出し方法は、上述した第1フィールドにおける読み出し方法と同様である。以上、被写体を撮影する本撮影時には、全画素読み出しであるフレーム読み出しを行う。
次に、間引き読み出し方式(間引き読み出しモード)について説明する。
間引き読み出し方式は、ユーザが液晶表示装置(LCD)324やビデオモニタ(Video_OUT)325の表示部を見ながら、撮影する被写体を探すモードを想定した、繰り返し高速に画素を読み出す方式である。この撮影する被写体を探すモードを、デジタルカメラにおいてはEVF(Electronic View Finder)モードと呼んでいる。以下、このモードをEVFモードとする。
図5−2は、固体撮像素子304における間引き読み出し方式の駆動を示す模式図である。
本撮影する被写体をユーザが探す際に、毎フレーム全画素読み出しを行っていると、フレームレートが極端に落ちるので、図5−2に示すように、垂直方向に画素を間引いて読み出しを行い、フレームレートを上げている。その分、解像度は落ちることになる。図5−2に示す間引き読み出し方式は、前述したフレーム読み出し方式とは異なり、固体撮像素子304の下部からフレーム読み出し時の1ライン、5ライン目を加算して間引き読み出し時の第1ラインとする。図5−2では、間引き読み出しにおいて、R、Gr画素のラインを読み出している。同様に、フレーム読み出し時の10ライン、14ライン目を加算して間引き読み出し時の第2ラインとする。このように、垂直方向に間引くことで、フレームレートを上げることができる。
図7−1及び図7−2は、固体撮像素子304における間引き読み出し方式のタイミングチャートであり、図7−1は垂直同期信号VDを基準にしたタイミングチャート、図7−2は水平同期信号HDを基準にしたタイミングチャートを示している。
タイミングパルス発生回路305から、垂直転送パルスV1A、V1B、V2、V3A、V3B及びV4が固体撮像素子304であるCCDセンサに供給され、パルスPBLKがCDS回路306に供給され、パルスOBCLPがクランプ回路308に供給される。
間引き読み出し方式では、図7−1に示すように、垂直同期信号VD、水平同期信号HD、パルスPBLK及びパルスCLPOBは、High、Lowの2値をとる。また、垂直転送パルスV1A及びV3Aは、High、Middle、Lowの3値をとり、垂直転送パルスV1B、V2、V3B及びV4は、Middle、Lowの2値をとるものとする。CCD_OUTは、固体撮像素子304の画素における読み出されたラインを示している。図7−1のCCD_OUTには、前述したように、フレーム読み出しを行った際のラインを表記しており、各ラインの画素の信号電荷が加算されて読み出されている。
パルスOBCLPは、クランプ回路308において、PGA307、AD変換回路309の出力を、予め設定してある光学的黒基準レベルに対して、誤差を補正するタイミングで出力されるパルスである。そして、クランプ回路308によって、所定ライン毎にクランプ動作が行われる。
パルスPBLKは、ブランキング信号のパルスであり、OB画素ライン、有効画素ライン以外の区間である。この区間でCDS回路306、PGA回路307及びタイミングパルス発生回路305等の設定の切り換えを行っている。
固体撮像素子304からの出力は、垂直同期信号VDに同期し、1フィールドが読み出され、さらに各フィールドの中で水平同期信号HDのタイミングに同期して各水平ラインが読み出される。各水平ラインについては、図7−2に示すように、水平同期信号HDに同期して読み出される。タイミングパルス発生回路305は、基準クロックであるMCLK(固体撮像素子304の1画素分の基準クロック)と同一周期で水平転送パルスH1,H2を発生させている。
図7−2の各パルスは、垂直同期信号VD内の各水平ラインにおける、水平同期信号HDのタイミングを示したものである。水平転送パルスH1,H2が1画素と同周期で出力され、この2つの転送パルスを用いて画素出力を順次行っている。パルスPBLKは、図7−1と同様に水平ラインにおいても設けられており、この区間ではH1,H2の水平転送パルスは停止している。
以下に、間引き読み出し方式の読み出し手順について説明する。
図7−1に示すように、V1A、V3AのHighレベルのパルス701,702が、各フィールドの読み出しパルスとなっている。この読み出しパルス701,702により、固体撮像素子304におけるフォトダイオード101で光電変換された信号電荷が垂直電荷転送路(垂直転送レジスタ)102へ転送される。
図7−2に示すように、図5−2の垂直電荷転送路102に対して垂直転送パルスV1A、V1B、V2、V3A、V3B、V4を供給することで、固体撮像素子304の1ライン目及び5ライン目の信号電荷が垂直方向に加算される。そして、加算された信号電荷が間引き読み出し時の1ライン目の信号電荷として、水平電荷転送路(水平転送レジスタ)103へ転送される。間引き読み出し時の2ライン目以降も、1段階づつ水平電荷転送路103側へ転送される。間引き読み出し時の奇数ラインは、R、Gr画素の信号電荷のみを転送する。水平電荷転送路103へ転送された1ライン目の画素の信号電荷は、水平転送パルスH1,H2により、1画素づつ、出力部104へ出力される。出力部104から出力された信号電荷は、アナログ電気信号として信号出力端子105からCDS回路306へ出力される。以上、EVFモード時には、間引き読み出し方式による読み出しが行われる。
次に、本実施形態の特徴を示す機能構成について説明する。
図8は、第1の実施形態に係るデジタルカメラのタイミングパルス発生回路305の内部構成及びその周辺の構成部の詳細を示すブロック図である。
タイミングパルス発生回路305では、その動作クロックとして、例えばCMOSインバータ方式のコルピッツ型水晶発振回路813を用いて発振させている。このコルピッツ型水晶発振回路813で発振された動作クロック(この動作クロックは、「原発振クロック」ともいう)は、タイミングパルス発生回路305の内部に設けられた分周回路811で2分周される。タイミングパルス発生回路305は、分周回路811における分周周波数を基準タイミングクロックとする。そして、タイミングパルス発生回路305は、当該基準タイミングクロックを基にして、固体撮像素子304の読み出しモードに応じたタイミングパルスを出力する。
具体的に、タイミングパルス発生回路305は、基準タイミングクロック、垂直同期信号VD、水平同期信号HDを基にして、高速パルスジェネレータ809から、CDS回路306へCCD出力信号をサンプリングするためのサンプルホールド(S/H)パルス、AD変換回路309へアナログ・デジタル変換するためのADCLK、クランプ回路308へクランプタイミング信号としてOBCLP、CDS回路306へブランキング信号PBLK、映像信号処理回路310へAD変換回路309からの画素データを処理する際の同期信号として基準タイミングクロック、固体撮像素子304に対して画素の読み出しを行うための水平転送パルスH1、H2等を出力する。
垂直同期信号VD及び水平同期信号HDは、不図示のマイコンから高速パルスジェネレータ809へ供給されているものとする。なお、この垂直同期信号VD及び水平同期信号HDを、タイミングパルス発生回路305が基準タイミングクロックを基にして内部で発生させるようにした形態であってもよい。
さらに、CPU314は、固体撮像素子304の読み出しモードに応じて、水平転送パルスの出力タイミング、駆動能力、位相、デューティ等の制御を、水平転送パルスドライバ(H−Driver)326に対して行っている。このCPU314からの制御に基づき、水平転送パルスドライバ326から水平転送パルスH1、H2が固体撮像素子304に出力される。
V転送パルスジェネレータ807は、固体撮像素子304へ画素読み出しを行うための垂直転送パルスV1A、V1B、V2、V3A、V3B及びV4を出力する。CPU314は、固体撮像素子304の読み出しモードに応じて、垂直転送パルスの出力タイミング制御等を、垂直転送パルスドライバ(V−Driver)327に対して行っている。このCPU314からの制御に基づき、垂直転送パルスドライバから垂直転送パルスV1A、V1B、V2、V3A、V3B及びV4が固体撮像素子304に出力される。
水平転送パルスH1、H2の周波数は、コルピッツ型水晶発振回路813で発振された動作クロックの2分周クロックと同一である。ここで、タイミングパルス発生回路305は、CPU314の制御により、水平転送パルスH1、H2の駆動電流(ドライブ電流)を切り換えることができ、また、出力パルスの各々に対して、出力タイミングの位相調整等も可能である。
次に、第1の実施形態に係るデジタルカメラの制御方法の手順について説明する。
図9は、第1の実施形態に係るデジタルカメラの制御方法を示すフローチャートである。
まず、ユーザがデジタルカメラを電源SW317の押下により起動させると(ステップS101)、デジタルカメラはEVFモードとなる(ステップS102)。この場合、タイミングパルス発生回路305は、EVFモード時の固体撮像素子304の読み出し方式である間引き読み出し方式における出力パルスを発生させる。
続いて、CPU314は、ROM321にアクセスし(ステップS103)、EVFモード(間引き読み出し方式)に最適に設定された水平転送パルスのドライブ電流値(ドライブ電流に対応する制御データ)をROM321から読み出す(ステップS104)。続いて、CPU314は、読み出したドライブ電流値(ドライブ電流に対応する制御データ)をタイミングパルス発生回路305へ送信し、当該ドライブ電流値の設定を行う(ステップS105)。
具体的に、ROM321には、図10−1に示すように、水平転送パルスH1、H2のドライブ電流に対応した2進コードで表現された制御データがテーブル値として保持されている。なお、ROM321に、その他の出力パルスの位相タイミング等のテーブル値を保持させておいてもよい。本実施形態では、間引き読み出し時の水平転送パルスのドライブ電流を16mAの設定とする。この場合、CPU314は、タイミングパルス発生回路305に、バイナリコード「01」の制御データをドライブ電流値として送信する。
続いて、タイミングパルス発生回路305は、設定されたドライブ電流値に基づいて、固体撮像素子304を駆動する(ステップS106)。
続いて、CPU314は、ユーザによるシャッターSW318の操作に基づいて、本撮影を行うか否かを判断する(ステップS107)。この判断の結果、本撮影を行なわない場合には、当該フローチャートにおける処理を終了する。
一方、ステップS107の判断の結果、本撮影を行う場合には、CPU314は、デジタルカメラを本撮影モードとする(ステップS108)。
具体的には、まず、シャッターSW318が半押しされ、SW1がオンの条件下では、デジタルカメラの現在の測光状況により適正な露光制御を行う。より具体的には、測光回路312に入力されるCCD信号のレベルから測光量を測定し、露出制御回路316が適正な露出になるように絞り302及びシャッター303の制御を行う。さらに、SW2が押下されると、設定した露光条件のもとで本撮影モードに入る。このとき、CPU314は、タイミング発生回路305に対し、固体撮像素子304の読み出し方式を現在の間引き読み出し方式からフレーム読み出し方式へ変えるよう命令を下し、タイミング発生回路305がフレーム読み出し時の出力パルスを発生させる。
続いて、CPU314は、ROM321にアクセスし(ステップS109)、本撮影モード(フレーム読み出し方式)に最適に設定された水平転送パルスのドライブ電流値(ドライブ電流に対応する制御データ)をROM321から読み出す(ステップS110)。続いて、CPU314は、読み出したドライブ電流値(ドライブ電流に対応する制御データ)をタイミングパルス発生回路305へ送信し、当該ドライブ電流値の設定を行う(ステップS111)。
具体的に、本実施形態では、フレーム読み出し時の水平転送パルスのドライブ電流を24mAの設定とする。ここで、本実施形態では、本撮影モード時(フレーム読み出し方式)の水平転送パルスのドライブ電流値は、EVFモード時(間引き読み出し方式)よりも高い電流値となっている。この場合、CPU314は、図10−1に示すように、タイミングパルス発生回路305に、バイナリコード「10」の制御データをドライブ電流値として送信する。
続いて、タイミングパルス発生回路305は、設定されたドライブ電流値に基づいて、固体撮像素子304を駆動する(ステップS112)。その後、本撮影の終了処理を行う(ステップS113)。そして、本撮影の終了後、CPU314は、タイミングパルス発生回路305に対してEVFモード(間引き読み出し方式)に戻すよう命令し、タイミングパルス発生回路305は、間引き読み出し時の出力パルスを発生させて固体撮像素子304を駆動させる。
EVFモード時における動作は、前述したステップS102〜S106と同様である。簡潔に記述すると、EVFモード時では、CPU314がROM321にアクセスして(ステップS103)、EVFモード(間引き読み出し方式)に最適に設定された水平転送パルスのドライブ電流値をROM321から読み出す(ステップS104)。そして、CPU314は、読み出したドライブ電流値をタイミングパルス発生回路305へ設定し(ステップS105)、タイミングパルス発生回路305は、設定されたドライブ電流値にて固体撮像素子304を駆動する(ステップS106)。
図10−2は、水平転送パルスの波形を模式的に示した図である。
図10−2において、(a)は水平転送パルスのドライブ電流値が16mAのときの水平転送パルス(H1及びH2)の波形を示し、(b)は水平転送パルスのドライブ電流値が24mAのときの水平転送パルス(H1及びH2)の波形を示す。即ち、図10−2(a)は、EVFモード時(間引き読み出し方式)の水平転送パルス(H1及びH2)の波形を示し、図10−2(b)は、本撮影モード時(フレーム読み出し方式)の水平転送パルス(H1及びH2)の波形を示す。
水平転送パルスのドライブ電流値が高くなると、水平転送パルスの立ち上がり、立下がりが急峻な特性となる。また、水平転送パルスがなまってくると、水平電荷転送路103における転送効率が悪化し、隣接画素と信号成分が混合してしまい、映像信号処理を行った際、色バランスが崩れ、正常な画作りができなくなってしまう。
そこで、本実施形態では、本撮影モード時には、記録画像としての品位が求められるため、転送効率を十分引き出せる水平転送パルスのドライブ電流値、即ち、水平転送パルスのドライブ電流値を高く設定する。一方、EVFモード時には、必ずしも本撮影モードほど画像の品位が求められないので、水平転送パルスのドライブ電流値を、EVFモード時に必要なドライブ電流値まで低く設定する。この場合、水平転送パルスのドライブ電流値を下げることができ、デジタルカメラの動作状態において消費電力の低減を図ることができる。また、その他の効果として、ドライブ電流値を下げたときの水平転送パルスの電圧波形は高調波成分が除去されるので、EMI(放射ノイズ)特性に対しても特性改善を図ることが可能である。
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係るデジタルカメラの全体構成は、第1の実施形態に係るデジタルカメラと同様に図3に示す構成となる。そのため、その詳細な説明は省略する。第2の実施形態において、第1の実施形態と異なる点は、水平転送パルスのドライブ電流値を切り換える際の条件である。
図11は、第2の実施形態に係るデジタルカメラのタイミングパルス発生回路305aの内部構成及びその周辺の構成部の詳細を示すブロック図である。
タイミングパルス発生回路305aでは、その動作クロックとして、第1の実施形態と同様に、例えばCMOSインバータ方式のコルピッツ型水晶発振回路813を用いて発振させている。このコルピッツ型水晶発振回路813で発振された動作クロック(原発振クロック)は、タイミングパルス発生回路305aの内部に設けられた分周回路811で2分周される。
本実施形態のタイミングパルス発生回路305aでは、CPU314の制御により、セレクタ1101において分周回路811で2分周された動作クロックを1画素基準タイミングクロックとするか、もしくは、さらに分周回路1102で2分周して4分周された動作クロックを1画素基準タイミングクロックとするかを切り換えることができる。
本実施形態において、基準タイミングクロックを原発振クロックの2分周クロックとする場合を「通常動作モード」と呼び、基準タイミングクロックを原発振クロックの4分周クロックとする場合を「低消費電力モード」と呼ぶことにする。この低消費電力モードは、基準タイミングクロックを半減させることで、タイミングパルス発生回路305a全体の動作周波数が半減され、消費電力を低減させた状態で動作させるモードである。いずれかの基準タイミングクロックを基にしてタイミングパルス発生回路305aは、固体撮像素子304の読み出しモードに応じたタイミングパルスを出力する。
具体的に、タイミングパルス発生回路305aは、基準タイミングクロック、垂直同期信号VD、水平同期信号HDを基にして、高速パルスジェネレータ809aから、CDS回路306へCCD出力信号をサンプリングするためのサンプルホールド(S/H)パルス、AD変換回路309へアナログ・デジタル変換するためのADCLK、クランプ回路308へクランプタイミング信号としてCLPOB、CDS回路306へブランキング信号PBLK、映像信号処理回路310へAD変換回路309からの画素データを処理する際の同期信号として基準タイミングクロック、固体撮像素子304に対して画素の読み出しを行うための水平転送パルスH1、H2等を出力する。
垂直同期信号VD及び水平同期信号HDは、不図示のマイコンから高速パルスジェネレータ809aへ供給されているものとする。なお、この垂直同期信号VD及び水平同期信号HDを、タイミングパルス発生回路305aが基準タイミングクロックを基にして内部で発生させるようにした形態であってもよい。
さらに、CPU314は、固体撮像素子304の読み出しモードに応じて、水平転送パルスの出力タイミング、駆動能力、位相、デューティ等の制御を、水平転送パルスドライバ(H−Driver)326に対して行っている。このCPU314からの制御に基づき、水平転送パルスドライバ326から水平転送パルスH1、H2が固体撮像素子304に出力される。
V転送パルスジェネレータ807aは、固体撮像素子304へ画素読み出しを行うための垂直転送パルスV1A、V1B、V2、V3A、V3B及びV4を出力する。ここで、水平転送パルスH1、H2の周波数は、セレクタ1101における設定に応じて、コルピッツ型水晶発振回路813で発振された動作クロックの2分周クロックもしくは4分周クロックと同一である。ここで、タイミングパルス発生回路305aは、CPU314の制御により、水平転送パルスH1、H2の駆動電流(ドライブ電流)を切り換えることができる。また、出力パルス各々に対し、出力タイミングの位相調整等も可能である。
次に、第2の実施形態に係るデジタルカメラの制御方法の手順について説明する。
図12は、第2の実施形態に係るデジタルカメラの制御方法を示すフローチャートである。
本実施形態においては、ユーザがデジタルカメラを電源SW317の押下により起動させたとき、通常動作モードでタイミング発生回路305aが動作するものとする。まず、ユーザによりデジタルカメラが起動されると、通常動作モードのタイミングパルス発生回路305aは、原発振クロックの2分周クロックを基準タイミングクロックにして各出力パルスを発生させる(ステップS201)。
続いて、CPU314は、ROM321にアクセスし(ステップS202)、通常動作モードに最適に設定された水平転送パルスのドライブ電流値(ドライブ電流に対応する制御データ)をROM321から読み出す(ステップS203)。続いて、CPU314は、読み出したドライブ電流値(ドライブ電流に対応する制御データ)をタイミングパルス発生回路305aへ送信し、当該ドライブ電流値の設定を行う(ステップS204)。
ここで、第1の実施形態と同様に、ROM321には、図10−1に示すように、水平転送パルスH1、H2のドライブ電流に対応した2進コードで表現された制御データがテーブル値として保持されている。なお、ROM321に、その他の出力パルスの位相タイミング等のテーブル値を保持させておいてもよい。本実施形態では、通常動作モード時の水平転送パルスのドライブ電流を24mAの設定とする。この場合、CPU314は、タイミングパルス発生回路305aに、バイナリコード「10」の制御データをドライブ電流値として送信する。
続いて、タイミングパルス発生回路305aは、設定されたドライブ電流値に基づいて、固体撮像素子304を駆動する(ステップS205)。
続いて、CPU314は、タイミングパルス発生回路305aの動作モードを変更(本実施形態においては、動作モードを通常動作モードから低消費電力モードに変更)するか否かを判断する(ステップS206)。このCPU314による当該動作モードの変更の判定条件としては、ユーザがデジタルカメラの設定を変更する、あるいは所定の条件下で予め当該動作モードを変更する設定がなされている等の様々な形態があるが、本実施形態では、特に問われない。ステップS206での判断の結果、タイミングパルス発生回路305aの動作モードを変更しない場合には、当該フローチャートにおける処理を終了する。
一方、ステップS107の判断の結果、タイミングパルス発生回路305aの動作モードを変更する場合には、CPU314は、タイミングパルス発生回路305aの動作モードを低消費電力モードに変更する(ステップS207)。これにより、タイミングパルス発生回路305aは、原発振クロックの4分周クロックを基準タイミングクロックにして各出力パルスを発生させる。
続いて、CPU314は、ROM321にアクセスし(ステップS208)、低消費電力モードに最適に設定された水平転送パルスのドライブ電流値(ドライブ電流に対応する制御データ)をROM321から読み出す(ステップS209)。続いて、CPU314は、読み出したドライブ電流値(ドライブ電流に対応する制御データ)をタイミングパルス発生回路305aへ送信し、当該ドライブ電流値の設定を行う(ステップS210)。
具体的に、本実施形態では、低消費電力モード時の水平転送パルスのドライブ電流を16mAの設定とする。この場合、CPU314は、図10−1に示すように、タイミングパルス発生回路305aに、バイナリコード「01」の制御データをドライブ電流値として送信する。
続いて、タイミングパルス発生回路305aは、設定されたドライブ電流値に基づいて、固体撮像素子304を駆動する(ステップS211)。
続いて、CPU314は、タイミングパルス発生回路305aの動作モードを変更(本実施形態においては、動作モードを低消費電力モードから通常動作モードに変更)するか否かを判断する(ステップS212)。この判断の結果、タイミングパルス発生回路305aの動作モードを変更しない場合には、当該フローチャートにおける処理を終了する。
一方、ステップS212での判断の結果、タイミングパルス発生回路305aの動作モードを変更する場合には、ステップS201に戻って、タイミング発生回路305aの動作モードを通常動作モードに変更する。その後の通常動作モードにおける動作は、前述したステップS201〜S205と同様である。簡潔に記述すると、通常動作モードでは、CPU314がROM321にアクセスして(ステップS202)、通常動作モードに最適に設定された水平転送パルスのドライブ電流値をROM321から読み出す(ステップS203)。そして、CPU314は、読み出したドライブ電流値をタイミングパルス発生回路305aへ設定し(ステップS204)、タイミングパルス発生回路305aは、設定されたドライブ電流値にて固体撮像素子304を駆動する(ステップS205)。
ここで、本実施形態では、通常動作モード時の水平転送パルスのドライブ電流値(24mA)は、低消費電力モード時の水平転送パルスのドライブ電流値(16mA)よりも高い電流値となっている。
図10−3は、水平転送パルスの波形を模式的に示した図である。
図10−3は、その横軸に時間tをとったものである。図10−3(a)は、タイミングパルス発生回路305aが通常動作モード時において、水平転送パルスのドライブ電流値が24mAのときの水平転送パルス(H1及びH2)の波形を示す。図10−3(b)は、タイミングパルス発生回路305aが低消費電力モード時において、水平転送パルスのドライブ電流値が24mAのときの水平転送パルス(H1及びH2)の波形を示す。図10−3(c)は、タイミングパルス発生回路305aが低消費電力モード時において、水平転送パルスのドライブ電流値が16mAのときの水平転送パルス(H1及びH2)の波形を示す。
水平転送パルスのドライブ電流値が高くなると、水平転送パルスの立ち上がり、立下がりが急峻な特性となる。また、水平転送パルスがなまってくると、水平電荷転送路103における転送効率が悪化し、隣接画素と信号成分が混合してしまい、映像信号処理を行った際、色バランスが崩れ、正常な画作りができなくなってしまう。
そこで、本実施形態では、通常動作モード時には、タイミングパルス発生回路305aの基準タイミングクロックの周波数が高く、水平転送パルス波形におけるタイミングに余裕が少ないため、転送効率を十分引き出せるドライブ電流値、即ち、水平転送パルスのドライブ電流値を高く設定する。一方、低消費電力モード時は、通常動作モード時に比べて、タイミングパルス発生回路305aの基準タイミングクロックの周波数が半分であるので、水平転送パルス波形においてもタイミングに余裕が生じる。よって、低消費電力モード時には、必ずしも通常動作モード時と同じドライブ電流値を必要としないので、水平転送パルスのドライブ電流値を低く設定することができる。従って、この場合、消費電力の低減を図ることができる。また、その他の効果として、ドライブ電流値を下げたときの水平転送パルスの電圧波形は高調波成分が除去されるので、EMI(放射ノイズ)特性に対しても特性改善を図ることが可能である。
(第3の実施形態)
第3の実施形態に係るデジタルカメラの全体構成は、第1の実施形態に係るデジタルカメラと同様に図3に示す構成となる。また、タイミングパルス発生回路の内部構成及びその周辺の構成部の詳細な構成についても、第1の実施形態に係るデジタルカメラと同様に図8に示す構成となる。そのため、その詳細な説明は省略する。第3の実施形態において、第1の実施形態と異なる点は、水平転送パルスのドライブ電流値を切り換える際の条件である。
図13は、第3の実施形態に係るデジタルカメラの制御方法を示すフローチャートである。ユーザがデジタルカメラを起動させるための電源としては、乾電池等の1次電池若しくはニッケル水素充電池等の2次電池などの電池322、又はACアダプターを用いて家庭用コンセントから供給するAC電源323の2通りが考えられる。
まず、ユーザがデジタルカメラを起動させた際、CPU314は、当該デジタルカメラの駆動電源を検知し、当該駆動電源が電池322であるか、AC電源323であるかを判断する(ステップS301)。
ステップS301での判断の結果、駆動電源が電池322である場合には、タイミングパルス発生回路305は、原発振クロックの2分周クロックを基準タイミングクロックとして各出力パルスを発生させる(ステップS302)。
続いて、CPU314は、ROM321にアクセスし(ステップS303)、電池駆動時に最適に設定された水平転送パルスのドライブ電流値(ドライブ電流に対応する制御データ)をROM321から読み出す(ステップS304)。続いて、CPU314は、読み出したドライブ電流値(ドライブ電流に対応する制御データ)をタイミングパルス発生回路305へ送信し、当該ドライブ電流値の設定を行う(ステップS305)。
具体的に、ROM321には、図10−1に示すように、水平転送パルスH1、H2のドライブ電流に対応した2進コードで表現された制御データがテーブル値として保持されている。なお、ROM321に、その他の出力パルスの位相タイミング等のテーブル値を保持させておいてもよい。本実施形態では、電池駆動時の水平転送パルスのドライブ電流を16mAの設定とする。この場合、CPU314は、タイミングパルス発生回路305に、バイナリコード「01」の制御データをドライブ電流値として送信する。
続いて、タイミングパルス発生回路305は、設定されたドライブ電流値に基づいて、固体撮像素子304を駆動する(ステップS306)。
一方、ステップS301での判断の結果、駆動電源がAC電源323である場合には、タイミングパルス発生回路305は、原発振クロックの2分周クロックを基準タイミングクロックとして各出力パルスを発生させる(ステップS307)。
続いて、CPU314は、ROM321にアクセスし(ステップS308)、AC電源駆動時に最適に設定された水平転送パルスのドライブ電流値(ドライブ電流に対応する制御データ)をROM321から読み出す(ステップS309)。続いて、CPU314は、読み出したドライブ電流値(ドライブ電流に対応する制御データ)をタイミングパルス発生回路305へ送信し、当該ドライブ電流値の設定を行う(ステップS310)。
具体的に、本実施形態では、AC電源駆動時の水平転送パルスのドライブ電流を24mAの設定とする。ここで、本実施形態では、AC電源駆動時の水平転送パルスのドライブ電流値は、電池駆動時よりも高い電流値となっている。この場合、CPU314は、図10−1に示すように、タイミングパルス発生回路305に、バイナリコード「10」の制御データをドライブ電流値として送信する。
続いて、タイミングパルス発生回路305は、設定されたドライブ電流値に基づいて、固体撮像素子304を駆動する(ステップS311)。
ステップS306又はステップS311の処理が終了した後、当該フローチャートにおける処理を終了する。
前述したように、図10−2(a)は、水平転送パルスのドライブ電流値が16mAのときの水平転送パルス(H1及びH2)の波形を示したものである。また、図10−2(b)は、水平転送パルスのドライブ電流値が24mAのときの水平転送パルス(H1及びH2)の波形を示したものである。
前述したように、水平転送パルスのドライブ電流値が高くなると、水平転送パルスの立ち上がり、立下がりが急峻な特性となる。また、水平転送パルスがなまってくると、水平電荷転送路103における転送効率が悪化し、隣接画素と信号成分が混合してしまい、映像信号処理を行った際、色バランスが崩れ、正常な画作りができなくなってしまう。
電池駆動時は、1次電池であれば電池残量が有限であり、また、2次電池であっても長時間連続でデジタルカメラを使用する際は電池残量は有限であると考えてよい。
そこで、本実施形態では、電池残量を持続させるために、電池駆動時は、AC電源駆動時と比べて、水平転送パルスのドライブ電流値を低く設定する。水平転送パルスのドライブ電流値を下げた場合、消費電力の低減を図ることができると共に、デジタルカメラの動作時間を延ばすことができる。そして、動作時間を延ばすことにより、撮影枚数を増やすことができる。また、その他の効果として、ドライブ電流値を下げたときの水平転送パルスの電圧波形は高調波成分が除去されるので、EMI(放射ノイズ)特性に対しても特性改善を図ることが可能である。
(第4の実施形態)
第4の実施形態に係るデジタルカメラの全体構成は、第1の実施形態に係るデジタルカメラと同様に図3に示す構成となる。また、タイミングパルス発生回路の内部構成及びその周辺の構成部の詳細な構成についても、第1の実施形態に係るデジタルカメラと同様に図8に示す構成となる。そのため、その詳細な説明は省略する。第4の実施形態において、第1の実施形態と異なる点は、水平転送パルスのドライブ電流値を切り換える際の条件である。
図14は、第4の実施形態に係るデジタルカメラの制御方法を示すフローチャートである。
まず、ユーザがデジタルカメラを起動させた際、CPU314は、電池322の残量を検知して、電池322の残量が十分にあるか否かを判断する(ステップS401)。このステップS401において、CPU314は、例えば、検知した電池322の残量を予め設定されている閾値と比較し、当該閾値以上であった場合に電池322の残量が十分にあると判断する。ステップS401での判断の結果、電池322の残量が十分にない場合には、ステップS407に進む。
一方、ステップS401での判断の結果、電池322の残量が十分にある場合には、CPU314は、デジタルカメラの動作モードを、電池残量通常モードとする(ステップS402)。そして、タイミングパルス発生回路305は、原発振クロックの2分周クロックを基準タイミングクロックにして各出力パルスを発生させる。
続いて、CPU314は、ROM321にアクセスし(ステップS403)、電池残量通常モード時に最適に設定された水平転送パルスのドライブ電流値(ドライブ電流に対応する制御データ)をROM321から読み出す(ステップS404)。続いて、CPU314は、読み出したドライブ電流値(ドライブ電流に対応する制御データ)をタイミングパルス発生回路305へ送信し、当該ドライブ電流値の設定を行う(ステップS405)。
具体的に、ROM321には、図10−1に示すように、水平転送パルスH1、H2のドライブ電流に対応した2進コードで表現された制御データがテーブル値として保持されている。なお、ROM321に、その他の出力パルスの位相タイミング等のテーブル値を保持させておいてもよい。本実施形態では、電池残量通常モード時の水平転送パルスのドライブ電流を24mAの設定とする。この場合、CPU314は、タイミングパルス発生回路305に、バイナリコード「10」の制御データをドライブ電流値として送信する。
続いて、タイミングパルス発生回路305は、設定されたドライブ電流値に基づいて、固体撮像素子304を駆動する(ステップS406)。
続いて、CPU314は、電池322の残量が少であるか否かを判断する(ステップS407)。このステップS407において、CPU314は、例えば、検知した電池322の残量を予め設定されている閾値と比較し、当該閾値未満であった場合に電池322の残量が少であると判断する。ステップS407での判断の結果、電池322の残量が少ででない場合には、ステップS401に戻る。
一方、ステップS407での判断の結果、電池322の残量が少である場合には、CPU314は、デジタルカメラの動作モードを、電池残量少モードとする(ステップS408)。そして、タイミングパルス発生回路305は、原発振クロックの2分周クロックを基準タイミングクロックにして各出力パルスを発生させる。
続いて、CPU314は、ROM321にアクセスし(ステップS409)、電池残量少モード時に最適に設定された水平転送パルスのドライブ電流値(ドライブ電流に対応する制御データ)をROM321から読み出す(ステップS410)。続いて、CPU314は、読み出したドライブ電流値(ドライブ電流に対応する制御データ)をタイミングパルス発生回路305へ送信し、当該ドライブ電流値の設定を行う(ステップS411)。
具体的に、本実施形態では、電池残量少モード時の水平転送パルスのドライブ電流値を16mAの設定とする。この場合、CPU314は、図10−1に示すように、タイミングパルス発生回路305に、バイナリコード「01」の制御データをドライブ電流値として送信する。
続いて、タイミングパルス発生回路305は、設定されたドライブ電流値に基づいて、固体撮像素子304を駆動する(ステップS412)。その後、当該フローチャートにおける処理を終了する。
本実施形態では、電池残量通常モード時の水平転送パルスのドライブ電流値(24mA)は、電池残量少モード時の水平転送パルスのドライブ電流値(16mA)よりも高い電流値である。
前述したように、図10−2(a)は、水平転送パルスのドライブ電流値が16mAのときの水平転送パルス(H1及びH2)の波形を示したものである。また、図10−2(b)は、水平転送パルスのドライブ電流値が24mAのときの水平転送パルス(H1及びH2)の波形を示したものである。
前述したように、水平転送パルスのドライブ電流値が高くなると、水平転送パルスの立ち上がり、立下がりが急峻な特性となる。また、水平転送パルスがなまってくると、水平電荷転送路103における転送効率が悪化し、隣接画素と信号成分が混合してしまい、映像信号処理を行った際、色バランスが崩れ、正常な画作りができなくなってしまう。
電池駆動時は、1次電池であれば電池残量が有限であり、また、2次電池であっても長時間連続でデジタルカメラを使用する際は電池残量は有限であると考えてよい。
そこで、本実施形態では、電池残量を持続させるために、電池残量少モード時は、電池残量通常モード時と比べて、水平転送パルスのドライブ電流値を低く設定する。水平転送パルスのドライブ電流値を下げた場合、消費電力の低減を図ることができると共に、デジタルカメラの動作時間を延ばすことができる。そして、動作時間を延ばすことにより、撮影枚数を増やすことができる。また、その他の効果として、ドライブ電流値を下げたときの水平転送パルスの電圧波形は高調波成分が除去されるので、EMI(放射ノイズ)特性に対しても特性改善を図ることが可能である。
(第5の実施形態)
第5の実施形態に係るデジタルカメラの全体構成は、第1の実施形態に係るデジタルカメラと同様に図3に示す構成となる。また、タイミングパルス発生回路の内部構成及びその周辺の構成部の詳細な構成についても、第1の実施形態に係るデジタルカメラと同様に図8に示す構成となる。そのため、その詳細な説明は省略する。第5の実施形態において、第1の実施形態と異なる点は、水平転送パルスのドライブ電流値を切り換える際の条件である。
図15は、第5の実施形態に係るデジタルカメラの制御方法を示すフローチャートである。ユーザがデジタルカメラを起動させたとき、映像処理回路310で画像処理された映像をEVFモードで確認する場合の表示媒体として、本実施形態においては、液晶表示装置(LCD)324と、ビデオモニタ(Video_OUT)325が考えられる。ここで、現在は、液晶表示装置(LCD)324に表示する設定がなされているものとする。
まず、ユーザがデジタルカメラを起動させた際、CPU314は、映像を液晶表示装置(LCD)324に表示するモードとする(ステップS501)。この際、タイミングパルス発生回路305は、原発振クロックの2分周クロックを基準タイミングクロックにして各出力パルスを発生させる。
続いて、CPU314は、ROM321にアクセスし(ステップS502)、LCD表示時に最適に設定された水平転送パルスのドライブ電流値(ドライブ電流に対応する制御データ)をROM314から読み出す(ステップS503)。続いて、CPU314は、読み出したドライブ電流値(ドライブ電流に対応する制御データ)をタイミングパルス発生回路305へ送信し、当該ドライブ電流値の設定を行う(ステップS504)。
具体的に、ROM321には、図10−1に示すように、水平転送パルスH1、H2のドライブ電流に対応した2進コードで表現された制御データがテーブル値として保持されている。なお、ROM321に、その他の出力パルスの位相タイミング等のテーブル値を保持させておいてもよい。本実施形態では、LCD表示時の水平転送パルスのドライブ電流を16mAの設定とする。この場合、CPU314は、タイミングパルス発生回路305に、バイナリコード「01」の制御データをドライブ電流値として送信する。
続いて、タイミングパルス発生回路305は、設定されたドライブ電流値に基づいて、固体撮像素子304を駆動する(ステップS505)。
続いて、CPU314は、例えば、ユーザによるデジタルカメラの設定変更等に基づいて、映像を表示する表示媒体を変更するか否かを判断する(ステップS506)。この判断の結果、表示媒体を変更しない場合には、当該フローチャートにおける処理を終了する。
一方、ステップS506の判断の結果、表示媒体を変更する場合には、CPU314は、映像をビデオモニタ(Video_OUT)325に表示するモードとする(ステップS507)。この際、タイミングパルス発生回路305は、原発振クロックの2分周クロックを基準タイミングクロックにして各出力パルスを発生させる。
続いて、CPU314は、ROM321にアクセスし(ステップS508)、Video_OUT表示時に最適に設定された水平転送パルスのドライブ電流値(ドライブ電流に対応する制御データ)をROM314から読み出す(ステップS509)。続いて、CPU314は、読み出したドライブ電流値(ドライブ電流に対応する制御データ)をタイミングパルス発生回路305へ送信し、当該ドライブ電流値の設定を行う(ステップS510)。
本実施形態においては、Video_OUT表示時の水平転送パルスのドライブ電流値を24mAの設定とする。この場合、CPU314は、図10−1に示すように、タイミングパルス発生回路305に、バイナリコード「10」の制御データをドライブ電流値として送信する。
続いて、タイミングパルス発生回路305は、設定されたドライブ電流値に基づいて、固体撮像素子304を駆動する(ステップS511)。
続いて、CPU314は、例えば、ユーザによるデジタルカメラの設定変更等に基づいて、映像を表示する表示媒体を変更するか否かを判断する(ステップS512)。この判断の結果、表示媒体を変更しない場合には、当該フローチャートにおける処理を終了する。
一方、ステップS512の判断の結果、表示媒体を変更する場合には、ステップS501に戻って、CPU314は、映像を液晶表示装置(LCD)324に表示するモードとする。このLCD表示時における動作は、前述したステップS501〜S505と同様である。簡潔に記述すると、LCD表示時では、CPU314がROM321にアクセスして(ステップS502)、LCD表示時に最適に設定された水平転送パルスのドライブ電流値をROM321から読み出す(ステップS503)。そして、CPU314は、読み出したドライブ電流値をタイミングパルス発生回路305へ設定し(ステップS504)、タイミングパルス発生回路305は、設定されたドライブ電流値にて固体撮像素子304を駆動する(ステップS505)。
本実施形態では、Video_OUT表示時の水平転送パルスのドライブ電流値(24mA)は、LCD表示時の水平転送パルスのドライブ電流値(16mA)よりも高い電流値である。
前述したように、図10−2(a)は、水平転送パルスのドライブ電流値が16mAのときの水平転送パルス(H1及びH2)の波形を示したものである。また、図10−2(b)は、水平転送パルスのドライブ電流値が24mAのときの水平転送パルス(H1及びH2)の波形を示したものである。
前述したように、水平転送パルスのドライブ電流値が高くなると、水平転送パルスの立ち上がり、立下がりが急峻な特性となる。また、水平転送パルスがなまってくると、水平電荷転送路103における転送効率が悪化し、隣接画素と信号成分が混合してしまい、映像信号処理を行った際、色バランスが崩れ、正常な画作りができなくなってしまう。
映像処理回路310で画像処理された画像をデジタルカメラに具備された液晶表示装置(LCD)324に表示する場合に比べて、Video_OUT表示時は、外部出力であるビデオモニタ(Video_OUT)325の映像処理回路により最終的に画作りが行われるため、高精度のビデオモニタ(Video_OUT)325を外部出力に用いた時、LCD表示よりも画像品位が問われることになる。換言すれば、LCD表示時は、Video_OUT表示時に比べて、画像品位は問われない。
そこで、本実施形態では、EVFモードで被写体を探す場合等でLCD表示を行う場合は、Video_OUT表示時と比べて、水平転送パルスのドライブ電流値を低く設定する。この場合、LCD表示時では、水平転送パルスのドライブ電流値を下げることができ、消費電力の低減を図ることができる。一般に、デジタルカメラの消費電力は、Video_OUT表示時に比べてLCD表示時の方が大きい。これは、LCD表示時は、LCD回路及びバックライトに電力を供給する必要があり、Video_OUT表示時は、LCD部の電力を必要としないからである。この観点からも、LCD表示時のドライブ電流値を下げることは、デジタルカメラ全体の消費電力の低減に効果がある。また、その他の効果として、ドライブ電流値を下げたときの水平転送パルスの電圧波形は高調波成分が除去されるので、EMI(放射ノイズ)特性に対しても特性改善を図ることが可能である。
(第6の実施形態)
第6の実施形態に係るデジタルカメラの全体構成は、第1の実施形態に係るデジタルカメラと同様に図3に示す構成となる。また、タイミングパルス発生回路の内部構成及びその周辺の構成部の詳細な構成についても、第1の実施形態に係るデジタルカメラと同様に図8に示す構成となる。そのため、その詳細な説明は省略する。第6の実施形態において、第1の実施形態と異なる点は、水平転送パルスのドライブ電流値を切り換える際の条件である。
図16は、第6の実施形態に係るデジタルカメラの制御方法を示すフローチャートである。ユーザがデジタルカメラを起動させたとき、本撮影時に被写体が低輝度である場合、光源としてストロボ320を使用することが考えられる。ここで、現在は、ストロボ320は未使用の状態の設定がなされているものとする。
まず、ユーザがデジタルカメラを起動させた際、CPU314は、ストロボ32を未使用のストロボ未使用モードとする(ステップS601)。この際、タイミングパルス発生回路305は、原発振クロックの2分周クロックを基準タイミングクロックにして各出力パルスを発生させる。
続いて、CPU314は、ROM321にアクセスし(ステップS602)、ストロボ未使用時に最適に設定された水平転送パルスのドライブ電流値(ドライブ電流に対応する制御データ)をROM321から読み出す(ステップS603)。続いて、CPU314は、読み出したドライブ電流値(ドライブ電流に対応する制御データ)をタイミングパルス発生回路305へ送信し、当該ドライブ電流値の設定を行う(ステップS604)。
具体的に、ROM321には、図10−1に示すように、水平転送パルスH1、H2のドライブ電流に対応した2進コードで表現された制御データがテーブル値として保持されている。なお、ROM321に、その他の出力パルスの位相タイミング等のテーブル値を保持させておいてもよい。本実施形態では、ストロボ未使用時の水平転送パルスのドライブ電流を24mAの設定とする。この場合、CPU314は、タイミングパルス発生回路305に、バイナリコード「10」の制御データをドライブ電流値として送信する。
続いて、タイミングパルス発生回路305は、設定されたドライブ電流値に基づいて、固体撮像素子304を駆動する(ステップS605)。
続いて、CPU314は、例えば、ユーザによるデジタルカメラの設定変更等に基づいて、ストロボ320を使用するか否かを判断する(ステップS606)。この判断の結果、ストロボ320を使用しない場合には、当該フローチャートにおける処理を終了する。
一方、ステップS606の判断の結果、ストロボ320を使用する場合には、CPU314は、ストロボ使用モードとする(ステップS607)。この際、タイミングパルス発生回路305は、原発振クロックの2分周クロックを基準タイミングクロックにして各出力パルスを発生させる。
続いて、CPU314は、ROM321にアクセスし(ステップS608)、ストロボ使用時に最適に設定された水平転送パルスのドライブ電流値(ドライブ電流に対応する制御データ)をROM321から読み出す(ステップS609)。続いて、CPU314は、読み出したドライブ電流値(ドライブ電流に対応する制御データ)をタイミングパルス発生回路305へ送信し、当該ドライブ電流値の設定を行う(ステップS610)。
本実施形態においては、ストロボ使用時の水平転送パルスのドライブ電流値を16mAの設定とする。この場合、CPU314は、図10−1に示すように、タイミングパルス発生回路305に、バイナリコード「01」の制御データをドライブ電流値として送信する。
続いて、タイミングパルス発生回路305は、設定されたドライブ電流値に基づいて、固体撮像素子304を駆動する(ステップS611)。
続いて、CPU314は、例えば、ユーザによるデジタルカメラの設定変更等に基づいて、ストロボ320を未使用にするか否かを判断する(ステップS612)。この判断の結果、ストロボ320を使用する場合には、当該フローチャートにおける処理を終了する。
一方、ステップS612の判断の結果、ストロボ320を未使用する場合には、ステップS601に戻って、CPU314は、ストロボ未使用モードとする。このストロボ未使用時における動作は、前述したステップS601〜S605と同様である。簡潔に記述すると、ストロボ未使用時では、CPU314がROM321にアクセスして(ステップS602)、ストロボ未使用時に最適に設定された水平転送パルスのドライブ電流値をROM321から読み出す(ステップS603)。そして、CPU314は、読み出したドライブ電流値をタイミングパルス発生回路305へ設定し(ステップS604)、タイミングパルス発生回路305は、設定されたドライブ電流値にて固体撮像素子304を駆動する(ステップS605)。
本実施形態では、ストロボ未使用時の水平転送パルスのドライブ電流値(24mA)は、ストロボ使用時の水平転送パルスのドライブ電流値(16mA)よりも高い電流値である。
前述したように、図10−2(a)は、水平転送パルスのドライブ電流値が16mAのときの水平転送パルス(H1及びH2)の波形を示したものである。また、図10−2(b)は、水平転送パルスのドライブ電流値が24mAのときの水平転送パルス(H1及びH2)の波形を示したものである。
前述したように、水平転送パルスのドライブ電流値が高くなると、水平転送パルスの立ち上がり、立下がりが急峻な特性となる。また、水平転送パルスがなまってくると、水平電荷転送路103における転送効率が悪化し、隣接画素と信号成分が混合してしまい、映像信号処理を行った際、色バランスが崩れ、正常な画作りができなくなってしまう。
ストロボ320を用いて本撮影する場合、電池322は、ストロボ320用の充電用コンデンサ(不図示)へ充電を行う。本撮影時に当該充電用コンデンサの電荷は、ストロボ320の使用によって放電され、次の撮影のために再度充電を行う。従って、ストロボ使用時は、ストロボ未使用時に比べて、デジタルカメラの消費電力が増大する。
そこで、本実施形態では、ストロボ使用時におけるドライブ電流を、ストロボ未使用時のドライブ電流に対して低く設定する。これにより、ストロボ使用時におけるドライブ電流値を下げることができ、ストロボ使用時における消費電力の低減を図ることができる。また、その他の効果として、ドライブ電流値を下げたときの水平転送パルスの電圧波形は高調波成分が除去されるので、EMI(放射ノイズ)特性に対しても特性改善を図ることが可能である。
以上、本発明の実施形態として6つの形態を挙げたが、本発明の目的は、動作モードに応じて、水平転送パルスのドライブ電流を最適な電流値にすることで、消費電力の低減、EMI特性(放射ノイズ)の改善を狙っている。
図17は、本発明に係るデジタルカメラの制御方法を示すフローチャートである。この図17は、第1〜第6の実施形態に係るデジタルカメラの制御方法の概念を示したものである。
図17では、CPU314がデジタルカメラの動作モードを検知し(ステップS701)、検知した動作モードに応じて、水平転送パルスのドライブ電流値を設定している。
具体的に、ステップS701で動作モードAが検知された場合には、CPU314は、デジタルカメラの動作モードを動作モードAとする(ステップS702)。続いて、CPU314は、ROM321にアクセスして(ステップS703)、動作モードAに最適に設定された水平転送パルスのドライブ電流値を読み出し(ステップS704)、タイミングパルス発生回路305へ設定する(ステップS705)。続いて、タイミングパルス発生回路305は、設定されたドライブ電流値にてCCDセンサからなる固体撮像素子304を駆動する(ステップS706)。その後、当該フローチャートにおける処理を終了する。
同様に、ステップS701で動作モードBが検知された場合には、CPU314は、デジタルカメラの動作モードを動作モードBとする(ステップS707)。続いて、CPU314は、ROM321にアクセスして(ステップS708)、動作モードBに最適に設定された水平転送パルスのドライブ電流値を読み出し(ステップS709)、タイミングパルス発生回路305へ設定する(ステップS710)。続いて、タイミングパルス発生回路305は、設定されたドライブ電流値にてCCDセンサからなる固体撮像素子304を駆動する(ステップS711)。その後、当該フローチャートにおける処理を終了する。
また、当該デジタルカメラには、複数の動作モード(A〜Z)を備えているものとし、その他の動作モードC〜Zにおいても同様の処理を行う。
仮に、ステップS701で動作モードZが検知された場合には、CPU314は、デジタルカメラの動作モードを動作モードZとする(ステップS712)。続いて、CPU314は、ROM321にアクセスして(ステップS713)、動作モードZに最適に設定された水平転送パルスのドライブ電流値を読み出し(ステップS714)、タイミングパルス発生回路305へ設定する(ステップS715)。続いて、タイミングパルス発生回路305は、設定されたドライブ電流値にてCCDセンサからなる固体撮像素子304を駆動する(ステップS716)。その後、当該フローチャートにおける処理を終了する。なお、デジタルカメラの動作モードは、A〜Zの26種に限られるわけではない。
以上、本発明の各実施形態について説明を行ったが、各実施形態で用いたCCDセンサからなる固体撮像素子304の画素数、読み出し方法、転送パルス数等は、各実施形態に示した事項に限定されるものではない。いずれの実施形態においても、各実施形態で用いたデジタルカメラ(撮像装置)の組み合わせに固執する必要はなく、最適な組み合わせをそれぞれの撮像装置において検討し実施することで、本発明を最大限に生かせるものと考える。
前述した本発明の各実施形態に係るデジタルカメラを構成する図3、8、11の各手段、並びにデジタルカメラの制御方法を示した図9、12〜17の各ステップは、コンピュータのRAMやROMなどに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は本発明に含まれる。
具体的に、前記プログラムは、例えばCD−ROMのような記憶媒体に記録し、或いは各種伝送媒体を介し、コンピュータに提供される。前記プログラムを記録する記憶媒体としては、CD−ROM以外に、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、不揮発性メモリカード等を用いることができる。他方、前記プログラムの伝送媒体としては、プログラム情報を搬送波として伝搬させて供給するためのコンピュータネットワーク(LAN、インターネットの等のWAN、無線通信ネットワーク等)システムにおける通信媒体を用いることができる。また、この際の通信媒体としては、光ファイバ等の有線回線や無線回線などが挙げられる。
また、コンピュータが供給されたプログラムを実行することにより本発明の各実施形態に係るデジタルカメラの機能が実現されるだけでなく、そのプログラムがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)或いは他のアプリケーションソフト等と共同して本発明の各実施形態に係るデジタルカメラの機能が実現される場合や、供給されたプログラムの処理の全て、或いは一部がコンピュータの機能拡張ボードや機能拡張ユニットにより行われて本発明の各実施形態に係るデジタルカメラの機能が実現される場合も、かかるプログラムは本発明に含まれる。