JP2007334983A - 光情報記録媒体 - Google Patents

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尚和 迫田
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Abstract

【課題】優れた記録感度やジッタ値を保証するために、案内溝の溝幅を最適化させた、金属記録膜を有する光情報記録媒体を提供する。
【解決手段】表面に案内溝12a、12b、12cなどを形成した基板11上に、光ビーム17の照射により記録マークが形成される金属系記録層13を有する光情報記録媒体10であって、案内溝12a、12b、12cなどが半値幅で100 nm以上、200 nm以下の平均溝幅を有することである。ここで、案内溝の内部14a、14b、14cなどに信号を記録するイングルーブ記録では、案内溝の平均溝幅を半値幅で100 nm以上、160 nm以下とし、案内溝と案内溝との間のランド部15a、15bなどに信号を記録するオングルーブ記録では、案内溝の平均溝幅を半値幅で160 nm以上、200nm 以下とする。
【選択図】図5

Description

本発明は光情報記録用の記録媒体に関するものである。本発明の光情報記録媒体は、現行のCD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)、次世代の光情報記録媒体(HDDVDやBlu-ray Disc)として用いられ、特に、青紫色のレーザを用いる追記型の高密度光情報記録媒体として好適に用いられる。
光情報記録媒体(光ディスク)は、記録再生方式により、再生専用型、書換え型および追記型の3種類に大別される。
このうち追記型の光ディスクでは、主にレーザ光など、光ビーム(エネルギービーム)が照射された記録層(以下、光記録層とも言う)材料の物性の変化を利用してデータを記録する。追記型の光ディスクは、情報の記録はできるが消去や書換えを行なうことはできない。この様な特性を利用し、追記型の光ディスクとして、例えば文書ファイルや画像ファイルなど、データの改ざん防止が求められるCD- R、DVD- R、DVD+R等が挙げられる。
図5に斜視図で光ディスクの代表的な断面を模式的に示す。図5のように、光ディスク10は、透明基板11上に、対物レンズ16によって集光された光ビームスポット17を正確な位置に導くための、案内溝(グルーブ部)12a、12b、12cが、所定の幅W(但し半値幅)と深さDで、基板11表面の円周方向に同心円状に一定ピッチTp(トラックピッチ)で複数本施されている。
この基板11上の案内溝12a、12b、12c側に記録層13が設けられている。光ディスク駆動装置は、これら案内溝から得られるサーボ信号をもとに、光ビームスポットの位置を制御し、信号の記録再生を行っている。また、記録層13上には、図示しないが、透明樹脂層などが積層される。
この際、信号を記録する位置としては、イングルーブ記録とオングルーブ(オンランド)記録との二つのタイプがある。イングルーブ記録は、案内溝12a、12b、12cの溝の内部(溝内:グルーブ内)14a、14b、14cに光ビームスポットを照射し、案内溝内に信号を記録する。これに対して、オングルーブ記録は、案内溝12aと案内溝12bの間のランド部15a、案内溝12bと案内溝12cの間のランド部15bなどに光ビーム17を照射して信号を記録する。
近年、情報のマルチメディア化が進み、画像・動画データまでが扱われるようになったため、マルチメディア化に対応した大容量記録媒体が要求されている。この大容量化を実現するためにトラックピッチを狭めたり、記録マークサイズを小さくする等の技術を用いて高密度光ディスクを達成するための研究開発が盛んに行われている。
例えば、波長λ=680nm、NA=0.6のピックアップにより光スポット径を1μm程度に絞り込んだレーザビームを用いて、トラックピッチTpを0.9μm程度にまで狭めたフォーマットも提案されている。更には、より短波長なレーザを用いて、より小さく絞り込んだレーザビームを実現し、高密度化を達成する検討も盛んに行われている。
ただ、高密度光ディスク化させた場合、基板上に設けられた案内溝12a、12b、12cの溝幅W(但し半値幅)あるいは溝深さDが大きく影響してくる。即ち、基板上に設けられた案内溝12a、12b、12cの溝幅Wあるいは溝深さDにより、反射される光の位相(回折条件)が影響を受けて信号対雑音比(CNR)が低下する。このため、基板上に設けられた案内溝の溝幅あるいは溝深さが記録マークの形成にも影響を与え、レーザパワーに対する記録感度が低下してしまうこともある。
このため、基板上に設けられた案内溝の溝幅あるいは溝深さを規定して、1.2μm以下まで狭トラックピッチ化した場合でも、良好な信号品質を安定して得るための技術が従来から提案されている。
例えば、特許文献1では、イングルーブ記録において、ビームスポット9の径ωとの関係で、記録層の下の案内溝の最適な半値幅Wを規定している。即ち、案内溝の半値幅W4を、0.27ω≦W≦0.45ωの範囲内とすることで、記録感度を向上させることが提案されている。
また、特許文献2では、イングルーブ記録において、案内溝の深さDを100 〜200nm とし、案内溝の半値幅WをトラックピッチTpとの関係で0.1 ≦W/Tp≦0.45として、記録再生特性を向上させることが提案されている。
特開平8−315424号公報(全文) 特開2006−4491号公報(全文)
特許文献1、2は、記録層13が、いずれも有機色素記録膜を有するDVDに関するものである。ただ、有機色素記録膜の場合、有機色素材料を有機溶媒に溶解してから基板上に塗布しなければならず、生産性が低いという問題がある。また、記録信号の長期安定保存性が低いという問題もある。
このような有機色素材料の弱点を改善するため、記録層13として金属材料薄膜が検討されている。これは、金属材料薄膜に青紫色レーザなどの短波長レーザ光を照射して、局所的な記録マーク(穴、ピットなど)を形成することにより記録を行なう方法が検討され始めている。これまでに提案されているこれら金属材料薄膜としては、Te薄膜、Alを含むCu基合金、Inを含むCu基合金、Biなどを含むAg基合金、BiやInを含むSn基合金、Sn- Cu基合金などが例示される。
このような金属材料薄膜を用いた局所的な記録マーク形成方式は、長期安定保存性が良く、また、2層以下の金属材料薄膜で記録層を形成できるために、生産性や生産コスト面でも有利である。なお、金属材料薄膜を用いた方式としては、このような局所的な記録マーク形成の他に、金属材料薄膜の相変化や合金化により記録する方式もある。ただ、これらは3層以上の多層の金属材料薄膜をスパッタなどで積層する必要があり、生産ラインが特殊となり、生産コストの面で不利である。
このような金属材料薄膜(金属系記録層)方式でも、基板における案内溝を使用する点では有機色素記録膜と同じである。このため、金属系記録層方式でも、基板における案内溝の溝幅は、記録感度やジッタ値に大きな影響を与える。したがって、金属系記録層でも、記録感度やジッタ値を向上させるための、案内溝の溝幅の最適化は大きな技術課題となる。
これに対して、前記した従来の有機色素記録膜に関する案内溝の最適溝幅は、そのまま、金属記録膜を有する光情報記録媒体には適用できず、最適溝幅とはならない。本発明者らの確認では、従来の有機色素記録膜での案内溝の最適溝幅範囲でも、金属記録膜を有する光情報記録媒体の記録感度やジッタ値を却って低下させる場合があることも確認している。これは、前記した従来の有機色素記録膜に関する案内溝の最適溝幅が、有機色素記録膜のトラッキング安定性と未記録部反射率などから決定されており、溝幅が光情報記録媒体の記録感度やジッタ値に与える影響を考慮していないことにもよる。
本発明はこの様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、優れた記録感度やジッタ値を保証するために、案内溝の溝幅を最適化させた、金属記録膜を有する光情報記録媒体を提供することにある。
この目的を達成するための本発明に係る光情報記録媒体の要旨は、表面に案内溝を形成した基板上に、光ビームの照射により記録マークが形成される金属系記録層を有する光情報記録媒体であって、前記案内溝が半値幅で100 nm以上、200 nm以下の平均溝幅を有することである。
前記光情報記録媒体が前記案内溝内に信号を記録するイングルーブ記録である場合には、前記案内溝が半値幅で100 nm以上、160 nm以下の平均溝幅を有することが好ましい。
前記光情報記録媒体が前記案内溝と案内溝との間に信号を記録するオングルーブ記録である場合には、前記案内溝が半値幅で160 nm以上、200nm 以下の平均溝幅を有することが好ましい。
また、光情報記録媒体としての、ノイズが少なく、C/Nが高く、記録感度が優れ、反射率変化が少ないなどの基本特性を満足するためには、前記金属系記録層がSn基合金またはIn基合金からなることが好ましい。
そして、この金属系記録層は5 nm以上30 nm以下の平均膜厚を有することが好ましい。
光ビームの照射により記録マークが形成される金属系記録層を有する光情報記録媒体では、本発明のように、案内溝の溝幅を上記した特定範囲に最適化させた場合に、記録感度が向上し、ジッタ値も改善される。この結果、記録感度やジッタ値が優れ基本特性にも優れた、金属系記録層を有する光情報記録媒体を提供することができる。
(案内溝の溝幅最適化)
前記図5を用いて本発明の案内溝溝幅の最適化を説明する。本発明では、光情報記録媒体が光ビーム17の照射により記録マークが形成される金属系記録層13を有することを前提とする。その上で、透明基板1上に設けられた各案内溝12a、12b、12cなどが、半値幅Wで100 nm以上、200 nm以下の平均溝幅を有することとする。
後述する実施例で裏付ける通り、各案内溝12a、12b、12cなどの平均溝幅を半値幅Wで100 nm以上、200 nm以下にすることで、光情報記録媒体の記録感度が向上し、ジッタ―値も改善される。この平均溝幅を半値幅Wで100 nm未満に小さくした場合、実用上トラックの形成が困難となり、トラッキング特性が悪化する。一方、平均溝幅を半値幅Wで200 nmを越えて大きくした場合、光情報記録媒体の記録感度およびジッタが悪化する。
この際、イングルーブ記録とオングルーブ記録とのタイプで、案内溝の最適溝幅の範囲が異なる(ずれる)ため、このタイプ毎に案内溝の溝幅を最適化することが好ましい。
(イングルーブ記録)
即ち、光情報記録媒体が、各案内溝12a、12b、12cなどの溝の内部(溝内:グルーブ内)14a、14b、14cなどに光ビームスポットを照射し、案内溝内に信号を記録するイングルーブ記録である場合には、各案内溝が半値幅で100 nm以上、160 nm以下の平均溝幅(グルーブ幅)とすることが好ましい。
(オングルーブ記録)
また、光情報記録媒体が、案内溝12aと案内溝12bの間のランド部15a、案内溝12bと案内溝12cの間のランド部15bなどに光ビームスポットを照射して信号を記録するオングルーブ記録(オンランド記録)である場合には、各案内溝が半値幅で160 nm以上、200nm 以下の平均溝幅(グルーブ幅)を有することが好ましい。
(その他の条件の最適化)
このように案内溝の溝幅を最適化する場合には、各案内溝12a、12b、12cなどの平均深さDや、各ランド部15a、15bなどのランド幅 (平均幅) R、各トラックピッチTpなども最適化させることが好ましい。これによって、案内溝の溝幅の最適化の効果が最大限に発揮される。
この点、案内溝の平均深さDは5nm以上、150nm 以下、好ましくは、10nm以上、100nm 以下とする。各トラックピッチTpは規格化された値を使用する。現在規格化され値は0.32μm である。なお、各ランド平均幅Rはグルーブ幅を規定すれば、自ずと規定される。上記平均深さD、トラックピッチTpなどが、これらの範囲から外れ、最適化されていないと、案内溝の溝幅の最適化の効果が最大限に発揮されない可能性がある。
(光情報記録媒体の全体構成)
以下に図1〜4を用いて、本発明光情報記録媒体(光ディスク)全体構成の実施形態を例示する。図1〜4は、波長が約350〜700nmのレーザ光を記録層に照射し、データの記録と再生を行うことのできる追記型の本発明光情報記録媒体を例示する断面模式図である。尚、各図の(A)[および(C)]は記録場所が凸状に形成されたもの、(B)[および(D)]は記録場所が凹溝状に形成されたものを例示している。
図1の光ディスク10は、透明な支持基板1と、光学調整層2と、誘電体層3、5と、誘電体層3と5の間に挟まれた記録層4(図5の記録層13)と、光透過層6とを備えている。
図2の光ディスク10は、支持基板1と、第0記録層群(光学調整層、誘電体層、記録層を備えた一群の層)7Aと、中間層8と、第1記録層群(光学調整層、誘電体層、記録層を備えた一群の層)7Bと、光透過層6とを備えている。
図3は、1層DVD-R、1層DVD+R、1層HDDVD-Rタイプの光ディスクを例示し、図4は、2層DVD-R、2層DVD+R、2層HDDVD-Rタイプの光ディスクを例示する。符号8は中間層、符号5と9とは接着剤層を示している。
図2、4における第0および第1の記録層群7A、7Bを構成する一群の層は、3層構造や、2層構造の他、記録層1層のみからなるものであっても構わない。例えば、3層構造は、図の上側から、誘電体層/記録層/誘電体層、誘電体層/記録層/光学調整層、記録層/誘電体層/光学調整層などで構成される。また、2層構造は、図の上側から、記録層/誘電体層、誘電体層/記録層、記録層/光学調整層、光学調整層/記録層などで構成される。
以上のような光情報記録媒体の構成を前提として、以下に、金属系記録層4(図5の記録層13)や誘電体3、5の好ましい態様について説明する。
(記録層)
本発明光情報記録媒体では、金属系記録層として、前記したTe薄膜、Alを含むCu基合金、Inを含むCu基合金、Biなどを含むAg基合金、BiやInを含むSn基合金、Sn- Cu基合金などの公知の金属系記録層が使用可能である。ただ、これ以外に、下記のSn基合金またはIn基合金を用いることが好ましい。
Sn基合金の場合は、Snに対し、Niおよび/またはCoを1〜50原子%、希土類元素を1〜15原子%、In、Bi、Znよりなる群から選択される少なくとも1種を30%以下(0%を含まない)の範囲で選択的に含むものとすることが好ましい。また、更に、このSn基合金の中でも、Niおよび/またはCoを1〜50原子%と、希土類元素を0.5〜10原子%含む組み合わせタイプが好ましい。更に、このタイプのSn基合金の中でも、最も好ましい組み合わせとしては、Sn−(Ni、Co)−(希土類元素)、この中でも特に、Sn−(Ni、Co)−Yの組み合わせである。
In基合金の場合は、Inに対し、希土類元素を0.1〜15原子%、Pdを0.1〜50原子%、Ni、Co、Ptの一種以上を5〜50原子%、各々含むものとすることが好ましい。ここで、これらSn基合金あるいはIn基合金の組成は、これら含有合金元素以外の残部は、SnあるいはInと不可避的な不純物である。
これらのSn基合金あるいはIn基合金からなるものとすることによって、青紫色レーザなどの短波長レーザを用いた光情報の記録と再生技術適合し、記録情報の高密度化を可能にし、また保証できる。具体的には、前記した(1)高C/N、低ジッターなどの高品質の信号書込み・読取り、(2)高記録感度、(3)記録層からの高反射率、(4)高耐食性、などを可能にできる。更に、記録精度の信頼性が高く、コスト的にも廉価とし、実用的な記録層とできる。
(記録層厚み)
これら金属によって形成される記録層は、安定した精度で確実な記録層を形成する上で重要となる。誘電体層や光学調整層を設けるか設けないなどの光情報記録媒体の構造にもよるが、厚さを1〜30nmの範囲、好ましくは8〜20nmの範囲にするのがよい。この範囲内にすることでより、特に波長が350〜700nmの範囲のレーザ光に対して高い記録感度を示し、優れた光情報の書込み・読取り精度を発揮する光情報記録媒体となる。
金属系記録層の膜厚が薄過ぎると、前記した案内溝幅の最適化効果が弱まる(記録再生特性のトラック形状依存性が弱まる)と同時に、記録層の上部や下部に光学調整層や誘電体層を設けたとしても、十分な反射率が得られず満足のいく記録感度が得られ難くなる。また、記録膜(層)の膜面にポアなどの欠陥が生じ易くなって、十分な反射率を得るのが困難になる。
金属系記録層の膜厚が厚過ぎると、記録感度が大きく悪化する。また、レーザ光照射によって与えられる熱が記録層内で急速に拡散し易くなり、記録マークの形成が困難になる。
(誘電体層)
金属系記録層4(図5の記録層13)に接する形で、その上層に誘電体層(膜)5を設けた場合、反射率を増大する効果が得られる。また、金属系記録層4に接する形で、その下層に誘電体膜層(膜)3を設けた場合、基板1等の保護層の役目を果たし、ノイズ特性を改善することが可能となる。上下に誘電体膜を設けた場合は、これら両方の効果がある。
誘電体層の厚みは、光情報記録媒体の構造にもよるが、厚さを好ましくは5〜200nmの範囲、より好ましくは10〜150nmの範囲にする。5nm未満では誘電体層の厚みが薄過ぎるため、誘電体層を設けたとしても、上記効果が発揮されない。一方、厚くし過ぎても効果は向上せず、厚過ぎると、光情報記録媒体の生産性が低下する等の不利益が生じてくるため、200nmを越えて厚くする必要は無い。
(誘電体層材料)
誘電体層の材料としては、公知の誘電体材料が使用可能であり、ZnS、SiO2 、SiN、AlN、Al2 3 、Ta2 5 等の金属硫化物、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属セレン化物、またはこれらの混合物などを用いることができる。
一方、金属系記録層のぬれ性を制御する場合には、誘電体層として、Si、Mg、Ta、Zr、Mn、Inから選択される、特定元素の酸化物からなるものが好ましい。これら元素の酸化物からなる誘電体層は、上記した誘電体層本来の効果の他に、レーザパワーでの局所的な記録マークの形成の際の金属系記録層4のぬれ性を制御し、信号の変調度の低下を抑制する効果が高い。これらの酸化物のぬれ性の制御によれば、金属系記録層特有の問題である、レーザパワーでの局所的な記録マークの形成の際の、水玉状の金属の溶け残りや固まりとしての金属の偏在を抑制して、局所的な記録マークの形成を良好とする。これによって、信号の変調度の低下を防止する。
これら誘電体層の形成手段も特に制限されないが、前記した各誘電体層の材料をターゲットとしたスパッタリング法が好ましい方法として例示される。
以下に、本発明光情報記録媒体の、光情報記録媒体としての他の好ましい条件や構造について説明する。
(素材)
本発明の代表的な実施形態となる光ディスクは、記録層4、誘電体層3、5以外の支持基板1や光学調整層2などの素材は特に限定されず、通常使用されているものを適宜選択して使用できる。支持基板の素材としては、汎用されている、ポリカーボネート樹脂、ノルボルネン系樹脂、環状オレフィン系共重合体、非晶質ポリオレフィンなどが好適に用いられる。光学調整層2の素材としては、Ag、Au、Cu、Al、Ni、Cr、Ti等やそれらの合金などが好適に用いられる。
(レーザ光波長)
記録のために照射するレーザ光の好ましい波長は350〜700nmの範囲であり、350nm未満では、カバー層(光透過層)などによる光吸収が顕著となり、光記録層への書込み・読み出しが困難になる。逆に波長が700nmを超えて過大になると、レーザ光の吸収が低下するため、光記録層への記録マークの形成が困難になる。こうした観点から、情報の記録に用いるレーザ光線のより好ましい波長は350nm以上、660nm以下、更に好ましくは380nm以上、650nm以下である。
(スパッタリング)
上記金属系記録層や誘電体層を形成するために用いる、スパッタリングの際のターゲットの組成は、上記した金属系記録層や誘電体層の、所望の合金組成や酸化物組成と基本的に同一のものが使用できる。言い換えると、スパッタリングターゲットの組成を上記した金属系記録層や誘電体層の合金組成や酸化物組成と同一とすることにより、スパッタリングによって成膜される金属系記録層や誘電体層を、所望の合金組成や酸化物組成に成膜することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、下記実施例はもとより本発明を制限する性質のものではなく、前・後記本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えて実施することも可能であり、それらは本発明の技術的範囲に包含される。
(実施例1)
図1に示すタイプの光ディスク10を模擬して、幅W(但し半値幅)を種々変えた案内溝を設けた透明支持基板1上に誘電体層3、その上に記録層4、その上に光透過層6と、順に3層を設けたディスクを準備した。案内溝は、図5のように、基板1表面の円周方向に同心円状に一定ピッチTpで複数本施した。
このディスクのジッタ―値を測定して、ディスクの記録感度(記録再生特性)を評価した。これらの結果を図6、7に示す。結果として、案内溝の溝幅を最適化した発明例は、最適化範囲から外れる比較例に比して、著しくジッタ―値が優れていた。
(ディスクの作製法)
ディスク基板1として、ポリカーボネート基板(厚さ:1.1mm) を用い、共通して、トラックピッチTp:0.32μm、案内溝平均深さD:25nmとした。その上で、平均溝幅(但し平均半値幅W)は、イングルーブ記録で140nm 、160nm 、180nm 、200nm の4種類を設け、オングルーブ記録で120nm 、140nm 、160nm 、180nm の4種類を設けた。この溝幅に対応するランド幅は、溝幅が120nm で200nm 、140nm で180nm 、160nm で160nm 、180nm で140nm 、200nm で120nm と各々なる。
この基板1表面に、高周波スパッタ法(到達真空度:10-5Torr以下、Arガス圧:2mTorr、高周波パワー:200W)によって、各例とも共通して、膜厚15nmの誘電体層3を成膜した。成膜用のスパッタリング・ターゲットとしては、4インチの前記各酸化物やZnS−SiO2 と同一組成のターゲットを用いた。
この誘電体層3表面に、DCマグネトロンスパッタリング法によって、各例とも共通して、膜厚12nmのSn基合金記録層4[Sn-18.3at%Ni-7.4at%In-1.2at%Y] を成膜した。スパッタリング・ターゲットとしては、6インチのSn基合金記録層4と同一組成のものを用いた。スパッタリング成膜条件は、各例とも共通して、到達真空度:3.0×10-6Torr以下(1Torr=133.3Pa)、Arガス圧:4mTorr、スパッタパワー:100Wとした。
この記録層4の上部に、紫外線硬化型樹脂(日本化薬社製の商品名「BRD-130」)をスピンコートした後、紫外線硬化させて膜厚100±15μmの光透過層6を形成した。
(記録再生信号評価)
光ディスク記録再生信号評価には、光ディスク評価装置(パルステック社製の商品名「ODU−1000」、記録レーザ波長:405nm、NA(開口数):0.85)を用いた。また、記録ストラテジは(N−1)ストラテジを用い、イングルーブ記録とオングルーブ記録の各々で記録ストラテジを最適化した。
この光ディスク記録再生信号評価結果として、図6にイングルーブ記録時の記録再生特性の平均溝幅(半値幅)Wの依存性を、図7にオングルーブ記録時の記録再生特性の平均溝幅(半値幅)Wの依存性を各々示す。
(イングルーブ記録での評価)
図6の通り、イングルーブ記録時には、100 nm以上、160 nm以下の平均溝幅である140nm (0.14μm : 黒い小菱形印、太い点線)、160nm(0.16μm : 黒い小四角印、細かい点線)と、平均溝幅を比較的狭くすることによりで記録感度が向上し、ジッタ―値が改善されることが分かる。
一方、180nm (0.18μm : 黒い小三角印、太い実線)、200nm (0.2 μm : 黒い大四角印、一点鎖線)と、160 nmを越えて平均溝幅を大きくした場合には、記録感度は向上せず、ジッタ―値が改善されないことも確認できる。したがって、光情報記録媒体が前記案内溝内に信号を記録するイングルーブ記録の場合には、前記案内溝幅を半値幅で100 nm以上、160 nm以下の平均溝幅とする意義が裏付けられる。
(オングルーブ記録での評価)
他方、図7の通り、オングルーブ記録の場合にはランド幅の増加に伴い記録感度の向上、ジッタ―値の改善が観測され、イングルーブ記録の特性とは逆の関係にある。即ち、図7の通り、オングルーブ記録時には、160 nm以上、200nm 以下の平均溝幅である160 nm(0.16μm : 黒い小三角印、太い点線)、180nm (0.18μm : 黒い大四角印、太い実線)と、平均溝幅を比較的大きくすることによりで記録感度が向上し、ジッタ―値が改善されることが確認できる。
一方、120nm (0.12μm : 黒い小菱形印、細かい点線)、140nm (0.14μm : 黒い小四角印、一点鎖線)と、160 nm未満に平均溝幅を狭くした場合には、記録感度は向上せず、ジッタ―値が改善されないことも確認できる。したがって、光情報記録媒体が前記案内溝と案内溝との間に信号を記録するオングルーブ記録の場合には、前記案内溝幅を半値幅で160 nm以上、200nm 以下の平均溝幅とする意義が裏付けられる。
(実施例2)
実施例1と同じように、幅W(半値幅)を種々変えた案内溝を設けたポリカーボネート基板上の記録層(記録膜)をIn基合金[In-20at%Co]としたディスクを準備した。これらのディスクのジッタ―値を実施例1と同じ条件で測定して、ディスクの記録感度(記録再生特性)を評価した。
これらの結果を図8、9に示す。図8はイングルーブ記録時の記録再生特性の平均溝幅(半値幅)Wの依存性を、図9はオングルーブ記録時の記録再生特性の平均溝幅(半値幅)Wの依存性を各々示す。
準備したディスクの案内溝は、実施例1と同じく、図5のように、基板1表面の円周方向に同心円状に一定ピッチTpで複数本施した。上記記録層の成膜において、DCマグネトロンスパッタリングは、6インチの純InターゲットにCoチップを置くことで、記録層を上記In基合金組成とした。他の成膜条件は実施例1と同じとした。なお、これら準備したディスクには、誘電体層3と光透過層6とは設けなかった。
準備したディスクは、実施例1と同じく、共通して、トラックピッチTp:0.32μm、案内溝平均深さD:25nmとした。その上で、平均溝幅(但し平均半値幅W)は、イングルーブ記録で140nm 、160nm 、180nm 、200nm の4種類を設け、オングルーブ記録で120nm 、140nm 、160nm 、180nm の4種類を設けた。この溝幅に対応するランド幅は、溝幅が120nm で200nm 、140nm で180nm 、160nm で160nm 、180nm で140nm 、200nm で120nm と各々なる。
(イングルーブ記録での評価)
図8の通り、イングルーブ記録時には、100 nm以上、160 nm以下の平均溝幅である140nm (0.14μm : 黒い小菱形印、太い実線)、160nm (0.16μm : 白い小菱形印、細かい点線)と、平均溝幅を比較的狭くすることによりで記録感度が向上し、ジッタ―値が改善されることが分かる。
一方、180nm (0.18μm : 黒い小三角印、細かい点線)、200nm (0.2 μm : 白い大四角印、細かい点線)と、160 nmを越えて平均溝幅を大きくした場合には、記録感度は向上せず、ジッタ―値が改善されないことも確認できる。したがって、光情報記録媒体が前記案内溝内に信号を記録するイングルーブ記録の場合には、前記案内溝幅を半値幅で100 nm以上、160 nm以下の平均溝幅とする意義が、実施例1と同様に、この実施例2からも裏付けられる。
(オングルーブ記録での評価)
他方、図9の通り、オングルーブ記録の場合にはランド幅の増加に伴い記録感度の向上、ジッタ―値の改善が観測され、イングルーブ記録の特性とは逆の関係にある。即ち、図9の通り、オングルーブ記録時には、160 nm以上、200nm 以下の平均溝幅である160 nm(0.16μm : 白い小三角印、細かい点線)、180nm (0.18μm : 黒い大四角印、太い実線)と、平均溝幅を比較的大きくすることによりで記録感度が向上し、ジッタ―値が改善されることが確認できる。
一方、120nm (0.12μm : 黒い小菱形印、細かい一点鎖線)、140nm (0.14μm : 黒い小四角印、細かい点線)と、160 nm未満に平均溝幅を狭くした場合には、記録感度は向上せず、ジッタ―値が改善されないことも確認できる。したがって、光情報記録媒体が前記案内溝と案内溝との間に信号を記録するオングルーブ記録の場合には、前記案内溝幅を半値幅で160 nm以上、200nm 以下の平均溝幅とする意義が、実施例1と同様に、この実施例2からも裏付けられる。
本発明によれば、優れた記録感度やジッタ―値を保証するために、案内溝の溝幅を最適化させた、金属記録膜を有する光情報記録媒体を提供することができる。この結果、本発明の光情報記録媒体は、現行のCD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)、次世代の光情報記録媒体(HDDVDやBlu-ray Disc)として用いられ、特に、青紫色のレーザを用いる追記型の高密度光情報記録媒体として好適に用いられる。
本発明光情報記録媒体の一実施態様を示す断面模式図である。 本発明光情報記録媒体の他の実施態様を示す断面模式図である。 本発明光情報記録媒体の他の実施態様を示す断面模式図である。 本発明光情報記録媒体の他の実施態様を示す断面模式図である。 光ディスクの代表的な断面を模式的に示す斜視図である。 イングルーブ記録時の記録再生特性の平均溝幅Wの依存性を示す特性図である。 オングルーブ記録時の記録再生特性の平均溝幅Wの依存性を示す特性図である。 イングルーブ記録時の記録再生特性の平均溝幅Wの依存性を示す特性図である。 オングルーブ記録時の記録再生特性の平均溝幅Wの依存性を示す特性図である。
符号の説明
1、11:支持基板、2:光学調整層、3、5:誘電体層、
4、13:記録層、6:光透過層、7A、7B:記録層群、8:中間層、
9:接着剤層、10:光ディスク、12:案内溝、14:溝の内部、
15:ランド部、16:対物レンズ、17:光ビーム、

Claims (5)

  1. 表面に案内溝を形成した基板上に、光ビームの照射により記録マークが形成される金属系記録層を有する光情報記録媒体であって、前記案内溝が半値幅で100 nm以上、200 nm以下の平均溝幅を有することを特徴とする光情報記録媒体。
  2. 前記光情報記録媒体が前記案内溝内に信号を記録するイングルーブ記録であり、前記案内溝が半値幅で100 nm以上、160 nm以下の平均溝幅を有する請求項1に記載の光情報記録媒体。
  3. 前記光情報記録媒体が前記案内溝と案内溝との間に信号を記録するオングルーブ記録であり、前記案内溝が半値幅で160 nm以上、200nm 以下の平均溝幅を有する請求項1に記載の光情報記録媒体。
  4. 前記金属系記録層がSn基合金またはIn基合金からなる請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光情報記録媒体。
  5. 前記金属系記録層が5 nm以上30 nm以下の平均膜厚を有する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光情報記録媒体。
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