JP2007333000A - 一方向クラッチ - Google Patents
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Abstract
【課題】スタータの脱着を必要とすることなく、良好な潤滑性を長期に渡って保持できるクラッチを提供する。
【解決手段】クラッチアウタは、アウタ本体10aと積層プレス品10bとに分割して設けられている。積層プレス品10bは、複数枚の成形板20を重ね合わせて構成され、アウタ本体10aの内周に固定される。成形板20は、プレス機によって外形が円形に切り取られ、且つ内形がカム面及びスプリング室の形状に打ち抜かれている。この成形板20には、剪断面の角部に「プレスだれ」が発生する。そこで、複数枚の成形板20を積層してカム面を形成することにより、それぞれの成形板20に生じる「プレスだれ」とローラ9との間に隙間が生じるため、これらの隙間をグリス溜めとして利用することにより、良好な潤滑性を長期に渡って保つことが可能である。
【選択図】図2
【解決手段】クラッチアウタは、アウタ本体10aと積層プレス品10bとに分割して設けられている。積層プレス品10bは、複数枚の成形板20を重ね合わせて構成され、アウタ本体10aの内周に固定される。成形板20は、プレス機によって外形が円形に切り取られ、且つ内形がカム面及びスプリング室の形状に打ち抜かれている。この成形板20には、剪断面の角部に「プレスだれ」が発生する。そこで、複数枚の成形板20を積層してカム面を形成することにより、それぞれの成形板20に生じる「プレスだれ」とローラ9との間に隙間が生じるため、これらの隙間をグリス溜めとして利用することにより、良好な潤滑性を長期に渡って保つことが可能である。
【選択図】図2
Description
本発明は、スタータに使用される一方向クラッチに関する。
従来、スタータに使用されるローラ式の一方向クラッチが知られている。この一方向クラッチは、クラッチアウタのカム面に沿ってローラが転動するため、カム面のグリスが押し退けられ易く、潤滑性が低下する恐れがある。この潤滑性の低下によりローラの焼き付きが発生する、あるいはローラの磨耗が促進されると、トルク伝達時にクラッチアウタとクラッチインナとが正常にロックすることが出来ず、その結果、円滑なエンジン始動が困難な場合があった。
そこで、特許文献1には、クラッチカバーにグリス補給用の小孔を設けた一方向クラッチが提案されている。
実開昭63−190625号公報
そこで、特許文献1には、クラッチカバーにグリス補給用の小孔を設けた一方向クラッチが提案されている。
ところが、特許文献1に記載された従来技術では、グリスを補充する際にスタータの脱着が必要となるため、多大な手間を要する。また、クラッチカバーに小孔を設けたことで、カム室に封入したグリスが小孔より流出する、あるいは、小孔から水やダスト等がカム室に入り込む恐れがあり、良好な潤滑性を長期に渡って保持することが困難であった。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、スタータの脱着を必要とすることなく、良好な潤滑性を長期に渡って保持できる一方向クラッチを提供することにある。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、スタータの脱着を必要とすることなく、良好な潤滑性を長期に渡って保持できる一方向クラッチを提供することにある。
(請求項1の発明)
本発明は、クラッチアウタの内周にカム室が形成され、このカム室に配設されるローラを介してクラッチアウタからクラッチインナへトルク伝達を行うと共に、クラッチインナからクラッチアウタへのトルク伝達を遮断するスタータ用の一方向クラッチにおいて、クラッチアウタは、ローラが転動するカム室の内周面にグリス溝が形成されていることを特徴とする。
上記の構成によれば、カム室の内周面にグリス溝を形成しているので、カム室の内周面を転動するローラによってグリスが飛散する(押し退けられる)ことを抑制でき、良好な潤滑性を長期に渡って保つことができる。
本発明は、クラッチアウタの内周にカム室が形成され、このカム室に配設されるローラを介してクラッチアウタからクラッチインナへトルク伝達を行うと共に、クラッチインナからクラッチアウタへのトルク伝達を遮断するスタータ用の一方向クラッチにおいて、クラッチアウタは、ローラが転動するカム室の内周面にグリス溝が形成されていることを特徴とする。
上記の構成によれば、カム室の内周面にグリス溝を形成しているので、カム室の内周面を転動するローラによってグリスが飛散する(押し退けられる)ことを抑制でき、良好な潤滑性を長期に渡って保つことができる。
(請求項2の発明)
本発明は、クラッチアウタの内周にカム室が形成され、このカム室に配設されるローラを介してクラッチアウタからクラッチインナへトルク伝達を行うと共に、クラッチインナからクラッチアウタへのトルク伝達を遮断するスタータ用の一方向クラッチにおいて、クラッチアウタは、ローラが転動するカム室の内周面(カム面と呼ぶ)が、プレス機によりカム面の形状に剪断された複数枚の成形板を積層して形成されていることを特徴とする。 プレス機により剪断された成形板の角部には、一般に「プレスだれ」と呼ばれるR形状が発生する。そこで、プレス機により剪断された複数枚の成形板を積層してカム面を形成すると、それぞれの成形板に生じる「プレスだれ」とローラとの間に隙間が生じる。この隙間をグリス溜めとして利用することにより、グリスの飛散を防止でき、長期に渡り良好な潤滑性を保持できる。
本発明は、クラッチアウタの内周にカム室が形成され、このカム室に配設されるローラを介してクラッチアウタからクラッチインナへトルク伝達を行うと共に、クラッチインナからクラッチアウタへのトルク伝達を遮断するスタータ用の一方向クラッチにおいて、クラッチアウタは、ローラが転動するカム室の内周面(カム面と呼ぶ)が、プレス機によりカム面の形状に剪断された複数枚の成形板を積層して形成されていることを特徴とする。 プレス機により剪断された成形板の角部には、一般に「プレスだれ」と呼ばれるR形状が発生する。そこで、プレス機により剪断された複数枚の成形板を積層してカム面を形成すると、それぞれの成形板に生じる「プレスだれ」とローラとの間に隙間が生じる。この隙間をグリス溜めとして利用することにより、グリスの飛散を防止でき、長期に渡り良好な潤滑性を保持できる。
(請求項3の発明)
請求項2に記載した一方向クラッチにおいて、複数枚の成形板は、径方向の中心からカム面を形成する内周までの距離が異なる第1の成形板と第2の成形板とを有することを特徴とする。
例えば、第2の成形板の方が第1の成形板より、径方向の中心からカム面を形成する内周までの距離が大きい場合は、第2の成形板の内周とローラとの間に「プレスだれ」より大きな隙間を設けることができ、この隙間をグリス溜めとして利用できる。これにより、グリスの保持効果が大幅に向上するため、長期に渡り良好な潤滑性を保持できる。
請求項2に記載した一方向クラッチにおいて、複数枚の成形板は、径方向の中心からカム面を形成する内周までの距離が異なる第1の成形板と第2の成形板とを有することを特徴とする。
例えば、第2の成形板の方が第1の成形板より、径方向の中心からカム面を形成する内周までの距離が大きい場合は、第2の成形板の内周とローラとの間に「プレスだれ」より大きな隙間を設けることができ、この隙間をグリス溜めとして利用できる。これにより、グリスの保持効果が大幅に向上するため、長期に渡り良好な潤滑性を保持できる。
(請求項4の発明)
請求項3に記載した一方向クラッチにおいて、複数枚の成形板は、第1の成形板と第2の成形板とを交互に配置して積層されることを特徴とする。
この場合、カム面の幅方向(回転方向と直交する軸方向)に複数のグリス溜めを略等間隔に設けることができる。その結果、グリスの偏りを防止でき、ローラの摺動面を均等に潤滑できるので、潤滑性が向上する。
請求項3に記載した一方向クラッチにおいて、複数枚の成形板は、第1の成形板と第2の成形板とを交互に配置して積層されることを特徴とする。
この場合、カム面の幅方向(回転方向と直交する軸方向)に複数のグリス溜めを略等間隔に設けることができる。その結果、グリスの偏りを防止でき、ローラの摺動面を均等に潤滑できるので、潤滑性が向上する。
(請求項5の発明)
請求項2〜4に記載した何れかの一方向クラッチにおいて、クラッチアウタは、複数枚の成形板を積層してカム面を形成する積層プレス品と、この積層プレス品の外周に嵌合するアウタ本体とに分割して設けられていることを特徴とする。
この場合、アウタ本体にカム面を形成する必要がないので、例えば、アウタ本体を冷間鍛造により製造する際に、使用される鍛造型を単純な形状にでき、低コスト化が可能となる。また、複雑な形状のカム面を積層プレス品で形成するので、例えば、冷間鍛造によってカム面を形成する場合と比較して、カム面の製造も容易である。
さらに、カム面を積層プレス品により形成するので、熱処理歪みによるクラッチアウタの口開きが無く、カム面の軸方向に対しローラの片当たりを防止できる。
請求項2〜4に記載した何れかの一方向クラッチにおいて、クラッチアウタは、複数枚の成形板を積層してカム面を形成する積層プレス品と、この積層プレス品の外周に嵌合するアウタ本体とに分割して設けられていることを特徴とする。
この場合、アウタ本体にカム面を形成する必要がないので、例えば、アウタ本体を冷間鍛造により製造する際に、使用される鍛造型を単純な形状にでき、低コスト化が可能となる。また、複雑な形状のカム面を積層プレス品で形成するので、例えば、冷間鍛造によってカム面を形成する場合と比較して、カム面の製造も容易である。
さらに、カム面を積層プレス品により形成するので、熱処理歪みによるクラッチアウタの口開きが無く、カム面の軸方向に対しローラの片当たりを防止できる。
本発明を実施するための最良の形態を以下の実施例により詳細に説明する。
図1(a)は一方向クラッチの軸方向正面図、同図(b)は一方向クラッチの半断面図(A−A断面図)である。
実施例1に示す一方向クラッチ(以下クラッチ1と呼ぶ)は、例えば、図5に示すスタータ2に用いられる。
このスタータ2は、回転力を発生するモータ3と、このモータ3の回転を減速する減速装置4と、この減速装置4を介してモータ3の駆動トルクが伝達される出力軸5と、この出力軸5の外周にクラッチ1と一体化して配置されるピニオン6と、シフトレバー7を介してクラッチ1とピニオン6を反モータ方向(図5の左方向)へ押し出す働きを有すると共に、モータ回路に設けられるメイン接点(図示せず)を開閉する電磁スイッチ8等より構成される。
実施例1に示す一方向クラッチ(以下クラッチ1と呼ぶ)は、例えば、図5に示すスタータ2に用いられる。
このスタータ2は、回転力を発生するモータ3と、このモータ3の回転を減速する減速装置4と、この減速装置4を介してモータ3の駆動トルクが伝達される出力軸5と、この出力軸5の外周にクラッチ1と一体化して配置されるピニオン6と、シフトレバー7を介してクラッチ1とピニオン6を反モータ方向(図5の左方向)へ押し出す働きを有すると共に、モータ回路に設けられるメイン接点(図示せず)を開閉する電磁スイッチ8等より構成される。
クラッチ1は、図1に示す様に、ローラ9を介してクラッチアウタ10とクラッチインナ11との間でトルク伝達を断続するローラ式クラッチである。
クラッチアウタ10は、出力軸5の外周にヘリカルスプライン嵌合するスプラインチューブ12と一体に設けられ、エンジン始動時に出力軸5の回転が伝達されて回転する。
クラッチアウタ10の内周には、図1(a)に示す様に、クラッチインナ11の外周面との間に複数のカム室13とスプリング室14とが形成され、複数のカム室13にそれぞれローラ9が配設される。なお、カム室13は、クラッチインナ11との間に形成される隙間が、周方向の一方側から他方側へ向かって次第に狭くなるくさび状に形成され、且つ周方向の一方側では、ローラ9の外径より少し大きく形成され、周方向の他方側ではローラ9の外径より少し小さく形成されている。
クラッチアウタ10は、出力軸5の外周にヘリカルスプライン嵌合するスプラインチューブ12と一体に設けられ、エンジン始動時に出力軸5の回転が伝達されて回転する。
クラッチアウタ10の内周には、図1(a)に示す様に、クラッチインナ11の外周面との間に複数のカム室13とスプリング室14とが形成され、複数のカム室13にそれぞれローラ9が配設される。なお、カム室13は、クラッチインナ11との間に形成される隙間が、周方向の一方側から他方側へ向かって次第に狭くなるくさび状に形成され、且つ周方向の一方側では、ローラ9の外径より少し大きく形成され、周方向の他方側ではローラ9の外径より少し小さく形成されている。
クラッチインナ11は、ピニオン6と一体に設けられ、出力軸5の外周に軸受15(図5参照)を介して回転自在及び軸方向に摺動自在に嵌合している。
ローラ9は、スプリング室14に配設されるスプリング16によってカム室13の狭小方向〔図1(a)の反時計回転方向〕へ付勢されている。このローラ9は、出力軸5の回転を受けてクラッチアウタ10が回転すると、カム室13の内周面(カム面13aと呼ぶ)とクラッチインナ11の外周面との間にロックされて、クラッチアウタ10の回転をクラッチインナ11へ伝達する。
また、ピニオン6がエンジンにより回されると、ローラ9がスプリング16を押し縮めながらカム室13の広大方向に移動して空転することにより、クラッチインナ11からクラッチアウタ10へのトルク伝達を遮断する。
ローラ9は、スプリング室14に配設されるスプリング16によってカム室13の狭小方向〔図1(a)の反時計回転方向〕へ付勢されている。このローラ9は、出力軸5の回転を受けてクラッチアウタ10が回転すると、カム室13の内周面(カム面13aと呼ぶ)とクラッチインナ11の外周面との間にロックされて、クラッチアウタ10の回転をクラッチインナ11へ伝達する。
また、ピニオン6がエンジンにより回されると、ローラ9がスプリング16を押し縮めながらカム室13の広大方向に移動して空転することにより、クラッチインナ11からクラッチアウタ10へのトルク伝達を遮断する。
なお、ローラ9及びスプリング16は、図2に示す様に、カム室13の開放側(図示左側)に配置される第1のワッシャ17によって抜け止めが行われ、この第1のワッシャ17の外側に重ねて配置される第2のワッシャ18によってクラッチインナ11の抜け止めが行われる。また、第1のワッシャ17と第2のワッシャ18は、クラッチアウタ10の外周に被せられるクラッチカバー19により保持されている。
続いて、本発明に係るクラッチアウタ10の構成について説明する。
上記のクラッチアウタ10は、図1に示す様に、スプラインチューブ12と一体に設けられたアウタ本体10aと、カム面13aを形成する積層プレス品10bとに分割して設けられている。
アウタ本体10aは、例えば、冷間鍛造によりスプラインチューブ12と一体に製造され、積層プレス品10bの外周に嵌合する円筒形状に設けられている。
積層プレス品10bは、同一形状にプレス成形された複数枚(本実施例では10枚)の成形板20を重ね合わせて構成され、アウタ本体10aの内周に固定される。
成形板20は、図4(a)に示す様に、プレス機によって外形が円形に切り取られ、且つ内形がカム面13a及びスプリング室14の形状に打ち抜かれている。
上記のクラッチアウタ10は、図1に示す様に、スプラインチューブ12と一体に設けられたアウタ本体10aと、カム面13aを形成する積層プレス品10bとに分割して設けられている。
アウタ本体10aは、例えば、冷間鍛造によりスプラインチューブ12と一体に製造され、積層プレス品10bの外周に嵌合する円筒形状に設けられている。
積層プレス品10bは、同一形状にプレス成形された複数枚(本実施例では10枚)の成形板20を重ね合わせて構成され、アウタ本体10aの内周に固定される。
成形板20は、図4(a)に示す様に、プレス機によって外形が円形に切り取られ、且つ内形がカム面13a及びスプリング室14の形状に打ち抜かれている。
(実施例1の効果)
プレス機で打ち抜かれた成形板20は、図3に示す様に、カム面13aの形状に打ち抜かれた角部に「プレスだれ」と呼ばれるR形状が発生する。そこで、複数枚の成形板20を積層してカム面13aを形成することにより、それぞれの成形板20に生じる「プレスだれ」とローラ9との間に隙間が生じるため、これらの隙間をグリス溜め21として利用できる。その結果、カム面13aを転動するローラ9によってグリスが飛散する(押し退けられる)ことを抑制でき、良好な潤滑性を長期に渡って保つことができる。
上記の構成によれば、特許文献1に示される公知技術の様に、クラッチカバー19にグリス補給用の小孔を開ける必要がないため、グリスの流出を防止できると共に、水やダスト等がカム室13に入り込む恐れもない。また、長期に渡ってカム室13にグリスを補充する必要がないので、スタータ2を脱着する手間を省くことができる。
プレス機で打ち抜かれた成形板20は、図3に示す様に、カム面13aの形状に打ち抜かれた角部に「プレスだれ」と呼ばれるR形状が発生する。そこで、複数枚の成形板20を積層してカム面13aを形成することにより、それぞれの成形板20に生じる「プレスだれ」とローラ9との間に隙間が生じるため、これらの隙間をグリス溜め21として利用できる。その結果、カム面13aを転動するローラ9によってグリスが飛散する(押し退けられる)ことを抑制でき、良好な潤滑性を長期に渡って保つことができる。
上記の構成によれば、特許文献1に示される公知技術の様に、クラッチカバー19にグリス補給用の小孔を開ける必要がないため、グリスの流出を防止できると共に、水やダスト等がカム室13に入り込む恐れもない。また、長期に渡ってカム室13にグリスを補充する必要がないので、スタータ2を脱着する手間を省くことができる。
また、クラッチアウタ10をアウタ本体10aと積層プレス品10bとに分割したことにより、アウタ本体10aに複雑な形状のカム面13aを形成する必要がないので、アウタ本体10aを冷間鍛造により製造する際に、使用される鍛造型を単純な形状に設計できる。
さらに、カム面13aを積層プレス品10bで形成するので、例えば、冷間鍛造によってカム面13aを形成する場合と比較して、カム面13aの製造も容易であり、製造コストを低減できる。
クラッチアウタ10をアウタ本体10aと積層プレス品10bとに分割することなく、従来通り一体に製造する場合は、熱処理歪みにより、カム室13の開放側が径方向外側に開く(口開きと呼ぶ)ことがあるが、本実施例では、カム面13aを積層プレス品10bによって形成しているので、熱処理歪みによる口開きが無く、カム面13aの軸方向に対しローラ9の片当たりを防止できる効果もある。
さらに、カム面13aを積層プレス品10bで形成するので、例えば、冷間鍛造によってカム面13aを形成する場合と比較して、カム面13aの製造も容易であり、製造コストを低減できる。
クラッチアウタ10をアウタ本体10aと積層プレス品10bとに分割することなく、従来通り一体に製造する場合は、熱処理歪みにより、カム室13の開放側が径方向外側に開く(口開きと呼ぶ)ことがあるが、本実施例では、カム面13aを積層プレス品10bによって形成しているので、熱処理歪みによる口開きが無く、カム面13aの軸方向に対しローラ9の片当たりを防止できる効果もある。
図6はクラッチ1の要部断面図である。
この実施例2に示すクラッチ1は、2種類の成形板20(20a、20b)で構成される積層プレス品10bの一例である。即ち、積層プレス品10bは、径方向の中心からカム面13aを形成する内周までの距離が異なる第1の成形板20aと第2の成形板20bとで構成される。
第1の成形板20aは、実施例1に記載した成形板20と同一形状に形成されている。つまり、径方向の中心からカム面13aを形成する内周までの距離が、実施例1に記載した成形板20と同じである。一方、第2の成形板20bは、第1の成形板20aより、径方向の中心からカム面13aを形成する内周までの距離が少し大きく形成されている。
第1の成形板20aと第2の成形板20bは、図6に示す様に、1枚毎に交互に重ね合わされて積層プレス品10bを構成し、アウタ本体10aの内周に固定されている。
この実施例2に示すクラッチ1は、2種類の成形板20(20a、20b)で構成される積層プレス品10bの一例である。即ち、積層プレス品10bは、径方向の中心からカム面13aを形成する内周までの距離が異なる第1の成形板20aと第2の成形板20bとで構成される。
第1の成形板20aは、実施例1に記載した成形板20と同一形状に形成されている。つまり、径方向の中心からカム面13aを形成する内周までの距離が、実施例1に記載した成形板20と同じである。一方、第2の成形板20bは、第1の成形板20aより、径方向の中心からカム面13aを形成する内周までの距離が少し大きく形成されている。
第1の成形板20aと第2の成形板20bは、図6に示す様に、1枚毎に交互に重ね合わされて積層プレス品10bを構成し、アウタ本体10aの内周に固定されている。
上記の構成によれば、第2の成形板20bの内周とローラ9との間に「プレスだれ」より大きな隙間を設けることができ、この隙間をグリス溜め22として利用できる。これにより、グリスの保持効果が大幅に向上するため、長期に渡り良好な潤滑性を保持できる。 また、第1の成形板20aと第2の成形板20bとを交互に配置することにより、カム面13aの幅方向(図示左右方向)に複数のグリス溜め22を略等間隔に設けることができる。その結果、グリスの偏りを防止でき、ローラ9の摺動面を均等に潤滑できるので、潤滑性が向上する。
(変形例)
実施例1及び実施例2に記載したクラッチアウタ10は、アウタ本体10aと積層プレス品10bとに分割した構成であるが、アウタ本体10aも積層プレス品10bで構成することも可能である。
また、実施例1及び実施例2では、クラッチアウタ10のカム面13aをプレス成形された成形板20(20a、20b)で構成することにより、カム面13aにグリス溜め21(22)を形成しているが、成形板20を使用することなく、従来と同様のクラッチアウタ10のカム面13aにグリス溝を形成しても良い。
実施例1及び実施例2に記載したクラッチアウタ10は、アウタ本体10aと積層プレス品10bとに分割した構成であるが、アウタ本体10aも積層プレス品10bで構成することも可能である。
また、実施例1及び実施例2では、クラッチアウタ10のカム面13aをプレス成形された成形板20(20a、20b)で構成することにより、カム面13aにグリス溜め21(22)を形成しているが、成形板20を使用することなく、従来と同様のクラッチアウタ10のカム面13aにグリス溝を形成しても良い。
1 一方向クラッチ
2 スタータ
9 ローラ
10 クラッチアウタ
10a アウタ本体
11 クラッチインナ
13 カム室
13a カム面(ローラが転動するカム室の内周面)
20 成形板
20a 第1の成形板
20b 第2の成形板
2 スタータ
9 ローラ
10 クラッチアウタ
10a アウタ本体
11 クラッチインナ
13 カム室
13a カム面(ローラが転動するカム室の内周面)
20 成形板
20a 第1の成形板
20b 第2の成形板
Claims (5)
- クラッチアウタの内周にカム室が形成され、このカム室に配設されるローラを介して前記クラッチアウタからクラッチインナへトルク伝達を行うと共に、前記クラッチインナから前記クラッチアウタへのトルク伝達を遮断するスタータ用の一方向クラッチにおいて、 前記クラッチアウタは、前記ローラが転動する前記カム室の内周面にグリス溝が形成されていることを特徴とする一方向クラッチ。
- クラッチアウタの内周にカム室が形成され、このカム室に配設されるローラを介して前記クラッチアウタからクラッチインナへトルク伝達を行うと共に、前記クラッチインナから前記クラッチアウタへのトルク伝達を遮断するスタータ用の一方向クラッチにおいて、 前記クラッチアウタは、前記ローラが転動する前記カム室の内周面(カム面と呼ぶ)が、プレス機により前記カム面の形状に剪断された複数枚の成形板を積層して形成されていることを特徴とする一方向クラッチ。
- 請求項2に記載した一方向クラッチにおいて、
前記複数枚の成形板は、径方向の中心から前記カム面を形成する内周までの距離が異なる第1の成形板と第2の成形板とを有することを特徴とする一方向クラッチ。 - 請求項3に記載した一方向クラッチにおいて、
前記複数枚の成形板は、前記第1の成形板と前記第2の成形板とを交互に配置して積層されることを特徴とする一方向クラッチ。 - 請求項2〜4に記載した何れかの一方向クラッチにおいて、
前記クラッチアウタは、前記複数枚の成形板を積層して前記カム面を形成する積層プレス品と、この積層プレス品の外周に嵌合するアウタ本体とに分割して設けられていることを特徴とする一方向クラッチ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006162493A JP2007333000A (ja) | 2006-06-12 | 2006-06-12 | 一方向クラッチ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006162493A JP2007333000A (ja) | 2006-06-12 | 2006-06-12 | 一方向クラッチ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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ID=38932670
Family Applications (1)
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Country Status (1)
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JP (1) | JP2007333000A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020133868A (ja) * | 2019-02-26 | 2020-08-31 | 日本精工株式会社 | 逆入力遮断クラッチ |
-
2006
- 2006-06-12 JP JP2006162493A patent/JP2007333000A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020133868A (ja) * | 2019-02-26 | 2020-08-31 | 日本精工株式会社 | 逆入力遮断クラッチ |
JP7188177B2 (ja) | 2019-02-26 | 2022-12-13 | 日本精工株式会社 | 逆入力遮断クラッチ |
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