JP2007331881A - エレベータの巻上機装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却効果の向上を図ることのできるエレベータの巻上機装置の提供。
【解決手段】巻上機1の両外側位置にシーブ2およびブレーキドラム3を巻上機1の回転軸1aに嵌合して設けるとともに、シーブ2およびブレーキドラム3は、ボス部からリム部に放射状に亘るアームが回転軸線状に対して傾斜したフィン状とされて送風作用をなすエレベータの巻上機装置において、巻上機1を、永久磁石からなる回転子およびこの回転子に対向する固定子を有する永久磁石式電動機とするとともに、巻上機1を所定の間隙を介して覆い、かつシーブ2およびブレーキドラム3に向かってその両端が開放されたフード4を備え、シーブ2およびブレーキドラム3の回転に応じて発生した送風をフード4により案内し、巻上機1とフード4との間の間隙に送風を送り込むことにより、送風が拡散することを防ぐとともに送風の流動速度を向上させ、冷却効果の向上を図るものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、シーブにロープを巻き掛けて負荷を牽引するエレベータの巻上機装置に関するものである。
近年、機械室レスエレベータが主流になり、昇降路内に巻上機を設置するようになってきた。このため巻上機の小型化が図られるようになったが、これに伴い巻上機の温度上昇が問題となっている。このような巻上機の温度上昇低減のため、従来、巻上機の両外側位置の一方にシーブを、他方にブレーキドラムをそれぞれ巻上機の回転軸に嵌合して設けるとともに、シーブおよびブレーキドラムは、それぞれのボス部からリム部に放射状に亘るアームが回転軸線状に対して傾斜したフィン状とされ、送風作用をもたせたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭61−55080号公報
前述した従来の巻上機装置は、巻上機自体が誘導電動機からなるものに適用されるときその冷却効果を発揮するものであった。すなわち、誘導電動機は構造上、装置の外側から内部にかけて間隙を有するものであることから、フィン状にされたシーブおよびブレーキドラムの回転に応じた送風は電動機内部に達し、巻上機の温度上昇を低減するもであった。しかしながら、近時、巻上機を、永久磁石からなる回転子およびこの回転子に対向する固定子を有する永久磁石式電動機からなるものとしたエレベータが開発され、このような巻上機の場合、回転子および固定子が塵埃の影響を受けることを防ぐため、回転子および固定子を密閉した構造となっている。このような巻上機に従来のシーブおよびブレーキドラムをフィン状としたものを適用しても十分な冷却効果を発揮することができないという問題があった。
本発明は、前述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、冷却効果の向上を図ることのできるエレベータの巻上機装置を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明は、エレベータの昇降体に連結されるロープが巻き掛けられ、このロープに駆動力を付与し前記昇降体を昇降させる巻上機にあって、この巻上機の両外側位置の一方にシーブを、他方にブレーキドラムをそれぞれ前記巻上機の回転軸に嵌合して設けるとともに、前記シーブおよび前記ブレーキドラムは、少なくとも一方のボス部からリム部に放射状に亘るアームが回転軸線状に対して傾斜したフィン状とされて送風作用をなすエレベータの巻上機装置において、前記巻上機を、永久磁石からなる回転子およびこの回転子に対向する固定子を有する永久磁石式電動機とするとともに、この永久磁石式電動機を所定の間隙を介して覆い、かつ前記シーブおよび前記ブレーキドラムに向かってその両端が開放されたフードを備えたことを特徴としている。
このように構成した本発明は、シーブ或いはブレーキドラムの回転に応じて発生した送風は、フードに案内され、永久磁石式電動機とフードとの間に設けられた所定の間隙を、永久磁石式電動機の外周に沿って一方側から他方側へと流れる。このように永久磁石式電動機とフードとの間の間隙に送風を送り込むことにより、送風が拡散することを防ぐとともに、送風の流動速度を向上させ、しいては冷却効果の向上を図ることができる。
本発明によれば、巻上機とフードとの間に設けられた間隙に送風を送り込む構造とすることにより、回転子および固定子を密閉した永久磁石式電動機を巻上機としたものであっても効果的に冷却することができる。
以下、本発明に係るエレベータの巻上機装置の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は本発明に係るエレベータの巻上機装置の一実施形態を示す側面図、図2は巻上機装置の正面図、図3はシーブの正面図、図4はシーブの側面図、図5は図3のA−A線に沿うシーブの平面図である。
本実施形態の巻上機装置は図1および図2に示すように、永久磁石式電動機からなる巻上機1と、この巻上機1の一方の外側位置に配設され、巻上機1の回転軸1aに嵌合されるシーブ2と、巻上機1の他方の外側位置に配設され、巻上機1の回転軸1aに嵌合されるブレーキドラム3と、巻上機1を所定の間隙を介して覆い、かつシーブ2およびブレーキドラム3に向かってその両端が開放されたフード4とを備えており、シーブ2に、図示しない昇降体に連結されるロープが巻き掛けられ、このロープに駆動力を付与し昇降体を昇降させるようになっている。
また、前述の巻上機1は、図示しない永久磁石からなる回転子およびこの回転子に対向する固定子を有している。
さらに、前述のシーブ2は図3〜図5に示すように、ボス部2aからリム部2bに放射状に亘るアーム2cが回転軸線状に対して傾斜したフィン状となっており、回転に応じて送風作用をなすようになっている。
また、前述のブレーキドラム3も、図示しないがシーブ2と同様にボス部からリム部に放射状に亘るアームが回転軸線状に対して傾斜したフィン状となっており、回転に応じて送風作用をなすようになっている。なお、シーブ2のアーム2cとブレーキドラム3のアームは同一方向に傾斜しており、シーブ2およびブレーキドラム3が回転したときに同一方向に送風を発生させるものとなっている。
本実施形態にあっては、例えば昇降体を上昇させるため巻上機1が時計回りに回転すると、巻上機1と同軸に設けられたシーブ2およびブレーキドラム3も同期して時計回りに回転する。そして、こられのシーブ2およびブレーキドラム3の回転に応じて、傾斜したシーブ2のアーム2cおよびブレーキドラム3のアームがフィンの働きをなし、図1の矢印Aに示す方向に送風が発生する。この送風はフード4に案内され、巻上機1とフード4との間に設けられた間隙を巻上機1の外周に沿って流れて、巻上機1を外側から冷却する。一方、昇降体を下降させるため巻上機1が反時計回りに回転すると、シーブ2およびブレーキドラム3も同期して反時計回りに回転し、これに応じて図1の矢印Aに示す方向と逆方向に送風が発生する。この送風はフード4に案内され、巻上機1とフード4との間に設けられた間隙を巻上機1の外周に沿って流れて、巻上機1を外側から冷却する。
本実施形態によれば、巻上機1とフード4との間の間隙に送風を送り込むことにより、送風が拡散することを防ぐとともに、送風の流動速度を向上させ、しいては冷却効果の向上を図ることができる。これによって、回転子および固定子を密閉した永久磁石式電動機を巻上機1としてものであっても効果的に冷却することができる。
なお、本実施形態では、シーブ2のアーム2cおよびブレーキドラム3のアーム(図示せず)のそれぞれを回転軸線状に対して傾斜させフィン状としたが、本発明はこれに限らずシーブのアーム2cおよびブレーキドラムのアーム(図示せず)の一方を回転軸線状に対して傾斜させ送風作用をなすようにしても、ある程度の冷却効果を得ることができる。
本発明に係るエレベータの巻上機装置の一実施形態を示す側面図である。 巻上機装置の正面図である。 シーブの正面図である。 シーブの側面図である。 図3のA−A線に沿うアームの平面図である。
符号の説明
1 巻上機
1a 回転軸
2 シーブ
2a ボス部
2b リム部
2c アーム
3 ブレーキドラム
4 フード

Claims (1)

  1. エレベータの昇降体に連結されるロープが巻き掛けられ、このロープに駆動力を付与し前記昇降体を昇降させる巻上機にあって、この巻上機の両外側位置の一方にシーブを、他方にブレーキドラムをそれぞれ前記巻上機の回転軸に嵌合して設けるとともに、前記シーブおよび前記ブレーキドラムは、少なくとも一方のボス部からリム部に放射状に亘るアームが回転軸線状に対して傾斜したフィン状とされて送風作用をなすエレベータの巻上機装置において、
    前記巻上機を、永久磁石からなる回転子およびこの回転子に対向する固定子を有する永久磁石式電動機とするとともに、この永久磁石式電動機を所定の間隙を介して覆い、かつ前記シーブおよび前記ブレーキドラムに向かってその両端が開放されたフードを備えたことを特徴とするエレベータの巻上機装置。

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