JP2007329989A - 車両用交流発電機の回転子 - Google Patents

車両用交流発電機の回転子 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた高速回転性能を有する磁石介設型ランデル型ロータコアをもつ車両交流発電機の回転子を提供すること。
【解決手段】爪状磁極部124、144の軸方向根元部にて極間磁石15を支持する。これにより、高速回転時における爪状磁極部124、144の先端部の径方向変位の影響が極間磁石15に及ぶのを防止することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両用交流発電機の回転子の改良に関し、特に耐遠心力性に優れる車両用交流発電機の回転子構造に関する。
車両用交流発電機に対する小型軽量大出力化の要求から車両用交流発電機の回転数増大が望まれているが、車両用交流発電機の回転子は良く知られているようにランデル型ロータコア構造をもつため、その回転数増大には限界があった。すなわち、ランデル型ロータコアは一端支持されて軸方向に延在する爪状磁極部をもち、この爪状磁極部の先端部は高速回転時に遠心力により径方向外側に変形するため、高速回転性能には限界が生じ、また爪状磁極部とステータコア内面との間のギャップを増大する必要も生じた。また、上記した一端支持構造の爪状磁極部は、爪状磁極部が一端支持された部を支点として振動しやすいという問題も生じた。
また、近年、性能向上のために周方向に隣接する2つの爪状磁極部の間の隙間に磁石を介在させる磁石介設型ランデル型ロータコア(たとえば下記の特許文献1)が採用されつつあるが、すぐにわかるように上記問題はこの磁石介設型ランデル型ロータコアにおいて一層深刻となる。特に、上記爪の変形により極間磁石に掛かる曲げ応力がセラミック製の極間磁石に深刻な曲げ応力を与えるという問題が派生した。
ランデル型ロータコア特に磁石介設型ランデル型ロータコアにおけるこれらの問題への対策として、ロータコイルの外周面に面する爪状磁極部の径内側の表面をダンパリングを固定して、各爪状磁極部の遠心耐力を改善することや、周方向に隣接する少なくとも2以上の爪状磁極部の軸方向端面同士を補助支持片又は補助リングやファンなど溶接して固定することが特許文献2に提案されている。
また、下記の特許文献3は、一つの爪状磁極部の周方向両側の一対の極間磁石をこの爪状磁極部の根元部の径方向内側を通過する磁石支持部材で連結することにより、極間磁石に作用する遠心力を磁石支持部材を通じて爪状磁極部の根元部により担持することを提案している。
特開平7−123644号公報 特開2001−197712号公報 特開2004−135473号公報
しかしながら、上記した特許文献2又は3による耐遠心性能改善効果には限界があった。以下、この点について更に具体的に説明する。
上記したダンパリング構造では、ダンパリングとその径方向外側の各爪状磁極部との結合が容易ではなかった。典型的な固定は、ダンパリングを爪状磁極部の径内側の表面へ溶接することにより行われるが、溶接信頼性の検査が面倒であり、かっ、溶接熱は、爪状磁極部の磁気特性を劣化させた。更に、ダンパリングの存在は、その径方向内側におけるロータコイル収容量の減少を招く他、ロータコイルの外周面に沿いつつ軸方向に流れる冷却空気量の低減も招いた。
同様に、爪状磁極部の軸方向端面への補助支持片などの溶接も、溶接信頼性の検査工程の増加及び溶接熱による爪状磁極部等の磁気特性劣化問題を派生した。
また、一つの爪状磁極部の周方向両側の一対の極間磁石をこの爪状磁極部の根元部の径方向内側を通過する磁石支持部材で連結する構造は、この磁石支持部材に大きな遠心力が作用するため、大きな抗張力をもつ磁石支持部材を採用する必要がある他、構造が複雑となるという問題があった。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、優れた高速回転性能を有する磁石介設型ランデル型ロータコアをもつ車両交流発電機の回転子を提供することをその目的としている。
上記した課題を解決する各発明は、回転軸に嵌着されたボス部と、前記ボス部の軸方向一端から径方向外側へ延在する第1の柱部と、前記ボス部の軸方向他端から径方向外側へ延在する第2の柱部と、前記第1の柱部から少なくとも軸方向一方向きに突出する複数の第1爪状磁極部と、前記第2の柱部から軸方向他方向きに突出する複数の第2爪状磁極部とを有し、前記第1爪状磁極部及び第2爪状磁極部は略等径位置にて周方向交互に配置されるランデル型ロータコアと、前記第1爪状磁極部及び第2爪状磁極部の径方向内側に位置して前記ボス部に巻装されるロータコイルと、互いに周方向に対面する前記第1爪状磁極部と前記第2爪状磁極部との間の周方向隙間に配置される永久磁石である極間磁石と、前記極間磁石を係止するとともに前記極間磁石の遠心力を前記極間磁石の周方向両側の前記第1爪状磁極部及び第2爪状磁極部にそれぞれ伝達する極間磁石係止部とを有する車両交流発電機の回転子に適用される。この構造の回転子は、磁石介設型ランデル型ロータコアをもつ車両交流発電機の回転子として周知となっている。
第1発明では特に、前記極間磁石係止部が、前記第1爪状磁極部及び第2爪状磁極部の根本部に形成され、かつ、前記第1爪状磁極部及び第2爪状磁極部の先端部に形成されないことを特徴としている。
すなわち、この発明では、極間磁石に生じる遠心力は、その両側の第1爪状磁極部及び第2爪状磁極部の根元部により担持される。なお、極間磁石係止部を第1爪状磁極部又は第2爪状磁極部の中間部すなわち根本部と先端部との間にも形成しても良い。このようにすれば、大きな遠心力が作用してもその変形が小さい爪状磁極部の根元部により極間磁石の遠心力が担持されるため、高速回転時に爪状磁極部の先端部が径方向外側に大きく変形して上記した問題を派生させることを防止でき、高速回転性能に優れた車両交流発電機の回転子を簡素な構造により実現することができる。
好適な態様において、前記極間磁石係止部は、前記第1爪状磁極部の側面及び前記第2爪状磁極部の側面から前記極間磁石の径方向外側へ張り出して前記極間磁石の径方向外側表面に当接する鍔部と、前記極間磁石の径方向外側表面から径方向外側へ突設されて前記第1爪状磁極部及び第2爪状磁極部の根元部における前記鍔部に当接する磁石側段差部とを有する。
すなわち、この態様では、極間磁石の径方向外側表面から径方向外側へ突設される磁石側段差部が、極間磁石の周方向両側の一対の爪状磁極部の側面から極間磁石の磁石側段差部の径方向外側に張り出す鍔部に当接する構造を採用しているため、構造を複雑化することなく極間磁石に生じる遠心力は、極間磁石の実質的に一対の磁石側段差部を通じて極間磁石の周方向両側の爪状磁極部の根元部においてその鍔部にて担持することができる。
好適な態様において、前記極間磁石係止部は、前記第1爪状磁極部の側面及び第2爪状磁極部の側面から前記極間磁石の径方向外側へ張り出して前記極間磁石の径方向外側表面に当接する鍔部を有し、前記鍔部は、前記鍔部の径方向内側表面から径方向内側へ突設されて前記第1爪状磁極部及び第2爪状磁極部の根元部に位置して前記極間磁石の径方向外側表面に当接する爪側段差部を有する。
すなわち、この態様では、爪状磁極部の根元部から極間磁石の径方向外側表面の径方向外側へ突設される爪側段差部が極間磁石の遠心力を担持する構造を採用しているため、構造を複雑化することなく極間磁石に生じる遠心力を極間磁石の周方向両側の爪状磁極部の根元部において担持することができる。
好適な態様において、前記極間磁石係止部は、前記第1爪状磁極部の側面及び前記第2爪状磁極部の側面から前記極間磁石の径方向外側へ張り出して前記極間磁石の径方向外側表面に当接する鍔部と、前記第1爪状磁極部及び第2爪状磁極部の根元部に位置して前記極間磁石の径方向外側表面と前記鍔部の径方向内側表面との間に介設される段差部材とを有する。
すなわち、この態様では、爪状磁極部の根元部から極間磁石の径方向外側表面の径方向外側へ突設される鍔部と極間磁石との間に、極間磁石の遠心力をこの鍔部に伝達する段差部材を介設しているので、構造を複雑化することなく極間磁石に生じる遠心力を極間磁石の周方向両側の爪状磁極部の根元部において担持することができる。
第2発明では特に、前記第1爪状磁極部及び前記極間磁石は、前記第1の柱部と軸方向において重なる位置に配置される。すなわち、この発明によれば、ランデル型ロータコアのボス部の両側から径方向外側に延在する柱部の更に径方向外側に、極間磁石及び第1爪状磁極部の少なくとも一部を配置する。柱部の径方向内側の部分を、ボス部と同様にディスク形状に形成しても良い。このようにすれば、この第1爪状磁極部側の柱部により、極間磁石及び第1爪状磁極部の遠心力を良好に支持することができる。
なお、この発明では、第2爪状磁極部は軸方向に長くなり、その径方向外側への曲げ剛性は低下する。したがって、極間磁石の遠心力の一部がこの第2爪状磁極部は径方向外側へ弾性変形しようとする。しかしながら、極間磁石は、高速回転時でも径方向外側への弾性変形が小さい第1爪状磁極部を通じてその径方向内側の柱部によりその遠心力を支承されるため、極間磁石の遠心力は高速回転時にほとんど第1爪状磁極部により支承されることになる。このため、高速回転時に径方向外側へ曲げ変形しやすい第2爪状磁極部に極間磁石の遠心力が掛かるのを良好に抑止することができる。
好適な態様において、相対的に長い軸方向長をもつ第2爪状磁極部は、その根元部において極間磁石の遠心力を支承する。これにより、上記問題を抑止しつつ極間磁石の安定性を向上することができる。
好適な態様において、前記第1爪状磁極部及び前記極間磁石は、前記第1の柱部の軸方向両側に延在する。このようにすれば、第1爪状磁極部の上記耐遠心力性能を更に向上することができるため、極間磁石の遠心力を更に良好に第1爪状磁極部により支承することができる。
好適な態様において、前記第2爪状磁極部の先端面に嵌合する嵌合部と、前記第2爪状磁極部の周方向両側の前記第1爪状磁極部の基端面又は第2爪状磁極部の先端面に嵌合する嵌合部とを有する非磁性の爪支持部材を有する。このようにすれば、軸方向に長い第2爪状磁極部の先端部の径方向外側への変形を爪支持部材により良好に抑止することができる。特に、この態様では、簡単な構造及び作業により優れた信頼性で第2爪状磁極部を爪支持部材に固定することができる。
第3発明では特に、前記第2爪状磁極部の先端面に嵌合する嵌合部と、前記第2爪状磁極部の周方向両側の前記第1爪状磁極部の基端面又は第2爪状磁極部の先端面に嵌合する嵌合部とを有する非磁性の爪支持部材を有することを特徴としている。すなわち、この発明では、爪状磁極部の先端面を嵌合構造により爪支持部材に固定する。これにより、高速回転時における爪状磁極部の径方向外側への変位を、簡単な構造及び作業により高信頼性で抑止することができる。
好適な態様において、前記爪支持部材は、前記回転軸に嵌着された輪板形状をもつ。すなわち、この態様では、爪支持部材は、輪板形状をなすため、爪状磁極部の軸方向先端部に掛かる遠心力は、爪支持部材により回転軸に支承されることができ、遠心力による爪状磁極部の先端部の径方向外側への変形を良好に抑止することができる。また、爪支持部材の径方向加振力や遠心力の他、周方向加振力も良好に抑止することができる。
好適な態様において、前記爪支持部材は、冷却空気流れを形成する翼板部と、前記翼板部が切り立てられた後の冷却空気通過用の孔部とを有する。これにより、冷却空気流の流動と爪状磁極部の遠心力支承との二つの機能を、爪支持部材により実現することができる。
第4発明では特に、前記第1爪状磁極部及び/又は第2爪状磁極部の先端部に固定される非磁性で輪板形状の爪支持部材を有し、前記爪支持部材は、前記ポールコアの柱部の軸方向端面に当接するとともに、前記ポールコアのボス部又は前記回転軸に嵌着されていることを特徴としている。このようにすれば、輪板状の爪支持部材により第1爪状磁極部又は第2爪状磁極部の先端部を固定するため、簡単な構造にてこれら爪状磁極部の先端部の径方向又は周方向への変位を極めて良好に抑止することができる。
(各発明の他の効果)
上記各発明による他の効果について説明する。
本願発明では、極間磁石に掛かる遠心力を、その周方向両側の爪状磁極部で周方向両端支持しているので、爪状磁極部の周方向振動などに対する安定性に優れる。一般に、爪状磁極部は極間磁石側に向けて周方向に張り出す鍔部をもち、この鍔部は極間磁石の径方向外側表面にたとえば接着などにより結合されて極間磁石の遠心力を支承する。
ただし、周方向両側の爪状磁極部の根元部と先端部とでは遠心力による径方向外側への弾性変形量が大幅に異なる。しかし、極間磁石は一般にセラミック製であり、その変形抵抗が大きい。この結果、高速回転時には、爪状磁極部の先端部と極間磁石との間の接着が剥離してしまったり、あるいは爪状磁極部の先端部と極間磁石との結合力が大きい場合には極間磁石に大きな曲げ応力が発生してしまう。この問題は、上記した各発明により良好に改善される。
すなわち、第1発明では、爪状磁極部の先端部には極間磁石係止部を形成せず、極間磁石の周方向両側の一対の爪状磁極部の根本部に極間磁石係止部を配置して極間磁石を支持するので、極間磁石と爪状磁極部との結合が剥離しやすく、この剥離が進行しやすいという問題、あるいは極間磁石と爪状磁極部との強固な結合により極間磁石の曲げ応力が問題を解決することができる。
また、第2発明では、極間磁石の遠心力は、第1爪状磁極部を通じてその径方向内側の第1の柱部により支承される。なお、第1爪状磁極部は第1の柱部から軸方向に大きく突出することがないため、高速回転時でも第1爪状磁極部の先端部の径方向外側への変形は小さい。これにより、高速回転時にたとえ第2爪状磁極部の先端部が径方向外側に大きく変位しても、極間磁石がそれにより径方向外側へ引っ張られることがなく、上記した剥離や極間磁石の割れといった問題が生じることを防止することができる。
更に、第3発明では、爪状磁極部の先端部と、その両側に存在する他の爪状磁極部とにそれぞれ嵌合する非磁性の爪支持部材を設けたので、高速回転時の爪状磁極部の径方向外側への変形自体を簡単かつ信頼性よく低減でき、爪状磁極部の熱的磁気特性悪化も抑止することができるため、上記問題を簡単確実に改善することができる。
以下、本発明の車両用交流発電機の回転子の好適な実施形態を具体的に説明する。ただし、本発明は下記の実施形態に限定解釈されるものではなく、本発明の技術思想を他の公知技術又はそれと同等の必要機能を有する他の技術を組み合わせて実現してもよい。たとえば、下記の車両用交流発電機を電動動作させてもよい。
(車両用回転電機の基本構造の説明)
後述する各実施例のロータ構造を説明する前に、各実施例のロータ構造を採用可能な車両用交流発電機の基本構造を、図1に示す軸方向断面図を参照して説明する。
1はロータ、2はステータ、3はフロントフレーム、4はリヤフレーム、5はプーリー、6はスリップリング、7はブラシ構造、8は整流器、9はレギュレータである。ステータ2は、ステータコア21にステータコイル22を巻装してなり、フロントフレーム3及びリヤフレーム4の内周面に固定されている。フロントフレーム3及びリヤフレーム4はボルトによりステータ2を囲んで締結され、軸受け31、41を介してロータ1の回転軸11を回転自在に支承している。
ロータ1は、回転軸11に固定された前側のポールコア12と、界磁コイル(励磁コイル又はロータコイルとも言う)13と、後側のポールコア14と、極間磁石15とにより構成されている。なお、図1における極間磁石15の径方向外側表面は、微小ギャップを隔ててステータコア21の内周面に対面するように表示されているが、実際には、極間磁石15の径方向外側の表面は、ポールコア12、14の爪状磁極部から周方向へ張り出した鍔部に当接するため、極間磁石15の径方向外側の表面とステータコア21の内周面との間のギャップは、爪状磁極部の径方向外側の表面とステータコア21の内周面との間の径方向ギャップより大きくされている。
ポールコア12、14は、曲げ強度向上のために軟鉄鍛造法により作製され、極間磁石15はたとえばネオジウム磁石により形成されている。極間磁石15を磁石保護用の金属板により囲包保護してもよい。ポールコア12、14はランデル型ロータコアとも呼ばれる。
ポールコア12は、回転軸11に嵌着されたボス部と、ボス部の前端部から径方向外側へ延在する第1の柱部と、第1の柱部の径方向外端から軸方向へ延在する所定数の第1爪状磁極部とからなり、各第1爪状磁極部は周方向一定ピッチで配置されている。第1の柱部の径方向内側部分は輪板(ディスク)形状を有するが、第1の柱部の径方向外側部分は第1爪状磁極部と周方向同位置にて第1爪状磁極部の根元部へ向けて柱状に突出している。
ポールコア14は、回転軸11に嵌着されたボス部と、ボス部の前端部から径方向外側へ延在する第2の柱部と、第2の柱部の径方向外端から軸方向へ延在する所定数の第2爪状磁極部とからなり、各第2爪状磁極部は周方向一定ピッチで配置されている。第2爪状磁極部は、互いに周方向に隣接する2つの第2爪状磁極部の間に配置されている。第2の柱部の径方向内側部分は輪板(ディスク)形状を有するが、第2の柱部の径方向外側部分は第2爪状磁極部と周方向同位置にて第2爪状磁極部の根元部へ向けて柱状に突出している。この種のランデル型ロータコア構造は周知であるため、これ以上の説明は省略する。
(実施形態1)
実施形態1を図2及び図3を参照して説明する。図2は、図1に示すランデル型ロータコアの特に爪状磁極部を求心方向にみた状態にて周方向へ展開した周方向展開平面図を示す。図3は、図2のランデル型ロータコアの特に爪状磁極部を軸方向にみた状態にて周方向へ展開した周方向展開断面図を示す。なお、以下において、根元部とは、爪状磁極部の軸方向中間よりも基端側の部分を言い、先端部とは、爪状磁極部の軸方向中間よりも先端側の部分を言う。ただし、爪状磁極部を、根元部及び先端部に加えて中間部を考える場合には、根元部は、爪状磁極部の軸方向突出長のうち基端側の約1/3の部分を言うものとする。
121は、ポールコア12の柱部である第1の柱部である。第1の柱部121は、上記ボス部よりも径大な輪板状のディスク部122と、ディスク部122の外周から径方向外側へ放射状に突出する柱部123とからなる。柱部123から軸方向リア側へ第1爪状磁極部124が突出している。125は鍔部であり、鍔部125は、第1爪状磁極部124の根元部の外周側において第1爪状磁極部124から周方向両側へ向けて張り出している。この実施形態では、鍔部125は、第1爪状磁極部124の根元部にのみ形成されている。
141は、ポールコア14の柱部である第2の柱部である。第2の柱部141は、上記ボス部よりも径大な輪板状のディスク部142と、ディスク部142の外周から径方向外側へ放射状に突出する柱部143とからなる。柱部143から軸方向フロント側へ第2爪状磁極部144が突出している。145は鍔部であり、鍔部145は、第2爪状磁極部144の根元部の外周側において第2爪状磁極部144から周方向両側へ向けて張り出している。この実施形態では、鍔部145は、第2爪状磁極部144の根元部にのみ形成されている。
極間磁石15は、第1爪状磁極部124と第2爪状磁極部144との間の周方向隙間に圧入されている。極間磁石15は、断面長方形の直方体形状を有するネオジウム磁石であり、その径方向外側の平面(以下、径外側面とも言う)151は、第1爪状磁極部124の鍔部125と、第2爪状磁極部144の鍔部145とに接着されており、これら鍔部125,145により、径方向外側への逸脱が規制されている。
このようにすれば、回転速度の変化により径方向への変位が大きい第1爪状磁極部124及び第2爪状磁極部144の先端部が極間磁石15の径外側面151とたとえば接着などにより結合していないため、高速回転時に第1爪状磁極部124及び第2爪状磁極部144の先端部が径外方向へ大きく変位し、それにより上記結合が破壊されたり、あるいは結合が強すぎるため、極間磁石15におおきな曲げ応力が作用して極間磁石15が割れたりするのを良好に防止することができる。
また、この実施形態では、極間磁石15の遠心力支持を第1爪状磁極部124及び第2爪状磁極部144に一体形成した鍔部125、145により行うため、上記効果を簡単な構造で実現できる。
(変形態様)
図示省略するが、鍔部125を図2に示す第1爪状磁極部124の先端側へ延長し、鍔部145を図2に示す第2爪状磁極部144の先端側へ延長してもよい。この場合には、極間磁石15の遠心力が第1爪状磁極部124及び第2爪状磁極部144の根元部にのみ作用させるため、極間磁石15の径外側面151に図2に示す鍔部125、145の位置において径外側へ突出する段差部を追加してもよい。また、この段差部を極間磁石15と一体形成するのではなく、極間磁石15の径外側面151と鍔部125、145との間にスペーサを介設してもよい。このスペーサは、極間磁石15を機械保護のために囲包する磁石保護筒に設けても良い。
(実施形態2)
実施形態2を図4及び図5を参照して説明する。図4は、ランデル型ロータコアの軸方向模式断面図であり、図5は図4に示すランデル型ロータコアを求心方向にみた状態にて周方向へ展開した周方向展開平面図である。この実施形態のランデル型ロータコアの基本構造は実施形態1のそれと基本的に同じであるため、主機能が共通する構成要素には図2、図3と同一符号を付す。この実施形態の特徴部分のみ以下に説明する。
この実施形態は、図4に示すように、第1爪状磁極部124が、第1の柱部121の柱部123から軸方向リア側に突出する他に、軸方向フロント側にも突出している点にその第1の特徴がある。当然、極間磁石15は、柱部123と軸方向に重なる位置に配置されるとともに更に、柱部123より軸方向前後に突出して配置されている。
この実施形態は、図5に示すように、第1爪状磁極部124の鍔部125が、第1爪状磁極部124の前方突出部分と、柱部123と軸方向へ重なる中央部とにだけ設けられ、柱部123から後方へ突出する部分には設けられていない点に第2の特徴をもつ。鍔部125、145の基本構造は実施形態1と同じであるが、実施形態1と同じ変形態様の構造を採用することもできる。
このようにすれば、高速回転時に鍔部125の径方向外側への変形が極めて小さくなるため、鍔部125と極間磁石15との結合を良好に確保でき、かつ、極間磁石15に大きな曲げ応力が生じるのも防止することができる。
(変形態様)
鍔部125は、柱部123と軸方向にほぼ重なる部分にだけ設けても良い。
(実施形態3)
実施形態3を図6を参照して説明する。図6は、ランデル型ロータコアの模式軸方向断面図である。この実施形態のランデル型ロータコアの基本構造は図1又は図4に示す実施形態のそれと基本的に同じであるため、主機能が共通する構成要素には図1、図4と同一符号を付す。この実施形態の特徴部分のみ以下に説明する。
この実施形態の第1の特徴は、図4に示すように、第1爪状磁極部124の先端面に軸方向リア側へ突出する嵌合突部126を設け、更に、この嵌合突部126が嵌入する貫通孔127をもつ非磁性リングからなる第1の爪支持部材128を設けたことである。第1の爪支持部材128は好適には非磁性ステンレス材などにより作製することができる。
この実施形態の第2の特徴は、第2爪状磁極部144の先端面に軸方向フロント側へ突出する嵌合突部(図示せず)を設け、更に、この嵌合突部が嵌入する貫通孔をもつ非磁性リングからなる第2の爪支持部材129を設けたことである。第2の爪支持部材129は第1の爪支持部材128と同一形状とされている。
リング状に形成された第1の爪支持部材128は、第2爪状磁極部144の根元部の径方向外側の表面に当接しつつ周方向へ延在している。同じく、リング状に形成された第2の爪支持部材129は、第1爪状磁極部124の根元部の径方向外側の表面に当接しつつ周方向へ延在している。130は、第2の爪支持部材129のうち、第1爪状磁極部124の根元部の径方向外側の表面に当接しつつ周方向へ延在する部分である。
なお、図6では、第1の爪支持部材128及び第2の爪支持部材129の断面は、強調するために黒く塗りつぶされている。
このようにすれば、高速回転時に、第1爪状磁極部124及び第2爪状磁極部144の先端部の径方向外側への変位を、これら先端部に対して軸方向に嵌合するこれら爪支持部材128、129により良好に抑止することができるため、極間磁石15に対する曲げ応力を大幅に低減することができる。特に、この実施形態では、第1爪状磁極部124及び第2爪状磁極部144の先端部と、爪支持部材128、129との結合を嵌合構造により実現している。このため、爪支持部材128、129を第1爪状磁極部124及び第2爪状磁極部144に溶接するのに較べて磁気特性の変化を防止し、かつ、結合信頼性を格段に向上することができる。つまり、非熟練作業者であっても確実かつ容易に作業を行うことができる。
(変形態様)
なお、図6に示す実施形態では、爪状磁極部の先端部を軸方向に突出させ、爪支持部材に貫通孔127を設けたが、貫通孔127を凹部に偏向してもよい。また、爪支持部材に突起を設け、爪状磁極部に凹部を設けてもよい。更に、爪支持部材128、129を、上記嵌合位置よりも径方向内側にて爪状磁極部の根元部に嵌合させてもよい。
(実施形態4)
実施形態4を図7を参照して説明する。図7は、ランデル型ロータコアの模式軸方向断面図である。この実施形態のランデル型ロータコアの基本構造は図6に示す実施形態のそれと基本的に同じであるため、主機能が共通する構成要素には図6と同一符号を付す。この実施形態の特徴部分のみ以下に説明する。なお、図9では、第2爪状磁極部144の根元部の図示は省略されている。
この実施形態の第1の特徴は、第1の爪支持部材128を輪板形状言い換えればディスク形状に形成した点にある。この輪板状の第1の爪支持部材128の輪板部131aは、第2爪状磁極部144の第2の柱部141の前端面とロータコイル13の後端面との間に介設されて、ポールコア14のボス部140に嵌着されている。更に、この第1の爪支持部材128の輪板部131aの外周縁から放射状に嵌合板部131bが突出し、この嵌合板部131bに貫通孔127が形成されている。既述したように、第1爪状磁極部124の嵌合突部126が貫通孔127に嵌入している。
この実施形態の第2の特徴は、第2の爪支持部材129を輪板形状言い換えればディスク形状に形成した点にある。この輪板状の第2の爪支持部材129の輪板部132aは、第1爪状磁極部124の第1の柱部121の前端面に当接しつつ回転軸11に嵌着されている。更に、この第2の爪支持部材129の輪板部132aの外周縁から放射状に嵌合板部132bが突出し、この嵌合板部132bに貫通孔127が形成されている。既述したように、第2爪状磁極部144の嵌合突部126が貫通孔127に嵌入している。
この実施形態の第3の特徴は、輪板形状の第1の爪支持部材128の輪板部131aに冷却空気流を軸方向前方に流すための貫通孔133を設けた点にある。この貫通孔133を切開する際、余った金属板部分を立てて冷却空気流形成用の翼部を構成してもよい。
この実施形態の第4の特徴は、輪板形状の第2の爪支持部材129の輪板部132aに冷却空気流を軸方向前方に流すための貫通孔134を設けた点にある。この貫通孔134を切開することにより、余った金属板部分を切り立てて冷却空気流形成用の翼部135が形成されている。
(変形態様)
実施形態4では、第1の爪支持部材128がリア側のポールコア14の第2の柱部141の前端面とロータコイル13の後端面との間に介設されてポールコア14のボス部140に嵌着されたが、第1爪状磁極部124を軸方向後方へ延長すれば第1の爪支持部材128は、第2の爪支持部材129と同様にリア側のポールコア14の第2の柱部141の後端面に密着させることができる。
(変形態様)
実施形態4では、第2の爪支持部材129がフロント側のポールコア12の第1の柱部121の前端面に当接しつつ回転軸11に嵌着されたが、第2爪状磁極部144を軸方向後方へ短縮すれば第2の爪支持部材129は、第1の爪支持部材128と同様にフロント側のポールコア12の第1の柱部121の後端面とロータコイル13との間に介設されてポールコア12のボス部に嵌着することができる。
(追記事項の説明)
図2、図3において、鍔部125、145は、第1発明で言う極間磁石係止部を構成している。
既述した変形態様で説明したように、極間磁石15の径方向外側表面から径方向外側へ突設されて第1爪状磁極部及び第2爪状磁極部の根元部にて鍔部125、145に当接する磁石側段差部を設けても良いことは明白である。この場合には、この極間磁石15に設けた磁石側段差部は極間磁石係止部の一部をなす。
既述した変形態様で説明したように、第1爪状磁極部124及び/又は第2爪状磁極部144の根元部に位置して極間磁石15の径方向外側表面と鍔部125、145の径方向内側表面との間にスペーサ(段差部材)を介設してもよい。この場合には、このスペーサは、極間磁石係止部の一部をなす。
図6、図7において、嵌合突部126と貫通孔127は、第3発明で言う嵌合部をなす。
第4実施例における特徴は、爪支持部材128、129をポールコアのボス部及び/又は回転軸に嵌着した輪板形状に形成した点にある。したがって、第4実施例では、爪支持部材128、129は、第1爪状磁極部124及び/又は第2爪状磁極部144の先端に従来のように溶接してもよい。
車両用回転電機の基本構造を説明する軸方向断面図である。 実施形態1のランデル型ロータコアの特に爪状磁極部を求心方向にみた状態にて周方向へ展開した周方向展開平面図である。 図2のランデル型ロータコアの特に爪状磁極部を軸方向にみた状態にて周方向へ展開した周方向展開断面図である。 実施形態2のランデル型ロータコアの軸方向模式断面図である。 図4に示すランデル型ロータコアを求心方向にみた状態にて周方向へ展開した周方向展開平面図である。 実施形態3のランデル型ロータコアの模式軸方向断面図である。 実施形態4のランデル型ロータコアの模式軸方向断面図である。
符号の説明
1 ロータ
2 ステータ
3 フロントフレーム
4 リヤフレーム
11 回転軸
12 ポールコア
13 ロータコイル
14 ポールコア
15 極間磁石
21 ステータコア
22 ステータコイル
121 第1の柱部
122 ディスク部
123 柱部
124 第1爪状磁極部
125 鍔部
126 嵌合突部
127 貫通孔
128 第1の爪支持部材
129 第2の爪支持部材
131a 輪板部
132a 輪板部
131b 嵌合板部
132b 嵌合板部
133 貫通孔
134 貫通孔
135 翼部
140 ボス部
141 第2の柱部
142 ディスク部
143 柱部
144 第2の爪状磁極部
145 鍔部
151 径外側面

Claims (12)

  1. 回転軸に嵌着されたボス部と、前記ボス部の軸方向一端から径方向外側へ延在する第1の柱部と、前記ボス部の軸方向他端から径方向外側へ延在する第2の柱部と、前記第1の柱部から少なくとも軸方向一方向きに突出する複数の第1爪状磁極部と、前記第2の柱部から軸方向他方向きに突出する複数の第2爪状磁極部とを有し、前記第1爪状磁極部及び第2爪状磁極部は略等径位置にて周方向交互に配置されるランデル型ロータコアと、
    前記第1爪状磁極部及び第2爪状磁極部の径方向内側に位置して前記ボス部に巻装されるロータコイルと、
    互いに周方向に対面する前記第1爪状磁極部と前記第2爪状磁極部との間の周方向隙間に配置される永久磁石である極間磁石と、
    前記極間磁石を係止するとともに前記極間磁石の遠心力を前記極間磁石の周方向両側の前記第1爪状磁極部及び第2爪状磁極部にそれぞれ伝達する極間磁石係止部と、
    を有する車両交流発電機の回転子において、
    前記極間磁石係止部は、
    前記第1爪状磁極部及び第2爪状磁極部の根本部に形成され、かつ、前記第1爪状磁極部及び第2爪状磁極部の先端部に形成されないことを特徴とする車両交流発電機の回転子。
  2. 請求項1記載の車両交流発電機の回転子において、
    前記極間磁石係止部は、
    前記第1爪状磁極部の側面及び前記第2爪状磁極部の側面から前記極間磁石の径方向外側へ張り出して前記極間磁石の径方向外側表面に当接する鍔部と、
    前記極間磁石の径方向外側表面から径方向外側へ突設されて前記第1爪状磁極部及び第2爪状磁極部の根元部における前記鍔部に当接する磁石側段差部と、
    を有する車両交流発電機の回転子。
  3. 請求項1記載の車両交流発電機の回転子において、
    前記極間磁石係止部は、
    前記第1爪状磁極部の側面及び第2爪状磁極部の側面から前記極間磁石の径方向外側へ張り出して前記極間磁石の径方向外側表面に当接する鍔部を有し、
    前記鍔部は、
    前記鍔部の径方向内側表面から径方向内側へ突設されて前記第1爪状磁極部及び第2爪状磁極部の根元部に位置して前記極間磁石の径方向外側表面に当接する爪側段差部を有する車両交流発電機の回転子。
  4. 請求項1記載の車両交流発電機の回転子において、
    前記極間磁石係止部は、
    前記第1爪状磁極部の側面及び前記第2爪状磁極部の側面から前記極間磁石の径方向外側へ張り出して前記極間磁石の径方向外側表面に当接する鍔部と、
    前記第1爪状磁極部及び第2爪状磁極部の根元部に位置して前記極間磁石の径方向外側表面と前記鍔部の径方向内側表面との間に介設される段差部材とを有する車両交流発電機の回転子。
  5. 回転軸に嵌着されたボス部と、前記ボス部の軸方向一端から径方向外側へ延在する第1の柱部と、前記ボス部の軸方向他端から径方向外側へ延在する第2の柱部と、前記第1の柱部から少なくとも軸方向一方向きに突出する複数の第1爪状磁極部と、前記第2の柱部から軸方向他方向きに突出する複数の第2爪状磁極部とを有し、前記第1爪状磁極部及び第2爪状磁極部は略等径位置にて周方向交互に配置されるランデル型ロータコアと、
    前記第1爪状磁極部及び第2爪状磁極部の径方向内側に位置して前記ボス部に巻装されるロータコイルと、
    互いに周方向に対面する前記第1爪状磁極部と前記第2爪状磁極部との間の周方向隙間に配置される永久磁石である極間磁石と、
    前記極間磁石を係止するとともに前記極間磁石の遠心力を前記極間磁石の周方向両側の前記第1爪状磁極部及び第2爪状磁極部にそれぞれ伝達する極間磁石係止部と、
    を有する車両交流発電機の回転子において、
    前記第1爪状磁極部及び前記極間磁石は、前記第1の柱部と軸方向において重なる位置に配置されることを特徴とする車両交流発電機の回転子。
  6. 請求項5記載の車両交流発電機の回転子において、
    前記極間磁石の遠心力は、前記第2爪状磁極部の根元部に支承される車両交流発電機の回転子。
  7. 請求項5記載の車両交流発電機の回転子において、
    前記第1爪状磁極部及び前記極間磁石は、前記第1の柱部の軸方向両側に延在する車両交流発電機の回転子。
  8. 請求項5記載の車両交流発電機の回転子において、
    前記第2爪状磁極部の先端面に嵌合する嵌合部と、前記第2爪状磁極部の周方向両側の前記第1爪状磁極部の基端面又は第2爪状磁極部の先端面に嵌合する嵌合部とを有する非磁性の爪支持部材を有する車両用交流発電機の回転子。
  9. 回転軸に嵌着されたボス部と、前記ボス部の軸方向一端から径方向外側へ延在する第1の柱部と、前記ボス部の軸方向他端から径方向外側へ延在する第2の柱部と、前記第1の柱部から少なくとも軸方向一方向きに突出する複数の第1爪状磁極部と、前記第2の柱部から軸方向他方向きに突出する複数の第2爪状磁極部とを有し、前記第1爪状磁極部及び第2爪状磁極部は略等径位置にて周方向交互に配置されるランデル型ロータコアと、
    前記第1爪状磁極部及び第2爪状磁極部の径方向内側に位置して前記ボス部に巻装されるロータコイルと、
    互いに周方向に対面する前記第1爪状磁極部と前記第2爪状磁極部との間の周方向隙間に配置される永久磁石である極間磁石と、
    前記極間磁石を係止するとともに前記極間磁石の遠心力を前記極間磁石の周方向両側の前記第1爪状磁極部及び第2爪状磁極部にそれぞれ伝達する極間磁石係止部と、
    を有する車両交流発電機の回転子において、
    前記第2爪状磁極部の先端面に嵌合する嵌合部と、前記第2爪状磁極部の周方向両側の前記第1爪状磁極部の基端面又は第2爪状磁極部の先端面に嵌合する嵌合部とを有する非磁性の爪支持部材を有することを特徴とする車両用交流発電機の回転子。
  10. 請求項9記載の車両交流発電機の回転子において、
    前記爪支持部材は、
    前記回転軸に嵌着された輪板形状をもつ車両交流発電機の回転子。
  11. 請求項10記載の車両交流発電機の回転子において、
    前記爪支持部材は、冷却空気流れを形成する翼板部と、前記翼板部が切り立てられた後の冷却空気通過用の孔部とを有する車両交流発電機の回転子。
  12. 回転軸に嵌着されたボス部と、前記ボス部の軸方向一端から径方向外側へ延在する第1の柱部と、前記ボス部の軸方向他端から径方向外側へ延在する第2の柱部と、前記第1の柱部から少なくとも軸方向一方向きに突出する複数の第1爪状磁極部と、前記第2の柱部から軸方向他方向きに突出する複数の第2爪状磁極部とを有し、前記第1爪状磁極部及び第2爪状磁極部は略等径位置にて周方向交互に配置されるランデル型ロータコアと、
    前記第1爪状磁極部及び第2爪状磁極部の径方向内側に位置して前記ボス部に巻装されるロータコイルと、
    互いに周方向に対面する前記第1爪状磁極部と前記第2爪状磁極部との間の周方向隙間に配置される永久磁石である極間磁石と、
    前記極間磁石を係止するとともに前記極間磁石の遠心力を前記極間磁石の周方向両側の前記第1爪状磁極部及び第2爪状磁極部にそれぞれ伝達する極間磁石係止部と、
    を有する車両交流発電機の回転子において、
    前記第1爪状磁極部及び/又は第2爪状磁極部の先端部に固定される非磁性で輪板形状の爪支持部材を有し、
    前記爪支持部材は、前記ポールコアの柱部の軸方向端面に当接するとともに、前記ポールコアのボス部又は前記回転軸に嵌着されていることを特徴とする車両交流発電機の回転子。
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