JP2007329308A - 電子部品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】低コストのプロセスによって適正な表面改質効果を得ることができる電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】ポリイミドなどの樹脂の絶縁膜が形成された基板に半導体チップを実装した実装体4を処理対象物として、前記絶縁膜と封止樹脂との密着性向上を目的として行われる表面改質処理において、実装体4を表面改質装置5の減圧された処理室7内に収容し、原子状水素発生装置20によって水素ガスから発生された原子状水素を実装体4の絶縁膜の樹脂表面に接触させる。そして原子状水素の活性作用によって樹脂表面の化学結合を切断して、樹脂表面にカルボニル基などの親水性の反応基を生成させ、濡れ性を向上させる。これにより、プラズマ処理による従来の表面改質と比較して、低コストのプロセスによって適正な表面改質効果を得ることができる。
【選択図】図5
【解決手段】ポリイミドなどの樹脂の絶縁膜が形成された基板に半導体チップを実装した実装体4を処理対象物として、前記絶縁膜と封止樹脂との密着性向上を目的として行われる表面改質処理において、実装体4を表面改質装置5の減圧された処理室7内に収容し、原子状水素発生装置20によって水素ガスから発生された原子状水素を実装体4の絶縁膜の樹脂表面に接触させる。そして原子状水素の活性作用によって樹脂表面の化学結合を切断して、樹脂表面にカルボニル基などの親水性の反応基を生成させ、濡れ性を向上させる。これにより、プラズマ処理による従来の表面改質と比較して、低コストのプロセスによって適正な表面改質効果を得ることができる。
【選択図】図5
Description
本発明は、基板に実装された素子を封止樹脂で覆って構成された電子部品を製造する電子部品の製造方法に関するものである。
半導体装置などの電子部品の製造分野では、樹脂基板や半導体パッケージなど表面に有機物層を有する部品を対象とした表面改質処理が行われる。例えば、半導体素子を基板に実装して半導体素子の接続用端子と基板の回路電極とをボンディングワイヤによって接続した後には、半導体素子は樹脂によって覆われて樹脂封止される。この場合、樹脂と基板との密着性を向上させるために、樹脂封止に先立って表面改質処理が行われる(特許文献1参照)。
このような基板や半導体素子を対象とした表面改質は、従来よりプラズマ処理によって行われる。このプラズマ処理では減圧された処理空間内においてプラズマ放電を発生させ、これによって発生したプラズマの作用によって基板の樹脂表面などの処理対象面の表面改質を行う。
特開平11−145120号公報
しかしながら、プラズマ処理によって上述のような表面改質を行う場合には、以下に説明するような課題があった。まず、プラズマ処理を用いた表面改質のプロセスでは、減圧された処理空間内でプラズマを発生させるための複雑・高価な専用装置を必要とすることから、処理プロセスのコストを低減させることが困難であった。すなわちプラズマ処理の専用装置においては、処理空間を構成する真空チャンバやプラズマ発生用の電極や電源装置、これらを制御して適正条件のプラズマを発生させるための制御装置など、複雑・高価な装置を必要としており、設備費用の増大が避けられなかった。
さらにプラズマ処理においては、酸素やアルゴンなどの処理用ガスがプラズマ放電によって電離して発生したイオンの物理作用やラジカル粒子の化学作用によって表面改質が行われることから、処理対象の特性によっては作用が過剰となる場合が発生し、目的とする表面改質の適正条件にかなったプラズマ処理条件を実現することが難しいという課題がある。例えば樹脂表面を対象とした表面改質では、イオンの物理作用が過剰な場合には却って樹脂との密着性を阻害して最適な処理効果を得ることができない場合がある。また樹脂基板など耐熱温度の制約があるものを処理対象とする場合には、プラズマの作用によって処理対象物の温度が耐熱限度を超えて上昇して熱ダメージを与える場合が生ずる。このように、従来の電子部品の製造方法においては、樹脂封止工程に先立って実行される表面改質において、低コストのプロセスによって適正な表面改質効果を得ることが困難であるという課題があった。
そこで本発明は、樹脂封止に先立って行われる表面改質処理において、低コストのプロセスによって適正な表面改質効果を得ることができる電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の電子部品の製造方法は、基板に実装された素子を封止樹脂で覆って構成された電子部品を製造する電子部品の製造方法であって、前記素子を前記基板に実装する実装工
程と、前記基板上において前記素子を封止樹脂によって覆う樹脂封止工程と、前記樹脂封止工程に先立って前記基板の表面の有機物層を対象として表面改質を行う表面改質工程とを含み、前記表面改質工程において、原子状水素発生装置によって水素ガスから原子状水素を発生させ、発生した原子状水素を減圧された空間に供給してこの空間内に収容された前記基板の前記有機物層に接触させ、この有機物層の表面の化学結合を前記原子状水素の作用によって切断して前記表面に反応基を生成させる。
程と、前記基板上において前記素子を封止樹脂によって覆う樹脂封止工程と、前記樹脂封止工程に先立って前記基板の表面の有機物層を対象として表面改質を行う表面改質工程とを含み、前記表面改質工程において、原子状水素発生装置によって水素ガスから原子状水素を発生させ、発生した原子状水素を減圧された空間に供給してこの空間内に収容された前記基板の前記有機物層に接触させ、この有機物層の表面の化学結合を前記原子状水素の作用によって切断して前記表面に反応基を生成させる。
本発明によれば、樹脂封止に先立って行われる表面改質処理において、原子状水素を減圧された空間に供給してこの空間内に収容された基板の有機物層に接触させ、この有機物層の表面の化学結合を原子状水素の作用によって切断して表面に反応基を生成させることにより、プラズマ処理による従来の表面改質と比較して、低コストのプロセスによって適正な表面改質効果を得ることができる。
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態の電子部品の製造方法の工程説明図、図2は本発明の一実施の形態の電子部品の製造方法において用いられる表面改質装置の断面図、図3、図4,図5,図6は本発明の一実施の形態の電子部品の製造方法における表面改質方法の工程説明図、図7,図8は本発明の一実施の形態の電子部品の製造方法において用いられる表面改質装置の断面図である。
まず図1を参照して電子部品の製造方法のフローについて説明する。この電子部品の製造方法は、基板に実装された半導体チップなどの素子を封止樹脂で覆って構成された電子部品を製造するものである。図1(a)において、基板1の上面には複数の電極1aが設けられており、さらに基板1において電極1a以外の範囲は、ポリイミドなどの樹脂で形成された有機物層としての絶縁膜1bによって覆われている。基板1に実装される半導体チップ2の回路形成面(図1(a)において上面)には、外部接続用の接続用端子2aが設けられており、接続用端子2aの周囲は同様にポリイミドなどの樹脂より成る有機物層としての絶縁膜2bによって覆われている。
まず半導体チップ2を基板1に実装する(実装工程)。すなわち半導体チップ2は回路形成面を上向きにした状態で基板1にボンディングされ、接着剤によって固着された後、ワイヤボンディング工程に送られる。そして図1(b)に示すように、電極1aと接続用端子2aとをボンディングワイヤ3によって接続して電気的に導通させることにより、基板1へ半導体チップ2を実装した実装体4が完成する。
この後実装体4は樹脂封止工程に送られ、ここで基板1に実装された半導体チップ2を封止樹脂で覆って保護する。この樹脂封止工程に先立って、実装体4は図1(c)に示すように、真空チャンバ6を備えた表面改質装置5に送られる。ここで実装体4は真空チャンバ6内の処理室7に設けられた載置台8上に載置され、基板1の表面を含む実装体4の樹脂封止面を対象として、封止樹脂との密着性を向上させるための表面改質処理が行われる(表面改質工程)。
次いで表面改質後の実装体4を対象として樹脂封止が行われる、すなわち図1(d)に示すように、半導体チップ2およびボンディングワイヤ3を覆ってエポキシ樹脂などの封止樹脂9を所定形状にした樹脂モールドが形成され、これにより、基板1に実装された素子である半導体チップ2を封止樹脂9で覆って構成された電子部品の製造が完了する。
次に図2を参照して、表面改質装置5の構造を説明する。図2において、真空チャンバ6は略箱形の密閉容器であり、側面には処理対象物を搬入・搬出するための搬送用開口部
6aが設けられている。搬送用開口部6aは開閉駆動機構(図示省略)によって駆動される扉部材10によって開閉自在となっている。実装体4などの処理対象物は、開放状態の搬送用開口部6aを介して処理室7内に搬入され、載置台8上に載置される。扉部材10を閉じることにより処理室7は密閉状態となり、この状態で表面改質処理が行われる。そして処理終了後の実装体4は、搬送用開口部6aから外部へ搬出される。
6aが設けられている。搬送用開口部6aは開閉駆動機構(図示省略)によって駆動される扉部材10によって開閉自在となっている。実装体4などの処理対象物は、開放状態の搬送用開口部6aを介して処理室7内に搬入され、載置台8上に載置される。扉部材10を閉じることにより処理室7は密閉状態となり、この状態で表面改質処理が行われる。そして処理終了後の実装体4は、搬送用開口部6aから外部へ搬出される。
真空チャンバ6の底面には吸排気用開口部6bが設けられており、吸排気用開口部6bに接続された管路11は、第1の開閉バルブ12,第2の開閉バルブ13を介して真空排気部14に接続されている。第1の開閉バルブ12,第2の開閉バルブ13を開にした状態で真空排気部14を駆動することにより、管路11および吸排気用開口部6bを介して処理室7は真空排気され、表面改質処理のための減圧された空間が形成される。管路11には、第3の開閉バルブ15が第1の開閉バルブ12の手前側で分岐して設けられている。第3の開閉バルブ15を開放することにより、処理室7内には管路11および吸排気用開口部6bを介して大気が導入され、これにより処理室7は常圧に復帰する。
第1の開閉バルブ12と第2の開閉バルブ13の間には、第4の開閉バルブ16を介して管路17が繋ぎ込まれており、管路17は以下に説明する原子状水素発生装置20に接続されている。第1の開閉バルブ12を閉じた状態で、第2の開閉バルブ13および第4の開閉バルブ16を開状態にすることにより、真空排気部14によって原子状水素発生装置20を対象とした真空排気を行うことが可能となっている。
原子状水素発生装置20について説明する。原子状水素発生装置20は実装体4を対象とした表面改質に使用される原子状水素を発生する機能を有するものであり、内部に原子状水素を発生するための生成室22が形成された密閉可能な箱状の容器21を備えている。容器21の上部に設けられたガス導入部21aには、第5の開閉バルブ24を介してガス供給装置23が接続されており、第5の開閉バルブ24を開にすることにより、生成室22内には原子状水素を発生させるためのガスが供給される。ここでは、水素ガスをヘリウムやアルゴンなどの不活性ガスによって所定濃度(好ましくは4%以下)に希釈した希釈ガスを用い、高濃度の水素ガスが大気中の酸素と混合することによる危険を防止するようにしている。また容器21の側面に設けられた吸引孔21bには、管路17が接続されており、前述のように真空排気部14によって生成室22内を真空排気することができるようになっている。
生成室22内には、タングステンやモリブデンなどの高融点の金属をフィラメント状にした発熱体25が配置されており、発熱体25は電源装置26から供給される電力によって発熱する。発熱体25の作動において、電源装置26によって電力を制御することにより、発熱体25を原子状水素の生成に適した所定の温度で発熱させることができる。ガス供給装置23からガス導入部21aを介して生成室22内に供給された水素ガスが、加熱された発熱体25に接触することにより、2つの水素原子が結合した状態の水素分子は、それぞれの水素原子が分離した原子状水素となる。原子状水素は電気的に中性で活性作用を有しており、この活性作用によって実装体4を対象とする表面改質処理が行われる。
容器21の底面に設けられた水素供給孔21cは真空チャンバ6の上面に開口したガス導入用開口部6cと連通しており、生成室22内で発生した原子状水素を処理室7内にガス導入用開口部6cを介して供給することができるようになっている。ガス導入用開口部6cはシャッタ部材27によって開閉自在となっており、シャッタ部材27は連結ロッド28aを介して開閉駆動機構28に接続されている。開閉駆動機構28を開方向(図2において右側方向)に駆動してガス導入用開口部6cを開放することにより、生成室22と処理室7とを連通させることができ、これにより、原子状水素の処理室7内への供給が行われる。そして開閉駆動機構28を閉方向(図2において左側)に駆動してガス導入用開
口部6cを閉鎖することにより、生成室22と処理室7との連通状態を遮断して、原子状水素の処理室7内への供給が停止される。
口部6cを閉鎖することにより、生成室22と処理室7との連通状態を遮断して、原子状水素の処理室7内への供給が停止される。
次に図3〜図6を参照して、表面改質装置5を用いた表面改質処理について説明する。図3は、表面改質処理が開始される前の準備作業を示している。すなわち扉部材10を下降させて搬送用開口部6aを開放状態にして、処理室7内へ複数の処理対象の実装体4を搬入し、載置台8上へこれらの実装体4を載置する。このとき、原子状水素発生装置20においては、生成室22内の真空排気が既に開始されている。すなわち、第1の開閉バルブ12を閉状態に、また第2の開閉バルブ13、第4の開閉バルブ16を開状態にして真空排気部14を駆動することにより、生成室22のみを対象とした真空排気が行われる。
次に図4をに示すように、扉部材10を上昇させて搬送用開口部6aを閉鎖することにより処理室7を密閉状態にし、次いで第1の開閉バルブ12を開状態にする。これにより、生成室22内とともに処理室7の真空排気が開始される。そして処理室7内が所定に真空圧(約10Pa)まで減圧されたならば、原子状水素による表面改質処理が開始される。
すなわち図5に示すように、開閉駆動機構28を開方向に駆動してシャッタ部材27を移動させ、ガス導入用開口部6cを開放する。次いで、電源装置26によって発熱体25を所定温度(800℃以上)に加熱した状態で、第5の開閉バルブ24を開放してガス供給装置23から生成室22内へ、水素ガスを希釈した希釈ガスを供給する。これにより、希釈ガス中の水素ガスが加熱された発熱体25に接触して原子状水素が発生し、発生した原子状水素は処理室7内へ供給される。そしてこの原子状水素が基板1の有機物層である絶縁膜1bや半導体チップ2の絶縁膜2bに接触することにより、これらの樹脂表面は原子状水素の作用によって表面改質され、濡れ性が大幅に向上する。
そして所定の表面改質処理時間が経過すると、原子状水素発生装置20による原子状水素の供給を停止し、次いで図6に示すように、開閉駆動機構28を閉方向に駆動してガス導入用開口部6cを閉じる。これにより、生成室22と処理室7との連通状態が断たれ、この後、処理室7への大気導入が行われる。すなわち、第1の開閉バルブ12を閉じるとともに、第3の開閉バルブ15を開状態にすることにより、吸排気用開口部6bから処理室7内へ大気が導入され、処理室7内が常圧に復帰する。これにより、搬送用開口部6aを開放して処理後の実装体4を処理室7から搬出することが可能な状態となる。そして原子状水素発生装置20においては、真空排気部14による生成室22内の真空排気が継続して行われる。
ここで樹脂表面の表面改質について説明する。基板1の絶縁膜1bや半導体チップ2の絶縁膜2bなどを構成するポリイミドなどの樹脂は各種の化学結合によって構成されており、樹脂表面層には炭素単結合基(C−C)やカルボニル基(C=O)など、炭素と酸素、水素等を含む原子同士が固有の形態で結合した化学結合が多数存在する。そしてこれらの化学結合のうちカルボニル基などの親水性の反応基は活性基であり、樹脂表面の濡れ性を改善する性質を有している。
したがって、エポキシ樹脂などの封止樹脂との密着性の向上を目的とした表面改質処置では、樹脂表面層に存在する複数種類の化学結合のうち、カルボニル基など親水性の反応基の割合を増加させることが求められる。本実施の形態に示す実装体4の表面改質を目的とした原子状水素による処理においては、樹脂表面層に存在する複数種類の化学結合のうち、カルボニル基よりも結合エネルギの小さい化学結合を原子状水素の作用によって切断して、カルボニル基が樹脂表面に表出しやすくする。換言すれば、ポリイミドなどの樹脂を構成する各種の化学結合が原子状水素の活性作用によって切断され、カルボニル基など
封止樹脂との密着性に優れた親水性の反応基を生成させる。
封止樹脂との密着性に優れた親水性の反応基を生成させる。
すなわち、上述の表面に有機物層としての絶縁膜1b、2bを有する実装体4を対象とした表面改質方法においては、原子状水素発生装置20によって水素ガスから原子状水素を発生させ、発生した原子状水素を減圧された空間である処理室7に供給してこの空間内に収容された実装体4の絶縁膜1b、2bに接触させ、絶縁膜1b、2bの樹脂表面の化学結合を原子状水素の作用によって切断して、樹脂表面に反応基を生成させるようにしている。そして原子状水素の発生において、原子状水素発生装置20により水素ガスを不活性ガスによって希釈した希釈ガスを用いて原子状水素を発生する方法を用いている。
上述の原子状水素を用いて行われる表面改質は、以下に述べるような優れた特徴を有している。まず従来同様の用途に用いられていたプラズマ処理による表面改質のプロセスでは、減圧された処理空間内でプラズマを発生させるための複雑・高価な専用装置を必要とすることから、設備費用の増大が避けられなかった。これに対し、本実施の形態に示す表面改質装置は、減圧空間内に収容された処理対象物に原子状水素を接触させるための構成のみを備えればよく、複雑な装置構成を必要とすることなく、簡便・安価な処理装置によって表面改質処理を効率よく行うことができる。
またプラズマ処理による表面改質では、処理対象面にプラズマの効果が適正且つ均一に及ぶようにする必要があり、この条件が満たされない場合には適正な表面改質の品質が確保できなかった。すなわちプラズマの照射が不足の場合には表面改質効果が十分でなく所期の濡れ性改善効果が得られない。そしてプラズマの照射が適正量を超えて過剰の場合には、却って濡れ性を低下させるのみならず、温度上昇により処理対象物の熱ダメージを招くおそれがあった。
これに対し原子状水素を用いた表面改質では、このような不具合を生じることなく、容易に均質な効果を得ることができる。すなわち原子状水素は原子量1で極めて軽い粒子であることから運動性に優れており、処理室7中において良好に拡散し、狭い隙間の空間内にも奥深くまで進入する。しかも原子状水素は化学的に安定で単体で他の物体と衝突しても活性を失うことなく、活性粒子としての寿命が長いことから、処理室7中を拡散する過程において処理対象面に接触するたびに活性作用を及ぼす。
したがって、処理室7内においてガス導入用開口部6cから離隔した位置に載置された状態の処理対象物であっても十分な表面改質効果が及び、また処理対象物の形状が複雑で奥深く入り組んだ部分を処理対象面とする場合にあっても、表面改質効果のばらつきを招くことなく、均質な処理効果を得ることができる。さらに、処理対象物にはプラズマ処理におけるエッチング作用や発熱作用によるダメージが及ぶことがなく、このようなダメージに起因する不具合の発生を低減することができる。すなわち本発明によれば、有機物層を有する処理対象物に対して原子状水素による表面改質を適用することにより、低コストのプロセスによって適正な表面改質効果を得ることが可能となっている。
なお上述実施例においては、処理対象物である実装体4を処理室7内に収容するに際し、載置台8の上面に平面的に並べて載置する例を示したが、図7,図8に示すような実装体4の保持方法を用いてもよい。
図7は、処理室7において載置台8上に実装体4を平面的に載置する替わりに、複数の実装体4を保持可能なホルダ18を用いた例を示している。すなわち実装体4を縦姿勢で保持可能な溝が設けられた水平な板状のホルダ18に複数の実装体4を並列して保持させ、この状態のホルダ18を処理室7内の載置台8上に載置した例を示している。
また図8は、複数の実装体4を収容可能なマガジン19を用いた例を示している。すなわち複数の実装体4をマガジン19内に段積み状態で収容しておき、この状態のマガジン19を複数処理室7内の載置台8上に載置する。上述例においてはいずれの場合にも、限られた容積の処理室7内に極力多数の実装体4を収容して一括処理することができ、表面改質の処理効率を大幅に向上させることができる。
このような場合において、前述のように原子状水素は粒子としての運動性が良好であり、また活性作用を保持した状態を長い時間保つことから、処理室7内において原子状水素発生装置20から離隔した位置にある実装体4に対しても、また実装体4相互が近接して配置され、狭い隙間を形成した状態となっている場合においても、全ての処理対象面について安定した均一な表面改質効果を得ることが可能となっている。
本発明の電子部品の製造方法は、樹脂封止に先立って行われる表面改質処理において、低コストのプロセスによって適正な表面改質効果を得ることができるという効果を有し、基板に実装された素子を封止樹脂で覆って構成された電子部品を製造する用途に有用である。
1 基板
1a 電極
1b 絶縁膜(有機物層)
2 半導体チップ(素子)
2a 接続用端子
2b 絶縁膜(有機物層)
4 実装体(処理対象物)
5 表面改質装置
7 処理室
9 封止樹脂
20 原子状水素発生装置
1a 電極
1b 絶縁膜(有機物層)
2 半導体チップ(素子)
2a 接続用端子
2b 絶縁膜(有機物層)
4 実装体(処理対象物)
5 表面改質装置
7 処理室
9 封止樹脂
20 原子状水素発生装置
Claims (2)
- 基板に実装された素子を封止樹脂で覆って構成された電子部品を製造する電子部品の製造方法であって、
前記素子を前記基板に実装する実装工程と、前記基板上において前記素子を封止樹脂によって覆う樹脂封止工程と、前記樹脂封止工程に先立って前記基板の表面の有機物層を対象として表面改質を行う表面改質工程とを含み、
前記表面改質工程において、原子状水素発生装置によって水素ガスから原子状水素を発生させ、発生した原子状水素を減圧された空間に供給してこの空間内に収容された前記基板の前記有機物層に接触させ、この有機物層の表面の化学結合を前記原子状水素の作用によって切断して前記表面に反応基を生成させることを特徴とする電子部品の製造方法。 - 前記原子状水素発生装置は、水素ガスを不活性ガスによって希釈した希釈ガスを用いて前記原子状水素を発生することを特徴とする請求項1記載の電子部品の製造方法。
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