JP2007327208A - コンクリート部材の補強方法とその補強構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】施工性に優れ、所定の強度を得ることができるコンクリート部材の補強方法とその補強構造を提供する。
【解決手段】連続繊維ロープ1を橋脚11の外周に巻き付け、この連続繊維ロープ1を巻き付けた橋脚11を現場打ちコンクリートにより被覆する。連続繊維ロープ1を橋脚11に巻き付けることにより、地震時などには連続繊維ロープ1が横補強鉄筋として機能し、耐震性などの強度が向する。また、施工時の補強材を固化する樹脂を必要としないため、工程が簡略化され、樹脂の原料剤により作業環境が悪化することもない。さらに、重機や専用機械を必要とせず、人力で連続繊維ロープ1を巻き付けることができるので、施工が簡便となる。
【選択図】図1
【解決手段】連続繊維ロープ1を橋脚11の外周に巻き付け、この連続繊維ロープ1を巻き付けた橋脚11を現場打ちコンクリートにより被覆する。連続繊維ロープ1を橋脚11に巻き付けることにより、地震時などには連続繊維ロープ1が横補強鉄筋として機能し、耐震性などの強度が向する。また、施工時の補強材を固化する樹脂を必要としないため、工程が簡略化され、樹脂の原料剤により作業環境が悪化することもない。さらに、重機や専用機械を必要とせず、人力で連続繊維ロープ1を巻き付けることができるので、施工が簡便となる。
【選択図】図1
Description
本発明は、コンクリート部材の補強方法とその補強構造に関する。
従来、この種のものとして、コンクリート製橋脚を補強する耐震補強工法が提案されており、例えば、橋脚の外周に鋼板を巻き立てる方法や、橋脚の外周に鉄筋を巻き、コンクリートで覆う方法などが知られている。
しかし、鋼板を巻き立てる方法では、施工に際して、重機が必要となる。また、塩害地域などでは腐蝕を考慮する必要があるため、その鋼板を定期的に塗り替える必要がある。
一方、鉄筋とコンクリートにより覆う方法では、鉄筋の配筋作業が煩雑となる。また、橋脚に直接鉄筋を巻くことはできないから、コンクリートによる巻き立てが所定以上の厚さとなり、部材の断面積が増加する。
このような問題に対して、コンクリート表面に当てがった強化繊維にマトリックス樹脂を含浸させて硬化する補強層を設ける方法があり、具体的には、炭素繊維、アラミド繊維等の強化繊維を直線配列したプリプレグや、前記強化繊維からなる織物状シートにエポキシ樹脂系接着剤を含浸させ、コンクリートに一体化する(例えば特許文献1)方法で提案されている。
前記繊維状シートでは、エポキシ樹脂系接着剤を含浸させ、コンクリートに接着などにより貼り付けるものであるから、その貼り付け作業が煩雑となり、また、貼り付けた樹脂状シートが露出するから、施工後、構造物の外観を損ねる面がある。
ところで、新設のコンクリート構造物において、鉄筋コンクリート柱の主筋の多様性に対する適応が容易で施工作業性と耐腐食性に優れ、軽量化に貢献し得る剪断補強筋及びこれを用いる鉄筋コンクリート柱の施工方法を提供するため、常温では硬化しない樹脂を予め長繊維強化材に含浸させてなる紐状もしくは帯状の未硬化FRPを、複数の主筋の周囲に剪断補強筋として配設し、加熱、紫外線照射もしくは通電等により硬化させるものが知られている(例えば特許文献2)。
しかし、前記紐状もしくは帯状の未硬化FRPを用いる方法では、樹脂は、硬化剤、硬化助剤、増粘剤、充填剤等を適宜添加して所望の硬化特性、粘度を有するように調製する必要があり、このような樹脂を用いるため、労働環境が低下し易いと共に、現場での作業工程が増加し、現場作業が煩雑になるという問題がある。
特開2001−123579号公報
特開2000−43043号公報
そこで、本発明は、施工性に優れ、所定の強度を得ることができるコンクリート部材の補強方法とその補強構造を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、コンクリート部材に補強部材を設けて補強するコンクリート部材の補強方法において、前記補強部材が連続繊維ロープであり、この連続繊維ロープを前記コンクリート部材の外周に巻き付け、この連続繊維ロープを巻き付けたコンクリート部材を現場打ちコンクリートにより被覆する方法である。
また、請求項2の発明は、前記連続繊維ロープに合成樹脂製繊維を用いた方法である。
また、請求項3の発明は、前記連続繊維ロープの両端部側を結束する方法である。
また、請求項4の発明は、前記連続繊維ロープの両端部側を結んで結束する方法である。
また、請求項5の発明は、前記連続繊維ロープを前記コンクリート部材に螺旋状に巻き付ける方法である。
請求項6の発明は、コンクリート部材に補強部材を設けて補強したコンクリート部材の補強構造において、前記補強部材が連続繊維ロープであり、前記コンクリート部材の外周に巻き付けた前記連続繊維ロープと、現場打ちコンクリートにより形成され前記連続繊維ロープを巻き付けたコンクリート部材を被覆するものである。
また、請求項7の発明は、前記連続繊維ロープに合成樹脂製繊維を用いたものである。
また、請求項8の発明は、前記連続繊維ロープの両端部側を結束した結束部を備えるものである。
また、請求項9の発明は、前記結束部が結び目である。
また、請求項10の発明は、前記連続繊維ロープを前記コンクリート部材に螺旋状に巻き付けたものである。
請求項1の構成によれば、連続繊維ロープをコンクリート部材に巻き付けることにより、地震時などには連続繊維ロープが横補強鉄筋として機能し、耐震性などの強度を向上させる。
そして、施工時に補強材を固化する樹脂を必要としないため、工程が簡略化され、また、樹脂の原料剤により作業環境が悪化することもない。さらに、重機や専用機械を必要とせず、人力で連続繊維ロープを巻き付けることができるので、施工が簡便となる。また、使用するのが連続繊維ロープであるから、材料費が安価で済み、施工コストも低く抑えることができる。
また、現場打ちコンクリートで被覆することにより、連続繊維ロープを固定でき、外観が補強前のコンクリート部材と大きく変わることもない。また、コンクリート部材の表面に直接連続繊維ロープを巻き付けたものであるから、鉄筋などに比べて現場打ちコンクリートの巻き立て厚さが薄く済み、補強前に比べて断面寸法の変化も少ない。
また、請求項2の構成によれば、合成樹脂製の連続繊維ロープは腐蝕しないので、耐久性に優れ、鋼材と異なり腐蝕せず、海岸近くなどの環境でも適用可能である。
また、請求項3の構成によれば、両端部同士を結束することにより、連続繊維ロープを簡便にコンクリート部材に巻き付けることができる。
また、請求項4の構成によれば、両端部同士を結ぶことにより、結束具などを用いることなく、両端部を簡単に結束することができる。
また、請求項5の構成によれば、螺旋状に巻き付けた前記連続繊維ロープが横補強鉄筋として機能し、コンクリート部材の長さ方向全長の強度を向上することができる。
請求項6の構成によれば、連続繊維ロープをコンクリート部材に巻き付けることにより、地震時などには連続繊維ロープが横補強鉄筋として機能し、耐震性などの強度が向上したものとなり、また、現場打ちコンクリートで被覆することにより、連続繊維ロープを固定でき、外観が補強前のコンクリート部材と大きく変わることもなく、さらに、コンクリート部材の表面に直接連続繊維ロープを巻き付けたものであるから、鉄筋などに比べて現場打ちコンクリートの巻き立て厚さが薄く済み、補強前に比べて断面寸法の変化も少ない。
また、請求項7の構成によれば、海岸近くなどの環境でも、耐久性に優れたものとなる。
また、請求項8の構成によれば、両端部同士を結束することにより、連続繊維ロープを簡便にコンクリート部材に巻き付けることができる。
また、請求項9の構成によれば、両端部同士を結ぶことにより、結束具などを用いることなく、両端部を簡単に結束することができる。
また、請求項10の構成によれば、コンクリート部材の長さ方向全長の強度が向上したものになる。
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。各実施例では、従来とは異なるコンクリート部材の補強方法とその補強構造を採用することにより、従来にないコンクリート部材の補強方法とその補強構造が得られ、そのコンクリート部材の補強方法とその補強構造を夫々記述する。
以下、本発明の実施例1について図1〜図11を参照して説明する。同図に示すように、本実施例では、コンクリート部材の補強部材として、連続繊維ロープ1を使用する。この連続繊維ロープ1は、合成樹脂繊維として、例えばアラミド繊維、ビニロン繊維などの連続繊維を束ねた心材の表面のみをウレタン樹脂で被覆したものが用いられ、より線や組紐構造をなし、好ましくは、より線構造の連続繊維ロープ1を用いる。
そして、上記連続繊維ロープ1は、高強度、高耐久性、軽量性など連続繊維補強材の基本的な特長を備えているのはもちろんのこと、従来の連続繊維補強材(FRPロッド)や連続繊維シートとは異なり、樹脂を全体に含浸、硬化させないことから、軟らかく、可搬性、成形性に優れるものである。すなわち連続繊維ロープ1は、複数の柔軟性を有する前記連続繊維を束ねて形成した心材と、この心材を被覆して保護する浸透性外皮材とからなる柔軟性を備えたものである。
上記連続繊維ロープ1は、各種のコンクリート部材に巻き付けて用いることができるが、特に特長を有効に生かした利用方法として、コンクリート部材として既存の橋脚11や柱部材の耐震補強に適する。
本補強方法は、前記繊維連続ロープ1を既存の橋脚11の外周に巻き付け、その上を現場打ちコンクリートによるコンクリート被覆12で被覆する工法であり、この工法は、シート巻立て補強、RC巻立て補強のよいところを合わせ持ち、かつ新しい材料である連続繊維ロープ1の特長を生かした工法となる。
図1を用いて、施工方法を説明すると、まず、補強対象の既存橋脚11のコンクリート表面13を研磨により表面処理する。このようにコンクリート表面13を研磨するのは、連続繊維ロープ1を橋脚11に巻付け後、現場打ちコンクリートにより形成するコンクリート被覆12と前記表面13との密着性を向上するためであり、コンクリートの密着性を向上する表面処理を施す。尚、この例では、橋脚11の断面は四角形である。また、連続繊維ロープ1は、巻取りロール14に巻き付けられており、この巻取りロール2から繰り出して使用される。
次に、研磨の終わった橋脚11の外周に連続繊維ロープ1を巻き付ける。この場合、合成樹脂製の連続繊維ロープ1は軽く、軟らかいので、特別な工具を使わなくとも手で巻いてゆくことがでる。連続繊維ロープ1の端部1Tも特別な定着を行う必要はなく、端部1T,1T´を人力で結ぶことにより結束部たる結び目2を形成して結束する。このように特別な定着が不要なのは、巻き付けた後、その上からコンクリート被覆12で被覆することにより定着が確保されるからである。
連続繊維ロープ1の巻き付け方の一例としては、図1に示すように、一端部1T側の巻き始め箇所から、実線の矢印に示す円周一側方向に連続繊維ロープ1を螺旋状に巻き付け、橋脚11の必要箇所の全長に巻き付け、巻き終わり箇所から、破線の矢印に示す円周他側方向に連続繊維ロープ1を螺旋状に巻き付け、先に巻き付けた上から交差して巻き付け、巻き始め箇所まで巻き付けたら、他端部1T´と前記一端部1Tとを結ぶことにより結束する。
このようにして、連続繊維ロープ1を巻付け後に、橋脚11の表面13と所定間隔を置いて型枠(図示せず)を設置し、この型枠内に現場打ちコンクリートを打設し、コンクリート被覆12を設ける。コンクリート被覆12を設けることにより、供用中の連続繊維ロープ1の保護、連続繊維ロープ1の付着・定着の確保、美観の確保などの効果が得られる。
そして、コンクリートの打設は連続繊維シート巻立て工法に比べると工程が増えるものの、従来から既存橋脚の耐震補強工法のひとつとしてRC巻立て工法が広く用いられているので、コンクリートを巻立てることは美観を損なうこともなく、しかも、本工法ではコンクリート被覆12に圧縮力を負担する力学的な強度を要求していないので、コンクリート被覆12の厚さはRC巻立て工法に比べて薄くて済む。したがって、補強後においても橋脚11の断面増加はそれほど大きくなることがない。そして、前記型枠を脱枠し、コンクリート被覆12の養生を行うことにより補強構造が完成する。
このようは本補強方法及び補強構造は、以下の特長がある。
補強部材として用いる連続繊維ロープ1は、軽量性、可搬性に富むので、巻付け作業などを現場で簡便に行うことができる。また、現場で樹脂を扱う工程がないので、現場作業が簡便であるとともに、現場作業者の苦渋性の軽減にも貢献できる。さらに、コンクリート被覆12により補強後に連続繊維ロープ1が見えることなく、また、RC巻立てほどもコンクリート被覆12による断面増加が著しくないので、補強した形跡が目立ちにくい。また、連続繊維ロープ1は腐食することがないので、海岸付近などの厳しい環境下の構造物にも適用できる。
実験例
既存のコンクリート部材への連続繊維ロープ1の巻き方,定着方法,巻立てコンクリートによる被覆の効果について、はり供試体を用いて試験し、さらに、耐震補強としての効果を確認するために、橋脚11のモデルである鉄筋コンクリート柱試験体に適用して正負交番載荷を行い、この結果を以下に説明する。
既存のコンクリート部材への連続繊維ロープ1の巻き方,定着方法,巻立てコンクリートによる被覆の効果について、はり供試体を用いて試験し、さらに、耐震補強としての効果を確認するために、橋脚11のモデルである鉄筋コンクリート柱試験体に適用して正負交番載荷を行い、この結果を以下に説明する。
上記表1において、「はり」は、後述するRCはりの実験に用いた連続繊維ロープ1の物性を示し、「柱」は、RC柱の実験に用いた連続繊維ロープの物性を示す。
まず、連続繊維ロープ1を外周に巻き付けたRCはりの載荷試験について説明する。
既存部材の外周に連続繊維ロープ1を巻き付けただけの場合、コンクリート被覆12に埋設した連続繊維ロープ1と同じ補強効果を発揮するかどうかを検討した。
図2に、はり供試体21の概要を示し、同図において、上段左側は基準はり供試体21の正面説明図、上段右側は基準はり供試体21の断面説明図、中段左側は、はり供試体21Aの正面説明図、中段右側は、はり供試体21Aの断面説明図、下段左側は、はり供試体21Bの正面説明図、中段右側は、はり供試体21Bの断面説明図を示す。
前記はり供試体21,21A,21Bの右側スパンはせん断補強鉄筋によりせん断補強を施し、試験区間の左側スパンでせん断破壊が生じるようにした。基準はり供試体21のせん断余裕度の計算値は右側スパン左側スパンでそれぞれ0.7,0.3である。実験に使用した連続繊維ロープ1の物性は表1の「はり」の欄に示し、鉄筋とコンクリートの強度は下記の表2に示す。
前記基準はり供試体21は、比較用のせん断補強なしの供試体である。
前記はり供試体21Aは、連続繊維ロープ1を軸方向鉄筋に150mmピッチで巻き付け、連続繊維ロープ1をせん断補強筋としてコンクリート中に埋設したものである。その連続繊維ロープ1の端部1T,1T´は鉄筋に結び付け、この結び付けた部分のみ樹脂により鉄筋に固定した。
前記はり供試体21Bは、基準はり供試体21と同じ既存はりの外周(表面13)に連続繊維ロープ1を150mmピッチで巻き付けたものである。前記連続繊維ロープ1を巻付け前に試験区間のコンクリート表面13の隅角部は曲率半径17mmの面取りを行った。連続繊維ロープの端部1T側は、はりのコンクリート表面13に隙間なく5回巻き付け,この5回巻き付けた部分のみ樹脂によりコンクリート表面13に固定した。連続繊維ロープ1の巻付け作業は、特殊な機材を使用せず、人力により行った。
載荷試験では静的単調載荷を行った。図3のグラフに荷重−はり中央のたわみ関係を示す。いずれの供試体21,21A,21Bもせん断ひび割れ発生荷重(98.1kN,図中の矢印部分)まではほぼ同じ挙動を示した。せん断補強筋がない基礎はり供試体21は、せん断ひび割れ発生後、少し荷重の増加が見られたが、耐荷メカニズムが消失し,終局を迎えた。
はり供試体21Aは、せん断ひび割れ発生後、コンクリート中に埋め込まれた連続繊維ロープ1がひび割れを跨いでせん断力を受け持つことで荷重が増加した。その後、連続繊維ロープ1が破断し終局となった。はり供試体21Aの最大耐力は、基準はり供試体21Aの約2倍に向上した。
はり供試体21Bは、ひび割れ発生後の最大荷重は基準はり供試体21と同程度であったが、ピーク値を経過した後、耐荷力が一定のまま部材の変形が進む区間が見られ、その後、連続繊維ロープ1が破断し終局となった。最大荷重後は外周に巻き付けた連続繊維ロープ1が力を受け持っていると考えられ、一定の強度の向上が見られた。しかし、ひび割れ発生直後は基準はり供試体21と同じ挙動をしていることから、連続繊維ロープ1を既設構造物に巻き付けただけでは,コンクリート表面13との付着がないために、ひび割れ発生後ただちに力を分担することができないと考えられる。
これらの実験結果より、既存のコンクリート部材の外周に連続繊維ロープ1を巻き付けた場合に、コンクリート中に埋設した場合と同等の補強効果を得るためには、コンクリートとロープの間に付着が必要であることが示唆された。また、実構造物に適用することを考えた場合、衝突や環境作用などから連続繊維ロープ1を保護するために何らかの被覆を施すことが望ましいと考えられる。
そこで,既設のコンクリート部材の外周に連続繊維ロープ1を巻き付けた後にコンクリートで巻き立てる補強工法を考案し、どのような補強効果が得られるか検討することにした。まず、簡単なはり供試体で,実験的検討を行った。
はり供試体22,22Aの概要を図4に示す。実験に使用した連続繊維ロープ1の物性は表1の「はり」に示し、鉄筋とコンクリートの強度は下記の表3に示す。試験区間は左側スパンとした。本実験シリーズは、せん断ひび割れ発生荷重と,主鉄筋降伏荷重が近くなるように諸元を決定した。これは、連続繊維ロープ1を柱部材の鉄筋降伏後のじん性補強に用いることを念頭に置いたためである。はり供試体22は比較用のせん断補強なしのものであり、このはり供試体22のせん断余裕度の計算値は右側スパン左側スパンでそれぞれ3.9,0.9である。
はり供試体22Aは、連続繊維ロープ1の巻立てとコンクリート巻立てである前記コンクリート被覆12を併用するものである。なお、はり供試体22Aは、既存部材の試験区間のコンクリートの断面積を減らしておき、コンクリート巻立て後に、はり供試体22と同じ断面積になるようにした。これは,実験に用いた供試体22,22Aが小型であるので、コンクリート被覆12による断面積増加によるコンクリートの分担せん断耐力Vcの増加が無視できない可能性があるため、実験上の措置として行ったものである。
前記はり供試体の作製手順は次のとうりである。母部材のコンクリート打設後、試験区間の表面処理(研磨)を行ってから養生を行った。養生終了後、表面13の隅角部の面取りを行い、連続繊維ロープ1を巻き付けた。この連続繊維ロープ1は、巻付け間隔100mmとし、載荷点側から巻き始め、支点側に到達すると反転して載荷点側に向かって巻き付け、巻き始めと巻き終わりの部分を結んだ。この連続繊維ロープ1を巻き付けたコンクリート表面13を被覆するコンクリート被覆12は、連続繊維ロープ1を定着する働きをするので、樹脂などによる定着は行っていない。尚、連続繊維ロープ1の巻付け作業は人力により行った。その後、コンクリート被覆12部分のコンクリートを打設した。そのコンクリート被覆12の厚さは15mmとし、骨材の最大寸法は10mmとした。
図5に荷重−はり中央のたわみ関係を示し、図6に終局時のひび割れ状況を示し、この図6の写真では、ひび割れ箇所の理解を容易にするため、ひび割れに沿って、線を書き加えている。図6中、上,下のはり供試体22,22Aともに主鉄筋降伏までは同じ挙動を示した。
はり供試体22は、主鉄筋降伏後、せん断ひび割れが1本生じて耐荷力を失い終局となった。
一方、はり供試体22Aは、主鉄筋降伏後,複数のせん断ひび割れが発生したが、これらにより部材が終局状態にいたることはなく、大きな変形をした後、最終的に上部コンクリートが圧縮破壊し、破壊モードは、曲げ引張破壊となった。すなわち、連続繊維ロープ1とコンクリート被覆12により部材の破壊モードをせん断破壊から曲げ破壊に移行させることに成功した。
はり供試体22Aにおいてせん断ひび割れが複数本生じたのは、ひび割れ発生後、連続繊維ロープ1がひび割れを跨いで引張力を受け持ったためであると考えられ、コンクリート被覆12が付着の伝達に有効に機能していることを示している。
次に、連続繊維ロープ1の巻き付けとコンクリート巻立て(コンクリート被覆12)を併用したRC柱の正負交番載荷試験について説明する。
上述したように、はり供試体22,22Aの単調載荷試験の結果、連続繊維ロープ1とコンクリート被覆12を併用する補強工法が有効であることが示された。そこで、より実構造物の状況に近いRC柱供試体に本工法を適用し、正負交番載荷試験を行った。
図7及び図8に柱供試体23の概要を示す。実験に使用した連続繊維ロープ1の物性は表1の「柱」に示し、鉄筋とコンクリートの強度は下記の表4に示す。この柱供試体23は、無補強の場合、せん断余裕度は0.7であり,曲げ降伏とほぼ同時にせん断破壊する。尚、柱供試体23は、これより断面積が大きなフーチング部24の中央に突設されている。
連続繊維ロープ1は、巻付け間隔100mmとし、載荷点側から巻き始め、フーチング部24に到達すると反転して載荷点側に向かって巻き付けた。連続繊維ロープ1は人力により巻き付け、端部1T,1T´同士を結んだだけで樹脂は使用していない。その後、柱供試体23にフーチング部24から型枠(図示せず)を設置し、この型枠内に現場打ちコンクリートを打設し、コンクリート被覆12を設けた。コンクリート被覆12の厚さSは40mmとし、前記現場打ちコンクリートには、粗骨材最大寸法13mm、スランプ値14cmのコンクリートを用いた。また、締固めはバイブレータを用いて型枠外部から型枠に振動を加えることにより行った。
載荷方法について説明すると、図9に示すように、柱供試体23を鉛直に設置し、水平方向に正負交番載荷した。載荷点はフーチング部24の上面から1250mm、フーチング部24を固定した反力床から2250mmの位置とした。
載荷ステップは、正負ごとの降伏荷重時の載荷点変位を1δとして,この整数倍を1ステップとして繰返し載荷を行った。繰返し回数はステップごとに正負3回とした。最大荷重を経験したあと、水平荷重Pが最大荷重の8割まで低下した時点を終局とし、載荷終了とした。
図10のグラフに荷重−載荷点変位関係を示す。本試験では、正負で値の異なる降伏変位を採用して載荷変位を制御したため、正負非対称となった。この柱供試体23は正負7δの載荷まで耐えることができた。ただし、値の大きい正側のδを基準に負側の終局変位を計算しなおすと3δとなった。無補強時には曲げ降伏とほぼ同時にせん断破壊して終局となることから判断すると、本補強工法によりじん性補強の効果があった。終局時にも連続繊維ロープ1が破断することがなかった。尚、図11の写真では、ひび割れ箇所の理解を容易にするため、ひび割れに沿って、線を書き加えている。
図9に示した実験において観察された破壊性状の特徴は、交番載荷が進むにつれ、図11の写真に示すように、コンクリート被覆12に大きなひび割れが生じ、柱供試体23のコンクリート表面13からの部分的な剥離が徐々に進むことである。上述したはり供試体による試験の結果とあわせて考えると、本工法の補強メカニズムは次のようであると考えられる。
常時および部材の変形が小さい段階ではコンクリート被覆12との付着を介して既存部材から連続繊維ロープ1に力が伝達され連続繊維ロープ1が補強部材として機能するが、繰返し載荷によりコンクリート被覆12が剥離し付着が徐々に消失する。しかし、剥離は部分的であるので、連続繊維ロープ1の端部定着は損なわれない。大変形時には、連続繊維ロープ1が既存部材のコンクリートの崩落を防ぐことにより、じん性補強に寄与するので付着がなくともよい。むしろ連続繊維ロープ1のひずみの集中を防ぐために付着がないほうが望ましいと考えられる。
このような実験から以下のことが判った。(1)連続繊維ロープ1を既設部材の外周に巻き付けただけでは,付着がないためコンクリート中に埋め込んだ場合と同じ補強効果は得られない。(2)連続繊維ロープ1を巻き付けた後、コンクリート被覆12を形成することで、ひび割れ発生後に、連続繊維ロープ1がただちに力を受け持つ耐荷メカニズムが実現できる。(3)連続繊維ロープ1とコンクリート被覆12を併用する補強工法は、既設鉄筋コンクリート柱部材のじん性に補強効果がある。
このように連続繊維ロープ1の巻き付けとコンクリート被覆12とを用いた補強構造では、連続繊維シート巻立て補強と同等のじん性向上効果があることが確認されました。また、地震時の挙動として特徴的であるのは、表面のコンクリート被覆12にはひび割れが入り徐々に剥離するが、中の連続繊維ロープ1は破断することがなく、柱本体のコンクリートをよく拘束し、部材の終局変形を効果的に向上させることができた。
このように本実施例では、コンクリート部材たる橋脚11に補強部材を設けて補強するコンクリート部材の補強方法において、前記補強部材が連続繊維ロープ1であり、この連続繊維ロープ1を橋脚11の外周に巻き付け、この連続繊維ロープ1を巻き付けた橋脚11を現場打ちコンクリートにより被覆する方法であり、また、コンクリート部材たる橋脚11に補強部材を設けて補強したコンクリート部材の補強構造において、前記補強部材が連続繊維ロープ1であり、橋脚11の外周に巻き付けた連続繊維ロープ1と、現場打ちコンクリートにより形成され連続繊維ロープ1を巻き付けた橋脚11を被覆するコンクリート被覆13とを備える構造であるから、連続繊維ロープ1を橋脚11に巻き付けることにより、地震時などには連続繊維ロープ1が横補強鉄筋として機能し、耐震性などの強度を向上させる。
そして、施工時の補強材を固化する樹脂を必要としないため、工程が簡略化され、また、樹脂の原料剤により作業環境が悪化することもない。さらに、重機や専用機械を必要とせず、人力で連続繊維ロープ1を巻き付けることができるので、施工が簡便となる。また、使用するのが連続繊維ロープ1であるから、材料費が安価で済み、施工コストも低く抑えることができる。また、現場打ちコンクリートで被覆することにより、連続繊維ロープ1を固定でき、外観が補強前の橋脚11と大きく変わることもない。また、橋脚11の表面13に直接連続繊維ロープ1を巻き付けたものであるから、鉄筋などに比べて現場打ちコンクリートの巻き立て厚さが薄く済み、補強前に比べて断面寸法の変化も少ない。
また、このように本実施例では、連続繊維ロープ1に合成樹脂製繊維を用いたから、合成樹脂製の連続繊維ロープ1は腐蝕しないので、耐久性に優れ、鋼材と異なり腐蝕せず、海岸近くなどの環境でも適用可能である。
また、このように本実施例では、連続繊維ロープ1の両端部1T,1T´側を結束し、また、連続繊維ロープ1の両端部1T,1T´側を結束した結束部たる結び目2を備えるから、連続繊維ロープ1を簡便に橋脚11に巻き付けることができる。
また、このように本実施例では、連続繊維ロープ1の両端部1T,1T´側を結んで結束し、また、結束部が結び目2であり、結束具などを用いることなく、両端部1T,1T´を簡単に結束することができる。
また、このように本実施例では、連続繊維ロープ1をコンクリート部材たる橋脚11に螺旋状に巻き付けるから、螺旋状に巻き付けた連続繊維ロープ1が横補強鉄筋として機能し、橋脚の長さ方向全長の強度を向上することができる。
また、実施例上の効果として、コンクリート被覆12の厚さが40〜60mmであるから、現場でのコンクリート使用量を抑え、かつ連続繊維ロープを確実に定着することができる。又、コンクリート部材たる橋脚11の角部を面取りしてから、連続繊維ロープ1の巻き付けを行ったから、連続繊維ロープ1に無理な力が加わり難くなる。
図12は本発明の実施例2を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、同図に示すように、この例のコンクリート部材では、鉄筋コンクリート製のはり部材11´であって、既設の両端支持はりを示し、上記実施例1と同様に、はり部材11´に連続繊維ロープ1を巻き付け、この上から現場打ちコンクリートによりコンクリート被覆12を設けるものであり、連続繊維ロープ1の拘束により、はり部材11´の強度を向上することができ、上記実施例1と同様な作用・効果を奏する。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、実施例では、コンクリート部材としての柱として橋脚を例示したが、建築物の柱などでもよい。また、断面方形のコンクリート部材を例示したが、三角や五角形以上の多角形でもよく、もちろん丸形でもよい。また、請求項1及び6においては、連続繊維ロープは、合成樹脂製以外でも、各種の繊維を用いることができる。また、連続繊維ロープが短い場合は、連続繊維ロープ同士を結びつけて使用してもよい。さらに、螺旋状に巻く以外でも、一箇所毎に連続繊維ロープを輪状に結びつけ、その輪をコンクリート部材の長さ方向に間隔を置いて複数配置するようにしてもよい。
1 連続繊維ロープ
2 結び目(結束部)
11 橋脚(コンクリート部材)
12 コンクリート被覆
13 コンクリート表面
16 はり部材(コンクリート部材)
2 結び目(結束部)
11 橋脚(コンクリート部材)
12 コンクリート被覆
13 コンクリート表面
16 はり部材(コンクリート部材)
Claims (10)
- コンクリート部材に補強部材を設けて補強するコンクリート部材の補強方法において、前記補強部材が連続繊維ロープであり、この連続繊維ロープを前記コンクリート部材の外周に巻き付け、この連続繊維ロープを巻き付けたコンクリート部材を現場打ちコンクリートにより被覆することを特徴とするコンクリート部材の補強方法。
- 前記連続繊維ロープに合成樹脂製繊維を用いたことを特徴とする請求項1記載のコンクリート部材の補強方法。
- 前記連続繊維ロープの両端部側を結束することを特徴とする請求項1又は2記載のコンクリート部材の補強方法
- 前記連続繊維ロープの両端部側を結んで結束することを特徴とする請求項3記載のコンクリート部材の補強方法。
- 前記連続繊維ロープを前記コンクリート部材に螺旋状に巻き付けることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のコンクリート部材の補強方法。
- コンクリート部材に補強部材を設けて補強したコンクリート部材の補強構造において、前記補強部材が連続繊維ロープであり、前記コンクリート部材の外周に巻き付けた前記連続繊維ロープと、現場打ちコンクリートにより形成され前記連続繊維ロープを巻き付けたコンクリート部材を被覆するコンクリート被覆とを備えることを特徴とするコンクリート部材の補強方法。
- 前記連続繊維ロープに合成樹脂製繊維を用いたことを特徴とする請求項6記載のコンクリート部材の補強構造。
- 前記連続繊維ロープの両端部側を結束した結束部を備えることを特徴とする請求項6又は7記載のコンクリート部材の補強構造。
- 前記結束部が結び目であることを特徴とする請求項8記載のコンクリート部材の補強構造。
- 前記連続繊維ロープを前記コンクリート部材に螺旋状に巻き付けたことを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載のコンクリート部材の補強方法。
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---|---|---|---|
JP2006157868A JP2007327208A (ja) | 2006-06-06 | 2006-06-06 | コンクリート部材の補強方法とその補強構造 |
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---|---|---|---|---|
JP2013155600A (ja) * | 2013-04-10 | 2013-08-15 | Ohbayashi Corp | 鋼管・コンクリート複合構造橋脚 |
CN108547469A (zh) * | 2018-05-21 | 2018-09-18 | 卢晓峰 | 一种利用纤维布加固混凝土圆柱的方法 |
CN111287384A (zh) * | 2020-03-31 | 2020-06-16 | 北京林业大学 | 采用frp混编麻绳的原竹结构组件及其制造方法 |
-
2006
- 2006-06-06 JP JP2006157868A patent/JP2007327208A/ja active Pending
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