JP2007326169A - 歩行ロボット - Google Patents

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Abstract

【課題】歩行ロボットにおいて、該歩行ロボットの向きを変更するのに必要な股関節の構造を可及的に小さくする。
【解決手段】複数のリンク部材と該リンク部材の各々を連結する関節部とで構成される脚を少なくとも2本有し、該脚の駆動により歩行を行う歩行ロボットであって、歩行ロボットの歩行状態における支持脚によって形成される回転中心軸を中心として、該歩行ロボットに対して相対的な角運動量を発生させる角運動量発生手段と、角運動量発生手段によって発生させられる角運動量を変化させることで、歩行ロボットを、回転中心軸を形成する支持脚が接触する接触床面に対して回転させる回転手段と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、少なくとも二本の脚を有し、該脚により歩行運動が可能な歩行ロボットに関する。
従来2脚歩行ロボットが歩きながら向きを変えるために、股関節に用意したヨー軸関節を駆動して、向きを変える方法が広く採られている。しかし、全体重を載せた支持脚を水平方向とは言え歩行のリズムに合わせて回転させるため、ヨー軸の駆動モータも容量が大きく、且つ充分なトルクを必要とした。この方法で歩行ロボットが歩きながら向きを変えると、歩行ロボットの歩行軌跡は大きな半径を持つ円弧となり、結果的に目的地に行く経路が大周りになる。
また、歩行ロボットの向きを変更するために、歩行ロボットの脚先部に受動的に動く脚関節を脚先部先端に設けて、脚先部を駆動することで当該関節が曲がり、形の上で爪先立ちを実現しようとした技術が開示されている(例えば、特許文献1を参照。)。この脚先部構造を有する歩行ロボットにおいては、従来から行われている歩行ロボットの脚踏み動作による向き変更よりも、該変更に要する所要時間が少ないため、向き変更に要するエネルギー消費も減少することがうたわれている。
更に、歩行ロボットの向きを変更するときに要する時間と消費エネルギーを抑制するための技術が公開されている(例えば、特許文献2を参照。)。この歩行ロボットにおいては、歩行ロボットの脚先部に床面と接触する第一部材と、床面には接触しないで且つ第一部材と相対回転が可能な第二部材とを設けることで、歩行路面の路面状況にかかわらず、第一部材と第二部材との間の略一定の摩擦力に抗することで、歩行ロボットの向きの変更を可能とし、以て歩行ロボットの向き変更時の消費エネルギーの増加を抑制し得る。
特開平4−122586号公報 特開2005−238407号公報
ここで、人が急いで向きを変える場合を観察するに、路面が荒れていなければ、支持脚の靴底と床面との間に相対回転滑りを起させる、所謂「ターン」と呼ぶ方法を採っている。この事実は、ターンの方がより時間が早く回れることを意味し、またロボットの歩行軌跡も折れ線のように作れるので、目的地に向かうときの移動経路が短縮され、省エネ性も期待できる。
現代の歩行ロボット設計によれば、股関節にはピッチ方向関節とロール方向関節の2つの関節がヨー関節に加えて集積しており、これら3関節が互いに回転軸を直交させて配置する必要があったから、股関節は大きくなり、両脚の間隔が一定の距離以上離れたものになるという傾向がある。仮に、左右の股関節が空間上の同じ位置に配置できれば、歩行ロボットの歩行時にロボット本体を左右に揺する必要がなくなり、その分消費エネルギーも少なくなる。これに対し股関節の間隔が広くなれば、一歩ごとに体を左右に揺さぶる量も大きくなるため、消費エネルギーもまた大きくなる。ロボット本体を揺さぶる量は股関節の距離に比例して増えるから、股関節同士の距離を狭く設計することには省エネの観点で意味がある。
本発明では、上記した問題に鑑み、歩行ロボットにおいて、該歩行ロボットの向きを変
更するのに必要な股関節の構造を可及的に小さくし得る歩行ロボットを提供することを目的とする。
そこで、上記の課題を解決するために、本発明では、歩行ロボットのヨー関節が不要となるか又はヨー関節をより小さくすることを可能とするために、ヨー関節の関与を可及的に排除した歩行ロボットの方向転換に着目した。即ち、本発明の歩行ロボットは、人間と同じように歩きながら、方向転換である回転を行うものである。そして、最終的には、本発明に係る歩行ロボットでは、そのエネルギー消費量の大きさを改善することに帰結することを可能とする。
より詳細に、本発明に係る歩行ロボットは、複数のリンク部材と該リンク部材の各々を連結する関節部とで構成される脚を少なくとも2本有し、該脚の駆動により歩行を行う歩行ロボットであって、前記歩行ロボットの歩行状態における支持脚によって形成される回転中心軸を中心として、該歩行ロボットに対して相対的な角運動量を発生させる角運動量発生手段と、前記角運動量発生手段によって発生させられる角運動量を変化させることで、前記歩行ロボットを、前記回転中心軸を形成する前記支持脚が接触する接触床面に対して回転させる回転手段と、を備える。
上記歩行ロボットが歩行状態を迎えると、床面に接触する支持脚と床面から離れた遊脚が存在することになる。ここで、歩行状態とは、歩行ロボットが歩行を行うことで前進又は行進等する状態に加えて、歩行ロボットは前進等しなくとも歩行を行う際の姿勢を採った状態(例えば、片脚を上げて遊脚として、歩行姿勢を採った状態)も含むものである。
この歩行状態において、角運動量発生手段によって回転中心軸周りの角運動量が発生させられる。更に、この角運動量を、回転手段によって変化させることで、結果的に該回転中心軸周りに回転トルク、即ち角運動量の変化に起因する慣性力に基づいて回転トルクが発生することになる。この回転中心軸とは、歩行ロボットの歩行状態での姿勢等に基づいて決定される、角運動量発生手段によって発生する角運動量の中心となる軸であり、歩行ロボットの構成要素として存在するものではない。即ち、物理法則に従い、当然に角運動量発生手段による角運動量の中心となる仮想の軸である。
回転手段によって発生させられた回転トルクによって、歩行状態にある歩行ロボットは、支持脚と、該支持脚が接触する床面である接触床面との間で回転滑りが生じ、その結果、歩行ロボットが接触床面に対し回転し、歩行ロボットの歩行方向(進む方向)が変化されることになる。以下、この歩行方向の変化を、単に「回転」という。このように、歩行ロボットにおいて回転が可能となると、ヨー軸を利用した歩行ロボットの歩行方向の変更は必要なくなるか、その必要性が小さくなる。従って、本発明に係る歩行ロボットでは、歩行ロボットの向きを変更するのに必要な股関節の構造を可及的に小さくすることが可能となり、以て歩行に要する消費エネルギーも抑制することが可能となる。
ここで、上記の歩行ロボットにおいて、前記角運動量発生手段は、前記歩行ロボットの歩行状態における遊脚を、前記回転中心軸に対して所定距離離れた状態で変位させることで角運動量を発生させ、前記回転手段は、前記角運動量発生手段による前記遊脚の変位において加減速させることで、前記歩行ロボットを前記接触床面に対して回転させるようにしてもよい。即ち、歩行状態での遊脚の加減速を利用して、前記回転中心軸まわりの回転トルクを発生させるものである。尚、ここでいう遊脚の加減速は、回転中心軸まわりに回転トルクを発生し得る加減速、もしくはその加減速を一部に含む加減速である。
また、上記の歩行ロボットにおいて、前記歩行ロボットの歩行時に、該歩行ロボットの
遊脚の運動軌跡を制御する遊脚制御手段を、更に備える場合、前記回転手段は、前記歩行ロボットの歩行状態での前記遊脚制御手段による前記遊脚の運動軌跡を、該歩行ロボットが通常歩行を行う際の該遊脚制御手段による該遊脚の運動軌跡である通常遊脚軌跡より、前記回転中心軸を基準として外側に位置する運動軌跡である回転遊脚軌跡とすることで、前記歩行ロボットを前記接触床面に対して回転させるようにしてもよい。
前記回転中心軸周りの回転トルクを決定する要素は、遊脚の回転中心軸周りの角加速度と慣性力が生じる遊脚と回転中心軸との距離である。そこで、回転手段により歩行ロボットを回転させるときは、遊脚の運動軌跡を回転遊脚軌跡とすることで、上記回転トルクをより大きくし、効率的に回転手段による回転を行うことが可能となる。しかし、歩行ロボットが直線的な歩行や大きな歩行方向の変更を伴わない歩行である通常歩行を行うとき、遊脚の運動軌跡を回転遊脚軌跡とすると、それによって生じる回転トルクによって、歩行ロボットの歩行姿勢の安定性が低下する虞がある。そこで、通常歩行時は、遊脚の運動軌跡は、回転遊脚軌跡より、回転中心軸との距離が小さくなる通常遊脚軌跡とされる。
また、上記の歩行ロボットにおいて、前記角運動量発生手段は、前記歩行ロボットを構成する、前記歩行のための脚以外の構成要素であり、前記回転手段は、前記脚以外の構成要素によって発生させられる前記回転中心軸周りの角運動量を変化させることで、前記歩行ロボットを前記接触床面に対して回転させるようにしてもよい。即ち、前記回転中心軸周りの回転トルクは、必ずしも歩行状態での遊脚によるものではなく、歩行ロボットの脚以外の構成要素を利用しても、上述した歩行ロボットの回転は可能である。この脚以外の構成要素を利用する利点は、歩行ロボットの歩行状態における脚の姿勢を大きく変化させる必要がなくなるため、歩行時の制御が簡便なものとなる。脚以外の構成要素としては、例えば、歩行ロボットの手に相当する要素が挙げられる。
また、前記脚以外の構成要素は、前記歩行ロボットにおける該脚より上部に位置し、該脚に対して相対的に回転可能な上体部であって、前記角運動量発生手段は、前記上体部の相対回転により前記回転中心軸周りの角運動量を発生させるようにしてもよい。この上体部の脚に対する相対回転によって、上記の回転トルクを発生させることが可能となる。
ここで、上述までの歩行ロボットにおいて、前記回転中心軸を形成する前記支持脚と前記接触床面との間で生じる、該回転中心軸周りの摩擦トルクの大きさを変更する摩擦トルク変更手段と、前記回転手段によって前記歩行ロボットを前記接触床面に対して回転させるタイミングで、前記摩擦トルク変更手段によって前記回転中心軸周りの摩擦トルクの大きさを変更するタイミング制御手段と、を更に備えるようにしてもよい。
歩行ロボットの接触床面に対する上記回転は、上述した回転手段によって発生させられる回転トルクと、支持脚と接触床面との間の摩擦トルクとのバランスに拠る。即ち、回転トルクが摩擦トルクより大きくなる場合は、回転トルクに従って歩行ロボットが回転することになる。換言すると、摩擦トルクが回転トルクよりも小さくなる場合も、歩行ロボットが回転することになる。そこで、上記歩行ロボットにおいては、摩擦トルク変更手段によって、支持脚と接触床面との間の摩擦トルクを積極的に変更することで、摩擦トルクを回転トルクより小さくしたり大きくしたりすることで、歩行ロボットの上記回転をより効率的に行うことが可能となる。
そこで、前記摩擦トルク変更手段は、前記歩行ロボットの重心位置を所定の加速度で下降および/または上昇させることで、前記回転中心軸周りの摩擦トルクを変更してもよい。歩行ロボットの重心位置を所定の加速度で下降、上昇させることで、歩行ロボットから接触床面に掛かる荷重が変動する。その結果、支持脚と接触床面との間の摩擦トルクを変更することが可能となる。一般に、重心位置を所定の加速度で下降させると、歩行ロボッ
トから接触床面に掛かる荷重は小さくなり、以て摩擦トルクも大きくなり、逆に、重心位置を所定の加速度で上昇させると、歩行ロボットから接触床面に掛かる荷重は大きくなり、以て摩擦トルクも大きくなる。
ここで、前記摩擦トルク変更手段は、前記歩行ロボットの前記接触床面に対する回転の開始時の期間および/または該回転の終了直前の期間において、該回転の中間期間より、前記回転中心軸周りの摩擦トルクの絶対値を大きく設定するようにしてもよい。即ち、摩擦トルク変更手段による摩擦トルクの変更は、特定の期間(開始時の期間と終了直前の期間)においては、それ以外の期間(中間期間)よりも、摩擦トルクの変更量(絶対値)を大きくするものである。歩行ロボットの回転開始時においては、支持脚と接触床面との間に生じる摩擦力は、いわゆる静止摩擦力であり、歩行ロボットが回転している間に生じる摩擦力は、いわゆる動摩擦力である。一般に、静止摩擦力は動摩擦力より大きい。
そこで、静止摩擦力の影響を大きく受ける回転開始期間では、摩擦トルク変更手段による摩擦トルクの変更量をより大きくすることで、歩行ロボットの回転を円滑に開始する。また、歩行ロボットの回転を終了させる必要がある終了直前期間では、歩行ロボットを確実に停止させるために、摩擦トルク変更手段による摩擦トルクの変更量をより大きくすることで、動摩擦力の影響を弱める。また、歩行ロボットの回転中である中間期間では、摩擦トルクは比較的小さくなるため、このような摩擦トルクの変化量の増大を行わず、それに要する消費エネルギーを抑制する。
また、前記摩擦トルク変更手段は、前記支持脚の前記接触床面との接触面積又は接触部形状を変更することで、前記回転中心軸周りの摩擦トルクを変更するようにしてもよい。上記摩擦トルクは、回転中心軸と、支持脚と接触床面との接触部における荷重分布によって決定される。従って、該接触部に掛かる歩行ロボットからの荷重が一定であっても(これは、上記のように一定でない場合を排除するものではない)、該接触部の接触面積や接触形状を変更することで、摩擦トルクを変更することが可能となる。
また、前記歩行ロボットの脚は、該脚の本体部と、前記接触床面と接触する接触部と、該本体部と該接触部との間に設けられる摩擦調整部と、を有し、前記接触部と前記本体部と前記摩擦調整部は、互いに相対的に回転可能であり、前記摩擦調整部は、前記本体部と前記接触部との間に発生する摩擦トルクを選択的に所定高トルクおよび所定低トルクの何れかに調整可能であり、前記摩擦トルク手段は、前記回転中心軸周りの摩擦トルクの大きさを前記所定低トルクに変更するようにしてもよい。
即ち、機械的に、支持脚となる脚と接触床面との間に発生する摩擦トルクを、所定低トルクとそれよりも大きい所定高トルクに選択的に調整することが可能な歩行ロボットにおいては、歩行ロボットが回転するときは、摩擦トルクを所定低トルクに切り替えることで、より円滑な歩行ロボットの回転が可能となる。また、回転以外のとき、例えば、通常歩行時や歩行を行わないときは、摩擦トルクを所定高トルクに切り替えることで、歩行ロボットの姿勢を安定的に維持することが可能となる。
上述までの歩行ロボットにおいて、前記歩行ロボットは、予め該歩行ロボットの歩行のための前記脚の各関節の角度データである歩容データに従って該歩行を行い、前記回転手段による前記歩行ロボットの回転が行われるとき、歩行状態における支持脚と遊脚とで、該歩行ロボットが従う前記歩容データの時間的順序を異ならしめるようにしてもよい。即ち、歩行ロボットが予め決められた歩容データに従って歩行を行う場合、支持脚と遊脚とで、歩行に使用する歩容データの時間的順序を異ならしめることで、支持脚に対して遊脚を急激に変位させる、即ち加速又は減速させることができる。従って、この結果、上記の回転トルクが発生することになり、歩行ロボットの回転が行われることになる。
歩行ロボットにおいて、該歩行ロボットの向きを変更するのに必要な股関節の構造を可及的に小さくすることが可能となる。
ここで、本発明に係る歩行ロボット1の実施の形態について図面に基づいて説明する。図1に本発明を適用するのに適した2脚歩行が可能な歩行ロボット1の骨格図を示す。この骨格図については、本発明に関連する部分を中心に説明する。
ここで、歩行ロボット1においては、右脚と左脚とは鏡像の関係にあり、対称形状である。そこで、本実施例の説明においては、片側の脚に関して説明を行えば、当業者であれば残り片側の脚についても理解されるはずである。そして、両脚の対称関係にある部位には、同一の参照番号が与えられ、各参照番号の前にあるR、Lの記号は、それぞれの各部位の右側のものと左のものを表すものとする。そして、左右対照関係の部位に関わらず、R、Lの文字がない記載の場合には、右側、左側の区別を付けることなく、説明を行うものである。
図1において、歩行ロボット1は左右それぞれの脚に6ケの関節を備える。当該6ケの関節は上から順に、股関節10を構成するヨー関節10−Y、ピッチ関節10−P、ロール関節10−R、膝関節20を構成するピッチ関節20−P、足関節30を構成するピッチ関節30−P、そのロール関節30−Rであり、その下部には6軸力センサ32を介して脚部34が備えられる。これらの12ケの関節はモータによって駆動され、ヒト類似の歩行を実現するものとする。
また、最上部にはヒトの骨盤に相当する腰板リンク42が用意される。腰板リンク42には関節の制御に必要なコンピュータ・電源やアンプ(増幅器)、及び本発明に関係のあるヨー角度センサ44等が、図示しない方法で搭載されているものとする。ヨー角度センサ44としては、ジャイロなどが公知公用に供されている。腰板リンク42に搭載されたこれらの機器は一体となって、歩行ロボット1の胴体40を構成する。
更に、股関節10と膝関節20との結合には大腿リンク12が用意され、また膝関節20と足関節30との結合には、スネリンク22が用意される。
図2は、歩行ロボット1が歩行状態にあるとき、その右脚を支持脚に、その左脚が床面から離し始め遊脚となった状態を、歩行ロボット1の側面から見た側面図である。図3は、図2に示す歩行ロボット1を、真上から見た平面図である。図2に示す歩行ロボット1において、歩行ロボット1が脚を動かすことにより慣性力が生じ、その慣性力と重力との合成力Fがロボット全体の重心G0に作用している。この合成力Fの延長線が、床面と交
わる点P0をZMP(Zero Moment Point)と呼び、このZMPが支持脚の床面と接触する面内部にあれば、安定した歩行の継続が約束される。ZMPでは床反力F’が発生しており、F’はFと向きが反対で大きさが等しい力である。
上記の慣性力の発生について、詳細に力学的に説明する。図示のように、大腿リンク12およびそれに接続される関節等の運動体の重心をg1、スネリンク22およびそれに接続される関節等の運動体の重心をg2、足関節30および脚部34およびそれらに接続される運動体の重心をg3、胴体40およびその周辺の運動体の重心をg4とし、それぞれの重心位置に、それぞれの運動体の質量m1、m2、m3、m4が集中しているものと考えて、各運動体の平行運動による慣性力を考える。またこの慣性力の他に、各運動体が各々の重心周りに回転することによる慣性力がある。
各運動体の重心には、重力が鉛直下向きに作用している。従って各運動体の重心g1、g2、g3、g4には、前記2つの慣性力と各運動体の重力との合成力f1、f2、f3、f4が作用している。これらの合成力fi(i=1、2、3、4)を全てベクトル的に合成したものが、上記の合成力Fである。因みに、歩行ロボット1全体の重心G0の位置
座標は、上記の各運動体の重心gi(i=1、2、3、4)の位置座標に、各運動体の質量miを重みとして乗じ、その和を歩行ロボット1全体の質量Mで割れば求めることができる。歩行ロボット1に働く力関係を述べるとき、この重心G0は大変重要な意味を持つ
図3には、歩行ロボット1の胴体40に対する左右の脚の位置関係が示されている。図の下部の脚部L32は遊脚状態にあり、本実施例では遊脚脚部L32は、図3内で、水平左方向(即ち、歩行ロボット1の歩行方向)に直線の運動軌跡を描きながら運ばれているものとする。もちろん、この遊脚脚部L32の運動軌跡を、側面図である図2で表せば、運動軌跡は直線ではなく緩い山形カーブ状の軌跡となる。
図3には、またP0(ZMP)が、支持脚状態である脚部R32上に示されている。重心
0に向かう床反力F’は重心位置G0を通るため、例えば、床面との摩擦力が均一ならば、該床反力F’は歩行ロボット1の歩行方向を変えて歩行ロボット1を回転させる力とはなりえない。ZMPとは回転トルクが0となる点という意味である。これに対して、遊脚である左脚に作用する慣性力は、歩行ロボット1を回転させるように作用する。例えば、図3で遊脚が左向きの水平方向に加速されているとすれば、その慣性力は右向きの水平方向に発生する。この慣性力は、支持脚である右脚の脚部R32を通って、床面に垂直方向に延びる回転中心軸を中心とした反時計方向(図3中)の回転トルクを生じさせ、以て歩行ロボット1を該回転中心軸周りに、反時計方向に回転させようと働く。
ここで、この歩行ロボット1を回転させようと働く慣性力にも係わらず、歩行ロボット1が影響されずに真っ直ぐ歩けるのは、支持脚が床面と接触している接触床面に働く摩擦力によるものであり、歩行ロボット1の安定した歩行の必要条件は、その回転を抑える摩擦力による摩擦トルクが、上記慣性力の作る回転トルクと釣り合うことである。ここで、接触床面の摩擦力が低下してこの条件が崩れると、歩行ロボットは反時計方向に回転してしまう。換言すると、この釣り合いの条件を適切なタイミングで、積極的に崩せば、歩行ロボット1の歩行方向の変更が、ヨー軸モータを駆動することなく実現できる。これは、ヨー軸モータの小型化や、場合によってはヨー軸モータを排除することが可能となる。
次に、摩擦力による摩擦トルクを構成する要素について述べる。最大摩擦力は、床面とそれに接触する歩行ロボットの脚底との間の摩擦係数μと、その接触床面に作用する垂
直荷重とで決まる。床面と脚底間の摩擦係数は路面状況に左右されやすいファクタであるため、本実施例では先ず垂直荷重に着目する。この垂直荷重は、歩行ロボット1の重心位置を上下に加速することで、変えることができる。例えば、歩行ロボット1の重心を加速度9.8m/sec2(1G)で落下するように支持脚、図2に示す状態であれば右脚の膝関節R
20を曲げるならば、接触床面に作用する垂直荷重は0になる。
以上を普遍的に言えば、ロボット重心の落下加速度をαとすれば、垂直荷重Wは、以下の式で与えられる。
W=M(G−α)
次に、摩擦トルクの影響因子について述べる。接地面積(図2に示す状態では、右脚の脚部R32の接触面)の中のある点を考え、上記の回転中心軸からその点までの距離をrとし、当該点の周りの微小面積をdA、単位面積当たりの分布荷重をwとすれば、その点
周りの最大摩擦トルクTは以下の式で表される。

Figure 2007326169
(μは摩擦係数である。)
ここで接地面積Aの全体に均一に体重がかかる場合を想定すると、
w=W/A
で与えられる。接触部が複雑な形状をしている場合、その積分作業は大変難しくなるため、ここでは計算の簡便化のため、単純な形状の半径Kの円形状の接触部を採用し、且つ均一な分布荷重wが作用している場合を考えると、以下の式が導出される。

Figure 2007326169
つまり、支持脚と接触床面との間に作用する摩擦トルクは、垂直荷重Wと接触面積の半径Kに比例している。このことは接触部の形状が円形のときその面積が半分になれば、摩擦トルクは1.41分の1に縮小することを示している。これを考慮すると、ヒトがターンをするとき踵を持ち上げるのは、接触面積を減少させて摩擦トルクを減少させ、回転を行いやすくするためと考えられる。
歩行ロボット1の歩行動作について説明する。先ず、通常歩行時(ターン動作を行わない歩行時)には、遊脚が離床してから再び着床するまでの遊脚期において、遊脚の慣性力が作る回転トルクが上記の最大摩擦トルクを越えることがないよう、遊脚の運動が調整される。ここで遊脚の慣性力が作る回転トルクは、加速度・減速度に左右されることは当然であるが、慣性力のベクトル(本実施例では、ベクトルの方向は図3で各運動部材の重心g1、g2、g3、g4から水平方向であった)と、回転中心軸との距離の大きさも含まれる。いま仮に回転中心軸がZMPを通るのであれば、この距離は図3のLとなる。つまり回転トルクは、各慣性力の和に回転中心軸までの距離Lを乗じたものに等しい。
歩行ロボット1が回転することなく真っ直ぐに通常歩行を行うための条件は、各慣性力が所定の大きさを越えないこと、及び可及的にLが小さくなるような運動軌跡を遊脚が採ることが必要である。現実的には、歩行ロボット1の両脚間の距離(Lに関係する量)を縮めることは、脚同士が干渉する危険性もあるので、ここでは遊脚の運動軌跡は、図3において水平に設定するものとする。従って、この場合では、残る慣性力だけが制御可能なパラメータであり、この慣性力が所定の量を越えないような歩き方(歩容)を歩行ロボット1が行う必要がある。具体的には、過大な慣性力が発生しないように、歩行ロボット1の脚の運動の加速度、減速度を抑制した歩容を採ればよい。
次に、歩行ロボット1でその歩行方向を変更するために回転が必要なときは、慣性力が
大きくなるような遊脚運動を行えばよい。例えば、遊脚がその運動軌跡上を移動している途中で、歩行ロボット1の支持脚に対する相対速度を急激に減速する場合を想定してみる。このとき遊脚の各運動体の重心には、大きな左水平方向の慣性力が発生し、それにより支持脚には時計方向の回転トルクが作用することになる(これらの方向は、図2、3に基づく)。この回転トルクは歩行ロボット1全体を時計方向に回転する回転トルクであるから、この回転トルクが前記の最大摩擦トルクを越えれば歩行ロボット1は、床面に対して時計方向に回転を始める。そして、歩行ロボット1が所望の角度回転したとき、再び遊脚を元の運動軌跡に沿って(この元の運動軌跡とは、歩行ロボット1に固定した座標系で表現した軌跡である。)、加速すれば上記回転トルクは消滅する。その結果、歩行ロボット1の回転は、摩擦トルクによって抑え込まれて減速し、回転停止となる。その具体的な制御方法については後述する。
また、これに前後して遊脚が着地するので、それに伴い摩擦トルクは急激に増大し、歩行ロボット1の回転停止が効果的に行われる。また、歩行ロボット1が両脚で立つことになるため、その安定領域も格段に増大し、回転動作で乱れた歩行ロボット1の姿勢の安定化にも役立つ。
尚、歩行ロボット1が所望の回転角度に達したかどうかを知るには、様々な技術手法が考えられる。例えば、図1に示すヨー角度センサ44の出力によって、歩行ロボット1の回転角度を検出してもよい。また、歩行ロボットの1の前方を撮影するカメラ等の画像によって、歩行ロボット1が進むべき方向を向いたか否かを判断してもよい。
上記の場合、遊脚によって発生する回転トルクが最大となるのは、遊脚速度が最も早くなった時期に最大の減速度で遊脚を停止させたときである。実用上最大の減速度は、瞬
時に停止(歩行ロボット1に固定した座標系で停止)させる場合に発生する。また、上記の場合とは異なり、遊脚期において遊脚を急激に加速することによっても、歩行ロボット1の回転が実現できる。この場合は、先に述べた場合と慣性力の方向が逆になり、以て歩行ロボット1の回転方向も反時計方向になる。
ここで、上述した歩行ロボット1の回転のための遊脚の減速運動の具体的な制御方法と、該減速運動を行った後の歩行ロボット1の歩行状態の回復について、説明する。ここで、歩行ロボット1の歩行制御には大別して、以下の二つの方法が挙げられる。
(1)予め歩容を生成して記憶しておき、歩行時に既設定のこれら歩容データを読みだしな
がら脚関節を構成するモータに出力する方法。
(2)その都度、最適な歩容データを計算してモータに出力する方法。
前者は歩容データを詳細に設計できる利点があるが、歩行ロボット1の歩行状況の変化に対して対応力が劣る欠点がある。後者は歩容データの生成に時間を要するため、歩容データ生成の設計が多少粗くなるが、その場の歩行状況に対応した歩容データが生成できる利点がある。尚、人間の場合には、基本的な歩容データが幼児からの蓄積で作られており、歩行状況に応じてこの基本歩容を修正しつつ筋肉にそれを出力しているものと考えられている。本実施例では、前者の立場に立ち、且つ説明の簡潔のために、急減速をさせる場合についてのみ、歩容データの生成方法について述べる。
そこで、以下に前者による歩容データの生成方法で歩行ロボット1が歩行中に、急減速をする技術と、その後の着地までの歩容データを修正して再び安定した歩行を継続させるための、歩行ロボット1の歩行制御について説明する。
図4には、予め計算された歩行ロボット1の右脚関節の目標角度RjθtR、左脚関節の目標角度LjθtL(j=1,2,3,---,6)がマトリックスの形で整理・記憶されている。尚、添字R
とLは右脚、左脚を表し、添字jは関節の番号である。図1に示す歩行ロボット1では、jは、股関節10、膝関節20、足関節30の6関節分の、1から6まである。ここで、各関節をマトリックスで詳細に表示すると煩雑であるため、同時刻の6関節分の目標角度をまとめて横ベクトルRjΘt、LjΘtと表記した。ここで添字tは、歩行ロボット1の各関節への出力順番(時刻)を表している。tが一つ増えるごとに、コンピュータは後述のフローに従って、新しい時刻の目標角度を読み出し、各関節を構成するモータへ対応する指令電流を供給することになる。
この歩容データは、通常歩行時の2歩のデータであり、歩行開始時と歩行停止時の歩容データはまた別に作られ、保存されているものとする。歩行ロボット1が実際に歩行を行うときは、これらの歩容データのいずれかを適宜読みだして出力しているものとする。話を出来るだけ簡潔にするため、図4に示す歩容データは、図3に示す遊脚(左脚)が進行方向に対して直線で運ばれるときのデータであるものとする。
図5aには、遊脚を急減速したいとき、目標角度データがどうあるべきかを表した希望的なテーブルが示される。右脚を支持脚、左脚が遊脚であるものとし、時刻tのとき回転が始まるものとして説明する。時刻tを示す点線より後(下側)の時刻では、右脚の各関節の目標角度は予め決められた歩容データで作成されているのに対し、左脚の歩容データは時刻t以降は不変で、その結果、歩行ロボット1の左脚は腰板から下側の形を変えることがない。つまり腰板に対してこれまで動いていたのが急制動されて固定される。突然左脚が固定されるため、大きな慣性力が生み出されることになる。従って、この慣性力により歩行ロボットは回転を始めることになる。
図5bには、所望する角度回転したあと、どのようにすれば歩行ロボット1が元の安定した通常歩行に復帰できるか、希望的な目標角度のテーブルが示される。相1の回転相では、記憶している歩容データに関係なく左脚はある時刻の目標角度で固定されているのに対し、右脚の歩容データは時間の経過に従い順次更新されている。相2の回転相は、所望する角度回転した後の歩容データの修正の仕方を希望的に表した目標角度テーブルを表す。つまり相2に入った時点では、右脚に対して左脚の読みだすべき角度データが遅れているので、その遅れを取り戻すために記憶テーブル表から1つずつ飛ばしてデータを読みだす。この処理を繰り返せば、いずれ左脚の歩容データは右脚の歩容データと同じ時刻のデータとなり、歩行ロボット1の歩容が回復される。
図5a、図5bに基づいて、遊脚を急減速させ、次に元の歩容に回復するための「希望的」な目標角度データの作り方を述べた。仮に、歩行ロボットの回転角度にそれほど精度が必要でなければ、初めから図5に示したテーブルに示した歩容データを別に用意しておき、歩行ロボット1の回転が予想される場面にその歩容データに従って、歩行ロボット1を歩行させればそれで充分である。しかし、実際には、歩行ロボット1は目的とする方向に回転することが求められ、また実際の回転角量は床面の摩擦トルクで大きく変わるため、この希望的な歩容データだけでは不十分である。そこで、現実的には、所望した角度だけ回転したかどうかを確認し、その確認結果に従って何時から上述した歩容回復動作に入るかを決めること、決めた回復動作を歩行ロボット1に実現させること、及びこれら一連の判断・動作実現を工学的に保証できる制御が必要となる。
そこで、図6および図7に、歩行ロボット1を回転させるための制御に関するフローチャートを示し、以下にその説明を行う。図6に示す制御は、歩行ロボット1を制御するコンピュータによって、タイマーが決める一定の周期ごとに起動され、以下に述べる処理を行う。
ステップS10でタイマーの割り込みが入るとステップS11に進み、関節の番号jを
1に設定する。次にステップS12では目標の関節角度LjθtLとRjθtRを歩容データから読み込み、ステップS13では実際の関節角度LjγtLとRjγtR、及び実際の関節の駆動速度LjηtLとRjηtRを読み込む。このような実関節角度γは、駆動モータに一体に組付けられたエンコーダ等により検出し読み込むことは当該技術分野の技術者にとって常識であり、殊更に説明を要しない。また関節の駆動速度はエンコーダの出力をFV変換器を通すことで容易に求めることができる。
更に、ステップS14では速度目標値LjωtLとRjωtRとを、以下の所定の式に基づき算出する。
LjωtL=K0(LjθtL−LjγtL
RjωtR=K0(RjθtR−RjγtR
K0:比例定数
これらの速度目標値の算出式の基本的な考え方は、目標関節角度と実関節角度との間の差分が大きいほど速く、小さいほど遅く速度目標値が算出される式となっている。
ステップS15では駆動モータに与えるトルク指令値TjL及びTjRの算出を、以下の所定の式に基づき行う。
jL=K1(LjθtL−LjγtL)+K2(LjωtL−LjηtL
jR=K1(RjθtR−RjγtR)+K2(RjωtR−RjηtR
K1:比例定数、 K2:比例定数
これらのトルク指令値の算出式の基本的な考え方は、目標関節角度と実関節角度の差が大きいほど、また目標関節速度と実関節速度との差が大きいほど、大きなモータ出力をアンプ出力として要求するものである。
ステップS16では、ステップS15で算出されたモータのトルク指令値をそれぞれのアンプに出力する。
ステップS17では現在の関節番号が6番なのかどうかを判定する。本制御開始直後はj<6なので、判定結果は否定判定となり、この場合はステップS18に進んで関節番号を1つだけ増加させステップS12に戻り、それ以降の処理が再び行われる。そして、この処理を6回行えば、ステップS18の判定結果は肯定判定となり、ステップS19に進む。ステップS19では再び処理を終了するか否かを判定するが、判定の結果が否定判定のときはステップS20に進んで、歩容データマトリックスの時刻を一つだけずらした時刻にしておく。これで今回の処理が終わり、再びタイマーによるわりこみが始まるまで、各関節のモータではステップS16で指定したモータトルク(つまり電流)が保持される。
上記の制御は、コンピュータの逐次処理の性質上、左右脚の関節は時間的に同時に行われることはなく、実際には左右脚が別々に制御されるが、ここでは説明の簡潔のためにこのように表現した。図6で点線で囲む処理は関節の駆動アルゴリズムとして、図7に示す歩行ロボット1の回転動作でも利用するため、「時刻tR=tの時の関節制御」と称して以後ではそれを引用する。
図7は、歩行ロボット1の回転を実行するときの制御に関するフローチャートである。ステップS30でタイマーの割り込みが起きると、ステップS31で関節番号jを1にしてからステップS32で前述のように「時刻tR=tのときの関節制御」を実行する。
ステップS33で終了する状態か否かを判定するが、当初は終了することはないので、ステップS35に進み、歩行ロボット1が回転する時期か否かを判定する。しかし、初めは遊脚の位置が所定の位置に来ないので、否定判定になり、その場合はステップS36で
時刻番号tLとtRをそれぞれ1だけ増加してステップS40に進み、次のタイマー割り込みに備える。
ステップS35の結果が肯定判定のときは、ステップS37に進み、歩行ロボット1が所望の回転角度だけ回転したか否かを判定する。しかし、初めはまだ回転が開始されていないのでステップS37の結果は当然、否定判定になる。そして、ステップS38に進み、ヨー角度センサ44によるヨー信号が一度変化したあと一定値を示すようになったかどうかを判定する。
しかし、初めはヨー信号が変化した記録がないので、結果は否定判定になる。そして、ステップS39に進み、支持脚(右脚)の時刻tRは1進めるが、遊脚(左脚)の時刻は今回と同じ(変化させず)に設定して、ステップS40に進み、次のタイマー割り込みを待つ。この操作により次回のタイマー割り込みが起きると、遊脚は急制動されて慣性力が大きくなり、歩行ロボット1は支持脚を中心に回転動作を始めるようになる。回転動作は今回のタイマー割り込み時に直ちに起きるとは限らないが、数回の後には回転動作が起きる。その後、いずれステップS37の判定結果が肯定判定になるときがくる。
その場合はステップS41に進み、左右脚の制御上の時刻の差を検査する。これまでステップS39で左右脚の時刻の差を拡大してきたから、当初はステップS41の判定結果は否定判定になる。その場合は、ステップS42に進み、右脚の時刻は1だけ進めるが左脚の時刻は2進める。こうすることで左右の脚の時刻差は1だけ縮まる。そして、これを繰り返せば、いずれ左右の逆の時刻差は縮まって等しくなる。その結果、ステップS41の判定結果が肯定判定となるときが来る。このことは、歩行ロボット1において、通常歩行時の歩容テーブルに従い目標関節角度を読みだして関節駆動できるようになったことを意味している。その後、ステップS36に進み、左右の脚の時刻を共に1だけ増やして、ステップS40に進み、次のタイマー割り込みに備える。以後の歩行ロボットの歩容データは、通常歩行時のそれに戻る。
尚、遊脚の慣性力の大きさと路面摩擦力の大きさとの兼ね合いで、歩行ロボット1において一度回転運動が生じた後、歩行ロボット1が静止してしまい、それ以上の回転が起きない場合も考えられる。上述したステップS38はそのために設けられたチェックポイントであり、先の判定処理のステップS37の結果が否定判定で且つステップS38の判定結果が肯定判定のときは、回転に失敗したこと意味するから、歩行ロボット1は速やかに元の安定した通常歩行に戻る必要がある。つまり、そのときはステップS42に進み、左右の脚の時刻を一致させる方向に調整を行う。この調整を遊脚期の間に暫く行い、遊脚が着地する前までに左右の時刻差を解消しておく。
このような回転失敗のときは、回転の角度が不足しているから、歩行ロボット1が両脚支持期に入ったときに、歩行ロボット1がいわゆる回れ右動作を行ってその歩行方向を修正するか、次の一歩でもう一度ターン動作を行うかして、その歩行方向を修正する必要がある。尚、ステップS33で、判定結果が肯定判定のときは、ステップS43に進み、全ての歩行制御を終了する。
以上より、本発明に係る歩行ロボット1では、遊脚等歩行ロボット1に取り付けられた部位の加速・減速運動による慣性力を利用して、歩行ロボット1を水平面内で回転させる回転トルクを生成し、これと支持脚に作用する最大摩擦トルクとの差分によって歩行状態にある歩行ロボット1の回転を実現することができる。
本発明に係る歩行ロボット1の第二の実施例を示す。第二の実施例では、遊脚の運動軌
跡を二通り用意した。通常歩行時には、第一の実施例で述べたように、遊脚を歩行方向に平行に(歩行ロボット1の上方からみて真っ直ぐ前方に)動かす歩容とし、回転を行う場合には、図8に示すように遊脚の脚部が、歩行ロボット1の外側に湾曲した遊脚軌跡(図中、砂地塗り潰しを有する矢印200で示される軌跡)をとる歩容とした。
図8は、いわば第一の実施例の図3に相当するもので、歩行ロボット1が水平左方向に移動している状態を真上から見た平面図である。以後の図の説明は特に断らない限り、歩行ロボット1に固定した座標での動きを説明しているものとする。図8で、仮想線L232_1は、離床直後の左脚部L34の位置と向きとを表している。左脚部L34は、その後矢印200に沿って移動する歩容に従い、運ばれる。即ち、左脚部L34の離床後間もない時期の軌跡は、できるだけZMP(P0)周りの運動量が小さくなるよう、言い換え
れば前記のLが小さくなるように、歩行ロボット1の歩行方向に平行な、図8中の左向きの直線で運ばれる。
そして、脚の速度が上がるにつれて、遊脚である左脚は、Lが増大するように大きく外側に湾曲した軌跡に沿って運ばれる。このことにより、遊脚速度が高い時期になると、運動体である左脚の運動量増加に寄与するLも速度も共に増大してくる。このときの左脚部L34の状態が、実線で示された脚部L232_2である。その後、速度を落としながら、矢印に沿って運ばれ、着地寸前では仮想線L232_3に示す位置と向きになる。
このような遊脚の運動軌跡を有する歩行ロボットの歩行において、このLが大きく且つ脚の速度も早いL232_2の状態で、設計された歩容から急激に遊脚を減速すれば、より大きな慣性トルクが発生する。その結果、第一の実施例で述べた場合よりも、容易に歩行ロボット1がその歩行方向を変更するべく、回転を行うことが可能となる。例えば、摩擦力の比較的高い床面でも、歩行ロボット1の回転が円滑に行われ得る。尚、歩行ロボット1の回転時等の歩容データについては、第一の実施例で述べたとおりである。
本発明に係る歩行ロボット1の第三の実施例を示す。第三の実施例は、歩行ロボット1の回転のための回転トルクを作る部位が、第一および第二の実施例に示す遊脚以外であることを示す。図9は、第一の実施例の図2に相当する歩行ロボット1の側面図である。歩行ロボット1の上体(脚より上方の部位)は、下部胴体340aと上部胴体340bとに少なくとも2分割され、両者は互いに垂直軸346周りに相対回転運動可能なような関節348連結されている。これ以外の脚の構成は、第一の実施例と同じであるものとする。尚、通常上部胴体340bには両手が組み付けられているが、この図では省略されている。
図9において、遊脚が離床しているときに、上部胴体340bを下部胴体340aに対して相対的に比較的ゆっくりと右または左方向に回転させて角運動量を蓄えておき、遊脚の着地前にそれまでとは逆に左または右に上部胴体340bを急激に回転させると、大きな回転トルクを下部胴体340aに伝えることができる。この上部胴体340bの反対方向への逆回転以外にも、前記の2つの実施例と同じように、上部胴体340bの回転を急激に減速または停止させることでも上記の回転トルクは発生する。但し、上部胴体340bを逆方向に回転させることは、強い回転トルクをより長時間にわたって発生させるメリットがある。
この回転トルクの大きさが上記の最大摩擦トルクを越えれば、歩行ロボットの支持脚の床面との接触部で回転滑りが生じ、歩行ロボット1は回転を始める。上記の実施例のように、本実施例においては、遊脚の運動を一時止める必要がないため、滑らかな歩行運動を継続したまま、歩行ロボット1の回転ができる。所望の角度回転した後は、回転開始時の
回転トルクとは逆方向の回転トルクを生じさせるため、上部胴体340bを回転させて、所望の角度以上の回転が起きることを防止できる。
第三の実施例によると、歩行ロボット1の遊脚の運動軌跡設計に何らの制約もなく、脚の運び方は安定的な通常歩行の継続に専念できるから、歩容設計が自由にできるという利点がある。尚、上部胴体340bと下部胴体340aとを別々に相対回転できない構造の歩行ロボットであっても、上部胴体340bの代わりに両手を水平面内で回転させることで、同様な効果を生み出せる。つまり歩行ロボット1の構成要素であって脚以外の構成要素であっても、独立に駆動可能な部材が用意されていれば、本発明の趣旨に違反することなく本発明の実施ができる。
本発明に係る歩行ロボット1の第四の実施例を示す。ここで、前記第一の実施例では、歩行ロボット1において、実質的に垂直軸周りの角運動量を起こさせ、その角運動量の変化による回転トルクのみを使ってロボットの方向転換を実現するものを説明した。しかし前述のように、最大摩擦力、換言すれば最大摩擦トルクは、床面と歩行ロボット1の支持脚の脚部との間に作用する垂直荷重Wにも依存している。第四の実施例では、この荷重Wを制御することで、一層歩行ロボット1の回転機能の確立を図るものである。
再び図2、図3に戻って、歩行ロボット1の回転のために遊脚の急激な加速・減速を行う場合に、これとタイミングを合わせて支持脚の膝関節を少し曲げて、歩行ロボットの重心G0を所定の加速度α(α>0)で落下させる場合を考える。図10aは、歩行ロボッ
ト1から床面が受ける垂直荷重Wが、この落下加速度αでどの様に変化するかを、時間軸を水平座標軸として表したものである。重心G0の落下がないときの垂直荷重をW0とし、いま簡単のために重心G0の上下移動が無視できるほど少なく歩行ロボット1が歩行をし
ている場合を考える。この条件下では床面に作用する荷重には上下動による慣性力がないものとして扱えるため、W0はロボットの質量Mに重力の加速度Gを乗じた一定の量とな
る。
時刻t1のときに重心G0の落下が始まったとする。このとき、床面が受ける荷重は落
下加速度αの分だけ減少した量(M(1G−α)で表される荷重)となる。このように床面に作用する荷重が減少すると、最大摩擦力、言い換えれば最大摩擦トルクは減少するため、より少ない慣性トルクの発生で歩行ロボット1は回転できるようになる。また別の見方をすれば、より荒れた摩擦係数の高い路面でも回転が円滑にできるようになる。
そして、歩行ロボット1が所望の回転角度だけターンが実現した時刻をt2とすると、この時点で支持脚の曲がった膝を伸ばして重心G0を加速度β(β>0)で上昇させる。
すると床面に作用する荷重のレベルはW0のときのレベルより高いM(1G+β)となり
、結果的に最大摩擦トルクもW0のときより大きくなる。この最大摩擦トルクの上昇によ
り、効果的にロボットの回転は抑止され、歩行ロボットは希望する向きに落ち着く。その後所定の時間が経過して、膝の角度を元の歩容が決める角度に戻すために、加速度βを0とする。そして、その時刻を図のt3とする。しかし、このような加減速度の制御を行うと、多くの場合、歩行ロボット1の重心G0高さが、回転運動の前後でずれる結果となる
ここで、図10bに、この重心G0位置の落下によって、重心G0の高さHが実際にどのように下がるかを図示している。本実施例ではαやβは一定であるから、時間とともに描く重心G0位置の軌跡は、二次放物線となる。α、β及びこれらが作用する時間の設定次
第では、図6bに示すように、回転の前後で重心G0位置の高さには制御誤差ΔHが残る
ことになる。減速度αの設定は歩行ロボット1が充分に回転運動ができるレベルに設定し
なければならず、また加速度βの量も歩行ロボット1の回転を確実に止める必要があることから、これら2つの量は全く自由に決めるという訳にはいかない。しかし、加速度βの作用する時間には自由度があるのでその時間(t3−t2)を適切に設定することで、上記誤差ΔHを実用的なレベルまで小さくできる。尚、仮に上記誤差ΔHが有意の大きさで残れば、膝関節等の各関節において実際の角度と目標角度とのずれが大きくなるため、予め用意された歩容データに基づく歩行ロボット1の歩行が継続困難となる虞がある。
尚、図10aでは、説明の都合上、加速度が矩形的に変化させる場合を表したが、このように加速度を矩形上に変化させると歩行ロボット1に対して衝撃力が作用するため、現実的には2点鎖線で示すように加速度が変更するときはその変更が滑らかに推移するように、いわゆる加加速度、加加加速度を設定する。また重心G0の位置を落下させたり上昇
させたりするのに、膝関節を曲げたり伸ばしたりすると述べたが、歩行ロボット1の歩行の安定性のため、当然この関節の駆動に連動して股関節及び脚関節のピッチ軸も駆動され、胴体40の水平角度が傾かないようにしているものとする。そのような歩容が自由に作れることは当該技術分野の技術者には公知のことであり、説明を要しないことである。
本発明に係る歩行ロボット1の第五の実施例を示す。図11は、第四の実施例に示す重心G0位置の上下運動加速度を別の理由から効果的に設定するときの思想を示している。
一般に、動摩擦係数は静止摩擦係数に比べて格段に小さい。この事実は、歩行ロボット1の脚部の底が滑り始めるためには、一度大きな加速度で重心G0を降下させる必要がある
が、一旦滑り始めた後は、下降の加速度αは余り大きくする必要がないことに帰結する。つまり、降下の加速度は一定である必要はなく、回転開始時は大きく、以後は小さく設定してもよい。
これを図示すると、図11に示すように、歩行ロボット1の回転開始時の下降の加速度α1を、それ以降(回転停止前までの期間)の下降の加速度α2より大きく採ることで、効果的に脚底を滑らせることが可能となる。更に、その時間は極めて短くてよいから、重心G0の降下量はそれほど増えなくて済む。また滑り始めたあとの降下加速度のα2は比較的小さいので、結果的に重心位置のトータルの降下量は小さく抑えられる。
歩行ロボット1の回転を停止させる上昇加速度βも、前の第4実施例に比べて大きな量に設定することで、効果的に短時間で回転運動を止めさせることができる。βの大きさを大きく設定し、その作用時間はロボットの回転角度が所望の角度になった後も継続させることで、前記の高さの誤差ΔHを解消することが可能である。
前述のように、床面との間の摩擦トルクは、支持脚の接触部の面積に大きく依存している。従って、回転動作の再現においても、前記回転トルクの発生タイミングに合わせたタイミングで、支持脚の接触部面積を減少できれば、より確実に回転運動が起きることになる。図12には、この考えに基づいて回転動作を行わせるために、接触部面積を変えることができる脚部機構が開示されている。以下、図12を基に、詳細説明する。
図12に示す歩行ロボット1では、両脚の脚部には空気圧を送ることで脚底の一部が脚部本体に対して飛び出すシリンダー・ピストン機構634、635が用意される。このピストンの飛び出しにより、歩行ロボット1はそのピストンの移動量だけ背丈が高くなる。ピストンの下部には円盤636が設けられ、この円盤636とピストンの間には摩擦係数の少ない樹脂637が貼りつけてある。一方、シリンダ機構634側の脚部と円盤636との間には、摩擦係数の高い樹脂638が設けられている。即ち、樹脂638は、樹脂637の周囲を円環状に囲むように配置されている。
そして、ピストンが図示の収納位置にあるときは、樹脂638によって、円盤636とシリンダ機構634側の脚部との間の相対滑りが起きにくくなるように構成してある。また、ピストンへ空気圧が供給されると、ピストンが外部へ飛び出し、樹脂638を介した円盤636とシリンダ機構634側の脚部との接触は解除される。尚、このときは、歩行ロボット1の脚は、床面と接触する円盤636とは、樹脂637を介して接続されることになり、その結果、ピストンへ空気圧が供給されていないときと比べて、円盤636に対して歩行ロボット1の脚が相対的に回転しやすくなる。尚、ピストンへの空気圧の供給は、電磁弁639によって行われる。尚、このピストンへの空気圧供給に関しては、上述の特許文献2(特開2005−238407号公報)に開示されており、ここではその詳細な説明は省略する。
さて、図12では、歩行ロボット1の右脚が支持脚で、左脚が遊脚であるものとする。図示の遊脚は、遊脚期の半分以上過ぎた頃の状態で、回転を始める直前のものである。即ち、遊脚は図12で左側に移動しており、この状態で電磁弁639を励磁すると、空気圧がピストンに送られ歩行ロボット1を所定の高さだけ持ち上げる。この持ち上げ量は、図示しないストッパによって設定されている。また、電磁弁639は図12では右脚にのみ用意されているが、左脚にもこれと同様な電磁弁が用意されているものとし、左右の電磁弁はそれぞれ単独に励磁・消磁できるものとする。
この電磁弁の励磁の直後に遊脚の減速を開始する。歩行ロボット1は既に持ち上がった(背伸びをした)状態となっており、支持脚の接触部面積は円盤636の接触面積に縮小している。そのため最大摩擦トルクも減少しており、遊脚の慣性力がより少ない回転トルクでも歩行ロボット1は回転できる。
また、言うまでもないが、この場合にも遊脚の「加速時に」当該背伸び機構を作動させると、反対方向への回転が実現する。この加速度を発生させるには、減速する場合に比べて脚関節の駆動モータの容量を大きく設定する必要があると前にも述べたが、本実施例によれば最大摩擦トルクをより小さくするため、駆動モータの容量は増大させずに済む利点がある。
更に、ピストンの作動によって、単に床面との接触面積が縮小するのみならず、円盤636と床面との間の摩擦係数が高い状況にあっては、円盤636と脚部との間に挿入された低摩擦係数樹脂637の働きにより、円盤636は床面に対して固定された状態でも、ピストン側の脚部は床面に対して回転できる機能を持つ。つまり、床面の状況が滑りやすいときは、円盤636と床面との間で回転滑りが起き、床面の状況が滑りにくいときは、低摩擦係数樹脂637の作用により円盤636と脚部との間で回転滑りが起きるように構成されている。これにより、遊脚の減速運動に連動する形でこのピストンの滑り機構を発現するので、一層確実に歩行ロボット1の回転運動を起こさせることができる。
本発明の実施例に係る歩行ロボットであって2本の脚を有する歩行ロボットの下半身の概略的な骨格図を示す図である。 本発明の実施例に係る歩行ロボットが歩行状態にあるときの、歩行ロボットの側面図である。 本発明の実施例に係る歩行ロボットが歩行状態にあるときの、歩行ロボットの上面図である。 本発明の第一の実施例に係る歩行ロボットの通常歩行のための、左右脚関節の目標角度をマトリックスで示す図である。 本発明の第一の実施例に係る歩行ロボットが回転するときの、左右脚関節の目標角度をマトリックスで示す図である。 本発明の第一の実施例に係る歩行ロボットが歩行を行うための制御に関するフローチャートである。 本発明の第一の実施例に係る歩行ロボットが回転を行うための制御に関するフローチャートである。 本発明の第二の実施例に係る歩行ロボットが歩行状態にあるときの、歩行ロボットの上面図である。 本発明の第三の実施例に係る歩行ロボットが歩行状態にあるときの、歩行ロボットの側面図である。 本発明の第四の実施例に係る歩行ロボットにおいて、床面との接触部に作用する荷重の推移を示す図である。 本発明の第五の実施例に係る歩行ロボットにおいて、床面との接触部に作用する荷重の推移を示す図である。 本発明の第六の実施例に係る歩行ロボットが歩行状態にあるときの、歩行ロボットの側面図である。
1・・・・歩行ロボット
10・・・・股関節
12・・・・大腿リンク
20・・・・膝関節
22・・・・スネリンク
30・・・・脚関節
34・・・・脚部
40・・・・胴体
44・・・・ヨー軸センサ
340a・・・・下部胴体
340b・・・・上部胴体
634・・・・シリンダ機構
635・・・・ピストン機構
636・・・・円盤
637・・・・低摩擦係数樹脂
638・・・・高摩擦係数樹脂
0・・・・重心
0・・・・ZMP(Zero Moment Point)

Claims (11)

  1. 複数のリンク部材と該リンク部材の各々を連結する関節部とで構成される脚を少なくとも2本有し、該脚の駆動により歩行を行う歩行ロボットであって、
    前記歩行ロボットの歩行状態における支持脚によって形成される回転中心軸を中心として、該歩行ロボットに対して相対的な角運動量を発生させる角運動量発生手段と、
    前記角運動量発生手段によって発生させられる角運動量を変化させることで、前記歩行ロボットを、前記回転中心軸を形成する前記支持脚が接触する接触床面に対して回転させる回転手段と、
    を備えることを特徴とする歩行ロボット。
  2. 前記角運動量発生手段は、前記歩行ロボットの歩行状態における遊脚を、前記回転中心軸に対して所定距離離れた状態で変位させることで角運動量を発生させ、
    前記回転手段は、前記角運動量発生手段による前記遊脚の変位において加減速させることで、前記歩行ロボットを前記接触床面に対して回転させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の歩行ロボット。
  3. 前記歩行ロボットの歩行時に、該歩行ロボットの遊脚の運動軌跡を制御する遊脚制御手段を、更に備え、
    前記回転手段は、前記歩行ロボットの歩行状態での前記遊脚制御手段による前記遊脚の運動軌跡を、該歩行ロボットが通常歩行を行う際の該遊脚制御手段による該遊脚の運動軌跡である通常遊脚軌跡より、前記回転中心軸を基準として外側に位置する運動軌跡である回転遊脚軌跡とすることで、前記歩行ロボットを前記接触床面に対して回転させる
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の歩行ロボット。
  4. 前記角運動量発生手段は、前記歩行ロボットを構成する、前記歩行のための脚以外の構成要素であり、
    前記回転手段は、前記脚以外の構成要素によって発生させられる前記回転中心軸周りの角運動量を変化させることで、前記歩行ロボットを前記接触床面に対して回転させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の歩行ロボット。
  5. 前記脚以外の構成要素は、前記歩行ロボットにおける該脚より上部に位置し、該脚に対して相対的に回転可能な上体部であって、
    前記角運動量発生手段は、前記上体部の相対回転により前記回転中心軸周りの角運動量を発生させる
    ことを特徴とする請求項4に記載の歩行ロボット。
  6. 前記回転中心軸を形成する前記支持脚と前記接触床面との間で生じる、該回転中心軸周りの摩擦トルクの大きさを変更する摩擦トルク変更手段と、
    前記回転手段によって前記歩行ロボットを前記接触床面に対して回転させるタイミングで、前記摩擦トルク変更手段によって前記回転中心軸周りの摩擦トルクの大きさを変更するタイミング制御手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載の歩行ロボット。
  7. 前記摩擦トルク変更手段は、前記歩行ロボットの重心位置を所定の加速度で下降および/または上昇させることで、前記回転中心軸周りの摩擦トルクを変更することを特徴とする請求項6に記載の歩行ロボット。
  8. 前記摩擦トルク変更手段は、前記歩行ロボットの前記接触床面に対する回転の開始時の期間および/または該回転の終了直前の期間において、該回転の中間期間より、前記回転
    中心軸周りの摩擦トルクの絶対値を大きく設定することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の歩行ロボット。
  9. 前記摩擦トルク変更手段は、前記支持脚の前記接触床面との接触面積又は接触部形状を変更することで、前記回転中心軸周りの摩擦トルクを変更することを特徴とする請求項6に記載の歩行ロボット。
  10. 前記歩行ロボットの脚は、該脚の本体部と、前記接触床面と接触する接触部と、該本体部と該接触部との間に設けられる摩擦調整部と、を有し、
    前記接触部と前記本体部と前記摩擦調整部は、互いに相対的に回転可能であり、
    前記摩擦調整部は、前記本体部と前記接触部との間に発生する摩擦トルクを選択的に所定高トルクおよび所定低トルクの何れかに調整可能であり、
    前記摩擦トルク手段は、前記回転中心軸周りの摩擦トルクの大きさを前記所定低トルクに変更する
    ことを特徴とする請求項6に記載の歩行ロボット。
  11. 前記歩行ロボットは、予め該歩行ロボットの歩行のための前記脚の各関節の角度データである歩容データに従って該歩行を行い、
    前記回転手段による前記歩行ロボットの回転が行われるとき、歩行状態における支持脚と遊脚とで、該歩行ロボットが従う前記歩容データの時間的順序を異ならしめる
    ことを特徴とする請求項1から請求項10の何れかに記載の歩行ロボット。
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JP2013230524A (ja) * 2012-04-27 2013-11-14 Vstone Kk 二足歩行ロボット

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