JP2007323020A - 波長変換レーザ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 周波数の異なる2つのレーザ光を非線形光学結晶に入射させて入射レーザ光の差周波のレーザ光を出力させる波長変換レーザ装置において、エネルギーロスを抑え、かつビーム強度分布の時間変化を抑制する出力安定化方法と装置を提供する。
【解決手段】 波長の異なるポンプ光とシグナル光を入射すると入射光の差周波を持つレーザ光を出力する非線形光学結晶2と、ポンプ光を供給するポンプレーザ発振器1と、イメージリレー3を備える波長変換レーザ装置であって、ポンプレーザ発振器1がレーザロッド11と不安定共振器12,13を備えた固体レーザであり、レーザロッド11の出射側端面Aにおけるレーザ光像をイメージリレー3により非線形光学結晶2の入射面Bに像転送することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 波長の異なるポンプ光とシグナル光を入射すると入射光の差周波を持つレーザ光を出力する非線形光学結晶2と、ポンプ光を供給するポンプレーザ発振器1と、イメージリレー3を備える波長変換レーザ装置であって、ポンプレーザ発振器1がレーザロッド11と不安定共振器12,13を備えた固体レーザであり、レーザロッド11の出射側端面Aにおけるレーザ光像をイメージリレー3により非線形光学結晶2の入射面Bに像転送することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、周波数の異なる2つのレーザ光を非線形光学結晶に入射させて入射レーザ光の差周波のレーザ光を出力させる波長変換レーザ装置における出力安定化方法と装置に関する。
従来より、波長の異なる2つの励起光を非線形光学結晶中で混合すると励起光の周波数の差に対応する長い波長のコヒーレント光が発生するという差周波発生の原理を利用して、赤外領域のレーザ光を発生するようにした波長変換レーザ装置が知られている。この波長変換レーザ装置は、波長の短い第1励起光(ポンプ光)が非線形光学結晶中で波長変換されて、波長可変の第2励起光(シグナル光)との差周波光を発生するので、赤外線レーザ光の出力は短波長側のレーザ光によって決定される。
たとえば、短波長側のポンプ光としてNd:YAGレーザを用い、長波長側のシグナル光としてクロムフォルステライト(Cr:forsterite)レーザを用いることにより構成した、高出力かつコンパクトで波長チューニング可能な赤外光発生装置がある。
この赤外発生装置では、パルス発生装置で発生するパルスにより2基のNd:YAGレーザ装置を同期駆動する。1基のNd:YAGレーザは波長1.064μmのパルスレーザをポンプ光として非線形光学結晶に入射し、もう1基のNd:YAGレーザはCr:forsteriteレーザの励起光源としてパルスレーザをCr:forsteriteレーザに供給する。
この赤外発生装置では、パルス発生装置で発生するパルスにより2基のNd:YAGレーザ装置を同期駆動する。1基のNd:YAGレーザは波長1.064μmのパルスレーザをポンプ光として非線形光学結晶に入射し、もう1基のNd:YAGレーザはCr:forsteriteレーザの励起光源としてパルスレーザをCr:forsteriteレーザに供給する。
Cr:forsteriteレーザに入射したパルスレーザはレンズで構成されたテレスコープにより所定のビーム径を持つように調整された後、ビームスプリッターで分割されてCr:forsteriteレーザ結晶の両側面に入射して両サイド励起する。
レーザ結晶は出力鏡と反射鏡の間に配置され、レーザ結晶と反射鏡の間に分散プリズムが設けられる。反射鏡は回動鏡であって、反射方向を調整することにより分散プリズムで波長分散した光のうち選択した光だけが出力鏡まで戻るようにして、選択した波長の光が共振器内で共振してレーザ発振するようにする。
レーザ結晶は出力鏡と反射鏡の間に配置され、レーザ結晶と反射鏡の間に分散プリズムが設けられる。反射鏡は回動鏡であって、反射方向を調整することにより分散プリズムで波長分散した光のうち選択した光だけが出力鏡まで戻るようにして、選択した波長の光が共振器内で共振してレーザ発振するようにする。
Cr:forsteriteレーザは、1.15〜1.35μmの範囲で波長を選択できる波長可変固体レーザで、発生した波長可変レーザ光をシグナル光として非線形光学結晶に供給する。
このように、Nd:YAGレーザが波長1.064μmのパルスレーザをポンプ光として非線形光学結晶に入射し、Cr:forsteriteレーザが波長1.15〜1.35μmの範囲で選択したレーザをシグナル光として非線形光学結晶に入射すると、ポンプ光とシグナル光の差周波数に係る5〜14μmの波長範囲の赤外光を選択的に発生する。
このように、Nd:YAGレーザが波長1.064μmのパルスレーザをポンプ光として非線形光学結晶に入射し、Cr:forsteriteレーザが波長1.15〜1.35μmの範囲で選択したレーザをシグナル光として非線形光学結晶に入射すると、ポンプ光とシグナル光の差周波数に係る5〜14μmの波長範囲の赤外光を選択的に発生する。
差周波発生用の非線形光学結晶としては、AgGaS2 結晶やAgGaSe2結晶などのカルコパイライト結晶、HgGa2S4 結晶、GaSe結晶などが使用できる。差周波光は入射させるポンプ光をシグナル光で変調して出力するもので、出力光の強度は光学結晶に入射する光エネルギーに依存する。したがって、強い出力光を得るためには結晶の入射面に入射するレーザ光の強度をできるだけ大きくすることが好ましい。
しかし、これら差周波用非線形光学結晶はある一定の強度を超えるレーザ光を入射させると破損する可能性があるため、適当な閾値を設定して閾値以上のエネルギーを持ったレーザ光が入射しないようにしなければならない。
ポンプ光やシグナル光として用いるレーザ光の空間エネルギー分布は普通、正規分布型であるため、ピーク値が設定した閾値を越えないようにすると、結晶に入射するエネルギーの総量は大幅に減少する。使用するレーザビームの半値幅が小さいほど、ピークの周辺におけるエネルギーの減退量が大きく、結晶に注入できるエネルギー量が減少することになる。
ポンプ光やシグナル光として用いるレーザ光の空間エネルギー分布は普通、正規分布型であるため、ピーク値が設定した閾値を越えないようにすると、結晶に入射するエネルギーの総量は大幅に減少する。使用するレーザビームの半値幅が小さいほど、ピークの周辺におけるエネルギーの減退量が大きく、結晶に注入できるエネルギー量が減少することになる。
そこで、本願発明の発明者らは、特許文献1により、差周波用非線形光学結晶の全体を有効に利用して差周波光出力を増大させるようにした小型の波長変換レーザ装置を開示した。
特許文献1に開示した波長変換レーザ装置は、図4に示すように、ポンプ光とシグナル光の光軸近傍を透過させるアパーチャを備え、アパーチャにおけるレーザ光の像を非線形光学結晶の入射面に像転送するイメージリレーを備える。
特許文献1に開示した波長変換レーザ装置は、図4に示すように、ポンプ光とシグナル光の光軸近傍を透過させるアパーチャを備え、アパーチャにおけるレーザ光の像を非線形光学結晶の入射面に像転送するイメージリレーを備える。
イメージリレーは、焦点距離f1の第1の凸レンズと焦点距離f2の第2の凸レンズを光軸上で焦点を共有するように配置したもので、第1凸レンズの前方、距離X1の位置にある基準面と、第2凸レンズの後方、距離X2の位置における像転送面の間に、
M=f2/f1
X2=M(f1+f2)−M2X1
という関係が成立する場合は、基準面に存在する2次元イメージがそのまま拡大縮小して像転送面の位置に転写される。なお、Mは倍率である。
M=f2/f1
X2=M(f1+f2)−M2X1
という関係が成立する場合は、基準面に存在する2次元イメージがそのまま拡大縮小して像転送面の位置に転写される。なお、Mは倍率である。
レーザ装置から放射されるレーザ光は、エネルギーが光軸を中心とする正規分布をしているので、これをコリメータなどを用いて軸に垂直な方向に拡大しピーク付近のエネルギー分布を緩やかにした上でアパーチャに投射すると、アパーチャを通過するレーザ光は光軸に垂直な方向におけるエネルギー分布がほぼ台形状になる。
そこで、イメージリレーを上式に従って適切に配置すると、アパーチャ位置(基準面)におけるエネルギー分布状態を非線形光学結晶の入射面(像転送面)に像転送するので、非線形光学結晶の入力エネルギ閾値に対して適当なマージンを持つようにエネルギーのピーク値を調整すれば、台形をしたエネルギー分布を持つようになることから、正規分布状態の場合と比較すると全体として著しく大きなエネルギーを結晶に注入することができる。したがって、本発明の波長変換レーザ装置によれば、高いエネルギー水準を持った出力光を得ることができる。
また、イメージリレーによれば、光軸方向に多少のずれが生じても基準面と像転送面の位置に変化がなく、基準面上の2次元像が像転送面上に転送される。したがって、レーザ装置の光軸が変動する場合にも像転送面におけるレーザ光の変動が小さく、より安定したレーザ出力を得ることができる。
そこで、イメージリレーを上式に従って適切に配置すると、アパーチャ位置(基準面)におけるエネルギー分布状態を非線形光学結晶の入射面(像転送面)に像転送するので、非線形光学結晶の入力エネルギ閾値に対して適当なマージンを持つようにエネルギーのピーク値を調整すれば、台形をしたエネルギー分布を持つようになることから、正規分布状態の場合と比較すると全体として著しく大きなエネルギーを結晶に注入することができる。したがって、本発明の波長変換レーザ装置によれば、高いエネルギー水準を持った出力光を得ることができる。
また、イメージリレーによれば、光軸方向に多少のずれが生じても基準面と像転送面の位置に変化がなく、基準面上の2次元像が像転送面上に転送される。したがって、レーザ装置の光軸が変動する場合にも像転送面におけるレーザ光の変動が小さく、より安定したレーザ出力を得ることができる。
しかし、開示発明では、レーザ装置から放射される正規分布型のレーザ光のうちエネルギー分布の平坦な中央部分のみをアパーチャで切り出して非線形光学結晶に入射させ、周辺部を切り捨てることになるので、全体としてのエネルギーの利用効率が低かった。
たとえば、ビーム内強度の最大値と最小値の差を10%以内に管理するためには、レーザビームに対してアパーチャの開口を非常に小さくする必要があり、アパーチャを透過するエネルギーはわずかに10%程度となってしまう。
たとえば、ビーム内強度の最大値と最小値の差を10%以内に管理するためには、レーザビームに対してアパーチャの開口を非常に小さくする必要があり、アパーチャを透過するエネルギーはわずかに10%程度となってしまう。
また、レーザビームの光軸は、レーザロッドに発生する温度分布に起因する熱レンズ効果などにより揺動する。本開示発明ではレーザビームを拡大してアパーチャで中央部を切り出すので、ビームの光軸の変動が増幅され、切り出された状態におけるレーザビームのエネルギー分布が変動する。したがって、波長変換レーザ装置の出力にもある程度の変動が生じていた。
特開2005−331599号公報
そこで、本発明が解決しようとする課題は、周波数の異なる2つのレーザ光を非線形光学結晶に入射させて入射レーザ光の差周波のレーザ光を出力させる波長変換レーザ装置において、エネルギーロスを抑え、かつビーム強度分布の時間変化を抑制する出力安定化方法と装置を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の波長変換レーザ装置は、2つの波長の異なるレーザ光をポンプ光とシグナル光として入射すると入射レーザ光の差周波を持つレーザ光を出力する非線形光学結晶と、ポンプ光を供給するポンプレーザ発振器と、イメージリレーを備え、ポンプレーザ発振器がレーザ媒体であるレーザロッドと不安定共振器を用いてレーザ光を発生する固体レーザであり、イメージリレーがポンプレーザ発振器のレーザロッドの出射側端面におけるレーザ光像を非線形光学結晶の入射面に像転送することを特徴とする。
本発明の波長変換レーザ装置では、イメージリレーによりレーザロッド端面におけるレーザ光の像を非線形光学結晶の入射面に像転送するので、特許文献1に開示された発明と異なり、アパーチャによりカットされることがないためポンプレーザの伝送ロスが小さく、エネルギー利用効率が向上する。
また、不安定共振器を用いたレーザ発振では、レーザロッドの端面における光エネルギーは比較的均一に分布する。この安定なエネルギー状態のレーザビームイメージをイメージリレーによりそのまま非線形光学結晶の入力端面に投射するので、波長変換レーザ装置の差周波レーザ出力も安定する。
また、不安定共振器を用いたレーザ発振では、レーザロッドの端面における光エネルギーは比較的均一に分布する。この安定なエネルギー状態のレーザビームイメージをイメージリレーによりそのまま非線形光学結晶の入力端面に投射するので、波長変換レーザ装置の差周波レーザ出力も安定する。
本発明の波長変換レーザ装置において、ポンプ光を供給するポンプレーザ発振器の不安定共振器は、凹面ミラーと凸面ミラーを対向配置して構成することが好ましい。
さらに、ポンプレーザ発振器は、Nd:YAGレーザであることが好ましい。
また、不安定共振器の出力ミラーの反射面における反射率は、ポンプレーザ発振器のレーザ出力の強度分布が平坦になるように調整されていることが好ましい。
また、シグナル光は、Cr:forsteriteレーザにより供給される波長可変レーザであってもよい。
たとえば、Nd:YAGレーザで発生する波長1.064μmのレーザ光とCr:forsteriteレーザで発生する波長1.15〜1.35μmの波長可変レーザ光をカルコパイライト結晶からなる非線形光学結晶で混合して波長変換すると、5〜14μmの範囲で波長調整した赤外光を得ることができる。
さらに、ポンプレーザ発振器は、Nd:YAGレーザであることが好ましい。
また、不安定共振器の出力ミラーの反射面における反射率は、ポンプレーザ発振器のレーザ出力の強度分布が平坦になるように調整されていることが好ましい。
また、シグナル光は、Cr:forsteriteレーザにより供給される波長可変レーザであってもよい。
たとえば、Nd:YAGレーザで発生する波長1.064μmのレーザ光とCr:forsteriteレーザで発生する波長1.15〜1.35μmの波長可変レーザ光をカルコパイライト結晶からなる非線形光学結晶で混合して波長変換すると、5〜14μmの範囲で波長調整した赤外光を得ることができる。
AgGaS2 結晶、AgGaSe2結晶などカルコパイライト結晶からなる非線形光学結晶に、周波数ω1のポンプレーザ光と周波数ω2のシグナルレーザ光を入力すると差周波数ω3(=ω1−ω2)のレーザ光(DFG)を出力する非線形光学現象は知られている。
たとえば特許文献1にも、波長1.064μmのNd:YAGレーザ光とCr:forsteriteレーザで発生する1.15〜1.35μmの波長可変レーザ光をAgGaS2 結晶などカルコパイライト結晶からなる非線形光学結晶で混合して波長変換し、5〜14μmの範囲で波長調整した赤外光を得るようにした波長変換レーザ装置が開示されている。
たとえば特許文献1にも、波長1.064μmのNd:YAGレーザ光とCr:forsteriteレーザで発生する1.15〜1.35μmの波長可変レーザ光をAgGaS2 結晶などカルコパイライト結晶からなる非線形光学結晶で混合して波長変換し、5〜14μmの範囲で波長調整した赤外光を得るようにした波長変換レーザ装置が開示されている。
しかし、差周波発生用非線形光学結晶にはできるだけ強度の大きなエネルギーを注入したいが、破損を防止するためある閾値を超えるレーザ光を入射させないようにする必要がある。
このため、特許文献1に開示された発明では入射する正規分布型の強度分布を有するレーザ光をコリメータなどで幅方向に広げ中央の強度分布が平坦な部分を切り出して利用することにより、非線形光学結晶の入射面中の広い領域に高い光エネルギーを入射できるようにして、差周波光のエネルギーを高めるようにしたものである。
この開示発明では、中央部以外のレーザエネルギーを棄却するので、エネルギー効率が十分でない。
このため、特許文献1に開示された発明では入射する正規分布型の強度分布を有するレーザ光をコリメータなどで幅方向に広げ中央の強度分布が平坦な部分を切り出して利用することにより、非線形光学結晶の入射面中の広い領域に高い光エネルギーを入射できるようにして、差周波光のエネルギーを高めるようにしたものである。
この開示発明では、中央部以外のレーザエネルギーを棄却するので、エネルギー効率が十分でない。
本発明は、このような波長変換レーザ装置において、ポンプレーザ光のレーザ発振器のレーザロッド端面におけるレーザイメージをイメージリレーによりそのまま非線形光学結晶端面に像転送することによりエネルギーロスを抑制し出力を安定化させたものである。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の1実施例に係る波長変換レーザ装置の概念的なブロック図、本実施例に使用するレーザ発振器を示す構成図、図3はレーザロッドのエネルギー分布を比較した写真、図4は従来技術を示すブロック図である。
本実施例の波長変換レーザ装置は、特許文献1に開示した波長変換レーザ装置を改善したもので、ポンプレーザ光のレーザロッドにおける平坦なエネルギー分布を利用して、さらにエネルギー効率を向上させ、エネルギー分布を安定化させたものである。
本実施例の波長変換レーザ装置は、特許文献1に開示した波長変換レーザ装置を改善したもので、ポンプレーザ光のレーザロッドにおける平坦なエネルギー分布を利用して、さらにエネルギー効率を向上させ、エネルギー分布を安定化させたものである。
本実施例の波長変換レーザ装置は、短周波数ω1のポンプレーザ光を発生するポンプレーザ装置1とこれより波長が長い周波数ω2のシグナルレーザ光を発生する図外のシグナルレーザ装置と非線形光学結晶2を備え、さらにポンプレーザ装置1と非線形光学結晶2の間にイメージリレー3を備える。
非線形光学結晶2はAgGaS2 結晶などの光混合型非線形光学結晶で、周波数ω1とω2のレーザ光を入力するとそれらの周波数の差の周波数ω3(=ω1−ω2)を持った差周波光(DFG)を出力する。
非線形光学結晶2から放射される差周波光は、基本的にポンプレーザ光の波長変換作用によって発生するもので、差周波光のエネルギーはポンプレーザ光のエネルギーに依存する。また、差周波光の周波数はポンプレーザ光とシグナルレーザ光の周波数差であるから、シグナルレーザ光の周波数を変化させることにより調整することができる。
非線形光学結晶2はAgGaS2 結晶などの光混合型非線形光学結晶で、周波数ω1とω2のレーザ光を入力するとそれらの周波数の差の周波数ω3(=ω1−ω2)を持った差周波光(DFG)を出力する。
非線形光学結晶2から放射される差周波光は、基本的にポンプレーザ光の波長変換作用によって発生するもので、差周波光のエネルギーはポンプレーザ光のエネルギーに依存する。また、差周波光の周波数はポンプレーザ光とシグナルレーザ光の周波数差であるから、シグナルレーザ光の周波数を変化させることにより調整することができる。
たとえば、ポンプレーザ装置1としてNd:YAGレーザを用いて、波長1.064μmのパルスレーザを相対的に大きなエネルギーを持ったポンプレーザ光として非線形光学結晶2に入力する。また、ポンプレーザ光より長波長の1.15〜1.35μmの範囲のシグナルレーザ光を発生する図外のクロムフォルステライト(Cr:forsterite)レーザをシグナルレーザ装置として、たとえば波長1.284μmに調整した出力レーザを波長変換に寄与するシグナルレーザ光としてダイクロイックミラー5を介してポンプ光と一緒に非線形光学結晶2に入力する。
すると、非線形光学結晶2からは入力したレーザ光の他に波長6.21μmの差周波光が出力する。これら出力光をGeフィルター4に通して波長分別し、長波長の差周波光(赤外光)のみを外部に取り出すようにすれば、波長変換レーザ装置は赤外光発生装置となる。
すると、非線形光学結晶2からは入力したレーザ光の他に波長6.21μmの差周波光が出力する。これら出力光をGeフィルター4に通して波長分別し、長波長の差周波光(赤外光)のみを外部に取り出すようにすれば、波長変換レーザ装置は赤外光発生装置となる。
本実施例の波長変換レーザ装置で使用するポンプレーザ装置1は、図2に例示したように、凸面鏡12と凹面鏡13を対向配置して構成する不安定共振器を備え、この不安定共振器内にレーザロッド11とパルス発振を可能にするためのQスイッチ14を挟むように配置した固体レーザである。
なお、不安定共振器は凸面鏡同士を対面させることにより構成してもよい。
不安定共振器を用いたレーザ発振器では、共振器内の光の広がりが大きくなるので、レーザロッド11の端面における出力ビームの強度が正規分布ではなく一様化する。
なお、不安定共振器は凸面鏡同士を対面させることにより構成してもよい。
不安定共振器を用いたレーザ発振器では、共振器内の光の広がりが大きくなるので、レーザロッド11の端面における出力ビームの強度が正規分布ではなく一様化する。
現在よく用いられる高出力Nd:YAGレーザでは、凸面鏡と凹面鏡を対向配置した不安定共振器が用いられる。不安定共振器を用いたレーザでは、出力ミラーの反射率を全面で均一にする代わりに、適当な分布を持たせることにより、レーザから放射される出力ビームの強度分布をより一様化することができる。
しかし、このようなNd:YAGレーザでも、Nd:YAGロッドの外周における回折現象により、レーザから離れるにしたがってビームの強度分布が崩れ、図3(b)に示す写真のようなほぼ同心円状の縞模様が生ずるようになる。
図3(b)に示す写真は、不安定共振器を用いたレーザについて、1m離れた位置で強度分布を観測した例で、レーザビームの断面における強度分布に4重の縞が見られる。
しかし、このようなNd:YAGレーザでも、Nd:YAGロッドの外周における回折現象により、レーザから離れるにしたがってビームの強度分布が崩れ、図3(b)に示す写真のようなほぼ同心円状の縞模様が生ずるようになる。
図3(b)に示す写真は、不安定共振器を用いたレーザについて、1m離れた位置で強度分布を観測した例で、レーザビームの断面における強度分布に4重の縞が見られる。
これに対して、本実施例の波長変換レーザ装置は、レーザロッド11の出力鏡12側端面Aにおけるレーザイメージをイメージリレー3により非線形光学結晶2の入射面B上に像転送する。端面Aにおけるレーザイメージの強度分布は、十分に平坦である。
イメージリレー3は、焦点距離f1の第1凸レンズ31と焦点距離f2の第2凸レンズ32を光軸を同じくして光軸上で焦点を共有するように配置したもので、第1凸レンズ31の前方で距離X1の位置にある基準面(A面)と、第2凸レンズ32の後方で距離X2の位置における像転送面(B面)の間に、
M=f2/f1
X2=M(f1+f2)−M2X1
という関係が成立するようにしたものである。
イメージリレー3は、焦点距離f1の第1凸レンズ31と焦点距離f2の第2凸レンズ32を光軸を同じくして光軸上で焦点を共有するように配置したもので、第1凸レンズ31の前方で距離X1の位置にある基準面(A面)と、第2凸レンズ32の後方で距離X2の位置における像転送面(B面)の間に、
M=f2/f1
X2=M(f1+f2)−M2X1
という関係が成立するようにしたものである。
イメージリレーを用いると、基準面Aにおける2次元イメージがそのままM倍に拡大縮小して像転送面Bに転写される。
したがって、レーザロッド11の端面Aにおける平坦なレーザビーム強度分布を像転送面となる非線形光学結晶2の入射面Bの上に再現することになる。
そこで、レーザロッド11の出力鏡12側端面Aの位置を基準面とし非線形光学結晶2の入射面Bを像転送面として、イメージリレー3を上式に従って適切に配置すると、レーザロッド11の端面Aにおける平坦なエネルギー分布状態を非線形光学結晶2の入射面に像転送して、非線形光学結晶2への入射レーザ光のエネルギー分布を極めて平坦にすることができる。
図3(a)は、本実施例のイメージリレーを使って像転送した場合の、レーザから1m離れた位置におけるレーザビームの強度分布の状態を観察した写真である。レーザの強度分布は図3(b)の写真と比較して極めて平坦であることが分かる。
したがって、レーザロッド11の端面Aにおける平坦なレーザビーム強度分布を像転送面となる非線形光学結晶2の入射面Bの上に再現することになる。
そこで、レーザロッド11の出力鏡12側端面Aの位置を基準面とし非線形光学結晶2の入射面Bを像転送面として、イメージリレー3を上式に従って適切に配置すると、レーザロッド11の端面Aにおける平坦なエネルギー分布状態を非線形光学結晶2の入射面に像転送して、非線形光学結晶2への入射レーザ光のエネルギー分布を極めて平坦にすることができる。
図3(a)は、本実施例のイメージリレーを使って像転送した場合の、レーザから1m離れた位置におけるレーザビームの強度分布の状態を観察した写真である。レーザの強度分布は図3(b)の写真と比較して極めて平坦であることが分かる。
このようにして、レーザロッド11の端面Aに発生する強度分布が一様なレーザイメージをそのまま非線形光学結晶2の入射面Bに結像させることにより、レーザビームの中央以外の部分を切り捨てることなく、ポンプレーザ装置1で発生するレーザ光を有効に利用して、全体として高いエネルギー効率を維持することができる。
したがって、非線形光学結晶2に入射するポンプレーザ光の平坦化したエネルギー分布の最大エネルギー値が非線形光学結晶2の損傷閾値に対して適当量だけ小さい値になるように調整すれば、入射エネルギーの全領域に亘ってエネルギー水準を可能な限度に近付けることができ、非線形光学結晶2への入力エネルギーの総量は著しく大きくなる。
なお、イメージリレー3による像転送では、光軸方向に多少のずれが生じても基準面Aと像転送面Bの位置に変化がなく、基準面A上の2次元像が像転送面B上に転送される。したがって、光学系を構成する場合には、イメージリレー3は十分堅牢な光学的構造となる。
したがって、非線形光学結晶2に入射するポンプレーザ光の平坦化したエネルギー分布の最大エネルギー値が非線形光学結晶2の損傷閾値に対して適当量だけ小さい値になるように調整すれば、入射エネルギーの全領域に亘ってエネルギー水準を可能な限度に近付けることができ、非線形光学結晶2への入力エネルギーの総量は著しく大きくなる。
なお、イメージリレー3による像転送では、光軸方向に多少のずれが生じても基準面Aと像転送面Bの位置に変化がなく、基準面A上の2次元像が像転送面B上に転送される。したがって、光学系を構成する場合には、イメージリレー3は十分堅牢な光学的構造となる。
このようにイメージリレー3を利用することにより、非線形光学結晶2のボリュームを有効に活用して、非線形光学結晶2から出力される差周波光の強度を大いに強化することができる。
さらに、イメージリレー3による像転送では、レーザロッド11の端面Aにおけるレーザイメージ形状を維持したまま非線形光学結晶2の入射面Bに移転することができるので、レーザロッド11の断面形状を非線形光学結晶2の入射面Bと相似形にして像転送の倍率を調整することにより、入射面の全体にレーザエネルギーを注入することができる。たとえば、入射面Bが矩形であればレーザロッド11の端面Aも相似の矩形にすれば、入射面の全面にレーザ光が入射して、非線形光学結晶2のボリューム全体が作用して効率良く差周波光生成を行うことができる。
さらに、イメージリレー3による像転送では、レーザロッド11の端面Aにおけるレーザイメージ形状を維持したまま非線形光学結晶2の入射面Bに移転することができるので、レーザロッド11の断面形状を非線形光学結晶2の入射面Bと相似形にして像転送の倍率を調整することにより、入射面の全体にレーザエネルギーを注入することができる。たとえば、入射面Bが矩形であればレーザロッド11の端面Aも相似の矩形にすれば、入射面の全面にレーザ光が入射して、非線形光学結晶2のボリューム全体が作用して効率良く差周波光生成を行うことができる。
シグナルレーザ装置は、ポンプレーザ装置1より低周波数のパルスレーザをシグナル光として非線形光学結晶2に供給する。
本実施例では、シグナルレーザ装置にCr:forsteriteをレーザ媒体とするCr:forsteriteレーザ装置を利用する。
なお、同じパルス発生装置により同期駆動されるもう1基のNd:YAGレーザをCr:forsteriteレーザ媒体の励起光源として使用する。また、回動鏡やレーザ媒体の姿勢などを調整することにより出力レーザの波長を1.15〜1.35μmの範囲で選択することができる。
本実施例では、シグナルレーザ装置にCr:forsteriteをレーザ媒体とするCr:forsteriteレーザ装置を利用する。
なお、同じパルス発生装置により同期駆動されるもう1基のNd:YAGレーザをCr:forsteriteレーザ媒体の励起光源として使用する。また、回動鏡やレーザ媒体の姿勢などを調整することにより出力レーザの波長を1.15〜1.35μmの範囲で選択することができる。
なお、本実施例においては、シグナルレーザ光については、イメージリレーを用いた像転送を行っていないが、シグナルレーザに対して図4に示した従来技術を適用してイメージリレーを行うことにより、エネルギー効率を向上させることができる。また、シグナルレーザ装置が不安定共振器を用いた固体レーザ装置であれば、ポンプレーザ光について実施されたと同様に、レーザロッド面におけるレーザイメージを差周波発生用非線形光学結晶の入射面に像転送することにより、エネルギー効率を向上させることができることは明らかである。
1 ポンプレーザ装置
2 非線形光学結晶
3 イメージリレー
4 Geフィルター
5 ダイクロイックミラー
11 レーザロッド
12 凸面鏡
13 凹面鏡
14 Qスイッチ
31 第1凸レンズ
32 第2凸レンズ
2 非線形光学結晶
3 イメージリレー
4 Geフィルター
5 ダイクロイックミラー
11 レーザロッド
12 凸面鏡
13 凹面鏡
14 Qスイッチ
31 第1凸レンズ
32 第2凸レンズ
Claims (5)
- 2つの波長の異なるレーザ光をポンプ光とシグナル光として入射すると入射レーザ光の差周波を持つレーザ光を出力する非線形光学結晶と、前記ポンプ光を供給するポンプレーザ発振器と、イメージリレーを備え、前記ポンプレーザ発振器がレーザロッドと不安定共振器を用いてレーザ光を発生する固体レーザであり、前記イメージリレーが該ポンプレーザ発振器のレーザロッドの出射側端面におけるレーザ光像を前記非線形光学結晶の入射面に像転送することを特徴とする波長変換レーザ装置。
- 前記ポンプレーザ発振器は、Nd:YAGレーザであることを特徴とする請求項1記載の波長変換レーザ装置。
- 前記不安定共振器は、凹面ミラーと凸面ミラーを対向配置することにより構成されることを特徴とする請求項1または2記載の波長変換レーザ装置。
- 前記不安定共振器に凸面ミラーの反射率は反射面の位置により異なり前記ポンプレーザ発振器におけるレーザ出力の強度分布が平坦になるようにしたことを特徴とする請求項3記載の波長変換レーザ装置。
- 前記シグナル光は、クロムフォルステライト(Cr:forsterite)レーザにより供給される波長可変レーザであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の波長変換レーザ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006156435A JP2007323020A (ja) | 2006-06-05 | 2006-06-05 | 波長変換レーザ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006156435A JP2007323020A (ja) | 2006-06-05 | 2006-06-05 | 波長変換レーザ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007323020A true JP2007323020A (ja) | 2007-12-13 |
Family
ID=38855846
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006156435A Pending JP2007323020A (ja) | 2006-06-05 | 2006-06-05 | 波長変換レーザ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007323020A (ja) |
-
2006
- 2006-06-05 JP JP2006156435A patent/JP2007323020A/ja active Pending
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