JP2007321631A - クライオパネルおよびその製造方法、並びにクライオポンプおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸着パネルが良好な吸着能力を有するクライオパネル、およびこれを備えたクライオポンプを提供することである。また、本発明の他の目的は、均一な膜厚の接着層を容易に形成可能なクライオパネルの製造方法、およびこれを備えるクライオポンプの製造方法を提供する。
【解決手段】金属板32上に互いに対向して延在する凸部33を形成する工程と、凸部33間の金属板32の表面に接着剤18aを塗布する工程と、スキージ36を用いて接着層18を平坦化する工程を含む。接着層18の平坦化工程は、スキージ36の平坦面を互いに対向する2つの凸部33の上面に当てて移動し接着剤18aを塗り広げる。スキージ36は凸部33の上面によって金属板32との間隙が規定され、膜厚が均一な接着層18が形成される。
【選択図】図8

Description

本発明は、クライオパネルおよびその製造方法、並びにクライオポンプおよびその製造方法に関する。
半導体産業や、液晶表示装置やプラズマ表示装置等のフラットパネル産業では、真空槽内で真空あるいはアルゴンガスや窒素ガス等の雰囲気下で薄膜形成や熱処理、ドライエッチング等の工程が行われている。これらの工程では不純物の混入を回避するためクリーンな真空ポンプが求められている。クライオポンプは、回転動作等の動きを伴う機構を用いず、静的にガス分子を凝縮あるいは吸着して真空槽内のガス分子を減少させるので、真空層内を汚染することなく高真空が得られるという特長を有する。
クライオポンプは、真空容器中に、極低温冷凍機、シールド部、排気対象の真空槽の吸入口に設けられたバッフル、およびクライオパネル等から構成される。シールド部およびバッフルは80K程度に冷却され、その内部空間にクライオパネルが設けられている。クライオパネルは極低温冷凍機の第2冷却ステージに熱接触しており、20K以下の極低温に冷却されている。クライオパネルでは、バッフルを通過した窒素ガス、酸素ガス、アルゴンガス等が凝縮される。これらのガスはクライオパネルの表面で凝縮してフロスト(霜や氷)を形成する。さらに、クライオパネルの表面の一部に、ヘリウムガスや、ネオンガス、水素ガスを吸着して捕捉する吸着パネルが設けられる。
図1に示すように、吸着パネル100では、クライオパネルの金属板101上に接着層103により粒状の活性炭102が固定されている。活性炭102は金属板101を介して冷却されることで、上記ガスを効率的に吸着可能となる(例えば、特許文献1参照。)。
特開2000−240569号公報
ところで、図1に示す吸着パネル100の吸着層103は、通常、スキージを使用して手作業によって液体状の接着剤を薄く塗り広げて形成される。接着層103が厚すぎると金属板101からの寒冷が活性炭102に十分に伝わらなくなるため、活性炭102の温度が十分に低下せず、所望のガスを選択的に吸着し難くなり、吸着能力が低下する。また、接着層103が薄すぎると活性炭102が均一に貼着されないため、吸着能力が低下する。さらには、クライオポンプの稼働時に活性炭102が脱落し、その活性炭は吸着材として機能しなくなるため、この場合も吸着パネルの吸着能力が低下する。これらの結果によりヘリウムガスや、ネオンガス、水素ガスの排気容量が低下するという問題が生じる。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、吸着パネルが良好な吸着能力を有するクライオパネル、およびこれを備えたクライオポンプを提供することである。また、本発明の他の目的は、均一な膜厚の接着層を容易に形成可能なクライオパネルの製造方法、およびこれを備えるクライオポンプの製造方法を提供することである。
本発明の一観点によれば、冷却された状態でガス分子を捕捉するクライオパネルであって、当該クライオパネルは、金属材からなる板状部材と、該板状部材の表面の一部にガス分子を吸着する吸着パネルを備え、前記吸着パネルは、前記板状部材上に接着層により貼着された吸着材を有し、該接着層の塗布領域の周縁部に沿って互いに対向するように凸部が形成されてなることを特徴とするクライオパネルが提供される。
本発明によれば、吸着パネルの接着層の塗布領域の周縁部に凸部が形成されているので、凸部によって接着剤の流出や垂れが防止可能である。したがって、接着層の膜厚が均一に形成されるので、吸着パネルの吸着材に均一に寒冷が伝わる。これと同時に、吸着材の脱落も抑制できる。その結果、吸着パネルは良好な吸着能力を維持可能である。
本発明の他の観点によれば、金属材からなる板状部材の表面に互いに対向するように延在する複数の凸部を形成する工程と、前記複数の凸部に挟まれた板状部材の表面に接着剤を塗布し、該接着剤を平坦化する工程と、前記平坦化された接着剤の表面に吸着剤を貼着する工程と、を含み、前記接着剤を平坦化する工程は、スキージの一面を前記複数の凸部のそれぞれの上面に接触させて接着剤を平坦化することを特徴とするクライオパネルの製造方法が提供される。
本発明によれば、接着剤を平坦化する工程において、凸部の高さにより金属板とスキージの間隙が規定されるので、均一な膜厚の接着層を容易に形成できる。したがって、吸着材の脱落を抑制でき、信頼性の高い活性炭の貼着が容易に可能になる。
本発明によれば、吸着パネルが良好な吸着能力を有するクライオパネル、およびこれを備えたクライオポンプ、並びに均一な膜厚の接着層を容易に形成可能なクライオパネルの製造方法、およびこれを備えるクライオポンプの製造方法を提供できる。
以下図面を参照しつつ実施の形態を説明する。
図2は、本発明の実施の形態に係るクライオポンプの概略構成図である。
図2を参照するに、本実施の形態に係るクライオポンプ10は、概略、排気対象の真空槽29に吸気口を介して接続されたクライオポンプ本体部11を有する。クライオポンプ本体部11は、真空容器12と、その内部に、シールド部14、2段式の極低温冷凍機21、バッフル13、およびクライオパネル15等が配置された構成を有する。なお、図示を省略しているが、真空容器12には、シールド部14や、バッフル13、クライオパネル15の温度を測定するための温度計、真空容器12の内圧が過度に上昇したときにガスを真空容器12外に逃がすための安全弁等が設けられる。
真空容器12は、ステンレス等の金属材料からなる。真空容器12の一端が真空槽29に接続される吸気口となっている。
極低温冷凍機21はギフォード・マクマーン(GM)式の2段式冷凍機である。極低温冷凍機21は、第1段冷却部22、第2段冷却部23、および圧縮された作動流体を生成する圧縮器28等から構成される。第1段冷却部22および第2段冷却部23には、圧縮器28から供給管26aおよび回収管26bを介して供給される作動流体を断熱膨張させて冷却する膨張器や蓄冷器(いずれも不図示)がそれぞれ設けられている。第1段冷却部22にはその先端に80K以下に冷却可能な第1冷却ステージ24が設けられている。第2段冷却部23にはその先端に20K以下、例えば10K〜20Kに冷却可能な第2冷却ステージ25が設けられている。なお、極低温冷凍機21は、GM式の2段式冷凍機の代わりにモディファイドソルベー(M−Solvay)式の2段式冷凍機を用いてもよい。なお、第1冷却ステージ24や第2冷却ステージ25は、銅等の金属材から形成されている。
シールド部14は、極低温冷凍機21の第2段冷却部23と略同軸に配置された円筒状部材14aと、円筒状部材14aの第1冷却ステージ24側の端部を径方向内向きに屈曲されてなるフランジ14bからなる。フランジ14bの内周縁が第1冷却ステージ24に固定される。これにより、フランジ14bは、第1冷却ステージ24に熱接触し、フランジ14bおよび円筒状部14aが冷却され、第1冷却ステージ24と同等の温度に保持される。
バッフル13は、シールド部14の吸気口側に配置される。バッフル13は、上端および下端が開口され、内部が中空の台錐形状部材からなり、内径を異ならせた複数の台錐形状部材が組み合わされて構成される。それぞれの台錐形状部材は、第2段冷却部23の中心軸と同軸状に配置される。バッフル13の側面は、シールド部14の円筒状部材14aの側面に対して所定の角度、例えば35度程度で傾斜している。
また、バッフル13は、図示されない梁材等によりシールド部14と熱接触するように組み合わされる。シールド部14は第1冷却ステージ24と熱接触しているので、バッフル13には第1冷却ステージ24の寒冷が伝えられ、80K程度まで冷却される。バッフル13は、クライオポンプ本体部11の内部へ流入するガスの方向を調整っっすると共にガスを冷却する機能を有する。さらに、バッフル13は主にガスに含まれる水蒸気を凝縮したり、クライオパネル15への熱輻射を低減する働きをする。なお、バッフル13は図2に示された形態に限定されない。
シールド部14およびバッフル13は、熱伝導が良好な金属材料、例えば銅やアルミニウム等の熱伝導性の良好な金属材料からなる。さらに、シールド部14およびバッフル13の表面に耐蝕性を向上させるためにNiめっき膜(不図示)が形成されること好ましい。また、シールド部14の内壁が黒化処理されていてもよい。
クライオパネル15は、第2冷却ステージ25上に固定され、笠状(内部が中空の台錐形状)に形成された金属板が2枚、互いに離隔して設けられてなる。クライオパネル15は、銅やアルミニウム等の熱伝導性の良好な金属材料からなる。クライオパネル15は第2冷却ステージ25と熱接触しているので、第2冷却ステージ25と略同等の温度、例えば10K〜20Kに保たれる。なお、クライオパネル15は、その表面に耐蝕性を向上させるためにNiめっき膜(不図示)が形成されていてもよい。
クライオパネル15の裏面には、吸着パネル17が形成されている。吸着パネル17は、熱伝導性の良好なエポキシ樹脂によって活性炭等の吸着材(不図示)を固着してなり、クライオパネル15で凝縮されない水素、ネオン、ヘリウム等を吸着する働きを有する。なお、吸着パネル17が形成される箇所は、図2に示すクライオパネル15の裏面に限定されず、クライオパネル15の表面や傘状の金属板を連結する金属板の表面に設けてもよい。
図3は、図2のクライオポンプを構成するクライオパネルを下方から視た平面図、図4は、図3に示すA−A線断面図である。
図3および図4を参照するに、吸着パネル17は、傘状の金属板16の傾斜面の表面に周方向沿って形成されている。吸着パネル17は、金属板16上に接着層18と、接触層18に貼着された粒状の吸着材19からなる。
吸着材19は、例えば活性炭からなり、その形状は特に限定されないが、粒状や円柱状であることが好ましい。粒状の活性炭は、直径が1mm〜10mmであり、また、円柱状の活性炭は、直径が数mmで長さが3mm〜10mmである。なお、吸着材は活性炭に限定されず、活性炭と同等の機能を有する材料を用いてもよい。本明細書では以下、吸着材19が活性炭であるとして説明する。
また、活性炭19は、その一部が金属板16に接することが好ましい。これにより金属板16からの寒冷が活性炭19に伝わりやすくなり、活性炭を所定の温度(10K〜20K)まで冷却し易くなり、また、その所定の温度を維持し易くなる。
接着層18は、硬化前は液体状で塗布可能であれば材料(接着剤)は特に限定されないが、硬化前後で体積変化が少ない点で反応型の接着剤が好ましい。反応型の接着剤としては、UV硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、二液式のエポキシ樹脂系接着剤等が挙げられる。さらに、接着剤は、熱伝導性が良好な点で、金、銀、銅、およびこれらの合金からなる金属フィラーを含有するエポキシ樹脂系接着剤が好ましい。
吸着パネル17の内周側および外周側の周縁部は、周方向に沿って凸部20がそれぞれ形成されている。凸部20は、全周に亘って所定の高さ、具体的には、接着層18の厚さに対応して形成される。凸部20の高さは後ほど説明するが、接着剤を平滑化する際に、凸部20の高さ(金属板16の表面から凸部20の上面あるいは最上部までの距離)が接着層18の厚さを規定する。凸部20の高さは、接着層18の厚さに対応させて例えば、0.1mm〜1.5mmの範囲に設定されることが好ましい。凸部20を設けることで、後ほど説明するように接着層18の厚さを均一に塗布可能となるが、それ以外に、凸部20は、接着剤を傾斜面に塗布した場合に接着剤の垂れを防止できるという効果を有する。さらに、垂れによる接着層18の膜厚の不均一化や汚れを回避できる。
このような凸部20は、金属材料や樹脂材料の線材を接着剤で金属板16に固着することで形成可能である。接着剤は上述した接着層18と同様の材料を用いることができる。
図5Aは、それぞれ、クライオパネルの第1変形例の部分断面図である。図5Aの部分断面図は図3に示すA−A線断面図と同様の箇所の断面図である。図中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
図5Aを参照するに、吸着パネル15Aの外周側の周縁部には、金属板16の縁端部16aが吸着パネル15B側に屈曲されている。縁端部16aは、傾斜面に対して凸部を形成している。縁端部16aの端面の傾斜面側の角16a−1が接着層18の表面と略同等の高さに形成されている。すなわち、金属板16が屈曲された縁端部16aが、図4の外周側の凸部20と同様の機能を有している。かかる縁端部16aは、例えば、絞り加工法より容易に形成可能である。
図5Bは、クライオパネルの第2変形例の部分断面図である。図5Bの部分断面図は、図3に示すA−A線断面図と同様の箇所の断面図である。先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
図5Bを参照するに、吸着パネル15Bの内周側の周縁部には、金属板16自体が接着層18側に張り出した凸部16bが形成されている。凸部16bは図4の内周側の凸部20と同様の機能を有し、接着剤の垂れ防止が可能であり、垂れによる接着層の膜厚の不均一性や汚れを回避できる。かかる凸部16bは、例えば、張り出し加工法により形成可能である。凸部16bの形成は、傾斜面を絞り加工法により形成する前に行うことが好ましい。
なお、図4〜図5Bに示したクライオパネルの製造方法は、金属板を傘状に成型する工程以外は、次に説明する平板状のクライオパネルと同様であるので、平板状のクライオパネルにおいて説明する。
図6は、本発明の実施の形態に係る他のクライオパネルの平面図、図7は、図6に示すB−B線断面図である。図中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
図6および図7を参照するに、クライオパネル31は、吸着パネル34が平板状の金属板32の表面に形成されている。吸着パネル34は、金属板31上に接着層18と、接触層18に固着された粒状の活性炭19からなる。接着層18および活性炭19の材料は、先の図4のクライオパネル15と同様の材料から選択可能である。
吸着パネル34は、接着層18の塗布領域の周縁部の全周に亘って凸部33が形成されている。凸部33は、全周に亘って、同等の高さに形成されていることが好ましい。接着層18の表面は凸部33の上面と、金属板32の表面から略同等の高さに形成されている。なお、接着層18の表面は凸部33の上面よりも所定の距離だけ低く形成されていてもよい。
以上説明したように、本実施の形態に係るクライオパネル15,15A,15B,31は、吸着パネル17,34の周縁部に凸部16b,20,33が形成されている。したがって、凸部16b,20,33により接着層18が硬化する前に、接着剤18aの流出や垂れが防止可能である。したがって、接着層18の膜厚が均一に形成されるので、吸着パネル17,34の活性炭18に均一に寒冷が伝わる。これと同時に、活性炭18の脱落も抑制できる。その結果、吸着パネル17,34は良好な吸着能力を維持可能である。
次に、図8および図9を参照しつつクライオパネルの製造方法を説明する。
図8(A)〜(C)および図9(A)〜(B)は、クライオパネルの製造工程図である。
最初に、図8(A)の工程では、金属板32上に凸部33を形成する。具体的には、凸部33は、金属板32上に互いに対向するように延在するように形成する。さらに、凸部33は、後の工程で形成される接着層の周縁部の全周に形成されるようにする。凸部33は、先の図4に示すように、金属材料や樹脂材料の線材を金属板16に接着剤(不図示)により固着したり、図5Bに示すように、張り出し法により形成してもよく、さらに、吸着パネル34が金属板の縁辺まで形成される場合は、図5Aに示すように、金属板16の周縁部16aを屈曲させてもよい。なお、凸部33の高さ(金属板の表面から凸部の上面あるいは最上部までの距離)は、0.1mm〜1.5mmの範囲に設定する。この際、凸部33の高さは、凸部全周に亘って同等の高さに設定することが好ましい。これにより、後の図8(C)の工程において平坦化された後の接着層の厚さを均一にできる。
次いで、図8(B)の工程では、凸部33間の金属板32の表面に接着剤を塗布する。この工程では接着剤18aを粗塗りすればよく、形成された接着層18の厚さは不均一でよい。金属板32に凸部32が形成されているので、凸部32により接着剤の流出や垂れが回避される。これは、図3および図4等に示した傘状のクライオパネル15の場合は、接着剤の塗布面が傾斜しているため接着剤が流出し易いが、凸部20を設けた効果がいっそう増す。
次いで、図8(C)の工程では、スキージ36を用いて接着剤18aを平坦化する。具体的には、スキージ36の平坦面を2つの凸部33の上面に当てる。そして、凸部33が延在する方向、例えば図8(C)の紙面奥あるいは手前にスキージを動かして接着剤を塗り広げる。スキージ36と金属板32との距離は、スキージ36が凸部33の上面によってガイドされるので、凸部33の高さとなる。したがって、凸部33の高さに応じて、0.1mm〜1.5mmの均一な膜厚の接着層18が形成される。なお、過量の接着剤18aはスキージ36によって掻き取られる。
この工程でも、凸部33が形成されているため接着剤18aの流出や垂れを回避できる。スキージ36は、適度な弾性を有する平板で、金属や樹脂製である、スキージ36は2つの凸部33間の距離よりも長いものであれば特に限定されないが、接着剤の粘度や接着剤の材料により、スキージ36の材料や弾性が選択される。
なお、図示を省略するが、2つの凸部33の間隔と同じ間隔の2つの凹部が形成されたスキージを用いて接着層18aを平坦化してもよい。スキージ36の2つの凹部をそれぞれ凸部33に当てて、スキージ36を金属板32の表面に対して所定の角度に設定してスキージ36を移動する。これにより、接着層の表面が凸部33よりも低くなるので、接着剤の流出をいっそう回避できる。なお、この場合は凸部33の高さを上述した高さ(0.1mm〜1.5mm)よりも高く設定してもよい。
次いで、図9(A)の工程では、接着層18に活性炭19を貼着する。具体的には、接着剤の塗布面よりも広い開口の容器に活性炭19を充填し、接着層18の表面を下向きにして活性炭19に押し付ける。押し付ける力は適宜設定されるが、少なくとも接着層18の全面に活性炭19が貼着する力に設定する。
次いで、図9(B)の工程では、活性炭19が貼着した金属板32を容器38から引き上げ、自然硬化あるいは加熱して接着層18を硬化させる。以上により図6に示すクライオパネル31が形成される。
なお、図示を省略するが、クライオパネルが、図3および図4に示すように傘状の場合は、接着層18を平坦化する工程では、スキージ36を径方向沿って当てると共に、周方向に移動させて接着層18を平坦化する。
この製造方法では、凸部33の高さにより金属板32とスキージ36との間隙が規定されるので、均一な膜厚の接着層18を容易に形成できる。したがって、活性炭19の脱落が抑制でき、信頼性の高い活性炭19の貼着が容易に可能になる。
さらに、均一な膜厚の接着層18が形成可能であるので、接着層18の薄膜化が可能となる。これにより、クライオパネル31の金属板32から活性炭18に良好に寒冷が伝わるので、吸着能力を向上できる。
また、接着剤の塗布工程および平坦化工程では、凸部33により接着剤18aの垂れ防止が可能であり、垂れによる接着層18の膜厚の不均一化や汚れを回避できる。
なお、本発明の実施の形態に係るクライオポンプの製造方法は、上述したクライオパネルの製造方法を含む。そのため、それ以外の工程は、公知の製造工程を適用できるのでその説明を省略する。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、図4〜図5Bに示した、クライオパネルの屈曲された縁端部16a,凸部16b,20は互いに適宜組合わせてもよい。
従来のクライオパネルの断面図である。 本発明の実施の形態に係るクライオポンプを概略構成図である。 図2のクライオポンプを構成するクライオパネルを下方から視た平面図である。 図3に示すA−A線断面図である。 クライオパネルの第1変形例の部分断面図である。 クライオパネルの第2変形例の部分断面図である。 本発明の実施の形態に係る他のクライオパネルの平面図である。 図6に示すB−B線断面図である。 (A)〜(C)は、クライオパネルの製造工程図(その1)である。 (A)〜(B)は、クライオパネルの製造工程図(その2)である。
符号の説明
10 クライオポンプ
11 クライオポンプ本体部
12 真空容器
13 バッフル
14 シールド部
14a 円筒状部材
14b フランジ
15,15A,15B,31 クライオパネル
16,32 金属板
16a 縁端部
16b,20,33 凸部
17,34 吸着パネル
18 接着層
18a 接着剤
19 吸着材(活性炭)
21 極低温冷凍機
22 第1段冷却部
23 第2段冷却部
24 第1冷却ステージ
25 第2冷却ステージ
26a 供給管
26b 回収管
29 真空槽
36 スキージ
38 容器

Claims (13)

  1. 冷却された状態でガス分子を捕捉するクライオパネルであって、
    当該クライオパネルは、金属材からなる板状部材と、該板状部材の表面の一部にガス分子を吸着する吸着パネルを備え、
    前記吸着パネルは、前記板状部材上に接着層により貼着された吸着材を有し、該接着層の塗布領域の周縁部に沿って互いに対向するように凸部が形成されてなることを特徴とするクライオパネル。
  2. 前記凸部の高さは、接着層の表面と略同等かそれよりも高いことを特徴とする請求項1記載のクライオパネル。
  3. 当該クライオパネルは、内部が中空の台錐形状の板状部材と、その側面に周方向に沿って形成された吸着パネルとを有し、
    前記吸着パネルの凸部は、接着剤の塗布面の内周側および外周側の周縁部に沿ってそれぞれ形成されてなることを特徴とする請求項1または2記載のクライオパネル。
  4. 前記外周側の凸部は、板状部材が吸着パネル側に屈曲して形成されてなることを特徴とする請求項3記載のクライオパネル。
  5. 当該クライオパネルは、略平坦な板状部材と、その表面に形成された吸着パネルとを有し、
    前記吸着パネルの凸部は、接着層の塗布領域の周縁部を囲むように形成されてなることを特徴とする請求項1または2記載のクライオパネル。
  6. 前記凸部は線状部材が固着されてなることを特徴とする請求項3または5記載のクライオパネル。
  7. 前記凸部は前記板状部材の一部が張り出されてなることを特徴とする請求項3または5記載のクライオパネル。
  8. 真空容器と、
    前記真空容器の内部空間に、第1冷却ステージおよび第2冷却ステージを有する2段式冷凍機と、一端面側に排気対象の真空槽に開口された吸気口を有し、他端面側が第1冷却ステージに熱接触したシールド部と、該吸気口側にシールド部と熱接触したバッフルと、該シールド部およびバッフルに囲まれた空間に、第2冷却ステージに熱接触したクライオパネルと、を備え、
    前記クライオパネルは、請求項1〜7のうち、いずれか一項記載のクライオパネルであることを特徴とするクライオポンプ。
  9. 金属材からなる板状部材の表面に互いに対向するように延在する複数の凸部を形成する工程と、
    前記複数の凸部に挟まれた板状部材の表面に接着剤を塗布し、該接着剤を平坦化する工程と、
    前記平坦化された接着剤の表面に吸着剤を貼着する工程と、を含み、
    前記接着剤を平坦化する工程は、スキージの一面を前記複数の凸部のそれぞれの上面に接触させて接着剤を平坦化することを特徴とするクライオパネルの製造方法。
  10. 前記複数の凸部は互いに同等の高さに形成されてなることを特徴とする請求項9記載のクライオパネルの製造方法。
  11. 前記凸部を形成する工程は、前記板状部材線材を固着し、あるいは板状部材を張り出し法により突出させ、あるいは板状部材の周辺部を折り曲げ加工により屈曲させて凸部を形成することを特徴とする請求項9または10記載のクライオパネルの製造方法。
  12. 前記スキージは、前記複数の凸部の間隔と同じ間隔を有する凹部を有し、
    前記接着剤を平坦化する工程は、前記スキージの凹部を前記凸部の上面に接触させて、スキージの金属板に対する角度を所定の角度に設定して接着剤を平坦化することを特徴とする請求項9〜11のうち、いずれか一項記載のクライオパネルの製造方法。
  13. 請求項9〜12のうち、いずれか一項記載のクライオパネルの製造方法によりクライオパネルを形成する工程を有するクライオポンプの製造方法。
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