JP2007317880A - 露光方法及び装置、並びにデバイス製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】投影光学系の結像特性を所望の状態に維持するために、投影光学系の光学部材の位置等を制御した際に、その光学部材の横シフトの影響を抑制する。
【解決手段】照明光でパターンを照明し、その照明光でそのパターン及び投影光学系PLを介してウエハWを露光する露光方法において、投影光学系PLのレンズエレメント131〜136の光軸AX方向の位置及び光軸AXに垂直な面内の2軸の回りの傾斜角を制御する工程と、レンズエレメント131〜136の光軸AXに垂直な面内での横シフト量を計測する工程と、その計測結果に基づいてそのパターンの像とウエハWとの相対位置関係を補正する工程とを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば半導体素子、撮像素子(CCD等)、及び液晶表示素子等のデバイス(マイクロデバイス、電子デバイス)を製造するためのリソグラフィ工程中で、マスクパターンを投影光学系を介して基板上に転写する際に使用できる露光技術及びこの露光技術を用いるデバイス製造技術に関する。
従来より、半導体素子等を製造するためのリソグラフィ工程中で、レチクル(又はフォトマスク等)のパターンを、投影光学系を介して感光材料が塗布されたウエハ(又はガラスプレート等)上に転写する一括露光型の投影露光装置(ステッパー等)、及び走査露光型の投影露光装置(スキャニングステッパー等)等の露光装置が使用されている。半導体素子等の集積度及び微細度が益々向上するのに応じて、露光装置の投影光学系に要求される諸収差等の結像特性の精度も高くなってきている。
投影光学系の収差の外乱要因としては、露光光の照射によるレンズのヒート(加熱)、大気圧変動による周囲の気体の屈折率変化、露光光がエキシマレーザ等のレーザ光である場合のレーザ波長の変化、及び露光光の照射によるレチクルの膨張などがあり、これらの要因に応じて投影光学系の様々な収差が変動する。また、露光装置には、投影光学系を構成する一部のレンズの位置及び傾斜角(姿勢)を制御することによって、球面収差及び歪曲収差等の所定の結像特性を所定の状態に制御するための結像特性制御機構が備えられている。
従来は、それらの収差変動のうちのレンズのヒートによる収差変動については、例えばテストレチクルに形成された所定の計測用マークの空間像(投影像)の位置等を計測してベストフォーカス位置及び倍率等の所定の結像特性を計測し、露光光の照射量を変えながらその結像特性の変化量を計測することで、予めその照射量と結像特性の変化量との関係を求めていた(例えば、特許文献1参照)。同様に、大気圧変動についても、予め種々の大気圧のもとでその所定の結像特性の変化量を計測することで、大気圧と結像特性の変化量との関係を求めていた。そして、実際のデバイス用のレチクルのパターンを露光する際には、露光光の照射量及び大気圧に応じてその結像特性の変化量を打ち消すようにその結像特性制御機構を制御していた。
特開平10−170399号公報
上記の如く従来の露光装置においては、結像特性制御機構を用いることによって、レンズのヒート等による投影光学系の所定の結像特性の変動を抑制していた。しかしながら、その結像特性制御機構を用いて例えば投影光学系中の所定のレンズの光軸方向の位置等を制御する際に、極めて微小量ではあるが、そのレンズが光軸に垂直な平面内で横方向にシフトする恐れがある。このような横シフトが発生すると、それに応じて投影像の位置もシフトして重ね合わせ精度が低下する恐れがある。現状ではそのレンズの想定される横シフト量は極めて僅かであり、それが重ね合わせ精度に与える影響も許容範囲内であるが、今後半導体素子等の集積度がさらに進んだ場合を想定すると、そのレンズの僅かな横シフトについても何らかの対策を講じておくことが望ましい。
本発明は、このような事情に鑑み、例えば投影光学系の結像特性を制御するために、投影光学系中の所定の光学部材の位置等を制御する場合に、その光学部材の横シフトの影響を抑制できる露光技術及びデバイス製造技術を提供することを目的とする。
本発明による露光方法は、露光ビームでパターン(R)を照明し、その露光ビームでそのパターン及び投影光学系(PL)を介して基板(W)を露光する露光方法において、その投影光学系の所定の光学部材(131)のその投影光学系の光軸(AX)方向の位置及びその光軸に垂直な面内の直交する2軸の周りの傾斜角のうち少なくとも一つを制御する第1工程と、その光学部材のその光軸に垂直な面内での横シフト量を計測する第2工程と、その第2工程の計測結果に基づいてそのパターンとその基板とのその投影光学系を介しての相対位置関係を補正する第3工程とを有するものである。
また、本発明による露光装置は、露光ビームでパターン(R)を照明し、その露光ビームでそのパターン及び投影光学系(PL)を介して基板(W)を露光する露光装置において、その投影光学系の所定の光学部材(131)のその投影光学系の光軸(AX)方向の位置及びその光軸に垂直な面内の直交する2軸の周りの傾斜角のうち少なくとも一つを制御する結像特性制御機構(20,78)と、その光学部材のその光軸に垂直な面内での横シフト量を計測する計測装置(64,74)と、その計測装置の計測結果に基づいてそのパターンとその基板とのその投影光学系を介しての相対位置関係を補正する制御装置(50,76)とを備えたものである。
これらの本発明によれば、例えばその投影光学系の結像特性を所定の状態に制御するために、その光学部材の位置等を制御した際に、その光学部材の横シフト量を計測する。そして、この計測結果に基づいて例えばその横シフト量に応じて発生するそのパターンの像の横シフト量を相殺するように、そのパターンとその基板とのその投影光学系を介しての相対位置関係を補正することによって、その光学部材の横シフトの影響を抑制できる。
また、本発明によるデバイス製造方法は、本発明の露光方法又は露光装置を用いるものである。
なお、以上の本発明の所定要素に付した括弧付き符号は、本発明の一実施形態を示す図面中の部材に対応しているが、各符号は本発明を分かり易くするために本発明の要素を例示したに過ぎず、本発明をその実施形態の構成に限定するものではない。
以下、本発明の好ましい実施形態の一例につき図面を参照して説明する。
図1は、本例のスキャニングステッパーよりなる走査露光型の投影露光装置(露光装置)10の構成を示し、図1において、投影露光装置10は、レーザビームLB(露光ビーム)を発生する光源14、照明光学系12、レチクルR(マスク)を保持して移動するレチクルステージRST、投影光学系PL、ウエハW(基板)を保持して移動するウエハステージWST、及びこれらを制御する制御系等を備えている。そして、光源14及び制御系以外の部分は、実際には、内部の温度等の環境条件が高精度に制御され一定に維持されている不図示の環境チャンバ内に収容されている。
本例では、光源14として、ArFエキシマレーザ光源(発振波長193nm)が用いられている。光源14は、装置全体の動作を統括制御するコンピュータよりなる主制御装置50によってそのレーザ発光のオン・オフや、中心波長、スペクトル半値幅(及び/又は95%エネルギ純度幅)、繰り返し周波数などが制御される。なお、露光光源として、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、F2 レーザ(波長157nm)、固体レーザ(YAGレーザ若しくは半導体レーザ等)の高調波発生装置、又は水銀ランプ(i線等)等も使用できる。
照明光学系12は、光源14から供給されるレーザビームLBの断面形状を整形するビーム整形光学系18、オプティカル・インテグレータ(ユニフォマイザ又はホモジナイザ)としてのフライアイレンズ22、照明系開口絞り板24、第1リレーレンズ28A及び第2リレーレンズ28Bから成るリレー光学系、固定レチクルブラインド30A、可動レチクルブラインド30B、ミラーM、並びにコンデンサレンズ32等を備えている。なお、オプティカル・インテグレータとして、内面反射型インテグレータ(例えばロッドインテグレータ)又は回折光学素子等を用いてもよい。フライアイレンズ22を構成する多数の微小レンズは、それぞれビーム整形光学系18からのレーザビームLBを射出側の焦点面に集光し、その焦点面に2次光源(面光源)が形成される。以下では、フライアイレンズ22によって形成される2次光源から射出されるレーザビームLBを、露光用の照明光(露光光)ILと呼ぶ。
照明光学系12において、フライアイレンズ22の射出側焦点面の近傍には、円板状部材から成る照明系開口絞り板24が配置されている。この照明系開口絞り板24には、ほぼ等角度間隔で、例えば通常照明用の円形開口より成る開口絞り、小さな円形開口より成りコヒーレンスファクタ(σ値)を小さくするための開口絞り(小σ絞り)、輪帯照明用の輪帯状の開口絞り、及び変形光源法用に複数の開口を偏心させて配置して成る変形開口絞り(例えば2極照明又は4極照明用の開口絞り)等が配置されている。主制御装置50が駆動装置40によりその照明系開口絞り板24を回転することにより、選択された照明条件に対応する開口絞りが照明光ILの光路上に設定される。
なお、照明系開口絞り板24の代わりに、例えば、交換可能な回折光学素子と、少なくとも一方が可動の一対のプリズム(例えば円錐アキシコン系等)と、ズームレンズ系とを組み合わせた光学系を用いることも可能である。
また、照明系開口絞り板24から出た照明光ILの光路上に、反射率が小さく透過率の大きなビームスプリッタ26が配置され、ビームスプリッタ26で反射された照明光ILの光路上には、集光レンズ44、及び受光素子から成るインテグレータセンサ46が配置されている。
そして、ビームスプリッタ26を透過した照明光ILの光路上に、レチクルブラインド30A,30Bを介在させてリレー光学系(28A,28B)が配置されている。固定レチクルブラインド30Aは、レチクルRのパターン面に対する共役面から僅かにデフォーカスした面に配置されており、その固定レチクルブラインド30Aには、レチクルR上での照明領域IARを規定する矩形開口が形成されている。また、この固定レチクルブラインド30Aの近傍には、走査露光時の走査方向、及びこれに直交する非走査方向に光学的にそれぞれ対応して位置及び幅が可変の開口部を有する可動レチクルブラインド30Bが配置されている。走査露光の開始時及び終了時において、主制御装置50からの指示により、固定レチクルブラインド30Aによって規定されている照明領域IARが、可動レチクルブラインド30Bによって更に制限されることによって、不要な部分(レチクルR上の回路パターン等の転写すべき部分以外の部分)の露光が防止されるようになっている。
そして、露光時に光源14から射出されたレーザビームLBは、照明光学系12内で照明光ILとなり、照明光ILは、ミラーMによって光路が垂直下方に折り曲げられた後、コンデンサレンズ32を経て、レチクルRのパターン面(下面)の非走査方向に細長いスリット状の照明領域IARを均一な照度分布で照明する。
一方、ビームスプリッタ26で反射された照明光ILの一部は、集光レンズ44を介してインテグレータセンサ46で受光され、インテグレータセンサ46の光電変換信号が、ピークホールド回路及びA/D変換器を有する信号処理装置80を介して主制御装置50に供給される。ビームスプリッタ26、集光レンズ44、及びインテグレータセンサ46を含んで照明光ILの積算光量計測系が構成されている。主制御装置50は、インテグレータセンサ46の出力に基づいて照明光ILの照射量を所定の時間間隔で計測し、その計測結果(積算値等)を照射履歴としてメモリ51(記憶装置)内に記憶させる。本例では、インテグレータセンサ46の計測値から求められる照明光ILの照射量は、ウエハWに対する露光量制御に用いられる他、投影光学系PLに対する照射量の計算に用いられる。また、投影光学系PLの側面に配置された環境センサ81で計測される投影光学系PLの周囲の大気圧及び気温の情報も主制御装置50に供給されている。その照明光ILの照射量及び大気圧の情報は結像特性補正コントローラ78に供給される。結像特性補正コントローラ78(結像特性演算系)は、一例としてその照射量及び大気圧の情報に基づいて、投影光学系PLの照明光吸収及び大気圧による結像特性の変化量の算出を行う。
その照明光ILのもとで、レチクルRの照明領域IAR内の回路パターンの、両側テレセントリックの投影光学系PLによって形成された像は、フォトレジスト(感光材料)が塗布されたウエハWの一つのショット領域上の露光領域IAに投影される。露光領域IAは照明領域IARと光学的に共役であり、投影光学系PLの投影倍率は、例えば1/4又は1/5等の縮小倍率である。本例の投影光学系PLは屈折系であるが、投影光学系PLとしては、反射屈折系なども使用できる。以下、投影光学系PLの光軸AXに平行な方向にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で図1の紙面に垂直な方向にX軸を、図1の紙面に平行な方向にY軸を取って説明する。本例では、走査露光時のレチクルR及びウエハWの走査方向は、Y軸に平行な方向(Y方向)であり、レチクルR上の照明領域IAR、及びウエハW上の露光領域IAはそれぞれ非走査方向(X方向)に細長い領域である。
また、本例の投影光学系PLには、その所定の結像特性を制御(補正)するための結像特性制御機構が備えられている。
図2は、図1中の投影光学系PLの結像特性制御機構を示す一部を断面とした図であり、この図2において、説明の便宜上、投影光学系PLを構成するように光軸AXに沿って配置された多数のレンズエレメント(光学部材)のうちの8枚のレンズエレメント131,132,…,138 のみを図示している。レンズエレメント131〜138はそれぞれ軸対称であり、各レンズエレメント131〜138の光軸は本来は投影光学系PLの光軸AXに合致している。この場合、レンズエレメント131,132,…,138 のうち、その一部、例えば6枚のレンズエレメント131,132,133,134,135,136は、それぞれ複数(本例では3個)の駆動素子(例えばピエゾ素子などの圧電素子又は磁歪素子等)20によって光軸AX方向、及びその光軸AXに垂直な平面内の直交する2軸(例えばX軸、Y軸に平行な軸)の回りの傾斜方向に微小駆動可能に構成されている。
即ち、その8枚のレンズエレメント131〜138はそれぞれリング状のレンズホルダ621〜628内に保持され、その内の2つのレンズホルダ627及び628はそれぞれ直接にその外側のリング状の外筒617及び618の内面に形成された突部上に固定されている。これに対して、駆動対象の6枚のレンズエレメント131〜136を保持するレンズホルダ621〜626は、それぞれ複数の駆動素子20を介して外側のリング状の外筒611〜616の内面に形成された突部上に固定されている。この場合、例えば最下段の2つの外筒617及び618で示すように、隣接する2つの外筒61i及び61i+1(i=1〜7)はそれぞれフランジ部において多数のボルト63によって連結されており、このように連結された外筒611〜618が全体として鏡筒部を構成し、この鏡筒部が不図示のコラム機構に支持されている。
図4は、図2の投影光学系PL中の最上段のレンズエレメント131の駆動機構及び計測装置を示す平面図であり、この図4において、レンズエレメント131を保持するレンズホルダ621は、外筒611の内面の突部上に、等角度間隔で3箇所に配置されたZ方向に伸縮自在の駆動素子20A,20B,20Cを介して支持されている。一例として、駆動素子20Aは、光軸AXを通りY軸に平行な軸の近傍に配置され、他の2つの駆動素子20B及び20Cは、その光軸AXを通りY軸に平行な軸に関してほぼ対称な位置に配置されている。それら3個の駆動素子20A〜20Cが図2では駆動素子20として表されている。また、駆動素子20A〜20Cは、図2の結像特性補正コントローラ78によって互いに独立にその伸縮量(駆動電圧)が制御される。これによって、外筒611を基準として、レンズエレメント131のZ方向の位置、及びX軸、Y軸に平行な軸の回りの傾斜角を制御することができる。
図2の他のレンズエレメント132〜136を保持するレンズホルダ622〜626を駆動する駆動素子20も、それぞれ互いに独立に結像特性補正コントローラ78によって駆動される3個の駆動素子から構成されている。これによって、原理的には投影光学系PLの18(=3×6)個の結像特性を補正することができる。言い換えると、投影光学系PLの補正対象の結像特性の種類をN個(Nは1以上の整数)とした場合、投影光学系PL中の駆動対象のレンズエレメントの全体としての駆動の自由度をN以上とすればよい。従って、補正対象の結像特性が例えば3種類程度であれば、駆動対象のレンズエレメントの個数は1枚でもよい場合がある。
なお、投影光学系PLの補正対象の複数の結像特性は、一例として球面収差、歪曲収差(倍率誤差を含む)、及び非点収差等の複数の収差で表すことができる。ただし、その補正対象の複数の結像特性を、例えば互いに異なるツェルニケ多項式によって表される複数の波面収差で表してもよい。
本例では、上述のように結像特性補正コントローラ78は、図1のインテグレータセンサ46を介して計測される照明光ILの照射量及び大気圧の情報に基づいて、投影光学系PLの複数の結像特性の変化量の算出を行い、その結像特性の変化量の情報を内部の記憶部に記憶させる。その記憶部には、予め補正対象の複数の結像特性をそれぞれ単位量だけ変化させるための図2の各レンズエレメント131〜136の3自由度の駆動量の係数(=駆動量/結像特性の変化量)が行列の形式で記憶されている。そして、結像特性補正コントローラ78では、上記のように算出された複数の結像特性の変化量(例えばベクトル量で表される)をその記憶されている係数に乗ずる(例えば行列とベクトルとの乗算となる)ことによって、その複数の結像特性の変化量を相殺するための各レンズエレメント131〜136の駆動量を算出し、この駆動量分だけレンズエレメント131〜136の各駆動素子20を駆動する。
これによって、投影光学系PLの複数の結像特性がそれぞれ常に目標とする状態に安定に維持されるため、常に高精度にレチクルRのパターンの像をウエハW上の各ショット領域に露光できる。本例では、レンズエレメント131〜136の各駆動素子20及び結像特性補正コントローラ78を含んで結像特性制御機構が構成されている。なお、このように投影光学系PL中の光学部材を駆動して所定の結像特性を制御する技術については、例えば特開平4−134813号公報等に開示されている。
また、そのようにレンズエレメント131〜136をZ方向及びX軸、Y軸に平行な軸の回りに駆動する際に、僅かではあっても、レンズエレメント131〜136の光軸が投影光学系PLの光軸AXに対してX方向、Y方向に(横方向に)シフトする恐れがある。そこで、図2において、外筒611〜616ひいては光軸AXを基準としてそれぞれレンズエレメント131〜136のX方向、Y方向へのシフト量を計測するために、6個の外筒611〜616とレンズエレメント131〜136を保持する6個のレンズホルダ621〜626との間に、それぞれ非接触で半径方向の間隔を計測する静電容量センサ64(それぞれX軸及びY軸の静電容量センサを含んでいる。)が配置されている。なお、静電容量センサ64の代わりに、磁気式又は光学式等の他のセンサを用いてもよい。
図2の外筒611とレンズホルダ621との間に配置された静電容量センサ64は、図4に示すように、外筒611とレンズエレメント131を保持するレンズホルダ621とのX方向及びY方向の間隔をそれぞれ計測するX軸の静電容量センサ64X及びY軸の静電容量センサ64Yから構成されている。そして、X軸の静電容量センサ64Xは、外筒611の−X方向の内面に固定されたセンサ部64Xaとこれに対向するようにレンズホルダ621の外面に固定された電極板64Xbとから構成され、Y軸の静電容量センサ64Yは、外筒611の−Y方向の内面に固定されたセンサ部64Yaとこれに対向するようにレンズホルダ621の外面に固定された電極板64Ybとから構成されている。静電容量センサ64X及び64Yの検出信号は図2の変位信号処理装置74に供給され、変位信号処理装置74では、その検出信号を処理することによって一例として、図4において、投影光学系PLの光軸AXに対するレンズエレメント131の光軸のX方向へのシフト量ΔXL1及びY方向へのシフト量ΔYL1を求める。このように本例では、静電容量センサ64X及び64YをそれぞれX軸及びY軸に平行にかつ互いに直交するように配置しているため、レンズエレメント131のX方向及びY方向へのシフト量ΔXL1及びΔYL1(横シフト量)を直接計測することができる。
なお、本例ではレンズホルダ621の底面にほぼ120°間隔で3つの駆動素子20A〜20Cが配置されており、Y軸の静電容量センサ64Yは、2つの駆動素子20B及び20Cの中間位置に配置されている。そこで、図4において、3つの駆動素子20A〜20Cと静電容量センサ64X,64Yとの機械的な干渉をできるだけ避けるために、X軸の静電容量センサ64Xの代わりに、2点鎖線で示すように、2つの駆動素子20A及び20Bの中間位置に配置されて外筒611とレンズホルダ621との半径方向の間隔を計測する静電容量センサ64Rを用いてもよい。ただし、この場合には、Y軸の静電容量センサ64Yの間隔の変化量の計測値をsy、静電容量センサ64Rの間隔の変化量の計測値をsrとすると、図2の変位信号処理装置74では、それらの計測値sy,srから次の演算によってレンズエレメント131の横シフト量(ΔXL1,ΔYL1)を求める必要がある。
ΔXL1=(−sy−2sr)/31/2 …(1A)
ΔYL1=sy …(1B)
図2の他のレンズエレメント132〜136(レンズホルダ622〜626)の横シフト量を計測するための静電容量センサ64も、それぞれ図4のX軸の静電容量センサ64X(又は静電容量センサ64R)及びY軸の静電容量センサ64Yから構成されており、これらの検出信号も変位信号処理装置74に供給されている。変位信号処理装置74では、対応する静電容量センサ64の検出信号を処理することによって、6個のレンズエレメント13i(i=1〜6)のそれぞれについて、投影光学系PLの光軸AXに対するX方向、Y方向への横シフト量(ΔXLi,ΔYLi)を求め、求めた横シフト量(ΔXLi,ΔYLi)の情報を像シフト量演算装置76に供給する。
像シフト量演算装置76の記憶部には、予め各レンズエレメント13i(i=1〜6)の横シフト量(ΔXLi,ΔYLi)から投影光学系PLによる投影像のX方向、Y方向の横シフト量(ΔXi,ΔYi)をそれぞれ求めるための係数(kxi,kyi)が記憶されている。係数(kxi,kyi)は近似的には投影光学系PLの投影倍率に依存してレンズエレメント13i毎に異なる定数であるが、係数(kxi,kyi)は横シフト量(ΔXLi,ΔYLi)に応じて変化する関数でもよい。そして、像シフト量演算装置76では、その係数(kxi,kyi)を横シフト量(ΔXLi,ΔYLi)に乗じて、各レンズエレメント13i(i=1〜6)の横シフト量に起因する投影像の横シフト量(ΔXi,ΔYi)を算出した後、一例として、それらの横シフト量(ΔXi,ΔYi)の和として投影像の全体としての横シフト量(ΔXT,ΔYT)を求める。
なお、このような線形近似を用いるのではなく、各レンズエレメント13i(i=1〜6)の横シフト量(ΔXLi,ΔYLi)を用いて光学的に正確に投影光学系PLの投影像の横シフト量(ΔXT,ΔYT)を計算してもよい。像シフト量演算装置76では、このようにして求めた投影像の横シフト量(ΔXT,ΔYT)の情報を図1の主制御装置50に供給する。主制御装置50内の制御部では、その投影像の横シフト量(ΔXT,ΔYT)を用いてウエハWの各ショット領域の配列座標のオフセット補正を行う(詳細後述)。
図1に戻り、レチクルステージRST上には、レチクルRが例えば真空吸着(又は静電吸着)により固定されている。レチクルステージRSTは、リニアモータ等を含むレチクルステージ駆動系56Rにより、レチクルベースRBS上のXY平面内で2次元的に(X方向、Y方向、及びZ軸回りの回転方向(回転角θz)に微少駆動可能であるとともに、レチクルベースRBS上をY方向に指定された走査速度で移動可能となっている。
また、レチクルステージRST上には、レーザ干渉計よりなるレチクル干渉計54Rからのレーザビームを反射する移動鏡52Rが固定されており、レチクルステージRSTのXY平面内の位置はレチクル干渉計54Rによって、0.1nm程度の分解能で常時検出される。即ち、実際には、移動鏡52Rは、Y方向の位置を2箇所で計測するための2つのY軸の移動鏡と、X軸の移動鏡とから構成され、レーザ干渉計54Rもそれに対応して3軸のレーザ干渉計から構成されている。
レチクル干渉計54RからのレチクルステージRSTの位置情報は、ステージ制御装置70、及びこれを介して主制御装置50に送られる。ステージ制御装置70は、主制御装置50の指示により、レチクルステージ駆動系56Rを介してレチクルステージRSTの移動を制御する。なお、移動鏡52Rは平面鏡のみでなくコーナーキューブ(レトロリフレクタ)を含むものとしてもよいし、レチクルステージRSTの端面を鏡面加工して前述の移動鏡52Rの反射面を形成しても良い。
また、レチクルステージRSTの−Y方向の端部近傍には、空間像計測用の複数の基準マークが形成された基準部材としてのレチクルフィデューシャルマーク板(以下、レチクルマーク板と略述する)RFMが、レチクルRと並ぶように固定されている。レチクルステージRSTは、レチクルRの全面とレチクルマーク板RFMの全面とが少なくとも投影光学系PLの光軸AXを横切ることができる程度のY方向の移動ストロークを有している。また、レチクルステージRSTには、レチクルR及びレチクルマーク板RFMの下方に、照明光ILを通すための開口がそれぞれ形成されている。また、レチクルベースRBSの投影光学系PLのほぼ真上の部分(光軸AXを中心とする部分)にも、照明光ILの通路となる、少なくとも照明領域IARより大きな長方形状の開口が形成されている。
また、レチクルRの上方には、投影光学系PLを介してレチクルR上又はレチクルマーク板RFM上のマークと、ウエハステージWST上の後述する基準マーク板(不図示)上の基準マークとを同時に観察するための露光波長の光を用いたTTR(Through The Reticle)方式の一対のレチクルアライメント顕微鏡(以下、RA検出系と呼ぶ)(不図示)が設けられている。これらのRA検出系の検出信号は、主制御装置50内のアライメント制御部に供給される。なお、そのRA検出系と同等の構成は、例えば特開平7−176468号公報等に開示されている。
図1において、ウエハステージWSTは、XYステージ42と、このXYステージ42上に搭載されたZチルトステージ38とを含んで構成されている。XYステージ42は、ウエハベース16の上面の上方に不図示のエアベアリングによって例えば数μm程度のクリアランスを介して浮上支持されている。更に、XYステージ42は、ウエハステージ駆動系56Wを構成する不図示のリニアモータ等によって走査方向であるY方向及びこれに直交するX方向に2次元駆動可能に構成されている。このXYステージ42上にZチルトステージ38が搭載され、Zチルトステージ38上にウエハホルダ25が固定されている。このウエハホルダ25によって、ウエハWが真空吸着等により保持されている。
Zチルトステージ38は、図2に示すように、3つのZ位置駆動部27A,27B,27CによってXYステージ42上に3点で支持されている。これらのZ位置駆動部27A〜27Cは、Zチルトステージ38下面のそれぞれの支持点を投影光学系PLの光軸方向(Z方向)に独立して駆動する3つのアクチュエータ(例えばボイスコイルモータなど)21A,21B,21Cと、Zチルトステージ38のZ位置駆動部27A〜27Cによる各支持点のアクチュエータ21A〜21CによるZ方向の駆動量(基準位置からの変位)を検出するエンコーダ23A,23B,23Cとを含んで構成されている。
本例では、アクチュエータ21A〜21Cによって、Zチルトステージ38(ウエハW)の光軸AX方向(Z方向)の位置、X軸回りの回転角θx、及びY軸回りの回転角θyを制御する。図1のステージ制御装置70は、露光中にはウエハWの上面が投影光学系PLの像面に合焦されるように、Zチルトステージ38のZ方向の位置及びレベリング量(回転角θx,θy)を算出し、この算出結果を用いてアクチュエータ21A〜21Cを駆動する。なお、図1では、XYステージ42を駆動するリニアモータ等、及び図2のZ位置駆動部27A〜27Cがまとめてウエハステージ駆動系56Wとして示されている。
図1において、Zチルトステージ38上には、レーザ干渉計よりなるウエハ干渉計54Wからのレーザビームを反射する移動鏡52Wが固定されている。ウエハ干渉計54Wによって、Zチルトステージ38(ウエハステージWST)のXY平面内の位置が、0.1nm程度の分解能で常時検出されるようになっている。実際には、Zチルトステージ38上には、走査方向(Y方向)に直交する反射面を有する移動鏡と非走査方向(X方向)に直交する反射面を有する移動鏡とが設けられ、これに対応してウエハ干渉計もX方向、Y方向にそれぞれ複数軸設けられ、Zチルトステージ38の5自由度方向の位置(X方向、Y方向の位置、及び回転角θx,θy,θz)が計測可能となっている。ウエハステージWSTの位置情報(又は速度情報)は、ステージ制御装置70、及びこれを介して主制御装置50に供給される。ステージ制御装置70は、主制御装置50の指示に応じてウエハステージ駆動系56Wを介してウエハステージWSTのXY平面内の位置を制御する。なお、Zチルトステージ38の端面を鏡面加工して前述の移動鏡52Wの反射面を形成するようにしてもよい。
また、本例の投影露光装置のZチルトステージ38上には、レチクルマーク板RFMの複数の基準マークの投影光学系PLによる像をX方向及びY方向に走査するためのY方向及びX方向に細長い2つのスリットが形成されたスリット板90が固定され、スリット板90の底面のZチルトステージ38の内部に、それらのスリットを通過した照明光ILを受光する光電検出器が配置されている。そのスリット板90及び光電検出器を含んで空間像計測系が構成され、その光電検出器の検出信号が信号処理装置80を介して主制御装置50内の結像特性演算部に供給されている。本例では、例えば定期的に、そのレチクルマーク板RFM上の複数の基準マークの空間像の位置及び/又はコントラストをスリット板90を介して計測することによって、歪曲収差及び非点収差等を求めることができる。この計測結果は、一例として、結像特性補正コントローラ78による結像特性の変化量の予測を補正するために使用することができる。
図1において、投影光学系PLの側面には、ウエハW上のアライメントマーク又は所定の基準マークを検出するマーク検出系としてのオフアクシス方式のアライメント系ALGが設けられている。本例では、このアライメント系ALGとして、画像処理方式のアライメント系、いわゆるFIA(Field Image Alignment)系が用いられている。このアライメント系ALGからの撮像信号が、信号処理装置80を介して主制御装置50内のアライメント制御部に供給される。アライメント制御部では、その撮像信号及びウエハ干渉計54Wの計測値から被検マークのウエハステージWSTの座標系上での配列座標を求める。そして、そのアライメント制御部では、一例として、ウエハW上の所定の複数のショット領域に付設されたアライメントマークの配列座標に基づいて、例えば特公平4−47968号公報で開示されているエンハンスド・グローバル・アライメント(EGA)法によって、ウエハW上の全部のショット領域の配列座標を算出する。露光時には、そのようにして算出された配列座標に基づいて、レチクルRのパターンの像がウエハW上の各ショット領域に高精度に重ね合わせられる。
更に、本例の投影露光装置10では、図1に示すように、照射系60a及び受光系60bから成る斜入射方式の多点焦点位置検出系(60a,60b)が設けられている。照射系60aは、ウエハWの表面又はスリット板90の表面である被検面に複数のスリット像を光軸AXに対して斜めに投影し、受光系60bは、被検面からの反射光を受光してそれらのスリット像を再結像し、再結像された複数のスリット像の横ずれ量に対応する検出信号をステージ制御装置70に供給する。ステージ制御装置70では、一例としてそれらの検出信号をデフォーカス量に換算し、複数のデフォーカス量から、その被検面の投影光学系PLの像面に対するZ方向へのデフォーカス量と、X軸及びY軸の回りの傾斜角とを求める。なお、この多点焦点位置検出系(60a,60b)と同様の多点焦点位置検出系の詳細な構成は、例えば特開平6−283403号公報等に開示されているため、その構成についての詳細な説明を省略する。
通常の露光時には、ステージ制御装置70は、多点焦点位置検出系(60a,60b)の検出結果を用いて、ウエハWの表面が投影光学系PLの像面に合焦されるように、オートフォーカス方式でウエハステージ駆動系56Wを介してZチルトステージ38のZ方向の位置及び傾斜角を制御する。また、露光中又は空間像計測中に主制御装置50からの指令に基づいて、ステージ制御装置70は、ウエハステージ駆動系56Wを介してウエハWの表面又はスリット板90の表面を投影光学系PLの像面に対してZ方向に指示された量だけデフォーカスさせることもできる。
次に、本例の投影露光装置10における露光動作について説明する。先ず、主制御装置50は、レチクルRに最適な照明条件をオペレータの指示に基づいて設定する。次に、上記のレチクルアライメント顕微鏡、及びウエハ側のアライメント系ALGを用いて、レチクルRのアライメント及びウエハWのアライメントが行われる。その後、ウエハステージWSTのステップ移動によって、ウエハW上で次に露光されるショット領域が光軸AXの手前側に位置決めされる。そして、照明光ILの照射が開始されて、レチクルステージRSTを介して照明領域IARに対してレチクルRをY方向に速度Vrで移動するのに同期して、ウエハステージWSTを介して露光領域IAに対してウエハW上の一つのショット領域が対応する方向に速度β・Vr(βは投影光学系PLの投影倍率)で移動する。このようにして、ショット露光間のステップ移動とショット毎の同期走査露光動作とが繰り返されて、ステップ・アンド・スキャン方式でウエハW上の全てのショット領域にレチクルRのパターン像が転写される。
このようにして多数のウエハに順次露光を行う過程で、上述のようにインテグレータセンサ46を介して計測される照明光ILの照射量及び環境センサ81によって計測される大気圧の情報に基づいて、結像特性補正コントローラ78が図2の駆動素子20を介してレンズエレメント131〜136をZ方向及びX軸、Y軸に平行な軸の回りに駆動することで、投影光学系PLの所定の複数の結像特性が目標とする状態に維持される。なお、そのような結像特性補正コントローラ78によるレンズエレメント131〜136の駆動は、例えばウエハWに対するショット露光間のウエハWのステップ移動時に行われる。このようにレンズエレメント131〜136を駆動する際に、レンズエレメント131〜136の光軸が投影光学系PLの光軸AXからX方向、Y方向(光軸AXに対して横方向)に僅かにシフトする恐れがある。
そのようにレンズエレメント131〜136中の1つ又は複数のレンズエレメントの横方向へのシフトが生じると、図3に示すように、投影光学系PLの露光領域IA(レチクルRのパターンの投影像)がX方向、Y方向にそれぞれ位置IA1までΔXT及びΔYT(横シフト量)だけシフトする。現状では横シフト量ΔXT,ΔYTは極めて僅かな量であるが、この横シフト量は、ウエハW上のショット領域SAとレチクルRのパターンの像との重ね合わせ誤差の要因となる。
そのため本例では、そのウエハWのステップ移動中の結像特性補正コントローラ78によるレンズエレメント131〜136の駆動(結像特性の制御工程)の直後に、図1の主制御装置50の制御のもとで、図2の変位信号処理装置74が静電容量センサ64を介して投影光学系PL中のレンズエレメント13i(i=1〜6)の横シフト量(ΔXLi,ΔYLi)を計測し(光学部材の横シフト量の計測工程)、計測結果を像シフト量演算装置76に供給する。続いて、像シフト量演算装置76では、その横シフト量(ΔXLi,ΔYLi)を用いて上述のように投影光学系PLの投影像の横シフト量(ΔXT,ΔYT)を計算し、計算結果を図1の主制御装置50に供給する。
主制御装置50の制御部では、上述のようにアライメント系ALGの計測結果に基づいて算出されるウエハW上の全部のショット領域の配列座標から、その投影像の横シフト量(ΔXT,ΔYT)をオフセットとして差し引くこととする。これによって、レチクルRのパターンとウエハW上のこれ以降に露光されるショット領域との投影光学系PLを介した相対位置関係が補正される(相対位置関係の補正工程)。この場合には、図1のウエハステージWSTがその相対位置関係の補正機構として作用する。従って、ウエハWのステップ移動が終わって、ウエハW上の次のショット領域にレチクルRのパターン像の走査露光が行われる際には、そのショット領域の位置は、図3に2点鎖線で示すように、露光領域IA(投影像)のシフト量(ΔXT,ΔYT)と同じ量だけ位置SA1までシフトして、投影光学系PL中のレンズエレメント131〜136の横方向へのシフトによる投影像の横シフト量が相殺されるため、重ね合わせ誤差は発生しない。
本実施形態の動作等をまとめると以下の通りである。
A1)上述のように、投影光学系PLの結像特性を所望の状態に維持するためにレンズエレメント131〜136を駆動した場合に、レンズエレメント131〜136の横方向へのシフトの影響が抑制されて、重ね合わせ精度が高く維持される。
なお、本例ではウエハWのショット露光間のステップ移動時に、結像特性補正コントローラ78による投影光学系PLの結像特性の制御、及びレンズエレメント131〜136の横方向へのシフトによる投影像の横シフト量の相殺を行っているが、例えば結像特性の変化が緩やかである場合には、その投影光学系PLの結像特性の制御及び投影像の横シフト量の相殺を、例えばウエハの交換時等に行ってもよい。また、そのレンズエレメント131〜136の横方向へのシフトによる投影像の横シフト量の相殺は、例えば結像特性補正コントローラ78によるレンズエレメント131〜136の駆動量が大きい場合にのみ行うようにしてもよい。
また、レチクルRのパターンの像とウエハW上のショット領域との相対位置関係を補正するために、本例ではウエハステージWSTを駆動しているが、その代わりに、又はそれと並行してレチクルステージRSTを駆動してもよい。
A2)投影光学系PL中の駆動対象のレンズエレメント131〜136は、図4に示すようにそれぞれ各レンズエレメントの光軸の周りに配置された3箇所の駆動素子20A〜20Cをその光軸方向に駆動しているため、各レンズエレメント毎に光軸方向の位置、及び光軸に垂直な平面内の直交する2軸の回りの角度を制御できる。
ただし、各レンズエレメントについてそれぞれ3自由度で駆動する必要はなく、例えばZ方向のみに駆動されるレンズエレメントと、X軸及びY軸の回りのみに(又はX軸若しくはY軸の回りにのみ)駆動されるレンズエレメントとを設けてもよい。
また、本例では、レンズエレメント131〜136のそれぞれの周縁部の2箇所の位置で静電容量センサ64によって半径方向の変位を計測しているため、各レンズエレメント131〜136について、各レンズエレメントの光軸(より正確には投影光学系PLの光軸AX)に垂直な面内の直交する2軸の方向であるX方向、Y方向の横シフト量を求めることができる。これによって、各レンズエレメントの横シフトに対応して、レチクルRのパターンの像とウエハW上のショット領域とのX方向、Y方向の相対位置関係を補正できる。
なお、レンズエレメント131〜136のそれぞれの周縁部の3箇所以上の位置で半径方向の変位を計測してもよい。この計測結果を平均化することで、各レンズエレメントの変位をより高精度に計測できる。
なお、駆動対象のレンズエレメントの全部について、センサによる横シフト量の計測を行う必要はない。すなわち、例えば駆動方式又は駆動量によって横シフト量が極めて小さいことが分かっているレンズエレメントについては、横シフト量の計測を省略してもよい。
A3)また、本例では、レンズエレメント131〜136の横シフト量の計測結果に基づいて、図2の像シフト量演算装置76が投影光学系PLの投影像の横シフト量を求めている。従って、レンズエレメント131〜136の横シフトの影響を容易に抑制できる。
なお、そのように像シフト量演算装置76によって投影像の横シフト量を求めることなく、例えばレンズエレメント131〜136の横シフト量の計測結果に所定の係数を乗じて和を求めることによって、直接レチクルRのパターンの像とウエハW上のショット領域との相対位置関係の補正量を求めるようにしてもよい。
A5)また、本例では、インテグレータセンサ46を介して計測される照明光ILの照射量(積算光量)及び環境センサ81によって計測される大気圧に基づいて、結像特性補正コントローラ78によって投影光学系PLの結像特性を制御している。しかしながら、例えば本例の投影露光装置10が気圧が安定化されたチャンバ内に設置されているような場合には、その大気圧の計測値は考慮しないようにしてもよい。
さらに、その照明光ILの照射量の他に、照明条件(2極照明又は通常照明等)の違い、照明光IL(レーザビームLB)の波長、及び/又は照明光ILのスペクトル幅等をも考慮して、投影光学系PLの結像特性を制御してもよい。
なお、上記の実施形態では、投影光学系として縮小系を用いる場合について説明したが、これに限らず、投影光学系として等倍あるいは拡大系を用いても良いし、投影光学系は屈折系、反射屈折系、又は反射系のいずれであっても良い。
また、上記実施形態では、ウエハW上のショット領域とレチクルパターンの投影像との相対位置関係を補正するために、その投影像の横シフト量(ΔXT,ΔYT)に基づいて前述のEGA法によって決定されるショット領域の配列座標を補正するものとしたが、これに限らず、例えば投影光学系PLによるレチクルパターンの投影像の位置とアライメント系ALGの検出位置との間隔(いわゆるベースライン量)を、その投影像の横シフト量(ΔXT,ΔYT)に基づいて補正することとしてもよい。さらに、上記実施形態では、結像特性補正コントローラ78によるレンズエレメント131〜136の駆動を、ショット領域間のウエハWのステップ移動時に行うものとしたが、これに限らず、例えばショット領域中に行うこととしてもよい。
なお、上記実施形態では干渉計システム(54R,54W)を用いてレチクルステージRST及びウエハステージWSTの各位置情報を計測するものとしたが、これに限らず、例えば各ステージに設けられるスケール(回折格子)を検出するエンコーダシステムを用いてもよい。この場合、干渉計システムとエンコーダシステムの両方を備えるハイブリッドシステムとし、干渉計システムの計測結果を用いてエンコーダシステムの計測結果の較正(キャリブレーション)を行うことが好ましい。また、干渉計システムとエンコーダシステムとを切り替えて用いる、あるいはその両方を用いて、ステージの位置制御を行うようにしてもよい。
また、例えば半導体デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいてレチクルを製作するステップ、シリコン材料からウエハを製作するステップ、前述した実施形態の投影露光装置(露光装置)によりレチクルのパターンを基板(ウエハ等)に露光する工程、露光した基板を現像する工程、現像した基板の加熱(キュア)及びエッチング工程などを含む基板処理ステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、並びに検査ステップ等を経て製造される。
また、上記各実施形態では、本発明が走査露光型の投影露光装置に適用された場合について説明したが、これに限らず、レチクルとウエハとを静止した状態でレチクルのパターンをウエハ上に転写するステッパー等の静止露光型(一括露光型)の投影露光装置で露光を行う場合にも本発明を適用することができる。また、本発明は、例えば国際公開第99/49504号パンフレット、国際公開第2004/019128号パンフレット等に開示されている液浸型露光装置で露光を行う場合にも適用することができる。
また、例えば特表2004−519850号公報(及び対応する米国特許第6,611,316号明細書)に開示されているように、2つのレチクルのパターンを投影光学系を介して基板上で合成し、1回の走査露光によって基板上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置にも本発明を適用することができる。さらに、本発明は、波長数nm〜100nm程度の極端紫外光(EUV光)を露光ビームとして用いる投影露光装置で露光を行う場合にも適用できる。
なお、上述の実施形態においては、転写用のパターンが形成されたレチクル(マスク)を用いたが、このレチクルに代えて、例えば米国特許第6,778,257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターンまたは反射パターンを形成する電子マスクを用いてもよい。この電子マスクは、可変成形マスクとも呼ばれ、例えば非発光型画像表示素子(空間光変調器)の一種であるDMD(Digital Micro-mirror Device)などを含むものである。
また、本発明は、半導体デバイス製造用の露光装置に限らず、液晶表示素子やプラズマディスプレイなどを含むディスプレイの製造に用いられる、デバイスパターンをガラスプレート上に転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられるデバイスパターンをセラミックスウエハ上に転写する露光装置、並びに撮像素子(CCDなど)、有機EL、マイクロマシーン、MEMS(Microelectromechanical Systems)、及びDNAチップなどの製造に用いられる露光装置などにも適用することができる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置及びEUV露光装置などで使用されるマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得ることは勿論である。
本発明によれば、露光装置の投影光学系の所定の光学部材の位置等を制御した際に、その光学部材の横シフトの影響を抑制できるため、例えば投影光学系の結像特性を所望の状態に維持した状態で、重ね合わせ精度を向上できる。従って、各種デバイスを高精度に製造できる。
本発明の実施形態の一例で使用される投影露光装置の概略構成を示す一部を切り欠いた図である。 図1の投影光学系PLの結像特性制御機構及びウエハステージWSTのZチルトステージを示す一部を切り欠いた図である。 投影光学系PLによる露光領域IAとウエハ上のショット領域SAとの位置関係の一例を示す平面図である。 図2のレンズエレメント131 の駆動機構及び計測装置を示す平面図である。
符号の説明
12…照明光学系、131〜136…レンズエレメント、14…光源、20…駆動素子、50…主制御装置、611〜616…外筒、621〜626…レンズホルダ、64…静電容量センサ、74…変位信号処理装置、76…像シフト量演算装置、78…結像特性補正コントローラ、R…レチクル、PL…投影光学系、W…ウエハ、WST…ウエハステージ

Claims (12)

  1. 露光ビームでパターンを照明し、前記露光ビームで前記パターン及び投影光学系を介して基板を露光する露光方法において、
    前記投影光学系の所定の光学部材の前記投影光学系の光軸方向の位置及び前記光軸に垂直な面内の直交する2軸の周りの傾斜角のうち少なくとも一つを制御する第1工程と、
    前記光学部材の前記光軸に垂直な面内での横シフト量を計測する第2工程と、
    前記第2工程の計測結果に基づいて前記パターンと前記基板との前記投影光学系を介しての相対位置関係を補正する第3工程とを有することを特徴とする露光方法。
  2. 前記第1工程は、前記光学部材の前記光軸の周りに配置された3箇所の駆動点を前記光軸方向に駆動する工程を含み、
    前記第2工程は、前記光学部材の周縁部の複数の位置でそれぞれ前記光学部材の半径方向の変位を計測する工程と、該工程の計測結果に基づいて前記光学部材の前記光軸に垂直な面内の直交する2軸の方向の横シフト量を求める工程とを含むことを特徴とする請求項1に記載の露光方法。
  3. 前記第3工程は、前記第2工程の計測結果に基づいて前記パターンの前記投影光学系による像の横シフト量を求める工程と、該工程で求められた横シフト量を相殺するように前記相対位置関係を補正する工程とを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の露光方法。
  4. 前記第1工程及び第2工程は、前記投影光学系の所定の複数の光学部材について実行されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の露光方法。
  5. 前記第1工程における前記光学部材の制御は、前記投影光学系に対する前記露光ビームの積算光量に基づいて行われることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の露光方法。
  6. 露光ビームでパターンを照明し、前記露光ビームで前記パターン及び投影光学系を介して基板を露光する露光装置において、
    前記投影光学系の所定の光学部材の前記投影光学系の光軸方向の位置及び前記光軸に垂直な面内の直交する2軸の周りの傾斜角のうち少なくとも一つを制御する結像特性制御機構と、
    前記光学部材の前記光軸に垂直な面内での横シフト量を計測する計測装置と、
    前記計測装置の計測結果に基づいて前記パターンと前記基板との前記投影光学系を介しての相対位置関係を補正する制御装置とを備えたことを特徴とする露光装置。
  7. 前記結像特性制御機構は、前記光学部材の前記光軸の周りに配置された3箇所の駆動点を前記光軸方向に駆動する駆動機構を有し、
    前記計測装置は、前記光学部材の周縁部の複数の位置でそれぞれ前記光学部材の半径方向の変位を計測するセンサと、該センサの計測結果に基づいて前記光学部材の前記光軸に垂直な面内の直交する2軸の方向の横シフト量を求める演算装置とを有することを特徴とする請求項6に記載の露光装置。
  8. 前記制御装置は、前記計測装置の計測結果に基づいて前記パターンの前記投影光学系による像の横シフト量を求め、該横シフト量を相殺するように前記相対位置関係を補正することを特徴とする請求項6又は7に記載の露光装置。
  9. 前記制御装置は、前記相対位置関係を補正するために、前記基板を保持して移動するステージ又は前記パターンの位置を補正することを特徴とする請求項6から8のいずれか一項に記載の露光装置。
  10. 前記結像特性制御機構は、前記投影光学系の所定の複数の光学部材を駆動することを特徴とする請求項6から9のいずれか一項に記載の露光装置。
  11. 前記投影光学系に対する前記露光ビームの積算光量を求める積算光量計測装置を備え、
    前記結像特性制御機構は、前記積算光量計測装置の計測結果に基づいて前記投影光学系の結像特性の変化量を求める結像特性演算系を備え、
    前記結像特性演算系は、前記結像特性の変化量を相殺するように前記投影光学系の前記光学部材を駆動することを特徴とする請求項6から10のいずれか一項に記載の露光装置。
  12. 請求項1から5のいずれか一項に記載の露光方法を用いることを特徴とするデバイス製造方法。
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