JP2007317543A - 燃料電池システム - Google Patents

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JP2007317543A JP2006146842A JP2006146842A JP2007317543A JP 2007317543 A JP2007317543 A JP 2007317543A JP 2006146842 A JP2006146842 A JP 2006146842A JP 2006146842 A JP2006146842 A JP 2006146842A JP 2007317543 A JP2007317543 A JP 2007317543A
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Abstract

【課題】アノード側への水素ガス供給を停止して、残留する水素ガスが十分に排出されてから比較的短時間の後に、掃気用ガスとして空気をアノード側に供給する構成の燃料電池では、電解質膜等の内部に残留する水分を十分に排出することができないおそれがあった。
【解決手段】電解質膜と電解質膜に接するアノード及びカソードとを有し、反応ガスを用いて発電を行う膜電極接合体と、反応ガスの膜電極接合体への供給を停止した際に、アノードとカソードとのうち、少なくとも一方の圧力を低下させる圧力調整部と、アノードとカソードとのうち、少なくとも圧力調整部が圧力を低下させた圧力低下極側の排水処理を実行する排水処理部と、を備えた燃料電池システムにおいて、排水処理部は、圧力調整部が圧力を低下させた後において、所定の条件が成立した場合に、排水処理を実行する。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池内部の残留水分を排出する技術に関する。
電解質層として固体高分子電解質膜を有する燃料電池では、燃料電池内部で生じた水や、反応ガス内に含まれる水蒸気に起因して、拡散層の目詰まり等、燃料電池において種々な不都合が発生する。そこで、燃料電池の運転停止時に、反応ガス(燃料ガス及び酸化ガス)や、窒素ガス等の不活性ガスなどを用いて掃気することで、ガス流路等に残留する水分を排出する方法が提案されている(下記特許文献1参照)。
特開2005−183197号公報
上記特許文献1に記載の燃料電池は、アノード側への水素ガス供給を停止し、その後、残留する水素ガスが十分に排出された後に、掃気用ガスとして空気をアノード側に供給することで、水素の消費量を抑えつつ燃料電池内の残留水分を排出する構成である。かかる構成の燃料電池では、アノードや水素ガス流路に残留する水素ガスは十分に排出され、また、水素ガス流路に残留する水分も排出されることとなる。しかしながら、上記燃料電池では、水素ガスが排出されてから比較的短時間の後に空気をアノード側に供給するので、アノード内部や電解質膜内部に残留する水分については、十分に排出することができないおそれがあった。これは、以下の理由による。すなわち、水素ガス流路からの水素ガスの排出に伴って水蒸気も排出されるので、水蒸気分圧の平衡を保つようにアノード内部や電解質膜に残留する水分の気化が起こり、残留水分が水蒸気として水素ガス流路に排出する。しかしながら、水素ガス排出の比較的短時間の後に空気が供給されるために、残留水分の気化が短時間の後に抑制されてしまい、アノード内部や電解質膜内部に水分が残留するからである。なお、アノードに限らずカソードに残留する水分も十分に排出することができないおそれがあった。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、燃料電池内部の残留水分を十分に排出することが可能な技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の燃料電池システムは、電解質膜と前記電解質膜に接するアノード及びカソードとを有し、反応ガスを用いて発電を行う膜電極接合体と、前記反応ガスの前記膜電極接合体への供給を停止した際に、前記アノードと前記カソードとのうち、少なくとも一方の圧力を低下させる圧力調整部と、前記アノードと前記カソードとのうち、少なくとも前記圧力調整部が圧力を低下させた圧力低下極側について、排水処理を実行する排水処理部と、を備え、前記排水処理部は、前記圧力調整部が圧力を低下させた後において、所定の条件が成立した場合に、前記排水処理を実行することを要旨とする。
このように、本発明の燃料電池システムでは、アノードとカソードとのうち少なくとも一方の圧力を低下させた後、所定の条件が成立した場合に、排水処理を行うので、圧力の低下と共に、平衡を保つように膜電極接合体内部の水が水蒸気として流出することとなり、所定の条件が成立するまでに膜電極接合体内部から流出した水蒸気を、排水処理により排出することができ、燃料電池(膜電極接合体)内部の残留水分を十分に排出することが可能となる。
上記燃料電池システムにおいて、前記排水処理部は、前記圧力低下極に対してガスを供給することによって、前記排水処理を実行するようにしてもよい。
このようにすることで、圧力低下極側において膜電極接合体内部から流出した水蒸気を排出することができる。
上記燃料電池システムは、さらに、前記アノードと前記カソードとのうち、すくなくとも一方に配置され、前記燃料電池システムに反応ガスを流通させるためのポンプを備え、前記圧力調整部は、前記ポンプを用いて、前記アノードと前記カソードとのうち、すくなくとも一方の圧力を低下させるようにしてもよい。
このようにすることで、ポンプを用いてアノード又は/及びカソードから、反応ガスやオフガスを吸引することで圧力を低下させることができる。
上記燃料電池システムは、さらに、ガスを貯蔵するためのタンクを備え、前記圧力調整部は、前記ポンプを用いて、前記アノードと前記カソードとのうち、すくなくとも一方のオフガスを吸引して前記タンクに蓄え、前記排水処理部は、前記圧力低下極に対して、前記タンクに蓄えた前記オフガスを供給して掃気を実行することで、前記排水処理を実行するようにしてよい。
このようにすることで、吸引したオフガスを用いて掃気を実行するので、新たに燃料ガスを供給して掃気を実行する場合に比べて、燃料電池の燃費の低下を抑制することができる。
上記燃料電池システムにおいて、前記圧力調整部は、前記アノードと前記カソードとのうち、少なくとも一方を閉じた系とした状態で、前記燃料電池システムを運転させて発電させることによって圧力を低下させるようにしてもよい。
このようにすることで、閉じた系とした状態で燃料電池システムを運転させて発電させるので、反応ガスが消費され、アノード側又は/及びカソード側の圧力が低下する。このとき、水蒸気分圧も低下するために、水蒸気分圧の平衡を保つように膜電極接合体内部の水分が水蒸気として流出するので、膜電極接合体内部の残留水を十分に排出することが可能となる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、残留水分排出方法や、残留水分排出方法または燃料電池システムの機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の形態で実現することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1の実施例:
B.第2の実施例:
C.変形例:
A.第1の実施例:
A1.燃料電池システムの構成:
図1は、本発明の第1の実施例としての燃料電池システムの概略構成を示す説明図である。この燃料電池システム1000は、燃料電池スタック10と、制御ユニット20と、圧力センサ22と、水素タンク30と、ラジエータ40と、バキュームポンプ50と、バキュームタンク52と、気液分離器60と、を備える。燃料電池スタック10は、積層された複数の単セル100を備える。制御ユニット20は、CPU20a、RAM20b、ROM20cを備えるマイクロコンピュータとして構成されており、ROM20cに記憶されたプログラムに従ってシステムの運転を制御する。かかる燃料電池システム1000は、モータで駆動する電気車両に電源として搭載されている。運転者が車両に備えられたアクセルを操作すると、図示せざるアクセル開度センサによって検出された操作量に応じて、水素ガス及び空気の供給が行われて発電が行われ、その電力によって車両は走行することができる。なお、燃料電池システム1000は車載用である必要はなく、据え置き型など種々の構成を採ることができる。
燃料電池システム1000の運転時において、燃料電池スタック10には、電池反応に用いられる反応ガス及び冷却媒体が供給される。具体的には、水素タンク30から、配管305,350aを介して燃料ガスとしての水素ガスが供給される。なお、この燃料ガスは、加湿器(図示省略)で加湿されて燃料電池スタック10に供給される。これは、各単セル100が有する電解質膜(後述)が、湿潤環境下において高いイオン交換能力を発揮するためである。燃料電池スタック10に供給された燃料ガスは、各単セル100のアノードにおいて電気化学反応に使用され、オフガスとして配管350bから排出される。このオフガスには、電気化学反応に使用されずに排出された水素ガスの他に、電気化学反応で生成された水や、加湿で用いられた水を含んでいる。このオフガスは、配管350bに設けられた気液分離器60において水分を除去されて、配管350aに戻されて再び燃料電池スタック10に循環される。配管350bには、循環のための循環ポンプ340が配置されている。
また、燃料電池スタック10には、配管250aに配置されたエアポンプ210によって、エアフィルタ205を通した空気が酸化ガスとして供給される。燃料電池スタック10に供給された酸化ガスは、各単セル100のカソードにおいて電気化学反応に使用され、オフガスとして配管250bを介して大気中に放出される。また、燃料電池スタック10には、ラジエータ40から配管450aを介して冷却媒体としての水が供給される。燃料電池スタック10から排出された冷却水は、配管450bを介してラジエータ40に送られて再び燃料電池スタック10に循環される。配管450bには、循環のための循環ポンプ410が配置されている。
配管350bには、圧力センサ22が配置されている。この圧力センサ22は、アノード側のオフガスによる配管350b内部の気圧(アノード側圧力)を測定することが可能であり、その測定値を制御ユニット20に通知する。また、配管350bには、2つの流路方向を切替える方向弁である三方弁530が配置されている。この三方弁530には、配管350bと配管550とが接続されており、燃料電池スタック10から排出されるガスの流路方向を、図1に示すA方向またはB方向に切替える。燃料電池システム1000の運転時においては、三方弁530はA方向に切替えられており、前述のように、電気化学反応で用いられなかった燃料ガスは循環されることとなる。なお、かかる流路方向の切替えは、制御ユニット20によって制御される。
配管550の一端にはバキュームポンプ50が配置されている。このバキュームポンプ50は、制御ユニット20による制御の下、アノード側のオフガスを吸引してバキュームタンク52に貯蔵する。また、バキュームポンプ50は、制御ユニット20による制御の下、バキュームポンプ50に蓄えられているオフガスを、配管555を介して配管350bに戻す。なお、配管555には、電磁弁510が配置されている。この電磁弁510は、制御ユニット20によって開閉が制御される。同様にして、前述の水素タンク30が接続された配管305には電磁弁310が、配管250aには電磁弁220が、配管250bには電磁弁225が、それぞれ配置されており、制御ユニット20によって開閉が制御される。なお、燃料電池システム1000の運転時には、電磁弁310,220,225は開放され、また、電磁弁510は閉塞されている。
図2は、図1に示す燃料電池スタック10が有する単セル100を模式的に示す説明図である。この単セル100は、膜電極接合体150を、カソード側セパレータ125とアノード側セパレータ135とで挟んだ構成となっている。
膜電極接合体150は、電解質膜110をカソード120とアノード130とで挟んだ構成となっている。電解質膜110は、フッ素樹脂系イオン交換膜であり、Nafion(登録商標)やFlemion(登録商標)やAciplex(登録商標)等を用いることができる。カソード120は、ガス拡散層121及び触媒層122から成る。同様に、アノード130は、ガス拡散層131及び触媒層132から成る。ガス拡散層121,131としては、カーボンペーパーやカーボンクロスなどを用いることもできるが、金属メッシュや発泡金属等の金属多孔質体を用いることもできる。また、触媒層122,132には、触媒金属である白金或いは白金合金等を用いることができる。
カソード側セパレータ125及びアノード側セパレータ135は、ガスを透過しない伝導性部材、例えば圧縮カーボンやステンレス鋼等の金属から成る部材によって形成される。カソード側セパレータ125は、凸凹形状を有しており、この凸凹形状によってガス拡散層121との間に酸化ガスが流れるガス流路126が形成される。同様にして、アノード側セパレータ135も凸凹形状を有しており、ガス拡散層131との間に燃料ガスが流れるガス流路136が形成される。
単セル100では、燃料ガス供給マニホールド(図示省略)を介してガス流路126に燃料ガスが流入される。同様にして、酸化ガス供給マニホールド(図示省略)を介してガス流路136に酸化ガスが流入される。そして、アノード130では、燃料ガスを用いた電気化学反応が行われ、生成されたプロトンが電解質膜110を介してカソード120に移動する。一方、カソード120では、アノード130から移動してきたプロトンと酸化ガス(酸素)とを用いた電極反応が行われて水が生成される。
電解質膜110を移動する水分には、プロトンの移動に伴ってアノード130側からカソード120側に運ばれる水分(電気浸透水)と、この電気浸透水及びカソード120で生成された水分の一部が、濃度勾配の比較的低いアノード130側に逆拡散する水分と、がある。これらの水分のうち、一部の水分はガス流路126,136から余剰ガスと共に単セル100外に排出される。しかしながら、一部の水分は、燃料電池システム1000の運転停止後において、膜電極接合体150の内部に留まることとなる。この残留水分は、運転停止後の低温環境下において凝縮して、触媒である白金表面を被覆して触媒能を劣化させたり、多孔質体であるガス拡散層121,131の目詰まりを引き起こしてガス拡散を阻害したりする。そこで、燃料電池システム1000では、後述する残留水分排出処理を行うことで、膜電極接合体150内部の残留水分を排出するように構成されている。
A2.残留水分排出処理:
図3は、第1の実施例における残留水分排出処理の手順を示すフローチャートである。ユーザが電気車両のイグニッションスイッチをオフすると、燃料電池システム1000において残留水分排出処理が実行される。図3に示す残留水分排出処理が開始されると、CPU20a(図1)は、電磁弁310を閉塞して燃料ガスの供給を停止させると共に、燃料電池スタック10の発電を停止させる(ステップS605)。次に、CPU20aは、三方弁530をB方向に切替えると共にバキュームポンプ50を制御して、アノード側オフガスを吸引し、アノード側圧力を所定値まで低下させる(ステップS610)。なお、吸引したオフガスは、バキュームタンク52に貯蔵される。次に、CPU20aは、オフガスの吸引を停止して、三方弁530をA方向に切替えて所定時間だけ待つ(ステップS615)。
次に、CPU20aは、電磁弁510を開放すると共に、バキュームポンプ50を制御してバキュームタンク52に貯蔵したオフガスを配管350bに戻し、気液分離器60で水分を除去した後の水素ガスでアノード側を掃気する(ステップS620)。
図4(A)は、残留水分排出処理実行中のアノード側圧力の推移を模式的に示すグラフである。また、図4(B)は、残留水分排出処理実行中のアノード側の水蒸気分圧の推移を模式的に示すグラフである。時刻T1でアノード側オフガスの吸引が開始されると、水素タンク30からの燃料ガスの供給が停止しているので、図4(A)に示すように、アノード側圧力(全圧)は、時間の経過と共に低下する。そして、時刻T2でオフガスの吸引が停止すると、後述する水蒸気分圧の上昇と共にアノード側圧力(全圧)も上昇する。そして、時刻T3で掃気が開始されると水素ガスが供給されて更にアノード側圧力は上昇する。
一方、水蒸気分圧は、オフガスの吸引が開始されると、ガス流路136や燃料ガス排出マニホールド(図示省略)などから成る燃料ガス排出路に残留する水分が吸引されることから、時間の経過と共に低下する。この場合、各単セル100では、水蒸気分圧の平衡を保つように、膜電極接合体150内部の残留水分が水蒸気としてガス流路136を介して燃料ガス排出路に流出することとなる。しかしながら、吸引する水蒸気量が、膜電極接合体150内部から流出する水蒸気量よりも多いために、水蒸気分圧は低下している。そして、時刻T2でオフガスの吸引が停止しても、この膜電極接合体150内部からの水蒸気の流出が続くために、水蒸気分圧は一転して上昇することとなる。そして、時刻T3で掃気が開始されると、膜電極接合体150内部から流出した水蒸気が燃料電池スタック10外部に排出されるために、水蒸気分圧が低下することとなる。
このように残留水分排出処理では、燃料ガスの供給を止めてオフガスを吸引することで、アノード側圧力を低下させ、膜電極接合体150内部の残留水分を水蒸気として燃料ガス排出路に流出させることができる。したがって、その後掃気を行うことで、膜電極接合体150内部の残留水分を十分に排出することができる。また、吸引したオフガスを用いて掃気処理を実行するので、掃気処理による燃費の低下を抑制することができる。
B.第2の実施例:
図5は、第2の実施例における燃料電池システムの概略構成を示す説明図である。前述の第1の実施例では、バキュームポンプ50でオフガスを吸引することで、アノード側圧力を低下させていたが、本実施例では、反応ガスの供給を停止させた上で発電を継続することでアノード側圧力を低下するものである。図5に示す燃料電池システム2000は、以下の点で前述の燃料電池システム1000と構成が異なる。すなわち、バキュームタンク50と、バキュームタンク52と、配管550,555と、電磁弁510と、三方弁530と、が配置されておらず、また、配管370と、パージ弁である電磁弁360と、が配置されている点が異なる。他の構成については燃料電池システム1000と同じである。なお、電磁弁360は燃料電池システム2000の運転時においてアノードの不純物を排出する際に開弁され、通常は閉塞されている。
図6は、第2の実施例における残留水分排出処理の手順を示すフローチャートである。図6に示す残留水分排出処理が開始されると、CPU20aは、電磁弁310を閉塞して燃料ガスの供給を停止させると共に、アノード側圧力が所定値となるまで、燃料電池スタック10の発電を継続する(ステップS705)。燃料ガスの供給を止めた上で発電を継続すると、燃料電池スタック10に残っている水素が消費されるのでアノード側の圧力は低下する。このとき、膜電極接合体150内部をアノード側からカソード側に移動する電気浸透水によってアノード側が乾燥して、水蒸気分圧も低下することとなる。
次に、CPU20aは、燃料電池スタック10の発電を停止させ、所定時間だけ待つ(ステップS710)。前述の第1の実施例と同様に、水蒸気分圧の平衡を保つように、膜電極接合体150内部の残留水分が水蒸気としてガス流路136を介して燃料ガス排出路(図示省略)に排出することとなる。次に、CPU20aは、電磁弁310及び電磁弁360を開放して、燃料ガスを燃料電池スタック10に供給して、かかる燃料ガスで掃気する(ステップS715)。この掃気によって、燃料ガス排出路に排出された残留水分が燃料電池スタック10の外部に排出される。
このように第2の実施例においても、アノード側圧力を低下させて膜電極接合体150内部の残留水分が燃料ガス排出路に排出されてから掃気を実行するので、膜電極接合体150内部の残留水分を十分に排出することができる。なお、ステップS715の後、発電を再開して、再び上述した残留水分排出処理を実行するといったように、図6に示すステップS705〜S715を必要に応じて繰り返し実行するようにしてもよい。このようにすることで、より多くの残留水分を排出することができる。
C.変形例:
なお、上記各実施例における構成要素の中の、独立クレームでクレームされた要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。また、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
C1.変形例1:
上述した各実施例では、アノード側の掃気を実行(開始)する条件は、「オフガスの吸引停止後(又は発電の停止後)において所定の時間が経過したこと」との条件であったが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、「圧力センサ22で計測されるアノード側圧力が所定の圧力に達したこと」を条件としてもよい。本発明では、膜電極接合体150内部の残留水分が、燃料ガス排出路に十分に流出したことを判定可能な任意の条件を、掃気を実行する条件として採用することができる。
C2.変形例2:
上述した各実施例では、アノード側の圧力低下で膜電極接合体150内部に残留する水分を排出する点を述べたが、カソード側の圧力低下でかかる残留水分を排出するようにしてもよい。例えば、第1の実施例については、カソード側にバキュームポンプ及びバキュームタンクを配置する。そして、このバキュームポンプでカソード側のオフガスを吸引してカソード側圧力を低下させて、所定の時間後に吸引したオフガスを用いて掃気するようにしてもよい。また、第2の実施例については、酸化ガスの供給を止めて電磁弁220及び電磁弁225を閉塞した状態で発電を継続することで、カソード側圧力を低下させ、所定の時間後に掃気するようにしてもよい。このようにしても、膜電極接合体150内部に残留する水分を効率的に排出することができる。なお、アノード側及びカソード側の両方において圧力低下させるようにしてもよい。そして、この場合、アノード側の圧力低下とカソード側の圧力低下とを同時に行ってもよいし、交互に時間差を付けて行ってもよい。
C3.変形例3:
上述した各実施例では、掃気用ガスとして、吸引したオフガスを用いるものとしたが、オフガスに代えて、新たに水素タンク30から供給する燃料ガスを掃気用ガスとして用いるようにしてもよい。或いは、吸引したオフガスに代えて、窒素ガス等の不活性ガスや、空気を掃気用ガスとして用いてもよい。このようにしても、膜電極接合体150内部から流出した水蒸気を燃料電池スタック10外部に排出することができる。なお、上述した変形例2の構成のように、カソード側で掃気処理を実行する構成であれば、酸化ガスに代えて、燃料ガスや不活性ガスを用いて掃気するようにしてもよい。
C4.変形例4:
上述した第1の実施例では、バキュームポンプ50を用いてアノード側のオフガスを吸引する構成であったが、バキュームポンプ50に代えて、循環ポンプ340を用いてオフガスを吸引するようにしてもよい。この場合、循環ポンプ340で吸引したオフガスは、別途設けたタンク(図示省略)に一時的に貯蔵しておくようにしてもよい。なお、前述の変形例2に示すようにカソード側において圧力を低下させる場合には、エアポンプ210に代えて、エアコンプレッサを配置して、かかるエアコンプレッサを利用してカソード側の圧力を低下させてもよい。例えば、図5に示す電磁弁225を閉塞した上で、エアコンプレッサを通常の発電時とは逆に作動させることでバキュームポンプとして作動させて、カソード側を吸引して圧力を低下させるようにしてもよい。
C5.変形例5:
上述した各実施例では、膜電極接合体150内部から流出した水蒸気を、掃気することで燃料電池スタック10外部に排出していたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、掃気に代えて、バキュームポンプ50でオフガスを吸引することで水蒸気を燃料電池スタック10外部に排出する構成であってもよい。かかる構成であっても、膜電極接合体150内部から流出した水蒸気を十分に燃料電池スタック10外部に排出することができる。
C6.変形例6:
上述した各実施例では、燃料電池システム1000は、複数の単セル100が積層した燃料電池スタック10を備えるものとしたが、1つの単セルのみで構成されるものであってもよい。このような構成であっても、かかる単セルの膜電極接合体150内部の残留水分を十分に排出することができる。
本発明の第1の実施例としての燃料電池システムの概略構成を示す説明図。 図1に示す燃料電池スタック10が有する単セル100を模式的に示す説明図。 第1の実施例における残留水分排出処理の手順を示すフローチャート。 掃気処理中のアノード側圧力及び水蒸気分圧の推移を模式的に示す説明図。 第2の実施例における燃料電池システムの概略構成を示す説明図。 第2の実施例における残留水分排出処理の手順を示すフローチャート。
符号の説明
10…燃料電池スタック
20…制御ユニット
20a…CPU
20b…RAM
20c…ROM
22…圧力センサ
30…水素タンク
40…ラジエータ
50…バキュームポンプ
52…バキュームタンク
60…気液分離器
100…単セル
110…電解質膜
120…カソード
121,131…ガス拡散層
122,132…触媒層
125…カソード側セパレータ
126,136…ガス流路
130…アノード
135…アノード側セパレータ
150…膜電極接合体
210…エアポンプ
250a,250b,305,350a,350b,370,450a,450b,550,555…配管
225,310,360,510…電磁弁
340,410…循環ポンプ
530…三方弁
1000…燃料電池システム

Claims (6)

  1. 燃料電池システムであって、
    電解質膜と前記電解質膜に接するアノード及びカソードとを有し、反応ガスを用いて発電を行う膜電極接合体と、
    前記反応ガスの前記膜電極接合体への供給を停止した際に、前記アノードと前記カソードとのうち、少なくとも一方の圧力を低下させる圧力調整部と、
    前記アノードと前記カソードとのうち、少なくとも前記圧力調整部が圧力を低下させた圧力低下極側について、排水処理を実行する排水処理部と、
    を備え、
    前記排水処理部は、前記圧力調整部が圧力を低下させた後において、所定の条件が成立した場合に、前記排水処理を実行することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記排水処理部は、前記圧力低下極に対してガスを供給することによって、前記排水処理を実行する、
    燃料電池システム。
  3. 請求項1または請求項2に記載の燃料電池システムであって、さらに、
    前記アノードと前記カソードとのうち、すくなくとも一方に配置され、前記燃料電池システムに反応ガスを流通させるためのポンプを備え、
    前記圧力調整部は、前記ポンプを用いて、前記アノードと前記カソードとのうち、すくなくとも一方の圧力を低下させる、
    燃料電池システム。
  4. 請求項3に記載の燃料電池システムであって、さらに、
    ガスを貯蔵するためのタンクを備え、
    前記圧力調整部は、前記ポンプを用いて、前記アノードと前記カソードとのうち、すくなくとも一方のオフガスを吸引して前記タンクに蓄え、
    前記排水処理部は、前記圧力低下極に対して、前記タンクに蓄えた前記オフガスを供給して掃気を実行することで、前記排水処理を実行する、
    燃料電池システム。
  5. 請求項1または請求項2に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記圧力調整部は、前記アノードと前記カソードとのうち、少なくとも一方を閉じた系にした状態で、前記燃料電池システムを運転させて発電させることによって圧力を低下させる、
    燃料電池システム。
  6. 電解質膜と前記電解質膜に接するアノード及びカソードとを有し、反応ガスを用いて発電を行う膜電極接合体を備える燃料電池システムにおいて、前記燃料電池システム内部の残留水分を排出するための残留水分排出方法であって、
    (a)前記反応ガスの前記膜電極接合体への供給を停止した際に、前記アノードと前記カソードとのうち、少なくとも一方の圧力を低下させる工程と、
    (b)前記圧力低下工程の後において、所定の条件が成立した場合に、前記アノードと前記カソードとのうち、少なくとも圧力を低下させた圧力低下極側について、排水処理を実行する工程と、
    を備える残留水分排出方法。
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