JP2007315818A - 画像処理による微小高さ計測方法 - Google Patents

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大和 輿水
Takayuki Fujiwara
孝幸 藤原
Takashi Watanabe
隆 渡辺
Ko Kusano
洸 草野
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Abstract

【課題】コネクタ等の検査製品の姿勢が変化しても、被測定物である接触子の高さを正確に計測することのできる画像処理による微小高さ計測方法を提供する。
【解決手段】ブロックB上でワークWを水平方向に移動させ、その前後の状態を1台のカメラCで撮像し、特定箇所の高さhを計測する方法であって、ブロックB上のマークM並びにワークWの小領域画像を取り込み、各々の画像の輪郭を処理して非直線状輪郭を求め、次にその近似直線輪郭を抽出し、さらに該近似直線輪郭の交点を算出し、且つその交点間の距離に基づいて上記高さhを算出する。
【選択図】図4

Description

本発明は微小高さ計測方法に係り、特に、コネクタの如き小さな電子部品の接触子等の高さを、画像処理を用いて計測する画像処理による微小高さ計測方法に関するものである。
パーソナルコンピュータ、デジタルカメラ、携帯電話などの電子機器にあっては、軽薄短小化を追求する一方で、次から次へと高度な機能を追加し続けており、これら製品がユーザの手元で所期の性能を発揮できるか否かはその品質管理に負う所が極めて大である。
換言すれば、上記電子機器の性能を確保するためには、そのシャシーや筐体、或いは操作部、表示部と言った個々の構成部品の品質とそれらの組立・接続状態での品質管理が重要であると同時に、そこに用いられるコネクタの如き小さな電子部品の品質管理も決して疎かにはできない。
従来、このような電子部品の品質管理は、主に、熟練した検査員が目視チェックすることでその合否判定が行なわれていたが、上記電気製品の進化に伴って該電子部品もいよいよ小型化され、同時に高密度化(例えば、コネクタの接触子の本数増加と狭ピッチ化)が益々進む昨今、もはや目視チェックで合否判定ができる状況にはない。
例えば、種々の電子機器に広く採用されているデタッチャブル式基板間コネクタは、図1に示すように、雄コネクタ1の凸部2が雌コネクタ3の凹部4に嵌合し、雄型接触子5が雌型接触子6に圧接して電気的に接続するものである(例えば、特許文献1参照)。
このコネクタにおいて、雌型接触子6は長辺の長さ20mm程度のハウジング7に8対植設されており、また、雌型接触子6の幅は約1.5mmと決して大きいものではない。このため、雌型接触子6の植設状況の品質チェックを目視で行うことは難しい。
図2は図1のA−A線に沿った断面図であり、図3は雌形接触子6の斜視図である。図2において、雌型接触子6の先端部6Aが、二点鎖線で示すように、異常に上方に変形して植設された場合や、逆に異常に下方に変形して植設された場合は、不良品として判定されるべきであるが、凹部4を通して雌型接触子6の先端部6Aを覗き見るだけでは、雌型接触子6の先端部6Aの高さhを正確に知ることはできず、不良品か良品かの判断が難しい。
加えて、このコネクタのように製造原価が極めて低廉な電子部品にあっては、その品質検査に投じ得るコストも非常に僅かであり、大規模な検査システムを組むようなことはできない。
そこで、雌型接触子6の先端部6Aの高さhを画像処理を用いて計測する方法、中でも単眼ステレオ法の応用が考えられている。この単眼ステレオ法は、1台のカメラで撮像したデータをコンピュータで演算・処理することにより、三次元の精密な距離(高さ)測定を可能にするものであり、複眼ステレオ法に比べて廉価なシステムであるだけでなく、複雑なカメラ間のキャリブレーションを要しないと言う特徴を持っている。
単眼ステレオ法に関する発明として、例えば、ベルトコンベアにより搬送している検査製品を1台のカメラにより撮影して、時刻(t)での画像と時刻(t+1)での画像を画像処理することにより、検査製品の三次元形状を求めるとともに、検査製品の三次元形状と良品の三次元形状を比較することにより、検査製品の三次元欠陥(凹みや出っ張り等)を検出する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−281109号公報 特開平8−29358号公報
ところで、上記特許文献2の方法では、時刻(t)から時刻(t+1)の間での検査製品の各軸x,y,z方向への移動量をTx,Ty,Tzとおいた上で、この検査製品はベルトコンベアに塔載されおり、速度vで軸x方向に移動していることを根拠に、Tx=v,Ty=0,Tz=0で検査製品は軸x方向に直進し、一切y軸及びz軸方向へのズレはない、つまり検査製品の姿勢は変化しないとの前提に立っている。
しかしながら、実際には検査製品がその姿勢を変化させずに直進するという保証はなく、特許文献2の方法では検査製品が直進すると仮定をしているだけであり、移動量の実測は行なっていないに等しい。そのため、特許文献2の方法において得られた三次元データは確かなものであるか否か、定かでない。
本発明の課題は、コネクタ等の検査製品の姿勢が変化しても、被測定物である接触子の高さを正確に計測することのできる画像処理による微小高さ計測方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ステージ上にブロックが水平方向に移動可能に配置され、前記ブロック上にフィクサが取り付けられ、前記フィクサ上にワークが載置されている場合に、前記ブロックまたは前記フィクサにマークを付すか若しくは前記ブロックまたは前記フィクサの一部をマークとするとともに、前記ブロックのワーク載置面から所定距離K隔てて該ブロックの上方に1台のカメラを固定して、該カメラで前記ブロックの移動前後の前記ワーク等の状態を撮像し、その撮像画像をコンピュータ処理して前記ワークの特定箇所の微小高さhを計測する画像処理による微小高さ計測方法であって、
前記ブロック移動前の状態を撮像してそのデータをコンピュータに取り込み(ステップ1)、その撮像画像から前記マークを抽出し、そこにエッジ生成処理を施して少なくとも2本の非直線状の輪郭線を生成し(ステップ2)、次に前記輪郭線に最小二乗近似法などを加えて前記マークの近似直線の輪郭を得(ステップ3)、続いて前記近似直線の連立方程式を解いてブロック移動前の始点座標OP1を算出し(ステップ4)、
また、前記ブロックを移動させた後の状態を撮像してそのデータをコンピュータに取り込み(ステップ5)、その撮像画像から前記マークを抽出し、そこにエッジ生成処理を施して少なくとも2本の非直線状の輪郭線を生成し(ステップ6)、次に前記輪郭線に最小二乗近似法などを加えて前記マークの近似直線の輪郭を得(ステップ7)、続いて前記近似直線の連立方程式を解いてブロック移動後の終点座標OP2を算出して(ステップ8)、
前記始点座標OP1と前記終点座標OP2とから前記ブロックの移動距離Dを算出する(ステップ9)一方、
前記ブロック移動前の状態の画像から前記ワークの特定箇所を含む領域を抽出し、そこにエッジ生成処理を施して少なくとも2本の非直線状の輪郭線を生成し(ステップ11-b)、次に前記輪郭線に最小二乗近似法などを加えて近似直線の輪郭を得(ステップ11-c)、続いて前記近似直線の連立方程式を解いてブロック移動前の領域始点座標q1を算出し(ステップ11-d)、さらに前記始点座標q1から所定の距離rだけ離れた前記非直線状の輪郭線上の点を計測始点座標P1とし(ステップ11-e)、
また、前記ブロック移動後の画像から前記ワークの特定箇所を含む領域を抽出し、そこにエッジ生成処理を施して少なくとも2本の非直線状の輪郭線を生成し(ステップ12-b)、次に前記輪郭線に最小二乗近似法などを加えて近似直線の輪郭を得(ステップ12-c)、続いて前記近似直線の連立方程式を解いてブロック移動後の領域終点座標q2を算出し(ステップ12-d)、さらに前記終点座標q2から距離rだけ離れた前記非直線状の輪郭線上の点を計測終点座標P2とし(ステップ12-f)、
さらに、前記計測始点座標P1と前記計測終点座標P2とから計測点間距離DDを算出し(ステップ13-a)、且つ前記計測点間距離DDと前記所定距離Kとからカメラ−計測始点座標P1−ワーク載置面のなす角度α1並びにカメラ−計測終点座標P2−ワーク載置面のなす角度α2を算出し(ステップ13-b)、前記角度α1及び角度α2と前記移動距離Dとからカメラ−特定箇所間の距離Hを演算し(ステップ13-c)、続いて前記所定距離Kから前記距離Hを差引いて前記微小高さhを求める(ステップ13-d)ことを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記マークの始点座標OP1と終点座標OP2とからブロックの移動距離Dを算出する(ステップ9)際に、合わせて前記ブロックの移動前後の姿勢変化角度βを算出しておき、前記計測始点座標P1と前記計測終点座標P2とから計測点間距離DDを算出する(ステップ13-a)に当たり、前記姿勢変化角度βに基づく前記計測点間距離DDの補正を行うことを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、請求項1において、前記ブロック移動前の状態の画像からワーク中の任意の直線成分を見出して、該直線成分がx軸またはy軸となす角度θ1を求めるとともに(ステップ10-a)、前記ブロック移動後の状態の画像からワーク中の任意の直線成分を見出して、該直線成分がx軸またはy軸となす角度θ2を求めておき(ステップ10-b)、前記角度θ1と前記角度θ2の差θ分、前記領域終点座標q2を回動させて領域終点補正座標q2´を得(ステップ12-e)、該領域終点補正座標q2´を基に前記計測終点座標P2を求めることを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、請求項1において、前記マークの始点座標OP1と終点座標OP2とからブロックの移動距離Dを算出する(ステップ9)際に、合わせて前記ブロックの移動前後の姿勢変化角度βを算出しておき、前記計測始点座標P1と前記計測終点座標P2とから計測点間距離DDを算出する(ステップ13-a)に当たり、前記姿勢変化角度βに基づく前記計測点間距離DDの補正を行う一方、
前記ブロック移動前の状態の画像からワーク中の任意の直線成分を見出して、該直線成分がx軸またはy軸となす角度θ1を求めるとともに(ステップ10-a)、前記ブロック移動後の状態の画像からワーク中の任意の直線成分を見出して、該直線成分がx軸またはy軸となす角度θ2を求めておき(ステップ10-b)、前記角度θ1と前記角度θ2の差θ分、前記領域終点座標q2を回動させて領域終点補正座標q2´を得(ステップ12-e)、該領域終点補正座標q2´を基に前記計測終点座標P2を求めることを特徴としている。
請求項5に記載の発明は、請求項1において、前記ブロック移動前後の撮像画像からマークを抽出する際、或いは前記ブロック移動前後の撮像画像から前記ワークの特定箇所を含む領域を抽出する際の少なくともいずれか一つにおいて、任意の基準点から所定の距離だけ隔たった小領域を抽出した(ステップ11-a及びステップ12-a)後、各種演算処理を行なうようにしたことを特徴としている。
本発明によれば、コネクタ等の検査製品の姿勢が変化しても、被測定物である接触子の高さを正確に計測することができる。
また、コネクタの接触子の如き小さく且つ実測し難い部位の寸法を、精密かつ迅速に三次元計測することができ、しかもこの測定に特別なデバイスやシステムを用意する必要がないことから廉価な計測とすることもでき、さらに、これを電子部品の生産工程内に組み込んだインライン方式の品質検査システムを容易に構築することも可能である。
以下、本発明の実施例について図面に従って説明する。
先ず、本実施例においては、説明の便宜上、図2に示したコネクタにおける雌形接触子(以下、接触子という)6の先端部6Aの高さhを測定するものとする。但し、この高さhとは、接触子6の湾曲した尖端の高さを言うものではなく、前述の如くそれが異常に上方に又は下方に変形していて品質不良か否かの判断に使用するものであるから、この尖端の近傍のある箇所の高さを指す(図3参照)。また、接触子6は、前述の通り、8対あって、そのいずれに異常があっても不合格であることから、これら8対の全ての上記箇所の計測を行なうものである。なお、以下の説明では、コネクタをワークと称する。
本発明の微小高さ計測方法におけるワーク撮像環境の概要を図4によって説明する。
この図4において、Sはほぼ水平に据え付けられたステージ、Bはその上を水平に移動可能に設置されたブロック、Wはワーク、FはワークWをブロックB上にセットするためのフィクサ、CはステージSの上方に固定されたカメラであり、またLはカメラCの中心線であってこの中心線はステージSに対して垂直となっている。なお、ステージSを水平に設置するには、これを定盤の上にセットすることが望ましいが、これに限定されるものではない。また、フィクサFはポケットの如きもので、ワークWがそこにセットされたとき、ワークWに歪みが生じないように、無負荷状態で載置し得るものであることが好ましい。
上記ブロックBをステージS上で的確に移動し得るようにするため、例えば公知のプッシュロッド(図5参照)の如きものを、そこに組み込むことは有効である。なお、単眼ステレオ計測法を基礎とする本発明の微小高さ計測法は、三角測量の原理を用いるものであるから、ワークWを移動させてその前後の位置(図中、実線で示す移動前の位置に対し、移動後の位置を二点鎖線で示す)とカメラCとの間で三角形を描く必要があり、この移動の役割を、ワークWを塔載するブロックBに負わせたが、直接ワークWのみを移動させるようにしても良い。
記号Pで示す点が、前記接触子の先端部における計測点に相当するものである(但し、計測点Pは後述のステップを経てその座標が特定されるものであり、この図4における同点は理解を助ける便宜上のものである)。前述の高さhは、ブロックBの表面(ワーク載置面)から計測点Pまでの距離であるが、カメラCからワーク載置面までの距離Kと、カメラCから計測点Pまでの距離までの距離Hとの差から該高さhを求めることができる。
また、記号Mで示すポイントは、ブロックBの表面に貼付したマークで、ブロックBの移動前後の撮像画像からその移動距離Dを実測したり、或いは計測点Pを含む小領域を取り込む際の基準座標に用いるものであるが、実際には、この図4には現れないものであるも、説明の便宜から表示した。勿論、ワークWにこのマークMを貼付することを妨げるものではないが、そうすると、被検査体であるワークWを交換するたびにマークMの貼り替え作業が必要となってしまうので、ブロックBに貼付する方が良い。同じ理由から、フィクサFにマークMを貼付することを妨げない。なお、記号Qで示す面がカメラCの結像面である。
より具体的に該マークについて説明するに、図5に示すように、ワークWの計測点P近傍の被検査体幅(接触子の幅)Tが1.5mmであるのに対し、このマークMは0.8mm×0.8mmの正方形であり、撮像照明光の照射条件等によってマークMの画像の鮮明度が低下する場合に備えて、同一形状のマークMを所定の間隔をおいて、複数個ブロックB上に貼付されている。但し、このマークMは座標抽出のためものであるから、このような大きさで無くとも、或いは正方形で無くとも良く、若しくは複数個で無く1個だけであっても良く、更には貼付される形式のものに限られず、例えばブロックBやフィクサFの一部であって他と明確に識別可能な目印になるものであれば、それでも構わない。
そして、このマークMを含むワークW全体の初期状態、即ちワーク載置状態を、カメラCによって撮像し、その画像データをコンピュータに読み込む(ステップ1:第1撮像)。なお、マークMを鮮明に撮像するため、白い台紙に黒いマークを貼付してブロックに取り付けることは有効である。
このようにして撮像された画像は、例えば、図6Aの如きものである。ここで、図6Aはブロック移動前の撮影画像を示している。図6Aに示すように、マークMを含むワークWの一部が写っており、このマークMを拡大表示したものが図7であるが、この拡大画像における輪郭は画素の濃い部分と薄い部分とがランダムに混在していて必ずしも明確ではない。本来、このマークMのx軸方向とy軸方向の2本の輪郭線からその交点を求め、この点をマークMの第1の特徴となる点、即ちブロック移動前の始点座標OP1として見出したいところ、これは甚だ困難である。
そこで、先ず、図7の画像の中からマークMの輪郭を抽出するため、エッジ生成処理によって、図8に示す如き非直線状の輪郭(横方向(x軸方向)の輪郭線及び縦方向(y軸方向)の輪郭線)を得るべく、例えば下記(1)式及び(2)式のガウシアンフィルタによる平滑化処理の後、例えば(3)式によるラプラシアン処理を行なう(ステップ2:非直線輪郭の生成)。
なお、ここで求めたいのは基準となる前記始点座標OP1であり、そのために本実施例では矩形のマーク画像から縦・横2本の輪郭線を抽出し、その交点を求めんとする訳で、マークが矩形故にその輪郭線は各々x軸とy軸に略沿ったものとして説明したが、該輪郭線は上記交点が得られるものであれば如何なるものであっても良い。即ちマークMは矩形に限られない。
ここで、G(x,y)はガウシアンフィルタの設定値、σは標準偏差値(ガウシアンフィルタのパラメータ)、F(x,y)はガウシアン処理後の平準化画像、f(x,y)処理前の入力画像、▽2F(x,y)はエッジ画像である。
なお、前記ステップ1でコンピュータに取り込まれた画像は広範なもので、この画像全体の中から上記マークを探し出し、更に上記演算などを行うとなると、その処理時間は長くなり、前記インライン方式の検査には不適格であることから、予め該マークが撮像されているであろう領域を想定しておき、マーク全体を含む周辺の小領域を切り取って上記処理をすることは、有効である。
続いて、上述のようにして得られた上記非直線状の輪郭から、図9に示すような各々の近似直線(x軸方向の近似直線y=ax+b、y軸方向の近似直線y=ax+b)を生成するべく、下記(4)式〜(6)式により最小2乗近似法の演算を行なう(ステップ3:近似直線の生成)。
ここで、aは近似直線の傾き、bは切片、mは近似直線生成のための対象となる特徴点の個数(m個)、iは特徴点をカウントするための変数(i=1〜m)である。
さらに、上記(4)式〜(6)式から求めたx軸方向の近似直線y=ax+bとy軸方向の近似直線y=ax+bの連立方程式を解いてその交点を求め、これを前記ワーク載置初期状態、つまりブロックBの移動前の状態の基準点、即ち始点座標OP1とする(ステップ4:始点座標OP1の算出)。
次に、前記ステージS上でブロックBを、任意に移動させる。何となれば、その移動距離Dを実測するのだから、移動量及び方向とも、何ら制限されない。但し、前述のプッシュロッドの如きものをもって所定の方向に所定の距離、移動させることは有効である。また、前述の通り、コネクタの全ての接触子を測定するために、ワークWはその長手方向に摺動させることが肝要である。
その結果、該ブロックと共にフィクサFにセットされたワークWも一緒に移動するから、この移動後のワークWなどを、再度、カメラCで撮像、そのデータをコンピュータに取り込む(ステップ5:第2撮像)。なお、図6Bはブロック移動後の撮影画像である。
ブロック移動後の撮像画像からも、マークMの画像を取り込んでその終点座標OP2を抽出する訳であるが、前述の通り、マークMの輪郭を直接的に抽出することは叶わない故、前記エッジ生成処理を行って、ステップ2と同様、縦横2方向の非直線状の輪郭を求める(ステップ6:非直線輪郭の生成)。続いて、ステップ3と同様、最小2乗近似法を使って近似直線を生成し(ステップ7:近似直線の生成)、さらに、ステップ4と同様、その連立方程式を解いて2つの近似直線の交点を算出して、上記終点座標OP2を求める(ステップ8:終点座標OP2の算出)。
勿論、上記ステップ6に先立ち、前述のように、全体の画像からマークMを含む周辺の小領域を切り取って上記演算処理をすることは、演算時間短縮に有効である。
以上のようにして、ブロックBの移動前後における基準点、即ちマークMの始点OP1と終点OP2の座標が判明したことから(図10参照)、下記(7)式から両点の座標差を計算することによって、ブロックBの移動距離Dを求める(ステップ9:移動距離Dの算出)。
勿論、上記ブロックが前記プッシュロッド等でx軸方向に送出されるような構造とすれば、図10においてD=tであり、始点OP1と終点OP2の座標差から簡単に移動距離Dを求めることができる。
換言するに、上記(7)式によって、移動距離Dを求める前提は、ブロックBの移動前後でその姿勢が変化している、即ちx軸に対してある角度βをもってブロックBが移動したことを仮定しており、この場合の角度(ブロックBの姿勢変化角度)βは下記(8)式より求めることができる。
ここで、tは始点座標OP1と終点座標OP2間のx軸方向の距離 、Uは始点座標OP1と終点座標OP2間のy軸方向の距離である。
ブロックBの移動距離Dの実測のため、前記ステップ1及びステップ5で取り込んだ画像を利用した訳であるが、前記計測点Pの抽出にも同じ画像が用いられる。但し、ブロックBの移動前後でそこに載置されたワークWの姿勢が変化していないとは限られない。何故なら、前述のインライン方式の品質検査システムを前提に、ワークWの交換の利便性を考慮し、或いはワークWを固定することによってそこに生ずる歪みを嫌って、ワークWは無負荷状態でフィクサFにセットされている。そのため、ワークWとフィクサFとの間には0.1mm程度のクリアランスが存在し、ブロックBの移動の際の慣性・振動などによって僅かにワークWが動き、その姿勢を変える可能性がある。そのことを想定して同姿勢変化に対する補正を加えることによって、更に高精度の計測が可能となる。
そこで、ブロックBの移動の前後における画像から、ワークWの姿勢の変化(角度)θを捉える(ステップ10:移動前後のワーク姿勢角度θの算出)。
そのために、前記ステップ1で取り込んだブロックB移動前の全体画像において、ワークW中の任意の直線成分、例えば図11に示すように、コネクタのハウジング7とそこに植設された接触子6との境界線ggと、x軸とがなす角度θ1(移動前のワーク姿勢角度)を求める。
より具体的には、先に抽出したマークMの始点座標OP1から、上記境界ggが存在するであろう所定の距離だけ離れた小領域を抽出し、その中からハウジング7と接触子6の画素の濃淡差に基づき、図12に示すように、第1境界点SP1を見出し、さらに同様にしてこれから適度に離れた第2境界点SP2を見出し、これら2点を結ぶことによって上記境界線ggが得られる。そして、境界線ggとx軸線とから下記(9)式をもって、ブロックBの移動の前におけるワークWの姿勢角度θ1を求める(ステップ10-a:移動前のワーク姿勢角度θ1の算出)。
同じ様にして、マークMの終点座標OP2を基準点としてブロックB移動の後におけるワークWの姿勢角度θ2を求める(ステップ10-b:移動後のワーク姿勢角度θ2の算出)。
そして、この両ワーク姿勢角度θ1,θ2の差から、ワークWの姿勢の変化(角度)θを求める(θ=θ1−θ2)。
ここで、Ml1,Ml2 は第1境界点SP1と第2境界点SP2間のx軸方向の距離、Mh1,Mh2は同点SP1と点SP2間のy軸方向の距離である。また、ワークW中の任意の直線成分としてハウジングと境界線ggを抽出したが、これに限られず、様々な部位からこれを抽出可能である。
続いて、ブロックB移動前後の画像から各々の計測点Pをそれぞれ抽出する(ブロックB移動前の計測点(計測始点座標)P1の抽出工程をステップ11、ブロックB移動後の計測点(計測終点座標)P2の抽出工程をステップ12とする)訳であるが、それは次のようにして求められる。
始めに、前記ステップ1で取り込んだブロックB移動前の全体画像から、図13に示すように、計測点P1を含むと想定される接触子の先端部分の小領域Rの画像を抽出する(ステップ11-a:小領域Rの抽出)。
なお、このとき、ステップ10において述べたように、先に抽出したマークMの始点座標OP1を基準として、上記計測点P1が存在するであろう所定の距離だけ離れた小領域を抽出するのが、コンピュータ処理時間短縮上、望ましい。
このようにして抽出した小領域Rの画像は、図14の拡大図に示すように、マークMの画像(図7参照)と同様に、その輪郭がはっきりしないものであるから、前記エッジ処理を行なって非直線状の輪郭を求める(ステップ11-b:非直線輪郭の生成)。この処理は、前記ステップ2及びステップ6と同じである。続いて最小2乗近似法を使って、図15及び図16に示すように、近似直線(x軸方向の近似直線をy=ax+b、y軸方向の近似直線をy=ax+b)を生成する(ステップ11-c:近似直線の生成)。この処理は、前記ステップ3及びステップ7と同じである。そして、前記近似直線の交点(領域始点)座標q1を求める(ステップ11-d:領域始点座標q1の算出)。この処理は前記ステップ4と同じである。
次に、図17に示すように、上記領域始点座標q1を中心として所定の距離rを半径とする円を設定し、該円が前記ステップ11-bで求めたy軸方向の非直線状の輪郭と交差するポイントを求め、これを計測点(計測始点座標)P1とする(ステップ11-e:ワーク計測始点座標P1の抽出)。
なお、上記距離rは、例えば図3におけるポイントxと接触子先端6Aまでの距離であって、図2をもって前述したように接触子6が上方または下方に異常に曲がっているような場合に、これを検出するに都合の良い距離を、予め設定しておくものである。
同様にして、ステップ5で取り込んだ画像から、ワークWの移動後の計測点(計測終点座標)P2の座標を求める(ステップ12:ワーク計測終点座標P2の抽出)。
即ち、前記ステップ11-aと同様なステップ12-a(小領域Rの抽出)、前記ステップ11-bと同様なステップ12-b(非直線輪郭の生成)、前記ステップ11-cと同様なステップ12-c(近似直線の生成)、さらには前記ステップ11-dと同様なステップ12-d(領域終点座標q2の算出)により、領域終点座標q2を求める(図13〜図16参照)。
続いて、前記ステップ11-e(ワーク移動前の計測始点座標P1の抽出)と同様な工程を介してワーク移動後計測終点座標P2を抽出するところであるが、それに先立って前記ステップ10で求めたワーク移動前後の姿勢の変化角度θ分、前記領域終点座標q2を補正する(ステップ12-e:領域終点座標q2の補正)。補正後の領域終点座標はq2´とする。
具体的には、このワークWの姿勢の変化は、ポケット状のフィクサFの中でワークWが回動することによって生ずるものと仮定することができ、したがって、この姿勢の変化の中心はワークWの長手方向の外形全長WLの2等分線上にあるとみなすことができる。
そこで、図18に示すように、ワークWの長手方向の外形全長WLを算出すべく、先に抽出したマークMの始点座標OP1又は終点座標OP2から、ワークWのx軸方向の両外形が認識できる所定の距離だけ離れた小領域をそれぞれ抽出し、その画像の中から同ワークの第1境界点WP1 (座標:x1,y1)、第2境界点WP2 (座標:x2 ,y2)、を見出し、続いて同様にして各々より離れた小領域から第3境界点WP3 (座標:x3,y3)及び第4境界境界点WP4 (座標:x4,y4)を見出す。そして、第1境界点WP1 と第2境界点WP2 間の長さ、及び第3境界点WP3 と第4境界点WP4 間の長さをそれぞれ求め、これら長さの平均値を算出することによって、該外形全長WLを求めることができる。
但し、この外形全長WLの求め方は、上記手法に限られず、図面値をそのまま用いることを含め、種々の手法が応用できる。
次いで、図19に示すように、この外形長WLの2等分線KKと、前記ステップ12-cで得たx軸方向の近似直線(y=ax+b)との交点Oを回転中心とし、この中心Oと前記のワーク移動後の交点q2との間の距離WRを半径とする円弧を描き、さらに該円弧に沿って上記領域終点座標q2を前記ワークWの姿勢の変化角度θ分、回転させた補正終点q2´の座標(x´,y´)を、下記(11)式〜(13)式から生成する。
具体的には、この演算に先立ち、上記近似直線(y=ax+b)がx軸とのなす角度φを、下記(10)式から求めておき(図19及び図20参照)、この角度φと前記ワークWの姿勢の変化角度θとから、補正領域終点座標q2´(x´,y´)を算出することになる。
ここで、△cは領域終点座標q2と上記補領域終点座標q2´との間のx軸方向変位量、△kは同y軸方向変位量である。
続いて、前記ステップ11-eと同様に、上記補正領域終点座標q2´を中心に、前記所定の距離rを半径とする円を設定し、該円が前記ステップ12-bで得られたy軸方向の非直線状の輪郭と交差するポイントを求め、この点をワーク移動後の計測点、つまり計測終点座標P2とする(ステップ12-f:計測終点座標P2の抽出)。
次に、図21に示すように、前記ステップ11で抽出したワーク移動前の計測点P1を、ブロックBの表面、即ちワーク載置面まで垂直に移動させて点P1´とするとともに、その点P1´の座標値(x3,y3)を抽出する。同様に、上記ステップ12によって得られたワーク移動後の計測点P2を、同ワーク載置面まで垂直に下ろして点P2´とするとともに、その点P2´の座標値(x4,y4)を抽出する。
次に、(8)式にて算出したブロックBの移動前後の姿勢変化角度β及びに上記計測点P1´と計測点P2´の座標とに基づき、下記(14)式から計測点P1´と計測点P2´間の距離DDを算出する(ステップ13-a:距離DDの算出)。
但し、前述のように、ブロックBがプッシュロッド等でx軸方向に送出されるような構造とすれば、計測点P1´と計測点P2´の座標差から簡単に距離DDを求めることができる。
また、図22に示すように、予めハイトゲージ等の計測器を使用して計測したカメラCからブロックBのワーク載置面までの距離Kと、ステップ13-aにて算出した距離DDとから、下記(15)式及び(16)式を用い、カメラC−計測点P1´−ワーク載置面のなす角度α1、並びにカメラC−P2´−ワーク載置面のなす角度α2を算出する(ステップ13-b:角度α1,α2算出)。
ここで、xpは、前記カメラCの中心線Lがブロックのワーク載置面と交わる点ppと、前記距離DDの2等分線が同ワーク載置面と交わる点dd間の距離である。
なお、計測する接触子は複数あり、カメラCと計測点P´の位置関係は、図22以外にも図23〜図28のような関係がある。つまり、上記(15)式及び(16)式を変形し、図23〜図28のパターンにも追従させるために、各々の条件に当てはめた(17)式〜(27)式を用いて角度α1,α2を算出する。
[1] 条件1:α1>α2 かつ α1>90°(図23参照)
[2] 条件2:α1=90°(図24参照)
[3] 条件3:α1>α2 かつ α1<90°(図25参照)
[4] 条件4:α1=α2(図26参照)
[5] 条件5:α2>α1 かつ α2<90°(図22参照)
(15)式及び(16)式にて算出する。
[6] 条件6:α2=90°(図27参照)
[7] 条件7:α2>α1 かつ α2>90°(図28参照)
そして、図29に示すように、ステップ9で求めたブロックBの移動距離Dと、ステップ13-bにて算出した角度α1,α2の値より、下記(28)式を用いてカメラCから計測点Pまでの距離Hを算出する(ステップ13-c:距離Hの算出)。
次にステップ13-cにて算出した距離Hと予め計測しておいた距離Kの値より、下記(29)式を用いて、ブロックBから該計測点までの高さhを算出する(ステップ13-d:距離Kから距離Hを差し引いて高さhを算出)。
本実施例によれば、図2に示したコネクタにおける接触子6の微小高さhのように、それを覗き見ることができるだけで通常の直接計測法では測定し難い部位の寸法を、ステレオ計測法を用いて極めて精密に、且つ簡便に、三次元計測することができる。
殊に、マークM或いは計測点P近傍の領域を取り出し、その輪郭の非直線、さらに近似直線から交点座標を求めるようにしたので、ブロックBの移動前後において全く同一の点を基準点をして精密に捕らえることができ、該基準点のずれによる測定誤差の発生を殆ど無視できる。
そして、上記ステレオ計測法の根幹をなすブロックBの移動距離Dを、画像処理によって極めて精密に、その都度、実測するようにしたので、ワーク移動距離の変化に柔軟な、高精度単眼ステレオ計測を実現することができる。この手法の採用により、ワーク移動端での機械的または電気的な高精度位置決め機能を付加する必要がなくなり、カメラ、照明等の撮像機器の購入コストと合わせて、機構の開発コストも低減できる。
さらに、同ブロックの移動前後における該ブロックの姿勢変化角度β並びにワークの姿勢変化θを捉え、前記領域終点座標q2を補正するようにしたので、この計測精度をより高くすることができる。
また、このステレオ計測法による三次元計測に際し、使用するカメラは1台で済むから、そのキャリブレーションも不要で、廉価な取扱い易い検査システムとすることができる。
さらに、コンピュータに取り込んだ画像に対し、各種演算・処理を施すに先立ち、その対象領域を小さく切り取るようにしたので、該演算・処理時間を大幅に短縮することができ、もってインライン検査をも可能にすることができる。
なお、マークMとして、黒色の矩形のものをブロックに貼付した例を示したが、ブロックそのものの一部、或いはフィクサそのものの一部をこれに代用することができ、またその形状も2本の近似直線の生成が可能であれば良く、矩形に限定されず、また鮮明な画像として捉えられるものであれば如何なる色であっても構わない。
また、ワークWは、インラインでの交換の便宜上、或いはそれに歪みを与えないように、無負荷状態でフィクサ上にセットする様にしたが、これを殆ど歪みが生じない程度に固定し、前記ブロックの移動前後でその姿勢の変化が起きないように工夫することを妨げるのもではない。この場合、ワークの姿勢変化θに基づく領域終点補正座標q2の補正を省くことができる。
なお、上記実施例においては、雌形接触子の変形量計測に関する検査に適用した一例を示したが、本発明に係る微小高さ計測方法は、電子部品の端子リード部の平坦度検査用にも適用できる。例えば、上記端子リード部について高さを少なくとも2点を計測し、それら計測結果を比較することにより、端子リード部の平坦度を知ることができる。
デタッチャブル式基板間コネクタの斜視図である。 図1のA−A線に沿った断面図である。 雌形接触子の斜視図である。 本発明に係る微小高さ計測方法におけるワーク撮像環境の概要を説明する図である。 ワークを移動させるための機構を示しており、(a)はその平面図、(b)は側面図、(c)は要部の拡大平面図である。 ワーク移動前の撮影画像を示す図である。 ワーク移動後の撮影画像を示す図である。 マークの撮像画像を示す図である。 非直線輪郭を生成する様子を示す図である。 近似直線輪郭を生成する様子を示す図である。 ブロックの移動距離を算出する様子を示す図である。 ワーク移動時にワークに姿勢変化が生じたときの撮影画像を示す図である。 ワーク移動前後におけるワークの姿勢角度の算出方法を示す図である。 ワーク移動前のマーク及び接触子付近の撮影画像を示す図である。 図13において接触子付近に小領域を設定した様子を示す図である。 小領域に非直線輪郭を生成する様子を示す図である。 小領域に近似直線輪郭を生成する様子を示す図である。 小領域の始点座標に所定の半径を有する円を設定した様子を示す図である。 ワークの外形全長を算出する様子を示す図である。 ワーク移動後の原点補正を説明する図である。 図19と共にワーク移動後の原点補正を説明する図である。 ワークの特定箇所の微小高さを算出する原理を説明する図である。 図20に引き続き、ワークの特定箇所の微小高さを算出する原理を説明する図である。 カメラとワークの位置が相対的に変化したとき、ワークの特定箇所の微小高さを算出する原理を説明する図である。 カメラとワークの位置が相対的に変化したとき、ワークの特定箇所の微小高さを算出する原理を説明する図である。 カメラとワークの位置が相対的に変化したとき、ワークの特定箇所の微小高さを算出する原理を説明する図である。 カメラとワークの位置が相対的に変化したとき、ワークの特定箇所の微小高さを算出する原理を説明する図である。 カメラとワークの位置が相対的に変化したとき、ワークの特定箇所の微小高さを算出する原理を説明する図である。 カメラとワークの位置が相対的に変化したとき、ワークの特定箇所の微小高さを算出する原理を説明する図である。 図22に引き続き、ワークの特定箇所の微小高さを算出する原理を説明する図である。
符号の説明
3 雌形コネクタ
6 雌形接触子(接触子)
6A 先端部
B ブロック
C カメラ
F フィクサ
M マーク
P 計測点
S ステージ
W ワーク

Claims (5)

  1. ステージ上にブロックが水平方向に移動可能に配置され、前記ブロック上にフィクサが取り付けられ、前記フィクサ上にワークが載置されている場合に、前記ブロックまたは前記フィクサにマークを付すか若しくは前記ブロックまたは前記フィクサの一部をマークとするとともに、前記ブロックのワーク載置面から所定距離K隔てて該ブロックの上方に1台のカメラを固定して、該カメラで前記ブロックの移動前後の前記ワーク等の状態を撮像し、その撮像画像をコンピュータ処理して前記ワークの特定箇所の微小高さhを計測する画像処理による微小高さ計測方法であって、
    前記ブロック移動前の状態を撮像してそのデータをコンピュータに取り込み(ステップ1)、その撮像画像から前記マークを抽出し、そこにエッジ生成処理を施して少なくとも2本の非直線状の輪郭線を生成し(ステップ2)、次に前記輪郭線に最小二乗近似法などを加えて前記マークの近似直線の輪郭を得(ステップ3)、続いて前記近似直線の連立方程式を解いてブロック移動前の始点座標OP1を算出し(ステップ4)、
    また、前記ブロックを移動させた後の状態を撮像してそのデータをコンピュータに取り込み(ステップ5)、その撮像画像から前記マークを抽出し、そこにエッジ生成処理を施して少なくとも2本の非直線状の輪郭線を生成し(ステップ6)、次に前記輪郭線に最小二乗近似法などを加えて前記マークの近似直線の輪郭を得(ステップ7)、続いて前記近似直線の連立方程式を解いてブロック移動後の終点座標OP2を算出して(ステップ8)、
    前記始点座標OP1と前記終点座標OP2とから前記ブロックの移動距離Dを算出する(ステップ9)一方、
    前記ブロック移動前の状態の画像から前記ワークの特定箇所を含む領域を抽出し、そこにエッジ生成処理を施して少なくとも2本の非直線状の輪郭線を生成し(ステップ11-b)、次に前記輪郭線に最小二乗近似法などを加えて近似直線の輪郭を得(ステップ11-c)、続いて前記近似直線の連立方程式を解いてブロック移動前の領域始点座標q1を算出し(ステップ11-d)、さらに前記始点座標q1から所定の距離rだけ離れた前記非直線状の輪郭線上の点を計測始点座標P1とし(ステップ11-e)、
    また、前記ブロック移動後の画像から前記ワークの特定箇所を含む領域を抽出し、そこにエッジ生成処理を施して少なくとも2本の非直線状の輪郭線を生成し(ステップ12-b)、次に前記輪郭線に最小二乗近似法などを加えて近似直線の輪郭を得(ステップ12-c)、続いて前記近似直線の連立方程式を解いてブロック移動後の領域終点座標q2を算出し(ステップ12-d)、さらに前記終点座標q2から距離rだけ離れた前記非直線状の輪郭線上の点を計測終点座標P2とし(ステップ12-f)、
    さらに、前記計測始点座標P1と前記計測終点座標P2とから計測点間距離DDを算出し(ステップ13-a)、且つ前記計測点間距離DDと前記所定距離Kとからカメラ−計測始点座標P1−ワーク載置面のなす角度α1並びにカメラ−計測終点座標P2−ワーク載置面のなす角度α2を算出し(ステップ13-b)、前記角度α1及び角度α2と前記移動距離Dとからカメラ−特定箇所間の距離Hを演算し(ステップ13-c)、続いて前記所定距離Kから前記距離Hを差引いて前記微小高さhを求める(ステップ13-d)ことを特徴とする画像処理による微小高さ計測方法。
  2. 前記マークの始点座標OP1と終点座標OP2とからブロックの移動距離Dを算出する(ステップ9)際に、合わせて前記ブロックの移動前後の姿勢変化角度βを算出しておき、前記計測始点座標P1と前記計測終点座標P2とから計測点間距離DDを算出する(ステップ13-a)に当たり、前記姿勢変化角度βに基づく前記計測点間距離DDの補正を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像処理による微小高さ計測方法。
  3. 前記ブロック移動前の状態の画像からワーク中の任意の直線成分を見出して、該直線成分がx軸またはy軸となす角度θ1を求めるとともに(ステップ10-a)、前記ブロック移動後の状態の画像からワーク中の任意の直線成分を見出して、該直線成分がx軸またはy軸となす角度θ2を求めておき(ステップ10-b)、前記角度θ1と前記角度θ2の差θ分、前記領域終点座標q2を回動させて領域終点補正座標q2´を得(ステップ12-e)、該領域終点補正座標q2´を基に前記計測終点座標P2を求めることを特徴とする請求項1に記載の画像処理による微小高さ計測方法。
  4. 前記マークの始点座標OP1と終点座標OP2とからブロックの移動距離Dを算出する(ステップ9)際に、合わせて前記ブロックの移動前後の姿勢変化角度βを算出しておき、前記計測始点座標P1と前記計測終点座標P2とから計測点間距離DDを算出する(ステップ13-a)に当たり、前記姿勢変化角度βに基づく前記計測点間距離DDの補正を行う一方、
    前記ブロック移動前の状態の画像からワーク中の任意の直線成分を見出して、該直線成分がx軸またはy軸となす角度θ1を求めるとともに(ステップ10-a)、前記ブロック移動後の状態の画像からワーク中の任意の直線成分を見出して、該直線成分がx軸またはy軸となす角度θ2を求めておき(ステップ10-b)、前記角度θ1と前記角度θ2の差θ分、前記領域終点座標q2を回動させて領域終点補正座標q2´を得(ステップ12-e)、該領域終点補正座標q2´を基に前記計測終点座標P2を求めることを特徴とする請求項1に記載の画像処理による微小高さ計測方法。
  5. 前記ブロック移動前後の撮像画像からマークを抽出する際、或いは前記ブロック移動前後の撮像画像から前記ワークの特定箇所を含む領域を抽出する際の少なくともいずれか一つにおいて、任意の基準点から所定の距離だけ隔たった小領域を抽出した(ステップ11-a及びステップ12-a)後、各種演算処理を行なうようにしたことを特徴とする請求項1に記載の画像処理による微小高さ計測方法。

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