JP2007313485A - 高粘度流体供給装置および高粘度流体供給方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】時間経過とともにシール性が低下することがなく、また種々のシール流体を適用可能な高粘度流体供給装置および高粘度流体供給方法を提供する。
【解決手段】高粘度流体を被加工物に塗布するためのノズル8を備えた高粘度流体供給装置1であって、ノズル8に連通する流出口7を開閉可能なロッド13と、流出口7に連通するとともに外部から高粘度流体Aが流入される高粘度流体室5と、シール流体が充填されるシール流体室17と、ロッド13が摺動可能に貫通するとともに高粘度流体室5とシール流体室17の間を封止するシール部と、シリンダ広断面部48およびシリンダ狭断面部49を備えて高粘度流体室5とシール流体室17の間で連通して設けられ、シリンダ広断面部48がシリンダ狭断面部49よりも断面積が大きい圧力均衡用シリンダ47と、圧力均衡用シリンダ47に嵌合する圧力均衡用ピストン52と、を有することを特徴とする。
【選択図】図3
【解決手段】高粘度流体を被加工物に塗布するためのノズル8を備えた高粘度流体供給装置1であって、ノズル8に連通する流出口7を開閉可能なロッド13と、流出口7に連通するとともに外部から高粘度流体Aが流入される高粘度流体室5と、シール流体が充填されるシール流体室17と、ロッド13が摺動可能に貫通するとともに高粘度流体室5とシール流体室17の間を封止するシール部と、シリンダ広断面部48およびシリンダ狭断面部49を備えて高粘度流体室5とシール流体室17の間で連通して設けられ、シリンダ広断面部48がシリンダ狭断面部49よりも断面積が大きい圧力均衡用シリンダ47と、圧力均衡用シリンダ47に嵌合する圧力均衡用ピストン52と、を有することを特徴とする。
【選択図】図3
Description
本発明は、高粘度流体を被加工物に塗布するためのノズルを備えた高粘度流体供給装置および高粘度流体供給方法に関する。
接着剤等の高粘性流体をシールする構造として、例えば特許文献1に示される構造が挙げられる。この構造は、軸受部にグリス室を設け、加圧されたグリス(潤滑剤)により接着剤の軸受部への侵入を防止している。
しかし、この構造は、潤滑剤を封入時に加圧するのみであり、現実には時間経過とともに潤滑剤の圧力が低下し、接着剤が軸受部に侵入する。
また、潤滑剤がグリスと指定されているが、グリスが混入することによって不具合の発生する接着剤も存在しため、適用条件が限定される。
特表昭63−502568号公報
本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、時間経過とともにシール性が低下することがなく、また種々のシール流体を適用可能な高粘度流体供給装置および高粘度流体供給方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明に係る高粘度流体供給装置は、高粘度流体を被加工物に塗布するためのノズルを備えた高粘度流体供給装置であって、前記ノズルに連通する流出口に対して進退動することにより当該流出口を開閉可能なロッドと、前記流出口に連通するとともに前記ロッドが貫通し、外部から高粘度流体が流入される高粘度流体室と、前記ロッドが貫通するとともにシール流体が充填されるシール流体室と、前記ロッドが摺動可能に貫通するとともに前記高粘度流体室とシール流体室の間を封止するシール部と、高粘度流体室側に形成されるシリンダ広断面部および前記シール流体室側に形成されるシリンダ狭断面部を備えて前記高粘度流体室とシール流体室の間で連通して設けられ、前記シリンダ広断面部が前記シリンダ狭断面部よりも断面積が大きく形成された圧力均衡用シリンダと、前記シリンダ広断面部に嵌合するピストン広断面部および前記シリンダ狭断面部に嵌合するピストン狭断面部を備え、前記圧力均衡用シリンダ内を摺動する圧力均衡用ピストンと、を有することを特徴とする。
上記目的を達成する本発明に係る高粘度流体供給方法は、高粘度流体を吐出するノズルを備えた高粘度流体供給装置により高粘度流体を被加工物に塗布する高粘度流体供給方法であって、前記高粘度流体供給装置には、シール部を介して高粘度流体室とシール流体室が設けられ、前記高粘度流体室およびシール流体室と連通する圧力均衡用シリンダに、圧力均衡用ピストンが摺動可能に嵌合するとともに、前記シール流体室の圧力が高粘度流体室の圧力よりも高くなる位置で、圧力均衡用ピストンの摺動位置を釣り合わせつつ、ノズルから高粘度流体を吐出させることを特徴とする。
上記のように構成した本発明に係る高粘度流体供給装置は、両端面の面積が異なる圧力均衡用ピストンによって、シール流体室内のシール流体の圧力が高粘度流体室内の高粘度流体に対して常時高圧に保持されるため、シール性が低下することなしに、シール部における高粘度流体室からシール流体室への接着剤の侵入を確実に防止することができる。また、シール流体に適用される流体に制限はないため、例えば高粘度流体と相性の悪い流体をシール流体として使用する必要がなく、不具合の発生を抑制できる。
上記のように構成した本発明に係る高粘度流体供給方法は、シール流体室の圧力が高粘度流体室の圧力よりも高くなる位置で、圧力均衡用ピストンの摺動位置を釣り合わせつつ、ノズルから高粘度流体を吐出させるため、シール性が低下することなしに、シール部における高粘度流体室からシール流体室への接着剤の侵入を確実に防止することができる。
本発明の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
図1は本実施形態に係る高粘度流体供給装置の正面図、図2は同高粘度流体供給装置の側面図、図3は図1のIII−III線に沿う断面図、図4は高粘度流体供給装置に使用される捻じ込み式フィルタを示す断面図である。
高粘度流体供給装置1は、高圧圧送ポンプ等で加圧された高粘度流体である接着剤Aが供給され、この接着剤Aを被加工物の所定の位置に供給する装置である。
高粘度流体供給装置1は、図1〜3に示すように、本体ハウジング2と、本体ハウジング2に対して互いに反対側に連結される上部ハウジング3および下部ハウジング4とを備えている。
下部ハウジング4には、内部に高粘度流体室5が設けられ、この高粘度流体室5に、外部から流入口6を解して接着剤Aが供給される。
下部ハウジング4の一端には、高粘度流体室5から接着剤Aを流出させるための流出口7が設けられており、この流出口7には、被加工物に対して接着剤Aを供給するためのノズル8が、ノズル取り付けナット9により取り付けられる。ノズル8は、一体型の樹脂製であり、したがって、ノズル取り付けナット9によりノズル8を取り付ける際にOリング等のシール部材が不要である。このため、消耗品であるノズル8を取り替える際には、ノズル8のみを交換するだけでよく、コストおよび作業時間を削減できる。
また、このノズル8は、スパナやモンキーレンチ等の汎用工具で取り替えることができ、作業性に優れている。
下部ハウジング4には、高粘度流体室5から外部に通じる圧力伝達通路10が設けられ、圧力伝達通路10の外部と通じる終端部には、メクラ栓11が設けられる。
下部ハウジング4の高粘度流体室5には、ノズル8が設けられる側と反対側に設置されるシールスリーブ12からロッド13が挿入されており、ロッド13の先端部が、流出口7に嵌合可能となっている。この流出口7のロッド13の先端が接する流出口接触部7Aは、耐磨耗性材質により形成される。
シールスリーブ12には、ロッド13が貫通するスリーブ孔12Aを備えたシール部が形成される。このスリーブ孔12Aには、高粘度流体室5側でスクレーパ押えリングナット14により固定されるリング形状のスクレーパ15と、Oリング16とが備えられる。ロッド13は、このスリーブ孔12Aをロッド13の軸方向に摺動可能な構造となっている。
本体ハウジング2は、シールスリーブ12を囲むようにして設置される。
本体ハウジング2の内部には、シール流体が充填されるシール流体室17が設けられ、このシール流体室17を、ロッド13が貫通している。
本体ハウジング2には、シール流体室17にシール流体を注入するために外部に通じる流体注入穴18およびシール流体通路19が設けられ、流体注入穴18の外部と通じる終端部には、メクラ栓20が設けられる。また、本体ハウジング2には、シール流体室17からシール流体を排出するために外部に通じる流体排出穴21が設けられ、流体排出穴21の外部と通じる終端部には、メクラ栓22が設けられる。
上部ハウジング3には、本体ハウジング2のシール流体通路19から外部に通じるエアーパージ穴23が設けられ、エアーパージ穴23の外部と通じる終端部には、メクラ栓24が設けられる。
上部ハウジング3は、本体ハウジング2のシール流体室17を塞ぐように設置され、シール流体室17までロッド13が貫通する上部ハウジング貫通部25が設けられる。上部ハウジング貫通部25には、Oリング26が設けられており、ロッド13がロッド13の軸方向に摺動可能な構造となっている。
上部ハウジング3のシール流体室17側の反対側から突出するロッド13には、固定ナット27により駆動用ピストン28が取り付けられ、この駆動用ピストン28を覆う駆動用シリンダ29が上部ハウジング3に固定される。駆動用ピストン28の外周にはOリング30が設けられ、駆動用ピストン28が駆動用シリンダ29の内部をロッド13の軸方向に摺動可能な構造となっている。
駆動用シリンダ29の内部には、駆動用ピストン28を挟んでノズル先端側の駆動用エアー室31と、その反対側のスプリング保持室32とが形成される。駆動用エアー室31には、外部に通じるエアー通路33から、加圧された駆動用のエアーが流入出される。このエアー通路33には、逆止弁(不図示)が取り付けられ、駆動用のエアーを流入させるだけでなく、排気マニホールド(不図示)にも連結されて駆動用エアーを排気できる構造となっている。この逆止弁は、外部から駆動用エアー室31への有害な異物の侵入を防止する機能も有している。
スプリング保持室32には、スプリング保持溝35に嵌って設けられるスプリング36が備えられ、スプリング36のずれをスプリング保持溝35により防止し、このスプリング36によって駆動用ピストン28がロッド13の先端方向に付勢される。
また、スプリング保持室32には、駆動用ピストン28のストロークを制限するためのストッパー37が設けられる。ストッパー37は、駆動用シリンダ29に螺合するストローク調整ボルト38により固定される。したがって、ストローク調整ボルト38を回転させることによってストッパー37の位置を移動させ、さらにロックナット39によりストローク調整ボルト38を固定することにより、ストッパー37を任意の位置に調整することができる。
また、ストッパー37は、スプリング36のずれ等を防止するためのガイドとしての役割も果している。
駆動用シリンダ29には、駆動用ピストン28が移動する際にスプリング保持室32内の空気を逃がすための通気穴40が設けられる。この通気穴40には、図4に示すような、イモネジの内部にフィルタ41が設置された形態の捻じ込み式フィルタ42が取り付けられる。
ロッド13は、ノズル8側に設けられる先端ロッド43と駆動用ピストン28側に設けられる後端ロッド44とが、シール流体室17にてフローティングジョイント45により連結されて構成される。このフローティングジョイント45は、先端ロッド43と後端ロッド44の軸心のずれを吸収する機能を有している。このように、先端ロッド43、後端ロッド44および駆動用ピストン28が別部材として構成されることにより、それぞれの部材27,43,44に設けられる他の部材との間の摺動部位を別個に交換することが可能である。また、先端ロッド43と後端ロッド44は、同一の直径を有している。これにより、ロッド13が軸方向に摺動しても、シール流体室17の容積が変化せず、ロッド13の進退動に起因するシール流体室17内の圧力変動が発生しない。
本体ハウジング2の内部には、圧力均衡用ピストンスリーブ46が設けられており、この圧力均衡用ピストンスリーブ46には、下部ハウジング4の圧力伝達通路10と本体ハウジング2のシール流体通路19の間で連通する圧力均衡用シリンダ47が形成される。
圧力均衡用シリンダ47は、圧力伝達通路10側に形成される円筒のシリンダ広断面部48と、シリンダ広断面部48よりも内径の小さいシリンダ狭断面部49とを備えている。この圧力均衡用シリンダ47には、シリンダ広断面部49に嵌合するピストン広断面部50と、シリンダ狭断面部49に嵌合するピストン狭断面部51とを有する圧力均衡用ピストン52が設けられる。ピストン狭断面部51およびピストン広断面部50の外周には、Oリング54が設けられ、異なる流体同士の混ざりを最小限に抑えている。
圧力均衡用ピストン52は、一体構造で形成され、したがって、センターずれの起こり難い構造となっている。圧力均衡用シリンダ47には、TD処理(表面効果処理)が施されており、したがって、接着剤Aにより圧力均衡用シリンダ47が磨耗し難く、交換し易いOリング54が磨耗されることとなる。
圧力均衡用ピストン52は、圧力均衡用シリンダ47に対して軸方向に摺動可能である。圧力均衡用ピストン52が挿入された圧力均衡用ピストンスリーブ46には、圧力均衡用シリンダ47の圧力伝達通路側端部に溝付きリングナット55が螺合し、圧力均衡用ピストン52が圧力均衡用ピストンスリーブ46の内部に保持される。この溝付きリングナット55には、ドライバー等により取り外せるように、溝が設けられている。
圧力均衡用ピストン52とシリンダ広断面部48の間には、体積変化空間用流体が充填される体積変化空間57が形成される。
圧力均衡用ピストンスリーブ46と本体ハウジング2の間には、スリーブ外周溝58が形成される。圧力均衡用ピストンスリーブ46および本体ハウジング2には、体積変化空間57から前述のスリーブ外周溝58を介して外部に通じる体積変化空間用通路59が設けられ、体積変化空間用通路59の外部と通じる終端部の1つには、透明なシリコンチューブ(透明管)60が取り付けられる。なお、体積変化空間用流体の種類によっては、透明管としてビニールチューブ等を使用することもできる。また、体積変化空間用通路59の外部と通じる他の終端部には、メクラ栓61が設けられる。
体積変化空間57は、圧力均衡用シリンダ47内を圧力均衡用ピストン52が摺動することにより、容積が変化する。体積変化空間57の容積が変化することにより、体積変化空間用流体である例えばグリースが、体積変化空間用通路59を通って透明チューブ60の中へ移動される。
高粘度流体供給装置1は、シール流体室17にシール流体を充填し、体積変化空間57に体積変化空間用流体を充填し、そして高粘度流体室5に体積変化空間用流体を充填した状態で使用される。
シール流体室17にシール流体を封入または補充する際には、流体注入穴18から注入しつつエアーパージ穴23からエアーを排出した後、メクラ栓20,22により流体注入穴18およびエアーパージ穴23を塞いで密封する。また、シール流体室17からシール流体を排出する際には、流体排出穴21およびエアーパージ穴23のメクラ栓22,24を取り外し、流体排出穴21からシール流体を排出する。このように、エアーパージ穴23が設けられているため、シール流体を封入、更新、または補充する際にシール流体室17に過大な圧力が発生せず、パッキン等の破壊を抑制できる。
体積変化空間57に体積変化空間用流体を封入または補充する際には、体積変化空間用通路59から体積変化空間用流体を注入した後、メクラ栓61により体積変化空間用通路59を塞いで密封する。この際に、圧力均衡用ピストンスリーブ46の外周にスリーブ外周溝58が設けられるため、圧力均衡用ピストンスリーブ46がどのような角度位置でも、体積変化空間57に体積変化空間用流体を充填できる。体積変化空間57から体積変化空間用流体を排出する際には、体積変化空間用通路59に設けられるメクラ栓61を取り外し、体積変化空間用通路59から体積変化空間用流体を排出する。
高粘度流体室5に接着剤Aを充填する際には、圧力伝達通路10のメクラ栓11を取り外し、ロッド13を駆動用エアーにより下降させて流出口7を閉じた状態で、流入口6から接着剤Aを注入する。高粘度流体室5に接着剤Aが充填した後に、圧力伝達通路10にメクラ栓11を取り付けて封止する。
次に、高粘度流体供給装置1を用いた高粘度流体供給方法について説明する。
流入口6には、高圧圧送ポンプ等で加圧した接着剤Aが供給される。この後、駆動用エアー室31に駆動用エアーを注入すると、ロッド13が引き上げられてロッド13の先端が流出口7から離れ、ノズル8から接着剤Aが吐出されて被加工物に供給される。この際に、ストッパー37の位置を任意に調整することによりロッド13のストロークを変更し、接着剤Aの吐出量を調整することができる。
ここで、高粘度流体室5内の接着剤Aが高圧圧送ポンプ等により圧力P1に加圧されているとすると、圧力均衡用ピストン52の圧力伝達通路側端面52Aは、圧力P1に晒されているため、圧力均衡用ピストン52には、圧力均衡用ピストン52の圧力伝達通路側端面52Aの面積S1に圧力P1を乗じた力F1が作用する。
また、シール流体室17内のシール流体の圧力をP2とすると、圧力均衡用ピストン52のシール流体通路側端面52Bは圧力P2に晒されているため、圧力均衡用ピストン52には、圧力均衡用ピストン52のシール流体通路側端面52Bの面積S2に圧力P2を乗じた力F2が作用する。
このように圧力均衡用ピストン52の両端で力F1、F2が作用すると、圧力均衡用ピストン52は軸方向に摺動可能であるため、F1とF2の力が釣り合う位置で停止する。つまり、S1×P1=S2×P2となり、したがって、P2=P1×(S1/S2)の関係が成り立つ。
ここで、面積S1はS2よりも大きいため、圧力P2はP1よりも大きくなる。
この力の関係は、ノズル8から接着剤Aを吐出している場合および吐出していない場合のどちらにおいても成り立つ。
したがって、シール流体室17の圧力は常に高粘度流体室5よりも高い状態に保たれ、時間経過とともに圧力が低下することがない。これにより、接着剤Aがシールスリーブ12を通ってシール流体室17側に漏出することを確実に防止できる。
また、体積変化空間57にグリス等の非ニュートン流体を充填することにより、圧力均衡用ピストンスリーブ46におけるシール性を向上させることができる。
また、温度変化によるシール流体の体積変化は、圧力均衡用ピストン52により吸収することができる。また、透明チューブ60に体積変化空間用流体が移動されるため、目視により高粘度流体室5の圧力を確認できる。
また、シールスリーブ12にはスクレーパ15が設けられているため、ロッド13がノズル8を開く方向に摺動しても、接着剤Aがシールスリーブ12内に入り込まない。特に、被加工物に形成される接着層の厚さを正確に付与するための精度凍結用のガラス球が接着剤Aに混入されている場合には、ガラス球がシールスリーブ12内に入ると研磨粉のように作用し、摺動部に異常磨耗が発生する。しかし、スクレーパ15が設けられることによって、接着剤Aとともにガラス球の侵入も防ぎ、摺動部での異常磨耗を抑制できる。
シール流体には、腐食性の液体でなければ使用できる。また、シール流体が接する部材(本体ハウジング2、上部ハウジング3、シールスリーブ12、圧力均衡用ピストンスリーブ46、圧力均衡用ピストン52、先端ロッド43および後端ロッド44)をステンレス等の耐食性材質で作製すれば、シール流体に腐食性流体を採用することも可能である。このように、シール流体の選択が自由であるため、接着剤Aと相性の悪いシール流体を使用する必要がなく、接着剤Aと相性の悪いシール流体を使用する際の不具合の発生を防止できる。
したがって、例えば車体を製造する工程においては、塗装工程の脱脂剤で除去できない油脂類(例えばシリコン系油脂等)が使用できないが、本実施形態ではシール流体の選択の自由度が広いため、不都合な油脂類をシール流体として選択する必要がない。このような脱脂可能な油脂の種類は工場により異なるため、工場により最適なシール流体を選択できる。
また、シール流体として潤滑特性の良い液体を使用することにより、摺動部の摩擦を低減させることができ、摺動部の寿命を延長させることができる。
また、接着剤Aがシールスリーブ12から漏出されず、したがって接着剤Aが高粘度流体供給装置の外部に漏出されないため、被加工物の指定範囲以外に接着剤Aが付着することがなく、被加工物の品質を良好に保つことができる。
また、駆動用シリンダ29や駆動用ピストン28等からなる駆動部と高粘度流体室5の間にシール流体室17が設けられ、さらにシール流体室17への接着剤Aの流入を防止できるため、駆動部に接着剤Aが流入することがなく、駆動部を固化させることがない。また、駆動部にシール流体が侵入しても、駆動用エアー室31から駆動用エアーが排出される際に、駆動用エアーと一緒に排気マニホールドよりシール流体が排出される。
また、接着剤Aに晒される先端ロッド43、シールスリーブ12、および下部ハウジング4には、最適な耐磨耗処理(耐磨耗超硬溶射、TiNコーティング等)を施すことにより、摺動部の寿命を延長できる。
また、本実施形態の高粘度流体供給装置の圧力均衡用ピストン52が嵌る圧力均衡用ピストンスリーブ46が本体ハウジング2と別部品であるため、圧力均衡用ピストン52と圧力均衡用ピストンスリーブ46を本体ハウジング2から容易に取り外すことができる。したがって、圧力均衡用ピストン52の端面の面積比の異なる圧力均衡用ピストン52および圧力均衡用ピストンスリーブ46に変更することにより、シール流体室17と高粘度流体室5の圧力比を容易に変更できる。また、圧力均衡用ピストン52と圧力均衡用ピストンスリーブ46を容易に取り外すことができるため、例えば接着剤Aが固化等した場合に、容易に交換することができる。
この圧力均衡用ピストンスリーブ46を本体ハウジング2から取り外す際には、本体ハウジング2から上部ハウジング3と下部ハウジング4を取り外した後、ドライバー等の長い棒により本体ハウジング2から容易に押し出すことができる。
また、それぞれの摺動する部位(シールスリーブ12、圧力均衡用ピストンスリーブ46、下部ハウジング4とロッド13の間、上部ハウジング3とロッド13の間、駆動部等)が磨耗した場合を考慮して、各摺動する部位が分割されているため、オーバーホールを容易に行うことができる。
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲内で種々改変することができる。例えば、本実施形態ではシールスリーブ12、圧力均衡用ピストンスリーブ46、およびノズル8等が取り外しできるように別部材で形成されるが、必ずしも別部材でなくてもよい。
1 高粘度流体供給装置、
2 本体ハウジング、
3 上部ハウジング、
4 下部ハウジング、
5 高粘度流体室、
6 流入口、
7 流出口、
7A 流出口接触部、
8 ノズル、
10 圧力伝達通路、
12 シールスリーブ、
13 ロッド、
15 スクレーパ、
17 シール流体室、
18 流体注入穴、
19 シール流体通路、
21 流体排出穴、
23 エアーパージ穴、
28 駆動用ピストン、
29 駆動用シリンダ、
31 駆動用エアー室、
43 先端ロッド、
44 後端ロッド、
45 フローティングジョイント、
46 圧力均衡用ピストンスリーブ、
47 圧力均衡用シリンダ、
48 シリンダ広断面部、
49 シリンダ狭断面部、
50 ピストン広断面部、
51 ピストン狭断面部、
52 圧力均衡用ピストン、
52A 圧力伝達通路側端面、
52B シール流体通路側端面、
57 体積変化空間、
58 スリーブ外周溝、
59 体積変化空間用通路、
60 シリコンチューブ(透明管)、
A 接着剤(高粘度流体)。
2 本体ハウジング、
3 上部ハウジング、
4 下部ハウジング、
5 高粘度流体室、
6 流入口、
7 流出口、
7A 流出口接触部、
8 ノズル、
10 圧力伝達通路、
12 シールスリーブ、
13 ロッド、
15 スクレーパ、
17 シール流体室、
18 流体注入穴、
19 シール流体通路、
21 流体排出穴、
23 エアーパージ穴、
28 駆動用ピストン、
29 駆動用シリンダ、
31 駆動用エアー室、
43 先端ロッド、
44 後端ロッド、
45 フローティングジョイント、
46 圧力均衡用ピストンスリーブ、
47 圧力均衡用シリンダ、
48 シリンダ広断面部、
49 シリンダ狭断面部、
50 ピストン広断面部、
51 ピストン狭断面部、
52 圧力均衡用ピストン、
52A 圧力伝達通路側端面、
52B シール流体通路側端面、
57 体積変化空間、
58 スリーブ外周溝、
59 体積変化空間用通路、
60 シリコンチューブ(透明管)、
A 接着剤(高粘度流体)。
Claims (10)
- 高粘度流体を被加工物に塗布するためのノズルを備えた高粘度流体供給装置であって、
前記ノズルに連通する流出口に対して進退動することにより当該流出口を開閉可能なロッドと、
前記流出口に連通するとともに前記ロッドが貫通し、外部から高粘度流体が流入される高粘度流体室と、
前記ロッドが貫通するとともにシール流体が充填されるシール流体室と、
前記ロッドが摺動可能に貫通するとともに前記高粘度流体室とシール流体室の間を封止するシール部と、
前記高粘度流体室側に形成されるシリンダ広断面部および前記シール流体室側に形成されるシリンダ狭断面部を備えて前記高粘度流体室とシール流体室の間で連通して設けられ、前記シリンダ広断面部が前記シリンダ狭断面部よりも断面積が大きく形成された圧力均衡用シリンダと、
前記シリンダ広断面部に嵌合するピストン広断面部および前記シリンダ狭断面部に嵌合するピストン狭断面部を備え、前記圧力均衡用シリンダ内を摺動する圧力均衡用ピストンと、を有することを特徴とする高粘度流体供給装置。 - 前記シール部の前記高粘度流体室側には、前記ロッドと接するスクレーパが設けられることを特徴とする請求項1に記載の高粘度流体供給装置。
- 前記シリンダ広断面部と前記圧力均衡用ピストンの間に前記高粘度流体室およびシール流体室から隔絶された体積変化空間が形成され、当該体積変化空間に連通される透明管が外部に導出されることを特徴とする請求項1または2に記載の高粘度流体供給装置。
- 前記ロッドは、前記シール流体室に対して前記高粘度流体室と反対の側に設けられる駆動用シリンダに摺動可能に嵌合する駆動用ピストンに連結され、当該駆動用シリンダに駆動用エアーが流入出することによりロッドが進退動することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の高粘度流体供給装置。
- 前記シール部は、前記高粘度流体供給装置から取り外し可能なシールスリーブに形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の高粘度流体供給装置。
- 前記圧力均衡用シリンダは、前記高粘度流体供給装置から取り外し可能な圧力均衡用ピストンスリーブに形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の高粘度流体供給装置。
- 前記ロッドは、他の部材と摺動する摺動部を有する少なくとも2部材を有して形成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の高粘度流体供給装置。
- 前記シール流体室は、流体注入穴および流体排出穴により外部に通じることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の高粘度流体供給装置。
- 高粘度流体を吐出するノズルを備えた高粘度流体供給装置により高粘度流体を被加工物に塗布する高粘度流体供給方法であって、
前記高粘度流体供給装置には、シール部を介して高粘度流体室とシール流体室が設けられ、
前記高粘度流体室およびシール流体室と連通する圧力均衡用シリンダに、圧力均衡用ピストンが摺動可能に嵌合するとともに、前記シール流体室の圧力が高粘度流体室の圧力よりも高くなる位置で、圧力均衡用ピストンの摺動位置を釣り合わせつつ、ノズルから高粘度流体を吐出させることを特徴とする高粘度流体供給方法。 - 前記圧力均衡用ピストンの摺動位置を釣り合わせは、前記圧力均衡用ピストンの高粘度流体室側およびシール流体室側の断面積を異ならせることにより調整されることを特徴とする請求項9に記載の高粘度流体供給方法。
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