以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
実施の形態1.
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。なお、以下の実施の形態では、パチンコ遊技機を例に説明を行うが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、スロット機などの他の遊技機に適用することもできる。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、所定の始動条件の成立(例えば、打球が始動入賞口14に入賞したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄を可変表示し表示結果を導出表示する可変表示装置9が配置されている。この実施の形態では、可変表示装置9は液晶表示装置(LCD)により構成され、左・中・右の3つの表示領域(飾り図柄表示エリア)に飾り図柄が表示制御されるように構成されている。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄の変動表示を開始してから所定の変動時間が経過したときに図柄を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の仮停止を除く。)。
この実施の形態では、可変表示装置9の3つの表示領域に表示される飾り図柄として、「0」〜「9」の数字の図柄を用いている。飾り図柄の可変表示(変動)中、「0」〜「9」の飾り図柄が番号順に表示される。
可変表示装置9の上部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8が設けられている。この実施の形態では、特別図柄表示器8は、例えば「0」〜「99」の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。なお、特別図柄表示器8は、より簡易化した「0」〜「9」などの数字を可変表示するように構成されていてもよい。
可変表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の可変表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示器8は、遊技制御基板に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。
可変表示装置9の下部には、始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示する4つの表示器からなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。有効始動入賞がある毎に、1つの表示器の表示色を変化させる。そして、特別図柄表示器8の可変表示が開始される毎に、1つの表示器の表示色をもとに戻す。この例では、特別図柄表示器8と特別図柄保留記憶表示器18とが別個に設けられているので、可変表示中も保留記憶数が表示された状態にすることができる。なお、可変表示装置9の表示領域内に、保留記憶数を表示する4つの表示領域からなる特別図柄保留記憶表示領域を設けるようにしてもよい。また、この実施の形態では、保留記憶数の上限値を4とするが、上限値をより大きい値にしてもよい。さらに、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
可変表示装置9の下方には、遊技球が入賞可能な始動入賞口14が設けられている。始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。また、始動入賞口14には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16(図1では図示せず)によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が始動入賞口14に入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。
始動入賞口14の下方には、特別図柄表示器8に特定表示結果(大当り図柄:例えば「−−」以外の「00」〜「99」の図柄)が導出表示された場合に生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開状態とされる特別可変入賞装置が設けられている。なお、確変大当りのときと通常大当りのときとで、特別図柄表示器8に異なる図柄を表示させるようにしてもよい。例えば、確変大当りのときには特別図柄表示器8に「40」〜「79」の図柄を表示させるようにし、通常大当りのときには特別図柄表示器8に「00」〜「39」の図柄を表示させるようにしてもよい。また、確変大当りのときと通常大当りのときとで、特別図柄表示器8に同じ図柄を表示させるようにしてもよい。例えば、確変大当りまたは通常大当りのいずれの場合であっても、特別図柄表示器8に「00」〜「79」の図柄を表示させるようにしてもよい。特別可変入賞装置は、開閉板20を備え、大入賞口を形成する。大入賞口に入った遊技球はカウントスイッチ23で検出される。また、いわゆる突然確変大当りのときと小当りのときとで特別図柄表示器8に同じ図柄(例えば、「80」〜「99」)を表示させるようにしてもよく、異なる図柄を表示させるようにしてもよい。
可変表示装置9の真上には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。各入賞口29,30,33,39は、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口14や大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
また、左側のスピーカ27の下方には、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、右側のスピーカ27の下方には、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。さらに、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニットが、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている(図示せず)。
この実施の形態では、打球操作ハンドル5の真上に、遊技者が操作可能な操作手段としての操作ボタン120が設けられている。この操作ボタン120は、後述する大当り図柄の確変昇格演出の実行中に遊技者によって操作される。操作ボタン120が遊技者によって押されると、電極が接触することによりオン状態になって、オン信号(検出信号)が基板上に搭載されているマイクロコンピュータ(この実施の形態では演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100:図3参照)に出力される。なお、図1に示す例では、操作ボタン120は打球操作ハンドル5の真上に設けられているが、他の箇所(例えば打球供給皿3)に設けられていてもよい。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示の終了)、特別図柄表示器8において特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、可変表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、特別図柄保留記憶表示器18についての保留記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄および可変表示装置9の飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の停止図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、遊技状態が大当り遊技状態以外の通常状態のときと比較して遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行する。特定遊技状態(大当り遊技状態)では、一定時間(例えば29秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞装置が開放される。なお、特別可変入賞装置が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。なお、この実施の形態では、大当り遊技状態を15ラウンド継続させる。
特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示と、可変表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。ここで、同期とは、可変表示の期間が同じであることをいう。また、特別図柄表示器8において大当り図柄(「7」)が停止表示されるときには、可変表示装置9において左中右の飾り図柄が揃った状態(例えば「222」や「777」など)で停止表示される。以下、可変表示装置9において左中右の飾り図柄が揃った状態で停止表示されることを、飾り図柄の大当り図柄(特定表示結果)が表示されるというように表現する。
可変表示装置9において左中右の奇数の飾り図柄(「1」「3」「5」「7」「9」)が揃った状態(例えば「777」)で停止表示されたときは、大当り遊技状態に移行するとともに、大当り遊技状態の終了後に、大当りの判定を行う際に通常遊技状態よりも高い確率(割合)で大当りと判定する確変状態(確率変動状態のことをいい、高確率状態ともいう)に制御される。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態になる。この実施の形態では、所定の移行条件が成立したときに遊技状態が確変状態に移行される。具体的には、内部的に確変とすることが決定され、上記のように飾り図柄の変動表示の終了時に停止図柄として確変図柄を停止表示したとき(左中右の奇数の図柄が揃った状態で停止表示したとき、飾り図柄が「123」または「357」で停止表示したとき)、所定の移行条件が成立したとして確変状態に移行される。また、後述する確変昇格演出または再抽選演出において確変に昇格したことを報知すると、所定の移行条件が成立したとして確変状態に移行される。
このように、「0」〜「9」の飾り図柄のうち、確変状態を生起させる奇数の飾り図柄のことを確変図柄といい、確変状態を生起させない偶数の飾り図柄のことを非確変図柄という。また、可変表示装置9において左中右の奇数の飾り図柄が揃った状態で停止表示されることを、飾り図柄の確変図柄(特別表示結果)が表示されるというように表現する。
なお、可変表示装置9において大当り図柄として確変図柄が表示されるときも非確変図柄が表示されるときも、特別図柄表示器8には同じ大当り図柄(「7」)が表示される。
なお、この実施の形態では、大当り遊技のラウンド中または終了後に確変報知演出(詳細は後述する)を実行した場合に、確変に昇格したか否かが報知される。また、確変大当りにすることが事前決定されているときであって、確変昇格演出(詳細は後述する)において遊技者が一度も操作ボタン120を操作しなかった場合には、遊技状態を確変状態に移行するものの確変昇格演出において確変に昇格したか否かの報知を行わない。
この実施の形態では、確変大当りにすることが事前決定されているときに、高確率状態に移行するだけで、特別図柄および飾り図柄の変動時間を短縮する時短状態には移行しないように制御する。その場合、確変フラグとは別に時短フラグをセットし、時短フラグに基づいて変動時間を短縮させればよい。そのようにすることによって、確変に昇格したか否かを報知していない場合には、遊技者に確変状態であるか否かを認識されないようにすることができる。なお、遊技状態を確変状態に移行する場合には、単に特別図柄や飾り図柄が大当り図柄となる確率を高めた高確率状態に移行するだけで、普通図柄が当り図柄となる確率や、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数の状態を変化させず、普通図柄が当り図柄となる確率や、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数の状態の変化は、時短状態(時短フラグがセットされた状態)に制御されていることにもとづいて実行するようにすればよい。
例えば、通常大当りや突然確変大当りを除く確変大当りである場合には、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示装置8や可変表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や飾り図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される特別図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。特別図柄時短状態では、特別図柄や飾り図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や飾り図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、結果として、始動入賞しやすくなり(高ベース状態に移行し)大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
また、確変に昇格したか否かの報知を行わなわずに遊技状態を確変状態に移行する場合に、高確率状態に移行するとともに、遊技状態を時短状態に移行するようにしてもよい。そのようにしても、遊技状態が確変状態であるか時短状態であるかを判断しにくくすることができ、遊技者に確変状態であるか否かを認識されないようにすることができる。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。この実施の形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した飾り図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない飾り図柄については可変表示(変動表示)が行われていること、および全てまたは一部の飾り図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
例えば、可変表示装置9における左、中、右の表示領域のうち左、右の表示領域には大当り図柄の一部になる飾り図柄(例えば、「7」)が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行われている状態、および表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(例えば、可変表示装置9における左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行われ、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行われている状態)がリーチ表示態様またはリーチになる。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行われる。その演出と可変表示装置9におけるリーチ表示態様とをリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(飾り図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、可変表示装置9の背景の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。
図2は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、遊技機に搭載されている払出制御基板37、インタフェース基板66、中継基板77および演出制御基板80も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路(遊技制御手段に相当)53と、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの信号を基本回路53に与える入力ドライバ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21および大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aを基本回路53からの指令に従って駆動する出力回路59とが搭載されている。
なお、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。入賞検出を行う始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの各スイッチは、入賞領域への遊技球の入賞を検出する入賞検出手段でもある。なお、ゲート32のような通過ゲートであっても、賞球の払い出しが行われるものであれば、通過ゲートへ遊技球が進入することが入賞になり、通過ゲートに設けられているスイッチ(例えばゲートスイッチ32a)が入賞検出手段になる。さらに、この実施の形態では、V入賞領域に入賞した遊技球が、V入賞スイッチ22で検出されるとともにカウントスイッチ23でも検出される。よって、大入賞口に入賞した遊技球数は、カウントスイッチ23による検出数に相当する。しかし、V入賞領域に入賞した遊技球はV入賞スイッチ22のみで検出されるようにし、大入賞口に入賞した遊技球数は、V入賞スイッチ22による検出数とカウントスイッチ23による検出数との和になるようにしてもよい。さらに、V入賞領域を設けず、最終ラウンド以外のラウンドでは、常に継続権が発生するようにしてもよい。
基本回路53は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する変動データ記憶手段)としてのRAM55、およびプログラムに従って制御動作を行うCPU56を有する遊技制御用マイクロコンピュータ560を含む。なお、この実施の形態では、CPU56とは、基本回路53のうち、プログラムに従って動作する中央処理装置(ROM54やRAM55などの記憶手段、I/Oポート部57などを除いた部分)を指し、後述するメイン処理や割込処理(タイマ割込処理や、シリアル通信回路505からの割り込み要求による割込処理)を実行する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560とは、基本回路53のうち、CPU56に加えて、ROM54やRAM55などの記憶手段、乱数回路503、シリアル通信回路505、I/Oポート部57などを含む部分を指し、各基板(払出制御基板37や演出制御基板80)が搭載するマイクロコンピュータと各種データの送受信を行う。
この実施の形態では、ROM54、ワークメモリとしての記憶手段であるRAM55およびI/Oポート部57は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。また、遊技制御手段は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を含む基本回路53で実現されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板910からのリセット信号が入力される。また、払出制御用マイクロコンピュータのリセット端子にも、電源基板910からのリセット信号が入力される。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータは動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータは動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータの動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータの動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの制御基板(主基板31を含む)に搭載してもよいし、複数の制御基板のうちの一つまたは複数にリセット回路を搭載し、そこからリセット信号を他の制御基板に供給するようにしてもよい。
さらに、基本回路53の入力ポートには、払出制御基板37を経由して、電源基板910からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。また、基本回路53の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
クリア信号は、主基板31において分岐され、払出制御基板37にも供給される。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560が入力ポートを介して入力したクリア信号の状態を、出力ポートを介して払出制御基板37に出力してもよい。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する可変表示装置9の表示制御や、スピーカ(音出力装置)27の音出力制御、各ランプ25,28a,28b,28cの表示制御等を行う。また、この実施の形態では、「演出制御」とは、可変表示装置9の表示制御や、スピーカ27の音出力制御、各ランプ25,28a,28b,28cの表示制御を行うことによって、遊技演出などの演出を行うことをいう。また、この実施の形態では、演出制御手段は、可変表示装置9の表示制御、スピーカ27の音出力制御、および各ランプ25,28a,28b,28cの表示制御を行う演出制御用マイクロコンピュータ100によって実現される。
図3は、中継基板77および演出制御基板80の回路構成例を示すブロック図である。なお、この実施の形態では、1つの制御基板(演出制御基板80)を用いて、可変表示装置9の表示制御や、音出力装置27の音出力制御、各ランプ25,28a,28b,28cの表示制御を行う場合を説明するが、複数の制御基板を用いて行ってもよい。例えば、演出制御に関して演出制御基板80に加えて、各ランプを制御するランプドライバ基板や、音出力装置を制御する音出力基板を設けてもよい。なお、この場合、演出制御手段は、演出制御用マイクロコンピュータ100に加えて、ランプドライバ基板および音出力基板に搭載される制御用マイクロコンピュータや制御回路によって実現される。また、この実施の形態では、表示制御手段は、可変表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100によって実現される。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からのストローブ信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、LCDを用いた可変表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ランプドライバ352に対してランプを駆動する信号を出力する。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、ボタンランプ130などの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ25に供給する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、音声合成用IC173に対して音番号データを出力する。音声合成用IC173は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路175に出力する。増幅回路175は、音声合成用IC173の出力レベルを、ボリューム176で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM174には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用マイクロコンピュータ100とランプドライバ352および音声合成IC173との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、可変表示装置9に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100から入力されたデータにもとづいて可変表示装置9の表示制御を実行する。
この実施の形態では、可変表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを可変表示装置9に出力する。
図4は、主基板31における回路構成および主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示すブロック図である。図4に示すように、この実施の形態では、主基板31が搭載する遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御信号送信用の8本の信号線CD0〜CD7を用いて、演出制御コマンドを演出制御基板80に送信する。また、主基板31と演出制御基板80との間には、ストローブ信号を送受するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。
主基板31には、図4に示すように、始動口スイッチ14aからの配線が接続されている。また、主基板31には、大入賞口である特別可変入賞球装置20や、その他の入賞口への遊技球の入賞等を検出するための各種スイッチ29a,30a,33a,39aからの配線も接続されている。さらに、主基板31には、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21および大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aへの配線が接続されている。
主基板31は、遊技制御用マイクロコンピュータ560、入力ドライバ回路58および出力回路59を搭載する。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、クロック回路501、システムリセット手段として機能するリセットコントローラ502、乱数回路503a,503b、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用されるRAM55、プログラムに従って動作するCPU56、CPU56に割込要求信号(タイマ割込による割込要求信号)を送出するCTC504およびI/Oポート部57を内蔵する。
クロック回路501は、システムクロック信号を27(=128)分周して生成した所定の周期の基準クロック信号CLKを、各乱数回路503a,503bに出力する。リセットコントローラ502は、ローレベルの信号が一定期間入力されたとき、CPU56および各乱数回路503a,503bに所定の初期化信号を出力して、遊技制御用マイクロコンピュータ560をシステムリセットする。
また、この実施の形態では、図4に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、発生可能な乱数の値の範囲が異なる2つの乱数回路503a,503bを搭載する。乱数回路503aは、12ビットの疑似乱数を発生する乱数回路(以下、12ビット乱数回路ともいう)である。12ビット乱数回路503aは、12ビットで発生できる範囲(すなわち、0から4095までの範囲)の値の乱数を発生する機能を備える。また、乱数回路503bは、16ビットの疑似乱数を発生する乱数回路(以下、16ビット乱数回路ともいう)である。16ビット乱数回路503bは、16ビットで発生できる範囲(すなわち、0から65535までの範囲)の値の乱数を発生する機能を備える。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が2つの乱数回路を内蔵する場合を説明するが、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、3以上の乱数回路を内蔵してもよい。また、この実施の形態では、12ビット乱数回路503aおよび16ビット乱数回路503bを包括的に表現する場合、または、12ビット乱数回路503aと16ビット乱数回路503bとのうちいずれかを指す場合に、乱数回路503という。
次に、乱数回路503の構成について説明する。図5は、乱数回路503の構成例を示すブロック図である。なお、この実施の形態において、12ビット乱数回路503aと16ビット乱数回路503bとの基本的な構成は同じである。図5に示すように、乱数回路503は、カウンタ521、比較器522、カウント値順列変更回路523、クロック信号出力回路524、カウント値更新信号出力回路525、乱数値読取信号出力回路526、乱数更新方式選択信号出力回路527、セレクタ528、乱数回路起動信号出力回路530、乱数値記憶回路531、反転回路532、ラッチ信号生成回路533およびタイマ回路534とを含む。
この実施の形態では、乱数回路503は、複数種類の識別情報の可変表示の表示結果を特定の表示結果とするか否か(例えば、特別図柄表示装置8の表示図柄の組み合わせを大当り図柄の組み合わせとするか否か)を判定するための大当り判定用の乱数を発生する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、乱数回路503が発生した乱数にもとづいて特定の表示結果とすると判定すると、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に移行させる。
カウンタ521は、セレクタ528によって選択された所定の信号を入力し、セレクタ528から入力する信号に応答してカウント値Cを出力する。この場合、カウンタ521は、所定の初期値を入力し、カウント値Cを一定の規則に従って初期値から所定の最終値まで循環的に更新して出力する。また、カウンタ521は、カウント値Cを最終値まで更新すると、カウント値Cを最終値まで更新した旨を示す通知信号をCPU56に出力する。この実施の形態では、カウンタ521から通知信号が出力されると、CPU56によって初期値が更新される。
この実施の形態において、カウンタ521は、セレクタ528から信号を入力するごとに(セレクタ528からの信号における立ち上がりエッヂが入力されるごとに)、カウント値Cを「0」から「4095」まで1ずつカウントアップする。また、カウンタ521は、カウント値Cを「4095」までカウントアップすると、カウント値Cを最終値まで更新した旨を示す通知信号をCPU56に出力する。すると、CPU56は、カウンタ521から通知信号を入力し、初期値を更新する。そして、カウンタ521は、CPU56によって更新された初期値から「4095」まで、再びカウント値Cをカウントアップする。また、「4095」までカウントアップすると、カウンタ521は、再び「0」からカウントを開始する。そして、カウンタ521は、更新後の初期値の1つ前の値(最終値)までカウントアップすると、通知信号をCPU56に出力する。なお、この実施の形態では、比較器522は、後述するように、全てのカウント値を入力すると通知信号をカウンタ521に出力する。この場合、カウンタ521は、比較器522から通知信号を入力すると、カウント値をリセットして「0」にする。
なお、比較器522は、入力したカウント値が乱数最大値設定レジスタ535に設定されている乱数最大値より大きいか否かを判断し、カウント値が乱数最大値より大きい(乱数最大値を超えた)と判断すると、通知信号をカウンタ521に出力してもよい。この場合、例えば、比較器522は、カウント値が乱数最大値を超えたと判断すると、クロック信号出力回路524が次に乱数発生用クロック信号SI1を出力する前に、通知信号をカウンタ521に出力する。例えば、乱数最大値設定レジスタ535に乱数最大値「256」が設定されている場合を考える。この場合、カウンタ521が「0」から「256」までカウントアップし、さらにカウント値「257」を出力すると、比較器522は、入力したカウント値「257」が乱数最大値「256」を超えたと判断し、カウンタ521に通知信号を出力する。比較器522から通知信号を入力すると、カウンタ521は、クロック信号出力回路524からの乱数発生用クロック信号SI1の入力を待つことなく、カウント値を「258」に更新し出力する。以上の処理を繰り返し実行することによって、比較器522は、カウント値「257」から「4095」まで入力している間、カウント値が乱数最大値を超えていると判断して、繰り返しカウンタ521に通知信号を出力する。そして、カウンタ521は、比較器522から通知信号を入力している間、クロック信号出力回路524からの乱数発生用クロック信号SI1の入力を待つことなく、カウント値を繰り返し更新し出力する。そのようにすることによって、クロック信号出力回路524が次に乱数発生用クロック信号SI1を出力するまでの間に、「257」から「4095」までカウント値を高速にカウントアップさせるように制御し、「257」から「4095」までの乱数値を読み飛ばす(乱数値記憶回路531に記憶させない)ように制御する。
カウント値順列変更回路523は、カウント値順列変更レジスタ(RSC)536、更新規則選択レジスタ(RRC)542および更新規則メモリ543を含む。カウント値順列変更レジスタ536は、カウンタ521がカウントアップするカウント値Cの更新順である順列(初期値から最終値までの並び順)を変更させるためのカウント値順列変更データ「01h」を格納する。カウント値順列変更回路523は、カウント値順列変更レジスタ536に数値順列変更データ「01h」が格納されているとき、カウンタ521がカウントアップして更新するカウント値Cの順列を、カウント値順列変更データ「01h」が格納されていないときとは異なる順列に変更する。この場合、カウント値順列変更回路523は、数値順列変更データ「01h」が格納されているとき、カウント値の順列の変更に用いる更新規則を切り換える。また、カウント値の順列の変更に用いる更新規則を切り換えた後に、カウンタ521がカウント値の更新を開始すると、カウント値順列変更レジスタ536のカウント値順列変更データは、CPU56によって、「01h」から初期値である「0(=00h)」に戻される(クリアされる)。
なお、CPU56によってカウント値順列変更データをクリアするのでなく、乱数回路503側でカウント値順列変更データをクリアするようにしてもよい。例えば、カウント値順列変更レジスタ536にカウント値順列変更データ「01h」が書き込まれたことにもとづいて、更新規則選択レジスタ(RRC)542にレジスタ値が設定されると、カウント値順列変更回路523は、カウント値順列変更レジスタ536のレジスタ値をクリアするようにしてもよい。
カウント値順列変更回路523は、カウント値順列変更レジスタ536にカウント値順列変更データ「01h」が書き込まれている場合、まず、カウンタ521からカウント値の最終値「4095」が最初に入力されるまで、現在設定されている更新規則に従って、そのままカウント値を出力する。そして、カウント値順列変更回路523は、カウンタ521からカウント値の最終値「4095」を入力すると、カウント値の更新規則を変更する。なお、CPU56によって初期値が変更されている場合には、カウント値順列変更回路523は、カウンタ521から変更後の最終値(初期値の1つ前の値)まで入力すると、カウント値の更新規則を変更することになる。
カウント値順列変更回路523は、更新規則選択レジスタ542のレジスタ値に対応する更新規則を更新規則メモリ543から選択し、カウント値の順列の変更に用いる更新規則として設定する。また、カウント値順列変更回路523は、カウンタ521によって再び初期値「0」から順にカウント値の更新が開始されると、設定した更新規則に従って、カウント値の初期値から最終値までの順列を変更する。なお、CPU56によって初期値が変更されている場合には、カウント値順列変更回路523は、カウンタ521によって変更後の初期値から順にカウント値の更新が開始されると、設定した更新規則に従って、カウント値の初期値から最終値までの順列を変更することになる。そして、カウント値順列変更回路523は、変更した順列に従ってカウント値を出力する。
なお、この実施の形態では、後述する乱数最大値設定レジスタ535に乱数最大値が設定されていることによって、発生させる乱数の最大値が制限されている場合、カウント値順列変更回路523は、カウント値Cを乱数最大値以下に制限して順列を変更して出力する。例えば、乱数最大値設定レジスタ535に乱数最大値「256」が設定されているものとし、カウント値順列変更回路523が、更新規則Aから更新規則Bに変更して、カウント値の順列を変更するものとする。この場合、カウント値順列変更回路523は、比較器522の乱数最大値設定レジスタ535に設定されている乱数最大値「256」にもとづいて、更新規則Bに従って、カウント値の順列を「256→255→・・・→0」に変更して出力する。
以上のように、カウント値順列変更回路523は、カウント値順列変更レジスタ536にカウント値順列変更データ「01h」が書き込まれている場合、更新規則を切り替えて用いることによって、カウント値Cの順列を変更して出力する。そのため、乱数回路503が生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
比較器522は、ランダムRの最大値(乱数最大値)を指定するための乱数最大値設定データを格納する乱数最大値設定レジスタ(RMX)535を備える。比較器522は、乱数最大値設定レジスタ535に格納されている乱数最大値設定データに示される乱数最大値に従って、カウンタ521が更新するカウント値の更新範囲を制限する。この実施の形態では、比較器522は、カウンタ521から入力するカウント値と乱数最大値設定レジスタ535に格納されている乱数最大値設定データ(例えば「00FFh」)に示される乱数最大値(例えば「256」)とを比較する。そして、比較器522は、入力したカウント値が乱数最大値以下であると判断すると、入力したカウント値を乱数値記憶回路531に出力する。
この実施の形態では、比較器522は、具体的には、以下のような制御を行う。比較器522は、カウント値の初期値更新の際に、CPU56からカウント値の初期値をもらい、初期値から乱数最大値までのカウント値の個数を求める。例えば、カウント値の初期値が「157」であり乱数最大値が「256」である場合、比較器522は、初期値から乱数最大値までのカウント値の個数を「100個」と求める。また、比較器522は、カウント値順列変更回路523からカウント値を入力するに従って、初期値からカウント値をいくつ入力したかをカウントアップする。初期値からカウント値を入力した回数が「100回」に達すると、比較器522は、初期値「157」から最大値「256」までの全てのカウント値を入力したと判断する。そして、比較器522は、全てのカウント値を入力した旨の通知信号をカウンタ521に出力する。カウント値の個数で判断することによって、カウント値順列変更回路523によってカウント値の順列が変更されている場合であっても、比較器522は、カウント値の更新範囲を乱数最大値以下に制限し、全てのカウント値を入力した際にカウンタ521に通知信号を出力することができる。
クロック信号出力回路524は、セレクタ528および反転回路532に出力するクロック信号の周期(すなわち、カウント値の更新周期)を指定するための周期設定データを格納する周期設定レジスタ(RPS)537を備える。クロック信号出力回路524は、周期設定レジスタ537に格納されている周期設定データに基づいて、遊技制御用マイクロコンピュータ560が搭載するクロック回路501から入力する基準クロック信号CLKを分周して、乱数回路503内部で乱数値の生成に用いるクロック信号(乱数発生用クロック信号SI1)を生成する。そのようにすることによって、クロック信号出力回路524は、クロック信号を所定回数入力したことを条件に、カウント値Cを更新させるための乱数発生用クロック信号SI1をカウンタ521に出力するように動作する。なお、周期設定データとは、クロック回路501から入力した基準クロック信号CLKを何分周させるかを設定するためのデータである。また、クロック出力回路524は、生成した乱数発生用クロック信号SI1をセレクタ528および反転回路532に出力する。例えば、周期設定レジスタ537に周期設定データ「0Fh(=16)」が書き込まれている場合、クロック信号出力回路524は、クロック回路501から入力する基準クロック信号CLKを16分周して乱数発生用クロック信号SI1を生成する。この場合、クロック信号出力回路524が生成する乱数発生用クロック信号SI1の周期は、「システムクロック信号の周期×128×16」となる。
カウント値更新信号出力回路525は、カウント値更新データ「01h」を格納するカウント値更新レジスタ(RGN)538を備える。カウント値更新データとは、カウント値の更新を要求するためのデータである。カウント値更新信号出力回路525は、カウント値更新レジスタ538にカウント値更新データ「01h」が書き込まれたことに応じて、カウント値更新信号SI3をセレクタ528に出力する。
乱数値読取信号出力回路526は、乱数値取込データ「01h」を格納する乱数値取込レジスタ(RLT)539を備える。乱数値取込データとは、乱数値記憶回路531へのカウント値の取込を要求するためのデータである。乱数値読取信号出力回路526は、乱数値取込レジスタ539に乱数値取込データ「01h」が書き込まれたことに応じて、乱数値の読み取りを要求するための乱数値読取信号をラッチ信号生成回路533に出力する。
乱数更新方式選択信号出力回路527は、乱数更新方式選択データを格納する乱数更新方式選択レジスタ(RTS)540を備える。乱数更新方式選択データとは、ランダムRの値を更新する方式である各乱数更新方式のうち、いずれかの乱数更新方式を指定するためのデータである。乱数更新方式選択信号出力回路527は、乱数更新方式選択レジスタ540に乱数更新方式選択データが書き込まれたことに応じて、書き込まれた乱数更新方式選択データにより指定される乱数更新方式に対応する乱数更新方式選択信号を、セレクタ528およびラッチ信号生成回路533に出力する。
セレクタ528は、カウント値更新信号出力回路525から出力されるカウント値更新信号SI3、またはクロック信号出力回路524から出力される乱数発生用クロック信号SI1のいずれかを選択してカウンタ521に出力する。セレクタ528は、乱数更新方式選択信号出力回路527から第1の乱数更新方式に対応する乱数更新方式選択信号(第1の乱数更新方式選択信号ともいう)が入力されると、カウント値更新信号出力回路525から出力されるカウント値更新信号SI3を選択してカウンタ521に出力する。一方、セレクタ528は、乱数更新方式選択信号出力回路527から第2の乱数更新方式に対応する乱数更新方式選択信号(第2の乱数更新方式選択信号ともいう)が入力されると、クロック信号出力回路524から出力される乱数発生用クロック信号SI1を選択してカウンタ521に出力する。なお、セレクタ528は、乱数更新方式選択信号出力回路527から第1の更新方式選択信号が入力されると、カウント値更新信号出力回路525から出力されるカウント値更新信号SI3に応じて、クロック信号出力回路524から出力される乱数発生用クロック信号SI1に同期した数値データの更新を指示する数値更新指示信号を、カウンタ521に出力してもよい。
乱数回路起動信号出力回路530は、乱数回路起動データ「80h」を格納する乱数回路起動レジスタ(RST)541を備える。乱数回路起動データとは、乱数回路503の起動を要求するためのデータである。乱数回路起動信号出力回路530は、乱数回路起動レジスタ541に乱数回路起動データ「80h」が書き込まれると、所定の乱数回路起動信号をカウンタ521およびクロック信号出力回路537に出力し、カウンタ521およびクロック信号出力回路524をオンにさせる。そして、カウンタ521によるカウント値の更新動作とクロック信号出力回路524による内部クロック信号の出力動作とを開始させることによって、乱数回路503を起動させる。
乱数値記憶回路531は、例えば16ビットレジスタであり、遊技制御処理における大当り判定において用いられる乱数であるランダムRの値を格納する。乱数値記憶回路531は、ラッチ信号生成回路533からラッチ信号SLを入力したことに応じて、カウンタ521から比較器522を介して出力されるカウント値CをランダムRの値として格納する。そして、乱数値記憶回路531は、ラッチ信号生成回路533からラッチ信号SLを入力するごとに、カウンタ521が更新するカウント値Cを読み込んでランダムRの値を記憶する。
図6は、乱数値記憶回路531の一構成例を示す回路図である。乱数値記憶回路531は、図6に示すように、2個のAND回路201,203と、2個のNOT回路202,204と、16個のフリップフロップ回路2101〜2116と、16個のOR回路2201〜2216とを含む。
図6に示すように、AND回路201の入力端子は、ラッチ信号生成回路533の出力端子とNOT回路204の出力端子とに接続され、出力端子は、NOT回路202の入力端子とフリップフロップ回路2101〜2116のクロック端子Clk1〜Clk16とに接続されている。NOT回路202の入力端子は、AND回路201の出力端子に接続され、出力端子は、AND回路203の一方の入力端子に接続されている。
AND回路203の入力端子は、NOT回路202の出力端子と遊技制御用マイクロコンピュータ560が搭載するCPU56とに接続され、出力端子は、NOT回路204の入力端子に接続されている。NOT回路204の入力端子は、AND回路203の出力端子に接続され、出力端子は、AND回路201の一方の入力端子とOR回路2201〜2216の一方の入力端子とに接続されている。
フリップフロップ回路2101〜2116の入力端子D1〜D16は、比較器522の出力端子に接続されている。フリップフロップ回路2101〜2116のクロック端子Clk1〜Clk16は、AND回路201の出力端子に接続され、出力端子Q1〜Q16は、OR回路2201〜2216の他方の入力端子に接続されている。
OR回路2201〜2216の入力端子は、NOT回路204の出力端子とフリップフロップ回路2101〜2116の出力端子とに接続され、出力端子は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が搭載するCPU56に接続されている。
乱数値記憶回路531の動作について説明する。図7は、乱数値記憶回路531に各信号が入力されるタイミング、および乱数値記憶回路531が各信号を出力するタイミングを示すタイミングチャートである。図7に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560が搭載するCPU56から出力制御信号SC(本例では、ハイレベル信号)が入力されていない場合(すなわち、AND回路203の一方の入力端子への入力がローレベルの場合)、ラッチ信号生成回路533からラッチ信号SLが入力されると(図7に示す例では、タイミングT1,T2,T7のとき)、AND回路201の2つの入力端子への入力はともにハイレベルとなる。そのため、AND回路201の出力端子から出力される信号SRはハイレベルとなる。そして、AND回路201から出力された信号SRは、フリップフロップ回路2101〜2116のクロック端子Clk1〜Clk16に入力される。
フリップフロップ回路2101〜2116は、クロック端子Clk1〜Clk16から入力される信号SRの立ち上がりエッヂに応答して、比較器522から入力端子D1〜D16を介して入力されるカウント値CのビットデータC1〜C16を乱数値のビットデータR1〜R16としてラッチして記憶する。また、フリップフロップ回路2101〜2116は、記憶するランダムRのビットデータR1〜R16を出力端子Q1〜Q16から出力する。
出力制御信号SCが入力されていない場合(図7に示す例では、タイミングT3までの期間およびタイミングT6以降の期間)、AND回路203の一方の入力端子への入力がローレベルとなるので、AND回路203の出力端子から出力される信号SGはローレベルとなる。AND回路203が出力する信号SGは、NOT回路204において反転され、ハイレベルの信号とされる。そして、OR回路2201〜2216の一方の入力端子に、NOT回路204からハイレベルの信号が入力される。
以上のように、OR回路2201〜2216の一方の入力端子への入力がハイレベルとなるので、他方の入力端子に入力される信号がハイレベルであるかローレベルであるかに関わらず、OR回路2201〜2216はハイレベルの信号を出力する。すなわち、入力されるランダムRのビットデータR1〜R16の値が「0」であるか「1」であるかに関わらず、OR回路2201〜2216から出力される信号SO1〜SO16は、全てハイレベル(「1」)となる。そのようにすることによって、乱数値記憶回路531から出力される値は、常に「65535(=1111111111111111b)」となり、乱数値記憶回路531からランダムRを読み出すことができない状態となる。すなわち、乱数値記憶回路531から乱数を読み出そうとしても、乱数値記憶回路531から常に同じ値「65535」しか読み出せない状態となり、出力制御信号SCが入力されていない場合、乱数値記憶回路531は、読出不能(ディセイブル)状態となる。なお、16ビット乱数回路503bを用いる場合、乱数値としての値「65535」が用いられる可能性がある。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、値「65535」を読み込んだとしても、その値が乱数であるのか読出不能状態であるのかを判断することができない。そのため、図16に示す各大当り判定用の判定テーブルにおいて、あらかじめランダムRが「65535」である場合には「ハズレ」と判定するように設定しておけばよい。
ラッチ信号生成回路533からラッチ信号SLが入力されていないときに、CPU56から出力制御信号SCが入力されると(図7に示す例では、タイミングT4からタイミングT6までの期間)、AND回路203の2つの入力端子への入力がともにハイレベルとなるので、AND回路203の出力端子から出力される信号SGはハイレベルとなる。AND回路203が出力する信号SGは、NOT回路204において反転され、ローレベルの信号とされる。そして、OR回路2201〜2216の一方の入力端子に、NOT回路204からローレベルの信号が入力される。
以上のように、OR回路2201〜2216の一方の入力端子への入力がローレベルとなるので、他方の入力端子に入力される信号がハイレベルの場合、OR回路2201〜2216の出力端子からハイレベルの信号が出力される。また、OR回路2201〜2216の他方の入力端子に入力される信号がローレベルの場合、OR回路2201〜2216からローレベルの信号が出力される。すなわち、OR回路2201〜2216の他方の入力端子に入力されるランダムRのビットデータR1〜R16の値は、OR回路2201〜2216の出力端子からそのまま(すなわち、ビットデータR1〜R16の値が「1」のときは「1」が、「0」のときは「0」)出力される。そのようにすることによって、乱数値記憶回路531からのランダムRの読出が可能となる。すなわち、出力制御信号SCが入力されている場合、乱数値記憶回路531は、読出可能(イネイブル)状態となる。
ただし、CPU56から出力制御信号SCが入力される前に、ラッチ信号生成回路533からラッチ信号SLが入力されている場合、AND回路203の一方の入力端子への入力がローレベルとなるので、ラッチ信号SLが入力されている状態のままで、出力制御信号SCが入力されても(図7に示す例では、タイミングT3からタイミングT4の期間)、AND回路203の出力端子から出力される信号SGはローレベルのままとなる。AND回路203が出力する信号SGは、NOT回路204において反転され、ハイレベルの信号とされる。そして、OR回路2201〜2216の一方の入力端子に、NOT回路204からハイレベルの信号が入力される。
以上のように、OR回路2201〜2216の一方の入力端子への入力がハイレベルとなるので、他方の入力端子に入力される信号がハイレベルであるかローレベルであるかに関わらず、OR回路2201〜2216から出力される信号SO1〜SO16は全てハイレベルとなる。そして、出力制御信号SCが入力されているにも関わらず、乱数値記憶回路531からランダムRを読み出すことができない状態のままとなる。すなわち、ラッチ信号SLが入力されている場合、乱数値記憶回路531は、出力制御信号SCを受信不可能な状態となる。なお、16ビット乱数回路503bを用いる場合、乱数値としての値「65535」が用いられる可能性がある。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、値「65535」を読み込んだとしても、その値が乱数であるのか読出不能状態であるのかを判断することができない。そのため、図16に示す各大当り判定用の判定テーブルにおいて、あらかじめランダムRが「65535」である場合には「ハズレ」と判定するように設定しておけばよい。
また、ラッチ信号生成回路533からラッチ信号SLが入力される前に、CPU56から出力制御信号SCが入力されている場合、AND回路201の一方の入力端子への入力がローレベルとなるので、出力制御信号SCが入力されているままの状態で、ラッチ信号SLが入力されても(図7に示す例では、タイミングT5)、AND回路201の出力端子から出力される信号SRはローレベルのままとなる。そのため、フリップフロップ回路2101〜2116のクロック端子Clk1〜Clk16に入力される信号SRは、ローレベルからハイレベルに立ち上がらず、フリップフロップ回路2101〜2116に格納されているランダムRのビットデータR1〜R16は、ラッチ信号SLが入力されているにも関わらず、記憶される乱数は更新されない。すなわち、出力制御信号SCが入力されている場合、乱数値記憶回路531は、ラッチ信号SLを受信不可能な状態となる。
反転回路532は、クロック信号出力回路524から入力する乱数発生用クロック信号SI1における信号レベルを反転させることによって、クロック信号の極性を反転させた反転クロック信号SI2を生成する。また、反転回路532は、生成した反転クロック信号SI2をラッチ信号生成回路533に出力する。
なお、乱数回路503は、反転回路532に代えて遅延回路を含んでもよい。この場合、遅延回路は、クロック信号出力回路524から入力する乱数発生用クロック信号SI1を遅延させることによって、クロック信号を遅延させた遅延クロック信号を生成する。また、遅延回路は、生成した遅延クロック信号をラッチ信号生成回路533に出力する。従って、ラッチ信号生成回路533は、乱数発生用クロック信号SI1を遅延させた遅延クロック信号に同期して、乱数値記憶回路531にラッチ信号を出力することになる。
ラッチ信号生成回路533は、セレクタおよびフリップフロップ回路等を用いて構成される。ラッチ信号生成回路533は、乱数値読取信号出力回路526からの乱数値読取信号と反転回路532からの反転クロック信号SI2とを入力し、乱数値記憶回路531に乱数値を記憶させるためのラッチ信号SLを出力する。また、ラッチ信号生成回路533は、乱数更新方式選択信号出力回路527からの乱数更新方式選択信号によって指定された乱数値更新方式に応じて、ラッチ信号SLを出力する。この場合、ラッチ信号生成回路533は、乱数更新方式選択信号出力回路527から第1の乱数更新方式選択信号が入力された場合、反転回路532から出力される反転クロック信号SI2を選択し、ラッチ信号SLとして乱数値記憶回路531に出力する。一方、ラッチ信号生成回路533は、乱数更新方式選択信号出力回路527から第2の乱数更新方式選択信号が入力された場合、乱数値読取信号出力回路526から出力される乱数値読取信号を、反転回路532から出力される反転クロック信号SI2の立ち上がりエッヂに同期させて、ラッチ信号SLとして乱数値記憶回路531に出力する。
タイマ回路534は、始動口14への遊技球の入賞を検出した旨の入賞検出信号SSを始動口スイッチ14aから入力する。また、タイマ回路534は、始動口スイッチ14aから入賞検出信号SSが継続して入力されている時間を計測する。そして、タイマ回路534は、計測時間が所定期間(例えば、3ms)になると、乱数値読取信号出力回路526の乱数値取込レジスタ539に乱数値取込データ「01h」を書き込む。例えば、タイマ回路534は、ハイレベルの信号が入力されたことに応じて起動するアップカウンタまたはダウンカウンタによって構成される。タイマ回路534は、始動口スイッチ14aからの入力がハイレベルとなっている間(すなわち、入賞検出信号SSが継続して入力されている間)、クロック回路501から順次入力する基準クロック信号CLKをアップカウントまたはダウンカウントする。そして、タイマ回路534は、アップカウントまたはダウンカウントするカウント値が3msに対応する値になると、始動口スイッチ14aから入賞検出信号SSが入力されたと判断して、乱数値取込データ「01h」を乱数値取込レジスタ539に書き込む。
図8は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における記憶領域のアドレスマップの一例を示す説明図である。図8に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560の記憶領域のうち、0000h番地〜1FFFh番地の領域は、ROM54に割り当てられている。また、7E00h番地〜7FFFh番地の領域は、RAM55に割り当てられている。さらに、FD00h番地〜FE00h番地の領域は、乱数最大値設定レジスタ535等の内蔵レジスタに割り当てられている。
また、図8に示すように、ROM54に割り当てられている0000h番地〜1FFFh番地の領域は、ユーザプログラムエリアとユーザプログラム管理エリアとを含む。0000h番地〜1F7Fh番地の領域のユーザプログラムエリアには、ユーザ(例えば、遊技機の製作者)により予め作成されたプログラム(ユーザプログラム)550が記憶される。また、1F80h番地〜1FFFh番地の領域のユーザプログラム管理エリアには、CPU56がユーザプログラム550を実行するために必要となるデータ(ユーザプログラム実行データ)が記憶される。また、RAM55に割り当てられている7E00h番地〜7FFFh番地の領域のうち、7E00h番地〜7EFFh番地の領域は未使用領域であり、7F00h番地〜7FFFh番地の領域はワークエリアとして用いられる。
図9は、ユーザプログラム管理エリアにおけるアドレスマップの一例を示す説明図である。図9に示すように、1F97h番地の領域には、乱数回路503のカウンタ521に入力される初期値を変更するための方式である初期値変更方式のうち、ユーザによって選択された初期値変更方式を指定するための初期値変更方式設定データが記憶される。また、1F98h番地および1F99h番地の領域には、RAM55に割り当てられた7F00h番地〜7FFFh番地のうち、ユーザによって予め指定されたRAM55における番地(指定RAM番地)を特定するためのRAM番地データが記憶される。この場合、指定RAM番地を示す値のうち、指定RAM番地の下位の値が1F98h番地に記憶され、指定RAM番地の上位の値が1F99h番地に記憶される。
図10は、初期値変更方式設定データの一例を示す説明図である。図10に示すように、初期値変更データは、8ビットのデータから構成される。初期値変更データ「00h」は、初期値変更方式として、初期値を変更しないことを指定するデータである。この実施の形態では、初期値変更データ「00h」が設定されている場合、乱数回路503のカウンタ521は、予め定められた初期値「0」から所定の最終値までカウント値を更新することになる。また、初期値変更データ「01h」は、初期値変更方式として、カウンタ521に入力する初期値を、遊技制御用マイクロコンピュータ560を識別するためのIDナンバにもとづく値に変更することを指定するデータである。この実施の形態では、初期値変更データ「01h」が設定されている場合、カウンタ521が更新するカウンタ値の初期値が「0」からIDナンバにもとづく値に変更され、カウンタ521は、変更後の初期値から所定の最終値までカウント値を更新することになる。なお、IDナンバはマイクロコンピュータ毎に異なる番号が割り当てられているので、IDナンバにもとづく値を初期値とする場合、遊技機毎に異なる初期値が設定されることになる。
ユーザプログラムエリアに記憶されるユーザプログラム550について説明する。図11は、ユーザプログラム550の構成例を示す説明図である。図11に示すように、この実施の形態では、ユーザプログラム550は、複数種類のプログラムモジュールから構成される乱数回路設定プログラム551と、表示結果決定プログラム552と、カウント値順列変更プログラム554と、乱数値更新プログラム555とを含む。
乱数回路設定プログラム551は、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための初期設定を行う乱数回路設定処理を実行させるためのプログラムである。すなわち、CPU56は、乱数回路設定プログラム551に従って処理を実行することにより、乱数回路初期設定手段として機能する。
図12は、乱数回路設定プログラム551の構成例を示す説明図である。図12に示すように、乱数回路設定プログラム551は、複数種類のプログラムモジュールとして、乱数最大値設定モジュール551aと、乱数更新方式選択モジュール551bと、周期設定モジュール551cと、乱数回路起動モジュール551dと、初期値変更モジュール551eと、乱数回路選択モジュール551fとを含む。
乱数最大値設定モジュール551aは、ユーザ(例えば、遊技機の製作者)によって予め設定されたランダムRの最大値を乱数回路503に設定させるためのプログラムモジュールである。CPU56は、乱数最大値設定モジュール551aに従って処理を実行することによって、ユーザによって予め設定されたランダムRの最大値を指定する乱数最大値設定データを、乱数最大値設定レジスタ535に書き込む。そのようにすることによって、CPU56は、ユーザによって予め設定されたランダムRの最大値を乱数回路503に設定する。例えば、ユーザによってランダムRの最大値として予め「255」が設定された場合、CPU56は、乱数最大値設定レジスタ535に乱数最大値設定データ「00FFh」を書き込んで、ランダムRの最大値「255」を乱数回路503に設定する。
乱数更新方式選択モジュール551bは、ユーザによって選択された乱数更新方式(第1の乱数更新方式または第2の乱数更新方式)を乱数回路503に設定させるためのプログラムモジュールである。CPU56は、乱数更新方式選択モジュール551bに従って処理を実行することによって、ユーザによって選択された乱数更新方式を指定する乱数更新方式選択データ「01b」または「10b」を乱数更新方式選択レジスタ540に書き込む。そのようにすることによって、CPU56は、ユーザによって選択された乱数更新方式を乱数回路503に設定する。よって、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1の乱数更新方式又は第2の乱数更新方式のうちのいずれかを、乱数回路503が乱数更新に用いる乱数更新方式として選択する機能を備える。
周期設定モジュール551cは、ユーザによって予め設定された内部クロック信号の周期(すなわち、クロック信号出力回路524がセレクタ528および反転回路532にクロック信号を出力する周期)を乱数回路503に設定させるためのプログラムモジュールである。CPU56は、周期設定モジュール551cに従って処理を実行することによって、ユーザによって予め設定された内部クロック信号の周期を指定するための周期設定データを周期設定レジスタ537に書き込む。そのようにすることによって、CPU56は、ユーザによって予め設定された内部クロック信号の周期を乱数回路503に設定する。例えば、ユーザによって内部クロック信号の周期が予め「システムクロック信号の周期×128×16」と設定された場合、CPU56は、周期設定レジスタ537に周期設定データ「0Fh」を書き込んで、内部クロック信号の周期「システムクロック信号の周期×128×16」を乱数回路503に設定する。
乱数回路起動モジュール551dは、乱数回路503を起動させるためのプログラムモジュールである。CPU56は、乱数回路起動モジュール551dに従って処理を実行することによって、乱数回路起動データ「80h」を乱数回路起動レジスタ541に書き込むことにより、乱数回路503を起動させる。
初期値変更モジュール551eは、カウンタ521が更新するカウント値の初期値を変更させるためのプログラムモジュールである。CPU56は、初期値変更モジュール551eに従って処理を実行することによって、初期値変更手段として機能する。CPU56は、初期値変更モジュール551eを実行して、ユーザによって選択された初期値変更方式によって、カウンタ521が更新するカウント値の初期値を変更させる。そのようにすることによって、CPU56は、初期値変更方式を選択する機能を備える。
この実施の形態では、ユーザプログラム管理エリアの1F97h番地の領域に初期値変更方式設定データ「01h」が記憶されている場合、CPU56は、カウント値の初期値を、遊技制御用マイクロコンピュータ560毎に付与された固有のIDナンバにもとづいて算出された値に変更させる。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54の所定の記憶領域に、遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバと、IDナンバにもとづいて所定の演算を行って求めた演算値とを予め対応付けて記憶している。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバが「100」であるとすると、IDナンバ「100」に所定値「50」を加算して求めた演算値「150」を、予めIDナンバに対応付けて記憶している。また、例えば、IDナンバ「100」に所定値「50」を減算して求めた演算値「50」を、予めIDナンバに対応付けて記憶している。また、例えば、予めIDナンバに対応づけて所定値だけを記憶していてもよい。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、予め記憶される所定値(例えば、「50」)にIDナンバ(例えば、「100」を加算して求めた値「150」を、カウント値の初期値としてもよい。また、CPU56は、予め記憶される所定値(例えば、「50」)をIDナンバ(例えば、「100」)から減算して求めた値「50」を、カウント値の初期値としてもよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、データ書き込みが禁止されている記憶領域であれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバを、ROM54の所定の記憶領域に記憶していてもよく、RAM55の所定の記憶領域に記憶していてもよい。
そして、初期値変更方式設定データ「01h」が記憶されている場合、CPU56は、予め記憶するIDナンバにもとづく演算値にカウント値の初期値を変更させる。そのようにすれば、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができ、遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバを見ただけでは乱数の初期値を認識しにくくすることができる。そのため、無線信号を用いた取り込み信号を遊技機に対して発生させるなどの行為によって、大当り状態への移行条件を不正に成立させられてしまうことをより確実に防止することができ、セキュリティ性を向上させることができる。
また、例えば、初期値変更方式設定データ「01h」が記憶されている場合、CPU56は、遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバと所定値とを演算して(例えば、IDナンバに所定値を加算して)求めた演算値にカウント値の初期値を変更させる。この場合、例えば、CPU56は、乱数を用いてランダムに変化させた値をIDナンバと演算することによって、演算に用いる値をランダムに更新し初期値を求めてもよい。そのようにすれば、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
乱数回路選択モジュール551fは、遊技制御用マイクロコンピュータ560が内蔵する各乱数回路503の中から、遊技制御処理を含むタイマ割込処理の実行時に用いる乱数回路を設定するためのプログラムモジュールである。CPU56は、乱数回路選択モジュール551fに従って処理を実行することによって、遊技制御用マイクロコンピュータ560が内蔵する2つの乱数回路(12ビット乱数回路503aおよび16ビット乱数回路503b)のうち、いずれの乱数回路をタイマ割込処理の実行時に用いるかを設定する。例えば、CPU56は、ROM54の所定の記憶領域に記憶された所定の設定値(ユーザによって予め設定された値)に従って、タイマ割込処理の実行時に用いる乱数回路として、12ビット乱数回路503aまたは16ビット乱数回路503bを設定する。
なお、タイマ割込処理の実行時に用いる乱数回路として、12ビット乱数回路503aおよび16ビット乱数回路503bの両方を設定してもよい。この場合、CPU56は、例えば、12ビット乱数回路503aが発生した乱数にもとづいて変動パターンを決定し、16ビット乱数回路503bが発生した乱数にもとづいて大当り判定を行うようにしてもよい。この実施の形態では、乱数値記憶回路531は、12ビット乱数回路503aと16ビット乱数回路503bとにそれぞれ存在する(すなわち、12ビット用の乱数を記憶する乱数値記憶回路と、16ビット用の乱数を記憶する乱数値記憶回路とが、別個に存在する)。また、12ビット乱数回路503aおよび16ビット乱数回路503bの両方を設定した場合、CPU56は、12ビット乱数回路503aから読み出した乱数と、16ビット乱数回路503bから読み出した乱数とを、RAM55に設けられた別々のバッファ領域にそれぞれ格納する。そのため、12ビット乱数回路503aから乱数を読み出すタイミングと、16ビット乱数回路503bから乱数を読み出すタイミングとが同じであっても、2つの異なる乱数を抽出し別々のバッファ領域に格納することができる。
乱数値更新プログラム555は、乱数更新方式として第1の乱数更新方式が選択されているときに、乱数値記憶回路531に格納されているランダムRの値を更新させるためのプログラムである。CPU56は、乱数値更新プログラム555に従って処理を実行することによって、乱数値更新手段として機能する。CPU56は、第1の乱数更新方式が選択されているときに、乱数値更新プログラム555を実行して、カウント値更新データ「01h」をカウント値更新レジスタ538に書き込むことにより、カウンタ521にカウント値を更新させ、乱数値記憶回路531に格納さているランダムRの値を更新させる。なお、乱数更新方式として第2の乱数更新方式が選択されている場合には、クロック信号出力回路537が出力する乱数発生用クロック信号によって、カウンタ521にカウント値を更新させ、乱数値記憶回路531に格納さているランダムRの値を更新させることになる。
表示結果決定プログラム552は、特別図柄表示装置8における表示結果を大当り図柄とするか否かを決定するためのプログラムである。CPU56は、表示結果決定プログラム552に従って処理を実行することによって、表示結果決定手段として機能する。
この実施の形態では、CPU56は、遊技球が可変入賞球装置15に入賞して特別図柄の可変表示を実行するための条件(実行条件)が成立したことに応じて、表示結果決定プログラム552に従って処理を実行する。そして、CPU56は、乱数値記憶回路531から更新後のランダムRの値を読み出して、特別図柄表示装置8における表示結果を大当り図柄とするか否かを決定する。
図13は、第1の乱数更新方式が選択されている場合に、CPU56がランダムRの値を更新させたりランダムRの値を読出したりする動作を示す説明図である。図13に示すように、第1の乱数更新方式が選択されている場合、CPU56は、カウント値更新データ「01h」をカウント値更新レジスタ538に書き込むことによって、乱数値記憶回路531が記憶するランダムRの値(例えば「2」)を更新させる。そして、CPU56は、遊技球が可変入賞球装置15に入賞して特別図柄の可変表示を実行するための条件(実行条件)が成立したことに応じて、乱数値記憶回路531からランダムRの値(例えば「2」)を読み出す。
なお、乱数値記憶回路531が記憶するランダムRの値をさらに更新させる場合、前回更新時にランダムRの値を更新したときから、クロック回路501が出力するシステムクロック信号の周期以上の間隔を経過したときに、カウント値更新レジスタ538にカウント値更新データ「01h」を書き込まなければならない。なぜなら、更新後のランダムRの値を乱数値記憶回路531から読み出す時間を確保する必要があるからである。
図14は、第2の乱数更新方式が選択されている場合に、CPU56がランダムRの値を読出したりする動作を示す説明図である。図14に示すように、第2の乱数更新方式が選択されている場合、タイマ回路534は、乱数値取込データ「01h」を乱数値取込レジスタ539に書き込むことによって、カウンタ521が出力するカウント値(例えば「2」)を乱数値記憶回路531に取り込ませて、乱数値記憶回路531が記憶するランダムRの値を更新させる。そして、CPU56は、乱数値記憶回路531から更新後のランダムRの値(例えば「2」)を読み出す。
具体的には、第2の乱数更新方式が選択されている場合、カウンタ521は、乱数発生用クロック信号SI1を入力したことをトリガとしてカウント値Cを更新する。その後、乱数値取込データ「01h」が乱数値取込レジスタ539に書き込まれると、ラッチ信号生成回路533はラッチ信号SLを乱数値記憶回路531に出力する。そして、乱数値記憶回路531は、ラッチ信号SLを入力したことをトリガとしてカウンタ521が出力するカウント値を読み込んで記憶する。そして、CPU56は、乱数値記憶回路531が記憶するランダムRの値を読み出す。
なお、タイマ回路534が乱数値取込データ「01h」を乱数値取込レジスタ539に書き込まなければ、カウンタ521がカウント値を更新しても、乱数値記憶回路531は、カウンタ521が更新する乱数値を記憶しない。例えば、タイマ回路534が乱数値取込データ「01h」を乱数値取込レジスタ539に書き込み、カウンタ521が出力するカウント値「3」を乱数値記憶回路531に取り込ませて、乱数値記憶回路531が記憶するランダムRの値「3」を更新させたとする。この場合、タイマ回路534が乱数値取込データ「01h」を再び乱数値取込レジスタ539に書き込まなければ、カウンタ521が出力するカウント値が「3」から「4」や「5」に更新されても、乱数値記憶回路531が記憶する乱数値は更新されず、乱数値記憶回路531から読み出される乱数値は「3」のままである。
カウント値順列変更プログラム554は、カウント値順列変更レジスタ536にカウント値順列変更データ「01h」を書き込んで、乱数値記憶回路531が記憶するカウント値の順列を変更させるカウント値順列変更処理を実行するためのプログラムである。CPU56は、カウント値順列変更プログラム554に従って処理を実行することによって、数値データ順列変更手段として機能する。CPU56は、カウント値順列変更プログラム554を実行して、カウント値順列変更レジスタ536にカウント値順列変更データ「01h」を書き込むことによって、カウント値順列変更回路523が出力し乱数値記憶回路531に入力されるカウント値の順列を変更させる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、図15に示すように、特図保留メモリ570と、大当り判定用テーブルメモリ571と、フラグメモリ572と、始動入賞口スイッチタイマメモリ573とを備える。
特図保留メモリ570は、遊技球が可変入賞球装置15に入賞して特別図柄の可変表示の実行条件は成立したが、未だ可変表示の開始条件が成立していない(例えば、特別図柄表示装置8がまだ可変表示を実行中である)可変表示の実行条件の成立回数を含む保留データを記憶するためのメモリ(保存領域)である。特図保留メモリ570は、4つのエントリを備え、各エントリには、遊技球が可変入賞球装置15に入賞した順に、保留番号と、入賞に応じて乱数値記憶回路531から読み出したランダムRの値とが対応付けて格納される。また、特別図柄表示装置8における特別図柄の可変表示が1回終了したり、大当り遊技状態が終了したりするごとに、特図保留メモリ570の最上位の情報にもとづいた可変表示の開始条件が成立し、特図保留メモリ570最上位の情報にもとづいた可変表示が実行される。この場合、特別図柄の可変表示の開始条件が成立すると、特図保留メモリ570の第2位以下に登録されている情報が1位ずつ繰り上がる。また、特別図柄の可変表示中に遊技球が可変入賞球装置15に新たに入賞した場合には、その新たな入賞にもとづいて乱数値記憶回路531から読み出されたランダムRの値が、特図保留メモリ570の空エントリに登録される。
大当り判定用テーブルメモリ571は、CPU56が特別図柄表示装置8の表示結果を大当り図柄とするか否かを判定するために用いる複数の大当り判定テーブルを記憶する。具体的には、大当り判定用テーブルメモリ571は、図16(A)に示すように、確変状態以外の遊技状態(通常状態という)において用いられる通常時大当り判定テーブル571aを記憶する。また、大当り判定用テーブルメモリ571は、図16(B)に示すように、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブル571bを格納する。なお、図16に示す判定テーブルを用いて大当り判定を行う場合、乱数最大値設定レジスタ535に設定された乱数最大値によって大当りと判定する確率が大きく変化することになる。この場合、例えば、設定される乱数最大値が小さすぎると、通常時大当り判定テーブル571aを用いた場合と、確変時大当り判定テーブル571bを用いた場合とで、大当りと判定する確率の差が小さくなってしまい、遊技者の遊技に対する興味を減退させてしまうことになる。そのため、乱数回路503および乱数最大値に対応づけて、複数の判定テーブル(複数の通常時大当り判定用テーブル571aおよび複数の確変時大当り判定用テーブル571b)を大当り判定用テーブルメモリ571に記憶してもよい。そして、CPU56は、大当り判定用テーブルメモリ571が記憶する判定テーブルのうち、使用する乱数回路503および乱数最大値に対応する判定テーブル571a,571bを用いて、表示結果決定プログラム552に従って、特別図柄表示装置8の表示結果を大当り図柄とするか否かを判定するようにしてもよい。そのようにすることによって、使用する乱数回路503の種類や乱数最大値が異なっても、大当りと判定する確率がある程度同じになるように制御することができる。
なお、この実施の形態では、16ビット乱数回路503bを用いることにする。すなわち、ステップS151の処理で16ビット乱数回路503bを用いることに決定されたとする。よって、ランダムRとして、16ビットで発生できる範囲(0から65535までの範囲)の値をとりうる。
フラグメモリ572には、遊技の進行を制御する遊技制御処理において用いられる各種のフラグが設定される。例えば、フラグメモリ572には、遊技状態が確変状態であることを示す確変フラグや、大当り状態であることを示す大当りフラグが設定される。
始動口スイッチタイマメモリ573は、始動口スイッチ14aから入力される入賞検出信号SSに応じて加算またはクリアされるタイマ値を記憶する。
次に遊技機の動作について説明する。図17および図18は、遊技機に対して電力供給が開始され遊技制御用マイクロコンピュータ560へのリセット信号がハイレベルになったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56が実行するメイン処理を示すフローチャートである。リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、マスク可能割込の割込モードを設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。なお、ステップS2では、遊技制御用マイクロコンピュータ560の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードに設定する。また、マスク可能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
次いで、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(ステップS4)。ステップS4の処理によって、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)がなされる。
この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータ560は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)504も内蔵している。
次に、入力ポート1のビット0の状態によって電源断信号がオフ状態になっているか否か確認する(ステップS5)。遊技機に対する電力供給が開始されたときに、+5V電源などの各種電源の出力電圧は徐々に規定値に達するのであるが、ステップS5の処理によって、すなわち、電源断信号が出力されていない(ハイレベルになっている)ことを確認することによりCPU56は電源電圧が安定したことを確認することができる。
電源断信号がオン状態である場合には、CPU56は、所定期間(例えば、0.1秒)の遅延時間の後に(ステップS80)、再度、電源断信号がオフ状態になっているか否か確認する。電源断信号がオフ状態になっている場合には、RAM55をアクセス可能状態に設定し(ステップS6)、クリア信号のチェック処理に移行する。
なお、電源断信号がオフ状態である場合に、遊技の進行を制御する遊技装置制御処理(遊技制御処理)の開始タイミングをソフトウェアで遅らせるためのソフトウェア遅延処理を実行するようにしてもよい。そのようなソフトウェア遅延処理によって、ソフトウェア遅延処理を実行しない場合に比べて、遊技制御処理の開始タイミングを遅延させることができる。遅延処理を実行したときには、他の制御基板(例えば、払出制御基板37)に対して、遊技制御基板(主基板31)が送信するコマンドを他の制御基板のマイクロコンピュータが受信できないという状況が発生することを防止できる。
次いで、CPU56は、クリアスイッチがオンされているか否か確認する(ステップS7)。なお、CPU56は、入力ポート0を介して1回だけクリア信号の状態を確認するようにしてもよいが、複数回クリア信号の状態を確認するようにしてもよい。例えば、クリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間(例えば、0.1秒)の遅延時間をおいた後、クリア信号の状態を再確認する。そのときにクリア信号の状態がオン状態であることを確認したら、クリア信号がオン状態になっていると判定する。また、このときにクリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間の遅延時間をおいた後、再度、クリア信号の状態を再確認するようにしてもよい。ここで、再確認の回数は、1回または2回に限られず、3回以上であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときにもう一度確認するようにしてもよい。
ステップS7でクリアスイッチがオンでない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような電力供給停止時処理が行われていたことを確認した場合には、CPU56は、電力供給停止時処理が行われた、すなわち電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定する。電力供給停止時処理が行われていないことを確認した場合には、CPU56は初期化処理を実行する。
電力供給停止時処理が行われていたか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、電力供給停止時処理を実行したことに応じた値(例えば2)になっているか否かによって確認される。なお、そのような確認の仕方は一例であって、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域に電力供給停止時処理を実行したことを示すフラグをセットし、ステップS8において、そのフラグがセットされていることを確認したら電力供給停止時処理が行われたと判定してもよい。
電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。この実施の形態では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象になるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU56は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムにする。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(ステップS10〜S14の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS91)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS92)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS91およびS92の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS93)、ステップS15に移行する。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータをそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。また、出力ポートバッファにおける接続確認信号を出力する出力ポートに対応するビットがセット(接続確認信号のオン状態に対応)される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、可変表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンドや払出制御基板37への初期化コマンド等を使用することができる。
また、CPU56は、各乱数回路503a,503bを初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS15)。この場合、CPU56は、乱数回路設定プログラム551に従って処理を実行することによって、各乱数回路503a,503bにランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、CPU56は、所定時間(例えば2ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なうタイマ割込設定処理を実行する(ステップS16)。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2msごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
タイマ割込の設定が完了すると、CPU56は、表示用乱数更新処理(ステップS18)および初期値用乱数更新処理(ステップS18a)を繰り返し実行する。CPU56は、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして(ステップS17)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする(ステップS19)。
なお、表示用乱数とは、特別図柄表示器8の表示を決定するための乱数である。この実施の形態では、表示用乱数として、特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数や、大当りを発生させない場合にリーチとするか否かを決定するためのリーチ判定用乱数が用いられる。また、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。
また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りの種類を決定するための判定用乱数(例えば、大当りを発生させる特別図柄を決定するための大当り図柄決定用乱数や、普通図柄にもとづく当りを発生させるか否かを決定するための普通図柄当たり判定用乱数)を発生するためのカウンタ(判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータが、遊技機に設けられている可変表示装置9、可変入賞球装置15、球払出装置97等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、判定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行される(すなわち、タイマ割込処理のステップS24,S25でも同じ処理が実行される)ことから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS18,S18aの処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示用乱数や初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS18,S18aの処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
以上のように、遊技店員等は、クリアスイッチ921をオン状態してクリア信号が出力される状態にしながら遊技機に対する電力供給を開始する(例えば電源スイッチ914をオンする)ことによって、容易に初期化処理を実行させることができる。すなわち、RAMクリア等を行うことができる。
次に、メイン処理における乱数回路設定処理(ステップS15)を説明する。図19は、乱数回路設定処理を示すフローチャートである。乱数回路設定処理において、CPU56は、まず、乱数回路設定プログラム551に含まれる乱数回路選択モジュール551fに従って処理を実行し、遊技制御用マイクロコンピュータ560が内蔵する各乱数回路503a,503bの中から、遊技制御処理を含むタイマ割込処理の実行時に用いる乱数回路を設定する(ステップS151)。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ユーザ(例えば、遊技機の製作者)によって設定されたタイマ割込処理の実行時に用いる乱数回路503を指定する指定情報を、あらかじめROM54の所定の記憶領域に記憶している。そして、CPU56は、ROM54の所定の記憶領域に記憶された指定情報に従って、12ビット乱数回路503aまたは16ビット乱数回路503bのいずれかを選択し、選択した乱数回路をタイマ割込処理の実行時に用いる乱数回路として設定する。なお、タイマ割込処理の実行時に用いる乱数回路として、12ビット乱数回路503aおよび16ビット乱数回路503bの両方を設定してもよい。
上記のように、ステップS151において、更新可能な数値データの所定の範囲が異なる複数の乱数回路(12ビット乱数回路503aと16ビット乱数回路503b)について、それぞれ使用可能とするか否かを設定するので、タイマ割込処理の実行中に不要な乱数を処理することを防止することができ、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担を軽減することができる。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、2つの乱数回路503a,503bのうちの一方が発生する乱数のみを用いて遊技制御処理を行う場合、遊技制御処理に用いない方の乱数回路から乱数を読み出す処理等を行わないようにでき、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担を軽減できる。
CPU56は、ステップS151で使用する乱数回路503を設定すると、例えば、乱数回路起動レジスタ541にデータを書き込まない等により、カウンタ521やクロック信号出力回路524の動作を停止させることで、使用しないように設定した方の乱数回路のカウンタ521がカウント値Cを更新しないようにする。また、例えば、使用しないように設定した方の乱数回路のカウンタ521はカウント値Cを更新するが、CPU56は出力制御信号SCを出力しないようにし、乱数値記憶回路531から乱数を読み出せないように制御してもよい。また、例えば、CPU56は、タイマ回路534に使用しないように設定した方の乱数回路の乱数値取込レジスタ539に乱数値取込データ「01h」を書き込ませないようにし、ラッチ信号生成回路533がラッチ信号SLを乱数値記憶回路531に出力しないように制御してもよい。
上記のように、使用する乱数回路503を設定するようにすることによって、使用する乱数回路503だけを設定することによって、生成する乱数の値の範囲を適切に設定することができる。また、タイマ割込処理の実行中に不要な乱数を処理することを防止することができ、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担を軽減することができる。例えば、大当りとする判定値として離れた値(例えば、「1」と「100」を含む判定テーブルを用いて大当り判定を行う場合、所定の大当り確率(例えば、100分の1)で大当りと判定するようにすると、16ビット乱数回路503bによる乱数を用いるよりも、12ビット乱数回路503aによる乱数を用いた方が、処理すべき判定値の種類の数が少なくて済み、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担が軽減される。
また、CPU56は、乱数回路設定プログラム551に含まれる乱数最大値設定モジュール551aに従って処理を実行し、ユーザによって予め設定された乱数最大値を指定する乱数最大値設定データを、乱数最大値設定レジスタ535に書き込む(ステップS152)。そのようにすることによって、ユーザによって予め設定されたランダムRの乱数最大値を乱数回路503に設定する。なお、タイマ割込実行時に用いる乱数回路として12ビット乱数回路503aを設定した場合、CPU56は、乱数最大値(「0」〜「4095」のうちのいずれかの値)を指定する乱数最大値設定データを、12ビット乱数回路503aの乱数最大値設定レジスタ535に書き込む。また、タイマ割込実行時に用いる乱数回路として16ビット乱数回路503bを設定した場合、CPU56は、乱数最大値(「0」〜「65535」のうちのいずれかの値)を指定する乱数最大値設定データを、16ビット乱数回路503bの乱数最大値設定レジスタ535に書き込む。
なお、この実施の形態では、乱数最大値として「0」〜「255」が設定された場合には、後述する乱数最大値再設定処理において乱数最大値を所定値に設定しなおすことになる。また、乱数最大値として「256」以上の値を書き込む制御を行った場合であっても、データ化けなどの原因によって「0」〜「255」の値が乱数最大値設定レジスタ535に設定されてしまった場合には、後述する乱数最大値再設定処理において乱数最大値を所定値に設定しなおす。
上記のように、ステップS152において、生成する乱数の最大値をあらかじめ乱数最大値設定レジスタ535に設定するので、タイマ割込処理の実行中に用いる乱数の範囲より大きい値の乱数を生成してしまうことを防止でき、乱数回路503および遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理負担を軽減することができる。
また、CPU56は、ステップS152で乱数最大値設定レジスタ535に設定した乱数最大値が所定の下限値以下でないかを確認し、乱数最大値が下限値以下である場合には、乱数最大値設定レジスタ535に設定されている乱数最大値の再設定を行う乱数最大値再設定処理を実行する(ステップS153)。
また、CPU56は、乱数回路設定プログラム551に含まれる初期値変更モジュール551eに従って処理を実行し、乱数回路503のカウンタ521が更新するカウント値の初期値を変更させる初期値変更処理を実行する(ステップS154)。
また、CPU56は、乱数回路設定プログラム551に含まれる乱数更新方式選択モジュール551bに従って処理を実行し、乱数更新方式選択データを乱数更新方式選択レジスタ540に書き込む(ステップS155)。そのようにすることによって、乱数回路503の乱数更新方式を設定する。なお、この実施の形態では、CPU56は、乱数更新方式選択データ「10h」を乱数更新方式選択レジスタ540に書き込むものとする。すなわち、この実施の形態では、乱数回路503の乱数更新方式として第2の乱数更新方式が設定される。
また、CPU56は、乱数回路設定プログラム551に含まれる周期設定モジュール551cに従って処理を実行し、ユーザによって予め設定された乱数発生用クロック信号SI1の周期を指定する周期設定データ(基準クロック信号を何分周させるかを設定するためのデータ)を、周期設定レジスタ537に書き込む(ステップS156)。そのようにすることによって、ユーザによって予め設定された乱数発生用クロック信号SI1の周期を乱数回路503に設定する。
また、CPU56は、乱数回路503のカウンタ521によって所定の最終値までカウント値が更新されたときに、カウンタ521に入力する初期値を更新するか否かを設定する(ステップS157)。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、カウンタ521によって所定の最終値までカウント値が更新されたときに、カウンタ521に入力する初期値を更新するか否かを示す設定値を、予めユーザによって設定されROM54の所定領域に記憶している。そして、CPU56は、ROM54の所定の記憶領域に記憶された所定の設定値に従って、カウンタ521によって所定の最終値までカウント値が更新されたときに、カウンタ521に入力する初期値を更新するか否かを設定する。この実施の形態では、CPU56は、ステップS157において、カウンタ521に入力する初期値を更新すると判定すると、所定の最終値までカウント値が更新されたとき(カウンタ521から通知信号を入力したとき)に初期値を更新する旨を示す初期値更新フラグをセットする。この実施の形態では、ステップS157において、所定の設定値に従って初期値更新フラグをセットする場合を説明する。そして、CPU56は、後述する乱数回路初期値更新処理において、初期値更新フラグがセットされていることにもとづいて、カウンタ521が出力するカウント値の初期値を更新する。
なお、CPU56によってカウント値の初期値を変更するのでなく、最終値までカウント値を更新したことにもとづいて、乱数回路503側でカウント値の初期値を所定値に変更するようにしてもよい。例えば、乱数回路503は、初期値を更新する旨を示す初期値更新データを格納する初期値更新データレジスタ、及び初期値の変更を行う初期値変更回路を備え、CPU56は、ステップS157において、初期値更新データを初期値更新データレジスタに設定する。この場合、カウンタ521は、最終値までカウント値を更新すると、通知信号を初期値変更回路に出力する。すると、初期値変更回路は、初期値更新データレジスタに初期値更新データが設定されているか否かを確認する。そして、初期値変更回路は、初期値更新データが設定されていることを確認すると、カウント値の初期値を所定値に変更する。なお、初期値変更回路は、後述するカウント値順列変更処理において、順列を変更したカウント値の初期値を変更してもよい。
また、CPU56は、乱数回路503のカウンタ521によって所定の最終値までカウント値が更新されたときに、カウンタ521が更新するカウント値の順列を変更するか否かを設定する(ステップS158)。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、カウンタ521によって所定の最終値までカウント値が更新されたときに、カウンタ521が出力するカウント値の順列を変更するか否かを示す設定値を、予めユーザによって設定されROM54の所定領域に記憶している。そして、CPU56は、ROM54の所定の記憶領域に記憶された所定の設定値に従って、カウンタ521によって所定の最終値までカウント値が更新されたときに、カウンタ521が出力するカウント値の順列を変更するか否かを設定する。この実施の形態では、CPU56は、ステップS158において、カウンタ521が出力するカウント値の順列を変更すると判定すると、所定の最終値までカウント値が更新されたときにカウント値の順列を変更する旨を示すカウント値順列変更フラグをセットする。この実施の形態では、ステップS158において、所定の設定値に従ってカウント値順列変更フラグをセットする場合を説明する。そして、CPU56は、後述するカウント値順列変更処理において、カウント値順列変更フラグがセットされていることにもとづいて、カウンタ521が出力するカウント値の順列を変更する。
なお、CPU56の制御によってカウント値の順列を変更するのでなく、最終値までカウント値を更新したことにもとづいて、乱数回路503側でカウント値の順列変更するようにしてもよい。例えば、乱数回路503は、カウント値の順列を変更する旨を示す順列変更データを格納する順列変更データレジスタを備え、CPU56は、ステップS158において、順列変更データを順列変更データレジスタに設定する。この場合、カウンタ521が最終値までカウント値を更新すると、通知信号をカウント値順列変更回路523に出力し、通知信号を入力したカウント値順列変更回路523は、順列変更データレジスタに順列変更データが設定されているか否かを確認する。そして、カウント値順列変更回路523は、順列変更データが設定されていることを確認すると、カウント値の順列を変更する。
そして、CPU56は、乱数回路設定プログラム551に含まれる乱数回路起動モジュール551dに従って処理を実行し、乱数回路起動データ「80h」を乱数回路起動レジスタ541に書き込む(ステップS159)。そのようにすることによって、CPU56は、乱数回路503を起動させる。
次に、乱数回路設定処理における乱数最大値再設定処理(ステップS153)を説明する。図20は、乱数最大値再設定処理を示すフローチャートである。乱数最大値再設定処理において、CPU56は、乱数最大値設定レジスタ535に設定されている乱数最大値を読み込む(ステップS153a)。なお、タイマ割込処理の実行時に用いる乱数回路として12ビット乱数回路503aを設定した場合、CPU56は、12ビット乱数回路503aの乱数最大値設定レジスタ535に設定されている乱数最大値を読み込む。また、タイマ割込処理の実行時に用いる乱数回路として16ビット乱数回路503bを設定した場合、CPU56は、16ビット乱数回路503bの乱数最大値設定レジスタ535に設定されている乱数最大値を読み込む。
CPU56は、読み込んだ乱数最大値が所定の下限値以下であるか否かを判定する(ステップS153b)。12ビット乱数回路503aを設定した場合、12ビット乱数回路503aにおいて設定可能な乱数最大値が「256」から「4095」までであるので、CPU56は、12ビット乱数回路503aの乱数最大値設定レジスタ535から読み込んだ乱数最大値が下限値「256」以下であるか否かを判定する。また、16ビット乱数回路503bを設定した場合、16ビット乱数回路503bにおいて設定可能な乱数最大値が「512」から「65535」までであるので、CPU56は、16ビット乱数回路503bの乱数最大値設定レジスタ535から読み込んだ乱数最大値が下限値「512」以下であるか否かを判定する。
読み込んだ乱数最大値が下限値以下である場合、CPU56は、乱数最大値設定レジスタ535に設定される乱数最大値を所定値に設定しなおす(ステップS153c)。12ビット乱数回路503aを設定した場合、12ビット乱数回路503aの乱数最大値設定レジスタ535から読み込んだ乱数最大値が下限値「256」以下であると判定すると、CPU56は、乱数最大値設定レジスタ535に設定される乱数最大値を所定値「4095」に設定しなおす。また、16ビット乱数回路503bを設定した場合、16ビット乱数回路503bの乱数最大値設定レジスタ535から読み込んだ乱数最大値が下限値「512」以下であると判定すると、CPU56は、乱数最大値設定レジスタ535に設定される乱数最大値を所定値「65535」に設定しなおす。
以上のように、乱数最大値設定レジスタ535に設定した乱数最大値が所定の下限値以下となっている場合には、乱数最大値を所定値に設定しなおす。そのため、遊技制御用マイクロコンピュータ560の誤動作や、無線信号を用いた取り込み信号を遊技機に対して発生させるなどの行為によって、過度に小さい値が乱数の最大値として設定されてしまうことを防止することができる。従って、最小値から最大値までの値の範囲が過度に小さい乱数を生成する事態が発生することを防止することができる。
次に、乱数回路設定処理における初期値変更処理(ステップS154)を説明する。図21は、初期値変更処理を示すフローチャートである。初期値変更処理において、CPU56は、まず、ユーザプログラム実行データエリアの1F97h番地の領域に記憶されている初期値変更方式設定データを読み出し、ユーザによって選択された初期値変更方式を特定する。この場合、CPU56は、読み出した初期値変更方式設定データの値が「01h」であるか否かを判定することによって(ステップS154a)、ユーザによって選択された初期値変更方式を特定する。
初期値変更方式設定データの値が「01h」である場合、CPU56は、乱数回路503のカウンタ521に入力する初期値を、遊技制御用マイクロコンピュータ560固有のIDナンバにもとづいて設定された値に変更する(ステップS154b)。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54の所定の記憶領域に、遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバと、IDナンバにもとづいて所定の演算を行って求めた演算値とを予め対応付けて記憶している。そして、ステップS154bにおいて、CPU56は、予め記憶するIDナンバにもとづく演算値にカウント値の初期値を変更させる。また、例えば、ステップS154bにおいて、CPU56は、遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバと所定値とを演算して(例えば、IDナンバ(例えば、「100」)に所定値(例えば、「100」)を加算して)求めた演算値(例えば、「200」)にカウント値の初期値を設定する。また、カウンタ521に入力する初期値を変更すると、CPU56は、カウント値の初期値を変更した旨を示す初期値変更フラグをセットする(ステップS154c)。
なお、CPU56は、ステップS154bにおいてカウンタ521に入力する初期値を変更する際、乱数回路503の比較器522の乱数最大値設定レジスタ535の値を確認し、IDナンバにもとづいて設定された値が乱数最大値以上であるか否かを判断する。そして、IDナンバにもとづいて設定された値が乱数最大値以上であると判断すると、CPU56は、カウンタ521に入力する初期値を変更しない(例えば、初期値を「0」に設定しなおす)。そのようにすることによって、カウント値の初期値が乱数最大値以上の値に設定されてしまう事態を防止することができる。
ステップS154aにおいて、初期値変更方式設定データの値が「01h」でない場合(すなわち、ユーザプログラム実行データエリアの1F97h番地の領域に記憶されている初期値変更方式設定データの値が「00h」である場合)、CPU56は、カウント値の初期値の変更を行わず、そのまま初期値変更処理を終了し、ステップS155に移行する。
乱数回路設定処理が実行されることによって、遊技制御処理を含むタイマ割込処理の実行時に乱数回路503に各種信号が入力され、乱数回路503内で各種信号が生成される。図22は、乱数回路503に各信号が入力されるタイミング、および乱数回路503内で各信号が生成されるタイミングを示すタイミングチャートである。
図22に示すように、クロック回路501は、所定周期ごと(図22に示すタイミングT11,T21,・・・)に、出力端子の信号レベルをローレベルからハイレベルに立ち上げることによって、乱数回路503に基準クロック信号CLK(図22(A)参照)を入力する。
クロック信号出力回路524は、クロック回路501から供給された基準クロック信号CLKを分周し、乱数発生用クロック信号SI1(図22(B)参照)を生成する。例えば、クロック信号出力回路524は、タイミングT11,T12,・・・で出力端子の信号レベルをローレベルからハイレベルに立ち上げ、タイミングT21,T22,・・・で信号レベルをハイレベルからローレベルに立ち下げることによって、乱数発生用クロック信号SI1を出力する。
なお、図22に示す例では、説明を分かりやすくするために、クロック信号出力回路524が基準クロック信号CLKを2分周して乱数発生用クロック信号SI1を生成する場合を示している。しかし、実際の乱数回路では、周期設定レジスタ537に設定可能な周期は「システムクロック信号の周期×128×7」から「システムクロック信号の周期×128×256」まである。従って、実際の乱数回路では、クロック信号出力回路524は、「システムクロック信号の周期×128×7」から「システムクロック信号の周期×128×256」までの範囲で周期設定レジスタ537に設定される周期設定データ「07h」〜「FFh」に対応した分周比で、基準クロック信号CLKを分周し乱数発生用クロック信号SI1を生成する。クロック信号出力回路524によって生成された乱数発生用クロック信号SI1は、セレクタ528と反転回路532とに出力される。
この実施の形態では、乱数回路設定処理において、第2の乱数更新方式が設定されるので、乱数更新方式選択信号出力回路527から第2の乱数更新方式選択信号がセレクタ528に入力される。セレクタ528は、乱数更新方式選択信号出力回路527から第2の乱数更新方式選択信号が入力されると、クロック信号出力回路524から入力した乱数発生用クロック信号SI1を選択してカウンタ521に出力する。カウンタ521は、セレクタ528から供給される乱数発生用クロック信号SI1の立ち上がりエッヂが入力されるごとに、カウント値Cを更新してカウント値順列変更回路523に出力する。
反転回路532は、クロック信号出力回路524から入力した乱数発生用クロック信号SI1の信号レベルを反転させることによって、反転クロック信号SI2(図22(C)参照)を生成する。例えば、反転回路532は、タイミングT11,T12,・・・で出力端子の信号レベルをハイレベルからローレベルに立ち下げ、タイミングT21,T22,・・・で信号レベルをローレベルからハイレベルに立ち上げることによって、反転クロック信号SI2を出力する。また、反転回路532によって生成された反転クロック信号SI2は、ラッチ信号生成回路533に出力される。
ラッチ信号生成回路533には、入賞検出信号SS(図22(D)参照)がタイマ回路534に入力されてから所定時間(例えば3ミリ秒)が経過すると、乱数値読取信号出力回路526から乱数値読取信号が入力される。例えば、乱数値読取信号出力回路526の出力端子の信号レベルがローレベルからハイレベルに立ち上がることによって、ラッチ信号生成回路533に乱数値読取信号が入力される。ラッチ信号生成回路533は、乱数更新方式選択信号出力回路527から第2の乱数更新方式選択信号が入力されたことに応じて、乱数値読取信号出力回路526から入力する乱数値読取信号を反転回路532から供給される反転クロック信号SI2の立ち上がりエッヂに同期させて、ラッチ信号SL(図22(E)参照)を出力する。
以上のように、乱数回路503は、タイミングT11,T12,T13・・・においてカウント値Cを更新し、タイミングT11,T12,T13とは異なるタイミングT22においてラッチ信号SLを出力させ、乱数値記憶回路531に乱数値を記憶する。
次に、遊技制御処理について説明する。図23は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。メイン処理の実行中に、具体的には、ステップS17〜S19のループ処理の実行中における割込許可になっている期間において、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、タイマ割込の発生に応じて起動されるタイマ割込処理において遊技制御処理を実行する。タイマ割込処理において、CPU56は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行する(ステップS20)。次いで、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を+1する。
次に、CPU56は、乱数回路設定処理において所定の最終値までカウント値が更新されたときに初期値を更新する旨の設定がされてるか(ステップS157参照)を確認し、乱数回路503のカウンタ521に入力する初期値を更新する処理を行う(乱数回路初期値更新処理:ステップS22)。
次に、遊技制御に用いられる各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS23)。また、CPU56は、初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理:ステップS24)。さらに、CPU56は、表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(表示用乱数更新処理:ステップS25)。
判定用乱数更新処理、初期値更新処理および表示用乱数更新処理を行うと、CPU56は、乱数回路503のカウンタ521が出力するカウント値の順列をカウント値順列変更回路523に変更させるカウント値順列変更処理を行う(ステップS26)。この実施の形態では、乱数回路設定処理のステップS158でカウント値順列変更フラグがセットされているか否かによって、カウント値順列変更処理を実行するか否かが決定されている。そして、CPU56は、カウント値順列変更フラグがセットされていることにもとづいて、カウント値順列変更処理を実行する。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、CPU56は、特別図柄の変動に同期する飾り図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS29)。なお、飾り図柄の変動が特別図柄の変動に同期するとは、変動時間(可変表示期間)が同じであることを意味する。
また、CPU56は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等がオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す賞球個数コマンド等の払出指令コマンドを出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球個数を示す賞球個数コマンドの受信に応じて球払出装置97を駆動する。
また、CPU56は、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS31)。また、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポート2のRAM領域におけるソレノイドに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS32:ソレノイド出力処理)。そして、CPU56は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS33)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS34)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS35)。
この実施の形態では、遊技制御処理は定期的(例えば2msごと)に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はフラグがセットされたことにもとづいてメイン処理において実行されるようにしてもよい。なお、この実施の形態において、ステップS21〜S35の処理(ステップS31およびS33を除く)が、遊技の進行を制御する遊技制御処理に相当する。
その後、CPU56は、割込許可状態に設定し(ステップS36)、処理を終了する。
次に、タイマ割込処理における乱数回路初期値更新処理(ステップS22)について説明する。図24は、乱数回路初期値更新処理を示すフローチャートである。乱数回路初期値更新処理において、CPU56は、乱数回路503のカウンタ521が出力するカウント値Cを最終値まで更新した旨を示す通知信号の状態を確認する(ステップS220)。通知信号がオン状態になっていることを検出した場合には、CPU56は、初期値更新フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS221)。すなわち、CPU56は、乱数回路設定処理において、所定の最終値までカウント値が更新されたときに初期値を更新する旨の設定がなされたか否か(ステップS157参照)を確認する。
初期値更新フラグがセットされている場合、CPU56は、乱数回路503のカウンタ521が所定の最終値までカウント値を更新したときに、カウンタ521に入力する初期値を更新すると判断する。また、初期値更新フラグがセットされている場合、CPU56は、初期値変更フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS222)。すなわち、CPU56は、カウント値の初期値が現在変更されているか否か(すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバにもとづく値に変更されているか否か)を判断する。
初期値変更フラグがセットされている(すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバにもとづく値に初期値が現在変更されている)場合、CPU56は、カウンタ521に入力する初期値を、遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバにもとづく値から元の値(例えば、「1」)にもどす(ステップS223)。そして、CPU56は、初期値変更フラグをリセットし(ステップS224)、初期値更新処理を終了する。
初期値変更フラグがセットされていない(すなわち、初期値が現在変更されていない)場合、CPU56は、カウンタ521に入力する初期値を、遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバにもとづく値に変更する(ステップS225)。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバが「100」であるとすると、カウンタ521に入力する初期値を、IDナンバ「100」に所定値「100」を加算して求めた演算値「200」に変更する。また、例えば、カウンタ521に入力する初期値を、IDナンバ「100」に所定値「50」を減算して求めた演算値「50」に変更する。そして、CPU56は、初期値変更フラグをセットし(ステップS226)、初期値更新処理を終了する。
なお、12ビット乱数回路503aおよび16ビット乱数回路503bの両方を設定した場合、ステップS225において、CPU56は、一方の乱数回路(例えば、12ビット乱数回路503a)から読み込んだ乱数を所定値としてIDナンバに加算して、カウンタ521に入力する初期値を求めてもよい。そして、CPU56は、他の一方(例えば、16ビット乱数回路503b)から読み込んだ乱数を、大当り判定用の乱数として用いてもよい。
なお、CPU56は、ステップS225においてカウンタ521に入力する初期値を更新する際、乱数回路503の比較器522の乱数最大値設定レジスタ535の値を確認し、IDナンバにもとづいて設定された値が乱数最大値以上であるか否かを判断する。そして、IDナンバにもとづいて設定された値が乱数最大値以上であると判断すると、CPU56は、カウンタ521に入力する初期値を所定値のまま更新しない(例えば、所定値「0」のまま更新しない)。そのようにすることによって、カウント値の初期値が乱数最大値以上の値に設定されてしまう事態を防止することができる。
なお、ステップS220において通知信号がオフ状態であると判断した場合、およびステップS221において初期値更新フラグがセットされていないと判断した場合、CPU56は、カウンタ521に入力する初期値を更新することなく、そのまま乱数回路初期値更新処理を終了し、ステップS23に移行する。
次に、タイマ割込処理におけるカウント値順列変更処理(ステップS26)について説明する。図25は、カウント値順列変更処理を示すフローチャートである。CPU56は、カウント値順列変更プログラム554に従って処理を実行することによって、カウント値順列変更処理を行う。カウント値順列変更処理において、CPU56は、乱数回路503のカウンタ521が出力するカウント値Cを最終値まで更新した旨を示す通知信号の状態を確認する(ステップS241)。通知信号がオン状態になっていることを検出した場合には、CPU56は、カウント値順列変更フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS242)。すなわち、CPU56は、乱数回路設定処理において、所定の最終値までカウント値が更新されたときにカウンタ521が更新するカウント値の順列を変更する旨の設定がなされたか否か(ステップS158参照)を確認する。
カウント値順列変更フラグがセットされている場合、CPU56は、乱数回路503のカウンタ521が所定の最終値までカウント値を更新したときに、カウンタ521が更新するカウント値の順列を変更すると判断する。そして、CPU56は、カウント値順列変更レジスタ536にカウント値順列変更データ「01h」を書き込む(ステップS243)。すなわち、CPU56は、カウント値順列変更データ「01h」を書き込むことによって、乱数値記憶回路531に入力されるカウント値Cの順列をカウント値順列変更回路523に変更させる。
以上のように、カウント値順列変更処理において、乱数を所定の最終値まで更新したときに、カウンタ521が更新するカウント値の順列を変更するので、乱数回路503が生成する乱数のランダム性をより向上させることができる。
次に、メイン処理における特別図柄プロセス処理(ステップS27)を説明する。図26は、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56)が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセス処理において、遊技盤6に設けられている始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を行った後に、内部状態に応じて、ステップS300〜S309のうちのいずれかの処理を行う。始動口スイッチ14aがオンしていなければ、後述する割込回数カウンタをクリア(ステップS313)後に、内部状態に応じて、ステップS300〜S309のうちのいずれかの処理を行う。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、遊技状態が確変状態であるか否か確認し、特別図柄の可変表示の表示結果を特定表示結果とするか否か(大当りとするか否か)を決定する。特定表示結果とする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。特別図柄の可変表示の変動パターン(ここでは変動時間に相当)を、始動入賞発生時に抽出した変動パターン決定用乱数(表示用乱数の一つ)の値に応じてあらかじめ定められた複数種類の変動パターンの中から選択する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、変動パターンを指令する情報(変動パターンコマンドすなわち可変表示パターンコマンド)を送信する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に応じた値(この例では2)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされた特別図柄プロセスタイマがタイムアウトすなわち特別図柄プロセスタイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303(この例では3)
特別図柄停止処理(ステップS303):特別図柄表示器8における特別図柄を停止させる。そして、特別図柄の停止図柄が大当り図柄である場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。または、特別図柄の停止図柄が小当り図柄である場合には、内部状態を(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
この実施の形態では、大入賞口は、遊技者にとって有利な第1状態(開状態)と遊技者にとって不利な第2状態(閉状態)とのいずれかの状態に変化する。この実施の形態では、大当り遊技状態に移行すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口を所定期間(例えば、29.5秒)第1状態に変化させることを所定回数(例えば15ラウンド)行うことにより終了するように制御する。
また、この実施の形態では、いわゆる突然確変大当り(各ラウンドの演出が順に進行していくのではなく、突然、遊技状態が確変状態に移行したように遊技者に見せる特別な演出を行う大当り)に移行されることがある。突然確変大当り遊技状態に移行すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口を上記の所定期間よりも短い期間(例えば0.1秒)および上記の所定回数よりも少ない回数(例えば2回)の少なくともいずれかで第1状態に変化させることにより終了し、突然確変大当り遊技状態終了後に特別図柄の停止図柄が大当り図柄となる確率が通常状態よりも向上しかつ始動領域への遊技媒体の進入しやすさが通常状態と同一である第1高確率状態に制御する。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変大当り遊技状態終了後に特別図柄の停止図柄が大当り図柄となる確率が第1高確率状態と同一でありかつ第1高確率状態より始動領域への遊技媒体が進入しやすく設定された第2高確率状態に制御するようにしてもよい。なお、始動領域への遊技媒体が進入しやすく設定された状態とは、具体的には、始動入賞口14が開状態となる頻度が高められ遊技球が入賞しやすさが通常状態よりも向上した状態(高ベース状態)のことである。また、この実施の形態では、通常の確変大当り(突然確変以外の15ラウンドの確変大当り)の大当り遊技状態終了後には、大当り遊技状態終了後に特別図柄の停止図柄が大当り図柄となる確率が第1高確率状態と同一でありかつ第1高確率状態より始動領域に遊技媒体が進入しやすく設定された第2高確率状態に制御される。
また、この実施の形態では、いわゆる小当り(各ラウンドの演出が順に進行していくのではなく、突然、大入賞口が短時間だけ開放する特別な演出を行う当り)に移行されることがある。小当り遊技状態に移行すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口を第2遊技状態と同一期間かつ第2遊技状態と同一の回数で第1状態に変化させることにより終了し、小当り遊技状態終了後の遊技状態として小当り遊技状態開始直前の遊技状態が継続されるように制御する。
大入賞口開放前処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞球装置を開状態にして大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に応じた値(この例では5)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口開放前処理を実行することによって特定遊技状態移行制御手段を実現している。また、特定遊技状態移行制御手段は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が大当り表示処理を実行することによって実現されると定義してもよい。すなわち、特定遊技状態が開始される時点を、大当りの発生を報知するための演出が開始される時点であるとしてもよい。この場合、可変表示装置9に表示結果として特定表示結果を導出表示する時点からの特定時間は、大当り図柄が表示されている期間に相当する。
大入賞口開放中処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に応じた値(この例では6)に更新する。
大当り終了処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS307:特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞球装置を開状態にして大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって小当り開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に応じた値(この例では8)に更新する。なお、小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に移行するように更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に応じた値(この例では9)に更新する。
小当り終了処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。小当り遊技状態を終了するための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値(この例では0)に更新する。
図27および図28は、演出制御用マイクロコンピュータ100に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図27に示す例において、コマンド8000(H)〜800B(H)は、特別図柄の可変表示に対応して可変表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8000(H)〜800B(H)のいずれかを受信すると、可変表示装置9において飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C00(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果をはずれとすることを指定する演出制御コマンド(はずれ指定コマンド)である。コマンド8C01(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を通常大当りとすることを指定する演出制御コマンド(通常大当り指定コマンド)である。コマンド8C02(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を確変大当りとすることを指定する演出制御コマンド(確変大当り指定コマンド)である。
コマンド8C03(H)は、可変表示装置9の表示結果が確変大当り図柄であることを指定するとともに、15ラウンドの大当り遊技のラウンド中に確変昇格演出を実行することを指定する演出制御コマンド(ラウンド中確変昇格付き確変大当り指定コマンド)である。コマンド8C04(H)は、可変表示装置9の表示結果が確変大当り図柄であることを指定するとともに、15ラウンドの大当り遊技の終了後に確変昇格演出を実行することを指定する演出制御コマンド(大当り終了後確変昇格付き確変大当り指定コマンド)である。コマンド8C05(H)は、可変表示装置9の表示結果が確変大当り図柄であることを指定するとともに、15ラウンドの大当り遊技のラウンド中および大当り遊技の終了後に確変昇格演出を実行することを指定する演出制御コマンド(確変昇格付き確変大当り指定コマンド)である。
「確変昇格演出」とは、可変表示装置9に確変図柄が導出表示されることが事前に決定されている場合において、可変表示装置9において左中右の飾り図柄を同一の非確変図柄(非確変図柄が一般的であるが、はずれ図柄であってもよい)が揃った状態で導出表示し、大当り遊技の開始後に確変大当りに昇格するか否かを報知する演出をいう。なお、この実施の形態では、大当り遊技のラウンド中と大当り遊技の終了後のエンディング演出において確変昇格演出が行われる。以下、大当り遊技のラウンド中に実行される確変昇格演出をラウンド中昇格演出ともいい、大当り遊技の終了後のエンディング演出において実行される確変昇格演出を大当り後昇格演出ともいう。また、この実施の形態では、大当り遊技の終了時のエンディング演出において確変昇格演出を実行することを、大当り後に確変昇格演出を実行するともいう。確変昇格演出の詳細な内容については後述する。
コマンド8C06(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を突然確変大当りとすることを指定する演出制御コマンド(突然確変大当り指定コマンド)である。コマンド8C07(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を小当りとすることを指定する演出制御コマンド(小当り指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、後述するように、飾り図柄の可変表示の表示結果を小当りとすると決定された場合、飾り図柄の可変表示の表示結果を突然確変大当りとすると決定された場合と同じ図柄が導出表示される。例えば、確変大当りと決定された場合と小当りと決定された場合とで、飾り図柄の停止図柄として同じ「123」の図柄が導出表示される。
以下、はずれ指定コマンド、通常大当り指定コマンド、確変大当り指定コマンド、ラウンド中確変昇格付き確変大当り指定コマンド、大当り終了後確変昇格付き確変大当り指定コマンド、確変昇格付き確変大当り指定コマンド、突然確変大当り指定コマンドおよび小当り指定コマンドを、表示結果コマンドということがある。
コマンド8F00(H)は、飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンド(飾り図柄停止指定コマンド)である。また、コマンド9500(H)は、遊技状態が通常状態であるときに送信される演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)であり、コマンド9501(H)は、確変大当り後に遊技状態が高確率状態であるときに送信される演出制御コマンド(高確率状態背景指定コマンド)である。コマンド9502(H)は、突然確変大当り後に遊技状態が高確率状態であるときに送信される演出制御コマンド(突然確変状態背景指定コマンド)である。以下、9500(H)〜9502(H)の演出制御コマンドを背景指定コマンドという。演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した背景指定コマンドに応じて、可変表示装置9に表示する背景の種類を選択する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンドである。
コマンドAXXX(H)(X=任意の16進数)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される演出制御コマンドである。そのうち、A000(H)は、通常大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(通常大当り開始指定コマンド:第1ファンファーレ指定コマンド)である。A001(H)は、確変大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(確変大当り開始指定コマンド:第2ファンファーレ指定コマンド)である。A002(H)は、突然確変大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(突然確変大当り開始指定コマンド:第3ファンファーレ指定コマンド)である。A003(H)は、確変大当り遊技を開始すること、および大当り遊技のラウンド中に確変昇格演出を実行することを指定する演出制御コマンド(ラウンド中確変昇格付き確変大当り開始指定コマンド:第4ファンファーレ指定コマンド)である。A004(H)は、確変大当り遊技を開始すること、および大当り遊技終了後のエンディング演出において確変昇格演出を実行することを指定する演出制御コマンド(大当り終了後確変昇格付き確変大当り開始指定コマンド:第5ファンファーレ指定コマンド)である。A005(H)は、確変大当り遊技を開始すること、および大当り遊技のラウンド中と大当り遊技終了後のエンディング演出において確変昇格演出を実行することを指定する演出制御コマンド(確変昇格付き確変大当り開始指定コマンド:第6ファンファーレ指定コマンド)である。
コマンドA1XX(H)は、大当り遊技中のラウンド中の表示を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中表示コマンド)である。なお、「XX」に表示するラウンド数が設定される。コマンドA2XX(H)は、大当り遊技中のラウンド後の表示(ラウンド間のインターバルの表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後表示コマンド)である。
A300(H)は、通常大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(通常大当り終了指定コマンド:第1エンディング指定コマンド)である。A301(H)は、確変大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(確変大当り終了指定コマンド:第2エンディング指定コマンド)である。A302(H)は、突然確変大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(突然確変大当り終了指定コマンド:第3エンディング指定コマンド)である。A303(H)は、確変大当り遊技を終了すること、および大当り遊技のラウンド中に確変昇格演出を実行したことを指定する演出制御コマンド(ラウンド中確変昇格付き確変大当り終了指定コマンド:第4エンディング指定コマンド)である。A304(H)は、確変大当り遊技を終了すること、および大当り遊技終了後のエンディング演出において確変昇格演出を実行することを指定する演出制御コマンド(大当り終了後確変昇格付き確変大当り終了指定コマンド:第5エンディング指定コマンド)である。A305(H)は、確変大当り遊技を終了すること、および大当り遊技のラウンド中に確変昇格演出を実行したことと、大当り遊技終了後のエンディング演出において確変昇格演出を実行することを指定する演出制御コマンド(確変昇格付き確変大当り終了指定コマンド:第6エンディング指定コマンド)である。
A600(H)は、小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(小当り開始指定コマンド:第7ファンファーレ指定コマンド)である。
コマンドC0XX(H)は、保留記憶数を指定する演出制御コマンド(演出記憶情報指定コマンド)である。そのうち、コマンドC000(H)は、保留記憶数が0であることを指定する演出制御コマンド(演出記憶情報0指定コマンド)である。コマンドC001(H)は、保留記憶数が1であることを指定する演出制御コマンド(演出記憶情報1指定コマンド)である。コマンドC002(H)は、保留記憶数が2であることを指定する演出制御コマンド(演出記憶情報2指定コマンド)である。コマンドC003(H)は、保留記憶数が3であることを指定する演出制御コマンド(演出記憶情報3指定コマンド)である。コマンドC004(H)は、保留記憶数が4であることを指定する演出制御コマンド(演出記憶情報4指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図27および図28に示された内容に応じて可変表示装置9の表示状態を変更するとともに、ランプの表示状態を変更し、音声出力基板70に対して音番号データを出力する。なお、図27および図28に示された演出制御コマンド以外の演出制御コマンドも主基板31から演出制御基板80に送信される。例えば、大当り遊技に関するより詳細な演出制御コマンドや遊技状態を示す演出制御コマンド(例えば、初期化コマンドを示す演出制御コマンド)も主基板31から演出制御基板80に送信される。
図29は、この実施の形態で用いられる特別図柄および飾り図柄の変動パターン(変動時間)の一例を示す説明図である。図29において、「EXT」とは、2バイト構成の飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「時間」は特別図柄および飾り図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。
この例では、特別図柄および飾り図柄の変動パターンとして、はずれにするか否か、大当りにするか否か、リーチにするか否か、リーチにする場合のリーチ態様、飾り図柄の可変表示中に再抽選演出を実行するか否か、突然確変大当りにするか否か、小当りにするか否かなど、各種の演出態様の違いに応じて複数種類用意されている。なお、この実施の形態では、リーチ演出は、飾り図柄の変動表示を行う可変表示装置9を用いて行う。
EXTデータが「00(H)」〜「03(H)」である変動パターンは、はずれ変動時に用いられる変動パターンである。また、EXTデータが「04(H)」〜「09(H)」である変動パターンは、大当り変動時(確変大当りおよび通常大当りの両方を含む)に用いられる変動パターンである。また、EXTデータが「0A(H)」である変動パターンは、突然確変大当り時に用いられる変動パターンである。また、EXTデータが「0B(H)」である変動パターンは、小当り時に用いられる変動パターンである。なお、大当り変動時に用いられる変動パターンのうち、EXTデータが「07(H)」〜「09(H)」である変動パターンは、飾り図柄の可変表示中に再抽選演出を実行することを指定する変動パターンである。
なお、「通常変動」とは、リーチ態様を伴わない変動パターンである。「リーチA」は、「リーチB」および「リーチC」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。「リーチB」は、「リーチA」および「リーチC」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。「リーチC」は、「リーチB」および「リーチC」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。また、リーチ態様が異なるとは、リーチ変動時間において異なった態様の変動態様(速度や回転方向等)やキャラクタ等が現れることをいう。
また、図29に示すように、突然確変大当りと決定した場合と小当りと決定した場合とで、変動時間が同じ10秒である変動パターンを用いる。そのようにすることによって、突然確変大当りのときも小当りのときも特別図柄を同じ10秒間だけ変動表示させるようにし、変動表示を見ただけでは突然確変であるか否かを認識できないようにすることができる。なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100も、突然確変大当りまたは小当りを指定する変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて、可変表示装置9において飾り図柄を同じ10秒間だけ変動表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、突然確変大当りのときも小当りのときも同じ態様(例えば、同じ背景色)を用いて飾り図柄の変動表示を実行する。
図30は、始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、始動入賞カウンタが示す始動入賞記憶数(または特図保留メモリ570が記憶している始動入賞記憶数)が最大値である4に達しているかどうか確認する(ステップS3201)。始動入賞記憶数が4に達していなければ、CPU56は、タイマ割込処理を実行した回数を示す割込回数カウンタの値を1加算する(ステップS3201a)。すなわち、CPU56は、タイマ割込処理を実行した回数をカウントする処理を実行する。この実施の形態では、CPU56は、ステップS3201aを実行することによって、タイマ割込処理を実行するごとに、タイマ割込処理を実行した回数を示す割込回数カウンタをカウントアップする。割込回数カウンタの値を1加算すると、CPU56は、割込実行回数カウンタに示されるタイマ割込処理の実行回数が所定回数(例えば、3回)に達しているか否かを確認する(ステップS3202)。そして、CPU56は、遊技球が始動入賞口14に入賞したあと、割込実行回数カウンタが所定回数に達しているか否かを確認する。なお、遊技球が始動入賞口14に入賞したことを検出すると(すなわち、ステップS3202でYESと判定すると)、CPU56は、割込実行回数カウンタをリセットする。
ステップS3202において所定回数としてあらかじめ設定される値は、以下のように定められる。前述のように、乱数回路503のタイマ回路534は、始動口スイッチ14aから入賞検出信号SSが継続して入力されている時間を計測し、計測時間が所定期間になったことを検出すると、乱数値取り込みデータ「01h」を書き込む。この実施の形態では、タイマ回路534が計測する所定期間(例えば、3ms)が、所定回数のタイマ割込処理が実行される期間(例えば、2msごとのタイマ割込処理を3回実行する場合は6ms)よりも短くなるように、ステップS3202において用いる所定回数(例えば、3回)が設定される。そのように設定することによって、乱数を読み出してから、乱数値記憶回路531に記憶される乱数の値が更新される前に再び乱数を読み出してしまうことを防止することができ、前回乱数値記憶回路531から読み出した乱数と同じ値の乱数を再び読み出してしまうことを防止することができる。なお、タイマ回路534が入賞検出信号SSの入力時間を計測するのでなく、CPU56が入賞検出信号SSの入力時間を計測し、乱数値取り込みデータ「01h」を乱数値取込レジスタ539に書き込むようにしてもよい。
タイマ割込処理の実行回数が所定回数に達している場合、CPU56は、始動入賞カウンタのカウント数を1加算することで始動入賞記憶数を1増やす(ステップS3203)。そして、CPU56は、特定した乱数回路503の乱数値記憶回路531に出力制御信号SCを出力し、乱数値記憶回路531を読出可能(イネイブル)状態に制御する(ステップS3204)。
CPU56は、乱数回路503の乱数値記憶回路531から、乱数値として記憶されているランダムRの値を読み出す(ステップS3205)。また、CPU56は、読み出したランダムRの値を、始動入賞記憶数の値に対応した保存領域(特別図柄判定用バッファ(特図保留メモリ570))に格納する(ステップS3206)。また、CPU56は、ランダムRの値をバッファ領域に格納すると、乱数値記憶回路531への出力制御信号SCの出力を停止し、乱数値記憶回路531を読出不能(ディセイブル)状態に制御する(ステップS3207)。また、CPU56は、割込実行回数カウンタをリセットする(ステップS3208)。そして、CPU56は、所定のバッファ領域に格納したランダムRの値を特図保留メモリ570の空エントリの先頭にセットする(ステップS3209)。
また、CPU56は、判定用乱数や表示用乱数などの各乱数(ソフトウェア乱数)の値を抽出し、それらを始動入賞記憶数の値に対応した保存領域(特別図柄判定用バッファ)に格納する(ステップS3210)。なお、乱数を抽出するとは、乱数を生成させるためのカウンタからカウント値を読み出して、読み出したカウント値を乱数値とすることである。
次いで、CPU56は、ステップS3203で更新した始動入賞記憶カウンタの値に応じて、演出記憶情報指定コマンドを送信する(ステップS3211)。この場合、CPU56は、更新後の保留記憶数が1である場合には演出記憶情報1指定コマンドを送信し、更新後の保留記憶数が2である場合には演出記憶情報2指定コマンドを送信し、更新後の保留記憶数が3である場合には演出記憶情報3指定コマンドを送信し、更新後の保留記憶数が4である場合には演出記憶情報4指定コマンドを送信する。
ステップS3201において始動入賞記憶するが最大値である4に達している場合、およびステップS3202においてタイマ割込処理の実行回数が所定回数に達してない場合、そのまま始動口スイッチ通過処理を終了する。
以上のように、始動口スイッチ通過処理において、乱数値記憶回路531からランダムRを読み出すにあたって、タイマ割込処理が所定回数実行されたこと(すなわち、タイマ割込処理が所定回数実行される間継続して入賞検出信号SSが入力されたこと)を条件に、乱数値記憶回路531から乱数を読み出す。そのため、乱数を読み出してから、乱数値記憶回路531に記憶される乱数の値が更新される前に再び乱数を読み出してしまうことを防止することができる。また、前回乱数値記憶回路531から読み出した乱数と同じ値の乱数を再び読み出してしまうことを防止することができる。
次に、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)について説明する。図31および図32は、特別図柄通常処理を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、特別図柄の変動を開始することができる状態(例えば特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合)には(ステップS1501)、始動入賞記憶数(保留記憶数)の値を確認する(ステップS1502)。具体的には、始動入賞記憶カウンタのカウント値を確認する。なお、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、可変表示装置9において図柄の変動がなされていず、かつ、大当り遊技中でもない場合である。
ステップS1501で変動開始不可能である場合や、ステップS1502で保留記憶数が0である場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、デモ表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1503)。デモ表示フラグとは、客待ちデモンストレーションの演出が実行されていることを示すフラグである。セットされていれば、そのまま特別図柄通常処理を終了する。セットされていなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、デモ表示フラグをセットし(ステップS1504)、デモ表示コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS1505)。
ステップS1502で保留記憶数が0でなければ、保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値(ランダムRや各判定用乱数、表示用乱数)を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS1506)、保留記憶数の値を1減らし(始動入賞記憶カウンタの値を1減らし)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS1507)。すなわち、保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする処理を実行する。
なお、ステップS1507において始動入賞記憶カウンタの値が更新(RAMに設けられた所定の作業領域の値が更新)されたことにもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御コマンド制御処理(ステップS29)において、演出記憶情報指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、更新後の保留記憶数が0である場合には演出記憶情報0指定コマンドを送信し、更新後の保留記憶数が1である場合には演出記憶情報1指定コマンドを送信し、更新後の保留記憶数が2である場合には演出記憶情報2指定コマンドを送信し、更新後の保留記憶数が3である場合には演出記憶情報3指定コマンドを送信する。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから大当り判定用乱数を読み出し(ステップS1508)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS1509)。大当り判定モジュールは、大当り判定用乱数が、あらかじめ決められている大当り判定値と一致したら大当りとすることに決定するプログラムである。
大当りとしないことに決定した場合には(ステップS1510のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから大当り判定用乱数を読み出し(ステップS1515)、小当り判定用モジュールを実行する(ステップS1516)。小当り判定モジュールは、大当り判定用乱数が、あらかじめ決められている小当り判定値と一致したら小当りとすることに決定するプログラムである。なお、この実施の形態では、大当りとするか否かを判定する場合と小当りとするか否かを判定する場合とで、共通の大当り判定用乱数を用いる場合を説明するが、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、小当り専用の判定用乱数(小当り判定用乱数)を用いて小当りとするか否かを決定してもよい。
小当りとすることに決定した場合には(ステップS1517)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、小当りフラグをセットする(ステップS1518)。なお、小当りフラグは、小当りとすることを決定したことを示すフラグである。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、小当りを示す演出指定値を演出図柄情報バッファにセットする(ステップS1519)。小当りとしないことに決定した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、はずれを示す演出指定値を演出図柄情報バッファにセットする(ステップS1520)。そして、ステップS1521に移行する。
ステップS1521では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、背景表示指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS1521)。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する高確率フラグおよび高ベースフラグがセットされているか否かを確認し、高確率フラグおよび高ベースフラグが両方ともセットされていれば、高確率状態背景指定コマンド(図27に示すコマンド9501(H))を送信し、高確率フラグのみセットされていれば、突然確変状態背景指定コマンド(図27に示すコマンド9502(H))を送信する。また、高確率フラグおよび高ベースフラグのいずれもセットされていなければ、通常状態背景指定コマンド(図27に示すコマンド9500(H))を送信する。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)を示す値に更新する(ステップS1522)。
ステップS1510で大当りとすることに決定した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りフラグをセットする(ステップS1511)。大当りフラグは、大当りとすることを決定したことを示すフラグである。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りと決定した場合の特別図柄の停止図柄を決定するとともに大当りの種別を決定するための大当り図柄設定用テーブルをロードする(ステップS1512)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから、大当りと決定した場合の特別図柄の停止図柄および大当りの種別を決定するための大当り決定用乱数を読み出す(ステップS1513)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り図柄設定用テーブルと大当り決定用乱数とにもとづいて、特別図柄の停止図柄および大当りの種別を決定する(ステップS1514)。
図33は、大当り図柄設定用テーブルの例を示す説明図である。図33に示すように、大当り図柄設定用テーブルは、大当り決定用乱数の乱数値と、特別図柄の停止図柄と、大当りの種類とを対応付けて含む。ステップS1514では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り決定用乱数の乱数値に応じて、図33に示す設定内容に従って、特別図柄の停止図柄を「0」〜「99」のいずれかに決定する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り決定用乱数の乱数値に応じて、図33に示す設定内容に従って、通常大当り、確変大当り、突然確変大当りのいずれかの大当りの種別を決定する。さらに、確変大当りとする場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、図33に示す設定内容に従って、確変昇格演出の実行の有無や、確変昇格演出の実行タイミング(ラウンド中、エンディング、またはラウンド中とエンディングの両方)を決定する。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、決定した大当りの種別が確変大当りでなければ(ステップS1523のN)、決定した大当りの種別が突然確変大当りであるか否かを確認する(ステップS1524)。そして、突然確変大当りであれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変大当りとすることを決定したことを示す突然確変大当りフラグをセットする(ステップS1524a)とともに、突然確変大当りを示す演出指定値を演出図柄情報バッファにセットする(ステップS1525)。突然確変大当りでもなければ、通常大当りを示す演出指定値を演出図柄情報バッファにセットする(ステップS1526)。
決定した大当りの種別が確変大当りであれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変大当りと決定したことを示す確変大当りフラグをセットする(ステップS1527)。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変昇格演出を実行すると決定されたか否かを確認し(ステップS1528)、確変昇格演出を実行しない場合には、確変大当り(確変昇格演出なし)を示す演出指定値を演出図柄情報バッファにセットする(ステップS1529)。
確変昇格演出する場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変昇格演出の実行タイミングが大当り遊技のラウンド中であるか否かを確認する(ステップS1530)。大当り遊技のラウンド中であれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ラウンド中昇格演出の実行を示すとともに確変大当りを示す演出指定値を演出図柄情報バッファにセットする(ステップS1531)。また、ラウンド中昇格演出を実行することを示すラウンド中昇格フラグをセットする(ステップS1532)。
ステップS1530で大当り遊技のラウンド中でなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変昇格演出の実行タイミングが大当り遊技終了後のエンディング中であるか否かを確認する(ステップS1533)。大当り遊技終了後のエンディング中であれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り後昇格演出の実行を示すとともに確変大当りを示す演出指定値を演出図柄情報バッファにセットする(ステップS1534)。また、大当り後昇格演出を実行することを示す大当り後昇格フラグをセットする(ステップS1535)。
ステップS1533で大当り遊技終了後のエンディング中でもなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ラウンド中昇格演出および大当り後昇格演出の両方の実行を示すとともに確変大当りを示す演出指定値を演出図柄情報バッファにセットする(ステップS1536)。また、ラウンド中昇格演出および大当り後昇格演出の両方を実行することを示す昇格フラグをセットする(ステップS1537)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS1521に移行し、背景表示指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS1521)とともに、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)を示す値に更新する(ステップS1522)。
なお、この実施の形態では、ステップS1514において、大当り図柄設定用テーブルを用いて大当りの種別を一括して決定する場合を説明したが、別々の乱数を用いて大当りの種別を別々に決定するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変決定用乱数を用いて確変とするか否かを決定するとともに、確変決定用乱数とは別に突然確変決定用乱数を用いて突然確変とするか否かを決定してもよい。また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変昇格演出決定用乱数を用いて確変昇格演出を実行するか否かを決定してもよい。
図34は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS201)。大当りフラグがセットされているときは、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS204)。大当りフラグがセットされていなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS202)。小当りフラグがセットされていれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、小当り用の変動パターン(図29に示すEXTデータが「0B(H)」の変動パターン)を用いることに決定する。小当りフラグもセットされていなければ、はずれ用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS205)。
大当り用変動パターン決定テーブルには、予め図29に示した大当りのときに選択される変動パターン(「04(H)」〜「0A(H)」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。また、はずれ用変動パターン決定テーブルには、予め図29に示したはずれのときに選択される変動パターン(「00(H)」〜「03(H)」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから変動パターン決定用乱数を読み出し、読み出した変動パターン決定用乱数の値にもとづいて、大当り用変動パターン決定テーブルまたははずれ用変動パターン決定テーブルを用いて飾り図柄の変動パターンを決定する(ステップS206)。具体的には、変動パターン決定用乱数値と一致する判定値に対応した変動パターンが可変表示装置9にて実行される飾り図柄の変動パターンと決定される。なお、大当りのうち突然確変大当りとすることが決定されている場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変大当り用の変動パターン(図29に示すEXTデータが「0A(H)」の変動パターン)を用いることに決定する。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、決定された変動パターン(変動時間)に応じた変動パターン指定値を演出図柄変動パターンバッファにセットする(ステップS207)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(ステップS208)。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS207で変動パターン指定値を演出図柄変動パターンバッファにセットし、ステップS208でコマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタにセットしたことにもとづいて、後述する演出制御コマンド制御処理において、まず、コマンド送信テーブルの先頭アドレスに対応する演出図柄変動パターンバッファにセットされた変動パターン指定値にもとづいて変動パターンコマンドを送信する。そして、演出制御コマンド制御処理において、コマンド送信テーブルを指すアドレスを1ずつ加算していくことによって、図46に示すコマンド送信テーブルに従って、変動パターンコマンド、表示結果コマンドおよび演出記憶情報コマンドの順にコマンド送信を行うことになる。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスタイマに変動時間をセットする(ステップS209)。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に応じた値に更新する(ステップS210)。
図35は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動処理(ステップS302)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、まず、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS351)。そして、特別図柄プロセスタイマがタイムアップしているかどうかを確認し(すなわち特別図柄プロセスタイマの値が0であるか否かを確認し)、タイムアップしていなければ(ステップS352のN)、そのまま特別図柄変動処理を終了する。特別図柄プロセスタイマがタイムアップしていれば(ステップS352のY)、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に応じた値に更新する(ステップS353)。
図36および図37は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動停止処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動停止処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄表示器8における特別図柄の変動を止めて、停止図柄を導出表示する(ステップS1301)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変表示装置9における飾り図柄の変動の停止を指定する飾り図柄変動停止指定コマンド(8F00(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1302)。そして、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1303)。
大当りフラグがセットされていれば(ステップS1303のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1304)。セットされていれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口の開放/閉鎖を制御するための時間を計測する大入賞口制御タイマに、突然確変大当り図柄を停止表示した後に突然確変大当り遊技が開始されることを遊技者に報知する演出(ファンファーレ演出)の実行時間(突然確変大当り表示時間(例えば5秒))をセットする(ステップS1307)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変大当り開始指定コマンド(第3ファンファーレ指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS1306)。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に応じた値に更新する(ステップS1316)。
突然確変大当りフラグがセットされていなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口の開放/閉鎖を制御するための時間を計測する大入賞口制御タイマに、大当り図柄を停止表示した後に大当り遊技が開始されることを遊技者に報知する演出(ファンファーレ演出)の実行時間(大当り表示時間(例えば、3秒))をセットする(ステップS1307)。なお、通常の大当り(15ラウンドの大当り)のときと突然確変大当り(2ラウンドの大当り)のときとで同じ表示時間をセットするように構成されていてもよい。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ラウンド中昇格フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1308)。セットされていれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ラウンド中確変昇格付き確変大当り開始指定コマンド(第4ファンファーレ指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS1309)。そして、ステップS1315に移行する。
ラウンド中昇格フラグがセットされていなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り後昇格フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1310)。セットされていれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り終了後確変昇格付き確変大当り開始指定コマンド(第5ファンファーレ指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS1311)。そして、ステップS1315に移行する。
大当り後昇格フラグがセットされていなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、昇格フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1312)。セットされていれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変昇格付き確変大当り開始指定コマンド(第6ファンファーレ指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS1313)。そして、ステップS1315に移行する。
昇格フラグもセットされていなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変大当り開始指定コマンド(第2ファンファーレ指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS1314)。そして、ステップS1315に移行する。
ステップS1315では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変フラグおよび高ベースフラグをリセットし(ステップS1315)。内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に応じた値に更新する(ステップS1316)。
ステップS1303で大当りフラグがセットされていなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1317)。セットされていなければ、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値に更新する(ステップS1321)。
小当りフラグがセットされていれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口の開放/閉鎖を制御するための時間を計測する大入賞口制御タイマに、小当り表示時間をセットする(ステップS1318)。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変大当り表示時間(例えば5秒)と同じ時間を大入賞口制御タイマにセットする。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、小当り開始指定コマンド(第7ファンファーレ指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS1319)。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に応じた値に更新する(ステップS1320)。
図38は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(ステップS304)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS401)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認し(ステップS402)、その値が0になっていなければ(ステップS402のN)、そのまま処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっていれば(ステップS402のY)、突然確変大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS403)。
突然確変大当りフラグがセットされていなければ(ステップS403のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放中表示コマンド(A1XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS404)。なお、ラウンド数は、大当り遊技中のラウンド数をカウントするラウンド数カウンタの値を確認することにより認識する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(開閉板20)を開放する制御を行うとともに(ステップS405)、ラウンド数カウンタの値を+1する(ステップS406)。なお、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられており、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS405において出力ポートのRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を、駆動するソレノイドの開閉状態に応じて設定する。そして、ステップS32のソレノイド出力処理において出力ポートのRAM領域に設定された内容を出力ポートに出力する。これにより、駆動指令の信号が出力ポートからソレノイド回路59に出力される。ソレノイド回路59は、駆動指令の信号に応じてソレノイドを駆動するための駆動信号をソレノイドに出力して、ソレノイドを駆動させる。以下、ソレノイドを開閉駆動させる処理では、このような動作が行われる。
また、大入賞口制御タイマに、15ラウンドの大当りにおける各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間(15ラウンド用のラウンド時間)セットする(ステップS407)。なお、15ラウンド用のラウンド時間は、例えば29.5秒とされる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に応じた値に更新する(ステップS411)。
ステップS403において突然確変大当りフラグがセットされていたときには(ステップS403のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口開放中表示コマンド(A1XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS408)。また、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放するとともに(ステップS409)、ラウンド数カウンタの値を+1する(ステップS410)。また、大入賞口制御タイマに、2ラウンドの大当りにおける各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間(2ラウンド用のラウンド時間)をセットする(ステップS411)。なお、2ラウンド用のラウンド時間は、極めて短い時間であり、例えば0.1秒とされている。従って、2ラウンドの大当り(突然確変大当り)では、ラウンド中に大入賞口へ遊技球が入賞する可能性が低い。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に応じた値に更新する(ステップS412)。
図39および図40は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放中処理(ステップS305)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS421)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマの値が0であるかどうかを確認する(ステップS422)。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは(ステップS422のN)、カウントスイッチ23がオンしたか否かを確認することにより、大入賞口への遊技球の入賞があったかどうかを確認する(ステップS423)。カウントスイッチ23がオンしていなければ(ステップS423のN)、そのまま処理を終了する。カウントスイッチ23がオンしていれば(ステップS423のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口への遊技球の入賞個数をカウントする入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS424)。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入賞個数カウンタの値が所定数(例えば10個)になっているか否かを確認する(ステップS426)。入賞個数カウンタの値が所定数になっていなければ(ステップS426のN)、そのまま処理を終了する。
大入賞口制御タイマの値が0になっているとき(ステップS422のY)、または入賞個数カウンタの値が所定数になっているとき(ステップS426のY)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(開閉板20)を閉鎖する制御を行う(ステップS427)。そして、入賞個数カウンタの値をクリアする(0にする)(ステップS428)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS429)。突然確変大当りフラグがセットされていれば(ステップS429のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ラウンド数カウンタの値が2になっているかどうかを確認する(ステップS430)。
ラウンド数カウンタの値が2になっていなければ(ステップS430のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放後表示指定コマンド(A2XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS432)。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに、2ラウンドの大当り中においてラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(2ラウンド用のインターバル時間)をセットし(ステップS433)、特別図柄プロセスフラグの値をステップS304(大入賞口開放前処理)に応じた値に更新する(ステップS434)。なお、2ラウンド用のインターバル時間は、極めて短い時間であり、例えば0.1秒とされている。
ラウンド数カウンタの値が2になっていれば(ステップS430のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、2ラウンドの確変大当りの終了を表示することを指定するエンディング3コマンド(A302(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS431)。そして、大入賞口制御タイマに大当り終了を遊技者に報知する演出(エンディング演出)の実行時間(大当り終了時間)をセットし(ステップS448)、特別図柄プロセスフラグの値をステップS306(大当り終了処理)に応じた値に更新する(ステップS449)。なお、ステップS448において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り終了後のエンディング演出において確変昇格演出を実行することを決定している場合には、確変昇格演出を実行しないと決定したときと比較して長い実行時間を大当り終了時間としてセットする。例えば、確変昇格演出を実行しない場合に大当り終了時間(5秒)をセットする場合、確変昇格演出を実行すると決定した場合には大当り終了時間(10秒)をセットするようにしてもよい。そのようにすれば、大当り終了後のエンディング演出において確変昇格演出を実行する実行期間を確保することができる。
突然確変大当りフラグがセットされていなければ(ステップS429のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ラウンド数カウンタの値が15であるか否かを確認する(ステップS435)。ラウンド数カウンタの値が15でないときは(ステップS435のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放後表示指定コマンド(A2XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS436)。そして、大入賞口制御タイマに、15ラウンドの大当り中においてラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(15ラウンド用のインターバル時間)をセットし(ステップS437)、特別図柄プロセスフラグの値をステップS304(大入賞口開放前処理)に応じた値に更新する(ステップS438)。なお、15ラウンド用のインターバル時間は、例えば5秒とされる。
ラウンド数カウンタの値が15であるときは(ステップS435のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ラウンド中昇格フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS439)。セットされていれば、ラウンド中確変昇格付き確変大当り終了指定コマンド(第4エンディング指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS440)。
ラウンド中昇格フラグがセットされていなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り後昇格フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS441)。セットされていれば、大当り終了後確変昇格付き確変大当り終了指定コマンド(第5エンディング指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS442)。
大当り後昇格フラグがセットされていなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、昇格フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS443)。セットされていれば、確変昇格付き確変大当り終了指定コマンド(第6エンディング指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS444)。
昇格フラグがセットされていなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS445)。セットされていれば、確変大当り終了指定コマンド(第2エンディング指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS446)。セットされていなければ、通常大当り終了指定コマンド(第1エンディング指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS447)。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、上記したのと同様に、大入賞口制御タイマに大当り終了時間をセットし(ステップS448)、特別図柄プロセスフラグの値をステップS306(大当り終了処理)に応じた値に更新する(ステップS449)。なお、ステップS448において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り終了後のエンディング演出において確変昇格演出を実行することを決定している場合には、確変昇格演出を実行しないと決定したときと比較して長い実行時間を大当り終了時間としてセットする。例えば、確変昇格演出を実行しない場合に大当り終了時間(5秒)をセットする場合、確変昇格演出を実行すると決定した場合には大当り終了時間(10秒)をセットするようにしてもよい。そのようにすれば、大当り終了後のエンディング演出において確変昇格演出を実行する実行期間を確保することができる。
図41は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS306)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS451)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認する(ステップS452)。大入賞口制御タイマの値が0でなければ(ステップS452のN)、そのまま処理を終了する。
大入賞口制御タイマの値が0になっていれば(ステップS452のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS453)。確変大当りフラグがセットされていれば(ステップS453のY)、遊技状態が高確率状態であることを示す高確率フラグをセットする(ステップS454)とともに高ベース状態であることを示す高ベースフラグをセットする(ステップS455)。すなわち、この実施の形態では、遊技状態が確変状態に移行されると、大当り遊技終了後に特別図柄の停止図柄が大当り図柄となる確率が通常状態よりも向上した状態である高確率状態に移行されるとともに、始動入賞口14への遊技球の入賞のしやすさが通常状態よりも向上した状態である高ベース状態に移行される。
確変大当りフラグがセットされていなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS456)。セットされていれば、高確率フラグをセットする(ステップS457)。すなわち、この実施の形態では、遊技状態が突然確変状態に移行されると、高確率状態にのみ移行され、高ベース状態には移行されない(前述した第1高確率状態)。なお、突然確変状態に移行する場合であっても、遊技状態を高確率状態に移行するとともに高ベース状態に移行するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS457において、高確率フラグをセットするとともに、高ベースフラグもセットすることになる。なお、突然確変状態において高確率状態に移行するとともに高ベース状態にも移行する場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り判定を行うのみで小当りの判定を行わないように制御する。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りフラグをリセットする(ステップS458)。そして、確変大当りフラグや突然確変大当りフラグがセットされている場合は、その確変大当りフラグや突然確変大当りフラグをリセットする(ステップS459)。また、ラウンド中昇格フラグや大当り後昇格フラグ、昇格フラグがセットされている場合は、そのラウンド中昇格フラグや大当り後昇格フラグ、昇格フラグをリセットする(ステップS460)。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、内部状態(特別図柄プロセスフラグの値)をステップS300(特別図柄通常処理)に応じた値に更新する(ステップS461)。
図42は、特別図柄プロセス処理における小当り開放前処理(ステップS307)を示すフローチャートである。小当り開放前処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS1401)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認し(ステップS1402)、その値が0になっていなければ(ステップS1402のN)、そのまま処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっていれば(ステップS1402のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放するとともに(ステップS1403)、ラウンド数カウンタの値を+1する(ステップS1404)。また、大入賞口制御タイマに、2ラウンドの小当りにおける各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間(2ラウンドの小当り用のラウンド時間)をセットする(ステップS1405)。なお、ステップS1405において、ラウンド時間として、突然確変大当りにおいてセットされるラウンド時間と同じ時間がセットされる。また、小当り用のラウンド時間は、極めて短い時間であり、例えば0.1秒とされている。従って、2ラウンドの小当りでは、ラウンド中に大入賞口へ遊技球が入賞する可能性が低い。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に応じた値に更新する(ステップS1406)。
図43は、特別図柄プロセス処理における小当り開放中処理(ステップS308)を示すフローチャートである。小当り開放中処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS1421)。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマの値が0であるかどうかを確認し(ステップS1422)、大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは(ステップS1422のN)、カウントスイッチ23がオンしたか否かを確認することにより、大入賞口への遊技球の入賞があったかどうかを確認する(ステップS1423)。カウントスイッチ23がオンしていなければ(ステップS1423のN)、そのまま処理を終了する。カウントスイッチ23がオンしていれば(ステップS1423のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口への遊技球の入賞個数をカウントする入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS1424)。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入賞個数カウンタの値が所定数(例えば10個)になっているか否かを確認する(ステップS1425)。入賞個数カウンタの値が所定数になっていなければ(ステップS1425のN)、そのまま処理を終了する。
大入賞口制御タイマの値が0になっているとき(ステップS1422のY)、または入賞個数カウンタの値が所定数になっているとき(ステップS1425のY)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(開閉板20)を閉鎖する制御を行う(ステップS1426)。そして、入賞個数カウンタの値をクリアする(0にする)(ステップS1427)。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ラウンド数カウンタの値が2になっているかどうかを確認する(ステップS1428)。
ラウンド数カウンタの値が2になっていなければ(ステップS1428のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに、2ラウンドの小当り中においてラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(2ラウンド用のインターバル時間)をセットし(ステップS1429)、特別図柄プロセスフラグの値をステップS307(小当り開放前処理)に応じた値に更新する(ステップS1430)。なお、2ラウンド用のインターバル時間は、極めて短い時間であり、例えば0.1秒とされている。
ラウンド数カウンタの値が2になっていれば(ステップS1428のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに小当終了時間をセットし(ステップS1431)、特別図柄プロセスフラグの値をステップS309(小当り終了処理)に応じた値に更新する(ステップS1432)。
なお、この実施の形態では、小当りにおいてラウンド数にもとづいて大入賞口を開放と閉鎖を制御する場合を示すが、小当り時における大入賞口の制御方法は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、小当り時に、大入賞口の開放時間および閉鎖時間を示すデータセットし、セットした開放時間および閉鎖時間を示すデータにもとづいて、小当りにおいて大入賞口を制御してもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、2ラウンドの小当りを行う場合に、小当り開放前処理において、ステップS1405で1回目の大入賞口の開放時間(例えば、0.5秒)を第1の制御タイマにセットする。また、1回目の大入賞口の開放が終わった後の大入賞口の閉鎖時間(例えば、2秒)を第2の制御タイマにセットする。また、2回目の大入賞口の開放時間(例えば、0.5秒)を第3の制御タイマにセットする。小当り開放中処理(ステップS308参照)では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1の制御タイマを1減算し、第1の制御タイマがタイムアップしていれば、ソレノイドを駆動して大入賞口を閉鎖する(ステップS1426参照。この場合、特別図柄プロセスフラグの値は更新しない。)。次いで、小当り開放中処理で第2の制御タイマを1減算し、第2の制御タイマがタイムアウトしていれば、ソレノイドを駆動して大入賞口を開放する(この場合も、特別図柄プロセスフラグの値は更新しない。)。さらに、小当り開放中処理で第3の制御タイマを1減算し、第3の制御タイマがタイムアウトしていれば、ソレノイドを駆動して大入賞口を閉鎖する(ステップS1426参照)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値を小当り終了処理に応じた値に更新する(ステップS1432参照)。
図44は、特別図柄プロセス処理における小当り終了処理(ステップS309)を示すフローチャートである。小当り終了処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS1451)。なお、この大入賞口制御タイマの値は、小当り開放中処理においてステップS1431の処理でセットされる。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認する(ステップS1452)。大入賞口制御タイマの値が0でなければ(ステップS1452のN)、そのまま処理を終了する。
大入賞口制御タイマの値が0になっていれば(ステップS1452のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、小当りフラグをリセットする(ステップS1453)。その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、内部状態(特別図柄プロセスフラグの値)をステップS300(特別図柄通常処理)に応じた値に更新する(ステップS1454)。
図45は、演出制御コマンド制御処理の処理例を示すフローチャートである。演出制御コマンド制御処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、送信対象の演出制御コマンドがあるか否かを確認する(ステップS331)。具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタが指すコマンド送信テーブルのアドレスに演出制御コマンドがセットされているか否かを判定する。なければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、そのまま処理を終了する。送信対象の演出制御コマンドがあれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタが指していたコマンド送信テーブルのコマンドデータをロードする(ステップS332)。
図46は、コマンド送信テーブルの例を示す説明図である。図46に示すように、コマンド送信テーブルには、変動パターンコマンドのMODEデータ、変動パターンコマンドのEXTデータ、表示結果コマンドのMODEデータ、表示結果コマンドのEXTデータ、演出記憶情報コマンドのMODEデータ、演出記憶情報コマンドのEXTデータ、および終了コードの順にセットされる。従って、この実施の形態では、図46に示すコマンド送信テーブルに従って演出制御コマンド制御処理が実行されることによって、変動パターンコマンド、表示結果コマンドおよび演出記憶情報コマンドの順にコマンド送信がなされる。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ロードしたコマンドデータ1を送信するコマンド送信処理を実行する(ステップS333)。ここでは、まず、図46に示すコマンド送信テーブルに従って、変動パターンコマンドのMODEデータが送信されることになる。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンド送信テーブルを指す値を1加算する(ステップS334)。従って、2バイト目のコマンドデータ2の領域が指定される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタが指すコマンド送信テーブルのアドレスのコマンドデータ2の内容をロードする(ステップS335)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンド送信テーブルのアドレス(送信信号指示手段としてのポインタの内容)をスタック等に退避する(ステップS336)。
また、コマンドデータ2のビット7(ワークエリア参照ビット)の値が「0」であるか否か確認する(ステップS337)。0でなければ、コマンド拡張データアドレステーブルの先頭アドレスをポインタにセットし(ステップS338)、そのポインタにコマンドデータ2のビット6〜ビット0の値を加算してアドレスを算出する(ステップS339)。そして、そのアドレスが指すエリアのデータをロードする(ステップS340)。
コマンド拡張データアドレステーブルには、電気部品制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100)に送出されうるEXTデータが順次設定されている。よって、以上の処理によって、ワークエリア参照ビットの値が「1」であれば、コマンドデータ2の内容に応じたコマンド拡張データアドレステーブル内のEXTデータがロードされ、ワークエリア参照ビットの値が「0」であれば、コマンドデータ2の内容がそのままロードされる。なお、コマンド拡張データアドレステーブルからEXTデータが読み出される場合でも、そのデータのビット7は「0」である。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ロードしたコマンドデータ2を送信するコマンド送信処理を実行する(ステップS341)。その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンド送信テーブルのアドレスを復帰し(ステップS342)、コマンド送信テーブルを指す値を1加算する(ステップS343)。
この実施の形態では、変動パターン設定処理において、ステップS207で変動パターン指定値が演出図柄変動パターンバッファにセットされ、ステップS208でコマンド送信テーブルの先頭アドレスがポインタにセットされる。そして、演出制御コマンド制御処理で、コマンド送信テーブルの先頭アドレスがポインタにセットされていることにもとづいて、まず、コマンド送信テーブルの先頭アドレスに対応する演出図柄変動パターンバッファにセットされた変動パターン指定値により変動パターンコマンドが送信される。また、この実施の形態では、特別図柄通常処理において、ステップS1519,S1520,S1525,S1526,S1529,S1531,S1534,S1536で演出指定値が演出図柄情報バッファにセットされる。そして、演出制御コマンド制御処理で、変動パターンコマンドを送信したことによってコマンド送信テーブルを指すアドレスが1ずつ加算され(ステップS334,S343参照)、変動パターンコマンドを送信した次のタイマ割込で、コマンド送信テーブルのアドレスに対応する演出図柄情報バッファにセットされた演出指定値により表示結果コマンドが送信される。また、この実施の形態では、特別図柄通常処理において、特別図柄の変動開始が可能であると判定されたときに(ステップS1501参照)、始動入賞記憶カウンタの値が1減算される(ステップS1507参照)。そして、演出制御コマンド制御処理で、表示結果コマンドを送信したことによってコマンド送信テーブルを指すアドレスが1ずつ加算され(ステップS334,S343参照)、表示結果コマンドを送信した次のタイマ割込で、コマンド送信テーブルのアドレスに対応する始動入賞記憶カウンタの値ににより演出記憶情報コマンドが送信される。以上の処理によって、図46に示すコマンド送信テーブルに従って、変動パターンコマンド、表示結果コマンドおよび演出記憶情報コマンドの順に送信される。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図47は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御処理の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出態様決定処理を行う(ステップS705)。演出態様決定処理では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ラウンド中昇格演出の演出態様を決定する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS706)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して可変表示装置9の表示制御を実行する。さらに、可変表示装置9に表示する左中右の飾り図柄のはずれ図柄を決定するためのはずれ表示図柄決定用乱数や、可変表示装置9に表示する飾り図柄の大当り図柄を決定するための大当り表示図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図48〜図49は、メイン処理におけるコマンド解析処理(ステップS704)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、コマンド受信バッファに格納される。コマンド解析処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS1611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS1612)。
受信した演出制御コマンドが、変動パターン指定の演出制御コマンド(変動パターンコマンド:8000(H)〜800B(H))であれば(ステップS1613)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのコマンドのEXTデータをRAMにおける変動パターンデータ格納領域に格納し(ステップS1614)、変動パターン受信フラグをセットする(ステップS1615)。表示結果受信時間タイマは、変動パターンコマンドを受信してから表示結果コマンドを所定時間以内に受信したか否かを計測するためのタイマである。
また、受信した演出制御コマンドが、可変表示装置9の表示結果が通常大当り(非確変大当り)であることを指定する演出制御コマンド(通常大当り指定コマンド:8C01(H))であれば(ステップS1617)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示結果コマンドを受信したことを示す表示結果受信フラグをセットするとともに、通常大当りが指定されたことを示す通常大当り演出フラグをセットし(ステップS1618)、ステップS1611に移行する。
また、受信した演出制御コマンドが、可変表示装置9の表示結果が確変大当りであることを指定する演出制御コマンド(確変大当り指定コマンド:8C02(H))であれば(ステップS1620)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示結果受信フラグをセットするとともに、確変大当りが指定されたことを示す確変大当り演出フラグをセットし(ステップS1621)、ステップS1611に移行する。
また、受信した演出制御コマンドが、可変表示装置9の表示結果が確変大当りであることを指定するとともに、ラウンド中昇格演出が実行されることを指定する演出制御コマンド(ラウンド中確変昇格付き確変大当り指定コマンド:8C03(H))であれば(ステップS1622)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示結果受信フラグをセットするとともに、確変大当りが指定されたことを示す確変大当り演出フラグをセットし(ステップS1623)、また、大当り遊技のラウンド中において確変昇格演出を実行することを示すラウンド中確変昇格実行フラグをセットし(ステップS1624)、ステップS1611に移行する。
また、受信した演出制御コマンドが、可変表示装置9の表示結果が確変大当りであることを指定するとともに、大当り後昇格演出が実行されることを指定する演出制御コマンド(大当り終了後確変昇格付き確変大当り指定コマンド:8C04(H))であれば(ステップS1625)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示結果受信フラグをセットするとともに、確変大当りが指定されたことを示す確変大当り演出フラグをセットし(ステップS1626)、また、大当りの終了後のエンディング演出において確変昇格演出を実行することを示す大当り終了後確変昇格実行フラグをセットし(ステップS1627)、ステップS1611に移行する。
また、受信した演出制御コマンドが、可変表示装置9の表示結果が確変大当りであることを指定するとともに、ラウンド中昇格演出および大当り後昇格演出が実行されることを指定する演出制御コマンド(確変昇格付き確変大当り指定コマンド:8C05(H))であれば(ステップS1628)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示結果受信フラグをセットするとともに、確変大当りが指定されたことを示す確変大当り演出フラグをセットする(ステップS1629)。また、大当り遊技のラウンド中において確変昇格演出を実行することを示すラウンド中確変昇格実行フラグをセットし(ステップS1630)、大当りの終了後のエンディング演出において確変昇格演出を実行することを示す大当り終了後確変昇格実行フラグをセットし(ステップS1631)、ステップS1611に移行する。
また、受信した演出制御コマンドが、可変表示装置9の表示結果が突然確変大当りであることを指定する演出制御コマンド(突然確変大当り指定コマンド:8C06(H))であれば(ステップS1632)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、突然確変大当りが指定されたことを示す突然確変大当り演出フラグをセットする(ステップS1633)とともに、演出期間計測タイマをセットする(ステップS1633a)。この実施の形態では、後述するように、突然確変大当りまたは小当りと決定されてから、所定期間、飾り図柄の変動表示を行う際に確変状態や通常状態とは異なる期待度報知用の演出パターンに従って変動表示を実行する。演出期間計測タイマは、確変状態や通常状態とは異なる演出パターンに従って変動表示を行う所定期間を計測するために用いられる。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、突然確変大当りまたは小当りと決定されてから、所定回数、期待度報知用の演出パターンに従って飾り図柄の変動表示を行うようにしてもよい。この場合、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1633aで飾り図柄の変動回数をカウントするためのカウンタに所定回数をセットしてもよい。そして、飾り図柄の変動表示を行うごとにカウンタの値を1ずつ減算し、カウンタの値が0になるまで期待度報知用の演出パターンに従って飾り図柄の変動表示を行うようにしてもよい。
また、受信した演出制御コマンドが、可変表示装置9の表示結果が小当りであることを指定する演出制御コマンド(小当り指定コマンド:8C07(H))であれば(ステップS1634)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、小当りが指定されたことを示す小当り演出フラグをセットする(ステップS1635)とともに、演出期間計測タイマをセットする(ステップS1635a)。
また、受信した演出制御コマンドが、ファンファーレ指定の演出制御コマンド(ファンファーレコマンド:A0XX(H))であれば(ステップS1636)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのコマンドのEXTデータをRAMにおけるファンファーレデータ格納領域に格納し(ステップS1637)、ファンファーレコマンドを受信したことを示すファンファーレフラグをセットする(ステップS1638)。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示結果不受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1639)。表示結果不受信フラグは、変動パターンコマンドを受信してから所定時間以内に表示結果コマンドを受信できなかったことを示すフラグである。セットされていなければ、そのままステップS1611に移行する。セットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ファンファーレコマンドで確変大当りが指定されているか否かを確認する(ステップS1640)。指定されていれば、ラウンド中再抽選実行フラグをセットする(ステップS1641)とともに、大当り図柄決定用乱数にもとづいて、左中右の飾り図柄の停止図柄を決定する(ステップS1641a)。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り図柄として確変図柄または非確変図柄のいずれかを決定する。また、演出制御用マイクロ小コンピュータ100は、決定した左中右の飾り図柄の停止図柄をRAMにおける飾り図柄格納領域に格納する。そして、ステップS1611に移行する。なお、この実施の形態では、ステップS1641aで確変図柄または非確変図柄のいずれかが決定されることによって、後述するランド中処理において再抽選演出が実行されたときに大当り図柄として確変図柄が導出表示される場合と非確変図柄が導出される場合とがある。
また、受信した演出制御コマンドが、エンディング指定の演出制御コマンド(エンディングコマンド:A300(H)〜A305(H))であれば(ステップS1642)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのコマンドのEXTデータをRAMにおけるエンディングデータ格納領域に格納し(ステップS1643)、エンディングコマンドを受信したことを示すエンディングフラグをセットする(ステップS1644)。
ステップS1612で読み出した受信コマンドがその他の演出制御コマンドである場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信コマンドに対応するフラグをセットする(ステップS1645)。
なお、この実施の形態では、上記に示したように、コマンド制御処理において、表示結果コマンドを受信したときに、受信した表示結果コマンドで指定される内容(通常大当りや確変大当り、突然確変大当り、小当り)を示すフラグをセット(ステップS1617,S1621,S1623,S1626,S1629,S1633,S1635参照)する。そのようにすることによって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した表示結果コマンドで指定される内容を記憶する。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示結果コマンドで指定される内容を記憶した後、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて、記憶した内容をクリアするようにしてもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド制御処理において、ステップS1613で受信コマンドが変動パターンコマンドであった場合には、変動パターンをセーブ(ステップS1614参照)するともに、表示結果コマンドで指定される内容を示すフラグ(通常大当り演出フラグや確変大当り演出フラグ、突然確変大当り演出フラグ、小当り演出フラグ)をリセットするようにしてもよい。そのような構成によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示結果コマンドを受信できなかったときに、前回の飾り図柄の変動表示の実行時に記憶した内容にもとづいて、飾り図柄の可変表示の表示結果として誤った表示結果を表示してしまうことを防止することができる。
図50は、メイン処理における演出態様決定処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出態様決定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、ラウンド中確変昇格実行フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS540)。ラウンド中確変実行フラグがセットされていない場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのまま処理を終了する。
ラウンド中確変実行フラグがセットされている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出決定済フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS541)。演出決定済フラグとは、ラウンド中昇格演出を実行することが決定されている場合に、ラウンド中昇格演出の演出態様を既に決定済みであることを示すフラグである。この実施の形態では、後述するように、演出態様決定処理においてラウンド中昇格演出の演出態様が決定されると、ステップS549で演出決定済フラグがセットされる。ステップS541で既に演出決定済フラグがセットされている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのまま処理を終了する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り遊技中に実行するラウンド中昇格演出の演出回数を決定するための演出回数決定用乱数を抽出する(ステップS542)。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ラウンド中昇格演出を実行することに決定されている場合に、複数回にわたってラウンド中昇格演出を実行する。すなわち、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ラウンド中昇格演出の演出回数を決定することによって、大当り遊技の期間内に実行されるラウンド中昇格演出の演出期間を決定する。なお、演出回数を決定することによって演出期間を決定するのでなく、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ラウンド中昇格演出1回あたりの実行時間を決定することによって、ラウンド中昇格演出の演出期間を決定してもよい。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当り演出フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS543)。確変大当り演出フラグがセットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ラウンド中昇格演出の演出回数を決定するための演出回数決定用テーブルとして、確変時演出回数決定用テーブルを選択する(ステップS544)。確変大当り演出フラグがセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ラウンド中昇格演出の演出回数を決定するための演出回数決定用テーブルとして、通常時演出回数決定用テーブルを選択する(ステップS545)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した演出回数決定用乱数の値にもとづいて、選択した演出回数決定用テーブルを用いてラウンド中昇格演出の演出回数を決定する(ステップS546)。具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、演出回数決定用テーブルに含まれる演出回数の中から、ラウンド中昇格演出を実行する回数を選択する。
具体的には、演出回数決定用テーブルには、ラウンド中昇格演出の演出回数に対応付けて複数の判定値が割り振られている。そして、抽出された演出回数決定用乱数の値と一致する判定値に対応付けられた演出回数が、ラウンド中昇格演出の演出回数として決定される。演出回数決定用テーブルの例を図51に示す。図51に示す例では、ラウンド中昇格演出の演出回数と、ラウンド中昇格演出を実行する大当り遊技中のラウンドが設定されている。図51(A)は、確変大当り時にラウンド中昇格演出の演出回数を決定するための確変時演出回数決定用テーブルである。また、図51(B)は、通常大当り時にラウンド中昇格演出の演出回数を決定するための通常時演出回数決定用テーブルである。
なお、演出回数を決定するのでなくラウンド中昇格演出1回あたりの実行時間を決定することによって演出期間を決定する場合には、図51に示すテーブルにおいて、演出回数に代えて、ラウンド中昇格演出の実行時間に対応づけて複数の判定値が割り振られていてもよい。
図51(A)に示すように、確変時演出回数決定用テーブルは、演出回数として4回および3回を含む。また、図51(A)に示すように、確変大当り時にラウンド中昇格演出を大当り遊技の期間内に4回実行する場合には、ラウンド9,11,13,15においてそれぞれ確変昇格演出が実行される。また、確変大当り時にラウンド中昇格演出を大当り遊技の期間内に3回実行する場合には、ラウンド11,13,15においてそれぞれ確変昇格演出が実行される。なお、図51(A)では、演出回数4回の場合と3回の場合との振分率がそれぞれ50パーセントである場合を示しているが、演出回数4回の場合と3回の場合とで振分率を異ならせてもよい。
図51(B)に示すように、通常時演出回数決定用テーブルは、演出回数として3回および2回を含む。また、図51(B)に示すように、通常大当り時にラウンド中昇格演出を大当り遊技の期間内に3回実行する場合には、ラウンド11,13,15においてそれぞれ確変昇格演出が実行される。また、通常大当り時にラウンド中昇格演出を大当り遊技の期間内に2回実行する場合には、ラウンド10,15においてそれぞれ確変昇格演出が実行される。なお、図51(B)では、演出回数3回の場合と2回の場合との振分率がそれぞれ50パーセントである場合を示しているが、演出回数3回の場合と2回の場合とで振分率を異ならせてもよい。
この実施の形態では、図51に示す演出回数決定用テーブルを用いてラウンド中昇格演出の演出回数が決定されることによって、確変大当りと決定されているときには、通常大当りと決定されているときと比較して、ラウンド中昇格演出の演出期間が長くなる(本例では、演出回数が多くなる)。そのため、ラウンド中昇格演出が長い演出期間にわたって実行されることによって、遊技者に対して確変への昇格の期待度を高めることができる。
なお、演出回数を決定するのでなくラウンド中昇格演出の実行時間を決定することによって演出期間を決定する場合には、確変時の演出期間を決定するためのテーブル(確変時演出期間決定用テーブル)として、通常時の演出期間を決定するためのテーブル(通常時演出期間決定用テーブル)よりも長い実行時間を含むテーブルを用いればよい。具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、演出期間決定用テーブルに含まれる実行時間の中から、ラウンド中昇格演出を実行する実行時間を選択する。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、実行時間「2分」と「1分」とを含む確変時演出期間決定用テーブルと、実行時間「1分」と「20秒」とを含む通常時演出期間決定用テーブルとを備える。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変時演出期間決定用テーブルにもとづいて、確変大当りと事前決定されている場合にはラウンド中演出の実行時間を「2分」または「1分」と決定し、通常時演出期間決定用テーブルにもとづいて、通常大当りと事前決定されている場合にはラウンド中昇格演出の実行時間を「1分」または「20秒」と決定する。そのようにすることによって、確変時演出期間決定用テーブルを用いてラウンド中昇格演出の実行時間が決定されることによって、確変大当りと決定されているときには、通常大当りと決定されているときと比較して、ラウンド中昇格演出の演出期間が長くなる。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記に示した実行時間に限らず、例えば、「3分」や「30秒」など他の時間を選択するものであってもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、2種類の実行時間から選択する場合に限らず、3種類または4種類の実行時間の中から、ラウンド中昇格演出の実行時間を選択してもよい。例えば、確変時演出期間決定用テーブルおよび通常時演出期間決定用テーブルは3種類または4種類の実行時間を含み、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変時演出期間決定用テーブルまたは通常時演出期間決定用テーブルに含まれる3種類または4種類の実行時間の中から、ラウンド中昇格演出の実行時間を選択してもよい。
また、ラウンド中昇格演出の実行時間を決定することによって演出期間を決定する場合、大当り遊技中にラウンド中昇格演出を1回だけ実行するようにしてもよく、ラウンド中昇格演出を複数回実行するようにしてもよい。ラウンド中昇格演出を1回だけ実行する場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS546において、大当り遊技中に1回だけ実行するラウンド中昇格演出の実行時間を決定する。また、ラウンド中昇格演出を複数回実行する場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS546において、大当り遊技中に実行するラウンド中昇格演出ごとに実行時間を決定する。
なお、図51(A)に示す確変時演出回数決定用テーブルにおいて、演出回数4回の振分率が演出回数3回の振分率よりも大きくなるようにしてもよい。例えば、演出回数4回の振分率が60パーセントで演出回数3回の振分率が40パーセントになるようにしてもよい。また、図51(B)に示す通常時演出回数決定用テーブルにおいて、演出回数2回の振分率が演出回数3回の振分率よりも大きくなるようにしてもよい。例えば、演出回数2回の振分率が60パーセントで演出回数3回の振分率が40パーセントになるようにしてもよい。そのようにすれば、確変大当りと決定されているときと通常大当りと決定されているときとで、さらに演出期間に差をつけることができ、ラウンド中昇格演出が長い演出期間にわたって実行されることによって、遊技者に対して確変への昇格の期待度をより高めることができる。
また、確変時演出回数決定用テーブルと通常時演出回数決定用テーブルとが、ともに演出回数2〜4を全て含むものであってもよい。この場合、確変時演出回数決定用テーブルにおいて演出回数4回の振分率が演出回数2回の振分率よりも大きくなるようにし、通常時演出回数決定用テーブルにおいて演出回数2回の振分率が演出回数4回の振分率よりも大きくなるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、図51に示すように、ラウンド中昇格演出を4回実行する場合には実行ラウンドをラウンド9,11,13,15と決定し、ラウンド中昇格演出を3回実行する場合には実行ラウンドをラウンド11,13,15と決定し、ラウンド中昇格演出を2回実行する場合には実行ラウンドをラウンド10,15と決定する場合を例に説明するが、実行ラウンドの組合せの決定の仕方は、この実施の形態で示したものに限られず、他の組合せで実行ラウンドを決定してもよい。例えば、ラウンド中昇格演出を4回実行する場合には実行ラウンドをラウンド6,9,12,15と決定してもよい。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、決定した演出回数を演出回数カウンタにセットするとともに(ステップS547)、決定した演出回数にもとづいて、確変昇格演出を実行するラウンドごとの操作難易度を設定する(ステップS548)。操作難易度とは、確変昇格演出において遊技者が所定の操作を実行することの困難さの度合いを示す値である。具体的には、操作難易度は、例えば、遊技者が操作ボタン120を操作しなければならないタイミングや、操作ボタン120を連打しなければならない回数を示す。また、例えば、上下左右のいずれの部分が押されたかに応じて4種類のオン信号を出力するボタン(いやゆる十字キー)を遊技機が備える場合、操作難易度は、遊技者が十字キーの上下左右の部分を所定の順番で操作しなければならない許容時間を示す。
この実施の形態では、後述するように、確変大当りとすることが事前決定されているときに、確変昇格演出の実行中に遊技者が所定の操作を実行したことを条件として確変に昇格したことを報知する演出を行う。具体的には、遊技者が所定のタイミング(本実施の形態では、可変表示装置9に表示したメータのレベルが最大となるタイミング)で操作ボタン120を押すと、確変に昇格したことが報知される。この場合、例えば、設定した操作難易度が高い場合(すなわち、操作が難しい場合)、可変表示装置9に表示したメータの最大の点で正確に操作ボタン120を押さなければ、確変に昇格したことを報知しないように制御する。また、例えば、設定した操作難易度が低くなる(すなわち、操作が易しくなる)に従って、可変表示装置9に表示したメータの最大の点から所定マージン分手前の点までの間で操作ボタン120が押された場合であっても、確変の昇格したことを報知するように制御する。また、例えば、設定した操作難易度に応じて、可変表示装置9に表示したメータのレベルが増減するスピードを変化させてもよい。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、後述するように、可変表示装置9を用いて確変昇格演出の実行を開始すると、所定の昇格条件が成立したか否かを判定するための昇格条件判定用タイマをスタートさせる。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作ボタン120のオン信号を検出すると、昇格条件判定用タイマの値が所定の範囲内に含まれるか否かを確認する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定の範囲内に含まれていれば所定の昇格条件が成立したと判定し、所定の範囲内に含まれていなければ所定の昇格条件が成立しなかったと判定する。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、具体的には、ステップS548において、操作難易度として上記の所定の範囲を設定する。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS548において、操作難易度を高く設定する場合には所定の範囲が狭くなるように設定し、操作難易度を低く設定する場合には所定の範囲が広くなるように設定する。
ステップS548で設定される操作難易度の一例を図52に示す。図52に示すように、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作難易度を1〜5の5段階に設定する。なお、操作難易度の値が大きくなるに従って、操作が難しいことを示しているものとする。すなわち、図52に示す例において、操作難易度5が最も操作が難しいことを示し、操作難易度1が最も操作が易しいことを示している。
図52に示すように、この実施の形態では、ラウンド中昇格演出の演出回数を4回と決定した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、1ラウンド目(すなわち、ラウンド9)の操作難易度を5と設定し、2ラウンド目(すなわち、ラウンド11)の操作難易度を4と設定し、3ラウンド目(すなわち、ラウンド13)の操作難易度を2と設定し、4ラウンド目(すなわち、ラウンド15)の操作難易度を1と設定する。また、ラウンド中昇格演出の演出回数を3回と決定した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、1ラウンド目(すなわち、ラウンド11)の操作難易度を5と設定し、2ラウンド目(すなわち、ラウンド13)の操作難易度を3と設定し、3ラウンド目(すなわち、ラウンド15)の操作難易度を1と設定する。また、ラウンド中昇格演出の演出回数を2回と決定した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、1ラウンド目(すなわち、ラウンド10)の操作難易度を4と設定し、2ラウンド目(すなわち、ラウンド15)の操作難易度を2と設定する。
このように、この実施の形態では、後に実行されるラウンド中昇格演出の操作難易度が、先に実行されるラウンド中昇格演出の操作難易度よりも低くなるように設定される。そのため、操作ボタン120の操作技術に熟練していない遊技者であっても、ラウンド中昇格演出の回を重ねるに従って所定のタイミングで操作できる可能性が高まり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、操作に熟練している遊技者であっても、最初に実行されるラウンド中昇格演出における操作難易度が高く設定されているので、確変大当りに昇格したと報知されるまでにラウンド中昇格演出を複数回実行する可能性が高まり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、図52に示す例では、ラウンドごとに異なる操作難易度を設定する場合を示したが、必ずしもラウンドごとに異なる操作難易度を設定する必要はない。例えば、ラウンド中昇格演出の演出回数を4回と決定した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、1ラウンド目の操作難易度を5と設定し、2ラウンド目の操作難易度を3と設定するとともに、3ラウンド目および4ラウンド目の操作難易度をともに1と設定してもよい。
また、この実施の形態では、演出回数ごとに操作難易度を設定する場合を説明するが、ラウンド中昇格演出の実行時間を決定することによって演出期間を決定する場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ラウンド中昇格演出を実行している際の経過時間に応じて難易度が異なるように、操作難易度を設定してもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ラウンド中昇格演出の演出期間が経過するに従って低くなるように操作難易度を設定する。後述するように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、可変表示装置9を用いて確変昇格演出の実行を開始すると、所定の昇格条件が成立したか否かを判定するための昇格条件判定用タイマをスタートさせる。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作ボタン120のオン信号を検出すると、昇格条件判定用タイマの値が所定の範囲内に含まれるか否かを確認する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定の範囲内に含まれていれば所定の昇格条件が成立したと判定し、所定の範囲内に含まれていなければ所定の昇格条件が成立しなかったと判定する。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS548において、演出態様決定処理において、操作難易度を高く設定する場合には所定の範囲が狭くなるように設定し、操作難易度を低く設定する場合には所定の範囲が広くなるように設定する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ラウンド中昇格演出の演出期間が経過するに従って、所定の範囲が低くなるように操作難易度を設定する。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出決定済フラグをセットし(ステップS549)、処理を終了する。
なお、ラウンド中昇格演出の演出期間(演出回数または実行時間)として、予め固定の期間を設定していてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、演出態様決定処理において、ステップS542〜S546を決定することなく、予め設定された演出回数を演出回数カウンタにセットし(ステップS547)、操作難易度を決定する(ステップS548)ようにしてもよい。また、ラウンド中昇格演出の実行時間を決定することによって演出期間を決定する場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、予め設定された時間をラウンド中昇格演出の実行時間として設定してもよい。
また、演出態様決定処理において、ラウンド昇格演出を実行するラウンドごとに操作難易度を一括して決定するのでなく、例えば、ステップS1979の判定でNoとなったときに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ラウンド昇格演出を実行するごとに操作難易度を設定してもよい。具体的には、何回目の演出かにより、操作難易度の振分率が異なるテーブルを用いて操作難易度を設定するようにし、その場合には4回目の操作難易度は易しいものが選択され易く、1回目は難しいものが選択され易いようなテーブルを用意しておけばよい。
図53は、メイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS706)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):コマンド受信割込処理によって、変動パターン指定の演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(変動パターン受信フラグ)がセットされたか否か確認する。変動パターン受信フラグは、演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するコマンド解析処理で可変表示装置9における飾り図柄の変動パターン指定の演出制御コマンド(8000(H)〜800B(H)のいずれか)が受信されたことが確認された場合にセットされる(ステップS1615参照)。
飾り図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄の変動が開始されるように制御する。また、変動時間タイマに変動時間に相当する値を設定し、使用するプロセステーブルを選択するとともに、プロセステーブルの最初に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する。
飾り図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS803):変動時間タイマがタイムアウトしたことに応じて、飾り図柄の変動を停止し停止図柄(確定図柄)を導出表示する制御を行う。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、大当り表示の制御を行う。例えば、大当りの開始を指定するファンファーレコマンドを受信したら、ファンファーレ演出を実行する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放中であることを示す大入賞口開放中表示コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。また、ラウンド中昇格演出実行フラグがセットされている場合には、演出態様決定処理で決定された演出態様に従って、確変昇格演出を実行する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放後(閉鎖中)であることを示す大入賞口開放後表示コマンドを受信したら、インターバル表示を行う。
大当り終了演出処理(ステップS807):大当り遊技の終了後の大当り終了表示の制御を行う。例えば、大当りの終了を指定するエンディングコマンドを受信したら、エンディング演出を実行する。なお、エンディングコマンドで確変昇格演出(大当り後昇格演出)の実行が指定されていれば、エンディング演出の中で確変昇格演出を実行する。
図54は、プロセステーブルの一構成例を示す説明図である。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、変動パターンを構成する各変動態様が記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動態様での変動時間が設定されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動態様で飾り図柄を変動表示させる制御を行う。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示制御実行データにもとづく制御と同様に、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけランプ制御実行データにもとづいて各種ランプの点灯状態を制御し、音番号データを音声出力基板70に出力する。
図54に示すプロセスデータは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンのそれぞれに応じて用意されている。
図55は、演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターン受信フラグがセットされたか否か確認する(ステップS1811)。セットされていたら、そのフラグをリセットする(ステップS1812)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した変動パターンコマンドが確変大当り/通常大当り指定であるか否かを確認する(ステップS1813)。確変大当り/通常大当り指定でなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した変動パターンコマンドがはずれ指定であるか否かを確認する(ステップS1814)。はずれ指定であれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、はずれ図柄決定用乱数を抽出し(ステップS1815)、はずれ図柄決定用乱数の値にもとづいて、はずれに対応した左中右の飾り図柄の停止図柄を決定する(ステップS1816)。そして、決定した飾り図柄の停止図柄をRAMにおける飾り図柄格納領域に格納するとともに、飾り図柄の停止図柄を決定したことを示す図柄決定済フラグをセットする(ステップS1817)その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する(ステップS1826)。
ステップS1814ではずれ指定でなければ、受信した変動パターンコマンドが突然確変大当りまたは小当りを指定する場合である。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、突然確変図柄決定用乱数を抽出し(ステップS1818)、突然確変図柄決定用乱数の値にもとづいて、突然確変に対応した左中右の飾り図柄の停止図柄を決定する(ステップS1819)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、突然確変に対応した飾り図柄の停止図柄として「123」や「357」などの図柄の組合せを決定する。そして、決定した飾り図柄の停止図柄をRAMにおける飾り図柄格納領域に格納するとともに、図柄決定済フラグをセットする(ステップS1820)。その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する(ステップS1826)。なお、この実施の形態では、ステップS1818〜S1820の処理が実行されることによって、小当りが指定されている場合であっても、突然確変と同じ「123」や「357」などの図柄の組合せが決定されることになる。
なお、確変大当りにおける飾り図柄の停止図柄と小当りにおける飾り図柄の停止図柄とを、後述する飾り図柄変動中処理において、表示結果コマンドを受信したことにもとづいて決定するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、突然確変大当り指定の表示結果コマンドを受信したことにもとづいて、突然確変に対応した飾り図柄の停止図柄として「123」や「357」などの図柄の組合せを決定してもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、小当り指定の表示結果コマンドを受信したことにもとづいて、突然確変に対応した飾り図柄の停止図柄と同じ「123」や「357」などの図柄の組合せを決定してもよい。なお、この場合に、表示結果コマンドを受信できなかった場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、突然確変に対応した飾り図柄の停止図柄と同じ「123」や「357」などの図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS1813で確変大当り/通常大当り指定でなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した変動パターンコマンドが再抽選演出の実行を指定するものであるか否かを確認する(ステップS1821)。再抽選演出の実行が指定されていなければ、ステップS1826に移行する。再抽選演出の実行が指定されていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、特別図柄および飾り図柄の可変表示中に再抽選演出を実行することを示す再抽選実行フラグをセットする(ステップS1822)。その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する(ステップS1826)。
図56は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、突然確変大当り演出フラグまたは小当り演出フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS821)。セットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出期間計測タイマを1減算し(ステップS821a)、演出期間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS821b)。タイムアウトしていれば、突然確変大当り演出フラグまたは小当り演出フラグをリセットし(ステップS821c)、ステップS823に移行する。タイムアウトしていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、使用する飾り図柄の変動パターンに応じて、期待度報知用のプロセスデータを選択する(ステップS822)。すなわち、突然確変大当りと決定されていれば突然確変状態背景指定コマンドを受信し、小当りと決定されていれば通常状態背景指定コマンドを受信することとなるが、演出制御用マイクロコンピュータ100は、小当りと決定されている場合には、通常状態背景指定コマンドを受信した場合であっても、突然確変大当りと同じプロセスデータを使用して飾り図柄の変動表示を行う。また、突然確変大当りまたは小当りと決定されると、演出期間計測タイマがタイムアウトするまで、突然確変大当りまたは小当りの制御が終了した後も、所定期間にわたって期待度報知用のプロセスデータが選択され、飾り図柄の変動表示が実行されることになる。
この実施の形態では、飾り図柄の変動パターンに応じたプロセスデータとして、遊技状態が確変状態に移行されているときに用いる確変用のプロセスデータと、遊技状態が通常状態であるときに用いる通常用のプロセスデータと、突然確変大当りまたは小当りのときに用いる期待度報知用のプロセスデータとが用いられる。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変用のプロセスデータまたは通常用のプロセスデータを選択することによって、遊技状態が確変状態であるときと通常状態であるときとで、異なる背景色(例えば、確変状態のときは「赤」、通常状態のときは「青」)を表示して飾り図柄の可変表示を実行する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、期待度報知用のプロセスデータを選択することによって、確変用および通常用のプロセスデータを用いるときとは異なる背景色(例えば「緑」)を表示して飾り図柄の可変表示を実行する。なお、期待度報知用のプロセスデータを用いて行う期待度報知の演出は、特別の演出として、通常時および確変時に用いる演出パターンと異なる演出パターンを使用して演出を行うものであればよく、例えば、飾り図柄の変動を伴わずに単に可変表示装置9の表示画面に所定のキャラクタを登場させる演出を実行するものであってもよい。そのようにすることによって、突然確変大当りまたは小当りのときに飾り図柄の可変表示を行うときには、遊技状態が確変状態または通常状態のいずれの状態であるかを分からなくすることができ、遊技者に対して確変になるかもしれないし確変にならないかもしれないという期待度を高めることができる。
突然確変大当り演出フラグまたは小当り演出フラグがセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、高確率状態背景指定コマンドを受信したか否かを確認する(ステップS823)。受信していれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、使用する飾り図柄の変動パターンに応じて、確変用のプロセスデータを選択する(ステップS824)。受信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、使用する飾り図柄の変動パターンに応じて、通常用のプロセスデータを選択する(ステップS825)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、選択したプロセスデータ1におけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS826)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(可変表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する(ステップS827)。例えば、可変表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に制御信号を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動時間タイマ(飾り図柄の変動時間に応じたタイマ)をスタートするとともに、表示結果コマンドの受信時間を計測するための表示結果受信時間計測タイマをスタートする(ステップS828)。演出制御用マイクロコンピュータ100は、後述するように、表示結果受信時間計測タイマがタイムアップするまでに表示結果コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信できなかった場合には、表示結果コマンドの受信しに失敗したものと判断する。なお、ステップS828において、表示結果受信時間計測タイマには、例えば、飾り図柄の変動を開始してから高速変動になるまでの時間(例えば5秒)がセットされる。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示す値に更新する(ステップS829)。
図57および図58は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。飾り図柄変動中処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄決定済フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1830)。セットされていれば、ステップS1842に移行する。なお、変動パターンコマンドではずれ指定、突然確変大当り指定または小当り指定がされていた場合には、変動パターンコマンド受信待ち処理において既に飾り図柄の停止図柄が決定され図柄決定済フラグがセットされている(ステップS1817,S1820参照)ので、そのままステップS1842に移行する。
図柄決定済フラグがセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示結果受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1831)。セットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示結果受信時間計測タイマの値を1減算する(ステップS1832)とともに、表示結果受信時間計測タイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS1833)。タイムアウトしていなければ、そのままステップS1842に移行する。タイムアウトしていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示結果コマンドを受信できなかったことを示す表示結果不受信フラグをセットし(ステップS1834)、飾り図柄の大当り図柄を決定するために用いる図柄決定用テーブルとして通常時大当り図柄決定用テーブルを選択する(ステップS1835)。すなわち、変動パターンコマンドを受信した後、所定期間(例えば、飾り図柄の変動を開始してから高速変動に達するまでの時間)を経過しても表示結果コマンドを受信していない場合であるので、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示結果コマンドを受信できなかったと判断する。
また、この実施の形態では、確変図柄を決定するときに用いる確変大当り用の大当り表示図柄決定用テーブル(確変時大当り図柄決定用テーブル)と、通常大当りのときに用いる通常大当り用の大当り表示図柄決定用テーブル(通常時大当り図柄決定用テーブル)とが予め用意されている。確変時大当り図柄決定用テーブルには各確変図柄に対応付けて複数の判定値が割り振られ、また、通常時大当り図柄決定用テーブルには各非確変図柄に対応付けて複数の判定値が割り振られている。ステップS1831で表示結果受信フラグがセットされておらず表示結果受信時間計測タイマもタイムアップした場合とは、確変大当り/通常大当り指定の変動パターンコマンドを受信したものの表示結果コマンドの受信に失敗した場合である。そのため、少なくとも確変大当りまたは通常大当りのいずれかであることが分かっている場合であるので、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常時大当り図柄決定用テーブルを選択することによって、後述するステップS1840で飾り図柄の停止図柄として非確変図柄を決定するように制御する。
表示結果受信フラグがセットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当り演出フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1836)。セットされていなければ(すなわち、通常大当りと事前決定されている場合)、ステップS1835に移行し、通常時大当り図柄決定用テーブルを選択する。
確変大当り演出フラグがセットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ラウンド中確変昇格実行フラグまたは大当り後確変昇格実行フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1838)。セットされていれば、ステップS1835に移行し、通常時大当り図柄決定用テーブルを選択する。すなわち、大当り遊技のラウンド中または大当り遊技終了後のエンディング演出において確変昇格演出を実行する場合であるので、通常時大当り図柄決定用テーブルを選択することによって、後述するステップS1840で飾り図柄の停止図柄として非確変図柄を決定するように制御する。
ラウンド中確変昇格実行フラグおよび大当り後確変昇格実行フラグのいずれもセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄の大当り図柄を決定するために用いる図柄決定用テーブルとして確変時大当り図柄決定用テーブルを選択する(ステップS1839)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した大当り図柄決定用乱数の値と、選択した図柄決定用テーブルとにもとづいて、大当りに対応した左中右の飾り図柄の停止図柄を決定する(ステップS1840)。この場合、確変時大当り図柄決定用テーブルを選択した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、選択した図柄決定用テーブルにもとづいて、飾り図柄の停止図柄として確変図柄(例えば、左中右の図柄が同一の奇数図柄で揃うように)を決定する。また、通常時大当り図柄決定用テーブルを選択した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、選択した図柄決定用テーブルにもとづいて、飾り図柄の停止図柄として非確変図柄(例えば、左中右の図柄が同一の偶数図柄で揃うように)を決定する。そして、決定した飾り図柄の停止図柄をRAMにおける飾り図柄格納領域に格納するとともに、図柄決定済フラグをセットする(ステップS1841)。
ステップS1842では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動時間タイマがタイムアウトしていないかどうかを確認する(ステップS1842)。変動時間タイマがタイムアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)を示す値に更新する(ステップS1852)。
変動時間タイマがタイムアウトしていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマを1減算するとともに(ステップS1843)、変動時間タイマを1減算する(ステップS1844)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、再抽選実行フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1845)。
再抽選実行フラグがセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する(ステップS1847)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS1848)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS1850)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS1851)。
再抽選実行フラグがセットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンのEXTデータから認識可能な変動パターンにおける再抽選演出の開始時間を確認し、さらに変動時間タイマの値を確認することにより、変動開始後の時間が再抽選演出の開始時間を経過しているか否かを判定する(ステップS1846)。未だ再抽選演出の開始時間を経過していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1847に移行する。
変動開始後の時間が再抽選演出の開始時間を経過していれば(ステップS1846のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンデータ格納領域に格納されているEXTデータから認識可能な変動パターンにおける大当り図柄確定演出の開始時間を確認するとともに、変動時間タイマの値を確認することにより、変動開始後の時間が大当り図柄確定演出の開始時間を経過しているか否かを判定する(ステップS1853)。
大当り図柄確定演出の開始時間を経過していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動時間タイマの値を確認することにより、再抽選演出を実行している最中であるかどうかを判定する(ステップ1854)。このとき、再抽選演出を実行している最中でないと判定されたということは、再抽選演出が開始された直後であることを意味する。再抽選演出を実行している最中でなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、再抽選演出のプロセスデータを選択し(ステップS1855)、選択したプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS1856)。そして、再抽選演出のプロセスデータの内容に従って演出装置(第1可変表示装置9a、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する(ステップS1857)。再抽選演出を実行している最中であれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのままステップS1857に移行し、再抽選演出のプロセスデータの内容に従って演出装置(第1可変表示装置9a、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する。
ステップS1853において大当り図柄確定演出の開始時間を経過していると判定した場合は、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動時間タイマの値を確認することにより、大当り図柄確定演出を実行している最中であるかどうかを判定する(ステップS1858)。このとき、大当り図柄確定演出を実行している最中でないと判定されたということは、大当り図柄確定演出が開始された直後であることを意味する。大当り図柄確定演出を実行している最中でなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1840で決定された図柄が反映された図柄配列に対応した大当り図柄確定演出のプロセスデータを選択する(ステップS1859)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、選択したプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS1863)。なお、大当り図柄確定演出のプロセスデータは、変更された図柄の全ての組み合わせに対応可能な図柄配列のプロセスデータが予め複数用意されている。そして、大当り図柄確定演出のプロセスデータの内容に従って演出装置(第1可変表示装置9a、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する(ステップS1864)。
ステップS1858において大当り図柄確定演出を実行している最中であれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのままステップS1864に移行し、大当り図柄確定演出のプロセスデータの内容に従って演出装置の制御を実行する。
図59は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。飾り図柄変動停止処理において、まず、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する。そして、停止図柄表示フラグがセットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1877に移行する。この実施の形態では、後述するように、飾り図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS1876で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときにステップS1878で停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、ステップS1870で停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したもののファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS1871〜S1873の飾り図柄の停止図柄を表示する処理を重ねて実行することなく、ステップS1877に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄の変動停止を指示する演出制御コマンド(飾り図柄停止指定コマンド)を受信しているか否か確認する(ステップS1871)。飾り図柄停止指定コマンドを受信していれば、記憶されている停止図柄(飾り図柄(はずれ図柄)、大当り表示図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS1872)。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの飾り図柄停止指定コマンドの受信に応じて飾り図柄を停止表示する制御を行うが、このような構成に限られず、変動時間タイマがタイムアップしたことにもとづいて飾り図柄を停止表示する制御を行うようにしてもよい。
そして、ステップS1872で大当り表示図柄(突然確変大当り図柄を含む)または小当り図柄(ただし、本例では、突然確変大当り図柄と同じ図柄)を表示しない場合(すなわち、はずれ図柄を表示する場合:ステップS1873のN)は、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定のフラグ(例えば飾り図柄停止指定コマンドに応じたフラグがセットされるときは、そのフラグ)をリセットし(ステップS1874)、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する(ステップS1875)。
ステップS1872で大当り図柄(突然確変大当り図柄を含む)または小当り図柄を表示する場合には(ステップS1873のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、停止図柄表示フラグをセットし(ステップS1876)、ファンファーレフラグがセットされたか否か確認する(ステップS1877)。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ファンファーレコマンドを受信したか否かを確認する。ファンファーレフラグがセットされたときは(ステップS1877のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、停止図柄表示フラグをリセットし(ステップS1878)、小当り演出フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1880a)。また、小当り演出フラグがセットされていなければ、突然確変大当り演出フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1880b)。突然確変大当り演出フラグおよび小当り演出フラグのいずれもセットされていなければ、通常のファンファーレ演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS1880c)。突然確変大当り演出フラグがセットされていれば(ステップS1880bのY)、突然確変大当り用のファンファーレ演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS1880e)。
小当り演出フラグがセットされていれば(ステップS1880aのY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、小当り時のファンファーレ演出の実行時間を計測するための小当り表示時間計測タイマをセットし(ステップS1880d)、ステップS1880eに移行して、突然確変大当り用のファンファーレ演出に応じたプロセスデータと同じプロセスデータを選択する。すなわち、この実施の形態では、突然確変大当りのときと小当りのときとで、同じプロセスデータを用いてファンファーレ演出が実行される。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS1881)、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に対応した値に設定する(ステップS1882)。
図60は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、小当り演出フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS900)。小当り演出フラグがセットされていれば、そのままステップS902に移行する。小当り演出フラグがセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放中表示コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS901)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS901のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS902)、セットされている場合には小当り表示時間計測タイマの値を1減算する(ステップS902a)。次いで、小当り表示時間計測タイマがセットされているときには、演出制御用マイクロコンピュータ100は、小当り表示時間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS902b)。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、小当り演出フラグがセットされているときにのみ、ステップS902bの判定を行うようにし、小当り演出フラグがセットされていなければ、そのままステップS903に移行する。従って、小当り以外の場合において、ステップS902bの処理でYesと判定されることはない。タイムアウトしていれば、ステップS902cに移行し、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に設定する(ステップS902c)。
小当り表示時間計測タイマがセットされていない場合、または小当り表示時間タイマがタイムアウトしていない場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS903)。例えば、可変表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、大当りが発生したことを示す文字やキャラクタなどを表示する演出が実行される。この場合、突然確変大当りの場合または小当りの場合には、同じ突然確変大当り用のプロセスデータnの内容に従って、所定期間ファンファーレ演出が実行されることになる。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ファンファーレコマンドとして同じ確変大当り指定のファンファーレコマンドを受信した場合であっても、コマンドA002(H)、A003(H)〜A005(H)のいずれを受信したかに応じて異なる態様でファンファーレ演出を実行する。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9において異なる文字や異なるキャラクタを表示することによって、それぞれ異なる演出を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS904)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS905)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS906)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS901のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放中表示コマンドの内容にもとづいてラウンド中演出(ラウンド数に応じたラウンド表示を実行する演出)を選択する(ステップS907)。次いで、大入賞口開放中フラグをリセットし(ステップS908)、ラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS909)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS910)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS911)。
なお、この実施の形態では、大当り(突然確変大当りを含む)のファンファーレ演出と小当りのファンファーレ演出とをともに大当り表示処理において実行する場合を説明したが、小当りのファンファーレ演出を実行する小当り表示処理を大当り表示処理とは別に設けてもよい。この場合、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄変動停止処理において、小当り演出フラグがセットされていた場合には、小当り表示時間計測タイマをセットするとともに、突然確変大当り用のファンファーレ演出に応じたプロセスデータを選択し、演出制御プロセスフラグの値を小当り表示処理に対応した値に設定する。そして、小当り表示処理においてステップS902〜S906と同様の処理を実行する。
図61〜図64は、演出制御プロセス処理におけるラウンド中処理(ステップS805)を示すフローチャートである。ラウンド中処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、エンディングフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1901)。エンディングフラグがセットされていないときは(ステップS1901のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放後表示コマンドを受信したことを示す大入賞口開放後フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1902)。
大入賞口開放後フラグもセットされていないときは(ステップS1902のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り遊技のラウンド中の確変昇格演出を実行中であることを示す確変昇格演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1903a)。なお、確変昇格演出実行中フラグは、後述するラウンド後処理においてラウンド中昇格演出の実行を開始する処理が実行されるときにセットされる。確変昇格演出実行中フラグもセットされていないときは(ステップS1903aのN)、ラウンド中再抽選実行フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1903b)。ラウンド中再抽選実行フラグもセットされていなければ(ステップS1903bのN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS1904)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS1905)。例えば、可変表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、ラウンド数を示す文字やその他のキャラクタなどを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS1906)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS1907)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS1908)。
ステップS1902において大入賞口開放後フラグがセットされているときは(ステップS1902のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放後表示コマンドの内容にもとづいてインターバル演出(ラウンド数に応じたインターバル表示を行う演出)を選択する(ステップS1909)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放後フラグをリセットし(ステップS1910)、選択したインターバル演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS1911)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS1912)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に設定する(ステップS1913)。
ステップS1901においてエンディングフラグがセットされたときは(ステップS1901のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560からエンディングコマンドを受信したときである。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信したエンディングコマンドが確変大当りを指定するエンディングコマンド(コマンドA301(H),A303(H)〜A305(H))であるか否かを確認する(ステップS1914a)。確変大当りを指定するエンディングコマンドであれば、表示結果不受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1914b)。セットされていれば、既に確変に昇格した旨を報知したことを示す昇格報知済フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1914c)。昇格報知済フラグは、後述するように、確変昇格演出または再抽選演出において確変に昇格した旨を報知したことにもとづいてセットされる(ステップS1931,S1965参照)。昇格報知済フラグがセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り終了後のエンディング演出において再抽選演出を実行することを示す大当り後再抽選実行フラグをセットする(ステップS1914d)。また、大当り図柄決定用乱数の値にもとづいて、大当りに対応した左中右の飾り図柄の停止図柄を決定する(ステップS1914e)。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変時大当り図柄決定用テーブルにもとづいて、大当り図柄として確変図柄を決定する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、決定した飾り図柄の停止図柄をRAMにおける飾り図柄格納領域に格納し、ステップS1916に移行する。
確変大当りを指定するエンディングコマンドでなかった場合、または表示結果不受信フラグがセットされていなかった場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、エンディングコマンドにおいて確変昇格演出の実行が指定されているかどうか(すなわち確変昇格演出ありのエンディングコマンドであるかどうか)を確認し、確変昇格演出(大当り後昇格演出)の実行が指定されていなければ(ステップS1914fのN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1916に移行する。
ステップS1914fで大当り後昇格演出の実行が指定されていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、昇格報知済フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1914g)。そして、セットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り遊技終了後の確変昇格演出(大当り後昇格演出)を行うエンディング演出を選択する(ステップS1915)。
ステップS1914f〜S1915の処理が実行されることによって、エンディングコマンドにおいて大当り後昇格演出の実行が指定されている場合には(ステップS1914fのY)、既に確変に昇格したことを報知した場合を除き、大当り後昇格演出を行うエンディング演出が選択される。また、既に再抽選演出またはラウンド中昇格演出において確変に昇格したことを報知している場合には(ステップS1914gのY)、大当り後昇格演出を行うエンディング演出を行わないように制御される。
一方、ステップS1916では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常のエンディング演出を選択する。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り遊技の終了後の確変昇格演出の実行/不実行に関して、図柄/演出指定コマンドの内容とエンディングコマンドの内容とが一致しているか否かを判定する(ステップS1917)。
通常は、図柄/演出指定コマンドの内容とエンディングコマンドの内容とは一致しているはずである。しかし、図柄/演出指定コマンドの内容とエンディングコマンドの内容とが一致しないことも起こり得る。この場合、図柄/演出指定コマンドまたはエンディングコマンドのいずれかについて、遊技制御用マイクロコンピュータ560より送信されてから演出制御用マイクロコンピュータ100にて受信されるまでの過程においてデータ化けなどが生じたことによって、本来のコマンドの内容と異なる内容のコマンドに変化してしまったことが考えられる。
このとき、誤ったエンディングコマンドにもとづいてエンディング演出を実行してしまうと、本来、エンディング演出において確変昇格演出を実行すべきであったのに確変昇格演出がされなかったり、確変昇格演出を実行すべきでないのに確変昇格演出が実行されたりしてしまう。この実施の形態では、確変昇格演出を実行するときのエンディング演出の実行時間よりも確変昇格演出を実行しないときのエンディング演出の実行時間の方が短くなるように設定されている。従って、実行時間の長いエンディング演出を実行しているときに、遊技制御用マイクロコンピュータ560から図柄/演出指定コマンドや変動パターンコマンドが送信されてきたり、逆に、実行時間の短いエンディング演出を終了した後も、遊技制御用マイクロコンピュータ560から図柄/演出指定コマンド等が送信されてこないため、しばらくの間、エンディング演出の終了画面が表示されてしまうことになる。
そこで、このような事態を回避するために、図柄/演出指定コマンドの内容とエンディングコマンドの内容とが一致していないと判定したときは(ステップS1917のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1915またはステップS1915において選択したエンディング演出を予め用意しておいた特別なエンディング演出に変更する(ステップS1918)。この特別なエンディング演出は、遊技者に違和感を与えず、かつ、どのようなタイミングで終了しても良いような内容の演出とされる。また、大当りが確変大当りであったか通常大当りであったかを表示しないのが好ましい。これにより、遊技者に違和感を与えずに、遊技制御用マイクロコンピュータ560と演出制御用マイクロコンピュータ100との制御の整合性を確保することができる。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、エンディングフラグをリセットし(ステップS1919)、エンディング演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS1920)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出期間計測タイマをスタートさせるとともに、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1921)。また、大当り後昇格演出を実行する場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1921において、確変昇格演出の演出期間を計測するための確変昇格演出計測タイマをスタートさせる。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS807)に対応した値に設定する(ステップS1922)。なお、大当り後昇格演出に対応するエンディング演出を実行する場合には、ステップS1921において、通常のエンディング演出を実行する場合よりも長い演出期間がセットされ、演出期間計測タイマがスタートされる。例えば、ステップS1921において、通常のエンディング演出を実行する場合には演出期間として5秒がセットされ、大当り後昇格演出に対応するエンディング演出を実行する場合には演出期間として10秒がセットされる。また、確変昇格演出計測タイマには、演出期間計測タイマにセットされる演出期間よりも短い演出期間がセットされる。
ステップS1903において確変昇格演出実行中フラグがセットされていたときは(ステップS1903のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出期間計測タイマを1減算するとともに(ステップS1923)、プロセスタイマを1減算する(ステップS1924)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS1925)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、後述するように、可変表示装置9にメータを表示させるとともに、メータのレベルを所定のスピードで増加させる演出を行う。また、例えば、可変表示装置9において所定のキャラクタなどを表示させ、キャラクタのセリフとしてメータのレベルが最大まで増加したタイミングで操作ボタン120を操作することを促す旨を表示する演出が実行される。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1925において、演出態様決定処理で設定した操作難易度を報知する表示を行う。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、後述するように、可変表示装置9に表示させたメータの最大の点からどの程度手前の点までの間で操作ボタン120を操作すればよいかをメータ内に表示する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、操作難易度を示す値を可変表示装置9の画面上に表示することによって、操作難易度を報知してもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、可変表示装置9の画面上に操作難易度を示すためのメータを表示し、メータのレベルを変化させることによって操作難易度を報知してもよい。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作ボタン120からのオン信号を検出したか否かを確認する(ステップS1926)。操作ボタン120からのオン信号を検出しなかった場合(すなわち、遊技者によって操作ボタン120が操作されなかった場合)には、ステップS1937に移行する。操作ボタン120のオン信号を検出した場合(すなわち、遊技者によって操作ボタン120が操作された場合)には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技者が操作ボタン120を操作した回数を示す操作回数カウンタを1加算するとともに(ステップS1927)、確変大当り演出フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1928)。
確変大当り演出フラグがセットされている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変への昇格を報知するための所定の昇格条件が成立(例えば、ステップS548で設定した操作難易度に従って、所定のタイミングで遊技者によって操作ボタン120が操作されたこと)したか否かを判断する(ステップS1929)。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、後述するように、可変表示装置9に表示するメータのレベルが最大まで増加したタイミングで操作ボタン120のオン信号を検出すると、遊技者が操作ボタン120の操作に成功したと判断して、所定の昇格条件が成立したと判断する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、メータのレベルが最大まで増加したとき以外のタイミングで操作ボタン120のオン信号を検出すると、遊技者が操作ボタン120の操作に失敗したと判断し、所定の昇格条件が成立しなかったと判断する。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9を用いて確変昇格演出の実行を開始すると、所定の昇格条件が成立したか否かを判定するための昇格条件判定用タイマをスタートさせる。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作ボタン120のオン信号を検出すると、昇格条件判定用タイマの値が所定の範囲内に含まれるか否かを確認する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定の範囲内に含まれていれば所定の昇格条件が成立したと判定し、所定の範囲内に含まれていなければ所定の昇格条件が成立しなかったと判定する。なお、所定の範囲は、具体的には、演出態様決定処理において操作難易度として設定される(ステップS548参照)。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出態様決定処理において、操作難易度を高く設定する場合には所定の範囲が狭くなるように設定し、操作難易度を低く設定する場合には所定の範囲が広くなるように設定する。
また、ステップS1929において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出態様決定処理で設定した操作難易度に従って、所定の昇格条件が成立したか否かを判断する。例えば、設定した操作難易度が高い場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9に表示したメータのレベルが正確に最大まで増加したタイミングで操作ボタン120のオン信号を検出すると、所定の昇格条件が成立したと判断する。また、設定した操作難易度が低い場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、メータが最大の点から所定マージン分手前の点までの間でレベル表示しているときに操作ボタン120のオン信号を検出すると、所定の昇格条件が成立したと判断する。すなわち、遊技者が操作に成功したと判断されるタイミングの幅が広がり、操作ボタン120による操作が易しくなる。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作難易度に応じてメータのレベルが増加するスピードを変化させてもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、設定した操作難易度が高い場合にメータのレベルが増加するスピードを速くし、設定した操作難易度が低い場合にメータのレベルが増加するスピードを遅くしてもよい。
なお、確変昇格演出の演出態様は、上記に示したものに限られない。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格演出において、可変表示装置9を用いて左中右の飾り図柄の変動を行い、操作ボタン120からのオン信号を検出したことにもとづいて、左中右の飾り図柄を停止表示させる演出を行ってもよい。演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、遊技者が操作ボタン120を3回操作したことにもとづいて、左右中の順番に操作ごとにその操作に対応する飾り図柄を停止表示させる。この場合、確変大当りとすることが事前決定されているときに、遊技者が左中右の飾り図柄が同じ図柄で揃うタイミングで操作ボタン120を操作すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、左中右の飾り図柄が同じ確変図柄で揃った状態で最終停止させる。すなわち、所定の昇格条件が成立し、左中右の飾り図柄が同じ確変図柄で揃った状態で停止表示され、確変に昇格したことが報知されることになる。また、この場合に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作難易度に応じて飾り図柄が変動するスピードを変化させてもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、設定した操作難易度が高い場合に飾り図柄が変動するスピードを速くし、設定した操作難易度が低い場合に飾り図柄が変動するスピードを遅くしてもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作難易度に応じて、ステップS548で引き込み数を設定するようにし、操作ボタン120のオン信号を検出してから図柄の変動を停止するまでの図柄の最大引き込み数(操作ボタン120のオン信号を検出してから最大で何図柄変動させるか)を変化させてもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、設定した操作難易度が高い場合に、図柄の引き込み数を0(操作ボタン120のオン信号を検出したタイミングで図柄の変動を最終停止させる)とし、設定した操作難易度が低い場合に、図柄の引き込み数を最大で4(操作ボタン120のオン信号を検出してから最大で4図柄変動させてから最終停止させる)にするようにしてもよい。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作ボタン120が操作されたタイミングと、操作難易度として設定した最大引き込み数とにもとづいて、所定の昇格条件が成立したか否かを判定し、判定結果にしたがって図柄を停止させるようにしてもよい。すなわち、図45の(5)に示す中リールの「6」の位置で「7」を止めるときに引き込み数が0のときは「6」の位置で「7」を押さなければならないが、引き込み数が4のときには「7」の図柄が「6」の位置よりも4図柄以内の範囲で上にあるときに操作ボタン120が操作されれば、「6」の位置で「7」が止まるようにしてもよい。なお、この実施の形態では、遊技機が操作ボタン120を1つ備える場合を説明したが、遊技機は、飾り図柄に対応して3つの操作ボタンを備えてもよい。
また、例えば、遊技機が、液晶表示装置(例えば、可変表示装置9)とは別にドラムモータによって回転駆動される左中右の3つの回転ドラム(回転リール)を備える場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格演出において、左中右の回転ドラムを回転させることによって、確変昇格演出を行ってもよい。そして、操作ボタン120からのオン信号を検出したことにもとづいて、左中右の回転ドラムを停止させる演出を行ってもよい。演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、遊技者が操作ボタン120を3回操作したことにもとづいて、左右中の順番に操作ごとにその操作に対応する回転ドラムの回転を停止させる。この場合、確変大当りとすることが事前決定されているときに、遊技者が左中右の回転ドラムの停止図柄が同じ図柄で揃うタイミングで操作ボタン120を操作すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、左中右の回転ドラムが同じ確変図柄で揃った状態で回転を停止させる。すなわち、所定の昇格条件が成立し、左中右の回転ドラムが同じ確変図柄で揃った状態で停止され、確変に昇格したことが報知されることになる。また、この場合に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作難易度に応じて回転ドラムが回転するスピードを変化させてもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、設定した操作難易度が高い場合に回転ドラムが回転するスピードを速くし、設定した操作難易度が低い場合に回転ドラムが回転するスピードを遅くしてもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作難易度に応じて、操作ボタン120のオン信号を検出してから回転ドラムの回転を停止するまでの図柄の最大引き込み数(操作ボタン120のオン信号を検出してから最大で何図柄変動させてから最終停止するか)を変化させてもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、設定した操作難易度が高い場合に、図柄の引き込み数を0(操作ボタン120のオン信号を検出したタイミングで図柄の変動を最終停止させる)とし、設定した操作難易度が低い場合に、図柄の引き込み数を最大で4(操作ボタン120のオン信号を検出してから最大で4図柄変動させてから最終停止させる)にするようにしてもよい。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作ボタン120が操作されたタイミングと、操作難易度として設定した最大引き込み数とにもとづいて、所定の昇格条件が成立したか否かを判定し、判定結果にしたがって回転ドラムを停止させるようにしてもよい。すなわち、図45の(5)に示す中リールの「6」の位置で「7」を止めるときに引き込み数が0のときは「6」の位置で「7」を押さなければならないが、引き込み数が4のときには「7」の図柄が「6」の位置よりも4図柄以内の範囲で上にあるときに操作ボタン120が操作されれば、「6」の位置で「7」が止まるようにしてもよい。なお、この実施の形態では、遊技機が操作ボタン120を1つ備える場合を説明したが、遊技機は、回転ドラムに対応して3つの操作ボタンを備えてもよい。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記に示した確変昇格演出の演出態様のいずれかを選択して実行するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、演出態様決定用乱数の値にもとづいて、可変表示装置9にメータを表示させて行う演出、可変表示装置9を用いて左中右の飾り図柄を変動させて行う演出、または左中右の回転ドラムを回転させて行う演出のいずれかを選択し、選択した演出態様に従って確変昇格演出を実行してもよい。
また、この実施の形態では、押下することによって1種類のオン信号を出力する操作ボタン120からのオン信号にもとづいて所定の昇格条件が成立したか否かを判定する場合を説明するが、遊技機は、例えば、上下左右のいずれの部分が押されたかに応じて4種類のオン信号を出力するボタン(いやゆる十字キー)を備えてもよい。この場合、例えば、所定時間以内(例えば3秒以内)に十字キーの上下左右の部分が所定の順番で押されたことを検出すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、所定の昇格条件が成立したと判定してもよい。
所定の昇格条件が成立したと判断すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9に確変に昇格した旨を表示するとともに(ステップS1930)、確変に昇格した旨の報知を既に行った旨を示す昇格報知済フラグをセットする(ステップS1931)。なお、この実施の形態において、確変昇格演出において確変に昇格したことを報知するとは、確変大当りと事前決定されていることを報知する報知演出を実行することに相当する。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、可変表示装置9に「確変大当り」と表示することによって、確変に昇格したことを報知する。なお、ステップS1929で所定の昇格条件が成立しないと判断した場合、またはステップS1928で確変大当り演出フラグがセットされていないと判断した場合には、ステップS1941に移行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格演出実行中フラグをリセットするとともに(ステップS1932)、大入賞口開放後フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1933)。大入賞口開放後フラグがセットされている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1909に移行する。すなわち、この場合、既にラウンドが終了してしまった場合(例えば、大入賞口への入賞数が所定個に達しラウンドが短期間に終了してしまった場合)であるので、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ラウンド後のインターバル演出を行うように制御する。
大入賞口開放後フラグがセットされていない場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変に昇格したことを報知したあとに実行するラウンド中演出を選択する(ステップS1934)。この実施の形態では、通常のラウンド中演出とは別に、確変に昇格したことを報知したあとや、確変に昇格しなかったことを報知したあと、確変への昇格の期待度を報知した後に実行するラウンド中演出を実行するためのプロセスデータをあらかじめ用意する。そして、通常のラウンド中演出とは異なるキャラクタなどを表示する演出を行うことによって、確変への昇格や非昇格が分かるようにする。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、選択したラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択し(ステップS1935)、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1936)。
ステップS1926で操作ボタン120からのオン信号を検出しなかった場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出期間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS1937)。演出期間計測タイマがタイムアウトしていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS1938)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS1939)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS1940)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出回数カウンタの値を1減算するとともに(ステップS1941)、減算後の演出回数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS1942)。なお、ステップS1928で確変大当り演出フラグがセットされていなかった場合、およびステップS1929で所定の昇格条件が成立しなかった場合にも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1941に移行し、演出回数カウンタの値を1減算する。
ステップS1942で演出回数カウンタの値が0であるということは、演出態様決定処理で決定した全演出回数の確変昇格演出を実行したにもかかわらず、所定の昇格条件が成立しなかった(遊技者が確変に移行することを報知するための操作に一度も成功できなかった)場合である。演出回数カウンタの値が0である場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作回数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS1943)。
なお、演出態様決定処理において演出回数を決定するのではなく確変昇格演出の実行時間を決定することによって演出期間を決定している場合には、後述するラウンド後処理において、演出態様決定処理で決定した実行時間が演出期間計測タイマにセットされる。この場合、例えば、大当り遊技中にラウンド中昇格演出を複数回実行する場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1937において演出期間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認することによって、ラウンド中昇格処理1回あたりの実行時間が経過したか否かを判断する。また、例えば、大当り遊技中にラウンド中昇格演出を1回だけ実行する場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1937において演出期間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認することによって、ラウンド中昇格演出の全演出期間が経過したか否かを判断する。この場合、ステップS1937で演出期間計測タイマがタイムアウトしていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ラウンド中昇格演出の全演出期間が終了したと判断して、ステップS1941,S1942の処理を実行することなくステップS1943に移行し、操作回数カウンタの値を確認するようにすればよい。
ステップS1943で操作回数カウンタの値が0であるということは、2回以上実行された確変昇格演出(ラウンド中昇格演出)において、遊技者が一度も操作ボタン120を操作しなかったことを意味する。また、ステップS1943で操作回数カウンタの値が0でないということは、確変昇格演出において、遊技者が少なくとも一度は操作ボタン120を操作したことを意味する。
ステップS1943で操作回数カウンタの値が0である場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1950に移行する。操作回数カウンタの値が0でない場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9に確変への昇格の期待度を予告する旨を表示する(ステップS1944)。なお、この実施の形態において、「確変への昇格の期待度」とは、確変に移行することの信頼性の度合いをいう。
なお、全演出回数の確変昇格演出を実行したにもかかわらず所定の昇格条件が成立せず、かつ操作回数カウンタの値が0である場合に、必ず確変昇格の期待度を報知するのでなく、抽選により期待度の報知を実行するか否かを決定し、期待度の報知を実行すると決定した場合に、確変昇格の期待度を報知するようにしてもよい。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格演出実行中フラグをリセットするとともに(ステップS1945)、大入賞口開放後フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1946)。大入賞口開放後フラグがセットされている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1909に移行する。すなわち、この場合、既にラウンドが終了してしまった場合(例えば、大入賞口への入賞数が所定個に達しラウンドが短期間に終了してしまった場合)であるので、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ラウンド後のインターバル演出を行うように制御する。
大入賞口開放後フラグがセットされていない場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変への昇格の期待度を報知したあとに実行するラウンド中演出を選択する(ステップS1947)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、選択したラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択し(ステップS1948)、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1949)。
ステップS1942で演出回数カウンタの値が0でないということは、演出態様決定処理で決定した演出回数分の確変昇格演出の実行を完了しておらず、まだ実行すべきラウンド中昇格演出が残っている場合である。演出回数カウンタの値が0でない場合には、ステップS1950に移行し、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9に確変に昇格しなかった旨を表示する(ステップS1950)。また、ステップS1943で操作回数カウンタの値が0であった場合にも、ステップS1950に移行し、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9に確変に昇格しなかった旨を表示する(ステップS1950)。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、可変表示装置9にキャラクタのセリフとして「確変に昇格しませんでした」などと表示することによって、確変に昇格しなかったことを報知する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、可変表示装置9にキャラクタのセリフとして「次は、確変昇格に成功させてね」などと表示することによって、遊技者に対して確変昇格演出への参加意欲を向上させるようにしてもよい。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格演出実行中フラグをリセットするとともに(ステップS1951)、大入賞口開放後フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1952)。大入賞口開放後フラグがセットされている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1909に移行する。すなわち、この場合、既にラウンドが終了してしまった場合(例えば、大入賞口への入賞数が所定個に達しラウンドが短期間に終了してしまった場合)であるので、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ラウンド後のインターバル演出を行うように制御する。
大入賞口開放後フラグがセットされていない場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変に昇格しなかったことを報知したあとに実行するラウンド中演出を選択する(ステップS1953)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、選択したラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択し(ステップS1954)、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1955)。
このように、この実施の形態では、操作ボタン120からのオン信号を全く検出しなかった場合(すなわち、遊技者が全く操作ボタン120を操作しなかった場合)には、確変大当りとすることが事前決定されている場合であっても、確変に昇格しなかったことを報知する演出を実行する。そのようにすることによって、確変昇格演出において操作ボタン120の操作を行わなければ確変に昇格されない印象を遊技者に与えることができ、遊技者に対して確変昇格演出への参加意欲を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、ラウンド中昇格演出において、操作ボタン120の操作にもとづいて所定の昇格条件が成立したか否かを判断し、確変への昇格または非昇格を報知する場合を説明したが、操作ボタン120による操作に関わらず、例えば、確変に昇格するか否かを再抽選する再抽選演出を実行するようにしてもよい。
例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ラウンド中処理においてラウンド中昇格実行フラグがセットされていれば、ラウンド開始後の時間が再抽選演出の開始時間を経過したか否かを判定する(ステップS1846参照)。経過していれば、ラウンド開始後の時間が大当り図柄確定演出の開始時間を経過したか否かを判定する(ステップS1853参照)。大当り図柄確定演出の開始時間を経過していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄変動中処理におけるステップS1854〜S1857と同様の処理に従って、再抽選演出のプロセスデータを選択し、選択したプロセスデータに従って再抽選演出を実行する。大当り図柄確定演出の開始時間を経過していれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄変動中処理におけるステップS1858〜S1864と同様の処理に従って、大当り図柄確定演出のプロセスデータを選択し、選択したプロセスデータに従って大当り図柄を表示演出する制御を行う。
ステップS1903bでラウンド中再抽選実行フラグがセットされていた場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンのEXTデータから認識可能な変動パターンにおける再抽選演出の開始時間を確認し、さらに変動時間タイマの値を確認することにより、変動開始後の時間が再抽選演出の開始時間を経過しているか否かを判定する(ステップS1956)。未だ再抽選演出の開始時間を経過していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1904に移行する。
変動開始後の時間が再抽選演出の開始時間を経過していれば(ステップS1956のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンデータ格納領域に格納されているEXTデータから認識可能な変動パターンにおける大当り図柄確定演出の開始時間を確認するとともに、変動時間タイマの値を確認することにより、変動開始後の時間が大当り図柄確定演出の開始時間を経過しているか否かを判定する(ステップS1957)。
大当り図柄確定演出の開始時間を経過していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動時間タイマの値を確認することにより、再抽選演出を実行している最中であるかどうかを判定する(ステップ1958)。このとき、再抽選演出を実行している最中でないと判定されたということは、再抽選演出が開始された直後であることを意味する。再抽選演出を実行している最中でなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、再抽選演出のプロセスデータを選択し(ステップS1959)、選択したプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS1960)。そして、再抽選演出のプロセスデータの内容に従って演出装置(第1可変表示装置9a、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する(ステップS1961)。再抽選演出を実行している最中であれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのままステップS1961に移行し、再抽選演出のプロセスデータの内容に従って演出装置(第1可変表示装置9a、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する。
ステップS1957において大当り図柄確定演出の開始時間を経過していると判定した場合は、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動時間タイマの値を確認することにより、大当り図柄確定演出を実行している最中であるかどうかを判定する(ステップS1962)。このとき、大当り図柄確定演出を実行している最中でないと判定されたということは、大当り図柄確定演出が開始された直後であることを意味する。大当り図柄確定演出を実行している最中でなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1840で決定された図柄が反映された図柄配列に対応した大当り図柄確定演出のプロセスデータを選択する(ステップS1963)。また、ステップS1840で決定された図柄が確変図柄である場合には(ステップS1964のY)、確変に昇格したことを報知した旨を示す昇格報知済フラグをセットする(ステップS1965)。確変図柄でない場合には(ステップS1964のN)、確変に昇格しなかったことを報知した旨を示す非昇格報知済フラグをセットする(ステップS1966)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、選択したプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS1967)。なお、大当り図柄確定演出のプロセスデータは、変更された図柄の全ての組み合わせに対応可能な図柄配列のプロセスデータが予め複数用意されている。そして、大当り図柄確定演出のプロセスデータの内容に従って演出装置(第1可変表示装置9a、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する(ステップS1968)。なお、この実施の形態では、コマンド制御処理においてラウンド中再抽選実行フラグをセットしたときに、飾り図柄の停止図柄として確変図柄または非確変図柄のいずれかを決定するので(ステップS1641a参照)、ステップS1968で大当り図柄の確定演出を実行する場合に、確変図柄または非確変図柄のいずれかが停止表示される。
ステップS1962において大当り図柄確定演出を実行している最中であれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのままステップS1968に移行し、大当り図柄確定演出のプロセスデータの内容に従って演出装置の制御を実行する。
図65は、演出制御プロセス処理におけるラウンド後処理(ステップS806)を示すフローチャートである。ラウンド後処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放中表示コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1971)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS1971のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS1972)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS1973)。例えば、可変表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、所定のキャラクタなどを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS1974)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS1975)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS1976)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS1971のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ラウンド中確変昇格実行フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1977)。ラウンド中確変昇格実行フラグがセットされていれば(ステップS1977のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1978に移行する。ステップS1977でラウンド中確変昇格実行フラグがセットされていなければ、ステップS1985に移行する。
ステップS1978では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、現在のラウンドが演出態様決定処理で決定した確変昇格演出の実行ラウンドであるか否かを確認する。この場合、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した大入賞口開放中表示コマンド(図7に示すコマンドA1XX(H))の内容にもとづいて、現在が何ラウンドであるかを特定する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、特定した現在のラウンドが演出態様決定処理で決定した実行ラウンドと合致するか否かを判断することによって、確変昇格演出の実行ラウンドであるか否かを確認する。確変昇格演出の実行ラウンドでなければ、ステップS1985に移行する。
確変昇格演出の実行ラウンドである場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、昇格報知済フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1979)。昇格報知済フラグがセットされているということは、既に実行されたラウンド中昇格演出において確変に昇格したことを報知した後であることを意味する。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1980以降の確変昇格演出の開始処理に移行することなく、ステップS1985に移行する。そのようにすることによって、既に実行されたラウンド中昇格演出において確変に昇格したことが報知されたにもかかわらず、確変昇格演出が実行されてしまうという不自然な状況が発生してしまうことを防止することができる。
昇格報知済フラグがセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格演出(この場合は、ラウンド中昇格演出)に応じたプロセスデータを選択するとともに(ステップS1980)、確変昇格演出を実行中であることを示す確変昇格演出実行中フラグをセットする(ステップS1981)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放中フラグをリセットし(ステップS1982)、演出期間計測タイマをスタートさせる(ステップS1983)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS1984)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS1989)。なお、演出態様決定処理において確変昇格演出の実行時間を決定することによって演出期間を決定している場合には、ステップS1983において、演出態様決定処理で決定した実行時間を演出期間計測タイマにセットしてもよい。
この実施の形態では、ラウンド中昇格演出は、遊技者によって操作ボタン120が操作された場合には、所定の昇格条件が成立したか否かに応じて確変の昇格や非昇格を報知して終了する。なお、遊技者によって操作ボタン120が操作されなかった場合に、ラウンド中昇格演出は、ステップS1983でセットした演出期間計測タイマがタイムアウトしたときに終了するようにしてもよい。そのようにすれば、あらかじめセットした演出期間に従って確変昇格演出を実行するので、確変昇格演出の実行中にラウンドが終了してしまった場合(例えば、大入賞口への入賞数が所定個(例えば10個)に達しラウンドが短期間に終了してしまった場合)であっても、確変昇格演出を継続することができ、確変昇格演出の途中で不自然に演出を終了してしまう事態を防止できる。また、ラウンドが短期間に終了してしまった場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、複数のラウンドにまたがって確変昇格演出を実行してもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、ラウンドが切り替わるときにラウンド数の表示のみを更新し、確変昇格演出を継続してもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1902で大入賞口開放後フラグがセットされていれば、確変昇格演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する。確変昇格演出実行中フラグがセットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1909以降のインターバル演出に移行することなく、ステップS1923以降の確変昇格演出を実行する。その後、次のラウンドが開始し大入賞口開放後フラグがリセットされると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1902で大入賞口開放後フラグがセットされていないと判断するとともに、ステップS1903で確変昇格演出実行中フラグがセットされていれば、ステップS1923以降の確変昇格演出を実行する。そして、確変昇格演出において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、大入賞口開放中表示コマンド「A1XX」を受信したか否かを確認し、受信していれば、大入賞口開放中表示コマンドで特定されるラウンド数にもとづいて、可変表示装置9に表示するラウンド数を更新する。
また、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1983において短い演出期間(例えば5秒)をセットして演出期間計測タイマをスタートさせてもよい。すなわち、このような短時間(例えば5秒)の間に大入賞口への入賞数が所定個(例えば10個)に達しラウンドが終了してしまうことは少ないので、確変昇格演出の実行中にラウンドが終了して、確変昇格演出が途中で不自然に終了してしまう事態を極力防止できる。
ステップS1985では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放中表示コマンドの内容にもとづいてラウンド中演出(ラウンド数に応じたラウンド表示を実行する演出)を選択する(ステップS1985)。次いで、大入賞口開放中フラグをリセットし(ステップS1986)、ラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS1987)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS1988)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS1989)。
なお、通常のラウンド中演出に用いるプロセスデータとは異なるプロセスデータをあらかじめ用意しておき、ステップS1979で昇格報知済フラグがセットされていた場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1987において通常のラウンド中演出とは異なるプロセスデータを選択してもよい。そのようにすることによって、大当り遊技のラウンド中に既に確変に昇格したことを報知している場合には、確変昇格演出とは別の演出データにもとづいて、確変昇格演出が実行される予定だった期間に確変昇格演出とは別の演出を実行してもよい。
図66および図67は、演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(ステップS807)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、演出期間計測タイマの値を1減算するとともに(ステップS970)、確変昇格演出の実行が指定されているか否かを確認する(ステップS971)。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、大当り終了後確変昇格実行フラグがセットされているか否かを確認することによって、確変昇格演出の実行が指定されているか否かを確認する。確変昇格演出の実行が指定されていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出期間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS972)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていないときは(ステップS972のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS973)、大当り後再抽選実行フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS973a)。大当り後再抽選実行フラグがセットされていなければ、そのままステップS974に移行する。
大当り後再抽選実行フラグがセットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンのEXTデータから認識可能な変動パターンにおける再抽選演出の開始時間を確認し、さらに変動時間タイマの値を確認することにより、変動開始後の時間が再抽選演出の開始時間を経過しているか否かを判定する(ステップS973b)。未だ再抽選演出の開始時間を経過していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS974に移行する。
変動開始後の時間が再抽選演出の開始時間を経過していれば(ステップS973bのY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンデータ格納領域に格納されているEXTデータから認識可能な変動パターンにおける大当り図柄確定演出の開始時間を確認するとともに、変動時間タイマの値を確認することにより、変動開始後の時間が大当り図柄確定演出の開始時間を経過しているか否かを判定する(ステップS973c)。
大当り図柄確定演出の開始時間を経過していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動時間タイマの値を確認することにより、再抽選演出を実行している最中であるかどうかを判定する(ステップ973d)。このとき、再抽選演出を実行している最中でないと判定されたということは、再抽選演出が開始された直後であることを意味する。再抽選演出を実行している最中でなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、再抽選演出のプロセスデータを選択し(ステップS973e)、選択したプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS973f)。そして、再抽選演出のプロセスデータの内容に従って演出装置(第1可変表示装置9a、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する(ステップS973g)。再抽選演出を実行している最中であれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのままステップS973gに移行し、再抽選演出のプロセスデータの内容に従って演出装置(第1可変表示装置9a、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する。
ステップS973cにおいて大当り図柄確定演出の開始時間を経過していると判定した場合は、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動時間タイマの値を確認することにより、大当り図柄確定演出を実行している最中であるかどうかを判定する(ステップS973h)。このとき、大当り図柄確定演出を実行している最中でないと判定されたということは、大当り図柄確定演出が開始された直後であることを意味する。大当り図柄確定演出を実行している最中でなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1840で決定された図柄が反映された図柄配列に対応した大当り図柄確定演出のプロセスデータを選択する(ステップS973i)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、選択したプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS973j)。なお、大当り図柄確定演出のプロセスデータは、変更された図柄の全ての組み合わせに対応可能な図柄配列のプロセスデータが予め複数用意されている。そして、大当り図柄確定演出のプロセスデータの内容に従って演出装置(可変表示装置、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する(ステップS973k)。なお、この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1914eで決定した飾り図柄にもとづいて大当り図柄として確変図柄を表示することになる。
ステップS973hにおいて大当り図柄確定演出を実行している最中であれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのままステップS973kに移行し、大当り図柄確定演出のプロセスデータの内容に従って演出装置の制御を実行する。
ステップS974では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27等)を制御する処理を実行する(ステップS974)。例えば、大当りが終了することを表示したり、図柄/演出指定コマンドの内容とエンディングコマンドの内容とが不一致であるときは、上述した特別のエンディング演出を実行する。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9の表示画面に所定のキャラクタを表示させ、キャラクタのセリフとして「またね!」などの文章を表示させることによって、大当りが終了することを報知する。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS975)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS976)。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS977)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしたときは(ステップS972のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常大当り演出フラグや確変大当り演出フラグ等の所定のフラグをリセットし(ステップS978)、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に設定する(ステップS979)。
ステップS971で確変昇格演出の実行が指定されていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格演出計測タイマを1減算するとともに、プロセスタイマを1減算する(ステップS980)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS981)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、後述するように、可変表示装置9にメータを表示させるとともに、メータのレベルを所定のスピードで増加させる演出を行う。また、例えば、可変表示装置9において所定のキャラクタなどを表示させ、キャラクタのセリフとしてメータのレベルが最大まで増加したタイミングで操作ボタン120を操作することを促す旨を表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作ボタン120からのオン信号を検出したか否かを確認する(ステップS982)。操作ボタン120からのオン信号を検出しなかった場合(すなわち、遊技者によって操作ボタン120が操作されなかった場合)には、ステップS989に移行する。操作ボタン120のオン信号を検出した場合(すなわち、遊技者によって操作ボタン120が操作された場合)には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当り演出フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS983)。
確変大当り演出フラグがセットされている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変への昇格を報知するための所定の昇格条件が成立したか否かを判断する(ステップS984)。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、後述するように、可変表示装置9に表示するメータのレベルが最大まで増加したタイミングで操作ボタン120のオン信号を検出すると、遊技者が操作ボタン120の操作に成功したと判断して、所定の昇格条件が成立したと判断する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、メータのレベルが最大まで増加したとき以外のタイミングで操作ボタン120のオン信号を検出すると、遊技者が操作ボタン120の操作に失敗したと判断し、所定の昇格条件が成立しなかったと判断する。
なお、大当り後昇格演出の演出態様は、ラウンド中昇格演出の場合と同様に、上記に示したものに限られない。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格演出において、可変表示装置9を用いて左中右の飾り図柄の変動を行い、操作ボタン120からのオン信号を検出したことにもとづいて、左中右の飾り図柄を停止表示させる演出を行ってもよい。演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、遊技者が操作ボタン120を3回操作したことにもとづいて、左右中の順番に飾り図柄を停止表示させる。この場合、遊技者が左中右の飾り図柄が同じ図柄で揃うタイミングで操作ボタン120を操作すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、左中右の飾り図柄が同じ確変図柄で揃った状態で最終停止させる。すなわち、所定の昇格条件が成立し、左中右の飾り図柄が同じ確変図柄で揃った状態で停止表示され、確変に昇格したことが報知されることになる。
また、例えば、遊技機が、ドラムモータによって回転駆動される左中右の3つの回転ドラム(回転リール)を備える場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、左中右の回転ドラムを回転させることによって、確変昇格演出を行ってもよい。そして、操作ボタン120からのオン信号を検出したことにもとづいて、左中右の回転ドラムを停止させる演出を行ってもよい。演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、遊技者が操作ボタン120を3回操作したことにもとづいて、左右中の順番に回転ドラムの回転を停止させる。この場合、遊技者が左中右の回転ドラムの停止図柄が同じ図柄で揃うタイミングで操作ボタン120を操作すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、左中右の回転ドラムが同じ確変図柄で揃った状態で回転を停止させる。すなわち、所定の昇格条件が成立し、左中右の回転ドラムが同じ確変図柄で揃った状態で停止され、確変に昇格したことが報知されることになる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記に示した確変昇格演出の演出態様のいずれかを選択して実行するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、演出態様決定用乱数の値にもとづいて、可変表示装置9にメータを表示させて行う演出、可変表示装置9を用いて左中右の飾り図柄を変動させて行う演出、または左中右の回転ドラムを回転させて行う演出のいずれかを選択し、選択した演出態様に従って確変昇格演出を実行してもよい。
所定の昇格条件が成立したと判断すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9に確変に昇格した旨を表示する(ステップS985)。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、可変表示装置9に「確変大当り」と表示することによって、確変に昇格したことを報知する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り終了後確変昇格実行フラグをリセットし(ステップS986)、確変に昇格したことを報知したあとのエンディング演出の残り時間に実行する演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS987)。この実施の形態では、通常のエンディング演出とは別に、確変に昇格したことを報知したあとや、確変に昇格しなかったことを報知したあとのエンディング演出の残り時間に実行する演出を実行するためのプロセスデータをあらかじめ用意する。そして、通常のエンディング演出とは異なるキャラクタなどを表示する演出を行うことによって、確変への昇格や非昇格が分かるようにする。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS988)。
ステップS982で操作ボタン120からのオン信号を検出しなかった場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格演出計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS989)。確変昇格演出計測タイマがタイムアウトしていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS990)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS991)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS992)。
確変昇格演出計測タイマがタイムアウトしていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9に確変に昇格しなかった旨を表示する(ステップS993)。また、ステップS983で確変大当り演出フラグがセットされていなかった場合、またはステップS984で所定の昇格条件が成立しなった場合にも、ステップS993に移行し、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9に確変に昇格しなかった旨を表示する(ステップS993)。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、可変表示装置9にキャラクタのセリフとして「確変に昇格しませんでした」などと表示することによって、確変に昇格しなかったことを報知する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り終了後確変昇格実行フラグをリセットし(ステップS994)、確変に昇格しなかったことを報知したあとのエンディング演出の残り時間に実行する演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS995)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS996)。
なお、この実施の形態では、大当り後昇格演出において、ラウンド中昇格演出と同様に、操作ボタン120からのオン信号の検出にもとづいて所定の昇格条件が成立したか否かを判定し、所定の昇格条件が成立した場合に確変に昇格したことを報知する場合を説明したが、所定の昇格条件の成立の有無を判定することなく、大当り後昇格演出において無条件に確変に昇格したことを報知するようにしてもよい。この場合、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS982,S983,S984の処理を実行することなく、所定の演出期間経過後に、確変大当り演出フラグがセットされていれば、ステップS985の処理を実行して確変に昇格したことを報知し、確変大当り演出フラグがセットされていなければ、ステップS993の処理を実行して確変に昇格しなかったことを報知してもよい。
また、この実施の形態では、大当り指定の変動パターンコマンドを受信したが表示結果コマンドを受信できなかった場合には、確変大当り指定のエンディングコマンドを受信したことにもとづいて、大当り後昇格演出において再抽選演出を行う場合を説明したが、再抽選を行うことなく、エンディング演出において無条件に確変に昇格したことを報知するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、大当り後昇格演出において、操作ボタン120が一度操作されると、確変大当り演出フラグがセットされているか否かを判定するとともに所定の昇格条件が成立したか否かを判定して、確変への昇格または非昇格を報知するようにしたが、大当り後昇格演出の演出期間が終了するまで何回でも操作ボタン120を操作できるようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、ステップS983で確変大当り演出フラグがセットされていなかった場合、またはステップS984で所定の昇格条件が成立しなかった場合には、ステップS989に移行し、確変昇格演出計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する。確変昇格演出計測タイマがタイムアウトしていなければ、ステップS990に移行し、大当り後昇格演出の演出期間が終了するまでステップS980以降の確変昇格演出の処理を繰り返し実行する。確変昇格演出計測タイマがタイムアウトしていれば、ステップS993に移行し、確変に昇格しなかったことを報知する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、一度確変に昇格しなかったことを報知した場合であっても、確変昇格演出計測タイマがタイムアウトするまで、所定の昇格条件の成立の判定処理を繰り返し実行し、確変への昇格または非昇格の報知を実行してもよい。
なお、この実施の形態では、大当り後昇格演出において、操作ボタン120の操作にもとづいて所定の昇格条件が成立したか否かを判断し、確変への昇格または非昇格を報知する場合を説明したが、操作ボタン120による操作に関わらず、例えば、確変に昇格するか否かを再抽選する再抽選演出を実行するようにしてもよい。
例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り終了演出処理において大当り後昇格実行フラグがセットされていれば、エンディング開始後の時間が再抽選演出の開始時間を経過したか否かを判定する(ステップS1846参照)。経過していれば、エンディング開始後の時間が大当り図柄確定演出の開始時間を経過したか否かを判定する(ステップS1853参照)。大当り図柄確定演出の開始時間を経過していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄変動中処理におけるステップS1854〜S1857と同様の処理に従って、再抽選演出のプロセスデータを選択し、選択したプロセスデータに従って再抽選演出を実行する。大当り図柄確定演出の開始時間を経過していれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄変動中処理におけるステップS1858〜S1864と同様の処理に従って、大当り図柄確定演出のプロセスデータを選択し、選択したプロセスデータに従って大当り図柄を表示演出する制御を行う。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される各演出制御コマンドの送信タイミングと、演出制御用マイクロコンピュータ100による確変昇格演出の実行タイミングについて説明する。
図68は、15ラウンドの大当り遊技が実行されるときの演出制御コマンドの送信タイミング及び確変昇格演出の実行タイミングを示すタイミング図である。なお、図68は、大当り(本例では確変大当り)と決定されたときに、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100が全て正常に受信できた場合を示す。
図68に示すように、始動入賞があり特別図柄表示器8において特別図柄の可変表示が開始される度に、特別図柄通常処理(ステップS300)において、大当り判定の判定結果、通常大当りか確変大当りか(確変大当りになるかどうか)の決定結果、および確変昇格演出の実行の有無の決定結果に応じた図柄/演出指定コマンド(表示結果コマンド)が演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
具体的には、大当り判定の判定結果が「はずれ」のときは、はずれ指定コマンドが送信される。大当り判定の判定結果が「大当り」である場合には、通常大当りか確変大当りかの決定結果が「通常大当り」であるときは、通常大当り指定コマンドが送信される。通常大当りか確変大当りかの決定結果が「確変大当り」である場合には、確変昇格演出の実行の有無の決定結果が「確変昇格演出の不実行」であるときは、確変大当り指定コマンドが送信される。また、確変昇格演出の実行の有無の決定結果が「確変昇格演出の実行」であるときは、ラウンド中確変昇格演出付き確変大当り指定コマンドや、大当り後確変昇格演出付き確変大当り指定コマンド、確変昇格演出付き確変大当り指定コマンドが送信される。また、突然確変大当りとすると決定したときには、突然確変大当り指定コマンドが送信される。また、小当りとすると決定したときには、小当り指定コマンドが送信される。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、はずれと決定された場合や、突然確変大当りと決定された場合、小当りと決定された場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの変動パターンコマンドにもとづいて、可変表示装置9において停止表示する飾り図柄の停止図柄を選択する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当りと決定された場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの図柄/演出指定コマンドにもとづいて、可変表示装置9において停止表示する飾り図柄の停止図柄として、確変図柄または非確変図柄を決定する。
そして、変動パターン設定処理(ステップS301)において、所定の変動パターン決定テーブルを用いて飾り図柄の変動パターン(変動時間)が決定され、決定された変動パターンを示す変動パターンコマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの変動パターンコマンドの受信に応じて、可変表示装置9において飾り図柄の変動(可変表示)を開始する。上述したように、可変表示装置9における飾り図柄の変動は、特別図柄表示器8における特別図柄の変動と同期している。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄変動中処理(ステップS302)において、特別図柄の変動時間を計測するとともに、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示の制御を行う(ステップS301〜S303)。この場合に、変動パターンコマンドにおいて確変昇格演出の実行が指定されている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄の変動表示中に再抽選演出を実行する。飾り図柄の変動時間が経過すると、特別図柄変動停止処理(ステップS303)において、特別図柄表示器8における特別図柄の変動が停止されるとともに、飾り図柄停止指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。また、大当り判定における判定結果が大当りであるときは、ファンファーレコマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのファンファーレコマンドの受信に応じて、可変表示装置9やスピーカ27、ランプ28a〜28c等の演出装置を用いて15ラウンドの大当りが開始することを遊技者に報知するファンファーレ演出を所定期間実行する。例えば、可変表示装置9に飾り図柄の大当り図柄(「222」や「777」など)を表示するとともに、大当りになったことを示す文字(「大当り!」)などを表示する。また、スピーカ27から大当りになったときの効果音を鳴らしたり、ランプ28a〜28c等を大当りになったときの点灯パターンで点灯させたりする。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560では、大入賞口開放前処理(ステップS304)において、大当り表示時間(大当り図柄を停止表示してから大当りの第1ラウンドが開始するまでの時間)の計測を開始する。大当り表示時間が経過すると、15ラウンドの大当りを開始するときは、大入賞口開放中表示コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。大入賞口開放中表示コマンドによって各ラウンド中における可変表示装置9の表示状態が指定される。また、ソレノイド21が駆動されて大入賞口が開放される。これにより、大当り遊技中の第1ラウンドが開始する。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの大入賞口開放中表示コマンドの受信に応じて、可変表示装置9やスピーカ27、ランプ28a〜28c等の演出装置を用いて大当り遊技のラウンド中であることを遊技者に報知するラウンド演出(ラウンド表示)を実行する。例えば、可変表示装置9に飾り図柄の大当り図柄(「222」や「777」など)を表示するとともに、現在のラウンドを示す文字(「第1ラウンド」)やその他のキャラクタなどを表示する。また、スピーカ27からラウンド中の効果音を鳴らしたり、ランプ28a〜28c等をラウンド中の点灯パターンで点灯させたりする。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560では、大入賞口開放中処理(ステップS305)において、15ラウンド用のラウンド時間の計測を開始する。また、カウントスイッチ23のオンを検出する毎に入賞個数カウンタの値を+1することにより大入賞口への入賞球数をカウントする。また、カウント数を指定するカウント数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
ラウンド時間が経過したとき、または入賞個数が所定数になったときは、ソレノイド21が駆動されて大入賞口が閉鎖される。これにより、大当り遊技中の第1ラウンドが終了する。このとき、ラウンド数が15ではないので、大入賞口開放後表示コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの大入賞口開放後表示コマンドの受信に応じて、可変表示装置9やスピーカ27、ランプ28a〜28c等の演出装置を用いてラウンド間のインターバルであることを遊技者に報知するインターバル演出(インターバル表示)を所定期間実行する。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560では、大入賞口開放前処理(ステップS304)において、インターバル時間(ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間)の計測を開始する。インターバル時間が経過すると、大入賞口開放中表示コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。また、ソレノイド21が駆動されて大入賞口が開放される。
以上のような大入賞口開放前処理と大入賞口開放中処理は、15ラウンドが終了するまで繰り返し実行される。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄/演出指定コマンドとしてラウンド中確変昇格付き通常大当り指定コマンドまたはラウンド中確変昇格付き確変大当り指定コマンドを受信した場合には、演出態様決定処理(ステップS705)で決定した実行ラウンドに確変昇格演出(ラウンド中昇格演出)を実行する。図68では、演出態様決定処理で確変昇格演出の演出回数が3回と決定され、実行ラウンドがラウンド11,13,15と決定された場合の例が示されている。確変昇格演出においては、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当り演出フラグがセットされ、所定の昇格条件が成立することを条件として、確変に昇格したことを報知する演出を行う。すなわち、確変大当りとすることが事前に決定されており、遊技者によって所定の操作が行われたことを条件として、確変に昇格したことが報知される。
なお、図68において、ラウンド11で実行する確変昇格演出において既に確変に昇格することを報知した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ラウンド13およびラウンド15において確変昇格演出を行わないように制御する。また、ラウンド13で実行する確変昇格演出において既に確変に昇格することを報知した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ラウンド15において確変昇格演出を行わないように制御する。
大入賞口開放中処理において、ラウンド数カウンタの値が15になったときは、確変大当りフラグがセットされているか否かや各確変昇格フラグがセットされているか否かに応じたエンディングコマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのエンディングコマンドの受信に応じて、可変表示装置9やスピーカ27、ランプ28a〜28c等の演出装置を用いて大当りが終了することを遊技者に報知するエンディング演出(大当り終了表示)を所定期間実行する。例えば、可変表示装置9に大当りの終了を示す文字(「またね!!」)や、確変状態に移行することを示す文字(「確変!!」)などを表示したり、スピーカ27からエンディング演出用の効果音を鳴らしたり、ランプ28a〜28c等をエンディング演出用の点灯パターンで点灯させたりする。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560では、大当り終了処理(ステップS306)において、大当り終了時間(大当り終了を遊技者に報知するエンディング演出の実行時間)の計測を開始する。なお、図68に示す例では、大当り終了後のエンディングにおける確変昇格演出の実行が指定されたエンディングコマンドを受信したことにもとづいて、エンディング演出において確変昇格演出(大当り後昇格演出)が実行される場合を示す。大当り終了時間が経過すると、所定のフラグ(大当りフラグ、確変大当りフラグ、確変昇格フラグ)のセット/リセットの処理が行われる。そして、再び、特別図柄通常処理(ステップS300)に戻って特別図柄の変動が開始される。
次に、大当りと決定されたときに、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドのうち、表示結果コマンドを受信できなかった場合の演出制御コマンドの送信タイミングを説明する。図69は、表示結果コマンドを受信できなかった場合の演出制御コマンドの送信タイミング及び確変昇格演出の実行タイミングを示すタイミング図である。
図69に示す例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から確変大当り/通常大当り指定の変動パターンコマンドを受信したものの、図柄/演出指定コマンド(表示結果コマンド)を受信できなかったものとする。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドによって少なくとも大当りであることは認識できるので、通常時大当り図柄決定用テーブルを選択して飾り図柄の停止図柄(非確変図柄)を決定する(ステップS1863,S1868参照)。そして、通常大当りの飾り図柄の停止図柄(非確変図柄)を可変表示装置9に導出表示する(ステップS1872参照)。
次に、突然確変大当りと決定されたときの演出制御コマンドの送信タイミング及び演出タイミングを説明する。図70は、突然確変大当りと決定されたときの演出制御コマンドの送信タイミング及び演出タイミングを示すタイミング図である。
図70に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した突然確変大当り指定の変動パターンコマンドにもとづいて、突然確変大当り用の飾り図柄の停止図柄(例えば、「123」や「357」の図柄の組合せ)を決定する(ステップS1819参照)。そして、特別図柄および飾り図柄の変動表示時間を経過すると、特別図柄および飾り図柄の変動表示を停止し、可変表示装置9に飾り図柄の停止図柄(例えば、「123」や「357」の図柄の組合せ)を導出表示する(ステップS1872参照)。なお、図70に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例え表示結果コマンドを受信できなかった場合であっても、変動パターンコマンドにもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定し導出表示する。そして、図70に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄の停止図柄を導出表示した後、突然確変大当りに対応するファンファーレ演出を所定期間実行する。
次に、小当りと決定されたときの演出制御コマンドの送信タイミング及び演出タイミングを説明する。図71は、小当りと決定されたときの演出制御コマンドの送信タイミング及び演出タイミングを示すタイミング図である。
図71に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した小当り指定の変動パターンコマンドにもとづいて、小当り用の飾り図柄の停止図柄として、突然確変大当り用の飾り図柄の停止図柄と同様の停止図柄(例えば、「123」や「357」の図柄の組合せ)を決定する(ステップS1819参照)。そして、特別図柄および飾り図柄の変動表示時間を経過すると、特別図柄および飾り図柄の変動表示を停止し、可変表示装置9に飾り図柄の停止図柄(例えば、「123」や「357」の図柄の組合せ)を導出表示する(ステップS1872参照)。なお、図71に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例え表示結果コマンドを受信できなかった場合であっても、変動パターンコマンドにもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定し導出表示する。そして、図71に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄の停止図柄を導出表示した後、突然確変大当りに対応するファンファーレ演出と同様のファンファーレ演出を所定期間実行する。
次に、可変表示装置9において実行される大当り図柄の確変昇格演出の演出態様について説明する。図72〜図74は、可変表示装置において実行される大当り図柄の確変昇格演出の表示例を示す説明図である。図72〜図74において、(1)(2)(3)・・・というように番号順に表示状態が遷移する。また、図72〜図74に例示するような表示演出は、演出制御用マイクロコンピュータ100によって遊技制御用マイクロコンピュータ560から送られる演出制御コマンドにもとづいて実行される。また、図72〜図74では、大当り遊技のラウンド中に演出回数を3回と決定して確変昇格演出を実行する場合を例に説明する。なお、大当り遊技のラウンド中に演出回数を4回または2回に決定して確変昇格演出を実行する場合、および大当り遊技終了後のエンディング演出において確変昇格演出を実行する場合も同様である。
前提条件として、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、大当りの判定において大当りとする旨の判定を行い、また確変大当りとする旨の決定をしたものとする。さらに、大当り遊技のラウンド中における確変昇格演出を実行すると決定したものとする。これに応じて確変大当り指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、変動パターンを決定したことに応じて、変動パターンの演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、ラウンド中確変昇格付き確変大当り指定コマンドを受信することにより、確変大当り演出フラグをセットするとともに、ラウンド中確変昇格実行フラグをセットする。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドを受信することにより、変動パターンをセーブし、変動パターン受信フラグをセットする。さらに、ラウンド中の確変昇格演出の実行が指定されている場合であるので、飾り図柄の停止図柄(大当り図柄)として非確変図柄を決定する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出態様決定処理(ステップS705)を実行し、ラウンド中昇格演出の演出回数を決定するとともに(ステップS546)、各実行ラウンドにおける操作難易度を決定する(ステップS548)。図72〜図74に示す例では、演出回数が3回と決定され、演出実行ラウンドがそれぞれラウンド11,13,15と決定される。また、ラウンド11における操作難易度が5と決定され、ラウンド13における操作難易度が3と決定され、ラウンド15における操作難易度が1と決定される。
図72(1)に示すように、可変表示装置9において飾り図柄の変動(可変表示)が開始されてから変動パターンに示される変動時間が経過すると、変動を一旦停止してステップS1649で決定された非確変図柄の大当り図柄(停止図柄)が導出表示される。(1)に示す例では、非確変図柄「222」が導出表示されている。その後、大当り遊技状態に移行し、ラウンド1からラウンド15までの大当り遊技が実行される。大当り遊技のラウンド11になると、1回目の確変昇格演出が開始される(ステップS1977〜S1984)。
1回目の確変昇格演出が開始されると、(2)に示すように、可変表示装置9の画面上にメータが表示される。また、可変表示装置9の画面上にキャラクタのセリフとして「確変に昇格させたければMAXでボタンを押せ!」という文が表示される(ステップS1925)。この時点から演出期間の計測が開始される(ステップS1983)。
(3)に示すように、メータのレベルが徐々に上昇していくような表示が行われる(ステップS1925,S1938〜S1940)。(4)に示すように、メータのレベルが最大まで上昇する間に遊技者によって一度も操作ボタン120が操作されないと、(5)に示すように、メータのレベルが最小の点に戻り、メータのレベルが徐々に上昇していくような表示が繰り返し行われる(ステップS1925,S1938〜S1940)。
(6)に示すように、遊技者によって操作ボタン120が操作されると、所定の昇格条件が成立したか否かが判断される(ステップS1929)。(6)に示す例では、メータのレベルが最大となる前に操作ボタン120が操作された場合であるので、所定の昇格条件が成立しなかったと判断される(ステップS1929のN)。そして、(7)に示すように、可変表示装置9の画面上にキャラクタのセリフとして「残念!確変昇格失敗、次はがんばってね」という文が表示される(ステップS1950)。このような表示が確変に昇格しなかった旨の表示に該当する。なお、遊技者によって一度も操作ボタン120が操作されなかった場合には、所定の演出期間が経過すると(ステップS1937のY)、(7)に示すように確変に昇格しなかった旨が表示され(ステップS1950)、確変昇格演出が終了される。
次に、大当り遊技のラウンド13になると、2回目の確変昇格演出が開始される(ステップS1977〜S1984)。なお、もし1回目の確変昇格演出において所定の昇格条件が成立したと判断され、確変に昇格したことが既に報知された場合には、2回目の確変昇格演出は実行されない。
2回目の確変昇格演出が開始されると、(8)に示すように、可変表示装置9の画面上にメータが表示される。また、可変表示装置9の画面上にキャラクタのセリフとして「確変に昇格させたければこの範囲でボタンを押せ!」という文が表示される(ステップS1925)。この時点から演出期間の計測が開始される(ステップS1983)。この実施の形態では、1回目の確変昇格演出よりも2回目の確変昇格演出の方が操作難易度が低く設定されているので、(8)に示すように、2回目の確変昇格演出では、メータのレベルが最大となる点から所定マージン分手前までの間で操作ボタン120が操作されても確変への昇格に成功したと判断される。すなわち、1回目の確変昇格演出の場合と比較して、操作ボタン120の操作が易しくなる。なお、例えば、1回目の確変昇格演出の場合と比較して、メータのレベルが上昇するスピードを遅くするなどによって、操作ボタン120の操作が易しくなるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、(2)(8)および後述する(11)に示すように、可変表示装置9のメータの最大点で操作ボタン120を操作することの表示や、メータのレベルが最大となる点から所定マージン分手前までの間で操作ボタン120を操作することの表示が、演出態様決定処理で設定した操作難易度を報知する表示に該当する。なお、例えば、操作難易度を示す値を可変表示装置9の画面上に表示することによって操作難易度を報知してもよく、可変表示装置9の画面上に操作難易度を示すためのメータを表示し、メータのレベルを変化させることによって操作難易度を報知してもよい。
(9)に示すように、1回目の確変昇格演出と同様に、メータのレベルが徐々に上昇していくような表示が行われる(ステップS1925,S1938〜S1940)。(9)に示すように、遊技者によって操作ボタン120が操作されると、所定の昇格条件が成立したか否かが判断される(ステップS1929)。(9)に示す例では、メータのレベルが最大となる点から所定マージン分手前の点よりも前に操作ボタン120が操作された場合であるので、所定の昇格条件が成立しなかったと判断される(ステップS1929のN)。そして、(10)に示すように、可変表示装置9の画面上にキャラクタのセリフとして「残念!確変昇格失敗、次はがんばってね」という文が表示される(ステップS1950)。このような表示が確変に昇格しなかった旨の表示に該当する。なお、遊技者によって一度も操作ボタン120が操作されなかった場合には、所定の演出期間が経過すると(ステップS1937のN)、(7)に示すように確変に昇格しなかった旨が表示され(ステップS1950)、確変昇格演出が終了される。
次に、大当り遊技のラウンド15になると、3回目の確変昇格演出が開始される(ステップS1977〜S1984)。なお、もし1回目または2回目の確変昇格演出において所定の昇格条件が成立したと判断され、確変に昇格したことが既に報知された場合には、3回目の確変昇格演出は実行されない。
3回目の確変昇格演出が開始されると、(11)に示すように、可変表示装置9の画面上にメータが表示される。また、可変表示装置9の画面上にキャラクタのセリフとして「確変に昇格させたければこの範囲でボタンを押せ!」という文が表示される(ステップS1925)。この時点から演出期間の計測が開始される(ステップS1983)。この実施の形態では、1回目および2回目の確変昇格演出よりも3回目の確変昇格演出の方が操作難易度が低く設定されているので、(11)に示すように、3回目の確変昇格演出では、2回目の確変昇格演出よりも、メータのレベルが最大となる点からさらに所定マージン分手前までの間で操作ボタン120が操作されても確変への昇格に成功したと判断される。すなわち、1回目および2回目の確変昇格演出の場合と比較して、操作ボタン120の操作が易しくなる。なお、例えば、1回目および2回目の確変昇格演出の場合と比較して、メータのレベルが上昇するスピードを遅くするなどによって、操作ボタン120の操作が易しくなるようにしてもよい。
(12)に示すように、1回目および2回目の確変昇格演出と同様に、メータのレベルが徐々に上昇していくような表示が行われる(ステップS1925,S1938〜S1940)。(12)に示すように、遊技者によって操作ボタン120が操作されると、所定の昇格条件が成立したか否かが判断される(ステップS1929)。(12)に示す例では、メータのレベルが最大となる点から所定マージン分手前の点までの間で操作ボタン120が操作された場合であるので、所定の昇格条件が成立したと判断される(ステップS1929のY)。そして、(13)に示すように、可変表示装置9の画面上にキャラクタのセリフとして「お見事、成功!」という文が表示され、(14)に示すように、「確変大当り」の文が表示される(ステップS1930)。このような表示が確変に昇格した旨の表示に該当する。
なお、メータのレベルが最大となる点から所定マージン分手前の点までの間で操作ボタン120が操作された場合であっても、確変大当りとしないことに決定されている場合(すなわち、通常大当りと事前決定されている場合)には(ステップS1928のN)、確変に昇格した旨の表示を行わない。この場合、例えば、実際には、メータのレベルが最大となる点から所定マージン分手前の点までの間で操作ボタン120が操作されたとしても、可変表示装置9上でメータが最大となる点を通り過ぎて最小の点に戻ったかのような表示を行い、「残念!確変昇格失敗」などの表示を行うようにすればよい。
また、所定の昇格条件が成立した場合、例えば、左中右の飾り図柄が同一図柄で揃った状態で全図柄の再変動を行うようにしてもよい。このとき、確変図柄と非確変図柄とが遊技者から明確に分かるように、確変図柄と非確変図柄とが区別されて表示されてもよい。例えば、確変図柄と非確変図柄とが異なる形で表示されたり、確変図柄と非確変図柄とが異なる色(例えば、確変図柄は赤で、非確変図柄は青)で表示されてもよい。
その後、可変表示装置9において左中右の図柄として確変図柄が揃った状態で表示された後に、(14)に示すように、確変に昇格した旨を表示するようにしてもよい。そして、大当り遊技の終了後に、遊技状態が確変状態に制御されることを遊技者が認識できるようになる。
また、3回目の確変昇格演出においても操作ボタン120の操作に成功しなかった場合には(ステップS1929のN、S1942のY)、(15)に示すように、可変表示装置9の画面上にキャラクタのセリフとして「確変になったかもね」という文が表示される(ステップS1944)。このような表示が確変への昇格の期待度を予告する旨の表示に該当する。なお、3回の確変昇格演出を通して、遊技者によって一度も操作ボタン120が操作されなかった場合には、確変への昇格の期待度を報知する表示は行わない。そのようにすることにより、確変昇格演出中に操作ボタン120を操作しなければ確変に昇格されない印象を遊技者に与えることができ、遊技者に対して確変昇格演出への参加意欲を向上させることができる。
なお、確変昇格演出において、可変表示装置9を用いて左中右の飾り図柄の変動を行い、操作ボタン120からのオン信号を検出したことにもとづいて、左中右の飾り図柄を停止表示させる演出を実行することにより確変昇格演出を行ってもよい。また、例えば、遊技機が、ドラムモータによって回転駆動される左中右の3つの回転ドラム(回転リール)を備える場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格演出において、左中右の回転ドラムを回転させることによって、確変昇格演出を行ってもよい。
図75および図76は、遊技機が左中右の3つの回転ドラム(回転リール)を備える場合に、左中右の回転ドラムを回転させることによって行う確変昇格演出の表示例を示す説明図である。なお、図75および図76では、回転ドラムを用いて確変昇格演出を行う場合を説明するが、可変表示装置9を用いて左中右の図柄の変動を行うことによって確変昇格演出を行う場合も同様である。また、回転ドラムを用いて確変昇格演出を行う場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、特別図柄の可変表示に同期した飾り図柄の可変表示を可変表示装置9を用いて実行する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変昇格演出を実行する場合のみ、回転ドラムを回転させることによって所定の演出を実行する。
図75および図76において、(1)(2)(3)・・・というように番号順に表示状態が遷移する。また、図75および図76に例示するような表示演出は、演出制御用マイクロコンピュータ100によって遊技制御用マイクロコンピュータ560から送られる演出制御コマンドにもとづいて実行される。また、図75および図76では、大当り遊技のラウンド中に演出回数を3回と決定して確変昇格演出を実行する場合を例に説明する。なお、大当り遊技のラウンド中に演出回数を4回または2回に決定して確変昇格演出を実行する場合、および大当り遊技終了後のエンディング演出において確変昇格演出を実行する場合も同様である。
前提条件として、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、大当りの判定において大当りとする旨の判定を行い、また確変大当りとする旨の決定をしたものとする。さらに、大当り遊技のラウンド中における確変昇格演出を実行すると決定したものとする。これに応じて確変大当り指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、変動パターンを決定したことに応じて、変動パターンの演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、ラウンド中確変昇格付き確変大当り指定コマンドを受信することにより、確変大当り演出フラグをセットするとともに、ラウンド中確変昇格実行フラグをセットする。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドを受信することにより、変動パターンをセーブし、変動パターン受信フラグをセットする。さらに、ラウンド中の確変昇格演出の実行が指定されている場合であるので、飾り図柄の停止図柄(大当り図柄)として非確変図柄を決定する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出態様決定処理(ステップS705)を実行し、ラウンド中昇格演出の演出回数を決定するとともに(ステップS546)、各実行ラウンドにおける操作難易度を決定する(ステップS548)。図75および図76に示す例では、演出回数が3回と決定され、演出実行ラウンドがそれぞれラウンド11,13,15と決定される。また、ラウンド11における操作難易度が5と決定され、ラウンド13における操作難易度が3と決定され、ラウンド15における操作難易度が1と決定される。
図75(1)に示すように、左中右の回転ドラムの回転(可変表示)が開始されてから所定時間が経過すると、変動を一旦停止してステップS1649で決定された非確変図柄の大当り図柄(停止図柄)が停止表示される。(1)に示す例では、回転ドラムにおいて非確変図柄「222」が導出表示されている。その後、大当り遊技状態に移行し、ラウンド1からラウンド15までの大当り遊技が実行される。大当り遊技のラウンド11になると、1回目の確変昇格演出が開始される。1回目の確変昇格演出が開始されると、(2)に示すように、左中右の回転ドラムが変動される。この時点から演出期間の計測が開始される(ステップS1983)。
(3)に示すように、遊技者によって操作ボタン120が1回押されると、左の回転ドラムの回転が停止される。また、(4)に示すように、もう一度遊技者によって操作ボタン120が押されると、右の回転ドラムの回転が停止される。そして、(5)に示すように、さらにもう一度遊技者によって操作ボタン120が押されると、中の回転ドラムの回転が停止される。
(5)に示すように、左中右の回転ドラムが全て停止されると、所定の昇格条件が成立したか否かが判断される(ステップS1929)。この場合、例えば、所定のタイミングで操作ボタン120が押されると、所定の昇格条件が成立したと判断され、左中右の回転ドラムに示される停止図柄が横方向または斜め方向に同じ図柄で揃った状態で停止される。(5)に示す例では、左中右の回転ドラムに示される停止図柄が同じ図柄で揃った状態で停止せず、所定の昇格条件が成立しなったと判断される(ステップS1929のN)。このような左中右の回転ドラムに示される停止図柄が同じ図柄で揃わずに停止した状態が確変に昇格しなかった旨の表示に該当する。なお、遊技者によって一度も操作ボタン120が操作されなかった場合には、所定の演出期間が経過すると(ステップS1937のY)、例えば、左中右の回転ドラムに示される停止図柄が同じ図柄で揃っていない状態で停止され(ステップS1950)、確変昇格演出が終了される。
次に、大当り遊技のラウンド13になると、2回目の確変昇格演出が開始される。なお、もし1回目の確変昇格演出において所定の昇格条件が成立したと判断され、確変に昇格したことが既に報知された場合には、2回目の確変昇格演出は実行されない。
2回目の確変昇格演出が開始されると、(6)に示すように、左中右の回転ドラムが再変動される。この時点から演出期間の計測が開始される(ステップS1983)。この実施の形態では、1回目の確変昇格演出よりも2回目の確変昇格演出の方が操作難易度が低く設定されているので、2回目の確変昇格演出では、例えば、1回目の確変昇格演出の場合と比較して、左中右の回転ドラムの回転速度が遅くなるように制御される。すなわち、1回目の確変昇格演出の場合と比較して、操作ボタン120の操作が易しくなる。なお、例えば、1回目の確変昇格演出の場合と比較して、遊技者が操作ボタン120を操作してから回転ドラムが最終停止するまでに許容されるコマ数(図柄数)の範囲を変化させるなどによって、操作ボタン120の操作が易しくなるようにしてもよい。この場合、例えば、左中右の回転ドラムの停止図柄が同じ図柄で揃った状態で停止するタイミングで操作ボタン120が操作されなかった場合であっても、許容されるコマ数の範囲内で操作された場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、左中右の停止図柄が同じ図柄で揃った状態で回転ドラムを停止させ、あたかも所定のタイミングで操作ボタン120を操作することに成功したかのような演出を行う。
(7)に示すように、遊技者によって操作ボタン120が1回押されると、左の回転ドラムの回転が停止される。また、(8)に示すように、もう一度遊技者によって操作ボタン120が押されると、右の回転ドラムの回転が停止される。そして、(9)に示すように、さらにもう一度遊技者によって操作ボタン120が押されると、中の回転ドラムの回転が停止される。
(9)に示すように、左中右の回転ドラムが全て停止されると、所定の昇格条件が成立したか否かが判断される(ステップS1929)。この場合、例えば、左中右の回転ドラムに示される停止図柄が横方向または斜め方向に同じ図柄で揃った状態で停止した場合には、所定の昇格条件が成立したと判断される。(9)に示す例では、左中右の回転ドラムに示される停止図柄が同じ図柄で斜めに揃った状態で停止しているので、所定の昇格条件が成立したと判断される(ステップS1929のY)。このような左中右の回転ドラムに示される停止図柄が同じ図柄で揃って停止した状態が確変に昇格した旨の表示に該当する。
図75および図76に示す例では、2回目の確変昇格演出において所定の昇格条件が成立したと判断され、確変に昇格したことが既に報知された場合であるので、大当り遊技のラウンド15になっても、3回目の確変昇格演出は実行されない。なお、もし1回目および2回目の確変昇格演出において確変に昇格したことが報知されていない場合には、大当り遊技のラウンド15になると、3回目の確変昇格演出が実行される。
なお、左中右の回転ドラムに示される停止図柄が同じ図柄で揃うタイミングで操作ボタン120が操作された場合であっても、確変大当りとしないことに決定されている場合(すなわち、通常大当りと事前決定されている場合)には(ステップS1928のN)、確変に昇格した旨の表示を行わない。この場合、例えば、実際には、停止図柄が同じ図柄で揃うタイミングで操作ボタン120が操作されたとしても、中の回転ドラムが数コマ分(例えば1コマ分)行き過ぎて停止するように制御し、左中右の回転ドラムに示される停止図柄が同じ図柄で揃った状態で停止しないようにすればよい。
また、3回目の確変昇格演出においても操作ボタン120の操作に成功しなかった場合には(ステップS1929のN、S1942のY)、確変への昇格の期待度を予告する所定の停止図柄の組合せとなるように左中右の回転ドラムを停止させる。例えば、左中の回転ドラムに示される停止図柄がともに「7」で停止し、右の回転ドラムがチェリーの図柄で停止した場合の停止図柄の組合せを、あらかじめ確変への昇格の期待度を予告する停止図柄の組合せ(いわゆるチャンス目)であると定めておく。そして、確変大当りにすることが事前決定されているにもかかわらず、3回目の確変昇格演出においても操作ボタン120の操作に成功しなかった場合には、(10)に左中右の回転ドラムに示される停止図柄の組合せが「7」「7」およびチェリーの図柄で停止するように制御する。このような表示が確変への昇格の期待度を予告する旨の表示に該当する。なお、3回の確変昇格演出を通して、遊技者によって一度も操作ボタン120が操作されなかった場合には、確変への昇格の期待度を報知する表示は行わない。そのようにすることにより、確変昇格演出中に操作ボタン120を操作しなければ確変に昇格されない印象を遊技者に与えることができ、遊技者に対して確変昇格演出への参加意欲を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、演出態様決定処理において、後に実行されるラウンド中昇格演出の操作難易度が、先に実行されるラウンド中昇格演出の操作難易度よりも低くなるように設定する場合を説明したが、操作難易度の設定の仕方は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、後に実行されるラウンド中昇格演出の操作難易度が、先に実行されるラウンド中昇格演出の操作難易度よりも高くなるように設定してもよい。また、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ラウンド中昇格演出の回数を重ねるごとに操作難易度が一旦高くなるように設定し、その後ラウンド中昇格演出の回数を重ねるごとに操作難易度が低くなるように設定してもよい。
図77は、ステップS547で設定される操作難易度の他の例を示す説明図である。図77に示す例では、ラウンド中昇格演出の演出回数を4回と決定した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、1ラウンド目(すなわち、ラウンド9)の操作難易度を1と設定し、2ラウンド目(すなわち、ラウンド11)の操作難易度を2と設定し、3ラウンド目(すなわち、ラウンド13)の操作難易度を4と設定し、4ラウンド目(すなわち、ラウンド15)の操作難易度を5と設定する。また、ラウンド中昇格演出の演出回数を3回と決定した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、1ラウンド目(すなわち、ラウンド11)の操作難易度を1と設定し、2ラウンド目(すなわち、ラウンド13)の操作難易度を3と設定し、3ラウンド目(すなわち、ラウンド15)の操作難易度を5と設定する。また、ラウンド中昇格演出の演出回数を2回と決定した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、1ラウンド目(すなわち、ラウンド10)の操作難易度を2と設定し、2ラウンド目(すなわち、ラウンド15)の操作難易度を4と設定する。このように、後に実行されるラウンド中昇格演出の操作難易度が、先に実行されるラウンド中昇格演出の操作難易度よりも高くなるように設定されてもよい。
図78は、ステップS547で設定される操作難易度のさらに他の例を示す説明図である。図78に示す例では、ラウンド中昇格演出の演出回数を4回と決定した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、1ラウンド目(すなわち、ラウンド9)の操作難易度を3と設定し、2ラウンド目(すなわち、ラウンド11)の操作難易度を5と設定し、3ラウンド目(すなわち、ラウンド13)の操作難易度を4と設定し、4ラウンド目(すなわち、ラウンド15)の操作難易度を2と設定する。また、ラウンド中昇格演出の演出回数を3回と決定した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、1ラウンド目(すなわち、ラウンド11)の操作難易度を3と設定し、2ラウンド目(すなわち、ラウンド13)の操作難易度を5と設定し、3ラウンド目(すなわち、ラウンド15)の操作難易度を3と設定する。このように、ラウンド中昇格演出の回数を重ねるごとに操作難易度が一旦高くなるように設定し、その後ラウンド中昇格演出の回数を重ねるごとに操作難易度が低くなるように設定してもよい。
また、この実施の形態では、飾り図柄変動停止処理において、突然確変大当りと決定されている場合と小当りと決定されている場合とで同じプロセスデータを選択してファンファーレ演出を実行する場合を説明したが、異なる演出決定用テーブルを用いて実行する演出を選択するようにしてもよい。
図79は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動停止処理(ステップS803)の他の例を示すフローチャートである。なお、ステップS1860〜S1880bまでの処理は、図58および図59に示したそれらの処理と同様である。突然確変大当り演出フラグまたは小当り演出フラグがセットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、突然確変大当り演出フラグがセットされている場合には(ステップS1880CのY)、ファンファーレ演出を決定するためのテーブルとして突然確変時演出決定用テーブルを選択する(ステップS1880D)。突然確変大当り演出フラグがセットされていない場合(すなわち、小当り演出フラグがセットされている場合には(ステップS1880CのN)、ファンファーレ演出を決定するためのテーブルとして小当り時演出決定用テーブルを選択する(ステップS1880E)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、選択した演出決定用テーブルにもとづいてファンファーレ演出を選択し、選択したファンファーレ演出に応じたプロセスデータを選択し(ステップS1880F)、ステップS1881に移行する。
図80は、突然確変大当りまたは小当り時にファンファーレ演出を決定するための演出決定用テーブルの例を示す説明図である。図80(A)は、突然確変大当りのときにファンファーレ演出を決定するための突然確変時演出決定用テーブルである。また、図80(B)は、小当りのときにファンファーレ演出を決定するための小当り時演出決定用テーブルである。図80に示す例では、実行するファンファーレ演出の種類が乱数値範囲に対応付けて設定されている。図80(A)に示すように、突然確変大当りと決定されているときには、2つのファンファーレ演出のうちA演出の方がB演出よりも高い割合で選択される。また、図(B)に示すように、小当りと決定されているときには、B演出の方がA演出よりも高い割合で選択される。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、選択したA演出またはB演出に応じたプロセスデータに従って、ファンファーレ演出を実行する(ステップS903参照)。この場合、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、A演出を実行する場合とB演出を実行する場合とで、異なる背景色や異なるキャラクタを表示画面に登場させることによって所定期間演出を実行する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、突然確変大当りまたは小当りにもとづく大入賞口の開閉制御が終わったときに、上記に示す演出決定用テーブルにもとづいて演出パターンを決定してもよい。そして、突然確変大当りまたは小当りにもとづく大入賞口の開閉制御が終わった後に、決定した演出パターンにもとづいて所定期間演出を実行するようにしてもよい。
上記のように構成することによって、突然確変大当りのときにはA演出が実行される割合を高めることができ、遊技者に対してA演出を実行しているときには突然確変大当りかもしれないという信頼度を高めることができる。
以上のように、この実施の形態によれば、確変大当り/通常大当りを指定する変動パターンコマンドは受信したが、遊技制御用マイクロコンピュータ560から表示結果コマンドを受信できなかったときには、可変表示装置9に飾り図柄の停止図柄として非確変図柄を導出表示する。そのように構成することによって、演出制御用マイクロコンピュータ100が表示結果コマンドを受信できなかった場合であっても、飾り図柄の変動表示の表示結果を遊技者に認識させることができ、遊技者に必要以上に不利益を与えることを防止できる。
例えば、大当りと決定されたにもかかわらず表示結果コマンドを受信できなかったために可変表示装置9に何ら表示結果を導出表示しないのであれば、遊技者は、飾り図柄の変動表示の表示結果を認識することができない。そのため、大当りであったにもからわらず、大当りであることに気づくのが遅れ、大当り遊技状態で本来得られるはずの利益を遊技者が十分に得られないおそれがある。従来の遊技機では、例えば特開2000−317092号公報に記載されているように、遊技制御手段は、左中右の飾り図柄の停止図柄を指定する演出制御コマンドをそれぞれ別々に演出制御手段に送信する。そのため、演出制御手段は、左中右の飾り図柄の停止図柄を指定する演出制御コマンドのうちの1つでも受信できなかった場合には、表示結果を特定することができず、初期出目の図柄を表示することができるにすぎない。そのため、大当り遊技状態で本来得られるはずの利益を遊技者が十分に得られないおそれがある。この実施の形態では、確変大当り/通常大当りを指定する変動パターンコマンドを受信した場合には、少なくとも大当りであることは認識できるのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示結果コマンドを受信できずに確変大当りであるか通常大当りであるかを認識できない場合であっても、非確変図柄を導出表示する。そのようにすることによって、遊技者に対して少なくとも大当りであることを認識させることができ、
また、この実施の形態では、飾り図柄の停止図柄を示すコマンドを図柄ごとに別々に送信するのではなく、変動表示の表示結果(大当りやはずれ)を示す1つの表示結果コマンドを送信する。そのため、演出制御用マイクロコンピュータ100は、1つの表示結果コマンドにもとづいて大当りであるか否かを判断することができる。そのため、遊技制御手段が送信すべきコマンド数を削減することができ、遊技制御手段の制御負担を軽減することができる。
また、この実施の形態では、大当り遊技状態に移行した後に確変に昇格したか否かを報知する確変昇格演出を実行する。そのように構成することによって、確変に昇格するか否かの期待感を遊技者に対して長期間維持させることができるとともに、確変昇格演出がいつ実行されるか分からないという興奮感を与えることができる。
また、この実施の形態では、大当り遊技状態を終了するときに確変昇格演出を実行すると決定されたときに、大当り遊技状態を終了するときに確変昇格演出を実行しないと決定されたときと比較して、エンディング演出の演出期間として長い期間を選択する。そのように構成することによって、大当り遊技状態を終了するときに確変昇格演出を実行しないときに、エンディング演出が無駄に長く実行されてしまう事態を防止することができる。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当りを指定するエンディングコマンドを受信したことにもとづいて、確変に昇格したことを報知する確変昇格演出を実行する。そのように構成することによって、演出制御用マイクロコンピュータ100が表示結果コマンドを受信できなかった場合であっても、確変に昇格したことを報知することができる。従って、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担を増加させることなく、遊技機の内部状態と表示状態とを整合させることができる。また、確変状態に昇格したかのような演出を実行できるので、遊技者に遊技に対する興趣を向上させることができる。また、逆に、確変であることを報知したあとに実は確変ではなかったことを報知する場合と比較して、遊技者に対して不利になったという印象を与えないようにすることができる。
また、この実施の形態では、確変大当りを指定するファンファーレコマンドを受信したことにもとづいて、確変に昇格したことを報知する確変昇格演出を実行する。そのように構成することによって、演出制御用マイクロコンピュータ100が表示結果コマンドを受信できなかった場合であっても、確変に昇格したことを報知することができる。従って、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担を増加させることなく、遊技機の内部状態と表示状態とを整合させることができる。また、確変状態に昇格したかのような演出を実行できるので、遊技者に遊技に対する興趣を向上させることができる。また、逆に、確変であることを報知したあとに実は確変ではなかったことを報知する場合と比較して、遊技者に対して不利になったという印象を与えないようにすることができる。
また、この実施の形態では、確変昇格演出において確変に昇格したことを報知したときには、確変昇格演出の実行を禁止する。そのように構成することによって、確変昇格演出において既に確変に昇格したことを報知してしまったにもかかわらず、さらに確変昇格演出を実行してしまう事態が発生することを防止することができる。
また、この実施の形態では、小当り指定の変動パターンコマンドは受信したが、遊技制御用マイクロコンピュータ560から表示結果コマンドを受信できなかったときには、可変表示装置9に突然確変大当りと同じ表示結果を導出表示する。そのため、突然確変大当りと同じ表示結果が導出表示された場合であっても、突然確変状態に移行する場合と移行しない場合とをつくることができ、遊技者に遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から突然確変大当り指定の変動パターンコマンドまたは小当り指定の変動パターンコマンドを受信したときには、突然確変であるか否かを特定不能な演出パターンを用いて可変表示装置9の飾り図柄の可変表示を実行する。そのため、同じ演出パターンを用いて可変表示を実行ししている場合であっても、突然確変状態に移行する場合と移行しない場合とをつくることができ、遊技者に遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9や、スピーカ27、各ランプ25,28a,28b,28cを用いた演出内容の一部を独自に決定するようにしてもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9においてリーチ態様の飾り図柄の可変表示を行う際に、所定の予告演出実行決定用乱数があらかじめ決められている1つの値と一致した場合には、予告演出を行うと決定するしてもよい。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、リーチ態様の可変表示を行うか否かに関わらず、ランダム1を用いて予告演出を行うか否かを決定してもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、予告演出を行う場合に、所定の予告演出種類決定用乱数を用いて、可変表示装置9を用いて行う予告演出の種類を決定してもよい。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出モードを変更するか否かを決定するようにしてもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、現在の遊技状態の種類に応じて、異なる演出モードで遊技演出を行う。例えば、遊技状態が高ベース状態か否かに従って、異なる演出モードで遊技演出を行う。また、大当りの際に遊技状態が変化すると、例えば、主基板31から受信した特定大当り終了表示コマンドにもとづいて、遊技演出を行う際の演出モードを変更する。この場合に、所定の演出変更決定用乱数を用いた判定により演出モードを変更すると決定されると、現在の遊技状態に関わらず、演出モードが変更され、変更後の演出モードで遊技演出が行われる。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、所定の演出変更決定用乱数があらかじめ決められている1つの値と一致した場合には、演出モードを変更すると決定する。さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出モードを変更する場合に、所定の変更後演出決定用乱数を用いた判定により、いずれの演出モードに変更するかを決定するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、大当り指定の変動パターンコマンドは受信したが表示結果コマンドを受信できなかった場合に、飾り図柄の可変表示の表示結果として非確変図柄を導出表示する場合を説明したが、大当り指定の変動パターンコマンドを受信した後にデータ化けなどの理由によって正しく表示結果コマンドを受信できなかった場合に、飾り図柄の可変表示の表示結果として非確変図柄を導出表示してもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り指定の変動パターンコマンドを受信した後に受信したコマンドが、図27および図28に示すいずれの演出制御コマンドとも合致しない場合、飾り図柄の可変表示の表示結果として非確変図柄を導出表示してもよい。
また、例えば、表示結果コマンドは受信したが、変動パターンコマンドの指定内容と表示結果コマンドの指定内容とが合致しない場合に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄の可変表示の表示結果として非確変図柄を導出表示してもよい。例えば、大当り指定の変動パターンコマンドを受信したにもかかわらず、はずれ指定の表示結果コマンドを受信した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄の可変表示の表示結果として非確変図柄を導出表示してもよい。また、例えば、突然確変大当り指定の変動パターンコマンドを受信したにもかかわらず、小当り指定の表示結果コマンドを受信した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄の可変表示の表示結果として突然確変大当り図柄を表示するようにしてもよい。
また、表示結果コマンドは受信したが、変動パターンコマンドの指定内容と表示結果コマンドの指定内容とが合致しない場合に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示結果コマンドに指定される内容をそのまま表示してもよいし、とりあえず遊技者にとって不利な内容を表示をしておいて、その後受信した演出制御コマンド(例えば、ファンファーレコマンドやエンディングコマンド)の指定内容にもとづいて表示してもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドの指定内容と表示結果コマンドの指定内容とが合致しない場合に、とりあえず「はずれ」を表示し、その後大当りを指定する演出制御コマンドを受信した場合には、「はずれ」を「大当り」の表示に差し替えて表示してもよい。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド解析処理において、受信したコマンドが正規の演出制御コマンドが否かを判定するようにしてもよい。この場合、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1612で受信コマンドを読み出すと、受信コマンドの1バイト目のMODEデータが80(H)や8C(H)などでなければ、2バイト目のEXTデータも含めて受信コマンドを破棄するようにしてもよい。すなわち、正規の演出制御コマンドではないので、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信コマンドをそのまま破棄する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、突然確変大当りまたは小当りが発生したとき(突然確変指定または小当り指定の変動パターンコマンドや表示結果コマンドを受信したとき)、所定のフラグをセットし、突然確変大当りまたは小当りが終了した後に飾り図柄の変動表示を行う際に、確変状態であるか否か特定不能な演出パターンを用いて飾り図柄の変動表示を実行するようにしてもよい。この場合、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変状態とは異なる背景色を可変表示装置9に表示させたり、確変状態とは異なる方向に飾り図柄をスクロール表示させることによって、飾り図柄の変動表示を実行するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、突然確変大当りと決定したときに突然確変大当りを指定する表示結果コマンドを送信する場合を示したが、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変大当りと決定したときであっても、通常の確変大当り(15ラウンドの確変大当り)を指定する表示結果コマンドと同じ表示結果コマンドを送信するようにしてもよい。そのようにしても、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、突然確変大当りを指定する変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて、突然確変用の大当り図柄を導出表示することができる。
実施の形態2.
第1の実施の形態では、演出制御基板80を用いて全ての演出手段(可変表示装置9、音出力装置(スピーカ)27および各ランプ25,28a,28b,28c)を制御する場合を説明したが、別々の制御基板を用いて各演出手段を制御してもよい。以下、音出力装置27および各ランプ25,28a,28b,28cを制御する音/ランプ制御基板と、可変表示装置9を制御する図柄制御基板とを備えた第2の実施の形態を説明する。
なお、本実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
図81は、第2の実施の形態における中継基板77、音/ランプ制御基板80bおよび図柄制御基板80aの回路構成例を示すブロック図である。この実施の形態では、音/ランプ制御基板80bは、音出力装置27の音出力制御、各ランプ25,28a,28b,28cの表示制御を行う。また、図柄制御基板80aは、可変表示装置9の表示制御を行う。また、この実施の形態では、「演出制御」とは、可変表示装置9の表示制御や、スピーカ27の音出力制御、各ランプ25,28a,28b,28cの表示制御を行うことによって、遊技演出などの演出を行うことをいう。また、この実施の形態では、演出制御手段は、可変表示装置9の表示制御を行う図柄制御用マイクロコンピュータ100aと、スピーカ27の音出力制御、および各ランプ25,28a,28b,28cの表示制御を行う音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bとによって実現される。また、この実施の形態では、表示制御手段は、可変表示装置9を制御する図柄制御用マイクロコンピュータ100aによって実現される。また、電気部品制御手段は、スピーカ27および各ランプ25,28a,28b,28cを制御する音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bによって実現される。
音/ランプ制御基板80bは、音/ランプ制御用CPU101bおよびRAMを含む音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bを搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。音/ランプ制御基板80bにおいて、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作する。
さらに、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、ランプドライバ352に対してランプを駆動する信号を出力する。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、ボタンランプ130などの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ25に供給する。
また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、音声合成用IC173に対して音番号データを出力する。音声合成用IC173は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路175に出力する。増幅回路175は、音声合成用IC173の出力レベルを、ボリューム176で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM174には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bとランプドライバ352および音声合成IC173との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
図柄制御基板80aは、図柄制御用CPU101aおよびRAMを含む図柄制御用マイクロコンピュータ100aを搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。図柄制御基板80aにおいて、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作する。また、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、音/ランプ制御用基板80bから受信した演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、LCDを用いた可変表示装置9の表示制御を行わせる。
図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、可変表示装置9に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、図柄制御用マイクロコンピュータ100aから入力されたデータにもとづいて可変表示装置9の表示制御を実行する。
この実施の形態では、可変表示装置9の表示制御を行うVDP109が図柄制御基板80aに搭載されている。VDP109は、図柄制御用マイクロコンピュータ100aとは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを可変表示装置9に出力する。
図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、中継基板77を介して入力される主基板31からのストローブ信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、図柄制御基板80aにおいて、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を図柄制御基板80aの内部に向かう方向にしか通過させない(図柄制御基板80aの内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を図柄制御基板80aに向かう方向にしか通過させない(図柄制御基板80aから中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図81には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。
また、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、演出制御コマンド(例えば、変動パターンコマンド)にもとづいて、可変表示装置9を用いて行う演出内容を決定する。例えば、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、可変表示装置9を用いて予告演出を行うか否かを決定する。また、例えば、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、可変表示装置9を用いた予告演出の種類を決定する。
なお、「予告演出」とは、大当りとなるまたはその可能性があることを事前(可変表示装置9において飾り図柄の停止図柄が導出表示される前に)に遊技者に報知するための演出をいう。例えば、変動中に異なった態様(速度や回転方向等)の変動を行ったりキャラクタ等を登場させたりすることにより大当りになる可能性があることを遊技者に報知する。
また、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、主基板31からの演出制御コマンド(変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド)を、入出力ポート104を介して音/ランプ制御基板80bに送信する。また、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、決定した演出内容(予告演出を行うか否かや、予告演出の種類)を示す演出内容指定コマンドを生成する。また、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、生成した演出内容指定コマンドを、入出力ポート104を介して音/ランプ制御基板80bに送信する。
なお、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、決定した演出内容(予告演出を行うか否かや、予告演出の種類)を、演出制御コマンド(変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド)に付加してもよい。そして、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、演出内容を付加した演出制御コマンドを、入出力ポート104を介して音/ランプ制御基板80bに送信してもよい。例えば、この実施の形態では、図27に示すように、各変動パターンコマンド(8000(H)〜800B(H))のEXTデータ中の最初の4ビットは全て「0」である。図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、演出内容を変動パターンコマンドに付加する場合、例えば、決定した演出内容を特定可能な値をEXTデータの最初の4ビットの部分に付加して、音/ランプ制御基板80bに送信してもよい。
次に、図柄制御用マイクロコンピュータ100aの動作を説明する。図82は、第2の実施の形態における図柄制御用マイクロコンピュータ100aが実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対する電力供給が開始され、リセット信号がハイレベルになると、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、メイン処理を開始する。メイン処理では、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS781)。その後、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、タイマ割込フラグの監視(ステップS782)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、そのフラグをクリアし(ステップS783)、以下の図柄制御処理を実行する。
タイマ割込は例えば2ms毎にかかる。すなわち、図柄制御処理は、例えば2ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な図柄制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で図柄制御処理を実行してもよい。
図柄制御処理において、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析処理:ステップS784)。なお、この場合、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、第1の実施の形態で示したコマンド解析処理(図48および図49に示す演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するコマンド解析処理)と同様の処理に従って、演出制御コマンドを解析する。
次いで、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、演出内容決定処理を行う(ステップS785)。演出内容決定処理では、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、演出制御コマンド(変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド)にもとづいて、可変表示装置9を用いて行う演出内容(予告演出を行うか否かや、予告演出の種類)を決定する。また、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、決定した演出内容を示す演出内容指定コマンドを生成する。
次いで、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、音出力処理を行う(ステップS786)。この場合、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、音声合成用IC173に対して音番号データ(例えば、変動パターンコマンドに示される変動パターンに対応する音番号データ)を出力する。そして、音声合成用IC173は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路175に出力する。
次いで、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、演出態様決定処理を行う(ステップS786)。この場合、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、第1の実施の形態で示した演出態様決定処理(図50に示す演出制御用マイクロコンピュータ100が実行する演出態様決定処理)と同様の処理に従って処理を実行する。次いで、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、図柄制御プロセス処理を行う(ステップS787)。この場合、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、第1の実施の形態で示した演出制御プロセス処理(図53に示す演出制御用マイクロコンピュータ100が実行する演出制御プロセス処理)と同様の処理に従って処理を実行する。
そして、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、乱数カウンタを更新する処理を実行する(ステップS788)。また、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、主基板31から受信した演出制御コマンドや、ステップS785の演出内容決定処理で生成した演出内容指定コマンドを、音/ランプ制御基板80bに送出する処理を行う(コマンド制御処理:ステップS789)。その後、ステップS782のタイマ割込フラグの確認を行う処理に戻る。
主基板31からの演出制御用のINT信号は図柄制御用マイクロコンピュータ100aの割込端子に入力されている。例えば、主基板31からのINT信号がオン状態になると、図柄制御用マイクロコンピュータ100aにおいて割込がかかる。そして、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、割込処理において演出制御コマンドの受信処理を実行する。演出制御コマンドの受信処理において、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、受信した演出制御コマンドデータをコマンド受信バッファに格納する。
図83は、第2の実施の形態における図柄制御処理で用いる各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:予告演出を実行するか否かを決定する(予告演出実行決定用)。この実施の形態では、可変表示装置9においてリーチ態様の飾り図柄の可変表示を行う際に、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、例えば、ランダム1があらかじめ決められている1つの値と一致した場合には、予告演出を行うと決定する。なお、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、リーチ態様の可変表示を行うか否かに関わらず、ランダム1を用いて予告演出を行うか否かを決定してもよい。
(2)ランダム2:予告演出を行う場合に、可変表示装置9を用いて行う予告演出の種類を決定する(予告演出種類決定用)
図84は、図82に示された演出内容決定処理(ステップS785)を示すフローチャートである。演出内容決定処理において、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1851)。
変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、変動パターンコマンド受信フラグをリセットし、受信した変動パターンコマンドにもとづいて飾り図柄の変動パターンを特定する。また、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、特定した変動パターンにもとづいて、可変表示装置9を用いて実行すべき可変表示がリーチを伴う変動であるか否かを判定する(ステップS1852)。例えば、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、受信した変動パターンコマンドに示される変動パターンがリーチを伴うパターンである場合(例えば、図29に示すEXTデータ「01H」〜「09H」である変動パターンである場合)、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、リーチを伴う変動であると判定する。なお、ステップS1851で変動パターンコマンド受信フラグがセットされていなかった場合には、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、そのまま処理を終了する。
リーチを伴う変動であると判定した場合、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、予告演出実行決定用乱数(ランダム1)にもとづいて、予告演出を行うか否かを決定する(ステップS1853)。例えば、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、ランダム1が所定値と一致すると、可変表示装置9を用いた予告演出を行うと決定する。なお、ステップS1852でリーチを伴う変動でなかった場合には、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、そのまま処理を終了する。
ステップS1854で予告演出を行わないと決定した場合、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、変動パターンコマンドを受信しているとともに表示結果指定コマンドを受信している場合には、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bに転送し、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、スピーカおよび各ランプ25,28a,28b,28cを用いた遊技演出を実行することになる。この場合、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、ステップS1854で予告演出を行わないと決定すると、予告演出を行わない旨を指定する通知コマンドを生成し、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bに送信する(ステップS1857)。
予告演出を行うと決定すると(ステップS1854)、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、予告演出種類決定用乱数(ランダム2)にもとづいて、可変表示装置9を用いて行わせる予告演出の種類を決定する(ステップS1855)。例えば、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、ランダム2にもとづいて、予告演出において、飾り図柄をどの程度の速度で変動させるかや、飾り図柄をいずれの回転方向に変動させるか、可変表示装置9にいずれのキャラクタを登場させるかを決定する。なお、ステップS1854で予告演出を実行しないと決定した場合には、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、そのまま処理を終了する。
また、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、決定した演出内容(予告演出を行うか否かや、予告演出の種類)を示す演出内容指定コマンドを生成する。そして、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、生成した演出内容指定コマンドを、音/ランプ制御基板80bに対して送信する処理を行う(ステップS1856)。なお、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、演出内容指定コマンドとともに、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した表示結果指定コマンドおよび変動パターンコマンドを音/ランプ制御基板80bに転送(送信)する。そして、音/ランプ制御基板80bの音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、図柄制御用マイクロコンピュータ100aから受信した演出内容指定コマンド、表示結果指定コマンドおよび変動パターンコマンドにもとづいて、スピーカ27および各ランプ25,28a,28b,28cを用いた遊技演出を行う。
なお、ステップS1856において、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、演出内容指定コマンドを生成するのでなく、決定した演出内容を、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンドに付加してもよい。例えば、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、コマンドのヘッダ部分に演出内容を示す値を付加することによって、演出内容を変動パターンコマンドや表示結果指定コマンドに付加する。この場合、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、変動パターンコマンドのみのヘッダ部分に演出内容を示す値を付加してもよく、表示結果指定コマンドのみのヘッダ部分に演出内容を示す値を付加してもよい。さらに、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドの両方のヘッダ部分に演出内容を示す値を付加してもよい。そして、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、演出内容を付加した変動パターンコマンドや表示結果指定コマンドを、音/ランプ制御基板80bに対して送信する処理を行ってもよい。なお、予告演出を行わない場合には、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、そのまま音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bに転送することになる。
また、この実施の形態では、ステップS1856で送信テーブルのアドレスがセットされたことにもとづいて、図柄制御メイン処理におけるコマンド制御処理(ステップS789参照)が実行されることによって、演出内容指定コマンドが音/ランプ制御基板80bに送信される。
また、この実施の形態では、演出内容決定処理において、予告演出の実行の有無および予告演出の内容を決定する場合を説明したが、演出モードを変更するか否かを決定するようにしてもよい。例えば、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、現在の遊技状態の種類に応じて、異なる演出モードで遊技演出を行う。例えば、遊技状態が高ベース状態か否かに従って、異なる演出モードで遊技演出を行う。また、大当りの際に遊技状態が変化すると、例えば、主基板31から受信した特定大当り終了表示コマンドにもとづいて、遊技演出を行う際の演出モードを変更する。この場合に、所定の演出変更決定用乱数を用いた判定により演出モードを変更すると決定されると、現在の遊技状態に関わらず、演出モードが変更され、変更後の演出モードで遊技演出が行われる。なお、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、例えば、所定の演出変更決定用乱数があらかじめ決められている1つの値と一致した場合には、演出モードを変更すると決定する。さらに、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、演出モードを変更する場合に、所定の変更後演出決定用乱数を用いた判定により、いずれの演出モードに変更するかを決定するようにしてもよい。
以上のように、この実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、確変大当り/通常大当りを指定する変動パターンコマンドは受信したが、遊技制御用マイクロコンピュータ560から表示結果コマンドを受信できなかったときには、可変表示装置9に飾り図柄の停止図柄として非確変図柄を導出表示する。そのように構成することによって、図柄制御用マイクロコンピュータ100aが表示結果コマンドを受信できなかった場合であっても、飾り図柄の変動表示の表示結果を遊技者に認識させることができ、遊技者に必要以上に不利益を与えることを防止できる。さらに、図柄制御用マイクロコンピュータ100aが、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信したコマンドにもとづいて、各演出手段を用いた遊技演出の内容の少なくとも一部を決定するので、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担を軽減することができる。
なお、この実施の形態では、別々の制御基板を用いて各演出手段を制御する例として、図柄制御基板80aに搭載された図柄制御用マイクロコンピュータ100aが、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを音/ランプ制御基板80bに搭載された音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bに転送する場合を説明したが、別々の制御基板を用いて各演出手段を制御する態様は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bが、最初に遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御コマンドを受信し、図柄制御用マイクロコンピュータ100aに転送するようにしてもよい。
図85は、中継基板77、音/ランプ制御基板80bおよび図柄制御基板80aの他の回路構成例を示すブロック図である。図85に示す例では、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、演出制御コマンド(例えば、変動パターンコマンド)にもとづいて、可変表示装置9を用いて行う演出内容を決定する。例えば、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、可変表示装置9を用いて予告演出を行うか否かを決定する。また、例えば、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、可変表示装置9を用いた予告演出の種類を決定する。
また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、主基板31からの演出制御コマンド(変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド)を、入出力ポート104を介して図柄制御基板80aに送信する。また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、決定した演出内容(予告演出を行うか否かや、予告演出の種類)を示す演出内容指定コマンドを生成する。また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、生成した演出内容指定コマンドを、入出力ポート104を介して図柄制御基板80aに送信する。
なお、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、決定した演出内容(予告演出を行うか否かや、予告演出の種類)を、演出制御コマンド(変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド)に付加してもよい。そして、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、演出内容を付加した演出制御コマンドを、入出力ポート104を介して図柄制御基板80aに送信してもよい。例えば、この実施の形態では、図27に示すように、各変動パターンコマンド(8000(H)〜800B(H))のEXTデータ中の最初の4ビットは全て「0」である。図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、演出内容を変動パターンコマンドに付加する場合、例えば、決定した演出内容を特定可能な値をEXTデータの最初の4ビットの部分に付加して、図柄制御基板80aに送信してもよい。
図86に示す音/ランプ制御手段(音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100b)の動作を説明する。図86は、音/ランプ制御基板80bに搭載されている音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100b(具体的には、音/ランプ制御用CPU101b)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対する電力供給が開始され、リセット信号がハイレベルになると、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、メイン処理を開始する。メイン処理では、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS881)。その後、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、タイマ割込フラグの監視(ステップS882)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、そのフラグをクリアし(ステップS883)、以下の音/ランプ制御処理を実行する。
タイマ割込は例えば2ms毎にかかる。すなわち、音/ランプ制御処理は、例えば2ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な音/ランプ制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で音/ランプ制御処理を実行してもよい。
音/ランプ制御処理において、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析処理:ステップS884)。
次いで、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、演出内容決定処理を行う(ステップS885)。演出内容決定処理では、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、演出制御コマンド(変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド)にもとづいて、可変表示装置9を用いて行う演出内容(予告演出を行うか否かや、予告演出の種類)を決定する。また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、決定した演出内容を示す演出内容指定コマンドを生成する。
次いで、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、音出力処理を行う(ステップS886)。この場合、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、音声合成用IC703に対して音番号データ(例えば、変動パターンコマンドに示される変動パターンに対応する音番号データ)を出力する。そして、音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。
次いで、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、ランプ表示処理を行う(ステップS887)。この場合、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、プロセスデータ中に設定されているランプ制御実行データにもとづいてランプ制御を行う。
また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、乱数カウンタを更新する処理を実行する(ステップS888)。また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、主基板31から受信した演出制御コマンドや、ステップS885の演出内容決定処理で生成した演出内容指定コマンドを、図柄制御基板80aに送出する処理を行う(コマンド制御処理:ステップS889)。その後、ステップS882のタイマ割込フラグの確認を行う処理に戻る。
図87は、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bから図柄制御用マイクロコンピュータ100aに送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。以下、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bから図柄制御用マイクロコンピュータ100aに送出される演出制御コマンドを、音/ランプ側演出制御コマンドともいう。なお、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを、そのまま音/ランプ側演出制御コマンドとして、図柄制御用マイクロコンピュータ100aに送信してもよい。また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御コマンドを受信したことにもとづいて、図87に示す音/ランプ側演出制御コマンドを生成し、図柄制御用マイクロコンピュータ100aに送信してもよい。
図87に示す例において、コマンド7000(H)〜700B(H)は、特別図柄の可変表示に対応して可変表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する音/ランプ側演出制御コマンド(音/ランプ側変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する音/ランプ側演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド7000(H)〜700B(H)のいずれかを受信すると、可変表示装置9において飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド7C00(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果をはずれとすることを指定する音/ランプ側演出制御コマンド(音/ランプ側はずれ指定コマンド)である。コマンド7C01(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を通常大当りとすることを指定する音/ランプ側演出制御コマンド(音/ランプ側通常大当り指定コマンド)である。コマンド7C02(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を確変大当りとすることを指定する音/ランプ側演出制御コマンド(音/ランプ側確変大当り指定コマンド)である。
コマンド7C03(H)は、可変表示装置9の飾り図柄の表示結果が確変大当り図柄であることを指定するとともに、15ラウンドの大当り遊技のラウンド中に確変昇格演出を実行することを指定する音/ランプ側演出制御コマンド(音/ランプ側ラウンド中確変昇格付き確変大当り指定コマンド)である。コマンド7C04(H)は、可変表示装置9の飾り図柄の表示結果が確変大当り図柄であることを指定するとともに、15ラウンドの大当り遊技の終了後に確変昇格演出を実行することを指定する音/ランプ側演出制御コマンド(音/ランプ側大当り終了後確変昇格付き確変大当り指定コマンド)である。コマンド7C05(H)は、可変表示装置9の飾り図柄の表示結果が確変大当り図柄であることを指定するとともに、15ラウンドの大当り遊技のラウンド中および大当り遊技の終了後に確変昇格演出を実行することを指定する音/ランプ側演出制御コマンド(音/ランプ側確変昇格付き確変大当り指定コマンド)である。
なお、図87に示された音/ランプ側演出制御コマンド以外の音/ランプ側演出制御コマンドも音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bから図柄制御用マイクロコンピュータ100aに送信される。例えば、図29および図30に示された演出制御コマンドそれぞれに対応する音/ランプ側演出制御コマンドや、大当り遊技に関するより詳細な音/ランプ側演出制御コマンド、遊技状態を示す音/ランプ側演出制御コマンド(例えば、初期化コマンドを示す音/ランプ側演出制御コマンド)も図柄制御用マイクロコンピュータ100aに送信される。
図85〜図87に示す遊技機では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS1509,S1510,S1514と同様の処理に従って、可変表示装置9の飾り図柄の可変表示の表示結果を大当り図柄にするか否かと、確変大当りとするか否かとを決定する。また、ステップS203,S204,S205,S206と同様の処理に従って、可変表示装置9における飾り図柄の可変表示を開始してから表示結果を導出表示するまでの可変表示時間を決定する。また、図46に示すコマンド送信テーブルに従ってステップS332〜S343を実行することによって、決定された可変表示時間を特定可能な変動パターンコマンドを音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bに送信する。また、図46に示すコマンド送信テーブルに従ってステップS332〜S343を実行することによって、大当り図柄とするか否かと確変大当りとするか否かとの決定結果を特定可能な表示結果コマンドを音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bに送信する。
音/ランプ制御用マイクロコンピュータ(電気部品制御手段)100bは、変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて、変動パターンコマンドの内容を特定可能な音/ランプ側変動パターンコマンド(図87に示すコマンド7000(H)〜700B(H))を、図柄制御用マイクロコンピュータ(表示制御手段)100aに送信する(ステップS889参照)。また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、表示結果コマンドを受信したことにもとづいて、表示結果コマンドの内容を特定可能な音/ランプ側表示結果コマンドを図柄制御用マイクロコンピュータ100aに送信する(ステップS889参照)。
図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、ステップS826〜S828,S1843〜S1849,S1872と同様の処理に従って、音/ランプ側変動パターンコマンドおよび音/ランプ側表示結果コマンドにもとづいて、可変表示装置9の飾り図柄の可変表示を実行し、音/ランプ側変動パターンコマンドで特定される可変表示時間が経過したことにもとづいて、可変表示装置9に表示結果を導出表示する。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動パターンコマンドを送信するときに、変動パターンコマンドとして、可変表示装置9の飾り図柄の可変表示の表示結果を大当りにすると決定されたことを特定可能な変動パターンコマンド(コマンドコマンド8004(H)〜8009(H)、特定表示用可変表示コマンド)を送信する。または、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変表示装置0の飾り図柄の可変表示の表示結果を大当りにしないと決定されたことを特定可能な変動パターンコマンド(コマンド8000(H)〜8003(H)、非特定表示用可変表示コマンド)を送信する。
図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、、図柄制御プロセス処理で、ステップS1839と同様の処理で選択した確変時大当り図柄決定用テーブルを用いてステップS1840と同様の処理で決定した確変図柄をステップS1872と同様の処理で導出表示する。すなわち、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、特定表示用可変表示コマンドを受信したことにもとづいて送信された音/ランプ側変動パターンコマンドと、可変表示装置9の飾り図柄の可変表示の表示結果を大当りにすると決定されるとともに確変大当りとすると決定されたことを特定可能な表示結果コマンドを受信したことにもとづいて送信された音/ランプ側表示結果コマンド(コマンド7C02(H)〜7C05(H))とを受信したときに、音/ランプ側変動パターンコマンドで特定される可変表示時間が経過したことにもとづいて、大当り図柄として、特定遊技状態が終了したのちに確変状態に移行することを示す確変図柄を可変表示装置9に導出表示する。
また、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、図柄制御プロセス処理で、ステップS1835と同様の処理で選択した通常時大当り図柄決定用テーブルを用いてステップS1840と同様の処理で決定した非確変図柄をステップS1872と同様の処理で導出表示する。すなわち、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、特定表示用可変表示コマンドを受信したことにもとづいて送信された音/ランプ側変動パターンコマンドと、可変表示装置9の飾り図柄の可変表示の表示結果を大当りにすると決定されるとともに通常大当りと決定されたことを特定可能な表示結果コマンドを受信したことにもとづいて送信された音/ランプ側表示結果コマンド(コマンド7C01(H))とを受信したときに、音/ランプ側変動パターンコマンドで特定される可変表示時間が経過したことにもとづいて、大当り図柄として、特定遊技状態が終了したのちに確変状態に移行しないことを示す非確変図柄を可変表示装置9に導出表示する。
また、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、図柄制御プロセス処理で、ステップS1861と同様の処理でNと判定したときに、ステップS1863と同様の処理で選択した通常時大当り図柄決定用テーブルを用いてステップS1868と同様の処理で決定した非確変図柄をステップS1872と同様の処理で導出表示する。すなわち、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、特定表示用可変表示コマンドを受信したことにもとづいて送信された音/ランプ側変動パターンコマンドは受信したが、音/ランプ側表示結果コマンドを受信できなかったときには、音/ランプ側変動パターンコマンドで特定される可変表示時間が経過したことにもとづいて、可変表示装置9に非確変図柄を導出表示する。
なお、図柄制御用マイクロコンピュータ100aが音/ランプ側表示結果コマンドを受信できなかった場合には、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bが表示結果コマンドを受信できなかったために音/ランプ側表示結果コマンド自体が送信されなかった場合と、送信されたが図柄制御用マイクロコンピュータ100aが音/ランプ側表示結果コマンドの受信に失敗した場合との両方が考えられるが、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、いずれの場合であっても、音/ランプ側表示結果コマンドを受信できなかったときには、可変表示装置9に非確変図柄を導出表示する。
また、この実施の形態では、別々の制御基板を用いて各演出手段を制御する例として、遊技機が図柄制御基板80aと音/ランプ制御基板80bとを備える場合を説明したが、他の種類の制御基板を複数備えるものであってもよい。例えば、遊技機は、可変表示装置9とスピーカ27とを制御する図柄/音制御基板と、各ランプ25,28a,28b,28cを制御するランプ制御基板とを備えていてもよい。この場合、表示制御手段は、可変表示装置9を制御する図柄/音制御基板が搭載する図柄/音制御用マイクロコンピュータによって実現される。また、電気部品制御手段は、各ランプを制御するランプ制御基板が搭載するランプ制御用マイクロコンピュータによって実現される。また、図柄/音制御基板が搭載する図柄/音制御用マイクロコンピュータが演出内容を決定し、ランプ制御基板が搭載するランプ制御用マイクロコンピュータに、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した各演出制御コマンドを転送するとともに、決定した演出内容を含む演出内容指定コマンドを送信するようにしてもよい。また、例えば、遊技機は、可変表示装置9と各ランプ25,28a,28b,28cとを制御する図柄/ランプ制御基板と、スピーカ27を制御する音制御基板とを備えていてもよい。この場合、表示制御手段は、可変表示装置9を制御する図柄/ランプ制御基板が搭載する図柄/ランプ制御用マイクロコンピュータによって実現される。また、電気部品制御手段は、スピーカを制御する音制御基板が搭載する音制御用マイクロコンピュータによって実現される。また、図柄/ランプ制御基板が搭載する図柄/ランプ制御用マイクロコンピュータが演出内容を決定し、音制御基板が搭載する音制御用マイクロコンピュータに、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した各演出制御コマンドを転送するとともに、決定した演出内容を含む演出内容指定コマンドを送信するようにしてもよい。
なお、上記の各実施の形態のパチンコ遊技機は、主として、始動入賞にもとづいて可変表示部に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄になると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続するパチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。さらに、遊技メダルを投入して賭け数を設定し遊技を行うスロット機や、遊技メダルではなく遊技球を投入して賭け数を設定し遊技を行う遊技機などにも本発明を適用できる。