JP2007312655A - 目的遺伝子の増幅形態を制御するための方法 - Google Patents
目的遺伝子の増幅形態を制御するための方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】本発明は、本発明者の高度遺伝子増幅系を用いて遺伝子増幅を行なう際に、以下の(a)または(b)の条件を満たす方法である。(a)目的遺伝子をダブルマイニュート染色体上または均一染色体領域で小型増幅領域として増幅させる場合には、転写活性調節型プロモーターの転写活性が活性化された状態で導入工程および選抜工程を行なう。(b)目的遺伝子を染色体の均一染色領域で大型増幅領域として増幅させる場合には、転写活性調節型プロモーターの転写活性が不活性化された状態で導入工程および選抜工程を行なう。
【選択図】なし
Description
(1)所望のタンパク質をコードする遺伝子(以下、適宜「目的遺伝子」という)の細胞内コピー数を1万コピー程度にまで増幅できること、および
(2)目的遺伝子はIR/MAR プラスミドに対して同一の遺伝子構築物(シス)として導入した場合であっても、別の遺伝子構築物(トランス)として導入した場合であっても、高度に増幅することができるということを発見した(特許文献1および非特許文献1参照)。そして、本発明者は当該知見に基づいて、IR/MAR プラスミドと目的遺伝子とを、哺乳動物細胞(例えば、ヒト由来がん細胞(COLO 320 大腸がん細胞株、およびHeLa細胞株)、CHO細胞等)にリポフェクション法で導入し、プラスミド上に存在する薬剤耐性遺伝子(BlasticidineあるいはNeomycine )を利用して選択するだけで、目的遺伝子を1万コピー程度に増幅できる系(以下、「高度遺伝子増幅系」という)を完成させるに至った。
(a)染色体外のダブルマイニュート染色体(以下、適宜「DM」という)上、または染色体の均一染色領域(Homogeneously staining regeon;以下、適宜「HSR」という)で小型増幅領域として増幅される;または
(b)HSRで大型増幅領域として増幅される。
(i)真核生物細胞内で機能する複製起点および核マトリックス結合領域を含む第1ポリヌクレオチドと、
(ii)発現させるべきタンパク質をコードする第2ポリヌクレオチド、および所定の操作によって転写活性が活性化または不活性化される転写活性調節型プロモーターを含むポリヌクレオチドであり、かつ当該第2ポリヌクレオチドが転写活性調節型プロモーターに制御可能に連結されている第3ポリヌクレオチドとを、哺乳動物細胞へ同時に導入する導入工程、並びに
当該第1および第3ポリヌクレオチドが導入された哺乳動物細胞を選抜する選抜工程を含み、かつ
以下に示す(a)または(b)の条件を満たすことを特徴とする第2ポリヌクレオチドの増幅形態を制御するための方法である。
(a)第2ポリヌクレオチドをダブルマイニュート染色体上または均一染色体領域で小型増幅領域として増幅させる場合には、転写活性調節型プロモーターの転写活性が活性化された状態で導入工程および選抜工程を行なう。
(b)第2ポリヌクレオチドを染色体の均一染色領域で大型増幅領域として増幅させる場合には、転写活性調節型プロモーターの転写活性が不活性化された状態で導入工程および選抜工程を行なう。
(ii)発現させるべきタンパク質をコードする第2ポリヌクレオチド、および所定の操作によって転写活性が活性化または不活性化される転写活性調節型プロモーターを含むポリヌクレオチドであり、かつ当該第2ポリヌクレオチドが転写活性調節型プロモーターに制御可能に連結されている第3ポリヌクレオチドとを、哺乳動物細胞へ同時に導入する導入工程、並びに
当該第1および第3ポリヌクレオチドが導入された哺乳動物細胞を選抜する選抜工程を含み、かつ
以下に示す(a)または(b)の条件を満たすことを特徴とする第2ポリヌクレオチドの増幅形態を制御するための方法である。
(a)第2ポリヌクレオチドをダブルマイニュート染色体上または均一染色体領域で小型増幅領域として増幅させる場合には、転写活性調節型プロモーターの転写活性が活性化された状態で導入工程および選抜工程を行なう。
(b)第2ポリヌクレオチドを染色体の均一染色領域で大型増幅領域として増幅させる場合には、転写活性調節型プロモーターの転写活性が不活性化された状態で導入工程および選抜工程を行なう。
本発明にかかる方法における導入工程は、
(i)真核生物細胞内で機能する複製起点および核マトリックス結合領域を含む第1ポリヌクレオチドと、
(ii)発現させるべきタンパク質をコードする第2ポリヌクレオチド、および所定の操作によって転写活性が活性化または不活性化される転写活性調節型プロモーターを含むポリヌクレオチドであり、かつ当該第2ポリヌクレオチドが転写活性調節型プロモーターに制御可能に連結されている第3ポリヌクレオチドとを、を哺乳動物細胞へ同時に導入する工程である。
(a)第2ポリヌクレオチドをダブルマイニュート染色体上または均一染色体領域で小型増幅領域として増幅させる場合には、転写活性調節型プロモーターの転写活性が活性化された状態で導入工程および選抜工程を行なう;または、
(b)第2ポリヌクレオチドを染色体の均一染色領域で大型増幅領域として増幅させる場合には、転写活性調節型プロモーターの転写活性が不活性化された状態で導入工程および選抜工程を行なうことを特徴としている。
本発明にかかる方法の「選抜工程」は、上記第1および第3ポリヌクレオチドが導入された哺乳動物細胞を選抜する工程である。より詳細には、本工程は、上記第1および第3ポリヌクレオチドが導入されていない哺乳動物細胞、および第1および第3ポリヌクレオチドが導入された哺乳動物細胞が含まれる細胞の多クローン性集団から後者の細胞を選抜する工程である。なお、薬剤耐性を指標として本工程を行なう場合には、哺乳動物細胞を培地で培養する工程が含まれる場合があるが、本工程では第1および第3ポリヌクレオチドが導入されていない哺乳動物細胞、および第1および第3ポリヌクレオチドが導入された哺乳動物細胞が含まれる細胞の混合物を培養するのに対して、後述する培養工程は第1および第3ポリヌクレオチドが導入された哺乳動物細胞として既に選抜された細胞を培養する点において、両工程は明らかに相違する。かかる選抜工程によって、哺乳動物細胞に導入された第2ポリヌクレオチド(目的遺伝子)が高度に増幅された哺乳動物細胞を選抜することができる。
本発明にかかる方法の「培養工程」は、上記選抜工程によって既に選抜された哺乳動物細胞を培養する工程である。かかる培養工程によって、第2ポリヌクレオチド(目的遺伝子)が導入され且つ高度に増幅された哺乳動物細胞を増殖させることができ、所定の操作(転写誘導操作)によって、目的タンパク質を生産することができる。
pSFVdhfr(11.0kbp)は、John Kolman 博士および Geoffrey M. Wahl 博士(The Salk Institute, San Diego, CA)から供与された。PSFVdhfrはヒドロ葉酸リダクターゼ遺伝子に対して3'-下流の領域に由来するOriβを含む4.6kbp断片を有している(「Dijkwel, P. A., and Hamlin, J. L. Matrix attachment regions are positioned near replication initiation sites, genes, and an interamplicon junction in the amplified dihydrofolate reductase domain of Chinese hamster ovary cells. Mol. Cell Biol., 8: 5398−5409, 1988.」参照)。
ヒト結腸直腸のCOLO 320DM腫瘍細胞株(ヒト大腸がんCOLO 320DM細胞株、以下「COLO 320DM」という)は、「Shimizu, N., Kanda, T., and Wahl, G. M. Selective capture of acentricfragments by micronuclei provides a rapid method for purifying extrachromosomally amplified DNA. Nat. Genet., 12: 65−71, 1996.」の記載に従い取得し、維持した。
上記全てのプラスミドをQiagenプラスミド精製キット(Qiagen Inc., Valencia, CA)により精製し、GenePorter 2リポフェクションキット(Gene Therapy Systems, San Diego, CA)により細胞にトランスフェクトした。
ヒトDHFR遺伝子座由来のIRおよびMAR、並びにBlasticidine抵抗性遺伝子を持ち、かつ、TRE-promoter(テトラサイクリン誘導プロモーター)の支配下にd2EGFP遺伝子を持つプラスミド(pSFVdhfr/d2EGFP)と、TRE-promoterの転写活性化因子(Tet-ONタンパク質)をコードするTet-ON遺伝子を有するpTet-ON plasmid(クロンテック社製)とを等量混合し、同時にリポフェクション法によりヒト大腸がんCOLO 320DM細胞へトランスフェクションを行なった(導入工程)。
(I)導入工程、選抜工程および培養工程の全工程においてDoxが系内に添加されている。
(II)導入工程および選抜工程においてDoxが系内に添加されていない。培養工程の最後の1日のみにおいてDoxが培地に添加されている。
Claims (3)
- (i)真核生物細胞内で機能する複製起点および核マトリックス結合領域を含む第1ポリヌクレオチドと、
(ii)発現させるべきタンパク質をコードする第2ポリヌクレオチド、および所定の操作によって転写活性が活性化または不活性化される転写活性調節型プロモーターを含むポリヌクレオチドであり、かつ当該第2ポリヌクレオチドが転写活性調節型プロモーターに制御可能に連結されている第3ポリヌクレオチドとを、哺乳動物細胞へ同時に導入する導入工程、並びに
当該第1および第3ポリヌクレオチドが導入された哺乳動物細胞を選抜する選抜工程を含み、かつ
以下に示す(a)または(b)の条件を満たすことを特徴とする第2ポリヌクレオチドの増幅形態を制御するための方法:
(a)第2ポリヌクレオチドをダブルマイニュート染色体上または均一染色体領域で小型増幅領域として増幅させる場合には、転写活性調節型プロモーターの転写活性が活性化された状態で導入工程および選抜工程を行なう;
(b)第2ポリヌクレオチドを染色体の均一染色領域で大型増幅領域として増幅させる場合には、転写活性調節型プロモーターの転写活性が不活性化された状態で導入工程および選抜工程を行なう。 - 上記真核生物細胞内で機能する複製起点が、c-myc遺伝子座、ジヒドロ葉酸リダクターゼ遺伝子座、またはβ-グロビン遺伝子座の複製起点に由来することを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 上記核マトリックス結合領域が、Igκ遺伝子座、SV40初期領域、またはジヒドロ葉酸リダクターゼ遺伝子座の核マトリックス結合領域に由来することを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
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WO2009072501A1 (ja) | 2007-12-03 | 2009-06-11 | Asahi Glass Co., Ltd. | カーボネート化合物の製造方法 |
WO2010110340A1 (ja) | 2009-03-27 | 2010-09-30 | 国立大学法人広島大学 | 哺乳動物細胞内で目的遺伝子を増幅し高発現させる方法、および当該方法を実施するために用いられるキット |
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JP2003245083A (ja) * | 2002-02-25 | 2003-09-02 | Univ Hiroshima | 哺乳動物細胞内で目的遺伝子を高度に増幅させるためのベクターおよび方法 |
JP2004337066A (ja) * | 2003-05-15 | 2004-12-02 | Univ Hiroshima | 哺乳動物細胞内にトランスフェクションした遺伝子の安定性を向上させるためのベクターおよび方法 |
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2006
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WO2010110340A1 (ja) | 2009-03-27 | 2010-09-30 | 国立大学法人広島大学 | 哺乳動物細胞内で目的遺伝子を増幅し高発現させる方法、および当該方法を実施するために用いられるキット |
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