JP2007310379A - レンズキャップ - Google Patents
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Abstract
【課題】 キャップ部材の頂部の窓にレンズを形成した半導体レーザー等用のレンズキャップにおいて、このレンズを、収差が大きい球レンズに代えて、非球面レンズを形成する場合、従来の方法では、キャップ部材を切削加工品や、複雑な形状のプレス成形品を使用しているため、コストが高い
【解決手段】 そこで本発明では、頂部4に、ひとみ径に対応して径が設定された開口が形成されたキャップ部材の、前記開口の周縁部を挟んで頂部の内外側に渡って又は開口5とその周縁部7の内側に渡ってレンズ8が成形され、内側の部分aの外周はキャップ部材の側部内壁b及び頂部内壁cに当接しているレンズキャップ9を提案している。このことから本発明では、安価で高性能なレンズキャップを提供できる。
【選択図】 図8
【解決手段】 そこで本発明では、頂部4に、ひとみ径に対応して径が設定された開口が形成されたキャップ部材の、前記開口の周縁部を挟んで頂部の内外側に渡って又は開口5とその周縁部7の内側に渡ってレンズ8が成形され、内側の部分aの外周はキャップ部材の側部内壁b及び頂部内壁cに当接しているレンズキャップ9を提案している。このことから本発明では、安価で高性能なレンズキャップを提供できる。
【選択図】 図8
Description
本発明は、半導体レーザー等に用いられるレンズキャップに関するものである。
半導体レーザーは、空気中では酸素や水分の影響で劣化するため、多くは、気密性の高いパッケージで覆って窒素雰囲気に維持し、出力光はパッケージを構成するキャップの頂部に設けたガラス窓を通して取り出す構成としている。
一方、光通信等の半導体レーザーの利用分野においては、半導体レーザーの出力光を効率よく光ファイバーに結合するために、焦点距離1mm程度のレンズを半導体レーザーの極めて近傍に配置している。
これらの2つの要求を満たすために、頂部の窓にレンズを構成したキャップ、いわゆるレンズキャップをパッケージの一部として使用した半導体レーザーが製造されている。
このようなレンズキャップを製造する従来の方法としては、以下に示すような方法がある。
まず特許文献1では、板金プレスにより、円筒部の底部にフランジ状平坦部を形成すると共に、頂部にレンズ装着用開口が形成された、いわゆるハット型形状のキャップ部材を用い、そのレンズ装着用開口に球レンズを装着し、フリットガラスを接着剤として用いて接合して保持している。
まず特許文献1では、板金プレスにより、円筒部の底部にフランジ状平坦部を形成すると共に、頂部にレンズ装着用開口が形成された、いわゆるハット型形状のキャップ部材を用い、そのレンズ装着用開口に球レンズを装着し、フリットガラスを接着剤として用いて接合して保持している。
次に特許文献2では、キャップ部材の頂部のレンズ装着用開口に円柱状レンズをぐらつくことなく確実に接合して保持するために、頂部の取付板部の中心部に、折返筒部を、キャップの外筒部と同心状に折返し形成することにより、生産コストの高い切削加工でなく、生産コストの安いプレス成形によりキャップ部材を製造可能としたものである。
特開平6−201962号公報
特開平5−119241号公報
上述した特許文献1に記載のものは、キャップ部材に球レンズを接合するものであるが、球レンズは収差が大きく、半導体レーザーの出力光で、光ファイバーに入力できる光の割合、即ち、結合効率は20%程度と低い。このため、結合効率を上げる場合には収差を落とした非球面レンズが用いられるが、非球面レンズをキャップ部材に接合する場合には、球レンズと異なり、レンズの傾きを一般的に0.1度以下で接合する必要があるため、特許文献1の方法を使用することはできない。
このため、特許文献2に従来技術として記載されているように、キャップ部材を精度の高い切削金属部品として製造し、そのレンズ装着用開口の内部に非球面レンズをフリットガラスで接合しているが、この方法では切削部品が高価である。
上述した特許文献2に記載の発明では、従来の切削金属部品を板金プレス成形品として構成することにより、このような課題の解決を図るものであるが、板金プレス成形品ではあっても、その形状が複雑であって、金型も複雑になるため、従来の一般的な板金プレス成形品を用いるよりもコストが上がってしまう。
一方、本発明者はレンズキャップのレンズを通しての結合効率の向上に付き、鋭意研究の結果、結合効率はひとみ径のある範囲において大きくなり、ピークを有するとの知見を得た。これは、ひとみ径が小さい場合には、光がけられることでレンズを通過する光量が少なくなるため、結果として結合効率が悪くなり、またひとみ径が大きい場合には、レンズの収差の影響により、本来一点に収束される光量がずれ、その際、干渉の影響で光が打ち消しあうために光ファイバ等の結合面において光強度が低下することにより結合効率が悪くなると考えられる。
本発明は以上に説明した従来の課題を解決し、レンズの接合強度と気密性の向上を図ると共に、結合効率の向上を図ることを目的とするものである。
本発明は以上に説明した従来の課題を解決し、レンズの接合強度と気密性の向上を図ると共に、結合効率の向上を図ることを目的とするものである。
以上の課題を解決するために、本発明では、頂部に開口が形成されたキャップ部材の、前記開口の周縁部を挟んで頂部の内外側に渡ってレンズが成形され、内側の部分はキャップ部材の側部内壁及び頂部内壁に当接しているレンズキャップを提案する。
また本発明では、頂部に開口が形成されたキャップ部材の、前記開口と、その周縁部の内側に渡ってレンズが成形され、内側の部分はキャップ部材の側部内壁及び頂部内壁に当接しているレンズキャップを提案する。
また本発明では、キャップ部材の開口の径が、レンズの所望のひとみに対応して設定されていることを提案する。
また本発明では、以上の構成において、キャップ部材が、プレス成形により形成されたものであることを提案する。
また本発明では、以上の構成において、レンズは、成形金型の上型と下型の間の空間内にキャップ部材の頂部とレンズ母材を配置して、レンズ母材の熱間加工により成型されたものであることを提案する。
また本発明では、以上の構成のレンズキャップにおいて、レンズ母材が球状であり、頂部の開口を通して配置されることを提案する。
また本発明では、以上の構成にレンズキャップにおいて、レンズ母材が平板状であり、キャップ部材と下型の間に配置されることを提案する。
また本発明では、以上の構成のレンズキャップにおいて、レンズの硝子材が、M−BACD5Nであること、又はS−NSL36とすることを提案する。
本発明においては、レンズは、キャップ部材の頂部の開口の周縁部を挟んで頂部の内外側に渡って又は開口とその周縁部の内側に成形されるものであるため、熱間加工等による成形時に、キャップ部材の基準面を、形成されるレンズに対して高精度に位置決めすることができる。
従ってキャップ部材として、形状が複雑でなく、加工精度が高くないプレス成形品を使用しても、適宜の形状のレンズ、即ち非球面レンズを、キャップ部材の基準面に対して高精度に位置決めして形成することができる。
図に示すように、レンズを形成するガラスは、キャップ部材の開口の内部だけでなく開口の内外側周縁まで、又は内側周縁まで形成され、特に、キャップ部材の内側に対応する部分においては、キャップ部材の側部内壁及び頂部内壁に当接しているので、キャップ部材との接触面積が非常に大きく、いわゆるかしめ効果が大きくなることにより気密性が向上すると共に、接合強度も向上したレンズキャップを得ることができる。また、このようにかしめ効果が大きいため、キャップ部材1とガラスの熱膨張率の差を大きくすることも可能となり、材料選定の幅が広がる。
また、開口の周縁に形成されるレンズの部分は、実際上はレンズとして機能する部分ではないので、寸法的な制約はなく、従ってこの部分によりレンズ母材の余剰分を吸収することができるので、レンズ母材の体積の許容誤差を大きくすることができ、この点もコストの低減に寄与する。
キャップ部材の開口は、所望のひとみ径に対応して径を設定することにより、レンズのひとみとして使用することができ、結合効率を含め、レンズの性能を向上することができる。
レンズ母材として平板状のものを用いる場合には、平面部のみを鏡面に仕上げれば良いので、球状のレンズ母材を用いる場合と比較して低コストとすることができると共に、キャップ部材と下型の間に配置することにより、頂部の開口部の径が小さい場合にも、必要十分な量のレンズ母材を配置することができる。
レンズの硝子材として、M−BACD5NやS−NSL36を使用した場合には、広く使用されているSF66と比較すると、鉛を含有していないため環境に対して好ましく、また屈折率と表面反射率が共に小さいので、表面反射が小さく、これによりレンズの表面への反射防止膜のコーティングを省略するという選択が可能となる。
次に本発明の実施の形態を添付の図面を参照して説明する。
まず図1〜図4は第一の実施の形態を示すもので、図1はレンズキャップの断面図であり、また図2、図3は図1のレンズキャップを製造する装置の、夫々レンズ成形前、レンズ成形後の断面図である。そして図4は図1のレンズキャップを使用して製造された半導体レーザーモジュールの一部断面図である。
まず図1〜図4は第一の実施の形態を示すもので、図1はレンズキャップの断面図であり、また図2、図3は図1のレンズキャップを製造する装置の、夫々レンズ成形前、レンズ成形後の断面図である。そして図4は図1のレンズキャップを使用して製造された半導体レーザーモジュールの一部断面図である。
これらの図において、符号1はキャップ部材であり、このキャップ部材1は、従来から用いられているハット型形状の金属プレス成形品と同様な形状を有している。即ち、キャップ部材1は、円筒部2の下部側の外周にフランジ状平坦部3が突出しており、また上部側には平坦な頂部4が形成され、この頂部4には開口5が形成される共に、フランジ状平坦部3の下面には溶接用のプロジェクション6が形成された形状を有する。このキャップ部材1はプレス成形加工により安価に製造することができる。
図1に示すように、この実施の形態では、上記キャップ部材1の上記開口5の周縁部7を挟んで頂部4の内外側に渡ってレンズ8が形成され、内側の部分aの外周はキャップ部材1の側部内壁bに当接しているレンズキャップ9を特徴とするもので、このレンズキャップ9は、例えば図2、図3に示す製造装置により容易に製造することができる。
即ち、図2、図3において、符号10はレンズの上型、11はレンズの下型、12は胴型であり、上型10は、この胴型12に沿って昇降可能に構成している。下型11はレンズ8の凸面に対応する凹面の周囲に、平坦部dが幅広く形成されていて、その端部がキャップ部材1の側部内壁bの近傍に位置している。そしてキャップ部材1は、保持部材13、14により、フランジ状平坦部3と頂部4が保持されて、上記上型10と下型11の間の空間に、成形されるレンズとの基準となる位置に高精度に確実に保持される。
以上の構成において、図2に示すように上型10と下型11の間の空間にレンズ母材15を配置し、この状態において上型10を下降すると共に所定の熱を加えて、上型10と下型11によりレンズ母材15のガラスを熱間加工すると、図3に示すように上型10と下型11により、開口5に対応して頂部の内外側に渡るレンズ8が形成されると共に、レンズ母材15の残りの部分が上型10と下型11の横方向に移動して開口5の周縁の内外側に位置し、内側の部分aはキャップ部材1の頂部4と下型11との間の空間に充満して、その外周はキャップ部材1の側部内壁bに当接する。こうして図1に示すレンズキャップ9を製造することができる。
この熱間加工に際して、キャップ部材1の頂部4は、上型10及び下型11のいずれにも接触しないので、上述した正確な位置の保持が狂うことがなく、こうして、キャップ部材1は、成形されるレンズ8との基準となる位置に確実に保持した状態でレンズ8を成形することができ、従って、本発明では、成形時に、レンズ8をキャップ部材1の基準面、例えばフランジ状平坦部3に対して高精度に位置決めすることができる。
従ってキャップ部材1として、加工精度の低いプレス成形品を使用しても、キャップ部材1の基準面に対して高精度に位置決めされた、適宜の形状のレンズ8を有するレンズキャップ9を得ることができる。
この際、レンズ8を形成するガラスは、キャップ部材1の開口5の内側だけでなく開口5の周縁7まで形成され、特に、キャップ部材1の内側の部分aにおいてはキャップ部材1の側部内壁bと頂部内壁cに当接しているので、キャップ部材1との接触面積が非常に大きく、気密性に優れると共に、接合強度にも優れたレンズキャップ9を得ることができる。
尚、開口5の周縁7に形成されるレンズの部分は、実際上はレンズとして機能する部分ではないので、内側の部分aの外周がキャップ部材1の側部内壁に当接する限りにおいては寸法的な制約はない。従ってこの部分によりレンズ母材15の余剰分を吸収することができるので、レンズ母材15の体積の許容誤差を大きくすることができ、この点もコストの低減に寄与する。
以上のように製造されたレンズキャップ9は、図4に示すように、半導体レーザー16を保持したステム17に対して、所定の位置決めを行った状態で、フランジ状平坦部3をステム17の上面に溶接により固定することにより、気密パッケージの半導体レーザーモジュールを製造することができ、半導体レーザー16の出力光は、正確に位置決めされた非球面レンズ等のレンズ8を介して高効率に取り出すことができる。
次に第1の実施形態のレンズキャップ9を用いた半導体レーザーモジュールの具体的な実施例は以下のとおりである。
レンズ硝子材:M-BACD5N 又は S-NSL36
キャップ部材:50%NiFe(又はコバール)
焦点距離:0.9mm 半導体レーザー側NA:0.5 結合倍率:4倍
透過波面収差:0.03波長 半導体レーザーのNA:0.4
及び光ファイバーのNA:0.1の時の結合効率:約80%
レンズ硝子材:M-BACD5N 又は S-NSL36
キャップ部材:50%NiFe(又はコバール)
焦点距離:0.9mm 半導体レーザー側NA:0.5 結合倍率:4倍
透過波面収差:0.03波長 半導体レーザーのNA:0.4
及び光ファイバーのNA:0.1の時の結合効率:約80%
ここで以上の半導体レーザーモジュールにおいて、まずレンズ性能上、特に重要な点は、2つのレンズ面の形状と、2つのレンズ面の光軸からのずれ(ディセンタ)である。また半導体レーザーとの取付において重要なのは、レンズキャップ9の基準面となるフランジ状平坦部3とレンズ8までの距離(WD)と、フランジ状平坦部3に対する傾き(エレメントチルト)である。図2、図3に示す製造装置により図1のレンズキャップを製造することにより、
ディセンタ:5ミクロン、 WD:20ミクロン、エレメントチルト0.5度以下の精度を得ることができた。
ディセンタ:5ミクロン、 WD:20ミクロン、エレメントチルト0.5度以下の精度を得ることができた。
次に図5は本発明に係るレンズキャップ9の第2の実施の形態を示すものである。この実施の形態は、上記開口5の径を上記第1の実施の形態よりも小さく構成したもので、他の構成は図1と同様であるので、対応する構成要素には同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
この第2の実施の形態では、キャップ部材1の開口5を小さくして、レンズ8のひとみとして機能させることにより、レンズ8の性能を向上を図ることができる。即ち、開口5を小さくしてひとみとして機能させ、球面収差が問題となるレンズ外周側の光線を遮断することができるため、像は暗くなるもののボケを無くすことができる。このため例えば半導体レーザー16と光ファイバー(図示省略)との結合においては、ひとみ径、即ち開口5の径を最適化して設定することにより結合効率を上げることができる。
この第2の実施の形態のレンズキャップの製造装置を図6、図7に示している。この製造装置は、図2、図3と同様な構成要素から成るもので、概ね、レンズの上型10、下型11と、上型10を昇降可能に案内する胴型12とから構成される。下型11の周囲にはキャップ部材1の下部側を保持するための保持部材13を装着しており、またその上側にはキャップ部材1の上部側を保持するための保持部材14を装着している。
この製造装置ではレンズの成型に際して、まず下型11の上面に平板状のレンズ母材15を載置し、次いでキャップ部材1をレンズ母材15を介して下型11の上部側に装着し、次に胴型12に嵌合した保持部材14をキャップ部材1に嵌合する。
保持部材14の内径は、キャップ部材1の円筒部2の外径よりも僅かに大きく形成しており、このことから、キャップ部材1は、保持部材14により、上型10及び下型11に対して横方向の所定位置に保持される。そして保持部材14に嵌合した上型10をキャップ部材1の頂部に当接させる。
この状態においては、図7から分かるように、キャップ部材1は、レンズ母材15によって、下型11に対しての所定位置よりも上方に保持されており、このような保持を可能とするために、保持部材13には、キャップ部材1のフランジ状平坦部3が昇降可能な空間部18が形成されている。
以上の状態において、上型10を下降すると共に所定の熱を加えて、上型10と下型11によりレンズ母材15のガラスを熱間加工すると、図8に示すように、上型10と下型11により、開口5及びその周囲に対応して所定のレンズ8が形成されると共に、レンズ母材15の余剰分が下型11の横方向にはみ出して開口5の周縁の内側に位置し、こうして図6に示すレンズキャップ9を製造することができる。
この第2の実施の形態のレンズキャップ1では、その製造に際して、レンズ母材15として平板状のものを用いているので、平面部のみを鏡面に仕上げれば良く、従って図2に示すように球状のレンズ母材15を用いる場合と比較して低コストとすることができると共に、開口5をひとみ径に対応して図1のものと比較して小さく形成しているにもかかわらず、必要十分な量のレンズ母材を配置することができる。
次に図8〜図10は本発明に係るレンズキャップ9の第3の実施の形態を示すもので、図8はレンズキャップ9の断面図、図9、図10は図6のレンズキャップ9を成型するための装置の断面図である。
この実施の形態は、キャップ部材1の上記開口5の径を第2の実施の形態と同様に小さく構成すると共に、レンズ8は、前記開口5と、その周縁部7の内側に形成したものである。
この実施の形態は、キャップ部材1の上記開口5の径を第2の実施の形態と同様に小さく構成すると共に、レンズ8は、前記開口5と、その周縁部7の内側に形成したものである。
製造装置は、上型10の形状のみ異なる他は、図6、図7と同構成であり、成形における動作も同様であるため、対応する構成要素に同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
この第3の実施の形態のレンズキャップ1では、第2の実施の形態と同様に、キャップ部材1の開口5を小さくして、レンズ8のひとみとして機能させることにより、レンズ8の性能を向上することができると共に、レンズ8がキャップ部材1の頂部4の外側に形成されていないため、この頂部4に、例えば光ファイバーの支持部材や、第2レンズ等の支持部材を溶接する際に邪魔となることが少なくなる。
次に第3の実施の形態のレンズキャップ9の具体的な実施例は以下のとおりである。
レンズ硝子材:SF66 第1面の半径:1mm 第2面の半径:-0.5mm
レンズ中心肉厚:0.8mm ひとみ径(開口5の直径):0.4mm
レンズ硝子材:SF66 第1面の半径:1mm 第2面の半径:-0.5mm
レンズ中心肉厚:0.8mm ひとみ径(開口5の直径):0.4mm
以上の第3の実施の形態のレンズキャップ9につき、ひとみ径を変化させた場合の半導体レーザーと光ファイバーの結合効率の変化を、レンズの収差を考慮してシミュレートして示すと、図11に示すとおりである。但し、半導体レーザーのNA:0.4 及び光ファイバーのNA:0.1である。
図11によれば、第3の実施の形態のレンズキャップにおける結合効率は、ひとみ径(直径)の、ある範囲、例えば0.32〜0.42(mm)において37%以上と大きくなり、0.36〜0.38(mm)において最大の44%となる。
図11に示されるように、結合効率がひとみ径のある範囲において大きくなり、ピークを有する理由は、ひとみ径が小さい場合には、光がけられることでレンズを通過する光量が少なくなるため、結果として結合効率が悪くなり、またひとみ径が大きい場合には、レンズの収差の影響により、本来一点に収束される光量がずれ、その際、干渉の影響で光が打ち消しあうために光ファイバ等の結合面において光強度が低下することにより結合効率が悪くなると考えられる。また開口の径が0.48を越えて一定となるのは、収差の影響を受ける光が、更に出射されるものの、結合面を外れて進むため、結合効率に影響を与えないためと考えられる。
図11によれば、第3の実施の形態のレンズキャップにおける結合効率は、ひとみ径(直径)の、ある範囲、例えば0.32〜0.42(mm)において37%以上と大きくなり、0.36〜0.38(mm)において最大の44%となる。
図11に示されるように、結合効率がひとみ径のある範囲において大きくなり、ピークを有する理由は、ひとみ径が小さい場合には、光がけられることでレンズを通過する光量が少なくなるため、結果として結合効率が悪くなり、またひとみ径が大きい場合には、レンズの収差の影響により、本来一点に収束される光量がずれ、その際、干渉の影響で光が打ち消しあうために光ファイバ等の結合面において光強度が低下することにより結合効率が悪くなると考えられる。また開口の径が0.48を越えて一定となるのは、収差の影響を受ける光が、更に出射されるものの、結合面を外れて進むため、結合効率に影響を与えないためと考えられる。
以上のことから、上記の第3の実施の形態におけるレンズキャップの具体的な実施例においては、レンズキャップ9の開口の直径を0.36〜0.38(mm)に設定することにより最大の44%の結合効率を得ることができる。
尚、ひとみ径に対応する開口の直径と結合効率の対応関係は、使用するレーザダイオードのNAや波長の違い、レンズの硝子材、レンズ面の形状等の、種々の設計諸元により異なるため、その設計においては、これらの諸元を考慮する必要がある。
本発明は以上のとおりであるので、以下に示すような数々の利点があり、安価で高性能なレンズキャップを提供できることから、産業上の利用可能性大である。
1.キャップ部材として、プレス成形品を使用することができるので、切削加工品を使用するよりもコストを低減することができる。
2.キャップ部材は特殊な形状とする必要がなく、一般的なハット型形状のプレス成形品を使用することができるので、特殊な形状のものを使用するよりもコストを低減することができる。
3.熱間加工等による成形時に、キャップ部材の基準面を、形成されるレンズに対して高精度に位置決めすることができ、加工精度が高くないプレス成形品を使用しても、適宜の形状のレンズ、即ち非球面レンズを、キャップ部材の基準面に対して高精度に位置決めして形成することができる。
4.キャップ部材の開口をレンズのひとみとして使用することにより、レンズの性能を向上することができ、半導体レーザーと光ファイバーとの結合効率を上げることができる。
5.レンズを形成するガラスは、キャップ部材の開口の内部だけでなく開口の内外側周縁まで、又は内側周縁まで形成され、特に、キャップ部材の内側に対応する部分においては、キャップ部材の側部内壁及び頂部内壁に当接しているので、キャップ部材との接触面積が非常に大きく、いわゆるかしめ効果により気密性に優れると共に、接合強度にも優れたレンズキャップを得ることができる。また、このようにかしめ効果が大きいため、キャップ部材1とガラスの熱膨張率の差を大きくすることも可能となり、材料選定の幅が広がる。
6.レンズ母材の余剰分を吸収することができるので、レンズ母材の体積の許容誤差を大きくすることができ、この点もコストの低減に寄与する。
7.レンズ母材として平板状のものを用いる場合には、平面部のみを鏡面に仕上げれば良いので、球状のレンズ母材を用いる場合と比較して低コストとすることができる。
8.レンズの硝子材として、M−BACD5N又はS−NSL36を使用すれば、鉛フリーを実現することができると共に、屈折率と表面反射率が共に小さいので、表面反射が小さく、これによりレンズの表面への反射防止膜のコーティングを省略するという選択が可能となる。
1.キャップ部材として、プレス成形品を使用することができるので、切削加工品を使用するよりもコストを低減することができる。
2.キャップ部材は特殊な形状とする必要がなく、一般的なハット型形状のプレス成形品を使用することができるので、特殊な形状のものを使用するよりもコストを低減することができる。
3.熱間加工等による成形時に、キャップ部材の基準面を、形成されるレンズに対して高精度に位置決めすることができ、加工精度が高くないプレス成形品を使用しても、適宜の形状のレンズ、即ち非球面レンズを、キャップ部材の基準面に対して高精度に位置決めして形成することができる。
4.キャップ部材の開口をレンズのひとみとして使用することにより、レンズの性能を向上することができ、半導体レーザーと光ファイバーとの結合効率を上げることができる。
5.レンズを形成するガラスは、キャップ部材の開口の内部だけでなく開口の内外側周縁まで、又は内側周縁まで形成され、特に、キャップ部材の内側に対応する部分においては、キャップ部材の側部内壁及び頂部内壁に当接しているので、キャップ部材との接触面積が非常に大きく、いわゆるかしめ効果により気密性に優れると共に、接合強度にも優れたレンズキャップを得ることができる。また、このようにかしめ効果が大きいため、キャップ部材1とガラスの熱膨張率の差を大きくすることも可能となり、材料選定の幅が広がる。
6.レンズ母材の余剰分を吸収することができるので、レンズ母材の体積の許容誤差を大きくすることができ、この点もコストの低減に寄与する。
7.レンズ母材として平板状のものを用いる場合には、平面部のみを鏡面に仕上げれば良いので、球状のレンズ母材を用いる場合と比較して低コストとすることができる。
8.レンズの硝子材として、M−BACD5N又はS−NSL36を使用すれば、鉛フリーを実現することができると共に、屈折率と表面反射率が共に小さいので、表面反射が小さく、これによりレンズの表面への反射防止膜のコーティングを省略するという選択が可能となる。
1 キャップ部材
2 円筒部
3 フランジ状平坦部
4 頂部
5 開口
6 プロジェクション
7 周縁部
8 レンズ
9 レンズキャップ
10 上型
11 下型
12 胴型
13、14 保持部材
15 レンズ母材
16 半導体レーザー
17 ステム
18 空間部
a レンズの内側の部分
b キャップ部材の側部内壁
c キャップ部材の頂部内壁
d 平坦部
2 円筒部
3 フランジ状平坦部
4 頂部
5 開口
6 プロジェクション
7 周縁部
8 レンズ
9 レンズキャップ
10 上型
11 下型
12 胴型
13、14 保持部材
15 レンズ母材
16 半導体レーザー
17 ステム
18 空間部
a レンズの内側の部分
b キャップ部材の側部内壁
c キャップ部材の頂部内壁
d 平坦部
Claims (9)
- 頂部に開口が形成されたキャップ部材の、前記開口の周縁部を挟んで頂部の内外側に渡ってレンズが成形され、内側の部分はキャップ部材の側部内壁及び頂部内壁に当接していることを特徴とするレンズキャップ。
- 頂部に開口が形成されたキャップ部材の、前記開口と、その周縁部の内側に渡ってレンズが成形され、内側の部分はキャップ部材の側部内壁及び頂部内壁に当接していることを特徴とするレンズキャップ。
- キャップ部材の開口の径が、レンズの所望のひとみに対応して設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のレンズキャップ
- キャップ部材が、プレス成形により形成されたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のレンズキャップ
- レンズが、成形金型の上型と下型の間の空間内にキャップ部材の頂部とレンズ母材を配置して、レンズ母材の熱間加工により成型されたものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のレンズキャップ
- レンズ母材が球状であり、頂部の開口を通して配置されることを特徴とする請求項5に記載のレンズキャップ。
- レンズ母材が平板状であり、キャップ部材と下型の間に配置されることを特徴とする請求項5に記載のレンズキャップ。
- レンズの硝子材が、M−BACD5Nであることを特徴とする請求項1〜7までのいずれか1項に記載のレンズキャップ。
- レンズの硝子材が、S−NSL36であることを特徴とする請求項1〜7までのいずれか1項に記載のレンズキャップ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007109731A JP2007310379A (ja) | 2006-04-18 | 2007-04-18 | レンズキャップ |
Applications Claiming Priority (2)
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- 2007-04-18 JP JP2007109731A patent/JP2007310379A/ja active Pending
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