JP2007310250A - ワイヤグリッド偏光子の製造方法及びワイヤグリッド偏光子 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワイヤグリッドの間隔が微小であるワイヤグリッド偏光子を簡便に製造することが可能な、ワイヤグリッド偏光子の製造方法を提供する。
【解決手段】石英基板11と、石英基板11の表面に並列して設置される複数の帯状導電体と、を備えたワイヤグリッド偏光子100の製造方法であって、複数の第1帯状導電体層141が互いに略平行となるように、石英基板11表面にそれぞれ凸状に形成され、第1帯状導電体層141を含めて凹凸面が形成された積層体を形成する工程と、凹凸面に対して液相析出法により皮膜層15を積層し、第1帯状導電体層141に略平行な帯状の凹部を形成する皮膜形成工程と、凹部に導電性材料を充填し、第2帯状導電体層161を形成する第2帯状導電体層形成工程と、を有することを特徴とするワイヤグリッド偏光子100の製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、ワイヤグリッド偏光子の製造方法等に関し、より詳しくは、特に、ワイヤグリッドの間隔が微小であるワイヤグリッド偏光子の製造に適したワイヤグリッド偏光子の製造方法等に関する。
近年、高度情報化社会の進展を背景に、画像をスクリーンに拡大投影する装置として、従来のスライドプロジェクタやオーバーヘッドプロジェクタ(OHP)に代わり、電子データを直接投影できる投射型液晶表示装置が利用されている。かかる投射型液晶表示装置においては投影画像の照度を向上させることができ、従って、明るい室内での投影が可能である。
そして、明るく高精細な画像を表示するために、投射レンズの改良や、高輝度ランプの改良が進められている。また、液晶パネルを均一に照明するために、インテグレータレンズの改良が進められている。更に、偏光方向をそろえて光の利用効率を向上させるために、偏光変換光学系の改良等が進められている。
投影画像の照度を向上させる有力な方法としては、光源に超高圧水銀ランプ等の高輝度ランプを用いる方法が一般的である。このような高輝度ランプを用いる場合には、レンズ、偏光変換素子等の光学素子の耐熱性を高める必要性が生じる。従って、耐熱性の高い偏光変換素子として、光透過性の基板上に多数の金属細線を固定したワイヤグリッド偏光子が開発されている。
ここで、ワイヤグリッド偏光子の偏光特性は、ワイヤグリッドの密度に依存するため、ワイヤグリッド間の間隔は狭いことが好ましい。例えば、特許文献1には、幅100nm程度のワイヤグリッドが、100nm程度の間隔で平行に多数設けられたワイヤグリッド偏光子が記載されている。
なお、同文献には、アルミニウム等の金属層を蒸着法又はスパッタ法等によって基板上に形成した後、フォトリソグラフィー技術を用いるドライエッチング処理を金属層に施すことにより、多数のワイヤグリッドが一定の間隔で平行に並んでなる凸部を形成する方法が記載されている。
また、導電体からなるワイヤグリッドを狭幅に形成する方法としては、透明基板上に凹部を形成した後、液相析出法を用いて当該凹部の内壁面に誘電体層を析出させ、更にその後に残存する凹部に導電体層を充填する方法が知られている(特許文献2参照)。この方法は、誘電体層による皮膜を凹部内壁面に形成することにより、凹部の幅が実質的に狭くなることを利用するものである。
一方、特許文献3には、金型を用いてワイヤグリッド偏光子を製造する方法が記載されている。同文献において、上記金型は目的のワイヤグリッド偏光子のパターンに一致する微細パターンを表面に備える金型である。また、当該微細パターンは、電子線描画装置(EB描画装置)を用いて形成されたものである。
当該方法は、金型の凹凸形状をワイヤグリッド用基板表面に転写するプロセスを含むものである。そして、一度金型を作製すればその金型を何度でも使用できるため、当該方法は、ワイヤグリッド偏光子に用いる基板を大量生産するのに適している。
特表2003−502708号公報 特開2002−328222号公報 特開平11−183727号公報
しかしながら、特許文献1記載の方法によれば、ワイヤグリッドの間隔が微小であるワイヤグリッド偏光子が得られるものの、一つのワイヤグリッド偏光子を作製するのにその都度フォトリソグラフィー技術を用いてワイヤグリッドを形成する必要があり、量産性の点から改善の余地があった。
また、特許文献2記載の方法によれば、狭幅の導電体層(ワイヤグリッド)を形成することができるものの、隣接するワイヤグリッド間の幅を狭幅に形成することはできない。即ち、透明基板上に形成された凹部にワイヤグリッドが各々形成されることとなるので、ワイヤグリッドの周期自体は当該凹部の周期よりも小さくはならない。
一方、特許文献3記載の方法は、量産性の観点からは好適であるものの、同文献において採用される微細加工用のEB描画装置は非常に高価であり(1台で数億円〜数10億円程度)、ワイヤグリッド用金型を作製する製造コストが高くなる傾向となる。EB装置の減価償却費を考慮しても、1つのワイヤグリッド素子のコストはまだまだ高いと云わざるを得ない。
なお、光ディスク用金型などの作製に使用されてきた一般的なレーザ光源を用いてワイヤグリッド用金型を作製する場合には、光の回折限界(光の波長λに比例し、レンズの性能指数NAに反比例する)の存在により、通常、100nm程度の溝を安定に形成することは不可能である。
本発明は、このような従来技術における問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、ワイヤグリッドの間隔が微小であるワイヤグリッド偏光子を簡便に製造することが可能な、ワイヤグリッド偏光子の製造方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、偏光特性に優れるワイヤグリッド偏光子を提供することにある。
かかる目的のもと、本発明のワイヤグリッド偏光子の製造方法は、透明基板と、透明基板の表面に並列して設置される複数の帯状導電体と、を備えたワイヤグリッド偏光子の製造方法であって、複数の第1帯状導電体層が互いに略平行となるように、透明基板表面にそれぞれ凸状に形成され、第1帯状導電体層を含めて凹凸面が形成された積層体を形成する工程と、凹凸面に対して液相析出法により皮膜層を積層し、第1帯状導電体層に略平行な帯状の凹部を形成する皮膜形成工程と、凹部に導電性材料を充填し、第2帯状導電体層を形成する第2帯状導電体層形成工程と、を有することを特徴としている。
ここで、積層体を形成する工程は、透明基板上に熱反応性又は光反応性の転写層が積層されたワイヤグリッド用基板を準備する第1の工程と、レーザ光の照射により得られた露光パターンに対応する凹凸面又は光マスク層を表面に有するワイヤグリッド用金型を準備する第2の工程と、転写層面に対して凹凸面若しくは光マスク層面を密着又は対向させ、加熱、又は光照射の作用により転写層面に凹凸面又は光マスク層のパターン形状を転写する第3の工程と、転写により転写層面に形成された凹凸形状の凹部に導電性材料を充填し、第1帯状導電体層を形成する第4の工程と、を有することを特徴とすることができる。
また、積層体を形成する工程は、透明基板上に導電性材料層が積層され、更に熱反応性又は光反応性の転写層が積層されたワイヤグリッド用基板を準備する第1の工程と、レーザ光の照射により得られた露光パターンに対応する凹凸面又は光マスク層を表面に有するワイヤグリッド用金型を準備する第2の工程と、転写層面に対して凹凸面若しくは光マスク層面を密着又は対向させ、加熱、又は光照射の作用により転写層面に凹凸面又は光マスク層のパターン形状を転写する第3の工程と、転写により転写層面に形成された凹凸形状の、隣接する凸部間に溝部を形成し、第1帯状導電体層を形成する第4の工程と、を有することを特徴とすることができる。
更に、光照射は、フラッシュ光の照射であることを特徴とすることができる。
また、第3の工程は、転写層面と光マスク層を有する面との間に透明な液体を介装した状態で光を照射する工程であることを特徴とすることができる。
また更に、隣接する第1帯状導電体層と第2帯状導電体層との間に、スリット状の光路を形成する光路形成工程を有することを特徴とすることができる。
更に、積層体を形成する工程において、透明基板と第1帯状導電体層との間に第1帯状誘電体層を形成すると共に、皮膜形成工程は、第1帯状誘電体層と実質的に同じ材料を用いて皮膜層を形成する工程であることを特徴とすることができる。
また、第1帯状誘電体層がいずれも一定の層厚を有すると共に、皮膜形成工程は、第1帯状誘電体層の層厚と同等の層厚を有する皮膜層を形成する工程であることを特徴とすることができる。
また更に、第2の工程において、ワイヤグリッド用金型を形成する際のレーザ光の照射により露光された領域の幅をD、レーザ光の照射時に露光されなかった領域の幅をW、DとWとの和をTとし、一方、隣接する第1帯状導電体層と第2帯状導電体層との間の距離をD3、各々の導電体層の幅をW3、D3とW3との和をT3とする場合に、以下の関係式が成立することを特徴とすることができる。
[関係式]
D=(W3+2×D3)
W=W3
T=2×T3
また、本発明をワイヤグリッド偏光子と捉え、本発明のワイヤグリッド偏光子は、透明基板と、透明基板の表面に並列して設置される複数の帯状導電体と、を備えたワイヤグリッド偏光子であって、帯状導電体は、透明基板の表面に積層される誘電体層と、誘電体層上に積層される導電体層とを備え、隣接する帯状導電体間の距離と、誘電体層の膜厚とが同等であることを特徴としている。
ここで、隣接する帯状導電体間に、誘電体層と実質的に同一の材料にて形成された誘電体層が充填されることを特徴とすることができる。
なお、本発明のワイヤグリッド偏光子は、レーザ光の照射により得られた露光パターンに対応する凹凸溝又は光マスク層を表面に有するワイヤグリッド用金型を、ワイヤグリッド用基板上の導電体層を介して又は介さずに転写層面に密着させ、熱又は光を照射して凹凸溝又は光マスク層のパターンを転写層面に転写した後、転写層面にエッチング処理、又は転写層面に導電体層を積層後にエッチング処理を施して第1帯状導電体層が形成されたワイヤグリッドを得、ワイヤグリッドの表面に液相析出法により誘電体層を形成し、更に、誘電体層上に第2帯状導電体層を形成した後、これら帯状導電体層側を研磨して得られることを特徴とすることもできる。
かくして本発明によれば、ワイヤグリッドを、微小間隔をもって基板上に設置することができる。
以下、適宜図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、断りの無い限り、製造プロセスの説明図は構造断面図を示す。
[実施の形態1]
図1〜3は、本実施の形態が適用されるワイヤグリッド偏光子の一の製造プロセス例を説明するための図である。なお、実施の形態1においては、ワイヤグリッド用金型表面に形成された凹凸形状をワイヤグリッド用基板に転写する方法として、光ナノインプリント法を利用する。また、最終的に得られるワイヤグリッド偏光子の特徴としては、導電体層の幅と導電体層間の距離とがほぼ同じとなるものである。
(第1の工程)
図1においてワイヤグリッド用基板10は、約120mm角で厚さ約2mmの透明な石英基板11上に、誘電体層としての二酸化ケイ素(SiO)層12が積層され、更に、光反応性の転写層としての光硬化性樹脂層13が積層されてなる(図1(a))。本実施の形態において、SiO層12は、スパッタ法により約80nmの厚みで形成されるものである。また、光硬化性樹脂層13は、スピンコート法により約150nmの厚みで形成されるものである。
なお、本実施の形態において、ワイヤグリッド用基板10を準備する工程を、「第1の工程」と呼ぶことがある。
(第2の工程)
一方、図3は、本実施の形態において用いられるワイヤグリッド用金型23の製造方法について説明するための図である。
図3において、ワイヤグリッド用金型23を形成するための金型用基材20は、平らな表面を持つ石英基板21上に、ポジ型レジスト層22が積層されてなるものである(図3(a))。ここで、石英基板21は、約120mm角で厚さが約6mmの透明基板である。また、ポジ型レジスト層22は、スピンコート法により約200nmの厚みで形成されるものである。
まず、金型用基材20のポジ型レジスト層22に対してアルゴン(Ar)レーザLを照射し、ポジ型レジスト層22を部分的に変質(化学的な変化)させてポジ型レジスト変質部221を形成する(図3(b))。なお、レーザLの照射は、Arレーザを搭載した露光装置を用い、自動焦点制御(AF)をかけながら絞り込みレンズを通じて行う。
そして、目的の幅、及び周期となるようにArレーザLの照射パワー及び基板の移動を制御し、所望の露光パターンを有するポジ型レジスト層22を形成する。本実施の形態においてポジ型レジスト変質部221は平面視帯形状を有すると共に、ポジ型レジスト変質部221は一定間隔の未露光部を介して平行に配置されている(図3(c))。
なお、図3(c)に示す通り、ArレーザLの露光部の幅がD、未露光部の幅がW、露光周期がTである。なお、ここでのDは、ポジ型レジスト変質部221の幅とほぼ同じである。かかるポジ型レジスト変質部221は、ArレーザLを照射しながら金型用基材20を一方向(例えば、紙面の手前から奥に向かって)に移動させた後、決められた距離だけ照射方向に対して直角方向に移動(例えば、左側へ)させ、同様な照射を行い、これを繰り返し行うことで形成される。上記直角方向への移動距離が、上記露光周期Tとなる。
次に、無機系の現像液を用いた現像処理により、ポジ型レジスト変質部221を除去する(図3(d))。
次いで、石英基板21上に残存するポジ型レジスト層22(未露光部)をマスク層として、石英基板21に対するドライエッチング処理を行い、加工石英基板211を形成する(図3(e))。なお、上記ドライエッチング処理としては、特に限定されるものではないが、例えば、フッ素系の反応性ガスを使用したリアクティブ・イオン・エッチング処理(RIE処理)等を適宜採用し得る。
更に、加工石英基板211上に残存するポジ型レジスト層22を除去し、ワイヤグリッド用金型23を得る(図3(f))。なお、ポジ型レジスト層22の除去方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、酸素ガスを用いたドライエッチング処理等を採用することができる。
図3(f)において、ワイヤグリッド用金型23表面に形成された凸部の幅(W1)は約80nm、隣接する凸部間に存する溝の幅(D1)は240nmである。また、隣接する凸部の周期(T1)は約320nmである。本実施の形態では、W1=W、D1=D、T1=Tがほぼ成り立っている。
なお、本実施の形態において、ワイヤグリッド用金型23表面には、レーザ露光パターンに対応する凹凸溝が形成されている。レーザ光の照射により得られた露光パターンに対応する凹凸面を表面に有するワイヤグリッド用金型23を準備する工程を、「第2の工程」と呼ぶことがある。
(第3の工程)
次いで、ワイヤグリッド用基板10の転写層面(光硬化性樹脂層13側の面)に対し、ワイヤグリッド用金型23の凹凸面を密着・加圧する(図1(b))。かかる密着により、光硬化性樹脂層13は十分に変形し、光硬化性樹脂層13にワイヤグリッド用金型23の凹凸形状が正確に転写される。
次いで、ワイヤグリッド用金型23の背面側から紫外光Bmを連続的に照射し、光硬化性樹脂層13を均一に硬化させて光硬化層131を形成する(図1(c))。
更に、ワイヤグリッド用基板10からワイヤグリッド用金型23を剥離する(図1(d))。光硬化層131には、ワイヤグリッド用金型23の凹凸面の形状が正確に転写された凹凸形状が形成される。
(第4の工程、第1帯状導電体の積層体を準備する工程)
ここで、光硬化層131表面に形成された凹凸形状の凹部底面に、SiO層12の表面が露出していない場合には、必要に応じてドライエッチング処理を施し、予めSiO層12の表面を露出させる。なお、ここでいうドライエッチング処理としては、例えば酸素ガスを用いたドライエッチング処理(RIE処理)等を用いることができる。
次いで、光硬化層131表面に約100nmの層厚を有するアルミニウム層14を積層する(図1(e))。このアルミニウム層14の積層により、上記凹凸面の凹部に導電性材料であるアルミニウムが帯状に導入され、第1帯状導電体層141が形成される。
なお、アルミニウム層14を光硬化層131の表面に積層する方法としては、上記凹部に導入されるアルミニウム層14と、上記凹凸面の凸部上に積層されるアルミニウム層14とが互いに接続され、後のリフトオフ法が阻害されないようにする為に、凹部の側壁にアルミニウム層14が形成されにくい、スパッタ法あるいは蒸着法が好適に採用される。
次に、隣接する第1帯状導電体層141間に存する光硬化層131、及び光硬化層131上に積層されたアルミニウム層14を、リフトオフ法により除去する(図1(f))。更に、第1帯状導電体層141をマスク層として、SiO層12に対するドライエッチング処理を行い、石英基板11の表面を露出させる(図1(g))。
なお、ドライエッチング処理としては、例えば、フッ素系の反応性ガスを使用したRIE処理等を採用し得る。また、当該ドライエッチング処理により、SiO層12が帯状に残存して第1帯状誘電体層121が形成される。
このようにして、複数の第1帯状導電体層が互いに略平行となるように、透明基板表面にそれぞれ凸状に形成され、当該第1帯状導電体層を含めて凹凸面が形成された積層体が形成される。なお、第1帯状導電体層141と第1帯状誘電体層121との積層体を、単に「第1帯状導電体」と呼ぶことがある。
また、図1(g)において、第1帯状導電体の幅(W2)は約80nm、隣接する第1帯状導電体間に存する溝の幅(D2)は240nmである。更に、隣接する第1帯状導電体の周期(T2)は約320nmである。ここで、第1帯状導電体の幅(W2)、溝幅(D2)、及び周期(T2)は、ワイヤグリッド用金型23の表面に形成された凸部の幅(W1)、溝幅(D1)、及び周期(T1)にほぼ等しい。このような光ナノインプリント法は、短時間で溝形状の転写が完了する為、製造プロセス時間を短くすることが可能となる。
(皮膜形成工程)
次に、上述のようにして形成された積層体の凹凸面に対して、液相析出法により皮膜層15を積層し、第1帯状導電体層141に略平行な帯状の凹部を形成する(図2(h))。なお、本実施の形態における皮膜層15は、第1帯状誘電体層121と同じSiOにて形成されるものである。また、図2(h)に示すように、皮膜層15は液相析出法により形成されるため、石英基板11、及び石英基板11上に形成された第1帯状導電体の表面を均一に覆うように形成される。
なお、液相析出法としては、特に限定されるものではないが、例えば、SiOが過飽和状態で含有されるHSiF溶液を用いて、第1帯状導電体の側面、及び上面、更には、石英基板11の上面の各表面に、同じ析出速度で皮膜層15を等方的に析出させることができる。
また、本実施の形態においては、液相析出法により形成する皮膜層15の層厚を、溝の幅(D2)の3分の1の値(約80nm)に設定している。この層厚は、第1帯状誘電体層121の層厚とほぼ同じ膜厚である。
(第2帯状導電体形成工程)
次に、前記帯状の凹部に導電性材料としてのアルミニウムを充填することにより、第1帯状導電体層141と略平行な第2帯状導電体層161を形成する(図2(j))。
即ち、まず、皮膜層15上にアルミニウム層16を積層する(図2(i))。この場合、積層厚みについては、皮膜層15により形成される前記帯状の凹部が十分に充填されるように、第1帯状導電体層141の厚さと第1帯状誘電体層121の厚さの合計よりも厚くなるように設定する。
次いで、積層されたアルミニウム層16の表面側に研磨処理、又はドライエッチング処理等を施し、第1帯状導電体層141を露出させると共に第2帯状導電体層161を形成する(図2(j))。
なお、このような方法において、アルミニウム層16の積層厚みとしては、例えば約200nmに設定される。また、アルミニウム層16の形成方法としては、特に限定されるものではないが、スパッタ法を採用することができる。
更に、上記研磨処理の方法としては、特に限定されるものではないが、研磨布(パッド)上にアルミニウム層16面を当てるように配置し、石英基板11側から均一に荷重をかけつつ、パッド−アルミニウム層16間に研磨液(スラリー)を供給しながら研磨を行う方法を採用し得る。当該方法を用いることにより、第1帯状導電体層141の上面よりも上方に位置する皮膜層15、及びアルミニウム層16を除去することができる。一方、ドライエッチング処理の方法としては、例えば、フッ素系の反応性ガスを使ったRIE処理等が挙げられる。
なお、皮膜層15により構成される前記帯状の凹部への、アルミニウム層16の積層厚みについては、第1帯状導電体層141の層厚みとほぼ等しい厚み程度に設定することも可能である。
(光路形成工程)
図2(j)において、隣接する第1帯状導電体層141と第2帯状導電体層161との間には、皮膜層15を構成するSiO層を通じるスリット状の光路が形成されている。ここで、より光学損失を低減させる観点からは、当該SiO層を除去することが好ましい。
即ち、第1帯状導電体層141、及び第2帯状導電体層161をマスク層として、皮膜層15に対するドライエッチング処理を行うことにより、石英基板11表面を底面とする溝部が形成される。かかる溝部の形成により、第1帯状誘電体層121が露出し、また、第2帯状誘電体層151が形成されることとなる(図2(k))。そして、このようにして形成されるワイヤグリッド偏向子100は、隣接する帯状導電体間に、より光学損失が低減されたスリット状の光路を有する偏光子となる。
なお、図4は、直線溝基板を正方形に加工したワイヤグリッド偏光子100の概略平面図を示したものである。
なお、上記ドライエッチング処理としては、例えば、フッ素系の反応性ガスを使用したRIE処理等を採用し得る。
また、本実施の形態において、第2帯状導電体層161と第2帯状誘電体層151との積層体を、単に「第2帯状導電体」と呼ぶことがある。
更に、図2(j)において、隣接する第1帯状導電体と第2帯状導電体との間には皮膜層15としてSiO層が狭持されているが、当該SiO層を光路として採用する場合には、上記ドライエッチング処理を行わなくとも良い。
ワイヤグリッド偏光子100は、図2(k)に示すように、第1帯状導電体及び第2帯状導電体が共に約80nmの幅(W3)を有し、また、隣接する第1帯状導電体と第2帯状導電体との間には約80nmの溝幅(D3)を有し、更に、第1帯状導電体及び第2帯状導電体が約160nmの周期(T3)で設置されている。
なお、図2(j)における第1帯状導電体層141と第2帯状導電体層161との間の距離と、図2(k)における溝幅(D3)とは、ほぼ等しい。また、最終的に得られるワイヤグリッド偏光子100において、第1帯状導電体、及び第2帯状導電体の幅がほぼ等しく、溝幅(D3)も一定であるため、偏光子としての特性は良好である。
そして、溝幅(D3)は、ワイヤグリッド用金型23を作製する為に照射したレーザLによる露光幅(D)の3分の1、周期(T3)はワイヤグリッド用金型23を作製する時に照射したレーザLの周期(T)の半分となっている。
即ち、本実施の形態においては、最終的に形成しようとするワイヤグリッド偏光子における溝幅(D3)の3倍の溝幅で、かつワイヤグリッドの周期(T3)の2倍の周期の溝を有するワイヤグリッド用金型を作成すれば良いことになる。このことは、従来から用いられていた高価なEB描画装置ではなく、一般的なレーザ光源を搭載した露光装置を使用した場合にも、狭幅の溝部を有し、かつ均一な繰り返し構造を有するワイヤグリッド偏光子を製造することが可能となることを意味する。従って、本実施の形態に示される製造方法を用いれば、安価にかつ簡便に、良好な偏光特性を有するワイヤグリッド偏光子を製造することが可能である。
例えば、特表2003−502708号公報で示されている、導電体層の幅が約100nmで溝周期が約200nmのようなワイヤグリッド偏光子についても、本実施の形態に示される方法で作製することができる。この場合、使用するワイヤグリッド用金型の露光幅は約300nmで良いこととなり、例えば波長351nmのアルゴンレーザ光源を用いてワイヤグリッド用金型を作製すればよい。
以上をまとめると、本実施の形態においては、W=W1=W2=W3、D=D1=D2=3×D3、T=T1=T2=2×T3のそれぞれの関係が成り立つ。
即ち、ワイヤグリッド用金型23を形成する際のレーザ光の照射により露光された領域の幅をD、レーザ光の照射により露光されなかった領域の幅をW、当該Dと当該Wとの和をTとし、一方、隣接する第1帯状導電体層141と第2帯状導電体層161との間の距離をD3、各々の導電体層の幅をW3、当該D3と当該W3との和をT3とする場合、以下の関係式が成立する。
T=2×T3
W=W3
D=(2×T3−W3)
ここで、DをW3とD3で表すと
D=(2×(W3+D3)−W3)=(2×W3+2×D3−W3)=(W3+2×D3)
となり、本実施の形態ではW3=D3である為に、D=3×D3となる。
なお、本実施の形態におけるW3値又はD3値としては、通常、30nm〜150nm、好ましくは50nm〜100nmである。
なお、最終的に得られるワイヤグリッド偏光子の溝幅D3と、帯状導電体の幅W3と、帯状導電体の周期T3との間の関係としては、幾通りかの場合が存在する。図5は、ワイヤグリッド偏光子の溝幅D3と、帯状導電体の幅W3と、帯状導電体の周期T3との関係を説明するための図である。
図5においては、周期(T3)を一定にした場合を例として、幾通りかの場合を示している。また、図5においては、第1帯状誘電体層121の層厚、第2帯状誘電体層151の層厚、第1帯状導電体層141の層厚、及び第2帯状導電体層161の層厚は、それぞれ等しいとしている。
(1)図5(A)に示すワイヤグリッド偏光子100Aは、以下の関係を有する偏光子である。
0<W3<D3
2×D3<D<3×D3
(2)また、図5(B)に示すワイヤグリッド偏光子100Bは、以下の関係を有する偏光子である。
W3=D3
D=3×D3
(3)更に、図5(C)に示すワイヤグリッド偏光子100Cは、以下の関係を有する偏光子である。
W3>D3>0
D>3×D3
なお、図5(A)〜図5(C)のいずれにおいても、以下の関係が成り立っている。
T=2×T3
W=W3
なお、本実施の形態においては、光ナノインプリント法により光硬化性樹脂層13にワイヤグリッド用金型23の凹凸形状を転写した後に、アルミニウム層14を形成した。ここで、アルミニウム層14は、ワイヤグリッド用基板10において、SiO層12と光硬化性樹脂層13との間に予め包含させておいても良い。そして、このようなワイヤグリッド用基板10から図1(g)に示す第1帯状導電体の積層体を得るためには、ワイヤグリッド用金型23における凹凸面の凹部と凸部との関係を逆にして(後述する実施の形態2と同様にして)、光ナノインプリント法により第1帯状導電体層141の積層体を作製すれば良い。
また、本実施の形態における誘電体層としてのSiO層12の膜厚と、SiOにて形成される皮膜層15の膜厚とをほぼ同じ値にすると、基板表面から誘電体層までの距離が均一になり、偏光特性が良くなる。しかし、場合によっては、第1帯状誘電体層121の膜厚と第2帯状誘電体層151の膜厚とは、多少異なった厚みを有していても良い。更に、第1帯状誘電体層121を設けない構成でワイヤグリッド偏光子を形成しても良い。但し、これらの場合においても、第2帯状誘電体層151の膜厚と、ワイヤグリッド偏光子の溝幅D3については、偏光特性の観点からほぼ同じ値とするのが好ましい。
更に、本実施の形態においては、ワイヤグリッド偏光子の溝部(凹部)の断面形状として略矩形状を採用したが、底幅が狭い台形形状やU字型形状等であっても良い。この場合、溝幅D3については、溝深さの半分の位置における幅(半値幅)を採用すればよい。なお、本実施の形態において凹部、凸部という場合には、基板に近い方を凹部、遠い方を凸部とする。
本実施の形態で用いる透明基板としては、使用する偏光波長に対して透明な基板であれば良く、例えば、ガラス基板、樹脂基板、単結晶基板などを用いればよい。ただ、ワイヤグリッド偏光子用の基板としては、耐熱性が要求されるのでガラス基板が好ましい。特に、ドライエッチングなどで加工がしやすい石英基板が最も好ましい。また、基板形状としても特に限定されず、円形でなくても四角形以上の多角形状等、目的に応じて選定すれば良い。
更に、本実施例で用いる誘電体層は、使用する偏光波長においてほぼ透明で石英基板の屈折率とほぼ同じか、それよりも小さいものであることが好ましい。そのような特性を満たす素材としては、例えば、SiO、SiC等を挙げることができる。そして、第2帯状誘電体層151の形成を、液相析出法を通じて行うことが、本実施の形態における特徴の一つである。
なお、第1帯状誘電体層121と第2帯状誘電体層151とが同じ素材で形成されることが、光学特性、偏光特性の観点から好適である。
また、本実施の形態で用いる導電体層を形成する材料としては、偏光特性を向上させる観点から、比較的誘電率と比誘電率が大きい材料を選ぶことが好適である。そのような材料としては、例えば、アルミニウム、金、銀、銅、ニッケル、クロム等を挙げることができる。特に、アルミニウムが好ましい。これらの膜厚は、第1帯状導電体層141と第2帯状導電体層161とでほぼ同じにした方が好ましいが、場合によっては多少異なっても良い。導電体層の形成は、スパッタ法や真空蒸着法、無電解メッキ法、スピンコート法などを利用すればよい。
本実施の形態においては、ワイヤグリッド用金型の作製においてレジストの露光にArレーザを用いたが、他のKrレーザのようなガスレーザや、高出力半導体レーザなどの固体レーザを用いても良い。要するに、高価なEB描画装置等を使用しないで、従来からDVDの原盤作製になどに使われていたレーザ光源を用いてワイヤグリッド用金型を作ることが、本実施の形態においては重要なことである。更に、ワイヤグリッド用金型に用いるレジストは有機レジストに限らず無機レジストを利用しても良い。無機レジストを用いると、溝のエッジ部が綺麗になる傾向となって好適である。
本実施の形態により得られたワイヤグリッド偏光子から所定の大きさに切断して、一度に多数のワイヤグリッド偏光子を作製することにより、更なる低コスト化が図れる。
また、本実施の形態においてはワイヤグリッド偏光子の製造方法を示したが、当該製造方法は、他の細溝構造を有する成形体の形成にも適用可能である。つまり、具体的な用途としては、ワイヤグリッド偏光子の他、光ディスク用基板、医療用部品等が挙げられる。
[実施の形態2]
図6,7は、本実施の形態が適用されるワイヤグリッド偏光子の他の製造プロセス例を説明するための図である。なお、実施の形態1においては、ワイヤグリッド用金型の凹凸溝をワイヤグリッド用基板に転写する方法として、光ナノインプリント法を利用した。実施の形態2においては、光ナノインプリント法の代わりに、熱ナノインプリント法を利用する。なお、最終的に得られるワイヤグリッド偏光子の特徴については、実施の形態1と同様である。
以下、実施の形態1の説明と重複する部分については、説明を適宜省略する。
(第1の工程)
図6においてワイヤグリッド用基板30は、約120mm角で厚さ約2mmの透明な石英基板31上に誘電体層としての二酸化ケイ素(SiO)層32が積層され、SiO層32上にアルミニウム層34が積層され、更に、熱可塑性の転写層としての熱可塑性樹脂層33が積層されてなる(図6(a))。本実施の形態において、SiO層32は、スパッタ法により約80nmの厚みで形成されるものである。また、アルミニウム層34はスパッタ法により約100nmの厚みで形成されるものである。更に、熱可塑性樹脂層33は、スピンコート法により約150nmの厚みで形成されるものである。
なお、本実施の形態において、ワイヤグリッド用基板30を準備する工程を、「第1の工程」と呼ぶことがある。
(第2の工程)
一方、図7は、本実施の形態において用いられるワイヤグリッド用金型44の製造方法について説明するための図である。
図7において、ワイヤグリッド用金型44を形成するための金型用基材40は、平らな表面を持つ石英基板41上に、ポジ型レジスト層42が積層されてなるものである(図7(a))。ここで、石英基板41は、約120mm角で厚さが約6mmの透明基板である。また、ポジ型レジスト層42は、スピンコート法により約200nmの厚みで形成されるものである。
まず、金型用基材40のポジ型レジスト層42に対してアルゴン(Ar)レーザLを照射し、ポジ型レジスト層42を部分的に変質(化学的な変化)させてポジ型レジスト変質部421を形成する(図7(b))。なお、レーザLの照射は、Arレーザを搭載した露光装置を用い、自動焦点制御(AF)をかけながら絞り込みレンズを通じて行う。
そして、目的の幅、及び周期となるようにArレーザLの照射パワー及び基板の移動を制御し、所望の露光パターンを有するポジ型レジスト層42を形成する。本実施の形態においてポジ型レジスト変質部421は平面視帯形状を有すると共に、ポジ型レジスト変質部421は一定間隔の未露光部を介して平行に配置されている(図7(c))。
なお、図7(c)に示す通り、ArレーザLの露光部の幅がD、未露光部の幅がW、露光周期がTである。なお、ここでのDはポジ型レジスト変質部421の幅とほぼ同じである。かかるポジ型レジスト変質部421は、ArレーザLを照射しながら金型用基材40を一方向(例えば、紙面の手前から奥に向かって)に移動させた後、決められた距離だけ照射方向に対して直角方向に移動(例えば、左側へ)させ、同様な照射を行い、これを繰り返し行うことで形成される。上記直角方向への移動距離が、上記露光周期Tとなる。
次に、無機系の現像液を用いた現像処理により、ポジ型レジスト変質部421を除去する(図7(d))。
次いで、ポジ型レジスト層42(未露光部)の残存する石英基板41の表面にSiO層43を積層する(図7(e))。ここで、SiO層43の積層方法としては、特に限定されないが、スパッタ法を採用し得る。また、SiO層43の積層厚みとしては、約180nmである。
更に、石英基板41上に残存するポジ型レジスト層42、及びポジ型レジスト層42上に積層されたSiO層43を除去し、ワイヤグリッド用金型44を得る(図7(f))。なお、ポジ型レジスト層42及びSiO層43の除去方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、有機溶媒を用いたリフトオフ法を採用し得る。
図7(f)において、ワイヤグリッド用金型44表面に形成された凸部の幅(W1)は約240nm、隣接する凸部間に存する溝の幅(D1)は約80nmである。また、隣接する凸部の周期(T1)は約320nmである。本実施の形態では、W1=D、D1=W、T1=Tがほぼ成り立っている。
なお、本実施の形態において、レーザ光の照射により得られた露光パターンに対応する凹凸面を表面に有するワイヤグリッド用金型44を準備する工程を、「第2の工程」と呼ぶことがある。
(第3の工程)
次いで、ワイヤグリッド用基板30の転写層面(熱可塑性樹脂層33側の面)に対し、ワイヤグリッド用金型44の凹凸面を密着・加圧する(図6(b))。ここで、密着・加圧の際には予め、ワイヤグリッド用金型44及びワイヤグリッド用基板30を、熱可塑性樹脂層33が加熱可塑化される温度(例えば、約180℃程度)にまで加熱しておく。そして、かかる密着により熱可塑性樹脂層33は十分に変形し、熱可塑性樹脂層33にワイヤグリッド用金型44の凹凸形状が正確に転写される。
次いで、熱可塑性樹脂層33を(例えば、室温程度にまで)冷却し硬化させる(図6(c))。そして、ワイヤグリッド用基板30からワイヤグリッド用金型44を剥離する(図6(d))。このような工程を経ることにより、熱可塑性樹脂層33には、ワイヤグリッド用金型44の凹凸面の形状が正確に転写された凹凸形状が形成される。
(第4の工程、第1帯状導電体の積層体を準備する工程)
次いで、熱可塑性樹脂層33表面に形成された凹凸形状面にドライエッチング処理を施し、熱可塑性樹脂層33表面に形成された前記凹凸形状面の隣接する凸部間に、石英基板31の表面を底面とする溝部を形成する(図6(e))。これにより、第1帯状導電体層341、及び、第1帯状誘電体層321が順に形成される。
なお、第3の工程後に、熱可塑性樹脂層33表面に形成された前記凹凸形状面の凹部にアルミニウム層34の表面が露出していない場合には、必要に応じてドライエッチング処理を施し、予めアルミニウム層34の表面を露出させる。なお、ここでいうドライエッチング処理としては、例えば酸素ガスを用いたRIE処理等を用いることができる。また、アルミニウム層34やSiO層32を除去するドライエッチング処理としては、例えば、フッ素系の反応性ガスを使用したRIE処理等を用いることができる。
そして、第1帯状導電体層341の上面に残存する熱可塑性樹脂層33を除去することにより、石英基板上に第1帯状誘電体層321が積層され、更に、第1帯状誘電体層321上に第1帯状導電体層341が積層された第1帯状導電体の積層体が形成される(図6(f))。なお、上記除去方法としては、特に限定されるものではないが、例えば酸素ガスを用いたRIE処理を採用し得る。また、本実施の形態においては、第1帯状誘電体層321と第1帯状導電体層341との積層体を、第1帯状導電体と呼ぶことがある。
なお、図6(f)において、第1帯状導電体の幅(W2)は約80nm、隣接する第1帯状導電体間に存する溝の幅(D2)は約240nmである。また、隣接する第1帯状導電体の周期(T2)は約320nmである。ここで、第1帯状導電体の幅(W2)、溝幅(D2)、及び周期(T2)は、ワイヤグリッド用金型44の表面に形成された凸部の幅(W1)、溝幅(D1)、及び周期(T1)に、それぞれほぼ等しい。このような熱ナノインプリント法は確実に溝形状の転写が完了する為、製造プロセスの信頼性を高くすることが可能となる。
本実施の形態において、図6(f)に示される第1帯状導電体の積層体は、前記実施の形態1における図1(g)に示された第1帯状導電体の積層体と同様である。そして、以降の工程についても前記実施の形態1と同様であるため、以降の工程についての記載を省略する。
なお、図7(c)と図6(f)とを対比すると、W2=W、D2=D、T2=Tがほぼ成り立っている。
本実施の形態においても、前記実施の形態1と同様、最終的に得られるワイヤグリッド偏光子は、第1帯状導電体及び第2帯状導電体が共に約80nmの幅(W3)を有する。また、隣接する第1帯状導電体と第2帯状導電体との間には、約80nmの溝幅(D3)の溝部を有する。更に、第1帯状導電体及び第2帯状導電体は、約160nmの周期(T3)で設置されるものである。
そして、本実施の形態においては、W=(W1)/3=W2=W3、D=3×D1=D2=3×D3、T=T1=T2=2×T3のそれぞれの関係が成り立つ。
なお、本実施の形態においては、ワイヤグリッド用基板30を作成する際にSiO層32と熱可塑性樹脂層33との間に、予めアルミニウム層34を形成した。ここで、アルミニウム層34は、ワイヤグリッド用基板30に包含させず、熱ナノインプリント法により熱可塑性樹脂層33にワイヤグリッド用金型44の凹凸を転写した後に、アルミニウム層34を熱可塑性樹脂層33上に積層してもよい。このような方法により図6(f)に示す第1帯状導電体の積層体を得るためには、ワイヤグリッド用金型44における凹凸面の凹部と凸部との関係を逆にして(上述した実施の形態1と同様にして)、熱ナノインプリント法により第1帯状導電体の積層体を作製すれば良い。
即ち、アルミニウム層34を予め形成しないで熱ナノインプリント法により熱可塑性樹脂層33に凹凸を転写した後、熱可塑性樹脂層33上にアルミニウム層34を形成し、更にリフトオフ法及びドライエッチング法を経て、図6(f)に示す第1帯状導電体の積層体を得ることができる。
なお、本実施の形態において用いられる各種素材等については、実施の形態1と同様の素材等を用いることができる。また、本実施の形態におけるワイヤグリッド用金型44は、透明な石英基板41を用いるものであったが、場合によっては、ワイヤグリッド偏光子を用いた光学装置に搭載した光源の使用波長において透明でない基材を用いることもできる。ワイヤグリッド用金型として従来から使われている光ディスク用のNiスタンパやシリコン基板を用いても良い。
[実施の形態3]
図8〜10は、本実施の形態が適用されるワイヤグリッド偏光子の別の製造プロセス例を説明するための図である。なお、実施の形態1においては、ワイヤグリッド用金型の凹凸溝をワイヤグリッド用基板に転写する方法として、光ナノインプリント法を利用した。実施の形態3においては、光ナノインプリント法の代わりに、フラッシュ光照射法を利用する。なお、最終的に得られるワイヤグリッド偏光子の特徴については、実施の形態1と同様である。
以下、実施の形態1の説明と重複する部分については、説明を適宜省略する。
(第1の工程)
図8においてワイヤグリッド用基板50は、約120mm角で厚さ約2mmの透明な石英基板51上に誘電体層としての二酸化ケイ素(SiO)層52が積層され、SiO層52上にアルミニウム層54が積層され、更に、光反応性の転写層としてのポジ型レジスト層55が積層されてなる(図8(a))。本実施の形態において、SiO層52は、スパッタ法により約80nmの厚みで形成されるものである。また、アルミニウム層54はスパッタ法により約100nmの厚みで形成されるものである。更に、ポジ型レジスト層55は、スピンコート法により約150nmの厚みで形成されるものである。
なお、本実施の形態において、ワイヤグリッド用基板50を準備する工程を、「第1の工程」と呼ぶことがある。
(第2の工程)
一方、図9は、本実施の形態において用いられるワイヤグリッド用金型65の製造方法について説明するための図である。
図9において、ワイヤグリッド用金型65を形成するための金型用基材60は、平らな表面を持つ石英基板61上に、アルミニウム層64が積層され、更に、アルミニウム層64の上にポジ型レジスト層62が積層されてなるものである(図9(a))。ここで、石英基板61は、約120mm角で厚さが約6mmの透明基板である。また、アルミニウム層64は、スパッタ法により形成される約100nm厚みの層である。更に、ポジ型レジスト層62は、スピンコート法により約200nmの厚みで形成されるものである。
まず、金型用基材60のポジ型レジスト層62に対してアルゴン(Ar)レーザLを照射し、ポジ型レジスト層62を部分的に変質(化学的な変化)させてポジ型レジスト変質部621を形成する(図9(b))。なお、レーザLの照射は、Arレーザを搭載した露光装置を用い、自動焦点制御(AF)をかけながら絞り込みレンズを通じて行う。
そして、目的の幅、及び周期となるようにArレーザLの照射パワー及び基板の移動を制御し、所望の露光パターンを有するポジ型レジスト層62を形成する。本実施の形態においてポジ型レジスト変質部621は、平面視略矩形状(帯形状)を有すると共に、ポジ型レジスト変質部621は一定間隔の未露光部を介して平行に配置されている(図9(c))。
なお、図9(c)に示す通り、ArレーザLの露光部の幅がD、未露光部の幅がW、露光周期がTである。なお、ここでのDはポジ型レジスト変質部621の幅とほぼ同じである。かかるポジ型レジスト変質部621は、ArレーザLを照射しながら金型用基材60を一方向(例えば、紙面の手前から奥に向かって)に移動させた後、決められた距離だけ照射方向に対して直角方向に移動(例えば、左側へ)させ、同様な照射を行い、これを繰り返し行うことで形成される。上記直角方向への移動距離が、上記露光周期Tとなる。
次に、無機系の現像液を用いた現像処理により、ポジ型レジスト変質部621を除去し、凹凸面を形成する(図9(d))。
次いで、アルミニウム層64の表面に残存するポジ型レジスト層62(未露光部)をマスクにして、アルミニウム層64に対するドライエッチング処理を施し、前記凹凸面の隣接する凸部間に石英基板61の表面を底面とする溝部を形成する(図9(e))。かかる溝部の形成により、帯状のアルミニウムマスク層641が形成される。なお、ドライエッチング処理としては、特に限定されるものではないが、例えば、フッ素系の反応性ガスを使用したRIE処理等を挙げることができる。
そして、上記溝部を形成した後、アルミニウムマスク層641上に残存するポジ型レジスト層62を除去し、ワイヤグリッド用金型65を形成する(図9(f))。かかる除去工程としては、ドライエッチング処理、例えば酸素ガスを用いたRIE処理等を採用することができる。
図9(f)において、ワイヤグリッド用金型65表面に形成された凸部の幅(W1)は約80nm、隣接する凸部間に存する溝の幅(D1)は240nmである。また、隣接する凸部の周期(T1)は約320nmである。本実施の形態において、W1=W、D1=D、T1=Tがほぼ成り立っている。
なお、本実施の形態において、レーザ光の照射により得られた露光パターンに対応する凹凸面を表面に有するワイヤグリッド用金型65を準備する工程を、「第2の工程」と呼ぶことがある。
(第3の工程)
次いで、ワイヤグリッド用基板50の転写層面(ポジ型レジスト層55側の面)に対し、ワイヤグリッド用金型65の凹凸面を対向させる(図8(b))。ここで、アルミニウムマスク層641の天井面と転写層面との間には隙間が介在しても良いが、後工程での光照射時に光が拡散して光の照射効率が低下するのを防ぐ観点から、両面を密着・加圧するのが好適である。
また、密着・加圧の際には予め、ポジ型レジスト層55とワイヤグリッド用金型65表面に形成された凹部との間に形成される空間を、透明な液体で満たすことが好適である。このようにすることにより、アルミニウムマスク層641がポジ型レジスト層55の表面を傷つける虞が低減される。
なお、透明な液体としては、特に限定されるものではないが、粘度が高過ぎず、化学的な影響が少ない純水等を好ましく用いることができる。なお、差動排気システムを用い、液体の代わりに空気等の気体を用いることも可能である。
次いで、ワイヤグリッド用金型65の背面側からフラッシュ光FBを照射し、ポジ型レジスト層55の特定部位(アルミニウムマスク層641により遮光されない部位)を変質させて、ポジ型レジスト変質部551を形成する(図8(c))。ここで、フラッシュ光としては、特に限定されないが、キセノン(Xe)ランプを照射するフラッシュ光を採用し得る。また、このようなフラッシュ光FBを用いることにより、ポジ型レジスト層55の特定部位を必要以上に劣化させることなく、短時間にポジ型レジスト変質部551を形成可能である。
その後、ワイヤグリッド用基板50からワイヤグリッド用金型65を剥離する(図8(d))。更に、アルミニウム層54上に形成されたポジ型レジスト変質部551を現像処理により除去し、凹凸面を形成する。アルミニウム層54上に残存するポジ型レジスト層55は、アルミニウムマスク層641形成パターンが正確に転写されて形成される。
(第4の工程、第1帯状導電体の積層体を準備する工程)
次いで、アルミニウム層54上に残存するポジ型レジスト層55をマスクとして、アルミニウム層54、及びSiO層52にドライエッチング処理を施し、前記凹凸面の隣接する凸部間に、石英基板51の表面を底面とする溝部を形成する(図8(e))。かかる溝部の形成により、第1帯状導電体層541、及び第1帯状誘電体層521が順に形成される。なお、ドライエッチング処理としては、特に限定されるものではないが、例えば、フッ素系の反応性ガスを使用したRIE処理等を挙げることができる。
そして、第1帯状導電体層541の上面に残存するポジ型レジスト層55を除去することにより、石英基板51上に第1帯状誘電体層521が積層され、更に、第1帯状誘電体層521上に第1帯状導電体層541が積層された積層体が形成される(図8(f))。なお、上記除去方法としては、特に限定されるものではないが、例えば酸素ガスを用いたRIE処理を採用し得る。また、本実施の形態においては、第1帯状誘電体層521と第1帯状導電体層541との積層体を、第1帯状導電体と呼ぶことがある。
図8(f)において、第1帯状導電体の幅(W2)は約80nm、隣接する第1帯状導電体間に存する溝の幅(D2)は240nmである。また、隣接する第1帯状導電体の周期(T2)は約320nmである。ここで、第1帯状導電体の幅(W2)、溝幅(D2)、及び周期(T2)は、ワイヤグリッド用金型65の表面に形成された凸部の幅(W1)、溝幅(D1)、及び周期(T1)にそれぞれほぼ等しい。このようなフラッシュ光照射法は短時間で溝形状の転写が完了する為、製造プロセス時間を短くすることが可能となる。更に、光ナノインプリント法や熱ナノインプリント法と異なって、ワイヤグリッド用金型を転写層から剥離する場合に凹凸形状によるストレスが無い為に確実な転写が行なわれる。
本実施の形態において、図8(f)に示される第1帯状導電体の積層体は、前記実施の形態1における図1(g)に示された第1帯状導電体の積層体と同様である。そして、以降の工程についても前記実施の形態1と同様であるため、以降の工程についての記載を省略する。
なお、図9(c)と図8(f)とを対比すると、W2=W、D2=D、T2=Tがほぼ成り立っている。
本実施の形態においても、前記実施の形態1と同様、最終的に得られるワイヤグリッド偏光子は、第1帯状導電体及び第2帯状導電体が共に約80nmの幅(W3)を有する。また、隣接する第1帯状導電体と第2帯状導電体との間には約80nmの溝幅(D3)の溝部を有する。更に、第1帯状導電体及び第2帯状導電体は、約160nmの周期(T3)で設置されるものである。
そして、本実施の形態においては、W=W1=W2=W3、D=D1=D2=3×D3、T=T1=T2=2×T3のそれぞれの関係が成り立つ。
本実施の形態においては、ワイヤグリッド用基板50を作成する際にSiO層52とポジ型レジスト層55との間に予め、アルミニウム層54を形成した。ここで、アルミニウム層54は、ワイヤグリッド用基板50に包含させず、フラッシュ光照射法によりポジ型レジスト層55にワイヤグリッド用金型65のマスクパターンを転写した後に、アルミニウム層54をポジ型レジスト層55上に積層してもよい。このような方法により図8(f)に示す第1帯状導電体の積層体を得るためには、ワイヤグリッド用金型65における凹凸面の凹部と凸部との関係を逆にして(上述した実施の形態1と同様にして)、フラッシュ光照射法により第1帯状導電体の積層体を作製すれば良い。
即ち、アルミニウム層54を予め形成しないでフラッシュ光照射法によりポジ型レジスト層55にワイヤグリッド用金型65のマスクパターンを転写した後に、更にリフトオフ法及びドライエッチング法を経て、図8(f)に示す第1帯状導電体の積層体を得ることができる。
本実施の形態において用いられる各種素材などについては、実施の形態1と同様の素材等を同様に用いることができる。また、本実施の形態ではポジ型レジストを用いたが、これに限らず、ネガ型レジストなどの有機レジストあるいは無機レジストを用いることも可能である。この時、無機レジストの方が溝のエッジ部が綺麗になりやすく好適である。また、無機レジストとして、カルコゲン化合物、Te系酸化物、遷移金属の不完全酸化物などがある。無機レジストの現像には、アルカリ溶液を使った無機現像が一般的に行われる。
また、マスク層としてのアルミニウムマスク層641の幅に対して、アルミニウムマスク層641間の距離の方が狭い場合には、ワイヤグリッド用基板50に設ける転写層として、ネガ型レジストを用いることが好適である。
本実施の形態においては、ワイヤグリッド用金型65として、アルミニウムマスク層641を石英基板61上に凸状に形成した形態を採用したが、上述の通り、上記第3の工程において(図8(b))、加圧時にポジ型レジスト層55を大きく変形させてしまう可能性がある。そこで、マスク層が透明基板中に埋もれており、マスク層の表面の凹凸差が小さいワイヤグリッド用金型が望まれる場合がある。
図10は、マスク層が透明基板中に埋もれたワイヤグリッド用金型の作成方法について説明するための図である。
図10において、ワイヤグリッド用金型75を形成するための金型用基材70は、平らな表面を持つ石英基板71上に、ネガ型レジスト層72が積層されてなるものである(図10(a))。ここで、石英基板71は、直径約120mmで厚さが約6mmの透明基板である。また、ネガ型レジスト層72は、スピンコート法により約200nmの厚みで形成されるものである。
まず、金型用基材70のネガ型レジスト層72に対してアルゴン(Ar)レーザLを照射し、ネガ型レジスト層72を部分的に変質(化学的な変化)させてネガ型レジスト変質部721を形成する(図10(b))。なお、レーザLの照射は、Arレーザを搭載した露光装置を用い、自動焦点制御(AF)をかけながら絞り込みレンズを通じて行う。
そして、目的の幅、及び周期となるようにArレーザLの照射パワー及び基板の移動を制御し、所望の露光パターンを有するネガ型レジスト層72を形成する。本実施の形態においてネガ型レジスト変質部721は平面視帯形状を有すると共に、ネガ型レジスト変質部721は一定間隔の未露光部を介して平行に配置されている(図10(c))。
なお、図10(c)に示す通り、ArレーザLの露光部の幅がD、未露光部の幅がW、露光周期がTである。なお、ここでのDはネガ型レジスト変質部721の幅とほぼ同じである。かかるネガ型レジスト変質部721は、ArレーザLを照射しながら金型用基材70を一方向(例えば、紙面の手前から奥に向かって)に移動させた後、決められた距離だけ照射方向に対して直角方向に移動(例えば、左側へ)させ、同様な照射を行い、これを繰り返し行うことで形成される。上記直角方向への移動距離が、上記露光周期Tとなる。
次に、無機系の現像液を用いた現像処理により、未露光部として残存するネガ型レジスト層72を除去し、凹凸面を形成する(図10(d))。
次いで、石英基板71の表面に残存するネガ型レジスト変質部721をマスクとして、石英基板71に対するドライエッチング処理を施し、前記凹凸面の隣接する凸部間に深さ約100nmの溝部を形成する(図10(e))。これにより、溝付石英基板711が形成される。なお、ドライエッチング処理としては、特に限定されるものではないが、例えば、フッ素系の反応性ガスを使用したRIE処理等を挙げることができる。
次に、形成された溝部を有する表面に、アルミニウム層74を100nmの厚みでスパッタ法により積層する(図10(f))。かかる積層により、上記溝部がアルミニウムで充填され、アルミニウムマスク層741が形成される。
そして、リフトオフ法により、露光・現像により残ったネガ型レジスト変質部721と、その上に形成されたアルミニウム層74のみを除去する(図10(g))。
この結果、透明基板内にアルミニウムマスク層741が埋もれたワイヤグリッド用金型75が形成される。図10(g)において、アルミニウムマスク層741の幅(W1)は約80nmである。また、アルミニウムマスク層741間の距離(D1)は約240nmである。更に、周期(T1)は約320nmである。本実施の形態では、W1=W、D1=D、T1=Tの関係が成立している。
本実施の形態が適用されるワイヤグリッド偏光子の一の製造プロセス例を説明するための図である。 本実施の形態が適用されるワイヤグリッド偏光子の一の製造プロセス例を説明するための図である。 本実施の形態が適用されるワイヤグリッド偏光子の一の製造プロセス例を説明するための図である。 ワイヤグリッド偏光子の概略平面図を示したものである。 ワイヤグリッド偏光子の溝幅と、帯状導電体の幅と、帯状導電体の周期との関係を説明するための図である。 本実施の形態が適用されるワイヤグリッド偏光子の他の製造プロセス例を説明するための図である。 本実施の形態が適用されるワイヤグリッド偏光子の他の製造プロセス例を説明するための図である。 本実施の形態が適用されるワイヤグリッド偏光子の別の製造プロセス例を説明するための図である。 本実施の形態が適用されるワイヤグリッド偏光子の別の製造プロセス例を説明するための図である。 本実施の形態が適用されるワイヤグリッド偏光子の別の製造プロセス例を説明するための図である。
符号の説明
11…石英基板、12…SiO層、13…光硬化性樹脂層、15…皮膜層、23…ワイヤグリッド用金型、100…ワイヤグリッド偏光子、121…第1帯状誘電体層、141…第1帯状導電体層、151…第2帯状誘電体層、161…第2帯状導電体層

Claims (12)

  1. 透明基板と、当該透明基板の表面に並列して設置される複数の帯状導電体と、を備えたワイヤグリッド偏光子の製造方法であって、
    複数の第1帯状導電体層が互いに略平行となるように、透明基板表面にそれぞれ凸状に形成され、当該第1帯状導電体層を含めて凹凸面が形成された積層体を形成する工程と、
    前記凹凸面に対して液相析出法により皮膜層を積層し、前記第1帯状導電体層に略平行な帯状の凹部を形成する皮膜形成工程と、
    前記凹部に導電性材料を充填し、第2帯状導電体層を形成する第2帯状導電体層形成工程と、
    を有することを特徴とするワイヤグリッド偏光子の製造方法。
  2. 前記積層体を形成する工程が、
    透明基板上に熱反応性又は光反応性の転写層が積層されたワイヤグリッド用基板を準備する第1の工程と、
    レーザ光の照射により得られた露光パターンに対応する凹凸面又は光マスク層を表面に有するワイヤグリッド用金型を準備する第2の工程と、
    前記転写層面に対して前記凹凸面若しくは光マスク層面を密着又は対向させ、加熱、又は光照射の作用により当該転写層面に当該凹凸面又は光マスク層のパターン形状を転写する第3の工程と、
    前記転写により前記転写層面に形成された凹凸形状の凹部に導電性材料を充填し、前記第1帯状導電体層を形成する第4の工程と、
    を有する請求項1記載の製造方法。
  3. 前記積層体を形成する工程が、
    透明基板上に導電性材料層が積層され、更に熱反応性又は光反応性の転写層が積層されたワイヤグリッド用基板を準備する第1の工程と、
    レーザ光の照射により得られた露光パターンに対応する凹凸面又は光マスク層を表面に有するワイヤグリッド用金型を準備する第2の工程と、
    前記転写層面に対して前記凹凸面若しくは光マスク層面を密着又は対向させ、加熱、又は光照射の作用により当該転写層面に当該凹凸面又は光マスク層のパターン形状を転写する第3の工程と、
    前記転写により前記転写層面に形成された凹凸形状の、隣接する凸部間に溝部を形成し、前記第1帯状導電体層を形成する第4の工程と、
    を有する請求項1記載の製造方法。
  4. 前記光照射が、フラッシュ光の照射である請求項2又は3記載の製造方法。
  5. 前記第3の工程が、前記転写層面と前記光マスク層を有する面との間に透明な液体を介装した状態で光を照射する工程である請求項2,3又は4記載の製造方法。
  6. 更に、隣接する前記第1帯状導電体層と前記第2帯状導電体層との間に、スリット状の光路を形成する光路形成工程を有する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記積層体を形成する工程において、前記透明基板と前記第1帯状導電体層との間に第1帯状誘電体層を形成すると共に、
    前記皮膜形成工程は、前記第1帯状誘電体層と実質的に同じ材料を用いて皮膜層を形成する工程である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 前記第1帯状誘電体層がいずれも同等の層厚を有すると共に、
    前記皮膜形成工程は、前記第1帯状誘電体層の層厚と同等の層厚を有する皮膜層を形成する工程である請求項7記載の製造方法。
  9. 前記第2の工程において、前記ワイヤグリッド用金型を形成する際のレーザ光の照射により露光された領域の幅をD、レーザ光の照射時に露光されなかった領域の幅をW、当該Dと当該Wとの和をTとし、一方、隣接する前記第1帯状導電体層と第2帯状導電体層との間の距離をD3、各々の導電体層の幅をW3、当該D3と当該W3との和をT3とする場合に、以下の関係式が成立する請求項2乃至8のいずれか1項に記載の製造方法。
    [関係式]
    D=(W3+2×D3)
    W=W3
    T=2×T3
  10. 透明基板と、当該透明基板の表面に並列して設置される複数の帯状導電体と、を備えたワイヤグリッド偏光子であって、
    前記帯状導電体は、前記透明基板の表面に積層される誘電体層と、当該誘電体層上に積層される導電体層とを備え、
    隣接する前記帯状導電体間の距離と、前記誘電体層の膜厚とが同等であることを特徴とするワイヤグリッド偏光子。
  11. 隣接する前記帯状導電体間に、前記誘電体層と実質的に同一の材料にて形成された誘電体層が充填される請求項10記載のワイヤグリッド偏光子。
  12. レーザ光の照射により得られた露光パターンに対応する凹凸溝又は光マスク層を表面に有するワイヤグリッド用金型を、ワイヤグリッド用基板上の導電体層を介して又は介さずに転写層面に密着させ、熱又は光を照射して当該凹凸溝又は当該光マスク層のパターンを当該転写層面に転写した後、当該転写層面にエッチング処理、又は当該転写層面に導電体層を積層後にエッチング処理を施して第1帯状導電体層が形成されたワイヤグリッドを得、当該ワイヤグリッドの表面に液相析出法により誘電体層を形成し、更に、当該誘電体層上に第2帯状導電体層を形成した後、これら帯状導電体層側を研磨して得られることを特徴とするワイヤグリッド偏光子。
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