JP2007308871A - アスベストの無害処理工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明は、基材の表面に吹き付けられたアスベストを低エネルギ−で確実に無害化できるアスベスト無害化処理工法を提供するものであり、アスベストをその表面から剥離する前に処理し、アスベストの飛散を防止した後にこれを剥離し、低エネルギ−でアスベストを確実に無害化できるアスベスト無害化処理工法を提供する。
【解決手段】建築物等の基材表面に吹き付けられた既設アスベスト層の処理工法であって、前記アスベスト層内にカルシウム化合物であるアスベスト融解剤を含有したコネクトシ−ラ−を含浸させ、次いで、前記コネクトシ−ラ−を固化し、その後、かかるアスベスト層を加熱することを特徴とするアスベストの無害処理工法。1‥天井コンクリ−ト、2‥既設のアスベスト層、3‥コネクトシ−ラ−層、5‥噴霧用ノズル。
【選択図】図1

Description

本発明は、天井や壁等の建築材或いは鉄骨等の基材に吹き付けられたアスベストの処理工法に関するものであり、アスベストを飛散防止を目的として封じ込め、これを除去し、更には溶融して、アスベストを無害化処理する工法に係るものである。
アスベストは、熱に強く燃えにくい、曲げや引っ張り強度が強い、酸・アルカリ等の耐薬品性があって腐食しにくい、極めて軽量で嵩比重が小さい、断熱・絶縁性がある等の優れた性質をもち、工業用・建築用から日用品に至るまで広く用いられてきた。特に、建築物(例えば天井や壁)等へは、吹き付けによってアスベスト層を構成し、その特性を生かす工法が取られていた。
近年に至り、アスベストの吹き付け作業時の飛散は元より、吹き付け後における老化・劣化・剥離飛散が大きな問題となり、アスベスト公害として重大な問題となっている。即ち、軽量・微細なアスベストは、大気中に飛散されやすく、その形状が魚の小骨のように尖鋭で、粘膜等に突き刺さると人間の自浄作用では排出が難しい物質である。
このため、様々な健康障害・疾病を引き起こすことが言われており、アスベストの吸引によって胸膜尖(胸膜肥厚)が起きたり、石綿肺(アスベスト症)、肺気腫、更には悪性中皮腫や肺ガンを引き起こすことが指摘されている。しかもこれらの障害は疾病や吸引後10〜20年経過してから発症すると言われるだけに、現在できるだけ速やかに対策を講じる必要がある。
天井等に吹き付けられたアスベストは、現在では作業者が完全防護服を着て、更に周辺に飛散することがないように対策を講じてからこれを天井の基礎部分より剥離し、その後廃棄処分とする手段が取られていた。しかしながら、作業者に対しての安全管理は極めて厳重にされなくてはならず、しかも大気に飛散しやすいために周辺にこれが飛び散らないようにする対策も極めて大掛かりなものとなっている。しかも、剥離集積されたアスベストはそのまま廃棄処分とするわけにはゆかず、しかも腐食しにくいことからその処分にも作業者の健康、周辺への飛散防止、永久的な処理対策が立てられるものであり、極めてコストのかかる処理となっていた。
現在、アスベスト及びアスベスト含有物質は産業廃棄物として最終処分場に埋め立てられているが、これにも限度がある。そのため、従来より種々のアスベストの無害化処理技術が提案されている。その代表的なものとしては、密閉型電気炉溶解法が挙げられる(特許文献1)。
ここで、特許文献1には、密閉型電気炉によりシュートを介して袋中に収容されたアスベストを高温で溶解する無害化処理方法が開示されている。これを発展させて、基材表面から除去したアスベストをカルシウムの袋に入れ、そのまま焼却する処理方法も考えられる。しかるに、密閉型電気炉による処理によってもアスベストの無害化処理方法は、1000℃以上、好ましくは1500℃以上の処理温度を要し、膨大なエネルギー消費問題を抱えていることから実用化には至っていないのが現状である。
特許第3085959号公報
一方、アスベスト無害化処理工法として特許文献2がある。これによれば、アスベストとフロン分解物を混合し、この混合物を加熱処理することにとってアスベストを無害化することができるという技術である。しかしながら、既存のアスベスト層を剥離する際に多量の粉塵が発生することは避けられず、かつ、処理のためのアスベストの移送中或いはフロン分解物との混合中にこれ又粉塵の発生があり、作業者や近隣の人にまで影響があることは否めない。更に言えば、フロンを分解することは極めて難しい技術であり、かつ高価な技術であり、実用化には大きな課題がある。
特開2005−168632号公報
本発明は、建築物等の基材の表面に吹き付けられたアスベストを低エネルギ−で確実に無害化できるアスベスト無害化処理工法を提供するものであり、更に言えば、建築物等の基材の表面のアスベストをその表面から剥離する前に処理し、アスベストの飛散を防止した後にこれを剥離し、低エネルギ−でアスベストを確実に無害化できるアスベスト無害化処理工法を提供することにある。
本発明の第1(請求項1)の要旨は、建築物等の基材の表面に吹き付けられた既設アスベスト層の処理工法であって、前記アスベスト層内にアスベスト融解剤を含有したコネクトシ−ラ−を含浸させ、次いで、前記コネクトシ−ラ−を固化し、その後、かかるアスベスト層を加熱することを特徴とするアスベストの無害処理工法にかかるものである。
本発明の第2(請求項2)の要旨は、建築物等の基材の表面に吹き付けられた既設アスベスト層の処理工法であって、前記アスベスト層内にアスベスト融解剤を含有したコネクトシ−ラ−を含浸させ、次いで、前記コネクトシ−ラ−を固化し、その後、既設アスベスト層を剥離し、かかる既設アスベスト層を加熱することを特徴とするアスベストの無害処理工法にかかるものである。
本発明の第3(請求項14)の要旨は、建築物等の基材表面に吹き付けられた既設アスベスト層の処理工法であって、基材表面より前記アスベスト層を剥離し、かかるアスベスト層内にアスベスト融解剤を含有したコネクトシ−ラ−を公知の手段で含浸させ、次いで、かかるアスベスト層を加熱することを特徴とするアスベストの無害処理工法にかかるものである。
本発明は、以上のような建築物等の基材の表面に吹き付けられたアスベスト層の無害化処理工法を提供するものであり、アスベストの粉塵の飛散がなく、かつアスベストを完全に無害化処理する手段を提供することができたものである。しかも、その処理は低温下にて行うことができることとなったものであり、処理効果は極めて効率的である。尚、アスベスト層はコネクトシ−ラ−を固化した状態でそのまま使用することも可能であり、その後、これを剥離して処理することも可能である。
本発明のアスベスト処理工法を第2発明(請求項2)を中心に述べれば、アスベストを封じ込め、除去、溶融し、これと無害化処理工法とを一体化した技術であり、先ず、天井等にて代表される建築物や鉄骨等の基材の表面に吹き付けられたアスベスト層をこの表面から剥離することなくこれを封じ込め、更に、このアスベスト層を剥離後に低温にて加熱して無害化する手段である。尚、処理できるアスベストとしては特に限定されるものではなく、クリソタイル、クロシドライト、アモサイト、アンソフィライト、トレモライト、アクチノライト等の全てのアスベストを無害化できる。
即ち、建築物等の基材の表面に形成されたアスベスト層をバインダ−にてそのまま固化してしまう工法であり、アスベストと反応する化合物が含まれた特徴あるバインダ−をアスベスト層内に含浸させてこれを固化するものである。
ここで、更に具体的に述べれば、第1段階として、a)コンクリ−ト表面上に吹き付け等によって形成されたアスベスト層であること、b)アスベスト層にアスベスト融解剤を含むコネクトシ−ラ−をスプレ−し、或いは噴霧用ノズルを差し込んでアスベスト層内部にコネクトシ−ラ−をスプレ−してこれを含浸させること、c)これを固化すること、の各工程からなるものである。
第2段階として、通常は固化されたこのアスベスト層を剥離し、これを低温にて加熱してアスベストを無害化したものである。
尚、第3発明にあっては、基材表面から剥離されて例えば所定の場所に移送されたアスベストの処理にも採用できることを開示したものであり、この場合にはコネクトシ−ラ−のアスベストへの混入はその手段を問わないことは勿論であり、又、必ずしも固化する必要はなく、更には、アスベスト以外に別の材質のいわゆる建築用材料が混入していても実施可能であり、これは前述した第1及び第2発明にも共通するものである。
ここで、アスベストの無害処理について言及すれば、無害処理の場所は特に限定されることはなく、例えば、剥離現場での処理、運搬途中での処理、廃棄現場における処理等いずれの手段でも良い。この場合、溶融炉を車上に設置し、この車上の溶融炉中で処理することも可能であり、各現場に溶融炉を設置して処理することもできることは言うまでもない。又、アスベスト中への融解剤、コネクトシ−ラ−の含浸方法や含浸時期も特に制限はなく、溶融炉中に投入する前に含浸処理しても、溶融炉中でこれらを混合して含浸処理してもいずれでも良い。
特に、溶融炉をアスベストの剥離作業現場に搬入してアスベスト特別管理産業廃棄物の処理、即ち、前記した第2段階処理を行うことができるという特徴がある。即ち、剥離・固化されたアスベスト層を低温にて加熱して無害化するいわゆる溶融炉を車上に備え、或いは作業現場に備えてこれを稼働させ、アスベストを剥離した作業現場で溶融させてしまうことが可能である。溶融炉の大きさ・性能、更にはアスベストの量にもよるが、一般には約700℃×約2時間で溶融することにより、アスベストの繊維が完全になくなり、無害化され、非飛散性となり、安全を確保した輸送が可能となったもので、更に、溶融されて減量された廃棄物を最終処分でき、或いは再利用可能としたものである。
アスベストの従来の処理方法によれば、剥離されたアスベストを黄色の特別管理産業廃棄物専用袋に入れ、許可された特別管理産業廃棄物収集運搬会社により中間処理或いは最終処分場として許可された特別管理産業廃棄物処理業者へ運搬し処理されていた。しかるに、前項にて説明した手段によって剥離現場にて溶融して完全無害化することにより、運搬時の飛散の危険性、及び最終埋め立て処分後の危険性が皆無となるという大きなメリットがもたらされる。又、これを例えば建設資材、コンクリ−ト骨材、タイル等に再利用することにより産業廃棄物の減量化にもつながり、処分費用面でも大きなメリットとなることは言うまでもない。
コネクトシ−ラ−はアスベスト用バインダ−であり、以下のバインダ−が例示される。即ち、水溶性高分子又は高分子ラテックスを用いることができる。水溶性高分子としては、水溶性の尿素/ホルムアミド樹脂やグアナミン樹脂の他、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン等が用いられる。高分子ラテックスとしては、スチレン/ブタジエン系ラテックス、アクリル系ラテック誠、塩化ビニリデン系ラテックス、塩化ビニル系ラテックス、酢酸ビニル系ラテックス等が用いられる。
そして、カチオン性スチレンブタジエン共重合体、カルボキシル変性スチレンブタジエン共重合体(エマルジョンタイプ)メタクリル酸シクロヘキシル共重合体、メタクリル酸シクロヘキシルとα−オレフィン類、ビニルエステル類、ハロゲン化ビニル化合物等との共重合体(エマルジョンタイプ)が特に好ましい。かかる材料は、アクリル酸エステル共重合エマルジョンと水の組成であり、更に好適例としては、特許文献3に記載されるカチオン性スチレンブタジエン共重合体とメタクリル酸シクロヘキシル共重合体との混合物である。バインダ−としては、耐候性、接着性、形状変化への追従性等が必要であるが、上記の混合物は特に優れている。
かかるアスベスト用バインダ−の具体例としては、アクリル酸エステル共重合エマルジョン又はカチオン性スチレンブタジエン共重合体とメタクリル酸シクロヘキシル共重合体との混合物であり、好適例としては、アクリル酸エステル共重合エマルジョンと水の組成である。
尚、この状態で封じ込め層としてアスベスト層を従前のように使用することは可能である。アスベスト層をそのまま使用続ける場合には、固化されたコネクトシ−ラ−の機械的強度を高めるのがよく補強繊維を加えることができる。又、場合によっては、シラスバルーンを混合しておくのがよい。シラスバルーンは、火山灰土に含まれるかかるシラスを1000〜1600℃にて加熱処理し、中空球状の微粒子にした独立気泡を有する発泡体であり、その比重は0.07〜0.8と非常に軽量で、耐火性、断熱性、吸水率が少ない等の特徴がある。
アスベスト用バインダ−はバインダ−中にアスベスト融解剤が混合され、具体的にはカルシウム化合物であり、好ましくは、フッ化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウム塩化カルシウムが単独又は混合して使用されるものである。
アスベストを低エネルギ−で無害化するには、できる限り低温でアスベストを融解させる融解剤を見つけ出すことであり、本発明者はカルシウム化合物に着目してこれを融解剤としたものである。そして、粉末状、半ナマ状、スラリー状のいずれの形態のものも使用できる。600℃以下(例えば、575℃)の低温で所定時間(例えば、2時間)加熱処理してなるものである。本発明によれば、低エネルギ−(加熱温度600℃以下)でアスベストを確実に分解することができる。即ち、アスベストの繊維形態の消滅、結晶構造の崩壊等を引き起こして無害化できる。
アスベスト層中にコネクトシ−ラ−を含浸する方法としては、第1にアスベスト表面にコネクトシ−ラ−をスプレ−し、これをアスベスト層中に含浸させこれを固化する方法であり、第2にはコネクトシ−ラ−を噴霧するノズルをアスベスト層に達するまで差し込み、コネクトシ−ラ−をこのノズルより噴射してアスベスト層中に含浸して固化する方法である。又、第3の方法としては、アスベストバインダ−中に当該アスベストを直接ディップして含浸させ固化する方法である。勿論、コネクトシ−ラ−はノズルを抜き取った後に固化するのがよい。
コネクトシ−ラ−の最良の形態としては、バインダ−は通常ではアクリル酸エステル共重合エマルジョン又はカチオン性スチレンブタジエン共重合体とメタクリル酸シクロヘキシル共重合体との混合物、具体的には、アクリル酸エステル共重合エマルジョンと水の混合物であり、カルシウム化合物にて代表されるアスベスト融解剤が配合される。
ノズルを用いる場合には、要すればアスベスト層の表面にシ−リング層を形成することもできる。これによってアスベストの飛散を防止し、作業中或いは将来に渡っての安全を確保するものである。かかるシ−リング層はアスベスト層が直接むき出しになっている場合に特に必要であり、アスベスト層が既に十分な層(シ−リング層)にて覆われている場合には不要である。新たにシ−リング層を形成する場合には、他の材料との関係で、後述するコネクトシ−ラ−がそのまま、或いはこれに若干変更を加えた材料で形成する。
(アスベスト層のコネクトシ−ラ−での固化)
以下、請求項2においてノズルを用いた実施例をもって本発明を更に説明する。図1は本発明のアスベスト層を示す図であり、1は天井コンクリ−ト、2は天井コンクリ−ト1の表面に吹き付けられたアスベスト層である。3はこのアスベスト層2の表面にコネクトシ−ラ−をスプレ−塗布し、これを硬化してシ−リング層3としたものである。そして、噴霧用ノズル5をコネクトシ−ラ−層(シ−リング層)3を貫き、アスベスト層2中に差し込み、コネクトシ−ラ−をアスベスト層2内部に噴霧しアスベスト層1中にこれを含浸して固化する。
コネクトシ−ラ−3は、カチオン性スチレンブタジエン共重合体とメタクリル酸シクロヘキシル共重合体との混合物をバインダ−とし、これにアスベスト融解剤としてフッ化カルシウム、炭酸カルシウム(カルシウム無機化合物)を混合したものである。尚、この融解剤とアスベストとの重量比は約3:2の割合であった。
かかるコネクトシ−ラ−を固化したアスベスト層2をコンクリ−ト1の表面より剥離した。この剥離の際、アスベストの飛散は全く発生しなかった。
(アスベスト層の加熱処理)
剥離したアスベスト(融解剤入り)、及び比較例として同種のアスベストを用い、これらを別々にルツボに入れ、所定温度(前者で500℃〜700℃、後者で1000℃)に維持された電気炉内で2時間加熱した後、アスベストの評価を行った。
(評価)
顕微鏡による観察では、前者の例では繊維質の減少が見られ、700℃の処理では繊維質は殆ど存在しなかった。後者の例では繊維質は分解されずに残っていた。このことから、本発明で特定したアスベスト融解剤はアスベストの分解を促進させる作用があることが判明した。
走査型電子顕微鏡による観察では、前者では繊維質の存在が確認されたものの、その絶対量は減少し繊維が短く、太くなっていることが分かった。このことから、生体への影響が低くなったことを示している。
又、粉末X線回析の結果、アスベスト(一般組成式:Mg3 Si2 O5 (OH)4 )が分解し、かつ本発明のアスベスト融解剤と反応し、カスピディン(Ca4 Si2 O7 F2 )と酸化マグネシウム(MgO)に分解することが判明した。尚、アスベストのOH基が脱離してフォレステライト(Mg2 SiO4 )が生成し、次いで本発明のアスベスト融解剤と反応して分解されるものと思われる。
本発明は以上の構成であり、天井、壁、鉄骨等の基材の表面に吹き付けられたアスベスト層を剥離・除去することなく固化・処理したものであり、処理に対する作業も安全であり、作業コストも低減できたものである。そして、このアスベストを低温で加熱することによってアスベストの無害化がもたらされる等、アスベストの処理手段として利用範囲は極めて広い。
図1は本発明のアスベスト層の処理法を説明する図である。
符号の説明
1‥天井コンクリ−ト、
2‥既設のアスベスト層、
3‥コネクトシ−ラ−層、
5‥噴霧用ノズル。

Claims (15)

  1. 建築物等の基材表面に吹き付けられた既設アスベスト層の処理工法であって、前記アスベスト層内にアスベスト融解剤を含有したコネクトシ−ラ−を含浸させ、次いで、前記コネクトシ−ラ−を固化し、その後、かかるアスベスト層を加熱することを特徴とするアスベストの無害処理工法。
  2. 建築物等の基材表面に吹き付けられた既設アスベスト層の処理工法であって、前記アスベスト層内にアスベスト融解剤を含有したコネクトシ−ラ−を含浸させ、次いで、前記コネクトシ−ラ−を固化し、その後、既設アスベスト層を剥離し、かかる既設アスベスト層を加熱することを特徴とするアスベストの無害処理工法。
  3. アスベスト融解剤がカルシウム化合物である請求項1又は2記載のアスベストの無害処理工法。
  4. カルシウム化合物がフッ化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウムから選ばれたものである請求項3記載のアスベストの無害処理工法。
  5. コネクトシ−ラ−が、アスベスト用バインダ−である請求項1又は2記載のアスベストの無害処理工法。
  6. アスベスト用バインダ−が、アクリル酸エステル共重合エマルジョン又はカチオン性スチレンブタジエン共重合体とメタクリル酸シクロヘキシル共重合体との混合物である請求項5記載のアスベストの無害処理工法。
  7. アスベスト用バインダ−が、アクリル酸エステル共重合エマルジョンと水の組成である請求項5又は6記載のアスベストの無害処理工法。
  8. 既設アスベスト層表面にアスベスト融解剤を含有したコネクトシ−ラ−をスプレ−塗布して含浸させた請求項1乃至7いずれか1記載のアスベストの無害処理工法。
  9. 既設アスベスト層をアスベスト融解剤を含有したコネクトシ−ラ−液中にディップして含浸させた請求項1乃至7いずれか1記載のアスベストの無害処理工法。
  10. 既設アスベスト層内にノズルを差し込み、当該ノズルよりアスベスト融解剤を含有したコネクトシ−ラ−を既設アスベスト層内にスプレ−含浸させた請求項1乃至7いずれか1記載のアスベストの無害処理工法。
  11. ノズルを抜き取った後に前記コネクトシ−ラ−を固化した請求項10記載のアスベストの無害処理工法。
  12. アスベスト層の表面にシ−リング層を形成した、請求項10記載のアスベストの無害処理工法。
  13. シ−リング層が、コネクトシ−ラ−を塗布した層である請求項11又は12記載のアスベストの無害処理工法。
  14. 建築物等の基材表面に吹き付けられた既設アスベスト層の処理工法であって、基材表面より前記アスベスト層を剥離し、かかるアスベスト層内にアスベスト融解剤を含有したコネクトシ−ラ−を公知の手段で含浸させ、次いで、かかるアスベスト層を加熱することを特徴とするアスベストの無害処理工法。
  15. アスベスト融解剤を含有したコネクトシ−ラ−を公知の手段で含浸させたアスベスト層を、車上或いは剥離作業現場に備え付けた溶融炉内で加熱する請求項1乃至14いずれか1記載のアスベストの無害処理工法。
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