JP2007308738A - オゾン製造方法 - Google Patents

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Masaaki Kato
昌明 加藤
Terumi Hashimoto
てるみ 橋本
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ThyssenKrupp Nucera Japan Ltd
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Abstract

【課題】オゾン発生用水電解セルを高温で運転することによって、冷却機構を簡易化し、セル電圧を小さくしてオゾン電力原単位を低減し、装置コスト削減、ランニングコストの削減を図ることのできる、オゾン発生用水電解槽を用いたオゾン製造方法を提供する。
【解決手段】陽極室1側に外部に循環塔3を設け、常に陽極液を循環するとともに、陽極室内の温度を60℃以上90℃以下に維持して運転することにより、冷却機構を簡易化し、セル電圧を小さくしてオゾン電力原単位を低減し、装置コスト削減、ランニングコスト削減を得る。
【選択図】図1−1

Description

本発明は、オゾン発生用水電解槽において、陽極室内の陽極液を循環しながら陽極室内の陽極液温度を高温に維持して運転することにより、低電力かつ高濃度のオゾンガスを製造するオゾン製造方法に関する。
従来のオゾン発生用水電解槽においては、次の2つの方法が行われている。
(1)陽極液を循環しないで、純水を陽極室に直接供給して電解し、気液混合のまま電解セル外に取り出し、その後、液分離するシステム(例えば、特許文献1参照)
(2)陽極液を循環するシステム(例えば、特許文献2参照)
(1)の陽極液を循環しない方法は、
(1)−1 純水を電解に必要な量だけ添加する方法
(1)−2 純水を過剰量供給する方法
に分けることができる。
しかるに、(1)−1の方法は、水の供給方法が微量であるため、電解面に均一に電解に用いるための水を供給することが難しく、電解面の状況(電流密度や温度やイオン交換膜の抵抗)が不均一になりやすい問題が発生する。
また、(1)−2の方法は、いわゆるイオン水を生成する方法であり、配管系が単純になり、供給水量や供給水温度を制御することにより、電解面の状況も均一にしやすい長所がありますが、オゾンが供給水中に多量に溶解し、単純な液面位置で気液を分離する方式では多量のオゾンが水相側に溶解したままになり、濃度が低いオゾンガスしか得ることが出来ない。しかも、オゾン水を製造することを考えても、電極物質に汚染されたオゾン水しか得ることが出来ず、半導体等の精密洗浄に使用するには不適当である。
これに対して、(2)の陽極液循環方法は、電解液が陽極室と気液分離塔間をガスドリフトを駆動力として(ポンプで循環させる方法もありますが)循環することであり、電解液は循環を続けることにより、その溶存オゾン濃度は電極から発生するオゾンガス濃度に対する飽和値となり、電極から発生したオゾンガスは陽極液に新たに吸収されることなく高濃度なオゾンガスとして単純な気液分離により得ることが出来ます。また、電極物質からの汚染も気液分離によりオゾンガスには持ち込まれず、得られた高濃度なオゾンガスを超純水に溶解させることで半導体等の精密洗浄に使用できる極めて清浄なオゾン水を得ることが出来る。
しかるに、(2)の陽極液循環方法では、通常、室温付近ないし摂氏30度前後において電解運転されており、電解運転により熱が発生するため、この熱を冷却するための電解液の温度管理手段が必要であった。電解液の温度管理手段としては、循環塔等の電解セル外で電解液を温度調節するか、電解セルに温度調整用機構(放熱板や冷媒を流通させる冷却ジャケット)を設置する必要があり、設備コストが高くなるという欠点があった。
しかも、(2)の陽極液循環方法において、室温付近ないし摂氏30度前後の運転すると、オゾン発生用水電解槽において使用するフッ素樹脂系イオン交換膜の比抵抗が大きい為、セル電圧が高くなり、電力原単位が大きくなる欠点があった。
特開2000−37693号公報 特開平08−92781号公報
本発明の目的は、上記の従来方法の欠点を解消し、陽極液を循環しながら、オゾン発生用水電解槽を高温で運転することによって、冷却機構を簡易化若しくは省略し、装置コスト削減するとともに、併せて、セル電圧を小さくしてオゾン電力原単位を低減し、ランニングコストの削減を図ることのできる、オゾン発生用水電解槽を用いたオゾン製造方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために、フッ素樹脂系イオン交換膜を固体電解質として使用し、前記フッ素樹脂系イオン交換膜により陽極室及び陰極室に区画されたオゾン発生用水電解槽を用いて前記陽極室よりオゾン含有ガス、前記陰極室より水素ガスを製造するオゾン製造法において、前記陽極室側の外部に前記陽極室に接続して循環塔を設け、前記陽極室内の陽極液を循環するとともに、前記陽極室内の温度を60℃以上90℃以下に維持して運転することにある。
本発明によれば、オゾン発生用水電解槽を60℃以上90℃以下の高温で運転するとともに、陽極液を循環するため、電解槽の周りの温度の上昇を抑制することが出来、電解槽を冷却する冷却機構を簡易化若しくは省略でき、装置コスト削減するとともに、併せて、陽極液を循環することによって、電解槽内の温度が均一化され、セル電圧を小さくしてオゾン電力原単位を低減し、ランニングコストの削減を図ることが出来る。
以下に、本発明の実施の形態を図1に基づいて説明する。
本発明においては、図1−1、図1−2に示すように、固体電解質として使用するフッ素樹脂系イオン交換膜7をオゾン発生用水電解槽4内に装着し、その両側に陽極6、陰極8を装着し、陽極室1、陰極室2を形成した。5は、オゾン発生用水電解槽4を冷却するための冷却ジャケットであり、3は、常に陽極液を循環するため、陽極室4の外部に設けられた循環塔である。そして、陰極室2内に純水を供給し、オゾン発生用水電解槽4において純水を電解し、陽極室1よりオゾンガスと酸素ガスを得、陰極室2より水素ガスを得た。陽極室1側の外部に設けた循環塔3により、常に陽極液を循環するとともに、且つ冷却ジャケット5の出力を抑えて運転した。陽極室1内の陽極液の温度は、常に60℃以上の高温で運転したところ、十分なオゾンガスが得られ、陽極室1内の温度が高くなるにつれて、セル電圧は低下し、電力原単位は小さくなり、冷却水量を小さくすることが出来、100A/dm2以上の高電密では加熱する装置も不要で運転することが出来た。
本発明においては、陽極室1内の陽極液の温度は、60℃以上になると温度が上昇するにつれて、セル電圧の低下が顕著になるが、90℃になると、セル電圧の低下は、それ程大きくならなかった。また、オゾンガスの電流効率は、陽極室1内の陽極液の温度が60℃以上になっても、30℃前後で運転した場合と比較して、殆ど変化無いことが分かった。
一方、固体電解質として使用するフッ素樹脂系イオン交換膜7は、その性質上100℃近くなると水などによるブリスターや発泡が生じてダメージを与える場合が多く、また、陽極室1内の陽極液の温度と電解運転中のフッ素樹脂系イオン交換膜7の温度は、確実に10℃以上差があることがこれまでの試験結果より判明しているので、陽極室1内の陽極液を高温で運転する場合の温度は、90℃以内とする必要がある。
本発明においては、陽極室1内の陽極液を高温で運転する場合の温度は、望ましくは80℃前後の温度が好ましい。
次に、本発明を実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。但し、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1及び比較例1>
実施例1として、フッ素樹脂系イオン交換膜7として、デュポン社製ナフィオンN−117(登録商標)を用い、電解面積1dm2の単セルにて、図1−1、図1−2に示す装置にて陽極液を循環しながら、試験を行った。その結果、電密200A/dm2、陽極室5内の陽極液を約80℃で運転したところ、次の結果が得られた。
(1)オゾンガス濃度:16重量パーセント
(2)オゾン発生量は:9.6グラム/時間
(3)電流効率:16パーセント
(4)セル電圧は:2.6V
(5)電力原単位:54Wh/グラム
(6)冷却水が殆ど不要であり、冷却ジャケットは使用しなかった。
上記の結果から明らかなように、本実施例によれば、電流効率を低下させること無く、セル電圧を低く抑えることが出来、その結果、電力原単位を低減できた。しかも、電解槽の温度上昇を防ぐことが出来、冷却ジャケットが不要であった。
一方、比較例1として、図1−1、図1−2に示す装置において、陽極液の温度を30℃とし、それ以外、上記実施例1と同じ条件でオゾン発生用水電解槽を運転した場合、次の結果が得られた。
(1)オゾンガス濃度:19重量パーセント
(2)オゾン発生量は:5.7グラム/時間
(3)電流効率:19パーセント
(4)セル電圧は:3.2V
(5)電力原単位:56Wh/グラム
(6)20℃、5リットル/分の冷却水が必要であった。
上記の結果、本比較例によると、セル電圧が高くなった。しかも、電解槽の温度が上昇したため、多量の冷却水が必要となった。
更に、他の実施例及び比較例を示すため、陽極液温度を25℃から90℃まで変化させ、その他は、実施例1と同じ条件で電解運転を行った場合のセル電圧と陽極液温度の関係、電流効率と陽極液温度の関係、オゾン電力原単位と陽極液温度の関係を、図2、図3、図4に示した。図2、図3、図4より、陽極液の温度を60℃ないし90℃で運転した場合、電密100A/dm2及び電密200A/dm2のいずれの場合においても、20℃ないし常温で運転した場合に比較して、セル電圧を低減でき、電流効率は変化が少なく、オゾン電力原単位は、低減できることがわかった。
本発明によれば、本発明によれば、オゾン発生用水電解槽を60℃以上90℃以下の高温で運転するとともに、陽極液を循環するため、電解槽の周りの温度がそれ程上昇せず、電解槽を冷却する冷却機構を簡易化し、装置コスト削減するとともに、併せて、セル電圧を小さくしてオゾン電力原単位を低減し、ランニングコストの削減を図る分野において使用することができる。
本発明による、オゾン製造法に使用するオゾン発生用水電解槽の一例の模式図を示す図。 図1−1の電解槽4の詳細を示す図。 本発明による、セル電圧と陽極液温度との関係を示す図。 本発明による、電流効率と陽極液温度との関係を示す図。 本発明による、オゾン電力原単位と陽極液温度との関係を示す図。
符号の説明
1:陽極室
2:陰極室
3:循環塔
4:電解槽
5:冷却ジャケット
6:陽極
7:フッ素樹脂系イオン交換膜
8:陰極

Claims (1)

  1. フッ素樹脂系イオン交換膜を固体電解質として使用し、前記フッ素樹脂系イオン交換膜により陽極室及び陰極室に区画されたオゾン発生用水電解槽を用いて、前記陽極室よりオゾン含有ガス、前記陰極室より水素ガスを製造するオゾン製造法において、前記陽極室側の外部に前記陽極室に接続して循環塔を設け、前記陽極室内の陽極液を循環するとともに、前記陽極室内の温度を60℃以上90℃以下に維持して運転することを特徴とするオゾン製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010270364A (ja) * 2009-05-21 2010-12-02 Chlorine Eng Corp Ltd オゾン生成方法及びオゾン生成装置
CN108531934A (zh) * 2018-05-30 2018-09-14 赵婧雯 电解式臭氧发生器的散热装置

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