JP2007307297A - 空気清浄装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 空気清浄部の板体に対する空気の接触効率を高め、空気の浄化効率の向上を図る。
【解決手段】 空気を取込む空気取込部1と、空気を排出する空気排出部10と、空気取込部1及び空気排出部10が接続され空気が流通するダクト20と、空気取込部1から空気排出部20に空気を送給する送給ファン21と、空気経路の途中に設けられ光触媒により空気を清浄にする空気清浄部30とを備え、空気清浄部30を、空気が流通可能な間隔を隔てて列設され表面に光触媒が被覆された複数の板体31と、板体31の近傍に設けられ板体31に光触媒を励起する光を照射する発光源37とを備えて構成し、各板体31に、空気が流通し光が通過する多数の小孔32を形成するとともに、各板体31を空気の送給方向Rに対して所定角度傾斜させて配置した。
【選択図】 図1
【解決手段】 空気を取込む空気取込部1と、空気を排出する空気排出部10と、空気取込部1及び空気排出部10が接続され空気が流通するダクト20と、空気取込部1から空気排出部20に空気を送給する送給ファン21と、空気経路の途中に設けられ光触媒により空気を清浄にする空気清浄部30とを備え、空気清浄部30を、空気が流通可能な間隔を隔てて列設され表面に光触媒が被覆された複数の板体31と、板体31の近傍に設けられ板体31に光触媒を励起する光を照射する発光源37とを備えて構成し、各板体31に、空気が流通し光が通過する多数の小孔32を形成するとともに、各板体31を空気の送給方向Rに対して所定角度傾斜させて配置した。
【選択図】 図1
Description
本発明は、住居,倉庫,畜舎等の屋内にある空気や屋内に導入される空気を清浄にする空気清浄装置に係り、特に、光触媒により空気中の臭い菌成分などの汚染物質を分解するなどして空気を清浄にする空気清浄装置に関する。
従来、この種の空気清浄装置として、例えば、特許文献1(特開2001−324212号公報)に記載のものが知られている。
これは、図11に示すように、空気を取込む空気取込部100と、空気取込部100で取り込まれた空気を排出する空気排出部101と、空気取込部100及び空気排出部101が接続され空気が流通するダクト102と、空気取込部100からダクト102を通って空気排出部101に到る空気経路の途中に設けられ空気取込部100から空気排出部101に空気を送給する送給ファン103と、空気取込部100に設けられ光触媒により空気を清浄にする空気清浄部104とを備えている。符合105はフィルタである。
これは、図11に示すように、空気を取込む空気取込部100と、空気取込部100で取り込まれた空気を排出する空気排出部101と、空気取込部100及び空気排出部101が接続され空気が流通するダクト102と、空気取込部100からダクト102を通って空気排出部101に到る空気経路の途中に設けられ空気取込部100から空気排出部101に空気を送給する送給ファン103と、空気取込部100に設けられ光触媒により空気を清浄にする空気清浄部104とを備えている。符合105はフィルタである。
空気清浄部104は、空気が流通可能な間隔を隔てて列設され表面に光触媒が被覆された複数の板体106と、この板体の近傍に設けられ板体106に光を照射する蛍光ランプ107とを備えて構成されている。板体106は、その表面が空気の送給方向Rに対して平行になるように枠体108に設けられている。
これにより、送給ファン103によって空気取込部100から取り込まれた空気は、空気清浄部104の光触媒を被覆した板体106を通過するが、この際、空気に混在した汚染物資は板体106の光触媒作用によって分解されたり殺菌される。そのため、空気が清浄化され、空気排出部101から排出されていく。
ところで、上記の従来の空気清浄装置にあっては、空気清浄部104の板体106は、その表面が空気の送給方向Rに対して平行になるように枠体108に設けられているので、光触媒に接触せずに板体106間をそのまま通過してしまう空気が多くなり、それだけ、汚染物質の分解能力が低減し、清浄効率が悪いという問題があった。
本発明は上記の問題点に鑑みて為されたもので、空気清浄部の板体に対する空気の接触効率を高め、空気の浄化効率の向上を図った空気清浄装置を提供することを目的とする。
このような目的を達成するための本発明の空気清浄装置は、空気を取り込んで排出する空気経路の途中に設けられ光触媒により空気を清浄にする空気清浄部を備えた空気清浄装置において、上記空気清浄部を、空気が流通可能な間隔を隔てて列設され表面に光触媒が被覆された複数の板体と、該板体の近傍に設けられ板体に光触媒を励起する光を照射する発光源とを備えて構成し、上記空気清浄部の各板体に、空気が流通し光が通過する多数の小孔を形成するとともに、各板体を空気の送給方向に対して所定角度傾斜させて配置した構成としている。
これにより、空気が流れる過程で、空気清浄部においては、板体の表面にある光触媒に発光源から光が照射されており、これにより光触媒が励起させられている。そのため、空気に混在した汚染物資は光触媒作用によって分解されたり殺菌され、空気は清浄化されていく。
この場合、板体には空気が流通し光が通過する多数の小孔が形成されるとともに、各板体は空気の送給方向に対して所定角度傾斜させて配置されているので、板体表面に沿って流れる気流、板体表面で反射する気流、小孔を通過する気流が生じ、これらの気流が相互に作用して渦流が発生し、板体間に複雑な乱気流が発生し、そのため、空気が板体表面に満遍なく接触するようになり、接触効率が向上させられる。しかも、光は、小孔の存在や傾斜配置された板体の存在によって乱反射するので、板体の光触媒に満遍なく光が照射され、励起が確実に行なわれる。このため、空気に混在した汚染物資は光触媒作用によってより一層分解されたり殺菌され易くなり、汚染物質の分解能力が増加して清浄効率が向上させられる。
この場合、板体には空気が流通し光が通過する多数の小孔が形成されるとともに、各板体は空気の送給方向に対して所定角度傾斜させて配置されているので、板体表面に沿って流れる気流、板体表面で反射する気流、小孔を通過する気流が生じ、これらの気流が相互に作用して渦流が発生し、板体間に複雑な乱気流が発生し、そのため、空気が板体表面に満遍なく接触するようになり、接触効率が向上させられる。しかも、光は、小孔の存在や傾斜配置された板体の存在によって乱反射するので、板体の光触媒に満遍なく光が照射され、励起が確実に行なわれる。このため、空気に混在した汚染物資は光触媒作用によってより一層分解されたり殺菌され易くなり、汚染物質の分解能力が増加して清浄効率が向上させられる。
そして、必要に応じ、上記板体の空気の送給方向に対する傾斜角度θを、θ=20°±5°に設定している。より望ましくは、板体の傾斜角度θは、θ=18°±1°である。この傾斜角度の設定により、より一層接触効率が向上させられる。即ち、気流に対し垂直に近い角度で配置するほど、小孔を通過する空気が多くなる反面、板体間においては気流が通過し難くなるため、分解能力は高くなるが、一方、送給ファンの回転数を大幅に増やす必要性があり、消費電力及び騒音が増えることになる。逆に、気流に対し水平に近い角度で配置するほど、小孔を通過する気流が少なくなることから複雑な乱気流を発生し難く、その結果、板体に接触せずに部材間をそのまま通過してしまう空気が多くなり分解能力が低くなる。そのため、接触率を高めるために、板体間の間隔を狭めて配置することも考えられるが、その場合には、部材数を増やす必要がある。本構成においては、これらの不具合をできるだけ解消できる最適条件となっている。
また、必要に応じ、上記板体に設ける多数の小孔の内径φを、φ=1mm〜11mmに設定し、該板体における多数の小孔の開口率Qを、Q=20〜60%に設定した構成としている。これにより、より一層板体に対する空気の接触効率が向上させられる。
また、必要に応じ、上記板体を列設した組を、上記空気の送給方向に沿って複数組列設した構成としている。板体の組みが連続するので、より一層板体に対する空気の接触効率が向上させられる。
この場合、上記板体の傾斜方向が上記隣接する板体の組間で互いに逆方向になるように、該板体の各組を、上記空気の送給方向に沿って複数組列設したことが有効である。空気の流路が前位にある板体を通過後に後位にある板体の組で偏向されることになり,そのため、気流が、より一層複雑な乱気流となり、その結果、気流の板体への接触効率がより一層高められる。
この場合、上記板体の傾斜方向が上記隣接する板体の組間で互いに逆方向になるように、該板体の各組を、上記空気の送給方向に沿って複数組列設したことが有効である。空気の流路が前位にある板体を通過後に後位にある板体の組で偏向されることになり,そのため、気流が、より一層複雑な乱気流となり、その結果、気流の板体への接触効率がより一層高められる。
更に、必要に応じ、空気を取込む空気取込部と、該空気取込部で取り込まれた空気を排出する空気排出部と、上記空気取込部及び空気排出部が接続され空気が流通するダクトと、上記空気取込部からダクトを通って空気排出部に到る空気経路の途中に設けられ上記空気取込部から空気排出部に空気を送給する送給ファンとを備え、上記空気清浄部を、上記空気排出部内に設けた構成としている。空気清浄部を空気排出部と一緒に組立てることができ、組立て効率が向上させられる。
この場合、必要に応じ、上記空気排出部を、空気を排出する開口を有した箱状の筐体と、該筐体の底部側側壁に設けられダクトが接続される接続口と、上記開口を塞ぎ空気を吹出す網状の化粧蓋とを備えて構成し、上記空気清浄部を、上記の複数の板体を上記筐体内の開口側に設け、上記発光源を上記筐体の底壁側に設けて構成している。
この場合、必要に応じ、上記空気排出部を、空気を排出する開口を有した箱状の筐体と、該筐体の底部側側壁に設けられダクトが接続される接続口と、上記開口を塞ぎ空気を吹出す網状の化粧蓋とを備えて構成し、上記空気清浄部を、上記の複数の板体を上記筐体内の開口側に設け、上記発光源を上記筐体の底壁側に設けて構成している。
更にまた、必要に応じ、上記化粧蓋の内側に、表面に光触媒が被覆されるとともに空気が流通する多数の小孔が形成された覆い板を設けた構成としている。空気は覆い板を通過して排出されるが、覆い板にも同様の光触媒作用が生じることから、この覆い板によって、更に乱気流が発生し易くなり、より一層、通過する空気の光触媒への接触率を高めることができる。
また、必要に応じ、空気を取込む空気取込部と、該空気取込部で取り込まれた空気を排出する空気排出部と、上記空気取込部及び空気排出部が接続され空気が流通するダクトと、上記空気取込部からダクトを通って空気排出部に到る空気経路の途中に設けられ上記空気取込部から空気排出部に空気を送給する送給ファンとを備え、上記空気清浄部を、上記ダクトに介装した構成としている。空気清浄部が独立しているので、組立てが容易になり、メンテナンスも容易になる。
この場合、必要に応じ、上記空気清浄部を、開口を有した箱状の筐体と、筐体の一側壁に設けられ空気を流入させるダクトが接続される流入口と、筐体の上記一側壁に対向する他側壁に設けられ空気を流出させるダクトが接続される流出口と、上記複数の板体の組が固定され上記筐体の開口から出し入れ可能に該筐体に収納される板体ユニットと、上記開口を開閉する扉とを備えて構成している。
この構成においては、必要に応じ、上記発光源を、上記筐体内に設けた構成としている。
これにより、扉の開閉により筐体から板体ユニットを出し入れできるので、板体の洗浄や交換などのメンテナンスを容易に行なうことができる。
この場合、必要に応じ、上記空気清浄部を、開口を有した箱状の筐体と、筐体の一側壁に設けられ空気を流入させるダクトが接続される流入口と、筐体の上記一側壁に対向する他側壁に設けられ空気を流出させるダクトが接続される流出口と、上記複数の板体の組が固定され上記筐体の開口から出し入れ可能に該筐体に収納される板体ユニットと、上記開口を開閉する扉とを備えて構成している。
この構成においては、必要に応じ、上記発光源を、上記筐体内に設けた構成としている。
これにより、扉の開閉により筐体から板体ユニットを出し入れできるので、板体の洗浄や交換などのメンテナンスを容易に行なうことができる。
また、必要に応じ、上記板体ユニットを、複数設け、上記各板体ユニットにおける板体の傾斜方向が隣接する板体ユニットの板体の組間で互いに逆方向になるように、該各板体ユニットの板体の組を配置した構成としている。各板体ユニットにおける板体の傾斜方向は、隣接する板体ユニットの板体の組間で互いに逆方向になるように、各板体ユニットの板体の組が枠体に固定されているので、空気の流路が前位の板体ユニットを通過後に後位の板体ユニットで偏向されることになり,そのため、気流が、より一層複雑な乱気流となり、その結果、気流の板体への接触効率がより一層高められる。
そしてまた、必要に応じ、上記板体を、基材の表面に熱可塑性樹脂からなるバインダを被覆し、該バインダの表面に酸化チタンの皮膜を溶射により形成した構成としている。これにより、バインダにアナターゼ型酸化チタンを溶射すれば、バインダが形成されているので、アナターゼ型チタニアの未溶融粒子により基材表面が削り取られたり、溶射粒子のリバウンドにより皮膜を形成することができない等の事態が防止され、アナターゼ型チタニアが確実にバインダに捕捉されて製膜されて行く。また、その皮膜の密着強度が高くなる。このため、溶射加工後の基材におけるアナターゼ型チタニアの残存率を向上させることができる。この板体は、皮膜においては、アナターゼ型チタニアの残存率が向上させられ、しかも、緻密で肉厚な酸化チタンの皮膜となっているので、光触媒効果の向上が図られる。また、樹脂をバインダに用いているので、アナターゼ型チタニアの密着性が向上させられ、そのため、製膜された皮膜自体の強度が高くなり、耐久性が向上させられる。
そして、必要に応じ、上記バインダをアクリル樹脂で構成している。入手が容易であり、基材に対する被覆も溶射などにより容易に行なうことができる。
また、必要に応じ、上記皮膜を構成する酸化チタンにおいて、アナターゼ型酸化チタンの残存比率を65%以上にした構成としている。アナターゼ型チタニアの残存率が、高いので、光触媒効果をより一層向上させることができる。
また、必要に応じ、上記皮膜を構成する酸化チタンにおいて、アナターゼ型酸化チタンの残存比率を65%以上にした構成としている。アナターゼ型チタニアの残存率が、高いので、光触媒効果をより一層向上させることができる。
本発明の空気清浄装置によれば、空気清浄部においては、板体には空気が流通する多数の小孔が形成されるとともに、各板体は空気の送給方向に対して所定角度傾斜させて配置されているので、板体表面に沿って流れる気流、板体表面で反射する気流、小孔を通過する気流が生じ、これらの気流が相互に作用して渦流が発生し、板体間に複雑な乱気流が発生し、そのため、空気が板体表面に満遍なく接触するようになり、接触効率を向上させることができる。このため、空気に混在した汚染物資は光触媒作用によってより一層分解されたり殺菌され易くなり、汚染物質の分解能力を増加させて清浄効率を向上させることができる。即ち、シンプルな構成で且つ消費電力、騒音を最小限に抑えながら、通過する気流の板体への接触率を大幅に高めることができ、空気中の悪臭物質等の有害物質の光触媒の酸化作用による分解能力を大幅に向上させることができる。
また、この乱気流の発生により板体の配置間隔を離すことが可能となり、それだけ、板体の配置枚数を減らすことができる。また、板体には空気が流通する多数の小孔が形成されるとともに、各板体は空気の送給方向に対して所定角度傾斜して配置されているので、板体表面で反射する発光源からの光の反射光、小孔を通過する通過光により板体間に複雑な乱反射光が発生させられ、そのため、板体表面における紫外線が照射されない箇所を殆どなくすことができ、そのため、複数の板体の両面に担持された光触媒に、紫外線が万遍なく照射され、光触媒の機能を十分に発揮させることができ、この点でも、空気に含まれる悪臭物質等の有害物質の光触媒の酸化作用による分解能力を大幅に向上させることができる。
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態に係る空気清浄装置について詳細に説明する。
図1及び図2には、本発明の第一の実施の形態に係る空気清浄装置を示す。この空気清浄装置は、住居用のもので、部屋の空気を内気循環させて部屋内の空気を清浄化するものである。
図1及び図2には、本発明の第一の実施の形態に係る空気清浄装置を示す。この空気清浄装置は、住居用のもので、部屋の空気を内気循環させて部屋内の空気を清浄化するものである。
本実施の形態に係る空気清浄装置の基本的構成は、部屋の天井Tに設けられ部屋内の空気を取込む空気取込部1と、同様に部屋の天井Tに設けられ空気取込部1で取り込まれた空気を排出する空気排出部10と、天井裏に設けられ空気取込部1及び空気排出部10が接続され空気が流通するダクト20と、空気取込部1からダクト20を通って空気排出部10に到る空気経路の途中に設けられ空気取込部1から空気排出部10に空気を送給する送給ファン21と、空気取込部1からダクト20を通って空気排出部10に到る空気経路の途中に設けられ光触媒により空気を清浄にする空気清浄部30とを備えている。
空気取込部1は、空気を取込む開口2を有した箱状の筐体3を備えており、筐体3の開口3の外縁部を天井Tに開設した開口Taに嵌合して、該天井Tに設けられている。筐体3の底部には、ダクト20の接続部4が形成されており、この接続部4にダクト20の一端部が接続されている。また、開口2には、ルーバー5が取り付けられている。そして、送給ファン21は、この筐体3内に内蔵されており、空気取込部1から空気排出部10に空気を送給する。
空気排出部10は、空気を排出する開口11を有した箱状の筐体12を備えており、筐体12の開口11の外縁部を天井Tに開設した開口Tbに嵌合して、該天井Tに設けられている。筐体12の底壁12a側の側壁12bには、ダクト20が接続される接続口13が形成されており、この接続口13にダクト20の他端部が接続されている。また、開口11には、この開口11を塞ぎ空気を吹出す網状の化粧蓋14が設けられている。
空気清浄部30は、空気排出部10内に設けられている。詳しくは、空気清浄部30は、空気が流通可能な間隔を隔てて列設され表面に光触媒が被覆された複数の板体31を備えている。複数の板体31は筐体12内の開口11側に設けられている。各板体31には、空気が流通し光が通過する多数の小孔32が形成されているとともに、各板体31は空気の送給方向に対して所定角度傾斜させて配置されている。各板体31は、筐体12の相対向する側壁12bの内面に等間隔で形成され板体31の数に対応して設けられた溝16に挿入されて保持されている。板体31は、溝16に挿脱することにより着脱可能になっている。そのため、筐体12から板体31を出し入れできるので、板体31の洗浄や交換などのメンテナンスを容易に行なうことができる。
図2に示すように、板体31の空気の送給方向Rに対する傾斜角度θは、θ=20°±5°に設定されている。実施の形態では、θ=18°±1°、より具体的には、θ=18°に設定されている。板体31に設ける多数の小孔32の内径φは、φ=1mm〜11mmに設定され、板体31における多数の小孔32の開口率Qは、Q=20〜60%に設定されている。例えば、多数の小孔32は、行列状に配置されるとともに、小孔32の内径φは、φ=1.5mmに設定され、小孔32間のピッチPは、P=3mmに設定され、開口率Qが、Q=23%に設定されている。
そしてまた、板体31は、図3に示すように、板状で多数の小孔32が開けられた基材33の表面に樹脂製のバインダ34(アンダーコート)を被覆し、このバインダ34の表面に光触媒としての酸化チタンの皮膜35を溶射により形成して構成されている。被膜35は板体31の全面に被覆され、即ち、板体31の両面及び小孔32の内周に被覆されている。基材33としては金属あるいは樹脂が用いられる。バインダ34はアクリル樹脂で構成されている。皮膜35を構成する酸化チタンにおいては、アナターゼの残存比率を65%以上としている。
詳しくは、板体31の製造方法は、基材33の表面に樹脂製のバインダ34を被覆するバインダ被覆工程(1)と、バインダ34表面に酸化チタン(TiO2 )の粉末を基材33の表面に溶射して酸化チタンの皮膜35を形成する酸化チタン溶射工程(2)とからなる。
(1)バインダ被覆工程
この工程では、例えば、ガス燃焼式溶射法であるHVOF(High Velocity Oxy Fuel)溶射法(高速フレーム溶射)により、バインダ34を溶射する。溶射装置は、後述の酸化チタン溶射工程で用いる酸化チタンの溶射装置36(図3)と同じものを用いており、プロピレン−酸素などの燃焼炎を熱源としてアクリル樹脂の粉末を加熱溶融して、基材33の表面に対してコーティングを行なう。このHVOF溶射では、燃焼炎の最高温度はせいぜい2800℃程度である。溶射するアクリル樹脂の粉末は、45〜125μmの粒径に形成されている。バインダ34は基材33の全面に被覆され、即ち、基材33の両面及び小孔32の内周に被覆される。
この工程では、例えば、ガス燃焼式溶射法であるHVOF(High Velocity Oxy Fuel)溶射法(高速フレーム溶射)により、バインダ34を溶射する。溶射装置は、後述の酸化チタン溶射工程で用いる酸化チタンの溶射装置36(図3)と同じものを用いており、プロピレン−酸素などの燃焼炎を熱源としてアクリル樹脂の粉末を加熱溶融して、基材33の表面に対してコーティングを行なう。このHVOF溶射では、燃焼炎の最高温度はせいぜい2800℃程度である。溶射するアクリル樹脂の粉末は、45〜125μmの粒径に形成されている。バインダ34は基材33の全面に被覆され、即ち、基材33の両面及び小孔32の内周に被覆される。
(2)酸化チタン溶射工程
図3に示すように、この工程では、酸化チタンの粉末として、アナターゼ型酸化チタン(アナターゼ型チタニア)を用いる。溶射するアナターゼ型チタニアは、0.2μm程度の粒子を造粒して、10〜45μmの粒径に形成されている。
図3に示すように、この工程では、酸化チタンの粉末として、アナターゼ型酸化チタン(アナターゼ型チタニア)を用いる。溶射するアナターゼ型チタニアは、0.2μm程度の粒子を造粒して、10〜45μmの粒径に形成されている。
また、この工程では、ここではアナターゼ型酸化チタン(アナターゼ型チタニア)の粉末をガス燃焼式溶射法であるHVOF(High
Velocity Oxy Fuel)溶射法により、アナターゼ型チタニアを溶射する。図3に示すように、溶射装置36は、溶射フレームを有した溶射ガンから造粒された粒子を溶射する装置であり、プロピレン−酸素などの燃焼炎を熱源としてアナターゼ型チタニアを加熱溶融して、基材33に対してアナターゼ型チタニアのコーティングを行なう。
Velocity Oxy Fuel)溶射法により、アナターゼ型チタニアを溶射する。図3に示すように、溶射装置36は、溶射フレームを有した溶射ガンから造粒された粒子を溶射する装置であり、プロピレン−酸素などの燃焼炎を熱源としてアナターゼ型チタニアを加熱溶融して、基材33に対してアナターゼ型チタニアのコーティングを行なう。
酸化チタン溶射工程における溶射条件は、バインダ34が軟化してチタニア粒子を捕捉できる範囲に設定している。即ち、溶射装置36と基材33との溶射距離を適宜に調製して、基板上のバインダ34の温度T℃がバインダ34の融点M℃に対して、0.5M≦T<Mにし、バインダ34を軟化させて行なうようにしている。
また、このHVOF溶射では、燃焼炎の最高温度はせいぜい2800℃程度であり、10〜45μmの粒径のアナターゼ型チタニア粒子においては、チタニア粒子自体の温度は、表面では高くなるが中心部では800℃以下になる。アナターゼ型チタニアは、800℃を超えるような熱影響によりルチル型チタニアに転移するという特徴があるが、チタニア粒子の全部が800℃を超えて溶融されることが抑止されるので、全てがルチル型チタニアに転移しないように溶射皮膜35が製膜されていく。即ち、できるだけ入熱を抑えるとともに、しかし、入熱量が不十分だと製膜ができないので、本方法では、チタニア粉末の溶射において、これらの相反する条件を克服している。
そして、溶射装置36を用いて酸化チタンの粉末をガス式溶射により溶射すると、チタニア粒子の全部が800℃を超えて溶融されることが抑止されるので、光触媒効果が低いルチル型チタニアへの結晶構造の変化が防止され、基材33の表面には主にアナターゼ型チタニアが製膜されていく。このため、溶射加工後の基材33におけるアナターゼ型チタニアの残存率を向上させることができる。溶射条件によっても異なるが、アナターゼ型チタニアの残存比率を65%以上にすることができる。
また、HVOF溶射によってアナターゼ型チタニアをコーティングする場合、基材33表面にはアクリル樹脂のバインダ34が形成されているので、アナターゼ型チタニアの未溶融粒子により基材33の表面が削り取られたり、溶射粒子のリバウンドにより皮膜35を形成することができない等の事態が防止され、アナターゼ型チタニアが確実にバインダ34に捕捉されて製膜されて行き、そのため、その皮膜35の密着強度が高くなる。
また、このHVOF溶射においては、LVOF(Low Velocity Oxy Fuel)溶射法に比較して、溶射粒子の飛行速度が非常に速いので、基材33表面に層状に溶着して行き、そのため、基材33の表面に緻密で肉厚な酸化チタンの皮膜35が作られていく。酸化チタンの皮膜35は基材33の全面に被覆され、即ち、基材33の両面及び小孔32の内周に被覆される。
また、このHVOF溶射においては、LVOF(Low Velocity Oxy Fuel)溶射法に比較して、溶射粒子の飛行速度が非常に速いので、基材33表面に層状に溶着して行き、そのため、基材33の表面に緻密で肉厚な酸化チタンの皮膜35が作られていく。酸化チタンの皮膜35は基材33の全面に被覆され、即ち、基材33の両面及び小孔32の内周に被覆される。
このようにして製造された板体31は、皮膜35においては、アナターゼ型チタニアの残存率が向上させられ、しかも、緻密で肉厚な酸化チタンの皮膜35となっているので、光触媒効果の向上が図られる。また、アクリル樹脂をバインダ34に用いているので、アナターゼ型チタニアの密着性が向上させられ、そのため、製膜された皮膜35自体の強度が高くなり、耐久性が向上させられる。
また、図1及び図2に戻り、空気清浄部30は、板体31の近傍に設けられ板体31に光を照射する棒状の発光源37を備えている。発光源37としては、紫外線照射ランプが用いられ、例えば、蛍光灯、キセノン灯,水銀灯,ブラックライト,紫外線LED(窒素ガリウム,酸化亜鉛)などを用いることができる。発光源37は、筐体12の底壁12aの内面に設けられている。尚、発光源37は、筐体12の側壁内面に設けるようにしても良い。
また、筐体12の底壁12aの内面には、光を反射する反射板38が付設されている。反射板38としては、例えば、アルミ板、鏡,ガラス等適宜の材質のものが用いられる。
また、筐体12の底壁12aの内面には、光を反射する反射板38が付設されている。反射板38としては、例えば、アルミ板、鏡,ガラス等適宜の材質のものが用いられる。
更に、化粧蓋14の内側であって、筐体12の開口11には、表面に光触媒が被覆されるとともに空気が流通する多数の小孔41が形成された覆い板40が設けられている。覆い板40は、上記の板体31と同様に形成されている。
従って、この第一の実施の形態に係る空気清浄装置によれば、送給ファン21が駆動させられると、室内の空気は、空気取込部1から取り込まれ、ダクト20を通って空気排出部10に至り、空気清浄部30の板体31を通過して、再び室内に排出される。
空気清浄部30においては、板体31及び覆い板40の表面にある光触媒に紫外線が照射されており、これにより光触媒が励起させられている。そのため、空気に混在した汚染物資は光触媒作用によって分解されたり殺菌され、空気は清浄化されて空気排出部10から排出されていく。
空気清浄部30においては、板体31及び覆い板40の表面にある光触媒に紫外線が照射されており、これにより光触媒が励起させられている。そのため、空気に混在した汚染物資は光触媒作用によって分解されたり殺菌され、空気は清浄化されて空気排出部10から排出されていく。
この場合、板体31には空気が流通する多数の小孔32が形成されるとともに、各板体31は空気の送給方向Rに対して所定角度傾斜させて配置されているので、板体31の表面に沿って流れる気流、板体31の表面で反射する気流、小孔32を通過する気流が生じ、これらの気流が相互に作用して渦流が発生し、板体31間に複雑な乱気流が発生し、そのため、空気が板体31の表面に満遍なく接触するようになり、接触効率が向上させられる。このため、空気に混在した汚染物資は光触媒作用によってより一層分解されたり殺菌され易くなり、汚染物質の分解能力が増加して清浄効率が向上させられる。
即ち、気流は、板体31の表面に沿って流れるもの、反射するものだけでなく、小孔32を通過するものも現れることになる。複数の小孔32を気流が通過する際には、微小な渦流が無数に発生することになるため、板体31の面に沿って流れる気流や反射する気流も相俟って、相互に作用し、板体31間で複雑な気流の流れ(乱気流)が発生し、その結果、板体31に垂直な方向の運動が促進され、板体31の表面へ向かう気流の流れが形成され易くなることから、気流の板体31への接触効率が大幅に高められる。
また、この乱気流の発生により板体31の配置間隔を離すことが可能となり、それだけ、板体31の配置枚数を減らすことができる。また、板体31には空気が流通する多数の小孔32が形成されるとともに、各板体31は空気の送給方向Rに対して所定角度傾斜して配置されているので、板体31の表面で反射する発光源37からの光の反射光、小孔32を通過する通過光により板体31間に複雑な乱反射光が発生させられる。即ち、発光源37である紫外線ランプから照射された紫外線は、板体31へ直接照射され反射される反射光と、小孔32を通過して隣接する板体31へ照射される通過光とができることから、複数の板体31間で複雑な乱反射が発生することになり、板体31の表面における紫外線が照射されない箇所(死角)を殆どなくすことができ、そのため、複数の板体31の両面に担持された光触媒に、紫外線が万遍なく照射され、光触媒の機能を十分に発揮させることができ、この点でも、空気に含まれる悪臭物質等の有害物質の光触媒の酸化作用による分解能力を大幅に向上させることができる。
更に、空気は覆い板40を通過して排出されるが、覆い板40にも同様の光触媒作用が生じることから、この覆い板40によって、更に乱気流が発生し易くなり、空気(気流)が抵抗を受けて通過し難いものとなり、より一層、光触媒への接触率を高めることができる。
更にまた、本実施の形態では、板体31の傾斜角度θを、θ=18°±1°に設定している。実験においては、この傾斜角度の設定により、最適な結果が得られた。気流に対し垂直に近い角度で配置するほど、小孔32を通過する空気が多くなり気流が通過し難くなるため、分解能力は高くなるが、一方、送給ファン21の回転数を大幅に増やす必要性があり、消費電力及び騒音が増えることになる。逆に、気流に対し水平に近い角度で配置するほど、小孔32を通過する気流が少なくなることから複雑な乱気流を発生し難く、その結果、板体31に接触せずに部材間をそのまま通過してしまう空気が多くなり分解能力が低くなる。そのため、接触率を高めるために、板体31間の間隔を狭めて配置することも考えられるが、その場合には、部材数を増やす必要がある。本実施の形態では、これらの不具合をできるだけ解消できる最適条件となっている。
尚、上記第一の実施の形態において、板体31は筐体12の溝16に挿入して保持するようにしているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、図4に示すように、枠体43に設けてこの枠体43を、筐体12に対して着脱可能に形成しても良く、適宜変更して差支えない。この場合、筐体12から枠体43を出し入れできるので、板体31の洗浄や交換などのメンテナンスを容易に行なうことができる。
図5乃至図7には、本発明の第二の実施の形態に係る空気清浄装置を示す。この空気清浄装置は、畜舎用のもので、畜舎の空気を内気循環させて畜舎内の空気を清浄化するものである。
この第二の実施の形態に係る空気清浄装置の基本的構成は、畜舎Sの側壁Saに付設され部屋内の空気を取込む空気取込部1と、畜舎Sの天井Tの下に設けられ空気取込部1で取り込まれた空気を排出する空気排出部10と、空気取込部1及び空気排出部10が接続され空気が流通するとともに中間部が畜舎S外に配設されたダクト20と、空気取込部1からダクト20を通って空気排出部10に到る空気経路の途中に設けられ空気取込部1から空気排出部10に空気を送給する送給ファン(図示せず)と、空気取込部1からダクト20を通って空気排出部10に到る空気経路の途中に設けられ光触媒により空気を清浄にする空気清浄部50とを備えている。
この第二の実施の形態に係る空気清浄装置の基本的構成は、畜舎Sの側壁Saに付設され部屋内の空気を取込む空気取込部1と、畜舎Sの天井Tの下に設けられ空気取込部1で取り込まれた空気を排出する空気排出部10と、空気取込部1及び空気排出部10が接続され空気が流通するとともに中間部が畜舎S外に配設されたダクト20と、空気取込部1からダクト20を通って空気排出部10に到る空気経路の途中に設けられ空気取込部1から空気排出部10に空気を送給する送給ファン(図示せず)と、空気取込部1からダクト20を通って空気排出部10に到る空気経路の途中に設けられ光触媒により空気を清浄にする空気清浄部50とを備えている。
図6に示すように、空気取込部1及び空気排出部10は、複数直列に設けられている。その基本的構成は、上記第一の実施の形態と略同様に構成されているので、説明を省略する。上記第一の実施の形態とは、空気清浄部50の構成が異なっている。ここでは、空気清浄部50の構成について説明する。
図5に示すように、空気清浄部50は、ダクト20の中間部に介装され、畜舎S外に配設されている。
図5に示すように、空気清浄部50は、ダクト20の中間部に介装され、畜舎S外に配設されている。
空気清浄部50は、図7に示すように、開口51を有した箱状の筐体52を備えている。この筐体52の一側壁には空気を流入させるダクト20が接続される流入口53が形成されており、この流入口53にダクト20の空気取込部1側端部が接続されている。筐体52の一側壁に対向する他側壁には空気を流出させるダクト20が接続される流出口54が形成されており、この流出口54にダクト20の空気排出部10側端部が接続されている。また、開口51には、この開口51を開閉する扉55が設けられている。
また、空気清浄部50は、筐体52の開口51から出し入れ可能にこの筐体52に収納される複数(実施の形態では2つ)の板体ユニット60を備えている。板体ユニット60は、上記と同様に、空気が流通可能に間隔を隔てて列設され表面に光触媒が被覆された複数の板体61を備えている。各板体61には、空気が流通し光が通過する多数の小孔62が形成されるとともに、各板体61は空気の送給方向Rに対して所定角度(θ)傾斜させて配置されている。各板体61の小孔62,傾斜角度θや製造条件等は上記と同様である。各板体61は、枠体63に保持されている。枠体63の正面には扉55の裏面に対面する表面板64が付設され、表面板64には筐体52に対して板体ユニット60を出し入れするための把手65が設けられている。筐体52には、板体ユニット60の出し入れの際、板体ユニット60をガイドするガイド枠66が設けられている。
更に、各板体ユニット60における板体61の傾斜方向は、隣接する板体ユニット60の板体61の組間で互いに逆方向になるように、各板体ユニット60の板体61の組が枠体63に固定されている。即ち、本実施の形態では、板体61を列設した組が、空気の送給方向Rに沿って複数組(実施の形態では2組)列設され、板体61の傾斜方向が隣接する板体61の組間で互いに逆方向になるように、列設されている。
更にまた、空気清浄部50は、板体61の近傍に設けられ板体61に光を照射する棒状で上記と同様の発光源67を複数備えている。発光源67は、筐体52内において空気の送給方向Rに直交し、各板体ユニット60を挟むように配設されている。
従って、この第二の実施の形態に係る空気清浄装置によれば、図示外の送給ファンが駆動させられると、畜舎S内の空気は、空気取込部1から取り込まれ、ダクト20を通って空気清浄部50を通過し、更にダクト20を通って空気排出部10に至り、再び畜舎S内に排出される。
空気清浄部50においては、板体ユニット60の板体61の表面にある光触媒に紫外線が照射されており、これにより光触媒が励起させられている。そのため、空気に混在した汚染物資は光触媒作用によって分解されたり殺菌され、空気は清浄化されて空気排出部10から排出されていく。
空気清浄部50においては、板体ユニット60の板体61の表面にある光触媒に紫外線が照射されており、これにより光触媒が励起させられている。そのため、空気に混在した汚染物資は光触媒作用によって分解されたり殺菌され、空気は清浄化されて空気排出部10から排出されていく。
この場合、上記と同様に、板体61には空気が流通する多数の小孔62が形成されるとともに、各板体61は空気の送給方向Rに対して所定角度傾斜させて配置されているので、板体61の表面に沿って流れる気流、板体61の表面で反射する気流、小孔62を通過する気流が生じ、これらの気流が相互に作用して渦流が発生し、板体61間に複雑な乱気流が発生し、そのため、空気が板体61の表面に満遍なく接触するようになり、接触効率が向上させられる。このため、空気に混在した汚染物資は光触媒作用によってより一層分解されたり殺菌され易くなり、汚染物質の分解能力が増加して清浄効率が向上させられる。
また、筐体52内には、板体ユニット60が並設され、しかも、各板体ユニット60における板体61の傾斜方向は、隣接する板体ユニット60の板体61の組間で互いに逆方向になるように、各板体ユニット60の板体61の組が枠体63に固定されているので、空気の流路が最初の板体ユニット60を通過後に次の板体ユニット60で偏向されることになり,そのため、気流が、より一層複雑な乱気流となり、その結果、気流の板体61への接触効率がより一層高められる。
更に、この乱気流の発生により板体61の配置間隔を離すことが可能となり、それだけ、板体61の配置枚数を減らすことができる。また、板体61には空気が流通する多数の小孔62が形成されるとともに、各板体61は空気の送給方向Rに対して所定角度傾斜して配置されているので、板体61の表面で反射する発光源67からの光の反射光、小孔62を通過する通過光により板体61間に複雑な乱反射光が発生させられる。即ち、発光源67である紫外線ランプから照射された紫外線は、板体61へ直接照射され反射される反射光と、小孔62を通過して隣接する板体61へ照射される通過光とができることから、複数の板体61間で複雑な乱反射が発生することになり、板体61の表面における紫外線が照射されない箇所(死角)を殆どなくすことができ、そのため、複数の板体61の両面に担持された光触媒に、紫外線が万遍なく照射され、光触媒の機能を十分に発揮させることができ、この点でも、空気に含まれる悪臭物質等の有害物質の光触媒の酸化作用による分解能力を大幅に向上させることができる。
更にまた、空気清浄部50は、屋外に設けられており、扉55の開閉により筐体52から板体ユニット60を出し入れできるので、板体61の洗浄や交換などのメンテナンスを容易に行なうことができる。
図8乃至図10には、本発明の別の実施の形態に係る空気清浄装置を示す。この空気清浄装置は、筐体80の一端側に設けられ空気を取込む空気取込部1と、筐体80の他端側に設けられ空気取込部1で取り込まれた空気を排出する空気排出部10と、空気取込部1に設けられ空気取込部1から空気排出部10に空気を送給する送給ファン21と、空気取込部1から空気排出部10に到る空気経路の途中に設けられ光触媒により空気を清浄にする空気清浄部30とを備えている。実施の形態では、筐体80は3つ連設されている。
空気清浄部30は、空気が流通可能な間隔を隔てて列設され表面に光触媒が被覆された複数の板体31を備えている。各板体31は筐体80の長手方向に沿って列設されている。各板体31には、空気が流通する多数の小孔32が形成されているとともに、各板体31は空気の送給方向に対して所定角度傾斜させて配置されている。板体31の空気の送給方向Rに対する傾斜角度θは、上記と異なり、θ=70°±5°に設定されている。板体31に設ける多数の小孔32の内径φ及び開口率Qは上記と同様である。また、板体31は、上記と同様に、樹脂製のバインダ34(アンダーコート)を介して光触媒としての酸化チタンの皮膜が溶射により被覆されている。更に、空気清浄部30は、板体31の近傍であって筐体80の天井部に板体31に光を照射する棒状の上記と同様の発光源37を備えている。
従って、この第三の実施の形態に係る空気清浄装置によっても、板体31の空気の送給方向Rに対する傾斜角度θが、θ=70°±5°に設定されており、上記と異なるものの、上記と同様に、空気清浄部30においては、光触媒に紫外線が照射されており、これにより光触媒が励起させられている。そのため、空気に混在した汚染物資は光触媒作用によって分解されたり殺菌され、空気は清浄化されて空気排出部10から排出されていく。この場合、上記と同様に、板体31には空気が流通する多数の小孔32が形成されるとともに、各板体31は空気の送給方向Rに対して所定角度傾斜させて配置されているので、板体31の表面に沿って流れる気流、板体31の表面で反射する気流、小孔32を通過する気流が生じ、これらの気流が相互に作用して渦流が発生し、板体31間に複雑な乱気流が発生し、そのため、空気が板体31表面に満遍なく接触するようになり、接触効率が向上させられる。このため、空気に混在した汚染物資は光触媒作用によってより一層分解されたり殺菌され易くなり、汚染物質の分解能力が増加して清浄効率が向上させられる。
尚、上記実施の形態において、板体31,61の数,板体31,61の傾斜角度θや小孔32,62の数や大きさ等の数値条件は、上述したものに限定されるものではなく、適宜変更して差支えない。尚また、上記実施の形態では、本発明を、内気循環の経路に適用したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、外気導入の経路あるいはまた内気循環と外気導入とを同時に行なう経路に適用しても良く適宜変更して差支えない。
T 天井
1 空気取込部
10 空気排出部
11 開口
12 筐体
13 接続口
14 化粧蓋
20 ダクト
21 送給ファン
30 空気清浄部
31 板体
32 小孔
R 送給方向
θ 傾斜角度
33 基材
34 バインダ
35 皮膜
36 溶射装置
37 発光源
38 反射板
40 覆い板
41 小孔
S 畜舎
50 空気清浄部
51 開口
52 筐体
53 流入口
54 流出口
55 扉
60 板体ユニット
61 板体
62 小孔
63 枠体
66 ガイド枠
67 発光源
80 筐体
1 空気取込部
10 空気排出部
11 開口
12 筐体
13 接続口
14 化粧蓋
20 ダクト
21 送給ファン
30 空気清浄部
31 板体
32 小孔
R 送給方向
θ 傾斜角度
33 基材
34 バインダ
35 皮膜
36 溶射装置
37 発光源
38 反射板
40 覆い板
41 小孔
S 畜舎
50 空気清浄部
51 開口
52 筐体
53 流入口
54 流出口
55 扉
60 板体ユニット
61 板体
62 小孔
63 枠体
66 ガイド枠
67 発光源
80 筐体
Claims (15)
- 空気を取り込んで排出する空気経路の途中に設けられ光触媒により空気を清浄にする空気清浄部を備えた空気清浄装置において、
上記空気清浄部を、空気が流通可能な間隔を隔てて列設され表面に光触媒が被覆された複数の板体と、該板体の近傍に設けられ板体に光触媒を励起する光を照射する発光源とを備えて構成し、上記空気清浄部の各板体に、空気が流通し光が通過する多数の小孔を形成するとともに、各板体を空気の送給方向に対して所定角度傾斜させて配置したことを特徴とする空気清浄装置。 - 上記板体の空気の送給方向に対する傾斜角度θを、θ=20°±5°に設定したことを特徴とする請求項1記載の空気清浄装置。
- 上記板体に設ける多数の小孔の内径φを、φ=1mm〜11mmに設定し、該板体における多数の小孔の開口率Qを、Q=20〜60%に設定したことを特徴とする請求項1または2記載の空気清浄装置。
- 上記板体を列設した組を、上記空気の送給方向に沿って複数組列設したことを特徴とする請求項1乃至3何れかに記載の空気清浄装置。
- 上記板体の傾斜方向が上記隣接する板体の組間で互いに逆方向になるように、該板体の各組を、上記空気の送給方向に沿って複数組列設したことを特徴とする請求項4記載の空気清浄装置。
- 空気を取込む空気取込部と、該空気取込部で取り込まれた空気を排出する空気排出部と、上記空気取込部及び空気排出部が接続され空気が流通するダクトと、上記空気取込部からダクトを通って空気排出部に到る空気経路の途中に設けられ上記空気取込部から空気排出部に空気を送給する送給ファンとを備え、上記空気清浄部を、上記空気排出部内に設けたことを特徴とする請求項1乃至5何れかに記載の空気清浄装置。
- 上記空気排出部を、空気を排出する開口を有した箱状の筐体と、該筐体の底部側側壁に設けられダクトが接続される接続口と、上記開口を塞ぎ空気を吹出す網状の化粧蓋とを備えて構成し、上記空気清浄部を、上記の複数の板体を上記筐体内の開口側に設け、上記発光源を上記筐体の底壁側に設けて構成したことを特徴とする請求項6記載の空気清浄装置。
- 上記化粧蓋の内側に、表面に光触媒が被覆されるとともに空気が流通する多数の小孔が形成された覆い板を設けたことを特徴とする請求項7記載の空気清浄装置。
- 空気を取込む空気取込部と、該空気取込部で取り込まれた空気を排出する空気排出部と、上記空気取込部及び空気排出部が接続され空気が流通するダクトと、上記空気取込部からダクトを通って空気排出部に到る空気経路の途中に設けられ上記空気取込部から空気排出部に空気を送給する送給ファンとを備え、上記空気清浄部を、上記ダクトに介装したことを特徴とする請求項1乃至5何れかに記載の空気清浄装置。
- 上記空気清浄部を、開口を有した箱状の筐体と、筐体の一側壁に設けられ空気を流入させるダクトが接続される流入口と、筐体の上記一側壁に対向する他側壁に設けられ空気を流出させるダクトが接続される流出口と、上記複数の板体の組が固定され上記筐体の開口から出し入れ可能に該筐体に収納される板体ユニットと、上記開口を開閉する扉とを備えて構成したことを特徴とする請求項9記載の空気清浄装置。
- 上記発光源を、上記筐体内に設けたことを特徴とする請求項10記載の空気清浄装置。
- 上記板体ユニットを、複数設け、上記各板体ユニットにおける板体の傾斜方向が隣接する板体ユニットの板体の組間で互いに逆方向になるように、該各板体ユニットの板体の組を配置したことを特徴とする請求項10または11記載の空気清浄装置。
- 上記板体を、基材の表面に熱可塑性樹脂からなるバインダを被覆し、該バインダの表面に酸化チタンの皮膜を溶射により形成した構成としたことを特徴とする請求項1乃至12何れかに記載の空気清浄装置。
- 上記バインダをアクリル樹脂で構成したことを特徴とする請求項13記載の空気清浄装置。
- 上記皮膜を構成する酸化チタンにおいて、アナターゼ型酸化チタンの残存比率を65%以上にしたことを特徴とする請求項13または14記載の空気清浄装置。
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JP2006141703A JP2007307297A (ja) | 2006-05-22 | 2006-05-22 | 空気清浄装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100932103B1 (ko) | 2008-03-18 | 2009-12-15 | 윤명근 | 방충방진멸균공기여과기 |
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JP2002316021A (ja) * | 2001-04-24 | 2002-10-29 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 汚染ガス処理装置及びこの装置を用いた浄化装置 |
JP2006051439A (ja) * | 2004-08-11 | 2006-02-23 | Fujikoo:Kk | 光触媒機能皮膜及びその形成方法 |
JP2007130042A (ja) * | 2005-11-08 | 2007-05-31 | Seki:Kk | 光触媒を用いた空気浄化装置 |
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2006
- 2006-05-22 JP JP2006141703A patent/JP2007307297A/ja active Pending
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