JP2007305369A - 鉛蓄電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】鉛蓄電池を低SOC領域で使用した際の寿命特性を改善すること。
【解決手段】負極活物質中にパラジウムを含み、負極活物質としてのPb100質量部につき、パラジウムを0.00003〜0.005質量部含む鉛蓄電池を示す。負極活物質にパラジウム添加することに替えて、負極格子としての鉛合金中のパラジウム濃度を0.00001質量%〜0.003質量%とする。あるいは、電解液1l中に含まれるパラジウムを0.02mmol〜1.0mmolとする。これらの構成は、特に、正極−負極の極板間距離を1.50mm以下とした鉛蓄電池に有効である。
【選択図】なし

Description

本発明は鉛蓄電池に関するものである。
自動車のエンジン始動用電池として、主に鉛蓄電池が用いられている。鉛蓄電池の保守点検にかかる手間を抑制し、メンテナンスフリー性を高めるための試みが種々なされてきた。
特に、格子合金や活物質中にSbがある程度以上含まれた場合、負極での自己放電が進行しやすく、また電解液中の水分減少量も多くなり、メンテナンスフリー性が低下するため、その含有量を例えば50ppm程度以下に制限することが行われている。
近年、環境的側面から、燃費向上を目的とした、車両のHEV化、アイドルストップ車両化の流れが加速してきている。このような車両では、従来の車両と比較して鉛蓄電池の使用モードも大きく異なってきている。
従来の車両に用いる鉛蓄電池では、充電状態(SOC)は95〜100%といった高い領域で使用される頻度が高いことから、鉛蓄電池には高い耐過充電性能が求められていた。一方、HEVやアイドルストップ車両では、鉛蓄電池に回生充電機能を持たせるため、そのSOCは従来の車両よりも低い領域で制御される。また、このような鉛蓄電池では、従来の車両に比較し、各種の電子機器や頻繁に行われるエンジン始動のために、より放電量は増加する傾向にある。
すなわち、従来の車両では高SOC領域において過充電傾向で使用される一方で、前記したような新しいタイプの車両では低SOC領域で深放電が頻繁に入る使用モードとなっている。
このような、低SOC領域で深放電が頻繁に入るような使用モードにおける電池寿命を確保する上で、鉛蓄電池の充電受け入れ性をさらに高める必要が出てきている。
鉛蓄電池の充電受け入れ性を高めるため、負極活物質中にカーボンを添加したり、防縮剤として添加するリグニンの組成や量を検討することが行われてきている。しかしながら、いずれも鉛蓄電池中において、これらの添加物は溶出あるいは分解されるため、その効果は次第に低下していくという欠点があった。
特許文献1には、Sbを代表として、負極の水素過電圧を低下させるような物質を負極に添加することによって、充電時の負極の電位を貴に移行させ、充電電圧を低下させること、そして、その結果、充電受け入れ性が向上し、低SOC−深放電での寿命特性が改善されることが示されている。
特開2003−346888号公報
しかし、Sbの添加は当然のことながら鉛蓄電池の自己放電を増大させる。したがって、その添加量は微量に制限されるが、また、特に低SOC領域で深い放電が入る使用モードではSbは負極格子の腐食の要因となる。特に負極耳部や格子骨部の腐食は集電効率を低下させ、これらの部位に断線が発生した場合には電池の放電容量が急激に低下するという課題があった。
前記した課題を解決するために、本発明の請求項1に係る発明は、負極活物質中にパラジウムを含み、負極活物質としてのPb100質量部につき、パラジウムを0.00003〜0.005質量部含む鉛蓄電池を示すものである。
また、本発明の請求項2に係る発明は、負極格子を構成するPbもしくはPb合金にパラジウムを含み、前記のPbもしくはPb合金に含まれるパラジウム濃度が0.00001〜0.003質量%である鉛蓄電池を示すものである。
さらに、本発明の請求項3に係る発明は、電解液中にパラジウムを含み、電解液1l中に含まれるパラジウムを0.02mmol〜1.0mmolとした鉛蓄電池を示すものである。
そして、本発明の請求項4に係る発明は、請求項1〜3の鉛蓄電池において、正極−負極の極板間距離を1.50mm以下とした鉛蓄電池を示すものである。
前記した本発明の鉛蓄電池は、優れた充電受け入れ性を有し、低SOC−深放電における寿命特性を顕著に改善する。またSb添加で見られたような自己放電特性の低下や負極格子部の腐食を抑制するという顕著な効果を奏する。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施形態による鉛蓄電池は、負極活物質中にパラジウムを含む。パラジウム含有量としては、負極活物質としてのPb100質量部に対してパラジウムを0.00003質量部から0.005質量部を含む。
このような含有範囲のパラジウムを負極活物質に含有させることで、負極の充電受け入れ性が改善され、低SOC−深放電での充放電サイクル寿命を顕著に改善することができる。また、パラジウムはアンチモンのような負極格子体の腐食を進行させることがないため、信頼性の面で非常に優れた鉛蓄電池を得ることができる。負極格子の水素過電圧を低下させることによって、定電圧充電時における充電電流を増大させることにより、充電受入性が顕著に改善される。
パラジウムの添加方法としては、酸化パラジウム(PdO)、硫酸パラジウム(PdSO4)等のパラジウム化合物を負極活物質ペーストに添加する方法を用いることができる。また、一般に市販されている、粒径0.5〜5μm程度のパラジウムの金属粉末を原料鉛粉に添加してもよい。ただし、臭化パラジウム(PdBr2)、塩化パラジウム(PdCl2)、酢酸パラジウム((CH3COO)2Pd)といったハロゲンや酢酸基を含むパラジウム塩は、鉛を腐食する場合があるため、好ましくない。
例えば、酸化度70%の鉛粉(鉛粉100質量部中、PbO70質量部とPb30質量部を含む混合物)100kgにパラジウムを添加する場合、鉛粉100kg中に含まれるPbは94.98kgとなる。したがって、Pb100質量部に対してパラジウムを0.005質量部添加する場合、鉛粉100kgに添加すべきパラジウム量は4.749gとなる。酸化パラジウムとして添加する場合は、5.4631gの酸化パラジウムを酸化度70%の鉛粉に添加し、水と希硫酸で混練し、負極活物質ペーストとすればよい。
上記で得た負極活物質ペーストを負極格子体に充填し、熟成乾燥して得た負極板を用いれば、本発明の鉛蓄電池を得ることができる。
なお、パラジウム含有量が負極活物質としてのPb100質量部に対して0.00003質量部未満となる場合、充電受け入れ性の改善効果が殆ど見られないことから、少なくともPb100質量部に対して0.00003質量部以上を含ませることが必須である。
また、負極活物質としてのPb100質量部に対して0.005質量部を超える量のパラジウムは、自己放電特性を低下させるため、好ましくない。但し、このような量のパラジウムの含有においても負極格子体の腐食を促進することはないため、アンチモン添加に比較して、非常に好ましい。
鉛蓄電池において、アンチモンを負極活物質に添加した場合、充放電の繰り返しによって、アンチモンが負極格子の特に耳部に優先的に再析出し、負極格子耳部を腐食させる。一方、パラジウムではこのような負極格子耳部への再析出の度合いが、アンチモンに比較して少なく、負極格子耳の腐食が抑制されると推測される。パラジウム添加量に応じて負極の自己放電量も増大するため、許容できる自己放電量の範囲でパラジウム添加量の上限を決定すればよい。
(第2の実施形態)
本発明の第1の実施形態による鉛蓄電池は、負極格子としてのPbもしくはPb合金中にパラジウムを含む。パラジウム濃度は、負極格子用のPbもしくはPb合金中に0.00001質量%〜0.003質量%とする。
このような量のパラジウムを負極格子体に含有させることで、負極格子の水素過電圧を低下させることによって、定電圧充電時における充電電流を増大させることにより、負極の充電受け入れ性が改善され、低SOC−深放電での充放電サイクル寿命を顕著に改善することができる。また、パラジウムはアンチモンのような負極格子体の腐食を進行させることがないため、信頼性の面で非常に優れた鉛蓄電池を得ることができる。
なお、パラジウム含有量が負極格子中の含有濃度として0.00001質量%未満とした場合、充電受け入れ性の改善効果が殆ど見られないことから、少なくとも0.00001質量%以上を含ませることが必須である。
また、負極格子合金中における0.003質量%を超える濃度のパラジウムは、鉛蓄電池の自己放電特性を低下させるため、好ましくない。但し、このような濃度のパラジウムの含有においても負極格子体の腐食を促進することはないため、第1の実施形態と同様、Sb添加で発生するような負極格子体の腐食抑制効果と、充電受入性改善効果を両立して得ることができる上で、Sb添加に比較して非常に好ましい。
そして、このような量のパラジウムを含むPbもしくはPb合金からなる負極格子体に公知の負極活物質ペーストを充填し、熟成乾燥して得た負極板を用いることによって、本発明の第2の実施形態による鉛蓄電池を得ることができる。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態による鉛蓄電池は、電解液中にパラジウムを含み、電解液1l中(電解液温度20℃基準)に含まれるパラジウムを0.02mmol〜1.0mmolとする。
このような含量のパラジウムを電解液に含有させることで、負極板の水素過電圧が低下し、定電圧充電時の充電電気量が増大、すなわち充電受入性が改善される。そのため、低SOC−深放電での充放電サイクル寿命を顕著に改善することができる。また、電解液中に含有したパラジウムは、前記した第1および第2の実施形態において、負極に含有したパラジウムと同様、Sb添加で見られるような、負極格子体、特に耳部での腐食を進行させることがない。
なお、電解液中へのパラジウムの添加方法として、例えば前記したような、硫酸パラジウムを電解液に添加することができる。
上記の硫酸パラジウムの添加量は電解液1l(20℃基準)当たりパラジウムとして0.02mmol〜1.0mmolに相当する量とする。電解液1l(20℃基準)当たりのパラジウム含有量が0.02mmol未満の場合は、充電受け入れ性の向上効果は顕著に得られない。一方、電解液1l(20℃基準)当たりのパラジウム量が1.0mmolを超えて多くなると、自己放電量が増加するため、好ましくない。
さらに、前記した本発明の第1、第2および第3の実施形態は、特に正極板面と負極板面間の距離が1.50mm以下の鉛蓄電池に適用することが好ましい。
従来の鉛蓄電池において、電解液、負極活物質あるいは負極格子体に微量のアンチモンを添加する場合、前記した極板間距離が1.50mm以下において、アンチモン添加による自己放電量の増大が認められる。
本発明のパラジウムを含有させる構成では、極板間距離が1.50mm以下とした場合においても自己放電量の増大量は、アンチモンを含有させる構成に比較して少ない。したがって、本発明の構成では、極板間距離は自己放電量に大きく影響しないため、高率放電特性を確保する等の目的で、極板間距離を1.50mm以下とせざるを得ない鉛蓄電池に特に好適である。
前記した第1、第2および第3の実施形態の鉛蓄電池と、比較例による鉛蓄電池(それぞれJIS D5301に規定する55D23形始動用鉛蓄電池(12V48Ah))を作成し、自己放電特性と、低SOC−深放電寿命試験およびこの寿命試験における負極格子の腐食度合いを評価した。
(1)電池A群(電池A1〜A8)
電池A群は、負極活物質中に種々の含有量のパラジウムを含む鉛蓄電池である。負極活物質へのパラジウムの添加は、第1の実施形態で記載したように、粒径0.5〜5.0μm径のパラジウム粉を酸化度70%の原料鉛粉に添加し、さらに原料鉛粉100質量部に対して各々0.1質量部に対応するカーボン、リグニンおよび硫酸バリウムを添加し、混合した後、水と希硫酸で混練して負極活物質ペーストとした。
上記の負極活物質ペーストをPb−0.06質量%Ca−0.25質量%Snの組成を有したエキスパンド格子体に充填し、熟成乾燥して負極板を作成した。この負極板と、常法によって得た正極板を組み合わせた電池を電池A群とした。なお、上記の負極格子合金にはパラジウムを含まない。
また、正極板は上記と同様の酸化度70%の原料鉛粉を水と硫酸で混練して得た正極活物質ペーストをPb−0.06質量%Ca−1.60質量%Sn組成を有するエキスパンド格子体に充填し、熟成乾燥して得たものである。
電池A群における負極活物質中のパラジウム量は、表1に示すように、負極活物質としてのPb100質量部につき、パラジウムを0〜0.020質量部の範囲で変化させた。さらに、負極板を微孔性ポリエチレンの袋状セパレータで被覆した構成とし、正極板面−負極板面間の距離を1.30mmとした。さらに電解液は20℃換算で密度1.280g/cm3の希硫酸とした。なお、この電解液中にパラジウムは含まない。
Figure 2007305369
(2)電池B群(電池B1〜B5)
電池B群は、負極格子にパラジウムを種々の含有量で含有させた鉛蓄電池である。表2に示すように、負極格子合金中のパラジウムの含有濃度は、0.000008〜0.01質量%とした。なお、負極格子合金は0.06質量%のCaおよび0.25質量%のSnを含むPb合金である。
Figure 2007305369
上記の負極格子体に原料鉛粉100質量部に対して各々0.1質量部に対応するカーボン、リグニンおよび硫酸バリウムを添加し、混合した後、水と希硫酸で混練して得た負極活物質ペーストを充填し、熟成乾燥して負極板を得た。
正極板は上記と同様の酸化度70%の原料鉛粉を水と硫酸で混練して得た正極活物質ペーストをPb−0.06質量%Ca−1.60質量%Sn組成を有するエキスパンド格子体に充填し、熟成乾燥して得たものである。
また、電池B群においても、電池A群と同様、負極板を微孔性ポリエチレンの袋状セパレータで被覆した構成とし、正極板面−負極板面間の距離を1.30mmとした。さらに電解液は20℃換算で密度1.280g/cm3の希硫酸とした。なお、この電解液中にパラジウムは含まない。
(3)電池C群(電池C1〜C5)
電池C群は、電解液中にパラジウムを種々の含有量で含む鉛蓄電池である。表3に示すように、電解液へのパラジウムの添加量は、20℃における電解液1l当たり0.01mmol〜1.0mmolとしたものである。なお、電解液は20℃における密度1.280g/cm3の希硫酸中に所定量の硫酸パラジウムを添加して調整した。
Figure 2007305369
電池C群では負極格子合金中にパラジウムを含まず、0.06質量%のCaおよび0.25質量%のSnを含むPb合金を用いている。このような組成の負極格子に、酸化度70%の原料鉛粉100質量部に対して各々0.1質量部に対応するカーボン、リグニンおよび硫酸バリウムを添加し、混合した後、水と希硫酸で混練して得た負極活物質ペースト充填し、熟成乾燥して得た負極板を用いた。なお、負極活物質ペースト中にパラジウムは含まれない。
また、正極板は、上述の電池A群およびC群に用いたものと同様の正極活物質ペーストをPb−0.06質量%Ca−1.60質量%Sn組成を有するエキスパンド格子体に充填し、熟成乾燥したものである。
(4)電池D
電池Dは、電池A群における負極活物質へ添加したパラジウムに替えてアンチモンを添加したものである。アンチモン添加量は、負極活物質のPb100質量部に対して0.005質量部とし、前記した酸化度70%の原料鉛粉に、アンチモン酸化物(Sb23)を添加した。パラジウムを含まず、パラジウムに替えてアンチモンを含む他は電池群Cと変わるところはない。
(5)電池E
電池Eは、電池B群における負極格子中へのパラジウム添加に替えてアンチモンを添加したものである。負極格子合金中のアンチモン濃度は0.005質量%である。負極格子合金中にパラジウムを含まず、パラジウムに替えてアンチモンを含む他は電池B群と変わるところはない。
(6)電池F
電池Fは、電池C群における電解液へのパラジウム添加に替えてアンチモンを添加したものである。電解液1l(20℃)中に含まれるアンチモン量は0.0005molである。その他は電池C群と変わるところはない。
上記の各電池について、自己放電特性、低SOC領域での寿命試験、およびこの寿命試験における負極格子耳の厚み減少率を評価した。
自己放電特性としては、初期状態の試験電池について60℃1カ月放置前後の5時間率容量を計測し、放置前の容量に対する放置後の容量の百分率を容量残存率として評価した。
寿命試験方法としては、以下の手順により行った。
まず、25℃雰囲気下で、試験電池を10A定電流で、電池電圧が10.5Vとなるまで放電する。その後、電池端子間に12W電球を接続し、48時間放置することにより試験電池を過放電した。その後、試験電池を14.5V定電圧(最大電流25A)で8時間充電し、以下に示す充放電サイクルを行った。
充放電サイクル条件は、25℃雰囲気下において、25A放電20秒と14V定電圧充電(最大充電電流25A)40秒とを7200サイクル繰り返した後に、このサイクルによる質量減(WL)を計測する。その後、300Aで30秒間放電し、30秒目の放電電圧(V30)を計測する。その後、質量減(WL)分の水を鉛蓄電池に補水する。
上記の充放電7200サイクル毎のV30が7.2Vに低下するまでの充放電サイクル数を寿命サイクル数とする。なお、通常、始動用鉛蓄電池においてJIS D5301で規定される軽負荷寿命試験は、25A放電4分と、最大電流25Aとした定電圧充電10分のサイクルで構成されるが、本試験では、軽負荷寿命試験よりもSOCが低い状態で充放電が頻繁に行われる試験条件とした。
寿命サイクル数の算出方法は以下の通りとした。n回目に計測したV30電圧(充放電サイクル数は7200×n)で、初めてV30が7.2V以下となったとき、そのV30をVnとする。そして、前回(n−1回目)のV30電圧をVn−1としたときに、縦軸をV30、横軸を充放電サイクル数のグラフにおいて、座標(7200(n−1)、Vn−1)と座標(7200n、Vn)間を直線Lで結び、この直線LとV30=7.2との交点における横軸の値を寿命サイクル数とした。
また、寿命試験が終了した各電池について、電池の分解調査を行い、負極の耳腐食率を求めた。なお、試験前の初期状態の負極格子耳断面積をS、寿命試験後の負極格子耳断面積をSEとし、{100×(S−SE)/S}として求めた耳断面積の減少率を耳腐食率とした。なお、試験前の初期状態における負極格子耳断面積は(幅)13.0mm×(厚み)0.7mm=9.1mm2としており、耳腐食率50%の場合、腐食によって断面積が4.55mm2減少したことに相当する。
上記の寿命試験での、負極格子耳腐食率および寿命サイクル数の結果、さらには放置後の容量残存率の結果を表4に示す。なお、寿命サイクル数に関しては電池A1における寿命サイクル数に対する百分率として示した。
Figure 2007305369
表4に示した結果から、本発明によれば、放置後の容量残存率の低下と、負極格子耳の腐食を抑制しつつ、すぐれた寿命特性を得ることができことがわかる。本実施例での寿命試験では低SOC領域で行われる試験であり、パラジウムを負極活物質、負極格子体あるいは電解液中に適切な量、含有させることにより、充電受け入れ性が向上し、良好な寿命特性を得ることができた。
パラジウムに替えてアンチモンを添加した場合、寿命特性を改善できるが、残存容量維持率、すなわち自己放電性能が低下し、実施例での充放電サイクルによって負極格子の腐食も進行するため、好ましくない。
次に、電池A1、電池A4、電池B3、電池C3、電池D、電池Eおよび電池Fについて、表5に示すように、それぞれ正極板面−負極板面間距離を1.4mmから、1.0〜2.0mmに変化させた電池を作成した。表5に示した各電池について、前記したと同様の放置後の容量残存率、寿命試験および寿命試験後における負極格子耳腐食率を計測した結果を表5に併せて示す。なお、寿命サイクル数については、表4に示したと同様、電池A1の寿命サイクル数に対する百分率で示している。
Figure 2007305369
表5に示した結果から、本発明の電池およびパラジウムもしくはアンチモンを負極格子、負極活物質および電解液のいずれにも含まない比較例の電池(A1、A1−1.0、A1−1.5、A1−2.0)において、極板間距離の変化は放置後の残存容量、寿命特性および負極耳腐食率に大きく影響していないが、負極活物質、負極格子および電解液のいずれかにアンチモンを含む比較例の電池では極板間距離が1.5mm以下となった場合に放置後の残存容量と寿命特性とが低下し、負極格子耳腐食率も高くなることがわかる。
一般に極板間距離は、高率放電特性を向上する目的でより短く設定されるが、アンチモンを含む比較例の電池では、極板間距離が1.5mm以下とした場合、アンチモン添加による不具合、すなわち自己放電特性の低下および負極耳腐食が進行しやすくなるという欠点があった。
本発明の構成では、極板間距離が1.5mm以下となるような構成であっても、優れた自己放電特性、寿命特性を実現し、また負極格子耳の腐食も抑制できる。
本発明によれば、鉛蓄電池の自己放電特性の低下と負極耳の腐食を抑制しながら、長寿命の鉛蓄電池を提供できることから、始動用鉛蓄電池をはじめとする、各種用途の鉛蓄電池に好適である。

Claims (4)

  1. 負極活物質中にパラジウムを含み、負極活物質としてのPb100質量部につき、パラジウムを0.00003〜0.005質量部含む鉛蓄電池。
  2. 負極格子を構成するPbもしくはPb合金中にパラジウムを含み、前記PbもしくはPb合金中に含まれるパラジウム濃度が0.00001質量%〜0.003質量%である鉛蓄電池。
  3. 電解液中にパラジウムを含み、電解液1l中に含まれるパラジウムを0.02mmol〜1.0mmolとした鉛蓄電池。
  4. 正極−負極の極板間距離を1.50mm以下とした請求項1〜3に記載の鉛蓄電池。
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