JP2007303943A - 骨粗鬆症の評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明は、硬組織についてより精密な評価を行ない、正確かつ迅速に骨粗鬆症の評価を可能とする骨粗鬆症の評価方法を提供することにある。
【解決手段】
本発明の骨粗鬆症の評価方法は、硬組織における結晶の配向性を分析することにより、骨粗鬆症の評価を行うこと特徴とする。本発明の骨粗鬆症の評価方法の好ましい実施態様において、さらに、骨粗鬆症の原因因子に応じて、骨粗鬆症の評価を行うことを特徴とする。また、本発明の骨粗鬆症の評価方法の好ましい実施態様において、原因因子が、原発性骨粗鬆症、又は続発性骨粗鬆症であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、骨粗鬆症の評価方法に関し、特に、硬組織の結晶の配向性を分析する骨粗鬆症の評価方法に関する。
従来、生体内硬組織や再生硬組織の評価方法としては、骨量や組織標本の観察による方法が知られている。これらは、主として軟X線(レントゲン)を利用して、骨量の測定や組織標本の観察により評価を行なっていた。
生体内硬組織に関する疾患の一つとして、骨粗鬆症は、国内患者数が1000万人と推定される高齢化社会の難病である。特に、高齢人口の増加に伴い、日常生活の中で、僅かな負荷によって骨折しやすくなる骨粗鬆症と呼ばれる病気になる人の急増は、医療分野において大きな問題となっている。骨粗鬆症は、骨のカルシウムなどの成分が少なくなり骨量減少を生じ、強度低下に起因する亀裂の形成や破損が起こりやすくなる病気で、女性で60歳以上の約30%、男性で約10%の人が該当するといわれている。骨粗鬆症の評価に関して、これまで、X線の吸収を利用したレントゲンやDEXA(Dual X-ray Absorptiometry)法、CT(Computed Tomography)法、pQCT(peripheral
Quantitative CT)法が用いられ、骨の体積や密度(アパタイト量)を見るのが一般的である。
また、最近では、例えば、超音波を被検者に送波して、透過した受波信号から骨の内部の音速や減衰率を求め、これらを骨の症状の評価指標としたものが提案されており、さらに、超音波を被検者の踵骨に送波して、骨内部の透過伝播速度を求め、次いで、この求められた伝播速度から、所定の計算式によって骨内部の海綿骨の骨梁線密度(骨梁長さ比)から骨梁面積率を算出する方法が知られている。(特開平6−339478号)。
特開平6−339478号公報
しかしながら、上述の軟X線(レントゲン)を利用する方法では、硬組織の精密な評価を得ることができなかった。すなわち、これらの軟X線(レントゲン)を利用する方法においては、例えば、組織を再生した場合に、完全な組織再生や組織の力学機能の回復が起こっていない場合でも、本来の硬組織の性状であると判断されるおそれがあった。これは、例えば骨量だけを評価の基準とすると、骨量が本来の組織の骨量に達している場合であっても、強度や弾性率等において組織の機能が十分に回復していない場合があるにもかかわらず、従来法では正常であると判断されてしまうからである。
加えて、骨粗鬆症においても、NIH(米国国立衛生研究所)を中心とした報告では、骨密度だけで骨折のリスクを図ることが困難であることが明らかにされた。さらに骨粗鬆症の評価において、骨量・骨密度が増加しても、骨折リスクが低減されない場合があり、そのためそれ以外の骨質指標が必要となる。
また、上記超音波を利用した評価方法については、骨密度等を利用して面積率、力学計算等により評価を行っているが、いずれも従来からある骨密度を骨質指標とするものであり、より正確かつ迅速に、骨粗鬆症の評価を提供し得る方法はこれまで存在しない。
そこで、本発明の目的は、硬組織についてより精密な評価を行ない、正確かつ迅速に骨粗鬆症の評価を可能とする骨粗鬆症の評価方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、発明者らは、生体内に存在する本来の硬組織の構造に着目し、硬組織の評価について鋭意研究した結果、本発明の骨粗鬆症の評価方法を見出すに至った。
すなわち、本発明の骨粗鬆症の評価方法は、硬組織における結晶の配向性を分析することにより、骨粗鬆症の評価を行うこと特徴とする。
本発明の骨粗鬆症の評価方法の好ましい実施態様において、さらに、骨粗鬆症の原因因子に応じて、骨粗鬆症の評価を行うことを特徴とする。
本発明の骨粗鬆症の評価方法の好ましい実施態様において、原因因子が、原発性骨粗鬆症、又は続発性骨粗鬆症であることを特徴とする。
本発明の骨粗鬆症の評価方法の好ましい実施態様において、硬組織の測定部位が、椎骨、大腿骨、脛骨、前腕骨、上下顎骨、頭蓋骨であることを特徴とする。
本発明の骨粗鬆症の評価方法の好ましい実施態様において、硬組織における結晶の配向性が、正常値と比較して変化が観察される場合に、骨粗鬆症であり骨機能が低下していると判定することを特徴とする。
本発明の骨粗鬆症の評価方法の好ましい実施態様において、前記配向性が、正常値と比較して、上昇する傾向が観察される場合に、原発性骨粗鬆症と判定することを特徴とする。
本発明の骨粗鬆症の評価方法の好ましい実施態様において、前記配向性が、正常値と比較して、減少する傾向が観察される場合に、続発性骨粗鬆症と判定することを特徴とする。
本発明の骨粗鬆症の評価方法の好ましい実施態様において、結晶の配向性を、X線回折法、SEM-EBSP(Scanning Electron
Microscope-Electron Backscattering Pattern)法による各結晶粒の電子後方散乱像の解析によるもの、TEM-DP(Transmission Electron
Microscope-Diffraction Pattern)法による電子線回折図形の解析によるものからなる群から選択される少なくとも1種により分析することを特徴とする。
本発明の骨粗鬆症の評価方法の好ましい実施態様において、X線回折法による分析が、微小領域において行なわれることを特徴とする。
本発明の骨粗鬆症の評価方法の好ましい実施態様において、X線回折法による結晶の回折強度を求めることにより分析すること特徴とする。
本発明の骨粗鬆症の評価方法の好ましい実施態様において、配向性が、ヒドロキシアパタイトの配向性であることを特徴とする。
本発明の骨粗鬆症の評価方法の好ましい実施態様において、さらに、骨量、組織標本の観察、組成分析、赤外線吸光(IR)、分析、硬さ・破壊応力、弾性率等の力学特性測定等の評価を行なうことを特徴とする。
本発明の骨粗鬆症の評価方法の好ましい実施態様において、前記硬組織が、骨切片であることを特徴とする。
本発明の骨粗鬆症の評価方法の好ましい実施態様において、前記骨切片が、骨生検針、ボーンソー、骨のみ、デューエル、鋭匙、切断機等の骨片採取可能な道具からなる群から選択される1種により得られたことを特徴とする。
本発明の骨粗鬆症の評価方法の好ましい実施態様において、前記回折強度又は回折積分強度を、a軸、c軸及び/又はそれら以外の方位に対する配向性に基づき求めることを特徴とする。。
本発明の骨粗鬆症の評価方法の好ましい実施態様において、前記分析を、c軸/a軸、c軸/(a軸及び/又はc軸以外の方位)、c軸/(a軸及び/又はc軸を含む様々な方位)からなる群から選択される少なくとも1種の回折強度又は回折積分強度比を求めることにより行うことを特徴とする。
本発明の骨粗鬆症の評価方法によれば、硬組織の結晶の配向性を評価することにより、硬組織の力学機能の評価を行なうことも可能となり、ひいては、より精密な骨粗鬆症の評価を行なうことができるという有利な効果を奏する。
また、本発明の骨粗鬆症の評価方法によれば、硬組織を破壊することなく評価を行なうことができるという有利な効果を奏する。さらに、本発明によれば、これまでとは異なる骨質指標(配向性)を用いて、骨粗鬆症が原因の診断や骨折リスクが正確に判定できるようになる。また、骨粗鬆症薬の開発が正確に行えるようになるという有利な効果を奏する。さらに、骨粗鬆症薬は多く見出されているが、必ずしも、骨代謝を正常に行うものではないため、配向性を指標とすることで、薬剤投与による骨質の向上が行われているかどうかの判断も可能となる。さらに、体重を骨断面積で割り算した静的な荷重負荷応力と、その部位での配向性とを比較することで、より正確な骨質診断や力学特性の評価が可能となるという有利な効果を奏する。
本発明の骨粗鬆症の評価方法においては、硬組織における結晶の配向性を分析することにより、骨粗鬆症の評価を行う。これは、従来のように骨の体積や密度によってのみ評価する方法では、骨折等のリスクを回避することが困難であり、より精密な評価を提供しようとするものである。
今回本発明者らは、同じ骨量が減少する骨粗鬆症であっても、その原因因子が異なれば骨質指標の配向性が異なることをも見出した。すなわち、本発明の骨粗鬆症の評価方法の好ましい実施態様において、さらに、骨粗鬆症の原因因子に応じて、骨粗鬆症の評価を行うことが可能である。これは原因因子が異なれば、同じ疾患であっても配向性の度合いが異なる場合が存在し、当該原因因子に応じて評価を行えば、より精密な評価を得ることができることからである。骨粗鬆症には代表的に原発性骨粗鬆症と続発性骨粗鬆症があり、前者の代表例は、エストロゲン欠乏で、閉経後の女性において多く見られ、後者は胃を切除して栄養吸収状態が悪くなった場合などに、2次的に起こるものである。したがって、原因因子としては、原発性、又は続発性などを挙げることができる。なお、原発性骨粗鬆症(明らかな原因疾患が見つからないもの)とは、骨粗鬆症の90%以上をしめ、そのほとんどが中高年者に起こる退行期骨粗鬆症である。男女共発症しますが、女性では閉経後に出現し、男性に比べ発症時期が早いため、重症化しやすく骨折などの臨床的な問題を引き起こしやすいので、注意が必要な疾患である。一方、続発性骨粗鬆症とは、バセドウ病、クッシング症候群、重症糖尿病、慢性関節リウマチ、胃の手術、アルコール多飲、ステロイド剤服用などが原因となり発症する骨粗鬆症である。原因疾患の治療が必要であり、原発性骨粗鬆症との区別が重要で事項となる。
なお、本発明の骨粗鬆症の評価方法において、硬組織の測定部位については特に限定されるものではないが、たとえば、椎骨、大腿骨、脛骨、前腕骨、上下顎骨、頭蓋骨を挙げることができる。既に、骨粗鬆症の評価部位として確立されているという観点から、硬組織の測定部位としては、好ましくは、椎骨、大腿骨、脛骨である。
具体的には、硬組織における骨密度や骨量の低下に加え、結晶の配向性が、正常値と比較して変化が観察される場合に、骨粗鬆症であり、骨機能が低下すると判定することができる。配向性は、正常値と比較して、配向性が大きすぎても、小さすぎても良好な再生状態とはいえないのが原則である。例えば、前記配向性が、正常値と比較して、上昇する傾向が観察される場合には、原発性骨粗鬆症の疾患兆候と同様であることから、原発性骨粗鬆症と判定することができる。これに対して、前記配向性が、正常値と比較して、減少する傾向が観察される場合に、続発性骨粗鬆症の疾患兆候と同様であることから、続発性骨粗鬆症と判定することができる。ただし、続発性骨粗鬆症において、原因因子によっては、配向性が上昇する場合も考えられる。
本発明の骨粗鬆症の評価方法においては、上述のような硬組織における結晶の配向方位を決定し、当該配向方位の結晶の配向性を分析することによっても可能である。本発明者らは、生体内の硬組織における結晶は、特定方向に配向していることに着目し、本来の硬組織の配向性と同様の配向性を持つようになれば、よりもとの正常な硬組織の状態に戻すことが可能であることを見出した。すなわち、本発明の骨粗鬆症の評価方法は、正常な硬組織における結晶の配向性を比較しつつ行うことも重要な点の一つである。
結晶の配向性の分析の方法は、特に限定されず、例えば、X線回折法、SEM-EBSP(Scanning Electron
Microscope-Electron Backscattering Pattern)法による各結晶粒の電子後方散乱像の解析によるもの、TEM-DP(Transmission Electron
Microscope-Diffraction Pattern)法による電子線回折図形の解析によるものからなる群から選択される少なくとも1種を挙げることができる。配向性が測定できる回折法であれば、電子線回折でも、中性子線回折でも測定は可能である。硬組織を非破壊的に測定可能であり、試料の作製、準備が容易であり、定量的に配向性を判断できるという観点から、好ましくは、X線回折法を挙げることができる。配向性を小さな部位からより確実に把握するという観点から、X線回折法による分析が、微小領域において行なわれることが好ましい。一般に、微小領域の範囲を特定するよりは、入射X線の径を定義した方が正確である。すなわち、X線と試料表面との角度はある程度変化するので、測定領域を厳密に艇具する事は難しい。一方、測定範囲(微小領域の範囲)は、入射X線径の約3〜5倍といわれている。そこで、入射X線径を用いて好ましい範囲を定めることができる。精度よく小さい部位の配向性を評価するという観点から、入射X線径は10μm〜1mmであり、好ましくは10μm〜100μmである。
結晶の配向方位としては、正常な硬組織と比較することができる程度に特定できれば、特に限定されるものではない。したがって、たとえば、X線回折法、SEM法、TEM法などにより配向性を調べた場合に、最大のピークのものを用いてもよく、2番目、3番目にピークのもの又はそれら以外のものを用いてもよい。これらは、硬組織の性状、骨量、病気の重篤度、長骨、短骨、扁平骨等の硬組織の種類、種々の部位などにより適宜変更修正を加えて、配向方位を特定して比較分析することができる。
したがって、配向方位について特に限定されるものではないが、正常な硬組織と比較して機能を発揮していることを判定するという観点から、配向方位としては、前記硬組織における結晶の配向度のうち最大値もしくは極大値の配向方位配向方位としては、前記硬組織における結晶の配向度のうち最大値もしくは極大値であることが好ましい。
また、好ましい実施態様において、前記硬組織が、骨切片である。骨切片としては、特に限定されるものではないが、骨生検針、ボーンソー、骨のみ、デューエル、鋭匙、切断機等の骨片採取可能な道具からなる群から選択される1種により得ることができる。骨生検針は、従来から広く硬組織の分析に用いられており、当該骨生検針を用いて採取された骨切片を本発明の評価方法へ適用することは、迅速かつ精密な評価を行う上で好ましい態様である。
なお、本発明においては、特に、測定する軸方向がはっきりしない場合にも、評価方法の威力を発揮することができる。したがって、骨生検の場合のほか、測定する軸方向が不明確な骨切片であっても、本発明の評価方法を適用することにより、迅速かつ精密に硬組織の評価を実施することが可能である。
もっとも、より精密に解析を行うことが目的であれば、複数の上記配向方位を決定しそれぞれ比較分析することが望ましいが、手術など迅速性を求められる場合には、いずれか少なくとも1つの配向方位が特定できれば、当該配向方位を分析するのみで、硬組織の迅速な評価を行うことができるので、この点有利である。
また、本発明の硬組織の評価方法の好ましい実施態様において、前記配向方位の決定を、前記硬組織の面内異方性を分析することにより行うことが可能である。これは、資料を回転等させて面内での配向性を連続的に計測することにより、迅速に配向方位を特定しようとするものである。
通常、骨軸方向(骨軸とは、骨にかかる応力を考慮した主要方向を意味する。)に平行に配向する度合いが高い。そこで、例えば、上記のように骨生検針を用いて骨切片を採取した場合には、骨軸が骨生検方向と垂直であることから、採取試料の取り出し軸方向を中心軸とした360度回転可能な冶具の上に設置し、X線回折法などにより、回折情報の連続的なプロファイルを解析することができる。検出器が2次元で、同時検出可能であれば、その解析時間は早まる。ただし、0次元、1次元でも解析時間は必要であるが解析は可能である。また、X線回折法を用いた場合について説明すると、入射X線に対して試料の回転軸を一致させるためには、回転冶具を移動可能なステージ上に固定し、軸合わせを行うことができる。その後180度の回転を行いつつ、最大の配向方位を決定し、その位置での配向度の精密測定を行い、疾患進行度合いを示すデータベース(配向性)と比較することで、疾患程度や、疾患部分を判定することも可能である。2次元PSPC(検出器)を用いると1時間以内での解析も可能となり、手術前の定量的な配向度解析が可能となる。
また、本発明の骨粗鬆症の評価方法の好ましい実施態様において、前記面内異方性の分析が、前記硬組織の骨軸方向と平行な面、又は前記骨軸方向±90度の範囲内の面における面内異方性を分析することにより行う。まず面内についての配向性を分析することにより、迅速に配向方位を特定できるので、かかる観点から好ましい。また、骨の形状が不定形な場合(円柱状でない場合)には、軸を決めて、当該軸を回転させて、回転面内に配向性が高い方位を検出することができる。
また、本発明の骨粗鬆症の評価方法の好ましい実施態様において、X線回折法による結晶の回折強度を求めることにより分析することができる。分析の条件としては、Bragg角度(回折条件を満足するための回折面に対する入射X線と回折X線とのなす角度をいう。)がa軸、c軸の配向性を判断できるように、X線の入射方向と試料表面との角度を設定し、さらに試料揺動を行なう等をあげることができる。
すなわち、正常な硬組織の結晶の回折強度と、再生硬組織等の結晶の回折強度とを比較することにより、再生硬組織や疾患硬組織の状態を評価することが可能となる。これは、本発明の評価方法においては、硬組織の結晶の配向性が、長骨、短骨、扁平骨等の骨の種類、種々の部位等により大きく異なることを利用したものである。
また、本発明の好ましい実施態様において、前記分析を、c軸/a軸、c軸/(a軸及び/又はc軸以外の方位)、c軸/(a軸及び/又はc軸を含む様々な方位)からなる群から選択される少なくとも1種の回折強度比又は回折積分強度比を求めることにより行う。すなわち、分子がc軸であれば、分母がどのようであってもよい。具体的に列記すれば、c軸/(a軸+c軸)、c軸/{a軸+(a軸及びc軸以外の他の方位)}、c軸/{c軸+(a軸及びc軸以外の他の方位)}、c軸/(a軸及びc軸以外の他の方位)、c軸/(a軸、c軸、及びそれら以外の他の方位)、などを挙げることができる。骨粗鬆症の評価をより迅速に行いたい場合には、回折強度比を求めることなく、例えば、a軸、c軸及び/又はそれら以外の方位に対する配向性に基づき回折強度のみをもとめて評価を行ってもよい。X線回折法を用いた場合について、例示すると、(002)/(310)の回折強度比以外に、(002)/{(211)+(112)+(300)}をとる場合、さらに、(002)の回折のみを同じ場所で3次元的に測定し、マッピングする方法(この場合には、3次元全体の回折強度平均を1に規格化し、その最大強度や半値幅をとる)で配向方位を決定してもよい。
回折強度と配向性の関係について補足説明すると、例えば、同条件で得られたX線プロファイルのうち、(002)と(310)面からの回折強度又は回折積分強度は、それぞれa軸、c軸の配向の強さを示すため、その比を取ることで、相対的な配向性が解析可能である。また、他の回折線の強度と比較することで、a軸、c軸及び/又はそれら以外の方向に対する配向性の評価も可能となる。これらの回折強度と配向性を利用して、硬組織代替材料の評価、ひいては骨粗鬆症の評価を行なうことができる。
X線回折法を生体硬組織、再生硬組織、疾患硬組織に適用することで、(1)ヒドロキシアパタイトなどの結晶子の配向性、(2)結晶構造の決定と構成結晶成分の同定、(3)結晶性の評価、(4)結晶子の3 次元的集合組織の評価を併せて行なうことができる。(1)に関しては、 上述のX線プロファイルから、特定の回折面の強度を測定し、その比を取ることで配向性を解析することにより行なう事ができる。(2)に関しては、 回折線の現れる角度(Bragg角)とそれぞれの強度を比較することにより、結晶構造の決定と構成結晶成分の同定を行なう事ができる。(3)に関しては、 各回折線の半価幅を測定することで結晶性の評価が可能である。半価幅は強度が半分となる位置の回折ピークの幅であり、角度の単位である。この幅が大きくなると結晶性が低いことを意味する。なお結晶性は結晶子の大きさと格子歪によって決定され、結晶子が小さく、格子歪が大きい場合に結晶性は低下する(半価幅は大きくなる)。(4)に関しては、 3次元的に評価したい試料方位とX線の入射角度を変化し、多方位から特定回折線の回折強度を測定することによって行うことができる。c軸の配向性を知りたい場合には、Bragg角(2シーター)が、Cu-Kα特性X線を入射X線に用いた場合、26°前後の回折線を用いればよい。
なお、結晶の配向とは、通常、高分子固体を構成する単位組織(微結晶)が一定方向に配列することをいう。配向には、ポリエチレンフィルムに見られる面配向(例えば、c軸がフィルム面内にあって、それ以外には配向性がないもの。)、一軸配向(c軸が繊維方向に配向するもの。)、木綿、麻に見られるらせん配向(c軸が繊維配向と一定の傾きを持つもの。)、さらに二重配向(ある結晶面が繊維軸を含む一定の面に平行なもの。)などがある。したがって、正常な硬組織の配向性及び硬組織代替材料の配向性を調べて、両者を比較することにより骨粗鬆症の評価を行なうことができる。
例えば、硬組織の代表的な成分であるヒドロキシアパタイトの配向性を調べ、正常なものと再生中、疾患のものとを比較することにより、硬組織を評価することができる。
また、本発明の骨粗鬆症の評価方法において、さらに、骨量、組織標本の観察、組成分析、赤外線吸光(IR)分析、硬さ・破壊応力、弾性率等の力学特性測定等の評価
を行なうことができる。骨量、組織標本の観察など従来の評価方法と、本発明の骨粗鬆症の評価方法と併用することによって、より高精度で、緻密な骨粗鬆症の評価を行なうことが可能となる。
ここで、本発明の一実施例を説明するが、本発明は、下記の実施例に限定して解釈されるものではない。また、本発明の要旨を逸脱することなく、適宜変更することが可能であることは言うまでもない。
実施例1
本実施例においては、ラットについて、骨粗鬆症の骨密度の測定部位である椎骨を用いて、頭尾軸方向に沿ったアパタイトc軸方向の配向性を微小領域X線回折法で調べた。
SDラットメス6週齢のものを利用し、4群にわけ実施した。一群は6匹とする。実験室には5週齢のものを持ち込み、1週間飼育室になじませた後、実験をスタートする。その時点で、犠牲死させることでベースラインのデータを取る。手術は、OVX(卵巣摘出)or Sham(偽手術)オペか否か、通常食(RCa)であるか低Ca(LCa)食を与えるかでわけ、4群とした。オペ後LCa食に関しては、1ヶ月と3ヶ月で解析した。RCaについては、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月(図1中の1M、3M、6Mに相当。)で解析した。1ヶ月のカウントは4週、つまり28日。大阪大学動物実験委員会の許可の元で実施している。
次に、骨粗鬆症に伴う配向性の変化を調べた。図1に配向性の変化の様子を示す。図中、RCaが通常の餌を与えたもの、LCaが低Caの餌を与えたもの、Shamは開腹手術だけを行なう偽手術を行なったもの、OVXは開腹後卵巣摘出手術を行なったものである。
本実施例では、ラット第5腰椎(L5)を利用している。手順は以下のとおりである。断面をダイヤモンドカッターでカットし、エメリー紙で研磨し、加工ダメージや切断面の凸凹をなくす。解析部位は腰椎骨の前方方向の頭尾軸に荷重の強く負荷する方位とする。微小領域X線回折法で揺動(頭尾軸方向から約10°のまでの範囲)させながら、50μmφのX線(Cu−Kα特性X線)を利用して、約250μmφの領域でのX線回折情報を検出する。ここで示すパラメーターは(002)/(310)の回折強度比で、無配向のとき約2である。成長とともに、正常椎骨の配向性は、変化するが、大きくは変わらず、6週では約9(baseline)、それ以降も10前後で推移する。通常食を与えたものは(餌、水の摂取は自由)、卵巣摘出(OVX)により、緩やかに配向性が変化する。3ヶ月程度から顕著になり、6ヶ月では統計学的有意差(student-t検定、有意水準P<0.05)が現れるようになる。一方、LCa食を与えた場合は、1ヵ月後でさえ有意に配向性が低下し、その傾向は、3ヶ月でも続く。OVXした場合も、LCa食の影響が強く出て、配向性は低下している。つまり、疾患の要因によって、配向性は低下する場合と、上昇する場合がある。単なる骨密度の低下だけではなく、骨粗鬆症は配向性の観点から見ると随分要因によって異なっている。正常値からこの値が外れると、上昇する場合でも、低下する場合でも、力学的な特性は変化するといえる。上昇すると、頭尾軸方向への力学的な特性は増す(骨密度が一定の場合)と考えられるが、それ以外の方向からの荷重には弱くなる(配向性が特定方向に上昇した分、他の方向への配向度が減るため)。一方、頭尾軸方向の配向性が低下すると、その方向への負荷に対して力学特性が低下する。
以上の結果から、以下の事項が考察される。すなわち、今回の場合には、Ca欠乏食(LCa)を与えたもので、骨粗鬆症で骨の断面積が低下し、負荷される応力(単位断面積に負荷される荷重)は上昇したにもかかわらず、配向性は低下した。発明者らの見解では、正常な(正常に代謝が行なわれ、骨が構築されている)場合には、応力の大きさに応じて、配向性が上昇し、ヤング率が上昇し、ひずみにくくなり、骨折しにくくなるというメカニズムをとるものとデータから考察される。もちろん、これは一つの方向を基準にした場合であるので、OVX(卵巣摘出)したラットでは、骨断面積が低下した分、一方向に配向性を上昇させ、何とかそちらの力学特性を保とうとするが、それ以外の方向からの変動的な応力が負荷された場合には、弱くなると考えられる。しかしこの場合には、骨粗鬆症の進行がマイルドで、確かに骨粗鬆症は進行し、骨の量が低下し、太さは低下するが、何とか外部からの力学的負荷に対応しようと試みていることになる。
一方、Ca欠乏食の場合、栄養が供給されないこととともに、応力を骨の中に埋まって、周囲の応力(ひずみ)分布を感じているはずのオステオサイト(骨細胞と日本語では呼び、主要骨系細胞3種の1種、ちなみに他の骨系細胞は、破骨細胞(骨を溶解する)、骨芽細胞(骨を形成する))が死亡している例が多く見られる。この原因は不明であるが、応力(ひずみ)を感知している細胞がいなくなるので、配向化するための命令も出せなくなり、配向がランダム化していくものと考えられる。実はこの知見は、配向性を決定しているのが、応力感受細胞であるオステオサイト(骨細胞)であることを証明していることにもなる。このように、この場合にはオステオサイトに問題があるが、何らかの理由で、骨系細胞の機能に問題が生じた場合には、当然配向性は変化することが考えられる。
実施例2
次に、静的負荷応力に対する骨密度の変化を調べた。図2は、配向性を測定した腰椎部位における骨密度と静的負荷応力の関係を示す。静的負荷応力は体重を骨断面積で割り算した値を用いることで、対象とする部位における負荷応力を推算している。一般に骨は、外部からの応力の負荷に強く依存することから、外部からの応力を考慮することが重要である。特に、餌の成分が異なったり、卵巣摘出を行なった場合には、体重の変化が激しいためこういった評価が重要になるものと考える。骨密度を見た場合には、正常なモデル(Sham-RCa)に比べ、OVX、LCaとも低下傾向にある。LCaの方が、静的負荷応力に対して、密度の低下傾向が急激であり、骨粗鬆症の進行が早いことを示す。今注目しているのは、皮質骨部だが、海綿骨部でも同様の骨密度の低下や、骨梁(はり構造)そのものの変化がよく知られている。上記の結果は、今回のモデルが骨粗鬆症となっていることを示しており、程度の差はあれ、密度は低下する方向にあることを示す。一方で、先ほど述べたように、配向性は低下する場合と上昇する場合とがあり、いずれも正常値からは変化することがわかる。
実施例3
次に、静的負荷応力に対する配向性の変化を調べた。図3は、静的負荷応力と配向性との関係を示す。OVXでの骨粗鬆症は、静的負荷応力を考えた場合には、正常な場合の延長線上に乗ってくることから、配向性の上昇は、骨粗鬆症による静的負荷荷重の増加によるものであるといえる。しかしながら、配向性が変化することで、骨粗鬆症の診断は可能であるし、力学的特性の低下(変動荷重による他方向へ力がかかった時)へとつながる。一方、LCa食を与えた時には静的負荷応力が上がっても配向性は低下する一方である。これは要因によって、同じ骨粗鬆症でも、配向性の変化状況が異なることを示すものである。特に静的負荷応力を指標とすることで、異なる体重や骨状況の違いをも規格化することができることが判明した。
実施例4
次に、骨量(骨密度)と骨質のバランス(評価基準)について調べた。結果を図4に示す。
ここでは、骨の健全性を考える場合、骨量(骨密度)と配向性とのバランスを提案した。OVXの場合には、骨密度が低い代わりに、配向性の上昇で補おうとする状態で、健全な状態とはいえない。LCaでは、論外で、密度が低下するだけでなく、配向性まで低下してしまう。これはこの場合の骨粗鬆症の大きな要因が、応力感受細胞の死亡によるためである。正常値は週齢(年齢)によって変化するが、正常値との比較によって、骨の健全性が理解できる。この骨密度と配向性との関係の表は他疾患でも役に立ち、本発明者らの独自の評価法である。
以上の結果から、骨折リスクとの関連について以下の点言及することができる。すなわち、図3から、Sham-RCaは右上がりであり、これは応力増加とともに、配向性が上昇している正常な対応、RCa-OVXは、応力に対して配向性は上昇しているのがわかる。ただしこの場合には、密度や骨断面積が低下していますので、そちらを考慮すれば、骨折リスクに対して問題があることがわかる。後の2群はいずれもLCaを与えたもので、OVXの有無に関わらず、右下がりになっている(もしくは平行)。これは、配向性が正常に対応していないことを示し、この図を使うと、重要な因子である応力負荷とそれに対する対応がわかり(力学機能適応)、正常な対応をしているかどうかがわかる。特に、投薬の判定には、むしろ骨密度と配向性を同時にプロットしたものが便利である。この場合には、OVX-RCaでは、骨密度が上昇する代わりに、配向性が上昇する様子も見られる。
実施例5
次に、骨再生部の骨密度と配向性の変化を調べた。骨密度ー配向性の関係(ウサギ前腕骨尺骨に2cmの完全欠損を入れた場合)を見た場合、正常な状態(Normal)に戻るまで、骨密度が先に回復し、遅れて配向性が回復する。したがって、例えば12W(週)で、骨量基準のレントゲンを撮影した場合、再生は良好と判断されるが、実際には配向性が回復しない。なぜ配向性が遅れて回復するかは、再生部は骨密度が低く応力が正常に感知できないため、先ずは、密度だけが上昇し、だんだん密度が上がり応力を感知できるようになると、配向性が上昇するからであると推測される。その際、破骨細胞によって、骨を溶かし、骨芽細胞によって骨を作る作業をすることで、配向性が上昇する。
実施例6
次に、骨密度が一定の場合の骨再生部での配向性とヤング率(力学機能の一種、弾性率)の関係を調べた。図6は、骨密度が一定の場合の配向性とヤング率(力学機能の一種、弾性率)の関係を示す。
本実施例では、ウサギのモデルを用いて、尺骨に1cmの完全欠損をいれ、わざといびつな形状に再生させた。20週再生後なので、骨密度はほぼ一定値になっているが、骨断面積が違うので、場所にかかる骨軸に沿った応力が異なり、結果として、再生部に出来上がる配向性が異なっている。それを受けて、ヤング率も異なり、配向性が高い部分でヤング率は高く、配向性が低い部分でヤング率は低い様子がわかる。つまり配向性とヤング率との相関が示されることから、配向性が変化するとヤング率(力学機能、最終的には骨折リスク)も変化することが証明されている。
配向性とヤング率との関係については、図7に示す。この図から、配向性とヤング率との間には、統計学的に有意な正の相関関係が認められる。
したがって、配向性を骨質指標とすることで、力学機能の検証も可能となり、さらに骨密度(骨量指標)を加えることでさらに精密な解析が可能になる。尚、一連の骨密度は単純なDEXA(二重X線法:面に投影した際の骨密度)等ではなく、配向性を測定した部位と同じ位置で、pQCT(定量CT)によって単位体積あたりの骨密度を算出(解析)した。
以上の結果、骨密度、配向性、体重、骨断面積等を解析することで、正確な骨粗鬆症の要因が理解できる。配向性は、ヤング率とも関係することから、配向性の低下は、骨折頻度の増加につながる(ひずみやすくなるため)ことが判明した。また、骨断面積が低下し、配向性が上昇する場合(OVX:マイルドな骨粗鬆症)には、変動荷重に対する骨折リスクが高まることも判明した。
評価の方法としては正常な椎骨(その他の骨部位でもOK)の配向性と骨密度を測定し、正常値から変化が見られた場合、疾患であると判定される。OVXでは、配向性は上昇し、Ca欠乏食では低下する。いずれも、正常値からのずれにより骨折リスクは上昇する。これまで、密度だけに頼っていた評価を、配向性を加味することにより、骨粗鬆症原因に応じた判定が可能になることが判明した。
骨折リスクに関しては、骨量(骨体積、骨密度、形状など)と骨質(配向性は中でも重要な因子)によって決定付けられると考えられる。通常は、骨量しか見ていないので、投薬によって骨量が増加すれば骨折リスクが抑えられると考えられていたが、実際には、骨量が保たれても骨折リスクが上昇しない例が多くある。そのため、骨質の指標としての配向性が重要である。なぜなら、例えば骨密度が同じであっても、特定方向への配向性が異なれば、特定方向へ一定応力をかけた際のひずみ量が変わるからである。当然ひずみ量が多くなれば骨折しやすくなると材料学的に推測可能である。したがって、配向性だけで物事を考えることは困難であるものの、同じ骨量、骨密度であれば、配向性が正常に近い方が骨折リスクは低いと判断できる。したがって、投薬によって配向性が正常なものに戻れば、骨折リスクは低減すると判定可能である。ただし、配向性だけ上がって、骨密度や骨の断面積(太さ)が小さい場合には、骨折リスクは低減されないことも考えられる。
また、マイルドに症状が変化する骨粗鬆症の場合(OVX)には、配向性は上昇し、骨断面積は低下する。これは、生体内での外部からの応力に対する最大の抵抗であると考えられる。適切な骨密度、配向性の条件は、成長とともに変化するので、成長の程度や、体重/骨面積などもひとつの評価指標とすることができる(OVXした場合には、正常な場合よりも、脂肪量が増え体重が増加する)。
以上のように、卵巣摘出(OVX)とCa欠乏食を与えたラットを用いて、配向性に及ぼす影響を調べ、その結果、いずれの場合も正常値から大きく配向性が変化すること、さらに原因に応じて配向性の変化方向が異なることを見出した。さらに、配向性は、骨の力学機能であるヤング率とも相関することから、骨粗鬆症の配向性を理解することで、骨折リスクまで、推定できることが判明した。
本発明の骨粗鬆症の評価方法によれば、硬組織疾患の治療や再生医歯学分野(特に、整形外科学、脳外科学、歯学)や基礎医学の分野への貢献が期待できる。
図1は、骨粗鬆症に伴う配向性の変化を示す。 図2は、静的負荷応力に対する骨密度の変化を示す。 図3は、静的負荷応力に対する配向性の変化を示す。 図4は、骨量と骨質とのバランスを示す。 図5は、骨再生部の骨密度と配向性の変化を示す。 図6は、骨密度一定時の骨再生部の配向性とヤング率との関係を示す。 図7は、骨密度一定時の骨再生部の配向性とヤング率との相関関係をグラフにしたものである。

Claims (16)

  1. 硬組織における結晶の配向性を分析することにより、骨粗鬆症の評価を行うこと特徴とする骨粗鬆症の評価方法。
  2. さらに、骨粗鬆症の原因因子に応じて、骨粗鬆症の評価を行う請求項1記載の方法。
  3. 前記原因因子が、原発性、又は続発性である請求項1又は2項に記載の方法。
  4. 硬組織の測定部位が、椎骨、大腿骨、脛骨、前腕骨、上下顎骨、頭蓋骨である請求項1〜3項のいずれか1項に記載の方法。
  5. 硬組織における結晶の配向性が、正常値と比較して変化が観察される場合に、骨粗鬆症であり骨機能が低下していると判定する請求項1〜4項のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記配向性が、正常値と比較して、上昇する傾向が観察される場合に、原発性骨粗鬆症と判定する請求項5記載の方法。
  7. 前記配向性が、正常値と比較して、減少する傾向が観察される場合に、続発性骨粗鬆症と判定する請求項5記載の方法。
  8. 結晶の配向性を、X線回折法、SEM-EBSP(Scanning Electron
    Microscope-Electron Backscattering Pattern)法による各結晶粒の電子後方散乱像の解析によるもの、TEM-DP(Transmission Electron
    Microscope-Diffraction Pattern)法による電子線回折図形の解析によるものからなる群から選択される少なくとも1種により分析することを特徴とする請求項1〜7項のいずれか1項に記載の方法。
  9. X線回折法による分析が、微小領域において行なわれることを特徴とする請求項1〜8項のいずれか1項に記載の方法。
  10. X線回折法による結晶の回折強度又は回折積分強度を求めることにより分析すること特徴とする請求項1〜9項のいずれか1項に記載の方法。
  11. 配向性が、ヒドロキシアパタイトの配向性である請求項1〜10項にいずれか1項に記載の方法。
  12. さらに、骨量、組織標本の観察、組成分析、赤外線吸光(IR)、分析、硬さ・破壊応力、弾性率等の力学特性測定等の評価を行なう請求項1〜11項のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記硬組織が、骨切片である請求項1〜12項のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記骨切片が、骨生検針、ボーンソー、骨のみ、デューエル、鋭匙、切断機等の骨片採取可能な道具からなる群から選択される1種により得られたことを特徴とする請求項1〜13項のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記回折強度又は回折積分強度を、a軸、c軸及び/又はそれら以外の方位に対する配向性に基づき求める請求項10記載の方法。
  16. 前記分析を、c軸/a軸、c軸/(a軸及び/又はc軸以外の方位)、c軸/(a軸及び/又はc軸を含む様々な方位)からなる群から選択される少なくとも1種の回折強度又は回折積分強度比を求めることにより行う請求項8〜10項のいずれか1項に記載の方法。

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