JP2007300866A - 平面パッチクランプ用支持体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】凹条部を有する第1基材を作成する第1ステップと、
前記第1基材の前記凹条部を覆うように前記第1基材に第2基材を当着して、中空部を有する複合基材を作成する第2ステップと、
前記中空部の軸線と交わる面で前記複合基材をスライスする第3ステップと、
からなる平面パッチクランプ用支持体の製造方法。
【選択図】図5
Description
そこで本発明は、均一な形状の孔を有する平面パッチクランプ用支持部材の製造方法を提供し、安定した測定に寄与することを目的とする。
凹条部を有する第1基材を作成する第1ステップと、
前記第1基材の前記凹条部を覆うように前記第1基材に第2基材を当着して、中空部を有する複合基材を作成する第2ステップと、
前記中空部の軸線と交わる面で前記複合基材をスライスする第3ステップと、
からなる平面パッチクランプ用支持体の製造方法である。
本発明の平面パッチクランプ用支持体の製造方法における第1ステップでは、凹条部を有する第1基材を作成する。凹条部を作成する方法は、鋳造、エッチング、切削などを公知の方法を採用することができる。鋳造により行う場合は、凸条部を有する鋳型部材を使用する。このとき鋳型部材はシリコンウェハーであることが好ましい。シリコンウェハーはリソグラフィやプラズマ照射などのシリコン微細加工技術により、高精度の微細加工を施すことができるため、高精度の鋳型とすることができるからである。また、直線状の切込みにより凹条部を形成することもできる。この方法によれば、簡易に凹条部を作成することができる。凹条部の形状は、任意の形状を採用することができる。例えば、その横断面において、四角形、三角形、円形、楕円形、又はこれらを組み合わせた形状、或いはこれらの一部の形状とすることができる。凹条部はそれが連続する方向に一定の形状であってもよいし、その一部の領域の断面形状が他の領域の断面形状と異なっていてもよい。凹条部の大きさは特に限定されないが、単一チャネルのコンダクタンスを測定することを考慮すれば、0.05〜50μm、好ましくは0.05〜10μm、さらに好ましくは0.05〜5μmとする。なお、第1基材は複数の凹条部を備えていても良い。
ステップS1において、第1基材11は鋳型12を使用して成型する。第1基材11と鋳型12の模式図を図2に示す。第1基材11の材質はPDMSである。鋳型12はシリコンウェハー製である。鋳型12の上面には凸条部12aが一般的なエッチングプロセスによって成形されている。凸条部12aは幅800nm、高さ800nmである。第1基材11の成形は、未重合のPDMSを鋳型12の上に流し込み65℃に加熱して重合を促進させて固化させる。このとき、鋳型12の周囲には第1基材11の側壁を規定するケース(図示せず)が設けられているも者とする。これにより、鋳型12を鋳型として凹条部11aを有する第1基材11が形成される。
ステップS2において使用する第2基材13の材質は、第1基材11と同様にPDMSである。第1基材11と第2基材の模式図を図3に示す。第1基材11と第2基材13との対向面にはそれぞれプラズマ処理され、汎用的な接着材で接着される。これにより複合基材14が作成される。図4に複合基材14の模式図を示す。第2基材13の第1基材11側の面13aは平面となっており、これと凹条部11aとにより複合基材14の中空部14aが形成される。
ステップS3において、複合基材14は、中空部14の軸線14c(図4において破線で示す)に垂直な方向に、200μmの厚さにスライスされ、平面パッチクランプ用支持体15が作成される。平面パッチクランプ用支持体15(以下、「支持体15」ともいう)は、中空部14に由来する孔15aを備える。図7に孔15aの顕微鏡写真を示す。孔15aの形状は、約800nm四方の正方形で、深さが200μmである。孔15aの断面形状は、深さ(奥行き)にかかわらず約800nm四方の正方形で一定であって、そのアスペクトレシオは250である。
イオンチャネル17が機械受容イオンチャネルであれば、そのチャネル活性の変化を詳細に測定することができる。支持体15に引張力(ストレッチ)をかけると、これに伴って生体膜にストレッチがかかる。これにより、イオンチャネル17のチャネル活性が変化する。これをパッチクランプにより電気生理学的に測定することができる。図9に孔15a付近の拡大模式図を示す。支持体15に引張力がかかると、孔15aは例えば、図9の紙面左右方向(矢印で示した方向)に広がることとなる。これにより、ギガシールを形成している生体膜16aへも同様に引張力がかかる。この引張力はイオンチャネル17に連結されたアクチンフィラメント18により、シグナルとしてイオンチャネル17に伝えられる。かかるシグナルを受けたイオンチャネル17はそのチャネル活性が変化し、例えば、そのチャネルポアが開き特定のイオンが取り込まれることとなる。なお、本実施例では、測定対象として機械受容イオンチャネルを挙げたが、これに限定されず、様々イオンチャネルを測定対象とすることができる。
凹条部を有する第1基材を作成する第1ステップと、
前記第1基材の前記凹条部を覆うように前記第1基材に第2基材を当着して、50μm以下の径の中空部を有する複合基材を作成する第2ステップと、
前記中空部の軸線と交わる面で前記複合基材を、前記中空部の径の10倍以上の幅でスライスする第3ステップと、
からなる高アスペクトレシオの細孔を有するプレートの製造方法である。
本明細書の中で明示した論文、公開特許公報、及び特許公報などの内容は、その全ての内容を援用によって引用することとする。
11a 凹条部
12 鋳型
12a 凸条部
13 第2基材
14 複合基材
14a 中空部
15 平面パッチクランプ用支持体
15a 孔
Claims (5)
- 凹条部を有する第1基材を作成する第1ステップと、
前記第1基材の前記凹条部を覆うように前記第1基材に第2基材を当着して、中空部を有する複合基材を作成する第2ステップと、
前記中空部の軸線と交わる面で前記複合基材をスライスする第3ステップと、
からなる平面パッチクランプ用支持体の製造方法。 - 前記第1基材及び前記第2基材が、ポリジメチルシロキサン(PDMS)からなる、請求項1に記載の平面パッチクランプ用支持体の製造方法。
- 前記第1ステップにおいて、前記第1基材の前記凹条部は、凸条部を有する鋳型部材を鋳型として作成する、請求項1に記載の平面パッチクランプ用支持体の製造方法。
- 前記鋳型部材はシリコンウェハーからなる、請求項3に記載の平面パッチクランプ用支持体の製造方法。
- 凹条部を有する第1基材を作成する第1ステップと、
前記第1基材の前記凹条部を覆うように前記第1基材に第2基材を当着して、50μm以下の径の中空部を有する複合基材を作成する第2ステップと、
前記中空部の軸線と交わる面で前記複合基材を、前記中空部の径の10倍以上の厚さでスライスする第3ステップと、
からなる高アスペクトレシオの細孔を有するプレートの製造方法。
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JP2006133193A JP4899051B2 (ja) | 2006-05-12 | 2006-05-12 | 平面パッチクランプ用支持体の製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009088088A1 (ja) * | 2008-01-10 | 2009-07-16 | The University Of Tokyo | 微量の生物学的材料を取り扱うための器具及び方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07214711A (ja) * | 1994-01-31 | 1995-08-15 | Matsushita Electric Works Ltd | ハニカムパネル及びハニカムパネル製造法 |
WO2001059447A1 (en) * | 2000-02-11 | 2001-08-16 | Yale University | Planar patch clamp electrodes |
-
2006
- 2006-05-12 JP JP2006133193A patent/JP4899051B2/ja active Active
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH07214711A (ja) * | 1994-01-31 | 1995-08-15 | Matsushita Electric Works Ltd | ハニカムパネル及びハニカムパネル製造法 |
WO2001059447A1 (en) * | 2000-02-11 | 2001-08-16 | Yale University | Planar patch clamp electrodes |
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WO2009088088A1 (ja) * | 2008-01-10 | 2009-07-16 | The University Of Tokyo | 微量の生物学的材料を取り扱うための器具及び方法 |
JP5557137B2 (ja) * | 2008-01-10 | 2014-07-23 | 国立大学法人 東京大学 | 微量の生物学的材料を取り扱うための器具及び方法 |
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JP4899051B2 (ja) | 2012-03-21 |
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