JP2007296207A - 自己処理型のトイレ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】清潔で使用しやすく、簡単な構造で、運搬や組み立てが容易である自己処理型のトイレ装置の提供。イベント会場、観光地、山小屋、各種船舶などに設置でき、また、地震などの緊急事態発生時に仮設して活用できる簡易トイレ装置である。
【解決手段】排出された糞尿を処理する汚物槽内に好適活動温度域が80℃以上である好気性高温菌を種菌とする発酵生成物を収納してある自己処理型のトイレ装置。汚物槽の上方にその開口部と連通する便座を設けてあると共に、汚物槽は槽内の発酵生成物を攪拌可能な構造にすることが好ましい。また、好適活動温度域が80℃以上である好気性高温菌として産総研の特許生物寄託センターに寄託してある「YM菌」(登録商標)を使用することが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は自己処理型のトイレ装置に関する。詳しくは、便槽(汚物槽)に排出された糞尿を装置内で浄化し、装置外へ汚物を排出しないトイレ装置に関する。自己処理型のトイレ装置は、従来から臨時に設置する簡易トイレや仮設トイレ、また、船舶のトイレなどに必要とされているが、従来の簡易トイレや仮設トイレは、いずれも浄化能力が十分でないので、自己処理型とは言いがたい。本発明は、十分な浄化能力を有し、清潔で使用しやすく、簡単な構造の自己処理型のトイレ装置に関するものである。
地震などの災害発生時に、また、平時では観光地やイベント会場など一時的に多数の人が集まる場所に仮設するのに適した、清潔で使用しやすく、構造が簡単な自己処理型のトイレの開発が要望されている。現在、IPDLに「簡易トイレ」と入力すると100余件の公開特許公報が検出され、また、「仮設トイレ」と入力すると60余件の公開特許公報が検出される状況にある。この事実は、自己処理型のトイレの開発に関心が集まっていることを示すと同時に、使用しやすい簡易トイレ装置や仮設トイレ装置が未だに開発されていないことを示すものである。事実、盛り場などに設置されている自己処理型のトイレ装置は、いずれも浄化能力が不十分であり、清潔で使用しやすいものは皆無であると言っても差し支えない状況にある。
また、環境汚染防止の一環として、船舶からの糞尿の海中投棄が近々禁止されることになった。このため、従来は糞尿をそのまま河や海に廃棄していた各種船舶、特に釣り船、屋形船、レジャー用ヨットなどの小型船舶で、簡易な自己処理型のトイレ装置が必要とされている。
清潔で使用しやすい自己処理型のトイレ装置の条件としては、まず「排出される多量の糞尿(排便)を貯留させないで装置内で浄化処理を完結できること」が挙げられ、次いで「排便の臭気を残さないこと」が必要である。さらに「簡単な構造であって、運搬や組み立てが容易であること」も重要な要件である。
本発明者らは、永年の間、有機性廃棄物や汚水の浄化処理を業として手がけており、しかも、本発明者らの一人が有機性廃棄物の発酵処理にきわめて有用な「YM菌」(登録商標)を開発したことから、自己処理型のトイレ装置に関心を持ち、清潔で使用しやすく、簡単な構造の簡易トイレや仮設トイレを開発すべく、まず、特許公報を調査した。その結果、上記の事実が判明したが、以下の参考公報を入手できた。
特開2001−120460号公報 特開2000−308599号公報 特開2001−204651号公報 特開2002−238803号公報 特開2001−327434号公報 特開2001−346716号公報 特開2003−235759号公報 特開平10−179447号公報 特開2005−058633号公報
これら特許文献を総合すると、従来の自己処理型のトイレ装置(仮設トイレや簡易トイレと称されるものを含む。)は、排出された糞尿を微生物の力によって分解処理する方法を採るものであって、以下の構造のものが多い。すなわち、
(1)洋式又は和式の便座を、糞尿を処理する汚物槽の開口部に連通するように汚物槽の上方に設けてあること
(2)汚物槽内には、微生物を担持したチップ部材やおが屑を収納してあること
(3)汚物槽は攪拌装置を備えてあり、槽内のチップ部材を外部電源又はバッテリーを用いて攪拌可能な構造にしてあること
(4)微生物を活性化するため、チップ部材を加温する加熱装置(ヒーター)を設けてあること
しかしながら、上記構造の自己処理型のトイレ装置には以下の問題がある。すなわち、(イ)汚物槽内の糞尿を「微生物を担持した多量のチップ材やおが屑」で分解処理することにしてあるが、用いる微生物やチップ材の種類・名称を具体的に示したものは皆無である。例えば、特許文献9では、便槽内に希釈した微生物消臭剤を5〜10%充填するのみで、攪拌・混合装置を必要とせず、糞尿などの有機物が投入されると消臭剤希釈液を吸収したチップ材中の微生物によって分解され、臭気のない衛生的なトイレを提供できる旨を謳っているが、微生物として発酵熱40℃程度の好気性菌を使用することが推察されるだけである。すなわち、これら特許文献は、いずれも、有機性廃棄物は微生物によって分解処理できるという理論だけに基づいて作られたものにすぎない。そのため、試作・試用によって出願に係るトイレの実効を確認することができない。
(ロ)攪拌を繰り返すことによって汚物槽内のチップ材やおが屑が破砕して粉末化することが避けられない。そのため、消耗したチップ材やおが屑を除去し、新しいチップ材などを補給する必要がある。
(ハ)汚物槽の攪拌装置やチップ材などの加温装置の駆動用にモーターやバッテリーを装備する必要があるので、装置全体の構造が複雑になると共に、維持経費を要することになる。また、外部電源を必要とするものは、自ずと設置場所が限定されてしまう。なお、ソーラー電源方式に言及しているものもあるが、机上の空論というか、実用化にはほど遠いものばかりである。
(ニ)加熱によって微生物を活性化することを謳っているが、汚物槽内を30〜40℃程度に昇温させるにすぎず、この程度の温度では汚物の分解に有効であるとは言いがたい。
このような状況から、現実の問題として、真に有用な自己処理型のトイレ装置は未だ開発されていない。本発明者らは、従来の簡易トイレ装置や船舶のトイレ装置の問題点を改善し、地震などの緊急事態発生時に活用できる、清潔で使用しやすい自己処理型のトイレ装置を開発することを志向し、鋭意研究の結果、本発明を完成するに至った。
上記の状況に鑑み、本発明は、清潔で使用しやすく、簡単な構造の自己処理型のトイレ装置を提供することを第1の課題とする。また、運搬や組み立てが容易であり、電源やバッテリーを必要としない自己処理型のトイレ装置を提供することを第2の課題とする。さらに本発明は、平時においてイベント会場や観光地など一時的に多数の人が集まる場所や汚物の排出が不便な山小屋や船舶に設置できることは勿論、地震などの緊急事態発生時などに現場近くに仮設して活用できる自己処理型のトイレ装置を提供することを第3の課題とする。
上記の諸課題を解決するための本発明のうち特許請求の範囲・請求項1に記載する発明は、排出された糞尿を処理する汚物槽内に、好適活動温度域が80℃以上である好気性高温菌を種菌とする発酵生成物を収納してある自己処理型のトイレ装置である。
また、同請求項2に記載する発明は、汚物槽の上方にその開口部と連通する便座を設けてあると共に、汚物槽は槽内の発酵生成物を攪拌可能な構造にしてある請求項1に記載の自己処理型のトイレ装置である。
また、同請求項3に記載する発明は、汚物槽の上方にその開口部と連通する廃棄物投入口を便座とは別に設けてある請求項2に記載の自己処理型のトイレ装置である。
また、同請求項4に記載する発明は、下記の菌群から選ばれる少なくとも1種以上の好気性高温菌を種菌とする発酵生成物を発酵槽内に収納してある請求項1から3のいずれかに記載の自己処理型のトイレ装置である。

独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター受託番号FERM P-15085、
同FERM P-15086、同FERM P-15087、同FERM P-15536、同FERM P-15537、
同FERM P-15538、同FERM P-15539、同FERM P-15540、同FERM P-15541、
同FERM P-15542、同FERM P-18598、同FERM P-19412、同FERM P-19413、
同FERM P-19414、同FERM P-19415
本発明は、上記構成の自己処理型のトイレ装置であるから、汚物槽内の糞尿は、化学薬品などを一切用いることなく、好適活動温度域を80℃以上とする好気性高温菌の強力な分解・脱臭作用によって、雑菌を死滅させ、糞尿が排出されるたびに直ちに分解できる。そのため、汚物槽には臭気が残らず、常に清潔に維持することができる。また、汚物処理材として発酵時に発熱する好気性高温菌の発酵生成物を用いるため、ほとんど加熱する必要がない。そのため、汚物槽としてドラム缶又はこれを半裁したものやペール缶などを用いることができ、外部電源もバッテリーも必要としないため、構造を簡単にできる。さらに、構造が簡単であるから、どこにでも設置することができ、運搬や組み立てもいたって簡単であるから、例えば、病院や工場などに仮設することができる。また、平時にはイベント会場など一時的に多数の人が集まる場所に仮設することができる。また、地震などの災害発生時や緊急事態においても大いに活用できる。さらに、釣り船や屋形船やレジャー用ヨットなどの船舶用トイレとしても活用できる。
本発明のトイレ装置の汚物槽に収納してある好気性高温菌を種菌とする発酵生成物は、通常はさらさらとした粉末状であるため、汚物槽内を攪拌するとしても、きわめて容易に攪拌できる。また、この発酵生成物は、何回攪拌してもチップ材のように消耗することがなく、かえって空気との接触が強化されるので活性化される。そのため、本発明に係るトイレ装置は長期の使用継続が可能である。
本発明のトイレ装置の汚物槽に収納してある好気性高温菌を種菌とする発酵生成物は、好適活動温度域を80℃以上とする好気性高温菌を種菌とする発酵生成物であるから、最初に30〜40℃程度まで加熱すると発酵生成物中に含まれている好気性高温菌が速やかに活性化され、80℃以上から100℃を越えて昇温し、強力に糞尿を分解する。また、自力で発酵を開始し、昇温し始めている発酵生成物を少しだけ加熱すると、発酵生成物中に含まれている好気性高温菌が速やかに活性化し、80℃以上から100℃を越えて昇温し、強力に糞尿を分解する。
本発明を実施するための最良の形態
本発明において、自己処理型のトイレ装置とは、汚物槽に排出された糞尿や有機廃棄物を装置内で浄化し、装置外へ汚物を排出しないトイレ装置のことである。すなわち、自己処理型のトイレ装置では、糞尿や有機廃棄物は、例えば肥料原料のような有用物に変換されて排出される。
本発明で用いる好気性高温菌とは、高温で活動する好気性バクテリア、すなわち、空気の存在する高温下で活発に活動する微生物のことをいう。本発明では、好気性高温菌であれば菌種を問わず使用できるが、好適活動温度域、すなわち、発酵作用など菌の活動に好適な温度帯が80℃以上、好ましくは85℃以上である好気性高温菌(好気性超高温菌と称されることもある。)を用いる必要がある。
本発明において、好適活動温度域が80℃以上である好気性高温菌の中でも、特に好適に使用できる菌は、本発明者の一人が鹿児島県姶良郡牧園町の霧島火山帯の土壌から採取して、独立行政法人産業技術総合研究所の特許生物寄託センターに寄託している以下の菌群から選択される少なくとも1種の好気性高温菌又はこれらの混合菌体である、本発明者らは、これら好適な好気性高温菌のことを特に「YM菌」(登録商標)と称している。
(1)バチルス属に属する菌で特許第3064221号として特許されている受託番号FERM P-15085(通称:YM-01)、FERM P-15086(同:YM-02)及びFERM P-15087(同:YM-03)。(2)バチルス属に属する菌で特許第3436859号として特許されている受託番号FERM P-15536(通称:YM-04)、FERM P-15537(同:YM-05)、FERM P-15538(同:YM-06)、FERM P-15539(同:YM-07)、FERM P-15540(同:YM-08)、FERM P-15549(同:YM-09)及びFERM P-15542(同:YM-10)。
(3)カルドトリックス属に属する菌で特願2001−391561号として特許出願中である受託番号FERM P-18598(カルドトリックス・サツマエ:YM081)。
(4)カルドトリックス属に属する菌で特願2003−181282号として特許出願中である受託番FERM P-19412(カルドトリックス・サツマエ:YM803)、FERM P-19413(カルドトリックス・サツマエ:YM811)、FERM P-19414(カルドトリックス・サツマエ:YM812)及びFERM P-19415(カルドトリックス・サツマエ:YM813)。
本発明で用いる、好適活動温度域が80℃以上である好気性高温菌(以下、単に「好気性高温菌」ともいう。)又はその混合菌体の培養は、例えば、以下のようにして行なう。すなわち、好気性高温菌又はその混合菌体を含む土壌を採取し、これに蔗糖溶液などを加えて高温下で通気しながら発酵させて菌体を培養し、好気性高温菌の培養物を作る。得られた好気性高温菌の培養物は、粉末化して「好気性高温菌を種菌とする粉末状の発酵生成物」としてそのまま使用してもよいが、本発明では、この好気性高温菌の培養物を有機物原料、例えば、生汚泥や動植物性廃棄物などと混合してさらに通気して発酵させ(この発酵過程で好気性高温菌の発熱によって有機物原料中の雑菌や種子類を死滅させることができる。)、本発明で用いる「好気性高温菌を種菌とする発酵生成物」を得ることが好ましい。好気性高温菌を種菌とする発酵生成物は、コンポスト(有機肥料)の主原料として使用できる程度に完熟させ、通常は粉末状ないし顆粒状に製しておくことが好ましい。
以下、本発明の「好気性高温菌を種菌とする発酵生成物」の製造方法の一例について説明する。まず、有機性原料、例えば、動物や人間のし尿、動物の内臓・血液などの動物性廃棄物、残飯など食品の残渣や生汚泥などの有機性廃棄物に好気性高温菌又はこれらの混合菌体の培養物を添加して混合する。混合比率は有機性原料50〜60重量部に対して好気性高温菌の培養物40〜50重量部とするのが好ましい。この混合物の適量を発酵槽に堆積して、槽の底の方から空気を十分に吹き込みながら通気発酵を行なう。通気を続けていると、最初は常温であった混合物が1日ないし数日後には80〜90℃に昇温し、やがて100℃以上に昇温する。この温度に5〜7日間放置して通気を続けると温度が低下し始めるので、その時点で最初の切返し(攪拌)を行なう。以後は、この放置と切返しを3〜8回程度繰り返して行ない、およそ20〜50日の間、好ましくは30日間以上、通気しながら発酵を続けると、温度が上がらなくなり、さらさらした粉末状の発酵生成物が得られる。これが本発明の「好気性高温菌を種菌とする発酵生成物」である。この発酵生成物を所要に応じてふるい分けをした後、カリウム分を補充するなど所要の養分調整を行なえば、完熟肥料として仕上げることができる。すなわち、本発明で用いる「好気性高温菌を種菌とする発酵生成物」は、通常、茶色の粉末状ないし顆粒状を呈しており、有機肥料の有用な基剤として使用できるものである。本発明者らは、「YM菌」を種菌とする発酵生成物のうち、肥料向きのものを「YM肥料」と称している。
上記のようにして製した好気性高温菌を種菌とする発酵生成物には、好気性高温菌が1g当たり約10億〜16億個も含まれている。そのため、この発酵生成物は、糞尿など有機性物質に対して強い分解力を有する。また、同じ発酵槽で前回に製造した発酵生成物を槽内に一部残しておいて、これを次回の発酵の種菌(又は種菌の一部)として有機性原料に添加して発酵を繰り返すことによって、本発明で用いる「好気性高温菌を種菌とする発酵生成物」を容易に入手できる。
本発明に係る自己処理型のトイレ装置では、汚物槽に上記好気性高温菌を種菌とする発酵生成物をあらかじめ収納しておくだけでよい。汚物槽は縦型でも横型でもよいが、発酵生成物は汚物槽の容積の半分程度を充たしておけばよい。汚物槽の容量は、10人用のトイレ装置の場合でドラム缶1基(約200L)程度でよく、その場合、発酵生成物は160L程度を収納しておくことが好ましい。
本発明に係るトイレ装置において、便座は和式でも様式でもよいが、汚物槽の上方にその開口部と連通するように設ける。また、便座とは別に残飯などの有機廃棄物の投入口を汚物槽と連通するように設けておくと、糞尿に合わせて有機廃棄物をトイレ装置内で自己処理できるので、きわめて便利である。
本発明において、汚物槽は槽内の発酵生成物を攪拌可能な構造にすることが好ましい。最も簡単な方法としては、手動による攪拌であり、排便の都度、シャベルなどを用いて排便者の糞尿を汚物槽内に収納してある発酵生成物と混合・攪拌できるようにしておくだけでよい。また、半自動式として、攪拌翼を備えた攪拌軸を汚物槽の中心に設け、排便後、5〜6回、手動で回転させて混合・攪拌できるような構造にしておくことでもよい。汚物槽内の発酵生成物は、基本的には粉末状であるが、塊状や粒状のものでも簡単に砕けてさらさらとした粉末状になるので、発酵生成物の攪拌は容易である。なお、内蔵バッテリーなどと連動して攪拌軸を駆動させるようにしておくと、攪拌が容易となるのでさらに好ましい。好気性高温菌を種菌とする発酵生成物は、攪拌することによって、空気に触れて活性化し、活動が活発になり、糞尿の分解・浄化能力が向上する。
また、本発明に係るトイレ装置には加熱装置を備えておくことが好ましい。本発明においては、発酵生成物を攪拌することによって好気性高温菌が活性化するので、基本的には加熱装置は必須ではないが、加熱することで発酵作用が促進され、糞尿の処理時間が速くなる。特に、低温の時期や装置の設置当初には、まず40℃程度に加温することで好気性高温菌の活動が加速度的に速くなる。好気性高温菌はその後は自力で活動を続け、80℃以上の高温に達し、さらに100℃を越えて分解活動を継続する。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳しく説明する。
<最も簡単な自己処理型のトイレ装置の例>
(1)底部に運搬用の車輪を4個取り付けたドラム缶(容量200L)を車輪を下にして立てて、その胴部の上方から10分の2あたりを横方向に割截し、上胴部(10分の2)を下胴部(10分の8)の上に重ね、それぞれをヒンジで開閉自在に結続・固定する。
(2)上胴部の頂面の中央に穴を開けてその穴に連通するように洋式便器を上胴部の頂面の上方に固着する。
(3)ドラム缶のサイドには便器に登るための踏み台を設ける。また、トイレ装置全体を天幕などで遮蔽する。
(4)洋式便器を固着した上胴部を開いて、下胴部内にあらかじめ製造しておいた好気性高温菌(YM菌)を種菌とする発酵生成物の粉末を約100L(ドラム缶容量のほぼ半分程度)収容し、上胴部を閉じる。
(5)洋式便器に座って、排便を済ませた後、上胴部を開いて排出した糞尿をシャベルで発酵生成物の中に埋め込み、発酵生成物の全体をよく攪拌する。なお、この攪拌は、排便後でなくてもほぼ1時間ごとに繰り返して行なうことが好ましい。
(6)発酵生成物中の好気性高温菌は攪拌によって空気を吹き込まれて活性化し、発熱して発酵生成物の中に埋め込まれた糞尿を分解する。およそ5時間後にはほぼ完全に分解され、発酵生成物となる。この間、臭気は生じない。
(7)このドラム缶式簡易トイレ装置は作業現場などに5〜10人に1基の割合で仮設することができる。使用時期が終了したときは、ドラム缶の下胴部から発酵生成物を取り出して、堆肥工場に運び、あらためて発酵処理を行なった後、有機性肥料の主原料として用いる。
<標準的な自己処理型のトイレ装置の例>
図1は、本実施例の簡易トイレの中央断面側面図、図2は同平面図、図3は同断面平面図である。図1〜図3において、1は汚物槽(処理室)、2は攪拌機、3は洋式便器、4はモ−タ−と減速機、5は点検扉、6は点検口、7は給気口、8は排気筒、10はステップをそれぞれ示す。
(1)汚物槽1は、内径700mmで長さ1250mmのドラム缶型のものを横長方向に置いて、その頂面に洋式便器3と連通する穴を開けて洋式便器3を取り付ける。また、その側面には口径300mmの側面点検口(図示せず)を設け、蓋をして閉止してある。
(2)汚物槽1の頂面の隅部には口径100mmで長さ1000mmの排気筒8を立てることが好ましい。
(3)汚物槽1の中心には数枚のS字型の攪拌翼を取り付けた攪拌機2を設置し、汚物槽1の内部を攪拌可能にしておく。攪拌機2はモーターと減速機4によって駆動できるようにすることが好ましい。
(4)汚物槽1の側面点検口からあらかじめ製造しておいた好気性高温菌(YM菌)を種菌とする発酵生成物の粉末を約200L投入し、攪拌機2を回転させて、投入した発酵生成物を攪拌して均一化する。
(5)汚物槽1の頂面に取り付けた便器3に座って排便を済ませた後、攪拌機2を回転させて汚物槽1内の発酵生成物を攪拌する。
(6)発酵生成物中の好気性高温菌は、攪拌によって空気を吹き込まれて活性化し、発熱して発酵生成物の中に埋め込まれた糞尿を分解する。およそ5時間後にはほぼ完全に分解され、発酵生成物となる。この間、臭気は生じない。
(7)使用時期が終了したときは、汚物槽1の側面点検口を開いて発酵生成物を取り出して堆肥工場に運び、あらためて発酵処理を行なった後有機性肥料の主原料として用いる。
以上詳しく説明したとおり、本発明に係る自己処理型のトイレ装置は、糞尿などの汚物を装置外へ搬出することなく、装置内で完全に浄化できると共に、臭気を残さないため、平時には盛り場や観光地やイベント会場などの周辺に仮設することができる。また、病院や工場や学校などにも好適に設置することができる。さらに、汚物の廃棄が容易でない山小屋や船舶などにも設置して長期使用できる。その上、地震などの災害時や自衛隊の出動時などの緊急事態に現場近くに仮設すると好適に使用できる。
実施例2の簡易トイレの中央断面側面図 実施例2の簡易トイレの平面図 実施例2の簡易トイレの断面平面図
符号の説明
1:汚物槽(処理室)、2:攪拌機、3:洋式便器、4:モ−タ−と減速機、
5:点検扉、6:点検口、7:給気口、8:排気筒、10:ステップ

Claims (4)

  1. 排出された糞尿を処理する汚物槽内に、好適活動温度域が80℃以上である好気性高温菌を種菌とする発酵生成物を収納してある自己処理型のトイレ装置。
  2. 汚物槽の上方にその開口部と連通する便座を設けてあると共に、汚物槽は槽内に収納した発酵生成物を攪拌可能な構造にしてある請求項1に記載の自己処理型のトイレ装置。
  3. 汚物槽の上方にその開口部と連通する廃棄物投入口を便座とは別に設けてある請求項2に記載の自己処理型のトイレ装置。
  4. 下記の菌群から選ばれる少なくとも1種以上の好気性高温菌を種菌とする発酵生成物を汚物槽内に収納してある請求項1から3のいずれかに記載の自己処理型のトイレ装置。

    独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター受託番号FERM P-15085、
    同FERM P-15086、同FERM P-15087、同FERM P-15536、同FERM P-15537、
    同FERM P-15538、同FERM P-15539、同FERM P-15540、同FERM P-15541、
    同FERM P-15542、同FERM P-18598、同FERM P-19412、同FERM P-19413、
    同FERM P-19414、同FERM P-19415






























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