JP2007295345A - マイクロストリップアレーアンテナ - Google Patents

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    • H01Q13/00Waveguide horns or mouths; Slot antennas; Leaky-waveguide antennas; Equivalent structures causing radiation along the transmission path of a guided wave
    • H01Q13/20Non-resonant leaky-waveguide or transmission-line antennas; Equivalent structures causing radiation along the transmission path of a guided wave
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  • Waveguide Aerials (AREA)

Abstract

【課題】マイクロストリップアレーアンテナのビームを正面に向けて反射量を抑制する。
【解決手段】全ての放射素子から、同相で放射されるマイクロストリップアレーアンテナを基準として、各放射素子の放射位相を異なるようにする。具体的には3.Bのようにアンテナ中央に対して線対称(偶関数)にする。この場合、隣り合う放射素子の位相差は3.Aのようになる。このようにすることで、アンテナ中央に対して左側(素子番号の小さい側)の放射素子によるビームは、給電点側(素子番号1よりも左)に傾き、反対側の放射素子によるビームは、反対側に傾く。これらを合わせたマイクロストリップアレーアンテナ全体では、ビームは正面方向に形成されることとなる(3.C)。一方、各放射素子からの反射波は、基準とした同相の場合は強め合っていたが、本願発明により反射波の位相は互いにずれるので、反射波は強め合わず、反射量が抑制される(3.D)。
【選択図】図3

Description

本発明は、小型でビーム形成の容易な平面アンテナである、マイクロストリップアレーアンテナに関する。本発明はレーダ用のアンテナとして特に有効である。本発明は例えば車両等の移動体に搭載される障害物検出用のレーダ用として有効である。
本願出願人は特許文献1のマイクロストリップアレーアンテナを開発し、非特許文献1の通りその特性と適用方法を報告している。特許文献1のマイクロストリップアレーアンテナは概略図17の平面図のように、給電点からy軸方向に一直線に延設された線状の給電線路10の両側に、その放射端からの電界の位相が揃うように放射素子1〜37をxy平面上に配列したものである。各放射素子は矩形状でその長辺方向は給電線路10の方向と45度(45度及び225度)の角度を成し、給電線路10の一方側に並ぶ各放射素子はその給電線路との接続点の間隔が伝送路の内部波長λgであり、他方側の放射素子の接続点はそれら2つの接続点の中央となるように接続されている。
特許文献1によれば、放射素子が細い領域では「根元部から同一幅で給電線路に接続された短冊形状の放射素子」とし、放射素子が広い領域では「一つの頂角付近でのみ給電線路に接続された矩形形状の放射素子」と組み合わせることで、給電点から見た反射整合を良好にしている。
また、非特許文献1に記載されるように、特許文献1のアンテナのビーム中心を数度傾ける方法もある。これは図18のように、アンテナ平面の法線方向から、給電線路の方向に数度傾けるものである。このようなアンテナは、特許文献1の各アンテナ素子の接続間隔を同相条件から一定値だけ等しくずらすことによって成される。この場合、各放射素子からの反射電波の位相を互いにずらし、個々の反射波を位相分散効果で打ち消し合わせるといった、アンテナ設計上の常套手段を組み合わせ、給電点からみた合成反射が小さな、いわゆる良好な反射整合がはじめて実現できている。
2001−044752号公報 R&D Review of Toyota CRDL, vol. 37, No. 2, pp. 7-12
特許文献1の方法では、各放射素子からの反射強度が各々抑制される。しかし、全ての反射位相が同相となるので、給電点から見て合成された反射電波の強度は個々の反射波が強め合うこととなる。よって、反射整合の状態はあまり良くならず(−8dB)、たとえば車載レーダ応用に適さない問題があった。
また、非特許文献1のように、放射位相を同相条件から一定値だけずらすと言うことは、正面から到来する電波に対し個々の放射素子が受信する電波が給電点に同相合成されないことにもつながり、その代わり、いくらか傾いた方向から到来する電波に対して個々の放射素子が受信する電波が給電点で同相合成される。すなわち、ビーム中心が傾くことになる。
アンテナの車載レーダ利用においては、このビーム中心が数度傾いていることが、工業利用上取り扱いを困難にさせる問題がある。つまり、良好な反射整合とビーム中心が正面であることの両立が実現できないことが問題であった。
これらをシミュレーション結果を示す図19及び図20を用いて説明する。図17のような37個の放射素子を有するマイクロストリップアレーアンテナにおいて、図19.Aのように隣り合う素子の放射位相差を0とする、即ち図19.Bのように各素子の放射位相を等しくすると、それらにより形成される放射ビームは図19.Cのように法線方向(z軸方向)にピークを有するものとなる。しかし、図19.Dのように、設計周波数(この場合は76.5GHz)やその±0.5GHzの幅において反射は−10dBよりも小さくならない。
一方、同じく図17のような37個の放射素子を有するマイクロストリップアレーアンテナにおいて、図20.Aのように隣り合う素子の放射位相差を一定値とし、図20.Bのように各素子の放射位相を給電線路に接続された順に単調増加となるようにすると、それらにより形成される放射ビームは図20.Cのように法線方向(z軸方向)から約3度y軸の負方向に傾いたピークを有するものとなる。しかし、図20.Dのように、設計周波数(この場合は76.5GHz)やその±0.5GHzの幅において反射は−15dBよりも小さくなり、良好である。このように、図19.Bや図20.Bのような相対放射位相を持たせたマイクロストリップアレーアンテナは一長一短が有り、ビームを正面(平面アンテナの法線方向であるz軸方向)に向けることと、設計周波数において、反射量を十分には低減することは、両立できていなかった。
尚、特許文献1の図24には、同一形状の放射素子を線路内波長λgの1/4だけずらしてペアで配設することで、互いの反射成分を逆相合成させることにより、給電点から見た反射整合を良好にするアイデアが記載されている。この場合、正面ビームと良好な反射整合が両立できる可能性が確かにあるが、肝心の放射位相の方が、振幅が同じで位相が90度異なるものがペア配設されることになり、放射ビーム形状そのものが変形し、利得の低下を招く問題があった。
請求項1に係る発明は、誘電体基板面に形成されたマイクロストリップアレーアンテナであって、給電点と、当該給電点から延設された1本の給電線路と、当該給電線路に対して一方の側に接続された複数個の放射素子を有し、前記複数個の放射素子は全て平行な偏波を放射し、給電点からn番目に近い放射素子の放射端までの給電距離が、λg(mn−φn/2π)+c、但し、λgは用いる高周波のマイクロストリップ線路における管内波長、mnは各放射素子ごとに当てはめられる整数、φnは各放射素子の相対放射位相、cは定数と表され、各放射素子の相対放射位相φnが、給電点に近い側から順に並べた場合に、広義の単調増加でも広義の単調減少でもなく、放射ビームが前記誘電体基板面の法線方向となるようにしたことを特徴とするマイクロストリップアレーアンテナである。
また、請求項2に係る発明は、給電点からn番目に近い放射素子の相対放射位相φnが、前記整数mnに対する関数であって、偶関数と合同であることを特徴とする。請求項3に係る発明は、mn=nであって、nの最大値をNとおくと、φn=φN-n+1であることを特徴とする。
また、請求項4に係る発明は、給電点からn番目に近い放射素子の相対放射位相φnが、前記整数mnに対する関数であって、奇関数と合同であることを特徴とする。請求項5に係る発明は、mn=nであって、nの最大値をNとおくと、φn=−φN-n+1であることを特徴とする。
また、請求項6に係る発明は、前記給電線路の両側に各々複数個の放射素子から成る放射素子群を有し、前記給電線路の少なくとも一方の側の放射素子群について、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のアレーとなっていることを特徴とするマイクロストリップアレーアンテナである。
更に請求項7に係る発明は、サブアレーを並列接続したマイクロストリップアレーアンテナであって、前記サブアレーの少なくとも1つが、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のアレーであることを特徴とするマイクロストリップアレーアンテナである。
各放射素子の相対放射位相φnが、給電点に近い側から順に並べた場合に、広義の単調増加でも広義の単調減少でもないので、少なくとも隣り合う放射素子の位相差φn+1−φnが正の部分と負の部分が存在することになる。尚、全ての相対放射位相が一定の場合は、広義の単調増加且つ広義の単調減少である。すると、隣り合う放射素子で形成されるビームを考えた場合、給電線路の給電点の方向に傾くもの(位相差φn+1−φnが正)と、その逆の方向に傾くもの(位相差φn+1−φnが負)が共存することとなり、それらの位相差を調整すること、即ち各放射素子の相対放射位相を調整することでビームを正面に向けることが可能となる。また、各放射素子の相対放射位相の2倍が、各放射素子からの反射の位相となるので、各放射素子からの反射の位相が一致するものが少なくなり又は全く無くなることで、反射が互いに干渉して弱められる。即ち、効率的に放射を行う平面アンテナとすることができる。
相対放射位相φnが、整数mnに対する関数であって偶関数と合同であるので、給電線路の給電点の方向に傾くものと、その逆の方向に傾くもののバランスをとることが容易となる。また、整数mnがnに一致し、φn=φN-n+1であれば、偶関数配置を最も効率的に実施することができる。同様に、奇関数の場合も、給電線路の給電点の方向に傾くものと、その逆の方向に傾くもののバランスをとることが容易となる。また、整数mnがnに一致し、φn=−φN-n+1であれば、奇関数配置を最も効率的に実施することができる。尚、縮重により単調増加又は単調減少となる奇関数(例えばy=x3)が排除されることは当然である。また、偶関数の場合は、アレーアンテナ中央において放射量を多く、両端において放射量を少なくする必要は必ずしもないが、奇関数の場合は当該放射量分布を採用すると、正面ビームを形成しやすくなる。また、条件によりアンテナ開口面積を低減する効果も得ることができる。
本発明を実施するためには、給電線路の給電方向に対して左右の少なくとも一方に短冊状の放射素子を接続したマイクロストリップアレーアンテナであれば良く、両側に形成しても、またそれらのいずれかをサブアレーとして複数個並列接続したものでも良い。例えば特許文献1の図18で示されたような、各短冊状の放射素子の長さがマイクロストリップ線路の管内波長λgの1/2で、給電線路に間隔λgで垂直に接合されたものでも良い。或いはそこに更に、一方の各短冊状の放射素子の接続点の中央ごとに反対方向に接続された長さλg/2の短冊状の放射素子を設けても良い。
特許文献1の主たる発明の構成を採用する場合は、基本となる構成を次のようにした上で各放射素子の相対放射位相を適宜調整すると良い。
背面に導体の接地板が形成された誘電体基板と、その誘電体基板上に形成されたストリップ導体とから形成されたマイクロストリップアレーアンテナにおいて、ストリップ導体は、線状に配設された給電ストリップ線路と、給電ストリップ線路の両側辺のうち少なくとも一方の第1側辺に沿って所定間隔で、電界放射エッジ線が給電ストリップ線路の長さ方向に対して0度(平行)でない角度を成すように、その側辺から接続配列された複数の放射アンテナ素子とから成り、各放射アンテナ素子は、長さが予め設定された動作周波数における前記給電ストリップ線路を伝播する電波波長の概1/2の整数倍であり、幅が所望の指向特性を提供するように予め設定された各放射アンテナ素子の励振振幅の位置に関する分布に対応した幅の分布を有し、一端が前記給電ストリップ線路と接続され他端が開放されたストリップ導体で構成され、放射アンテナ素子は、幅の分布において、放射アンテナ素子の幅を狭くする領域では、根元部から同一幅で前記給電ストリップ線路に接続され幅が長さよりも小さい短冊形状をした素子とし、放射アンテナ素子の幅を広くする領域では、1つの頂角付近でのみ前記給電ストリップ線路に接続された長さと幅とが異なる矩形形状の素子としたことを特徴とするマイクロストリップアレーアンテナとする。
更には、短冊形状の放射アンテナ素子は、幅の分布において、幅が動作周波数の自由空間波長に対して略0.075倍よりも小さい範囲において用いられ、矩形形状の放射アンテナ素子は、幅の分布において、幅が動作周波数の自由空間波長に対して略0.075倍以上の範囲において用いられる。
更には、放射アンテナ素子の給電ストリップ線路に接続される頂角をなす辺は、給電ストリップ線路と略45度を成すとする。
更には、放射アンテナ素子は、給電ストリップ線路の第1側辺に沿って形成された第1放射アンテナ素子と、その第1放射アンテナ素子と同様に構成されて、それに略平行に給電ストリップ線路の他方の側辺である第2側辺に沿って形成された第2放射アンテナ素子とから成るとする。
更には、放射アンテナ素子は、給電ストリップ線路の第1側辺に沿って形成された第1放射アンテナ素子が放射する電界方向と、他方の側辺である第2側辺に沿って形成された第2放射アンテナ素子が放射する電界方向とが略平行であるとする。
更には、第2放射アンテナ素子のそれぞれは、第1放射アンテナ素子のそれぞれが給電ストリップ線路に沿って配列されている間隔の略中点に配置されているとする。
更には、放射アンテナ素子の電界放射エッジ線は、給電ストリップ線路に対して略45度をなすとする。
〔放射位相を変化させる前の基本構成について〕
図1に本発明を適用すべきマイクロストリップアレーアンテナ全体の構成を平面図で示す。尚、各放射素子の相対放射位相を変化させる(放射素子の形成位置をずらす)前の基本構成は、図17のそれと同一である。給電点から供給された電波が、マイクロストリップ線路を通り、その線路に斜め45度方向に配設された短冊状の放射素子がすべて平行に複数存在する。また、放射素子の総数は末端の素子A37まで37個であり、便宜上、給電点側から給電線路10に接続された順に、給電線路10を跨いで交互に素子番号を付した。給電線路10の両側に交互に放射素子が配設されている。隣り合う放射素子AnとAn+1の間隔は、所望の使用周波数に対する基板内波長λgを基準にして、その半分のλg/2である。給電線路の片側のみの放射素子に着目すれば、隣り合う素子間隔(AnとAn+2の間隔)は倍のλgとなる。
尚、下記次実施例では、相対放射位相を変化させるため、素子の形成位置(素子の給電線路への接続位置)の調整がy軸方向の平行移動により実施される。逆に言えば図1の状態で、すべての放射素子は同相に励振され、その結果、アレーに対して正面方向が合成電波強度が最大になり、すなわちビーム中心は正面方向となる。
図17の説明でも述べたように、給電点側から供給された電波のほとんどは、放射素子から放射されるか次段への供給電力として透過する。しかし、ほんのわずかではあるが、給電点側へ反射する成分が存在する。各放射素子からの反射電波の強度は異なるが、素子間隔がちょうどλg/2であることから、個々の反射波はすべて同相で給電点へ向かい、合成された結果は強め合う。本発明はこの反射波の位相が一致しないように、各放射素子の接続位置を調整しつつ、放射ビームを正面とするものである。
本質的には、給電線路10の一方の側の放射素子同士で、本願発明を適用することが良く、例えば図1のサブアレーを多数並列接続させる場合は、各サブアレーの給電線路のそれぞれの側で、接続順の番号に対して同一の関数を適用する必要はない。マイクロストリップアレーアンテナ全体としてビームを正面に向けるように各放射素子の相対放射位相(マイクロストリップアレーアンテナ全体についての中央の放射素子に対するもの)を調整すべきである。
この際、各放射素子端の位置(y座標)において適用すべき相対放射位相量となるように、各放射素子の接続点の位置、即ち給電点からの距離(給電路長)を決定することが本質である。これはアレーの相対放射位相量φがy座標の関数として決定されれば、簡単な方程式を立ててそれを解くことにより容易に決定できる。
実際、図1では給電線路10を交互に跨いで放射素子に素子番号を付与したが、図2においては給電線路10を跨がない放射素子An及びAn+1を隣り合う素子としている。
だが、図3以下においては、給電線路10を挟んだ両側で、給電線路10への接続順序の整数に対して同一の関数と合同となる関数を適用した。そこで図3以下では、給電線路10を交互に跨いで放射素子に素子番号を付与し、奇数番号の放射素子の当該奇数番号と放射位相又は放射位相差の関係の図面と、偶数番号の放射素子の当該偶数番号と放射位相又は放射位相差の関係の図面とを合体させて、放射素子番号と放射位相又は放射位相差の関係の図面として示すこととする。
〔放射位相と、ビームの傾きについて〕
図2は、放射位相とビームの傾きについての説明図である。給電線路10に、同一形状の短冊状の放射素子An及びAn+1が接続されており、それらの放射する放射電界が平行で、それらの接続点及び放射端が各々(1−φ/2π)λgだけ離れているものとする。即ち放射素子An+1からは、放射素子Anよりもφ(>0とする。)だけ位相が進んだ(正確には「−2π+φ進んだ」=「2π−φ遅れた」)電界が放射されているものとする。ここでλgをマイクロストリップ線路の管内波長、λを空中での波長、θを干渉により強められる方向(ビーム)のyz平面内でのz軸(平面アンテナを形成した面の法線ベクトル)に対する角度とすると、次の関係が成り立つ。
λ/λgは、マイクロストリップアレーアンテナを形成した誘電体基板の比誘電率εrの平方根に等しいので、式(1)を変形すると次のようになる。
θとφが十分に小さければ、式(2)は次の近似式となる。
尚、式(3)はθとφの単位が共に度(degree)でも成立する。このように、隣り合う放射素子An及びAn+1からφ(>0)だけ異なる位相の電界が放射されると、それはyz平面内では式(2)又は(3)を満たすθだけ、位相のφ遅れた(正確には2π−φ進んだ)側に傾いたビームを形成する。
図2は、あくまでもyz面内でのビームの方向であって、実質的には2つの放射素子端を結ぶ線分を軸として回転させた、全体として扇型のビームとなる。ビームを軸状とするには少なくとも放射端が一直線上にない3素子が必要である。この場合は、3素子の放射端から、各放射素子の位相差にあわせた伝送長を半径とする3つの球を想定し、それら3つの球に対する共通接平面のうち、3素子の放射端を結ぶ三角形と交わらないものを選択すれば良い。これはz軸の正側に1つだけ決定される。この共通接平面の法線方向が、それら3素子から形成されるビームの方向である。マイクロストリップアレーアンテナ全体において、隣接する3素子毎に、異なる共通接平面が形成される場合は、隣接する3素子毎にそれぞれビームが形成され、マイクロストリップアレーアンテナ全体において、それらビームの合体した1のビームが形成されると考えれば良い。このように、放射端が1直線上に並んだ放射素子を有するアレーのみでは軸状のビームは形成できないので、1本の給電線路の両側に放射素子を有するアレーや、それらの個々をサブアレーとして、給電線路を並列に接続したアレーアンテナが、軸状のビームを形成するのに有用である。給電線路を平行として、放射素子端が格子点様となるように配置させると設計が容易である。
本実施例では、各放射素子の相対放射位相を図3.Bのような上に凸の二次関数とする。中央の放射素子に対しての相対放射位相が0度から−50度程度の間で分散されており、したがって、反射位相も同様に分散され、反射特性が改善される。この場合、隣り合う放射素子の位相差は図3.Aに示すように、単調減少関数である一次関数となる。
ビーム方向をシミュレーションした結果を図3.Cに示す。計算結果はyz平面内の状況であり、正面方向のビームを示している。図19.Cや図20.Cと比較すると、ピークレベルに対し−15dB以下のレベルでビームが太る傾向にある。しかし、−15dB以下のレベルでの現象は、通常のアンテナ応用では、無視しうるレベルであることが多いため、問題とはならない。
この位相間隔を採用した37素子2列アレーの反射特性を図3.Dに示す。使用周波数を中心とする1GHzの帯域幅で−10dB以下の低い反射に抑制されている。以上の通り、図3.Bのような、広義の単調増加でも広義の単調減少でもない相対放射位相分布を有する本実施例によれば、正面ビームを形成しつつ設計周波数において反射量を極めて良好に抑制できる。
実施例1においては、各放射素子の相対放射位相が図3.Bに示す様用に上に凸の2次関数であったのに対し、本実施例においては、図4.Bに示すような極値を2個有する奇関数を適用する。実施例1においては隣り合う放射素子の位相差が図3.Aの一次関数であったが、本実施例においては隣り合う放射素子の位相差は図4.Aの折れ線状であって、中央よりも給電点側は、給電点から遠ざかるにつれて位相差が負から増えて正に、中央よりも給電点と反対側は、給電点から遠ざかるにつれて位相差が正から減って負に至るものである。
本実施例においては、隣り合う放射素子の位相差は図4.Aのように負/正/負と変化するので、各放射素子の相対放射位相は図4.Bに示すように+50度程度の正から負の極値まで減り、次に正の極値まで増えて再び−50度程度の負にまで減ることとなる。これにより反射電波の位相も同様に分散されることで相殺効果が生まれ、良好な反射特性が期待できる。
また、アレー中央付近の領域でのビームの傾きに対し、アレーの両端では、反対向きの傾きを持つことが分かる。それら3つの領域の合成結果で、正面ビームが得られる。尚、以下に示す通り、本実施例では図8のように、アンテナ中央部の放射素子の放射量が、アンテナ両端の放射素子の放射量よりも大きくなるような放射量分布としている。これはサイドローブレベルを低減させる上での常套手段である。
ビーム方向をシミュレーションした結果を図4.Cに示す。計算結果は正面方向のビームを示している。図3.Cと比較すると、両側のサイドローブが非対称となっている。このことは、図4.Bの相対放射位相分布が左右対称でないことに基づく。
しかし、この非対称性は、用途によっては歓迎される。たとえば、車載レーダ応用においては、レーダの照射電波が検出対象以外に常時路面に当たり、そこから反射する電波が検出動作を干渉する問題が発生する。路面とは反対方向、すなわち天空方向には、多少ならば多めの照射が存在しても路面反射のような問題が起こらない。このような場合、本具体例のような非対称ビームを用い、よりサイドローブが低い方側(図4.Cのグラフで言えば左側)を下向きになるようにアンテナを設置することで、上下方向にはビームの傾きがなく正面ビームが提供でき、かつ、比較的路面方向を照射するエネルギーが低減されたレーダ装置を提供できる。
この位相間隔を採用した25素子1列アレーの反射特性を図5.Aに、また、その放射パターン(利得)を図5.Bに示す。いずれも実測結果である。使用周波数を中心とする1GHzの帯域幅で−10dB以下の低い反射に抑制されているとともに、正面ビームが得られており、また、アレー数から期待される良好な利得が得られている。
同様に、この位相間隔を採用した37素子2列アレーおよび37素子4列アレーの反射特性と放射パターンの実測結果を各々、図6.A、図6.Bおよび図7.A、図7.Bに示す。いずれも良好な反射特性と正面方向の放射パターンが得られており、本発明の適応性の広さが立証された。以上の通り、図4.Bのような、広義の単調増加でも広義の単調減少でもない相対放射位相分布を有する本実施例によれば、正面ビームを形成しつつ設計周波数において反射量を極めて良好に抑制できる。
なお、以上の説明で示した放射パターンの計算値はいずれも37素子アレーの放射振幅分布を図8と仮定して計算されたものである。また、実施例1および実施例2のいずれの場合も、同相励振(相対放射位相が一定)の正面ビームの利得に対し、計算上の利得低下はわずか0.3dBであり、無視しうる。
〔実施例1の変形例〕
実施例1に類する変形例として、隣り合う放射素子の位相差のグラフと、放射位相のグラフをセットにして複数提示する。位相差は図3.Aでは単調減少となるものであり、放射位相は図3.Bでは上に凸(広義の単調増加でも広義の単調減少でもない)であった。
第1の変形例:隣り合う放射素子の位相差を図9.Aのように単調増加として、各放射素子の相対放射位相を図9.Bのように下に凸としたもの(図3.Bの上に凸の場合の反転形)。
第2の変形例:隣り合う放射素子の位相差を図10.Aのような、階段状の単調減少とし、各放射素子の相対放射位相を図10.Bのようにしたもの。
第3の変形例:隣り合う放射素子の位相差を図11.Aのような、極値を有しない単調減少の三次関数として、各放射素子の相対放射位相を図11.Bのように極値を1個のみ有する四次関数としたもの(図3.Bは二次関数)。
第4の変形例:隣り合う放射素子の位相差を図12.Aのような、正負の2段として、各放射素子の相対放射位相を図12.Bのように折れ線状としたもの。
第5の変形例:隣り合う放射素子の位相差を図13.Aのような、極値を2個有し、正負正負と符号の変る三次関数として、各放射素子の相対放射位相を図13.Bのように極値を3個有する四次関数としたもの。
〔実施例2の変形例〕
実施例2に類する変形例として、隣り合う放射素子の位相差のグラフと、放射位相のグラフをセットにして複数提示する。
第1の変形例:隣り合う放射素子の位相差を図14.Aのような、上に凸の二次関数として、各放射素子の相対放射位相を図14.Bのように極値を2個有する三次関数としたもの。
第2の変形例:隣り合う放射素子の位相差を図15.Aのような、負正負の3段として、各放射素子の相対放射位相を図15.Bのように折れ線状としたもの。
第3の変形例:隣り合う放射素子の位相差を、図16.Aのような、極値を3個有し、負正負正負と符号の変る四次関数として、各放射素子の相対放射位相を図16.Bのように極値を4個有する五次関数としたもの。
本願を適用するためのマイクロストリップアレーアンテナの基本的な構成であって、1.Aは全体構成を示す平面図、1.Bはその一部の拡大図。 本願実施例においてビームが傾く角度を説明するための斜視図。 実施例1に係るマイクロストリップアレーアンテナの、3.Aは隣り合う放射素子の位相差を示したグラフ図、3.Bは各放射素子の相対放射位相を示したグラフ図、3.Cは垂直面内放射パターン(計算値)を示したグラフ図、3.Dは反射特性(実測値)を示したグラフ図。 実施例2に係るマイクロストリップアレーアンテナの、4.Aは隣り合う放射素子の位相差を示したグラフ図、4.Bは各放射素子の相対放射位相を示したグラフ図、4.Cは垂直面内放射パターン(計算値)を示したグラフ図。 実施例2に係るマイクロストリップアレーアンテナの第1の構成例に係る、5.Aは反射特性を示したグラフ図、5.Bは垂直面内放射パターンを示したグラフ図。 実施例2に係るマイクロストリップアレーアンテナの第2の構成例に係る、6.Aは反射特性を示したグラフ図、6.Bは垂直面内放射パターンを示したグラフ図。 実施例2に係るマイクロストリップアレーアンテナの第3の構成例に係る、7.Aは反射特性を示したグラフ図、7.Bは垂直面内放射パターンを示したグラフ図。 各実施例における各放射素子における相対放射振幅分布を示したグラフ図。 実施例1に係るマイクロストリップアレーアンテナの第1の変形例に係る、9.Aは隣り合う放射素子の位相差を示したグラフ図、9.Bは各放射素子の相対放射位相を示したグラフ図。 実施例1に係るマイクロストリップアレーアンテナの第2の変形例に係る、10.Aは隣り合う放射素子の位相差を示したグラフ図、10.Bは各放射素子の相対放射位相を示したグラフ図。 実施例1に係るマイクロストリップアレーアンテナの第3の変形例に係る、11.Aは隣り合う放射素子の位相差を示したグラフ図、11.Bは各放射素子の相対放射位相を示したグラフ図。 実施例1に係るマイクロストリップアレーアンテナの第4の変形例に係る、12.Aは隣り合う放射素子の位相差を示したグラフ図、12.Bは各放射素子の相対放射位相を示したグラフ図。 実施例1に係るマイクロストリップアレーアンテナの第5の変形例に係る、13.Aは隣り合う放射素子の位相差を示したグラフ図、13.Bは各放射素子の相対放射位相を示したグラフ図。 実施例2に係るマイクロストリップアレーアンテナの第1の変形例に係る、14.Aは隣り合う放射素子の位相差を示したグラフ図、14.Bは各放射素子の相対放射位相を示したグラフ図。 実施例2に係るマイクロストリップアレーアンテナの第2の変形例に係る、15.Aは隣り合う放射素子の位相差を示したグラフ図、15.Bは各放射素子の相対放射位相を示したグラフ図。 実施例2に係るマイクロストリップアレーアンテナの第3の変形例に係る、16.Aは隣り合う放射素子の位相差を示したグラフ図、16.Bは各放射素子の相対放射位相を示したグラフ図。 従来例に係るマイクロストリップアレーアンテナの、17.Aは全体構成を示す平面図、17.Bはその一部の拡大図。 従来例に係るマイクロストリップアレーアンテナの、垂直面内放射パターンの一例を示すグラフ図。 従来例に係るマイクロストリップアレーアンテナの、19.Aは隣り合う放射素子の位相差を示したグラフ図、19.Bは各放射素子の相対放射位相を示したグラフ図、19.Cは垂直面内放射パターンを示したグラフ図、19.Dは反射特性を示したグラフ図。 他の従来例に係るマイクロストリップアレーアンテナの、20.Aは隣り合う放射素子の位相差を示したグラフ図、20.Bは各放射素子の相対放射位相を示したグラフ図、20.Cは垂直面内放射パターン(計算値)を示したグラフ図、20.Dは反射特性(実測値)を示したグラフ図。
符号の説明
10:給電線路
n:放射素子

Claims (7)

  1. 誘電体基板面に形成されたマイクロストリップアレーアンテナであって、
    給電点と、
    当該給電点から延設された1本の給電線路と、
    当該給電線路に対して一方の側に接続された複数個の放射素子を有し、
    前記複数個の放射素子は全て平行な偏波を放射し、
    給電点からn番目に近い放射素子の放射端までの給電距離が、
    λg(mn−φn/2π)+c、
    但し、λgは用いる高周波のマイクロストリップ線路における管内波長、mnは各放射素子ごとに当てはめられる整数、φnは各放射素子の相対放射位相、cは定数
    と表され、
    各放射素子の相対放射位相φnが、給電点に近い側から順に並べた場合に、広義の単調増加でも広義の単調減少でもなく、
    放射ビームが前記誘電体基板面の法線方向となるようにしたことを特徴とするマイクロストリップアレーアンテナ。
  2. 給電点からn番目に近い放射素子の相対放射位相φnが、前記整数mnに対する関数であって、偶関数と合同であることを特徴とする請求項1に記載のマイクロストリップアレーアンテナ。
  3. n=nであって、nの最大値をNとおくと、φn=φN-n+1であることを特徴とする請求項2に記載のマイクロストリップアレーアンテナ。
  4. 給電点からn番目に近い放射素子の相対放射位相φnが、前記整数mnに対する関数であって、奇関数と合同であることを特徴とする請求項1に記載のマイクロストリップアレーアンテナ。
  5. n=nであって、nの最大値をNとおくと、φn=−φN-n+1であることを特徴とする請求項4に記載のマイクロストリップアレーアンテナ。
  6. 前記給電線路の両側に各々複数個の放射素子から成る放射素子群を有し、
    前記給電線路の少なくとも一方の側の放射素子群について、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のアレーとなっていることを特徴とするマイクロストリップアレーアンテナ。
  7. サブアレーを並列接続したマイクロストリップアレーアンテナであって、
    前記サブアレーの少なくとも1つが、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のアレーであることを特徴とするマイクロストリップアレーアンテナ。
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