JP2007290581A - バンパー補強部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 自動車の衝突時のエネルギを吸収することにより、自動車の安全性を高めるために使用される性能の高いバンパー補強部材を提供する。
【解決手段】 部材中に屈曲部3と車体骨格への取り付け部4を有するバンパー補強部材1において、ホットスタンピング、レーザー溶接、高周波焼入れ等の手段を用いて、部材中に強度低下部を設けることにより、部材の座屈形態を制御し、高い吸収エネルギを持つことを特徴とするバンパー補強部材。
【選択図】 図4

Description

本発明は、自動車の衝突時のエネルギを吸収することにより、自動車の安全性を高めるために使用されるバンパー補強部材に関する。
近年、自動車業界では、衝突時の乗員への傷害を低減しうる車体構造の開発が急務の課題となっている。この課題の解決のために、種々の車体構造が検討されてきている。その中でもバンパーおよびバンパー補強部材は特に前面衝突の際に衝撃エネルギを吸収するとともに他部材へ衝撃荷重を適正に伝達させる重要な働きを担っている。また、比較的低速の軽衝突ではバンパーおよびバンパー補強部材だけで衝撃を吸収することで、他部材の変形を防ぎ、全体としての修理費用を低減させることも重要な機能である。一方で車両全体の軽量化は燃費向上や運転性能のために重要であり、バンパー補強部材も軽量化が求められている。
バンパー補強部材の軽量化のためには材料置換の手法が用いられている。その一つはアルミニウム押し出し材の使用であり、性能と重量のバランスが優れていることが知られている(例えば、特許文献1)。しかしながら、アルミニウムの使用は一般にコストが高くなることが知られている。また、高強度鋼板の適用も盛んに検討されている(例えば、特許文献2、及び、特許文献3)。しかしながら一般に高強度鋼板の成形性はその強度が高くなるとともに劣化するため、成形不良であるワレやシワ発生が懸念され、また必要な形状精度を得ることが難しく、その適用は比較的単純形状に限られていた。
このような中で開発されてきたのが加熱した鋼板を成形しつつ、金型からの抜熱により焼入れを行うホットスタンピング技術である。例えば、特許文献4に開示されているように、この技術を用いることにより高強度かつ高い形状精度を持つ部材が得られる。しかしながら一般に高降伏点の材料で構成される部材に衝撃荷重を加えた場合オイラー座屈のような全体の曲げモードが卓越しやすくなり、崩壊荷重を越えたところで変形荷重が一気に低下してしまう恐れがある。また、バンパー補強部材には前面衝突に加えて、軽衝突の様々な荷重負荷条件でも安定してエネルギを吸収することが求められており、そのような部位に適用するためには荷重負荷時の挙動を安定化させることが必要であり、ホットスタンピング技術を用いたこのような問題に対する対策は従来開示されていなかった。
異なる荷重条件に対応させるためバンパー補強部材の部材長手方向に変化を与えることについては、例えば、特許文献5に開示されている。これによると両端部で断面を徐変させることで安定性を増している。しかしながら一般に断面の徐変はシワ等の形状不良が生じやすく、コスト高となる傾向があった。また更に、例えば、特許文献6に開示されているように異なる強度および板厚の素材をつなぎ合わせたいわゆるテーラードブランクを用いたバンパー補強部材を製作する技術が開示されている。これにより部材長手方向に変化を与えることができるが、接合部の変形集中等から成形が難しく、接合のためにコスト増となってしまう問題があった。
特開平5−278537号公報 特開2000−109951号公報 特開2000−282175号公報 特開2004−238640号公報 特開2000−335333号公報 特開2001−180398号公報
本発明は、自動車の衝突時のエネルギを吸収することにより、自動車の安全性を高めるために使用されるバンパー補強部材において、高い吸収エネルギと軽量化を両立するバンパー補強部材を提供するものである。
本発明者らは、バンパー補強部材内で強度分布を持たせることによる効果に注目して検討を行い、同一素材を用いながら局所的に強度低下部を配置することで安定して高い吸収エネルギを示すバンパー補強部材を得ることができることを見出した。本発明の要旨とするところは以下のとおりである。
(1) 金属板からなるバンパー補強部材であって、局所的に強度低下部位を有することを特徴とするバンパー補強部材。
(2) 鋼板をAc3点から溶融までの温度範囲に加熱した後に金型を用いて成形しながら焼入れを行う加工を適用したバンパー補強部材であって、局所的に緩冷し強度低下部位を設けてあることを特徴とする上記(1)に記載のバンパー補強部材。
(3) 成形中の焼入れに強制冷却を施したことを特徴とする上記(2)に記載のバンパー補強部材。
(4) バンパー補強部材の屈曲部に局所的な強度低下部位を有することを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のバンパー補強部材。
(5) バンパー補強部材の車体骨格への取り付け部に局所的な強度低下部位を有することを特徴とする上記(1)乃至(4)のいずれかに記載のバンパー補強部材。
(6) 局所的な強度低下部が縦壁部すなわち荷重負荷方向に対して概略平行である部位にあることを特徴とする上記(1)乃至(5)のいずれかに記載のバンパー補強部材。
本発明に基づいたバンパー補強部材を車体に適用することにより、種々の荷重条件下での車両の安全性を高めることができる。また、バンパー補強部材の製造コストを低減させることができ、強度低下部位の配置を変化させることにより、車両の大きさや荷重条件に合わせた調整を行うことが容易であり、車両開発の全体コストも低減することができる。
本発明者らは,まずバンパー補強部材に求められる特性を鋭意検討した。その結果、バンパー補強部材には変形強度が高くかつ変形の進行とともにその強度が極端に低下しないことが必要であることが分かった。変形強度を増すには部材の板厚を増加させるか使用する材料を高強度化させるかであるが、前者は重量増を招くことになり好ましくない。そこで一般には強度の高い材料が用いることが志向されるが、薄肉かつ高強度の部材は塑性変形が開始されるまでの変形抵抗は大きくなるものの、塑性変形が開始し断面崩壊が起こると急速に変形荷重が低下してしまうという欠点を持っている。本発明者らは鋭意検討の結果、部材の中に意図的に強度低下部を設けることでこのような急速な荷重低下を避けることができることを見出した。
このような強度低下部は比較的低強度な材料で構成されるバンパー補強部材に対して、レーザーまたは高周波加熱等の方法で局所的に加熱、焼入れを行うことで硬化部を作り出し、焼入れを行わない部分が相対的に強度低下部とすることで作製可能である。また、調質処理を行って全体を強化した後に、部分的に焼鈍処理を行って強度低下部とすることもできる。
さらに検討の結果、簡便な方法としてホットスタンピング技術を用いることができることが分かった。この技術では特に鋼板を用いて、予めAc3温度以上に加熱しオーステナイト単相組織とした後に、金型を用いて成形を行いつつ焼入れを行うが、この際に冷却速度に差をつけることにより、急冷部は概ね硬質なマルテンサイト組織とし、緩冷部はマルテイサイトを生成させず、軟質なフェライトとパーライトの混相組織またはベイナイト組織とすることで、緩冷部を強度低下部位とすることが可能であることが分かった。急冷部と緩冷部は特に下死点での金型との接触状況で制御可能である。すなわち金型との密着部では平均冷速は100℃/sec以上であり、密着させない箇所では50℃/sec以下であることを利用し、マルテンサイト変態の臨界冷却速度が50℃/sec以上かつ100℃/sec以下となるように、鋼板の成分及び加熱温度を制御することで適切に強度低下部を配置することが可能である。
さらに検討の結果、高精度に強度低下部を配置するには成形中の部材を直接水冷すれば良い事が分かった。これは予め金型に冷却媒体を噴出する機構を具備しておき、急冷部は強制冷却し、緩冷部は強制冷却しないことで、強度低下部を部材中に配置することができることが分かった。
通常バンパー補強部材はデザインや空力性能の要請から車幅方向で端部に向けて曲率を有する構造を持っている。本発明者らは実際の車体構造に使用されるバンパー補強部材の変形モードを観察し、強度低下部位の配置方法を検討した。従来技術では同一素材を用いて端部の断面高さを小さくすることで形状により部材としての強度低下部を作り出しているが、生産技術上はこの形状は形状不良であるシワを誘発させる恐れがあることや、材料歩留りの悪化や工程数の増加を招くことがあるため好ましくなく、断面が同一形状であることが望ましい。しかしながら、同一素材で同一断面積とすると曲率を持つ部分の相対的な部材剛性が高くなるために車両中央部相当の比較的直線に近い部分で大きな座屈が発生し、座屈発生後は急速な荷重低下を引き起こしてしまうことが分かった。このような状況を避けるためには、曲率の大きい部分すなわち屈曲部に強度低下部を配置すればよいことが判明した。屈曲部に配置した場合には中央部の座屈前に屈曲部の座屈が起こり、全体としての荷重低下が少なく大変形下でも十分な荷重反力を示すことが分かった。このように強度低下部を配置した屈曲部の座屈が中央部に先行して起こるためには強度低下部の幅は縦壁部高さHの半分すなわちH/2以上であることが必要であった。また屈曲部の強度低下部は連続していてもよいし、間隔2H以下で隣接して配置しても良い。これは2H以上の場合には強度低下部が全体の中で離れて存在することになり、座屈挙動が不安定化してしまうことを防ぐためである。
強度低下部は屈曲部以外に車体骨格との取り付け部、一般にはバンパーステイと呼ばれる部材との接合位置に配置することも有効である。バンパー補強部材は前面から入力された荷重を両端部近くに位置する車体骨格との取り付け部で支えるがこの部分が先行して座屈することにより屈曲部にも変形が生じ、中央部での座屈を避けることができることが分かった。
またこのような部材作製上、強度低下部はバンパー補強部材の縦壁部、すなわち荷重負荷方向に対して概略平行である部位に配置するのが好ましく、また性能上も十分である。ホットスタンピングにより部材を成形する場合、前述のように金型との密着部は冷却速度が大きく、十分な焼入れがなされ高強度になりやすい。一方、縦壁部は成形下死点までは金型と接触せず一般に冷却速度は小さい。本発明では強度低下部位は積極的にこの冷却速度が小さくなる現象を利用している。強度低下させない部分については下死点で金型と十分密着させ冷却速度を大きくすること、または強制冷却することで、十分に焼入れし高強度を確保することが必要であることは言うまでもない。
本発明に使用する金属板は強度差をつけることができるものであれば特にその種類を制限するものではない。ホットスタンピング技術を使う場合には素材は鋼板であることが好ましい。その鋼板成分は十分な焼き入れ強度を持つためにC量としては、0.05質量%〜0.35質量%である必要があり、要求強度に応じて選択する。引張強度にして1200MPa程度では0.16質量%、1500MPaでは0.22質量%以上を添加する必要がある。また冷速との関係で十分な焼き入れ性を確保するためにMn、Si、Cr等を適時添加する。また、板厚は0.8mmから2.6mmの間が性能と重量のバランスが良い。
表面処理に関しては特にその有無は関係しないが、生産性と後処理の簡略化のために表面処理鋼板を用いることができる。この場合特にアルミめっき鋼板を用いることが好ましい。
[実施例1]
以下に実例を挙げながら、本発明の技術内容について説明する。表1に今回の検討で用いた鋼板成分を示す。また、これらの鋼に対してオーステナイト単相域となる温度(Ac3温度)もあわせて示す。ホットスタンピング技術を用いる場合は成形前にこのAc3温度以上に加熱し、オーステナイト単相とする必要がある。焼入れを行った後の強度は主にC量により支配される。成分a、b、dは焼入れ後それぞれ1200MPa、1500MPa、1800MPa程度となるように調整したものである。またcはbと到達強度はほぼ同等であるがMn添加量を増やすことにより、焼入れ性を改善したものである。
実際のバンパー補強部材はその形状、車体への取り付け方法含めて、多種多様である。しかしながら、その基本は荷重入力方向に対して部材長手方向が垂直でありいわゆる曲げにより変形し、エネルギーを吸収する。また、車体の端部は通常デザイン性や空力特性の観点から湾曲させている。つまり中央部の比較的直線形状の部位に対して両端が屈曲し、さらに屈曲後の最端部までの間に車体構造(バンパーステイ)への取り付け部が位置していることでは共通している。そこで本検討では図1に概略を示すバンパー補強部材をモデル部材として用いた。この部材はバンパー補強部材本体1の中に直線的な中央部2と屈曲部3があり、さらに車体構造への結合部(バンパーステイ)5とその本体1への取り付け部4から構成される。バンパー補強部材の断面は一定とし、図2に示すようにいわゆるハット型を持つものとした。強度低下部の設定は部材長手方向の位置および断面内の位置、すなわち図2に示す上辺部7(荷重負荷方向に対して概略垂直な部位に相当)および縦壁部8(荷重負荷方向に対して概略平行な部位)に分けて行った。部材の全長は1150mmであり屈曲部は端部から150mmと225mmの間に位置しており、中央の直線部分の長さは600mmである。屈曲部の外径Rは400mmとした。また、断面は上辺部の長さが50mm、縦壁部の高さは30mmとし、角Rはすべて7mmとした。板厚は今回の検討ではすべて1.6mmとした。このような部材に対し1.6mmの590MPa級鋼板の当て板9を間隔30mmのスポット溶接で接合し閉断面化したものを実験に用いた。
また実験方法であるが、車体に取り付けた状態でバンパー補強部材の特性のみ取り出して評価するのは困難であるので、図3の落重試験の配置図に示すようにバンパー補強部材を模擬した落重試験により行った。落錘10は幅850mm、角Rが30mmで、質量は200kgのものを用いた。またバンパー(リインフォース)補強部材1は支持治具11にボルトを用いて剛に固定した。落重試験での投入エネルギは異なる強度の素材からなる部材に対してほぼ同等の変形量となるように落下高さを変化させて調整した。その値を表2にあわせて示す。バンパー補強部材の衝撃吸収性能の指標としては変形開始時点から10msec経過時のバンパー補強部材中央部2の背面変位を用いた。この値が小さいほど衝撃吸収能に優れバンパー補強部材としての特性が優れる。
表2にバンパー補強部材の作製条件および実験結果を示す。実施例1から6はホットスタンピングを用いて作製した。鋼板はaおよびbの素材を用いて、900℃に加熱した後プレス成形開始時点の温度が850℃を下回らないような条件で行った。この際、強度低下部位は屈曲部3とした上で断面内の強度低下部位の配置を変化させた。屈曲部の幅は約120mmであるが、断面高さの半分である15mm以下の幅では座屈形態の制御には不十分であった。そこで50mm幅で20mmの間隔を空け二つ強度低下部を配置したものと、120mmの全部を強度低下部とを比較したがこの両者では差がなかったため、表1に示す実施例では120mm全部を強度低下部とした。
表1に示す本実施例の強度低下部は金型の一部に熱伝導率の低いセラミックを用いて、鋼板に焼入れが起こらないようにした。それ以外の部分は下死点で金型に十分密着させ抜熱することで焼き入れを行った。
例1および例4は強度低下部を設けなかったものである。表2にビッカース硬度をそれぞれ5点測定しその平均として各部の硬度としたものを示す。例1、4の場合には各部はほぼ同一の硬度であり、バンパー補強部材は長手方向で強度はほぼ同等であることが分かった。このような部材に対して落重試験を行ったが、例1、4の場合には屈曲部に比べて相対的な剛性の低い中央部で座屈が起こった。一方、例2、5は縦壁部のみに強度低下部を配置したものである。図4に例4、5の測定した背面変位の時間依存性を示すが、例5で強度低下部があるにも関らず背面変位が小さくバンパー補強部材としての性能が優れていることが分かった。これは強度低下部がある場合に変形の際にその部位が先行して変形し、中央部での大きな座屈が回避されたためである。また、例3、6はさらに上辺部も含めて強度低下部としたものである。この場合、例2、5と同様に中央部での座屈が回避されたため、優れた特性を示した。強度低下部の配置は金型の相当位置にセラミックを埋め込んで行ったが、埋め込み面積の拡大は安定生産やコストの面から不利であり、今回の目的のためには縦壁部のみでも十分であることが分かった。
また、例7、8はそれぞれ高周波焼入れおよびレーザー焼入れを用いて屈曲部以外を硬化させた。高周波焼入れは誘導子を屈曲部以外に配置し、周波数8kHzの高周波通電を5秒行い約900℃に加熱したものを水焼入れした。またレーザー焼入れは屈曲部以外に間隔5mmで長手方向に線状にビードを配置することで行った。例7および8でも中央部の座屈は発生せず優れた性能を示した。しかしながらホットスタンピングに比べると製造にかかるコストは高かった。
Figure 2007290581
Figure 2007290581
[実施例2]
焼入れを行う方法として、水冷を用いた場合の結果を表3に示す。これは金型内に水路を設け、水により直接冷却することで500℃/sec以上の速度で冷却をし、焼入れを行うものである。このような水冷部は部材の縦壁部に配置した。従って上辺部は下死点で金型に密着するため焼入れされ硬化するが、縦壁部で水冷を行わない部分は焼入れが行われずに、強度低下部位となる。そこで素材、および、強度低下部を屈曲部および車体骨格への取り付け部の縦壁部に配置した時の効果を実験した。実験評価は実施例1と同じ条件で行った。各条件での落下高さを表3にあわせて示す。強度低下部のない例9、13、17、19では中央部に座屈が生じるため背面変位が大きくなってしまった。一方、屈曲部に配置した例10、14、18、20では実施例1と同様中央部で座屈が生じず優れた特性を示した。また、例11、15では車体取り付け部に、例12、16は屈曲部と車体取り付け部の両方に強度低下部を配置したものであるが、車体取り付け部のみへの強度低下部配置は若干性能が優れないものの、いずれの場合でも例9、13に比べて優れた特性を示した。しかしながら、オフセット衝突等では車体取り付け部の片側のみに変形が集中する傾向が強く、その場合には屈曲部への配置がより好ましいと考えられる。
Figure 2007290581
[実施例3]
比較的低速度での軽衝突における効果を検証するために、ペンデュラム衝突試験を行った。ペンデュラムの幅は650mmであり、質量は1500kg、衝突速度は2.2m/s(5mile/h相当)とした。バンパー補強部材は質量1500kgの台車にバンパーステイを介して取り付けて試験を行い、背面変位の最大値で性能を比較した。その結果を、表4に示す。
図5はペンデュラム衝突試験の配置図とバンパー補強部材の説明図である。バンパー補強部材の形状は図5に示すように全長1150mm、中央部長さ510mm、屈曲部は端部から180mmと320mmの間に位置しているものとした。また、断面は上辺部の長さが70mm、縦壁部の高さは45mmであり、板厚は1.6mmとした。当て板として、1.6mmの590MPa級鋼板を用い、間隔30mmのスポット溶接で接合し閉断面化した。部材はホットスタンピングにより作製し、強度低下部位は実施例2と同じく金型に水路を組み込んで水冷の有無により部材中に配置した。
例21は強度低下部位を設けなかったものである(表4)。ペンデュラム試験の場合にはバンパー補強部材の屈曲部にはペンデュラムが直接接触せず、中央の直線的な部位にのみ衝突していた。その変形状態を詳細に観察すると、この中央部は初期には直線的形状であっても衝突後すぐに直線部の中央が座屈し、それを挟んだ両側のペンデュラムが接触している部位が曲がることで、わずかながら直線部においても曲率差が生じていた。本例のような薄肉部材では断面崩壊による荷重低下が大きく、例21ではこの曲率差が解消できないまま中央部にのみ変形が集中し大きな背面変位を生じてしまった。そこで例22では縦壁部に強度低下部位を配置したが、その長手方向の位置は屈曲部に加えて中央の直線的な部位の一部、具体的には中央部200mmを残してその両側のペンデュラムに接触する領域含めて強度低下部位として実験を行った。その結果、中央部に比べてその周りが軟質であるため例21で変形初期に見られた直線部の曲率差が生じず、さらに屈曲部も軟質であるため順次座屈し結果として背面変位が小さくなり(表4)、優れた特性を示すことが分かった。
このように強度低下部位は対象とする性能試験に応じて適切に選択する必要がある。本発明の実施例に示されている通り強度低下部位は屈曲部に配置することが効果的であるが、この屈曲部は変形前の形状で言えば相対的な剛性の高い曲がり部(曲率の大きい部位)であり、また変形中に曲率変化が起こる場合にはその変形により誘起された曲率の大きい領域として考えることができる。
Figure 2007290581
バンパー補強部材の説明図である。 バンパー補強部材の断面図である。 落重試験の配置図である。 落重試験の背面変位の実験データである。 ペンデュラム衝突試験の配置図とバンパー補強部材の説明図である。
符号の説明
1 バンパー補強部材
2 バンパー補強部材の中央部
3 バンパー補強部材の屈曲部
4 バンパー補強部材の車体骨格への取り付け部
5 車体骨格との結合部(バンパーステイ)
6 バンパー補強部材の断面図
7 パンパー補強部材の上辺部
8 バンパー補強部材の縦壁部
9 バンパー補強部材への当て板
10 落錘
11 支持治具
12 ペンデュラム

Claims (6)

  1. 金属板からなるバンパー補強部材であって、局所的に強度低下部位を有することを特徴とするバンパー補強部材。
  2. 鋼板をAc3点から溶融までの温度範囲に加熱した後に金型を用いて成形しながら焼入れを行う加工を適用したバンパー補強部材であって、局所的に緩冷し強度低下部位を設けてあることを特徴とする請求項1に記載のバンパー補強部材。
  3. 成形中の焼入れに強制冷却を施したことを特徴とする請求項2に記載のバンパー補強部材。
  4. バンパー補強部材の屈曲部に局所的な強度低下部位を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のバンパー補強部材。
  5. バンパー補強部材の車体骨格への取り付け部に局所的な強度低下部位を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のバンパー補強部材。
  6. 局所的な強度低下部が縦壁部すなわち荷重負荷方向に対して概略平行である部位にあることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のバンパー補強部材。
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