JP2007290417A - 車輪操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車輪操舵装置において、故障発生時の舵角のロックと舵角の中立位置への復帰とを両立させる。
【解決手段】直動アクチュエータ10は、サーボモータ14の回転運動を出力軸32の直線運動に変換する。タイロッド50は、直動アクチュエータの出力軸32に接続され車輪を転舵させる。舵角制限機構は、直動アクチュエータの回転部分に取り付けられた被係合ドラム56と、被係合ドラムの回転面に対面して配置され、故障発生時に被係合ドラムと係合するストッパを有するロック装置54とで構成される。被係合ドラム56の回転面にはストッパと係合するための凹部が列状に連続して配置されている。この凹部は、車輪の中立位置に対応する範囲内では、係合したロック部材の移動を妨げる形状を有し、車輪の中立位置に対応する範囲外では、中立位置方向に向けてのロック部材の移動を許容する形状を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は車輪操舵装置に関し、より詳細には故障の発生時に舵角を制限するロック機構を有する車輪操舵装置に関する。
従来、車両の走行安定性を向上するために、運転者によるステアリングホイールの操作にしたがった前輪操舵に加えて後輪の操舵装置を備える四輪操舵車(4WS)が知られている。このような四輪操舵車では、サーボモータ等を駆動することによって、車両の走行状態に応じた操舵角を後輪に与える。
後輪を転舵するためのサーボモータや制御装置などに故障が発生すると、後輪の操舵角が意図された角度に定まらず、車両の走行安定性を低下させてしまうおそれがある。そこで、四輪操舵車には、後輪の操舵角を適当な範囲に規制する規制装置が設けられる。例えば、特許文献1には、後輪用タイロッドを移動することによって操舵角を制御する後輪操舵車において、後輪用タイロッドの可動範囲をストッパ機構によって制限するものが開示されている。これによると、後輪用タイロッドには小舵角制限溝と大舵角制限溝の二つが設けられており、小舵角制限溝にストッパをかけるか否かで操舵角の制限範囲を使い分けることができる。
特開平6−127419号公報 特開平9−315333号公報
しかしながら、上記特許文献1の技術を使用して、故障が発生したときに小舵角制限溝にストッパをかけるように構成したとしても、制限溝の範囲では車輪の舵角が自由に動くことになる。また、小舵角制限溝のない範囲で故障が発生した場合には、ストッパが小舵角制限溝に係合するまでの間は、車輪は転舵することになる。
これを避けるためには、舵角がいずれの角度にある場合でもストッパで舵角を固定してしまえばよいが、そうすると、車輪が大きな舵角で固定されてしまった場合、車両の走行に影響を及ぼすおそれがある。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、故障の発生時に舵角を制限するロック機構を有する車輪操舵装置において、舵角を規制しつつ中立位置への復帰も可能にする技術を提供することにある。
本発明のある態様は、車輪操舵装置に関する。この装置は、電動モータの回転運動を出力軸の直線運動に変換する直動アクチュエータと、前記直動アクチュエータの出力軸に接続され車輪を転舵させる転舵部材と、異常発生時に前記出力軸の移動をロックすることによって車輪の舵角を固定する舵角制限手段と、を備える。前記舵角制限手段は、舵角の固定がなされたときに前記車輪が所定位置以外にある場合、所定位置に接近する方向への車輪の舵角変化を許容するよう構成されている。
この態様によると、故障が発生して舵角制限手段により車輪がロックされた場合であっても、車輪に与えられる外力や電動モータの駆動によって、舵角を中立位置に戻すことができる。したがって、舵角を中立位置に復帰させるための手段を別途設ける必要がなく、車両の走行中に通常発生する制動力や駆動力を利用して、車輪の舵角を中立位置にまで復帰させることができる。
前記舵角制限手段は、前記電動モータまたは前記直動アクチュエータの回転部分に取り付けられた被係合部材と、該被係合部材の回転面に対面して配置され、異常発生時に該被係合部材と係合するストッパを有するロック部材と、を備えてもよい。前記被係合部材の回転面には前記ストッパと係合するための凹部が列状に連続して配置されており、前記凹部は、車輪の所定位置に対応する範囲内では、係合した前記ロック部材の移動を妨げる形状を有し、車輪の所定位置に対応する範囲外では、所定位置方向に向けての前記ロック部材の移動を許容する形状を有してもよい。
このように、被係合部材に形成する凹部の形状を二種類とすることで、ロック部材が中立位置で被係合部材に係合した場合と、それ以外の位置で係合した場合とで、車輪に働いた外力によって異なる作用を生じさせることができる。
なお、「凹部」とは、被係合部材の面に形成された穴のことを指してもよいし、被係合部材の面上に複数のブロックを配置し、それらのブロックの間に形成される凹みを凹部と呼んでもよい。
前記ロック部材は前記直動アクチュエータの直動部分に取り付けられ、該直動部分とともに移動し、前記被係合部材は前記出力軸を中心軸とする円筒部材であり、前記電動モータの回転量と前記直動アクチュエータにより回転から変換された直線運動の移動量とで決定される前記ストッパの変位に対応するように、前記円筒部材の側面に前記凹部がらせん状に配置されていてもよい。
前記ロック部材は前記直動アクチュエータの非回転部分に取り付けられ、前記被係合部材は前記出力軸を中心軸とする円筒部材であり、該円筒部材の側面に、前記直動アクチュエータの直線運動の可動範囲に対応する長さのらせん状の溝が形成されており、前記凹部はらせん状溝の底に配置されてもよい。正常時に、前記ロック部材のストッパはらせん状溝内の前記凹部と係合しない位置に収容され、前記被係合部材の回転に合わせてストッパが移動するように、該ロック部材がスライド可能に支持されていてもよい。
前記ロック部材は前記直動アクチュエータの非回転部分に取り付けられ、前記被係合部材は前記出力軸を中心軸とする円盤部材であり、該円盤部材の円盤面に、前記直動アクチュエータの直線運動の可動範囲に対応する長さの渦巻き状の溝が形成されており、前記凹部はらせん状溝の底に配置されてもよい。正常時に、前記ロック部材のストッパはらせん状溝内の前記凹部と係合しない位置に収容され、前記被係合部材の回転に合わせてストッパが移動するように、該ロック部材がスライド可能に支持されていてもよい。
前記凹部は、車輪の所定位置に対応する範囲内では、列の前後方向に略直角に形成された壁面を有し、車輪の所定位置に対応する範囲外では、所定位置から遠い側に略直角に形成された壁面を有するとともに所定位置に近い側に所定位置方向に向けて傾斜させた斜面を有してもよい。
本発明によれば、故障の発生時に舵角を制限するロック機構を有する車輪操舵装置において、舵角を規制しつつ中立位置へ復帰することも可能になる。
本発明の一実施形態は、前輪の操舵に加えて後輪も操舵させることで車両の操縦性能を向上させた、いわゆる四輪操舵車の後輪操舵装置に関するものである。このような車両では、比較的低車速では後輪を前輪の操舵角とは逆方向に操舵することで、車両の旋回半径を小さくできる。高車速では、後輪を前輪の操舵角と同方向に操舵して走行安定性を向上する。以下、本実施形態による後輪操舵用の車輪操舵装置について説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る車輪操舵装置100の構成を示す軸方向断面図である。車輪操舵装置100は、図示しない車両の後輪を操舵するために設置される。車輪操舵装置100は、直動アクチュエータ10と、直動アクチュエータ10の出力軸32に接続されるタイロッド50と、直動アクチュエータ10を図示しないサスペンションに固定するためのブッシュ48とから構成される。
直動アクチュエータ10は、駆動源であるサーボモータ14の回転運動を出力軸32の軸方向の直線運動に変換することで、出力軸長を可変とするアクチュエータである。直動アクチュエータ10の出力軸32には、左右いずれかの後輪のタイロッド50の一端に接続される。タイロッド50の他端は、左後輪または右後輪を支持するナックルアーム(図示せず)に連結される。ナックルアームは、それぞれキングピンを支点として回転する。
直動アクチュエータ10は、サーキュラスプライン28、フレクスプライン26、およびフレクスプライン26を楕円形に撓めてサーキュラスプライン28に部分的に噛み合わせる波動発生器20を含む。サーキュラスプライン28、フレクスプライン26および波動発生器20により波動歯車装置が構成される。波動歯車装置はハウジング30で覆われている。
サーボモータ14は、回転軸12、ロータおよびステータを含む。回転軸12は、サーボモータ14の部分で直径が大きくなり、回転軸の外周に永久磁石16を所定個数貼り付けることで、ロータを構成している。ロータの周囲には、積層された電磁鋼板で形成される鉄心18aと、鉄心18aに形成された各ティース部に巻回配置される3相のコイルスロットに巻回されたコイル18bとで構成されるステータ18が配置される。サーボモータ14は、ブッシュ48と結合されているハウジング46によりその周囲を覆われている。回転軸12は、ハウジング46に取り付けられた軸受42、44によって軸支される。
コイル18bにバッテリ等の電源(図示せず)から電力を供給すると、ロータとステータとの間における磁気作用によりロータが回転し、回転軸12を回転させる。回転角センサ52は、ロータの絶対回転角を検出して図示しない電子制御装置(以下、「ECU」という)に出力するセンサである。
図2は、波動歯車装置の拡大断面図である。波動発生器20は、楕円形状のウェーブコア22の外周に可撓性の軸受24を嵌合したものである。サーボモータ14の回転軸12はウェーブコア22と同軸上で連結されており、波動発生器20は回転軸12とともに回転する。ウェーブコア22は、剛性の低いフレクスプライン26を軸受24を介して楕円形状に撓める。
フレクスプライン26の外周面の一部にはねじ山38が形成されており、サーキュラスプライン28の内周面の一部には、ねじ山38と噛み合うねじ溝40が形成されている。ここで、ねじ山38とねじ溝40とはねじれ角が異なっている。楕円形状に変形されたフレクスプライン26のねじ山38は、その楕円の長軸上の2点でねじ溝40と噛み合う。波動発生器20が回転するとその噛合の位置が周方向に移動する。具体的には、例えば波動発生器20がサーボモータ14の側から見て反時計方向に回転すると、噛合の位置は時計方向に移動する。回転軸12の回転に起因して噛合の位置が移動すると、フレクスプライン26とサーキュラスプライン28とは相対回転し、ねじれ角の異なるねじ山38およびねじ溝40の作用によって、サーキュラスプライン28は軸方向に移動する。なお、サーキュラスプライン28は軸周りの回転が規制されており、また、フレクスプライン26は軸方向に移動しないよう固定されている。
サーキュラスプライン28は円筒形状をなし、片側(図2では右側)が天板で塞がれている。出力軸32は、そのサーキュラスプライン28の天板に結合され、サーキュラスプライン28と同軸上に軸方向に滑動可能に保持される。これにより、出力軸32は、サーキュラスプライン28とともに軸方向に移動する。なお、サーキュラスプライン28および出力軸32は、高い剛性を有するような厚み、太さをもって形成される。
サーキュラスプライン28の外周は、ブッシュ34で支持され、出力軸32の外周も図示しないブッシュで支持される。これらブッシュの間には、出力軸32を安定して滑動させるための十分な出力支持スパンが確保されている。
ブッシュ34は、サーキュラスプライン28の軸方向の移動は許容しつつ、周方向の回転を規制する。つまり、ねじ山38とねじ溝40の噛合の位置が周方向に移動すると、サーキュラスプライン28には上述した軸方向の力とともに周方向に回転する力も働くが、ブッシュ34によってその回転が規制されるので、サーキュラスプライン28が回転することはない。
後輪の操舵角は、図示しないECUからの指令に基づいて制御される。なお、ECUは、プログラムにしたがって各種処理を実行するCPUと、一時的にデータやプログラムを記憶するRAMと、所定のアルゴリズムにしたがって後輪操舵角の制御やその他の制御を実現するソフトウェアプログラムを格納するROMとを少なくとも含む。
運転者によりステアリングホイール(図示せず)が操作されると、それに応じて車両の前輪が操舵されるとともに、操舵角や車速等が所定のセンサにより取得されてECUに送られる。ECUは、所定のアルゴリズムにしたがって左右後輪の最適な操舵角を計算し、操舵角に応じた出力信号をサーボモータ14を駆動する電力変換装置に伝達する。電力変換装置は、出力信号に応じた電流制御または電圧制御により、サーボモータ14を駆動する。サーボモータ14は操舵角に対応する回転数だけ回転し、波動歯車装置によってこの回転数に相当するストロークの出力軸32の直線運動に変換される。この直線運動は、タイロッド50を介してナックルアームのキングピン周りの回動に変換され、後輪を左右に操舵させる。
以上説明したような車輪操舵装置100を左右の後輪にそれぞれ設けることによって、左右の後輪を単独で転舵させ、車両の走行状態等に応じて操舵角をきめ細かく制御することが可能になる。
ところで、このような車輪操舵装置を備える車両においては、直動アクチュエータのサーボモータの故障や、ECUとサーボモータの信号経路の断線、回転角センサの故障などが発生した場合、後輪の操舵制御ができなくなるという問題がある。このようなとき、直動アクチュエータをフリーにしておくと、運転者がステアリング操作をしていないにもかかわらず、走行中の車両の制動、駆動や路面からの入力によって操舵角が随時変化することになる。これは、走行安定性の観点から好ましくない。
そこで、車輪操舵装置100には、故障が発生したときに、その時点で直動アクチュエータ10の回転軸12をロックして車輪の舵角を制限する舵角制限機構が設けられている。図1および図2を参照して、本実施形態の舵角制限機構55は、サーキュラスプライン28の内側に設けられる。舵角制限機構55は、ECUからの指令に応じて棒状のストッパ58が突出するロック装置54と、ロック装置54をサーキュラスプライン28の天板に固定する支柱27と、ストッパ58が係合する被係合ドラム56とを含む。舵角制限機構55は、サーボモータ14や回転角センサ52などに故障が発生したとき、直動アクチュエータ10に接続されている車輪の舵角を所定の範囲内に制限する。
図3は、舵角制限機構55の拡大図である。被係合ドラム56は、回転軸12の先端に同軸に取り付けられ、全体として略円筒形状である。ロック装置54は、被係合ドラム56の円筒側面に対面して位置するよう、支柱27により支えられている。ロック装置54は、内部にソレノイドコイルを備えており、コイルの内側に磁性体で作成された棒状のストッパ58が収容される。ストッパ58は、非通電時にはソレノイドコイルから下方に突出するように、図示しないスプリングによって下向きに付勢されている。ECUからの指令に応じてソレノイドコイルが通電されると、ストッパが磁気によって吸引されて、スプリングの力に抗してソレノイドコイル内部に引き込まれる。通電を止めると、スプリングによる付勢力によってストッパ58がソレノイドコイルから突出する。このように、ソレノイドコイルへの通電および遮断により、ストッパ58を図3の上下方向に移動する。
ストッパ58は、被係合ドラム56の回転面に多数形成された凹部にその先端が収容されることによって、被係合ドラム56と係合する。これによって、直動アクチュエータの作動がロックされ、車輪の舵角が制限される。この凹部は、被係合ドラム56の円筒表面に列上に配置されている。
図4は、図3中で点線で囲った領域「A」の詳細を示す。図4(a)は平面図であり、図4(b)はC−C断面図である。図示するように、被係合ドラム56の面56aには、面56aから突出するように、多数のブロックが配置される。ブロックは、略立方体形状の四角ブロック56bと、略三角柱形状の三角ブロック56cの二種類がある。これらの違いについては後述する。ブロック56b、ブロック56cのそれぞれの間に形成される凹部に、ストッパ58の先端が収容される。
ロック装置54は、支柱27により直動アクチュエータ10のサーキュラスプライン28に固定されているため、出力軸32の直線方向の移動とともに移動する。そのため、回転軸12の回転量と、それに伴うサーキュラスプライン28およびロック装置54の直線方向の移動量とで決まる、ロック装置のストッパ58の先端の変位に対応した位置にブロックが配置される必要がある。したがって、被係合ドラム56の円筒表面のブロックの配列は、図3に示すようにらせん状になる。
なお、図3では、わかりやすさのためにらせんの巻き数は3回未満であるが、実際の直動アクチュエータでは、直線方向のストローク量を細かく調整するためにモータを多数回回転させる必要があり、被係合ドラムのらせんの巻き数はこの回転数に合わせた数になることに注意されたい。
サーボモータ等に故障が生じたとき、ECUは、ロック装置54のソレノイドコイルへの通電を遮断する。すると、ストッパ58がスプリングに付勢されてロック装置54から突出し、被係合ドラム56に形成された凹部と係合する。ソレノイドコイルに通電すると、コイルの吸引力によりストッパ58が被係合ドラム56の凹部から引き抜かれ、非係合状態になる。なお、ストッパ58が突出したとき、凹部に落ち込むのではなく四角ブロック56bや三角ブロック56cの上面に当たった場合でも、外力によって車輪が左右に若干量動いたときに、ブロックの上面をストッパが滑っていずれかの方向に落ち込んで、凹部と係合することになる。
本実施形態における舵角制限機構55では、ストッパ58と被係合ドラム56の係合により舵角の固定がなされたときに車輪が中立位置以外にある場合、車輪に加えられる外力により中立位置に接近する方向への車輪の舵角変化を許容するように構成されている。
再び図4を参照すると、被係合ドラム56の表面に形成された凹部は、車輪の中立位置に対応する範囲内では係合したストッパ58およびロック装置54の相対移動を妨げる形状を有し、車輪の中立位置に対応する範囲外では、中立位置方向に向けてのロック装置54の相対移動を許容する形状を有している。ここで、「車輪の中立位置」とは、車輪に与えられている舵角が初期に設定されるトー角と等しい状態にある位置のことをいう。「車輪の中立位置に対応する範囲」とは、舵角を予め設定されているトー角にしたときに、ロック装置54のストッパ58の先端の位置に対応する、被係合ドラム56の円筒面上の位置のことをいう。言い換えると、舵角がトー角である場合にロック装置54と被係合ドラム56とを係合させたときに、ストッパ58の先端が係合するブロックの位置のことである。なお、この中立位置に対応する範囲(以下、単に「中立範囲」という)は、厳密にはただ一点であるが、実際には、図4に示すように若干の余裕を持って定められる。
中立範囲のブロックは、四角ブロック56bであり、中立範囲外のブロックは、三角ブロック56cとなる。但し、三角ブロック56cの斜面は、被係合ドラム56の面上で中立範囲に向けて鋭角の斜面を有するように配置される。したがって、中立範囲の両側では、三角ブロック56cの斜面の向きは逆向きになる。
したがって、中立範囲において両側のブロックにより形成される凹部は、列の前後方向ともに略直角に形成された壁面を有することになる。また、中立範囲外において両側のブロックにより形成される凹部は、中立範囲から遠い側には略直角に形成された壁面を有し、中立範囲に近い側には中立範囲方向に向けて傾斜させた斜面を有することになる。
被係合ドラム56を以上のように形成することによって、以下のような効果が得られる。車輪が中立位置にあるとき、すなわち、図4(b)に破線アで囲むように、ストッパ58の先端が両側の四角ブロック56bで挟まれる凹部にあるとき、車輪に外力が加わって、タイロッド50、出力軸32、波動発生器20を経由して、回転軸12を回転させる力が働いたときでも、ストッパ58は両側の四角ブロック56bにより移動が妨げられる。したがって、中立範囲でロック装置54と被係合ドラム56とが係合しているとき、外力に対して舵角を規制するロックが働く。
これに対し、図4(b)に破線イで囲むように、ストッパ58の先端が両側の三角ブロック56cで挟まれる凹部にある場合を考える。車輪が中立位置から離れる方向、すなわち車輪の舵角の絶対値を大きくする方向の外力が車輪に加わると、タイロッド50、出力軸32、波動発生器20を経由して、回転軸12を回転させる力が働いて、ストッパ58は三角ブロック56cの垂直に立つ壁面に接触する。したがって、この場合、ストッパ58のその方向への移動は規制され、外力に対して舵角を規制するロックが働く。
車輪が中立位置に向かう方向、すなわち車輪の舵角の絶対値を小さくする方向の外力が車輪に加わると、ストッパ58の先端は、三角ブロック56cの斜面と接触する。すると、外力の斜面方向の成分により、ストッパ58は三角形の斜面に沿って図4の斜め上方に動こうとする。ストッパ58は、ロック装置54からスプリングにより付勢されて突出しているので、所定以上の外力が加われば、ストッパ58はスプリングによる付勢力に打ち勝ってロック装置54のソレノイドコイル内部に押し込まれる。この状態でストッパ58が三角ブロック56cの斜面を登り切ると、スプリングの付勢力によって、ストッパ58は隣接する三角ブロック56cとの間で形成される別の凹部に押し込まれる。さらに外力が働けば、ストッパ58は別の三角ブロック56cとの間で同様の動作を繰り返し、最終的に、中立位置の最も外側にある四角ブロック56bとその隣の三角ブロック56cとで形成される凹部にまで押し込まれる。それ以降は、両側の壁が略垂直であることから、ストッパ58の移動が妨げられ、外力が加わってもその位置に舵角をロックし続けることになる。
このように、被係合ドラム56の表面に形成するブロックとして四角ブロックと三角ブロックの二種類を用いることで、ロック装置54のストッパ58と被係合ドラム56とが係合した際、中立位置で係合した場合と、それ以外の位置で係合した場合とで、車輪に働いた外力によって異なる作用を生じさせることができる。
以上説明したように、実施の形態1では、直動アクチュエータを備え車輪の舵角を制御する車輪操舵装置において、故障の発生時に操舵角を規制する舵角制限機構を設け、車輪の中立位置に対応する部分とそれ以外の部分とでロック装置のストッパを収容する凹部の形状をそれぞれ異なるものとした。すなわち、一方は、一旦ストッパが係合したらそれ以上の舵角の変化を規制するものであり、他方は、中立位置方向のみの舵角変化を許容するものである。こうすることによって、故障が発生して舵角制限機構により車輪がロックされた場合であっても、車輪に与えられる外力によって、舵角を中立位置に戻すことができる。したがって、舵角を中立位置に復帰させるための手段を別途設ける必要がなく、車両の走行中に通常発生する制動力や駆動力を利用して、車輪の舵角を中立位置にまで復帰させることができる。中立位置と逆方向にはロックがかかった状態であるから、逆方向の外力が車輪に加わった場合には舵角は変化しない。このように、車輪の舵角を無理なく徐々に中立位置にまで戻していくことができる。これによって、直動アクチュエータのサーボモータなどに故障が発生し、舵角制限機構によって舵角のついた状態でロックがかかってしまった場合でも、車輪の舵角を中立位置にまで戻すことで車両の走行に与える影響を最小限にすることができ、車両の走行安定性の向上に寄与する。
なお、本実施の形態の車輪操舵装置ではサーボモータの故障時に舵角をロックしてしまうことから、上述したように四輪操舵車の後輪に使用されることが好ましい。しかしながら、車両の前輪に使用することが妨げられるものではなく、他の適切な手段とともに適用可能である。
本実施の形態では、車輪に与えられる外力によって舵角を中立位置に戻すことを述べたが、舵角制限機構により車輪がロックされても直動アクチュエータのサーボモータが駆動可能であるとき、例えば回転角センサの故障により車輪がロックされた場合には、外力に頼らずこのサーボモータを駆動させて車輪の舵角を中立位置に戻すようにしてもよい。
実施の形態2.
図5は、本発明の別の実施形態である車輪操舵装置110の構成を示す軸方向断面図である。直動アクチュエータ10、ブッシュ48およびタイロッド50の構成は実施の形態1と同様であるが、舵角制限機構がハウジング46の内側にある点が異なる。図5中、図1と同様の符号を付された要素は、同様の構造および機能を有する。
舵角制限機構82は、ロック装置86と、支柱84と、ロック装置86を軸方向すなわち図5の左右方向に滑動可能に支持するスライダ85と、回転軸12に同軸に取り付けられ、ロック装置86と対面して配置される被係合ドラム80とから構成される。
本実施形態のロック装置86は、実施の形態1のようにサーキュラスプライン28とともに軸方向に移動するのではなく、直動アクチュエータ10の非回転部分に取り付けられる。ロック装置86は、後述するように、被係合ドラム80により軸方向にスライドされる。
図6は、被係合ドラム80の詳細な構造を示す。被係合部材は、回転軸12と同軸の円筒の表面にらせん溝80aを画成する壁80dが形成されている。この壁80dは、直動アクチュエータ10の直線運動の可動範囲に対応する長さを有している。そして、この溝80aの底面に、ロック装置86のストッパと係合する凹部を形成するブロックが設置されている。このブロックは、図4と同様に四角ブロック80bと三角ブロック80cとからなる。
被係合ドラム80のらせん溝80aは、実施の形態1の被係合ドラム56のらせんとは異なる。すなわち、実施の形態1では、ロック装置54が出力軸32およびサーキュラスプライン28とともに軸方向に移動することから、被係合ドラム56のらせんのピッチは、サーボモータの回転量と直動アクチュエータの移動量とから一つに定まり、それ以外の値をとることはできない。これに対し、本実施形態のロック装置86の軸方向移動量は任意である。つまり、直動アクチュエータの直線方向の可動範囲に対応する回転軸12の回転量と同数の巻きがある限り、被係合ドラム80のらせん溝のピッチは自由である。したがって、被係合ドラム80の軸方向の長さはある程度選択することができる。
図7は、ロック機構と被係合ドラムとの係合状態を詳細に示す図であり、図6のD−D断面を矢印の方向から観察したときの断面図である。ロック装置86は、ロック装置86は、実施の形態1のロック装置54と同様に内部にソレノイドコイルが収められており、コイルの内側に磁性体で作成された棒88が収容される。この棒88は、非通電時にはソレノイドコイルから突出するように、図示しないスプリングによって斜め上向きに付勢されている。ECUからの指令に応じてソレノイドコイルが通電されると、棒88が磁気によって吸引されて、スプリングの力の抗してソレノイドコイル内部に収納される。ストッパ90は、一端に被係合ドラム80の凹部と係合する先端を有し、他端は棒88の先端と連結されている。ストッパ90の中程は、軸92によって回転可能に支持されている。正常時、つまりコイル通電時には、棒88がソレノイドコイル内部に収納され、これに伴ってストッパ90の先端は、らせん溝80a内の凹部と係合しない非係合位置にまで戻される。故障発生時、つまりコイル非通電時には、スプリングによる付勢力によって棒88がソレノイドコイルから突出し、これに伴ってストッパ90の先端がらせん溝80a内の凹部に係合する。
ストッパ90の先端は、コイル通電時つまり非係合位置にあるときでも、両側が壁80dで挟まれる位置にあるように設定される。これによって、回転軸12とともに被係合ドラム80が回転されると、らせん状に形成された壁80dがストッパ90と接触する。回転によって壁80dの相対位置が図5の軸方向に移動していくことによって、ストッパ90の先端を押す力が発生する。この力がロック装置86に伝達され、ロック装置86はスライダ85上で滑動する。したがって、サーボモータによる回転軸12の回転量に合わせてロック装置86を図5の軸方向に動かす別の駆動手段を設ける必要がない。
ストッパ90の先端と被係合ドラム80との係合のしかたは、実施の形態1と同様であり、ストッパ90の先端が四角ブロック80bの間に形成される凹部と係合するときは、その位置でロックされ、三角ブロック80cの間に形成される凹部と係合するときは、中立位置に向かう方向のみの舵角の変化が許容される。中立位置の定め方は、実施の形態1と同様である。
以上説明したように、実施の形態2によれば、直動アクチュエータの非回転部分に舵角制限機構を設けた。こうすることで、被係合ドラム上のブロック配列のらせんのピッチを選択することができるため、被係合ドラムの軸方向長さを調整することが可能になる。また、実施の形態2による舵角制限機構であれば、アクチュエータの回転部分に取り付けられた円筒形状の被係合部材をロックするような構造を有する限り、波動発生器を利用した直動アクチュエータのみならず他の構造のアクチュエータであっても本発明を適用することができる。
実施の形態3.
図8は、本発明のさらに別の実施形態である車輪操舵装置120の構成を示す軸方向断面図である。直動アクチュエータ10、ブッシュ48およびタイロッド50の構成は上記実施の形態と同様であるが、ロック装置のストッパの係合先が円筒形のドラムでなく円盤形状である点が異なる。図8中、図1と同様の符号を付された要素は、同様の構造および機能を有する。
図9は、実施の形態3における舵角制限機構62を詳細に示す。本実施形態の舵角制限機構62は、回転軸12に同軸に取り付けられた円盤形状をなす被係合ディスク60と、ロック装置66と、ロック装置を滑動可能に支持するスライダ65と、スライダ65をハウジング46に対して固定支持する支柱64とから構成される。ロック装置66の内部にソレノイドコイルとスプリングが設けられ、コイルへの通電の有無によりストッパ68が出し入れされる点は、上述の実施形態と同様である。
本実施形態のロック装置66は、直動アクチュエータ10の非回転部分に取り付けられ、被係合ディスク60の半径方向にスライドされる。被係合ディスク60の表面には、渦巻き状の溝60aが形成されている。この渦巻き溝60aは、直動アクチュエータの直線運動の可動範囲に対応する長さを有している。そして、この溝60aの底面に、ロック装置66のストッパ68と係合する凹部を形成するブロックが設置されている。渦巻き溝60aは、直動アクチュエータの直線方向の可動範囲に対応する、回転軸12の回転数と同数の巻きがあることになる。
なお、図9では、わかりやすさのために渦巻き溝の巻き数は3回未満であるが、直線方向のストローク量を細かく調整するためにモータを多数回回転させる必要があり、被係合ドラムのらせんの巻き数はこの回転数に合わせた数になることに注意されたい。
図9の右側は、被係合ディスク60のE−E断面の断面図である。正常時、つまりコイル通電時には、ストッパ68はソレノイドコイル内部に収納され、これに伴ってストッパ68の先端は渦巻き状溝60a内の凹部と係合しない非係合位置にまで戻される。故障発生時、つまりコイルの非通電時には、スプリングの付勢力によりストッパ68がソレノイドコイルから突出し、これに伴ってストッパ68の先端が被係合ディスク60に形成されている凹部に係合する。
ストッパ68の先端は、コイル通電時つまり非係合位置にあるときでも、溝60aの内側に挟まれる位置にあるように設定される。これによって、回転軸12とともに被係合ディスク60が回転されると、渦巻き状に形成された壁がストッパ68と接触する。回転によって壁80dの相対位置が図9のディスクの中心側または外周側に移動していくことによって、ストッパ68の先端を押す力が発生する。この力がロック装置66に伝達され、ロック装置66はスライダ65上で滑動する。したがって、サーボモータによる回転軸12の回転量に合わせてロック装置66を被係合ディスク60の半径方向に動かす別の駆動手段を設ける必要がない。
上述の実施形態と同様に、ストッパ68は、被係合ディスク60の回転面に多数形成された凹部にその先端が収容されることによって、被係合ディスク60と係合する。これによって、直動アクチュエータの作動がロックされ、車輪の舵角が制限される。この凹部は、被係合ディスク60の表面に形成された溝内に配置されている。
図10は、図9中に点線で囲った領域「F」の詳細を示す。図10(a)は平面図であり、図10(b)はG−G断面図である。図4と同様に、被係合ディスク60の表面から突出するように、多数のブロックが配置される。ブロックは、略立方体形状の四角ブロック60bと、略三角柱形状の三角ブロック60cの二種類がある。ブロック60b、ブロック60cのそれぞれの間に形成されル凹部に、ストッパ68の先端が収容される。四角ブロック、三角ブロックの配置の組合せにより、ストッパ68を中立範囲にまで復帰させたり、中立範囲にあるときはロックされることは、上述の実施形態と同様である。
以上説明したように、実施の形態3によれば、ディスク状の被係合部材を使用して、上述の実施形態と同様の効果が得られる舵角制限機構を構成することができる。ディスク上への四角ブロックおよび三角ブロックの形成は、ドラムの円筒面にブロックを形成するより容易である。
実施の形態4.
図11は、本発明のさらに別の実施形態における舵角制限機構63を示す。舵角制限機構63の直動アクチュエータ10内の設置場所は、実施の形態3と同様である。この実施の形態では、ディスク61に渦巻き状溝61aが形成されているものの、その底面にブロックが配置されていない点が異なる。
舵角制限機構63は、ロック装置67と、ロック装置67を滑動可能に支持するスライダ65と、スライダ65をハウジング46に固定支持する支柱64を含む。ロック装置67のディスク61に面する側からは、ピン69が突出している。このピン69は固定されており、ディスク61の渦巻き溝61aと常に係合している。サーボモータによって回転軸12が回転すると、渦巻き溝61aの壁面とピン69とが接触することによってピン69の相対位置がディスク61の半径方向に移動し、これに伴ってロック装置67を半径方向に移動させる。
ロック装置67のディスク61と反対側には、小型のソレノイドコイル70が設けられており、この内部には、スプリングにより外方に突出するように付勢された磁性材のストッパ72が配置されている。そして、このストッパ72の相対する部分のハウジングに、被係合部材としてのブロックが形成されている。
ブロックは、上述の実施形態と同様に、四角ブロック74bと三角ブロック74cの二種類からなる。四角ブロックと三角ブロックとで画成される凹部の違いにより生じる作用の違いも上述したとおりであり、ストッパ72が中立範囲にあるときはそのままロックされる。ストッパ72が中立範囲以外にあるとき、車輪に加えられた外力は、タイロッド50、出力軸32、波動発生器20、回転軸12、ディスク61と経由して、最終的にロック装置67を図11の上下方向にスライドさせる力となり、ストッパ72の中立範囲方向への移動を許容する。
実施の形態4では、被係合部材としての四角ブロックと三角ブロックをハウジング上に形成すればよく、また直動アクチュエータの直線方向の移動量に対応する長さを、らせん溝や渦巻き状溝の場合よりも短くできるため、ブロックの形成が容易になるという利点がある。
以上、本発明をいくつかの実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態はあくまで例示であり、実施の形態どうしの任意の組合せ、実施の形態の各構成要素や各処理プロセスの任意の組合せなどの変形例もまた、本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本明細書において「凹部」とは、ドリルなどによって面に形成された穴であってもよいし、上述した実施形態のように、凸状のブロックを面上に連続して配置し、それらのブロックの間にできる凹みを凹部と呼んでもよい。また、実施の形態では正方形または三角柱のブロックを配列して角形の凹部を形成したが、凹部の壁面は曲面であってもよい。溝の底面に穴を彫ることによって凹部を形成する場合には、ドリルの形状に合わせて円柱状の穴とする方が製作が容易である。この場合、三角ブロックに対応する斜面は別の工程で形成すればよい。
上述の実施形態では、四角ブロックを配置して両方向へのストッパの移動を規制する場所を中立範囲としたが、両方向へのストッパの移動を規制する範囲、すなわち舵角変化を許さない範囲は、必ずしも車輪の中立位置に対応する範囲に限られない。舵角の規制範囲は任意に設定することができる。
実施の形態1に係る車輪操舵装置の構成を示す軸方向断面図である。 図1の波動歯車装置の拡大断面図である。 図1の舵角制限機構の拡大図である。 図3中に点線で囲った領域「A」の詳細を示す図である。 実施の形態2に係る車輪操舵装置の構成を示す軸方向断面図である。 図5の被係合ドラムの詳細な構造を示す図である。 ロック機構と係合ドラムとの係合状態を詳細に示す図である。 実施の形態3に係る車輪操舵装置の構成を示す軸方向断面図である。 図8の舵角制限機構を詳細に示す図である。 図9中に点線で囲った領域「F」の詳細を示す図である。 実施の形態4に係る舵角制限機構を示す図である。
符号の説明
10 直動アクチュエータ、 12 回転軸、 14 サーボモータ、 20 波動発生器、 32 出力軸、 50 タイロッド、 52 回転角センサ、 54、66、86 ロック装置、 56、80 被係合ドラム、 56b、60b、74b、80b 四角ブロック、 56c、60c、74c、80c 三角ブロック、 58、68、90 ストッパ、 60 被係合ディスク、 80a 溝、 62、63、82 舵角制限機構、 100、110、120 車輪操舵装置。

Claims (6)

  1. 電動モータの回転運動を出力軸の直線運動に変換する直動アクチュエータと、
    前記直動アクチュエータの出力軸に接続され車輪を転舵させる転舵部材と、
    異常発生時に前記出力軸の移動をロックすることによって車輪の舵角を固定する舵角制限手段と、を備え、
    前記舵角制限手段は、舵角の固定がなされたときに前記車輪が所定位置以外にある場合、所定位置に接近する方向への車輪の舵角変化を許容するよう構成されていることを特徴とする車輪操舵装置。
  2. 前記舵角制限手段は、前記電動モータまたは前記直動アクチュエータの回転部分に取り付けられた被係合部材と、該被係合部材の回転面に対面して配置され、異常発生時に該被係合部材と係合するストッパを有するロック部材と、を備え、
    前記被係合部材の回転面には前記ストッパと係合するための凹部が列状に連続して配置されており、
    前記凹部は、車輪の所定位置に対応する範囲内では、係合した前記ロック部材の移動を妨げる形状を有し、車輪の所定位置に対応する範囲外では、所定位置方向に向けての前記ロック部材の移動を許容する形状を有することを特徴とする請求項1に記載の車輪操舵装置。
  3. 前記ロック部材は前記直動アクチュエータの直動部分に取り付けられ、該直動部分とともに移動し、
    前記被係合部材は前記出力軸を中心軸とする円筒部材であり、前記電動モータの回転量と前記直動アクチュエータにより回転から変換された直線運動の移動量とで決定される前記ストッパの変位に対応するように、前記円筒部材の側面に前記凹部がらせん状に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の車輪操舵装置。
  4. 前記ロック部材は前記直動アクチュエータの非回転部分に取り付けられ、
    前記被係合部材は前記出力軸を中心軸とする円筒部材であり、該円筒部材の側面に、前記直動アクチュエータの直線運動の可動範囲に対応する長さのらせん状の溝が形成されており、前記凹部はらせん状溝の底に配置され、
    正常時に、前記ロック部材のストッパはらせん状溝内の前記凹部と係合しない位置に収容され、前記被係合部材の回転に合わせてストッパが移動するように、該ロック部材がスライド可能に支持されていることを特徴とする請求項2に記載の車輪操舵装置。
  5. 前記ロック部材は前記直動アクチュエータの非回転部分に取り付けられ、
    前記被係合部材は前記出力軸を中心軸とする円盤部材であり、該円盤部材の円盤面に、前記直動アクチュエータの直線運動の可動範囲に対応する長さの渦巻き状の溝が形成されており、前記凹部は渦巻き状溝の底に配置され、
    正常時に、前記ロック部材のストッパは渦巻き状溝内の前記凹部と係合しない位置に収容され、前記被係合部材の回転に合わせてストッパが移動するように、該ロック部材がスライド可能に支持されていることを特徴とする請求項2に記載の車輪操舵装置。
  6. 前記凹部は、車輪の所定位置に対応する範囲内では、列の前後方向に略直角に形成された壁面を有し、車輪の所定位置に対応する範囲外では、所定位置から遠い側に略直角に形成された壁面を有するとともに所定位置に近い側に所定位置方向に向けて傾斜させた斜面を有することを特徴とする請求項2ないし5のいずれかに記載の車輪操舵装置。
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