JP2007290065A - 軟質難削材の高速切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆超硬合金製切削工具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被覆切削工具が、超硬基体の表面に、(a)Cr硼化物層の表面層、(b)組成式:(Cr1−XAlX)N(ただし、原子比で、0.45≦X≦0.70を示す)、を満足するCrとAlの複合窒化物層の耐摩耗硬質層、からなる硬質被覆層を形成してなり、さらに、前記表面層の少なくとも切刃稜線部を含むすくい面部分および逃げ面部分の表面粗さを、前記表面層全面に、Cr窒化物層で構成された研磨材層を蒸着形成した状態で、ウエットブラストにて、噴射研磨材として、酸化アルミニウム微粒を配合した研磨液を噴射し、前記の研磨材層のウエットブラストによる粉砕化Cr窒化物微粒と、噴射研磨材としての酸化アルミニウム微粒の共存下で研磨して、Ra:0.2μm以下としてなる。
【選択図】なし
Description
組成式:(Cr1−XAlX)N(ただし、原子比で、0.45≦X≦0.70を示す)を満足するCrとAlの複合窒化物[以下、(Cr,Al)Nで示す]層からなる硬質被覆層を1〜10μmの平均層厚で物理蒸着してなる被覆超硬工具が知られており、かつ前記被覆超硬工具の硬質被覆層である(Cr,Al)N層が、構成成分であるAlによって高温硬さと耐熱性、同Crによって高温強度を具備し、これを各種の鋼や鋳鉄などの連続切削や断続切削加工に用いた場合にすぐれた切削性能を発揮することも知られている。
(a)例えば図1(a)に概略平面図で、同(b)に概略正面図で示される構造のアークイオンプレーティング装置(以下、AIP装置と略記する)とスパッタリング装置(以下、SP装置と略記する)が共存の蒸着装置、すなわち装置中央部に超硬基体装着用回転テーブルを設け、前記回転テーブルを挟んで、一方側に前記AIP装置のカソード電極(蒸発源)として所定の組成を有するCr−Al合金、他方側に前記SP装置のカソード電極(蒸発源)としてCr硼化物(以下、CrB2で示す)粉末の焼結体(以下、CrB2焼結体という)を対向配置した蒸着装置を用い、この装置の前記回転テーブル上の中心軸から半径方向に所定距離離れた位置に外周部に沿って複数の超硬基体をリング状に装着し、この状態で装置内雰囲気を窒素雰囲気として前記回転テーブルを回転させると共に、蒸着形成される耐摩耗硬質層の層厚均一化を図る目的で超硬基体自体も自転させながら、基本的に、まず前記Cr−Al合金のカソード電極(蒸発源)とアノード電極との間にアーク放電を発生させて、前記超硬基体の表面に(Cr,Al)N層を0.8〜5μmの平均層厚で耐摩耗硬質層として蒸着形成し、ついで、前記蒸着装置内の雰囲気を、窒素雰囲気に代って、実質的にAr雰囲気とすると共に、前記SP装置のカソード電極(蒸発源)として配置したCrB2焼結体のスパッタリングを開始し、前記(Cr,Al)N層に重ねて表面層として0.8〜5μmの平均層厚でCrB2層を蒸着形成すると、この結果の被覆超硬工具は、特に切粉の粘性が高く、かつ工具表面に溶着し易いステンレス鋼や高マンガン鋼、さらに軟鋼などの軟質難削材(被削材)の切削加工を高熱発生を伴う高速切削条件で行なうのに用いた場合にも、上記(Cr,Al)N層からなる耐摩耗硬質層が、すぐれた高温耐酸化性を有する前記CrB2層からなる表面層によって、高温に加熱されて粘性および溶着性が一段と増大し、これに伴って硬質被覆層に対する酸化反応性が増大した前記被削材および切粉から保護され、摩耗進行が著しく抑制されることから、長期に亘ってすぐれた耐摩耗性を発揮するようになること。
(b)しかし、上記(a)の(Cr,Al)N層上に形成されたCrB2層は、相対的に蒸着表面が粗く、これが原因で特に前記軟質難削材の高速切削加工では切刃部にチッピング(微少欠け)が発生し易い傾向がある。そこで、これに通常の研磨手段であるウエットブラスト、すなわち、噴射研磨材として、水との合量に占める割合で15〜60質量%の酸化アルミニウム(以下、Al2O3で示す)微粒を配合した研磨液を表面に噴射して研磨するウエットブラスト、を施すことが考えられるが、前記ウエットブラストによっても、準拠規格JIS・B0601−1994に基づいた測定(以下の表面粗さは全てかかる準拠規格に基づいた測定値を示す)で、Ra:0.3〜0.6μm程度の表面粗さを確保することができるに過ぎず、この表面粗さでは、前記軟質難削材の高速切削加工で切刃部にチッピングが発生するのを満足に抑制することはできないこと。
(c)一方、上記の被覆超硬工具における硬質被覆層の表面層を構成するCrB2層の切刃稜線部を含むすくい面および逃げ面の全面に、図1に示される通り、カソード電極(蒸発源)として金属Crを配置したAIP装置を用い、装置内雰囲気を窒素雰囲気として、前記カソード電極(蒸発源)とアノード電極との間にアーク放電を発生させて、0.5〜5μmの平均層厚で、Cr窒化物(以下、CrNで示す)層を蒸着形成した状態で、
上記(b)におけると同じくウエットブラストにて、噴射研磨材として、水との合量に占める割合で15〜60質量%のAl2O3微粒を配合した研磨液を噴射すると、上記CrN層(以下、CrN研磨材層という)は、前記Al2O3微粒によって粉砕微粒化し、CrN微粒となって前記Al2O3微粒の共存下で研磨材として作用し、硬質被覆層の表面層を構成するCrB2層の表面を研磨することになり、この結果研磨後の前記CrB2層の表面は、Ra:0.2μm以下の表面粗さにまで平滑化されるようになり、この表面層であるCrB2層の表面の少なくとも切刃稜線部を含むすくい面部分および逃げ面部分がRa:0.2μm以下の表面粗さに平滑化した被覆超硬工具を用いて、特に前記軟質難削材の高速切削加工を行った場合、切刃部におけるチッピング発生が防止され、前記硬質被覆層は長期に亘ってすぐれた耐摩耗性を発揮するようになること。
以上(a)〜(c)に示される研究結果を得たのである。
(a)表面層として、SP装置を用いて蒸着形成され、かつ、0.8〜5μmの平均層厚を有するCrB2層、
(b)耐摩耗硬質層として、AIP装置を用いて蒸着形成され、かつ、0.8〜5μmの平均層厚を有し、さらに、
組成式:(Cr1−XAlX)N(ただし、原子比で、0.45≦X≦0.70を示す)、
を満足する(Cr,Al)N層、
以上(a)および(b)からなる硬質被覆層を形成してなる被覆超硬工具にして、
さらに、上記硬質被覆層のCrB2層で構成された表面層の少なくとも切刃稜線部を含むすくい面部分および逃げ面部分の表面粗さを、
上記表面層全面に、AIP装置を用いて蒸着形成され、かつ、0.5〜5μmの平均層厚を有するCrN層で構成された研磨材層を蒸着形成した状態で、
ウエットブラストにて、噴射研磨材として、水との合量に占める割合で15〜60質量%のAl2O3微粒を配合した研磨液を噴射し、
上記の研磨材層のウエットブラストによる粉砕化CrN微粒と、噴射研磨材としてのAl2O3微粒の共存下で研磨して、Ra:0.2μm以下としてなる、軟質難削材の高速切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐摩耗性を発揮する被覆超硬工具に特徴を有するものである。
(a)耐摩耗硬質層の組成式のX値
耐摩耗硬質層を構成する(Cr,Al)N層におけるAl成分には、高温硬さと耐熱性を向上させ、また、同Cr成分には、高温強度を向上させる作用があるが、Alの割合を示すX値がCrとの合量に占める割合(原子比、以下同じ)で0.45未満になると、相対的にCrの割合が多くなり過ぎて、高速切削に要求されるすぐれた高温硬さと耐熱性を確保することができなくなり、摩耗進行が急激に促進するようになり、一方Alの割合を示すX値が同0.70を越えると、相対的にCrの割合が少なくなり過ぎて、高温強度が急激に低下し、この結果切刃部にチッピング(微少欠け)などが発生し易くなることから、X値を0.45〜0.70と定めた。
(b)耐摩耗硬質層の平均層厚
その平均層厚が0.8μm未満では、自身のもつすぐれた耐摩耗性を長期に亘って発揮するには不十分であり、一方その平均層厚が5μmを越えると、上記の硬質難削材の高速切削では切刃部にチッピングが発生し易くなることから、その平均層厚を0.8〜5μmと定めた。
(c)表面層の平均層厚
硬質被覆層は、上記の通り耐摩耗硬質層のもつすぐれた高温硬さ、高温強度、耐熱性と、表面層であるCrB2層のもつすぐれた高温耐酸化性との共存によって、高い発熱を伴う軟質難削材の高速切削ですぐれた耐摩耗性を発揮するようになるものであるが、前記CrB2層の平均層厚が0.8μm未満では、上記耐摩耗硬質層を切削時における前記軟質難削材の高い酸化反応性から使用寿命に至るまで保護するには不十分であり、一方その平均層厚が5μmを越えると切刃部にチッピングが発生し易くなることから、その平均層厚を0.8〜5μmと定めた。
(d)CrN研磨材層
上記の通り、CrN研磨材層は、ウエットブラスト時に、研磨液に噴射研磨材として配合したAl2O3微粒によって粉砕微粒化し、CrN微粒となって前記Al2O3微粒との共存下で研磨材として作用し、硬質被覆層の表面層を構成するCrB2層の表面を研磨するが、この場合、その平均層厚が0.5μm未満では、ウエットブラスト時における粉砕化CrN微粒の割合が少な過ぎて、研磨機能を十分に発揮することができず、一方、その平均層厚が5μmを越えると、研磨液に噴射研磨材として配合したAl2O3微粒とのバランスがくずれて、相対的に多くなり過ぎ、この場合も研磨機能が急激に低下するようになり、いずれの場合もCrB2層の表面をRa:0.2μm以下の表面粗さに研磨することができなくなるという理由で、その平均層厚を0.5〜5μmと定めた。
(e)研磨液のAl2O3微粒の割合
研磨液のAl2O3微粒には、ウエットブラスト時にCrN研磨材層の粉砕化CrN微粒と共存した状態で、CrB2層の表面を研磨する作用があるが、その割合が水との合量に占める割合で15質量%未満でも、また60質量%を越えても研磨機能が急激に低下するようになることから、その割合を15〜60質量%と定めた。
(a)ついで、上記の超硬基体A−1〜A−10およびB−1〜B−6のそれぞれを、アセトン中で超音波洗浄し、乾燥した状態で、図1に示される蒸着装置内の回転テーブル上の中心軸から半径方向に所定距離離れた位置に外周部にそって装着し、一方側のAIP装置のカソード電極(蒸発源)として、それぞれ表4に示される目標組成に対応した成分組成を有する耐摩耗硬質層形成用Cr−Al合金、他方側のSP装置のカソード電極(蒸発源)として表面層形成用CrB2焼結体を対向配置し、また前記Cr−Al合金およびCrB2焼結体のそれぞれから90度ずれた位置に前記回転テーブルに沿って、AIP装置のカソード電極(蒸発源)として、CrN研磨材層形成用金属Crを装着し、
(b)まず、装置内を排気して0.1Pa以下の真空に保持しながら、ヒーターで装置内を500℃に加熱した後、前記回転テーブル上で自転しながら回転する超硬基体に−1000Vの直流バイアス電圧を印加し、かつカソード電極の前記Cr−Al合金とアノード電極との間に100Aの電流を流してアーク放電を発生させ、もって超硬基体表面を前記Cr−Al合金によってボンバード洗浄し、
(c)装置内に反応ガスとして窒素ガスを導入して3Paの反応雰囲気とすると共に、前記回転テーブル上で自転しながら回転する超硬基体に−100Vの直流バイアス電圧を印加し、かつカソード電極の前記Cr−Al合金とアノード電極との間に100Aの電流を流してアーク放電を発生させ、もって前記超硬基体の表面に、表4に示される目標組成および目標層厚の(Cr,Al)N層を硬質被覆層の耐摩耗硬質層として蒸着形成し、
(d)ついで、既に蒸着形成された上記の耐摩耗硬質層としての(Cr,Al)N層と、これから蒸着形成される表面層としてのCrB2層との密着接合性を向上させる目的で、上記耐摩耗硬質層形成用Cr−Al合金のカソード電極とアノード電極との間のアーク放電を継続したまま、装置内に窒素ガスに代えてArと窒素の混合ガス(N2:Ar=容積比で3:1)を導入して、装置内雰囲気を同じく3Paとし、同時に前記SP装置のカソード電極(蒸発源)として配置したCrB2焼結体に、3kWの出力でスパッタを発生させ、この状態を20分間保持して、密着接合層としてのCrとAlの複合硼窒化物層(この場合後の測定でいずれも0.3μmの平均層厚を示したが、0.1〜0.5μmの平均層厚ですぐれた密着接合性が確保される)を形成し、
(e)引き続いて、前記SP装置のカソード電極(蒸発源)として配置したCrB2焼結体とアノード電極と間のスパッタを同一条件(スパッタ出力:3kW)で続行しながら、前記装置内に導入するガスをArと窒素の混合ガスからArガスに代えると共に、装置内雰囲気を0.5Paとし、同時に上記耐摩耗硬質層形成用Cr−Al合金のカソード電極とアノード電極との間のアーク放電を停止し、この条件で層厚に対応した時間スパッタリングを行い、同じく表4に示される目標層厚のCrB2層を硬質被覆層の表面層として蒸着形成し、
(f)さらに、装置内にArガスに代えて窒素ガスを導入して、装置内雰囲気を同じく3Paの窒素雰囲気とし、同時に上記スパッタリングを停止すると共に、前記回転テーブル上で自転しながら回転する超硬基体に−100Vの直流バイアス電圧を印加し、かつAIP装置のカソード電極である前記金属Crとアノード電極との間に100Aの電流を流してアーク放電を発生させ、もって前記CrB2層(表面層)の全面に、同じく表4に示される目標層厚のCrN研磨材層を蒸着形成し、
(g)引き続いて、上記のCrN研磨材層形成の被覆超硬工具に、表3に示されるブラスト条件で、かつ表4に示される組み合わせでウエットブラストを施して、CrB2層で構成された表面層の少なくとも切刃稜線部を含むすくい面部分および逃げ面部分を同じく表4に示される表面粗さに研磨することにより、本発明被覆超硬工具としての本発明表面被覆超硬製スローアウエイチップ(以下、本発明被覆チップと云う)1〜16をそれぞれ製造した。
被削材:JIS・SUS304の丸棒、
切削速度: 240 m/min.、
切り込み: 3 mm、
送り: 0.2 mm/rev.、
切削時間: 5 分、
の条件(切削条件Aという)でのステンレス鋼の乾式連続高速切削加工試験(通常の切削速度は150m/min.)、
被削材:JIS・SCMnH2の長さ方向等間隔3本縦溝入りの丸棒、
切削速度: 250 m/min.、
切り込み: 2 mm、
送り: 0.1 mm/rev.、
切削時間: 6 分、
の条件(切削条件Bという)での高マンガン鋼の乾式断続高速切削加工試験(通常の切削速度は150m/min.)、
被削材:JIS・SS400の長さ方向等間隔3本縦溝入り丸棒、
切削速度: 230 m/min.、
切り込み: 2.5 mm、
送り: 0.15 mm/rev.、
切削時間: 5 分、
の条件(切削条件Cという)での軟鋼の乾式断続高速切削加工試験(通常の切削速度は180m/min.)を行い、いずれの切削加工試験でも切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。この測定結果を表6に示した。
被削材−平面:100mm×250mm、厚さ:50mmの寸法をもったJIS・SS400の板材、
切削速度: 50 m/min.、
溝深さ(切り込み): 1.5 mm、
テーブル送り: 300 mm/分、
の条件での軟鋼の乾式高速溝切削加工試験(通常の切削速度は30m/min.)、
本発明被覆エンドミル4〜6および比較被覆エンドミル4〜6については、
被削材−平面:100mm×250mm、厚さ:50mmの寸法をもったJIS・SCMnH2の板材、
切削速度: 55 m/min.、
溝深さ(切り込み): 2 mm、
テーブル送り: 350 mm/分、
の条件での高マンガン鋼の乾式高速溝切削加工試験(通常の切削速度は40m/min.)、
本発明被覆エンドミル7,8および比較被覆エンドミル7,8については、
被削材−平面:100mm×250mm、厚さ:50mmの寸法をもったJIS・SUS304の板材、
切削速度: 45 m/min.、
溝深さ(切り込み): 5 mm、
テーブル送り: 350 mm/分、
の条件でのステンレス鋼の乾式高速溝切削加工試験(通常の切削速度は35m/min.)
をそれぞれ行い、いずれの溝切削加工試験でも切刃部の外周刃の逃げ面摩耗幅が使用寿命の目安とされる0.2mmに至るまでの切削溝長を測定した。この測定結果を表8にそれぞれ示した。
被削材−平面:100mm×250mm、厚さ:50mmの寸法をもったJIS・SCMnH2の板材、
切削速度: 35 m/min.、
送り: 0.25 mm/rev、
穴深さ: 10 mm、
の条件での高マンガン鋼の湿式高速穴あけ切削加工試験(通常の切削速度は25m/min.)、
本発明被覆ドリル4〜6および比較被覆ドリル4〜6については、
被削材−平面:100mm×250mm、厚さ:50mmの寸法をもったJIS・SUS316の板材、
切削速度: 45 m/min.、
送り: 0.25 mm/rev、
穴深さ: 25 mm、
の条件でのステンレス鋼の湿式高速穴あけ切削加工試験(通常の切削速度は30m/min.)、
本発明被覆ドリル7,8および比較被覆ドリル7,8については、
被削材−平面:100mm×250mm、厚さ:50mmの寸法をもったJIS・SS400の板材、
切削速度: 45 m/min.、
送り: 0.3 mm/rev、
穴深さ: 38 mm、
の条件での軟鋼の湿式高速穴あけ切削加工試験(通常の切削速度は35m/min.)、
をそれぞれ行い、いずれの湿式高速穴あけ切削加工試験(水溶性切削油使用)でも先端切刃面の逃げ面摩耗幅が0.2mmに至るまでの穴あけ加工数を測定した。この測定結果を表9にそれぞれ示した。
Claims (1)
- 炭化タングステン基超硬合金または炭窒化チタン系サーメットからなる超硬基体の表面に、
(a)表面層として、スパッタリング装置を用いて蒸着形成され、かつ0.8〜5μmの平均層厚を有するCr硼化物層、
(b)耐摩耗硬質層として、アークイオンプレーティング装置を用いて蒸着形成され、かつ、0.8〜5μmの平均層厚を有し、さらに、
組成式:(Cr1−XAlX)N(ただし、原子比で、0.45≦X≦0.70を示す)、
を満足するCrとAlの複合窒化物層、
以上(a)および(b)からなる硬質被覆層を形成してなる表面被覆超硬合金製切削工具にして、
さらに、上記硬質被覆層のCr硼化物層で構成された表面層の少なくとも切刃稜線部を含むすくい面部分および逃げ面部分の表面粗さを、
上記表面層全面に、アークイオンプレーティング装置を用いて蒸着形成され、かつ、0.5〜5μmの平均層厚を有するCr窒化物層で構成された研磨材層を蒸着形成した状態で、
ウエットブラストにて、噴射研磨材として、水との合量に占める割合で15〜60質量%の酸化アルミニウム微粒を配合した研磨液を噴射し、
上記の研磨材層のウエットブラストによる粉砕化Cr窒化物微粒と、噴射研磨材としての酸化アルミニウム微粒の共存下で研磨して、準拠規格JIS・B0601−1994に基づいた測定で、Ra:0.2μm以下としたこと、
を特徴とする軟質難削材の高速切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆超硬合金製切削工具。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013146839A (ja) * | 2012-01-23 | 2013-08-01 | Mitsubishi Materials Corp | 硬質被覆層がすぐれた耐熱性と耐摩耗性を維持する表面被覆切削工具 |
Citations (3)
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---|---|---|---|---|
JPH1025566A (ja) * | 1996-07-12 | 1998-01-27 | Yamaguchi Pref Gov | イオンプレーティングによる耐高温酸化特性に優れた複合硬質皮膜の形成法 |
JP2006026814A (ja) * | 2004-07-16 | 2006-02-02 | Tungaloy Corp | 被覆切削チップ |
JP2006026883A (ja) * | 2004-06-18 | 2006-02-02 | Mitsubishi Materials Corp | 高速切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆超硬合金製切削工具 |
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