JP2007288993A - 高圧電源回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い応答性を有して出力電圧の高速変化が可能であり、大容量の巻き線トランスを必要とすることなく小型な構成で直流高電圧を出力する高圧電源回路を提供する。
【解決手段】スイッチ素子2,3、ダイオード7,8、コイル5から構成された回路部分Aとコンデンサ6とから構成された直流電圧変換回路1をN個備える。各直流電圧変換回路1iは、低圧側正電位部12iに入力される直流電圧eaiを昇圧してなる直流電圧ebiを高圧側電位部10iに発生する。N個の直流電圧変換回路1は、第n段直流電圧変換回路1nの基準電位部9nおよび低圧側正電位部12nがそれぞれ第n−1段直流電圧変換回路1n-1の低圧側正電位部12n-1、高圧側正電位部10n-1に接続される。第1段直流電圧変換回路11の基準電位部91と第N段直流電圧変換回路1Nの高圧側正電位部10Nとの間に第1段直流電圧変換回路11に入力される直流電圧ea1昇圧した直流高電圧ENを発生する。
【選択図】図4

Description

本発明は、正極性または負極性の直流高電圧、あるいは、正負両極性の直流高電圧、あるいは、交流高電圧を出力可能な高圧電源回路に関する。
従来、交流高圧電源回路としては、商用交流電源の出力を巻き線トランスにより昇圧するものが広く知られている。さらに、巻き線トランスの一次コイル側に高周波発振回路を設け、この高周波発振回路の出力(正弦波交流出力もしくはパルス状の交流出力)を巻き線トランスで昇圧することにより、高周波の交流高電圧を発生するようにしたものも知られている。例えば、特許文献1には、Hブリッジスイッチング回路により構成した高周波発振回路を高圧用巻き線トランスの一次コイル側に設け、その発振回路の出力を巻き線トランスで昇圧することにより高周波パルス状の交流高電圧を発生するようにしたものが開示されている。
また、直流高圧電源回路としては、商用交流電源などの交流出力を巻き線トランスにより昇圧してなる交流高電圧を、整流回路により整流して直流高電圧を生成するものが大容量の直流高圧電源回路として広く知られている。さらに、比較的小容量の直流高圧電源回路としては、高周波パルス状の直流電圧を巻き線トランスで昇圧し、この巻き線トランスの2次コイル側の出力を、例えば特許文献2に見られるような、コッククロフト・ウォルトン回路と呼ばれる倍電圧整流回路により整流・昇圧して、直流高電圧を発生するようにしたものが知られている。なお、特許文献2のものでは、正極性の直流高電圧を発生する正極性直流高圧電源回路と、負極性の直流高電圧を発生する負極性直流高圧電源回路とを組み合わせ、それらの直流高圧電源回路を交互に周期的に動作させることで、正極性の直流高電圧と負極性の直流高電圧とを交互に発生し、その正極性および負極性の直流高電圧を除電装置の放電電極に付与することで、該放電電極に交流高電圧が印加されるようにしている。
補足すると、本明細書では、「交流」は、正弦波交流に限らず、電圧が例えばパルス状、あるいは、三角波状に変化する交流も含まれる。すなわち、「交流」は、その電圧の極性が交互に正、負に変化し、その変化が周期的に行なわれるものを意味する。
上記のような高圧電源回路は、種々様々の用途で使用され、例えば空中コロナ放電を発生させる除電装置の電源回路や、プラズマ発生用の電源回路として使用される。
ところで、前記した従来の交流高圧電源および直流高圧電源は、比較的大容量の巻き線トランスを必要とするため、電源回路の構成の小型化や軽量化が難しいという不都合があった。
また、近年、除電装置の除電性能を高めることなどを目的として、出力電圧を高速でパルス状に変化させ得る直流高圧電源(入力電圧の変化に対する出力電圧の応答性が高い直流高圧電源)の必要性が高まっている。しかるに、前記コッククロフト・ウォルトン回路のような整流回路を備えた直流高圧電源回路では、出力電圧を高速で変化させ得る回路を実現することは困難であった。これは、コッククロフト・ウォルトン回路のような整流回路を備えた直流高圧電源回路では、その入力側と出力側との間の電力伝達が、入力側から出力側への一方向にしか行なうことができないためである。
一方、巻き線トランスを使用することなく、正極性または負極性の直流電圧を、それよりも高圧の直流電圧に変換し得る直流電圧変換回路(DC−DCコンバータ)として、例えば図1または図3に示す回路も知られている。以下に、図1〜図3を参照して、この直流電圧変換回路を説明する。図1は、正極性の直流電圧を昇圧可能な直流電圧変換回路の要部の回路構成図、図2は図1の直流電圧変換回路に備えたスイッチ素子のオン・オフ動作を示すタイミングチャート、図3は負極性の直流電圧を昇圧可能な直流電圧変換回路の要部の回路構成図である。なお、これらの直流電圧変換回路は公知の回路である。
図1を参照して、この直流電圧変換回路1は、第1のスイッチ素子2および第2のスイッチ素子3を直列に接続してなるスイッチ素子回路4と、コイル5と、コンデンサ6と、第1のダイオード7および第2のダイオード8とを備える。各スイッチ素子2,3は、そのオン・オフを制御信号により制御可能なスイッチ素子である。図示の例では、各スイッチ素子2,3として、nチャネルFETを用い、FET2(第1のスイッチ素子2)のドレン端子とFET3(第2のスイッチ素子3)のソース端子とを接続することで、スイッチ素子回路4が構成されている。ただし、スイッチ素子2,3は、そのいずれか一方もしくは両者がpチャネルFETにより構成されていてもよい。あるいは、各スイッチ素子2,3はスイッチングトランジスタにより構成されていてもよい。
スイッチ素子2,3のそれぞれには、第1のダイオード7、第2のダイオード8が並列に接続されている。この場合、スイッチ素子回路4のスイッチ素子2側の一端9(FET2のソース端子)を基準電位部9、スイッチ素子回路4のスイッチ素子3側の他端10(FET3のドレン端子)を正極性の高圧側正電位部10とし、各ダイオード7,8は、その順方向の向きがいずれも基準電位部9から高圧側正電位部10に向かう向き(各スイッチ素子2,3の通電方向と逆向き)になるように、それぞれのスイッチ素子2,3に並列接続されている。
より詳しくは、図示の例では、第1のダイオード7は、nチャネルFET2(第1のスイッチ素子)のソース端子からドレン端子に向かう向きを該ダイオード7の順方向として、該FET2のソース端子、ドレン端子にそれぞれ該ダイオード7のアノード、カソードが接続されている。同様に、第2のダイオード8は、nチャネルFET3(第2のスイッチ素子3)のソース端子からドレン端子に向かう向きを該ダイオード8の順方向として、該FET3のソース端子、ドレン端子にそれぞれ該ダイオード8のアノード、カソードが接続されている。
コイル5は、その一端11がスイッチ素子回路4の第1のスイッチ素子2と第2のスイッチ素子3との間の箇所に接続されている。また、コンデンサ6は、基準電位部9と高圧側正電位部10との間でスイッチ素子回路4と並列に接続されている。
以上のように構成された直流電圧変換回路1では、コイル6の他端12を基準電位部9に対して正極性の低圧側正電位部12とし、低圧側正電位部12に、基準電位部9に対して正極性の直流入力電圧ea(>0)を入力しつつ、第1および第2のスイッチ素子2,3を高速で交互にオン・オフさせる。これにより、高圧側正電位部10と基準電位部9との間に、直流入力電圧eaを昇圧してなる正極性の直流電圧eb(基準電位部9に対して高圧側正電位部10が正極性となる直流電圧)を発生させることができる。
なお、第1および第2のスイッチ素子2,3を交互にオン・オフさせるということは、より詳しくは、図2に示すように、第1のスイッチ素子2がオン(導通状態)となる期間において第2のスイッチ素子3がオフ(遮断状態)となり、且つ、第1のスイッチ素子2がオフとなる期間において第2のスイッチ素子3がオンとなるように、各スイッチ素子2,3のオン・オフを周期的に繰り返すことを意味する。図示例の直流電圧変換回路1では、FET(スイッチ素子)2,3のそれぞれのゲートに図2に示したような波形の矩形波パルスを入力することで、スイッチ素子2,3を交互にオン・オフさせることができる。
補足すると、図2に示した矩形波パルスでは、スイッチ素子2,3の一方のオン期間と他方のオフ期間とが同じになっているが、実際には、両スイッチ素子2,3を共にオフとする所謂デッド期間が設けられ、スイッチ素子2,3が同時にオンになることがないようにされる。ただし、このデッド期間は、スイッチ素子2,3のオン・オフの周期に対して微小な期間であるので、本明細書の説明では、理解の便宜上、該デッド期間は無視する。
ここで、各スイッチ素子2,3のオン・オフの1周期Tの期間においてオンとなる期間の割合(1周期Tに対する割合)をそのスイッチ素子のオン・オフのデューティ比と呼び、図2に示すように第2のスイッチ素子3のオン・オフのデューティ比をα(0<α<1)、第1のスイッチ素子2のオン・オフのデューティ比を1−αとする。このとき、図1の直流電圧変換回路1では、直流入力電圧eaと直流電圧ebとの関係は、デューティ比αの値に依存し、次式(1)により与えられる。
eb=(1/α)×ea ……(1)
従って、高圧側正電位部10の直流電圧ebは、低圧側正電位部12の直流入力電圧eaを(1/α)倍に昇圧したものとなる。そして、第2のスイッチ素子2のデューティ比αを小さくするほど(第1のスイッチ素子3のデューティ比1−αを大きくするほど)、昇圧の度合いが高まることとなる。
補足すると、この直流電圧変換回路1では、低圧側正電位部12と、高圧側正電位部10との間で双方向に電力の伝達が可能である。このため、高圧側正電位部10に、基準電位部9との間で正極性の直流電圧ebを印加しつつ、スイッチ素子2,3のオン・オフを交互に行なうことにより、直流電圧ebを式(1)の関係に従って降圧してなる正極性の直流電圧eaを低圧側正電位部12に発生させることもできる。換言すれば、直流電圧変換回路1は、双方向型のDC−DCコンバータとして機能するものである。
図1に示した直流電圧変換回路1は、上記のように正極性の直流電圧を昇圧可能なものであるが、同様の回路構成によって、負極性の直流電圧を昇圧するようにすることもできる。その回路の例が、図3に示す直流電圧変換回路21である。以下にこの直流電圧変換回路21を説明する。
この直流電圧変換回路21は、第1のスイッチ素子22および第2のスイッチ素子23を直列に接続してなるスイッチ素子回路24と、コイル25と、コンデンサ26と、第1のダイオード27および第2のダイオード28とを備えることは、図1の直流電圧変換回路1と同様である。なお、図3の例の直流電圧変換回路21では、スイッチ素子22,23として、nチャネルFETを用い、第1のスイッチ素子22としてのFET22のソース端子と第2のスイッチ素子23としてのFET23のドレン端子とを接続することで、スイッチ素子回路24が構成されている。ただし、スイッチ素子22,23は、そのいずれか一方もしくは両者がpチャネルFETにより構成されていてもよい。あるいは、各スイッチ素子2,3はスイッチングトランジスタにより構成されていてもよい。
そして、図3の直流電圧変換回路21では、スイッチ素子回路24の第1スイッチ素子22側の一端29(FET22のドレン端子)を基準電位部29、第2のスイッチ素子23側の他端30(FET23のドレン端子)を負極性の高圧側負電位部30とし、各ダイオード27,28は、その順方向の向きがいずれも高圧側負電位部30から基準電位部29に向かう向き(各スイッチ素子22,23の通電方向と逆向き)になるように、それぞれのスイッチ素子22,23に並列接続されている。
より詳しくは、図示の例では、第1のダイオード27は、nチャネルFET22(第1のスイッチ素子22)のソース端子からドレン端子に向かう向きを該ダイオード27の順方向として、該FET22のソース端子、ドレン端子にそれぞれ該ダイオード27のアノード、カソードが接続されている。また、第2のダイオード28は、nチャネルFET23(第2のスイッチ素子23)のソース端子からドレン端子に向かう向きを該ダイオード28の順方向として、該FET23のソース端子、ドレン端子にそれぞれ該ダイオード28のアノード、カソードが接続されている。
また、図1のものと同様に、スイッチ素子回路24の、第1のスイッチ素子22と第2のスイッチ素子23との間の箇所には、コイル52の一端31が接続され、基準電位部29と高圧側負電位部30との間には、スイッチ素子回路24と並列にコンデンサ26が介装されている。
以上のように構成された図3の直流電圧変換回路21では、コイル25の他端32を基準電位部29に対して負極性の低圧側負電位部32とし、該低圧側負電位部32に、基準電位部29に対して負極性の直流入力電圧−ea(<0)を入力しつつ、第1および第2のスイッチ素子22,23を高速で交互にオン・オフさせることにより、高圧側負電位部30と基準電位部29との間に、直流入力電圧−eaを昇圧してなる負極性の直流電圧−eb(基準電位部29に対して高圧側負電位部30が負極性となる直流電圧)を発生させることができる。
この場合、第2のスイッチ素子23のオン・オフのデューティ比をα、第1のスイッチ素子22のオン・オフのディーティ比を1−αとすると、直流電圧変換回路21における直流入力電圧−eaと直流電圧−ebとの関係は、次式(2)により与えられる。
−eb=(1/α)×(−ea) ……(2)
従って、高圧側負電位部30の直流電圧−ebは、低圧側負電位部32の直流入力電圧−eaを(1/α)倍に昇圧したものとなる。そして、第2のスイッチ素子22のデューティ比αを小さくするほど(第1のスイッチ素子23のデューティ比1−αを大きくするほど)、昇圧の度合いが高まることとなる。
なお、この直流電圧変換回路21においても、低圧側負電位部32と、高圧側負電位部30との間で双方向に電力の伝達が可能である。このため、高圧側負電位部30に、基準電位部29との間で負極性の直流電圧−ebを印加しつつ、スイッチ素子22,23のオン・オフを交互に行なうことにより、直流電圧−eaを式(2)の関係に従って降圧してなる負極性の直流電圧−esを低圧側負電位部32に発生させることもできる。換言すれば、直流電圧変換回路21も双方向型のDC−DCコンバータとして機能する。
以上説明した図1または図3の直流電圧変換回路1,21は、巻き線トランスを必要とせずに、正極性または負極性の直流電圧を昇圧できる。また、いずれの直流電圧変換回路1,21でもその入力側と出力側との間(低圧側正電位部12と高圧側正電位部10との間、あるいは、低圧側負電位部32と高圧側負電位部30との間)で双方向の電力伝達が可能であることから、入力側の直流電圧の変化に対し出力側の直流電圧が高い応答性(速応性)で変化する。従って、直流電圧変換回路1,21は、小型で、応答性の高い高圧電源回路を構成する上で適していると考えられる。
しかしながら、直流電圧変換回路1,21では、高圧側電位部10,30の直流電圧が直接的にスイッチ素子回路4,24に印加されるため、スイッチ素子2,3,22,23やダイオード7,8,27,28の耐圧の制約を受け、単独の直流電圧変換回路1,21では、数kVに及ぶような十分に高圧の直流電圧(直流高電圧)を発生することは実質的にはできないものとなっていた。
また、例えば、正極性の直流高電圧を得るために、複数の直流電圧変換回路1を用い、第1番目の直流電圧変換回路1の出力電圧を第2番目の直流電圧変換回路1に入力し、第2番目の直流電圧変換回路1の出力電圧を第3番目の直流電圧変換回路1に入力する、というように、複数の直流電圧変換回路1を単純に直列に接続して、段階的な昇圧を行なうようにしても、後段側の直流電圧変換回路1のスイッチ素子回路4,24には、高圧の直流電圧が直接的に印加されることとなってしまう。このため、複数の直流電圧変換回路1を単純に直列に接続しただけでは、単独の直流電圧変換回路1を使用する場合と同様に、スイッチ素子2,3やダイオード7,8の耐圧の制約上、十分に高圧の直流電圧(直流高電圧)を発生することは実質的にできない。そして、このことは、前記図3の直流電圧変換回路21の複数を直列に接続した場合でも同様である。
特開2000−278962号公報 特開2000−58290号公報
本発明は以上説明した背景に鑑みてなされたものであり、高い応答性を有して出力電圧の高速変化が可能であると共に、大容量の巻き線トランスを必要とすることなく小型な構成で正極性または負極性または両極性の直流高電圧を出力することができる高圧電源回路を提供することを目的とする。さらに、その高圧電源回路を利用し、小型な構成で、応答性の高い交流高圧電源回路を提供することを目的とする。
本発明の高圧電源回路としては、正極性の直流高電圧を発生する正極性高圧電源回路と、負極性の直流高電圧を発生する負極性高圧電源回路と、両極性の直流高電圧を発生する両極性高圧電源回路と、交流高電圧を発生する交流高圧電源回路とがある。これらの高圧電源回路を概略的に説明すると、正極性高圧電源回路は、前記図1に示したような構成の直流電圧変換回路、もしくはこれと類似の直流電圧変換回路を基本の要素回路とし、その要素回路の複数を本発明に特徴的な形態で接続して構成される。また、本発明の負極性高圧電源回路は、前記図3に示したような構成の直流電圧変換回路、もしくはこれと類似の直流電圧変換回路を基本の要素回路とし、その要素回路の複数を本発明に特徴的な形態で接続して構成される。そして、本発明の両極性高圧電源回路と、交流高圧電源回路とは、本発明の正極性高圧電源回路と、負極性高圧電源回路とを要素回路として構成される。
以下に本発明の高圧電源回路を説明する。なお、本発明の説明では、本発明の理解の便宜上、前記図1および図3と、後述する図4、図8、図9、図10、図11、図13、図14とに示した符号を括弧付きの参照符号で付する。ただし、その場合、本発明の高圧電源回路に備える個々の直流電圧変換回路を区別する必要がある場合には、図1または図3に示した符号に加えて、各直流電圧変換回路の番数iに対応する添え字「i」(i:整数)を付する。なお、当該参照符号は、本発明を限定する趣旨のものではないことはもちろんである。
本発明の正極性高圧電源回路の第1の態様は、前記の目的を達成するために(図1および図4を参照)、オン・オフをそれぞれ制御可能な第1のスイッチ素子(2)および第2のスイッチ素子(3)を直列に接続してなるスイッチ素子回路(4)と、該スイッチ素子回路(4)の両端のうちの一端を基準電位部(9)、他端を基準電位部に対して正の電位となる高圧側正電位部(10)とし、該基準電位部(9)から高圧側正電位部(10)に向かう向きが順方向になるように前記第1のスイッチ素子(2)および第2のスイッチ素子(3)にそれぞれ並列に接続された第1のダイオード(7)および第2のダイオード(8)と、前記基準電位部(9)および高圧側正電位部(10)の間に前記スイッチ素子回路(4)と並列に接続されたコンデンサ(6)と、前記スイッチ素子回路(4)の第1のスイッチ素子(2)と第2のスイッチ素子(3)との間の箇所に一端(11)が接続されたコイル(5)とを備え、該コイル(5)の他端を低圧側正電位部(12)として、該低圧側正電位部(12)と前記基準電位部(9)との間に正極性の直流入力電圧(ea)を印加しつつ、前記第1のスイッチ素子(2)および第2のスイッチ素子(3)を交互にオン・オフさせることにより、前記高圧側正電位部(10)と基準電位部(9)との間に前記直流入力電圧(ea)を昇圧してなる直流電圧(eb)を発生する昇圧動作が行なわれる直流電圧変換回路(1)をN個(N:2以上の整数)備える。
そして、第1の態様の正極性高圧電源回路は、前記N個の直流電圧変換回路のうちの1つを第1段直流電圧変換回路、他のそれぞれの直流電圧変換回路を第n段直流電圧変換回路(n:2からNまでの整数)としたとき、前記N個の直流電圧変換回路は、第n段直流電圧変換回路(1n)の基準電位部(9n)が第n−1段直流電圧変換回路(1n-1)の低圧側正電位部(12n-1)と同電位になり、且つ、該第n段直流電圧変換回路(1n)の低圧側正電位部(12n)が第n−1段直流電圧変換回路(1n-1)の高圧側正電位部(10n-1)と同電位になるように接続され、前記第1段直流電圧変換回路(11)の低圧側正電位部(121)と基準電位部(91)との間に直流入力電圧(ea1)を印加しつつ、前記N個の直流電圧変換回路のそれぞれの前記昇圧動作を行なわせることにより、第N段直流電圧変換回路(1N)の高圧側正電位部(10N)と第1段直流電圧変換回路の基準電位部(91)との間に、前記第1段直流電圧変換回路(11)に対する前記直流入力電圧(ea1)を前記N個の直流電圧変換回路により昇圧してなる正極性の直流高電圧が発生するようにしたことを特徴とする。
かかる本発明の正極性高圧電源回路によれば、前記N個の直流電圧変換回路は、第n段直流電圧変換回路(1n)の基準電位部(9n)が第n−1段直流電圧変換回路(1n-1)の低圧側正電位部(12n-1)と同電位になり、且つ、該第n段直流電圧変換回路(1n)の低圧側正電位部(12n)が第n−1段直流電圧変換回路(1n-1)の高圧側正電位部(10n-1)と同電位になるように接続されている。このため、前記第1段直流電圧変換回路(11)の低圧側正電位部(121)と基準電位部(91)との間に前記直流入力電圧(ea1)を印加しつつ、前記N個の直流電圧変換回路のそれぞれの昇圧動作を行なわせる(第1のスイッチ素子(2)および第2のスイッチ素子(3)を交互にオン・オフさせる)ことにより、各直流電圧変換回路(1)における昇圧動作によって、第1段直流電圧変換回路(11)の基準電位部(91)に対する第n段直流電圧変換回路(1n)の低圧側正電位部(12n)の電位と、該基準電位部(91)に対する第n段直流電圧変換回路(1n)の高圧側正電位部(10n)の電位とは、それぞれnの値が大きくなるにつれて段階的に正側に高くなる。
一方、同時に、第1段直流電圧変換回路(11)の基準電位部(91)に対する第n段直流電圧変換回路(1n)の基準電位部(9n)の電位(=第n−1段直流電圧変換回路(1n-1)の低圧側正電位部(12n-1)の電位)も、nの値が大きくなるにつれて正側に高くなる。このため、個々の第n段直流電圧変換回路(1n)においては、その低圧側正電位部(12n)と基準電位部(9n)との間に印加される直流電圧は、第1段直流電圧変換回路(11)の基準電位部(91)に対する、第n段直流電圧変換回路(1n)の低圧側正電位部(12n)の電位と基準電位部(9n)の電位との差分の電圧で済む。同様に、第n段直流電圧変換回路(1n)の高圧側正電位部(10n)と基準電位部(9n)との間に発生する直流電圧は、第1段直流電圧変換回路(11)の基準電位部(91)に対する、第n段直流電圧変換回路(1n)の高圧側正電位部(10n)の電位と基準電位部(9n)の電位との差分の電圧となる。
この結果、各直流電圧変換回路(1)のスイッチ素子回路(4)の各スイッチ素子(2,3)やダイオード(7,8)にかかる電圧を低めに抑制することができる。つまり、各スイッチ素子(2,3)やダイオード(7,8)の耐圧の制限内で、各直流電圧変換回路(1)における昇圧動作を支障なく行なうことができる。従って、前記第1段直流電圧変換回路(11)の低圧側正電位部(121)と基準電位部(91)との間に前記直流入力電圧(ea)を印加しつつ、前記N個の直流電圧変換回路のそれぞれの昇圧動作を行なわせることにより、最終的に、第N段直流電圧変換回路(1N)の高圧側正電位部(10N)と第1段直流電圧変換回路の基準電位部(91)との間に、正極性の直流高電圧を発生させることができる。
この場合、かかる本発明の正極性高圧電源回路を構成する各直流電圧変換回路は、前記したように、巻き線トランスを必要としない小型な構成で、また、高い応答性を有するので、該正極性高圧電源回路も大容量の巻き線トランスを必要としない小型な構成とすることができると共に、高い応答性を確保することができる。
よって、本発明の正極性高圧電源回路によれば、高い応答性を有して出力電圧の高速変化が可能であると共に、大容量の巻き線トランスを必要とすることなく小型な構成で正極性の直流高電圧を出力することができる。
また、本発明の正極性高圧電源回路の第2の態様は、前記の目的を達成するために(図9を参照)、オン・オフをそれぞれ制御可能な複数のスイッチ素子(2,3)を直列に接続することによりそれぞれ構成された第1のスイッチ素子群(402)および第2のスイッチ素子群(403)と、該第1のスイッチ素子群(402)および第2のスイッチ素子群(403)を直列に接続してなるスイッチ素子回路(404)の両端のうちの一端を基準電位部(9)、他端を基準電位部に対して正の電位となる高圧側正電位部(10)とし、該基準電位部(9)から高圧側正電位部(10)に向かう向きが順方向になるように前記スイッチ素子回路(404)の各スイッチ素子(2,3)にそれぞれ並列に接続された複数のダイオード(7,8)と、前記スイッチ素子回路(404)の各スイッチ素子(2,3)にそれぞれ並列に接続された複数の抵抗(405,406)と、前記基準電位部(9)および高圧側正電位部(10)の間に前記スイッチ素子回路(404)と並列に接続されたコンデンサ(6)と、前記スイッチ素子回路(404)の第1のスイッチ素子群(402)および第2のスイッチ素子群(403)の間の箇所に一端(11)が接続されたコイル(5)とを備え、該コイル(5)の他端を低圧側正電位部(12)として、該低圧側正電位部(12)と前記基準電位部(9)との間に正極性の直流入力電圧(ea)を印加しつつ、前記第1のスイッチ素子群(402)および第2のスイッチ素子群(403)を交互にオン・オフさせることにより、前記高圧側正電位部(10)と基準電位部(9)との間に前記直流入力電圧(ea)を昇圧してなる正極性の直流電圧(eb)を発生する昇圧動作が行なわれる直流電圧変換回路(401)をN個(N:2以上の整数)備える。
そして、第2の態様の正極性高圧電源回路は、前記N個の直流電圧変換回路(401)を、前記第1の態様の正極性高圧電源回路と同じ形態で接続し、前記第1段直流電圧変換回路(4011)の低圧側正電位部(121)と基準電位部(91)との間に直流入力電圧(ea1)を印加しつつ、前記N個の直流電圧変換回路のそれぞれの前記昇圧動作を行なわせることにより、第N段直流電圧変換回路(401N)の高圧側正電位部(10N)と第1段直流電圧変換回路(4011)の基準電位部(91)との間に、前記第1段直流電圧変換回路(4011)に対する前記直流入力電圧(ea1)を前記N個の直流電圧変換回路により昇圧してなる正極性の直流高電圧が発生するようにしたことを特徴とする。
なお、この第2の態様の正極性高圧電源回路では、第1のスイッチ素子群をオンまたはオフさせるということは、第1のスイッチ素子群を構成する全てのスイッチ素子を同時に(実質的に同時に)オンまたはオフさせることを意味する。第2のスイッチ素子群のオン・オフについても同様である。
かかる第2の態様の正極性高圧電源回路によれば、前記第1の態様の正極性高圧電源回路と同様の動作によって、高い応答性を有して出力電圧の高速変化が可能であると共に、大容量の巻き線トランスを必要とすることなく小型な構成で正極性の直流高電圧を出力することができる。
加えて、第2の態様の正極性高圧電源回路では、第1のスイッチ素子群または第2のスイッチ素子群がオフとなっている状態で、該スイッチ素子群に作用する電圧が、該スイッチ素子群の各スイッチ素子に並列に接続された前記抵抗によって分圧される。このため、各スイッチ素子およびダイオードに作用する電圧をより低減できる。その結果、各スイッチ素子およびダイオードに作用する電圧がそれらの耐圧を超えないようにしつつ、各直流電圧変換回路から出力させる直流電圧をより高めることができる。ひいては、所要の直流高電圧を得るために必要な直流電圧変換回路の個数を削減でき、あるいは、より高い直流高電圧を発生させることができる。
また、本発明の負極性高圧電源回路の第1の態様は、前記の目的を達成するために(図3および図8を参照)、オン・オフをそれぞれ制御可能な第1のスイッチ素子(22)および第2のスイッチ素子(23)を直列に接続してなるスイッチ素子回路(24)と、該スイッチ素子回路(24)の両端のうちの一端を基準電位部(29)、他端を基準電位部に対して負の電位となる高圧側負電位部(30)とし、該高圧側負電位部(30)から基準電位部(29)に向かう向きが順方向になるように前記第1のスイッチ素子(22)および第2のスイッチ素子(23)にそれぞれ並列に接続された第1のダイオード(27)および第2のダイオード(28)と、前記基準電位部(29)および高圧側負電位部(30)の間に前記スイッチ素子回路(24)と並列に接続されたコンデンサ(26)と、前記スイッチ素子回路(24)の第1のスイッチ素子(22)と第2のスイッチ素子(23)との間の箇所に一端(31)が接続されたコイル(25)とを備え、該コイル(25)の他端を低圧側負電位部(32)として、該低圧側負電位部(32)と前記基準電位部(29)との間に負極性の直流入力電圧(−ea)を印加しつつ、前記第1のスイッチ素子(22)および第2のスイッチ素子(23)を交互にオン・オフさせることにより、前記高圧側負電位部(30)と基準電位部(29)との間に前記直流入力電圧を昇圧してなる負極性の直流電圧(−eb)が発生する直流電圧変換回路(21)をM個(M:2以上の整数)備える。
そして、本発明の負極性高圧電源回路は、前記M個の直流電圧変換回路のうちの任意の1つを第1段直流電圧変換回路、他のそれぞれの直流電圧変換回路を第m段直流電圧変換回路(m:2からMまでの整数)としたとき、前記M個の直流電圧変換回路は、第m段直流電圧変換回路(21m)の基準電位部(29m)が第m−1段直流電圧変換回路(21m-1)の低圧側負電位部(32m-1)と同電位になり、且つ、該第m段直流電圧変換回路(21m)の低圧側負電位部(32m)が第m−1段直流電圧変換回路(21m-1)の高圧側負電位部(30m-1)と同電位になるように接続され、前記第1段直流電圧変換回路(211)の低圧側負電位部(321)と基準電位部(291)との間に直流入力電圧(−ea1)を印加しつつ、前記M個の直流電圧変換回路のそれぞれの前記昇圧動作を行なわせることにより、第M段直流電圧変換回路(21M)の高圧側負電位部(30M)と第1段直流電圧変換回路(211)の基準電位部(291)との間に、前記第1段直流電圧変換回路(211)に対する前記直流入力電圧(−ea1)を前記M個の直流電圧変換回路により昇圧してなる負極性の直流高電圧が発生するようにしたことを特徴とする。
かかる本発明の負極性高圧電源回路によれば、前記M個の直流電圧変換回路は、第m段直流電圧変換回路(21m)の基準電位部(29m)が第m−1段直流電圧変換回路(21m-1)の低圧側負電位部(32m-1)と同電位になり、且つ、該第m段直流電圧変換回路(21m)の低圧側負電位部(32m)が第m−1段直流電圧変換回路(21m-1)の高圧側負電位部(30m-1)と同電位になるように接続されている。
このため、前記第1段直流電圧変換回路(211)の低圧側正電位部(321)と基準電位部(291)との間に前記直流入力電圧(−ea)を印加しつつ、前記M個の直流電圧変換回路のそれぞれの第1のスイッチ素子(22)および第2のスイッチ素子(23)を交互にオン・オフさせたときの、各直流電圧変換回路(21)における昇圧動作時に、前記した本発明の正極性高圧電源回路と同様の理由によって、各直流電圧変換回路(21)のスイッチ素子回路(24)の各スイッチ素子(22,23)やダイオード(27,28)にかかる電圧を低めに抑制することができる。つまり、各スイッチ素子(22,23)やダイオード(27,28)の耐圧の制限内で、各直流電圧変換回路(21)における昇圧動作を支障なく行なうことができる。従って、前記第1段直流電圧変換回路(211)の低圧側負電位部(321)と基準電位部(291)との間に前記直流入力電圧(−ea)を印加しつつ、前記N個の直流電圧変換回路のそれぞれの昇圧動作を行なわせる(第1のスイッチ素子(22)および第2のスイッチ素子(23)を交互にオン・オフさせる)ことにより、最終的に、第N段直流電圧変換回路(21N)の高圧側負電位部(30N)と第1段直流電圧変換回路の基準電位部(291)との間に、負極性の直流高電圧を発生させることができる。
この場合、かかる本発明の負極性高圧電源回路を構成する各直流電圧変換回路は、前記したように、巻き線トランスを必要としない小型な構成で、また、高い応答性を有するので、該負極性高圧電源回路も巻き線トランスを必要としない小型な構成とすることができると共に、高い応答性を確保することができる。
よって、本発明の負極性高圧電源回路によれば、高い応答性を有して出力電圧の高速変化が可能であると共に、巻き線トランスを必要とすることなく小型な構成で負極性の直流高電圧を出力することができる。
また、本発明の負極性高圧電源回路の第2の態様は、前記の目的を達成するために(図10を参照)、オン・オフをそれぞれ制御可能な複数のスイッチ素子(22,23)を直列に接続することによりそれぞれ構成された第1のスイッチ素子群(422)および第2のスイッチ素子群(423)と、該第1のスイッチ素子群(422)および第2のスイッチ素子群(423)を直列に接続してなるスイッチ素子回路(424)の両端のうちの一端を基準電位部(29)、他端を基準電位部に対して負の電位となる高圧側負電位部(30)とし、該高圧側負電位部(30)から基準電位部(29)に向かう向きが順方向になるように前記スイッチ素子回路(424)の各スイッチ素子(22,23)それぞれ並列に接続された複数のダイオード(27,28)と、前記スイッチ素子回路(424)の各スイッチ素子(22,23)にそれぞれ並列に接続された複数の抵抗(425,426)と、前記基準電位部(29)および高圧側負電位部(30)の間に前記スイッチ素子回路(424)と並列に接続されたコンデンサ(26)と、前記スイッチ素子回路(424)の第1のスイッチ素子群(422)と第2のスイッチ素子群(423)との間の箇所に一端(31)が接続されたコイル(25)とを備え、該コイル(25)の他端を低圧側負電位部(32)として、該低圧側負電位部(32)と前記基準電位部(29)との間に負極性の直流入力電圧(−ea)を印加しつつ、前記第1のスイッチ素子群(422)および第2のスイッチ素子群(423)を交互にオン・オフさせることにより、前記高圧側負電位部(30)と基準電位部(29)との間に前記直流入力電圧(−ea)を昇圧してなる負極性の直流電圧を発生する昇圧動作が行なわれる直流電圧変換回路(421)をM個(M:2以上の整数)備える。
そして、第2の態様の負極性高圧電源回路は、前記M個の直流電圧変換回路(421)を、前記第1の態様の負極性高圧電源回路と同じ形態で接続し、前記第1段直流電圧変換回路(4211)の低圧側負電位部(321)と基準電位部(291)との間に直流入力電圧(−ea1)を印加しつつ、前記M個の直流電圧変換回路のそれぞれの昇圧動作を行なわせることにより、第M段直流電圧変換回路(421M)の高圧側負電位部(30M)と第1段直流電圧変換回路(4211)の基準電位部(291)との間に、前記第1段直流電圧変換回路(4211)に対する直流入力電圧(−ea1)を前記M個の直流電圧変換回路により昇圧してなる負極性の直流高電圧が発生するようにしたことを特徴とする。
なお、この第2の態様の負極性高圧電源回路では、第1のスイッチ素子群をオンまたはオフさせるということは、第1のスイッチ素子群を構成する全てのスイッチ素子を同時に(実質的に同時に)オンまたはオフさせることを意味する。第2のスイッチ素子群のオン・オフについても同様である。
かかる第2の態様の負極性高圧電源回路によれば、前記第1の態様の負極性高圧電源回路と同様の動作によって、高い応答性を有して出力電圧の高速変化が可能であると共に、大容量の巻き線トランスを必要とすることなく小型な構成で負極性の直流高電圧を出力することができる。加えて、前記第2の態様の正極性高圧電源回路と同様に、各スイッチ素子およびダイオードに作用する電圧をより低減できので、各スイッチ素子およびダイオードに作用する電圧がそれらの耐圧を超えないようにしつつ、各直流電圧変換回路から出力させる直流電圧をより高めることができる。ひいては、所要の直流高電圧を得るために必要な直流電圧変換回路の個数を削減でき、あるいは、より高い直流高電圧を発生させることができる。
本発明の正極性高圧電源回路の第1の態様および第2の態様、あるいは、負極性高圧電源回路の第1の態様および第2の態様は、上記のように高い応答性を有することから、前記低圧側正電位部または低圧側負電位部に前記基準電位部との間で印加する前記直流入力電圧の電圧値が周期的に変化する波形の直流電圧である場合でも、その波形と同様の波形の直流高電圧を、前記高圧側正電位部または高圧側負電位部から出力することができる。従って、電圧値が高速で変化するような直流高電圧を出力することができる。
補足すると、上述した本発明の正極性高圧電源回路および負極性高圧電源回路は、いずれの態様であっても、その要素回路である前記直流電圧変換回路が、直流電圧の入力側と出力側との間で双方向の電力伝達が可能であることをから、正極性高圧電源回路および負極性高圧電源回路も、直流電圧の入力側と出力側との間で双方向の電力伝達が可能である。従って、高圧側正電位部または高圧側負電位部から、低圧側正電位部または低圧側負電位部への直流電圧の降圧動作も可能である。
また、本発明の正極性高圧電源回路および負極性高圧電源回路は、いずれの態様であっても、低圧側正電位部または低圧側負電位部に印加する直流入力電圧が一定であっても、第1の態様における1つ若しくは複数の直流電圧変換回路のそれぞれの第1のスイッチ素子および第2のスイッチ素子、あるいは、第2の態様における第1のスイッチ素子群および第2のスイッチ素子群のオン・オフのデューティ比を変化させることで、出力する直流高電圧を変化させることも可能である。
次に、本発明の両極性高圧電源回路は(図11を参照)、充放電可能な蓄電器(501)と、該蓄電器の負極または正極を基準電位極(510)として該負極および正極間の直流電圧(Eb)が入力され、その入力された直流電圧を前記基準電位極(510)に対して正極性の昇圧用直流電圧(eps)に変換する正極側双方向型直流電圧変換回路(502)と、前記蓄電器(501)の負極および正極間の直流電圧(Eb)が入力され、その入力された直流電圧を前記基準電位極(510)に対して負極性の昇圧用直流電圧(ens)に変換する負極側双方向型直流電圧変換回路(503)と、前記第1の態様または第2の態様の正極性高圧電源回路(100)と、前記第1の態様または第2の態様の負極性高圧電源回路(200)とを備えると共に、前記正極性高圧電源回路(100)および負極性高圧電源回路(200)のそれぞれの前記第1段直流電圧変換回路の基準電位部(91,291)を前記基準電位極(510)に同電位に接続したものである。そして、本発明の両極性高圧電源回路は、前記正極側双方向型直流電圧変換回路(502)から出力される正極性の昇圧用直流電圧(eps)を、前記正極性高圧電源回路(100)の第1段直流電圧変換回路の低圧側正電位部(121)と基準電位部(91)との間に印加しつつ、該正極性高圧電源回路(100)の各直流電圧変換回路の昇圧動作を行なわせると共に、前記負極側双方向型直流電圧変換回路(503)から出力される負極性の昇圧用直流電圧(ens)を、前記負極性高圧電源回路(200)の第1段直流電圧変換回路の低圧側負電位部(321)と基準電位部(291)との間に印加しつつ、該負極性高圧電源回路(200)の各直流電圧変換回路の昇圧動作を行なわせるようにしたことを特徴とするものである。
なお、正極側双方向型直流電圧変換回路および負極側双方向型直流電圧変換回路における「双方向型」は、直流電圧変換回路の入力側と出力側との間で双方向に電力の伝達が可能であることを意味する。
かかる本発明の両極性高圧電源回路によれば、前記蓄電器(501)と本発明の正極性高圧電源回路(100)との間に前記正極側双方向型直流電圧変換回路(502)を介在させると共に、蓄電器(501)と本発明の負極性高圧電源回路(200)との間に前記負極側双方向型直流電圧変換回路(503)を介在させることによって、単一の(正極側と負極側とで共通の)蓄電器(501)を電力源としつつ、正負両極性の直流高電圧を同時に生成することができる。また、大容量の巻き線トランスを必要としないので、両極性高圧電源回路を小型に構成できる。
なお、正極側双方向型直流電圧変換回路、負極側双方向型直流電圧変換回路としては、例えば公知の双方向型DC−DCコンバータを使用すればよい。
かかる本発明の両極性高圧電源回路は、特に、前記正極側双方向型直流電圧変換回路および負極側双方向型直流電圧変換回路はそれぞれ、その入力電圧の大きさに対する出力電圧の大きさの比率を可変的に制御可能な回路であることが好適である。
これによれば、正極性および負極性の各極性の直流高電圧を適宜、変化させることができる。例えば、各極性の直流高電圧を周期的に変化するような波形にすることができる。この場合、正極性高圧電源回路および負極性高圧電源回路だけでなく、正極側双方向型直流電圧変換回路および負極側双方向型直流電圧変換回路も、双方向の電力伝達が可能であるので、高い応答性を有する。このため、正極性および負極性のいずれにおいても、直流高電圧を所要の波形で高速に変化させることができる。
次に、本発明の交流高圧電源回路の第1の態様は(図14を参照)、上記した本発明の両極性高圧電源回路(500)を使用して構成される。すなわち、第1の態様の交流高圧電源回路は、前記両極性高圧電源回路(500)と、前記基準電位極(510)を接地電位部として、該接地電位部に対して電位が正および負の電位に交互に変化する交流高電圧を発生する交流高電圧出力部(602)と、前記正極性高圧電源回路(100)から出力される前記正極性の直流高電圧(Ep)と前記負極性高圧電源回路(200)から出力される前記負極性の直流高電圧(En)とを周期的に交互に切換えて前記交流高電圧出力部(602)に出力させる出力切換回路(601)とを備え、前記正極側双方向型直流電圧変換回路(502)および負極側双方向型直流電圧変換回路(503)は、前記正極性高圧電源回路(100)および負極性高圧電源回路(200)からそれぞれ出力される正極性の直流高電圧(Ep)および負極性の直流高電圧(En)の波形が互いに同期して周期的に0になる波形となるように制御され、前記出力切換回路(601)は、前記交流高電圧出力部(602)に出力させる前記正極性の直流高電圧(Ep)と負極性の直流高電圧(En)との切換えが、該正極性の直流高電圧(Ep)および負極性の直流高電圧(En)の値が実質的に0となっているタイミングで行なわれるように制御されることを特徴とするものである。
この第1の態様の交流高圧電源回路によれば、前記出力切換回路(601)には、前記正極性高圧電源回路(100)および負極性高圧電源回路(200)から、それぞれ正極性、負極性の直流高電圧(Ep,En)が入力される。この場合、それらの直流高電圧(Ep,En)は、互いに同期して周期的に0になる波形の直流電圧である。そして、これらの直流高電圧(Ep,En)が出力切換回路(601)から交流高電圧出力部(602)に周期的に交互に出力されるので、該交流高電圧出力部(602)から、接地電位部である前記基準電位極(510)との間で交流高電圧が出力されることとなる。この場合、出力切換回路(601)の出力の切換えは、正極性の直流高電圧(Ep)および負極性の直流高電圧(En)の値が実質的に0となっているタイミングで行なわれるので、その切換えを円滑に行なうことができる。
また、前記両極性高圧電源回路は、前記したように正極性および負極性のいずれにおいても、高い応答性を有するので、所望の波形の高周波の交流高電圧を生成することができる。さらに、大容量の巻き線トランスを必要としないので、交流高圧電源回路を小型に構成できる。
なお、出力切換回路(601)は、例えば、複数のスイッチ素子を使用して構成すればよい。
次に、本発明の交流高圧電源回路の第2の態様は(図13を参照)、接地電位部(302)に対する電位が正および負の電位に交互に変化する交流電圧が該接地電位部(302)との間で印加される交流電圧入力部(303)と、請求項1記載の正極性高圧電源回路(100)と、請求項2記載の負極性高圧電源回路(200)と、前記交流電圧入力部(303)に印加される交流電圧を前記正極性高圧電源回路(100)および負極性高圧電源回路(200)を用いて昇圧してなる交流高電圧を前記接地電位部(302)との間で発生する交流高電圧出力部(304)とを備える。
そして、本発明の交流高圧電源回路は、前記正極性高圧電源回路(100)の第1段直流電圧変換回路(11)の基準電位部(91)と前記負極性高圧電源回路(200)の第1段直流電圧変換回路(211)の基準電位部(291)とを接地電位部(302)に接続して接地し、前記正極性高圧電源回路(100)の第1段直流電圧変換回路(11)の低圧側正電位部(121)を、オン・オフ制御可能な第1の交流スイッチ(305)を介して前記交流電圧入力部(303)に接続すると共に該正極性高圧電源回路(100)の第N段直流電圧変換回路(1N)の高圧側正電位部(10N)を、オン・オフ制御可能な第2の交流スイッチ(306)を介して前記交流高電圧出力部(304)に接続し、前記負極性高圧電源回路(200)の第1段直流電圧変換回路(211)の低圧側負電位部(321)を、オン・オフ制御可能な第3の交流スイッチ(307)を介して前記交流電圧入力部(303)に接続すると共に該負極性高圧電源回路(200)の第M段直流電圧変換回路(21M)の高圧側負電位部(30M)を、オン・オフ制御可能な第4の交流スイッチ(308)を介して前記交流高電圧出力部(304)に接続し、前記交流電圧入力部(303)に印加される交流電圧が前記接地電位部(302)に対して正極性の電圧となる期間で前記第1の交流スイッチ(305)および第2の交流スイッチ(306)がオンになり、且つ、前記第3の交流スイッチ(307)および第4の交流スイッチ(308)がオフになり、前記交流電圧入力部(303)に印加される交流電圧が前記接地電位部(302)に対して負極性の電圧となる期間で前記第1の交流スイッチ(305)および第2の交流スイッチ(306)がオフになり、且つ、前記第3の交流スイッチ(307)および第4の交流スイッチ(308)がオンになるように各交流スイッチのオン・オフを制御しつつ、前記正極性高圧電源回路の各直流電圧変換回路の昇圧動作と、前記負極性高圧電源回路の各直流電圧変換回路の昇圧動作とを行なわせることにより、前記交流電圧入力部(303)に印加される交流電圧を昇圧してなる交流高電圧を前記交流高電圧出力部(304)に発生させるようにしたことを特徴とする。
かかる本発明の交流高電圧電源回路によれば、前記交流電圧入力部(303)に交流電圧を印加したとき、該交流電圧入力部(303)の電位が接地電位部(302)に対して正極性となる期間では、該交流電圧の正極性部分の電圧が第1の交流スイッチ(305)を介して正極性高圧電源回路(100)の第1段直流電圧変換回路(11)の低圧側正電位部(121)に入力される。このため、正極性高圧電源回路(100)の前記した昇圧動作によって、該正極性高圧電源回路(100)の第N段直流電圧変換回路(1N)の高圧側正電位部(10N)に接地電位部(302)との間で、交流電圧の正極性部分を昇圧してなる正極性の高電圧が発生し、その正極性の高電圧が前記第2の交流スイッチ(306)を介して前記交流高電圧出力部(304)に付与される。
また、前記交流電圧入力部(303)の電位が接地電位部(302)に対して負極性となる期間では、前記交流電圧の負極性部分の電圧が第3の交流スイッチ(307)を介して負極性高圧電源回路(200)の第1段直流電圧変換回路(211)の低圧側負電位部(321)に入力される。このため、負極性高圧電源回路(200)の前記した昇圧動作によって、該負極性高圧電源回路(200)の第M段直流電圧変換回路(21M)の高圧側負電位部(30M)に接地電位部(302)との間で、交流電圧の負極性部分を昇圧してなる負極性の高電圧が発生し、その負極性の高電圧が前記第4の交流スイッチ(308)を介して前記交流高電圧出力部(304)に付与される。
これにより、前記交流電圧の正極性部分と負極性部分とをそれぞれ正極性高圧電源回路(100)、負極性高圧電源回路(200)で昇圧してなる交流高電圧を、交流高電圧出力部(304)に、接地電位部(302)との間で発生させることができる。
この場合、かかる本発明の交流高圧電源回路を構成する正極性高圧電源回路と負極性高圧電源回路は、前記したように大容量の巻き線トランスを必要としない小型な構成で、また、高い応答性を有するので、交流高圧電源回路も、大容量の巻き線トランスを必要としない小型な構成とすることができると共に、高い応答性を確保することができる。特に、高い応答性を有することから、所望の波形の高周波の交流高電圧を生成することができる。
なお、本発明の交流高圧電源回路では、第1および第2のいずれの態様においても、正極性高圧電源回路の直流電圧変換回路の個数Nと、負極性高圧電源回路の直流電圧変換回路の個数Mとは同じ個数でよいが、異なる個数としてもよい。
また、本発明の交流高圧電源回路は、その要素回路である正極性高圧電源回路および負極性高圧電源回路が前述したように入力側と出力側との間での双方向の電力伝達が可能であることから、交流高圧電源回路の出力側から入力側への交流電圧の降圧動作も可能である。
次に、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。まず、本発明の第1の実施形態を前記図1と、図4および図5とを参照して説明する。本実施形態は、本発明の正極性高圧電源回路の一実施形態である。図4は本実施形態の正極性高圧電源回路の回路構成図、図5は図4の正極正高圧電源回路のスイッチ素子の制御回路を示す図である。
図4を参照して、本実施形態の正極性高圧電源回路100は、前記図1に示した直流電圧変換回路1をN個(複数個)備えている。図示の例ではN=6である。ここで、図4中のAi(i=1,2,…,N)は、図1の破線枠Aで囲まれた部分、すなわち、第1および第2のスイッチ素子2,3と第1および第2のダイオード7,8とコイル5とから構成される部分を示し、その部分Aiは、モジュール化されている。なお、本実施形態の説明では、各直流電圧変換回路1およびその構成要素、あるいは各直流電圧変換回路1に係わる電圧値などの変数名を区別するために、図1に示した参照符号に添え字i(i=1,2,…,N)を付する。そして、添え字iを付する直流電圧変換回路1iを第i段直流電圧変換回路1iという。
補足すると、図4中の括弧書きの参照符号401i(i=1,2,……)は、後述する第4実施形態に関するものであり、本実施形態の説明では使用しない。
N個の直流電圧変換回路1i(i=1,2,…,N)は、次のように多段に接続されている。
すなわち、nを2〜Nまでの各整数を表す変数としたとき、第n段直流電圧変換回路1nは、図示の如く、その基準電位部9nが、第n−1段直流電圧変換回路1n-1の低圧側正電位部12n-1にこれと同電位に接続されている。さらに、第n段直流電圧変換回路1nの低圧側正電位部12nは、第n−1段直流電圧変換回路1n-1の高圧側正電位部10n-1にこれと同電位に接続されている。例えば、第3段直流電圧変換回路13は、図示の如く、その基準電位部93が、第2段直流電圧変換回路12の低圧側正電位部122にこれと同電位に接続され、低圧側正電位部123が、第2段直流電圧変換回路12の高圧側正電位部102にこれと同電位に接続されている。
以上のように、本実施形態の正極性高圧電源回路100は、N個(6個)の直流電圧変換回路1i(i=1,2,…,N)が順次、段階的に接続されている。
また、図4では図示を省略しているが、本実施形態では、正極正高圧電源回路100の各直流電圧変換回路1のスイッチ素子7,8のオン・オフを制御するために、各直流電圧変換回路1i毎に、例えば図5に示す制御回路50i(i=1,2,…,N)が備えられている。この制御回路50iは、矩形波パルス信号を発振して出力する発振回路51iと、この発振回路51iの出力を受けて、スイッチ素子7i,8iをそれぞれオン・オフ駆動する2つの駆動信号を出力する駆動信号出力回路52iと、これらの発振回路51iおよび駆動信号出力回路52iに電源電圧を供給する電源回路53iとから構成される。
この制御回路50iの電源回路53iは、本実施形態では、例えば、ほぼ一定の電圧を発生する定電圧電源54iに接続された抵抗55iおよびツェナーダイオード56iの第1の直列回路と、該第1の直列回路と並列に、定電圧電源54iに接続された、抵抗57iおよびツェナーダイオード58iの第2の直列回路とを備え、これらの直列回路により、それぞれ、発振回路51の電源電圧V51(例えば5V)と駆動信号出力回路52の電源電圧V52(例えば15V)を生成する。この場合、各制御回路50iの定電圧電源54iは、例えば第i段直流電圧変換回路1iの基準電位部9iと低圧側正電位部12iとの間に印加される直流電圧eai(第i段直流電圧変換回路1iの入力電圧)からほぼ一定の定電圧を生成する。なお、直流電圧eaiがほぼ一定値である場合には、該直流電圧eaiそのものを定電圧電源54iの出力電圧として使用してもよい。また、電源回路53iの電源は、別の電源装置から供給するようにしてもよい。
補足すると、駆動信号出力回路52iから出力される2つの駆動信号は、基本的には前記図2に示したような波形の信号で、第i段直流電圧変換回路1iのスイッチ素子7i,8iを交互にオン・オフさせる周期信号である。この場合、スイッチ素子7i,8iのそれぞれのオン・オフのデューティ比1−αi,αiは、各直流電圧変換回路1i毎にあらかじめ設定され、その設定されたデューティ比1−αi,αiに対応する駆動信号が、駆動信号出力回路52iから出力される。なお、発振回路51i、駆動信号出力回路52iは、公知のものを使用すればよい。
次に、本実施形態の正極性高圧電源回路100の昇圧動作を説明する。
例えば、定電圧の正極性直流高電圧を発生させる場合には、図4に示すように、第1段直流電圧変換回路11の基準電位部91と低圧側正電位部121との間に、低圧側正電位部121が正極性となるように定電圧電源60(例えば2次電池)を接続し、低圧側正電位部121に基準電位部91に対して正極性の直流電圧ea1(>0)を入力する。そして、このとき第1段直流電圧変換回路11に対応する制御回路501の駆動信号出力回路521から出力される駆動信号によって、第1段直流電圧変換回路11のスイッチ素子(FET)71,81が交互にオン・オフする。これにより、第1段直流電圧変換回路11における昇圧動作が行なわれ、直流電圧ea1を昇圧してなる正極性の直流電圧eb1が第1段直流電圧変換回路11の基準電位部91と高圧側正電位部101との間に発生する。
そして、これにより、第2段直流電圧変換回路12の基準電位部92と低圧側正電位部122との間に直流電圧ea2が印加される。この場合、ea2=eb1−ea1である。
このように、第2段直流電圧変換回路12の基準電位部92と低圧側正電位部122の間に直流電圧ea2を印加しつつ、第2段直流電圧変換回路12に対応する制御回路502の駆動信号出力回路522から出力される駆動信号によって、第2段直流電圧変換回路12のスイッチ素子(FET)72,82が交互にオン・オフする。これにより、第2段直流電圧変換回路12における昇圧動作が行なわれ、直流電圧ea2を昇圧してなる正極性の直流電圧eb2が第2段直流電圧変換回路12の基準電位部92と高圧側正電位部102との間に発生する。
以降同様にして、第3段から第N段(第6段)までの直流電圧変換回路13〜1Nの昇圧動作が順次行なわれる。
このとき、第1段直流電圧変換回路11の基準電位部91に対する第i段直流電圧変換回路1iの高圧側正電位部10iの電圧Eiは、番数iの値が大きくなるにつれて、大きくなる。そして、本実施形態では、最終的に第N段(図では第6段)直流電圧変換回路1Nの高圧側正電位部10Nと第1段直流電圧変換回路11の基準電位部91との間に発生する直流電圧EN(基準電位部91に対して正極性の電圧)が、直流高電圧として出力される。この場合、図4の例では、N=6であるので、EN=E6=ea1+eb2+eb4+eb6となる。
補足すると、第i段直流電圧変換回路1i(i=1,2,…,N)の基準電位部9iと低圧側正電位部12iとの間に入力される直流電圧eaiと、基準電位部9iと高圧側正電位部10iとの間に発生する直流電圧ebiとの間の関係は、前記式(1)に従って、次式(3)により表される。
ebi=(1/αi)×eai ……(3)
また、ean(n=2,3,…,N)は、図4から明らかなように、次式(4)により表される。
ean=ebn-1−ean-1 ……(4)
従って、1/αi≡giとおくと、ebiは次式(5−1)〜(5−N)により与えられる。
eb1=g1×ea1 ……(5−1)
eb2=g2×(g1−1)×ea1 ……(5−2)
eb3=g3×(g2−1)×(g1−1)×ea1 ……(5−3)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ebN=gN×(gN-1−1)×……×(g1−1)×ea1 ……(5−N)
式(5−N)は、式(5−2),(5−3)を一般化して表現した式である。
また、Enとeai,ebiとの関係は、一般的には、次式(6)または(7)により表される。
n=ebn+ebn-2+……+eb1 (n:奇数) ……(6)
n=ebn+ebn-2+……+eb2+ea1 (n:偶数) ……(7)
以上説明した本実施形態の正極性高圧電源回路100は、N個の直流電圧変換回路1i(i=1,2,…,N)を前記したように接続して構成されているので、大容量の巻き線トランスを必要とせずに、直流電圧ea1を段階的に直流高電圧ENに昇圧でき、小型に構成できる。
そして、このとき、第n段直流電圧変換回路1n(n=2,3,…,N)には、前記式(4)から明らかなように、第n−1段直流電圧変換回路1n-1の高圧側正電位部10n-1と低圧側正電位部12n-1との電位差分の電圧eanが入力され、その電圧eanを(1/αn)倍に昇圧してなる電圧ebn(<En)を出力することとなる。このため、各直流電圧変換回路1のスイッチ素子回路4に作用する電圧を比較的低めの電圧にすることができ、スイッチ素子2,3あるいはダイオード7,8の耐圧がさほど高くなくても、高い直流高電圧ENを生成することができる。
なお、正極性高圧電源回路100の直流電圧変換回路1の個数Nや、デューティ比αi(i=1,2,…,N)の値は、生成しようとする直流高電圧ENの値や、スイッチ素子2,3およびダイオード7,8の耐圧を考慮して設定すればよい。一例として、ea1=50V、EN≒4kVとする。また、例えば第1段直流電圧変換回路11のスイッチ素子(nチャネルFET)2,3の耐圧を250V、第2〜第N段直流電圧変換回路12〜1Nのそれぞれのスイッチ素子(nチャネルFET)2,3の耐圧を1000Vとする。なお、ここでの例では、各ダイオード7,8の耐圧は、それを並列に接続したスイッチ素子2または3の耐圧と同程度か、もしくは、それよりも高いものとする。このとき、例えばα1=α2=0.25、α3=α4=……=αN=0.5とすれば、eb1=200V、eb2=600V、eb3=eb4=……=ebN=900Vとなり、各直流電圧変換回路スイッチ素子2,3の耐圧条件を満足できる。この場合、N=10とすれば、E10=4250Vとなり、50Vの直流電圧を約4kVの直流高電圧に昇圧することができることとなる。
次に、本発明の第2実施形態を図6および図7を参照して説明する。本実施形態は、前記第1実施形態と、正性極性高圧電源回路に入力する直流電圧の形態だけが相違し、正極性高圧電源回路の構成は、第1実施形態と同じである。従って、本実施形態の説明では、正極性高圧電源回路については第1実施形態と同じ参照符号および図面を使用し、説明を省略する。
前記第1実施形態では、正極性高圧電源回路100に入力する直流電圧ea1(>0)を定電圧とした。これに対して、本実施形態では、電力の放出・吸収が可能な電源から、周期的に変化するような波形の直流電圧ea1を正極性高圧電源回路100に入力する。
本実施形態における上記電源(以下、可変出力電源という)の例を図6および図7に示す。図6は可変出力電源の回路構成図、図7は該可変出力電源に備えた双方向型昇降圧チョッパ回路を示している。
図6に示すように、この可変出力電源70は、一対の入力端子71,72に印加される直流電圧(ほぼ一定の直流電圧)EBから、双方向型昇降圧チョッパ回路73により高周波波形の直流電圧Es(パルス波形や三角波形など、電圧値が周期的に変化する波形の直流電圧)を生成するものであり、入力端子71,72には、バッテリ74(二次電池)、あるいは、商用交流電源などの交流電圧を直流に整流する整流回路75から、直流電圧EBが入力されるようになっている。
双方向型昇降圧チョッパ回路73は、その動作をマイクロコンピュータなどにより構成された制御回路76により制御可能なもので、図7に示すように、4個のスイッチ素子(FET)771〜774、コイル78などから構成されたHブリッジ回路79と、このHブリッジ回路79のスイッチ素子771,772を交互にオン・オフさせる駆動回路80と、スイッチ素子773,774を交互にオン・オフさせる駆動回路81とを備える。この双方向型昇降圧チョッパ回路73の構成および動作は、公知のものであるので、本明細書での詳細な説明は省略するが、入力端子71,72の間に直流電圧EBを印加した状態で、駆動回路80によりスイッチ素子771,772を交互にオン・オフさせると共に、駆動回路81によりスイッチ素子773,774を交互にオン・オフさせることにより一対の出力端子82,83間に高周波波形の直流電圧Esを発生する。このとき、スイッチ素子771,772のそれぞれオン・オフのデューティ比γ,1−γと、スイッチ素子773,774のそれぞれのオン・オフのデューティ比β,1−βとを、制御回路76により駆動回路80,81を介して制御することにより、所望の波形の直流電圧Esが出力端子82,83間に出力されるようになっている。
また、図6に示すように、前記制御回路76には、双方向型昇降圧チョッパ回路73の出力電流Isの検出値と出力電圧Esの検出値(これらの検出値は、図示しない適宜のセンサから得られる)とが入力されると共に、波形選択・設定部84であらかじめ選択・設定された波形の指令データが入力されるようになっている。そして、該制御回路76は、それらの入力を基に、双方向型昇降圧チョッパ回路73のスイッチ素子771〜774のデューティ比を決定し、そのデューティ比を駆動回路80,81に指示することにより、波形選択・設定部84で選択・設定された波形の直流電圧Esを双方向型昇降圧チョッパ回路73の出力端子82,83間に出力させる。
上記のような可変出力電源70から出力される高周波の直流電圧Esを前記正極性高圧電源回路100の入力電圧ea1として該正極性高圧電源回路100の第1段直流電圧変換回路11の基準電位部91と低圧側正電位部121との間に印加することで、高周波の直流電圧Esを昇圧してなる高周波の直流高電圧ENを該正極性高圧電源回路100の第N段直流電圧変換回路1Nの高圧側正電位部10Nと第1段直流電圧変換回路11の基準電位部91との間に発生させることができる。この場合、正極性高圧電源回路100は、高い応答性を有するので、前記波形選択・設定部84で選択・設定された波形と同様の波形の直流高電圧ENを発生することができる。
補足すると、前記第1実施形態または第2実施形態で前記正極性高圧電源回路100を構成する各直流電圧変換回路1i(i=1,2,……)は、前記図1に示したように、各スイッチ素子2,3として、nチャネルFETを使用したものであるが、nチャネルFETの代わりにpチャネルFETを使用してもよく、あるいは、スイッチ素子2,3のうちの一方にnチャネルFETを使用し、他方にpチャネルFETを使用してもよい。いずれの場合でも、ダイオード7,8の順方向の向きは、図1に示した例と同じ(基準電位部9から高圧側正電位部10に向かう向き)でよい。ただし、スイッチ素子2,3の応答性や耐圧性をできるだけ高める上では、pチャネルFETよりもnチャネルFETを使用することが有利である。
次に、本発明の第3実施形態を前記図3と図8とを参照して説明する。本実施形態は、本発明の負極性高圧電源回路の一実施形態であり、図8は本実施形態の負極性高圧電源回路の回路構成図である。
図8を参照して、本実施形態の負極性高圧電源回路200は、前記図3に示した直流電圧変換回路21をM個(複数個)備えている。図示の例ではM=6である。ここで、図8中のBi(i=1,2,…,M)は、図3の破線枠Bで囲まれた部分、すなわち、第1および第2のスイッチ素子22,23と第1および第2のダイオード27,28とコイル25とから構成される部分を示し、その部分Biは、モジュール化されている。なお、本実施形態の説明では、前記正極性高圧電源回路100に関する実施形態と同様に、各直流電圧変換回路21およびその構成要素、あるいは各直流電圧変換回路21に係わる電圧値などの変数名を区別するために、図3に示した参照符号に添え字j(j=1,2,…,M)を付し、直流電圧変換回路21jを第j段直流電圧変換回路21jという。
補足すると、図8中の括弧書きの参照符号421j(j=1,2,……)は、後述する第5実施形態に関するものであり、本実施形態の説明では使用しない。
M個の直流電圧変換回路21j(j=1,2,…,M)の接続形態は、前記正極性高圧電源回路100における接続構成と同様である。
すなわち、mを2〜Mまでの各整数を表す変数としたとき、第m段直流電圧変換回路21mは、図示の如く、その基準電位部29mが、第m−1段直流電圧変換回路21m-1の低圧側負電位部32m-1にこれと同電位に接続されている。さらに、第m段直流電圧変換回路21mの低圧側負電位部32mは、第m−1段直流電圧変換回路21m-1の高圧側負電位部30m-1にこれと同電位に接続されている。例えば、第3段直流電圧変換回路213は、図示の如く、その基準電位部293が、第2段直流電圧変換回路212の低圧側負電位部322にこれと同電位に接続され、低圧側負電位部323が、第2段直流電圧変換回路212の高圧側負電位部302にこれと同電位に接続されている。
以上のように、本実施形態の負極性高圧電源回路200は、M個(6個)の直流電圧変換回路21j(j=1,2,…,M)が順次、段階的に接続されている。
なお、図示は省略するが、各直流電圧変換回路21jのスイッチ素子(pチャネルFET)22,23には、それを交互にオン・オフさせる駆動信号が、例えば前記図5に示した制御回路50iと同様の構成の制御回路によって、各直流電圧変換回路21j毎に入力さされるようになっている。
次に、本実施形態の負極性高圧電源回路200の昇圧動作を説明する。
例えば、定電圧の直流高電圧を発生させる場合には、図8に示すように、第1段直流電圧変換回路211の基準電位部291と低圧側負電位部321との間に、低圧側負電位部321が負極性となるように定電圧電源60(例えば2次電池)を接続し、低圧側負電位部321に基準電位部291に対して負極性の直流電圧−ea1(<0)を入力する。
このとき、前記正極性高圧電源回路100の昇圧動作の場合と同様に、第j段直流電圧変換回路21j(j=1,2,…,M)のスイッチ素子22,23の交互のオン・オフと、これによる該第j段直流電圧変換回路21jの昇圧動作とが、第1段から第M段まで順次行なわれる。
そして、最終的に第M段(図では第6段)直流電圧変換回路21Mの高圧側負電位部30Mと第1段直流電圧変換回路211の基準電位部291との間に発生する直流電圧−EM(基準電位部291に対して負極性の電圧)が、直流高電圧として出力される。
補足すると、本実施形態の負極性高圧電源回路200における各直流電圧変換回路21jの入出力電圧eaj、ebjとスイッチ素子22j,23jのそれぞれのデューティ比1−αj,αjとの関係は、(1/αj)≡gjとおくと、前記式(3)、(4)、(5−1)〜(5−N)で、eai、ebi、Nをそれぞれ−eaj、−ebj、Mに置き換えた式で表される。
以上説明した本実施形態の負極性高圧電源回路200は、M個の直流電圧変換回路21j(j=1,2,…,M)を前記したように接続して構成されているので、大容量の巻き線トランスを必要とせずに、負極性の直流電圧−ea1を段階的に直流高電圧−EMに昇圧でき、小型に構成できる。
そして、このとき、第m段直流電圧変換回路21m(m=2,3,…,M)には、第m−1段直流電圧変換回路21m-1の高圧側負電位部30m-1と低圧側負電位部32m-1との電位差分の電圧−eamが入力され、その電圧−eamを(1/αm)倍に昇圧してなる電圧−ebm(>−Em)を出力することとなる。このため、各直流電圧変換回路21のスイッチ素子回路24に作用する電圧を比較的低めの電圧にすることができ、スイッチ素子22,23およびダイオード27,28の耐圧がさほど高くなくても、高い直流高電圧−EMを生成することができる。
なお、負極性高圧電源回路200の直流電圧変換回路21の個数Mや、デューティ比αj(j=1,2,…,M)の値は、生成しようとする直流高電圧−EMの値や、スイッチ素子22,23およびダイオード27,28の耐圧を考慮して設定すればよい。
また、前記負極性高圧電源回路200の動作説明では、該負極性高圧電源回路200に一定の直流電圧ea1を入力する場合を例に採って説明したが、前記図6に示した可変出力電源70と同様の構成の可変出力電源から、高周波の負極性直流電圧(電圧値が周期的に変化する負極性の直流電圧)を負極性高圧電源回路200に入力するようにしてもよい。それにより、負極性高圧電源回路200の基準電位部291と高圧側負電位部30Mとの間に高周波の負極性直流高電圧を所望の波形(パルス波形や三角波形など)で発生させることができる。
補足すると、前記負極性高圧電源回路200を構成する各直流電圧変換回路21j(j=1,2,……)は、前記図3に示したように、スイッチ素子22,23として、nチャネルFETを使用したものであるが、nチャネルFETの代わりにpチャネルFETを使用してもよく、あるいは、スイッチ素子22,23のうちの一方にnチャネルFETを使用し、他方にpチャネルFETを使用してもよい。いずれの場合でも、ダイオード27,28の順方向の向きは、図3に示した例と同じ(高圧側負電位部30から基準電位部29に向かう向き)でよい。ただし、スイッチ素子22,23の応答性や耐圧性をできるだけ高める上では、pチャネルFETよりもnチャネルFETを使用することが有利である。
次に、本発明の第4実施形態を前記図4および図9を参照して説明する。本実施形態は、本発明の正極性高圧電源回路の他の実施形態である。図9は、本実施形態における正極性高圧電源回路を構成する直流電圧変換回路の回路構成を示す図である。なお、本実施形態は、前記第1実施形態(もしくは第2実施形態)と正極性高圧電源回路を構成する直流電圧変換回路の一部の構成のみが相違するものである。従って、第1実施形態と同一構成部分もしくは同一機能部分については、第1実施形態と同一の参照符号を使用し、詳細な説明を省略する。
本実施形態の正極性高圧電源回路は、図1に示した直流電圧変換回路1の代わりに、図9に示す直流電圧変換回路401を使用して構成される。
この直流電圧変換回路401は、図1の直流電圧変換回路1のスイッチ素子2,3の代わりに、それぞれスイッチ素子群402,403を備えている。スイッチ素子群402,403は、それぞれ、本発明における第1のスイッチ素子群、第2のスイッチ素子群に相当するものである。スイッチ素子群402は、複数のスイッチ素子2を直列に接続して構成されている。同様に、スイッチ素子群403は、複数のスイッチ素子3を直列に接続して構成されている。そして、直流電圧変換回路401は、これらのスイッチ素子群402,403を直列に接続してなるスイッチ素子回路404を有する。スイッチ素子群402のスイッチ素子2の個数とスイッチ素子群403のスイッチ素子3の個数とは同一であり、図示例では3個である。また、各スイッチ素子2,3は、本実施形態では、前記第1実施形態と同様に、nチャネルFETにより構成されている。なお、スイッチ素子2,3のいずれか一方、または両者をpチャネルFETで構成したり、あるいは、スイッチ素子2,3をスイッチングトランジスタで構成してもよい。
さらに、スイッチ素子群402の各スイッチ素子2に、ダイオード7と抵抗405とが並列に接続されている。同様に、スイッチ素子群403の各スイッチ素子3に、ダイオード8と抵抗406とが並列に接続されている。この場合、スイッチ素子回路404のスイッチ素群402側の一端を基準電位部9、スイッチ素子群403側の他端を正極性の高圧側正電位部10とし、各ダイオード7,8は、その順方向の向きがいずれも基準電位部9から高圧側正電位部10に向かう向き(スイッチ素子2,3を流れる電流の向きと逆向き)になるように、それぞれに対応するスイッチ素子2または3に並列接続されている。なお、各抵抗405,406は、いずれも同一の抵抗値を有し、その抵抗値は、比較的大きな抵抗値(各抵抗405,406を流れる電流が十分に微小となるような抵抗値)である。
そして、基準電位部9と高圧側正電位部10との間で、スイッチ素子回路404と並列にコンデンサ6が接続されている。また、スイッチ素子回路404におけるスイッチ素子群402とスイッチ素子群403の間の箇所にコイル5の一端11が接続されている。
また、図9中の407,408はそれぞれスイッチ素子群402の各スイッチ素子2、スイッチ素子群403の各スイッチ素子3のオン・オフ動作を行なわせる駆動回路を示している。この駆動回路407,408は、いずれも同一構成であり、以下に、駆動回路407を代表的に説明する。
この駆動回路407は、スイッチ素子群402のスイッチ素子2の個数と同数(図示例では3個)の巻き線トランス409を備えている。それぞれの巻き線トランス409は、その2次巻き線が該巻き線トランス409に対応するスイッチ素子2(nチャネルFET)のゲートとソースとの間に介装されている。そして、それらの巻き線トランス409の1次巻き線は、一対の制御信号入力部410a,410bの間で互いに並列に接続されている。従って、該制御信号入力部410a,410bに矩形波状の駆動信号を入力することにより、各巻き線トランス409の2次巻き線に同時に矩形波状の駆動信号が誘起され、その駆動信号が、スイッチ素子群402の各スイッチ素子2のゲートに同時に入力されるようになっている。これにより、スイッチ素子群402の各スイッチ素子2のオン・オフが同時に行なわれるようになっている。スイッチ素子群403に対応する駆動回路408も同様である。なお、駆動回路407,408のそれぞれの制御信号入力部410a,410bに入力する駆動信号は、例えば前記図5に示したような制御回路50iで生成される。
補足すると、各巻き線トランス409は、各スイッチ素子2,3の駆動信号(ゲート信号)を出力するものであるので、微小な電流を流せるものでよい。このため、各巻き線トランス409は、小容量のものでよい。
以上説明した直流電圧変換回路401では、コイル5の他端である低圧側正電位部12と基準電位部9との間に正極性の直流電圧ea(定電圧または周期的に変化する直流電圧)を印加しつつ、スイッチ素子群402,403を前記駆動回路407,408を介して交互にオン・オフさせることにより、該直流電圧変換回路401の昇圧動作が行なわれ、高圧側正電位部10と基準電位部9との間に、直流電圧eaを昇圧してなる正極性の直流電圧eb(基準電位部9に対して高圧側正電位部10が正極性となる直流電圧)が発生することとなる。ここで、スイッチ素子群402をオンにするということは、該スイッチ素子群402に含まれる全てのスイッチ素子2を同時にオンにすることを意味し、スイッチ素子群402をオフにするということは、該スイッチ素子群402に含まれる全てのスイッチ素子2を同時にオンにすることを意味する。スイッチ素子群403のオン・オフについても同様である。
この場合、スイッチ素子群402がオフで、且つスイッチ素子群403がオンになっている状態では、スイッチ素子群402の両端間に、直流電圧ebとほぼ同等の電圧が作用するが、その電圧は、スイッチ素子群402側の抵抗405によりスイッチ素子2の個数分に分圧される。そして、その分圧された電圧が、各スイッチ素子2およびダイオード7の並列回路に作用することとなる。同様に、スイッチ素子群402がオンで、且つスイッチ素子群403がオフになっている状態では、スイッチ素子群403の両端間に作用する電圧(≒eb)は、スイッチ素子群403側の抵抗405によりスイッチ素子3の個数分に分圧され、その分圧された電圧が、各スイッチ素子3およびダイオード8の並列回路に作用することとなる。
従って、基準電位部9と高圧側正電位部10との間の直流電圧eb(直流電圧変換回路401の出力電圧)を前記図1のものと同一とした場合、各スイッチ素子2,3、並びに各ダイオード7,8に作用する最大の電圧は、図1のものよりも小さな電圧で済む。
本実施形態における正極性高圧電源回路は、上記した直流電圧変換回路401を前記図1の直流電圧変換回路1の代わりに使用して、複数の直流電圧変換回路401i(i=1,2,……)を、図4の括弧書きの参照符号401i(i=1,2,……)で示される如く、第1実施形態のものと同じ形態で接続することにより構成される。この場合、本実施形態では図4のAi(i=1,2,…)は、図9の破線枠Aで囲まれた部分の回路である。
以上が、本実施形態の正極性高圧電源回路の構成である。この正極性高圧電源回路では、前記第1実施形態(または第2実施形態)のものと同様に、第1段直流電圧変換回路4011の基準電位部91と低圧側正電位部121との間に正極性の直流電圧ea1を入力しつつ、各直流電圧変換回路401i(i=1,2,…,N)(図4の例ではN=6)の昇圧動作を行なわせることにより、第1段直流電圧変換回路4011の基準電位部91と、第N段直流電圧変換回路401Nの高圧側正電位部10Nとの間に直流高電圧ENを発生させることができる。
この場合、本実施形態では、前記したように、各直流電圧変換回路401の基準電位部9と高圧側正電位部10との間の直流電圧ebを図1のものと同一とした場合、各スイッチ素子2,3、並びにダイオード7,8に作用する最大の電圧は、図1のものよりも小さな電圧で済む。このため、各スイッチ素子2,3および各ダイオード7,8の耐圧を、前記第1実施形態のものと同一にした場合、スイッチ素子群403の各スイッチ素子3のデューティ比を直流電圧変換回路1のスイッチ素子3のデューティ比αよりも小さくして、各直流電圧変換回路401から出力させる直流電圧ebを、図1の直流電圧変換回路1よりも大きくすることができる。このため、本実施形態の正極性高圧電源回路の最終的な出力電圧(直流高電圧)を第1実施形態のものと同程度とした場合には、直流電圧変換回路401の必要個数(段数)を削減できる。また、逆に、直流電圧変換回路401の個数を前記第1実施形態と同じにした場合には、より高圧の直流高電圧を発生させることができる。
次に、本発明の第5実施形態を図10を参照して説明する。本実施形態は、本発明の負極性高圧電源回路の他の実施形態であり、図10は、本実施形態における負極性高圧電源回路を構成する直流電圧変換回路の回路構成を示す図である。なお、本実施形態は、前記第3実施形態と負極性高圧電源回路を構成する直流電圧変換回路の一部の構成のみが相違するものである。従って、第3実施形態と同一構成部分もしくは同一機能部分については、第3実施形態と同一の参照符号を使用し、詳細な説明を省略する。
本実施形態の負極性高圧電源回路は、図3に示した直流電圧変換回路21の代わりに、図10に示す直流電圧変換回路421を使用して構成される。
この直流電圧変換回路421は、図10に示す如く、図3の直流電圧変換回路21のスイッチ素子22,23の代わりに、それぞれスイッチ素子群422,423を備えている。スイッチ素子群422,423は、それぞれ、本発明における第1のスイッチ素子群、第2のスイッチ素子群に相当するものである。スイッチ素子群422は、複数のスイッチ素子22を直列に接続して構成されている。同様に、スイッチ素子群423は、複数のスイッチ素子23を直列に接続して構成されている。そして、直流電圧変換回路421は、これらのスイッチ素子群422,423を直列に接続してなるスイッチ素子回路424を有する。スイッチ素子群422のスイッチ素子22の個数とスイッチ素子群423のスイッチ素子23の個数とは同一であり、図示例では3個である。また、各スイッチ素子22,23は、本実施形態では、前記第3実施形態と同様に、nチャネルFETにより構成されている。なお、スイッチ素子22,23のいずれか一方、または両者をpチャネルFETで構成したり、あるいは、スイッチ素子22,23をスイッチングトランジスタで構成してもよい。
さらに、スイッチ素子群422の各スイッチ素子22に、ダイオード27と抵抗425とが並列に接続されている。同様に、スイッチ素子群423の各スイッチ素子23に、ダイオード28と抵抗426とが並列に接続されている。この場合、スイッチ素子回路424のスイッチ素群422側の一端を基準電位部29、スイッチ素子群423側の他端を負極性の高圧側負電位部30とし、各ダイオード27,28は、その順方向の向きがいずれも高圧側負電位部30から基準電位部29に向かう向き(スイッチ素子22,23を流れる電流の向きと逆向き)になるように、それぞれに対応するスイッチ素子22または23に並列接続されている。なお、各抵抗425,426は、いずれも同一の抵抗値を有し、その抵抗値は、比較的大きな抵抗値(各抵抗425,426を流れる電流が十分に微小となるような抵抗値)である。
そして、基準電位部29と高圧側負電位部30との間で、スイッチ素子回路424と並列にコンデンサ26が接続されている。また、スイッチ素子回路424におけるスイッチ素子群422とスイッチ素子群423の間の箇所にコイル25の一端31が接続されている。
さらに、直流電圧変換回路421は、スイッチ素子群422の各スイッチ素子22、並びに、スイッチ素子群423の各スイッチ素子23のそれぞれのオン・オフ動作を行なわせる駆動回路427,428を備えている。この駆動回路427,428は、いずれも同一構成であり、以下に、駆動回路427を代表的に説明する。
この駆動回路427は、スイッチ素子群422のスイッチ素子22の個数と同数(図示例では3個)の巻き線トランス429を備えている。それぞれの巻き線トランス429は、その2次巻き線が該巻き線トランス429に対応するスイッチ素子22(nチャネルFET)のゲートとソースとの間に介装されている。そして、それらの巻き線トランス429の1次巻き線は、一対の制御信号入力部430a,430bの間で互いに並列に接続されている。従って、該制御信号入力部430a,430bに矩形波状の駆動信号を入力することにより、各巻き線トランス429の2次巻き線に同時に矩形波状の駆動信号が誘起され、その駆動信号が、スイッチ素子群422の各スイッチ素子22のゲートに同時に入力されるようになっている。これにより、スイッチ素子群422の各スイッチ素子22のオン・オフが同時に行なわれるようになっている。スイッチ素子群423に対応する駆動回路428も同様である。
補足すると、各巻き線トランス429は、各スイッチ素子22,23の駆動信号(ゲート信号)を出力するものであるので、微小な電流を流せるものでよい。このため、各巻き線トランス429は、小容量のものでよい。
以上説明した直流電圧変換回路421では、コイル25の他端である低圧側負電位部32と基準電位部29との間に負極性の直流電圧−ea(定電圧または周期的に変化する直流電圧)を印加しつつ、スイッチ素子群422,423を前記駆動回路427,428を介して交互にオン・オフさせることにより、該直流電圧変換回路421の昇圧動作が行なわれ、高圧側負電位部30と基準電位部29との間に、直流電圧−eaを昇圧してなる負極性の直流電圧−ebが発生することとなる。なお、スイッチ素子群422をオンにするということは、該スイッチ素子群422に含まれる全てのスイッチ素子22を同時にオンにすることを意味し、スイッチ素子群422をオフにするということは、該スイッチ素子群422に含まれる全てのスイッチ素子22を同時にオンにすることを意味する。スイッチ素子群423のオン・オフについても同様である。
この場合、前記第4実施形態の直流電圧変換回路401と同様に、各スイッチ素子群422,423の両端間に作用する電圧が分圧されるので、基準電位部29と高圧側負電位部30との間の直流電圧−eb(直流電圧変換回路421の出力電圧)を図3のものと同一とした場合、各スイッチ素子22,23、並びにダイオード27,28に作用する最大の電圧は、図3のものよりも小さな電圧で済む。
本実施形態における負極性高圧電源回路は、上記した直流電圧変換回路421を前記図3の直流電圧変換回路21の代わりに使用して、複数の直流電圧変換回路421j(j=1,2,……)を、図8の括弧書きの参照符号421j(j=1,2,……)で示される如く、第3実施形態のものと同じ形態で接続することにより構成される。この場合、本実施形態では図8のBj(j=1,2,…)は、図10の破線枠Bで囲まれた部分の回路を意味している。
以上が、本実施形態の負極性高圧電源回路の構成である。そして、この負極性高圧電源回路では、前記第3実施形態のものと同様に、第1段直流電圧変換回路4211の基準電位部291と低圧側負電位部321との間に負極性の直流電圧−ea1を入力しつつ、各直流電圧変換回路421j(j=1,2,…,M)(図8の例ではM=6)の昇圧動作を行なわせることにより、第1段直流電圧変換回路4211の基準電位部291と、第N段直流電圧変換回路421Mの高圧側負電位部30Mとの間に直流高電圧−EMを発生させることができる。
この場合、各スイッチ素子22,23およびダイオード27,28の耐圧を、前記第3実施形態のものと同一にした場合、各直流電圧変換回路421から出力させる直流電圧−ebを、図3の直流電圧変換回路21よりも大きくすることができる。このため、本実施形態の負極性高圧電源回路の最終的な出力電圧(直流高電圧)を第3実施形態のものと同程度とした場合には、直流電圧変換回路421の必要個数を削減できる。また、逆に、直流電圧変換回路421の個数を前記第3実施形態と同じにした場合には、より高圧の直流高電圧を発生させることができる。
次に、本発明の第6実施形態を図11並びに図12(a),(b)を参照して説明する。本実施形態は、本発明の両極性高圧電源回路の一実施形態である。図11は、本実施形態の両極性高圧電源回路の全体構成を示す図、図12(a),(b)はそれぞれ図11の両極性高圧電源回路に備えた正極側双方向型直流電圧変換回路および負極側双方向型直流電圧変換回路の例を示す図である。
図11を参照して、本実施形態の両極性高圧電源回路500は、単一の蓄電器501の電圧から、正極性および負極性の直流高電圧を生成するものでる。
この両極性高圧電源回路500は、蓄電器501と、正極側双方向型直流電圧変換回路502と、負極側双方向型直流電圧変換回路503と、前記第1実施形態の正極性高圧電源回路100と、前記第3実施形態の負極性高圧電源回路200とを備える。
蓄電器501は、バッテリなどの2次電池、あるいは、電気二重層コンデンサなどの大容量コンデンサ、あるいは、これらの組み合わせにより構成されたものであり、その負極が基準電位極510として接地されている。なお、蓄電器501は、商用電源などの交流電源から、整流回路508およびスイッチ509を介して適宜、充電可能とされている。
正極側双方向型直流電圧変換回路502は、蓄電器501の正極および負極間の電圧Ebが入力され、その入力された電圧Ebをこれと同極性の直流電圧eps(基準電位部510に対して正極性の電圧)に変換して出力するものである。
この正極側双方向型直流電圧変換回路502は、例えば図12(a)に示すような回路構成のものであり、入力側と出力側との間で双方向に電力の伝達が可能である。
該直流電圧変換回路502は、より具体的には、蓄電器501の正極に接続された入力端子511と、蓄電器501の負極(基準電位極510)に接続された基準電位端子512と、これらの入力端子511と基準電位端子512との間で直列に接続された2つのスイッチ素子513,514と、各スイッチ素子513,514にそれぞれ並列に接続されたダイオード515,516と、スイッチ素子513,514の間の箇所に一端を接続したコイル517と、このコイル517の他端と基準電位端子512との間に接続されたコンデンサ518と、出力端子519とを備え、コンデンサ518のコイル517側の一端が出力端子519に接続されている。なお、ダイオード515,516の順方向は、それぞれスイッチ素子513,514の通電方向と逆向きである。本実施形態では、スイッチ素子513,514は、nチャネルFETにより構成されている。ただし、スイッチ素子513,514は、pチャネルFETで構成してもよく、あるいは、スイッチングトランジスタで構成してもよい。
このように構成された正極側双方向型直流電圧変換回路502では、蓄電器501の電圧Ebが基準電位端子512と入力端子511との間に入力され、この状態でスイッチ素子513,514を交互にオン・オフさせることにより、蓄電器501の電圧Eb(>0)を降圧してなる直流電圧eps(基準電位極510に対して正極性の電圧)が出力端子519から出力される。この場合、スイッチ素子513のオン・オフのデューティ比をd1(0<d1<1)、スイッチ素子514のオン・オフのデューティ比を1−d1とおくと、

eps=d1・Eb ……(8)

となる。従って、スイッチ素子513,514のオン・オフのデューティ比を適宜変化させことにより、正極側双方向型直流電圧変換回路502の入力電圧Ebの大きさに対する出力電圧epsの大きさの比率を変化させることができる。
前記負極側双方向型直流電圧変換回路503は、蓄電器501の正極および負極間の電圧Ebが入力され、その入力された電圧Ebをこれと逆極性の直流電圧(基準電位極510に対して負極性の電圧)に変換して出力するものである。
この負極側双方向型直流電圧変換回路503は、例えば図12(b)に示すような回路構成のものであり、入力側と出力側との間で双方向に電力の伝達が可能である。
該直流電圧変換回路503は、より具体的には、蓄電器501の正極に接続された入力端子520と、蓄電器501の負極(基準電位極510)に接続された基準電位端子521と、出力端子522と、入力端子520と出力端子522との間で直列に接続された2つのスイッチ素子523,524と、各スイッチ素子523,524にそれぞれ並列に接続されたダイオード525,526と、スイッチ素子523,524の間の箇所に一端を接続したコイル527と、コイル527の他端と出力端子522との間に接続されたコンデンサ528とを備え、コンデンサ528のコイル527側の一端が基準電位端子521に接続されている。なお、ダイオード525,526の順方向は、それぞれスイッチ素子523,524の通電方向と逆向きである。本実施形態では、スイッチ素子523,524は、nチャネルFETにより構成されている。ただし、スイッチ素子523,524は、pチャネルFETで構成してもよく、あるいは、スイッチングトランジスタで構成してもよい。
このように構成された負極側双方向型直流電圧変換回路503では、蓄電器501の電圧Ebが基準電位端子510と入力端子520との間に入力され、この状態でスイッチ素子523,524を交互にオン・オフさせることにより、蓄電器501の電圧Eb(>0)と逆極性の直流電圧ens(基準電位部510に対して負極性の電圧)が出力端子522から出力される。この場合、スイッチ素子523のオン・オフのデューティ比をd2(0<d2<1)、スイッチ素子524のオン・オフのデューティ比を1−d2とおくと、

ens=−(d2/(1−d2))・Eb ……(9)

となる。従って、スイッチ素子523,524のオン・オフのデューティ比を適宜変化させることにより、負極側双方向型直流電圧変換回路503の入力電圧Ebの大きさに対する出力電圧ensの大きさの比率を変化させることができる。なお、式(9)から明らかなように、負極側双方向型直流電圧変換回路503は、その出力電圧ensの大きさを、入力電圧Ebよりも大きくする(昇圧する)ことと、小さくする(降圧する)こととのいずれでも可能である。
本実施形態では、図11に示す如く、前記正極側双方向型直流電圧変換回路502の出力端子519が前記第1実施形態で説明した正極性高圧電源回路100の第1段直流電圧変換回路11の低圧側正電位部121に接続されている。また、正極性高圧電源回路100の第1段直流電圧変換回路11の基準電位部91は、蓄電器501の負極(基準電位極510)に同電位に接続されている。これにより、正極側双方向型直流電圧変換回路502の出力電圧eps(>0)が、正極性高圧電源回路100に昇圧用直流電圧として入力されるようになっている。
また、前記負極側双方型直流電圧変換回路503の出力端子522が前記第3実施形態で説明した負極性高圧電源回路200の第1段直流電圧変換回路211の低圧側負電位部321に接続されている。また、負極性高圧電源回路200の第1段直流電圧変換回路211の基準電位部291は、蓄電器501の負極(基準電位極510)に同電位に接続されている。これにより、負極側双方向型直流電圧変換回路503の出力電圧ens(<0)が、負極性高圧電源回路200に昇圧用直流電圧として入力されるようになっている。
そして、正極性高圧電源回路100の出力側には、該正極性高圧電源回路100の第1段直流電圧変換回路11の基準電位部91と第N段直流電圧変換回路1Nの高圧側正電位部10Nとの間で、正極性の直流高電圧の供給対象である適当な負荷529pが接続されている。同様に、負極性高圧電源回路200の出力側には、該負極性高圧電源回路200の第1段直流電圧変換回路211の基準電位部291と第N段直流電圧変換回路21Nの高圧側負電位部30Nとの間で、負極性の直流高電圧の供給対象である適当な負荷529nが接続されている。
例えば、本実施形態の両極性高圧電源回路500をコロナモータの電源として使用する場合には、負荷529p,529nは、それぞれそのコロナモータの正極放電部、負極放電部である。
本実施形態の両極性高圧電源回路500は、さらに、正極性双方向型直流電圧変換回路502の動作制御(前記スイッチ素子513,514のオン・オフ制御)を行なう制御回路504と、負極性双方向型直流電圧変換回路503の動作制御(前記スイッチ素子523,524のオン・オフ制御)を行なう制御回路506とをさらに備えている。制御回路504,506はマイクロコンピュータ等により構成されたものである。
制御回路504には、正極性直流高圧電源回路100の出力電流の検出値Ipと出力電圧の検出値Epと(これらの検出値は、図示しない適宜のセンサから得られる)が入力されると共に、波形選択・設定部505であらかじめ選択・設定された波形(正極性高圧電源回路100の出力波形)の指令データが入力されるようになっている。そして、制御回路504は、それらの入力を基に、正極性直流高圧電源回路100の出力電圧の波形が、波形選択・設定部505で選択・設定された波形と同じになるように、正極側双方向型直流電圧変換回路502のスイッチ素子513,514のデューティ比を決定し、その決定したデューティ比の駆動信号でスイッチ素子513,514のオン・オフを逐次制御するようにしている。
同様に、制御回路506には、負極性直流高圧電源回路200の出力電流の検出値Inと出力電圧の検出値Enと(これらの検出値は、図示しない適宜のセンサから得られる)が入力されると共に、波形選択・設定部507であらかじめ選択・設定された波形(負極性高圧電源回路200の出力波形)の指令データが入力されるようになっている。そして、制御回路506は、それらの入力を基に、負極性直流高圧電源回路200の出力電圧の波形が、波形選択・設定部507で選択・設定された波形と同じになるように、負極側双方向型直流電圧変換回路503のスイッチ素子523,524のデューティ比を決定し、その決定したデューティ比の駆動信号でスイッチ素子523,524のオン・オフを逐次制御するようにしている。
なお、正極性直流高圧電源回路100の各直流電圧変換回路1のスイッチ素子2,3は、例えば、正極性直流高圧電源回路100の昇圧率(入力電圧に対する出力電圧の比率)があらかじめ定められた所定値になるように設定されたデューティ比で、図示を省略する駆動回路により制御される。負極性直流高圧電源回路200の各直流電圧変換回路21のスイッチ素子22,23についても同様である。
以上にように構成された両極性高圧電源回路500では、蓄電器501から正極側双方向型直流電圧変換回路502に入力される電圧Ebは、該回路502でEbと同極性の直流電圧epsに変換され、この直流電圧epsが正極性高圧電源回路100に入力される。そして、この直流電圧epsが、正極性高圧電源回路100の前記した昇圧動作によって、て昇圧され、これにより、該正極性高圧電源回路100から正極性の直流高電圧が出力される。この場合、制御回路504による正極側双方向型直流電圧変換回路502の制御によって、正極側双方向型直流電圧変換回路502の出力電圧epsが変化し、正極性高圧電源回路100から所要の波形(例えば正弦波状、三角波状など、周期的に変化するような波形)の直流高電圧を出力させることができる。また、この場合、正極側双方向型直流電圧変換回路502および正極性高圧電源回路100は、いずれも、その入力側と出力側との間で双方向に電力を伝達できるので、所要の波形(波形選択・設定部505で設定される波形)が高速で変化するような波形であっても、正極性高圧電源回路100の出力電圧の波形を高い応答性で、所要の波形に追従させることができる。
負極側双方向型直流電圧変換回路503および負極性直流高圧電源回路200側の動作も同様である。
このように、本実施形態の両極性高圧電源回路500では、正極側と負極側とで各別の蓄電器を使用することなく、単一の蓄電器501から、正極性および負極性の直流高電圧を生成することができる。
なお、本実施形態では、蓄電器501の負極を基準電位極510としたが、蓄電器501の正極を基準電位極としてもよい。この場合には、正極側双方向型直流電圧変換回路としては、例えば、図12(b)に示した構成の回路における蓄電器501とコンデンサ528を入れ替えた回路を使用すればよい。また、負極側双方向型直流電圧変換回路としては、例えば、前記図3と同じ構成の回路、あるいは、図3のコンデンサ26の代わりに蓄電器501を使用すると共に低圧側正電位部32と基準電位部29との間にコンデンサを介装した回路を使用すればよい。
また、本実施形態では、正極側双方向型直流電圧変換回路502は、図12(a)の回路を使用したが、前記図1の回路を使用してもよい。
また、本実施形態では、前記第1実施形態の正極性高圧電源回路100と、前記第3実施形態の負極性高圧電源回路200とを使用したが、それぞれの代わりに、前記第4実施形態の正極性高圧電源回路、前記第5実施形態の負極性高圧電源回路を使用してもよい。
次に本発明の第7実施形態を図13を参照して説明する。本実施形態は、本発明の交流高圧電源回路の一実施形態である。図13は本実施形態の交流高圧電源回路の回路構成図である。
図13を参照して、本実施形態の交流高圧電源回路300は、前記第1実施形態で説明した図4の正極性高圧電源回路100と、前記第3実施形態で説明した図8の負極性高圧電源回路200とを回路要素として備えると共に、交流電源301から接地電位部302に対して交流電圧es(電圧値が正負に交互に変化する周期的な電圧)が入力される交流電圧入力部303と、接地電位部302との間に上記交流電圧を昇圧してなる交流高電圧eoutを発生して出力する交流高電圧出力部304とを備える。交流電源301は、例えば、バッテリなどの蓄電器の電圧(直流電圧)からインバータ回路を介して交流電圧を出力するものである。従って、双方向の電力伝達が可能である。
なお、以下の説明では、交流電源301から交流電圧入力部303に入力される交流電圧esを交流低電圧esという。その交流低電圧esは、正弦波でもよいが、矩形波状や、三角波状であってもよい。
正極性高圧電源回路100の全体の基準電位部としての第1段直流電圧変換回路11の基準電位部91と、負極性高圧電源回路200の全体の基準電位部としての第1段直流電圧変換回路211の基準電位部291とは、いずれも、接地電位部302にこれと同電位に接続されている。
また、正極性高圧電源回路100の入力部としての第1段直流電圧変換回路11の低圧側正電位部121は、第1の交流スイッチ305を介して交流電圧入力部303に接続され、正極性高圧電源回路100の出力部としての第N段直流電圧変換回路1Nの高圧側正電位部10Nは第2の交流スイッチ306を介して交流高電圧出力部304に接続されている。上記交流スイッチ305,306としては、本実施形態では、双方向型交流スイッチであるトライアックが使用されている。
同様に、負極性高圧電源回路200の入力部としての第1段直流電圧変換回路211の低圧側負電位部321は、第3の交流スイッチ307を介して交流電圧入力部303に接続され、負極性高圧電源回路200の出力部としての第M段直流電圧変換回路21Mの高圧側正電位部30Mは第4の交流スイッチ308を介して交流高電圧出力部304に接続されている。これらの交流スイッチ307,308も、実施形態ではトライアックである。
なお、交流スイッチ305〜308は、図示を省略する制御回路によって、それぞれのオン・オフが後述するように制御される。
また、交流高電圧出力部304と接地電位部302との間には、交流高電圧eoutと供給すべき適宜の負荷309(例えば除電装置の放電電極)が接続されている。
次に、このように構成された交流高圧電源回路300の昇圧動作を説明する。
交流スイッチ305〜308は、交流電源301から交流電圧入力部303に入力される交流低電圧esに同期して制御される。具体的には、交流低電圧esの電圧値の極性が接地電位部302に対して正極性となる期間では、第1および第2の交流スイッチ305,306がいずれもオンに制御されると共に、第3および第4の交流スイッチ307,308がいずれもオフに制御される。また、交流低電圧esの電圧値の極性が接地電位部302に対して負極性となる期間では、第1および第2の交流スイッチ305,306がいずれもオフに制御されると共に、第3および第4の交流スイッチ307,308がいずれもオンに制御される。
このため、交流低電圧esの正極性部分が交流スイッチ305を介して正極性高圧電源回路100の第1段直流電圧変換回路11の低圧側正電位部121に入力され、その正極性部分を正極性高圧電源回路100で前記したように昇圧してなる直流高電圧EN(>0)が正極性高圧電源回路100の第N段直流電圧変換回路1Nの高圧側正電位部10Nから交流スイッチ306を介して交流高電圧出力部304に出力される。なお、このとき、交流低電圧esの正極性部分は、負極性高圧電源回路200には入力されず、また、負極性高圧電源回路200の出力電圧は交流高電圧出力部304には出力されない。
また、交流低電圧esの負極性部分が交流スイッチ307を介して負極性高圧電源回路200の第1段直流電圧変換回路211の低圧側負電位部321に入力され、その負極性部分を負極性高圧電源回路200で前記したように昇圧してなる直流高電圧EM(<0)が負極性高圧電源回路200の第M段直流電圧変換回路21Mの高圧側負電位部30Mから交流スイッチ308を介して交流高電圧出力部304に出力される。なお、このとき、交流低電圧esの負極性部分は、正極性高圧電源回路100には入力されず、また、正極性高圧電源回路100の出力電圧は交流高電圧出力部304には出力されない。
以上の動作によって、交流高電圧出力部304には、交流低電圧esの電圧値が正極性となる期間では、その正極性部分を正極性高圧電源回路100で昇圧してなる電圧ENが接地電位部302との間で発生し、交流低電圧esの電圧値が負極性となる期間では、その負極性部分を負極性高圧電源回路200で昇圧してなる電圧EMが接地電位部302との間で発生する。これにより、交流高電圧出力部304から交流低電圧esを昇圧してなる交流高電圧eoutが出力され、それが、負荷309に供給されることとなる。
この場合、正極性高圧電源回路100および負極性高圧電源回路200は、高い応答性を有するので、交流低電圧esが比較的高周波のものであっても、該交流低電圧esと同様の波形の交流高電圧eoutを発生させることができる。
補足すると、正極性高圧電源回路100の直流電圧変換回路1の個数Nと、負極性高圧電源回路200の直流電圧変換回路21の個数Mとは、各高圧電源回路100,200の出力電圧のピーク値の絶対値がほぼ同程度となるように設定しておけばよい。
なお、本実施形態では、第1実施形態の正極性高圧電源回路100と、第3実施形態の負極性高圧電源回路200を使用したが、それぞれの代わりに、前記第4実施形態の正極性高圧電源回路、前記第5実施形態の負極性高圧電源回路を使用してもよい。
次に、本発明の第8実施形態を図14〜図16を参照して説明する。本実施形態は本発明の交流高圧電源回路の他の実施形態である。図14は本実施形態の交流高圧電源回路の回路構成図、図15はこの交流高圧電源回路に備えた出力切換回路の構成を示す図、図16は本実施形態の交流高圧電源の作動を説明するためのグラフである。
図14を参照して、本実施形態の交流高圧電源回路600は、前記第6実施形態の両極性高圧電源回路500と、出力切換回路601とを備える。両極性高圧電源回路500の正極性高圧電源回路100から出力される直流高電圧Epと、負極性高圧電源回路200から出力される直流高電圧Enとが出力切換回路601に入力されるようになっている。また、両極性高圧電源回路500の基準電位極510は、接地電位部として接地されている。
出力切換回路601は、交流高電圧出力部602を備え、両極性高圧電源回路500から入力される直流高電圧Ep,Enを周期的に交互に交流高電圧出力部602から出力するものである。そして、この交流高電圧出力部602と両極性高圧電源回路500の基準電位極510(接地電位部)との間で負荷603が接続されている。負荷603としては、例えば除電装置の放電電極などが挙げられる。
出力切換回路601は、本実施形態では、図15に示すように構成されている。図15に示す如く、出力切換回路601は、2つのスイッチ素子群604,605を備える。各スイッチ素子群604,605は、複数のスイッチ素子606を直列に接続して構成されている。そして、これらのスイッチ素子群604,605が、直列に接続され、その直列回路におけるスイッチ素子群604,605の間の箇所が、前記交流高電圧出力部602とされて、前記負荷603に接続されている。また、スイッチ素子群604,605の直列回路の、スイッチ素子群604側の一端に、前記正極性高圧電源回路100から正極性の直流高電圧Epが入力され、スイッチ素子群605側の他端に、前記負極性高圧電源回路200から負極性の直流高電圧Enが入力されるようになっている。従って、スイッチ素子群604は、正極性の直流高電圧Epの入力部と交流高電圧出力部602との間で介装され、スイッチ素子群605は、負極性の直流高電圧Enの入力部と交流高電圧出力部602との間に介装されている。
また、各スイッチ素子群604,605の各スイッチ素子606には、ダイオード607が並列に接続されている。この場合、本実施形態では、各スイッチ素子606は、nチャネルFETにより構成され、各ダイオード607の順方向の向きは、スイッチ素子群604,605の直列回路のスイッチ素子群605側の他端から、スイッチ素子群604側の他端に向かう向き(該ダイオード607に対応するスイッチ素子606の通電方向と逆向き)とされている。なお、本実施形態では、スイッチ素子606をnチャネルFETで構成したが、pチャネルFETで構成してもよく、あるいは、スイッチングトランジスタで構成してもよい。
以上のように構成された出力切換回路601では、スイッチ素子群604,605を周期的に交互にオン・オフさせることにより、交流高電圧出力部602に正極性の直流高電圧Epと、負極性の直流高電圧Enとが交互に印加されることとなる。この場合、スイッチ素子群604をオンあるいはオフさせるということは、該スイッチ素子群604に含まれる全てのスイッチ素子606を同時にオンあるいはオフさせることを意味する。スイッチ素子群605のオン・オフについても同様である。このような各スイッチ素子群604,605のオン・オフは、例えば、前記図9に示した駆動回路407,408と同様の構成の駆動回路(図示省略)を介して行なうことができる。
なお、本実施形態では、出力切換回路601の各スイッチ素子群604,605のオン・オフは、前記両極性高圧電源回路500の制御回路504または506により上記駆動回路を介して制御されるようになっている。
補足すると、各スイッチ素子群604,605のスイッチ素子606の個数は、それぞれのスイッチ素子群604,605の両端間に作用し得る最大電圧を当該個数で分割してなる電圧が、各スイッチ素子606およびダイオード607の耐圧を超えないように設定される。また、各スイッチ素子群604,605に作用し得る最大電圧が、各スイッチ素子606に均等に分圧されるように、各スイッチ素子606と並列に抵抗を接続するようにしてもよい。
次に本実施形態の交流高圧電源回路600の作動を説明する。なお、ここでは、三角波状の交流高電圧を生成する場合を例に採って説明する。
本実施形態では、交流高圧電源回路600の両極性高圧電源回路500の制御回路504は、正極性高圧電源回路100から例えば図16の上段のグラフで示すような波形の直流高電圧Epを出力させるように、正極側双方向型直流電圧変換回路502を制御する。また、両極性高圧高圧電源回路500の制御回路506は、負極性高圧電源回路200から例えば図16の中段のグラフで示すような波形の直流高電圧Enを出力せるように、負極側双方向型直流電圧変換回路503を制御する。この場合、直流高電圧Ep(>0)の波形および直流高電圧En(<0)の波形は、例えば、出力切換回路601から出力しようとする交流高電圧(図16の下段を参照)の1周期Tの期間内で、三角波状に電圧値が変化する期間と、電圧値が0に保たれる期間とが半周期づつ、交互に現れるような波形である。そして、この場合、制御回路504,506の協調動作によって、それらの波形の同期がとられると共に、直流高電圧Epが三角波状に増減する期間と、直流高電圧Epが三角波状に増減する期間とが半周期分、ずらされている。従って、直流高電圧Ep,Enの波形は、互いに同期しつつ、周期的に電圧値が0となる波形である。なお、それぞれの波形の半周期の期間で必ずしも電圧値を0に保持する必要はなく、その期間においても、電圧値を三角波状に変化させてもよい。
そして、前記出力切換回路601は、前記制御回路504または506により、上記波形に同期して制御される。より具体的には、正極性高圧電源回路100から出力される直流高電圧Epが三角波状に変化する期間(負極性高圧電源回路200から出力される直流電圧Enが0に保持される期間)では、出力切換回路601のスイッチ素子群604がオンに制御されると共に、スイッチ素子群605がオフに制御される。また、負極性高圧電源回路200から出力される直流高電圧Enが三角波状に変換する期間(正極性高圧電源回路100から出力される直流電圧Epが0に保持される期間)では、出力切換回路601のスイッチ素子群605がオンに制御されると共に、スイッチ素子群604がオフに制御される。
これにより、図16の下段のグラフで示すように、出力切換回路601の交流高電圧出力部602から、三角波状の交流高電圧が出力されることとなる。そして、その交流高電圧が負荷603に供給される。
この場合、各スイッチ素子群604,605のオン・オフは、出力切換回路601に入力される直流高電圧Ep,Enの値が実質的に0となるタイミングで行なわれこととなるので、各スイッチ素子群604,605で瞬時的な放電アークなどを生じることなく、円滑に、オン・オフの切換を行なうことができる。
また、目標とする交流高電圧の周波数が比較的高周波のものであっても、前記第7実施形態と同様に、所要の波形の交流高電圧を発生することができる。
なお、本実施形態では、交流高電圧の波形を三角波状のものとした場合と例に採って説明したが、その波形は、正弦波状など、他の形状のものであってもよい。
本発明の第1実施形態における正極性高圧電源回路の要素回路である直流電圧変換回路の回路構成図。 図1の直流電圧変換回路のスイッチ素子の動作を示すタイミングチャート。 本発明の第3実施形態における負極性高圧電源回路の要素回路である直流電圧変換回路の回路構成図。 本発明の第1実施形態における正極性高圧電源回路の回路構成図。 図4の正極性高圧電源回路に備えた各直流電圧変換回路のスイッチ素子の動作を制御する制御回路の回路構成図。 本発明の第2実施形態における正極性高圧電源回路に入力する直流電圧を生成する可変出力電源の例を示す回路構成図。 図6の可変出力電源に備えた双方型昇降圧チョッパ回路の回路構成図。 本発明の第3実施形態における負極性高圧電源回路の回路構成図。 本発明の第4実施形態における正極性高圧電源回路の要素回路である直流電圧変換回路の回路構成図。 本発明の第5実施形態における負極性高圧電源回路の要素回路である直流電圧変換回路の回路構成図。 本発明の第6実施形態における両極性高圧電源回路の回路構成図。 図12(a),(b)はそれぞれ図11の両極性高圧電源回路に備えた正極側双方向型直流電圧変換回路、負極側双方向型直流電圧変換回路の回路構成図。 本発明の第7実施形態における交流高圧電源回路の回路構成図。 本発明の第8実施形態における交流高圧電源回路の回路構成図。 図14の交流高圧電源回路に備えた出力切換回路の回路構成図。 図14の交流高圧電源回路の作動を説明するためのグラフ。
符号の説明
1,21,401,421…直流電圧変換回路、2,3,22,23…スイッチ素子、4,24,404,424…スイッチ素子回路、5,25…コイル、6,26…コンデンサ、7,8,27,28…ダイオード、9,29…基準電位部、10…高圧側正電位部、12…低圧側正電位部、30…高圧側負電位部、32…低圧側負電位部、100…正極性高圧電源回路、200…負極性高圧電源回路、300,600…交流高圧電源回路、302…接地電位部、303…交流電圧入力部、304,602…交流高電圧出力部、305,306,307,308…交流スイッチ、402,403,422,423…スイッチ素子群、500…両極性高圧電源回路、501…蓄電器、502…正極側双方向型直流電圧変換回路、503…負極側双方向型直流電圧変換回路、510…基準電位極(接地電位部)。

Claims (10)

  1. オン・オフをそれぞれ制御可能な第1のスイッチ素子および第2のスイッチ素子を直列に接続してなるスイッチ素子回路と、該スイッチ素子回路の両端のうちの一端を基準電位部、他端を基準電位部に対して正の電位となる高圧側正電位部とし、該基準電位部から高圧側正電位部に向かう向きが順方向になるように前記第1のスイッチ素子および第2のスイッチ素子にそれぞれ並列に接続された第1のダイオードおよび第2のダイオードと、前記基準電位部および高圧側正電位部の間に前記スイッチ素子回路と並列に接続されたコンデンサと、前記スイッチ素子回路の第1のスイッチ素子と第2のスイッチ素子との間の箇所に一端が接続されたコイルとを備え、該コイルの他端を低圧側正電位部として、該低圧側正電位部と前記基準電位部との間に正極性の直流入力電圧を印加しつつ、前記第1のスイッチ素子および第2のスイッチ素子を交互にオン・オフさせることにより、前記高圧側正電位部と基準電位部との間に前記直流入力電圧を昇圧してなる正極性の直流電圧を発生する昇圧動作が行なわれる直流電圧変換回路をN個(N:2以上の整数)備え、
    前記N個の直流電圧変換回路のうちの1つを第1段直流電圧変換回路、他のそれぞれの直流電圧変換回路を第n段直流電圧変換回路(n:2からNまでの整数)としたとき、前記N個の直流電圧変換回路は、第n段直流電圧変換回路の基準電位部が第n−1段直流電圧変換回路の低圧側正電位部と同電位になり、且つ、該第n段直流電圧変換回路の低圧側正電位部が第n−1段直流電圧変換回路の高圧側正電位部と同電位になるように接続され、
    前記第1段直流電圧変換回路の低圧側正電位部と基準電位部との間に直流入力電圧を印加しつつ、前記N個の直流電圧変換回路のそれぞれの前記昇圧動作を行なわせることにより、第N段直流電圧変換回路の高圧側正電位部と第1段直流電圧変換回路の基準電位部との間に、前記第1段直流電圧変換回路に対する前記直流入力電圧を前記N個の直流電圧変換回路により昇圧してなる正極性の直流高電圧が発生するようにしたことを特徴とする正極性高圧電源回路。
  2. オン・オフをそれぞれ制御可能な複数のスイッチ素子を直列に接続することによりそれぞれ構成された第1のスイッチ素子群および第2のスイッチ素子群と、該第1のスイッチ素子群および第2のスイッチ素子群を直列に接続してなるスイッチ素子回路の両端のうちの一端を基準電位部、他端を基準電位部に対して正の電位となる高圧側正電位部とし、該基準電位部から高圧側正電位部に向かう向きが順方向になるように前記スイッチ素子回路の各スイッチ素子にそれぞれ並列に接続された複数のダイオードと、前記スイッチ素子回路の各スイッチ素子にそれぞれ並列に接続された複数の抵抗と、前記基準電位部および高圧側正電位部の間に前記スイッチ素子回路と並列に接続されたコンデンサと、前記スイッチ素子回路の第1のスイッチ素子群および第2のスイッチ素子群の間の箇所に一端が接続されたコイルとを備え、該コイルの他端を低圧側正電位部として、該低圧側正電位部と前記基準電位部との間に正極性の直流入力電圧を印加しつつ、前記第1のスイッチ素子群および第2のスイッチ素子群を交互にオン・オフさせることにより、前記高圧側正電位部と基準電位部との間に前記直流入力電圧を昇圧してなる正極性の直流電圧を発生する昇圧動作が行なわれる直流電圧変換回路をN個(N:2以上の整数)備え、
    前記N個の直流電圧変換回路のうちの1つを第1段直流電圧変換回路、他のそれぞれの直流電圧変換回路を第n段直流電圧変換回路(n:2からNまでの整数)としたとき、前記N個の直流電圧変換回路は、第n段直流電圧変換回路の基準電位部が第n−1段直流電圧変換回路の低圧側正電位部と同電位になり、且つ、該第n段直流電圧変換回路の低圧側正電位部が第n−1段直流電圧変換回路の高圧側正電位部と同電位になるように接続され、
    前記第1段直流電圧変換回路の低圧側正電位部と基準電位部との間に直流入力電圧を印加しつつ、前記N個の直流電圧変換回路のそれぞれの前記昇圧動作を行なわせることにより、第N段直流電圧変換回路の高圧側正電位部と第1段直流電圧変換回路の基準電位部との間に、前記第1段直流電圧変換回路に対する前記直流入力電圧を前記N個の直流電圧変換回路により昇圧してなる正極性の直流高電圧が発生するようにしたことを特徴とする正極性高圧電源回路。
  3. オン・オフをそれぞれ制御可能な第1のスイッチ素子および第2のスイッチ素子を直列に接続してなるスイッチ素子回路と、該スイッチ素子回路の両端のうちの一端を基準電位部、他端を基準電位部に対して負の電位となる高圧側負電位部とし、該高圧側負電位部から基準電位部に向かう向きが順方向になるように前記第1のスイッチ素子および第2のスイッチ素子にそれぞれ並列に接続された第1のダイオードおよび第2のダイオードと、前記基準電位部および高圧側負電位部の間に前記スイッチ素子回路と並列に接続されたコンデンサと、前記スイッチ素子回路の第1のスイッチ素子と第2のスイッチ素子との間の箇所に一端が接続されたコイルとを備え、該コイルの他端を低圧側負電位部として、該低圧側負電位部と前記基準電位部との間に負極性の直流入力電圧を印加しつつ、前記第1のスイッチ素子および第2のスイッチ素子を交互にオン・オフさせることにより、前記高圧側負電位部と基準電位部との間に前記直流入力電圧を昇圧してなる負極性の直流電圧を発生する昇圧動作が行なわれる直流電圧変換回路をM個(M:2以上の整数)備え、
    前記M個の直流電圧変換回路のうちの任意の1つを第1段直流電圧変換回路、他のそれぞれの直流電圧変換回路を第m段直流電圧変換回路(m:2からMまでの整数)としたとき、前記M個の直流電圧変換回路は、第m段直流電圧変換回路の基準電位部が第m−1段直流電圧変換回路の低圧側負電位部と同電位になり、且つ、該第m段直流電圧変換回路の低圧側負電位部が第m−1段直流電圧変換回路の高圧側負電位部と同電位になるように接続され、
    前記第1段直流電圧変換回路の低圧側負電位部と基準電位部との間に直流入力電圧を印加しつつ、前記M個の直流電圧変換回路のそれぞれの前記昇圧動作を行なわせることにより、第M段直流電圧変換回路の高圧側負電位部と第1段直流電圧変換回路の基準電位部との間に、前記第1段直流電圧変換回路に対する直流入力電圧を前記M個の直流電圧変換回路により昇圧してなる負極性の直流高電圧が発生するようにしたことを特徴とする負極性高圧電源回路。
  4. オン・オフをそれぞれ制御可能な複数のスイッチ素子を直列に接続することによりそれぞれ構成された第1のスイッチ素子群および第2のスイッチ素子群と、該第1のスイッチ素子群および第2のスイッチ素子群を直列に接続してなるスイッチ素子回路の両端のうちの一端を基準電位部、他端を基準電位部に対して負の電位となる高圧側負電位部とし、該高圧側負電位部から基準電位部に向かう向きが順方向になるように前記スイッチ素子回路の各スイッチ素子にそれぞれ並列に接続された複数のダイオードと、前記スイッチ素子回路の各スイッチ素子にそれぞれ並列に接続された複数の抵抗と、前記基準電位部および高圧側負電位部の間に前記スイッチ素子回路と並列に接続されたコンデンサと、前記スイッチ素子回路の第1のスイッチ素子群と第2のスイッチ素子群との間の箇所に一端が接続されたコイルとを備え、該コイルの他端を低圧側負電位部として、該低圧側負電位部と前記基準電位部との間に負極性の直流入力電圧を印加しつつ、前記第1のスイッチ素子群および第2のスイッチ素子群を交互にオン・オフさせることにより、前記高圧側負電位部と基準電位部との間に前記直流入力電圧を昇圧してなる負極性の直流電圧を発生する昇圧動作が行なわれる直流電圧変換回路をM個(M:2以上の整数)備え、
    前記M個の直流電圧変換回路のうちの任意の1つを第1段直流電圧変換回路、他のそれぞれの直流電圧変換回路を第m段直流電圧変換回路(m:2からMまでの整数)としたとき、前記M個の直流電圧変換回路は、第m段直流電圧変換回路の基準電位部が第m−1段直流電圧変換回路の低圧側負電位部と同電位になり、且つ、該第m段直流電圧変換回路の低圧側負電位部が第m−1段直流電圧変換回路の高圧側負電位部と同電位になるように接続され、
    前記第1段直流電圧変換回路の低圧側負電位部と基準電位部との間に直流入力電圧を印加しつつ、前記M個の直流電圧変換回路のそれぞれの昇圧動作を行なわせることにより、第M段直流電圧変換回路の高圧側負電位部と第1段直流電圧変換回路の基準電位部との間に、前記第1段直流電圧変換回路に対する直流入力電圧を前記M個の直流電圧変換回路により昇圧してなる負極性の直流高電圧が発生するようにしたことを特徴とする負極性高圧電源回路。
  5. 前記第1段直流電圧変換回路に対する直流入力電圧は、その電圧値が周期的に変化する波形の直流電圧であることを特徴とする請求項1または2記載の正極性高圧電源回路。
  6. 前記第1段直流電圧変換回路に対する直流入力電圧は、その電圧値が周期的に変化する波形の直流電圧であることを特徴とする請求項3または4記載の負極性高圧電源回路。
  7. 充放電可能な蓄電器と、該蓄電器の負極または正極を基準電位極として該負極および正極間の直流電圧が入力され、その入力された直流電圧を前記基準電位極に対して正極性の昇圧用直流電圧に変換する正極側双方向型直流電圧変換回路と、前記蓄電器の負極および正極間の直流電圧が入力され、その入力された直流電圧を前記基準電位極に対して負極性の昇圧用直流電圧に変換する負極側双方向型直流電圧変換回路と、請求項1または請求項2記載の正極性高圧電源回路と、請求項3または請求項4記載の負極性高圧電源回路とを備えると共に、前記正極性高圧電源回路および負極性高圧電源回路のそれぞれの前記第1段直流電圧変換回路の基準電位部を前記基準電位極に同電位に接続し、
    前記正極側双方向型直流電圧変換回路から出力される正極性の昇圧用直流電圧を、前記正極性高圧電源回路の第1段直流電圧変換回路の低圧側正電位部と基準電位部との間に印加しつつ、該正極性高圧電源回路の各直流電圧変換回路の昇圧動作を行なわせると共に、前記負極側双方向型直流電圧変換回路から出力される負極性の昇圧用直流電圧を、前記負極性高圧電源回路の第1段直流電圧変換回路の低圧側負電位部と基準電位部との間に印加しつつ、該負極性高圧電源回路の各直流電圧変換回路の昇圧動作を行なわせるようにしたことを特徴とする両極性高圧電源回路。
  8. 前記正極側双方向型直流電圧変換回路および負極側双方向型直流電圧変換回路はそれぞれ、その入力電圧の大きさに対する出力電圧の大きさの比率を可変的に制御可能な回路であることを特徴とする請求項7記載の両極性高圧電源回路。
  9. 請求項8記載の両極性高圧電源回路と、前記基準電位極を接地電位部として、該接地電位部に対して電位が正および負の電位に交互に変化する交流高電圧を発生する交流高電圧出力部と、前記正極性高圧電源回路から出力される前記正極性の直流高電圧と前記負極性高圧電源回路から出力される前記負極性の直流高電圧とを周期的に交互に切換えて前記交流高電圧出力部に出力させる出力切換回路とを備え、
    前記正極側双方向型直流電圧変換回路および負極側双方向型直流電圧変換回路は、前記正極性高圧電源回路および負極性高圧電源回路からそれぞれ出力される正極性の直流高電圧および負極性の直流高電圧の波形が互いに同期して周期的に0になる波形となるように制御され、
    前記出力切換回路は、前記交流高電圧出力部に出力させる前記正極性の直流高電圧と負極性の直流高電圧との切換えが、該正極性の直流高電圧および負極性の直流高電圧の値が実質的に0となっているタイミングで行なわれるように制御されることを特徴とする交流高圧電源回路。
  10. 接地電位部に対する電位が正および負の電位に交互に変化する交流電圧が該接地電位部との間で印加される交流電圧入力部と、請求項1または請求項2記載の正極性高圧電源回路と、請求項3または請求項4記載の負極性高圧電源回路と、前記交流電圧入力部に印加される交流電圧を前記正極性高圧電源回路および負極性高圧電源回路を用いて昇圧してなる交流高電圧を前記接地電位部との間で発生する交流高電圧出力部とを備え、
    前記正極性高圧電源回路の第1段直流電圧変換回路の基準電位部と前記負極性高圧電源回路の第1段直流電圧変換回路の基準電位部とを接地電位部に接続して接地し、
    前記正極性高圧電源回路の第1段直流電圧変換回路の低圧側正電位部を、オン・オフ制御可能な第1の交流スイッチを介して前記交流電圧入力部に接続すると共に該正極性高圧電源回路の第N段直流電圧変換回路の高圧側正電位部を、オン・オフ制御可能な第2の交流スイッチを介して前記交流高電圧出力部に接続し、
    前記負極性高圧電源回路の第1段直流電圧変換回路の低圧側負電位部を、オン・オフ制御可能な第3の交流スイッチを介して前記交流電圧入力部に接続すると共に該負極性高圧電源回路の第M段直流電圧変換回路の高圧側負電位部を、オン・オフ制御可能な第4の交流スイッチを介して前記交流高電圧出力部に接続し、
    前記交流電圧入力部に印加される交流電圧が前記接地電位部に対して正極性の電圧となる期間で前記第1の交流スイッチおよび第2の交流スイッチがオンになり、且つ、前記第3の交流スイッチおよび第4の交流スイッチがオフになり、前記交流電圧入力部に印加される交流電圧が前記接地電位部に対して負極性の電圧となる期間で前記第1の交流スイッチおよび第2の交流スイッチがオフになり、且つ、前記第3の交流スイッチおよび第4の交流スイッチがオンになるように各交流スイッチのオン・オフを制御しつつ、前記正極性高圧電源回路の各直流電圧変換回路の昇圧動作と、前記負極性高圧電源回路の各直流電圧変換回路の昇圧動作とを行なわせることにより、前記交流電圧入力部に印加される交流電圧を昇圧してなる交流高電圧を前記交流高電圧出力部に発生させるようにしたことを特徴とする交流高圧電源回路。
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