JP2007287952A - ガスセルの製造方法、ガスセル及びルビジウム原子発振器 - Google Patents

ガスセルの製造方法、ガスセル及びルビジウム原子発振器 Download PDF

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Tsunenori Shibata
恒則 柴田
Koji Chindo
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Abstract

【課題】ガスセルのチップ部を切り離す前に、ガスセルにルビジウム金属を封入して高周
波処理を行い、その後、チップ部を加熱形成してガラス成分の再結晶化を行なうことによ
り、チップ部にルビジウム金属を集まりやすくして、小型、低価格化に適した高安定なガ
スセルの製造方法を提供する。
【解決手段】このガスセル製造装置200は、本体47と、複数のガスセル部31と、開
口部48、49と、を備えてガスセル集合体30を構成している。そして、開口部48に
はバルブ45とバルブ46が備えられている。また、ガスセル部31内のルビジウム金属
をガラス内面に化学結合させる高周波電源38と、開口部48に接続され本体47内の気
体を抜気する真空ポンプ44と、開口部49に接続され本体47内にルビジウム金属を供
給するルビジウム金属供給部33と、を備えている。
【選択図】図3

Description

本発明は、ガスセルの製造方法、ガスセル及びルビジウム原子発振器に関し、特に、ガ
スセル本体から突出した金属溜まり部に貯留したルビジウム金属の拡散を防止するガスセ
ルの製造方法に関するものである。
近年、通信網や放送網等のディジタルネットワーク化が進み、これに伴い、伝送装置の
クロック信号や放送局の基準周波数の生成に使用されるクロック源等に、高精度・高安定
な発振器が必要不可欠なものとなっている。そのような発振器として、発振周波数の精度
・安定度が高いルビジウム原子発振器が多く用いられている。また、近年原子発振器の小
型化の要求が高まり、光マイクロ波ユニット(OMU部)も含めて全体を小型化する必要性
に迫られている。この小型化に伴って、マイクロ波共振器も小型化が余儀なくされている
。しかし、マイクロ波共振器を小型化した場合、マイクロ波共振器の加熱によりルビジウ
ムガスセルの金属溜まり部に貯留したルビジウム金属が過剰に拡散してしまい、マイクロ
波共振器内部に発生するマイクロ波レベルを低下させるといった問題を有している。
このルビジウム金属の拡散を抑制する従来技術として特許文献1には、マイクロ波共振
器に装着するトランジスタヒータとガスセルの金属溜まり部との位置が近接していること
により生じるガスセル内のルビジウム金属の拡散を防止するために、トランジスタヒータ
とガスセルの金属溜まり部を可能な限り離れた位置関係とし、且つマイクロ波共振器に切
り込みや通気孔を設けてガスセルの金属溜まり部をマイクロ波共振器外部の低温部へ出す
構造とすることにより、ガスセル内のルビジウム金属の移動を少なくして、マイクロ波共
振器内にマイクロ波を効果的に発生させる技術について開示されている。
特許第2636687号
しかしながら、特許文献1に開示されている従来技術は、ガスセルの金属溜まり部を、
マイクロ波共振器外部の低温部へ出すための切り込みや通気孔をマイクロ波共振器に設け
るため、マイクロ波モードを乱し、マイクロ波レベルの低下を招くといった問題がある。
本発明は、かかる課題に鑑み、ガスセルの金属溜まり部を切り離す前に、ガスセルにル
ビジウム金属を封入して高周波処理を行い、その後、金属溜まり部を加熱形成してガラス
成分の再結晶化を行なうことにより、金属溜まり部にルビジウム金属を集まりやすくして
、小型、低価格化に適した高安定なガスセルの製造方法を提供することを目的とする。
本発明はかかる課題を解決するために、ルビジウムガスを充填するガスセル本体及び該
ガスセル本体内で気化し切れないルビジウム金属を貯留するために前記ガスセル本体適所
から外部に突出した金属溜まり部を備えたガスセルの製造方法であって、連結管本体と、
該連結管本体の側面に連通連結された複数の連結支管と、前記各連結支管の先端に連通連
結された前記ガスセル本体と、を備えたガスセル連結体を用意する工程と、前記連結管本
体から負圧を供給することにより各ガスセル本体及び各連結支管内を含む前記ガスセル連
結体内を真空状態とする抜気工程と、該抜気工程により内部を真空化したガスセル連結体
内に所定量の前記ルビジウム金属を封入する封入工程と、該封入工程によりルビジウム金
属が封入された少なくとも前記ガスセル本体と連結支管に外部から高周波エネルギを供給
するエネルギ供給工程と、必要な量の前記ルビジウム金属を少なくとも前記ガスセル本体
及び連結支管内に再封入する再封入工程と、前記連結支管を加熱して前記ガスセル本体を
前記ガスセル連結管本体から切り離す加熱工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明のガスセルの製造工程は、まず連結管本体と、この連結管本体の側面に連通連結
された複数の連結支管と、各連結支管の先端に連通連結されたガスセル本体と、を備えた
ガスセル連結体を予め用意する。この段階では、ガスセル連結体は単なるガラス容器であ
り、連結支管も長めに構成されている。次に、各ガスセル本体及び各連結支管内に存在す
る空気等の気体を抜気して内部を真空にする。この抜気工程に必要な開口部は予め形成し
ておく。次に、真空となった各ガスセル本体及び各連結支管内に外部からルビジウム金属
を封入する。この工程は次のRF(高周波)処理のための前段階である。次に、外部から
高周波エネルギを与えて、内部のルビジウム金属を活性化してガラス内面にルビジウム金
属を強制的に化学結合させる(RF処理)。この工程により各ガスセル本体及び各連結支
管内のルビジウム金属が減少するので、次に最終的に必要な量のルビジウム金属を再び封
入する。次に、各連結支管に化学結合したルビジウム金属を除去するために加熱して再結
晶化を行なう。そしてガスセル本体をガスセル連結体から切り離す。これにより、最適な
長さの金属溜まり部を備えたガスセルが完成する。これにより、大量に且つ特性が均一な
ガスセルを容易に製造することができる。
また、前記エネルギ供給工程は、前記ガスセル連結体に封入されたルビジウム金属に外
部から高周波エネルギを供給することにより、該ガスセル連結体の内面に前記ルビジウム
金属を強制的に化学結合させる工程であることを特徴とする。
ガスセル連結体の材料として有水石英ガラスを使用した場合、表面に水酸基(OH基)
を多く配列しており、無水石英に比べてルビジウム金属を化学的に引き付けにくいが、長
期的に見るとガラス内面にルビジウム金属が化学的に結合してガスセル内部に封入したル
ビジウム金属が減少してしまう。そこで本発明では、エネルギ供給工程(RF処理)によ
り、この影響を低減するために、ガラス内面にルビジウム金属を強制的に化学結合させる
ものである。
また、前記加熱工程は、前記連結支管を加熱することにより、該加熱箇所のガラス成分
を再結晶化させて、該加熱箇所に化学結合したルビジウム金属を除去する工程であること
を特徴とする。
本発明では、RF処理後に、連結支管のみ加熱してRF処理の効果を取り除くこと(ガ
ラス内面にルビジウム金属が化学結合することを低減する処理)により、連結支管にルビ
ジウム金属が集まりやすくなる。
また、前記ガラス成分は有水石英であることを特徴とする。
有水石英は透明度が高く、外観が非常に良好で、気泡や筋などが少ない特徴を有してお
り、表面に水酸基を多く配列しているが、一部水酸基が欠落している部分が存在し、その
部分にはRb+イオンが引き付けられやすいので長期的に見るとガスセル内部に封入した
ルビジウム金属量を減少させるといった欠点がある。しかし、その欠点はRF処理により
補うことができる。
また、ガスセル本体と、該ガスセル本体と連通連結された支管部と、を備えたガスセル
であって、前記ガスセル本体及び前記支管部の内面にルビジウム金属を化学結合させた後
、所定量のルビジウム金属を封入し、前記支管部を加熱して該加熱箇所のガラス成分を再
結晶化させることを特徴とする。
本発明は、ガスセル本体と、このガスセル本体と連通連結された支管部と、を備えたガ
スセルに、夫々の内面にルビジウム金属を化学結合させ、その後、所定量のルビジウム金
属を封入し、支管部を加熱してこの加熱箇所のガラス成分を再結晶化させるものである。
このように、単体で存在するガスセルの支管部を加熱することにより、その部分を再結晶
化してルビジウム金属が拡散するのを防止することができる。
また、上記のガスセルの製造方法により製造されたガスセルと、マイクロ波を前記ガス
セルに向けて放射する放射用アンテナと、を有するマイクロ波共振器を備えたルビジウム
原子発振器であって、前記マイクロ波共振器は、前記ガスセル全体を当該マイクロ波共振
器内に収容する構成としたことを特徴とする。
本発明の製造方法により製造されたガスセルを使用することにより、金属溜まり部を低
温部に配置する必要がなくなり、マイクロ波共振器に切り込みや通気孔といった加工が不
要となる。その結果、ガスセル内のルビジウム金属を金属溜まり部に集めることができ、
ルビジウム金属の拡散を防止し、マイクロ波共振器内にマイクロ波を効果的に発生させる
ことができ、小型で且つ高安定なルビジウム原子発振器を実現することができる。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記
載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限
り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明のルビジウム原子発振器の概略構成を示すブロック図である。このルビジ
ウム原子発振器100は、ルビジウムランプ(以下、Rbランプと記す)5を点灯するラ
ンプ励振部1と、ルビジウムガスセル(以下、Rbガスセルと記す)6中のルビジウムガ
スを励起するRbランプ5と、ルビジウムガスを充填したRbガスセル6と、Rbガスセ
ル6中のルビジウム原子の共鳴周波数により励振するマイクロ波共振器(以下、キャビテ
ィと記す)3と、キャビティ3にマイクロ波を放射する放射用アンテナ4と、Rbガスセ
ル6を透過した光の強度を検出するフォトセンサ7と、Amp9に現れる低周波振幅変調
信号の位相を弁別する位相弁別器10と、マイクロ波の位相を低周波により変調する低周
波位相信号発生器11と、電圧制御水晶発振器13の発振信号をマイクロ波に逓倍する周
波数逓倍合成変調部12と、位相弁別器10の電圧に基づいて所定の周波数を発振する電
圧制御水晶発振器13と、を備えて構成されている。尚、Rbランプ5、キャビティ3及
びフォトセンサ7により構成されるユニットを光マイクロ波ユニット8と呼ぶ。また、周
波数逓倍合成変調部12の出力は放射用アンテナ4に接続されている。
次に、本発明のルビジウム原子発振器の動作については公知であるので、ここでは説明
を省略するが、本発明の主たる構成要素であるキャビティ3について概略を説明する。
ルビジウム原子発振器の動作プロセスにおいて、定常状態にあるエネルギ準位(F=1
)より高い準位(F=2)にある電子をF=1の準位に落とすためのマイクロ波の存在が
原子発振器として動作させるに当たって非常に重要であり、そのマイクロ波の強度を十分
高めるためにキャビティが用いられる。そして、キャビティ3内に取り付けた放射用アン
テナ4から6.83468・・GHzを送出し、この周波数に同調をとるようにキャビテ
ィ3は設計されている。しかし、マイクロ波をキャビティ3内に安定的に供給するために
は、キャビティ3内に備えられたRbガスセル6内のルビジウム金属の移動を少なくして
、キャビティ3内にマイクロ波を効果的に発生させる必要がある。本発明のキャビティは
この要求に応えるために発明されたものである。
図2は本発明の一実施形態に係るキャビティの構成図である。図2(A)は側面図、図
2(B)は基板を除いたときの正面図である。尚、本実施形態では、内部の配置を破線で
表している。
このキャビティ3は、Rbガスセル6を内部に保持すると共に、ガスセル6を所定の温
度に維持する円筒状のガスセル熱筒20と、ガスセル熱筒20の円筒内の長さを調整して
同調周波数を調整する同調調整用リング21と、ルビジウムガスを充填するガスセル本体
31及びガスセル本体31内で気化し切れないルビジウム金属を貯留するためにガスセル
本体31の適所から外部に突出した金属溜まり部(以下、チップ部と記す)23を備えた
筒状のRbガスセル6と、マイクロ波をRbガスセル6に放射する放射用アンテナ4と、
Rbガスセル6を透過した光の強度を検出するフォトセンサ7と、共振波長を短縮する誘
電体22と、を備えて構成されている(図2(A)参照)。また、放射用アンテナ4及び
フォトセンサ7は基板26に実装され、基板26がネジ25によりガスセル熱筒20に固
定されている。尚、図示は省略するが、ガスセル熱筒20を所定温度に保持するためにガ
スセル熱筒20の適所にヒータ(例えば、加熱用途にトランジスタを用いたトランジスタ
ヒータ)が備えられている。
本実施形態では、後述する製造方法により製造されたガスセルを使用することにより、
チップ部23を低温部に配置する必要がなくなり、キャビティ3に切り込みや通気孔とい
った加工が必要なくなる。その結果、ガスセル6内のルビジウム金属をチップ部23に集
めることができ、ルビジウム金属の拡散を防止し、キャビティ3内にマイクロ波を効果的
に発生させることができ、小型で且つ高安定なルビジウム原子発振器100を実現するこ
とができる。
図3は本発明の一実施形態に係るガスセルの製造方法を説明する図である。図3(a)
は、ガスセル連結体(撞木)の構成とガスセル製造装置の構成を模式的に表す図である。
図3(b)は、連結枝管を加熱して再結晶化を行なっている図である。図3(c)は、完
成したガスセル本体の外観図である。尚、図3(a)は、ガスセル連結体を製造する一例
であり、この外の方法により製造しても構わない。
まず図3(a)について説明する。このガスセル製造装置200は、連結管本体47と
、この連結管本体47の側面に分岐して連通連結された複数の連結支管32と、各連結支
管(A〜N)32の先端に連通連結されたガスセル本体31と、を備えてガスセル連結体
30を構成している。尚、ガスセル連結体30には、ガスセル連結体30内の気体を抜気
する開口部48と、ルビジウム金属を供給する開口部49も併せて備えている。そして、
開口部48にはガスセル連結体30と真空ポンプ44間の気体の流れを断接するバルブ4
5が備えられ、開口部49には本体47内とルビジウム金属供給部33間の気体の流れを
断接するバルブ46が備えられている。また、ガスセル連結体30内のルビジウム金属を
ガラス内面に化学結合させる高周波電源38と、開口部48に接続されガスセル連結体3
0内の気体を抜気する真空ポンプ44と、開口部49に接続されガスセル連結体30内に
ルビジウム金属を供給するルビジウム金属供給部33と、を備えている。尚、高周波電源
38は高周波発生部36と高周波コイル37とを有し、ガスセル本体31の外部から高周
波エネルギを供給する構成である。尚、複数のガスセル本体31に同時に高周波エネルギ
を供給するようにしても良い。また、ルビジウム金属供給部33は例えばヒータ35によ
り加熱してルビジウム金属34を拡散して供給するようにしても良く、他の方法でも構わ
ない。
次に、本実施形態のガスセル製造装置による製造工程の概略動作について説明する。本
発明のガスセルの製造工程は、まず複数のガスセルを1回の工程で製造するために、連結
管本体47と、この連結管本体47の側面に分岐して連通連結された複数の連結支管32
と、各連結支管32の先端に連通連結されたガスセル本体31と、を備えたガスセル連結
体30を用意する。この段階では、ガスセル連結体30は単なるガラス容器であり、連結
支管32も長めに構成されている。次に、そのガスセル連結体30の中に存在する空気等
の気体を抜気して内部を真空にする。この抜気工程に必要な開口部48は予め形成してお
く。次に、真空となったガスセル連結体30の中に外部からルビジウム金属34を封入す
る。この工程は次のRF処理のための前段階である。次に、外部から高周波エネルギを与
えて、内部のルビジウム金属34を活性化してガラス内面にルビジウム金属を強制的に化
学結合させる(RF処理)。この工程によりガスセル連結体30内のルビジウム金属が減
少するので、次に最終的に必要な量のルビジウム金属を再び封入する。次に、連結支管3
2に化学結合したルビジウム金属を除去するために、加熱して再結晶化を行なう。そして
連結支管32を熱により適当な長さに切り離す。これにより、最適な長さのチップ部23
を備えたガスセル6が完成する。これにより、大量に且つ特性が均一なガスセルを容易に
製造することができる。
次に、本実施形態に係る製造装置によるガスセルの製造工程について図4を参照して説
明する。図4は本発明のガスセルを製造する工程を説明するフローチャートである。
まず、連結管本体47と、この連結管本体47の側面に分岐して連通連結された複数の
連結支管32と、各連結支管32の先端に連通連結されたガスセル本体31と、を備えた
ガスセル連結体30を用意する(S1)。
次に、予め製造されたガスセル連結体30のバルブ45を開放し、バルブ46を閉鎖す
る。そして真空ポンプ44を開口部48に接続し、ルビジウム金属供給部33を開口部4
9に接続する。この状態から真空ポンプ44を駆動して本体47内の気体を抜気する(抜
気工程)(S2)。
次に、抜気が完了するとバルブ45を閉鎖して、バルブ46を開放しルビジウム金属供
給部33からルビジウム金属34を封入する(封入工程)(S3)。
次に、バルブ46を閉鎖し、高周波電源38を駆動してガスセル本体31に高周波エネ
ルギを供給するRF処理を行う(エネルギ供給工程)(S4)。これにより、化学的に結
合されたルビジウム金属39がガラス内面に生成される。
即ち、ガラス材に有水石英を使用した場合、表面に水酸基(OH基)を多く配列してお
り、無水石英に比べてルビジウム金属を化学的に引き付けにくいが、一部水酸基が欠落し
ている部分が存在し、その部分にはRb+イオンが引き付けられやすいので長期的に見る
とガラス内面にルビジウム金属が化学的に結合してガスセル内部に封入したルビジウム金
属が減少してしまう。そこで、エネルギ供給工程(RF処理)により、この影響を低減す
るために、ガラス内面にルビジウム金属を強制的に化学結合させるものである。
次に、バルブ46を開放しルビジウム金属供給部33から最終的に必要な量のルビジウ
ム金属34をガスセル連結体30内に再封入する(再封入工程)(S5)。
次に、図3(b)のように、ガスセル連結体30に形成された連結支管32をガスバー
ナ40等により加熱して(S6)、ガスセル本体31をガスセル連結体30から切り離す
(加熱工程)(S7)。本工程では、RF処理後に、連結支管32のみ加熱してRF処理
の効果を取り除いて(ガラス内面にルビジウム金属が化学結合することを低減する処理)
、チップ部23にルビジウム金属が集まりやすくする。それにより、図3(c)のように
チップ部23が形成され、その内部には再結晶化部43が形成される(S8)。そしてガ
スセル6が完成する(S9)。ここで、S3或いはS5の工程において、ルビジウム金属
と共に緩衝気体(窒素とアルゴンを適当な比率しで混合した気体)を微量封入するように
してもよい。このようにすると、遷移線のドップラー幅を狭くし、光の再吸収を防ぎ、ポ
ンピングの効率を良くすることができる。
尚、本実施形態では、製造装置200により、同時に複数のガスセルを製造する方法に
ついて説明したが、ガスセル本体と、このガスセル本体と連通連結された支管部と、を備
えたガスセルに、夫々の内面にルビジウム金属を化学結合させ、その後、所定量のルビジ
ウム金属を封入し、支管部を加熱してこの加熱箇所のガラス成分を再結晶化させて、ガス
セルを製造しても良い。このように、単体で存在するガスセルの支管部を加熱することに
より、その部分を再結晶化してルビジウム金属が拡散するのを防止することができる。
また、ガスセル6は透明性が高く、気泡や筋などが少ないことが必要である。その点、
酸水素ガスにより溶融する方法は、透明度が高く、外観が非常に良好で、気泡や筋などが
少なくすることができる。
また、ガラス材として有水石英を使用した場合、透明度が高く、外観が非常に良好で、
気泡や筋などが少ない特徴を有しており、表面に水酸基を多く配列しているが、一部水酸
基が欠落している部分が存在し、その部分にはRb+イオンが引き付けられやすいので長
期的に見るとガスセル内部に封入したルビジウム金属量を減少させるといった欠点がある
。しかし、その欠点は上記の加熱工程によるRF処理により補うことができる。
本発明のルビジウム原子発振器の概略構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係るマイクロ波共振器の構成図である。 本発明の一実施形態に係るガスセルの製造方法を説明する図である。 本発明のガスセルを製造する工程を説明するフローチャートである。
符号の説明
1 ランプ励振部、3 マイクロ波共振器、4 放射用アンテナ、5 Rbランプ、6
Rbガスセル、7 フォトセンサ、8 光マイクロ波ユニット、9 Amp、10 位
相弁別器、11 低周波位相信号発生器、12 周波数逓倍合成変調部、13 電圧制御
水晶発振器、20 ガスセル熱筒、21 同調調整用リング、22 誘電体、23 金属
溜まり部、26 基板、30 ガスセル連結体、31 ガスセル本体(A〜N)、32
連結支管、33 ルビジウム金属供給部、34 ルビジウム金属、35 ヒータ、36
高周波発生部、37 高周波コイル、38 高周波電源、44 真空ポンプ、45、46
バルブ、47 連結管本体、48、49 開口部、100 ルビジウム原子発振器、2
00 ガスセル製造装置

Claims (6)

  1. ルビジウムガスを充填するガスセル本体及び該ガスセル本体内で気化し切れないルビジ
    ウム金属を貯留するために前記ガスセル本体適所から外部に突出した金属溜まり部を備え
    たガスセルの製造方法であって、
    連結管本体と、該連結管本体の側面に連通連結された複数の連結支管と、前記各連結支
    管の先端に連通連結された前記ガスセル本体と、を備えたガスセル連結体を用意する工程
    と、
    前記連結管本体から負圧を供給することにより各ガスセル本体及び各連結支管内を含む
    前記ガスセル連結体内を真空状態とする抜気工程と、
    該抜気工程により内部を真空化したガスセル連結体内に所定量の前記ルビジウム金属を
    封入する封入工程と、
    該封入工程によりルビジウム金属が封入された少なくとも前記ガスセル本体と連結支管
    に外部から高周波エネルギを供給するエネルギ供給工程と、
    必要な量の前記ルビジウム金属を少なくとも前記ガスセル本体及び連結支管内に再封入
    する再封入工程と、
    前記連結支管を加熱して前記ガスセル本体を前記ガスセル連結管本体から切り離す加熱
    工程と、
    を備えたことを特徴とするガスセルの製造方法。
  2. 前記エネルギ供給工程は、前記ガスセル連結体に封入されたルビジウム金属に外部から
    高周波エネルギを供給することにより、該ガスセル連結体の内面に前記ルビジウム金属を
    強制的に化学結合させる工程であることを特徴とする請求項1に記載のガスセルの製造方
    法。
  3. 前記加熱工程は、前記連結支管を加熱することにより、該加熱箇所のガラス成分を再結
    晶化させて、該加熱箇所に化学結合したルビジウム金属を除去する工程であることを特徴
    とする請求項1に記載のガスセルの製造方法。
  4. 少なくとも前記ガスセル本体及び前記連結支管は有水石英ガラスであることを特徴とす
    る請求項1乃至3の何れか一項に記載のガスセルの製造方法。
  5. ガスセル本体と、該ガスセル本体と連通連結された支管部と、を備えたガスセルであっ
    て、
    前記ガスセル本体及び前記支管部の内面にルビジウム金属を化学結合させた後、所定量
    のルビジウム金属を封入し、前記支管部を加熱して該加熱箇所のガラス成分を再結晶化さ
    せることを特徴とするガスセル。
  6. 請求項1乃至4の何れか一項に記載のガスセルの製造方法により製造されたガスセル又
    は請求項5に記載のガスセルと、マイクロ波を前記ガスセルに向けて放射する放射用アン
    テナと、を有するマイクロ波共振器を備えたルビジウム原子発振器であって、
    前記マイクロ波共振器は、前記ガスセル全体を当該マイクロ波共振器内に収容する構成
    としたことを特徴とするルビジウム原子発振器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008192722A (ja) * 2007-02-02 2008-08-21 Epson Toyocom Corp 遠心貯留器及びルビジウムランプまたはルビジウムガスセルの製造方法
JP2008258342A (ja) * 2007-04-04 2008-10-23 Epson Toyocom Corp ルビジウムランプの製造方法、ルビジウムランプ及びルビジウム原子発振器
JP2013125907A (ja) * 2011-12-15 2013-06-24 Ricoh Co Ltd 原子発振器の製造方法
JP2016058807A (ja) * 2014-09-08 2016-04-21 セイコーエプソン株式会社 原子セル、原子セルの製造方法、量子干渉装置、原子発振器、電子機器および移動体

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